サーバル「ジャパリスクールってなになにー!?たのしそー!!」

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7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 17:20:05.20 ID:VK5f6lH+o
ラッキービースト『ココハ ビジュツシツ ダヨ ココデ フレンズタチハ エヲカイテイタンダ』

かばん「絵をですか」

サーバル「これなにかな?」

かばん「筆、みたいだね」

サーバル「ふで? ふでってなに?」

かばん「絵を描く道具だとは思うんだけど」

サーバル「そうなんだー」

ラッキービースト『ウシロヲミテ』

かばん「はい? あ、絵がたくさんある……」

ラッキービースト『アレハ フレンズタチガ カイタ エ ダネ』

かばん「みなさん、とても上手……」

ラッキービースト『ココデ エヲカクレンシュウヲ シタカラダロウネ』

かばん「すごい……」

サーバル「あっれー? かばんちゃん、このふで、壊れてるみたい。何もかけないよー?」

かばん「そうなの? 描く道具じゃないのかな」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 17:28:56.89 ID:VK5f6lH+o
ラッキービースト『ココハ リカシツ ダネ』

かばん「ここでは何をしていたんですか?」

ラッキービースト『ジッケンヲ シテイタハズダヨ』

かばん「実験?」

サーバル「なにこれ、なにこれー? いろんなコップが置いてあるー。このさんかくのコップなんて面白い形してるー」

かばん「けど、水や紅茶を飲んだりするには向いてないかも」

サーバル「それじゃあ、何を飲むんだろー?」

かばん「そもそもコップなのかな?」

サーバル「うみゃぁ!?」ビクッ

かばん「どうしたの?」

サーバル「こ、これ……な、なんだろう……」

かばん「わぁぁ!? ほ、骨になったフレンズ……さん……?」

サーバル「えぇぇ!? なんでー!? どうしちゃったのー!? ジャパリまん食べれなかったのかなぁ!? かわいそー!!」

かばん「わからないけど……。ええと……どうしたらいいんだろう……ちゃんと土に還してあげたほうがいいのかな……」

ラッキービースト『アンシンシテ ソレハツクリモノダヨ』
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 17:36:09.17 ID:VK5f6lH+o
ラッキービースト『ココハ カテイカシツ ダネ ココデハ リョウリヲ ツクレタリスルヨ』

かばん「料理を? このスクールって色んなことができるんですね」

ラッキービースト『ベンキョウスルトコロダカラネ』

かばん「それにしたって……」

サーバル「これなにかなー?」ペシッペシッ

かばん「白い箱……」パカッ

サーバル「おぉー。中はどうなってるのー?」

かばん「この箱の中、とっても涼しい。むしろ寒いくらい」

サーバル「えー? どうしてどうしてー? なんでここだけ冬なのー?」

かばん「なんでだろうね」

ラッキービースト『レイゾウコダネ コノナカニ タベモノヲイレテオクト ナガモチスルヨ』

かばん「そういう使い方ができるんですね」

サーバル「それじゃあ、ジャパリまんいれとこーっと」

かばん「ジャパリまんは保存しなくてもいいんじゃない?」

ラッキービースト『ホカニモ イロイロナキョウシツガアルヨ。セッカクダカラ ミニイコウカ』
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 17:45:50.97 ID:VK5f6lH+o
―体育館―

サーバル「みてみてー、かばんちゃーん!! 色んなボールがあるよー!!」コロコロ

かばん「種類が多いね。遊びによってボールを変えていたのかも」

サーバル「それにしても広いよねー。今までみてきたどの建物よりも広いよー」

かばん「うん。ここまで広いってことは、とても多くのフレンズさんが利用していた場所なんだろうね」

サーバル「なんでそこまでわかるの?」

かばん「ひとりやふたりのためにこんなに大きな場所は作らないだろうし、どの教室にも椅子と机がたくさん並んでいたから、そうかなって」

サーバル「すっごーい!! さすがかばんちゃんだね!! 私、全然気が付かなかったよー!!」

かばん「あはは……」

ラッキービースト『イチバン オオイトキデ 300ニングライノフレンズガイタミタイダヨ』

サーバル「300ぅ!? それって、それって、どれぐらいー!? 想像できないよー!! ね、かばんちゃん?」

かばん「……」

サーバル「かばんちゃん? どうしたの?」

かばん「あ、ごめん。それだけ多くのフレンズさんたちと一緒に遊んだり、料理したりできたら楽しそうだなって」

サーバル「そうだねー。セルリアンが出るといけないから、みんなが同じちほーに集合することってあんまりないし」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 17:56:44.55 ID:VK5f6lH+o
ラッキービースト『ソレニ フレンズタチニハ ナワバリガアルカラネ サーバルミタイ二 タクサンイドウスルフレンズハ トリケイイガイデハ メズラシイヨ』

サーバル「私って珍しいの? 隣のちほーぐらいなら遊びにいってたけどなー」

かばん「スナネコさんやキタキツネさんはあんまり移動しなさそうだけどね」

ラッキービースト『イドウシテモ トナリノチホーグライガ イッパンテキダネ』

サーバル「それじゃあ、私は変じゃないねっ。よかった」

かばん「そこを気にしてたんだ」

サーバル「でも、昔はここまでたくさんのフレンズが来てたんでしょ? 隣のちほーからみんなが来たとしても300も集まるかなぁ」

かばん「さばんなちほーやじゃんぐるちほーからは遠すぎるよね。ラッキーさん、やっぱり利用していたのは隣のちほーにいるフレンズさんだけなんですか」

ラッキービースト『トオクノチホーカラモ サンカシテイルフレンズモ タクサンイタヨ ムカシハ バスガタクサンアッテネ ジャパリスクールバスナンカモハシッテイタンダ』

かばん「スクールバス……」

サーバル「ジャパリバスとは違うの?」

かばん「きっとこのスクールに通うためだけのバスがあったんじゃないかな? 遠くのちほーにいるフレンズさんはそれに乗って、ここまで通ってたんだよ」

サーバル「それなら、ここってすっごく楽しい場所だったんだね」

かばん「うん。きっとそうだよ」

サーバル「すごいねー。たくさんのフレンズが絶対に集まる場所かぁ」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 18:19:25.33 ID:VK5f6lH+o
―保健室―

ラッキービースト『ココデハ タイチョウヲクズシタフレンズガ キュウケイシテイタンダ』

サーバル「わーい! 休憩しよー!!」

かばん「サーバルちゃん、体調悪いの?」

サーバル「わるくないよっ!」

かばん「よかった」

サーバル「けど、ちょっと疲れちゃったかも。ここって見て回るだけでもたいへんだもんね」

かばん「確かに。まだまだ教室あるみたいだし」

サーバル「全部みるだけで一日終わっちゃうよぉ」

かばん「……」

サーバル「かばんちゃん?」

かばん「あ、ごめん。なに?」

サーバル「なにか考えてたの?」

かばん「うん。ちょっと想像してた。ここでたくさんのフレンズさんが一緒に遊んだり勉強したりするところ。それが毎日ならとっても素敵なことだなぁって」

サーバル「うんっ。わたしもそう思うよ! あ! だったら、みんなに来てもらえばいいんじゃない? 今から呼びに行ってみる?」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 18:38:07.20 ID:VK5f6lH+o
かばん「みんなって?」

サーバル「カバでしょー、カワウソでしょー、ジャガーでしょー、アルパカでしょー、トキでしょー、スナネコでしょー、ツチノコでしょー、ビーバーとプレーリーもいるし、あとハシビロちゃんやライオンにヘラジカに――」

かばん「ちょ、ちょっと待って、サーバルちゃん。もしかして、今まで出会ったフレンズさん全員を呼ぶの!?」

サーバル「だめなの?」

かばん「ダメというか、そこまでの大人数だと一か所には集まりににくいんじゃなかったの?」

サーバル「そっかー。嫌がる子もいるよね」

かばん「隣のちほーのフレンズさんに声をかけるだけでいいんじゃないかな。それで数人のフレンズさんが来てくれたら十分だと思うし」

サーバル「かばんちゃんがそう言うなら、そうするねっ」

かばん「無理矢理連れてくるつもりだったの?」

サーバル「よーし、早速誘ってみようよ!!」

かばん「ここから一番近いのは……」

ラッキービースト『ココカラダト ヘイゲン ト コハン ガチカイネ』

かばん「ライオンさんやビーバーさんがいるところですね」

サーバル「わーい!! あそこのフレンズならみんなきてくれそー!!」

ラッキービースト『イッテミル?』
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 19:03:38.56 ID:VK5f6lH+o
―へいげん―

ライオン「うーん。すっごく面白そうではあるけどなぁ」

サーバル「でしょでしょ!」

ヘラジカ「しかし、私たちはそう簡単に離れるわけにもいかないからな」

ライオン「セルリアンが出たときに他のフレンズを守ってあげられなくなっちゃうと困るからねぇ。かといって全員で移動するにはちょっと遠いよね。みんな一緒にはバスに乗れないしさぁ」

サーバル「えー!? ダメなのー!?」

かばん「仕方ないよ、サーバルちゃん」

サーバル「うん……」

ライオン「私とヘラジカはダメだけど、他の子なら連れていってもいいよー」

ヘラジカ「誰か、ジャパリスクールとやらへ行きたいものはいるか」

アルマジロ「どうする?」

ヤマアラシ「ヘラジカ様のお傍を離れて遊ぶのも気が引けますぅ」

オーロックス「私も大将から離れるわけにはいかないな」

サーバル「そっかぁ……」

ハシビロコウ「……」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 19:41:07.04 ID:VK5f6lH+o
ライオン「みんなぁー? いきたくないのかぁー?」

