川崎「あ……あたしと付き合ってくんない?」 八幡「!?」

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136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/26(火) 23:54:34.38 ID:zVZPvqC+O
なぜオリジナルでやらないの?
137 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 06:14:34.06 ID:qdIwBeIGO
>>135
ありがとう!
138 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 06:18:10.83 ID:qdIwBeIGO
>>136
HACHIMANを書きたかったのと、八幡川崎も書きたかったから一緒に書いたンゴ……
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 15:01:23.16 ID:ZWoVKnFDO
ええんやで
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 15:43:07.32 ID:52e8JPUB0
おもろいやん
141 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 18:02:48.57 ID:R7ZbQ7ePO


[  ]


 醜い。目に映る景色はどこを見ても異様で吐き気を誘う。

 空は血を啜(すす)ったような深紅。建造物は内蔵で形作られたかのようで脈動(みゃくどう)している。


 私は……何を…………。

 脳の奥に霧がかかり、記憶を探ろうとすれば頭痛がした。

 ああ、気持ちが悪い。

 呼吸すらままならないほど空気が汚い。

 私を取り囲む何もかもが、汚い。

 ──こんな醜悪(しゅうあく)なものは壊してしまえ。


 私が腕を振るうと、周囲に立ち並ぶさながら臓器のようや建造物が弾け、飛び散った。

 世界からすこし、汚物が減った。


 私は世界を浄化させたのだ。

 もっと、もっとこの世界から醜さを奪い、美しさを取り戻さなければならない。


 私は必死に腕を振るう。


 刻一刻と、穢(けが)れた空気は私の肺を蝕(むしば)む。

 滾(たぎ)る魂の熱が冷めぬうちに、わずかでも目に映る不浄なすべてを取り除きたい。

 その一心で私は進む。
142 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 18:03:57.96 ID:R7ZbQ7ePO


 つまめるほどの小さな輝く玉が、流星群のように私の体を捉(とら)えた。


 この輝き……懐かしい。

 そして、美しい。


 暗く醜い世界でただこれだけが煌めいて、清々しい。


 そしてまた光の群れは、数え切れぬほどに私へと吸い込まれる。


 光の出所を見遣れば、人の形をとった異形の生き物が立っていた。

“それ”の構える何かから光は発生しているらしい。


 なぜだろうか。もう体が動かない。

 ただ、孤独な私の中には暖かな懐かしさがあった。


 倒れる。気持ちの悪い地面へ体が打ち付けられる。

 ──いや、気持ち悪くなどない。これは……。


 ……これは、アスファルト、だ。


 弱り、自己が薄れゆく中、異形な生き物を見上げる。


 銃を手にした若い少女が立っていた。

 もちろん、人の子だ。


 朧(おぼろ)げな視界で空を見た。


 白い瞬(またた)きが散らされた濃紺の空には、大きく輝く銀の月が浮かんでいた。

 その空に違和を覚える。


 私はもう眠ろう。


 閉じた瞼はもう開くことがなかった。
143 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 18:12:10.63 ID:R7ZbQ7ePO
↑俺ガイルに関係ない人物だから書き方変えたけど気にしないでええで
144 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/27(水) 18:17:26.43 ID:R7ZbQ7ePO


[病院]


 ──ドゴォォォン!


川崎「!?」

川崎(もしかして近くに来てるの!?)

川崎(ど、どうしよう……)


 ──ドタドタドタ!


女性「キャァァァァアアア!!」


女性「皆さん押さないように!」


男性「さっさと行け!(怒)」


子供「お゛母゛さ゛ぁ゛ぁぁぁん(号泣)」


川崎(え、もしかして避難してる?)

川崎(でも下手に動いたらどうなるか……)

川崎(それにピンポイントでこの病院の近くを通るとは思えないしじっとしておくべきじゃないかな……)
145 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/27(水) 18:20:52.58 ID:R7ZbQ7ePO


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……


──ドゴンッ!!


川崎(揺れ!? かなり大きい!)

川崎(もしかしてこの病院にめちゃくちゃ接近してる……?)

川崎「…………ッ」


 ──ゴン! ドン!

川崎(揺れが大きくて立ってられない…………。仕方ない)

川崎「(スタタッ)」


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……


川崎「ごめんっ!(ブチブチッ)」

川崎(点滴とか勝手に取るのはまずいのかもしれないけど、これがあると逃げられない!)

川崎「……ッ、よっこいしょ…………重…………」


八幡「………………」
146 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/27(水) 18:29:44.22 ID:R7ZbQ7ePO
川崎(ていうか筋肉すご…………(照)。防衛軍だから鍛えてるのか…………)

川崎(そんなことより! トランクケース!(ガッ)」

川崎(これも重い…………)

川崎(でも持って行かなきゃ…………(ズッズッズッ))

扉「ガラガラ」

川崎「(ズッズッズッ)」


男性「(ドカッ!)」


川崎「痛っ」

八幡「(ドサッ)」

トランクケース「ゴトンッ」


男性「邪魔だクソ女!」


川崎「……(憤怒)」


男性「ひっ(ダダダッ)」


川崎「ごめん…………」


八幡「………………」


川崎「よいしょ……」

川崎(背負い直すのも体力使うなぁ……。そうだトランクケースも……(ガッ))

川崎「…………(ズッズッズッ)」
147 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 18:39:22.83 ID:R7ZbQ7ePO


[病院玄関]


川崎「はぁ……はぁ……」

川崎(どうにか外に出れた……)

川崎(いろんなとこで煙が上がってる……)

川崎(どこに逃げ──」


 ──ドガンッッ!!!


川崎「(グラッ!)」

川崎(やばっ、倒れそう!)

