黒井社長「まさか君らが765プロに負けるとはな」桃子「...」

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50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 01:21:49.46 ID:dBtX7coMo
春香「そんな、大丈夫です!そうだったんですね…」

春香「ビックリしちゃいましたけど…実は私、『ヴィーナス』のみんなが解散しちゃったって聞いて…すごく寂しかったんです」

ジュリア「春香…なんでだ?」

春香「だって…あんなに素敵なユニットが解散だなんて、ライバルだとか関係なく寂しいもん…」

春香「だから、また『ヴィーナス』のみんながアイドルやってくれるなんて…すっごく嬉しいです!」

51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 01:22:29.88 ID:dBtX7coMo
ジュリア「そうか…あたしらってそんな風に見えてたのか…」

麗花「うふふ、なんか照れちゃうね…春香ちゃん、ありがとう!」

春香「はい!…ところでプロデューサーさん、今日は桃子ちゃんはいないんですか?」

P「それがな…」

52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 01:23:05.96 ID:dBtX7coMo
〜〜〜

春香「そんなことが…」

P「ああ…これからどうしようか考えていたんだが…」

春香「?」

P「せっかく春香がいるんだ。少し意見を聞かせてくれないか?数ヶ月間、ライバルとして競いあったんだ…桃子のこと、どう思う?」

春香「ええっ?そんな…私にですか?」

ジュリア「…あたしからもお願いするよ」

53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 01:23:39.10 ID:dBtX7coMo
春香「ジュリア…ちゃん?」

ジュリア「ライバルとして見てきた感想だが、春香は周りの人間をよく見てる…それに、ライバルだからこそわかることもあるかもしれないしな」

春香「…わかったよ!あんまり当てにならないかもしれないけど、思ったままを言ってみるね」

P「ありがとう、春香!」

春香「はい、プロデューサーさん!…さっそくですけど桃子ちゃんって、人付き合いをする時に一定のラインを引くタイプの子だと思うんです」

54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 01:24:07.92 ID:dBtX7coMo
春香「別に、つっけんどんって訳じゃないんですけど、『この人とはこういう関係だからここまで仲良く』っていう線引きが他人よりキッチリしてるんじゃないでしょうか」

P「どうしてそう思うんだ?」

春香「基本的に私たち765プロと話してる時は敬語なんですけど、『ヴィーナス』のみんなと話してる時は違うんです」

春香「それだけならまだ普通かもしれませんけど、桃子ちゃんの場合、それを毎回間違えずに話してるので…明らかに意識的にやってるんだなって」

ジュリア「なるほどな…」

55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 01:24:38.52 ID:dBtX7coMo
春香「でも、たまに私たちにも敬語を使わないで話してくれることもありました!…ただ間違えちゃっただけみたいで、慌てて訂正してましたけど」

春香「その間違える頻度なんですけど、私たちと出会ってからの時間が長くなるほど増えていった気がするんです」

P「つまり…」

春香「はい…桃子ちゃんにとって、アイドル活動は自分自身の人付き合いのラインを揺るがすくらい、夢中になれることだったんじゃないでしょうか…」

56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 01:25:09.88 ID:dBtX7coMo
春香「だから…桃子ちゃんも本当は、今でもアイドルやりたいんだって、私は思ってます!」

P「ありがとう、春香…」

ジュリア「一ついいかな?」

春香「ジュリアちゃん、なに?」

ジュリア「桃子が春香たちよりも、それどころかあたしら『ヴィーナス』よりも親しげに話しかけてた人がいるんだ」

春香「えっ?」

P「…誰なんだ?それは」

ジュリア「…プロデューサー、アンタにはその人の所に行って欲しいんだ」

ジュリア「今日はそれを頼みたかった…これが住所だ」スッ

P「…これは…わかった。今すぐ行ってくる」

57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 15:57:11.41 ID:rZBoRHFVO

はるるんやっぱすげえな
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 20:12:36.13 ID:OIodcR+no
はるるんはやっぱセンターですわ
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 00:51:47.20 ID:ABSiaaG1o
育ちゃんさんかな
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 00:42:38.35 ID:R+waRHN6o
イベント走るので投稿ペース落ちます
読んで下さっている方すみません
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 00:56:10.41 ID:enPRUiwC0
把握、頑張ってな
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 16:45:59.37 ID:JhGp6ctFo
〜961プロ事務所〜