オリックス「いざというときのために複数は残っていたほうがいいかと」

ツキノワグマ「大きいセルリアンが出てきたら流石の大将も危ないもんね」

ライオン「えー? 折角、かばんとサーバルが誘ってくれているのにぃ?」

かばん「あの、そんな無理にとはいいませんし、僕たちもできればいいなーってだけですから」

ライオン「そう? なんかごめんねぇ」

ヘラジカ「無理矢理はお互い楽しめないからな」

かばん「他のところに行ってみます」

ライオン「うん、また気が向いたら誘ってよ」

かばん「ありがとうございます」

サーバル「ざんねんだなぁー……」

ラッキービースト『ツギハ ドコヘイコウカ』

かばん「ここまで来たらこはんはむしろ遠くなるから……」

サーバル「図書館に行ってみない? はかせたちなら来てくれるかもしれないよ」

ハシビロコウ「……」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 19:52:07.98 ID:VK5f6lH+o
―図書館―

オオコノハズク「スクール……。学校のことですね」

ワシミミズク「学校ですか」

かばん「どうでしょう?」

オオコノハズク「我々はこれ以上、勉強する必要はないのです。賢いので」

ワシミミズク「我々は既にたくさん勉強しているのです。賢いので」

サーバル「それもそっかー……」

かばん「あの、でしたら教える側に来てもらえませんか?」

オオコノハズク「教える側、ですか」

かばん「学校の先生としてなら適任かなぁって思うんですけど」

ワシミミズク「先生、ですか」

オオコノハズク「先生……」

かばん「ダメ、でしょうか?」

オオコノハズク「考えておきます」

かばん「よろしくお願いします」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 20:42:24.93 ID:VK5f6lH+o
―こはん―

プレーリードッグ「学校、たのしそうであります!!」

ビーバー「いいっすね。是非、参加してみたいっす」

サーバル「やったぁー! やったよ、かばんちゃーん!!」

かばん「ありがとうございます」

プレーリードッグ「みんなでお勉強なんて、絶対に面白いでありますよぉ」

ビーバー「おれっちもかばんさんから学びたいことたくさんあるっすから」

かばん「ぼ、ぼくからですか!?」

ビーバー「ちがうっすか?」

プレーリードッグ「私もてっきりかばん殿が教えてくれるものだと思ったでありますが」

かばん「教えてくれるのは多分、はかせさんになるかと」

ビーバー「なるほどぉ。あ、そうなるとジャパリまんをいくらか用意しないといけないっすね……。2個でたりるっすかね。でも、長時間になるなら10個でも足りない可能性も……」

サーバル「はかせたちがダメならかばんちゃんが教えてあげればいいんだよ」

かばん「えぇー!? な、何を教えれば……」

サーバル「何がいいかなー? あ、飛行機の作り方とかどうかな!?」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 21:07:50.68 ID:VK5f6lH+o
かばん「あれは簡単にできちゃうと思うんだけど」

サーバル「できないよぉ」

ビーバー「おれっちたち以外にどんなフレンズが来るんすか」

かばん「それが他のフレンズさんからはまだいい返事をもらえていなくて」

サーバル「プレーリーとビーバーが最初のスクールフレンズだよ」

プレーリードッグ「そうだったのですか! それは光栄であります!!」

ビーバー「はかせはちがうんっすか」

かばん「考えてはくれるといっただけで、確定したわけじゃないんです」

ビーバー「そういうことっすかぁ」

プレーリードッグ「我々だけでも良いスクールにできるでありますよ。ところで、いい感じに掘れるところはあったりするでありますか?」

サーバル「グラウンドっていうんだけど、すっごく広いお庭があるんだよー」

プレーリードッグ「おぉぉ!! それは掘り甲斐がありそうです!!」

かばん「あまり掘らない方がいいような……」

ビーバー「できるだけ集まって欲しいっすね」

かばん「はい。けど、皆さんは皆さんの事情がありますから」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 22:39:15.37 ID:VK5f6lH+o
―ジャパリスクール グラウンド―

プレーリードッグ「うおおお!! これは素晴らしいであります!! 穴!! 穴を掘りたくなる場所でありますなぁ!!」

かばん「あぁ、プレーリーさん、落ち着いてください。ここはあんまり掘らないようにしてください」

ビーバー「うわぁ……。凄い家っすねぇ。これは見ただけじゃ造れそうにないっす」

サーバル「ビーバーでも分からないなら、きっとパーク内のフレンズで分かる子っていないんだろうなぁ」

ビーバー「お、おれっちはそんなにすごくないっすよぉ」

プレーリードッグ「穴を掘れないなら、ぐっと我慢するであります。それで、何から始めればいいのですか」

かばん「うーん。そうですね……」

ラッキービースト『マズハ キョウシツニ イコウカ ソコデ ジュギョウヲ ハジメレバ イインダヨ』

かばん「だ、そうです」

サーバル「よーし、なら教室まできょーそーしよーよ!!」

ビーバー「サーバルさんには勝てないっすよぉ」

プレーリードッグ「絶対に負けないでありますぅ!!」

かばん「対照的だなぁ」

サーバル「かばんちゃん、用意はいい!? いっくよー!! うみゃぁ!」ダダダッ
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 22:43:06.52 ID:VK5f6lH+o
―教室―

サーバル「いっちばーん!!」

プレーリードッグ「くぅぅ!! あと10秒だったのにぃ!!」

かばん「すごい大差だと思うんですけど」

ビーバー「はぁ……はぁ……。やっぱりサーバルさんには勝てないっすねぇ」

サーバル「あー。楽しかった。次は何をしたらいいの?」

かばん「とりあえず、座ろう。ビーバーさんもプレーリーさんも好きなところに座ってください」

プレーリードッグ「了解であります!!」

ビーバー「はいっす」

サーバル「外が見えるところがいいなー」

かばん「窓際だね」

サーバル「かばんちゃんは私の隣だよね」

かばん「そうしようかな」

サーバル「わーい。お隣さんだー」

ビーバー「ここからどうしたらいいっすかね」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 22:47:19.28 ID:VK5f6lH+o
かばん「ええと……」

ラッキービースト『ナニカヲ オシエルコトガ ジュギョウダヨ』

かばん「教えること、か」

サーバル「かばんちゃん! 飛行機の作り方教えてよ! 私、もっとうまくなりたいもんっ!」

プレーリードッグ「私も教えてほしいであります!!」

かばん「わ、わかりました。それでは、まずは……。って、紙がないとどうにも……」

ビーバー「あのぉ、机の中にこんなものが入ってたっすけど」

サーバル「なになにー? それって本?」

ビーバー「みたいっすね。けど、真っ白っす」

プレーリードッグ「バカには見えない系の本でありますか」

サーバル「わたしってバカだったの……!?」

ビーバー「おれっちも……」

プレーリードッグ「私もバカってことになります……」

かばん「い、いや、それは多分、何かを自分たちで書くものだと思うんですけど」

サーバル「それじゃあ本当に何も書かれていない本ってこと? そんなのあるんだ。すっごーい」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 22:52:58.69 ID:VK5f6lH+o
ビーバー「けど、本って何かが書かれているから本って言われているんじゃないっすか」

かばん「この本は大切なことを書き込むための本じゃないかと。教えてもらったことを忘れないように」

プレーリードッグ「おぉぉ。私たちで本を作るわけでありますね」

ビーバー「だから真っ白なんすね」

サーバル「わかった! かばんちゃんが今から教えてくれることをここに書けばいいんだね!」

ビーバー「だ、だったら、今教えてもらったことも描かないといけないっすね」

サーバル「早速かこーよ!!」

プレーリードッグ「はいであります!!」

かばん「机の中をもう一度見てもらえませんか? もしかしたら書くもの入ってるかも」

サーバル「どーだろー?」ゴソゴソ

サーバル「あ! あったよ! これ、なにかなー? 短くて、細い棒だねー」

ビーバー「木っすかね? 中心に黒いものがみえるっすけど……」ガジガジガジ

プレーリードッグ「とりあえず齧ってみるであります」カジカジカジ

かばん「えぇぇ……」

ビーバー「おぉ、黒いのが見えてきたっす。これは木じゃなさそうっすね」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 22:58:04.47 ID:VK5f6lH+o
サーバル「これでなにかかけるのかなぁ」

ビーバー「ためしてみるっす」カキカキ

かばん「どうですか?」

ビーバー「おぉ……。描けるっすよ。これ、すごいっすね。石をつかって地面に描くより力がいらないっす」

サーバル「私もかきたーい!! よーし! かくぞー!!」カキカキ

サーバル「あれー? おかしーなー。かばんちゃん、私のは壊れてるのかも。かけないよー」

かばん「黒い部分を出さないといけないんじゃないかな」

サーバル「そーなんだ。周りの木を削ればいいんだね。よーし! うみゃみゃみゃー」ガリガリガリ!!!

