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【ミリマス】超ビーチバレー!妄想シナリオ【TB支援】
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60 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 20:36:50.79 ID:xuOu8VkC0
杏奈「えと……じゃあ本題なんだけど」
杏奈「明日の試合……杏奈は……未来たちに協力……しよう、と思って……ます」
未来「え?」
未来「どういうことですか? 協力っていうと、望月先パイはキングのパートナーだから……わざと負けよう、と?」
杏奈「ううん。ロコとはパートナーを解消……してきたんだ」
未来「解消!?」
杏奈「……ずっとではない……と思うけど……多分」
61 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 20:39:46.34 ID:xuOu8VkC0
杏奈「杏奈は……ロコを負けさせたいんだよ……」
杏奈「実は……ロコの体は……いま、ボロボロなの……」
杏奈「原因は……無理な大技の連発で……負担がかかりすぎてて……体がとっくに限界を超えてるの……」
杏奈「ロコにそれをやめさせ……たいんだけど……ロコはやめる気はなくて……」
杏奈「きっとね……無敗のキングって……いうのに……自分を縛っていて……もうロコ自身でも止められないんだと思う」
杏奈「だから……一度ロコをぼっこぼこにするんだよ……です」
62 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 20:41:05.62 ID:xuOu8VkC0
未来「おー……なるほど?」
杏奈「ごめんね……難しいよね……?」
杏奈「つまり杏奈を……明日の試合だけでいいので……仲間にしてください……ってこと」
未来「それならわかりました!」
63 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 20:42:19.31 ID:xuOu8VkC0
杏奈「うん。ありがと……です。明日の試合に勝つためだったら……なんでもするよ……」
未来「なんでも」
杏奈「……」
未来「……ふーん……」
杏奈「……」
未来「…………」
杏奈「……」
未来「…………ちょっと水着」
恵美「未来ー! 大変大変! いま掲示板で発表があって……ってあー! クイーン! なんでここに!」
64 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 20:43:21.30 ID:xuOu8VkC0
杏奈「……話が……あって……」
未来「あ、危なかった……じゃなくて。恵美ちゃん、発表ってなんの?」
恵美「そう! それ!」
恵美「キングのパートナーが変更になったって! しかも新しいパートナーが! 紗代子先輩だって!」
未来「ん? キングのパートナーは望月先パイで……でも望月先パイはここにいて紗代子先パイはここにはいなくて……つまり……えええええええ〜〜〜!!??」
杏奈「ロコ……」
65 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 20:46:14.44 ID:xuOu8VkC0
〜試合当日。濃紺の空と太陽。ラクダ色の砂浜にはコートがあり、熱狂した観客たちに囲まれて未来、恵美、杏奈とロコ、紗代子が対峙している〜
観客「今日の試合! 勝つのは――どっちだ〜⁉」
観客「キング!!! キング!!! キング!!!」
未来「うわあ……すごい歓声」
観客「最高のプレイを魅せるのは――誰だ〜⁉」
観客「キング!!! キング!!! キング!!!」
観客「みちことみらい、似たような名前だが!! 勝つのは――どっちだ〜⁉」
観客「みちこ!!! みちこ!!! みちこ!!!」
ロコ「ロコです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
観客「ウォオオオオオオ!!!」
66 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 20:47:20.98 ID:xuOu8VkC0
ロコ「まったく、しょうがないオーディエンス達ですね。しかし彼女たちがいるからこそ戦い甲斐があるというもの。そうでしょう?」
紗代子「ええ」
未来「紗代子先パイ……」
恵美「水着まで黒のセーラー水着に変えてる。本当にキングのパートナーになったんですね……なんで」
紗代子「私たちは敵同士。まだそんな迷いがあるようではすでに勝敗は決まったわね」
未来「いえ……! 紗代子先パイにも言った通りです。私はキングに勝ちます!」
紗代子「ならいいわ。お互いにベストを尽くしましょう」
67 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 20:48:49.21 ID:xuOu8VkC0
ロコ「ふふん、ではゲームスタートです。今回は先攻をもらいますよ」
