千歌「決めた…!私、この転校を機にヤンキー辞めて、真面目に生きる!!」

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243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:11:56.17 ID:JK5PcfD80
凛「す…すごい……本当に全部避けてる…」

曜「当然だよ……千歌ちゃんは、浦の星の時は一度も攻撃を食らった事が無かったんだから……」

凛「い…一度も…!?」

曜「うん……何人が相手でも……大人が相手でも……絶対に攻撃を食らわなかった……」

曜「だからこそ、喧嘩のカリスマと呼ばれた……誰一人、千歌ちゃんに触る事もできない……」

凛「す…すごいにゃ……だったら絵里先輩も…」

花陽「どうだろう……」

凛「え…?」

花陽「絵里先輩は強いよ……」

曜「……花陽ちゃん………」
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:12:32.74 ID:JK5PcfD80
絵里「このっ…!」ゴオッ!!

千歌「うっ…」スカッ…!

千歌(は…早い……それでいて強い……)

千歌(顔の横を通る風切り音が教えてくれる……)

千歌(この人は強い……!)

絵里「ふんっ…!」バッ!!

千歌「くっ…」カスッ…!


曜「絵里先輩の攻撃が……!」

凛「かすった…!」
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:13:09.11 ID:JK5PcfD80
千歌(まずい……このままじゃ……)

絵里「ちっ…ちょこまかと……!」

千歌(一度、捕まえるかなんかして、動きを止めないと……!)

絵里「はっ!」ヒュッ!!!

千歌(ここだ…!)

千歌(まず、避けて…) スカッ…!

千歌(捕まえる…!!) バッ!!!

絵里「…!」

スカッ…!!

千歌(な…!の…仰け反って……

絵里 ゴオッ!!!

千歌「え…


ガツンッ!!!


千歌「ぶっ…!?」
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:13:44.88 ID:JK5PcfD80
千歌(なっ……ど…どこから攻撃が……)

絵里「………」


凛「…あ…あそこから蹴りを…!?」

曜「あんなに仰け反ってるのに、回転して片足で、威力ある蹴りを撃てるなんて……」

花陽「あれです……」

曜「え…?」

花陽「あれが、絵里先輩の強さなんです……バレエで鍛えられたバランス感覚で、どんな体勢からでも攻撃してくる……」

凛「バ…バレエ…!?」

花陽「うん……絵里先輩は子供の頃からバレエをやっていたらしくて……当然、バランス感覚も抜群で……」

凛「バランス感覚……」

曜「うん……つまり、体幹が強いって事だね……」

曜(なるほど……だから、あれだけ重いパンチが打てたのか……)
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:14:21.05 ID:JK5PcfD80
千歌(くっ…私が攻撃を…

絵里 ザッ…!!

千歌「…!!」


メキィッ!!!


千歌「あっ…あがっ…!」

絵里「………」


曜「か…顔に蹴り……」

凛「ひどいにゃ……」

花陽「でも、あれも絵里先輩の強さのひとつ……」

花陽「さっき、曜先輩の顔を蹴り上げたように、相手を壊す事に一切の躊躇がない……」

花陽「故に、氷の女王……いままで絵里先輩と戦って無事で済んだ人はいません……」

凛「そ…そんな……」
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:15:07.99 ID:JK5PcfD80
千歌「………」ポタポタ…

曜「…!」

曜「ま…まずい…!!」

曜「千歌ちゃんが…!!!」

凛「え…?」


千歌「………」ゴゴゴゴゴゴ…

絵里「?」

凛「ち…千歌先輩の雰囲気が……」

曜「や…やばい……あれは……」

千歌「ふっー…ふっー……」ゴゴゴゴゴゴ…

絵里「鼻息なんか荒くして、どうしたの?蹴られてキレた?」

曜「絵里先輩…!!逃げて…!!」

絵里「え…?」

千歌「こっの……」

千歌「金髪アホ野郎があああああああああっっっっ!!!!」ザッ!!!

絵里「な…!」

絵里(き…金髪アホ野郎…!?)
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:15:48.63 ID:JK5PcfD80
千歌 ヒュンッ…!!

絵里「…!」


バキィッ!!!!


絵里「…!? ぶっ…ぶはっ…!!」

凛「お…折れてる鼻を……!」

曜「やばい……」

千歌「まだまだぁ!!」ガシッ!!

絵里「あぐっ…」

絵里(あ…頭を……)

千歌「ふんっ…!!!」メキョッ!!!

凛「へ…ヘッドバット……」

絵里「あぐぁ…」ブシュッ…!

花陽「血が……」

千歌「もいっちょ!!!」グイッ!!

凛「あ…!まさか……」


グチャ…


絵里「あ…あぁ……」ボタボタ…

凛「ひ…膝……」

凛「これ……曜先輩が言ってた……」

曜「う…うん……顔を掴んでから、ヘッドバット、膝蹴りの二連撃……」

花陽「ひっ…ひどい……」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:16:22.72 ID:JK5PcfD80
千歌「ふふっ…!」グイッ…

絵里「あ…あぁ……」

千歌「あははっ!!!」バッ…!!

花陽「嘘…!まだやる気なの…!?」

絵里「くっ…」

千歌「オラァッ!!」ブンッ!!!

絵里「くあっ…!」スカッ…!!

絵里「ぐっ…」ヨロヨロ…

凛「避けた……」

花陽「でも、もうフラフラ……」
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:17:00.40 ID:JK5PcfD80
千歌「待てコラァ!!」ダッ!!

絵里「くっ…」

絵里「っああ…!!!」ザッ…!!


メキッ!!!


千歌「うぐっ…」

凛「絵里先輩の蹴りが入った…!」

絵里(今の音……確実に折れた…!)

絵里(これで少しはおとなしく…


バキィッ!!!


絵里「あぐっ…ぶはっ…!」

千歌「ははっ…!」

絵里(そ…そんな……アバラが折れたのに……)
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:17:44.43 ID:JK5PcfD80
凛「…!?」

凛「け…蹴りが効いてないの…!?」

曜「違う……あれは……」

花陽「か…感じてない……」

凛「…!?」

曜「そう……あれは、蹴りが効いてないんじゃない……痛みを感じてない……」

凛「な…なんにゃ…!!それ…!!危険だにゃ!!」

曜「うん……たしかに危ない……今までは、千歌ちゃんに攻撃を入れられる人なんていなかったから良かったけど、絵里先輩はそれができる……」

凛「じゃ…じゃあ…!どうすればいいにゃ!!このままじゃ二人とも死んじゃうにゃ…!」

曜「どうしようもない……ああなった千歌ちゃんは、相手が潰れるまで止まらない……」

凛「ああなったって……」

曜「仲間が傷つけられると、周りが見えなくなる……昔からそうなんだ……」

花陽「あっ…じゃ…じゃあ……曜先輩が傷つけられたから……」

曜「うん……今回は、それでも、我慢してくれてたんだけどね……自分が攻撃を食らった事で、吹き出しちゃったみたい……」

曜「千歌ちゃんにとっては、初めて喧嘩でもらったダメージだから……」

凛「は…初めて……レベルが違いすぎるにゃ……」
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:18:31.21 ID:JK5PcfD80
絵里「くっ……」

絵里(顔の血が止まらない……)

絵里(頭がフラフラする……)

絵里(血が出すぎた……)

千歌「ははっ…!」ダッ!!

絵里(き…来た…!)

絵里(くっ…血なんか気にしてられない…!!この化け物を倒さないと、私が殺される…!!)

絵里(やるしかない……!)

絵里「………」スッ…

千歌「終わりだ…!!!」ガバッ!!

絵里「……」


フワリッ…


千歌「…!?」

曜(かわされた…!?)

曜「いや……流された…!!??)
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:19:06.76 ID:JK5PcfD80
絵里「…」


ガンッ!!!


千歌「あがっ…!」

絵里「……」

千歌「くっ…」ザッ…

千歌「…!!!」

曜(な…なんだ今の動き……流れるように反撃された……合気道……?? いや…合気道とも違う……もっと攻撃的な……なにか……)

絵里「はぁ…はぁ……」

絵里(ダメ……呼吸が…乱れる……)

絵里(整えなきゃ……呼吸を……!)

千歌「………」

絵里「…?」

絵里(な…なに……?急に大人しくなった……)
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:19:47.80 ID:JK5PcfD80
千歌「………」

曜(千歌…ちゃん……?)

