みく「笑顔が素敵だから」

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159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:14:58.86 ID:sxoY46o70




事務所から駅までの小道



みく「……」

みく「……」

みく「……」

みく「……やっぱり」

みく「アイドルしてるナナチャンにまた会いたい」

みく「みくにはアイドルのナナチャンが必要なの」

みく「……」


160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:15:28.01 ID:sxoY46o70


みく「……」

みく「決めた!」

みく「覚悟を決めたにゃ……!」

みく「……」

みく「ナナチャンの呪いを……!!」

みく「みくなら出来るはず」

みく「いや、みくにしか出来ない」

みく「……」

みく「……」

みく「そして、これはみく自身のためでもある……よね」

みく「……Pチャン」

みく「ごめんね」

みく「……」

みく「……よし」

みく「やってやるにゃ!」



161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:16:04.57 ID:sxoY46o70


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


TV局

番組収録中


司会者「いやー、前川みくちゃん凄い人気ですね」

みく「ありがとにゃ♪」

司会者「さっきのVTRだと、幅広い年齢層の人から支持されてるようだね」

司会者「人気の秘訣なんかあるのかな?」

みく「やっぱりみくが可愛いからかな」キャルルン

司会者「はい、じゃあ次のコーナーです」

みく「えっ!無視!?」

司会者「静かにしてくれませんか?」

みく「扱いが芸人!!」

みく「ちょっと!みくバラエティ路線のアイドルになっちゃうじゃん!!」


162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:16:52.87 ID:sxoY46o70



司会者「次は感動のコーナーです」

みく「感動とか先に言っちゃ駄目じゃない?」

司会者「今人気沸騰中アイドルの前川みくさんですが」

司会者「実は、本日前川みくさんが尊敬しているという人にスタジオまで来て貰ってます!」

みく「おー!」

みく「誰だろう!!?」

司会者「事前に打合せしてるから誰か知ってるでしょ?」

みく「そういうの言っちゃ駄目にゃ!」


163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:17:36.99 ID:sxoY46o70



司会者「どんな関係の人なのでしょう?」

みく「……」

みく「うーん」

みく「一言で言い表すのは難しいけど」

みく「みくにとって『憧れの人』にゃ」

司会者「なるほど、憧れの人」

司会者「それじゃあ、早速呼んでみましょう!!」

みく「……」




司会者「”今をときめく人気アイドル”!!」

司会者「安部菜々さんでーす!!」


パチパチパチパチ
ガコン スタスタ




菜々「どうも、ウサミンことJKアイドル安部菜々でーすっ!!」バーン

菜々「前川みくちゃん、よろしくお願いしますねっ♪」



164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:25:56.11 ID:sxoY46o70


TV局

TV番組収録中



司会者「ははは、そうなんですねー」

菜々「ええ、あの時は困っちゃいましたよ〜」

みく「ははは」

菜々「あっ!な、ナナはJKアイドルだから芸歴そんなに長くないんですけどねっ!」

司会者「前川さんと一回り年齢違うって本当なんですか?」

菜々「ななななななな、何言ってるんですか!?」

菜々「JKアイドルですよっ!17歳ですよ!!」

司会者「そういえば、安部菜々さんのアイドルのルーツはなんなのかな?」

菜々「そうですねえ」

菜々「実はお手伝いしてる喫茶店がありまして」

