ハルヒ「キョンTUEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!」 キョン「驚愕、だな」

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258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 23:47:55.79 ID:gOntaRLdO
乙!
だめだ...先が気になる...気になる...私 気になります!
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 16:59:46.84 ID:dQx9/UIDO
おお、久々に見たら進んでる
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/14(月) 16:20:00.51 ID:iX96PiSP0
ンンッ……マ゜ッ!ア゛ッ!↑
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 13:27:18.59 ID:LjU79U7F0
短め、投下しますー
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 13:31:50.69 ID:LjU79U7F0

β


朝比奈「えっ? キョンくんの方の世界でも機関誌をつくったんですかぁ?」

キョン「まあ、一応文芸部の部屋借りてるので」

ハルヒ「へー! あたしたちも書いたわよ! 章ごとに担当をかえて長編小説を作ったの! 見る? はい!」

キョン「章ごとにって、それまとまりつくのか? どれどれタイトルは……」

キョン「『異世界開拓〜俺が魔王になって文明形成!?〜』……っ!!?!?!?!?」ガガーーン!

ハルヒ「なに驚いてるのよ? さては名作の予感に気圧されたわね!?」ニヤッ

長門「コアなファンも多く、ファンの総称を『開拓者』と言う」

キョン「知ってるよ!!!!!! こっちの世界でも!!?!?? どういう時空の歪み!!?!?」ガーン!






キョン「……うーむ」

古泉「おや、長考ですか? えらく早い段階ですね」

キョン「いや違うんだよ。古泉、おれは向こうの世界でもお前とこうしてボードゲームをしたりするが」

古泉「はい」

キョン「ここまで長く決着がつかなかったことはないんだ。それに違和感がなー」

古泉「まだ5手目ですよ!!? 将棋で5手で決着つくことなんてありますか!!?!?」

キョン「たぶん盤外戦術も影響してると思う」シュッシュッ!

古泉「場外乱闘!!?」ガーン! 
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 13:37:00.98 ID:LjU79U7F0

ハルヒ「だーかーら! ミラはねー―――!」

佐々木「やれやれ、ハルヒさん。あのね―――」

キョン「あの二人はしょっちゅうあんな感じですか?

朝比奈「ええと、まぁ……はい。あ、でもでも! 仲が悪いとかじゃないんですよ!」

キョン「じゃ一体なんであんな言い合いを……」

ハルヒ「絶対チャイナ服似合うって!! スリットから見える足とか激やばなはずよ!! だから着なさい!!! 団長命令よ!」

佐々木「ハルヒさん。団長は僕だし、似合うからといって無意味に服を着替えることもないよ」

キョン「(似合うことは否定しないのか……)」

ハルヒ「意味? 意味ならあるわよ!!」

佐々木「どんな?」

ハルヒ「あたしの眼福!!」フンス!

キョン「……いつもこんなしょうもない言い合いを?」

朝比奈「あはは……ええと、はい」






ハルヒ「いよいよ明日は不思議探索ね!! みんな! 準備はできてる!?」

キョン「遠足かよ。なんの準備がいるんだよ」

ハルヒ「心の準備に決まってるじゃない!! 何が起こるか分かんないんだから!!」

朝比奈「な、なにか起こるんですか?」

ハルヒ「なにかよなにか!! ねっ、ミラもそう思うでしょ!!?」

佐々木「そうだね。起こるといいね」

キョン「適当か」

佐々木「そうでもないさ」

キョン「……?」

ハルヒ「ってわけで! 明日の不思議探索、集合場所に時間通り集合!! 遅刻したら!」

ハルヒ「罰金だかんね!!!」
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 13:43:30.85 ID:LjU79U7F0

pipipipipipipipipipipipipipi


キョン「……zzz」

佐々木「おはようキョン、朝だよ。そして今日は待ちに待った不思議探索の日だ」

キョン「…………んぅ」

佐々木「さあ起きて仕度をしよう。集合場所へ遅刻した人は罰金というのは重々承知だろう」

キョン「……おぉ」

佐々木「やれやれ、困ったなぁ。いつまで経っても朝が弱いのは治らないらしいね」

キョン「…………z」

佐々木「起ーきーよーう、キョン。僕はキミの幼なじみでもお母さんでもないんだよ?」ユサユサ

キョン「……んん」

佐々木「親友ではあるけどね。っと、キョン。そろそろ独り言にも飽きてしまったよ」

佐々木「聞き上手なキミの相づちでもないと、これ以上舌も回りそうにない」

キョン「…………ぐぅ」

佐々木「……断眠法という言葉を知っているかい?」

キョン「」ピクッ

佐々木「眠るたびに寝坊するならいっそ初めから寝なければ―――」

キョン「……おはようございます」

佐々木「やあ。おはようキョン。目覚めはいかが?」

キョン「あぁ。夢見心地から一転、悪夢、もとい悪魔の囁きが聞こえたもんで目覚めはいいぜ」

佐々木「それは結構。さ、着替えて降りてくるといい。朝ごはんの仕度は終えてあるよ」

キョン「ありがとうお母さん」ボケー

佐々木「くつくつ。世話の焼ける親友だ」
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 13:49:04.79 ID:LjU79U7F0

キョン「いただきまぁす」

佐々木「召し上がれ」

キョン「…………」モグモグ

佐々木「さてキョン。いよいよ不思議探索当日と相成ったわけだけど……」

キョン「いよいよって程でもないだろう。そう都合よく何かが見つかるわけないさ」

佐々木「それはどうだろうか」

キョン「なに?」

佐々木「だってそうだろう? このインポッシブルな状況下でわざわざ確率論を信じることもない」

キョン「確率論なんかじゃない。むしろ、こんな状況下まで追い込まれていてそう易々と打破できるような―――」

佐々木「だからこそ、さ」

キョン「あん?」

佐々木「一見、脱出不可能な、絶体絶命な、背水の陣のようで、実は完全敗北をしてるのかもしれない」

佐々木「そんな状況下だからこそ、さ」

キョン「……俺が寝ボケてるだけかもしれんが、急になにを言い出すんだ佐々木。さっぱり分からん」

佐々木「ただの逆張りなんかじゃないよ。いいかい? 向こうの僕が僕と同じ考えをしているなら」

佐々木「キミが逆転できる一手はきっとこのタイミングで打てるようにしているはずなんだ」

佐々木「僕がそう望むように、『僕』はそう望むのだろう」

キョン「なんの確証が……僕は僕だからとかいうんじゃねえんだろうな?」

佐々木「おや親友。力は失ったんじゃなかったのかい? もしくは新たな力に目覚めでもしたかい?」

キョン「なに言ってやがる……で、ようするにお前はこう言いたいわけだ」

キョン「今日の不思議探索でおれは元の世界に帰れる。自分だったらそういう風にシナリオをつくる、と」

佐々木「どこの世界だって、ヒーローはそういうものなんだよ」

キョン「誰がヒーローだよ。おかわり」ズイッ

佐々木「はいはい。たんと召し上がれ」
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 13:53:42.82 ID:LjU79U7F0

キョン「お前だって、そう易々と元の世界に帰る方法は見つからない的なこと言ってたじゃねえか」スタスタ

佐々木「言ったね。もちろんそれも本心さ。向こうの世界にキミがいたんじゃなにかと都合が悪いらしいからね」スタスタ

佐々木「けどまぁ、どうやら耐えられなかったらしい」

キョン「なにがだよ」

佐々木「キミのいない世界にさ。キョン」

キョン「誰がだ」

佐々木「僕さ。おっと向こうの世界の僕だけどね」

キョン「…………な」

佐々木「何故わかると言いたそうだけど、別に分かっているわけじゃない。確証もない。ただ」

佐々木「そんな気がするだけさ」

キョン「…………そうかよ」

佐々木「当てにするもしないもキミの自由さ。僕としては、もっとキミといたかったとも思ってるしね」

キョン「……なんて答えりゃいいんだよ」

佐々木「くつくつ。さあね。なんと言って欲しいんだろうね」

佐々木「なにを望むんだろうね、僕は」

キョン「……自分でも分からんようなことを俺に聞くな」

佐々木「……違いない。悪かったね、おかしなことを聞いてしまって」

キョン「別に。昔っからお前は変な奴だっただろう」

佐々木「おや。キミがそれを言うかい?」

キョン「どういう意味だ。ったく……」
267 :名無し [sage]:2018/05/20(日) 13:54:16.40 ID:/7G5jMBL0
おぉ…リアタイ初めてだ…
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 13:58:48.38 ID:LjU79U7F0

キョン「お」

古泉「おはようございます」

朝比奈「おはよう、キョンくん、ミラさん」

佐々木「おはよう、みくるさん、一樹くん、有希さん」

キョン「おっす」

長門「……」コクリ

キョン「んで、ハルヒはまだか。まだ集合時間には余裕があるが」

古泉「直に来るでしょう。時間には正確な人ですから」

朝比奈「キョンくん。手掛かり、見つかるといいですね」ニコッ

キョン「……そうですね。簡単にはいかないと思いますが」チラッ

佐々木「いらっしゃったみたいだよ」スッ

ハルヒ「おーい! みんな揃ってるー!!?」ダダダッ!!

