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魔法幼女でぐれちゃふ☆マギカ戦記
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54 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:39:25.41 ID:7vb1EMB4o
まどか「新郎、上条恭介♪ 貴方は新婦たちが病める時も健やかなる時も以下省略」
上条「チカイマス……」
まどか「新婦、美樹さやかと志筑仁美♪ 貴女たちは新郎が病める時も健やかなる時も以下省略」
さやか「誓うよ、あたし」
仁美「ええ、誓いますわ」
まどか「それでは♪ 誓いのキ―――」
さやか「ちょ、ちょっと待ってまどか!」
まどか「……あぁ?」
55 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:40:02.16 ID:7vb1EMB4o
さやか「その、さっき仁美とも話したんだけど……恭介の服従を解いてもらってもいい、かな?」
仁美「どうかお願いしますわ、鹿目さん」
まどか「……ハァ。たしか、参列者の中に記憶操作系の魔法を使える訓練兵が居たな?」
さやか「まどか……!!」パァァ
仁美「鹿目さん……!!」パァァ
まどか「どうなっても知らんぞ」シュィン
上条「ん……あ、あれ? どうして僕、こんなことを?」キョロキョロ
56 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:40:33.82 ID:7vb1EMB4o
上条「―――そんな、2人が怪物と闘わなくちゃいけないなんて……」
さやか「恭介、お願い。今だけは、夢を見させて」
仁美「私たち、後悔したくありませんの」
上条「……わかった。僕だって、2人のことは嫌いじゃないし、むしろ、その、好きっていうか……」テレッ
まどか「」イライライライラ
上条「だけど、これだけは絶対に約束してほしい」
上条「必ず、2人とも、生きて帰って来て」
さやか「―――うん!」
仁美「―――ええ!」
チュッ チュッ
パチパチパチパチ!
まどか「」ニッコリ
57 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:43:28.54 ID:7vb1EMB4o
さやか「たとえ肉体が滅びようとも!」
仁美「皆の心に生きる存在として帰ってきますわ!」
ほむら(…………)
58 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:43:58.99 ID:7vb1EMB4o
ほむら「―――で、彼の記憶を消去して家まで転送させたのはいいけれど、"あっち"はどうするのかしら?」
まどか「さすが暁美副隊長。気配に気づいていたか」
マミ「え、え?」
まどか「"彼女"をここへ」
ほむら「私も元々そのつもりだったから、別にいいのだけれど」ヒュン ヒュン
杏子「う、うわああ! な、なんだ!? 今度は時間が動き出したぁ!?」
マミ「さ、佐倉さん!?」
59 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:44:34.23 ID:7vb1EMB4o
ザワザワ ドヨドヨ
杏子「テ、テメェら、何勝手にヒトん家を占拠してやがるんだ!」プルプル
ほむら(さすがの杏子でもこの2個大隊を前にしては戦いを挑んで来ないのね)
マミ「た、隊長殿! これは、どういう……!」アセッ
まどか「巴中尉と、そこの佐倉杏子との関係は暁美副隊長から聞き及んでいる」
まどか「幻惑の魔法さえ使えれば最強の一角とも言える貴重な戦力らしいではないか! 使わない手は無かろう?」ニタァ
マミ「で、ですが……」
まどか「何か?」ニコ
マミ「は、はいぃ……仲直りしますぅ……」グスッ
ほむら(恐怖って簡単に人を支配できるのね)
60 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:45:17.95 ID:7vb1EMB4o
まどか「佐倉杏子君。君は状況を理解できているようだ。その聡明さ、ぜひ仲良くさせてもらいたい」ニコ
杏子「な、なんなんだよ……お前たちは……っ」プルプル
まどか「ときに、君は神を信じるか?」
杏子「はぁ? …………」
杏子「……神の名を騙る悪魔なら、この眼で見たことがある」ボソッ
まどか「そう。その通り。そこでだ、私は今ここに、改めて宣言する」
まどか「ああ、神よ……」
まどか「貴様を切り刻んで」
まどか「―――豚のエサにでもしてやる、とッ!!!」
61 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:46:00.04 ID:7vb1EMB4o
まどか「諸君、良く聞いておけ!」
ほむら「!」
まどか「非情な運命ばかりを突き付けてくる、くそったれの神に代わって!」
まどか「我ら魔法少女のあるうちは、我々が神に取って代わるのだ!」
まどか「傲慢な神とやらを、失業させてやれ!!」
\ウワァァァァァァァ!/
まどか「では戦友諸君。戦争の時間だ」ニタァ
杏子(さっきまで神父やってた人間の台詞かよ……)プルプル
62 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:46:33.26 ID:7vb1EMB4o
ほむホーム
ほむら「…………」
まどか「ふぅ」
マミ「……っ」ドキドキ
杏子「…………」ムスッ
ほむら「揃ったわね。じゃぁ、ワルプルギスの夜討伐へ向けた作戦会議を始めるわ」
杏子「おい! あたしはまだ認めたわけじゃねーぞ!」バンッ!
