GT悟空たちが幻想入り(ドラゴンボールGT×東方Project)

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29 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/19(土) 19:07:35.06 ID:x1dcy/MZ0
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30 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/19(土) 19:12:28.49 ID:x1dcy/MZ0


悟空「ほんとか!?霊夢!」
 

霊夢は咲夜の倒し方がわかったというのだ。咲夜もそれを聞いて目をしかめ、ナイフの先を霊夢に向ける
 

咲夜「へえ、面白いわね...どう倒してくれるのかしら!」


再び、赤い目となった咲夜が能力を発動させた!一瞬で咲夜の周りの空間を停止していく。そう、咲夜の能力は時間停止、無条件で全ての時を止める能力であった!
 

咲夜「この能力がある限り、私は負けないわ」
 

咲夜は誰に言うわけでもなくそう呟きながら、悟空と霊夢に歩み寄りながら2人に向けて、ナイフを投げる。ナイフは能力の影響でその場で停止していた。咲夜が2人の間を通り抜けて後ろに行こうとしたその時…
 

咲夜「がっ!?」
 

動けないはずである霊夢の渾身の蹴りが咲夜の腹に入る!完全に無防備であった為、せき込みながら咲夜はその場で倒れ込んだ!
 

咲夜「な、なぜ...ごふっ!こ、この停止した空間で...」
霊夢「動けるのかって?さあ、何でだと思う?」
 

能力の時間切れか咲夜の展開した空間は消え、元の空間に戻る。悟空は迫り来るナイフを全て弾くと自分と霊夢の間にいた咲夜に驚いている。咲夜は何とか立ち上がり、苦しげな表情でこちらを睨みつけた
 

悟空「いってえどうなってんだ?霊夢、オラに説明してくれよ」
霊夢「仕方ないわね...あんたも聞いておくといいわ。その能力の弱点をね」
 

霊夢は咲夜の持っているナイフを指差す。ナイフに謎があるのだろうか?悟空も見てみるが何の変哲もないナイフに見えていた


悟空「ナイフに何かがあんのか?オラには何もないように見えるけど...」
霊夢「ナイフ自体には何もないわ。ただし、そのナイフはマーキングか何かしてるのかあいつの能力の干渉を受けず使用することができるの」
 

どういうことかわからない様子で悟空は首を傾げる。それと能力がいったい何の関係があるのだろうか...その時、咲夜はハッとした顔をしてナイフの数を確認する
 
31 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/19(土) 19:17:27.85 ID:x1dcy/MZ0


咲夜「ま、まさかあなた...私のナイフを...!」
霊夢「ご明察、これを持っていたらあなたの能力で時の止まった世界でも動ける事がわかったわ」
 

霊夢が懐からナイフを取り出す。あれは先ほど霊夢の顔にめがけて放たれたナイフであった!


悟空「時を止める...それがあいつの能力だったんか...!」
咲夜「なるほど、まさか私の能力にこんな弱点があるなんて思わなかったわ...」


時を止める事が出来るのならば、確かに今までの咲夜の動きにも納得がいく。強力な能力ではあるが...
 

霊夢「ネタが割れればこっちのものよ!さあ、いくわよ!孫くん」
悟空「おう!いくぞ!」
 

悟空と霊夢が咲夜にトドメを刺すべく踏み出した!咲夜は時間を止めて、距離をとろうとするが止まった時の中を動ける霊夢が追撃していく!
 

霊夢「形勢逆転ね。えらく能力に自信を持っていたみたいだけどこんなものなの?」


ナイフを片手に霊夢の攻撃を防いでいくが、少しずつ後退していく咲夜。そこで時の流れも元に戻り、悟空も動き出す!
 

悟空「!?今度はそこだな!」
咲夜「くっ、ぐうっ...時を止めるだけが私の能力ではないわ...!私の奥の手を見るがいい...」
 

悟空と霊夢の連携攻撃に押される咲夜。このままではやられるとみた咲夜は奥の手を発動させた!
 

悟空「なっ!?うわぁっ!!」
霊夢「きゃあっ!?」
 

咲夜のスピードが急に上がり、悟空と霊夢を吹き飛ばす。咲夜は自らの時の流れを加速させたのだ!そして、咲夜は2人が怯んでいるその隙を突き、超スピードで姿を消す
 

悟空「あ、あいつはどこにいったんだ?」
 
32 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/19(土) 20:30:11.60 ID:x1dcy/MZ0

この館の中では気を感じ取れない悟空は辺りを見渡すが姿は見えない。おそらく、柱の陰に隠れて攻撃の隙を窺っているのだろう。霊夢は冷静に対処法を考えていた。そして...


霊夢「孫くん、私のそばから離れないでね...封魔陣!!」
 

悟空に静止するように述べた霊夢は札のようなものをどこからか取り出し、高らかに宣言する!そして相手の行動を封じる結界、封魔陣を広げていく。それは瞬く間に2人の周りを包んでいった


咲夜(...さて、そろそろ仕掛けましょうか)


それを知らずに2人が感知できない超スピードで霊夢たちに近付く咲夜。霊夢たちとの距離が数メートルとなったその時に突如、咲夜の身体に異変が起こる!
 

咲夜「なっ!...うごけ...ないっ!?くっ...!」


咲夜の身体が動きを止める。霊夢の封魔陣で咲夜は行動を封じられたのだ!咲夜は身体を動かそうともがき、結界の場所から抜け出そうとするがその隙を見逃す2人ではない
 

悟空「かかったな!」
霊夢「そして、このまま結界に封じる!!二重結界!」
 

咲夜が怯んでいるその隙に霊夢の二重結界が咲夜を包む!捕らえられた咲夜は中から攻撃し、結界を壊そうとするがびくともしない


霊夢「しばらくそこでじっとしていてもらうわ。さっ、先に進むわよ」
 

手で髪の毛を翻して結界に封じられた咲夜の横を通り過ぎていく霊夢。悟空も変身を解き、それについていく


悟空「おめえ、やるなぁ!オラ、おめえとも戦ってみたくなったぞ!」
霊夢「私は嫌よ。戦うの好きじゃないし、めんどくさいから」
 

そんな会話を尻目に結界に封じられた咲夜はエントランスホールの頭上に飛んでいる蝙蝠を見て考える
 

咲夜(...私が敗れるなんて...でも、お嬢様ならあるいは...)
 

蝙蝠はしばらく咲夜の周りを何度か旋回した後、どこかへ飛び去っていった


 
33 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 08:52:56.52 ID:P04kRsk60

 

一方そのころ...落とし穴に引っかかった魔理沙はと言うと...

 

紅魔館 大図書館

 

魔理沙「う〜ん、結構歩き回ってみたが...周りは本、本、本...」
 

落とされたという事はここは地下の部屋。そこにはたとえ魔理沙が一生をかけても読むことができない数の本があった
 

魔理沙「普段なら大歓迎なんだが、状況が状況なだけにな...まあ良さそうな本は借りていくが」
 

魔法に関する見たことがない本と薬草についての本を物色していく。魔理沙の言う借りるというのは盗むという事なのだ。そんな事をしばらく続けていると魔理沙はある扉を発見する
 

魔理沙「扉か、開けてみるか...これは...ここからさらに地下へ続く階段?...ちょっと気になるな」
 

落とし穴で下に落とされたはずなのにまだ下がある。これに何かがあるに違いないと考えた魔理沙は地下へ続く階段に足を踏み入れた
 

???「そっちは出口じゃないわよ?」
 

後ろから小さな声だが透き通った声が聞こえる!?後ろを振り向くとそこには紫色のゆったりとしたローブを着た小柄な女性がいた
 

魔理沙「誰だっ!?」
 

急に現れた事もそうだが、彼女から感じる魔力が魔理沙を焦らせる
 

魔理沙(この尋常じゃない魔力量...こいつ...私とは比べ物にならないほどの高レベルな魔女か...!!)
 

