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曜「ラストミッション・ハレルヤチャンス」
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47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:31:04.86 ID:XgRyX9ix0
幕間で全ての半分のセリフを詰め、舞台脇のカンペに半分を頼る
一幕を終えて、汗を拭う
千歌ちゃんの相手役との事で半分邪な考えで受け入れたけど
自分の事に精一杯で、何も入って来ない
ただ、台詞を瞬間で覚えて吐き出す
いつ、この舞台を止めてしまうか…緊張で胃がねじ切れそうだった
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:31:33.51 ID:XgRyX9ix0
でも、これは私の責任
私の聞く限り以前文化祭で、私たちのクラスにトラブルは無かったはずだ
私がここに来た事でトラブルが起き、私には役割が与えられた
なら、それを果たすのみ
モブ「次、始まるよ」
曜「うん…分かった」
耳元での囁きに反応するように私は立ち上がり舞台袖へと向かって行った
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:32:10.44 ID:XgRyX9ix0
かの有名なシーンは、思ったより早くやって来る
千歌「あぁ…ロミオ、貴方はどうしてロミオなの?」
千歌「その名を捨てることが出来ぬなら
せめて私を愛すると誓って下さい…」
千歌「そうすれば、私はキャピュレットの
名を捨ててしまいましょう……」
そして、最悪のタイミングでそれは訪れる
曜「(まずい…)」
曜「(セリフ飛んだ…)」
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:33:03.69 ID:XgRyX9ix0
曜「(カンペも次のを用意してて回って来てない…)」
千歌「(曜ちゃん…?)」
曜「(どうする!?…どうする!?)」
曜「う……あ……」
鞠莉?(あなたの進む道はその時々のあなたの選択の積み重ね)
鞠莉?(覚悟と責を以って、突き進むべき道)
鞠莉?(困ったら…その時の考えに従うのもいいかも…なんてね?)
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:33:31.41 ID:XgRyX9ix0
曜「……嗚呼其処にいるのはジュリエット」
千歌「(…?)」
曜「闇夜に溶かしたあなたの言葉、失礼ながら聞いてしまいました」
曜「その上で私は言いたい…ジュリエット!」
千歌「(………そんなセリフあった…?)」
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:34:43.29 ID:XgRyX9ix0
曜「あぁ、貴方は可憐な花の如く美しい、側に置きたい、手元に留めて置きたい」
曜「ひとつ私が、豪胆な願いを口にする事を許してほしい」
曜「その名を捨て、過去のしがらみを捨て、未来への渇望をもって我が胸に飛び込んで来てくれないか!ジュリエット!」
千歌「……!」
曜「さあ!早く!!!」
真剣な眼差しで千歌ちゃんを見つめる
台詞は全部デタラメだ、台本の言葉なんて一つもない
ただ、今の私の頭の中で紡いだ言葉
ただ目と言葉で必死に、叫びを伝える
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:35:22.71 ID:XgRyX9ix0
千歌「…………分かった」
千歌「分かりました、あなたがそう望むのなら私は喜んでそれを捨てましょう…そしてあなたの元へと飛び込んで見せましょう!」
千歌「なぜなら…!」
千歌「……とうっ!」
曜「……!」
小さく掛け声を出すと、千歌ちゃんは窓枠へ足をかけ、舞台装置の二階から飛び降りる
スカートを翻し、背中から落ちる形になって落下していく
……真下にいる、私に向かって
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:36:23.66 ID:XgRyX9ix0
曜「うぐっ……!」ガシッ
足を気合いで踏ん張り、千歌ちゃんを受け止める
千歌「……あなたが、抱きとめてくれるから…そうですよね?ロミオ」
曜「……ええ、勿論ですともジュリエット」
一拍の後、観客から歓声が沸き起こる
まだ劇の序盤もいいとこだ
台本にない、台詞も挙動もめちゃくちゃな演技だったけど
心、のようなものが伝わったんだと思う
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:36:51.54 ID:XgRyX9ix0
千歌「お疲れ、曜ちゃん」
曜「……お疲れ千歌ちゃん」
千歌「すごいよ!曜ちゃん一発なのに…あんなに上手に出来るなんて!」
曜「あはは…ありがとう…」
千歌「やっぱり曜ちゃんはすごいや…」
曜「……なんで、飛び込んで来てくれたの?」
千歌「え…?」
曜「ほら、途中の…私台本と全然違う事言い出して……」
千歌「あぁ……そりゃ突然でビックリしたけど…」
曜「けど…?」
千歌「なんとかなるかな?って思ったんだ」
曜「…………」
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:37:18.29 ID:XgRyX9ix0
千歌「だってね、2人は惹かれあって恋してる」
千歌「きっとその事を考えれば…そうするだろうなって、思ったんだ」
千歌「それに曜ちゃん、真剣だったから」
曜「…………」
千歌「きっと、曜ちゃんなら受け止めてくれる、抱きしめてくれるって思ったんだ」
曜「…そっか」