ロコ「先にディスペアーを与えておいてあげましょう……」
ロコ「これから放つ”IMPRESSION→LOCOMOTION!”はその名の通り、あまりのインプレッションで一度にロコ点、つまり65点をゲットする技です」
ロコ「これが何を意味するかわかりますか?」
杏奈「返せなければ1球で試合が終了する……!」
ロコ「グッドアンダスタンド。さすが元パートナーです」
68 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 20:52:00.20 ID:xuOu8VkC0
杏奈「もうやめてロコ! 強すぎる技の連続でもうロコの体は限界なんだよ!」
ロコ「キング’sルールその3、リスクはあえて冒してこそエンターテインメント! ワイルドよりデンジャラスな一撃をくらいなさい、”IMPRESSION→LOCOMOTION!”!」
未来「来た! 二人とも、打ち合わせ通りに!」
恵美「OK!」
杏奈「インプレッションでボールを65個に分裂させる必殺技……ならそれを上回る人数で対処すればいい!」
杏奈「リトルアンナたち! ビビッとよろしく!」
恵美「すごい! 杏奈先輩の両手にはまった杏奈パペットの両手にさらに杏奈パペットをはめて、連結していく……最終的な数は2の6乗で64体!」
杏奈「そしてすべてのリトルアンナでレシーブ! ビビッとパーフェクト! イェイ!」
69 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 20:54:40.83 ID:xuOu8VkC0
未来「残った1個のボールは私が!」
恵美「それをアタシがトス! あ、杏奈先輩……!」
杏奈「杏奈のとっておきスパイク! 見せちゃうよー! ”VIVID イマジネーション”!! キャッチミー!」
観客「「「「「「「キャッチミー!!!!!!!」」」」」」」
恵美「打ったボールがデジタル変換されてバーチャル世界へ移行した!? もはや人類には止めようがないスパイクじゃない。敵じゃなくてよかった……」
紗代子「いいえ止められるわ。”vivid color”!!」
70 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 20:56:09.24 ID:xuOu8VkC0
恵美「”VIVID”を”vivid”で相殺!? 紗代子先輩の力でボールが鮮やかな現実世界に引き戻されて……上げられた! 嘘でしょ!?」
ロコ「驚くのはまだアーリーですよ? 決めなさいサヨコ! トス!」
紗代子「スパイクを放った杏奈ちゃんは防御には回れない……もらったわ。”デストルスラッシュ”!!」
未来「私が拾って――」
杏奈「未来、触っちゃダメ!」
未来「え……?」
未来「……ッ! ……ひ、拾わなくてよかった。杏奈先パイの一言がなかったら触れてしまっていた……」
未来「信じられない……。スパイクで砂浜が一刀両断に……」
恵美「だけどその切り裂く軌道が裏目に出たんだね……ボール半個分アウトだ……ナイス未来」
未来「うん……」
71 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 20:57:46.67 ID:xuOu8VkC0
恵美「これが紗代子先輩のフルパワーなの? 怖〜……」
未来「やっぱりすごい選手だったんだ……」
恵美「うん。良いパートナーさえいればキングとも互角じゃないかってずっと言われてたんだ。弱いわけがないよ」
未来「……」
杏奈「紗代子さん、なんでロコのパートナーになっちゃったの」
紗代子「……こんなこと、言ったってしょうがない」
未来「しょうがなくないです!」
恵美「そうです。紗代子先輩が考えてることだったらなんだって聞きたい! アタシたち、3人しかいない第5のメンバーじゃないですか!」
紗代子「……」
72 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 22:01:25.67 ID:xuOu8VkC0
紗代子「元々キングと立場上の対立はなかったわ、組めない理由はない。それにね……思ったの。キングと組むのがベストな選択だって」
紗代子「勝ちたいから組む、パートナーがいないから組む。もちろんそれもあるの。ただ、それだけじゃない……ううん、それ以外の理由のほうが大きいのかもしれない」
紗代子「一番はきっと……ずっと一緒にいた、私の周囲の人たち。想像はついてるだろうけど私って一年生のときから周りの子たちと競技への取り組み方でぶつかることが多かったの」
紗代子「よくケンカになったのが練習量のこと。そりゃあ、努力はいくらしても報われるとは限らない。それは私も知ってる」
紗代子「でもね、最初から頑張ることができない、練習に誘っても来てくれない人たちもいて。いえむしろそんな人ばかりだわ……。なんなの? あなたたちビーチバレーが好きで部に入ったんでしょ!?」
紗代子「なのに誰に聞いても『紗代子の熱血にはついていけないよ』って……みんなそう!」
紗代子「じゃあ私はどうすればいいの⁉ 私のこの情熱は! 力は! どこに向ければいいのよ!」