この少女から感じる魔力に魔理沙は格の違いを思い知る。魔理沙の額には汗もにじみ出ていた。だが、それを表情には出さないようにポーカーフェイスで語りかける

34 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 08:57:27.10 ID:P04kRsk60


魔理沙「もう一度聞くぜ?お前は誰だ。この異変の関係者か?」
パチュリー「私はパチュリー、覚えなくてもいい。確かにこの異変の関係者ではあるわ。でも、そんなことはどうでもいいの...そこは出口じゃないから引き返しなさい」
魔理沙「...お前、霧を起こしてる連中の中の一人だろ?そんな奴の言うこと...聞くと思うか?」
 

そう魔理沙は言うとパチュリーから強大な魔力が溢れ出す!腕でその魔力を払い、魔理沙も箒に乗って臨戦態勢に入った


パチュリー「引き返さないと後悔することになるわ。そっちには化け物がいる...引き返しなさい...!」
魔理沙「っ...おお〜怖い怖い。よほどこっちには見られたくない何かがあるってことだな」
 

パチュリーの警告を鼻で笑いながら応える魔理沙。パチュリーはもう一触即発の状態にある。それを見た魔理沙はパチュリーが動く前に開かれている扉の中、すなわち地下室に向けて飛んでいった!
 

魔理沙「...ふっ、私のスピードについてこれるか!?」
パチュリー「っ...まずいことになったわ.早くあの馬鹿を止めないと...!」
 

そして、パチュリーもすぐさま魔理沙を追うべく地下室へ入っていった
 


地下室の部屋で何かがそっと立ち上がる。地下室に侵入した2人の気配を感じ、動いたのだ。それは狂ったように大きな声で笑うと、厳重に鍵がかけられた扉を触れることなく破壊する
 
35 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 08:59:52.84 ID:P04kRsk60

 

紅魔館 ???

 

魔理沙(この先に異変に対する手掛かりがあると見たぜ...!)
 

箒で宙に浮き、地下に続く階段を降りていく魔理沙。やがて、薄暗い廊下が見えてきた。石でできた一本道の廊下を魔理沙は進んでいく!


魔理沙「このまま...っ!うわっ!?」
 

後ろから光弾が放たれ、魔理沙の横をすり抜けていく!当たらなかったものの後ろを振り向くとパチュリーが迫ってきていた
 

パチュリー「止まりなさい!この先にはいかせないわ!!」
魔理沙「ふう...あいつを倒さねえことには先には進めないか。こいよ、魔女!現代の魔法使いの戦い方を見せてやるぜ!」
 

魔理沙はその場で止まり、次々に放たれてくる光弾を迎え撃つ。そして、魔理沙の数十メートル離れた所でパチュリーも止まった。それを見て、レーザーを放ち先手を打つ魔理沙だが、パチュリーの周りに炎が燃え広がりレーザーは防がれる
 

パチュリー「ふん、馬鹿ね...燃えなさい!アグニシャイン」
 

パチュリーの周りの炎が魔理沙に飛んでくる!魔理沙の人間が編み出した魔法とは違う、本物の魔法使いの魔法だ。魔理沙は迫り来る炎を自らの魔力を手に宿し弾く


魔理沙「おっと、あぶねえ!炎の魔法か...!」
パチュリー「まだよ。プリンセスウンディネ!」
 

炎を防いだ魔理沙に今度は水の泡のような段幕を放つパチュリー。その攻撃に魔理沙は舌打ちをしながら応える
 
36 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 09:01:53.01 ID:P04kRsk60
 

魔理沙「...!ちっ、イリュージョンレーザー!!」
パチュリー「甘いわ、シルフィホルン!」
 

レーザーでかろうじて水の魔法を弾く魔理沙だが、そこにさらに吹き荒れる突風が襲いかかる!この連続魔法に魔理沙もついには被弾してしまう

 
魔理沙「くそっ!なんて速さの詠唱だ...!追いつけねえ!うっ、おおっ!!」


風が魔理沙の身を切り裂いていく!腕で頭と胸を覆い隠し、何とか致命傷は防いだがパチュリーの方を見ると次の呪文を放とうと詠唱していた
 

魔理沙「おいおい...う、嘘だろ...」
パチュリー「ふうっ...レイジィ...トリリトン!」
 

パチュリーの形成した魔法陣から鋭く尖った岩石が生まれる。そして、それらは魔理沙に突き刺さろうと襲い来る!魔理沙もありったけの魔力を込め、岩石を止めようとするが勢いを殺しきれず廊下の壁に激突した


魔理沙「うぐっ!逃げることで、精一杯だ...!さすがは、魔女だぜ...」
 

フラフラになりながらも何とか立ち上がるが、次の魔法が飛んできていた。それを紙一重でかわす


パチュリー「はあ...はあ...メタル、ファティーグ!!」
魔理沙「マジックミサイル!!...?なんだ、あいつ...様子が...」
 
37 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 09:06:24.39 ID:P04kRsk60

金色の金属が魔理沙に向かって放たれるが、魔理沙は咄嗟にミサイルを形成し爆発させる!先ほどまでの魔法とは違い、咄嗟に出した魔法で対応できた事から魔法の威力が落ちていることに気がつく。不審に思い顔をあげるとパチュリーは息を切らせ、苦しげな表情をしていた


パチュリー「ごほっ...ごほっ!...くっ、まだよ...シルバー、ドラゴン...!」
 

魔法で具現化した竜が魔理沙に向かってくる!やはり、先ほどまでの圧倒的な威力はなく、魔理沙は相殺すべく今撃てる自分の最強の魔法を放つ!
 

魔理沙「スターダスト、レヴァリエっ!!...もしかしたら、あいつ...満足に魔法を詠唱できないんじゃないか?」
 

そう思った魔理沙はミサイルを形成し、パチュリーに向けて放つ!それはバリヤーで防がれたが、パチュリーは咳き込み、膝頭を地につけている


パチュリー「ぐうっ...はぁっ...げほっ...!!」
魔理沙「やっぱりそうだ!それにこんな高度な魔法を連続で唱えまくったんだ。ある程度の負荷がかかるはず...狙うなら...」
 

隙を窺う魔理沙。立ち上がったパチュリーは魔力を貯め、魔法陣を形成する
 

パチュリー「くっ...エメラルドメガ...」


魔法陣から魔法を放とうとするその瞬間、魔理沙が動き出す!
 

魔理沙「今だっ!くらえっ!!」

 
38 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 09:10:07.58 ID:P04kRsk60

魔理沙は発射のタイミングに合わせて、魔法陣に向け光弾を撃った!すると魔法陣はその場で爆発を起こし、近くにいたパチュリーを巻き込む!パチュリーの華奢な身体は大きく吹き飛び、床に叩きつけられた


パチュリー「っ!!ぐっ...げほっ!はあ...はあ...」
魔理沙「お、おい!大丈夫か...?わ、悪い、ここまでやるつもりは...」
 

咳き込み、吐血するパチュリーに魔理沙は慌てて駆け寄り抱き寄せる。しまった、やりすぎたと魔理沙が思っていると…
 

パチュリー「わ、私も...衰えた、ものね...はあ、はあ...こんな、こんな子供に...喘息さえなければ...」 


喘息でまともに詠唱出来ない...それ以外にもこの軽さ...おそらく身体もだいぶ弱いのだろうと魔理沙は考える
 

魔理沙「...魔法使いとしての実力はお前の方がはるかに上さ。もし、お前の身体が何ともなかったんなら、私は確実にやられてたと思うぜ」
 

魔理沙は素直にパチュリーに向けて賞賛の言葉を贈る。魔法使いとしての力は完全にパチュリーに負けていた。まだまだ修行不足ということを魔理沙はひしひしと感じている
 

パチュリー「...あなたの...名前は...?」


パチュリーは魔理沙の目を見据えて問いかける
 

魔理沙「霧雨魔理沙、普通の魔法使いだぜっ!」
パチュリー「霧雨魔理沙...覚えたわ。あなたの...名前...」
 

魔理沙の名前を一言一句、噛み締めるようにして呟くパチュリー。魔理沙はニッと笑顔で応えた
 

魔理沙「ああ、偉大な魔法使いの名前をしっかりとその胸に刻んでな」


と魔理沙が格好つけた瞬間、おぞましい気配が魔理沙の背筋を凍らせた。何かがこの廊下の先からゆっくりと近づいている...素足なのであろうひたひたという音が聞こえてきていた
39 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 09:14:30.29 ID:P04kRsk60


???「すごい、すご〜い!」
 

声を聞いて魔理沙は震え上がる。純粋な殺意、それを向けられて恐怖で身がすくんでいた。奥から小さな少女が笑顔で近づいてきていたのだ。だが、その背には羽根。身にまとうのは絶大な魔力だ


パチュリー「こ、この声は...地下室から出ていたの...!?」
 

この少女の接近にパチュリーも魔理沙と同様に驚愕していた。この館にいるということはパチュリーの仲間ということになるはずだが...
 