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:37:47.24 ID:XgRyX9ix0
千歌「ねぇ、曜ちゃん」
曜「なに…?千歌ちゃん」
千歌「…かっこよかった」
曜「……」
千歌「……こほん」
曜「…?」
千歌「我が愛する曜よ!その渡辺の名を捨て、我が胸に飛び込んで来るが良い!」
千歌「…なんちゃって」
曜「あはは…渡辺じゃ締まらないね…」
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:38:17.79 ID:XgRyX9ix0
千歌「……曜ちゃんは…飛び込んで来てくれる?」
曜「……もちろんだよ」
千歌「…本当?」
ギュッ
曜「…………ホントだよ」
千歌「……うん、ホントだ」
息継ぎとばかりに胸いっぱいにを空気を吸い込むと、彼女の桃のような香りが鼻腔をくすぐる
晩秋の冷え切った空気が感じられなくなるような、暖かな温もりがそこにはあった
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:38:43.75 ID:XgRyX9ix0
鞠莉?「お楽しみだったみたいね?」
曜「……うるさい」
鞠莉?「まあまあ、いいじゃないきっと大きく前進よ?」
曜「……うん」
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:39:10.88 ID:XgRyX9ix0
鞠莉?「じゃ、そのままネクスト!行きましょう」
曜「え…もう!?」
鞠莉?「イエス!イケイケドンドンよ!」
曜「あ……うん…」
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:39:42.88 ID:XgRyX9ix0
鞠莉?「ほいっ…到着!」
曜「……ここは…?」
鞠莉?「季節は桜の咲き誇る頃、筒を持った生徒たちが闊歩する沿道……確認しなくても分かるわ…」
曜「……卒業式…?」
鞠莉?「……ええ、卒業式その日ね」
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:40:13.51 ID:XgRyX9ix0
鞠莉?「ま、卒業式にやり残した事なんて…分かり易くて良いじゃない」
曜「まさか……」
鞠莉?「まさかって…あなた告白もしないであの子と付き合うつもり?」
曜「それは…そうだけど…」
鞠莉?「なら…覚悟決めなさいよ」
曜「でも…」
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:40:39.58 ID:XgRyX9ix0
鞠莉?「でも…何?」
曜「無理矢理告白するのは何か…違うっていうか…」
曜「しなきゃいけないからするっていうのは…ちょっと」
鞠莉?「……はぁ…あなたね…!」
曜「……何」
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:41:09.28 ID:XgRyX9ix0
鞠莉?「じゃあ、何をキッカケに告白する?タイミング?ムード?」
曜「それは……」
鞠莉?「そんな小さな物に拘ってるから、あなたは幸せを逃すのよ」
曜「……ッ!」
鞠莉?「何かが欲しい時、大切なのはその物に貪欲になること、そして手に入れる為に行動すること…それだけよ」
鞠莉?「それをしない人は…ハナから諦めてるのと同義よ」
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:41:36.11 ID:XgRyX9ix0
鞠莉?「人は欲深い生き物、何でも奪い…欲しがろうとする」
鞠莉?「だけど同時に、理性ある生き物でもある…」
鞠莉?「傷つけたくない、嫌われたくない…生態系の頂点の割には大分臆病な生物ね」
鞠莉?「そして、臆病なことを、自己犠牲を行動しない言い訳に使う」
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:42:13.36 ID:XgRyX9ix0
鞠莉?「きっかけや、根幹の部分なんてどうでもいい」
鞠莉?「行動しなさい、曜」
曜「……」
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:42:41.77 ID:XgRyX9ix0
曜「(私も……覚悟を決めた)」
曜「(終ぞすることの無かった告白を…ここでする)」
曜「(あのエセ妖精に発破をかけられたのは癪だけど…言っていることは正しい)」
曜「(…アイツは何者なんだ…?何故鞠莉ちゃんの格好をしている…?)」
曜「(そして何より…)」
曜「(何故私の手助けをする…?)」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:43:18.17 ID:XgRyX9ix0
曜「根幹の部分はどうでもいい、か」
曜「(何はともあれ…発破をかけられて進んだとしても、ここからする事は私の行動、私の進む道)」
曜「(私の意思でもって、推し進めるしかないんだ)」
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:43:49.83 ID:XgRyX9ix0
千歌「……曜ちゃん…?」
曜「千歌ちゃん…」
千歌「…どうしたの呼び出して…みんな帰っちゃったよ」
千歌「あ、まさか告白とか…?あはは…」
曜「……うん」
千歌「え……」
曜「千歌ちゃんに伝えたい事があるんだ」
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:44:17.81 ID:XgRyX9ix0
曜「ずっと前から、千歌ちゃんが好きだった」
曜「それはもう、覚えない頃からずーっと」