紗代子「そんな風にずっと思ってた……。そして昨日、キングにペアの話を持ちかけられた」
紗代子「その時に気づいてしまったの。私のビーチバレーへの情熱をもっとも理解してくれるのはキングなんだって。それだけよ」
73 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 22:02:58.48 ID:xuOu8VkC0
杏奈「紗代子さん……」
未来「ンン~~~~!!!!!!」
未来「紗代子先パイっっっ!!!!」
紗代子「ひゃいっ!?」
未来「わかります! 人が自分の言ってることをわかってくれないのって、とってもと〜っても寂しいですよね!」
紗代子「……あなたに解るはずがない」
74 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 22:04:31.88 ID:xuOu8VkC0
未来「わかりますよ! 私も修学旅行の前の日に『楽しみすぎて寝られないよ〜!』て言ったらお母さんに『はいはい早く寝てね』て言われちゃって、なんでわかってくれないのー!てなりました!」
未来「それにそれに! 小さいころ私が転んでヒザをすりむいたときにも『痛いよ〜!』て泣いてたのに『大丈夫、痛くないよ』てお母さんに言われて……」
恵美「えっと、未来……? アタシが割り込むのも変かもだけどそのー、話がさすがにずれてない?」
紗代子「そうよ、私とは全然違う話じゃない」
未来「違うけど、同じなんです! 誰かと一緒に練習できなかったら悲しいし修学旅行は楽しみだし、ヒザをすりむいたら痛いんです」
未来「それで私は自分が大きくなって娘が生まれたとして、もしその子がヒザをすりむいて泣いてたらやっぱり『大丈夫、痛くないよ』て声をかけてあげるんです」
75 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 22:05:43.64 ID:xuOu8VkC0
紗代子「……」
未来「あれ? やっぱり違う話だったかな? 同じ話だと思ったんですけど、だんだん自分でもわからなくなってきちゃいました……えへへ」
恵美「あの……」
恵美「紗代子先輩はアタシたちじゃ駄目なんですか。そりゃ……アタシは紗代子先輩が3年間どんな思いでいたか何もわかっていませんでしたし、紗代子先輩のプレイについていくこともできないです」
恵美「でも……未来も、アタシも、紗代子先輩と一緒にやっていきたいんです!」
恵美「これだけは信じてください、お願いします」
恵美「……まあ、たまーに先輩の指導が厳しすぎる気はするんですけど」
76 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 22:07:31.70 ID:xuOu8VkC0
紗代子「……」
紗代子「ふぅー………」
紗代子「あー……もう! 私ってばなにやってるんだろう」
未来「先パイ?」
紗代子「ううん、なんでもない」
紗代子「それより、さっき未来ちゃんのしていた話だけどね。同じ話だと思うわ、私も」
紗代子「未来ちゃん!」
未来「は、はい!」
紗代子「私、未来ちゃんと会えてよかった。ありがとう」
未来「えっと……どういたしまして?」
77 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 22:09:48.49 ID:xuOu8VkC0
ロコ「カンバセーションは終わりましたか? そろそろ試合をリスタートしますよ」
紗代子「ごめんロコちゃん……私、やっぱり第5ビーチバレー部が好きみたい。だから」
ロコ「なんですって」
未来「紗代子先パイがこちらのコートに!」
恵美「杏奈先輩にくわえて紗代子先輩まで仲間になったら百人力だよ!」
杏奈「ロコ……これでもう決着……だよ……」
78 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 22:11:04.06 ID:xuOu8VkC0
ロコ「……」
ロコ「フフフ……決着? 笑わせないでください。4人対1人になったからフィニッシュだというのですか?」
ロコ「たしかに1人ではレシーブからトスやスパイクにつなげることすらインポッシブル。勝つ方法などありません。普通ならそうでしょう。ですが! ロコはキング!」
ロコ「キング’sルールその4! アトモスフィアなどドントリード、ジャストビーマイセルフ」
ロコ「教えてあげましょう。あなたたちの相手など、レシーブさえできればイナフだと!」
79 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 22:12:24.21 ID:xuOu8VkC0
恵美「ぜ、絶対に強がりだよ! この状況から勝てたりするわけがない」
紗代子「ううん、違う。あの表情は、絶対に自分が勝つと信じている表情。はったりなんかじゃない」
恵美「マジで…!? でもたしかに、すごい圧を感じる」
杏奈「ロコは死ぬ気でレシーブを打つ気……杏奈にはわかるよ。とてつもない大技が来る」
未来「じゃあこちらも戦いましょう、命を懸けて!」
紗代子「未来ちゃん、まさか」
未来「封印していた魔法の力を使います」