キョン「んな遠くから大声で……恥を知れっ恥を!!!!」クワッ!

古泉「あなたもですよね、それ」

ハルヒ「時間1分前!! セーフ!!!」ザザッ!

ハルヒ「待たせたわねっ!! じゃさっそく行くわよっ!! ついてきなさいっ!!」

佐々木「待ったハルヒさん。今日の先導役はあなたじゃないだろう?」

ハルヒ「あらっ? そうだったわね、それじゃキョン!! あたしのアドバイスした通りの場所に行くわよっ!」

キョン「バッティングセンターやら雀荘になど行かんぞ。ま、とりあえず」

キョン「ブラブラ行くとするか」

ハルヒ「SOS団!! しゅっぱーーつ!」

古泉・長門・朝比奈・佐々木「「「「ファイヤー」」」」

キョン「なんか知らんやつでた!?!!?」ガーン!
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 14:00:09.35 ID:LjU79U7F0
ここまでー
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/20(日) 15:53:00.93 ID:t1n9HTwJ0
これからも楽しみです
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/20(日) 15:54:09.41 ID:t1n9HTwJ0
>>270
sage忘れ申し訳ない
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/20(日) 15:54:42.73 ID:ZnqWfN1rO
もっと読みたい今回は短いと感じるのはなぜだ
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/21(月) 15:26:22.95 ID:Wy4IaZ0do
乙です
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/22(火) 14:19:00.09 ID:Pi+WE09p0
乙です!
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/22(火) 15:21:19.87 ID:Ij7nybybo
乙!
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/22(火) 20:01:31.62 ID:pw7LQtfUO

ふむふむ
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:17:22.64 ID:n5yV50aj0
投下しますー
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:22:39.36 ID:n5yV50aj0

β


キョン「そーれ、じゃん」

ハルヒ「けん!」

佐々木「ぽん」

キョン「佐々木の勝ちだな。てことでここは右だ」スタスタ

古泉「これでミラさん5勝、涼宮さん1勝、であなたが未だ勝ち無しですね」

朝比奈「ミラさん強いですねー」

ハルヒ「……ねえ」

キョン「どうした?」

ハルヒ「どうした? じゃないわよ! 今は何する時間だと思ってんの!!?」

キョン「不思議探索だろ? お前がアイデアを出したんじゃないか」

ハルヒ「その通り! 不思議探索よ! 間違っても分岐路の度にじゃんけんでいく方角を決めるゲームなんかじゃないわ!」

キョン「ブラブラするって言ったじゃないか」

ハルヒ「しすぎぃ!!!」ダンダン!

長門「落ち着いて」

佐々木「そうさハルヒさん、落ち着いて。この行動をとる理由があるのさ」

ハルヒ「理由? なによそれ」

キョン・佐々木「「楽しい」」

ハルヒ「ふざけんな!!」ガオォ!

朝比奈「ひえぇっ!!」

佐々木「やれやれ、まいったな。キョン、ハルヒさんを納得させるだけの理由を探してくれ」

キョン「適当に珍しいモンでもあてがえばいいんじゃないか?」

ハルヒ「動物にエサ与えるような感覚で言うな!!」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:27:54.11 ID:n5yV50aj0

ハルヒ「おいっしいじゃないのこれ!」

長門「美味」モグモグ

佐々木「喫茶店でケーキを食べたら機嫌が良くなるんだから」

キョン「あながちエサ与えてんのと変わんねえな」

ハルヒ「それとは別!! キョン、今日はあんたが行きたいとこ行く予定だから黙ってついてきたけどね!」

キョン「黙ってなかったよな? 古泉」

古泉「どうでしょう」

ハルヒ「この後もこんな感じなら、いよいよあたしの堪忍袋の緒が切れるわよっ!!」

キョン「そんなモンを持ち合わせていたことが驚きだ」

ハルヒ「ミラっ! あんたからも言ってやんなさい! なにか手掛かりになりそうなものがありそうなトコに行け、って!」

佐々木「例えば?」

ハルヒ「海、川、山!!! 都会から離れた大自然の中に不思議は潜むのよっ!!!」

キョン「なんだそりゃ……いつも都会でやってる不思議探索は一体なにを探し…………」



キョン「…………あ」



古泉「どうかされましたか?」

ハルヒ「なによキョン、フリーズして」

キョン「いや…………待てよ…………」

朝比奈「き、キョンくん??」

長門「…………」モグモグ

キョン「ハルヒ…………さっき言ったこともっかい言ってくれ」

ハルヒ「『ごちになりまーす!』?」

キョン「そんなこと一言も言ってなかっただろうが!!!! 情報改変するんじゃねえ!!!」
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 18:27:58.40 ID:6T9Zba/rO
αもβもほのぼのしているがいつ崩れるか...
楽しみだ
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:32:21.38 ID:n5yV50aj0

キョン「どこに行きゃ手掛かりがあるって言ったんだ?」

ハルヒ「ボーリング場、バッティングセンター、雀荘?」

キョン「海、川、山!!! お前はそう言ったんだよ!! 大自然に不思議が潜むとかな!」

ハルヒ「い、言ったけどそれがどうしたのよ。あ、言っとくけどあたしがただ遊びたいだけじゃ―――」

長門「山」

朝比奈・ハルヒ「「えっ?」」

長門「山ならある」

キョン「あぁ、すぐそこにな」ピッ

ハルヒ「そこ、って……鶴屋山のこと??」

キョン「お前の言う通りならそこに不思議が潜んでんだろう?」

ハルヒ「え、あ、まぁ、そういうことになる、わね?」

キョン「登ろう」

ハルヒ「えっ!?」

キョン「そこに山があるなら、登るのだ」

ハルヒ「どこの登山家!!? ちょ、ちょ! 言っといてなんだけど、ホントに!? マジで!?」

キョン「マジだ、大マジだ。行くぞっ、ついてこい!」ザッザ!

ハルヒ「えぇええええ!!? ちょっと! 山の何があんたをそこまでさせるのよ!!? おーい!!」

朝比奈「や、山に登るんですかぁ!? わたし今日ヒール……」

古泉「何か覚えがあるのでしょうかね、彼には」

佐々木「……さあね」
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:36:39.34 ID:n5yV50aj0

キョン「ふっ、ふっ……」ズンズン!

ハルヒ「ふっ、へばってんじゃない? キョン?」ズンズン!

キョン「ぬかせ、まだまだ!」ズズンズン!

ハルヒ「こんのっ……!」ズズンズン!

古泉「お二方、少しペースが早……聞こえてませんね」

朝比奈「ふっ、ふぅ、ひぃ、ひぁ……!」

長門「頑張って」

佐々木「……」

キョン「……」ズンズン!

ハルヒ「んぐぐ……!」ズンズン!

キョン「ここっぽい」ピタッ

ハルヒ「んぎゃお!」ドツン!

古泉「やっと止まったみたいですよ」

朝比奈「ひ、ひえぇ……」

ハルヒ「き、急に止まんないれよ! 鼻打っちゃったじゃない!」

キョン「ここだ……」

ハルヒ「ここ? 少し開けたスペースだけどここに何が……あ」

佐々木「面白い形の石があるね。まるで―――何かを埋めた目印みたいに」

キョン「…………」
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:42:14.26 ID:n5yV50aj0

ハルヒ「確かに、ここ掘れば何か面白いモノが……みくるちゃん! 掘りなさい!」

朝比奈「ええっ!? す、素手でですかぁ!?」

古泉「シャベルか何かを持ってくるべきでしたね」

ハルヒ「古泉くん」

古泉「はい」

ハルヒ「スコップ、でしょ?」

古泉「これはこれは、失礼しました」

ハルヒ「で、キョーン! 結局あんたがここに来たかったのはこの岩が目的だったってわけ!?」

キョン「……」

ハルヒ「ねーってば!」

キョン「……この山の持ち主は誰だか知ってるか?」

ハルヒ「? そんなのつるちゃん家に決まってるじゃない。鶴屋山なんだし」

キョン「じゃいつから保有しているか知っているか?」

ハルヒ「さあ? 結構昔からなんでしょうけど……それがどうしたのよ?」

キョン「元禄時代ぐらいさ。当時の鶴屋家当主、鶴屋房右衛門の代から保有してる」

キョン「そして、鶴屋房右衛門の母親は……佐々木だ」

ハルヒ・朝比奈「「え˝˝っ˝っ!!?!?」」

キョン「俺のいた世界ではな。なにその汚い発音」

佐々木「……」
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:47:28.03 ID:n5yV50aj0