まどか「佐倉君は先ほど敢行した幻惑魔法の修行がし足りないらしいなぁ? 巴中尉?」ニコ
マミ「んふ♪ いつでもしごいてあげるわよ?」ニコ
杏子「ヒッ……」
まどか「暁美君、続けたまえ」ニコ
ほむら(えぇ……)
63 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:47:36.66 ID:7vb1EMB4o
ほむら「まず、第1目標はワルプルギスの夜本体の撃破。だけど、これを達成するためには、強力で膨大な数の使い魔を退けなければならない」
まどか「こちらの魔力も限られている。補給線を維持しながらの電撃戦、しかも対空戦ときたもんだ」
ほむら「ええ。だから前線部隊、後方展開部隊、補給部隊を編成するわ」
まどか「前線は我らのうちほむら以外の3人。後方に3個中隊、補給に1個中隊を割り当てよう」
マミ「えっと、補給は回復や時間停止のようなサポートメインの魔法の人たちで編成ですよね」
ほむら「私はそこで前線と後方を繋ぐ役目かしら」
まどか「あまり時間はかけられない。都市防衛戦ではあるが、大将首を手早く取らねばな」
64 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:48:11.27 ID:7vb1EMB4o
ほむら「そして本体について。最初は逆立ちしているのだけれど、ある程度ダメージを与えるとひっくり返って正位置になるわ」
まどか「ほう?」
ほむら「正位置になってからの奴は凄まじい。だから、なった瞬間にまどかの一撃で決着をつける」
杏子「つまり、ひっくり返すまではあたしたちでやれってことか」
ほむら「そうね。これだったらまどかの魔力消費を抑えながら勝ちを狙える」
マミ「たしか、隊長殿の全力なら一撃でワルプルギスの夜を倒せるけど、魔力が空っぽになってしまうんでしたよね」
ほむら「そうよ。そうなったらまどかは死ぬわ」
65 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:49:53.49 ID:7vb1EMB4o
まどか(魔力が空っぽになったら魔法少女は死ぬ。そういう嘘を流しておいた)
まどか(私がマスコット君と交わした交換条件は以下の3つだ)
まどか(1つ目、グリーフシードの最低限の供給)
まどか(2つ目、いかなる妨害行為をもしないこと)
まどか(3つ目、魔法少女の真実について絶対に口外しないこと)
まどか(つまり、ソウルジェムが穢れきった時に魔法少女が魔女になるという事実を隠蔽した)
まどか(もしこの条項を破棄したら、すべての魔法少女を、絶望を感じるヒマなく私が射殺すると言っておいた)
まどか(奴らが欲しいものは希望と絶望の相転移だからな。こうして交換条件は守られているというわけだ)
66 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:50:58.51 ID:7vb1EMB4o
マミ「にしても、とても厄介な魔女ね……。魔力がゼロになった魔法少女を、魔女に変えることができる能力を持っているなんて」
まどか(最終決戦まで脱落者は誰1人出すつもりはないが、対ワルプル戦では正直どうなるかわからない)
まどか(戦場で魔女になってしまうことは予想がつくので、そのようなデマも広めておいた)
まどか「巴大尉。前にも言った通り、たとえ元戦友だとしても魔女になったら敵だ。殺せ」
マミ「わ、わかっています……」
まどか「また、むやみに敵の数を増やすのも得策ではない。常に魔力切れには注意し、魔女に成り下がるくらいなら撤退するよう指導を徹底せよ!」
マミ「はっ! 通達してきます!」タッタッタッ
杏子(マミ、一体どうしちまったってんだ……)