絵里「ど…どうしたの……?」

絵里「今更、怖くなった?先に言っとくけど、あなたが喧嘩を辞めたくても、私は辞める気は無いわよ…?」

絵里「あなたには……返さなきゃいけない借りがあるからね……」

千歌「………」

凛「な…なんにゃ…!?千歌先輩が急に大人しくなっちゃったにゃ!!」

花陽「ど…どうしたんだろ……」

千歌「あ……あぁ……」

絵里(ん…?私を見てない…!?後ろ…?何を見て……

絵里「…!!」

梨子「ち…千歌……ちゃん……?」

曜「あっ…!!」

凛「り…」

花陽「梨子先輩…!!!」
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:20:27.76 ID:JK5PcfD80
千歌「梨子……ちゃん………」

絵里(あの子……たしか、高海さんが不良である事を隠してるとか言ってた……)

梨子「ど…どうしたの……そんなに血を流して……絵里先輩も……」

千歌「………」

曜「り…梨子ちゃん…!!これは…!!」

千歌「曜ちゃん……いいから……」

曜「…!」

絵里「………」

凛「ど…どうなるにゃ……これ……」

花陽「わ…分かんない……でも……」

梨子「な…なにしてたの……?千歌ちゃん……勉強は……」

千歌「………」

梨子「なんで黙ってるの……?千歌ちゃん…?なにか……なにか答えてよ………」

千歌「………」

梨子「ち…違うよね……?これ……喧嘩じゃないよね……?そうだよね…?千歌…ちゃん……」

千歌「………」

千歌「喧嘩だよ……」

梨子「…!」
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:21:06.58 ID:JK5PcfD80
千歌「喧嘩……私と絵里先輩の……」

絵里「………」

梨子「ど…どうしてそんな事…!!」

千歌「知らないよ……理由なんて忘れた」

梨子「…!」

千歌「ただ……なんか自分の中で大切にしたいものがあって……それが傷つけられたような気がしたから……」

梨子「な…なによ……それ……分かんないわよ……」

千歌「だよね………梨子ちゃんと私は違うから……」

梨子「違う……?なに言って……」

千歌「私は不良だから」

梨子「…!!」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:21:37.95 ID:JK5PcfD80
曜「千歌ちゃん……」

絵里「………」

梨子「うそ……分かんない……分かんないよ……私……どうしたらいいの……」

千歌「今まで嘘ついててごめん……それから、ありがとう……私は楽しかった……」

梨子「なんで……なんでそんな事言うの……」

千歌「もう一緒にいれないかもしれないから………私は不良で…梨子ちゃんはそうじゃない……悪いのは騙してた私で……梨子ちゃんは悪くない……」

千歌「もう…私に梨子ちゃんと友達でいたいなんて言える権利はない……」

梨子「そ…そんな……私は……」

千歌「絵里先輩……続き…やりますか……?」

梨子「…!!」

絵里「あなた……」
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:22:06.78 ID:JK5PcfD80
千歌「………」

絵里「遠慮しとくわ……あなたのせいで気分最悪よ…」

千歌「………」

絵里「最低ね……あなた……もう二度と私の前に顔を見せないでちょうだい」クルッ…

花陽「あぁ…!絵里先輩…!!」

凛「い…行っちゃったにゃ……」

千歌「ごふっ…」ポタポタポタ…

曜「ち…千歌ちゃん…!?」ダッ!
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:22:51.73 ID:JK5PcfD80
曜「大丈夫…!?血が……」

千歌「いいから……」スッ…

曜「でも…!病院行かなきゃ…!」

千歌「………」ヨロヨロ…

梨子「あ…」

千歌「………」ヨロヨロ…

凛「千歌先輩……梨子先輩の方に……」

梨子「ち…千歌ちゃ…

千歌「………」スッ…

梨子「え…」

花陽「な…何も言わずに通り過ぎた……」
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:23:23.33 ID:JK5PcfD80
千歌「………」ヨロヨロ…

梨子「そんな……うぅ…千歌ちゃん……」ポロポロ…

曜「り…梨子ちゃん…!」ダッ!

梨子「曜ちゃん……うぅ…千歌ちゃんが……千歌ちゃんが……」ポロポロ…

曜「……梨子ちゃん………」

千歌「………」ヨロヨロ…

凛「ち…千歌先輩が行っちゃうにゃ…!!」

曜「ごめん、凛ちゃん…!千歌ちゃん頼める…?」

凛「…!」

凛「わ…分かったにゃ…!!ち…千歌先輩!待つにゃー!!」ダッ!

花陽「わ…私は……」オロオロ…

花陽「あっ…!そうだ!私、絵里先輩の誤解を解いてきます…!!」

曜「ごめん……花陽ちゃん…ありがとう……あと、絵里先輩にも病院行くように言っておいて……」

花陽「はい…!じゃあ、失礼します…!」ダッ!
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:23:59.37 ID:JK5PcfD80
梨子「うぅ……曜ちゃん……私…どうしたら……」ポロポロ…

曜「…!」

曜「………」

梨子「うぅ……もう…なにも分かんないよ……私……」ポロポロ…

曜「り…梨子ちゃん……」

梨子「どうしたらいいの……私は……」ポロポロ…

曜「ど…どうしたら……か……」
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:24:30.21 ID:JK5PcfD80
曜「………」

曜「り…梨子ちゃんは……その…千歌ちゃんの側にいてあげればいいと思うよ……?…それが一番、千歌ちゃんのためになるから……」

梨子「え…!?で…でも……」

曜「大丈夫……千歌ちゃんは、きっと梨子ちゃんを待ってる……」

梨子「ま…待ってる……?」

曜「うん……えっと…詳しい事は後で、また話すけど……千歌ちゃんね、浦の星の時は、すごい不良で……喧嘩のカリスマだなんて呼ばれるぐらい喧嘩ばっかりしてて……」

梨子「そ…そうだったんだ……全然分からなかった……」

曜「でもね…?ちょっといろいろあって……不良は辞めるって決めて、退学になった浦の星から、この学校に来たの……」

梨子「不良を……辞める………」

曜「うん……だから、隠してた……特に梨子ちゃんにはバレたくなかったみたい……」

梨子「え…?私に…?」
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:25:03.83 ID:JK5PcfD80
曜「そう……梨子ちゃんなの……千歌ちゃんが変われたのは梨子ちゃんのおかげなんだよ……?」

梨子「どういう事……?」

曜「今までとは全然違う生き方をするって決めるのは簡単じゃないと思う……千歌ちゃんは、きっと、すごく不安だったんだと思う……」

梨子「……」

曜「そんな時に、最初に話しかけてくれたのが梨子ちゃんだった……」

曜「だから、千歌ちゃんにとって梨子ちゃんは、梨子ちゃんが思ってるよりも、ずっとずっと大切で、絶対無くしたくないものだったんだと思う……」

梨子「そんな……そんなの……」

曜「だから…その……

梨子「私だって千歌ちゃんが大切よ……」

曜「え…?」
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:25:40.97 ID:JK5PcfD80
梨子「高校入って初めてできた友達が、千歌ちゃんだったんだから……」

曜「梨子ちゃん……」

梨子「ありがとう……曜ちゃん……私…分かったよ……もう迷わない……」

梨子「私……千歌ちゃんに会いに行く……会って、ちゃんと話す………そうすれば、きっと分かる……私がどうしたらいいか……どうしたいのか……」

曜「梨子ちゃん…!」

曜「うん…!うん…!それがいいよ…!!行こう!千歌ちゃんの所に…!!」

梨子「えぇ……でも、その前に曜ちゃんも病院ね?曜ちゃんも、ひどい怪我なんだから……」

曜「え…!?あ…あはは……私のことは別に…

梨子「ダーメ!曜ちゃんだって、千歌ちゃんと同じくらい大切な友達なんだから…!!」

曜「…!」

曜「そ…そっか……/// 友達か……///」

曜「あはは、ごめんごめん…!じゃあ、病院行こっか…!絵里先輩と千歌ちゃんもいるかもしれないし…!!」

梨子「そうね……行きましょうか……」
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:26:16.67 ID:JK5PcfD80
梨子「……」フラッ…

梨子「きゃっ…」

曜「おっと…!大丈夫…?梨子ちゃん……」

梨子「あ…ありがとう曜ちゃん……まだ少し頭が混乱してて……」

曜「そっか……」

曜(頭混乱してて、つまづくかな……? もしかして、梨子ちゃん、運動神経悪いんじゃ……)