ハルヒ「あ、そうよね。あんたらは生まれ変わりとか何億年も生きてる系だもんね」

朝比奈「あ、新しすぎるジャンル……」

古泉「それで、話しの続きは?」

キョン「ああ。この山は房右衛門が家督を継いだ時に俺が買ってやったモンなんだが」

ハルヒ・朝比奈「「えっ˝˝っ˝っ!!?!?」」

長門「それはもういい」

キョン「ありがとう長門。まぁ、それも俺がいた世界での話なんだが、あーつまり何が言いたいってのはだな……」

佐々木「『激録!! 鶴屋房右衛門の秘密に迫る』。キミが思い出したのはこれだろう?」

ハルヒ「ん……あーっ! 資料で集めた時の雑誌のやつね!」ハイハイ

佐々木「キミはこれを見た時にある引っ掛かりを感じた。それが房右衛門の存在さ」

古泉「……なるほど。房右衛門氏はミラさんのご子息。つまりミラさんがいない世界には存在しえない」

長門「時空の連続性の証明?」

佐々木「に、近いね。山は鶴屋家所有のものなのに、この世界にキョンはいないんだから」

朝比奈「??? ??? ? ???」

ハルヒ「安心しなさいみくるちゃん。あたしもそんな感じだから」ポン

キョン「房右衛門が存在し、山を保有し、そしてこの岩だ」

佐々木「位相違いと言うところだね。この場は並行世界に保持されている」

古泉「………………なるほど。世界の基準点ということ、ですか」

ハルヒ・朝比奈「「なんで分かるの!!?!?!?」」ガーン!!

ハルヒ「も、もっと簡単に言いなさい!? キョン、つまり!!?」

キョン「つまり」

キョン「この岩の下に、房右衛門の埋めた何かが、この世界にもあるってこった」

佐々木「そして」

佐々木「それが元の世界に戻るための手掛かりになりうるかもしれないということさ」

ハルヒ「………………ほ」

朝比奈「ほ?」

ハルヒ「掘るわよーーーーーっっ!!!!!!」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:51:28.04 ID:n5yV50aj0

ハルヒ「いけー!! キョン! 古泉くん!!」

朝比奈「が、がんばってー」

長門「……」

キョン「掘るわよ、って言った本人は掘らねえのかよ、ったく」ザクザク

古泉「まあまあ、ミラさんにシャ……スコップを出していただいたからいいではありませんか」ザクザク

キョン「あ? シャベルだろ??」

古泉「……すいません」

佐々木「どうだい? なにか出てきそうかい?」

キョン「佐々木、アドバイスなら受け付けるぜ」

佐々木「そうかい? ならもう30pほど左を掘ってみればなにか見つかるかもしれないね」

キョン「だってよ古泉」

古泉「はい……」ザクザク

キョン「しっかしよ、佐々木」ザクザク

佐々木「うん?」

キョン「結局お前はどこまで知っていて」

古泉「……」ザクザク

キョン「俺に―――」



キィン!



ハルヒ・朝比奈「「!!!」」

古泉「これは……っ」

キョン「どうして欲しかったんだろう……な?」

佐々木「…………くつくつ。さあね」
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:55:25.04 ID:n5yV50aj0

ハルヒ「キョン! キョン!! 今の音!!」ガシッ!

長門「金属音」

キョン「ああ……ありやがったぜ、ちくしょう」ガシッ

ハルヒ「なにそれ? 何の延べ棒? 金じゃなさそうだけど」

キョン「こいつは……鶴屋さんの先祖が埋めた逆転アイテムさ。何の延べ棒かは知らん」

キョン「向こうの世界では埋めたまんまだったが……どうやら」

佐々木「起死回生を図るために必要なピースだったというわけだ」

キョン「ああ、未来の人間が指令によって俺からコイツを遠ざけていた理由が分かったぜ」

キョン「掘り起こすべきでない、ここになければならないモノだったんだ」

長門「世界の、基準点として?」

キョン「ああ、その通りだ。おそらく、こいつが持つ情報は『絶対の座標軸』」

キョン「ある地点から、どの時間、どの平面上にも、こいつは同一の場所に存在する」

古泉「ということは、これを使えば……」

キョン「元の世界に戻れるかもしれん」

朝比奈「や、やった!」

キョン「もちろん、それをやるのは……」

ハルヒ「ミラっ!!! できるの!!? いいえ、やり遂げなさい!!!」

佐々木「……ああ、可能さ」

ハルヒ・朝比奈「「やった!!」」

佐々木「ただし」

佐々木「今度こそ、この世界は消失することになる。それでもいいのならね」
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:59:35.82 ID:n5yV50aj0

キョン「おい、そりゃどういう―――」

ハルヒ「かまわないわ! やっちゃいなさい!!」

キョン「おい、お前、ハルヒ……」

長門「いい」

朝比奈「お願いします! ミラさん」

古泉「本懐を遂げられるのであれば、何の支障もありませんよ」

キョン「お前ら……なんで……」

佐々木「…………揃いも揃って即答かい。くつくつ、せめて理由ぐらいは伝えさせてくれるとありがたい」

ハルヒ「簡潔にね」

佐々木「ありがとう。さっきも言った通り、その謎の延べ棒を使ってキョンを元の世界に戻すことは可能だ」

佐々木「しかし、向こうの世界にキョン単体で回帰させることはできない。なぜなら」

キョン「……今の俺に力がないから、か」

佐々木「その通り。感覚的な意味合いが強いんだけど、今のキョンを1人で時空跳躍させることはかなり危険だ」

古泉「つまり。あなたもついて行く……ということでしょうか」

ハルヒ「ミラ……」

佐々木「……僕がこの世界を離れれば、時空間保持のバランスが瞬く間に崩れ」

佐々木「世界は崩壊する。確実にね」

ハルヒ・朝比奈・長門・古泉「「「「……」」」」

佐々木「……キョンの悪運に賭けて1人で向こうの世界に帰ってもらうのも選択肢の1つではある」

キョン「よし、それでいこう。おれは昔っから悪運が強くてな。むしろそれだけで生きて―――」

ハルヒ「ミラ、何度も言わせないでちょうだい」

ハルヒ「かまわないわ! やっちゃいないさい!! そんで」

ハルヒ「向こうの世界までしっかりキョンを送り届けること!! それが最期の団長命令よ!!」

キョン「…………ハルヒ」

佐々木「…………しかと、受け賜わったよ。団長」
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 19:03:32.28 ID:n5yV50aj0

佐々木「ではキョン、その延べ棒を……」

キョン「待ってくれ。何故、お前たちはそうまでしてくれる? 自分たちの存在すら失うことになるんだぞ!?」

ハルヒ「これも前に言わなかったかしら? あたしが存在する事実があれば『あたし』がどこにいようと関係ないってこと」

ハルヒ「元の世界にあたしがいるってなら、それが涼宮ハルヒ。それがあたしよ! 分かった??」

キョン「そんなこと……朝比奈さん、長門、古泉! 誰か反対する奴はいないのか?」

古泉「団長に賛成です」

長門「右に同じ」

朝比奈「わたしも賛成です」

キョン「な、なんでだよ……?」

古泉「逆に聞きますが、あなたの世界の我々は涼宮さんの意に反したことはありましたか?」

長門「そうでなくとも、これはわたし自身の意志」

朝比奈「行ってあげてください。キョンくん、いろんな人があなたを待ってる」

キョン「…………っ」

ハルヒ「ほら、ちゃっちゃと行きなさい! ミラ! あとはよろしくね!」ドンッ!

キョン「うおぁっ!」グラッ

佐々木「任されたよ」ガシッ!

ハルヒ「じゃあね!! キョン! あんたといたのは1週間程だったけど、楽しかったわよ!」ニッ!

キョン「ハルヒ……」

長門「楽しかった」

古泉「ええ。とてもとても」

朝比奈「ありがとう、キョンくん」

キョン「長門、古泉、朝比奈さん…………」
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 19:07:52.88 ID:n5yV50aj0

佐々木「それじゃ行くよキョン―――みんなも、さようなら」

ハルヒ「あんたに言うことはないわ!…………っ、じゃあね!」クルッ!

朝比奈「す、涼宮ざぁん……ミラさん色々ありがどうございまじだ!」ビエェエン!