川崎「(バッ!)」

川崎(う、嘘……病院が崩壊して瓦礫が……(チラッ))


八幡「………………」


川崎「ごめんっ!(ひょい!)」


八幡「(ドサッ!)」


瓦礫「ドガァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!! …………」
148 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 18:53:37.89 ID:R7ZbQ7ePO


[防衛軍基地支部]


由比ヶ浜「あ…………そんな………………」


雪ノ下「……………………ッ」


平塚「なぜよりにもよってあの病院を……ッ」

平塚「くそっ!」


由比ヶ浜「どうしよう…………ヒッキーも……沙希も……………………あぁ………………(ガクッ)」

由比ヶ浜「あの場に残さずに…………無理にでも基地に連れて来るべきだったんだ…………」


雪ノ下「……………………」

雪ノ下「…………そんな簡単に諦めてはいけないわ」

雪ノ下「2等級メンシュハイトに誰よりも接近したのにも関わらず死ななかった男なのよ…………」

雪ノ下「こんな簡単に死ぬはずない……」


平塚「…………」


雪ノ下「私は比企谷くんと川崎さんを信じるわ」

雪ノ下「私たちは今やるべきことをやりましょう」


由比ヶ浜「………………」

由比ヶ浜「…………………………うん」


平塚「…………私が行こう」


由比ヶ浜「えっ」


平塚「私ではゼイレの貯蔵は底が知れる。それに、現在指揮を執っているのは本部の奴らだ」

平塚「若者に混ざり微々たるゼイレを供給する人間がひとりいなくなったところで、戦況は変わらない」


雪ノ下「な、なら私たちもっ」


平塚「お前たちは残れ」

平塚「ではな…………(カッカッカッカッ)」
149 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 19:10:54.55 ID:R7ZbQ7ePO


[ゼームセンター前]


大和「おっ、おい、すぐ近くに来てるみたいだぞ!(ダッダッダッダッ)


大岡「ほ、ほら! やっぱさっさと避難しとくべきだったんだ!(ダッダッダッダッ)


葉山「そんなことより走れ!(焦)(ダッダッダッダッ)」


戸部「んなわかってるべー!(ダッダッダッダッ)」


瓦礫「ドガァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!! …………」


大岡「なんだっ!?」


葉山「病院が……」


戸部「そんな……粉々に…………」


大和「……病院ってことは…………病人が………………」


大岡「そんなの気にすんな! 自分の命優先だ!」


大和「…………ッ」


戸部「…………ッ」


葉山「…………ああ、そうだ。まずは自分の命を最優先で守らなくちゃいけない(……グッ)」

葉山「だから今は走れ。人を助けるのは自分が助かった後だ……」


戸部「ああ」


大和「おう」


大岡「お、おう! それが正しい!」
150 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 19:56:16.02 ID:R7ZbQ7ePO


[防衛軍基地本部]


観測員「対象、現在千葉で暴れまわってます!」


司令官「くっ……どうにかここで東京への進行を食い止めなければ…………」

司令官「もし東京にこの規模の被害があれば…………日本は機能しなくなるぞ…………」


 ──シーン……


海老名「あっ優美子?(ボソッ)」


三浦『なに?』


海老名「今何中?(ボソッ)」


三浦『……ゼイレの回復待ちだけど』


海老名「今千葉にメンシュハイトが来てるんだけど、メンシュハイトのそばに……」


三浦『……………………もしかして隼人?』


海老名「……うん。戸部くんたちと走ってる」


三浦『ちょっとその映像こっちに寄越して』


海老名「りょーかい」
151 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 20:01:01.93 ID:R7ZbQ7ePO
[住宅街]


戸塚「えほっえほっ……」

戸塚(復興のお手伝いに来たのに……なにこれ………………)

戸塚(メンシュハイトが近くを通ったせいで通り道にあった大きな病院が………………)

戸塚(病院には怪我した人たちがたくさん………………助けに行かなきゃ……!)
152 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 20:12:50.62 ID:R7ZbQ7ePO


[病院玄関・瓦礫下]


川崎「んっ…………」

川崎「いったぁ…………」

川崎(全身がズキズキする……)

川崎(比企谷は……!)


八幡「………………」


川崎「……よかったぁ…………」

川崎(背負ったままだと庇えないからとっさに地面に投げちゃったけど……なんとか生きてるみたい……)

川崎(あれ、瓦礫に埋もれてるはずなのにそんなに重くない……それに光も…………)

 ──ガバッ!

川崎「うっ……まぶしっ……」


戸塚「川崎さん!?」


川崎「あ、とっ戸塚?」


戸塚「うわぁ傷だらけ……。今出してあげるからもう少し頑張って! よいしょっ!(ドカッ)」
153 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 20:14:26.99 ID:R7ZbQ7ePO


川崎「う、うん……」

川崎(そういえば体が動かない…………瓦礫に挟まって動けるスペースがないんだ……)

川崎(戸塚が来てくれてなかったらどうなってたか……)


戸塚「よ……っ(ドカッ)。……出られる?」

右手「スッ」


川崎「……ん(コクッ)(ガシッ)」

川崎(んしょ……っ。出られた!)

川崎「ね、ねぇ、下に比企谷が!」


戸塚「えっ(バッ)」

戸塚「はっ、八幡!」


八幡「………………」


川崎(八幡…………)
154 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 20:28:39.43 ID:R7ZbQ7ePO


戸塚「川崎さん、僕じゃ力不足だから一緒に引っ張り出して欲しい」


川崎「わかった!」


川崎・戸塚「「よいしょ……っ、よいしょ……っ、よい……しょっ!」」


八幡「(ズズズ……)」


川崎「け、怪我はない……よね。良かったぁ……(ぐだっ)」


戸塚「でも川崎さん……川崎さんの体……」


川崎「…………いいよ。あたしは」

川崎(破片で身体中切っちゃったけどこのくらい……)

川崎(アドレナリンだっけ。それのおかげであんま痛くないし)

川崎「あれ(グラッ)」


戸塚「あっ、危ない!(ガッ)」


川崎「……あ、ありがと…………」


戸塚「無理しちゃダメだよ……。メンシュハイトはまだ近くにいるけどもう戻ってくるとは思えないからここで八幡と休んでて」


川崎「うん……」


戸塚「それじゃ(タッタッタッ)」


川崎(他の人を助けに行っちゃった……)