P「…失礼します」ガチャ

黒井社長「…フン、無礼なヤツだ。アポも無しにこの961プロに来るとはな。しかもこの私に会いたいとはどういう了見だ?」

P「俺だってわざわざあなたに会いに来たくはありませんよ…でもアイドルの為です」

黒井社長「ハン!さすがは底辺765プロだ…小綺麗なセリフだな…さっさと用件を言え」

P「周防桃子のことを…教えてください」

黒井社長「…やはりか」

P「…!?」

黒井社長「キサマが『ヴィーナス』の元メンバーの二人をスカウトしたことは知っている。当然桃子について訊きに来ると予想していた」

黒井社長「ほら、これが桃子の連絡先だ」ピッ

63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 16:46:28.83 ID:JhGp6ctFo
P「えっ…そんなにあっさり…いいんですか?」

黒井社長「当たり前だ。『ヴィーナス』はもう解散した。それにキサマのような非常識な人間に何度も来られては迷惑だからな。わかったらとっとと帰れ」

P「その前に一つ訊きたいことがあります…黒井社長、桃子のことをどう思ってましたか?」

黒井社長「…は?」

P「ジュリアから聞きました。桃子は黒井社長に一番親しげだったと…」

黒井社長「…ジュリアめ、余計なことを…」

64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 16:47:04.83 ID:JhGp6ctFo
P「教えてください…でないと帰りませんよ」

黒井社長「キサマ、この私になんという口の聞き方だ!まったくこれだから底辺で矮小な人間は嫌いなんだ!」

P「そうですか。それで?」

黒井社長「…いいか?これを聞いたらさっさと帰るんだぞ」

P「もちろんです」

黒井社長「…桃子は…『ヴィーナス』は私がスカウトからプロデュースまで手掛けた。孤高で、最強な、他を寄せ付けない完璧なユニットにするべくな」

黒井社長「途中までは順調だったのだ…しかし段々と『ヴィーナス』は私の目指すところとは違う方向を向き始めたのだ」

P「と、言いますと?」

65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 16:47:35.56 ID:JhGp6ctFo
黒井社長「キサマら765プロが好きな『絆』やら『友情』…口にするのも忌々しいが…」

黒井社長「『ヴィーナス』のメンバー達は必要以上に馴れ合うようになってしまった!」

P「…」

黒井社長「さらにリーダーの桃子が…やたらと私に話しかけるように…」

P「なるほど…でも、何がダメなんですか?アイドル達が楽しければ…」

黒井社長「違う!キサマは何もわかっていない!」

P「!」

66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 16:48:11.13 ID:JhGp6ctFo
黒井社長「アイドルが楽しむ楽しまないの問題ではない!私のプロデュース方針に沿っているかいないかだ!」

黒井社長「頂点に立つアイドルは孤高の存在でなくてはならないのだ!仲間、絆、団結…そんなものは必要ない」

P「…あなたの考えはわかりました。ですが、現に私達のユニットに負けたではないですか。それでもあなたはその考えを曲げないんですか」

黒井社長「…たしかに、我が961プロの『ヴィーナス』はキサマら765プロに負けた…」

黒井社長「だがそれは、『ヴィーナス』が私のプロデュース方針から逸脱し始めていたからだ。私の理論が完璧なのは変わらん」

67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 16:49:07.24 ID:JhGp6ctFo
P「だから、『ヴィーナス』を解散したんですか?」

黒井社長「そうだ。私の不手際もあったが…所詮、彼女らはトップアイドルには相応しくなかったというわけだ。」

P「…最初からアイドル、なんて娘はいませんよ。彼女達をアイドルにするのは私達の役目でしょう?」

黒井社長「当たり前だ。そんなことはわかっている」

P「…!じゃあなぜ!!」

黒井社長「トップアイドルになればどんな形でも構わないわけではない!あくまで私の美学があってこそだ!」

68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 16:49:35.58 ID:JhGp6ctFo
黒井社長「手段は問わない…が、アイドル像は絶対に変えられん。アイドル達が私の方針に合わなければ、また別の娘達を探すまでだ」