80 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 22:13:27.29 ID:xuOu8VkC0
恵美「あれは使っちゃいけないって練習の時に言ってたじゃない! 危なすぎて使えても一度だけだって」
未来「その一度がいまです! マジカルパワー開放!」
未来「行きます! ”マジカルシャボンサーブ”!!」
恵美「未来の全魔力がボールに込められたサーブ! その威力は超電磁砲を超えて超熱線の域にまで到達する! さらに……」
紗代子「シャボンのように消える弾道を持つ……!」
杏奈「ほ、本当に消えた! どこに落ちるのかギリギリまでわからないってこと? これなら行けるかも!」
81 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 22:15:28.70 ID:xuOu8VkC0
ロコ(ビーカームですロコ……いつものプラクティスを思い出して)
恵美「キングが目を閉じてしまった⁉ ボールが見えないからやけになったの?」
ロコ(大丈夫……ずっと繰り返してきたムーブです……。何ミリオン回、何ビリオン回も……。ボールなんて見えなくてもロコボディが反応してくれるはず……)
ロコ「……っっ!! アイキャンレシーブ!」
恵美「現れたボールがキングの両手の真正面にぃ⁉」
ロコ「くらいなさい! ”Sunshine Rhythm”!!」
82 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 22:20:07.38 ID:xuOu8VkC0
恵美「返された? でも真上に打ち上げてる! コントロールが効かなかったんだ!」
紗代子「違う! これは……」
ロコ「”Sunshine Rhythm”はサンシャインのパワーを借りる技。ボールは一度成層圏を超えたあと、サンシャインのパワーを吸収して地上へフォールダウンします」
紗代子「見て! 空に太陽がもう一つ現れた!」
恵美「極小の太陽並みのエネルギーを持ったってこと⁉ まずいよ!」
未来「そんなの止められる人なんて……」
杏奈「杏奈が止める」
83 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 22:24:57.20 ID:xuOu8VkC0
杏奈「一度も試したことのない技だけど、やってみる!」
杏奈「月にいるウサギさんたち……力を貸して。”Vivid Rabbit”!!」
恵美「え、何をして……空に月が現れた! 昼なのに!」
未来「しかもあの月、動いてる!」
ロコ「これがアンナの本気だというのですか……」
杏奈「月も……広い意味ではバレーボール……だから……。このボールで……ロコの太陽を……止めて見せる……よ」
84 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 22:25:56.69 ID:xuOu8VkC0
杏奈「アタ……ック!」
ロコ「止められるはずがありません! ブレイクスルーしなさい”Sunshine Rhythm”!」
未来「月が動き始めた2つ目の太陽に向かっていく!」
紗代子「そして今、激突……した!」
恵美「やったの⁉」
紗代子「いえ、これは……! 月と2つ目の太陽、両方とも粉々に……!」
杏奈「そん……な……」
85 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 22:27:30.69 ID:xuOu8VkC0
ロコ「ふう……少しだけコールドスウェットをかきましたが」
恵美「杏奈先輩、もうあの技は……?」
杏奈「月がないから使えない……よ……」
恵美「じゃあ……もう一度あの”Sunshine Rhythm”を使われたら……」
紗代子「ええ……その時点で止める方法のない私たちはゲームセットよ……」
ロコ「アンダスタンドしたようですね。さあ、双方のボールがロストしたので先ほどのポイントをやり直しです。最期のサーブを打ちなさい」
恵美「未来も杏奈さんも力を使い果たしてしまってる……どうすれば」
86 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 22:28:15.05 ID:xuOu8VkC0
紗代子「私がサーブするわ!」
恵美「紗代子先輩!」
紗代子「大丈夫、任せて。恵美ちゃんも私の必殺サーブの力は知っているでしょう?」
紗代子(集中して、紗代子……あなたならできる。弱い自分はコートの外に置いてきたでしょう)
紗代子「”サマートリップゴールデンフィッシュ”!! ハッ!!」
恵美「すごい! これまで見てきた中で最大級の炎! 鮮やかなフレアが幻の金魚伊勢ハナフサのように!」
87 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 23:56:44.51 ID:xuOu8VkC0
ロコ(サヨコの”サマートリップゴールデンフィッシュ”は途中で跳ねて軌道が変わる変化球。さっきと同じ……読むんです、ボディ全体で)
ロコ(ライトか、レフトか、レフトか、ライトか……レフトです!)