かばん「そんなに力強く削ったら……」

ボキッ

サーバル「うみゃぁ!? 折れた!? なんでー!?」

かばん「あはは……」

プレーリードッグ「かばん殿」

かばん「どうしたんですか?」

プレーリードッグ「齧っていたらいつの間にかこんなに小さくなっていたであります。不思議でありますなぁ」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 23:04:03.74 ID:VK5f6lH+o
かばん「ええと、とりあえず書くものは置いておきましょうか。これじゃあ授業ができませんし」

サーバル「えー? かばんちゃんから教えてもらったこと忘れたくないよー」

プレーリードッグ「私も忘れたくはないであります」

ビーバー「おれっちがここに描いておくっすから、ちゃんと残るっすよ」

サーバル「ありがとー、ビーバー!」

プレーリードッグ「ビーバー殿! 頼りになるであります!!」

ビーバー「いや、おれっちなんて大したこと……ないっすよ……」

かばん「それでは、紙飛行機の折り方の授業をします」

サーバル「わーい! たのしみー!!」

ビーバー「しっかり、ここに描くっすよぉ」

かばん「紙は今、手元にある白い本から千切って使ってください」

サーバル「こうだね!」ビリッ

プレーリードッグ「とお!!」ビリリリッ

ビーバー「綺麗に破らないと……うーん……失敗したら折れなくなるし……こう慎重に……あぁ……変なところから破けそうで怖いっすね……これ……」プルプル

かばん「あの、僕がちぎります」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 23:10:36.91 ID:VK5f6lH+o
かばん「まずは、このように紙の先端をとがらせるように折り――」

プレーリードッグ「できたであります!!」

サーバル「はやいよぉ! かばんちゃん、まだ説明の途中だよ!」

ビーバー「一度折っちゃうと、紙に癖がついちゃって、折りにくくなっちゃうっすよね。なにより、見た目が悪くなっちゃうっすよね……。あぁ、一回で綺麗に折らないともう一枚本から千切らないといけないっすよね……」

ビーバー「うぅ……こわいっす……折るの、難しいっす……」プルプル

かばん「そ、そんなに深く考えなくてもいいですから!」

ビーバー「で、でもぉ」

かばん「プレーリーさん、ビーバーさんを手伝ってあげてください」

プレーリードッグ「了解であります!!」

ビーバー「すみません」

プレーリードッグ「気にしなくていいでありますよ。まずは、ここを――」

かばん「待ってください」

プレーリードッグ「はい?」

かばん「できるだけ、ビーバーさんに折らせてあげてください。プレーリーさんはビーバーさんの手に手を重ねて、動きを教えてあげてください」

プレーリードッグ「おぉー! わかったであります!」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 23:17:29.37 ID:VK5f6lH+o
サーバル「かばんちゃん、こんな感じかなー!?」

かばん「うん。いい感じだね」

サーバル「えっへん」

かばん「けど、一回で綺麗に折れるようになればもっといいかもね。この辺りとか何度も折り直してるから」

サーバル「そんなことわかっちゃうのー!?」

かばん「これだけ紙に皺ができていればね」

サーバル「うぅ……。よーし、もう一回だー!!」

ビーバー「な、なんとかできたっすぅ」

プレーリードッグ「おめでとうございます!!」

ビーバー「折り方の手順を描いておくっすよ」カキカキ

プレーリードッグ「おぉ! 絵にするとわかりやすいでありますなぁ!!」

サーバル「いいなぁ。あとで私にもみせてー!」

ビーバー「もちろんっす」

かばん「授業ってこんな感じなのかなぁ……」

ラッキービースト『コンナカンジダヨ』
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 23:22:18.39 ID:VK5f6lH+o
かばん「ぼくはただ、授業をみたかっただけで、授業をしてみたかったわけじゃないんだけどなぁ……」

ラッキービースト『トコロデ カバン マドノソトヲ ミテ』

かばん「え?」


ハシビロコウ「……」


かばん「うわぁぁぁぁ!?」ビクッ

サーバル「かばんちゃん、どうした――」


ハシビロコウ「……」


サーバル「わぁぁぁぁ!!!」

ビーバー「だ、だれっすかぁ……」

プレーリードッグ「やや。窓からこちらを見つめているのは一体……」

かばん「ハ、ハシビロウコウさん……?」

ハシビロコウ「……いれて、ほしい」

かばん「あ、はい。ちょっと待ってください」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 23:30:44.79 ID:VK5f6lH+o
サーバル「ハシビロちゃん!? どうしたの!? というか、いつからいたの!?」

ハシビロコウ「みんなが白い本を取り出したあたりから居たけど」

かばん「声をかけてくれたら……」

ハシビロコウ「ごめんね。いつもの癖で機を伺っちゃって……」

サーバル「はぁー。もうすっごいびっくりしちゃったよぉ。怖いなぁ」

ハシビロコウ「ひどい」

かばん「参加、してくれるんですか?」

ハシビロコウ「うん。本当は誘いにきたときに言えばよかったんだけど、言い出す前にふたりがいっちゃったから」

かばん「そうだったんですか」

ビーバー「初めましてっす。おれっちは、アメリカビーバー。ビーバーでいいっす」

ハシビロコウ「私はハシビロコウ」

プレーリードッグ「私はプレーリードッグであります!! ご挨拶をさせてください!!」

ハシビロコウ「うんっ」

プレーリードッグ「では!! んー」ギュゥゥ

ハシビロコウ「……!!」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 23:36:43.37 ID:VK5f6lH+o
プレーリードッグ「ぷはぁ!! これがプレーリー式のご挨拶であります!!」

ハシビロコウ「……!?」

ビーバー「最初は驚くっすよね。けど、毎朝されると流石に慣れてくるっすよ」

ハシビロコウ「……!!」

かばん「ええと、だ、大丈夫ですか?」

ハシビロコウ「……?!」

サーバル「ハシビロちゃん、おーい」

ハシビロコウ「……」

かばん「しばらく、そっとしておこう」

サーバル「そうのほうがいいかもね」

ハシビロコウ「……」

プレーリードッグ「次は何をするでありますか!!」

かばん「そ、そうですね……。あ、そうだ。次はビーバーさんが教える側に来てもらえますか」

ビーバー「お、おれっち、教えられることなんてなにもないっすけど……」

かばん「いえ、あの、僕が模型の造り方を聞いてみたかったんです」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 23:44:41.14 ID:VK5f6lH+o
―グラウンド―

プレーリードッグ「続いては、この私、プレーリードッグが穴の掘りかたを伝授するであります!!」

かばん「おねがいします」

サーバル「よろしくねー」

ハシビロコウ「……」

ビーバー「どうしたっすか」

ハシビロコウ「あんなことされたの初めてだから、どうしたらいいかわからないの」

ビーバー「おれっちも慣れるまでは大変だったっすから、わかるっす」

ハシビロコウ「そうなんだ……」

ビーバー「プレーリーさんに悪気はないっすから、大目に見てあげてほしいっす」

プレーリードッグ「ぷっはぁ!! これが穴掘りのコツであります!!」

サーバル「はやすぎて全然わかんないよ!!」

かばん「ええと、もう少しゆっくりで」

プレーリードッグ「ゆっくりでありますね!! 了解であります!!」

「到底、授業とは呼べないのです。全く、ポンコツばっかりで世話が焼けますね」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 23:50:22.15 ID:VK5f6lH+o
プレーリードッグ「誰でありますかぁ!!」

オオコノハズク「それではただ遊んでいるのと変わらないのです」

ワシミミズク「生徒と先生という立場があやふやになっているのです」

かばん「来てくれたんですね!」

サーバル「わーい!! はかせたちが先生をしてくれるんだー!!」

オオコノハズク「違うのです。今はオオコノハズクのこーちょーなのです」

ワシミミズク「ワシミミズクのきょーとーなのです」

サーバル「え? どういうこと?」

オオコノハズク「学校という場所の長は、こーちょーと呼ばれているのです」

ワシミミズク「その助手はきょーとーなのです。これぐらいは常識です」

ビーバー「そ、そうなんっすか」

オオコノハズク「学校にいる間はこーちょー、きょーとーと呼ぶように」

サーバル「えー? むずかしいよぉ」

かばん「はかせさんたちは先生ってことでいいんですよね? 今から授業を……?」

オオコノハズク「我々は授業なんてしないのです。せんせーの長なので」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 23:57:45.80 ID:VK5f6lH+o
かばん「それだと困るんですけどぉ」

サーバル「そーだよぉ。じゅぎょうしてよぉ」

オオコノハズク「我々は以前からポンコツのフレンズが多いことを心配していたのです」

ワシミミズク「肝心なときには頼りになりますが、それ以外では何もできない、何もしらないフレンズばかりで困るのです」

ハシビロコウ「肝心なときに頼りになるなら、それでいいんじゃあ……」

オオコノハズク「ダメなのです。そんなことでは困るのです」

ワシミミズク「我々は貴方達の将来を心配しているのですよ。長なので」

オオコノハズク「肝心なときなんて、それほど来ないのです」

プレーリードッグ「一体、何をするのでありますか」

ビーバー「心配してくれるのはありがたいっすけど、授業してくれないんじゃあ……」

ワシミミズク「学校では様々なことを教えていたのです」

オオコノハズク「そして授業では、その道の専門家がせんせーをしていたのです」

かばん「授業ごとに先生が変わっていたということですか」

オオコノハズク「そういうことです。ですので、我々が探してきたのです」

ワシミミズク「授業が必要なほど心配な生徒とその道の専門家である先生を連れてきたのです」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 00:02:41.64 ID:3Fq6t6Wyo
かばん「他にも参加してくれるフレンズさんがいるんですか!?」