梨子「そ…その……ちょっと聞きたいんだけど……曜ちゃんも…その……喧嘩とかするの…?」トコトコ

曜「そ…そりゃあね……た…多少は……」トコトコ

梨子「そっか………」トコトコ

梨子「………」トコトコ

曜「………」トコトコ

梨子「また嘘つくのね……」トコトコ

曜「うぐっ…」ギクッ!
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:26:55.61 ID:JK5PcfD80
曜「す…すみません……多少じゃないです……」トコトコ

梨子「じゃあさ、聞くけど、なんで喧嘩なんてするの?」トコトコ

曜「う…うーん……千歌ちゃんのため……みたいな……」トコトコ

梨子「それって喧嘩じゃなきゃダメなの…?謝ってどうにかなったりするものなんじゃないの…?」

曜「あ…謝るのは……その…プライドが許さないというか……なんというか……」トコトコ

梨子「………」トコトコ

曜「………」トコトコ

梨子「はぁ……全く理解できないわね……なによ、プライドって……くだらない……」トコトコ

曜「仰る通りです……」トコトコ

梨子「でも……」トコトコ

曜「…?」トコトコ
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:27:42.03 ID:JK5PcfD80
梨子「ちょっとだけ、かっこいいわね……そういうの……」トコトコ

曜「…!」トコトコ

曜「梨子ちゃん……!」トコトコ

梨子「あっ、不良がいいって言ってるわけじゃないからね?私は、不良には断固反対よ」トコトコ

曜「うぅ……やっぱりそうか……」トコトコ

梨子「だから、曜ちゃんにも喧嘩は辞めてもらいます」トコトコ

曜「えぇ…!?」トコトコ

梨子「えぇ…!?じゃないわよ!曜ちゃんが怪我するのなんて、私見たくないんだから!」トコトコ

曜「うぅ…で…でも……必要になるというか……」トコトコ

梨子「ダーメ!次、喧嘩したら友達辞めるわよ」トコトコ

曜「えぇ…!?」トコトコ

曜「じゃ…じゃあ……喧嘩辞めます……」トコトコ

梨子「よろしい」トコトコ

曜「はい……」トコトコ…
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 15:28:11.62 ID:JK5PcfD80
梨子「後は、千歌ちゃんね……」トコトコ

曜「え…?でも、千歌ちゃんは、もう喧嘩しないって決めて…

梨子「してるじゃない」トコトコ

曜「あ…」トコトコ

梨子「甘いのよ、決意が。ビシッと言ってあげなきゃ…!!あと、勉強も!」トコトコ

曜「あはは……梨子ちゃん厳しい……」トコトコ

梨子「曜ちゃんが散々甘やかしたみたいだからね、私が厳しくしないと…!」トコトコ

梨子「待ってなさい!千歌ちゃん!!」








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270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 16:12:53.84 ID:4Xd6OLElo
こっから先はどうなるんやら
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 16:49:35.21 ID:JK5PcfD80

病院 入院棟−


絵里「………」

千歌「………」

ピピピピピピピ…

看護師「はーい、お熱計れましたね〜」

看護師「わっ…!二人とも、すごい高熱……骨も折れてるし……しばらく安静にしてる必要があるわね〜」

絵里「………」

千歌「………」

看護師「たしか、二人とも同じ高校なんだっけ?良かったわね〜!友達が隣で!」

絵里「………」

千歌「………」

看護師「じゃあ、私は行くわね!大人しくしてるのよ〜」ガララ……バタンッ…

絵里「………」

千歌「………」
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 16:50:13.24 ID:JK5PcfD80
絵里「………」

千歌「………」

絵里「いや、なんで隣なのよ……」

千歌「こっちのセリフですよ」

絵里「………」

千歌「………」

絵里「その…体…大丈夫?結構強く蹴っちゃったけど……」

千歌「大丈夫です」

絵里「………」

千歌「………」

絵里「あ…あと……その……ごめんなさいね…?事情は、小泉さんから聞いたわ……」

千歌「………」

絵里「停学明けたら、あの子達には、私からキツく言っておくわ」

千歌「………」

絵里「………」
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 16:50:48.26 ID:JK5PcfD80
千歌「………」

絵里「あれ…?無視?聞こえなかった?」

千歌「………」

絵里「お…怒ってる…?」

千歌「怒ってません」

絵里「え…えぇ〜……怒ってるじゃない……」

千歌「………」

絵里「なんで?あの桜内さんとかいう子に見られたから…?」

千歌「………」

絵里「でも、あなたも悪いのよ?あんな突き放すような言い方して……」

千歌「………」

絵里「桜内さん、すっごい悲しそうな顔してたわよ?」

千歌「………」

絵里「………」
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 16:51:14.09 ID:JK5PcfD80
千歌「………」

絵里「………」

絵里(何も喋らない……)

絵里(………)

絵里(部屋替えてもらえないかしら……)



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275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 16:54:10.18 ID:JK5PcfD80
一階 ロビー −


花陽「まさか、絵里先輩と千歌先輩が同部屋になるとは……」

凛「それも隣……」

花陽「大丈夫かな……喧嘩とかしてたり……」

凛「それはないにゃ……おそらく二人で黙り込んでるに違いないにゃ」

花陽「あはは…それ辛いね……」

梨子「あ!花陽ちゃん!凛ちゃん!」タッタッ!

花陽「あ!梨子先輩…!も…もう大丈夫なんですか…?」

梨子「まあね……吹っ切れたわ」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 16:55:15.11 ID:JK5PcfD80
凛「あれ?曜先輩は?」

梨子「あ、曜ちゃんなら今、治療中よ。ひどい怪我だったからね……」

花陽「そうですか……」

梨子「それで……その…千歌ちゃんに会いたいんだけど……部屋分かる?」

凛「え…!?会うんですか!?」

梨子「えぇ……会って話さなきゃいけないと思ったから……」

凛「………」

梨子「どうしたの?凛ちゃん……」

凛「えっと……その…今、千歌先輩に会っても、たぶん……」

梨子「……ふふっ…いいのよ……そんなの分かってる……話してくれるようになるまで、粘るしかないわ……何日でもね…!」

凛「梨子先輩……」
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 16:56:29.61 ID:JK5PcfD80
看護師「あの〜…あなた達、高海さんのお友達の方?」

梨子「え…?は…はい……そうですけど……どうかしました?」

看護師「今、高海さんから言われたんだけどね……面会拒否だって……」

梨子「え…」

看護師「ごめんなさいね……そういうのは一応、患者側に権利があるから……」

梨子「そう…ですか……」

看護師「高海さん……なにかすごく悩んでるみたいだけど……なにかあったの…?」

梨子「………」

梨子「いえ…大丈夫です…!」ニコッ…

梨子「わざわざ伝えてくださって、ありがとうございました…!」ペコリ…!

花陽「梨子先輩……」

看護師「そう…?じゃあ、私は戻るわね。高海さんにも、よろしく伝えておくわ」クルッ

梨子「はい…!お願いします…!」
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 16:57:15.74 ID:JK5PcfD80
梨子「………」

凛「そんな……面会拒否だなんて……」

梨子「あはは…断られちゃった……」

花陽「…!」

花陽「だ…大丈夫ですよ…!きっと今日だけで、明日には……」

梨子「うん…そうだね……!明日、また来よう!」

花陽「はい…!きっと千歌先輩も会いたがってますよ!」

梨子「そうね……うん…きっと……そう……」

梨子「………」

凛「梨子先輩……」

梨子「さっ!こんな所でしょげてても、しょうがないわ!曜ちゃんのお見舞いに行きましょう!」

花陽「あっ…は…はい…!そうですね!曜先輩も、大変ですからね!」

凛「うん……」

凛「………」

凛(千歌先輩……)

凛(一体どうしちゃったにゃ……)



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279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 16:58:04.92 ID:JK5PcfD80

病室−


絵里「本当に良かったの?面会拒否だなんて」

千歌「………」

絵里「はぁ……また無視?」

千歌「………」

絵里「何か言ったらどうなの?ここなら私以外誰も聞いてないわよ」

千歌「………」

千歌「……じ…自分の中で答えも見つかってないのに……会えない…です……」

絵里「バカね、それを一緒に探してくれるのが友達でしょ?見つかってないなら、なおさら会うべきよ」

千歌「…!」
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 17:00:35.42 ID:JK5PcfD80
千歌「………」

絵里「………」

絵里「まあ、あなたの問題だから、私には関係ないけどね」

千歌「はい……」

ヤンキー「絵里さん…!」ガララ…!