???「魔理沙、強いね。あのパチュリーに勝っちゃうなんて!」


一定のリズムで拍手をしながら一歩、また一歩と近づいてくる。近づかれるたびに少女の圧倒的な力が辺りを満たしていく
 

パチュリー「に、逃げて...あの子には...敵わない...レミィの助けを...ごほっ!」
魔理沙(ああ、私にだって力の差はわかる...あいつは変身した悟空以上の化け物だ...!)
 

警告するパチュリー、魔理沙も逃げることは大賛成だ。おそらく、目の前の少女と魔理沙では力量に天と地ほどの差がある。だが...まず、ちょっとした好奇心から魔理沙は少女に質問をすることにした
 

魔理沙「質問1、お前は誰だ?」
フラン「私の名前はフランドール。フランって呼んでね♪」


純粋な笑顔を向けるフランと名乗る少女。可愛らしい笑顔なのだが、対峙している魔理沙には薄気味悪く見えていた
 

魔理沙「フラン...質問2、お前は何者だ...?」
フラン「私?私はね、吸血鬼だよ」
 

吸血鬼...民話や伝説に登場する存在で、人間の血を吸い、それを栄養とする不死の存在。魔理沙はそう記憶している
40 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 09:17:25.61 ID:P04kRsk60


魔理沙「吸血鬼...ほんとに何でもありだな。16年生きてきたけど、吸血鬼を見るのは初めてだぜ」
フラン「そう?私もこの495年間で生きた人間を見るのは初めてだなぁ」
魔理沙「何だ、年上か...!そうは見えないな...」


と魔理沙が言ったところで少女は狂ったように笑いだした。瞬間、魔理沙の身体がビクッと揺れる。一瞬でも気をゆるませでもしたら殺されてしまうと魔理沙は考え、彼女の行動を警戒した
 

フラン「うふふっ...あはっ...あははははっ!!私はずっとこの地下室に住んでるの!ずっと...ね?」


莫大なオーラがフランの周りから溢れ出す!廊下の壁にかけられているランタンが衝撃で落ちる!薄暗い地下の道に闇が広がった。灯りもなく、まさに一寸先は闇だ

 
「「...っ!」」


闇の中から発せられるその圧倒的な気に当てられた2人は身体が震え出す。身の危険を感じているのだ。これ以上は死の危険があると...
 

フラン「暇で暇で仕方なかったんだぁ...だから...」
 

オーラの放出が急に止まり、向けられていた純粋な殺意も消える。不気味にこちらに笑いかけた後…
 

フラン「遊んで?」
 

そう呟いた。その瞬間、魔理沙はパチュリーを抱えて全速力で引き返す!
 
41 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 09:19:28.37 ID:P04kRsk60
 

魔理沙「逃げる!あんなやつに勝ち目なんてない...!」
パチュリー「む、無駄よ...すぐに追いつかれるわ」
 

魔理沙は後ろを振り返り、彼女の様子を見る。フランはこちらを見ながら不気味に微笑み、ゆっくりと歩いてくるのが見えた
 

魔理沙「任せろ!スピードには少し自信があるんだぜ?」
 

瞬く間に大きく離れた魔理沙を見ていたフラン。しばらくして、指を加えながら羽根を伸ばした後、尋常ではないスピードで魔理沙との距離を詰めていく!
 

フラン「あははっ...鬼ごっこ?楽しいなあ!!」
 

無邪気な少女のそんな声が風を切る音とともにこの廊下にこだました...


42 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 09:20:06.84 ID:P04kRsk60

次回予告

咲夜を倒し、ついに異変を起こした張本人を見つけたオラと霊夢
あいつ、小さな身体をしてるけんど力は本物だ!
オラも力いれていかねえと勝てねえぞ!
次回「レミリアとフランドール、2人の悪魔」
ぜってえ見てくれよな!

43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/20(日) 13:31:13.15 ID:jry4I3Pj0
第3話「レミリアとフランドール、2人の悪魔」



紅魔館 ホール



咲夜を破り、長い廊下を抜けた悟空と霊夢は広々とした大きさのホールに出る。窓を見ると綺麗な満月が映し出されていた。ホールの天井には二匹の蝙蝠がこちらを観察するように止まっている
 

霊夢「まったく、無駄に広いんだから...さっさと私は異変を解決して寝たいのに...」
悟空「いいこと考えたぞ!この部屋を破壊したら親玉が出てくんじゃねえか?」
霊夢「バカ、それじゃ私たちが悪者みたいじゃない」

 
そんな会話をしているとふいに悟空は天井の蝙蝠を見た。増えている?先ほど見たときは2匹だったはず...なのだが、今は5匹となっていた。蝙蝠たちはやはり、こちらを見ている


悟空「何か気味悪いな...霊夢、ここには何もねえみてえだ。先に進もうぜ」
霊夢「みたいね。もう夜よ...お腹もすいてきたわ」
悟空「そういえば...オラもずっと何も食べてねえ...腹減っちまった...」


ベビーとの戦い以降何も食べてないことに気がつき、悟空は空腹を訴える。今までは色々あって気がつかなかったが悟空は食べ物を丸一日は食べてない
44 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 13:35:23.49 ID:jry4I3Pj0


霊夢「帰ったら何か食べさせてあげるわよ。今はさっさと終わらせることだけを考えなさい」
悟空「しょうがねえな...じゃあ、早くいくぞ」
 

警戒しながらもホールを抜けようとしたその時、背後から凄まじいな爆風が吹き荒れる!2人が腕で顔を覆いながら後ろを振り向くと、どこから集まったのか大量の蝙蝠が人型の形を作るように固まっていた


???「美鈴を破り、咲夜まで退けるか...少し人間の力を舐めていたようね」


蝙蝠の集合体からそんな声が聞こえてくる。やがて、大量の蝙蝠の中から小さな手が出てきた。それは、悟空を指差すと...


悟空「ぐっ!?」
 

指先からビームのようなものが放たれた!フリーザの技に似ているが、威力はフリーザの技の比ではない。それにより、悟空はホールの壁に叩きつけられた!霊夢は悟空の方を一瞬見た後、蝙蝠の群れに向かって構える


霊夢「(この威圧感...こいつが...)あんたが異変を起こした張本人ね。迷惑だから、霧を止めなさい」
 

そう霊夢が強い口調で言うと、蝙蝠たちが鳴き声を上げながら霊夢の方へ向かってきた!霊夢はそれを結界で防いで、顔を上げると先ほどの蝙蝠がいた所に小さな羽根の生えた少女がそこに立っている。その少女は霊夢を見て、嘲笑うように応えた


レミリア「この誇り高き吸血鬼、レミリア・スカーレットが、人間の言うことに従うとでも?」
悟空「おめえ、なんかベジータみてえなやつだな...いちち...」


レミリアと名乗る少女が地上へ降り立つと悟空も瓦礫の中から飛び出してきた。身なりはボロボロであるがダメージはさほど受けていない様子

45 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 17:19:39.46 ID:45J25xrk0


霊夢「無事だったようね。孫くん」

 
悟空は霊夢の横に歩いてくる。レミリアは自分の攻撃が悟空に対してダメージがないことを少し驚いていたが、すぐに手で口を覆いクスクスと笑う


レミリア「ふぅん...人間はもろいと思っていたけど、なかなかしぶといわね」
悟空「おめえ、ちいせえ体なのにてえしたパワーだ!さっきの攻撃、なかなか効いたぞ!」


攻撃を受けた腹を触りながら悟空はレミリアに向かって笑いかける。レミリアも幼い少女がするようなものではない不敵な笑みを浮かべて応えた


レミリア「小さいは余計よ。ふっ、やっぱり人間は楽しいわね...それともあなたは人間じゃないのかしら?」
悟空「オラは宇宙人だけんど、地球育ちのサイヤ人だっ!」


通じているのか通じていないのかわからない悟空とレミリアの会話に業を煮やしたのか霊夢が一歩前に踏み出し、拳をレミリアに向けた!
 

