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みく「笑顔が素敵だから」
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78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 12:50:19.31 ID:sxoY46o70
モバP「おー、ふたりともお疲れ〜」
みく「あ、Pチャン!見ててくれた!?」
モバP「当たり前だろ、後ろの方から見てたよ」
みく「なんでにゃ!最前列で見てよ!」
モバP「おま、そういうわけにいくかよ。関係者だぞ!」
菜々「ふふ」
モバP「菜々さん……お疲れ様、無事終わってよかったよ」
菜々「はい、本当に」
モバP「でも、ここからです」
菜々「……はいっ、そうですね」
みく「ねえ、なに話してるの?向こうのプロデューサー呼んでるよ」
モバP「おっと」
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 12:50:45.91 ID:sxoY46o70
モバP「じゃ、俺はちょっと話してくるよ」
モバP「二人は適当に楽屋に戻っててくれ」
モバP「あ、着替えたら会場見て回っても別にいいぞ、ステージは終わったがイベントはまだ続いているからな」
みく「えっ!ほんと!?」
みく「みくもゲーム体験したかったのにゃ!」
モバP「関係者なんだから体験くらいやらせてもらえるけどな」
みく「もーPチャンこういうのはライブ感が大事なのー!」
菜々「ナナは疲れたので先に楽屋に戻ってますね」
みく「分かったにゃ、みくも適当に戻るにゃ」
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 12:51:14.53 ID:sxoY46o70
イベント会場
昼過ぎ
みく(変装済)「……」
みく「……あれがさっきまでみくたちがいたステージ」
みく「……」
みく「……みく頑張れたよね」ジーン
みく「みんなに知ってもらえるアイドルに向かって歩き出せたよね……!」
みく「……」
みく「そして、ナナチャンも……」
みく「……」
みく「ううん」
みく「ナナチャンの心配ばかりしてる場合じゃない!」
みく「みくもトップアイドル目指して頑張らなきゃ」
みく「よーし、やったるぞー」
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 12:51:42.98 ID:sxoY46o70
みく「でも、今はとりあえずゲーム体験しに行こっかな!」
みく「えーっと、どこのブースだろう」キョロキョロ
女性「あ、あの……」
みく「にゃ?」
女性「前川みくさん……ですか?」
みく「うぇっ!?変装してるのに……なんで分かったの?」
女性「ああ、ごめんなさいっ」
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 12:52:23.26 ID:sxoY46o70
みく「いやいや大丈夫にゃ、それでえーっと」
女性「実はわたし……」
女性「安部菜々の母です」
みく「ええっ!?ナナチャンのお母さん!?」
菜々母「そうなんです」
みく「えっと、もしかしてステージを見てくれたんですか?」
菜々母「ええ、ちゃんと見させてもらいましたよ」
みく「今ナナチャン……菜々さん裏で休憩中なんですけど呼んできましょうか?」
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 12:53:07.50 ID:sxoY46o70
菜々母「いや、今は前川みくさん、あなたと話したくてこうして声をかけさせて貰ったの」
みく「うぇ!?みくと!?」
菜々母「あなたから見た菜々のことも聞きたくて」
みく「……そうですね」
みく「うーん、ナナチャンは……」
みく「本当にとても可愛くて」
みく「間違いなくいつかトップアイドルになれるはずです」
みく「毎日毎日勉強になることばかりで……」
菜々母「ふふ、あの子頑張ってるみたいね」
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 12:53:36.32 ID:sxoY46o70
みく「努力家でセンスもあって、本当に魅力的なアイドルです」
菜々母「実は菜々から前川さんのことも聞いているんですよ?」
みく「ええっなんて!?」
菜々母「とても真面目で、努力家で間違いなくトップアイドルになる自慢の後輩だって」
菜々母「ふたりとも同じようなこと言うんだから、おかしくて、ふふ」
みく「……ナナチャン」
みく「……」
みく「みくはともかく菜々さんはこの先も頑張れば……」
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 12:54:05.48 ID:sxoY46o70
菜々母「この先も……ね」
菜々母「ねえ、前川さん」
菜々母「菜々から『約束』の話聞いたことある?」
みく「!!」
みく「い、いえ、詳しくは……」
菜々母「そう……あの子……」
みく「……」
菜々母「ごほっごほっっ!!」
みく「!!」
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 12:54:31.70 ID:sxoY46o70
みく「うぇっ、大丈夫!?」
菜々母「……ごめんなさいね、昔から少し身体が弱くて……」
菜々母「最近は割と平気だったんだけど」
みく「スタッフの方呼びますか!?」
菜々母「ううん、大丈夫、もう平気だから」
菜々母「それより、これからも菜々をよろしくね」
菜々母「応援してるわ、ふふ」
みく「え!あ、は、はい!!」
菜々母「それじゃ、またどこかで」
みく「はい、それじゃお気をつけて……」
スタスタ
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 12:55:24.41 ID:sxoY46o70
みく「……」
みく「はあー」
みく「本当にびっくりしたにゃ」
みく「まさか、ナナチャンのお母さんに会うなんて」
みく「凄く美人な人だった……」
みく「……」
みく「身体弱いって大丈夫なのかな……」
みく「……」
みく「それに『約束』……」
みく「一体なんのことなんだろう」
みく「……」
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 12:55:53.29 ID:sxoY46o70
2週間後
事務所夜
モバP「よーし、お疲れ様!」
みく「最近レッスンハード過ぎにゃ……」
菜々「ふふ、みくちゃん頑張ってますね」
みく「ヘトヘトで甘いもの食べたいにゃ」
みく「そういえば、ナナチャンに前食べさせてもらったパフェ美味しかったにゃあ」
菜々「あれは特別なパフェですからっ」
みく「あれ、あんなにハードなレッスンだったのに、ナナチャン全然平気そうだね」
菜々「ふふふ、菜々最近気合入れて頑張ってますからね!!」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 12:56:25.05 ID:sxoY46o70
みく「やっぱりナナチャンは凄いにゃ」
みく「早くみくも追いつかなきゃ!」
みく「そうそう!特にナナチャン歌が上手いよね!!」