菜々「休憩中に路地裏で発声練習や歌の練習をしてた時なんですけど」

菜々「その時、小さな女の子に出会ったんです」



165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:26:40.84 ID:sxoY46o70



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

都内喫茶店裏口の路地裏
ある日の夕方

菜々「ららら〜♪」

菜々「う、うぅん」

菜々「あまり上手くいかないですねえ」

女の子「……」ジー

菜々「?」

菜々「どこの子でしょう?5歳くらいの女の子……お客様のお子さんですかね」

女の子「お姉さん歌が上手いね」

菜々「おおー!ありがとうございますっ」

菜々「これでもアイドルを目指してるんですよっ♪」

女の子「凄い、アイドル!」


166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:27:10.06 ID:sxoY46o70


女の子「どんなアイドルになりたいの?」

菜々「そうですねえ」

菜々「歌って踊れて、みんなに愛されるキラキラしたアイドルになりたいかな!」

菜々「現役JKアイドル!ウサミンこと、安部菜々ですっ♪」クルクルキラーン

女の子「……おお!」パァ

菜々「えへへ」

菜々「……」

菜々「でも、アイドルになるってとてもとても大変なんです……」

菜々「本当になれるかどうか……」


167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:27:38.03 ID:sxoY46o70


女の子「そんなに歌が上手でも?」

菜々「厳しい世界なんです」

菜々「だからこうやってたくさん練習してるんですよ」

女の子「……そうなんだ」

菜々「誰もがなれるものじゃないし、とても大変だけど……」

菜々「ナナはみんなに夢を届けるアイドルになりたいんですっ」キラキラ

菜々「……」

菜々「でも、頑張っても頑張っても報われなかったらどうしようと不安になることも……」

女の子「……」


168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:28:05.34 ID:sxoY46o70

女の子「……」

女の子「駄目だったら、いつか諦めちゃうの?」

菜々「え?うーん、どうだろう」

菜々「その時になってみないと分からないですね……」

女の子「そんなに凄いのに諦めちゃ駄目」

女の子「じゃあ約束してよ」

菜々「約束……ですか?」

女の子「うん」

みく「みんなに夢を与えるアイドルになれるまで絶対諦めないって」

女の子「キラキラなアイドルになれるまで絶対諦めないって」

菜々「……」

169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:28:44.19 ID:sxoY46o70



菜々「……」

女の子「夢なんだよね?」

菜々「そうです……!」

女の子「じゃあ約束だよ、指切りしよっ」

菜々「はいっ!」

菜々「『約束』です!」ユビキリ

女の子「キラキラのステージで歌って踊ってる姿を見るのを楽しみにしてるね」


170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:29:17.00 ID:sxoY46o70


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


TV局

番組収録中


菜々「その子との約束があるから頑張ってるんです♪」

司会者「ほー、良い話だねえ」

みく「……」

司会者「それじゃあ、安部菜々さんにも”大ヒット曲”を披露してもらいましょう!!」

司会者「キラキラのステージで思う存分歌ってください!」

菜々「はいっ♪」

みく「……」

みく「……」


171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:29:44.96 ID:sxoY46o70



TV局廊下
夕方(収録終了後)