霊夢「そんなことはどうだっていいのよ。霧を止めないっていうなら力づくでも止めにかかるわよ?」
 

会話を切られたこと...そして、下に見ていた人間が吸血鬼である自分を倒すつもりでいること...これらのことに腹を立てたのか、凄まじい殺気とオーラを放ちながらレミリアは2人を睨みつけた!
46 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 17:22:52.97 ID:45J25xrk0

紅魔館を揺らす強大なパワーをレミリアから感じた悟空は身体に力を込めた!黄金色のオーラが悟空の身体を伝い、髪の色、目の色が共に変化する!どうやら、悟空も最初から超サイヤ人で戦うようだ



悟空「すげえ力感じんぞ...!今までのやつとは格が違うみてえだ」

霊夢「孫くんがいきなりその姿でいくなんてね...一筋縄じゃいかなそうだわ」



霊夢も超サイヤ人となった悟空を見て、オーラを放出させる。黄金色と白色の気がホールの闇を照らしていく!レミリアは窓の外から見える微かに赤く光る満月を一瞥し、2人に語りかけた



レミリア「ああ...こんなにも月が紅いから、本気で殺すわよ?」

霊夢「はあ...こんなにも月が紅いのに...」



そう告げて威圧するレミリアに対し、霊夢は肩をすくめて溜め息をつきながら応える。悟空も今から始まろうとする戦いにワクワクしながら、伸脚と屈伸をしていた



「「楽しい「永い」夜になりそうね」 」



霊夢とレミリアが互いに言葉を交わすと、レミリアは羽根を広げ、指で挑発する!



レミリア「さあ、せいぜい私を楽しませてみなさい人間!」



圧倒的な力とスピードを持つ吸血鬼である故に強さに自信があるのだ。2人は自身が今出せる最高のスピードでレミリアに向けて、駆け出す!



悟空「いくぞ、霊夢!でりゃぁぁっ!」

霊夢「ええ、はあっ!」
 


黄金の気を纏った拳と渾身の力が込められた飛び蹴りがレミリアに向かって放たれる!しかし、レミリアはそれを避けようともせず、鼻で笑いながら何でもないように2人の攻撃を受け止めていた!
47 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 17:27:30.56 ID:45J25xrk0



レミリア「ふっ...これが全力なのかしら?」

悟空「受け止められた!?うわっ!!」



レミリアの身体全身から衝撃波が放たれ、悟空と霊夢は後方に吹き飛ばされる。2人が顔を上げたとき、レミリアは霊夢の前にいた!一瞬で距離をつめてきたのだ!



霊夢「なっ!うぐっ!?」

悟空「霊夢!?このっ!」



目の前にいる霊夢に向かって、レミリアは拳を握り振り下ろす。霊夢は床に叩きつけられその身体をレミリアが足で踏みつける!それを見た悟空はレミリアに向けて、気弾を放つが...



レミリア「他人の心配をしている暇はあなたにはないわよ?」



悟空が放ったエネルギー弾を片手で弾き返したレミリアはそう言い放ち、宙へ浮かぶ!そして、手を悟空に向けて、地球をいとも簡単に壊せそうな光弾を一瞬で作り出した!
 


悟空「うっ...!?な、なんてでけえエネルギー弾だ...!」

レミリア「消えなさい!」
 


魔人ブウが地球を破壊したあの攻撃と同等、いやそれ以上の力をあの光弾から感じた悟空は自身の身体に当たる一歩手前で姿を消した!
 


レミリア「...?消えた...?」

48 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 17:30:47.15 ID:45J25xrk0



悟空「瞬間移動だ!はぁっ!!」



悟空の姿を見失ったレミリアは眉を顰め、左右を見渡していた。ワンテンポ遅れて、レミリアの死角となる後ろから悟空が現れ、かめはめ波を撃つ!



レミリア「っ!...今のは少し驚いたわよ」



悟空のかめはめ波は見事レミリアの隙を突き、ダメージを与えることに成功するがすぐにその傷は再生する。吸血鬼はピッコロやネイルのようなナメック星人以上の再生能力も兼ね備えていた!傷を回復させたレミリアは超スピードで悟空に迫り、腹に重い一撃を叩き込む!



悟空「があっ...!な、なんてやつだ...死角からの攻撃もたいして効いてねえ」
 


地面に吹き飛ばされた悟空はすぐさま受け身をとるが、手を地面につく。倒れていた霊夢はその場で立ち上がり、宙へ浮かんでいるレミリアを睨む



霊夢「さ、さすがは吸血鬼...パワーもスピードも桁違いだわ。それにあの再生能力...反則級じゃない...」

レミリア「ふっ、今度は...こちらからいくわよ?」


 
レミリアは目にも留まらぬ速さでホール内を飛び回る!超サイヤ人の悟空や実力者である霊夢ですらかすかにしか見えない。そして、レミリアは霊夢の後ろに現れた!



悟空「っ!霊夢っ!!後ろだっ!」

霊夢「うっ!?がふっ...」


49 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 17:33:34.87 ID:45J25xrk0


吸血鬼の力で殴りかかられた霊夢は後方へぶっ飛んでいく!さらにレミリアはクスクスと笑いながら、周りに魔法陣を展開させて、追撃の態勢に入った
 


レミリア「...スターオブダビデ」
 


その魔法陣から一斉にレーザーが放たれ、霊夢を襲う!まともに当たってしまえば良くて戦闘不能、悪ければ死亡する威力だ



霊夢「に、二重結界っ!」

 

何重ものレーザーを二段に張られた結界が弾くが、弾いていくたびに結界がひび割れていく!
 


レミリア「甘いわね。そんな結界じゃこの私の攻撃は防げない」

霊夢「結界が破られたっ!?きゃあぁぁっ!」



結界は割れ、防ぎきれなかったレーザーは霊夢の身を焦がしていく!煙が立ち上ると、服が破けボロボロとなった霊夢がそこにいた



悟空「霊夢っ!大丈夫か!!」

霊夢「はあ...はあ...何とか、ね」



悟空が霊夢の横に降り立つ。悟空の見立てではレミリアの今の力は半分ほどといったところだろう。それでこのざまだ。となれば、勝つためには超サイヤ人の上をいかなければならない!



悟空「こりゃあ出し惜しみもしてらんねえな...」

50 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/20(日) 17:36:18.62 ID:45J25xrk0


レミリア「隠してる力があるなら早く出しておくことね。死んでからじゃ遅いわよ?」



羽をはためかせたレミリアは睨みを利かせて言う。それを聞いた悟空は口角を上げ、気を溜めていく!
 


悟空「ああ、いかせてもらうぜ...!はあぁぁぁっ!!」

霊夢「...!?黄金の輝きが...強く...!」



悟空の髪がさらに激しく逆立ち、青白いスパークが金色のオーラと共に溢れ出ている。そしてなにより感じられる力は先ほどの超サイヤ人の倍以上になっていた
 


悟空「超サイヤ人2だ。さあ...第二ラウンド、始めようぜ?」
 


バチバチとスパークが音をたてる。悟空の余裕の顔を見て、不快そうな顔をするレミリア



レミリア「ふん、それが...どうした!」
 


レミリアが超サイヤ人の時では見切ることが出来なかった速度で悟空に迫り、殴りつける!悟空は片手でそれを受け止めると...



悟空「わからないか?さっきのオラより強いってことだっ!!」
 


回し蹴りでレミリアを吹き飛ばした!そこから、激しいラッシュをレミリアの身体に叩き込んでいく!レミリアはそれを悟空に勝るも劣らないスピードで弾く。その2人のスピードに霊夢も驚愕していた

 

霊夢「私でさえ、目で追うのがやっと...!これが、孫くんの力...」

51 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/21(月) 20:31:03.39 ID:P3TmF+Sh0



レミリア「ふん...このレミリアに一撃、食らわせるなんてね」



ラッシュの攻防の最中、レミリアが呟く。先手の一撃が効いたのだろう、口元からは血が滴り落ちていた

 

悟空「一撃なんて言わずに何発でもぶち込んでやるぜ?」

レミリア「図に乗るな。二度目はないっ!」

 

悟空の言葉にレミリアが激怒し、さらにラッシュの攻防は激しくなっていく!そして、レミリアは顔に放たれた拳を受け止め、それを強引に頭上へと投げ飛ばした。悟空はすぐさま受け身をとり、回転しながら地上に降り立つ。そこにレミリアが指先から連続でビームを放った!