菜々「あはは、実は高校生の頃あの喫茶店でお手伝いしてる時、裏口で発声練習なんかしてたんですよ」
みく「高校生の頃?」
菜々「はぅえっ!いや菜々は今17歳ですけどね、最近の話です最近の!!」
みく「その設定、事務所内でいるの?」
菜々「設定とか言わないで下さいよ、みくちゃーん」
みく「うーん、CDデビューとか出来たらいいのになあ」
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 12:56:52.74 ID:sxoY46o70
モバP「前のゲーム会社のイベントがCDデビューに繋がればと思ったが……」
菜々「……難しいですね」
モバP「次だ……次こそ……!俺も頑張るからお前達も頼むぞ!」
みく「うん!」
モバP「俺は企画作りの仕事がまだ残ってるから残業だが、もうあがっていいぞ」
みく「企画?」
モバP「色々考えてはいるんだよ俺も」
みく「へへん、楽しみにしとくにゃ」
菜々「……」
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 12:59:54.22 ID:sxoY46o70
帰り道
夜
みく「よーし、みくもナナチャンに負けてられない……!」
みく「……あの白いICカード」
みく「時間駅を使えば、みくはレベルアップ出来るはず」
みく「今回のゲームのイベントに向けても結構役に立ったしね」
みく「何度か使っていくうちに分かったこともある……」
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:05:47.94 ID:sxoY46o70
みく「まず、時間駅で日にちを前に戻しても、持っていけるのは『記憶』だけ」
みく「持っているものも服装すらも、全部その日のものになっちゃう」
みく「つまり記憶だけ持って、前の日以前の自分に戻るってこと」
みく「ということは時間を繰り返して筋トレしたとしても、元の身体に戻っちゃう」
みく「でも、記憶が持ち越せるってことは、歌やダンスのトレーニングやレッスンで身につけたコツやテクニックはそのまま持っていけるってこと!」
みく「その性質を利用して、どんどん経験値貯めていくにゃ!」
みく「ズルじゃないよ!」
みく「Pチャン風にいえば、みくは運が良かったんだと思おう!」
みく「よーし、明日から?昨日から?とにかく頑張ろう!」
承
終
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:06:25.08 ID:sxoY46o70
転
1ヶ月後
事務所
夜
モバP「……」カタカタ
みく「Pチャンお疲れ様―」
モバP「おう、おつかれ」
みく「まだ、お仕事してるの?」
みく「最近遅くまで働きすぎにゃ」
モバP「ん?ああ」
モバP「時間がなくてな」
モバP「家に帰る暇も寝る暇も惜しいよ」
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:07:02.20 ID:sxoY46o70
みく「……大丈夫なの?」
モバP「大丈夫ではないが」
モバP「それほど焦ってるのは確かだな」
みく「……」
モバP「お、それよりみく」
モバP「最近頑張ってるらしいな」
モバP「トレーナーさんから報告受けてるよ」
みく「ふふん、みくにかかればこんなもんにゃ」
モバP「最初は基礎が危ういと感じていたが、もうその影もないな」
モバP「どこに出しても安心だよ」
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:07:31.15 ID:sxoY46o70
みく「へへん」
みく「(時間を戻して色々練習してる成果が出てるにゃ)」
みく「ん?どこに出してもってことはみくたちについての企画のことをずっと詰めてるの?」
モバP「ん?ああ、うーん」
みく「……へー」
みく「どれどれ見せてにゃ!」ガサガサッ
モバP「お、おい!こらやめろ」
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:07:59.25 ID:sxoY46o70
みく「ん?」ピラピラ
みく「CD……デビュー?」
みく「ナナチャンの……?」
モバP「はぁ、見つかったか」
モバP「みくには悪いが、菜々さんのCDデビュー計画を先に進めててな」
モバP「みくはその後、ソロメインで活動していくことになるだろう」
モバP「話してなくてすまないな」
みく「えっ、いやみくは全然大丈夫にゃ」
みく「ナナチャンの足を引っ張りたくないし……」
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:08:27.93 ID:sxoY46o70
みく「それより、ナナチャン本当にCDデビュー出来るの!?」
モバP「……」
モバP「……まだ分からん」
みく「?」
みく「どうして、ここまで企画も進んでるみたいなのに」
モバP「……」
モバP「……」
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:08:53.68 ID:sxoY46o70
モバP「……」
みく「……?」
みく「Pチャン?」
モバP「……」
モバP「とにかく時間がないんだ……」
みく「時間……ずっと言ってるよね……なんのことなの……?」
モバP「……『約束』があるからな」
みく「!!」
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:09:22.32 ID:sxoY46o70
みく「『約束』……」
みく「約束って一体なんなの!?」
モバP「……」
モバP「……」
モバP「菜々さんはな、みくが入る少し前に俺がスカウトしたんだ」
モバP「そりゃもう俺は驚いたよ」
モバP「ダイヤの原石どころか拾った段階から光り輝いていたからな」
みく「……」
モバP「是非うちの事務所に来て欲しいと、すぐ言ったよ」
モバP「そうして、菜々さんはうちに来ることになったんだが」
モバP「その時に……ひとつだけ条件を出してきたんだ」
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:09:51.32 ID:sxoY46o70
みく「条件……」
モバP「ああ」
モバP「……」
モバP「菜々さんの実家では母親が一人で暮らしているようでな」
モバP「あまり身体が強くないらしい」
モバP「病弱でな、かなり前だが大きな手術もしていたようだ」
みく「……!」
モバP「とは言っても、その時の手術は成功したようでな」
モバP「今ではほとんど良くなってるから心配はいらないとのことだが」
モバP「……」
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:10:24.24 ID:sxoY46o70
モバP「……話しを戻そうか」
モバP「実は菜々さん、うちが拾う前にどこかの芸能事務所に長いこと入っていたようでな」
みく「えっ!?初耳にゃ」
モバP「ああ、誰にも言ってないんだろう」
モバP「そこでは……碌な仕事は回ってこなかったようでな」
モバP「自身の輝く夢であったアイドルという道が少しずつ霞んでしまっていた」
みく「……」
モバP「別に変な仕事というわけじゃあないが、菜々さんの目指す道とかズレていたんだろう」