川崎(それにしても……よく潰されて死ななかったなぁ……(チラッ)」

川崎(ああ、病院、完全に崩壊したんじゃなくて上の方が崩れちゃっただけか……)

川崎(不幸中の幸い、か)
155 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/27(水) 21:07:48.94 ID:R7ZbQ7ePO


平塚「川崎!」


川崎「平塚先生!? どうしてここに?」


平塚「お前……その傷…………」


川崎「あたしは大丈夫です」


平塚「そうか……比企谷は?」


川崎「大きな怪我はしていないですね……」


平塚「はぁ……心配かけさせて……」

 ──ピピピピピ

平塚「失礼」


川崎「いえ」


平塚「はい。こちら平塚。…………な……っ! では近隣の…………いや、しかし……………………………………」

平塚「………………了解しました」


川崎「…………どうかしました?」


平塚「………………奴の進路上に大規模避難所がある…………」

平塚「……避難所は最高でも2等級までを想定して作られた建造物だ」

平塚「…………」


川崎「じ、自衛軍の人は!?」


平塚「…………あのメンシュハイトを追って、衝突のたびに壊滅させられている…………」

平塚「あのメンシュハイトが大規模避難所へたどり着く前に駆けつけられる隊員は……私と……」

平塚「…………比企谷しかいない」
156 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 21:50:16.86 ID:R7ZbQ7ePO
続きは明日の夜に…… ほな、また……
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 22:56:07.11 ID:cHdOsK0So
おつ
158 : ◆hr9g98PXaA [>>157]:2017/09/28(木) 06:28:49.55 ID:7fdG0fQgO
サンクス!
159 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/28(木) 06:30:11.18 ID:7fdG0fQgO
>>155
自衛軍ちゃうくて防衛軍ンゴ……
160 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/28(木) 18:50:25.54 ID:zshRe47yO

川崎「で、でも……比企谷は…………」

川崎「先生じゃどうにかできないんですか!」


平塚「……ゼイレが衰え始めた私では到底戦力になり得ない」

平塚「…………だが、行かない理由にはならないな」

平塚「できないからやらないなど、そんな無様な姿は晒さない」


川崎「それなら行っちゃダメです……! そんな命を無駄にするような……」


平塚「……無駄ではないさ」

平塚「仮に私が死んだとしても、それは意義あるものだ」

平塚「ちょうど装備もあるようだし……(チラッ)」

平塚「借りるぞ、比企谷(ガチャガチャ)」


川崎「あ…………」


平塚「こいつは……なかなか食うな。数分持つか……?(シュッ)」

平塚「ではな」


川崎「待ってください!(ガバッ)」


平塚「…………待てないさ。私はあいつを止めなければならない(バッ)」


川崎「ッ」


平塚「……(ダッダッダッダッ……)」


川崎「嫌だ……どうして…………」
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 23:40:56.09 ID:ugiH8Cga0
次は川崎と付き合ってからの日常だけを書いてくれ
162 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 00:18:18.91 ID:3g8v4/+hO


[防衛軍基地本部]


観測員「だ、誰だ!」


司令官「……。なぜ大人が単身で向かっているんだ……あれでは………………」


海老名「…………先生……なんで…………」


司令官「たしか付近にあとひとり学生がいただろう!」


海老名「彼は2等級のメンシュハイトとの交戦で昏睡状態にあります……戦えるような体じゃ…………」


観測員B「くっ、援軍はまだか……これでは間に合わない…………ッ」
163 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 00:19:57.71 ID:3g8v4/+hO
すまんちょっと忙しくて書けなかった
あしたまた続き書くで
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 01:02:27.20 ID:55XMUQ40o
気を悪くしないでほしいんだが、本当に前半の日常パートは誰も文句言ってないんだよ
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 01:37:59.87 ID:GpeQJtWBo
二次創作に文句て
信じられないくらいバカか
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 06:17:46.70 ID:8B8PqgLpO
>>161
どうしてもサキサキの人には見劣りするんで・・
167 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 07:30:13.43 ID:3g8v4/+hO
言い訳なんだがSS初投稿だからすこし大目に見てや……
168 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 07:35:56.40 ID:3g8v4/+hO
>>166
参考までにその作品教えてクレメンス
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 08:36:03.58 ID:GpeQJtWBo
あの人後半くどくなるから読まなくなったな
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 08:41:10.97 ID:cn/1meClo
八幡「初詣?」小町「うん!」
八幡「三つの謎?」
あと「しっぽ?」「見た?」ってやつはまだ続いてるんじゃないかな
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 08:49:38.37 ID:GpeQJtWBo
八幡「なんだ、かわ……川越?」沙希「川崎なんだけど、ぶつよ?」

八幡「クリスマスイベントが中止?」

この2つでアドリア海のエースになった人
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 10:15:04.67 ID:qD5XK5q2O
むしろ評価されてんのは居候の方じゃね?

でもこの人はクロスものとか非日常はやらないからここの>>1とは方向性違うでしょ
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 10:15:31.48 ID:seMaO/cro
おもしろい(小並感)
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 10:31:03.44 ID:cn/1meClo
結局好みが別れるから好きなのだけ読んどけっつーことだね
175 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 22:46:25.85 ID:kIOtHkUIO


[病院玄関]


川崎「ぁぁ………………」

川崎(どうしたら……………………)

川崎(………………)

川崎(………………ああ、そうだ。あまりのことで忘れてた)

川崎(あたしはこいつのことを守らなきゃいけない)

川崎(大人数の命をどうこうしようなんてあたし程度が考えたところでどうにもできないんだ)

川崎(……とにかく安全な場所へ…………)

川崎「……っ、よいしょ…………」

川崎(……………………遠くへ…………)
176 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 22:58:29.98 ID:kIOtHkUIO


[千葉大規模避難所]


 ──ゴォォォオオオン!