 

レミリア「貴様...まだ力を隠しているな?」

悟空「...さてな。おめえがそれを確かめてみろよ」

 

ビームをかわしつづける悟空にレミリアは問いかける。悟空はビームの間隔を見極めて、瞬間移動で後ろに回り、蹴り上げた!その攻撃はすんでのところでレミリアはかわされ、距離をあけられる



レミリア「認めたくはないけれど、お前は強い。ここまで私について来るなんて...この幻想郷の中でもトップクラスと言ってもいいわ」

悟空「おめえもすげえよ。今のオラとここまで打ち合えるなんて、オラの世界でも数えるほどしかいねえと思う」


「だけどよ「けれど」」


悟空「勝つのはオラだ!!」
レミリア「勝利するのはこのレミリアだ!!」」

52 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/21(月) 20:34:35.57 ID:P3TmF+Sh0

そして、また互角の攻防が始まる!互いに打ち合って、僅かなダメージは蓄積していくが決定打となる一撃は入らない



悟空(どんどん気が高まっていってやがる...あいつも本領発揮ってとこか)



打ち合うたびにレミリアのパワーとスピードが上がっていく。この果てのない競り合いはどこまで続くのだろうか...悟空はそう思うとワクワクが止まらない!



悟空「面白くなってきたぜ!こいっ!!」



悟空も気合いを入れ、フルパワーになろうとしたその時、紅魔館が大きく揺れた!これは悟空でも霊夢でもレミリアでもない。霊夢はこの揺れの出所を探る



霊夢「...?この音...館の地下から?」
 


悟空はレミリアから距離をとり、何かに備える。何やら嫌な気配を感じたからだ。おそらく、レミリア以上の強い力をこの揺れを引き起こしている人物は持っていると悟空の勘が告げている



悟空「...なんだ、この胸騒ぎは...?」

レミリア「よそ見とはいい身分ね!」



辺りを警戒する悟空にレミリアは迫る!悟空はレミリアに戦いを中断するように頼む



悟空「ま、まて!レミリア!これは...」

 

悟空が口を開いたその時、ホールの床から膨大な力のエネルギー波が突き抜けた!幸いそのエネルギー波は誰にも当たることはなかったが、床の穴から聞き覚えのある声が響いてくる



魔理沙「うわぁぁぁっ!!」

霊夢「こ、この声は...魔理沙!?」


53 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/22(火) 08:03:07.71 ID:PAyXvxFZ0



魔理沙「ど、どけどけどけっ!!」



魔理沙が勢いよく穴からホールの天井へと飛び出してきた!乗っている箒には魔理沙の他にもう一人いる


 
霊夢「な、なんであんたが館の床から出てくんのよ!しかも、また知らないやつ乗せてるし...」



紫色のローブのようなものを羽織った細身の少女、彼女は魔女、パチュリー・ノーレッジ。だが、そんなことを霊夢が知る由もない
 


レミリア「パチェ...?そこで何をしているのかしら...」



突然現れた魔理沙の後ろにいるパチュリーにレミリアが話しかけた。パチェとはレミリアがパチュリーにつけた愛称である



パチュリー「れ、レミィ...ま、まずいことに、なったわ...あなたの妹が...」

レミリア「フランが...?」



フランドール・スカーレットことフランはこのレミリアの妹なのである。ちなみにレミィもパチュリーに付けられた愛称だ



フラン「あははっ...みぃつけた」



エネルギー波が貫いた床の穴の中から楽しげな子供の声が聞こえた。魔理沙は慌てて悟空の後ろに飛んでいく。悟空も超サイヤ人2のままで何者かの出現に身構えた
 


フラン「うふふ、もっと遊んでくれるよね...?」

「「っ!?」」


 
54 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/22(火) 08:06:27.17 ID:PAyXvxFZ0

無邪気に笑いながら現れた少女に誰もが戦慄が走った。レミリアと同じ吸血鬼でさることながら身にまとっている力、これは悟空をして息をのむほどであった



霊夢「...これは、手に負えないわね...」

魔理沙「何とか地下室で知り合ったこいつと一緒に命からがら逃げてきたけど、あいつはマジでやばい...まともにやりあったら勝ち目がないぜ」



霊夢と魔理沙はフランを見て考える。今の悟空を含む3人でもフランに勝てるのかと...そんな思考の中、神妙な面持ちをしていたレミリアが口を開く


 
レミリア「フラン...何をしているのかしら?」



妹に向けるには少し厳しめな口調だ。フランは特に気にすることなく笑顔で答える



フラン「ん〜?地下に面白そうなものが入り込んでたから遊んでたんだ」

レミリア「地下室に戻りなさい。今すぐよ」



フランの言葉にレミリアは強く戻るように命じるとフランから笑顔が消える。無表情でじっと見るその目は何を考えているのかレミリアでも読みとることはできない



霊夢「何だか、様子が変よ...向こうにとっても予想外の出来事みたいね」



2人の様子を見ている霊夢は術で自らの傷を治しながら言う。悟空もいつでも動けるように緊張は解かない


魔理沙「お前たちはあっちのちっこいのと戦ってたのか?こっちはあいつと戦ってたんだが...」


魔理沙はフランとレミリアを指差しながら2人に問いかけた
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/22(火) 12:25:18.90 ID:PAyXvxFZ0



悟空「おめえが相手してたあいつはかなりやばいな…多分、レミリア以上の力を持ってる。なにより...」



小さくなった魔人ブウのような何をするかわからない...そんな危険を悟空は感じていた。そして...


 
フラン「...ふふふっ...あははははっ!!」



フランが突然、笑い出した。レミリアを指差して大爆笑している。レミリアは唖然としてフランを見る



レミリア「何が...おかしいのかしら?」

フラン「...ねえ、お姉さま。私はあとどれくらい、地下にいればいいの?」



ふいに笑うことをやめ、真顔になりレミリアに問いかけるフラン。その言葉を聞いてレミリアは息を詰まらせる
 


レミリア「っ!そ、それは...」

フラン「あと一年?それとも十年?百年?千年?」



その言葉からフランは気が遠くなるような年月をあの暗い地下室で過ごしていたことがうかがえる



レミリア「私が...私が許すまでよ...」

フラン「許すまでって...お姉さまはいつまで経っても外へ出してはくれないじゃん!」


56 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/22(火) 12:26:57.35 ID:PAyXvxFZ0

フランはレミリアに詰め寄り、肩を掴んで揺らす。レミリアはうつむき何も答えない。そんなレミリアにフランはとうとう苛立ちを覚えたのか



フラン「私も外にいきたいよ。お月様も見たい...一度だけでもいいから、外に出してよ!!」



レミリアを突き放し、声を荒げるフラン。身体からは様々な感情が爆発したせいか、それらは力となって表面に現れる。もう爆発寸前だ



レミリア「...フランの力は危険すぎるの。だから、力のコントロールができるまで...「...前から思ってたんだ」」
 


レミリアの言葉をふいに遮るフラン。レミリアは顔を上げ、妹を見た。フランは手を開いては閉じて開いては閉じてを繰り返し、悲しげな顔で笑いながら口を開く



フラン「何で、たかだか数年早く生まれただけのお姉さまの言うことを私が聞かなくちゃいけないの?」

レミリアっ!?がっ...はあっ...!」



フランがそう言った瞬間...レミリアの右手が弾け飛んだ。一瞬で右手を失ったレミリアは遅れて顔を歪め、緩やかなスピードで下へ落ちていく



パチュリー「レミィっ!?」



パチュリーが声を上げて、魔理沙の箒から降り、レミリアの所へ飛ぼうとするが身体がついていかない。その場で腰をかがめたところを魔理沙が横で背中をさする


魔理沙「な、何が起こったんだ...!?悟空、何をやってたかわかるか?」
57 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/22(火) 19:09:14.46 ID:J0m73mkc0

魔理沙は悟空に問いかけるが悟空は首を横に振る。霊夢もなにが起こったか分かっていない様子だ。ただ一人、パチュリーは厳しい表情である



パチュリー「あれは...あの子の、能力...!ありとあらゆるものを、破壊する能力よ...!」

霊夢「ありとあらゆるものを...破壊する能力ですって…!?」


 
そして、パチュリーはフランの能力の説明をする。ありとあらゆるものを破壊する程度の能力...すなわちそれは...