67 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:51:56.83 ID:7vb1EMB4o
ほむら「仮に瀕死の魔法少女がワルプル撃破後に残っていたらどうするつもりなのかしら?」
まどか「その時は私の余剰魔力で抹殺する。魔女へと変化する余力を残すことなく、だ」
まどか(本当は他の方策を用意しているが、ここで言うのは得策ではない)
杏子「……グリーフシード惜しさにそこまでしなくてもいいじゃねえか」
まどか「違う。インキュベーターの裏切りを念頭に置く必要がある、と言っている」
ほむら「ッ!」
杏子「?」
まどか(まるで第2次大戦末期の米ソ関係だな。戦後のパワーバランスまで考えて戦わねばならんとは)
68 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:52:43.84 ID:7vb1EMB4o
まどか「奴は今次の大戦において、参戦するすべての魔法少女を魔女にし、エネルギーを得たいと考えているはず」
杏子「そ、そうなのか? あの野郎……」
まどか「であれば、交換条件を破棄し、なんらかの妨害工作は行われると見てまず間違いないだろう」
杏子「なんらかってなんだよ」
まどか「……例えば兵士たちの間に、私が嘘を吐いていて信用できない、ということを流布させる」
ほむら「疑心暗鬼を煽られたら統率が取れないわ」
まどか「せっかくワルプルギスの夜を撃破したとしても、魔法少女同士で戦わされる羽目になるやもしれん」
杏子「なんだよ、それ……」
69 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:56:03.73 ID:7vb1EMB4o
まどか「だが、宇宙生命体相手に戦争を仕掛けるのは無謀に過ぎる。どこかで外交的バランスを取らなければならない」
ほむら「それが、瀕死の魔法少女を殺す、という脅しをすることになるのね」
杏子「キュゥべえにしてみりゃ食い物を取り上げられるようなモンだろうけど、ホントに通じんのか?」
まどか「この戦争の第1目標はワルプルギスの夜撃破だ。では、第2目標は?」
ほむら「……鹿目まどかの生存の保障」
まどか「たとえ主目標撃破後であっても、司令塔が崩壊すれば全部隊の壊滅まであり得るからな」
杏子「確かに合理的だな。綺麗ごと言って全員生き残るハッピーエンドをうそぶくよりはマシかも知んないけどさ」
杏子「魔女になってまどかを襲うくらいなら死ね、ってことかよ」ケッ
杏子(マミが知ったら、どうなるか……)
ほむら「…………」
70 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:56:35.82 ID:7vb1EMB4o
まどか「実際、どうしたって人死には出るだろう。それも、か弱い女学生が無惨に殺されるのだ」
ほむら「ええ、そうね」
まどか「もし可能なら生き延びてもらいたい。が、どうしても死ぬのなら、魔女などにならず、安らかに眠ってほしい」
杏子「なるほど、な」
ほむら「貴女の甘さが裏目に出ないことを祈るわ」
まどか「ふん……」
杏子「けどよ、戦ったあとのグリーフシードはどうすんだ? キュゥべえからの供給はどうせ無くなるんだろ?」
まどか(まぁ、それは考えなくていい。存在Xとの契約によって私は帝国へと戻るだけなのだから)
ほむら「ワルプルギスの夜がドロップするグリーフシードに期待しましょう」
71 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:57:21.61 ID:7vb1EMB4o
見滝原工業地帯 舞台装置の魔女 ワルプルギスの夜 決戦当日
マミ「大隊長入場!!!」ビシッ!