古泉「大変刺激的な日々をどうもありがとうございました」

長門「……行ってらっしゃい」

佐々木「ああ……ありがとう!」

キョン「……お、おれやっぱ1人で行った方が」

佐々木「離れないでくれよ。時間断層に落ちたくないならね」ギュ

ハルヒ「あ、キョン!!! 言い忘れてたけど!!」

キョン「っなんだ!?」

ハルヒ「あたしの言ったこと、忘れてないでしょうね!!?!?」

キョン「…………」






ハルヒ『……あんたは、元の世界のあたしをなにがなんでも助けなさい!』






キョン「…………っ!」

キョン「任せとけ!!!!」

ハルヒ「よろしい!! なら行ってきなさい!!!」

佐々木「行くよ――――――」パアァッ

キョン「あ――――――」

ハルヒ「――――――ばいばい、ジョン」












シュン!!!!
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 19:09:06.36 ID:n5yV50aj0
ここまでーーー
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 19:14:16.41 ID:6T9Zba/rO
乙乙
ながとぉー(あと佐々木とハルヒと朝比奈さんと古泉ぃー)
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 19:51:01.73 ID:0qd+WqYu0
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 20:06:22.31 ID:EqnSv0k+0
乙です そろそろ終わりも近そうだ…
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 20:30:43.56 ID:lw50VBbT0
まさかの展開に衝撃
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 21:05:22.76 ID:jrk0bl/Xo
乙です
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 22:02:06.54 ID:EycwKyEgo
ハルヒ二次で便利に使われるよなあ、鶴屋山のオーパーツ。
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 22:42:39.15 ID:A4vTNCiN0
こいつはたまげた。
クライマックスも間近か…
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 00:44:49.32 ID:VabG4cY3O
まさかの展開…こんな綺麗(どこがとは言わない)なハルヒが存在したなんて…
そして毎回ながらうまいところで切るよな>>1は…乙
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/03(日) 00:37:40.31 ID:tG9NgWAP0

そろそろ終わりか‥
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/03(日) 01:54:19.66 ID:sFOdABDg0

オラ続きが気になってワクワクすっぞ!
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/04(月) 02:03:29.33 ID:h8Q9NpxY0
オラsageないバカが気になってワクワクしねーぞ!
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/11(月) 20:01:55.17 ID:52XDfUQX0
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 17:08:09.65 ID:H5Qr1pYi0
今日中にはとうかー
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/23(土) 17:53:46.25 ID:jlbsvrJ4o
やったぜ
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/23(土) 20:00:25.67 ID:7vn/qiPLO
全裸待機(靴下とネクタイ着用
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:02:48.13 ID:H5Qr1pYi0
とうかー
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:06:49.59 ID:H5Qr1pYi0

β



古泉「(…………)」


立チ上ガルチカラスラ失ッタカ?


古泉「(…………)」


思考スル意味スラ忘レタカ?


古泉「(…………)


ナラバ古泉一樹―――オ前ハ


古泉「…………っ!?」ズキ

古泉「(頭痛……? それも、強烈な……!)」ズキズキ


ココマデノヨウダナ


古泉「っ、何……を」


ナニモシテハイナイ。オ前ガ適応シテキタノダ
コノ無間ノ世界二


古泉「っ!!」ズキッ!


変ワル時ガキタノダ


古泉「ぐっ……!」


オ前トイウ存在ガ―――


古泉「―――コンナ風二ナ」

古泉「っっっ!!?!?」
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:12:34.47 ID:H5Qr1pYi0

古泉「っ、誰ッ……だッ!」

古泉「誰? オ前自身ダ。古泉一樹」

古泉「!!?」

古泉「オ前ノ心ノ深淵ニ潜ム闇」

古泉「紛レモナイ。コノ空間ノ創造主ハオ前ダ」

古泉「……ッ!!」ズキズキ

古泉「オ前ハ俺デアリ、俺モオ前デアルノダ。ダブルフェイスニハオ似合イダロウ」

古泉「アノ誠実ナ副団長ノ内面ハ、コンナニモドス黒イモノデアルト」

古泉「……ぐぅっ!!」ズキズキ

古泉「オ前ガ必死ニ思考シテイタコトモ筒抜ケダ。俺ハオ前自身デアルノダカラ」

古泉「思考ヲ邪魔スルコトモ造作ナイ。気ヅイテイタカ?」

古泉「ふぅっ……ふっッ!」ズキッ!

古泉「オ前ハコノ空間ニイル間、今ノヨウニ一人デ会話ヲシテイタコトニ」

古泉「始メカラ俺ナドイナイ。古泉一樹、オ前ハオ前自身ノ闇ト相対シテイタノダ」

古泉「ソシテソノ根底ニ存在スルノハ」

古泉「うぅ…………っ!」

古泉「常日頃ノ笑顔ノ下ニ隠シテイルノハ―――」

古泉「重ク、醜イ、負ガ混ジリアッタ感情」

古泉「はぁ……はぁっ!」ズキズキ

古泉「涼宮ハルヒヘノ―――恨ミダ」
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:17:05.66 ID:H5Qr1pYi0

古泉「当然ノコトダ。何故望ミモシテイナイノニ、世界ノタメニ、死ト隣アワセノ世界デ戦ワナケレバナラナイ?」

古泉「楽シクモナイ茶番劇ヲ演出セネバナラナイ?」

古泉「誰ノ意志デ古泉一樹トイウ人間ハ、コンナ不条理ニ巻キ込マレテイル?」

古泉「他ナラヌ―――涼宮ハルヒノセイデハナイカ」

古泉「っ……っ!!」ズキズキ!

古泉「全テヲ肯定スル副団長ヲ演ジルノハ苦痛ダッタカ?」

古泉「恨ミノ対象ノスグ側ニ居続ケルノハ地獄ダッタカ?」

古泉「本音ヲ隠シテ日々ヲ過ゴスノハ惨絶ダッタカ?」

古泉「ソノ原因デアル涼宮ハルヒニ消エテ欲シイト感ジテイタカ?」

古泉「…………っ」

古泉「オ前ノ本心ハイツデモソウ感ジテイタハズダ」

古泉「コノ運命ヲ呪イ、呪縛カラノ解放ヲ求メタ、オ前ノ願イガ」

古泉「今、コノ世界デ叶オウトシテイル。喜バシイコトダ」

古泉「……うっッ!!」ズキズキ!

古泉「モウナニモ考エル必要モナイ」

古泉「タダヒタスラニ、憎悪ノ炎ヲ」

古泉「怨嗟ノ濁流ヲ、憤激ノ波濤ヲ」

古泉「増幅サセ続ケロ。コノ空間デ」

古泉「ソノ身ガ朽チヨウトモ―――呪エ」

古泉「――――――っ」
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:22:28.11 ID:H5Qr1pYi0
古泉「涼宮ハルヒガイナケレバ……涼宮ハルヒサエイナケレバ……」

古泉「涼宮ハルヒガ……イナケレバ……ッ!!」

古泉「ソウダ。ソレデイイ」

古泉「涼宮、ハルヒガ……―――」












『さっすが副団長!! 団長の考えてることよくわかってるじゃない!!』



『うん、中々いいものを持っているわね古泉くん! これなら主演俳優賞を十分狙えるわ!!』



『人間、二つぐらい同時に行動ができるのよ!! 走りながら探しながら考える!! アーユーレディ!?』












古泉「涼宮さんが……いてくれたから……っ!!!」ズキィッ!
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:27:57.60 ID:H5Qr1pYi0

古泉「ナニ……?」

古泉「涼宮さんが……いてくれたから……僕は……あの場にいることができた」ズキズキ

古泉「涼宮ハルヒサエイナケレバ、オ前ハ身ヲ危険ニ曝すコトナク平和ナ日々ヲ過ゴセタハズダ」

古泉「涼宮さんがいてくれたから……僕はかけがえのない仲間に出会えた」

古泉「失ッタモノハ数エキレナイ」

古泉「それ以上に、得たものは大きい」ズキッ

古泉「望ミモシナイ戦場ニ呼ビ出サレテマデ欲シカッタモノカ?」

古泉「……先ほどからっ、僕の本心などと……」

古泉「あなたが勝手に……僕を語らないでいただきたい……っ!」

古泉「僕の……望みを叶えてくれたお方こそ、涼宮ハルヒさん……その人なのですよ」

古泉「涼宮ハルヒノ自己満足ノタメニ作ラレタ存在。ソレガオ前タチ超能力者ダ」

古泉「ええ……思い出しましたよ。あなたのおかげで」

古泉「古泉一樹という、人間のルーツを!」

古泉「ナンダト?」

古泉「知ったかぶりも……程々にしたほうがいい……僕は、涼宮さんに選んでいただいたのです」ズキッ!