P「っ…そうですか。改めて、あなたという人がわかった気がします」

黒井社長「フン!何を…キサマらには理解できないだろう」

P「わかった気がした、だけですよ。理解なんてしてません…したくもない」

69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 16:50:15.61 ID:JhGp6ctFo
P「…それで?桃子も『合わなかった』ってことなんですか?」

黒井社長「そうだ。元子役の桃子なら…芸能界では馴れ合いなど不要だとわかっていると思っていたんだがな…」

黒井社長「…話は終わりだ。さっさと帰れ」

P「最後に一つ」

黒井社長「チッ…なんだ?早くしろ」

P「桃子が…『馴れ合い』始めたのはいつ頃なんですか」

黒井社長「桃子がソロ活動からユニット活動へと移行し始めた頃だ…さあ早く帰れ。目障りだ!」

P「はい、失礼します」バタン

黒井社長「…」

70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 17:38:57.45 ID:LRRNgsjE0
続ききたか、お帰り
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 18:09:12.96 ID:BAC9RyUko
待ってた
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/20(日) 20:29:38.53 ID:qNe1yocVo
〜帰り道〜

プルルル…プルルル…

P「電話には出ない、か…まあ予想はしてたが」

P「ハァ…これが最後の希望だったんだが…」

P「っと、もう夜だな…そういえば事務所でみんなを待たせたままだったな。とりあえず戻らないと…」タッ

P「…」ピタッ

P「…桃子!」

桃子「!」ビクッ

73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/20(日) 20:30:06.02 ID:qNe1yocVo
P「どうしたんだ、こんなところで。もうこんな時間だぞ?」

桃子「…いきなり何ですか?あなたに関係ないですよ…」

P(またこれか…しかし今度は!)

P「いや、関係ある」

桃子「…はぁ?」

P「桃子と俺は…全くの赤の他人じゃないさ。一緒に競いあってきた仲じゃないか」

桃子「そんなの…芸能界なんだから当たり前じゃないですか。むしろ商売敵って言うんですよ」

74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/20(日) 20:30:32.67 ID:qNe1yocVo
P「たしかにそうかもな。だが今はもう違うさ…桃子はもう961プロの『アイドル周防桃子』じゃない」

桃子「…!」グッ

桃子「そうよ…桃子はもうアイドルじゃない!子役でもない…ただの桃子よ!」

P「…やっと敬語をやめてくれたな」

桃子「!」

P「ただの女の子…そうかな?普通の女の子がこんな時間に一人で出歩いてるとは思えないな」

桃子「…」

P「この前会った時もそうだったな…桃子、家に…帰りたくないのか」

75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/20(日) 20:31:00.83 ID:qNe1yocVo
桃子「…関係ないでしょ」

P「関係なかったとしてもこんな顔してる女の子をほっとけないよ」

桃子「…どんな顔?」

P「この世の全てがつまらない…そんな顔してる」

桃子「…なにそれ」

P「それは桃子が一番わかってるだろう?」

桃子「…わかんないよ」

P「そうか。なら俺が言ってやろう」

桃子「!?ちょ、ちょっと…」

P「桃子、お前は…認めて欲しかったんだよな?」

76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/20(日) 20:31:26.44 ID:qNe1yocVo
桃子「!」

P「子役時代、それから『ヴィーナス』の時も…両親に認めて、褒めて欲しかったんじゃないか?」

桃子「…どうしてそう思うの」

P「子役ってのは、当たり前だが大体は親が関わってくるもんだ…」

P「この時間に桃子が一人出歩けるってことは恐らく親御さんは共働きで、しかも帰ってくるのは夜遅く…」

P(黒井社長からもらった連絡先も携帯電話の番号だったしな)

P「それで、桃子を子役にすればマネージャーや仕事先の人間がいるし一人にするより安心だと思ったんだろう…もちろん何かしら他のキッカケはあっただろうが」

77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/20(日) 20:31:54.76 ID:qNe1yocVo
桃子「…それ、推測だよね?」