民衆「うわあっ」

民衆「きゃー」


大志(やっぱ姉ちゃん携帯とらねぇ…………(チラッ))

大志(姉ちゃん以外は家族みんな避難できたのに……)

大志(どこかに避難できてたらいいけど……)
177 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 23:07:05.71 ID:kIOtHkUIO


[商店街]


川崎「(ズキンッ)痛…………っ」

川崎「はぁ……はぁ……」

川崎(身体中が痛い……。さっきまでは気にならなかったけど、結構きつい……)

川崎(人気(ひとけ)がないし、2割くらいの建物が崩壊してる。心細くて気力もどんどん削がれる……)

川崎(足も頭も痛い。全身がズキズキして一歩踏み出すのが辛い)

川崎「はぁ……はぁ……はぁ……」

川崎(それでも歩かないと…………こいつは、あたしが守るんだ…………)
178 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 23:26:33.41 ID:kIOtHkUIO


八幡「…………か…………わ……さき………………」


川崎「!?」


八幡「…………下ろして……くれ……」


川崎「だっダメ! 今はとにかく逃げなきゃ……」


八幡「…………とりあえず、俺を置いて……携帯を見ろ…………」


川崎「…………なんで?」


八幡「……ずっと鳴ってたぞ。家族からじゃねぇのか」


川崎「っ!!」

川崎「…………一旦下ろすね」


八幡「ああ……(ドサ)」


携帯「ポチポチ……」

川崎「っ…………」

川崎(本当だ……何回も家族から電話が…………)

川崎(大志の留守電がある……聞いてみよう(ポチ)」


大志『もしもし姉ちゃん? 俺ら商店街の奥にある大規模避難所に来てる。もしこの留守電聞いたら折り返──』


川崎「嘘………………」


八幡「(ジッ……)」


川崎「嘘…………嘘……………………」

川崎「(クルッ)」

川崎(大志たちが…………あそこに…………?)
179 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 23:50:52.98 ID:kIOtHkUIO


八幡「どうしたんだ川崎」


川崎「………………」

川崎「大志たちが…………あそこの大規模避難所にいる…………」


八幡「………………」


川崎「大志も京華も……家族が……みんな…………」

川崎「そこに……1等級のメンシュハイトが…………向かってる……。でも、あの施設は………………最高でも2等級までを想定してるって…………だから……………………」

川崎「だから…………………………」

川崎「あああぁぁぁぁああああ……………………(ペタン)」

川崎(もう……何も考えられない…………)

川崎(大志が…………みんなが…………死んじゃう……………………)

川崎(終わりだ…………なにもかも………………終わりだ…………………………)

川崎(なんで…………どうしてあたしはこんなにも無力なの………………)

川崎「なんでっ……………………(ポロポロ)」


八幡「………………」


川崎「うっ………………うぅ………………(ポロポロ)」


八幡「………………」


川崎「みんなぁ…………あぁ……ひぐっ…………(ポロポロ)」


八幡「………………」


川崎「ごめん……えほっ……うぅ……………………ごめんなさい…………(ポロポロ)」

八幡「…………ッ」

八幡「………………(グググッ)」


川崎「んふっ、えほっえほっ…………うっ、あぁ…………(ポロポロ)」


八幡「……(スタ……スタ……)」


川崎「……ひぐっ…………うぅ…………うっ(ポロポロ)」


八幡「(ピタッ)」

八幡「川崎(ポンポン)」


川崎「うぐ…………んっ……?(ポロポロ)」


八幡「心配しなくていい……」

八幡「しばらくここにいてくれ」

八幡「……俺があいつを…………ぶっ倒す」
180 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/30(土) 00:41:16.87 ID:EkiK4F1EO


[病院前]


戸塚「あれっ、八幡!? 動いて大丈夫なの?」


八幡(瓦礫の下敷きになったぽい人が広い場所に座らされてる……。この全員を戸塚が……?)

八幡「ああ。なぁこのあたりでトランクケース見なかったか?」


戸塚「あれじゃないかな。落ちてた荷物はあそこに集めてあるから、あっちに置いてなかったらわからないな」


八幡「助かるぜ戸塚」


戸塚「いいよいいよ。それよりどうしてトランクケース?」


八幡「ちょっとな」

八幡(あった……!)

八幡(平塚隊長がなんかガチャガチャやってたが俺の刀だけ持ってったのか……)

八幡(先生のゼイレを考えると、武器と同時に装備の機能まで使えないからな……)

八幡(とりあえずこれを装着してっ(ズババッ)」


戸塚「えっ……」


八幡「よし!」

八幡(システム起動)

八幡(…………よし、ゼイレはある程度吸っただろうから補助を作動させて……)

八幡「待ってろ……!(ダダダダダダダダッ!)」


戸塚「えっ? えっ!? 八幡!?」
181 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/30(土) 12:03:57.93 ID:EkiK4F1EO


[千葉大規模避難所付近]


平塚「くっ…………」


メンシュハイト「…………」


八幡「隊長!(ダダダッ)」

八幡(一帯が瓦礫の海だ……。


平塚「比企谷!?」


八幡(あれが例のメンシュハイト……)

八幡(……ただの子供にしか見えねぇ)

八幡(……とりあえずは隊長を回収だっ(バッ))


平塚「うおっ、な、なにを!」


八幡「安全な場所へ(ダダダッ))


平塚「お前っ、まさかアレと戦うつもりか!」


八幡「…………(ダダダッ)」


平塚「…………ふっ、そうか。…………私はもう限界が近くてな。替わりが欲しかったところだ」
182 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/30(土) 12:05:27.75 ID:EkiK4F1EO