絵里「あら、あなた達……」

ヤンキー「た…高海にやられたって本当ですか!?嘘ですよね!!??」

絵里「むっ…」


ゴチンッ!!!


ヤンキー「いっ…いったぁ!な…なにするんですか!?」

絵里「言う事が違うでしょ!!私は、もう全部知ってるのよ!!」

ヤンキー「えっ……」
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 17:02:58.58 ID:JK5PcfD80
ヤンキー「ぜ…全部って……全部ですか…?」

絵里「えぇ、小泉さんに聞いたわ」

ヤンキー「す…すみませんでしたあああ!!!」

絵里「謝らなきゃいけないのは、私じゃないでしょ、ほら…」

ヤンキー「えっ……うぅ……」

絵里「ほら!早く!」

ヤンキー「は…はい……」

千歌「…」

ヤンキー「わ…わりぃ……」

絵里「…!」


ゴチンッ!!!


ヤンキー「いったぁ!?な…なんですか!!謝ったじゃないですか!!」
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 17:04:27.64 ID:JK5PcfD80
絵里「あれのどこが謝ってるのよ!!ちゃんと謝りなさい!!!」

ヤンキー「え…えぇ〜……でも後輩に…」

千歌「別にいいです」

ヤンキー「え…?」

千歌「私……怒ってませんから」

ヤンキー「えっ…えぇ〜……絶対怒ってるじゃん……」

千歌「怒ってません。私の事は気にしないでください」

絵里「………」

ヤンキー「え…絵里さん……高海のやつはこう言ってる事だし……とりあえずは……」

絵里「はぁ……まあ、そうね……いいわ……」

絵里「今のこの子には、何を言っても通じないだろうしね……」
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 17:05:36.83 ID:JK5PcfD80
絵里「それで、どうしたの?ただ見舞いに来たわけじゃなさそうだけど……」

ヤンキー「そ…そうなんです!!大変なんです!!遂に、焔ヶ丘高校(ほむらがおか)の奴らが動き出したんすよ!!」

千歌(焔ヶ丘……?)

絵里「そう……焔ヶ丘が……」

ヤンキー「多分、絵里さんが入院したのを知って、一気に来る気なんです!!どうすればいいですか!?」

絵里「決まってるわ、焔ヶ丘の奴らは全員ぶっ飛ばす……あの一件以来、ずっと、そう決めてたでしょ?」

ヤンキー「で…でも……絵里さん抜きじゃ……」

絵里「大丈夫よ、すぐに退院するわ。それまでは耐えてて」

ヤンキー「っはい…!!分かりました!!よっしゃ!行くぞ!お前ら!!」

ヤンキー「それじゃあ、失礼します!絵里さん、お大事に!!」ガララ……バタンッ…!
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 17:06:16.27 ID:JK5PcfD80
絵里「………」

千歌「………」

絵里「はぁ…全く……慌ただしい人たちね……ごめんね?騒がしかった?」

千歌「いえ…別に……」

絵里「………」

千歌「………」

千歌「あの……」

絵里「ん?なに?」

千歌「なんですか?焔ヶ丘って……」

絵里「あら?興味あるの?不良の話よ?」

千歌「………」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 17:08:04.53 ID:JK5PcfD80
千歌「別に…ちょっと気になっただけです……」

絵里「ふふっ…じゃあ、ちょっとだけ教えてあげるわ……」

絵里「今のアキバが、なんて呼ばれてるか知ってる?」

千歌「アキバが…?」

千歌「………」

千歌「オタクの街……」

絵里「違うわ……」

千歌「じゃあ、なんですか…?」

絵里「………」

絵里「不良戦国時代よ……」

千歌「不良…戦国時代……」
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 17:08:40.65 ID:JK5PcfD80
絵里「そう……今、この秋葉原は、3つの高校が覇権を争う戦国時代に突入してるのよ」

千歌「3つ……」

絵里「えぇ……まず、私達の通う西の水見色高校(みずみいろ)、それから、さっき話した東の焔ヶ丘高校、そして、北の緑王学園(りょくおう)……この3つよ」

千歌「水見色…焔ヶ丘…緑王……」
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 17:10:09.48 ID:JK5PcfD80
絵里「えぇ……中でも、私たちと焔ヶ丘は、ずっと対立してるの。一年前のある事件をきっかけにね……」

千歌「事件……?」

絵里「………」

絵里「はめられたのよ……焔ヶ丘の今の二年生番長……高さ…

看護師「はーい!それじゃあ、高海さんと絢瀬さん、お熱測りましょうね〜!」ガララ…!

絵里「あっ、はい…!お願いします」

千歌「ちょ…ちょっと…!話の続きは…」

絵里「ん〜…よく考えたら、あなたにここまで話す必要なかったわ。まあ、喧嘩に加わってくれるなら話は別だけどね?」

千歌「なっ…」

看護師「はいはーい!お友達同士、お話するのが楽しいのは分かるけど、検診はちゃんとしなきゃダメよ〜!はい!体温計!」

千歌「は…はい……」












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288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/04(日) 04:07:52.54 ID:c5Kao2/Yo
面白くなってまいりました!
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/04(日) 17:27:49.53 ID:6upJk3uko
期待
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:06:16.24 ID:1QK2lyY60

三日後 病院−


千歌「………」ゴソゴソ…

絵里「………」

絵里「なんで、あなたの方が先に退院するのよ……」

千歌「普通に私の方が軽傷だったからじゃないですか?」

絵里「なんか負けたみたいで腹立つわね……言っとくけど、あの時、私はまだ本気出してな…

千歌「あーはいはい…もう何回も聞きましたよ、それ……分かりましたって」ゴソゴソ
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:06:49.31 ID:1QK2lyY60
絵里「………」

千歌「………」ゴソゴソ…

絵里「………」

千歌「よしっ…と……」

絵里「もう行くの?」

千歌「はい、お母さんも心配してますし」

絵里「そう…」

千歌「………」

千歌「…なんですか?私がいなくなって寂しいんですか?」

絵里「…!?」

絵里「そそそそそそそそそそんなわけないでしょ!?だ…だいたい、あなたずっと落ち込んでるし、部屋が暗くなるのよ!!いない方がいいわ…!!」

千歌「そうですか……」

絵里「うっ…」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:07:33.82 ID:1QK2lyY60
絵里「ま…またそうやって落ち込んで……いつまでそうしてるつもりよ…」

千歌「………」

絵里「また、答えが見つかるまで、とか言う気?そんなに悩んで、あなたは何を見つけたいの?」

千歌「………」

絵里「何かは知らないけど、きっとそれは一人で見つけられる程、簡単な答えじゃないわよ?」

千歌「………」

千歌「失礼します……」スッ…

絵里「…!」

絵里「そう……それじゃあね、また学校で」

千歌「はい…ありがとうございました」ガララ…

絵里「っ…」

絵里「わ…私でよければ、いつでも相談に乗るからね…!!」

千歌「……」バタンッ…

絵里「あ………」

絵里「………」

絵里「はぁ……」

絵里「全く……困った後輩ができたものね……」

絵里「………」



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293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:08:09.67 ID:1QK2lyY60
病院 ロビー −


千歌「…!」

梨子「千歌ちゃん…!!」

千歌「り…梨子ちゃん……なんでここに……」

梨子「千歌ちゃんのお母さんに聞いたのよ!今日、退院するって……それで……」

千歌「そ…そう……」

梨子「うん……」

千歌「………」

千歌「そ…それじゃあ……」スッ…

梨子「…!」
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:08:39.74 ID:1QK2lyY60
梨子「なんで…!?なんで、突き放そうとするの!?」

千歌「…!」ピタッ…

千歌「うっ……」

梨子「私は……私は別に、千歌ちゃんが不良だろうが何だろうが関係ない…!!そんな事で嫌いになったりなんてできない…!!」

千歌「………」

梨子「千歌ちゃんが言ってくれたんじゃない……私達、友達だって……」

千歌「そ…それは……」

梨子「………」
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:09:16.22 ID:1QK2lyY60
千歌「………」

梨子「今日……」

千歌「え…?」

梨子「今日の12時……駅前に来て……」

千歌「駅前に……?なんで…

梨子「いいから来るの!!来なかったら嫌いになるわよ…!!」

千歌「えぇ…!?」

梨子「それじゃあね…!待ってるから!!」タッ…!