みく「……」スタスタ

菜々「あ、みくちゃーん」ヒラヒラ

みく「あ……!」

菜々「さっきの収録はありがとうございました」

菜々「こうして話すのは『初めて』ですね♪」

菜々「あれ?」

菜々「どこかで会ったことありましたっけ?」

みく「……いや」


172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:30:15.96 ID:sxoY46o70



菜々「今日は番組に呼んでくれてありがとうございます」

菜々「ナナなんかがみくちゃんの憧れだなんて……」

みく「ううん、ナナチャン……あ、安部さんのこと……」

菜々「ナナでいいですよっ♪」ニコ

みく「……!」

みく「うんっ」

みく「……」

みく「ナナチャンがいなかったら……今のみくはなかったの」

みく「ナナチャンがいたからみくはここまで来れたの……!」

みく「……」

みく「ナナチャン、アイドルでいてくれて本当にありがとう」




173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:30:55.45 ID:sxoY46o70


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

事務所から駅までの小道
いつかの夜

みく「……」

みく「……」

みく「……」

みく「……やっぱり」

みく「アイドルしてるナナチャンにまた会いたい」

みく「みくにはアイドルのナナチャンが必要なの」

みく「……」


174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:31:24.36 ID:sxoY46o70



みく「……」

みく「決めた!」

みく「覚悟を決めたにゃ……!」

みく「……」

みく「ナナチャンの呪いを……!!」

みく「みくなら出来るはず」

みく「いや、みくにしか出来ない」

みく「……」

みく「……」

みく「そして、これはみく自身のためでもある……よね」

みく「……Pチャン」

みく「ごめんね」

みく「……」

みく「……よし」

みく「やってやるにゃ!」

みく「そうとなれば」

みく「時間駅を使って過去に戻ろうっ!」



175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:31:57.62 ID:sxoY46o70



時間駅


ガコン

みく「ここに来るのはもう何度目だろう」スタスタ

みく「ここで時間を戻せるおかげで1日を何度もやり直して、みくはアイドルとして成功してきた……」

みく「アイドルとして成功するにはタイミング、ニーズ、容姿、実力」

みく「そして、運が必要」

みく「何度も何度も時間を繰り返して、自分の都合の良いものだけ選んできた」

みく「運という要素を完全に排除していた」

みく「……」


176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:32:25.08 ID:sxoY46o70



みく「……」

みく「やっぱりそれはズルいよね」

みく「みんなに夢を与えるのがアイドルの仕事」

みく「ズルをして、夢を与えることなんか出来ない」

みく「そして、みく自身の夢も叶えたとは言えない」

みく「この『帰れるICカード』……」

みく「……これを利用するのは最後にする」

みく「……これが最後」

みく「……」

駅内アナウンス「まもなく電車が参ります、お乗りの方はお急ぎ下さい」

みく「さあ、ナナチャンを救いに行くにゃ」



177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:32:55.09 ID:sxoY46o70



時間電車車内(過去行き)
時間不明


ガタンゴトン

ガタンゴトン

車内放送「次は―――まえ――」

みく「……ん」

みく「……」

みく「……ふわぁ」

みく「……」

みく「……ウトウトしてたにゃ」

みく「……」

みく「あとちょっとかな」

みく「……」


178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:33:29.46 ID:sxoY46o70



みく「……」

みく「……」

みく「……もう後戻りは出来ない」

みく「今までの自分を捨てる覚悟は出来てる」

みく「”次”は上手くいかないかもしれない」

みく「それでもみくは……!」

みく「今を捨てて、最初からやり直す!」



車内放送「次は3650日前―、3650日前―」



みく「みくはこうするべきだったのにゃ」

プシュー 
ガコン

みく「よし、行こう!」


179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:33:58.28 ID:sxoY46o70



『10年前』
喫茶店裏口の路地裏
ある日の夕方



菜々「ららら〜♪」

菜々「う、うぅん」

菜々「あまり上手くいかないですねえ」

みく「……」ジー

菜々「?」

菜々「どこの子でしょう?“5歳くらいの女の子”……お客様のお子さんですかね」

みく「……」

みく「お姉さん歌が上手いね」

菜々「おおー!ありがとうございますっ」

菜々「これでもアイドルを目指してるんですよっ♪」

みく「凄い、アイドル!」


180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:36:20.51 ID:sxoY46o70


みく「どんなアイドルになりたいの?」

菜々「そうですねえ」

菜々「歌って踊れて、みんなに愛されるキラキラしたアイドルになりたいかな!」

菜々「現役JKアイドル!ウサミンこと、安部菜々ですっ♪」クルクルキラーン