サーバル「わーい!! やったね、かばんちゃん!! スクールっぽくなってきたんじゃない!?」

かばん「うん!」

オオコノハズク「何を喜んでいるのですか、かばん」

かばん「へ?」

ワシミミズク「かばんはとある授業では先生をしてもらうつもりなのです」

かばん「え、えぇぇ!?」

サーバル「わかった!! かみひこーきの先生だね!!」

オオコノハズク「全く違うのです」

ワシミミズク「もっと大切なことをフレンズたちに教えてほしいのです」

かばん「大切な……こと……」

ビーバー「なんなんっすかね」

プレーリードッグ「気になるであります」

ハシビロコウ「ヒトしかできないこと、とか?」

オオコノハズク「スクールは明日開校とするのです。今日は全員、帰るのです」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 00:07:44.98 ID:3Fq6t6Wyo
サーバル「えー!? 今からやろーよー!!」

オオコノハズク「学校は朝からと決まっているのです」

ワシミミズク「夜からの学校なんて存在しないのです」

かばん「けど、夜行性のフレンズさんもいるから、夜の学校もあったんじゃないですか?」

オオコノハズク「そんなの資料にはなかったのです」

ワシミミズク「あったかもしれないだけですね」

サーバル「ちゃんと調べたのぉ?」

オオコノハズク「あたりまえです!」

ワシミミズク「調べたのです!」

ハシビロコウ「今日はとりあえず帰らないとだめっぽいけど」

ビーバー「帰るって言ってもなわばりに戻るにはすこしだけ遠いっすよね」

プレーリードッグ「このあたりに穴を掘って、住処にするであります」

かばん「どこかに休めるところがあればいいけど……」

ラッキービースト『アルヨ』

サーバル「あるんだ!」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 00:13:09.06 ID:3Fq6t6Wyo
―ジャパリスクールハウス―

サーバル「なにここなにここー」

プレーリードッグ「私たちの家より大きいであります!」

ビーバー「何部屋もありそうっすね」

ハシビロコウ「……」

かばん「ここを使ってもいいんですか」

ラッキービースト『イイヨ ココハ スクールニカヨウフレンズタチガ トマルバショ ダカラネ』

かばん「へえー……」

サーバル「かばんちゃーん! どの部屋にするー!?」

かばん「ええと、どうしようかな」

プレーリードッグ「穴を掘れる部屋はありますか!?」

ビーバー「部屋の広さ的に、三人ぐらいが限界っすねぇ」

ハシビロコウ「それじゃあ、私たちは一緒の部屋だね」

プレーリードッグ「よろしくおねがいします!! ハシビロコウさん!!」

ハシビロコウ「うん。でも、あの挨拶はちょっと……」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 00:17:43.87 ID:3Fq6t6Wyo
―かばん・サーバルの部屋―

サーバル「明日、たのしみだねー」

かばん「うん。けど、僕はなにを教えないといけないんだろう」

サーバル「かばんちゃんなら、どんなことでも教えられるよ」

かばん「そうかなぁ。自信ないけど」

サーバル「私が言うんだから間違いないよ!」

かばん「あはは。ありがとう、サーバルちゃん」

サーバル「私もね、かばんちゃんには色んなこと教えてほしいって思ってるから」

かばん「そうなの? ぼくもサーバルちゃんにもっと木登りとか教えてほしいけどな」

サーバル「いいよ! 木登りの先生は私がやるよ! まかせて!」

かばん「木登りの授業があれば、お願いね」

サーバル「うんっ!!」

かばん「ふわぁ……。今日はもう……」

サーバル「そうだね。寝よっか」

かばん「ありがとう。おやすみ、サーバルちゃん」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 00:21:05.35 ID:3Fq6t6Wyo
―翌朝―

かばん「ん……」

かばん「あさ……」

サーバル「すぅ……すぅ……」

かばん「そうだ。学校にいかないと――」

『おはようございます!!!』

かばん「プレーリーさんの声だ」

『おはようございますのあいさつであります!!! んちゅー!!』

『んんー!!!』

『プレーリーさん、まずいっすよ。ハシビロコウさんは慣れてないんっすから』

かばん「朝からすごいなぁ……。って、プレーリーさんに会ったら同じことを……」

サーバル「あれ、かばんちゃん、起きてたんだ。おはよう」

かばん「今起きたところだよ」

サーバル「今日はスクールの日だね。いこうよ! 私、待ちきれない!」

かばん「うんっ」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 00:26:31.60 ID:3Fq6t6Wyo
プレーリードッグ「おはようございます!! むちゅー!!」

かばん「んんー!!!」

プレーリードッグ「ぷっはぁ!! サーバル殿!! おはようございます!!!」

サーバル「ちょっと!! プレーリー!! その挨拶はいいよぉー!!」

プレーリードッグ「挨拶は大事であります!! 逃げないでください!!」

かばん「はぁ……」

ビーバー「かばんさんも早くなれたほうがいいっすよ」

かばん「なれるんですか……」

ハシビロコウ「慣れたら終わりのような気がする」

ワシミミズク「何をやっているのですか」

かばん「あ、おはようございます」

プレーリードッグ「ぷっはぁ!! おぉ! おはようございます!!」ダダダッ

ワシミミズク「はやく学校に来るのです。準備は整っているのです」バサッバサッ

プレーリードッグ「あぁ! 逃げないでほしいであります!! 挨拶がしたいだけなのにー!!」

サーバル「飛べるのっていいなぁ……」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 00:32:02.13 ID:3Fq6t6Wyo
―校門―

かばん「ぼく達以外のフレンズさんって誰だろうね」

サーバル「フレンズはいっぱいいるもんね」

ビーバー「門のところに何かあるっすよ」

ハシビロコウ「なんだろう、これ」

かばん「入学式って書いてますね」

プレーリードッグ「にゅうがくしき、ってなんでありますか?」

ハシビロコウ「牛乳のことかな」

かばん「たぶん、僕たちがこの学校に通うことになったからじゃないですか?」

ビーバー「学校に入るから入学、ということっすね」

ハシビロコウ「なるほど」

サーバル「むずかしくてよくわかんないや」

プレーリードッグ「絵にして教えてほしいであります」

かばん「文字を読めるフレンズさんのほうが少ないのに、どうしてこんな看板を……」

オオコノハズク「やっときたのですね。遅刻です。早く体育館に集合するのです。あときちんと制服に着替えるのです」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 00:37:10.43 ID:3Fq6t6Wyo
かばん「制服?」

オオコノハズク「この服を上から身につけるのです。でなければ学校に通うことはできないのです」

サーバル「これを付けたらいいの?」

プレーリードッグ「着てみたであります!!」

ハシビロコウ「足が、スースーする」

ビーバー「外見を統一しないといけないんすね」

オオコノハズク「その服は昔、船乗りが来ていたとされる服なのです。また一つ、貴方達は賢くなったのです」

プレーリードッグ「ありがとうございます!! 賢くなったであります!!」

サーバル「わーい! やったー!! かしこくなったー!!」

ハシビロコウ「似合ってる……?」

かばん「はい。とっても」

ハシビロコウ「……ありがとう」

オオコノハズク「さぁ、とっとと移動するのです」

サーバル「はーい!」

かばん「緊張してきたかも……」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 00:44:14.53 ID:3Fq6t6Wyo
―体育館―

サーバル「なにこれー! すっごーい!! 椅子がたくさんあるー!!」

かばん「準備ってこれのことだったのかな」

スナネコ「あー」

サーバル「スナネコーだー」

スナネコ「サーバルたちも来たのですか」

かばん「スナネコさんがいるとは思いませんでした」

スナネコ「僕もわけがわからず、はかせたちに連れてこられました。でもまぁ、別にいいですけどね」

サーバル「もっと興味をもったほうがいいよ!!」

カワウソ「みんなーやっほー!!」

ビーバー「はじめましてっす」

カワウソ「ねーねー。ここなにー? 全然、わかんないんだけど」

かばん「今から説明があると思いますよ」

カワウソ「そーなんだー。たのしーそーだからいいけどねー」

ワシミミズク「全員、席につくのです。これよりジャパリスクール入学式を始めるのです。初めに、こーちょーのあいさつがあるのです。心してきくように」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 00:54:12.27 ID:3Fq6t6Wyo
オオコノハズク「こーちょーのオオコノハズクです。入学、おめでとうです。以上」

サーバル「それだけ!?」

オオコノハズク「我々は長く挨拶をしたりしないのです。賢いので」

カワウソ「わーおもしろーい!」

スナネコ「挨拶は短いほうがいいですね。飽きますから」

サーバル「スナネコはいつもすぐに飽きるじゃない」

ワシミミズク「続きまして、先生の紹介に移るのです。まずは体育担当教員、イワトビペンギン」

イワビー「よ、よお! おもにす、すいえい?ってやつをおしえることになった、イワトビペンギンのイワビーだ。よろしく!」

サーバル「ぺぱぷだー! すっごーい!!」

ハシビロコウ「すいえいってなに?」

かばん「多分、泳ぐことじゃないですか?」

ワシミミズク「音楽担当教員、トキ」

トキ「歌を教えることになったトキよ。それでは挨拶がわりに一曲。わたぁしはぁ〜トキぃぃ!! うたをみんなぁにぃぃおぉしえぇるぅのぉぉ〜」

ビーバー「だいじょうぶっすかね」

プレーリードッグ「力強い歌声でありますね!!」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 01:06:34.22 ID:3Fq6t6Wyo
ワシミミズク「美術担当教員、タイリクオオカミ」