モバP「口の上手い経営者だったようでな、口先だけの良いことを菜々さんに吹き込み続け」
モバP「菜々さんもあの性格だからな、辞めるに辞められない状況が長く続いたんだと」
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:10:57.22 ID:sxoY46o70
モバP「……」
モバP「そして……そんな時に菜々さんの母親は倒れたみたいなんだ」
みく「!」
モバP「幸い、手術も上手くいき何事もなかったんだが」
モバP「菜々さんはやはり動揺したようでな」
モバP「本当に自分はこのまま夢を追い掛けて良いのかと不安になったようだ」
モバP「年齢のこともあるしな」
モバP「そして……母親に『もうアイドルは諦める』と告げたんだ」
みく「!」
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:11:24.07 ID:sxoY46o70
モバP「しかし、菜々さんの母親はな、菜々さんのアイドルになりたいという強い気持ちを知っていた」
モバP「だからまだアイドル続けてもいいんだよと」
モバP「これからも夢を追いかけてもいいだんよと」
モバP「そう言ってくれたんだ」
みく「……」
モバP「でも、菜々さんも譲らなかった」
モバP「やはり母のことが心配だったんだろう」
モバP「実家からも離れて暮らしているしな」
モバP「良くなったとはいえ、もしまた一人でいる時に何かあったらと……」
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:12:02.26 ID:sxoY46o70
みく「……」
モバP「だからな、そこで二人で話し合ったんだと」
モバP「そうして一つの『約束』が生まれた」
モバP「それがうちの事務所に来た時に菜々さんが言ってきた条件そのものにもなる」
みく「!」
みく「その条件って……」
モバP「菜々さんの昔からの夢であるCDデビュー……」
モバP「……」
モバP「その夢であるCDデビューを○◯年○月までに出来なかった時は」
モバP「アイドルを諦める」
モバP「それが条件」
モバP「そして、それが母親と交わした『約束』だ」
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:12:29.47 ID:sxoY46o70
みく「アイドルを……!?」
みく「それに◯年◯月って!?」
みく「もうすぐじゃん!」
モバP「だから言ったろ、時間がないって」
モバP「菜々さんは我儘でごめんなさい、それでもこの約束は絶対なんだと言って、この条件を提示してきた」
モバP「菜々さんは業界は長いとは言えまだ無名だし、時間もなかったことからかなり厳しいだろうと事務所も俺も思った」
モバP「しかし、菜々さんの可能性を信じ、それを受け入れた」
モバP「それが全てだよ」
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:12:55.95 ID:sxoY46o70
みく「……前のゲーム会社のイベント」
みく「あれに落ちてたら引退の方向にって話は……」
モバP「そんな話したっけな」
モバP「実質そこまでCDデビューに繋がるような話もなかったからな」
モバP「約束までに間に合わないという意味でその方向になるだろうという話だったわけだ」
みく「……」
みく「今回の企画はどうなの……まだCD出せるか分からないって……」
モバP「……」
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:13:24.52 ID:sxoY46o70
モバP「CDデビューってのはな本当に色んな人が関わるプロジェクトになるんだ」
モバP「適当なものをポンと出すだけなら、まあすぐにでも出来るだろう」
モバP「そんなもので菜々さんの約束を守ったことになるか?」
モバP「……」
モバP「作曲、編曲、作詞だけじゃあない」
モバP「ジャケット撮影や録音、広報PRまで本当に色々な人たちが関わってようやく出来るのがCDだ」
モバP「だからな、とにかく時間が足りないんだ」
みく「……」
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:13:54.52 ID:sxoY46o70
モバP「例えばだ、あと少しでCD出せる段階まで色んな人と作業を進めていたとする」
モバP「しかし、完成まで寸前のところで『約束』の日が来たら全部おじゃんだ」
モバP「それを取引先や作家の人にどう説明する」
みく「えっ、それはナナチャンに後数日待ってくれってお願いすれば……」
みく「だって完成間近なんでしょ!?」
モバP「それは無理だ」
みく「!?」
モバP「菜々さんの『約束』は絶対だ」
モバP「菜々さんは必ず約束を守る」
みく「ど、どうして……そんな」
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:14:20.04 ID:sxoY46o70
モバP「もう少し菜々さんがうちに来るのが早かったら、あと少し時間があれば……」
モバP「しかし、これが現状、すべてだ」
モバP「……」
モバP「正直、約束には間に合わないかもしれん」
モバP「みく、お前の言うとおり、俺が無能だっただけの話なんだ」
みく「……」
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:14:50.62 ID:sxoY46o70
後日
レッスン室
レッスン終了後
菜々「いやー、みくちゃん今日も凄かったですねえ」
菜々「もうどこからでもお声が掛かりそうなレベルじゃないですか!」
菜々「ナナが今まで見てきたアイドルで一番凄いですよっ」
菜々「えへへ、みくちゃんがTVに出てる姿早く見たいですねえ」
みく「……」
菜々「?」
菜々「どうかしました?」
菜々「あ、もしかしてどこか怪我でも!?」
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:15:16.59 ID:sxoY46o70
みく「……ナナチャン」
みく「なんで最近自分の夢の話はしてくれないの」
菜々「みくちゃん……?」
みく「もう諦めちゃったの!?」
菜々「……」
菜々「……」
菜々「……もしかして聞いちゃいましたか?」
菜々「『約束』のこと」
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:15:44.12 ID:sxoY46o70
みく「……」コクン
菜々「隠しているわけでもないですしね」
菜々「……」
菜々「これは『約束』ですから、仕方ないんです……」
みく「仕方ないって顔じゃないにゃ!ナナチャン!!」
菜々「でも、ナナは絶対約束を守るんです」
菜々「それだけは絶対なんです」
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:16:12.22 ID:sxoY46o70
みく「……じゃあ!」
みく「じゃあ、ここでみくと約束してよ!」
みく「絶対諦めないって!」
みく「絶対トップアイドルになるって!!!!」
菜々「みくちゃん……」
菜々「でも……それは出来ないんです」
菜々「新しくその約束をしようとすると、”前の約束を破っちゃう”ことになるから」