八幡「間に合ってよかったです…………」


平塚「ああ本当にだ。あと数分もすれば判断力が完全に鈍ってやられていたな」


八幡「戦闘員を引退したのに無理するからですよ」


平塚「……その通りだ」


八幡「(スタッ)。隊長はここにいてください。武器は持って行きます」


平塚「……ああ」

平塚「…………ひとつ、いいか。奴の行動パターンだが」

平塚「『読みやすい動き』の一言だ。けれども、勝てない。次にどうくるかわかっていても、力の差がありすぎて対応しきれない」

平塚「こちらで相手の動きをコントロールしようとも、避けるのに精一杯でどうにもできなかった……」


八幡「……わかりました。それじゃ、休んでいてください」


平塚「ああ……任せたよ」


八幡「はい(ダッ)」
183 : ◆hr9g98PXaA :2017/10/02(月) 00:09:30.60 ID:6qRxb5VaO
しばらく忙しくて続き書けなさそう……
すまん
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 00:22:11.88 ID:mGEYnzjC0
ええんやで待っとるで
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 01:06:37.84 ID:S7MdMo4QO
楽しみにしてる!
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 05:47:03.69 ID:3SC5j+QlO
なあに気にするな
SS書き手にとって「突然忙しくなって更新が遅くなる」のと「突然書きためてたデータが消える」のと「突然事故や病気になる」のはよくあることだ
187 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/03(火) 08:43:09.48 ID:yRRBELQMO
助かる
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 13:51:54.07 ID:b1HBVHXGO
謎のオリジナルよりもンゴとかキモすぎる
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/04(水) 23:10:06.70 ID:90dgmCLv0
追いついた
見てるで
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 11:44:31.94 ID:aTLoTJdco
しずちゃんも歳には勝てんかったか
191 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/06(金) 00:45:52.00 ID:5BeJpYq/O
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/06(金) 09:12:14.75 ID:wY/foiIOo
えぇ〜サキサキにこう言われたらもう待つしかないじゃん・・・
193 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/09(月) 20:11:35.23 ID:DfI2lJQEO


 ──


「昇進、本当におめでとう。だが、適度に体を休めるように。無理して好転することは何もないからな」


「…………休みたい気分じゃないんで」


「……………………」

「…………メンシュハイトとはどこから来るのか、ゼイレとは何か、考えたことはあるだろう?」


「まあ、そうですね。…………質問の焦点は……判明していない部分、であってますか?」


「そうだ。正確には……」


「判明してるんですよね」


「…………ああ」
194 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/09(月) 20:15:35.47 ID:DfI2lJQEO


「もう10年も経ってます。サンプルが不足しているようなことはないはず」

「いつまでも自分の敵も武器も知らないままでいられないでしょ」


「人間は臆病だからな……。恐怖を前に目を閉じるか、怯えぬよう根を暴くか、あるいは己を欺くか……。そうして安らぎを得る」

「…………此度の人類は、真実を求めた」


「…………まぁ、みんなうすうす気づいてますよ。その真実ってのに」


「…………」


「あんな間近で死体を見て、メンシュハイトがいかなる生物なのかわからないはずがない」

「……人から生まれる強大なエネルギーのありかを察せないはずもない」


「…………おそらく、私は還暦どころか中老にすら届かないかもしれない」
195 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/09(月) 20:21:12.36 ID:DfI2lJQEO


「……」


「……歳を重ねるごとにわかってしまうんだよ。もうすぐそこまで終わりが迫っていることが」

「そして君は……このままなら、今の私の歳と並ぶことなく尽きる」


「…………」


「……休息は必要だ」

「………………ではな」


「………………もう、人類に休んでる暇はないですよ」


「…………」


 ──
196 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/09(月) 20:23:50.50 ID:DfI2lJQEO
時間はかかるけどしっかり完結させるで
ほな、また……
197 : ◆hr9g98PXaA :2017/10/09(月) 20:24:57.37 ID:DfI2lJQEO
すま上げるわ
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/10(火) 05:21:26.89 ID:V2O9xYFFo

気長に待っとるで……
199 : ◆hr9g98PXaA :2017/10/10(火) 22:08:18.62 ID:EF3UfJhIO


[千葉大規模避難所前]


海老名『リンクできた。ゼイレ供給開始します』

海老名『15分後に日本防衛軍が駆けつけるからそれまではなんとか持ちこたえて!』


八幡「了解」

八幡「……戦闘、開始する(ダッ)」


海老名『…………なんか私がサポート頼まれたから詳細話すね』

海老名『対象の身長は140センチ程度。小柄。歩行速度は日本人平均以下だけど、だいたい1時間おきに数キロから数百キロ転移する』


八幡「なんだよそれやべぇな……。運良く避難所に着く前に転移しねえの?」


海老名『これまでのパターンから次の転移は30分から40分後。残り時間と進行方向から……確実に避難所は通過する』


八幡「…………」
200 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/10(火) 22:09:50.03 ID:EF3UfJhIO


海老名『攻撃方法は、接触した物質の爆破。物体と接触した部分だけが爆破してるみたい。自身に対する爆破のダメージはおそらくないかな』


八幡「普通に歩いてるように見えるけど足裏は攻撃通るのか?」


海老名『うーん………………。足裏への攻撃はまだ確認されてないから試す価値はあるかも』


八幡「了解」

八幡「平塚先せ……隊長の話だと普通に戦って勝てるとは思えないんだが。何か対抗策は立ってないのか?」


海老名『研究チームが検証中。今がってる案で一番現実的なのは……ゼイレ枯渇を狙う、とか』

海老名『正直それ以外の案は、検証のしようがなくてね…………』


八幡「じゃあそれで行くわ。ついでに今俺が検証出来そうな案を伝えてくれ」


海老名「わかった。それじゃ……」
201 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/10(火) 22:11:04.61 ID:EF3UfJhIO


[比企谷家]


リポーター『先ほどの青年が戻ってきました! 女性隊員から受け取った刀状の武器を持って駆けていきます!』


ニュースキャスター『彼ひとりで大丈夫なんでしょうか……』

ニュースキャスター『……あ、はい。はい。…………大規模避難所から、住民がでてきたとの報せがありました』

ニュースキャスター『避難所の出入り口は小さいですので全員が退避するまでかなりの時間が……』


小町「え…………」

小町「…………(ダダダッ)」

小町「……お兄…………ちゃん…………?」
202 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/10(火) 22:14:50.06 ID:EF3UfJhIO


[大規模避難所]


男「さっさと行け!」


女「はやくして!」


男「テメェ押すんじゃねぇ!」


女「子供が!」


男「黙れ!」


女「みなさん落ち着いて!」


男「止まるんじゃねえぞ…………」


大志(くっ、自己中なやつらばっかりだ! 自分を優先する人間が多すぎて施設外への排出が非効率的になってる)

大志(こんな圧迫されちゃ、小さい子供じゃなくても圧死する!)