オオカミ「みんな、よろしく。ところで学校には必ず七不思議があるって知っているかな。勿論、ここも例外じゃない」

かばん「ななふしぎ?」

サーバル「しらなーい。なんだろー?」

オオカミ「走り出す人体模型。増える階段。夜に聞こえる謎の歌声。窓に映る白い影。体育館で独りでに跳ねるボール。開かずの教室。長くなる廊下」

カワウソ「そーなんだー。みてみたいなー」

ハシビロコウ「本当だったら怖いけど」

オオカミ「そして、これら七つの不思議を全部知ってしまったフレンズは皆、何故か消えてしまうらしいよ」

かばん「え……」

オオコノハズク「い、いま、われわれは七つの不思議を知ってしまったきがするのです……」ガタガタ

ワシミミズク「こ、このよからいなくなってしまうのですか……」ガタガタ

イワビー「そ、そんなのきいてないぞー!!」

トキ「い、いつきえてしまうのかしら……」ガタガタ

ハシビロコウ「……」ギュゥゥ

プレーリードッグ「ハシビロコウ殿、そんなにくっつかれると暑いであります」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 01:19:55.57 ID:3Fq6t6Wyo
ツチノコ「お前ら、騙されんな。七つの不思議を知ってるオオカミは消えてねえだろ」

サーバル「あー!! ほんとだー!!!」

ビーバー「だ、だましたっすかぁ」

オオカミ「うふふ。良い顔いただきました」

かばん「ツチノコさん?」

ワシミミズク「で、では気の取り直して紹介を続けるのです。総合担当教員、ツチノコ」

ツチノコ「ったく、めんどくせーなぁ」

スナネコ「ツチノコは何をするのですか?」

ツチノコ「ふん。しるかっ。てめーらで考えろ」

サーバル「えー? 教えてくれてもいいのにー」

ワシミミズク「家庭科担当教員、アルパカ・スリ」

アルパカ「みんなぁ〜。アルパカだよぉ〜。えへへ〜。みんなに美味しい紅茶の淹れ方おしえてほしいっていわれてきたよぉ〜。よろしくにぇ〜」

かばん「アルパカさん、お店のほうは……」

アルパカ「ぜーんぜんお客さんこねえからへーきだよぉ。……ペェ!!」

ワシミミズク「以上で教員の紹介を終わるのです」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 10:52:53.60 ID:2cDM9jTdo
走り出す人体模型以外は誰かがやらかして実現しそう
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 17:46:36.97 ID:3Fq6t6Wyo
>>14
オーロックス「私も大将から離れるわけにはいかないな」

オーロックス「俺も大将から離れるわけにはいかないな」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 17:52:45.50 ID:3Fq6t6Wyo
オオコノハズク「これで入学式は終わりなのです。一年生は速やかに教室へ移動するのです」

ワシミミズク「遅刻者は給食ぬきなのです」

サーバル「きゅーしょくってなんだろー?」

カワウソ「しらないことばっかりでおもしろーい」

スナネコ「教室ってどこにあるんですか」

かばん「教室自体はたくさんあるんですけど、どこかまでは……」

プレーリードッグ「好きな部屋を使えということでありますか」

ビーバー「おれっちはみんなと授業うけたいっすねぇ……」

ハシビロコウ「私も。みんなと一緒がいいなぁ」

ワシミミズク「案内するので、ついてくるのです」

サーバル・カワウソ「「はぁーい」」

スナネコ「あっちに部屋がありますね。なんだろー?」テテテッ

かばん「スナネコさん!! 調べるのはあとにしましょうよー!!」

カワウソ「おっ! スナネコー! わたしもいくー!!」テテテッ

サーバル「カワウソー!! だめだよー!! ついてきてよー!!」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 17:58:46.88 ID:3Fq6t6Wyo
―教室―

ワシミミズク「ここを使うのですよ」

かばん「入口から一番近い部屋ですね」

ワシミミズク「ここなら移動するときも楽なので」

かばん「確かに」

サーバル「私の席はここー!」

カワウソ「なんだこの大きな板?」

ワシミミズク「それは黒板というのです。そこに色々なことを書き込むことで授業を進めるのです」

カワウソ「へー! ねえねえ、何か描いていい? 描いていい?」

ワシミミズク「そこに書き込むのは先生だけなので――」

カワウソ「かいちゃったー!」カキカキ

スナネコ「隣の部屋が気になるので見てきますね」

ビーバー「ええ……。この部屋で待っていたほうがいいとおもうっすけどぉ」

プレーリードッグ「それなら床を掘って隣の部屋とつなげるでありますよ!!」

ハシビロコウ「私は後ろの席がいい」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 18:05:48.14 ID:3Fq6t6Wyo
ラッキービースト『アワワワワ ガッキュウホウカイダヨ カバン』

かばん「どういう意味ですか?」

ワシミミズク「かばんはこのクラスのリーダーなので、きちんと言うことをきかせるのです」

かばん「ぼくがリーダー!? む、むりですよ!!」

ワシミミズク「かばんの言うことならみんなは聞くのです。大丈夫ですよ」

かばん「そ、そんなぁ……」

ワシミミズク「あとは任せたのです。面倒なので」

かばん「まってくださーい!!!」

サーバル「ハシビロちゃん、そんなに後ろにいないでこっちきなよー」

ハシビロコウ「ここでいいの。あまり前にいくと先生を怖がらせてしまうかもしれないし」

サーバル「そんなこと……。あるのかなぁ」

カワウソ「これなに? これなにー? キャハハッ。巻きついちゃおーっと」クルクル

ビーバー「日差しを避けるための布みたいっすねぇ」

プレーリードッグ「スナネコ殿、掘らないでありますか?」

スナネコ「わぁ、後ろの壁に色々なものが貼り出されてるー。……まぁ、どうでもいいかぁ」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 18:11:35.90 ID:3Fq6t6Wyo
かばん「えっと、みなさーん。ぼくの話をきいてくださーい」

サーバル「なになにー」

カワウソ「どうしたのー」

かばん「恐らくですけど、すぐに先生が来ると思うので、席に座って静かにしていましょー」

サーバル・カワウソ「「はーい!!」」

ビーバー「わかったっす」

ハシビロコウ「……」

プレーリードッグ「了解であります!!」

かばん「……あれ? スナネコさんは?」

プレーリードッグ「さきほど、気になる木を見つけたとのことでこの窓から外へと出かけたであります」

かばん「え!?」

スナネコ「わー。いろいろあるー」タタタッ

かばん「ス、スナネコさん!?」

サーバル「私が捕まえてくるよ!! うみゃぁ!!!」ダダダダッ

ハシビロコウ「授業、できるの?」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 18:18:01.55 ID:3Fq6t6Wyo
「おまえらぁぁ!! とっとと席につけこらぁぁ!!!」

かばん「わぁぁ!?」ビクッ

ハシビロコウ「……」ビクッ

プレーリードッグ「どこでありますかぁ!?」

カワウソ「扉のところに誰かいるよ」

かばん「ええと……?」

「なんでおれがこんな問題児ばっかりの奴らに色々と教えなきゃならないんだよ」

かばん「あのー。どうして隠れているんですかー?」

「落ち着くんだよ!! いい加減、わかれよ!!」

かばん「でも、挨拶しないと……」

ツチノコ「ちっ……。仕方ねえな……。おれが……お前らにいろいろ教えることになった……ツチノコだ……。お、憶えとけ」

ビーバー「よろしくっす」

ハシビロコウ「……」ペコッ

サーバル「ふぅー。やっとつかまえたよー」

スナネコ「残念。つかまってしまいました」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 18:22:44.26 ID:3Fq6t6Wyo
かばん「何を教えてくれるんですか」

ツチノコ「ずばり、算数だ」

サーバル「さんすー?」

スナネコ「なんですか、それ?」

カワウソ「わーい! たのしそー!」

ビーバー「むずかしそうっすねぇ……。あの白い本、だしておくっす」

プレーリードッグ「はいはいはい!! ツチノコ殿!!」

ツチノコ「なんだ、うっせえぞ」

プレーリードッグ「それは穴を掘るときに役立つでありますか!!」

ツチノコ「まぁ、立つこともあるなぁ。建物を造るときにだって算数は必要になるぐらいだ」

ビーバー「おぉ。それは是非ともきいておきたいっすねぇ」

サーバル「それじゃあさんすーができれば私でも家をつくれるの!?」

ツチノコ「努力次第だなぁ」

サーバル「すっごーい!!! おしえておしえて!! さんすーがんばるよ!!」

スナネコ「興味が湧いて来ました。私もがんばります」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 18:30:29.97 ID:3Fq6t6Wyo
ツチノコ「いいか、お前らぁ。黒板に注目だ。ここに大きなジャパリまんがある」カキカキ

カワウソ「わー、おっきいぞー!!」

サーバル「そんなのたべきれないよー」

ツチノコ「独りで食べるわけじゃない。ここには何人のフレンズがいる?」

ビーバー「ええと、八人っすね」

ツチノコ「おれは数にいれなくていい。だったら、何人だ。はい、そこのお前」

プレーリードッグ「私でありますか!? ええと、七人であります!!」

ツチノコ「正解だ。まぁ、これぐらいはできなきゃなぁ」

スナネコ「ふわぁぁ……」

ハシビロコウ「もう飽きちゃったの?」

ツチノコ「ここからが本当の問題だ。この丸い大きなジャパリまんを七人で均等に分けるにはどうしたらいい?」

かばん「七人で、ですか」

ツチノコ「お前らで相談して、どう切り分けるか描きにこい」

プレーリードッグ「む、難しいであります……」

サーバル「ちゃんとわけたいなー。ジャパリまんでケンカなんてしたくもん」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 18:36:07.57 ID:3Fq6t6Wyo
かばん「どうしたらいいんでしょうか」