古泉「この世界を救う、英雄としての大役を……大義を与えてもらった!」

古泉「世界中を探しても見つからない。僕と、僕の仲間たちだけに任された役目」

古泉「この役目だけは……例え世界が変わろうとも……どれだけの不条理に苛まれようとも……っ!」






古泉「『彼』にだって譲ることはできない、僕の誇りですッッ!!!」





312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:34:44.99 ID:H5Qr1pYi0

古泉「はぁ……はぁ……」

古泉「誇リ……? 違ウ。オ前ガシテイルコトハ、タダノ思考停止ダ。単純作業ノゴミ掃除デシカナイ」

古泉「……的外れもいいところですね。僕は時間場所限定の超能力者……」

古泉「ハァ……ハァ……なってみたかったんですよ。僕だって―――」



古泉「―――『主人公』ってやつにね」



古泉「『主人公』ダト……?」

古泉「世界のために戦うなんて、さながら物語の『主人公』でしか体験できないようなことですよ」

古泉「少年なら……誰しも一度は志す夢ですよ」

古泉「下ラナイ。夢ナドトイウ幼稚ナ幻想デ、オ前は身ヲ滅ボスノダ。今ココデナ」

古泉「そんな夢という幼稚な幻想を叶えるために」

古泉「人は人生を賭ける」

古泉「結果ガコレダ。オ前はココデ朽チテ死ヌ。誰ニモ知ラレズ孤独ニナ」

古泉「生憎ですが、このような憂鬱とした空間の相手は手馴れているんですよ」

古泉「なんせ僕は……閉鎖空間のプロなので」ボウッ!

古泉「無駄ダ。現実世界ヘ戻ルタメノトリガーハ存在シナイ」

古泉「存在スルノハ無。地ノ果テマデ続ク闇ダケダ」

古泉「ふむ。あなたの言う通りなら、僕がこの空間から出る術はない、と」

古泉「では、僕も人生を賭けて……身を滅ぼしてみるとしましょうか」ゴオッ!!

古泉「オ前……ナニヲスルツモリダ……マテ、ナニヲ、考エテイル……イヤ」

古泉「ナゼ、オ前ノ考エガ読メナイノダ!?」

古泉「ああ、そう言えばあなたは僕自身であるが故に、僕の思考を読み取ることができましたね」

古泉「度々僕の思考を遮るかのように語りかけ、思考の進行を阻止しようとした」

古泉「ならば僕かとるべき行動は簡単。並列思考ですよ。あなたが読み取ったのは僕の片方の思考」

古泉「カ、片側?」

古泉「そしてもう一つ。本命の思考を並列に進めていただけの話」

古泉「へ、並列思考ダト!? 馬鹿ナ!? ソノ程度ノ事デ思考ヲ読ミ漏ラスナドッ!」

古泉「その程度がどの程度かは分かりませんが……考えが甘かったようですね」

古泉「ほぼ無意識下で別の思考を進める『程度』SOS団の副団長なら当然のスキルですよ」

古泉「『こんな風にね』」
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:40:09.98 ID:H5Qr1pYi0

古泉「まぁ、閉心術とでも言い換えましょうかね。元々、彼に思考を読まれないようにするための対策なんですけどね」

古泉「僕自身である、あなたにはどうやら有効だったみたいですね」

古泉「……ッ!」

古泉「ナラバ! チカラヅクダ!! 消エロ!! 古泉一樹!!!」ズッ!!!!!

古泉「くっ……!?!??」ズキ!

古泉「コノママ、オ前ノ意識ヲ……!」

古泉「……いや、無駄ですよ」ズキズキ!

古泉「僕の心の弱さがあなたを生み出してしまった……ならばすべきことは一つ」

古泉「闘魂注入です。燃ゆる火球を我が身へ転ず」ドンッ!

古泉「ナンダト……?」

古泉「SOS団に属する以上、煌々と燃える『魂』を団員は皆持ち合わせています」

古泉「……今一度、僕にもその『魂』を」ボッ!!

古泉「馬鹿ナ!? 自殺スルツモリカ!?」

古泉「自殺? とんでもない。神人という明確な敵がいない以上、僕の敵はあなただけ……いや、僕自身だ」

古泉「そして決して僕は死ぬつもりなんかはない。戻るだけです、SOS団のいる日常へ―――」

古泉「ヨセ!! 待テ!! マタアンナ世界ニ戻ルトイウノカ!!? 待―――!」












古泉「―――僕が望んだ……非日常≪にちじょう≫へッッッ!!!!」












古泉「この紅蓮の魂と共にッッッッッッ!!!!!!!」ゴオッッッッ!!!!!












パリイィィィイン!!!!!!!!!
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:43:32.37 ID:H5Qr1pYi0

藤原「部室というのはどこに―――」

橘「ええ、こっちに―――」

佐々木「…………まずは」クルッ






ズズズッ!






藤原・橘「「ッ!!??!?!?!?」」

佐々木「くつくつ……こうなる、か」


















古泉「涼宮さんを―――返していただきましょうか」ザッッ!
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:47:36.89 ID:H5Qr1pYi0

佐々木「おかえり、古泉くん。キミが一番乗りのようだよ」

古泉「ええ佐々木さん。あなたのおかげで色々と思い出せましたよ」

佐々木「そりゃよかった。よく戻ってこれたものだ。感心するよ」

古泉「お褒めの言葉は結構ですよ。そこの未来人さん、背負っている我らが団長を離していただきたい」

藤原「……それはできない相談だな」

古泉「でしたら―――力づくでも」ボウッ!!

藤原「っ!!?」

佐々木「そうか、ここは閉鎖空間。能力が使えるのは当然という訳だね」

古泉「あまり手荒なことはしたくありません。大人しく―――」






橘「行ってください。佐々木さん、藤原さん」






藤原「橘……」

佐々木「……任せてもいいかい? 橘さん」

橘「はい。あたしも後で必ず行きますので」

佐々木「じゃあ、ここは橘さんに任せて行くとしよう。藤原くん」

藤原「……ああ。頼んだぞ、橘」

古泉「お待ちください。言う通りにしていただけないのなら本当に―――!」






バァアアン!!!!!





古泉「っ!!?!?」

藤原「(っ、橘の周りに衝撃波? あんなことができたのか、あいつ!)」

佐々木「心強いじゃないか。さ、いまのうちだ藤原くん」スタスタ

藤原「あ、ああ」スタスタ

橘「どうしたんです? 力づくで止めるんじゃなかったんですか?」

古泉「……橘さん。そこをどいてください」

橘「力づくでどうぞ」ニコッ
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:51:18.66 ID:H5Qr1pYi0

古泉「……」

橘「行ってしまいましたよ。佐々木さんと藤原さんは。追わなくていいんですか?」

古泉「……追わせていただきますよ。あなたを倒してでも」

古泉「かつての親友を倒してでも、守りたいものができましたから」

橘「っ……そうですか。だけど、あたしにだって……やらなきゃいけないことがあるっ!」パチンッ!



ズズズッ!



古泉「……増援ですか」

橘「ええ。きっと、心のどこかではこうなるって分かってたような気がする」

橘「あなたとは、一度面と向かって戦わなきゃいけないって!」

古泉「だからこそのこの用意周到ですか……」

橘「戦略ですよ。戦いにおいて、数的優位は必須!!」

橘「……残念ですが、ここで倒されてください。一樹くん」

古泉「……数的優位ですか。確かに、姫を守る屈強な騎士が大勢いて驚いていますよ」

橘「(姫……)」ドキッ

古泉「ですが―――」






ズズズッッ!!
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:57:20.43 ID:H5Qr1pYi0

新川「間に合ったみたいですな」

多丸「よくぞ帰ってきた。一樹くん」

裕「さすがはSOS団の副団長」

森「当然ですよ。信じていましたから」









古泉「僕にも、少数精鋭のヒーローがついていますので」ニコッ









橘「っ〜〜〜いけっ! いけっ!! みんな潰してやってください!!」

新川「腕が鳴りますな」ボキボキ

多丸「やりすぎないようにね」

裕「それを言うなら……」

森「シュウゥウゥ……」ゴゴゴゴゴゴ!!