まどか「御苦労」スタ スタ
さやか「…………」
仁美「…………」
魔法少女s「…………」
まどか(動揺の色も無い鍛え上げられた少女たち。磨き上げられた魔装具一式は乱れも無い)
まどか(誰が見ても訓練の行き届いた精鋭に見える)
まどか(だがまだ完ぺきではない。お菓子の魔女戦で巴少佐がやらかしてくれた様な、少女の殻を脱ぎ捨てきれていない部隊員が大半だろう)
まどか「……期待しているぞ、お前たち」ニコッ
まどか(やさしく微笑んで士気アップだ♪)
さやか(あの表情は地獄の訓練で何度か見た……!)ブルッ
仁美(気合を入れなければ隊長殿に殺されてしまいますわっ!!)ブルッ
72 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:58:17.80 ID:7vb1EMB4o
まどか「MMM諸君! 本日をもって貴様らは無価値なウジ虫を卒業する!」
まどか「本日から貴様らは見滝原を守護する魔法少女である!」
まどか「諸君、かつて私をあやしてくれた人のため、赤子を抱く母のため、我らの背にいる人々のため」
まどか「忌むべき怨敵らから皆を守るために私は行こう」
まどか「この空を埋める幾万もの敵だろうとも、私は押し止めよう」
まどか(何かあったら私が守ってやる。慎重に行けよ諸君)
さやか(本気だ!! 隊長殿は見滝原のため!!)
仁美(たとえ全ての魔女を敵に回しても退かぬ覚悟ですわ!!)
73 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 03:59:10.20 ID:7vb1EMB4o
さやか「最高だよ、まどか隊長! いきなり晴れ舞台を用意してくれるなんてさぁ!」アハハハ
仁美「えぇ、実はわたくしお芝居がしたい気分でしたの! 舞台装置の魔女なんてとっても気が利いてますわぁ!」ウフフフ
まどか「うむ、そうだな」ニコ
まどか(乗るフリをしてくれている。礼儀正しく育ったものだ)ウンウン
まどか「さあ! 私に続け。私に続け、見滝原を共に守らんと欲する魔法少女たちよ!」
\ウワァァァァァァァァァァァァ!!/
ほむら(話が噛みあってないわ……)
74 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:00:15.99 ID:7vb1EMB4o
ヒューーー… ヒューーー… ヒューーー…
まどか「えー、現在見滝原上空の天候はスーパーセル改め空一面の魔導砲弾」
マミ「弾着観測……ッ!」
ドォォォォォン! ドォォォォン! ドォォォォン!
マミ「今ッ! 突撃ッ!」
\パッパラッパパッパパー/
まどか「総員! 交戦開始<エンゲージ>!」
杏子「ひぇぇ、マジであの爆炎の中に突っ込むのかよ!」
まどか「使い魔師団の中に単騎で突っ込んでもらっても一向に構わんが?」ニコ
杏子「っせ! わーってるよ!」
ほむら「時間停止、行くわよ! 前線部隊総員、マミのリボンにつかまって!」カチッ
75 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:00:46.39 ID:7vb1EMB4o
カチッ
まどか「――爆炎を抜けると、そこは本丸だった」
ワルプルギス「キャハハハハハハハハハハハハハ!」
まどか「こんにちは! そして、さようなら!」ニコ
杏子「おい! まどかは下がってろ! 上半身は"あたしたち"に任せな!」
杏子「―――ロッソ・ファンタズマ!!!」
杏子(本体)「行くぜぇ!!」
杏子s「「「「おうっ!」」」」
ワルプルギス「キャハハハハハハハハハハハハハ!」
76 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:01:55.84 ID:7vb1EMB4o
まどか「私はしばらく側面攻撃を仕掛けてくる使い魔の処理、か」バシュン! バシュン!