ツチノコ「黒板のジャパリまんに線を引け。均等な大きさになるようになぁ」

かばん「うーん……」

カワウソ「わたしはこれぐらいでいーよ!」カキカキ

かばん「え?」

ビーバー「おれっちは、これぐらいでいいっすね」カキカキ

プレーリードッグ「私はこれぐらいもらってもいいでありますか!?」カキカキ

ハシビロコウ「私はいつもの大きさのでいいから、大丈夫」

サーバル「私もこんなに大きなのはいいかなー。いつものジャパリまんでいいよー」

スナネコ「それじゃあ、ボクはこれぐらいいただきますね」カキカキ

かばん「えぇー……」

サーバル「残りは全部かばんちゃんのだね!」

カワウソ「わーい、解決したぞー」

ビーバー「均等っすね」

ツチノコ「そういう意味じゃねええんだよ!!!! それだと算数になんねえだろうがぁ!!!」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 18:48:07.05 ID:3Fq6t6Wyo
カワウソ「けど、食べたい分だけ食べればいいんじゃないの?」

プレーリードッグ「そうであります。これでケンカもしないであります。みなさん納得しているでありますし」

ツチノコ「シャー!! いいから、全員が同じ量を食えるように切り分けるんだよ!!」

サーバル「えー? そーなのー?」

ハシビロコウ「できるの?」

ツチノコ「できるからやってんだよ」

かばん「あのぉ」

ツチノコ「なんだ? わかったか」

かばん「どうしても均等にはならないような気が……」

サーバル「そーなの!?」

ツチノコ「な、なにぃ!? そんなわけないだろ!!」

かばん「八等分や六等分なら綺麗に分けられそうなんですけど」

スナネコ「だったら、ツチノコにもあげればいいだけでは?」

サーバル「そうだね。八人でわけよー!」

カワウソ「おー!!」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 18:58:17.57 ID:3Fq6t6Wyo
かばん「まず縦に線を書き込んで……」カキカキ

かばん「それから横に……。次は右斜めから……最後に左斜めから線を書き込めば……」カキカキ

かばん「できました。八等分です」

サーバル「すごーい!! 同じ大きさだー!!」

カワウソ「なんでなんでー? ふっしぎー!!」

ビーバー「これでケンカせずに済みそうっすね」

ツチノコ「おかしいなぁ。七等分もできるだろ……円は360度で……七で割れば……あ、無理か……」

かばん「はい?」

ツチノコ「はっ!? な、なんでもねえよ!! とりあえず席につけ!! シャー!!」

スナネコ「今度はこっちの椅子にすわりましょー」

プレーリードッグ「席替えするでありますか!」

ツチノコ「おほん。ま、まぁ、今の問題はちょっと難しかったなぁ。今度は優しめにいくぞ。ここに35個のジャパリまんがある」カキカキ

ツチノコ「これを七人で均等にわけるには、一人何個ジャパリまんを取ればいいか」

サーバル「私は3個ぐらいでいいよ!!」

スナネコ「ぼくは7個ぐらいほしいです」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 19:06:14.47 ID:3Fq6t6Wyo
カラーン! カラーン!!

サーバル「うみゃ? なんの音?」

ツチノコ「授業終了の合図だ。算数はここまでだな」

ビーバー「色々と勉強できてたのしかったっす」

プレーリードッグ「正直、難しかったでありますが、とっても充実した時間でありました!!」

かばん「ありがとうございます、ツチノコさん」

ツチノコ「ふんっ。好きでやってるわけじゃねえからな!!」

ハシビロコウ「照れてるの?」

ツチノコ「てれてねーよ!! 照れる要素がどこにもねえだろ!!」

カワウソ「またさんすーおしえてねー!! キャハハッ!!」

ツチノコ「それより、おめーら、次は体育だぞ。さっさとプールに移動しろ」

サーバル「ぷーる? どこにあるの?」

ツチノコ「窓から見えるだろ。あの水が溜まってる場所だよ。そこにイワトビペンギンがいる」

かばん「水泳、ですね?」

サーバル「かばんちゃんが言ってた泳ぐ授業のことー? うぅ……やだなぁ……」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 19:14:41.00 ID:3Fq6t6Wyo
―プール―

イワビー「全員、あつまれー!!」

ビーバー「綺麗な水っすねぇ」

プレーリードッグ「キラキラしているであります!!」

スナネコ「おぉー。飲んでもいいですか」

カワウソ「入っていい!? はいっていい!?」

ハシビロコウ「……」

サーバル「うまく泳げるかなぁ」

かばん「大丈夫だよ。そんなに深くなさそうだし、溺れちゃうことはないと思うよ」

イワビー「すいえいの授業を始めるんだけど、その前にこーちょーから言われていることをやるからな」

サーバル「なにするのー?」

イワビー「昨日、ペパプで作った新曲があるんだ。それに合わせて体を動かしてくれ。準備体操ってやつだ。準備運動をせずに水にはいると危ないらしいぜ。本当かどうかしらないけど」

ビーバー「そうだったんっすか……? おれっち、じゅんびうんどうなんてしたことないっすけど……・」

ドボーン!!

カワウソ「つーめたーい!! キャハハッ! きーもちー!!」パチャパチャ
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 00:14:44.29 ID:xC1MIeKRo
フレンズ達が勉強してるのを見るとフライ先生の漫画版けものフレンズを思い出すな
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 08:58:20.93 ID:mBzUIllqO
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 20:08:02.16 ID:T/+cWtyWo
イワビー「こらぁ! 勝手にはいるなって!」

カワウソ「えー? だめなのー?」

イワビー「きちんと体操をしてからだって言っただろ。ったく、こういうのはプリンセスのほうが向いてるって言ったのになぁ」

かばん「カワウソさん、イワビー先生の言うことを聞きましょう」

カワウソ「おっけー」

サーバル「曲に合わせて体を動かすって練習とかしなくてもいいの?」

イワビー「曲の歌詞通りに体を動かすだけだから大丈夫だ。それに前でお手本も見せるから初めてでも問題ないって」

ビーバー「難しそうっすねぇ……」

ハシビロコウ「……」

イワビー「それじゃ、いっくぜー!! ミュージック、スタート!」カチッ

フルル『ねえ、誰かぁ、ジャパリまんもってなぁい?』

コウテイ『こっちにあるぞ』

ジェーン『録音、始まりますよ?』

プリンセス『静かにしなさいってば! イワビー、イントロ!』

イワビー『お、おう! ちゃーんちゃらちゃちゃちゃ、ちゃんちゃらちゃららー♪』
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 20:15:53.94 ID:T/+cWtyWo
かばん「仲良いよね」

サーバル「ペパプだもんね」

プリンセス『背伸びの運動からー。はいっ』

フルル『おおきくうでをーうえにのばしてー』

イワビー「いっち、に、さん、し」

かばん「んー」

サーバル「うみゃー」

プレーリードッグ「こうでありますな!」グッ

ビーバー「あぁ、遅れないようにしないと……」

ハシビロコウ「あ……あ……」オロオロ

スナネコ「クンクン……。この水、少し変な臭いがしますね」

コウテイ『腕と足の運動だ』

イワビー「こうするんだぞー。いち、に、さん、し」

かばん「確かに良い運動になりそうです」

カワウソ「キャハハっ。おもしろいうごきー!」クイックイッ
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 20:20:57.84 ID:T/+cWtyWo
ジェーン『――最後は深呼吸です。深く息を吸ってください』

イワビー「すー……はー……」

かばん「すー……はー……」

サーバル「すー……はー……」

スナネコ「すぅ……すぅ……」

イワビー「よっし!! プールに入っていいぜ!!」

カワウソ「やったー!!!」ドボンッ

ビーバー「はいっるっすぅ」

プレーリードッグ「ビーバー殿! まってください!!」

かばん「僕たちも入ろう」

サーバル「よぉーし!!」

ハシビロコウ「……」チャポン

イワビー「とりあえず好きに泳いでくれ。ちょっと注意しなきゃいけない生徒がいるからな」

かばん「わかりました」

スナネコ「あれ。みんな、泳いでるー。僕もはいりたい」テテテッ
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 20:24:41.60 ID:T/+cWtyWo
イワビー「ほら、腕と足の運動だ」

スナネコ「イワビーは意地悪なのですね」

イワビー「体操してなかったからだろ!!」

サーバル「スナネコ、怒られてるね」

かばん「あはは、仕方ないかも」

カワウソ「わーい、きーもちー」スイスイ

プレーリードッグ「冷たくていいでありますな」

ビーバー「さいこうっすねぇ」

ハシビロコウ「はぁー……」

サーバル「ハシビロちゃん、気持ちよさそうだね」

かばん「まるで温泉に入ってるカピバラさんみたい」

ハシビロコウ「きもちいい……」

イワビー「いいか。何かあってからじゃ遅いんだ。先生は生徒を守らなきゃいけないらしいからな」

スナネコ「へぇー、そうなのですか」

イワビー「だから、怪我をしないようにこうして体操をしてもらっているんだ。意地悪してるわけじゃないからな」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 20:31:25.20 ID:T/+cWtyWo
イワビー「自由時間、終了。いよいよ、泳ぎの練習に入るぜ!」

サーバル「がんばるぞー!」

イワビー「泳ぎに自信がないやつは、このびーとばんを使ってくれ」

カワウソ「おぉ! それなに! それなにー!?」

イワビー「何をしても沈まない板だ」

サーバル「すっごーい!!」

カワウソ「私、泳げるけどつかいたーい! ねえ、使っていい!?」

プレーリードッグ「私も使いたいであります!」

イワビー「自由に使ってくれ」

スナネコ「どう使えばいいのですか」

カワウソ「上に乗るんじゃない? こうやってー」

かばん「カワウソさん、それは危な――」

ドボーン!!!