古泉「森さん? 森さん?? 森さん!!? その、あまりやり過ぎない方向で……」

裕「森さんに言うべきじゃないかな」

新川・多丸「「確かに」」
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:58:08.24 ID:H5Qr1pYi0
ここまでー
期間空いてすいません
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/23(土) 21:54:20.68 ID:Ky5GN7rFO
さすが森さん俺の嫁
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/23(土) 22:05:46.88 ID:jlbsvrJ4o
乙です
流石古泉、主人公だな
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/23(土) 22:29:16.52 ID:H/aErrXNO
森さん?森さん??森さん!!?に笑う
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/24(日) 09:55:00.48 ID:dHjvs8vf0

こりゃまた楽しい展開だあ
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/25(月) 00:22:10.22 ID:Xe8GcQMOO

あちゃくらさんは何処へ...
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/01(日) 07:24:16.17 ID:Qes5k6msO
熱くなって参りました。まさかバトルものになるとは
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/19(木) 21:06:11.19 ID:X+UxWep90
そろそろお願いしたいかな
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/28(土) 21:08:12.25 ID:5Ts8NC1J0
お待たせしております。
必死こいて書いてきますので近日中に投下します
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/28(土) 21:38:10.42 ID:nWQYdPsGo
まってる
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 22:30:14.93 ID:5Ts8NC1J0
>>327
ありがとうございます。
必死に書いてきましたんで投下します。
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 22:34:50.76 ID:5Ts8NC1J0

β


みくる「ほんとに笑わない?」

朝比奈「笑わないよ」

みくる「…………みくる」

みくる「みくる……大人になったらね……」

朝比奈「……」

みくる「……あのね」モジモジ












朝比奈「涼宮ハルヒさんに会ってみたいのよね?」












みくる「!!?!?!? ど、どうして分かるの!!? や、やっぱり、ちょうのうりょく……」

朝比奈「うふふ。超能力ではないけど、分かっちゃうんだ。だって……」

朝比奈「あたしも……そうだったから」

みくる「お姉ちゃんも、会ってみたいの!?」

朝比奈「……うん。会いたいよ」
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 22:39:47.02 ID:5Ts8NC1J0

みくる「あのねあのね! 涼宮ハルヒちゃんはね! すごいんだよ!?」

みくる「じかんへいめんりろん……ていうのを作った人でね! それでね!」

朝比奈「(あぁ……やっぱり涼宮さん。あなたはすごい人です)」

朝比奈「(遠い未来の、年端もいかない少女でも、その名を知っている)」

みくる「先生がね、言ってたの! みくるたちがこうして学校に行って、べんきょうして、遊んで」

みくる「まいにち過ごせているのは、涼宮ハルヒちゃんがいたからこそなんだ、って!」

朝比奈「……うん。そうね」

朝比奈「(涼宮さんによって時間平面理論の基礎が構築されなければ、この未来はなかった……)」

朝比奈「(大袈裟かも知れないけど、確かに未来がこの形で存在しているのは涼宮さんのおかげ……か)」

みくる「もう、もう、すごいっ! すごすぎて……すごい!!」

みくる「時々からかわれたり、ドジって言われたりもするけど、それでもね!」

みくる「みくるがこうしてまいにち楽しく過ごせてるのは、涼宮ハルヒちゃんがいてくれたからって思うとね!」

みくる「すごい! すごい!! ありがとう! って思うの!」

朝比奈「ありがとう……?」

みくる「うん!」

みくる「こんなに楽しいまいにちをありがとう、って! おれいを言いたいの!!」

朝比奈「それが…………あなたの、夢?」

みくる「ゆめ……? ゆめなのかなぁ? 分かんない」

朝比奈「それが、涼宮ハルヒさんに会いたい理由?」

みくる「りゆう……りゆう??」

朝比奈「それを、涼宮ハルヒさんに伝えて……伝えたら、どうするの?」

みくる「??? どうするの?」 

朝比奈「どう……するんだろう?」
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 22:43:56.25 ID:5Ts8NC1J0

みくる「うーん……? うーーん????」

朝比奈「あっ、ごごごめんね! なんか難しいこと言っちゃって……」

みくる「ありがとう、って言うでしょ。それで、言ったら……うーーん?」

朝比奈「(わたしが、過去に行って涼宮さんに接触した理由……)」

みくる「えーっと……」

朝比奈「(わたしが、子どもの頃から涼宮さんに会いたいと思っていた理由)」

みくる「…………」

朝比奈「(わたしが、また過去に戻りたいと思う理由―――)」












みくる「ありがとう、って言いたいだけ。それだけだよ?」












朝比奈「…………」

みくる「むずかしいことは分からないけど、みくるはそうしたいだけっ!」

みくる「その後どうするかとかは、うーん……いっしょに遊んでくれたらうれしいなぁ」

朝比奈「…………」

みくる「でもそのためにはいっぱいべんきょうしないと、って先生も言ってて―――」

朝比奈「……それ、だけ」

みくる「んー?」

朝比奈「そう、そうだわっ。たった、それだけ。わたしの、原点にあった想いはそんな簡単なことだったんだ」
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 22:47:15.95 ID:5Ts8NC1J0

みくる「お姉ちゃん?」

朝比奈「あっ、ごめんね……でも、ありがとう」

みくる「ありがとう? どうして?」

朝比奈「わたしが忘れていた大切なことを、あなたが思い出させてくれたの」

みくる「大切なこと?」

朝比奈「うん。わたしはね、あなたより少し大人だけど、実は全然ダメダメでドジばっかりなんだぁ」

みくる「それは大人らしくないと思う……」

朝比奈「ふふっ、そうね。だから、失敗するたびわたしはなんでここにいるんだろう。何をしているんだろう」

朝比奈「そんな風にダメな方向に考えちゃってたのね」

みくる「……みくるもそんな風に考えることあるかも」

朝比奈「……でもね。思い出せたんだ」

朝比奈「しなきゃダメなことに埋もれて、隠れて、見えなくなっていたけど……やっと出てきてくれた」

朝比奈「わたしの……したかったことが!」

みくる「よかったね! お姉ちゃんはなにがしたいの??」

朝比奈「それはね、あなたと一緒」

みくる「みくると? 涼宮ハルヒちゃんに会って『ありがとう』って言いたいの? お姉ちゃんも!?」

朝比奈「そう。それはとっても大事なことだと思い出したから」

朝比奈「わたしが抱いていた、明確なわたしの意志だから」

みくる「おんなじだね! みくると!」ニコッ!

朝比奈「……ええ、おんなじね」ニコ
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 22:51:53.70 ID:5Ts8NC1J0

朝比奈「みくるちゃん。お姉ちゃんはそろそろ帰らなきゃダメになっちゃった」

みくる「そうなの? お家に帰るの?」

朝比奈「ええ、お家同然の場所に戻らなきゃダメなの」

みくる「そうなんだ。みくるもママにおそくなっちゃダメ! って言われてる……」

朝比奈「それじゃみくるちゃんも帰らなきゃね」

みくる「うん……お姉ちゃん、またあっておはなししてくれる?」

朝比奈「……もちろん! 今度はもっといっぱいおしゃべりしようね?」

みくる「! うん! ぜったい! ぜったいだよ!」

朝比奈「ええ。だから今日はもう帰ろうね? ママが心配するといけないから。気をつけてね?」

みくる「うん! お姉ちゃんもきをつけて!」

朝比奈「ありがとう。それじゃあ―――」






朝比奈・みくる「「またね!」」






朝比奈「…………行っちゃった、か」

朝比奈「……バレてないよね?? あの子にわたしが未来の朝比奈みくるってバレてないよね!!?」ドキドキ

朝比奈「バレてたら怒られるかなぁ……というか無断でこの時間軸にいることもダメなんじゃ……」ブツブツ

朝比奈「じゃないじゃない! せっかくわたしがしたいことを思い出せたんだから!!」

朝比奈「過去に、帰るんだ」

朝比奈「TPDDを使えるようにしてもらおうと『ハカセ』のところに行くつもりだったけど……」

朝比奈「…………頼ってばかりじゃ、ダメ!」

朝比奈「不完全かもしれないけど、やるしかない……大丈夫、絶対できる」

朝比奈「もう一つの、時空間移動方法で……ッ!」

朝比奈「スゥ…………行きます」

朝比奈「(ばいばい、昔のわたし……)」

朝比奈「(わたし……頑張るから――――――ッ!!)」






シュン!
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 22:52:52.61 ID:5Ts8NC1J0


















『よくできました。みくるちゃん』

















335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 22:57:07.20 ID:5Ts8NC1J0

朝比奈「ふぇ? 誰―――!?」パッ!

朝比奈「って!」トサッ!

朝比奈「ここは……北高! 部室棟の入り口! 時間軸は……合ってる!! 帰って、これた!!?」

朝比奈「……や、やったぁ」ヘロヘロ

朝比奈「あ、安心したら力が……だ、ダメダメ! まだ何も……って」

朝比奈「北高は北高だけど、これって……あの時みたいな閉鎖空間?」

朝比奈「な、なにがなんだか……ま、まずはみんなと―――!」












藤原「おい、これはどうなってる?」

佐々木「くつくつ、キミの言葉でいう既定事項ってやつじゃないのかい?」












朝比奈「ッ!! っさ、佐々木さん!! 涼宮さん!!?!?」

藤原「僕もいるぞ」

佐々木「御機嫌よう、朝比奈さん。懐かしの故郷は如何だったかな?」

朝比奈「み、みなさんを何処へやったんですか!? そ、それに涼宮さんに何を……!」

佐々木「それについては心配ない。古泉くんは先ほど帰ってきていたし、今は橘さんと思い出話でも繰り広げているだろう」

佐々木「長門さんは九曜さんと遊んでいるし、涼宮さんはご覧の通り。ただ眠っているだけさ」

ハルヒ「スー、スー」

朝比奈「きょ、キョンくんは!!?」

佐々木「……さあ? 彼のことだ。どうせ直に姿を現すさ」

朝比奈「っ!」
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 23:02:42.25 ID:5Ts8NC1J0

朝比奈「涼宮さんを、解放してくださいっ!」

佐々木「どうする藤原くん? 彼女はああ言っているが」

藤原「……どうするもなにもない。僕たちの目的を遂げるまでだ」ザッ!