みく「……」
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:16:42.05 ID:sxoY46o70
みく「もうどうしようもないの……?」
菜々「……」
みく「ナナチャン!!」
菜々「……」
みく「本当はアイドル続けたいって言ってよ……!」ポロポロ
みく「アイドルのお仕事が好きだって言ってよ……!!」ポロポロ
菜々「……」
菜々「『約束』は絶対ですから」
菜々「我儘でごめんなさい、みくちゃん」
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:17:28.70 ID:sxoY46o70
帰り道
夜
みく「……」
みく「……」
みく「もう出来ることはないのかな……」
みく「Pチャンは頑張ってるけど……」
みく「……」
みく「……」
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:18:04.25 ID:sxoY46o70
みく「……」
みく「でも、ゲーム会社のイベントに合格した時」
みく「ナナチャンもPチャンも泣いてたはずにゃ……」
みく「……」
みく「あの時はなんとか時間を戻して、合格に出来たけど」
みく「今回は……」
みく「時間を戻してどうこう出来る話じゃないよね……」
みく「色々な人が関わっているんだし」
みく「過去のPチャンに助言出来る程度じゃ……」
みく「……」
みく「もう無理なのかな……」
みく「ナナチャン……」
みく「……」
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:18:36.15 ID:sxoY46o70
約束の日
昼
菜々「それじゃあ、短い間でしたが、お世話になりましたっ!」
みく「……」
モバP「……」
モバP「……菜々さん、本当にすまない」
モバP「あと少し、あと少しで……」
モバP「俺にもっと力があれば……」
菜々「な、なに言ってるんですかプロデューサーさん!」
菜々「元々はナナがこんなに無理な我儘をプロデューサーさんに、そして事務所に押し付けてたのが悪いんです」
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:19:08.17 ID:sxoY46o70
菜々「謝らなきゃいけないのはこっちです」
菜々「それに、プロデューサーさんにはとても感謝しているんですよ」
菜々「イベントもとっても楽しかったですし、前にいた事務所ではそういうの全然なかったですしね!」
菜々「だから、そんなに謝らないで下さい」
菜々「この楽しかった日々も否定されてる気分になっちゃいます」
モバP「……そうか」
みく「……」
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:19:52.66 ID:sxoY46o70
菜々「それに、みくちゃんに会わせてくれたこと、一緒にお仕事出来たことも感謝しているんです」
みく「!」
モバP「ああ」
菜々「これからもみくちゃんをトップアイドルにする手助けしてあげて下さいね」
モバP「もちろんだ」
菜々「みくちゃん……」
菜々「ずっとずっと応援してますよ」
菜々「みくちゃんならきっと、いや間違いなくトップアイドルになれます」
菜々「そうなったら、みんなに一緒にお仕事したことがあるって自慢させてもらうね」
みく「ナナチャン……」ポロポロ
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:20:20.13 ID:sxoY46o70
菜々「みくちゃん」スタスタ
菜々「……」ギュ
菜々「ごめんね」ボソッ
みく「……」
菜々「プロデューサーさん、色々手続きもあるんですよね?書類はこれですか?」
モバP「あ、ああ。そうだな、まずはこれを……」ピラ
みく「……」スタスタ
ガチャリ バタン
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:20:48.09 ID:sxoY46o70
事務所外
昼過ぎ
みく「……」
みく「外寒いにゃ」
みく「……」
みく「……」
みく「ナナチャン……」
みく「みくはナナチャンの……」
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:21:18.35 ID:sxoY46o70
スタスタ
女性「あの」
みく「?」
女性「お久しぶりです、前川さん」
みく「あ、ナナチャンのお母さん!」
菜々母「ふふ、覚えていてくださったんですね」
みく「え、なんでここに……」
菜々母「退職の手続きと一緒に、引っ越しの手伝いもしているのよ」
みく「引っ越し……?」
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:21:46.38 ID:sxoY46o70
菜々母「聞いていなかったかしら」
菜々母「今日中に荷物をまとめて、実家に戻ってくる予定なの」
みく「……あ」
みく「そうなんだ……」
菜々母「そんな今生の別れみたいな顔をしないで……」
菜々母「家はそこまで遠いわけでもないし、是非遊びに来て頂戴ね」
みく「は、はい!是非にゃ」
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:22:12.44 ID:sxoY46o70
菜々母「……」
菜々母「あの子、どんな今日事務所の挨拶では様子だったかしら」
菜々母「笑ってた?」
みく「笑って……ました」
菜々母「……」
菜々母「『約束』の話聞いたかしら?」
みく「……はい」
菜々母「そう……」
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:22:45.29 ID:sxoY46o70
菜々母「私としてはね」
菜々母「菜々とこんな『約束』をしたけれど」
菜々母「全然アイドル続けてもらってもよかったの」
菜々母「気が済むまで、夢を追い掛けてもらってもいいの」
みく「!!」
みく「それじゃあ……」
菜々母「それでも……菜々は『約束』を守るほうを取るの」
菜々母「約束は絶対だって言ってね」
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 13:24:10.80 ID:sxoY46o70
菜々母「自分がどれだけ辛くてもね」
みく「……」
菜々母「あの子にとって約束は『呪い』だった」
菜々母「感じなくてもいい負い目の重さに潰されてるの」
菜々母「こんなことになるなら、あんな約束なんてしなければ……ね」
菜々母「正直後悔もしてるわ」
菜々母「でも、もう遅いの。こんなこと言っても仕方ない」
みく「……」
菜々母「それじゃあ、私はもう行くわね」
菜々母「アイドル、菜々の分まで頑張ってね」
みく「……はい」
スタスタ
みく「……」
みく「……」
転
終
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/16(金) 15:44:16.10 ID:U9/O032Uo
期待
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 16:29:13.57 ID:sxoY46o70