サーバル「カワウソー!?」

カワウソ「ぷはっ! びっくりしたー! もういっかーい! もういっかーい!」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 20:36:48.19 ID:T/+cWtyWo
イワビー「ここは川と違って浅いから、一歩間違えれば頭を打つかもしれないんだぞ」

カワウソ「ごめんなさーい」

かばん「イワビーさんってこういうのに向いているのかも」

サーバル「イワビー、これでいいのー?」パチャパチャ

イワビー「そうそう。それでプールの端から端まで泳いでみてくれ」

サーバル「はーい!」

プレーリードッグ「びーとばんはもっているだけでいいのでありますか」

ビーバー「上半身が常に浮いているなら確かに沈まないっすねぇ」

イワビー「泳ぐのが苦手なフレンズもこれなら泳げるようになるだろ」

かばん「はい。泳ぎやすいです」

ハシビロコウ「……」

イワビー「ハシビロコウ? どうしたんだ?」

ハシビロコウ「はぁ……きもちいい……」

イワビー「泳げって」

ハシビロコウ「ごめん。体に力がはいらなくて……」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 20:43:12.89 ID:T/+cWtyWo
カラーン!! カラーン!!

イワビー「おっ。もうそんな時間か。みんなー、プールからあがってくれー」

カワウソ「はぁーい」

イワビー「どうだった?」

サーバル「少しだけ泳げるようになった気がするよ! ありがとう、イワビー!」

イワビー「それならよかった。まぁ、今日だけじゃないみたいだし、サーバルもペンギン並に泳げるようにしてやるぜ」

サーバル「ほんとー!? 泳げるようになったらどこでもいけるようになるよー!」

ハシビロコウ「私も、飛ぶ必要がなくなるかも」

サーバル「それはもったないよぉ。飛ぼうよ」

かばん「この後はどうしたらいいんですか?」

イワビー「とりあえず、あそこで目を洗ってくれ」

かばん「え?」

スナネコ「これですか?」グイッ

サーバル「なにこれー!? 水が空に向かって出てるよ!! 噴水みたーい!!」

かばん「これで目を……? 逆に目を痛めてしまいそうなんですが……」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 20:47:24.66 ID:T/+cWtyWo
イワビー「ハカセたちがそう言ってたからな」

かばん「うーん……」

ビーバー「こ、これ、こわいっす……」

プレーリードッグ「私がいくであります!! うりゃー!!」

プレーリードッグ「うぎゃー!! めがー!! めがー!!」

スナネコ「水の勢いが強すぎますね」

かばん「や、やっぱり目に悪いですよ、これ」

ハシビロコウ「私も、これは嫌……」

スナネコ「イワビー先生、お手本をみせてください」

イワビー「え?」

スナネコ「上手く、洗うコツを是非」

カワウソ「やって、やってー」

イワビー「わ、わかった。よくみてろ」

かばん「き、きをつけてくださいね」

イワビー「先生が生徒の前で弱音を吐いちゃいけないんだ。いくぜ!!」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 20:53:17.59 ID:T/+cWtyWo
―教室―

ツチノコ「で、イワトビペンギンは保健室か」

かばん「はい……」

サーバル「イワビー、目が真っ赤になってたね」

スナネコ「可哀想……」

ビーバー「プレーリーさんとカワウソさんが看病してあげているっす」

ツチノコ「次の授業はどーすんだよ。まったく」

サーバル「そんなこといわないでよー」

ツチノコ「まぁいい。俺も様子をみてくる」

かばん「あの、僕たちはどうしたら」

ツチノコ「自習だ。自習。生徒が全員そろってないと、意味がないからな」

ハシビロコウ「じしゅーってなにするの?」

ツチノコ「お前たちで考えろ」

ビーバー「い、一番難しいっすね……」

かばん「どうしよう……」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 20:59:47.37 ID:T/+cWtyWo
スナネコ「すぅ……すぅ……」

サーバル「うみゃっ。うみゃっ」

かばん「サーバルちゃん、なにしてるの」

サーバル「机の中に、白くて柔らかい石があったから調べてたの」

かばん「叩いてるようにしか見えなかったけど……」

サーバル「これ何かわかる?」

かばん「うーん。文字を書くものと一緒にあったのなら、文字を消す道具なのかも」

サーバル「これで文字が消えちゃうの!? どうやって!?」

かばん「擦るんじゃないかな?」

ハシビロコウ「……」

ビーバー「ハシビロコウさん、何を見てるっすか」

ハシビロコウ「この後ろに貼られているものが気になって」

ビーバー「そういえばたくさんあるっすね」

サーバル「かばんちゃん、あのハシビロちゃんが見てる文字も消せちゃうのかな」

かばん「どうだろう。あれはまた違う物で書かれていそうだから、無理かも。文字の色もすごく濃い黒だし、太さも違うし」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 21:07:13.77 ID:T/+cWtyWo
サーバル「文字にも色々あるんだねー」

ハシビロコウ「これはなんて書いてあるの?」

かばん「ゆめ、ですね」

ビーバー「こちらの小さな文字はなんっすかね」

かばん「なまえ、はくとうわし。って書いてあります」

ハシビロコウ「ハクトウワシってことは、フレンズ?」

かばん「だと思います。ここはフレンズさんが通っていた学校ですから」

ビーバー「おれっち文字は読めないし、書けもしないっすけど、ここで勉強したら書けるようになるんすかね」

サーバル「すっごーい。私も書けるようになるのかな」

かばん「勉強したらきっと誰でも書けるようになるんじゃないかな」

サーバル「おぉー!」

ハシビロコウ「でも、文字を書けるようになるまでが大変そう」

ビーバー「そう簡単には覚えられないっすよね」

サーバル「そんなことないよ。練習したらいいんだよ。かばんちゃんだって最初は木登りできなかったけど、最近はできるようになったもん」

かばん「サーバルちゃんみたいに登れないけどね」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 21:11:55.94 ID:T/+cWtyWo
サーバル「けど、登れるようになったよ」

かばん「ふふっ。そうだね。ありがとう」

サーバル「なんでありがとうっていうの? 木登りができるようになったのはかばんちゃんがすごいからだよ?」

かばん「うん。だから、ありがとう」

サーバル「よくわかんないよー」

ハシビロコウ「二人は仲が良いよね」

ビーバー「いいコンビっすよね」

カラーン! カラーン!

スナネコ「ん……? ふわぁぁ……。授業、終わりましたか?」

かばん「結局、何もしなかったね」

サーバル「次はどうするんだろー?」

オオコノハズク「次はお待ちかねの給食なのです」

かばん「うわぁぁ!? いつから窓の外に!?」

ワシミミズク「音もなく飛ぶことなど朝飯前だと言ったのです」

ハシビロコウ「きゅーしょく?」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 21:16:19.04 ID:T/+cWtyWo
オオコノハズク「そう。給食なのです。つまり、お昼ご飯なのです。じゅるり」

ワシミミズク「ここに通っていたフレンズたちは皆、給食が目当てだったと言われているのです。じゅるり」

サーバル「そうなんだー」

かばん「ご飯ですか」

ハシビロコウ「ジャパリまんじゃないの」

オオコノハズク「違うのです。確かにジャパリまんも出ていたようですが、料理も出ていたのです」

ワシミミズク「というわけで、かばん。ついてくるのです」

かばん「はい?」

オオコノハズク「今から給食を作るのです」

かばん「あ、はい。わかりました」

サーバル「それじゃあ私もいくよ。切るのは任せて!」

オオコノハズク「確かに人数分を作るのなら、サーバルがいないと大変です」

ワシミミズク「サーバルが役に立ちますね」

ビーバー「おれっちも手伝えることがあればいいっすけど……」

スナネコ「楽しそう。ぼくも一緒に行きます」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 21:24:06.68 ID:T/+cWtyWo
―調理室―

オオコノハズク「ここにある器具を使って料理を作るのです」

かばん「たくさんありますね」

ワシミミズク「食材もたくさんあるのです」

サーバル「何つくるの?」

かばん「うーん……」

スナネコ「ここに本がありますよ」

ビーバー「これが給食で出されていた料理たちっすね」

ハシビロコウ「見たことのないものばっかり」

かばん「どれがいいかな……」

オオコノハズク「我々はこれがいいと思うのです」ツンツン

ワシミミズク「流石ハカセなのです。料理チョイスのセンスが光っているのです」ツンツン

かばん「カレーですか」

サーバル「前も食べたじゃない」

オオコノハズク「おかわりです。美味しかったので」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 21:28:37.31 ID:T/+cWtyWo
―教室―

かばん「よいしょっと」

サーバル「はこんだよー」

オオコノハズク「ありがとうです」

イワビー「まだ目が痛いぃ……」

プレーリードッグ「擦ってはいけません」

カワウソ「がまんだよー、がまんっ」

イワビー「うぅぅ……」

ツチノコ「わざわざそのでかい鍋をここまでもってきたのか」

オオコノハズク「学校ではこうして運び、教室で食べたという記録があるのです」

ワシミミズク「生徒の数が多かったので、作った場所では食べることができなかったのです」

アルパカ「私も一緒にたべていいのぉ?」

かばん「はい。もちろんです」

トキ「うれしいわ」

オオカミ「今日はなにもしていないのに、こんな報酬があるとはね」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 21:37:05.91 ID:T/+cWtyWo
ワシミミズク「皆の前に料理はありますか」