大志「……ッ」

大志(姉ちゃんはいないんだ……)

大志(俺が……家族を守らなきゃ……)
203 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/10(火) 22:16:03.28 ID:EF3UfJhIO


[防衛軍基地支部・休憩室]


由比ヶ浜「疲れた……。休憩室に来るのも一苦労だね…………」


雪ノ下「ええ……」


由比ヶ浜「どうしよう……。ヒッキー無事かな……」


雪ノ下「隊長が向かったのだから……きっと、大丈夫よ。それに、川崎さんもいるのでしょ?」


由比ヶ浜「うん……だけど……」


三浦「ちょっ、ふたりとも!」


由比ヶ浜「あっ優美子」


雪ノ下「私もかしら」


三浦「あのモニター!(ずびしっ)」


雪ノ下「……………………ッ」


由比ヶ浜「……………………どうして、ヒッキーが……」
204 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/10(火) 22:17:10.98 ID:EF3UfJhIO
ほな、また……
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 06:28:34.65 ID:3lQB8oN/o
乙やで……
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 17:28:55.22 ID:6Cp4/KIKo
SSが投稿されるようになること、それはもちろん嬉しいけど
一方で間が空きすぎたせいか
ttps://novel.syosetu.org/135923/(R-18注意)
みたいなのも出てくるようになって
コンテンツを食いつぶされるようでそれが悲しい
207 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/13(金) 00:20:13.97 ID:MDnKtC92O


[大規模避難所前]


1等級メンシュハイト「……(てくてく)」


八幡「対象に最接近……第一撃、仕掛ける(ダダダッ)」


海老名『……んっ!』


八幡(左足を地面から離した瞬間に、地面すれすれから斬り上げる)

八幡(…………ッ! 今!(シュッ)」


 ──キン……ッ!


海老名『避け──!』


 ──ドンッ!!!


海老名『……比企谷くん!!』
208 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/13(金) 00:21:22.04 ID:MDnKtC92O


八幡「…………」

八幡「(ガバッ)…………回避成功した。俺は大丈夫。しっかし硬え……」

八幡「それに爆発の威力やべえし……。もろに食らったら体の5、6割は持ってかれそうだ」

八幡「……」


1等級「……」


八幡「……メンシュハイト、ノーダメージっぽいわ」


海老名『……そうだね……。比企谷くん、相手が臨戦態勢に入る。気をつけて』


1等級「(クルッ……)」


八幡「……おう」

八幡(次は顔面に……!(シッ!))


 ──ドンッ!!!!


八幡「っぶね(ゴロン)」
209 : ◆hr9g98PXaA [sage saga]:2017/10/13(金) 00:22:47.32 ID:MDnKtC92O


1等級「……(スッ)」


海老名『離れて!』


八幡「(ザッザッザッ)」


 ──ドドドドンッ!


八幡(……! 爆風に押される……)

八幡(立て直して……攻撃再開だ)

八幡(次は眼球!(ダダダッ)(ザンッ!)」


メンシュハイト「…………」


八幡「……ッ」

八幡(サイドステップで回避!(ササッ))


 ──ドンッ!!!!
210 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/13(金) 00:23:58.08 ID:MDnKtC92O


八幡(次は首筋!(シュッ!))


 ──ドンッ!!!!


八幡(次は……、……ッ! 爆風で舞った粉塵の向こうから手が……反撃か)

八幡(傍を走り抜けて回避っと)

八幡(今度はアキレス腱!(シュッ!)同時に攻撃範囲から離脱(サササッ)」


 ──ドンッ!!!!


八幡(攻撃の強弱で爆発の大きさが変わってるわけじゃないな)

八幡(次は側頭部だ(シッ!))


 ──ドンッ!!!!


八幡(攻撃箇所でも爆発の大きさに影響なし……)

八幡(ゼイレを込めたらその分大きくなったりしないのか?)

八幡(一度退避しよう(シュシュシュシュッ))


1等級「…………」


八幡(追っては来ない……か)

八幡「海老名さん」


海老名『……』


八幡「海老名さん!」


海老名『……あっ、はいはい。ごめんね。……ちょっと戦闘のレベルが高くて呆然としてた……』
211 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/13(金) 00:25:50.75 ID:MDnKtC92O


八幡「…………。いま打ち込んでみた感じ、攻撃の強弱で爆発の大きさに変化はなし。次はゼイレの出力変えて攻撃してみる」


海老名『了解。もしゼイレの量を増やしてありえないくらいの大爆発とかすると危険だから慎重に』


八幡「ああ(ダダダダダッ)」

八幡(こいつ、平塚隊長の言った通り読みやすい攻撃だ(シュッ)」


 ──ドンッ!!!!


八幡((ゴロンッ)だけど一撃でももらえば最悪戦闘不能になる)

八幡(爆風で飛び散る瓦礫も洒落にならない威力だ。デカイのが直撃すれば痛手を負うかもしれない(ザシュッ))


 ──ドンッ!!!!!


八幡(攻撃を当てること自体は容易。そのかわり、攻めきれない)

八幡(こいつが反撃のペースを上げるようなことがあれば、致命傷は避けられても手傷は増え続けコンディションは悪化し続ける)

八幡(そして……対応しきれなくなる)

八幡「……ッ(ヒュッ)」


 ──ドンッ!!!!!!