結
半年後
TV局廊下
昼
モバP「ほら、みく早くしろ」
みく「わ、分かってるにゃ」
モバP「収録始まってしまうぞ」
みく「元はと言えば、Pチャンがこんなにタイトなスケジュール立てるのが悪いにゃ!」
モバP「売れっ子アイドルなんだから我慢しろっ」
モバP「ちょっと前まで『仕事欲しいにゃあ』って言ってたくせに」
みく「ぐぬぬ、その下手くそなモノマネが腹立つ」
モバP「ありがたく思ってくれ」
モバP「あれから半年でCDデビューまで出来たんだ」
モバP「今日はその宣伝もあってのTV番組収録だ、遅れるわけにはいかん」
みく「うん」
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 16:29:55.30 ID:sxoY46o70
みく「……」
みく「……Pチャンありがとね」
モバP「なんだ急に……」
みく「みく、Pチャン無能なのかと思ってたにゃ」
モバP「おい」
モバP「……」
モバP「まあ、無能なのは否定しないさ」
モバP「一人の女の子の夢すら守れないんだからな」
みく「……」
モバP「みくがこうして人気になれたのも、俺の力じゃない」
モバP「みくの実力だよ。歌もダンスも今じゃ1級品だ」
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 16:30:23.39 ID:sxoY46o70
みく「アイドルが売れるのに必要なのは実力だけじゃ駄目だって、Pチャンが言ってたはずにゃ」
モバP「……そうだったかな」
みく「まあ、みくの容姿が可愛いから売れたのは事実だけどね」キャルルン
モバP「よし、とにかく急ぐぞ」
みく「えっ!無視!?」
モバP「その意気でしっかり自分を売り込んでこい」
みく「ぐぬぬ、分かってるにゃ!」
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:10:43.27 ID:sxoY46o70
数週間後
事務所
昼
モバP「おっし、打合せ終わりだ」
モバP「じゃあ、午後からはファッション誌取材、夕方からラジオ局だな」
モバP「最近は収録もばっちりだから問題ないと思うが……」
みく「うに゛ゃ〜〜〜〜」
モバP「おいおい、聞いてんのか」
みく「つ、疲れたにゃ……」
みく「仕事くれって言ったのはみくだけど、これはあまりにも……」
モバP「まあ、多忙なのは認めるよ」
モバP「アイドルは売れ始めが肝心だからな」
モバP「TVまで出れて、立派な売れっ子アイドルだ」
モバP「街も変装なしでは歩けんだろう」
みく「そうだね」
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:11:19.33 ID:sxoY46o70
みく「……」
みく「……でも」
みく「欲を言えば、ナナチャンとあの場に立ちたかったな……」
モバP「……」
モバP「……そうだな」
モバP「俺も見たかったよ」
みく「ごめん……しんみりさせちゃったにゃ」
モバP「いや……寂しいのは分かるさ」
モバP「お、そういや明後日は丸一日オフの予定になってるはずだぞ」
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:11:48.69 ID:sxoY46o70
みく「あれっ、そうだっけ?」
モバP「まあ、そういう日も必要だろう」
モバP「ここのところ働き詰めだからな、調整しておいたよ」
みく「へー、Pチャンありがとにゃ」
みく「えへへ、なにしよっかな〜」
モバP「そうだ」
モバP「それこそ、菜々さんのとこに遊びに行ってみたらどうだ?」
モバP「菜々さんの実家そんなに遠くないしな」
みく「えっナナチャンの!?」
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:12:22.43 ID:sxoY46o70
モバP「よし、そうと決まれば連絡とってやろう」
Pipipi メルメルメル
モバP「よし、これでオッケー」
みく「こんな急にいいのかな……」
モバP「菜々さんとちょこちょこ連絡取っててな」
モバP「みくに遊びに来て欲しいって言ってたから大丈夫だろ」
みく「えっ!?なんでナナチャンと連絡とってんの!?」
みく「みくあれから全然喋ってないにゃ!!」
モバP「せっかくのオフだ、積もる話もあるだろ?」
モバP「ほら、住所メモしてやるから」
みく「なんで実家の住所知ってんのさ!!!」
モバP「のさ!って……キャラ変わってんぞ」
みく「もー!!」
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:12:51.97 ID:sxoY46o70
2日後
千葉 住宅街最寄り駅
昼
みく「ふう、ようやくのオフ日……」
みく「最寄り駅にも着いたし」
みく「さっそく、ナナチャンの実家に向かおう」
みく「……」
みく「それにしても、久しぶりにあんなに長く電車に乗ったよ」
みく「というより普通の電車自体久しぶりな気がする……」
みく「最近はお仕事のスケジュールがびっしりで車移動の方が多いしね」
みく「それこそ……」
みく「時間駅で『時間を戻したい時』くらいしか駅も使ってないし」
みく「……」
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:13:24.89 ID:sxoY46o70
みく「……」
みく「時間を戻してレッスンを受けてたおかげで、今では歌もダンスもそこそこ出来るようになったのも」
みく「大失敗した収録やインタビュー、撮影日も時間を戻しやり直して成功させてるのも」
みく「今売れっ子アイドルになれてるのは、みくの本当の力じゃない」
みく「全部時間駅とPチャンの力のおかげ……」
みく「……」
みく「……」
みく「みくズルいよね」
みく「みくなんかより、やっぱりナナチャンの方が売れるべきだったのかな……」
みく「……」
みく「いや!変なことは考えないようにするにゃ!」
みく「せっかくのオフ!」
みく「ナナチャンに会えるの楽しみ!」
スタスタ
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:16:49.81 ID:sxoY46o70
住宅街
安部菜々宅前
昼過ぎ
みく「ここがナナチャンのおうち」
みく「……」
みく「……よし!」
ピンポーン
みく「……」ドキドキ
ガチャリ
菜々「はーい」
みく「ナナチャン!!」
菜々「あ、みくちゃん!」
菜々「お久しぶりですっ!元気そうでなによりです」
みく「うわーん、ナナチャン会いたかったにゃー!」
菜々「ふふ、とりあえず中でお話ししましょうか」
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:29:38.92 ID:sxoY46o70
菜々宅居間
昼過ぎ
菜々「遠いとこありがとね、みくちゃん」
みく「そんな遠くもなかったにゃ!」
みく「オフの度に遊びに来れるくらいだよっ!」
菜々「ふふ、いつでも歓迎ですよ♪」
みく「あ、今日菜々ちゃんのお母さんは?」
菜々「えっと、今日は用事で出かけてますが……顔見知りでしたっけ?」
みく「実は、何度か会ったことあるにゃ」
みく「とても美人なお母様だにゃ」
菜々「ありがとうございますっ、たしかにナナから見ても若く見えますねえ」