曜「それはきっと親友だから、仲のいい友達だから…」
曜「そう思ってた……」
千歌「……」
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:44:58.51 ID:XgRyX9ix0
曜「気付いたのは、結構最近だった」
曜「一緒に居たい、側にいたい……これが、恋なんだって」
曜「他の子が仲良くしてると…ちょっぴりチクっとしたり…そう言うのも含めて恋なんだって」
曜「もちろん、迷いもあった…女の子同士なんて…どう思うか分からない」
曜「でも、大切なのは今どうしたいか…今を進む未来への意思だって、そう気付いたんだ」
曜「私は、今千歌ちゃんに恋してる…誠心誠意を込めて恋い焦がれてます」
曜「だからーーーー……」
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:45:32.74 ID:XgRyX9ix0
曜「………」
鞠莉?「お疲れ様、曜」
曜「…………」
鞠莉?「……その分だと、告白できたみたいね?」
曜「…………」
曜「ぐすっ………」
コイツに泣き顔なんて見せたくない
でも、抑え切れなかった
かつて、弱い部分を見せた先輩と同じ姿に
耐え切れず、ぽろりぽろりと涙を落としてしまった
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:46:00.09 ID:XgRyX9ix0
曜「うぁぁぁ…ぁぁ…ぁぁぁ!!」
鞠莉?「……立派よ、曜」ギュッ
鞠莉?「教会で、グダを巻いてるあなたより、何万倍も立派で…輝いてる」
曜「ぐすっ……うぅ……」
鞠莉?「本音をぶつけ合えなかった貴方達より、ずっとずーっと………」
鞠莉?「それでいい…それでいいのよ……」
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:46:27.25 ID:XgRyX9ix0
鞠莉?「よーし!教会にただいま!…なんてね!」
曜「……」
鞠莉?「これで残すは後一回…泣いても笑っても一度きりよ?」
曜「……うん」
鞠莉?「まぁ、その前に現状確認ね……どうなってることやら…」
曜「……」
果南「曜!」
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:46:54.96 ID:XgRyX9ix0
曜「果南ちゃん…?」
果南「あ、鞠莉も…!」
鞠莉?「……」
曜「どうしたの?」
果南「どうしたもこうしたもないよ!千歌が………!!」
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:47:30.19 ID:XgRyX9ix0
果南ちゃんの車に乗せて貰い、目的地を目指す
あの妖精もどきもしれっと乗っていたけど、今はそんなことどうでもいい
私は、とんでもない事をしたのかもしれないのだから
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:48:02.41 ID:XgRyX9ix0
リノリウムの床は冷ややかな空気を否応なしに浴びせてくる
私が最初に目にしたのはベッドに横たわる千歌ちゃん
目は固く閉じたまま、病院服の所々に血飛沫が飛び散っている
多くの管が体に張り巡らされ、周りには絶えず機械音が響き渡る
そして何より…一目でわかる事が一つ
左半身の膝から下が、無くなっていた
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:48:28.19 ID:XgRyX9ix0
曜「う……ぁ……」
果南「乗ってたタクシーにバスが横から突っ込んだって…」
鞠莉?「……」
果南「こんなの……こんなのってないよ…!」
果南「あんまりだよ!!!これからだっていうのに…!こんな…こんな事!!」
曜「…………戻して」
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:48:56.90 ID:XgRyX9ix0
曜「最後の一回…それで戻してよ…」
鞠莉?「……」
曜「自分勝手だって分かってる…!でも!お願い…!ねえ…!」
鞠莉?「…出来るわ」
曜「じゃあ…それで…」
鞠莉?「いいの…?」
曜「え…?」
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:49:24.00 ID:XgRyX9ix0
鞠莉?「…もしかしたら、この子はこれから回復するかもしれない」
鞠莉?「そうすれば…一度は温存できる、もっと確実に結ばれることが出来るかもしれない」
果南「ね、ねぇ…2人とも何の話を…」
曜「そんなことはどうだっていい!!!」
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:49:54.75 ID:XgRyX9ix0
曜「私のせいで…千歌ちゃんは…事故に合った!傷ついた!」
曜「私が!私の負けを認めずに!ガタガタ掻き回したから…こうなった…」
曜「だから…!だから…!」
鞠莉?「……」
曜「今、私は千歌ちゃんに生きていて欲しい…」
曜「自分が言えた義理じゃないかもだけど…人の力かもしれないけど…それでも、最善を尽くしたい」
曜「だから…お願い…!」
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:50:23.58 ID:XgRyX9ix0
鞠莉?「……何処に?」
曜「……2時間前」
鞠莉?「……」
曜「少し戻るだけなら…今とあまり変わらない世界のはず…」
曜「電話をかけて、千歌ちゃんを止める…そうすればきっと事故に遭わない…」
曜「それでもう、おしまい」
鞠莉?「……分かったわ」