ほむら「後方の安全は確保したわ! 巴マミ! 今のうちに!」
マミ「あの歯車にとっておきをぶち込んじゃっていいのよね!」
マミ「隊長殿との訓練で鍛え上げられた必殺技、行くわよ……!」
シュィンシュィンシュィン…
マミ「―――ティロ・フィナーレ・ウルティモ!!!」
ドォォォォォォン! ドォォォォォォン! ドォォォォォォン!
まどか「おおっ、三連装砲!」
ほむら(まるで陸上戦艦ね……)
ワルプルギス「キャハハハハハハハハハハハハハ!」
77 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:02:27.59 ID:7vb1EMB4o
ほむら「次弾装填! って、残存魔力は!?」
マミ「ご、ごめんなさい。手持ち分のグリーフシード、全部使ったけど、ちょっと調子に乗っちゃったみたい……」
ほむら「―――ッ!」カチッ! シュバッ!
ほむら「―――ほら、連れて来たわ!」シュバッ!
さやか「うわっとと! マミさん! 追加のグリーフシードです!」
マミ「あ、ありがとう美樹さん!!」
さやか「んで、杏子も! ケガ、治療するよ!!」
杏子「おう! "あたし"をひとりずつ頼む!」
まどか「…………」フム
78 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:04:15.65 ID:7vb1EMB4o
まどか(一応戦線維持は出来ている。順調だ。あとは消耗戦、時間の問題か?)
まどか『後方部隊諸君! 私のテレパシーは受信できているな!』
まどか『奴らに天上の世界から鉄槌を下してやろう! いかに自らが無力なのか諭してやるのだ!』
まどか(あとは巴中佐の一発でひっくり返るだろう! 後方部隊は保身に入れ!)
仁美(総員、全力で攻撃をしろ、ということですわね!)
仁美『了解ですわ! 見滝原と隊長様に栄光あれ!』
マミ「もう一発……! ティロ・フィナーレっ!!!!」
ドォォォォォォン!
ワルプルギス「キャハハハハハハハハハハハハハ!?!?」ガクン
79 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:05:08.04 ID:7vb1EMB4o
杏子「やったか!?」
ほむら「これで体がひっくり返るわ!」
まどか「意外に早い出番となったな。早いに越したことはないが」
まどか「出でよ、トレッチガン。最高出力……」キュィィィィィ…
まどか「私は神を信じない。市場原理こそ全てなのだ……!」ボソボソ
ワルプルギス「」グルン
まどか「―――今、終わらせる!!!」
バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!
80 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:05:38.33 ID:7vb1EMB4o
バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!
さやか「きゃあっ!?」
杏子「ぐっ!! すげぇ魔力だ……ッ!」
マミ「なんて魔弾なの……!!」
ほむら「行ける……! これなら……!!」
まどか(……おかしい。順調すぎる)
まどか(存在Xが与えた試練が、こんなにも条理で満ちていようか……)
ワルプルギス「」
81 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:06:24.45 ID:7vb1EMB4o
ワルプルギス「」シュイィィィンッ!
まどか(―――――ッ!?!?)
マミ「え……嘘、そんな……っ」プルプル
ワルプルギス「キャハ?」
82 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:07:03.25 ID:7vb1EMB4o
杏子「ち、小さくなりやがった……あたしたちより少し小さいくらいか!?」
ほむら「な、何よあれ……あんなの、見たこと無いわ……」プルプル
さやか「どういうこと!? どうなってんの!?」
ワルプルギス「キャハ!」ビュンッ!
まどか「しまっ――――」
ビュン! ビュン! ビュン!
杏子「がはっ……」グサッ
マミ「ぐっ……」バシュッ
ほむら「ぬぅぅっ……!」ズバァッ
さやか「え、えっ!?!? なんで、3人とも、血、吹いてんの!?!?」
83 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:09:13.11 ID:7vb1EMB4o
まどか(なんだあの高速人型飛翔体は!? それにあの動き、まるで……!)
まるで……私……!?
