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◆Xz5sQ/W/66
[saga]:2017/09/25(月) 23:45:57.32 ID:53XBMd0+0
「その時一緒に居た海美ちゃんに、一本差し上げてしまいまして〜」
「海美に……あげちゃったの?」
「はい〜。二本も立ったのが凄いことだと……。けど、とっても喜んでくれましたよ〜?」
「そっかぁ、喜んでたんならしょうがないなぁ」
そんな物を人から貰って一体どうするつもりなのか?
それはここには居ない高坂海美その人のみが知ることである。
「それにこうしてプロデューサーさんにも会えましたし、今日はきっと、いいことだらけですよ〜」
とはいえ海美の行動が、目の前の少女を幸せな気持ちにさせたことは確かな事実のようであった。
プロデューサーは丁度良い熱さになっていたお茶を一口飲むと、それを持って来てくれた美也の方へと顔を向け。
「うん……旨い! なんというか、小さな幸せの味がするな!」
「ふふふ、そうですよね〜? 喜んでもらえてなによりです〜」
「いや、まぁ、お茶は雪歩が淹れたお茶なんだが……」
「……おー! 私としたことがついうっかり」
それでも少女の心遣い。その優しさに触れたプロデューサーは改めて彼女にお礼を言った。
すると美也の方こそ彼に向け、「いえいえ、なんのなんの〜」と優しく微笑み返す平和な午後のひと時であった――。
ちなみに余談となるのだが、この後事務室に現れた紬はその登場の遅さを
「なんだ、今頃来たのか」とプロデューサーに呆れられ、
ワケも分からず「な、なんですか? どうして顔を合わせるなり、
呆れられなければならないのです!?」と憤慨することになったりした。
その後もサインの手を止めた、千早が彼女を慰めることになったりしたとかしないとか……。
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