P「まあな…ただ何にしろ桃子はこう思ったはずだ、『私は期待されてる、褒めて貰えるように頑張らなきゃ』ってな」

P「桃子が頑張ってきた理由はいつもそれだったはずだ。家庭で接点が少ない両親との繋がりを…自分が頑張ることで感じていた…どうだ?」

桃子「キモチワル…」

P「す、すまん…癖なんだ」

桃子「…で、結局何が言いたいの?」

78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/20(日) 20:32:21.77 ID:qNe1yocVo
P「…そして黒井社長のスカウトでアイドルになった桃子は、新しい感覚を覚える」

桃子「それって…?」

P「仲間がいる心強さ、そして仲間と共に頑張る楽しさだ」

P「さらに…黒井社長という存在だ」

桃子「!社長が…何なの」

P「961プロにはプロデューサーはいないからな。社長とアイドルの距離が近い」

P「桃子にとってはそれが…新鮮だった。いつしか黒井社長が保護者みたいな感覚になっていた、だろう?」

79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/20(日) 20:32:53.15 ID:qNe1yocVo
桃子「…誰から聞いたの」

P「やっぱりこれは当たってたか…本人の為にそれは秘密だ」

桃子「ふーん…」

P「さて、長々前置きしたんだが…無駄じゃなかったかな。桃子、少しはマシな顔になったな」

桃子「…別に」

P「口は相変わらずだな…まあいいか。ある意味いつもの桃子だ」

桃子「ちょっとそれどういう…」

スッ

桃子「…これは」

P「改めて、765プロダクション所属のプロデューサーです。周防桃子さん。アイドル、やってみませんか」

80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/11(月) 23:57:51.05 ID:AGCGrEvto
桃子「…」

P「…」

桃子「…ムリだよ」

P「…えっ?」

桃子「桃子にアイドルなんて…ムリだよ」

P「な、なにを言ってるんだ…ついこの前まで『ヴィーナス』のリーダーとしてアイドル界の頂点にいた桃子が…」

桃子「そうかもね…でも、負けた」

P「…」

桃子「『ヴィーナス』は…桃子は、765プロの人たちに負けたんだよ。だから…765プロに入ったって活躍出来るわけないじゃない…」

P「それは…」

コツ…コツ…

黒井社長「おやおや…まさか本当に桃子をスカウトしているとはな」

桃子「!?」

P「黒井…社長!?どうして…」

81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/11(月) 23:58:21.42 ID:AGCGrEvto
黒井社長「ハッ!どうしてもこうしても、キサマが桃子をスカウトしているというウワサを耳にしたのだ!」

黒井社長「一度解雇したとはいえ、961プロのアイドルに手出しするとは…キーッ!!身の程知らずも甚だしい!!」

P「…しかし解雇したのは事実です。あなたには関係ないことでしょう?」

黒井社長「いいや大アリだ!何故なら私は…」

黒井社長「桃子!君をまたスカウトしに来たのだからな!」ビシィ

桃子「えっ…?桃子…を?」

82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/11(月) 23:58:49.90 ID:AGCGrEvto
P「なっ…あなたさっき」

黒井社長「だーまーれ!」

黒井社長「…桃子。一度解雇してすまなかったな。実は理由があったのだ」

桃子「…?」

黒井社長「『ヴィーナス』を解散させたのは…桃子、君を改めてソロデビューさせる為だ!」

桃子「桃子を…ソロ、デビュー…?」

P「…この人、正気か?それだけでユニット丸ごと解散だなんて…」

83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/11(月) 23:59:19.82 ID:AGCGrEvto
黒井社長「うるさい!キサマのような志の無いヤツにはわからんだろう!私がどれほど桃子に期待しているかが!!」

桃子「…!」グッ

黒井社長「桃子、765プロの奴らに負けて悔しかっただろう。自信を失ったかもしれん…しかしあれは間違いだ」

桃子「…間違い?」

黒井社長「そうだ。そもそもユニットを組んだのが間違いだった!」

桃子「!!」ググッ

P(…なるほど。黒井社長らしい考えだ)

黒井社長「あれは私のプロデュースミスだ。すまなかった桃子。しかしまだ遅くない!今から改めてソロデビューを」

桃子「やめて!!!!!」

黒井社長「」ビクッ

P「」ビクッ

84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 00:00:09.97 ID:a3Gilm/To
桃子「もう…やめて…」ポロポロ