朝比奈「と、とと止まってください! わわっ! ぶ、部室までは行かせませんっ!」ワタワタ

藤原「朝比奈みくるに戦闘能力はない。なんの障害にも成りはしない。無視すればいい」スタスタ

佐々木「それは良かった。僕はあのような可憐な少女に手を挙げる藤原くんを見たくはなかったからね」スタスタ

藤原「ふん」

朝比奈「あ、あわ。あわわ! あっ! み、ミクルビーム!!」シーン

藤原「……」

佐々木「……うわぁー」ヨロロ

朝比奈「びえぇぇええええん!!! 出てほしい時には出ないんですかぁー!!!」

藤原「……酷い茶番だ。おい、朝比奈みくる、そこをどけ」

朝比奈「ど、どきませぇん!!!」ガシッ!

藤原「お、おいっ! 離せ! 邪魔だ! 足にしがみつくな!!」

佐々木「はて。橘さんがキミのことを何かのフェチと言っていたな。えっと確か―――」

藤原「佐々木ァ!! 余計なことを思い出そうとする前に、引きはがすのを手伝え!!」

佐々木「はいはい」

朝比奈「は、離しません!!!」グイイィ!

佐々木「悪いとは思ってるよ、朝比奈さん。ただ、僕らにも為すべきことがあるんだ」ググッ

藤原「お、おいあまり手荒にはするなよ!? 優しめに、かと言って時間をかけすぎるのはだな」クドクド

佐々木「……藤原くん。涼宮さんは僕に任せた方が朝比奈さんの拘束は解きやすいだろう」

藤原「あ? え?」

佐々木「よ、っと。さあさ、両手の自由は得たしキミの思うように朝比奈さんを振りほどきたまえ」

朝比奈「は、な、し、ま、せ、んーー!!!!」ギュウ!!

藤原「い、いやもう涼宮ハルヒは佐々木が肩を貸してるから、そっちに―――」

朝比奈「うっ、うぅ……涼宮さんんん!! うぅ!」ギュウ!

藤原「…………」
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 23:10:06.62 ID:5Ts8NC1J0

藤原「佐々木。この様子だ、先に行け」

佐々木「それはいいけど。キミに朝比奈さんが振りほどけるのかい?」

藤原「いざとなればTPDDを使えばいい。あまり手荒にはしたくはないがな」

藤原「予定通りにコトが進まないのには慣れているからな」

佐々木「……任せたよ。キミはキミの。僕は僕のすべきことを為せばいい」

藤原「……ふっ、その通りだ」

佐々木「それじゃ、先に行ってるよ。よ、っと涼宮さんが軽くて助かったよ」スタスタ

藤原「…………おい」

朝比奈「うぅ! うぅぅぅうううぅうう!! 涼宮さん!!!」ギュウ!!

藤原「涼宮ハルヒはもう佐々木と……聞いてはいないか」

朝比奈「絶対、絶対行かせません……ッ!!」ギュウ

藤原「……悪いが、そろそろ足が悪くなりそうだ。ここで眠ってくれ」スッ

朝比奈「ぅうぅぅううぅうううぅうううううううう!!!!」

藤原「……すまな――――――」












朝比奈(大)「女の子にそんな酷いことしちゃダメじゃない」ガシッ!












藤原「っぁあぁぁあぁぁあああぁああぁあああ!!?!!??!?」ビックゥ!!

朝比奈「涼宮さ、っっ!!? な、何!? えっ、えっ!?」

朝比奈(大)「……久しぶり、みくるちゃん。わたしが誰だか分かるかな?」

朝比奈「えっ? えっ、何、だ、誰……って、え?」

藤原「は、離せ!! ふ、二人共取りあえず離してくれぇええええ!!!!」

朝比奈「あ、あの時の……お姉、ちゃん。てことは、未来の……わたし!?」

朝比奈(大)「よくできました。みくるちゃん」

朝比奈(大)「こんな風にあなたの前に姿を現すなんて、本来ならありえない事態なのよ?」

朝比奈「お、お、お姉ちゃぁああん!!」ダキッ!

朝比奈(大)「あらあら。こんな時に」フフッ

藤原「あんたらで『お姉ちゃん』なんて呼ぶとややこしいし、ていうかそもそも『それ』は誰のセリフだと思ってんだぁあああ!!?!?」
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 23:11:25.79 ID:5Ts8NC1J0
ここまでー
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/28(土) 23:33:20.84 ID:nWQYdPsGo
乙です
みくる頑張った
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/28(土) 23:52:14.81 ID:FSv2iU9ho
乙!
パンジー羨ましいぞ
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 13:45:48.59 ID:deYrv1pLO
不覚にも藤原とみくるとみくる(大)の会話が漫才に感じて和んだ
この三人はもうこのまま漫才していた方が平和なんじゃなかろうか
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/31(火) 22:44:27.53 ID:hoCLHwd9o
乙!
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/16(木) 11:15:58.26 ID:hP6crD6P0
なんだ、まだ終わってなかったか
あと1年はかかるな
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/20(月) 20:27:20.97 ID:b5MlLHdIo
あと一年も楽しめるといいたまえ
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 11:46:48.59 ID:CAGOaCxI0
本日中にとうかーー
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/25(土) 15:51:56.53 ID:IzLCwkKNO
(スレの存在忘れてたけど)舞ってる
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:20:47.55 ID:CAGOaCxI0
とうかー!
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:24:37.14 ID:CAGOaCxI0

β


佐々木「やれやれ、悪い予感はよく当たるものだね」

佐々木「藤原くんがあんなに慌てて……ん、それは常日頃からかな?」

ハルヒ「スー……」

佐々木「涼宮さん。あなたの団員は皆、強い意志をお持ちのようだ」

佐々木「なにがなんでも、あなたを助けるという意志をね」

ハルヒ「……グゥ」

佐々木「さて、部室は二階だったかな―――と」












周防「――――――」












佐々木「おや、九曜さん。おかえり」

周防「―――」

佐々木「長門さんはどうなったんだい? 振り切ってきたのか、それとも……」

周防「―――」

佐々木「参ったな。『力』がないものだから九曜さんとのコミュニケーションは言葉に頼るしかないのだけど……」

周防「―――」コソッ

佐々木「ん? もう一度言ってくれるかい?」

周防「―――……」

周防「CR―――ISI―――S」ヴォン

佐々木「おや……消えてしまった。ホログラムだったのか」

佐々木「にしてもクライシス、か……助けにいきたいけど、今の僕では足手まといにもなりはしないな」

佐々木「……まったく、SOS団にはいい人材が多いものだ」

佐々木「これも、あなたの人望が為せることなのかな、涼宮さん?」

ハルヒ「……クー」
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:29:19.33 ID:CAGOaCxI0


















周防「潰れなさい―――」


















長門「(SELECT シリアルコード FROW データベース 展開:ERROR)」

長門「(Pausing Interva Seconds Between Display:ERROR)」

長門「(DEFEND BY:ERROR)」

長門「(CODE:ERROR ERROR ERROR)」

長門「(Unknown/Unknown/Unknown)」

長門「(パーソナルネーム 長門有希 機能停止 0.002秒前)」

長門「(――――――active/emergency)」

長門「―――すまな」ゴオッッッ!!!!











ドンッッッッッッッッッ!!!!!
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:33:30.01 ID:CAGOaCxI0

周防「―――……」

周防「―――他律性の―――インターフェースが―――何故?」


















朝倉「随分と好き勝手やってくれたわね。敵性宇宙人」ドン!


















周防「制御空間―――構成プログラム―――再生処理」

長門「朝倉、涼子……?」

朝倉「長門さん、遅くなってごめんね。ギリギリ間に合ってよかったわ」

長門「何故、あなたがここに……? 待機命令が出ていたはず」

朝倉「……ふふ。長門さんも昆布頭の宇宙人と同じこと聞くのね」クスッ

周防「―――」ピクッ

朝倉「何故あたしがここにいるかって? 決まってるじゃない」

朝倉「あたしの意志が、ここに行くべきだと判断したからよ」

朝倉「待機命令? 聞いちゃいられないわよ、そんなバカみたいな命令」

朝倉「無口で大食いな宇宙人と、そのお仲間のピンチだって言うなら―――」

朝倉「駆けつけてやるのが、道理ってもんでしょうが」バン!