 
魔理沙「それってつまり...この世にあるすべてのものを破壊できるってことじゃないのか!?」

パチュリー「...ええ、そうよ」

悟空「けどよ、レミリアはさっき言ってなかったか?力のコントロールができていねえって...オラにはそうは見えなかったけどなぁ」


 
悟空はレミリアの言葉を思い出す。フランは能力を使用してレミリアの右手を破壊した。それを見た限りでは力のコントロールが出来ていないとは思えなかったのだ。その疑問に霊夢が答える


霊夢「今日は満月...吸血鬼や妖怪にとっては一番力が出せる日なのよ。あいつも強化されて力のコントロールも多少、マシになったってとこでしょうね」

パチュリー「その通りよ。今のフランは力を完全にとは言えないけれど、ある程度は制御することができる...けど、それは満月である今日だけ」

悟空「ということは...あいつが外に出ちまったらやばいんじゃねえか...?」


 
悟空の言葉に皆が青ざめる。制御できない破壊の力が人間が住む里でもし使われたのならばどうなるかは考えなくてもわかることだ

58 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/23(水) 11:58:27.67 ID:4amK5ExD0


霊夢「やばいなんてどころの話じゃないわ...!ここでなんとしても止めないと...」

魔理沙「お、おいっ!あれ...」

 
魔理沙が指差すその方向では、今まさにフランがレミリアに向かって破壊の能力を使おうとしている姿が見えた


フラン「最初からこうしておけばよかったんだぁ〜ふふっ!」

レミリア「うあっ...フラ、ン...」


失った右手を押さえ、ふらつきながら立ちあがるレミリア。そこにフランが笑顔で近づきながら、またもや右手を開いて閉じてを繰り返している


フラン「消えて?お姉さま...!」

???「させませんっ!」

 
突然、静止の声が聞こえたと思った瞬間、レミリアの姿がふいに消えた。フランは驚いた表情で周りを見渡している


フラン「...ん?どこに...うっ...!?」

美鈴「お嬢様、ご無事ですか!?」


不意を突いた跳び蹴りがフランの背中に放たれた!フランはホールの壁に激突し、瓦礫に埋もれる。蹴りを放った者、それは紅魔館の門番、紅美鈴であった!そして、そのそばでレミリアを抱き寄せ、応急処置しているのは紅魔館のメイド、十六夜咲夜である


レミリア「咲夜...美鈴...」


レミリアが今にも途切れそうな声が2人の従者に向けて発せられる

59 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/23(水) 12:00:20.66 ID:4amK5ExD0


咲夜「あの巫女にやられた結界が解けて、急いで駆けつけたのですが...」

美鈴「これはいったい、何が起こってるんですか?」

レミリア「フラン...暴走して...ぐうっ...!」


レミリアが失った右手の痛みで顔を歪める。咲夜は傷口を治療していくが...


咲夜「...!吸血鬼の再生が追い付いていない...!」

美鈴「妹君の能力のせいですかね...これは...ぐふっ!?」

咲夜「美鈴!?...はっ...妹、様...」


美鈴がすごい勢いで吹き飛ばされた!咲夜が顔を上げるとそこには片手をこちらに向けたフランが立っていた。咲夜は立ち上がり、レミリアを守るように立ちふさがる


フラン「咲夜...どいて?お姉さまを殺せないじゃん」

咲夜「...本気、なんですか?」


フランの言葉に咲夜が真意を確かめる。しかし、フランは...

 
フラン「本気だよ?だから、どいてよ」

咲夜「だったら...どくわけにはいきませんね!」


咲夜はナイフをフランに向ける。フランは少し驚いたがすぐに笑みを浮かべた

60 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/23(水) 15:01:26.53 ID:iT10oXn70


フラン「やめといた方がいいと思うけどな?私、咲夜は殺したくないよ。ご飯も上手だし」

咲夜「お褒め預かり光栄ですね...ですがそれはきけません...!」


レミリアの姿が消える。咲夜の時を止める能力でどこかに移動させたのだろう。それを見たフランが身体にオーラを纏わせる

 
フラン「じゃあ...しょうがないね...!」

魔理沙「待てよ!」


睨み合う両者の前にエネルギー弾が放たれた。2人がエネルギー弾が撃たれた方向を見ると、悟空と霊夢と魔理沙、魔理沙の箒の後ろにパチュリーがそこにいた。先ほどのエネルギー弾は魔理沙が撃ったものだ


フラン「ん、魔理沙...?どうしたの?今忙しいんだけど...」


邪魔をされて少し不機嫌になったのか、顔を膨らませるフラン。それに魔理沙は指で挑発する


魔理沙「勝手に目移りしてるんじゃねえよ。まだ私との遊びが終わってないはずだぜ?」

フラン「そういえばそうだね〜でも...魔理沙は多分、すぐ死んじゃうよ?」


魔理沙など大したことがないと言わんばかりにフランは返す。魔理沙は少しムッとしたがすぐに取り直した
61 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/23(水) 15:03:34.72 ID:iT10oXn70


魔理沙「...大丈夫だ。今回はこの怖い巫女さんと、お前といい友達になれそうなやつもいるからよ」

霊夢「誰が怖い巫女よ!」

悟空「あいつと友達かぁ...なれんかなぁ...?」

フラン「ふ〜ん、まあ、お姉さまは後で殺せばいっか...いいよ!遊ぼうっ!!」

魔理沙(きた...これで、ひとまずは私たちに関心が向くはずだぜ...)


臨戦態勢に入っていたフランは振り返り、悟空たちと向き合った。圧倒的な力の前に霊夢も魔理沙も緊張で額に汗が滲んでいる。


霊夢「...それで、何して遊ぶのかしら?」


霊夢が問い掛けるとフランは狂ったように笑い出した!宙に少し浮いた後、返答する


フラン「当然、弾幕ごっこっ!ふふっ、あなたたちには能力は使わないであげるね。さあ、遊ぼう?」


この言葉が戦いの火蓋を切ることとなる!悟空と霊夢はその場で瞬間的に気を高めた!


悟空「いくぞっ!!最初から、全開で飛ばせっ!」

霊夢「ええっ!わかってる!」


そして、フランに向けて突撃していく!超サイヤ人2の悟空と本気の霊夢の連携攻撃がフランに繰り出される。フランはそれを弾き、笑みを絶やすことなく応戦していた
62 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/23(水) 15:05:24.52 ID:iT10oXn70


魔理沙「パチュリー、箒から降りてな。そこにいちゃあ…」


箒を跨いだ魔理沙は後ろに乗っているパチュリーに向けて、口を開いたがパチュリーはそれを遮る


パチュリー「このままでいいわよ。後ろから、援護くらいはしてあげる...」

魔理沙「いいのか?あれはお前んとこの...」

パチュリー「いいのよ。今はあの子を止めることが先決...!」
 

どうやらパチュリーも参戦してくれるようだ。あのフランが相手だ、正直これでも勝てるかどうかはわからない


魔理沙「ああ、そうかい...あ、今のは植物のな...」

パチュリー「どうでもいいわよっ!ごほっ...」
 

魔理沙のボケにイラっとするパチュリー。その影響か少しむせてせき込む。渾身のボケが炸裂した為か魔理沙の顔はどこか満足気だ


魔理沙「ふっ...じゃあ、いくぜっ!」


パチュリーが落ち着いたことを確認し、魔理沙もフランを止める為の戦いに出向いた!その先でうごめく陰が2つ


咲夜「い、今のうちに...お嬢様を!」


ホールの隅でレミリアの傷の手当てをする咲夜。吸血鬼の再生と相まって傷はみるみる回復していく

 
レミリア「...フラン...」


治療を受けながら見つめる先、それは最愛の妹。右手が再生していくのを感じながらレミリアは覚悟を決めるのであった
63 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/05/23(水) 15:06:24.09 ID:iT10oXn70

次回予告

突然現れたフランと戦うオラたち。フランはレミリア以上のすげえ力を持っていやがる...!
あいつを倒すにはオラが本気を出して相手するしかねえか
できればなりたくはねえけれど仕方ねえ…!これが最強の超サイヤ人だ!
次回「希望をその手に、全てを込めた一撃!」
ぜってえ見てくれよな!
 
64 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/06/02(土) 23:49:18.28 ID:lXkgqowF0
第4話「希望をその手に...全てを賭けた一撃!」


悟空たちの超激戦により半壊した紅魔館、その中で最後の戦いが繰り広げられていた。金色の光が異形の羽根をした少女に迫っていく!