みく「最近、お母さんは体調は大丈夫なの?」
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:30:36.76 ID:sxoY46o70
菜々「そうですねえ」
菜々「心配ではありますけど、最近は調子もいいみたいで、大丈夫です」
菜々「まあ菜々ももう家に帰ってるので安心ですよっ」
みく「大丈夫なら安心にゃ」
みく「……」
みく「ナナチャンは……最近何してるの?」
菜々「ん?ナナですか?」
菜々「そうですね、家にいるって言ってもちゃんと働いているんですよ?」
みく「えっ、そうなの?」
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:31:09.39 ID:sxoY46o70
菜々「はい、お手伝いしてた喫茶店があるって言いましたよね?」
菜々「今はそこのお手伝いをさせてもらってますよ」
みく「あれ、都内のあの喫茶店だよね?」
菜々「そうですそうです、あのゴージャスパフェの店です」
菜々「プロデューサーさんも時々来てくれるんですよ?」
みく「えっ、Pチャンが?」
みく「あっ、それで最近もナナチャンと連絡取ってたんだ」
菜々「ふふ、そうですね♪」
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:32:19.85 ID:sxoY46o70
菜々「菜々が17歳のころからだからもう長いこと良くしてもらってる店でしてね、融通も利くので働きやすいですよ」
みく「17歳のころから長いことって」アハハッ
菜々「?」
みく「あれっ!?そこは『わわっ、私は今も17歳JKですけどねっ!』って感じじゃないの?」
菜々「ふふ、だってもうナナはアイドルじゃないですから」
みく「あっ……」
みく「……そっかそうだよね」
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:36:44.38 ID:sxoY46o70
菜々「えへへ、いいんですよ、ナナの話なんて!」
菜々「そんなことより、みくちゃんのお話しを聞かせてくださいっ」
菜々「あ、前のTV番組見ましたよーっ」
菜々「みくちゃん可愛かったですっ」
みく「見てくれたんだ……」
菜々「デビュー曲可愛い曲ですよねー」
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:37:16.93 ID:sxoY46o70
菜々「キラキラの舞台で」
菜々「可愛いヒラヒラの衣装を着て」
菜々「とっても楽しそうでした……!」
みく「うん……そうだね」
みく「すごく楽しかったにゃ」
菜々「あんな舞台から客席ってどう見えるんですか??」
菜々「きっと綺麗なんでしょうね」
みく「……」
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:37:46.98 ID:sxoY46o70
菜々宅前
夕方
菜々「久しぶりにみくちゃんといっぱいお喋りできて楽しかったですっ」
みく「みくもにゃ」
菜々「明日もお仕事なんですか?」
みく「うん、朝からびっしりにゃ」
菜々「そうなんですね」
みく「……」
みく「ナナチャンまた遊びに来てもいい?」
菜々「は、はいっ!もちろん!楽しみにしてますねっ」
みく「そうさせて貰うにゃ」
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:38:16.48 ID:sxoY46o70
みく「……」
みく「ナナチャン……もう一つ聞いてもいい?」
菜々「……?」
菜々「なんでしょう」
みく「……」
みく「……ナナチャン」
みく「本当にこの業界に、アイドルに戻る気はないの?」
みく「戻りたいって気持ちはないの?」
菜々「……」
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:38:48.85 ID:sxoY46o70
菜々「……」
菜々「……」
菜々「何言ってるんですかみくちゃんっ」
菜々「ナナにとって、アイドルはもう違う世界の話なんです」
菜々「もうウサミン星へは戻れない」
菜々「帰り方を忘れちゃいましたから」
みく「……」
菜々「でも、寂しくなんてないんですよ?」
菜々「みくちゃんの活躍を見るのがナナの楽しみですから♪」
みく「……」
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:39:14.61 ID:sxoY46o70
みく「……」
みく「本当なの?」
菜々「はいっ」
みく「ナナチャン……じゃあなんであの時……」
菜々「?」
みく「……なんでもないにゃ」
みく「ごめんね、変な質問しちゃって」
みく「じゃあ、ナナチャンまたね」
菜々「はいっ」ヒラヒラ
スタスタ
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:39:42.76 ID:sxoY46o70
駅までの道
夕暮れ
みく「……」
みく「……ナナチャンじゃあなんで」
みく「なんで……イベントのオーディションに合格した時泣いてたの?」
みく「アイドル、やっぱり諦めたくなかったからじゃないの?」
みく「……」
みく「……」
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:40:10.88 ID:sxoY46o70
みく「……」
みく「みくはナナチャンの気持ちを勝手に想像してるだけなのかな」
みく「『本当はアイドル続けたい』」
みく「『トップアイドルになりたい』」
みく「ナナチャンはまだ諦めてないって、みくが勝手に思っていたいだけなのかな……」
みく「……」
みく「……」
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:41:36.83 ID:sxoY46o70
みく「……」
みく「それを、確かめたかったけれど」
みく「ナナチャンはまだ呪いに縛られてる」
みく「……」
みく「みく、ただのお節介猫にゃ」
みく「ようやく心の整理を付けて諦めたナナチャンには苦しい問いかけだったのかな」
みく「……」
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:42:04.17 ID:sxoY46o70
みく「……」
みく「……」
みく「……もうわかんない」
みく「……」
みく「……」
みく「それでも……みくは……」
みく「可能性を信じたいよ……ナナチャン!」
みく「だって……」
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:45:04.14 ID:sxoY46o70
2ヶ月後
事務所
昼
モバP「みくアイドル部門新人賞おめでとう!!」
みく「えへへ、ありがとにゃ」
モバP「ほんとうに凄いよ」
モバP「トップアイドルまであと一歩だ」
モバP「間違いなくみくならなれるよ」
みく「……」
みく「Pチャンのおかげにゃ」
モバP「?」
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:45:31.82 ID:sxoY46o70
モバP「そんなわけないだろう」
モバP「名誉ある賞ではあるが、みくはそれに値するアイドルだぞ」