周防「―――理解―――不能」
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:38:14.30 ID:CAGOaCxI0

周防「―――……現況更新―――再選択―――」

朝倉「長門さんも長門さんでエマージェンシーコールが遅すぎるし。機能停止の0.0018秒前って」

長門「ギリギリだった」

朝倉「もう……。それで、みんなの現状は理解してる?」

長門「……していない。『佐々木』によって何処か別の空間、あるいは時間に転移させられた」

朝倉「なら安心して長門さん。来る途中に確認したわ。古泉くんと朝比奈先輩、ちゃんと帰ってきてるわよ」

長門「………………そう」

朝倉「……いつからそんな分かりやすくなったんだか」クスッ

長門「……彼と涼宮ハルヒは?」

朝倉「キョンくんは……まだ分からないわ。涼宮さんは北高を中心に発生してる閉鎖空間内」

朝倉「佐々木さんと一緒にいるわ。もう時間の問題で何かを始める気よ。急いだ方がいいわ」

長門「……そう」

朝倉「にしても長門さん。らしくないわね、いくらあの謎の宇宙人が相手でもここまで追いつめられるかしら?」

長門「直前に『佐々木』による情報操作能力への干渉、リソース制限のようなモノを仕掛けられた」

朝倉「なるほどね。弱体化させられてたってわけか」

周防「―――……―――……」

朝倉「となると……こっちもパワーアップするとしますか!」ニッ

長門「パワーアップ?」

朝倉「まさかまた使うことになるとは思わなかったし、正直あまり使いたくはない力だけど……」

朝倉「長門さん。――――――」

長門「…………承知した」

朝倉「おっけー! それじゃ……行くわよっ!!!」ザッ!

長門「……」ザッ!

周防「解析―――完了―――mode=extarmination」
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:42:53.16 ID:CAGOaCxI0












長門「パーソナルネーム・朝倉涼子の同期禁止処理の解除を申請」
朝倉「パーソナルネーム・長門有希の同期禁止処理の解除を申請」












長門・朝倉「「解除コード――――――Protect SOS」」








周防「―――」ゴオォォオオッ!!!












ガッキィイィイイイィイン!!!
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:47:33.95 ID:CAGOaCxI0

周防「―――危険性…………未知数?」ズザザッッ!!

朝倉「―――なぁんだ。二人共、解除コードが一緒だったのね。やっぱり息が合うわね、長門さん」

長門「解除コードを申請する際の状況を予想し、それをコードにしただけ」

朝倉「あはは、確かにね。SOS団が文字通りSOSを求めてるってんなら―――」

長門「わたしたちにできることは―――それを守護すること」

周防「―――同期可能にしたところで―――」ギギギ

朝倉「あら、ご存じない? 使い方によってこれがどれだけのアドバンテージになるのかを」

朝倉「『先を知る』ということがどれだけの利になるのかを」

朝倉「禁止せざるを得ないほどに強大な力だったということが分かってないのかしら?」ザッッ!

長門「…………」

周防「……環境対応―――属性変更―――refinement」ギギギ!

朝倉「行って、長門さん。ここからはあたしがやる」

長門「二人で対応した方が確実」

朝倉「一人で十分よ。それよりも今、長門さんが本当に行きたいところへ行って」

長門「行かない。まずは周防九曜の無効化を―――」グイッ!

朝倉「今! 長門さんを待ってる人たちが!! あなたの大切な仲間がどこにいるか分かるでしょ!?」

長門「………………」

朝倉「だったら!! その場に少しでも早く駆け付けるのがあなたの役目!! SOS団団員の使命でしょ!」

長門「………………」コクリ

朝倉「そして! あなたは本心はどうなの!? ここで宇宙人対宇宙人の頂点決戦でもしたいの!!? それともっ!!」

朝倉「涼宮さんをっ、SOS団のみんなを助けたいんじゃないの!!!?!?!?」


















長門「………………助けたい」
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:52:30.64 ID:CAGOaCxI0

朝倉「……分かったら行きなさい。大丈夫よ、たったいまパワーアップしたもの。二日目のおでん的な」

長門「……それはよく分からない。けど」

長門「……朝倉涼子」

朝倉「うん」

長門「―――任せる」トンッ

朝倉「―――任されたっ!!」

周防「茶番ね―――」バッ!!

朝倉「行って!! 長門さん!! ここはあなたの一番の友人に任せなさい!!」バシィ!!

長門「…………」ビューーン!!

朝倉「なんか言ってって!!?!?」ガーン!

周防「―――くだ―――らない」

朝倉「……ま、確かにね。効率とか合理的とか考えたらここで速攻二人で始末した方が確実よ?」グググ

朝倉「けどね、そういうのを全部無視した『想い』ってものが、今の長門さんを一刻も早く彼らのもとに向かわせた」

朝倉「情報統合思念体が求めたものが『それ』なのかは分からないけど」

朝倉「長門さんが理解したかったのは、きっと『それ』なんだと思うのよ」

周防「―――なに―――よ―――それ」

朝倉「あなたには分からないわよ。感情表現が長門さんより下手なんだもの」

周防「不要―――それに……この空間からは出られないわよ」

周防「空間構成因子を持続的に変移するようにした……もう、出ることも入ることも―――不か」

朝倉「だから、言ってるじゃない」

長門「…………」ゴオオォォッッ!!!

朝倉「今の長門さんは―――そんなもんじゃ止められないって!!」












バッキィィィイィイイィィィイイン!!!!!!!
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:58:26.72 ID:CAGOaCxI0

朝倉「……行ってらっしゃい。長門さん」

周防「――――――」

朝倉「あら、不測の事態に戸惑ってるのかしら?? どう? 予想外の展開っていうのは」

周防「長々と―――なに? さっきから……うるさい。ノイズ」パシッ!

朝倉「……でもま、結局あんたの言う通りくだらないことなのは違わないと思うわ」

朝倉「だからあたしはここで、あんたなんかの相手してるわけだしね」

周防「―――……」

朝倉「一番の友人だなんだ言ったけど、友人ごっこなんて別に望んじゃいなかったわよ」

朝倉「観察対象にここまで深く干渉することもね」

朝倉「…………なんて、ま、なんだかんだそうは言っても―――」

朝倉「『こんなトコ』にいるってことは、そういうコトなんでしょうね」ニヤッ!

周防「――――――」

朝倉「あの迷惑集団のために、一肌も二肌も脱いであげるとしようじゃない!」

朝倉「キョンくん! さっさと帰ってきなさい! この貸しは『スーパー平安時代!!』でキッチリ返してもらうわよ!」

周防「――――――

朝倉「さーて、それじゃ」バッ!












朝倉「病的なまでに猟奇的……元・急進派、朝倉涼子の本気魅せてあげるわ」クスッ




周防「―――煩わしい―――囀りね」
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 18:00:19.10 ID:CAGOaCxI0












『ばいばい、ジョン』












キョン「――――――っ」











357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 18:04:59.96 ID:CAGOaCxI0

キョン「っ!!?」ガバッ!!

佐々木「目が覚めたかい。キョン」

キョン「佐々木……ここは、この世界は……?」

佐々木「ああ。キミが元いた世界さ。ちゃんと帰ってこれたようだ」

佐々木「空間座標もこの通り。鶴屋山のこの場所で間違いない」

佐々木「時間軸もキミがこの世界から消失した時間からそこまで経過していないはずさ」

佐々木「見事、キミの読みは当たったようだ。流石としか言いようがないね」

キョン「そう、か……帰って、これたんだな……」

キョン「あいつらの……おかげだな」

佐々木「……悲観的になる必要は微塵もないよ。これが、向こうの世界のSOS団が望んだ最高の形なんだから」

佐々木「キミを元の世界へ帰す……SOS団は完璧に成し遂げたんだ」

キョン「…………ああ、分かってるさ。次は俺の番だ」

キョン「ハルヒをなにがなんでも助け出す。約束だからな」

佐々木「ああ。それがいい。それでこそキミだ」

キョン「よし、ならさっさと行動だ。力がないから分からんが……」

キョン「なんとなーく、北高から嫌な雰囲気をビリビリと感じるぜ」

佐々木「正解だ。今現在北高を中心に閉鎖空間が発生している。その内部に涼宮さんはいる」

佐々木「この世界の僕と一緒にね。SOS団の皆もそれぞれ涼宮さん救出に奔走している」

キョン「てことはとりあえずは皆無事なんだな? 安心したぜ」

佐々木「次はキミが彼らを安心させる番だ」

キョン「ああ。さっそく北高へ乗り込むとしようぜ、佐々木!」

佐々木「いや」

キョン「………………え? この流れで??」
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