みく「……」パァ

菜々「えへへ」

菜々「……」

菜々「でも、アイドルになるってとてもとても大変なんです……」

菜々「本当になれるかどうか……」


181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:36:51.00 ID:sxoY46o70


みく「そんなに歌が上手でも?」

菜々「厳しい世界なんです」

菜々「だからこうやってたくさん練習してるんですよ」

みく「……そうなんだ」

菜々「誰もがなれるものじゃないし、とても大変だけど……」

菜々「ナナはみんなに夢を届けるアイドルになりたいんですっ」キラキラ

菜々「……」

菜々「でも、頑張っても頑張っても報われなかったらどうしようと不安になることも……」

みく「……」


182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:40:17.30 ID:sxoY46o70



みく「……」

みく「駄目だったら、いつか諦めちゃうの?」

菜々「え?うーん、どうだろう」

菜々「その時になってみないと分からないですね……」

みく「そんなに凄いのに諦めちゃ駄目」

みく「じゃあ『約束』してよ」

菜々「約束……ですか?」

みく「うん」


183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:41:16.28 ID:sxoY46o70



みく「みんなに夢を与えるアイドルになれるまで絶対諦めないって」

みく「キラキラなアイドルになれるまで絶対諦めないって」

菜々「……」

みく「夢なんだよね?」

菜々「そうです……!」

みく「じゃあ約束だよ、指切りしよっ」

菜々「はいっ!」

菜々「『約束』です!」ユビキリ

みく「キラキラのステージで歌って踊ってる姿を見るのを楽しみにしてるね」

菜々「……」

菜々「……どうしてナナの夢を応援してくれるんですか?」

みく「……」

みく「だって……」



184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:41:42.30 ID:sxoY46o70



10年前
都内某所
夕方


みく「……」

みく「……」

みく「これで良かったよね」

みく「これで」

みく「……」

みく「……」


185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:42:13.87 ID:sxoY46o70



みく「……」

みく「……」

みく「随分前にみくが『絶対諦めないで』と約束してくれとお願いした時に」

みく「ナナチャンは言った」



みく「『新しくその約束をしようとすると、”前の約束を破っちゃう”ことになるから』」



みく「その約束は出来ないって」

みく「……」

みく「……だからみくは」

みく「みくのこの『約束』で」


186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:42:42.28 ID:sxoY46o70





みく「ナナチャンが呪いにかかる前に呪いをかけた」

みく「ナナチャンがあの呪いにかからないように」




187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:43:43.87 ID:sxoY46o70


みく「……」

みく「……」

みく「これでも」

みく「上手くいくとは限らない」

みく「この新しい呪いがまたナナチャンを苦しめるかもしれない」

みく「……」

みく「それでも」

みく「それでもナナチャンは」

みく「本当にアイドルになりたいなら、そうするべきにゃ」

みく「ナナチャンの夢、みくが呪ってでも叶えて貰うにゃ!」

みく「……」


188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:44:13.65 ID:sxoY46o70



みく「……」

みく「後は、ナナチャン次第」

みく「……」

みく「みくはもうあの事務所には戻らない」

みく「有能なPチャンに会えたのも運が良かったから……かな」

みく「みくはみくで1からアイドルを目指そう」

みく「次は駄目かもしれない」

みく「上手くいかない可能性もある」

みく「それでも、それが自分が納得出来る道なの」

みく「……そしてナナチャンのような夢を届けられるアイドルになろう」

みく「……」


189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:44:44.73 ID:sxoY46o70



みく「……」

みく「……」ゴソゴソ

みく「……」

みく「『帰れるICカード』……今までありがとね」

みく「……」

みく「えいっ!!」

パキッ

みく「見事に真っ二つに折れたにゃ」

みく「……」



190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:45:10.44 ID:sxoY46o70



みく「……」

みく「これで本当に後戻りは出来ない」

みく「もう帰れない」

みく「何があっても逃げ出せない」

みく「……」

みく「それでも!」

みく「みくならやれるにゃ」

みく「よーし!」

みく「……」

みく「……」

みく「まずは……!!」

みく「5歳でお金もないみくがどうやって都内から関西の実家に帰るのかってとこから考えようかな!」



191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:45:44.11 ID:sxoY46o70



10年後
TV局廊下
夕方(収録終了後)