千歌「あっ…」

千歌「………」









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296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:10:07.12 ID:1QK2lyY60

12時 駅前−


ザワザワザワザワ


千歌「………」

千歌(き…来てみたはいいけど……駅前って、電気街口の方で良かったのかな……)

千歌(私達の家からすると、こっちのが近いけど……)

梨子「…!」

梨子「あっ!千歌ちゃーん!」タッタッタッ!

千歌「梨子ちゃん…!」

梨子「ごめんごめん……呼び出しといて、遅くなっちゃった……」

千歌「う…うん……別にいいよ…私も今来たところだし……」

梨子「そう?それじゃあ、行きましょうか…!」

千歌「え?どこに…?」

梨子「穂むらよ!」

千歌「ほ…穂むら…!?」

梨子「そう、穂むらよ」

千歌「えぇ…?ほ…穂むらって……」

千歌「………」

千歌「……なに…?」

297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:25:27.60 ID:1QK2lyY60
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穂むら前−


梨子「ここよ」

千歌「え…?わ…和菓子屋さん……??」

梨子「えぇ、私の行きつけよ」

千歌「へ…へぇ〜…そうなんだ…」

梨子「さっ、入りましょう!」ガララ…!

千歌「う…うん……」

穂乃果「いらっしゃいませー!!…って、梨子ちゃん!!来てくれたんだ!!」

千歌「え…?」
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:25:53.18 ID:1QK2lyY60
梨子「久しぶりね、穂乃果ちゃん」ニコッ

千歌「し…知り合い……?」

梨子「えぇ、焔ヶ丘高校の二年生、高坂穂乃果ちゃんよ」

穂乃果「高坂穂乃果です!よろしくね!あなたは?」

千歌「あっ…えっと……高海…千歌………です…」

穂乃果「へぇ〜!じゃあ、千歌ちゃんだね!よろしく!!」

千歌「う…うん……よろしく……」

千歌(すごいグイグイくる……)
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:26:26.02 ID:1QK2lyY60
梨子「ごめん、穂乃果ちゃん……仕事中だったわね……ちょっと話したい事があったんだけど……」

千歌(話…?)

穂乃果「話!?なになに?」

梨子「うん…できれば、部屋で落ち着いて話したい事なんだけど……」

穂乃果「そうなの?じゃあ、お母さんに店番変わってもらうよ!お母さーん!!!」ダッダッダッ!

梨子「えぇ!?ちょ…ちょっと!?穂乃果ちゃん!?悪い…よ……って…」

千歌「行っちゃったね……」

梨子「はぁ…全く……ああいう所は昔から、なんにも変わってないんだから……」

千歌「え…?昔から?」

梨子「まあ、ちょっとね……学校は一回も一緒になった事ないんだけど、昔からこの和菓子屋にはよく来てたのよ。それで、同学年って事もあって穂乃果ちゃんとはよく遊んだの」

千歌「へぇ〜…梨子ちゃん、ちゃんと友達いたんだね……」

梨子「ん?なんかバカにしてる?」

千歌「してないしてない」
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:27:21.30 ID:1QK2lyY60
穂乃果「うぅ…」トボトボ…

梨子「あれ…?ダメだったの…?」

千歌(うわぁ…分かりやすい……)

穂乃果「うん……普通に怒られた……よく分かったね……梨子ちゃんエスパー…?」シュン…

梨子「いや…エスパーではないけど……」

穂乃果「でも、頑張って頼んだら、あと10分だけでいいって言ってくれたよ!!」パアッ…!

梨子「そうなの…?じゃあ、少し待たせて貰ってもいい?」

穂乃果「うん…!じゃあ、私の部屋使っていいよ!さっ!上がって上がって〜!千歌ちゃんも〜」

梨子「えぇ!?悪いわよ…ここで待たせてもら…

穂乃果「いいから!いいからー!ほらほらー!」グイグイ

梨子「わわっ!ちょ…押さないでよ!分かったわよ!部屋で待たせて貰うから!」

穂乃果「ほんと!?じゃあ、後でお茶とほむまん持ってくね!!」

千歌「あはは……」

千歌(ほんと、すごいグイグイくる子だな……)

梨子「じゃあ、千歌ちゃん行きましょう。穂乃果ちゃんの部屋、二階だから」

千歌「あっ、うん!じゃあ、使わせてもらうね、穂乃果ちゃん…!」

穂乃果「ごゆっくり〜」フリフリ



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301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:28:10.61 ID:1QK2lyY60

穂乃果部屋−


千歌「わっ、漫画いっぱい…」

梨子「あぁ、昔からそうなのよね。まあ、全然巻数揃ってなくて読むの大変だけど……」

千歌「あはは…本当だ……」

千歌「………」

梨子「………」

千歌「え…えっと……」

梨子「なに?どうしたの?」

千歌「う…えっと……」

千歌「………」
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:28:40.65 ID:1QK2lyY60
梨子「………」

千歌「その……」

梨子「………」

千歌「………」

千歌「お…怒ってないの……?」

梨子「怒ってるわよ」

千歌「えっ…」

梨子「当たり前じゃないの、騙された上に、千歌ちゃんが不良だったなんて」

千歌「あぅ……そ…そうだよね……」

梨子「だから謝って!」

千歌「……え…?」
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:29:11.47 ID:1QK2lyY60
梨子「まだ、私、千歌ちゃんに謝ってもらってないわよ?だから、謝って」

千歌「え……で…でも……謝るって、どうこうなる問題じゃ……」

梨子「どうこうなるわよ!謝ってくれたら、許すわ」

千歌「ゆ…許すって……そんな簡単な問題じゃ……ないよ……」

梨子「そう?」

千歌「だ…だって……私…不良なんだよ……?」

梨子「………」

梨子「…そうね……」

千歌「梨子ちゃんが、前に苦手だって言ってた不良なんだよ……?」

梨子「言ったわね……」

千歌「それに、私……今は本当にどうしたらいいのか分かんなくなっちゃって……不良である事だって辞めるかどうか……」

梨子「………」
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:29:54.21 ID:1QK2lyY60
梨子「千歌ちゃんが、どう考えてるのか、はっきりとは分からないけど……」

千歌「………」

梨子「私は、やっぱり不良は辞めた方がいいと思うわよ?」

千歌「えっ……」

千歌「じゃ…じゃあ……」

梨子「? どうしたの?」

千歌「うぅ………その……もし…」

千歌「もし、私が不良を辞めないって言ったら……その…どうなるの……?」

梨子「辞めて!って言うわね」

千歌「え…?」

梨子「えぇ……」

千歌「で…でも……」

梨子「………」

千歌「あぅ……」

梨子「………」

梨子「千歌ちゃん…何か勘違いしてない?」

千歌「か…勘違い……?」
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:30:29.89 ID:1QK2lyY60
梨子「うん。言っておくけどね、私は、なにがあっても千歌ちゃんと友達である事を辞めるつもりはないわよ?」

千歌「…!!」

梨子「例え、千歌ちゃんが不良でも、ましてや、タバコを吸ってたり、犯罪を犯したりしたとしても……関係ない」

梨子「私は、いつだって千歌ちゃんの味方だし、千歌ちゃんが私が思う良い方向に進んでくれるなら、応援するし、逆に、私が思う悪い方向に進んでるなら、叱ってあげる」

千歌「梨子ちゃん……」

梨子「でも、最終的に決めるのは千歌ちゃん本人………たとえ、それが私の願う方向と違ってたとしても、私は理解するわ」

梨子「一緒に本気になって悩んであげて、最後は理解してあげる……」

千歌「………」

梨子「友達ってそういうもんでしょ?違う?」ニコッ

千歌「…!」

千歌「友達……」
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:31:01.47 ID:1QK2lyY60
梨子「えへへ、ちょっとクサすぎたかな…?///」テレテレ…