悟空「ぜやぁっ!!」

フラン「おっと...!危ないなぁ」
 

悟空の拳はかわされ、空を切る。フランの後ろから霊夢も現れ、攻撃に加わった!
 

霊夢「はあっ!!」

フラン「おしいおしい」


霊夢の放った連続蹴りは片手で防がれる。そこから次々と放たれる2人の連続攻撃をフランは笑いながら受け流していく!


霊夢「くっ...!てやっ!!」

悟空「なめんなよっ!!」

 
霊夢の回し蹴りと悟空の正拳突きを両手で受け止めるフラン


フラン「あははっ、楽しくなってきたなっ!」

悟空「今のを簡単に受け止めんのか...!「どけっ!」」

65 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/06/02(土) 23:50:50.35 ID:lXkgqowF0

悟空と霊夢の後ろから声が響く。2人はその場から離れ、フランから距離をとった。その後ろから魔理沙とパチュリーが魔法陣を展開させ、魔法を撃つ!


魔理沙「スターダストレヴァリエ!」

パチュリー「ラーヴァクロムレク!」


星形の弾幕と炎と土の複合呪文がフランに降り注ぐ!しかし、フランは避けようともせず右手に炎の剣を作り出す


フラン「...レーヴァテイン」

 
迫り来る弾幕をその剣で軽々と切り裂いていく!それを見た魔理沙は舌打ちをする。パチュリーも険しい表情だ


フラン「さあ、どんどんいくよ〜!スターボウブレイク」
 

フランの手から高密度のエネルギー弾が無造作に放たれる!これに当たったならばただではすまない!


霊夢「ま、まずいっ!みんなっ!こっちにっ」


霊夢の元に集まる3人。霊夢は周囲に結界を作り出していく!


霊夢「二重結界っ!」

66 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/06/02(土) 23:53:23.63 ID:lXkgqowF0


フラン「無駄、無駄!切り裂かれちゃえ!」


二重に張られた強固な結界だが、フランの弾幕の前ではそれは数秒ももたない。瞬く間に結界がひび割れていく!


霊夢「ぐっ...ぐぐっ!!や、破られるわっ!」

悟空「かめはめ波っ!!」

魔理沙「イリュージョンレーザー!」

パチュリー「ロイヤルフレアっ!」


3人は各々が放てる最強の技でフランの弾幕を相殺する!何とか防ぎきった悟空たちであったが先ほどの攻撃により皆が悟る。このままでは負けてしまうと...


フラン「すご〜いっ!防いじゃった!」


自分の弾幕を防ぎきった所を見たフランはパチパチパチと拍手で4人を素直に讃えていた


フラン「でも、もう飽きてきちゃったな〜...殺しちゃおうかな」

 
まるで飽きた玩具を捨てるかのように簡単に言い放つフランであるがそれを簡単に行える事は皆はわかっていた

 
67 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/06/02(土) 23:54:34.15 ID:lXkgqowF0

 
パチュリー「はあ...はあ...万事休すね」

魔理沙「くそ、勝てる気がしないってのはこんな時のことをいうんだろうな...さて、どうするか...」


パチュリーは魔理沙の後ろで肩で息をしながら少しでも魔力を練る。魔理沙は拳を握りしめ、フランを倒すための作戦を考えている


霊夢「最後まであきらめないわよ...私は...!」

 
霊夢もまだ戦意を失ってはいない様子、そんな3人を見て悟空はあることを決意する。フランの前へ一歩ずつ歩き出していく悟空。


霊夢「孫くん!?」魔理沙「悟空!?」


2人の驚く声を尻目に悟空はフランの数メートル前まで歩き出した。あれだけの戦いを繰り広げてなお力強い歩みでフランに近づいていく


悟空「仕方ねえ...あの変身だけはできればなりたくなかったけどよ」

魔理沙「っ!?悟空、お前まだ...?」

霊夢「どれだけ力隠してんのよ...!」


変身という言葉を聞いて驚く霊夢と魔理沙。そう...悟空には超サイヤ人を越えた変身、超サイヤ人2をさらに越えた変身をすることが出来るのだ
68 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/06/02(土) 23:55:40.75 ID:lXkgqowF0


悟空「これが最後のパワーアップだ。こいつはエネルギー消費が激しすぎる...だから、短時間でばてちまうんだけど...そうは言ってられねえ」

フラン「...?何を言ってるかさっぱり。何をしようと無駄だよ」


そう言われると悟空は一度、超サイヤ人2の変身を解く。急激に下がった力にフランは怪訝な顔をしている

 
悟空「おめえにわかりやすく超サイヤ人の事を教えてやろうってんだ」

フラン「超サイヤ人...さっきの変身の事?何だか面白そう!」
 

フランは悟空の変身に興味を示したようだ。霊夢も魔理沙もパチュリーも悟空を見守る。圧倒的な力を持つフランに勝つには悟空のさらなる力にかけるしかないと悟っているからだ


悟空「だろ?まず、これが普通の状態だ。これが超サイヤ人!」


拳を前に突き出した悟空は全身に力を漲らせ、超サイヤ人となる。金色のオーラが半壊しているホールから差し込む月明かりが反射して夜の闇を照らしていく!
69 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/06/02(土) 23:57:02.02 ID:lXkgqowF0


パチュリー「すごいエネルギーの飛躍ね。これが超サイヤ人...」


パチュリーも悟空の変身に目を見開き、フランは無邪気に笑ってこれを見る。これだけでも幻想郷のほとんどの妖怪の力を大きく超えているだろう


悟空「そして...これがさっき見せた超サイヤ人を超えた超サイヤ人。超サイヤ人2ってところだ」
 

髪の毛がさらに逆立ち、身体からオーラと共にスパークも飛び散っている。ほとばしる気の嵐が周囲の瓦礫を破壊し、フランを見るその目つきも鋭くなる

 
霊夢「くっ...この力!」

魔理沙「へっ、とても同じ人間とは思えないな...しかも、この上にまだ...」

 
この時点で霊夢と魔理沙の力を大きく超えている。この上があるという悟空の言葉をにわかには信じられない2人が驚きの声を上げる。対するフランは...

 
フラン「なぁんだ、たいして変わってないじゃん」

 
フランは通常時から超サイヤ人に変身したときのような見た目の変化がないことにがっかりしているようだ。フランには超サイヤ人2も普通の超サイヤ人とさほど変わらないように見えるらしい


悟空「そして...これがっ!」


気を高める悟空の身体から黄金色のオーラが眩いばかりに溢れ出る!悟空が放つ閃光に皆は思わず腕で目を覆い、悟空の高まっていく力を感じ取っていく

70 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/06/03(日) 18:23:01.27 ID:V3pR2o0b0


魔理沙「す、すごいぞ!悟空の力が膨れ上がっていく!」

霊夢「こ、この幻想郷が揺れている...!そ、孫くん...何て力を持ってんのよ」

 
やがて、閃光は収まり悟空のシルエットが見えてくる。その姿を見て、皆が驚く


悟空「...これが超サイヤ人3だ」

パチュリー「か、変わった...!」


眉毛が無くなり、逆立っていた髪が腰の辺りまで伸びており、黒の瞳孔が現れた翡翠色の瞳がフランを射抜くように見ていた。悟空の身体からは収縮しきれない膨大なエネルギーが溢れ出す


魔理沙「こ、これが超サイヤ人3...すげえ...すげえぜ!悟空!」

霊夢「人間の力の限界を遥かに越えているわ。もしかしたら、あの子を...!」


今までは決して笑みを絶やさず、戦ってきたフランであったが超サイヤ人3に変身した悟空を見て、不機嫌そうな顔になる


フラン「ふぅん、確かに変わったね。けど、それで私が倒せるっていうのかな?」

悟空「倒せるって言ったらどうだ?」
 
71 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/06/03(日) 18:24:32.33 ID:V3pR2o0b0

悟空の挑発的な言葉にフランは目を細める。そして、フランの身体からも強大なエネルギーが立ち込めた!姉妹である故かレミリアと同様、自身の力にはかなりの自信を持っているのであろう


悟空「みんな、下がっててくれ。こいつはオラが倒す」

 
悟空の言葉に魔理沙がくいつく。今の悟空でもフラン相手に1人では危険であると思ったからだ


魔理沙「ひ、1人で戦うつもりかっ!?それは無茶だぜ!私たちも…」

霊夢「...いくわよ。魔理沙」

 
魔理沙を止める霊夢。魔理沙は納得はいっていない様子だ


魔理沙「な、なんでだよ!一人じゃ...!」

パチュリー「私たちがいては足手まといになるだけよ」


パチュリーが淡々と告げた。その言葉に魔理沙は息をのむ。そして...