ワルプルギス(幼女)「キャハ!」
84 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:13:39.31 ID:7vb1EMB4o
まどか「美樹! 3人の手当てを頼む!」
さやか「えぇっ!? で、でもぉっ!」
まどか「無駄口を叩く暇があったら、生き残るために最善を尽くせ!」
さやか「わ、わかったよ、まどか!」
ほむら「貴女、どうする気なの……!?」グフッ
まどか「私が奴を追うしかないだろう!」ビュンッ!
まどか(なんだあれは……まるで私、ターニャ・デグレチャフの飛行をコピーしたかのような動きではないか!)ヒュン! ヒュン!
使い魔「キャハ!」
まどか「邪魔だっ! どけぇっ!」バシュン!
まどか(なるほど舞台装置の魔女め、くだらない演出をしてくれる!)
85 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:15:04.19 ID:7vb1EMB4o
まどか(理屈は全くわからんが、今はともかくアイツを追わなければマズイッ!)ヒュン! ヒュン!
使い魔「キャハハ!」
まどか「くそ、キリが無い!」バシュン!
まどか(後方が撹乱されれば、間違いなく包囲戦に持ち込まれる! そうなれば殲滅されて終わりだ!) ヒュン! ヒュン!
使い魔「キャハハハ!」
まどか(早くヤツの動きを……止めなければ……、早くッ!)ヒュン! ヒュン!
ワルプルギス(幼女)「キャハ!」ヒュン! ヒュン!
86 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:16:28.53 ID:7vb1EMB4o
ワルプルギス(幼女)「キャハ!」ヒュン! ヒュン!
女子生徒1「きゃぁっ!!」パリーン
女子生徒2「ぐわぁっ!!」パリーン
魔女1「……キャハ?」
魔女2「キャハハ?」
仁美「戦線が崩れていきますわ!? 魔法少女たちが次々に魔女に……いったい何が!?」
まどか「後方部隊へ通達! 幼女型ワルプルギスには構うな! 自らの職務を遂行しろ!」ヒュン! ヒュン!
まどか(ここで使い魔に対する壁が薄くなりでもしたらワルプルギスの思うつぼだ!)
仁美「わ、わかりましたわ!! 皆さん、よろしくって!?」
キュゥべえ「きゅっぷい」
87 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:18:03.48 ID:7vb1EMB4o
仁美「キュゥべえさん!? こんなところに現れて、危ないですわよ!」
キュゥべえ「おかしいと思わないかい?」
仁美「な、なにがですの?」
キュゥべえ「今まさに魔法少女たちを魔女化している敵を無視しろ、なんて命令を出すなんて」
仁美「それは……」
キュゥべえ「つまりそれって、戦線後退は許容できない。徹底して遅滞戦闘に努めよ、ってことだよね?」
キュゥべえ「まどかは手柄を独り占めしようとしているかもしれないよ。あるいは……」
キュゥべえ「君達を魔女にすることでわざと魔法少女の数を減らして、終戦後の分け前を確保したいのかもね」
仁美「…………」
88 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:19:14.50 ID:7vb1EMB4o
仁美「いいえ。まどか隊長様に限ってそんなことはあり得ません」
キュゥべえ「どうして?」
仁美「あのお方は、心の底から見滝原の人々のために御身を捧げるおつもりなのです」
仁美「まだまだ未熟なわたくしたちにはわかるべくもありませんが、きっと戦略上の意味があっての命令」
キュゥべえ「君も魔女になってしまうかもしれないんだよ?」
仁美「わたくしたちのような一兵卒にできることは、ただ隊長様を信じ抜くことだけですわ!」
キュゥべえ「……わけがわからないよ」
仁美「隊長様に神の御加護があらんことを!」
89 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:20:14.65 ID:7vb1EMB4o
ワルプルギス(幼女)「キャハ!」ビュン!
まどか(なんだ!? 急に上昇した!?)
まどか(そうか、後方の撹乱は効率が悪いと見たか!)ビュン!