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:50:52.30 ID:XgRyX9ix0
果南「ねえ!何の話!事故に遭わないとかなんだとか…ふざけないでよ!」
鞠莉?「短い付き合いだったけど…中々楽しかったわ」
曜「…最後に聞いていい?」
鞠莉?「何…?」
曜「何で…私を助けてくれたの?」
鞠莉?「うーん……秘密」
曜「なにそれ…最後くらい教えてくれてもいいのに」
鞠莉?「ふふっ…また今度、ね」
曜「……」
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:51:31.64 ID:XgRyX9ix0
鞠莉?「さ、正真正銘最後の時間遡行、いくわよ」
曜「…うん」
果南「ねえ!ちょっと!」
鞠莉?「……過去の果て、未来の行く末に人はどう辿り着く?」
鞠莉?「最果ての地に人は何を見据える…?」
鞠莉?「愚かな人間に、神の祝福あれ…」
鞠莉?「ハレルヤ<hallelujah>チャンス<chance>」
曜「シャイニー・チャンス!」
曜「うぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:52:00.81 ID:XgRyX9ix0
曜「………んぅ…」
ここは…元いた教会のベンチ……
これで良かったのかもしれない
千歌ちゃんを傷つけたのは、本当に良くないけど…これで全部、元の木阿弥
ちっぽけな私らしい、なんともお粗末な結末だ
でも……
曜「(……最後に一つ仕事が残ってる)」
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:52:31.11 ID:XgRyX9ix0
千歌「はぁ…………」
鞠莉「ハロー☆」
千歌「あ…鞠莉ちゃん」
鞠莉「どう…?結婚する花嫁ってやつの気持ちは?」
千歌「どうって……まあまあだよ」
鞠莉「ちょっと……考え事?」
千歌「…………」
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:53:09.08 ID:XgRyX9ix0
鞠莉「……忘れられない事があるとか?」
千歌「え……?」
鞠莉「初めて意識した時…初めて抱きとめられた時…初めての告白された時」
鞠莉「記憶の中で初恋が生き続けてる…とか?」
千歌「あ、あの…?」
鞠莉「……OK!OK!だいたい考えてる事は分かるわ」
千歌「ええと……」
鞠莉「『なんでそんな事知ってるの』…そんな所でしょう?」
千歌「……」
鞠莉「……ひとつ、為になる話をしてあげましょう」
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:53:36.66 ID:XgRyX9ix0
ある女の子が過去を悔やんだ
女の子は必死で過去に起きた事を変えようと必死に行動したが、奇跡の扉が開くことは無かった
女の子は気付いた
変えるべき事は過去の出来事じゃない、今の自分だという事
女の子は辿り着いた
今嘆いてる過去よりも、未来を創造する今、そして今を動かす自分の気持ちこそが、何よりも大事だと
そうね…言うならば、貴方の創ったこの言葉を使わせてもらおうかしら……
"君のこころは輝いてるかい?"ってね
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:54:03.00 ID:XgRyX9ix0
鞠莉「もし、あなたが悔いてる事があったとして、その事が良いか悪いは…わからない」
鞠莉「ただ、貴方の行く末を決めるのは貴方の
意思…未来を決めるのは今の貴方の決断」
千歌「……」
prrrrrrr…………
鞠莉「ほら、着信よ」
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:54:42.22 ID:XgRyX9ix0
彼女の足掻きは結局、無様な結果に終わった
しかし、無垢な少女に…その小さな気持ちを気付かせる事は出来た…
彼女の駄々は風を起こし、心に小さな波を立て、遂には少女の足を動かすに至った
まだまだ未熟なあの子だけどこれくらいは…報酬を受け取ってもいいんじゃないかしら
人間は過去に理由を求め、未来に結果を求める生き物
でも、偶には今を見つめて…前へと進むのも悪くはないんじゃないかしら
鞠莉?「…………なんてね?」
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/03(金) 04:55:08.49 ID:XgRyX9ix0
おわり
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/03(金) 10:43:33.34 ID:FoY1D15SO
乙
曜ちゃんの知らない結婚相手か…
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/03(金) 17:06:56.06 ID:D6c7QNQ90
プロポーズ大作戦か、懐かしい
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/03(金) 19:39:37.21 ID:9hbdLkYRO
ラブライブ板のようちかスレでこんな話出てたな
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/03(金) 20:24:20.18 ID:ksv65nij0
面白かった
鞠莉?の謎もあるし是非続編もお願いします
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/03(金) 21:15:42.97 ID:Xwp1BL1R0
乙
これで終わりなのか…
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