千歌「ううん……」

千歌「そんな事ないよ……」

梨子「え?そ…そう…?」

千歌「その通りだよ……ごめん……私……何も分からなくなってた……」

千歌「絵里先輩にも言われたのに……」

梨子「え?絵里先輩?」

千歌「うん…!病室でね、隣だったから」

梨子「隣…!?だ…大丈夫だったの…?」

千歌「大丈夫だよ!誤解は解けてたし」

梨子「そ…そう……」

千歌「でも、まさか梨子ちゃんに友達論を諭されるなんて……」

梨子「ん?バカにしてない?」

千歌「してないしてない」
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:31:50.58 ID:1QK2lyY60
梨子「してるじゃない……なによ、私だった友達いるのよ?」

千歌「穂乃果ちゃんだけでしょ?最近は会ってないみたいだけど……」

梨子「うっ…た…たしかに、最近は会ってないけど……」

梨子「で…でも…!友達が穂乃果ちゃんだけって事はないわよ!?海未ちゃんだって、ことりちゃんだっているし!」

千歌「海未ちゃん?ことりちゃん?」

梨子「穂乃果ちゃんと仲が良かった子達よ、学校こそ違ったけど、良く遊んだの」

千歌「ふーん…」ゴロンッ…

梨子「あ!千歌ちゃん、人の家で横になって…」

千歌「いいのいいの、もう穂乃果ちゃんとは友達だしね」

梨子「それはそうだけど……」
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:32:26.94 ID:1QK2lyY60
千歌「あと、私は疲れたんだよ、少しくらい横になっても………って、ん?なんか落ちてる……」

千歌「なんだろ…?」

梨子「あんまりいじらないのよ?穂乃果ちゃんの物なんだから」

千歌「分かってる分かってる〜」

千歌「よっと…!」スッ!

千歌「…!?」

梨子「あぁ…もう……そんな勝手にいろいろ触ったら、穂乃果ちゃん怒るわよ…?」

千歌「………」

梨子「? どうしたの?千歌ちゃん…」

千歌「り…梨子ちゃん……」

梨子「なに?」

千歌「これ…」スッ…

梨子「…!?」

梨子「こ…これは……」
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:33:14.19 ID:1QK2lyY60
穂乃果「おまたせー!!いやぁ〜!やっと店番終わったよ!!」ガララッ!!

千歌「あ…」

梨子「あ…」

穂乃果「え?」


熊のパンツ ゴゴゴゴゴゴゴ…


穂乃果「あああっーー!!!それ、穂乃果の無くしてたパンツ!!!」

千歌「え…」

梨子「え…」

穂乃果「あ…」

310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:33:45.19 ID:1QK2lyY60

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穂乃果「うぅ…ぐすん……」

梨子「………」

千歌「ほ…穂乃果ちゃん……」

穂乃果「もうヤダ……お嫁に行けない……」

梨子「いや、そんな事ないわよ…?」

穂乃果「そんな事あるよ…!だって……」

穂乃果「高校生にもなって、あんなパンツ履いてるのがバレたんだよ!?もう死ぬ!!」

千歌「あはは…」
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:34:25.01 ID:1QK2lyY60
梨子「いいじゃないの、可愛いわよ?熊さん」

穂乃果「あっー!!梨子ちゃん、またバカにしてるでしょ!!私だって好きであんなの履いてるわけじゃないんだからね!!」

梨子「そうなの?」

穂乃果「そうだよ!!好きで履くわけないじゃん!!お母さんが勝手に買ってくるんだよ!!」

穂乃果「私だって、本当は、もっと大人なパンツがが欲しいよ!!でも、お母さんにそう言うのは恥ずかしいし、言うタイミングも分かんなくて、いつの間にか高校生になっちゃってたんだよ!!」

梨子「あはは…」

千歌「き…気にする事ないよ……私も…お母さんに買ってきてもらってるし……」

穂乃果「え…?」

梨子「ち…千歌ちゃんも…?」

千歌「あ…」

穂乃果「…てことは……」

穂乃果「…」ピラッ…

千歌「あああっー!!!」バッ!!!

穂乃果「あ……」

千歌「み…見た……?///」

穂乃果「う…うん……」

穂乃果「………」

穂乃果「み…みかんがいっぱい……」

千歌「…!!!」

312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:42:29.37 ID:1QK2lyY60
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千歌「うぅ…ぐすん……」

穂乃果「ご…ごめんって……」

千歌「もうヤダ……お嫁に行けない……」

梨子「そんな事無いわよ、可愛いわよ?みかん」

千歌「…!」

千歌「ま…また、そうやってバカにして……!」

梨子「あはは、してないしてない」

千歌「してるじゃん!!」

梨子「本当にしてないわよ?二人とも、可愛くて良いと思うわ!」

千歌、穂乃果「…!!」
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:43:07.12 ID:1QK2lyY60
穂乃果「千歌ちゃん……」ゴゴゴゴゴ…

千歌「うん……穂乃果ちゃん……」ゴゴゴゴゴ…

梨子「あれ?どうしたの?二人とも……目が怖いわよ…?」

穂乃果「梨子ちゃんのパンツも見せろーー!!」ガバッ!!!

梨子「えぇ…!?ちょ…」

千歌「捕まえた!」ガシッ!!

梨子「ぐえ…!ちょ…やめ…」

千歌「今だよ!!穂乃果ちゃん!!!」

穂乃果「うん…!」

梨子「嘘!?ちょ…やめて!?きょ…今日は…

穂乃果「ご開帳!!!」バッ!!!

穂乃果「…!!??」

千歌「…!!??」

314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:46:23.46 ID:1QK2lyY60
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穂乃果「お…大人だった……」

千歌「大人だったね……」

梨子「な…なによ!!そのリアクションは!!大人じゃないわよ…!!///」

穂乃果「いや…でも……」

千歌「さすが、桜内さんって感じというか……」

梨子「さん付けで呼ばないで!?普通よ!!高校生なんだから!!」

穂乃果「普通と言われても、私達子供には分からない話で……」

梨子「じゃあ、もういいわよ!!それよりも…」ゴソゴソ…

千歌「ん?どうかしたの?」

梨子「完成したの…」

千歌「?」
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:47:04.54 ID:1QK2lyY60
梨子「はい…!これ!」スッ

千歌「あっ…!」

穂乃果「え?なに?ノート?」

千歌「そっか……完成したんだ……!」

梨子「えぇ…あれから、結構頑張ってね、昨日やっと満足のいくものができたの…!」

穂乃果「え?なになに?穂乃果、分かんないよ?」

千歌「曲だよ!曲!!梨子ちゃんが作った!」

穂乃果「えぇ!?きょ…曲!?梨子ちゃんが作ったの!?」

梨子「う…うん……えへへ…///」

穂乃果「す…すごい……たしかに昔からピアノは上手かったけど……」

千歌「見ていい…?」

梨子「うん…」

千歌「じゃ…じゃあ…」ピラッ…

穂乃果「…!」
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:48:38.66 ID:1QK2lyY60
穂乃果「おー!すごい!!楽譜だ!!」

千歌「………」ジーー…

穂乃果「え?千歌ちゃん……もしかして…」

千歌「………」ジーー…

穂乃果「分かるの…?楽譜……」

千歌「いや…」

千歌「全然分からない……」

穂乃果「えぇ!?そ…そうなの!?じゃあ、なんでそんな真剣に……」

千歌「いけるかと思って……私、ちょっとは勉強したから……」

梨子「ふふっ、そうね……最初に楽譜を見せた時に、千歌ちゃん勉強してきてくれたもんね……」

千歌「でも、やっぱり全然分からなかった……ごめん……」

梨子「いいのよ、楽譜は難しいし、見ただけで、どんな曲か分かるには時間も必要だわ。だから……」ゴソゴソ…

穂乃果「?」
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:49:14.95 ID:1QK2lyY60
梨子「これ!さっき、家出る前に録音してきたの…!」スッ

穂乃果「おー!ウォークマン!!それなら、穂乃果でも分かるよ!!」

千歌「すごい…!これ、梨子ちゃんが弾いたの?」

梨子「もちろんそうよ?私以外、誰が弾くのよ」

千歌「あはは…いや……なんか、すごすぎて……」

梨子「そうは言っても、上手く弾けるまで時間かかったのよ?そのせいで、千歌ちゃんとの集合時間にも遅れたんだから」

千歌「あ…、あー…それで遅れたんだ……」

穂乃果「ねー!ねー!早く聴こうよ!私、もう待ち切れないよ!」

梨子「ふふっ、分かったわ。じゃあ、流すわよ……」
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:49:56.59 ID:1QK2lyY60
千歌「………」ゴクリッ…