恵美「キングが左に動いた! 紗代子先輩の打球は……右へ! 逆だ、よっしゃあ!」
ロコ「まだですぅうううううう!!」
恵美「まさか! その体勢から切り返すの⁉」
ロコ「フッ……アイキャンレシーブ!!」
ロコ「これでジ・エンド・オブ・ザ・ドリームです! ”Sunshine Rhythm”!!」
88 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/04(木) 23:58:10.03 ID:xuOu8VkC0
紗代子「またレシーブが空の向こうへ! くっ、これで……もう手が出せない」
未来「まだです! まだやれます!」
恵美「未来! もう休んでないとダメだって!」
未来「まだ手はあります! 私の最後の魔力で!」
未来(静香ちゃん、恵美ちゃん、紗代子先パイ、杏奈先パイ……これまで会ったすべての人たち。お願い、私に最後の力を貸して……)
未来「これなら飛べる……ジャンプアップ!!」
紗代子「未来ちゃんが空へ⁉ ……そうか、”Sunshine Rhythm”はまず太陽の力を吸収する必要がある。ならその前に叩けば……」
杏奈「”Sunshine Rhythm”を……破れる!」
紗代子「未来ちゃん、あとはあなたに託すわ……お願い」
89 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:01:17.23 ID:2q3QrEiX0
〜76高ビーチの超上空。空と宇宙との間〜
未来(っ……ロコ先パイのレシーブ、すごいスピードだ。間は詰めたけどなかなかボールに追いつけない! なんとか宇宙空間にたどり着く前に止めなきゃ)
未来(見えた! あれだ! もうすぐ追いつける。よし、さすがにスピードが落ちてきてるんだ……本当に? 違う! もう太陽のパワーを吸収し始めているんだ!)
未来(ま、間に合わなかった……)
未来(ううん、まだ。まだあきらめない!)
未来「あきらめない! どんなボールだって止めてみせる!」
90 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:02:45.66 ID:2q3QrEiX0
未来「さぁ来ぉい!」
未来(こっちへ来た!)
未来「!!!!!!!?」
未来「うぁあああああああああああ!!」
未来(強い! 触れただけで両腕が粉々になりそう……!)
未来「ああああああああああああ!!」
未来(止める! 止めるんだ!)
未来「ぐ、ぐうううううう止まれえええええええええ!!」
未来「あっ⁉」
未来(取りこぼした⁉)
未来(ああ……)
未来(もう……どうしようもない。終わったんだ、これで……私のビーチバレーの初試合が)
恵美「まだあきらめるのは早いって!!」
91 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:04:00.27 ID:2q3QrEiX0
未来「!? 恵美ちゃん! どうしてここに」
恵美「決まってるでしょ!」
恵美「受け取って! アタシの最高のトス!」
未来「うん!」
恵美「未来! アタシ動けたよ! 大事な一歩、踏み出せた!」
未来(ありがとう恵美ちゃん……恵美ちゃんにはなんども勇気をもらっちゃってるね)
92 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:05:11.36 ID:2q3QrEiX0
未来(私、絶対に決めるよ。この大事な一撃を)
未来(静香ちゃんにも届けるんだ。……見てて。私、打つよ。いつだって不確かな未来に向かって、ただまっすぐに打つよ)
未来(明日にはまた悩んで、怒って、笑って。そんな未来にたどり着くように。全力で)
未来「”ミライウルトラスーパーギャラクティカマジカルハイパースパイク”ゥウウウウウウウウウウ!!」
未来「この思い、君に届けええええええええええええええええ!!」
93 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:08:11.09 ID:2q3QrEiX0
〜地上。全員が空を見上げている〜
紗代子「空が、光った……」
ロコ「ザッツトゥーバッド、ミライは夜空のスターの仲間になりました。”Sunshine Rhythm”を止められるはずがありません」
杏奈「待って、あの光」
ロコ「マイガー! ありえません!」
94 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:08:55.78 ID:2q3QrEiX0
杏奈「流れ星みたいに見えるけど……」
紗代子「未来ちゃんのスパイクだわ!」
ロコ「……来る!」
ロコ「……ふんっ!!」
杏奈「流星がロコの待ち受けてた両手に!」
紗代子「爆風がこちらにまでくる!」
ロコ「んんんんぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
紗代子「受け止めた? でも拮抗してる!」
95 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:10:17.11 ID:2q3QrEiX0
ロコ(ロコはキング! ロコは負けない!)