P「桃子…」

桃子「しゃ、社長さんには…感謝、してるよ…桃子、を、スカウトして、くれて」グスッ

桃子「アイドルって、いう、楽しい…こと、も、教えて、くれて」ヒック

桃子「でも、ね…ユ、ユニットのみんなを…ジュリア、さん、と、麗花さん、を」グス

桃子「間違い、だとか、ミ、ミス、だったとか…そんな、風、に…言わないで…」ポロポロ

P「桃子…!」タッ

黒井社長「…フン、くだらんな。結局は君も孤高のアイドルには相応しくなかったということか」

桃子「…」グスッ

黒井社長「今度こそ本当に失望したぞ。こんなところにいても時間のムダだ、私は帰る」コツコツ

85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 00:01:05.33 ID:a3Gilm/To
P「桃子、大丈夫か?ほらハンカチだ」スッ

桃子「…」パシッ

P「…なあ桃子」

P「もう一度…今度は『みんなで』、トップアイドルを…目指してみないか」

86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 03:22:06.51 ID:kviE/pp10
悲しいなあ、黒井社長…
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 23:53:53.54 ID:a3Gilm/T0
〜数日後、765プロ事務所〜

ジュリア「...」ソワソワ

麗花「〜♪」

小鳥「お茶をどうぞ♪」コト

ジュリア「...ああ、ありがとう」

麗花「普通のお茶ですね!ありがとうございます!」

小鳥「それって...」

ジュリア「大丈夫、誉め言葉だよ...」

麗花「はい!普通の緑色でとってもおいしそうですよ!」

小鳥「そ、そう〜...なら良かったわ」

ジュリア「...」

小鳥「プロデューサーさん、まだ来ないわね...」

ジュリア「そうだな...ったく、あたしらを待たせるなんて...これから大丈夫かよアイツ」

小鳥「ごめんなさいねジュリアちゃん、さっきから電話してるんだけど繋がらなくて...」

ジュリア「別にピヨ姉は悪くないさ。悪いのはあのバカP...」

ガチャ

P「...バカで悪かったな」

88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 23:54:37.18 ID:a3Gilm/T0
ジュリア「っ!なんてタイミングで来やがる...」

麗花「プロデューサーさん!おはようございます〜!」

小鳥「お疲れ様ですプロデューサーさん。あの...電話が...」

P「すみません音無さん!移動中に電源切れちゃって...ジュリア、麗花。待たせて悪かったな、おはよう」

ジュリア「それはいいけどさ。で?結局...どうなったんだ」

P「ああ、それなんだがな...」

麗花「...?どうかしたんですか?」

P「突然ですまないが、とにかく...屋上に来てくれないか」

89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 23:57:11.93 ID:a3Gilm/T0
〜屋上〜

桃子「...」

ガチャ

桃子「!!」バッ

P「桃子〜二人が来てくれたぞ...って、おいおい。そんなに身構えるなよ」

桃子「...ビックリさせたのはそっちでしょ」ジー

P「わかったよ。それよりほら、ご対面だ」サッ

ジュリア「...モモ!」

麗花「わーい!桃子ちゃんだ!」タッ

桃子「ジュリアさん、麗花さ...」

麗花「わーいわーい!また会えて嬉しいな〜!」ギュー

桃子「ちょ、ちょっと麗花さん!離して...」

麗花「えー?ハグするのイヤ?もしかして桃子ちゃんは、嬉しくない...?」パッ

桃子「そっ...それは...」

90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 23:58:10.79 ID:a3Gilm/T0
P「」ジー

ジュリア「」ジー

麗花「」ジー

桃子「嬉しくないわけ...ないでしょ」ボソッ

麗花「わああ!!桃子ちゃん大好きー!!」ギュー

桃子「だ、だからくっつかないで!わかったから!」パッ

ジュリア「...おかえり、モモ」ニッ

桃子「ジュリアさん...うん、ただいま!」ニコッ

P「...さて、再会も済んだことだし、事務所に戻って手続きを済ませて貰うぞ!...悪いが、かなり時間がかかることを覚悟しておいてくれ」

ジュリア「マジかよ...」

麗花「はーい!」

桃子「全くもう...しょうがないんだから」

91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 23:58:52.95 ID:a3Gilm/T0
〜数十分後、事務所〜