穂乃果「………」ワクワク…

梨子「…」ポチッ


♪〜


千歌「わぁ……」

穂乃果「綺麗……」


♪〜


千歌「なんか…優しい感じ……」

穂乃果「でも、力強くて明るい……」


♪〜


千歌「………」

穂乃果「………」

梨子「………」
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:50:25.50 ID:1QK2lyY60


♪〜………ポチッ


梨子「…と、まぁ、こんな感じなんだけど……ど…どうかな……?///」

千歌「すごいよ……」

梨子「え…?」

千歌「うん…すごい……」

穂乃果「すごい……」

穂乃果「すごい!すごい…!!」

千歌「すごい!すごいよ!!梨子ちゃん!!!」

梨子「え…そ…そう……?///」テレテレ…

梨子(この子達、すごいしかボキャブラリーないのかしら……)
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:50:56.16 ID:1QK2lyY60
穂乃果「私、感動しちゃったよ!!曲聴いて、こんな感動した事なんて初めてだよ!!」

千歌「私も!!歌詞の無い曲で、こんなに聴き入っちゃったの初めてだよ!!本当にすごいよ!梨子ちゃん!!」

梨子「えへへ…そんなに言われると、照れるわね……///」テレテレ…

穂乃果「急に梨子ちゃんが訪ねてきたから、何かと思ったら、こんないい曲聴かせてもらえるなんて…!!」

梨子「ふふっ、でも、今日は曲を聴いてもらいに来ただけじゃないのよ?」

穂乃果「え…?まだ、何かあるの?」

梨子「うん……むしろ、本題はこっち……」

千歌「…?」

梨子「千歌ちゃん…!穂乃果ちゃん…!」

穂乃果、千歌「は…はい……」ゴクリッ…

梨子「作詞……やってみない……?」

穂乃果「え…?」

千歌「さ…」

穂乃果、千歌「作詞…!!??私達が!?」
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:53:11.41 ID:1QK2lyY60
梨子「うん、作詞……この曲に歌詞を書いて欲しいの……二人に…」

千歌「こ…この曲に……」

穂乃果「で…でも……私、作詞なんてやった事ないよ…?なにしていいか……」

千歌「私も……。こんないい曲に付ける歌詞なんて考える自信ないよ……?」

梨子「いいのよ?別にチグハグでも……」

梨子「二人が作ってくれる事が大事なの」

千歌「え…?わ…私達が…?」

梨子「うん……この曲のコンセプトは、「友達」なの」

穂乃果「友達……」

梨子「昔からの大切な友達の穂乃果ちゃんと、高校でできた大切な友達の千歌ちゃん……二人の事を思って書いた曲なの……」

千歌「そ…そうだったんだ……」

穂乃果「えへへ…なんか照れるね……///」
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:55:14.92 ID:1QK2lyY60
梨子「だから、この曲は3人で完成させたいの……例え、それが、どんなに稚拙でも……」

千歌「梨子ちゃん……」

穂乃果「そっか……うん…分かったよ…!梨子ちゃん!やるよ!!やってみる!!千歌ちゃんも、いいよね?」

千歌「うん!もちろんだよ!!私も、作りたい!この3人で1つの曲!!」

梨子「二人とも…!」パアァッ…!

千歌「よーし!そうと決まったら、さっそく作詞に取り掛かるぞー!!!」

穂乃果「おー!!!」




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
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323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:56:24.01 ID:1QK2lyY60
3時間後−


穂乃果「私の美学……私の美貌……」

千歌「手が届かない高嶺のフラワー……」

穂乃果「ドンウォーリー…ドンウォーリー…」

千歌「冷たいヤケドを教えてあげる……」

穂乃果「………」

千歌「………」

梨子「………」

梨子「どういう歌よ……それ……」
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:57:08.13 ID:1QK2lyY60
穂乃果「だって、なんにも思いつかなくて……」

千歌「作詞、難しすぎ……」グタッ…

スマホ ピロリンッ♪

千歌「んあ?凛ちゃんからLINEだ…」

穂乃果「凛ちゃん? もしかして、それって星空凛ちゃんの事?」

千歌「え!?知ってるの?」

穂乃果「うん、中学一緒だったから。凛ちゃん、すごい不良で有名だったし……」

千歌「あー…なるほどね……」

穂乃果「そっか、凛ちゃん、水見色行ったんだ…ふーん……」

梨子「それで?凛ちゃん、どうかしたの?」

千歌「あぁ、いや……なんでもないよ」

千歌「うん……」

梨子「?」
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:57:34.62 ID:1QK2lyY60
千歌「……」


凛 : 退院おめでとうございます!なんだか元気が無いみたいですが、そんなの千歌先輩らしくないですよ?細かい事は気にせずに、また一緒に遊びましょう!


千歌「ふふっ……」

千歌(これ、励ましてくれてるのかな……)

千歌「………」スッスッスッ…


千歌 : 心配かけてごめんね?でも、もう大丈夫!明日からは学校行けるから、また遊ぼうね!


千歌「よしっ…と……」
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:58:22.16 ID:1QK2lyY60
穂乃果「ちょっとー!千歌ちゃん、スマホいじってないで、ちゃんと考えてよ!!」

千歌「あぁ、ごめんごめん」

千歌「何か進んだ?」

穂乃果「………」

穂乃果「………なにも……」

千歌「ですよね……」

梨子「まあ、別に今日決めないといけないわけじゃないから、大丈夫よ。そんな簡単にできるものじゃないしね」スクッ…

穂乃果「あれ?梨子ちゃん、帰るの?」

梨子「えぇ、外も暗くなってきたし、今日は帰らせてもらうわ。また今度ね」

千歌「じゃあ、私も帰ろっかな」スクッ…

穂乃果「あ、梨子ちゃん、ノートとウォークマン忘れてるよ!」

梨子「それは貸しとくわ、作詞に必要でしょ?」

穂乃果「いいの!?やったー!」
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:59:17.08 ID:1QK2lyY60
梨子「千歌ちゃんにも、また作って渡すね」

千歌「助かるよ〜、ありがとう梨子ちゃん」

穂乃果「じゃあ、なんかいい歌詞浮かんだら、連絡するね!千歌ちゃん!」

千歌「うん!私もそうするよ!」

梨子「進んだら、私にも見せてよ?二人だけに任せておくと大変な事になりそうだから……」

千歌「あー、はいはい…大変な事にはならないけど、ちゃんと見せるよ」

スマホ ピロリンッ♪

千歌「ん?お母さんからだ…」


母 : 美渡が、邪魔だって言って、千歌のスクーター届けにきたわよ。はやく帰ってきなさい


千歌「…!?」

梨子「どうかしたの?」

千歌「オレンジみかん号が……」

梨子「は?」

穂乃果「オレンジみかん号…?」

千歌「オレンジみかん号が戻ってきた……!」

千歌「オレンジみかん号が、戻ってきたんだよ…!!!」

梨子「いや、何言ってるのか、全然分かんないんだけど……」
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:59:57.85 ID:1QK2lyY60
千歌「スクーターだよ!スクーター!!ほら、この前、静岡に置いてきちゃったって言ったじゃん!」

梨子「あー…そういえば、言ってたわね」

穂乃果「へぇ〜!千歌ちゃんも乗るんだ!」

千歌「穂乃果ちゃんも?」

穂乃果「うん!私のは超クールだよ!今度、見せてあげるよ!」

千歌「わぁ〜!ほんと!?楽しみだよ〜!」

梨子「千歌ちゃんのも、なんか良いやつなんでしょ?曜ちゃんが言ったけど」

千歌「うん!私のも超クール!!まあ、梨子ちゃんには、すぐに見せてあげるよ!」

梨子「はぁ…まあ、少し楽しみね」
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 19:01:18.81 ID:1QK2lyY60
千歌「よーし!そうと決まったら、早く帰ろ!梨子ちゃん!」

梨子「えぇ…じゃあ、またね、穂乃果ちゃん」ニコッ

穂乃果「うん!またね〜!」フリフリ

穂乃果「千歌ちゃんも、またね〜!」フリフリ

千歌「うん…!また今度、スクーター見せてね!」

千歌「よし!じゃあ、行こう!梨子ちゃん!」

梨子「はいはい、分かったわよ…」

穂乃果「じゃあね〜」フリフリ


ガララ…パタンッ…


穂乃果「………」
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 19:02:10.78 ID:1QK2lyY60
穂乃果(………)