みく「……」スタスタ

菜々「あ、みくちゃーん」ヒラヒラ

みく「あ……!」

菜々「さっきの収録はありがとうございました」

菜々「こうして話すのは初めてですね♪」

菜々「……」

菜々「あれ?」

菜々「どこかで会ったことありましたっけ?」

みく「……いや」



192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:46:13.79 ID:sxoY46o70



菜々「今日は番組に呼んでくれてありがとうございます」

菜々「ナナなんかがみくちゃんの憧れだなんて……」

みく「ううん、ナナチャン……あ、安部さんのこと……」

菜々「ナナでいいですよっ♪」ニコ

みく「……!」

みく「うんっ」

みく「……」

みく「ナナチャンがいなかったら……今のみくはなかったの」

みく「ナナチャンがいたからみくはここまで来れたの……!」

みく「……」

みく「ナナチャン、アイドルでいてくれて本当にありがとう」

菜々「うぇっ!?そこまでですか?」



193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:46:44.21 ID:sxoY46o70



みく「みくにとっては……」

みく「いや、みんなにとってもそうにゃ」

みく「ナナチャンはみんなに夢を届けるアイドルだにゃ」

菜々「えへへ」

菜々「ナナ、いつの間にか理想のアイドルになれてたんですね」

菜々「あの子と『約束』したとおりに」

みく「……」

みく「『約束』……」

みく「ナナチャンはその約束を抱えてここまで来たんだよね?」

菜々「はいっ、そうです♪」

194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:47:20.07 ID:sxoY46o70



みく「……」

みく「そっか……そうなんだ」


スタスタ


モバP「……おーい!菜々さん事務所戻るぞ〜」

菜々「あ、プロデューサーさん」

みく「!」

モバP「ん?」

モバP「お、△△事務所の前川みくちゃんか」

モバP「今日はありがとな」

モバP「色々なとこで活躍してるようだな!」

モバP「どうだ?うちの事務所に移籍して来ないか??」

みく「あはは、遠慮しとくにゃ」

モバP「そっか、残念だよ」ハハハ



195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:47:46.78 ID:sxoY46o70



モバP「よし、じゃあ菜々さん行こうか」

菜々「はい!」

菜々「じゃ、みくちゃんお元気で♪」

スタスタ

みく「……」

みく「……ナナチャン!」

菜々「?」

みく「最後に聞いてもいい??」

菜々「なんでしょう」

みく「……」


196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:48:14.32 ID:sxoY46o70




みく「……」

みく「……」

みく「さっきの小さい子どもとの約束」



みく「その約束を重荷だとか『呪い』だと感じたことはなかったの?」



菜々「……」



197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:48:45.16 ID:sxoY46o70


菜々「……」

菜々「えへへ」

菜々「そんなこと全くないですよっ」

菜々「むしろ逆です」

菜々「その約束のおかげで」

菜々「その約束があるからこそ、ナナはここまで頑張れたんですっ」

菜々「今の私があるのはあの子のおかげ」

菜々「だからあの子には感謝してるんです」


198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:49:18.38 ID:sxoY46o70








菜々「だって、やっぱりナナはアイドルのお仕事が大好きだから」




199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:49:45.34 ID:sxoY46o70




みく「……!」

菜々「辛いことも挫けそうなことも諦めそうなこともたくさんあったけれど」

菜々「大好きなアイドルになれるまで頑張れたのは、その約束のおかげ」

菜々「えへへ、さっきの番組のナナの姿もあの子が見てくれてたらいいなって」

菜々「そう思うんです♪」

みく「……」





200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:50:17.47 ID:sxoY46o70



みく「……」

みく「……そっか」

みく「そうなんだ……」

みく「ナナチャン……」

みく「……ありがとにゃ」

みく「……」ポロポロ



201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:51:17.38 ID:sxoY46o70



菜々「うぇっ!?」

菜々「みくちゃんはなんでそこまでナナのことを……」

みく「……」グスン

みく「えへへ、だって……」

みく「……」

みく「自分の夢を話すナナチャンの笑顔が素敵だったから」

みく「その時からナナチャンはみくにとってのアイドル」

みく「えへへ、それだけにゃ」




終わり

みく「笑顔が素敵だから」
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 18:53:36.50 ID:sxoY46o70

前作 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1500095410/ 



前前作 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1492301414/



前前前作 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1488252177/

もよろしくお願いします
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 19:22:47.83 ID:xwNm3TzUo
おつおつ
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 20:52:11.52 ID:a4SGEkBg0
乙です
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/16(金) 21:56:21.92 ID:YvUZ4pqao
なんか幸せな気持ちになった
おつおつ
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/16(金) 22:00:52.95 ID:8nkFBAqgO
icが黒から白に
菜々さんのお母さんは無事なのか邪推してしまう
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/18(日) 13:18:17.92 ID:tfwnfr7A0
乙乙

相変わらず好みの話ではあるが
重複が特に活きてる感じでもなかったから
タイトルをうまいこと新人賞後の場面に挟んで
>>178で〆でも綺麗だったんじゃないかな
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/19(月) 16:01:47.16 ID:U3eYs2kS0
しんみりだけど面白かった
また読みたい
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