みく「ううん、みくなんて……」
みく「……」
みく「……Pチャンここまで連れてきてくれて本当にありがとね」
モバP「お、おう」
モバP「……」
モバP「なにかあったのか?」
みく「えへへ、なんでもないにゃ!」
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 17:46:04.05 ID:sxoY46o70
みく「授賞式は明日だよね?」
モバP「ああ、そうだな」
モバP「次の日もすぐ収録だからゆっくりは出来ないが……」
みく「TV番組の収録だっけ?」
モバP「おう、今をときめくアイドル前川みくの素顔に迫るって番組だぞ」
みく「おー、主役にゃ!」
モバP「みくの子どもの頃のエピソードや、アイドルになったルーツなんかも聞かれるな」
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:07:28.27 ID:sxoY46o70
モバP「恩師や尊敬する人をゲストに呼べるんだが」
モバP「ふーむ、どうしたもんかな」
みく「尊敬する人……?」
みく「……」
みく「それって……」
みく「……」
みく「……」
みく「ナナチャンでもいいの?」
モバP「……」
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:11:22.58 ID:sxoY46o70
モバP「……」
モバP「そうだな」
モバP「みくならそう言うと思った」
モバP「みくにとっての菜々さんはそういう人だろう」
モバP「アイドル前川みくに間違いなく多大な影響を与えてる」
みく「じゃあ……」
モバP「……」
モバP「無理だ」
みく「……」
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:11:48.65 ID:sxoY46o70
モバP「菜々さんはもう違う世界の人間だ」
モバP「もちろんTV出演は菜々さんのアイドルとしての夢のひとつだった」
モバP「だからこそ、こんな形で出てもらえない」
みく「……」
モバP「みくなら意味は分かるよな?」
みく「そうだね……」
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:12:21.31 ID:sxoY46o70
みく「……」
みく「ねえ、Pチャン」
モバP「なんだ?」
みく「Pチャンはナナチャンが……」
みく「ナナチャンがアイドルをちゃんと心の底から諦められたと思う?」
モバP「……」
モバP「菜々さんがアイドルを心の底から諦める……ね」
モバP「……」
モバP「……」
モバP「それこそ無理さ」
モバP「諦めるなんて出来るわけないだろ」
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:14:58.86 ID:sxoY46o70
事務所から駅までの小道
夜
みく「……」
みく「……」
みく「……」
みく「……やっぱり」
みく「アイドルしてるナナチャンにまた会いたい」
みく「みくにはアイドルのナナチャンが必要なの」
みく「……」
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:15:28.01 ID:sxoY46o70
みく「……」
みく「決めた!」
みく「覚悟を決めたにゃ……!」
みく「……」
みく「ナナチャンの呪いを……!!」
みく「みくなら出来るはず」
みく「いや、みくにしか出来ない」
みく「……」
みく「……」
みく「そして、これはみく自身のためでもある……よね」
みく「……Pチャン」
みく「ごめんね」
みく「……」
みく「……よし」
みく「やってやるにゃ!」
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:16:04.57 ID:sxoY46o70
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
TV局
昼
番組収録中
司会者「いやー、前川みくちゃん凄い人気ですね」
みく「ありがとにゃ♪」
司会者「さっきのVTRだと、幅広い年齢層の人から支持されてるようだね」
司会者「人気の秘訣なんかあるのかな?」
みく「やっぱりみくが可愛いからかな」キャルルン
司会者「はい、じゃあ次のコーナーです」
みく「えっ!無視!?」
司会者「静かにしてくれませんか?」
みく「扱いが芸人!!」
みく「ちょっと!みくバラエティ路線のアイドルになっちゃうじゃん!!」
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:16:52.87 ID:sxoY46o70
司会者「次は感動のコーナーです」
みく「感動とか先に言っちゃ駄目じゃない?」
司会者「今人気沸騰中アイドルの前川みくさんですが」
司会者「実は、本日前川みくさんが尊敬しているという人にスタジオまで来て貰ってます!」
みく「おー!」
みく「誰だろう!!?」
司会者「事前に打合せしてるから誰か知ってるでしょ?」
みく「そういうの言っちゃ駄目にゃ!」
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:17:36.99 ID:sxoY46o70
司会者「どんな関係の人なのでしょう?」
みく「……」
みく「うーん」
みく「一言で言い表すのは難しいけど」
みく「みくにとって『憧れの人』にゃ」
司会者「なるほど、憧れの人」
司会者「それじゃあ、早速呼んでみましょう!!」
みく「……」
司会者「”今をときめく人気アイドル”!!」
司会者「安部菜々さんでーす!!」
パチパチパチパチ
ガコン スタスタ
菜々「どうも、ウサミンことJKアイドル安部菜々でーすっ!!」バーン
菜々「前川みくちゃん、よろしくお願いしますねっ♪」
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:25:56.11 ID:sxoY46o70
TV局
昼
TV番組収録中
司会者「ははは、そうなんですねー」
菜々「ええ、あの時は困っちゃいましたよ〜」
みく「ははは」
菜々「あっ!な、ナナはJKアイドルだから芸歴そんなに長くないんですけどねっ!」
司会者「前川さんと一回り年齢違うって本当なんですか?」
菜々「ななななななな、何言ってるんですか!?」
菜々「JKアイドルですよっ!17歳ですよ!!」
司会者「そういえば、安部菜々さんのアイドルのルーツはなんなのかな?」
菜々「そうですねえ」
菜々「実はお手伝いしてる喫茶店がありまして」
菜々「休憩中に路地裏で発声練習や歌の練習をしてた時なんですけど」
菜々「その時、小さな女の子に出会ったんです」
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:26:40.84 ID:sxoY46o70
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
都内喫茶店裏口の路地裏
ある日の夕方
菜々「ららら〜♪」
菜々「う、うぅん」
菜々「あまり上手くいかないですねえ」
女の子「……」ジー
菜々「?」
菜々「どこの子でしょう?5歳くらいの女の子……お客様のお子さんですかね」
女の子「お姉さん歌が上手いね」