穂乃果「あっ…!ほむまん出すの忘れた!!」

穂乃果「うぅ…千歌ちゃんに食べてもらいたかった……」

スマホ プルルルルル…♪

穂乃果「ん?海未ちゃんから電話だ」

穂乃果「はい!もしもし!穂乃果だよ!!」

穂乃果「………」

穂乃果「あはは…ごめんごめん……」

穂乃果「それで、どうしたの?急に」

穂乃果「………」

穂乃果「え……?」

穂乃果「………」

穂乃果「そっか……ツバサさんが……」

穂乃果「分かった……時間は?」

穂乃果「………」

穂乃果「明日の夜ね……うん…空けとく……」

穂乃果「………」

穂乃果「ふふっ…心配しなくても大丈夫だよ、ツバサさんは悪い人じゃない……うん……」

穂乃果「………」

穂乃果「うん…じゃあね…また明日……」

穂乃果「………」ポチッ…

穂乃果「………」







−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 19:06:54.45 ID:1QK2lyY60

秋葉原 路地−


千歌「楽しみだなぁ〜!早く会いたいなぁ〜!オレンジみかん号!!」トコトコ

梨子「また、すごいネーミングセンスね……千歌ちゃんも…」トコトコ

千歌「えぇ…!?オレンジみかん号は、アリでしょ!!」トコトコ

梨子「ん〜…まあ、「千歌ちゃん号」とか「ダイヤモンドプリンセス号」に比べたらマシだけど……」トコトコ

千歌「当たり前だよ!あれと並べられちゃあ、心外ってもんだよ!」トコトコ

梨子「まあ、レベルが違うからね……曜ちゃんのは、ネーミングセンス以前の問題だし、絵里先輩のは、純粋にダサいし……」トコトコ

千歌「あはは、たしかに!なんで、ダイヤモンドプリンセス号なんて付けたんだろ?かっこいいと思ったのかな?」トコトコ


ドカッ! バキッ!


千歌「ん?なんの音……?」
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 19:08:04.93 ID:1QK2lyY60
梨子「こっちの方から聞こえるわね…」スッ…

梨子「…!?」


ヤンキー「オラァ!水見色の奴らは皆殺しだ!!」ドカッ!

生徒「あ…あぅ…や…やめて……」

ヤンキー「やめるわけねぇだろ!!オラァ!」バキッ!


梨子「あ…あの子…!ウチのクラスの…!」

千歌「やばい…と…止めなきゃ…!!やりすぎてる…!!」ダッ!!

梨子「あぁ…!千歌ちゃん…!!」
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 19:08:33.11 ID:1QK2lyY60
千歌「ちょ…ちょっと…!」ザッ…!

ヤンキー「あ?誰だ…?お前」

生徒「あ……ち…千歌ちゃん……それに、桜内さんも……」

ヤンキー「なんだ?お前ら、知り合いか?」

梨子「ち…千歌ちゃん…!!ダメよ…?」

千歌「分かってる……」

千歌「ふー……」

千歌「……」
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 19:09:15.90 ID:1QK2lyY60
ヤンキー「なんだよ、何か言えよ、コラ」

千歌「うん……」

千歌「えっと……その子、ウチのクラスの友達なんだ…離して欲しいんだけど……いいかな…?」

生徒「千歌ちゃん……」

ヤンキー「あぁ!?ダメに決まってんだろうが!!水見色は全員潰すんだよ!!」

千歌「っ…」

ヤンキー「お前ら、こいつのクラスメイトって事は、水見色か?だったら、そこで待ってろよ。こいつが終わったら、すぐ殺してやるから」

千歌「っ…!」

千歌(ぶ…ぶん殴りたい……)

千歌(100%私の方が強いのに……)

ヤンキー「なんだ?威勢良く助けにきたくせに、もうだんまりか?はっはっはっ!とんだ腰抜け野郎だな!!」

千歌「……」ムカッ…

千歌(こ…こらえろ……私…)

千歌(穏便に……穏便に済ませるんだ……)

千歌「え…えっと……もう一度言うけど…離してもらっていいかな……?」ニコォ〜…

梨子(お…おぉ……千歌ちゃん頑張ってる……)
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 19:10:26.58 ID:1QK2lyY60
ヤンキー「あぁ?なんだ、その引きつった笑顔は!!気持ち悪りぃんだよ!!アホ毛が!!」

千歌「…」プツンッ…

千歌「よし…!お前ら、死刑!」ニコッ!

梨子「千歌ちゃん…!!??」

ヤンキー「は?なに言って…

千歌 ザッ…!

ヤンキー「…!」


バキィッッッ!!!!


ヤンキー「ぶはっ…!!」フワリッ…!

ヤンキー「…!?」

ヤンキー「あがっ…ぐ…くはっ…!」ゴロゴロゴロ…!

ヤンキー「うっ…あっ…」ズザアァァァァッッッ!!

ヤンキー「あぐぁっ…」ドカッ!

ヤンキー「あぅ…」ズルリ……

生徒「…!?」

梨子「はぁ…もう……全く……」

ヤンキー「え…?と…飛んだ……!?人が……パンチ一発で……」

千歌「次、お前」

ヤンキー「…!?」
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 19:12:19.84 ID:1QK2lyY60
ヤンキー「ひっ…!す…すみませんでした!!ごめんなさい!!もう帰ります!!!」

ヤンキー「お…おい…!!退くぞ!!」ユサユサ…!

ヤンキー「………」

ヤンキー「ダ…ダメだ……完全にのびてる……」

ヤンキー「ちっ…!しょうがない…」ガシッ!

ヤンキー「重っ…」

ヤンキー「引きずってくしかないか…!」

ヤンキー「………」ズルズル…


千歌「あれ?行っちゃった……」
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 19:13:05.49 ID:1QK2lyY60

トスッ!

千歌「あいたっ…!」

梨子「あれ?じゃないわよ!!全く!!暴力はダメって言ったでしょ!?」

千歌「あ…あはは……でも、まあ…助けられたわけだし……」

梨子「まあ…それはそうだけど……」

生徒「ありがとう、二人とも……二人がいなかったら、私……」

千歌「あ!だ…大丈夫?ずいぶん、ひどくやられたみたいだけど……」

梨子「そうだ…!救急車呼ぶわね…!!」

生徒「うん…お願い……ありがとう…桜内さん……」
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 19:14:27.65 ID:1QK2lyY60
千歌「なにがあったの?あいつら誰…?」

生徒「なにもないよ……ただ、普通に部活から帰ってきてただけで……」

生徒「そしたら、急にあの人達が、私のジャージを見て、「水見色は潰す」って言ってきて……」

千歌「そんな……なんで……」

生徒「たぶん…あの人達……焔ヶ丘の人だよ……今、水見色潰ししてるって噂の……」

千歌「…!」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

絵里「えぇ……中でも、私たちと焔ヶ丘は、ずっと対立してるの。一年前のある事件をきっかけにね……」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

千歌「そういえば…絵里先輩が……」
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 19:14:56.88 ID:1QK2lyY60
生徒「それにしても、すごいね……千歌ちゃん……なにか格闘技やってたの…?」

千歌「あっ…い…いや……格闘技とかはやってないけど……」

生徒「けど…?」

千歌「え…えっと……自己流というか……」

生徒「?」


ピーポーピーポーピーポー!


梨子「あ!救急車来たわよ!」
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 19:15:34.05 ID:1QK2lyY60
千歌「ほんとだ!立てる…?」

生徒「う…うん……なんとか……」フラリッ…

千歌「付き添った方がいい?」

生徒「いや、大丈夫だよ…ありがとう……」

生徒「桜内さんも、ありがとうね、また学校で…」

梨子「う…うん…!お大事にね…!」

ピーポーピーポーピーポー!

救急隊員「大丈夫ですか!?」ガチャ!

生徒「は…はい……なんとか……」

救急隊員「…!ひどい怪我だ……すぐに病院に連絡を…!!」

バタバタ…!バタバタ…!


千歌「………」

千歌(本当にひどい怪我だった……)

千歌(そこまでやれるって……)

千歌(………)

千歌(焔ヶ丘と水見色……)

千歌(一体、なにがあったんだろ……)












−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−

341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/04(日) 22:16:18.19 ID:6upJk3uko
期待
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/05(月) 03:45:46.95 ID:DbNTbSqIo
梨子ちゃんの嫁感凄い
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