ロコ「アイ……キャンンンンンンンンンンンンンンンンン」
紗代子「まだ粘れるの!?」
ロコ「ンンンンンンンnotレシイイイイイイイイイイイイイイイイブ!!」
紗代子「ロコちゃんが吹っ飛ばされて未来ちゃんのスパイクが砂浜に……決まった!」
紗代子「これでゲームセットね!」
杏奈「うん……」
紗代子「あ、見てあれ!」
96 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:11:28.16 ID:2q3QrEiX0
紗代子「未来ちゃん! 宇宙から帰ってこれたのね!」
未来「はい」
紗代子「見てたよ! すごかった、未来ちゃんの”ミライウルトラスーパーギャラクティカマジカルハイパースパイク”!」
未来「いや、あれは……みんなが打たせてくれたんです。紗代子先パイも杏奈先パイも恵美ちゃんも、みんなの力があったから」
未来「……ハッ。恵美ちゃんは?」
紗代子「それが……まだ」
97 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:12:32.07 ID:2q3QrEiX0
未来「そんな……まさか」
紗代子「考えたくはないけど、宇宙の塵に……え、嘘! あそこ!」
未来「隕石が砂浜に……ちがう! 恵美ちゃんだ!」
恵美「アイタタタ……。にゃはは、髪型で上手くクッションになってくれたみたい。アホ毛が付いたキャラデザじゃなかったら危なかったよー」
未来「恵美ちゃんんんんん」
恵美「こらこら、未来はまた抱き着いてきて……。甘えん坊さんかー?」
未来「だって”え”えええええええ」
紗代子「恵美ちゃん、私からも。帰って来てくれて本当に嬉しいわ。これで第5ビーチバレー部のメンバー、元通りね!」
未来「ごれがらも3人でがんばっでいぎまじょうねええええ!!」
恵美「泣くなってー! もう」
98 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:13:18.49 ID:2q3QrEiX0
〜近くの砂浜。空を仰ぐロコに杏奈が話しかける〜
杏奈「ロコ……負けちゃったね」
ロコ「はい。これでもう無敗のキングではなくなってしまいました」
杏奈「うん……」
ロコ「これからは、ロコはロコです。ただのロコです。……バット」
ロコ「ただのロコが勝ち上がっていく。これも最高にインタレスティングでアメイジングなエンターテインメントって思いませんか?」
ロコ「アンナにそんなロコのビサイドにいるライトアームになってほしいなって思うんですけど……どう、ですか?」
杏奈「ロコ……!」
99 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:14:38.06 ID:2q3QrEiX0
ロコ「どうもロコはアンナと一緒にプレイしたほうが調子がベターみたいです」
ロコ「無茶なプレイはどこまで減らせるかわかりませんが……ドゥーベストします。だから」
杏奈「うん! 杏奈もいい外科医さん知ってるから紹介する……ね」
ロコ「ですけど……。キング’sルールだけは曲げたくありません……わがままですね」
杏奈「うん……知ってる」
100 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:15:49.48 ID:2q3QrEiX0
ロコ「……」
ロコ「……ミライたち、楽しそうですね」
杏奈「そう……だね」
ロコ「まあ、ウィナーですしね……いや、ううん、なんでもありません」
ロコ「んー!! ……よし! ビーチバレー、しますよー!」
101 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:17:16.97 ID:2q3QrEiX0
〜時間は流れて翌週。休日に自室で机に向かっている静香。ノートを広げているが集中しているようには見えない。〜
静香「〜〜……」
静香「窓の外……いい天気だな……」
静香「……」
♪♪〜〜(静香のスマホが鳴る)
静香「あら。未来から?」
静香「……ビデオ通話? なにかしら」
102 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:18:10.01 ID:2q3QrEiX0
未来<静香ちゃーーーーーーーーん!!!!!!>
静香「〜ッ⁉」
静香「耳が壊れるかと思った……。ちょっと未来、あなたいきなり」
未来<私76高で1番の人に勝ったの!>
静香「!」
未来<76高にはキングがいて、キングと1球勝負したら負けちゃって……あ、キングっていうのはロコ先パイのことなんだけど。ロコ先パイは負けたことがないからキングなんだよ! それでねそれでね>