まどか(次の一手はおそらく、高高度からの魔弾乱射。使い魔も巻き込んでの地獄絵図を描く気だな)
まどか(そんなことをされたら、さすがに彼女たちを守り切れない……っ!)ビュンッ!
さやか「……二つの閃光が、宇宙へと延びていく」
ほむら「ワルプルギスの夜から放たれる数々の攻撃の豪雨の中を」
マミ「気高くかけるその姿は」
杏子「まるで、魔法の妖精……」
90 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:21:18.15 ID:7vb1EMB4o
ワルプルギス(幼女)「キャハ!」ビュン!
まどか(こいつ、どこまで上昇する気だ!? まもなく宇宙空間だぞ!?)
まどか(さすがの魔法少女といえども、飛行制御、圧力調整、体温維持、酸素生成、肉体強化……キツイ!)
まどか(だがそれは相手も同じはず……!!)
まどか(まさかこいつ、私とのタイマンを望んでいるのか? ここがそのステージだと言いたいのか?)
ワルプルギス(幼女)「キャハ!」クルッ
まどか(なんと非合理な……なるほど、確かに元人間らしい)フッ
まどか(無論、やつを一撃で仕留める魔力はある。が)
まどか(それは私が魔女になること、すなわち眼下に広がる地球の崩壊を意味している)
まどか(まさに前門の虎、後門の狼と言ったところか)クッ
まどか(……奥の手を使わざるを得ない)
91 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:22:26.95 ID:7vb1EMB4o
まどか「主の恵みを信じよ」
まどか(状況を打開するには、最初にキュゥべえにもらった命令下達権を利用するしかない)
まどか「主は我々をお見捨てにならず」
まどか(本当は、この願いをもって全ての魔法少女を人間に戻すつもりだったが。いや、これこそが奴の狙いか)
まどか「我が惑星の敵を打ち滅ぼす力を……」
まどか(すまない、暁美ほむら……君の戦いは、まだまだ続きそうだ)
シュィィィィィィン…
まどか「―――与えたまえ」ジャキッ!
ワルプルギス(幼女)「キャハ?」
92 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:23:32.88 ID:7vb1EMB4o
??「もういい。もういいんだよ、もう一人の私」
まどか「……ッ!?」
??「私の願いは、全ての宇宙の、過去と未来の全ての魔女を、この手で消し去ること」
??「私をこの世界に呼んでくれてありがとう。貴女を宇宙の再構築に巻き込んじゃって、ゴメンね!」
まどか「……もしや、貴女が存在Xなのか!?」
??「ううん、私は神様じゃない。そっちの子たちを連れていくためにこの世界に来ただけ」
??「この世界の未来は、もう一人の私に任せるね」
まどか「お、おい!」
??「それじゃぁ、いこっか」
ワルプルギス(幼女)「キャハ?」
シュワワワワワワ…
93 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:24:19.50 ID:7vb1EMB4o
まどか「―――ハッ。い、今のは、なんだったんだ? フー・ファイターか?」キョロキョロ
まどか「ワルプルギスの夜と、あの女神は、消滅した?」
まどか「勝った……のか?」
存在X(星座)「この世界は安定を得た。その上、お前には信仰心が芽生えたようだ」
まどか(星の並びが顔になった……奴か)
まどか「信仰心? あぁ、この"まどか"とかいう概念に対する信仰は芽生えたらしい」
まどか「やはり最後に信じられるのは人の子の超人的な意志だけだ。ニーチェもそう言っている」
まどか「神は死んだ、とな!」
存在X「ほう……」
94 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:25:48.17 ID:7vb1EMB4o
まどか「それで、自称神とやらが、この私をタダでこき使おうというのではあるまいな?」
存在X「約束は守ろう。お前は元の世界に戻す」
まどか「それと、この世界の私はまだ貴様に対する命令権を所持している」
まどか(まさか神に準じる存在が複数現れるとはな)
存在X「言ってみろ」
まどか「この世界のすべての魔法少女を人間に戻せ。先の大戦で魔女になった者も含めて」
まどか「それが、この世界のあるべき未来。"まどか"が再構築し、魔女が消滅した宇宙の中の、ひとつの答え……だ」
存在X「なるほど、確かに"まどか"に対する信仰心を持っているようだ」
存在X「よかろう――――」