ジュリア「...」カキカキ

麗花「ふんふんふ〜ん♪」カキカキ

桃子「...」カキカキ

桃子(あっ...間違えちゃった)ピタッ

桃子「ねえお兄ちゃん、修正液って...」

ジュリア「!?」クルッ

桃子「どこ...あ...」カアア

麗花「ん?桃子ちゃん、お兄ちゃんって...」

ジュリア「まさか...」

P「そのまさかだ、俺が桃子のお兄ちゃんだ」

桃子「ちょっと、変な言い方しないで!そういう意味じゃないからね!」

92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 23:59:44.18 ID:a3Gilm/T0
P「冗談だよ冗談。ほら修正液だ」スッ

ジュリア「...ああ、兄って意味じゃなくて、見ず知らずの人に呼びかける時に使う方か」

桃子「ありがと、お兄ちゃん...ジュリアさん、そういうこと」

麗花「へー、そうなんだ!じゃあ桃子ちゃんにとってはプロデューサーさんは赤の他人なんですね!」

P「うっ...そんな笑顔で言われると、逆に辛いな...」

桃子「それはちょっと言い過ぎだけど...まあ、桃子のプロデューサーとしてはまだまだだから、ただの『お兄ちゃん』だね!」

ジュリア「あはは、なるほどな!それは納得かもな」

P「...みんな俺に対して当たりが強くないか...?」

93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 00:00:39.83 ID:kndWdiFw0
〜その日の夜〜

カタカタカタカタ...

小鳥「ふう...今日で3人もアイドルが加入したから流石に作業量が尋常じゃなかったわ...」カタカタ

小鳥「でももうすぐ終わりそう...」カタカタ

ガチャ

P「お疲れ様です、音無さん。差し入れです」コト

小鳥「あらプロデューサーさん、おかえりなさい。『ヴィーナス』のお見送り、お疲れ様です。相変わらず気が利きますね!ありがとうございますっ!」カタカタ

P「はは、もう『ヴィーナス』じゃありませんよ...いえいえ、今日は本当に頑張って頂きましたから...大変だったでしょう」

小鳥「そんなこと!...と言ったら、嘘になりますけど...でも、可愛いアイドルたちの為ですから」カタカタ

小鳥「それに、今度39プロジェクトに伴って新しく事務員の娘を雇うって話じゃないですか!」

小鳥「それを考えれば乗り越えられます..よっ!」カタカタッターン

94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 00:01:25.33 ID:kndWdiFw0
P「39プロジェクトといえば、明日ですよね。自衛隊の...」

小鳥「駐屯地のイベントでしたよね?...そうですね、明日の午前10時からです」ペラ

P「ありがとうございます...さて、作業はどうですか?」

小鳥「あっ、ちょうど今終わったところです!はあ〜疲れた...」コキコキ

P「おおっ、お疲れ様です!それじゃあ...一杯、どうですか?おごりますよ」クイッ

小鳥「ぷ、プロデューサーさん...うう...音無小鳥、カンゲキっ!!ありがとうございますっ!!」

P「高い店じゃありませんがね、ははは...では早速!」スタスタ

小鳥「はいっ!」ガタッ

小鳥「...っとと、いけない!最後の打ち込みを忘れてたわ...」カタカタ

95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 00:02:36.59 ID:kndWdiFw0
【所属アイドル一覧】

1.天海春香
2.如月千早
〜〜〜〜〜〜
48.北上麗花
49.周防桃子
50.ジュリア
51.
52.


終わり
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 00:07:11.35 ID:kndWdiFwo
以上です
非常に時間がかかってしまいましたが、見ていて下さった方、本当にありがとうございます!Thank You!
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 00:08:38.56 ID:kndWdiFwo
HTML化依頼してきます
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 00:53:15.44 ID:BW2PHF/T0
おつ
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/14(木) 15:48:07.55 ID:QG+0gZfPO
黒ちゃんなりの餞だったのかね
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