八幡(一度離脱しよう(ザッザッザッザッ))
212 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/13(金) 00:27:40.03 ID:MDnKtC92O


海老名『……ゼイレの出力と爆発の規模、比例してる』


八幡「みたいだな」


海老名『そういえば、検証できそうな案なんだけど……』

海老名『鞭か輪っか状の武器持ってる?』


八幡「いや」


海老名『うーん、そっか』


八幡「それってどういうのに使うんだ?」


海老名『メンシュハイトを縛るか、体の一部にはめて、武器の耐久値が尽きるまで半永久的に爆発させ続ける……っての』

海老名『これまで比企谷くんほど接近した兵がいなかったから試すなら今がチャンスかなって』


八幡「……無理だろ」


海老名『……やるだけやってみたいじゃん?』


八幡「てかそんなハメ技みたいな案の立案者誰だよ絶対ゲーマーだろ」


海老名「えー……立案者は………………小田くん、だね」


八幡「モンハン野郎…………」

八幡「次は」


海老名『えー、まず、落とし穴に落とす。落下して地面にぶつかる時にメンシュハイトは爆発。それで穴が広がって、また落ちる。地面に衝突した瞬間に爆発。穴がまた広がって……って、爆発の連鎖を使ってエンドレス採掘地獄……とか』

海老名『これは一度試そうとしたんだけど、メンシュハイトが落とし穴にたどり着く前に転移しちゃって…………』
213 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/13(金) 00:28:26.65 ID:MDnKtC92O


八幡「……また似た手の案だけど…………」


海老名『うん…………これは田原くん…………』


八幡「モンハンコンビいい加減にしろよ。それよりあいつらも防衛軍だったのかよ」

八幡「でもまあ……どっちも悪くはねえけど。……実現は難しいな」

八幡「小田の案は手持ちがなくて無理。田原の案は地震を引き起こしそうでリスクが高い。こっちも無理だ」


海老名『じゃあ……口の中を直接攻撃するってのは?』


八幡「あー、やってみる」


海老名『ほかに目、鼻、耳、肛門、とか』


八幡「目はやったけど他と変わらなかったぞ。多分粘膜への攻撃はそんな関係ないかもしれないな」


海老名『そーかもだね……』


八幡「まあ試すだけ試すしかねえな(ダダダダダッ)」
214 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/13(金) 00:30:37.25 ID:MDnKtC92O
ほな、また……
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 03:14:41.70 ID:9Tjwutfbo
おもろいなぁ……乙やで……次も楽しみに待っとるわ……
216 : ◆hr9g98PXaA :2017/10/14(土) 11:38:11.32 ID:TjS86gLzO


[防衛軍基地本部]


八幡『ダメだわ。やっぱ攻撃通らねえ』

八幡『ほかに試せそうなのは?』


海老名「ごめんほかにはもう……」


八幡『……了解』


海老名「こっちでもっと調べてみるね」


八幡『このペースだと……』


海老名「……わかってる」


八幡『それじゃ(プツッ)』


司令官「……海老名隊員……彼が、君の言っていた『昏睡状態にあった隊員』、で間違いない……のか……?」


海老名「…………はい。1か月近く目を覚まさなかったはずなんですけど……」


観測員「……寝起きにしては動きがよすぎる」


観測員B「あっ、彼が比企谷くんか!?」


観測員C「比企谷?」


伝達員「最近昇進しまくってたあの……」


観測員C「オーストラリアの生き残りってこの子だったのか……」


司令官「…………今日までの期間で、あの時受けた傷が完全に癒えたとは思えない。それでこの実力か……」


観測員「彼のおかげで足止めはできていますが、このままだと…………転移前に…………」


司令官「……ああ。…………援軍が来るまでは彼に耐えてもらわなければならない……」


海老名「比企谷くん……」
217 : ◆hr9g98PXaA :2017/10/14(土) 14:51:50.58 ID:TjS86gLzO
218 : ◆hr9g98PXaA :2017/10/14(土) 14:56:07.90 ID:TjS86gLzO
↑なぜか書き込めなかったからテストで送信した



ほな、また……
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/14(土) 15:11:07.34 ID:/xwx7uSSO
>>55
進行wwwwwwwwww
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 17:04:54.81 ID:Z1QoC2Fho

絵もいけるじゃん!待ってるぜ!!
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/15(日) 02:27:03.93 ID:UZJOCY8Ko
まてや、絵もいけるんならRきて挿絵込みのハチサキ書いてくれ
222 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/15(日) 11:48:12.20 ID:ysYdYCjvO
>>220
サンクス!
223 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/15(日) 11:59:57.99 ID:ysYdYCjvO
>>221
エロ絵描かないから描けないねん……すまんな……
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/16(月) 20:29:16.90 ID:MUrdrvW4o
SSが投稿されるようになること、それはもちろん嬉しいけど
一方で間が空きすぎたせいか
ttps://novel.syosetu.org/135923/(R-18注意)
みたいなのも出てくるようになって
コンテンツを食いつぶされるようでそれが悲しい
225 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/22(日) 13:45:30.59 ID:WSymhXQDO
すまんまだかかりそう
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/22(日) 14:55:23.23 ID:QCBKd/cNo
焦らなくてもちゃんと待ってるぞ!
227 : ◆hr9g98PXaA :2017/11/01(水) 23:56:32.47 ID:+ShFh3J5O
 相手の動作は単純だ。ゲームで言うなればイージーモードだろう。

 つまりはそれほどに、容易い戦闘だ。だが、勝つことができないのだ。


 デザートイーグルを乱れ撃つ子供に、殺傷能力を欠いたおもちゃの剣で挑んでいるようにさえ思えた。

 回避をわずかでも誤れば、身体は欠ける。折悪しく命を落とすこともあり得るだろう。

 それでも、こちらは相手に同等の被害を与えることはできないのだ。

 一方的な戦いは切り立った崖の淵で踊っているようなもので、俺はそれを必死になって先延ばしにしている。それが現状だ。


「比企谷くん! 対象のメンシュハイト、進み始めた」


 メンシュハイトの攻撃をかいくぐっていると、通信機から海老名さんの言葉が聞こえた。


 その声に返すことはない。彼女の話したことは、この場にいる俺が誰よりもわかっている。
228 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/11/01(水) 23:58:32.52 ID:+ShFh3J5O