菜々「おおー!ありがとうございますっ」
菜々「これでもアイドルを目指してるんですよっ♪」
女の子「凄い、アイドル!」
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:27:10.06 ID:sxoY46o70
女の子「どんなアイドルになりたいの?」
菜々「そうですねえ」
菜々「歌って踊れて、みんなに愛されるキラキラしたアイドルになりたいかな!」
菜々「現役JKアイドル!ウサミンこと、安部菜々ですっ♪」クルクルキラーン
女の子「……おお!」パァ
菜々「えへへ」
菜々「……」
菜々「でも、アイドルになるってとてもとても大変なんです……」
菜々「本当になれるかどうか……」
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:27:38.03 ID:sxoY46o70
女の子「そんなに歌が上手でも?」
菜々「厳しい世界なんです」
菜々「だからこうやってたくさん練習してるんですよ」
女の子「……そうなんだ」
菜々「誰もがなれるものじゃないし、とても大変だけど……」
菜々「ナナはみんなに夢を届けるアイドルになりたいんですっ」キラキラ
菜々「……」
菜々「でも、頑張っても頑張っても報われなかったらどうしようと不安になることも……」
女の子「……」
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:28:05.34 ID:sxoY46o70
女の子「……」
女の子「駄目だったら、いつか諦めちゃうの?」
菜々「え?うーん、どうだろう」
菜々「その時になってみないと分からないですね……」
女の子「そんなに凄いのに諦めちゃ駄目」
女の子「じゃあ約束してよ」
菜々「約束……ですか?」
女の子「うん」
みく「みんなに夢を与えるアイドルになれるまで絶対諦めないって」
女の子「キラキラなアイドルになれるまで絶対諦めないって」
菜々「……」
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:28:44.19 ID:sxoY46o70
菜々「……」
女の子「夢なんだよね?」
菜々「そうです……!」
女の子「じゃあ約束だよ、指切りしよっ」
菜々「はいっ!」
菜々「『約束』です!」ユビキリ
女の子「キラキラのステージで歌って踊ってる姿を見るのを楽しみにしてるね」
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:29:17.00 ID:sxoY46o70
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
TV局
昼
番組収録中
菜々「その子との約束があるから頑張ってるんです♪」
司会者「ほー、良い話だねえ」
みく「……」
司会者「それじゃあ、安部菜々さんにも”大ヒット曲”を披露してもらいましょう!!」
司会者「キラキラのステージで思う存分歌ってください!」
菜々「はいっ♪」
みく「……」
みく「……」
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:29:44.96 ID:sxoY46o70
TV局廊下
夕方(収録終了後)
みく「……」スタスタ
菜々「あ、みくちゃーん」ヒラヒラ
みく「あ……!」
菜々「さっきの収録はありがとうございました」
菜々「こうして話すのは『初めて』ですね♪」
菜々「あれ?」
菜々「どこかで会ったことありましたっけ?」
みく「……いや」
172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:30:15.96 ID:sxoY46o70
菜々「今日は番組に呼んでくれてありがとうございます」
菜々「ナナなんかがみくちゃんの憧れだなんて……」
みく「ううん、ナナチャン……あ、安部さんのこと……」
菜々「ナナでいいですよっ♪」ニコ
みく「……!」
みく「うんっ」
みく「……」
みく「ナナチャンがいなかったら……今のみくはなかったの」
みく「ナナチャンがいたからみくはここまで来れたの……!」
みく「……」
みく「ナナチャン、アイドルでいてくれて本当にありがとう」
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:30:55.45 ID:sxoY46o70
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
事務所から駅までの小道
いつかの夜
みく「……」
みく「……」
みく「……」
みく「……やっぱり」
みく「アイドルしてるナナチャンにまた会いたい」
みく「みくにはアイドルのナナチャンが必要なの」
みく「……」
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:31:24.36 ID:sxoY46o70
みく「……」
みく「決めた!」
みく「覚悟を決めたにゃ……!」
みく「……」
みく「ナナチャンの呪いを……!!」
みく「みくなら出来るはず」
みく「いや、みくにしか出来ない」
みく「……」
みく「……」
みく「そして、これはみく自身のためでもある……よね」
みく「……Pチャン」
みく「ごめんね」
みく「……」
みく「……よし」
みく「やってやるにゃ!」
みく「そうとなれば」
みく「時間駅を使って過去に戻ろうっ!」
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:31:57.62 ID:sxoY46o70
時間駅
夜
ガコン
みく「ここに来るのはもう何度目だろう」スタスタ
みく「ここで時間を戻せるおかげで1日を何度もやり直して、みくはアイドルとして成功してきた……」
みく「アイドルとして成功するにはタイミング、ニーズ、容姿、実力」
みく「そして、運が必要」
みく「何度も何度も時間を繰り返して、自分の都合の良いものだけ選んできた」
みく「運という要素を完全に排除していた」
みく「……」
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:32:25.08 ID:sxoY46o70
みく「……」
みく「やっぱりそれはズルいよね」
みく「みんなに夢を与えるのがアイドルの仕事」
みく「ズルをして、夢を与えることなんか出来ない」
みく「そして、みく自身の夢も叶えたとは言えない」
みく「この『帰れるICカード』……」
みく「……これを利用するのは最後にする」
みく「……これが最後」
みく「……」
駅内アナウンス「まもなく電車が参ります、お乗りの方はお急ぎ下さい」
みく「さあ、ナナチャンを救いに行くにゃ」
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/16(金) 18:32:55.09 ID:sxoY46o70
時間電車車内(過去行き)
時間不明
ガタンゴトン
ガタンゴトン
車内放送「次は―――まえ――」
みく「……ん」
みく「……」
みく「……ふわぁ」
みく「……」
みく「……ウトウトしてたにゃ」
みく「……」
みく「あとちょっとかな」
みく「……」
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