魔理沙「...わかった...悟空、任せたぜ!」


納得したのかパチュリーを箒の後ろに座らせている魔理沙は霊夢と共に2人から距離をとり、戦いの行く末を見守る
72 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/06/03(日) 18:26:10.73 ID:V3pR2o0b0

 
悟空「ああ、任せろ!...フランとか言ったか。待たせて悪かったな。さあ、始めようぜ」

フラン「そんな顔になったってちっとも、怖くないよ!」


フランに向けて、構える悟空。悟空から溢れる気は今もなお上昇していく!そして、フランは悟空を仕留めるべく正面から猛スピードで突撃した!


「このスピードを捉えられ...ふぐっ!?」
 

悟空に突撃していたフランが逆方向に吹き飛んだ。悟空はその場から動いていない。魔理沙やパチュリーも何が起こったのかわかっていない様子だ。しかし、霊夢は2人の横で衝撃を受けていた

 
霊夢「な...け、桁が違いすぎる...!一瞬しか見えなかったけど...これが本気の孫くんの力なの...」

フラン「あ...?ぐっ!わ、私を本気にさせたなっ!」


よろけながらも立ち上がるフランに向かって歩き出す悟空。フランは悟空を睨みつけると宙に浮かび、手から数え切れないほどの弾幕を展開させて撃ってきた!


フラン「き、消えろ!消えろ!消えろ!!」

悟空「無駄だ。そんなつまらねえ攻撃じゃオラを倒すことはできねえ」

73 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/06/03(日) 18:28:15.53 ID:V3pR2o0b0

雨のように降り注がれる光弾を超スピードでかわしながらフランに近づいていく!それを見たフランは撃つのをやめ、近づいてきた悟空に接近戦を仕掛けた


フラン「だだだだだぁぁっ!!」

悟空「すげえパワーだが当たらなければ意味がねえ。それに一瞬でも攻撃の手を緩めたときが...」


フランの怒涛の攻撃のを紙一重でかわしていく悟空が一瞬の隙を突く!悟空の鋭い右ストレートがフランの顔に直撃し、鈍い音がこの場所に響いた


フラン「ぐ、はっ...!?」

悟空「隙になるってわけだ。さて、オラからもいくぞ!」


フランが頭を揺らし、すぐさま体制を整えようとしたその直後、身体が大きく引っ張られ、回転させられる!

 
フラン「なっ!ぐっ...うわぁぁっ!!」


物凄い速さで何度も回転させられ、壁の方へ投げられたフラン。悟空の投げる力によって壁を貫通し、地上へ激突させられる!


フラン「ま、まさか...こんなことが...!?」


全身が砕け散るような痛みに耐え、何とか起き上がり、空中に飛び上がるフラン。貫通した壁の穴から両手に青白い気を溜め、腰に手を置いた悟空が飛び出してきた!


悟空「かめはめ波ーーーっ!!」

74 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/06/03(日) 18:30:16.87 ID:V3pR2o0b0

限界まで圧縮された悟空の必殺技がフランに向けて放たれる!フランはとっさに魔法陣を展開させ、弾幕を撃つ!


フラン「スターボウブレイク!...あいつはっ?」


互いの技がぶつかり合い、爆発する!その爆風で悟空の姿が捉えられなくなったフランは辺りを見渡す


悟空「こっちだ!おりゃあ!!」


瞬間移動により姿を消していた悟空はフランの後ろに現れる!フランが気配を察知し、後ろに向いたときには悟空の重たい一撃が腹に突き刺さっていた


霊夢「す、すごい...圧倒している...」

魔理沙「これが悟空の本気か...!いけるぜっ!」


悟空があの強大な力を持ったフランを圧倒している姿を見て勝利を確信し始めたその時だった


フラン「ふ、ふざけるなっ!私は...こんなところで、負けるわけにはいかないんだっ!!」


フランが全身から衝撃波を出し、悟空を後方へ吹き飛ばす。悟空を見るその目からは慢心が消えていた。手を悟空の方向へかざし、気を溜めていく!霊夢はその行動を見て声を上げた

75 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/06/04(月) 08:16:23.21 ID:yiyxVC2/0


霊夢「これは...まずいわ!破壊の能力を使うつもりよ!」


悟空は霊夢に向かって頷くとフランの方を見て、グッと構えた。破壊の能力を真正面から受け止めるようだ!

 
フラン「遊びは終わり...!これで、砕け散れっ!!破壊!!」


身体の周りに紫の炎のような物が吹き出し、苦しむ悟空。その破壊のエネルギーに押しつぶされないように気でバリヤーを作り、耐えていた!そして...!


悟空「ぐうっ!...こ、これが、破壊の力っちゅうやつか?」


破壊の能力を悟空は見事、耐えきった!破壊の力によって上半身の服は消滅し、口からは血が出ているが悟空から発せられる気は輝きを失ってはいない

 
悟空「お前の破壊する能力にも破壊できねえものがあるみてえだな」

フラン「な、なんで!?なんで破壊できないの!!」


自身の能力が効かない事に焦り慌てるフラン。霊夢が悟空に能力が効かなかった理由を説明する


霊夢「きっと、孫くんとフランの力が離れすぎているから、破壊の能力が通用しないんだわ!」

魔理沙「これで、やつは切り札をなくした!いけっ、悟空!」

76 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/06/04(月) 10:19:36.85 ID:yiyxVC2/0


フラン「私は外に出る...一度でいいから外に...」


フランが小声で呟く。自らの戦う理由を今一度、再確認し、悟空を睨みつけた。それに悟空は無言で構えをとる


フラン「お姉様まで手にかけてしまった...絶対に後には引けないの...ここで負けるわけにはいかないんだ!」

悟空「...最後の賭けに出るつもりか...!」


フランが両手を悟空に向けて構えた。破壊の能力を封じられたフランに残されたのは全力の一撃を悟空にぶつけることだ。悟空もこれに応えて気を溜めていく


パチュリー「フランに力が集まっているわ...!」

霊夢「孫くん...!」魔理沙「悟空...!」

 
空を見上げて、2人の戦いの行く末を見守る霊夢と魔理沙とパチュリー。3人は悟空の勝利を願う


フラン「495年...私は暗い地下室でずっと待った!お姉さまの言葉を信じて...!でも、何も変わらない。あのままだったら、私は外に出ることは叶わなかった...」


フランの感情が、希望が、その手に込められる。ただ外に出て普通の子のように遊ぶこと...それがフランの描いていた夢であった。その夢を叶えるため悟空に向かって全てをかけた一撃を繰り出した!

 
フラン「今、負けるわけにはいかないっ!!うわぁぁぁぁっ!!」

悟空「...はぁぁぁっ!!」


二つの強大な技がぶつかり合い、爆発する!爆風で紅魔館は全壊し残骸は吹き飛んでいく。霊夢は結界を張り、爆風を防いだ。この爆発を起こした悟空とフラン、2人はどうなったのか...
77 : ◆37K26PBUng [sage saga]:2018/06/05(火) 17:24:49.32 ID:Sp6QAJQd0


魔理沙「ど、どうなったんだ...?」

 
魔理沙が2人が浮いていた所を見る。今は煙が立ち込めているがその煙は徐々に晴れていく!


パチュリー「なっ...そ、そんな...」

霊夢「そ、孫くん...!?」


驚く霊夢とパチュリー、2人が見るその先にいたのは力を使い果たし、通常の黒髪に戻った悟空の姿であった。片方の目を閉じ、片手を押さえ、身体中がボロボロの悟空...宙に浮いているのもつらそうだ


フラン「はっ…あはははっ!!まだ、天は私を見放してなんかいなかったってことだよねっ!!」


そんな悟空を見て、大声で笑うフラン。ダメージは受けているようで最初に感じられていた圧倒的な力こそ感じないが、それでも強大な力をまだ残しているように見える


悟空「...変身が解けちまった...すまねえ...っ...」


そう言い終えると空中から地上に真っ逆さまに落ちていく悟空。その小さな身体は瓦礫の中へ消えていってしまった

78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/16(火) 13:25:02.60 ID:0tPW1XAp0
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