95 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:26:44.00 ID:7vb1EMB4o
見滝原工業地帯
使い魔「キャハ! キャハ!」
杏子「クソ、使い魔に押されてる!」
仁美「前線の皆さんは、生き残った私たちが守りますわ!」
使い魔「キャ―――」
マミ「……あ、あれ? 使い魔たちが……」
ほむら「……消滅していく」
女子生徒1「あ、あれ……?」
女子生徒2「私たち、なんで……?」
仁美「あ、ああ、魔女になった皆さんも次々と元の姿に……!」グスッ
マミ「まさか、これって!」
杏子「勝ったのか!? まどかの奴が!!」
96 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:27:56.76 ID:7vb1EMB4o
さやか「み、見て! 空から、まどかが降ってくる!」
まどか「…………」フワフワ
ほむら「ま、まどかァー!」ダキッ
97 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:29:11.21 ID:7vb1EMB4o
ほむら「まどか!? 貴女、まどかなのね!?」ポロポロ
杏子「何言ってんだ? どう見てもまどかじゃねーか」
まどか「んぅ……あ、あれ? 貴女は……?」
ほむら「そうよね! わかるはずないわよね! 私は、暁美ほむら!」グスッ
さやか「えっと? これ、どういうこと?」
まどか「あ、さやかちゃん! これって、どういう状況なの?」
さやか「おおう!? まどかがこんな可愛らしい喋り方をするなんて!?」
マミ「ご無事ですか! まどか隊長!」
まどか「た、隊長!? ええっと……?」
ほむら「中身が入れ替わってる。ということは、つまり、私たちは勝ったのよ」
ほむら「見滝原と、鹿目まどかを、守ったのよ……!」
98 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:30:58.71 ID:7vb1EMB4o
ほむホーム
まどか「――――そんなことがあったんだね」
杏子「まさか、こっちのまどかが本物だとはな」
さやか「うぅ、幼馴染としての記憶が改ざんされてるなんて……」
マミ「でも、こっちの鹿目さんは可愛らしくて好きよ。あ、もちろん前の隊長のことも尊敬してますけれど」
ほむら(気付いたら私たちは魔法少女から人間に戻っていた。それだけじゃなく、魔女もインキュベーターも世界から消えていた)
ほむら「彼女、今頃何をしてるのかしら……」
まどか「……あのね、ほむらちゃん。私、宇宙でのこと、少しだけ覚えてる」
まどか「これはね、優しい心を持った人みんなが願った結末の一つなんだって」ウェヒヒ
99 :
◆EFQF/mxR0k
[saga]:2017/10/21(土) 04:32:54.90 ID:7vb1EMB4o
――――――――――――――――
――――――――
―――
南方大陸
ヴィーシャ「―――えっと、少佐殿? 先ほどの訓示は一体……」
ターニャ「神を切り刻んで豚のエサにする、のくだりか?」
ヴィーシャ「は、はい。何かあったのですか?」
ターニャ「一つ確信を得たのだ。神は不条理であり、それを正すのは人の子しかいない、と」
ターニャ「それと、せっかくの存在Xをおとしめるチャンスを逃してしまった……」シュン
ヴィーシャ「えっ?」
ターニャ「結局私も合理性を欠いた、一人の感情的な人間だった、ということだ」
ターニャ「私の戦いは、此度の戦争以上にまだまだ続くらしい……」ハァ
おわり
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/21(土) 05:34:54.71 ID:ksEGNEU+0
いいssだった、掛け値なしに
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/21(土) 13:45:58.24 ID:YMjQ7CElO
これは素晴らしいSS
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/21(土) 18:58:33.69 ID:zNAlI4LTO
素晴らしい
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/21(土) 23:28:21.79 ID:npUXR/oAo
乙ー よかった
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