 対象のメンシュハイトは、はじめこそ忌々しげに俺を相手取っていた。

 つい数分前、なにかの区切りでも迎えたように変化は訪れた。

 時が経つにつれて動きはおざなりになり、俺に対する興味を失い始めていたのだ。


 メンシュハイト一体とこれほどの時間戦闘したことがなかったために、対象の変化を予測できなかった。

 海老名さんの様子から、それは指示を出す本部も同じようだった。


 まだ進路上の退避が終わっていない。引くことはできない。だからといって頼んで止まってくれるような相手ではなかった。


 なにかしらの被害を承知で他の案を試すしかないのだろうか。

 案のひとつにあったエンドレス採掘地獄が可能ならば、足止めになるだろう。

 この案のリスクでもっとも大きなものは地震の誘発。次に爆発の衝撃による周辺の建造物崩壊。

 もしかすると後者も前者と肩を並べるほどに危険性がある。

 避難所は衝撃に耐えうるとしても、周辺の民家は再起不能な損害を受けてしまうかもしれない。加えて、地形が変わってしまい、町が致命的な損害を被る。
229 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/11/02(木) 00:00:40.91 ID:Ea+ObaJfO


 そうなったとき、俺は責任を取りきれない。何千人、何万人の生活を保障するなど到底できない。


 ここで対象を地下深くへ誘えば、多くの県民の帰る場所は奪われる。そしてその数の何倍もの人は被害なく救われるだろう。

 ここで避難の方を促し対象を見逃せば、この地域の損害は抑えられる。そして転移先のどこかの誰かが大勢死に、帰る場所を失う。


 俺には選べない。誰かに責任を押し付けたとしても、心の奥深くに杭となって残り続ける。果ては責任を負いきれずに自ら命を絶つことになるだろう。


 防衛軍に身置いたときにはすでに、この末路が彼方で待ち構えていたのだろうか。

 俺は初めからまちがっていたのだろうか。


「はぁぁぁあああっ!!」


 剣先が鈍る。それでも結果は変わらない。相手に傷はなく、爆発が起き、俺はそれを避ける。


 着々と歩みは進み、まだ避難の終わらない大規模避難所が迫る。

 何度もなんども斬り込み、爆発を交わし、また斬り込んで、交わす。

 歩みは止まらない。
230 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/11/02(木) 00:02:03.74 ID:Ea+ObaJfO


 攻撃と回避の回転数を限界まで上げる。意識が飛びそうになるほどの集中のなか、斬ることと避けることのみを頭に浮かべ動き続ける。


「焦らないで比企谷くん!」


 思考を捨てた。いや、考えられなくなった。

 己が原因で多くの人が死に至る。その事実が恐ろしく、身を押し潰そうとする重圧を打ち砕くべく無心で剣を振るっていた。


 俺が対象の正面に斬りかかったときだった。

 不意に、メンシュハイトの口元がほんの僅か緩む。


 咄嗟に後方へ飛ぶが、メンシュハイトは踏み込んできた。


「──テメェ……謀ったな!!」


 待っていたのだろう。俺を確実に仕留められる「その時」を。

 注意力を欠いた俺はついにその時を現実にしてしまった。


 無邪気な笑顔が近づいてくる。


 鬱陶しい蝿をようやく仕留められるというような、悪意のない笑顔。
231 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/11/02(木) 00:03:56.58 ID:Ea+ObaJfO


 でも、これでいいのかもしれない。

 俺は頑張った。本当に、これまでにないくらいに頑張った。誰も責めることはないだろう。

 殉職した数多くの仲間と同じように、数ある死のひとつとしてひっそりとどこかに記され、それで終わる。

 そんなものだ。


 諦観の念にも似た卑屈な言葉を並べていると、それは見えた。


「────」


 駆けてくる女性と、なにかを叫ぶ少女。

 どちらの影も遠く精彩な輪郭は見てとれない。

 でも、俺にはわかる。


 なにを思い駆けているのか。

 なにを思い声を上げるのか。


 わかる。わかるから、わかってしまったから、俺は歯を食いしばり、身をよじった。


 ふたりの悲痛な顔は、俺自身に身を裂くような痛みを生じさせた。

 だから、避けられない攻撃から逃れるべく、全身全霊で右へ踏み込んだ。
232 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/11/02(木) 00:06:25.66 ID:Ea+ObaJfO


 メンシュハイトが俺の胸をめがけての伸ばした手は、すんでのところで軌道を外れ、俺の左肘に触れる。

 下半身はいまだその場に残っている。このままではメンシュハイトが直撃し、下半身は吹き飛ぶ。


 そのとき、俺の左腕は弾けた。


 爆発の衝撃は、体をよじったために不安定な体勢だった俺の体を、軽々吹き飛ばした。


 不幸中の幸いだな。腕を失ったおかげで、両足は健在。

 うつ伏せになった体を起こしながら、剣を握ったままの右手の甲を左腕の肩口へと当てる。

 ゼイレにより瞬時に熱せられた手袋は肉を焼き、無理やり傷を塞いだ。煙とともに顔を背けたくなる悪臭が鼻をつく。激痛にも顔をしかめるが、どうにも笑みがこぼれてしまう。
233 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/11/02(木) 00:11:30.36 ID:Ea+ObaJfO


「…………決まったと思ったか? ……残念。あいにく、俺はまだ立てる。そして、もうお前に隙を見せる気はない」


 なぜだか、俺は清々しいほどにすべてがどうでも良くなった。

 先ほどの諦観とはまるで違う。後先を考えずにことを成せる、いわば勇気のようななにか。


「……」


「彼女にかっこ悪いところは見せられねえんだ。…………だから俺は死なない。そしてお前はここで[ピーーー]」
234 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/11/02(木) 00:17:22.46 ID:Ea+ObaJfO
こっちの方が伝えやすいから書き方変えたで 読みづらいなら書き方戻すから言ってクレメンス
まだしばらく忙しいから次の投稿も時間が空きそう
ほな、また……
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/02(木) 05:24:09.19 ID:d71h9j6+O
読みづらいくて読む気起きなかったから全部飛ばして…
元のが私は良いです
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