103 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:19:34.90 ID:2q3QrEiX0
静香「ちょ、ちょっと落ち着いて。話が全然わからないわ。それにさっきから後ろで声がたくさん聞こえててよく聞き取れないの」
ロコ<ウェイトですミライ! あれでディフィートなんてロコは認めません! だいたいミライはあれで>
未来<えー! でも勝ったじゃないですか!>
ロコ<ぜったいにロコのほうがストロンガーです! リベンジマッチを要求します!>
未来<いいですよ! やりましょう!>
104 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:20:45.90 ID:2q3QrEiX0
紗代子<2人とも燃えてるわね! 未来ちゃん、今度こそロコちゃんにきちんと勝てるように練習しましょう! あと……その時は私も新しいパートナーといっしょに混ぜてもらうわよ!>
杏奈<杏奈は……今度はロコといっしょに……やろうかな……>
未来<かわいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!>
恵美<あーあ、また未来の病気が出たよ……>
105 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:22:04.94 ID:2q3QrEiX0
恵美<あー、えーと……静香ちゃん……だよね? アタシ所恵美。今は未来とペアでいちおう……ううん、バッチリいいコンビネーションでビーチバレーやってるんだ!>
恵美<静香ちゃんの話は未来から聞いてます。大変だよね……。アタシなんかが気軽に口を挟める問題じゃないけどさ。未来はあなたといっしょにプレイできるのを楽しみにしてる。これは本当だよ?>
未来<静香ちゃーーーーん!!>
未来<私76高に来てよかった!>
106 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:23:13.67 ID:2q3QrEiX0
未来<あとあと……なんだっけ! いろいろ言おうと思ってたはずなんだけど忘れちゃった!>
未来<うーん……あ、そうだ!>
未来<ビーチバレーっておもしろいね!>
静香「はあ……、未来ったら……高校生になっても騒がしいのね」
静香「知ってるわよ、もう」
【了】
107 :
◆1jlBak9bN.
[sage saga]:2018/01/05(金) 00:25:50.74 ID:2q3QrEiX0
以上です。ありがとうございました。
なんとか書ききれましたー!
3rd幕張生放送良かったです!
108 :
◆NdBxVzEDf6
[sage]:2018/01/05(金) 08:23:44.48 ID:Wtx4WG0A0
ビーチバレーってすごい
乙です
http://i.imgur.com/QNYLMdS.jpg
>>2
新入生役 春日未来(14) Vo/Pr
http://i.imgur.com/91Qpv1T.jpg
http://i.imgur.com/zTV8P8X.jpg
同級生役 所恵美(16) Vi/Fa
http://i.imgur.com/d55U2s5.png
http://i.imgur.com/NEznaoN.jpg
>>4
先輩役 高山紗代子(17) Vo/Pr
http://i.imgur.com/tNzdWpn.jpg
http://i.imgur.com/JZpO6z6.jpg
>>17
キング役 ロコ(15) Vi/Fa
http://i.imgur.com/e1VMRzi.jpg
http://i.imgur.com/4LYSjwP.jpg
右腕クイーン役 望月杏奈(14) Vo/An
http://i.imgur.com/4XbRwIe.jpg
http://i.imgur.com/57Oeh3n.jpg
>>33
最上静香(14) Vo/Fa
http://i.imgur.com/RfKzcHF.jpg
http://i.imgur.com/CfNZjkM.jpg
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/30(火) 14:29:18.07 ID:QOh7cAGYO
それらしいトンデモ展開多くて笑いまくった
面白かったわ
乙
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