サーバル「あるよー」

オオコノハズク「では、手を合わせるのです」

カワウソ「こう?」

オオコノハズク「いただきます」

「「いただきまーす」」

スナネコ「今のはなんだったのでしょう」

オオカミ「今のは悪霊を呼ぶ儀式だね」

スナネコ「悪霊……!?」

オオカミ「そうさ。食材に使われたものたちの恨みをここに呼ぶ恐ろしい儀式さ」

スナネコ「はぁ、そうですか」

オオカミ「……」

かばん「スナネコさんって、すぐに興味を失くしちゃうので」

オオカミ「なんだろう……。スナネコは私と相性が悪いのかもしれないね」

サーバル「寂しいの?」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 21:41:44.37 ID:T/+cWtyWo
ツチノコ「これが料理ってやつか」

ビーバー「からいっすね……」

プレーリードッグ「けど、癖になる味であります!!」

ハシビロコウ「はむっ……はむっ……」

かばん「えっと、ハシビロコウさん。どうですか?」

ハシビロコウ「おいふい」

かばん「よかった」

オオコノハズク「おかわりです」

ワシミミズク「おかわりをよこすのです」

かばん「はやいですね」

サーバル「私もおかわりほしいなー!」

プレーリードッグ「私もいただきたいであります!!」

ビーバー「で、できればおれっちも……」

ハシビロコウ「……」スッ

かばん「ちょ、ちょっとまってくださーい!! そんなみんながおかわりできるだけの量はないですよー!!」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 22:01:22.39 ID:T/+cWtyWo
カワウソ「だめなのー?」

ツチノコ「こういうときはどうするか、教えただろ」

プレーリードッグ「なるほど! このカレーを人数分で割ればいいでありますな!!」

ビーバー「この器が円だから、ええと……」

かばん「ジャパリまんみたいには分けられないと思います」

オオカミ「じゃんけん、なんて文化も昔はあったようだね」

サーバル「ホントなの?」

オオカミ「本当だって」

ビーバー「じゃんけんってなんっすか」

オオカミ「手の形を紙、石、爪に見立てて勝負するんだ」

オオカミ「手を広げた状態を紙、指を二本だけ立てた状態を爪、握り拳を石とする」

オオカミ「紙は爪に破かれ、爪は石に砕かれ、石は紙に包まれてしまう」

オオカミ「こうした関係を三すくみというんだよ」

スナネコ「すごいですね!」

オオカミ「おぉ。実はもっと面白い話があるんだ。何故、石が紙に負けてしまうかというとだね……」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 22:07:53.24 ID:T/+cWtyWo
スナネコ「早速、じゃんけんしましょう」

オオカミ「……」

ツチノコ「ああいう奴だから、気にするな」

オオカミ「そうしよう」

オオコノハズク「カレーのおかわりをかけた勝負ですか。受けて立つのです」

ワシミミズク「何人分おかわりができるのですか」

かばん「3人分ぐらいですね」

アルパカ「トキはどうするぅ?」

トキ「私は見ているわ」

アルパカ「それじゃあ、私もみてようかなぁ」

サーバル「私もじゃんけんするよー!!」

プレーリードッグ「負けないであります!!」

ハシビロコウ「うん」

オオコノハズク「我々に勝てるとでも?」

サーバル「ハカセたちだってじゃんけんはしたことないんでしょ? だったら、わからないよ!」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 22:11:45.40 ID:T/+cWtyWo
ワシミミズク「我々は爪を出すのです」

オオコノハズク「助手、石の間違いではないのですか」

ワシミミズク「いいえ、爪です」

オオコノハズク「石のほうがいいのです」

サーバル「何を出すか言っちゃっていいの!?」

ツチノコ「バカか。言ってることは嘘かもしれないだろうが」

サーバル「ウソなのー!?」

オオカミ「嘘はよくないな」

サーバル「オオカミが言っちゃうの!?」

かばん「あの、嘘はよくないと思います」

オオコノハズク「え……」

ワシミミズク「で、でも……」

かばん「ダメです」

オオコノハズク「うぐ……」

スナネコ「では、じゃーんけーん、ほい」
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 22:16:22.20 ID:T/+cWtyWo
サーバル「わーい! おかわりできるよー!!」

カワウソ「わーい、おかわりー!!」

スナネコ「満足」

かばん「あはは、よかったね」

ワシミミズク「宣言した通りにしたら、負けたのです……」

オオコノハズク「当たり前ですね……」

ツチノコ「なんで宣言通りのものを出すんだよ。あいつらなら信じるから違う手を出せば勝ってただろ」

オオコノハズク「嘘はダメだといわれたので……」

ワシミミズク「嘘はダメみたいなので……」

ツチノコ「……」

サーバル「はかせー! 半分、あげるよー!!」

オオコノハズク「え……。サーバル……」

カワウソ「わたしのもほしー? ほしーでしょー? はい、あげるねー」

ワシミミズク「い、いいのですか……」

スナネコ「じゃんけんだけで満足しました。ぼくのもあげますね」
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/23(土) 22:19:19.51 ID:995XsWIxo
なんという優しく素晴らしい世界なんだ!!!
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 22:21:51.85 ID:T/+cWtyWo
ビーバー「おれっちもいいんっすか」

サーバル「もちろんだよー」

カワウソ「どうぞー」

プレーリードッグ「ありがとうございます!!」

ハシビロコウ「いいの?」

スナネコ「勿論」

オオカミ「結局、みんなで分け合う形になったか」

アルパカ「いいにぇー」

トキ「微笑ましいわね」

かばん「ふふ……」

ツチノコ「勝負した意味がないだろ」

かばん「いいんじゃないですか。サーバルちゃんらしくて」

ツチノコ「悪いとはいってないだろ」

かばん「そうですね。ごめんなさい」

ツチノコ「責めてるわけでもないぞ。俺も、あれだ、こういうの、嫌いじゃないしな……」
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 22:27:48.68 ID:T/+cWtyWo
オオコノハズク「全員、食べ終わったのですか」

サーバル「おわったよー」

ワシミミズク「では、手を合わせるのです。ごちそうさまでした」

「「ごちそうさまでしたー」」

かばん「食器とかお鍋を洗わないと」

オオコノハズク「これらは我々が洗うのです」

ワシミミズク「学校の長なので」

かばん「いえ、そんなぼくが作った物ですから」

オオコノハズク「いいのです。それよりも給食後の授業に入るのです」

ワシミミズク「勉強していればいいのです」

かばん「は、はぁ……」

サーバル「次はなにするのー?」

ツチノコ「次は昼休みになってるな」

スナネコ「お休みしていいんですか」

イワビー「結構疲れていたから助かるな」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 22:32:49.69 ID:T/+cWtyWo
サーバル「おやすみかー。そうだねー。ちょっと眠たいかもー」

トキ「ごはんのあとは眠たくなるわね」

アルパカ「それじゃあ、みんなでお昼寝だにぇ」

プレーリードッグ「賛成であります」

ビーバー「いいっすねぇ」

ツチノコ「寝る時間ってわけじゃないけどな。まぁいい。全員、起きたら授業始めるからな」

かばん「はいっ」

ハシビロコウ「おやすみなさい」

サーバル「ここ陽が当たってきもちー」

カワウソ「ふわぁぁ。おやすみー」

スナネコ「お昼休み、さいこー」

かばん「サーバルちゃん、ボクはちょっとだけ学校の中を――」

サーバル「すぅ……すぅ……」

かばん「もう寝てる。泳いだし、疲れてたんだろうな。そっとしておこう」

ラッキービースト『カバン アンナイシヨウカ?』
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 22:42:22.66 ID:T/+cWtyWo
―廊下―

かばん「……」

ラッキービースト『カバン ナニカキニナルノ? シツモンガアルナラ キイテネ』

かばん「ええと、学校の壁に貼られているものが気になって」

ラッキービースト『コレラハ スクールニカヨッテイタフレンズタチガ ツクッタモノダヨ』

ラッキービースト『ベンキョウシテ モジ、エヲ カケルヨウニナッタンダ』

かばん「それは分かるんですけど……」

ツチノコ「破けたり、文字が掠れているものがあるよな」

かばん「ツチノコさん……」

ツチノコ「お前は寝てなくていいのか」

かばん「はい。どうしてもこの絵や文字が気になって。読めなかったり、破れてたりしてるのはなんでだろうって」

ツチノコ「ジャパリパーク内の建物は基本的にラッキービーストたちが補修してくれるから、少しぐらい壊れても問題ないが、こういった『作品』を修復できるようにはなってないんだろ」

かばん「作品……」

ツチノコ「昔のフレンズはいいよなぁ。教えてくれるヒトが沢山いて、こうして文字も絵の描きかたも教えてもらえたんだから。俺なんて独学だぞ、独学。どれだけ大変だったか」

ラッキービースト『……』
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 23:01:12.34 ID:T/+cWtyWo
かばん「どうして破けているんでしょう? こっちのは綺麗に残っているのに」

ツチノコ「例の異変があったとき、ここは真っ先に狙われたみたいだからな。その名残だろ」

かばん「どういうことですか?」

ツチノコ「ここに何百っていうフレンズが通っていたんだ。そりゃ、アイツらは真っ先にここを目指してくるだろうな」

かばん「アイツら……?」

ラッキービースト『――ここはジャパリスクールです』

ツチノコ「うお!?」

かばん「ミライさんだ」

ラッキービースト『多くのフレンズたちがここでヒトの文化を学んでくれています』

ラッキービースト『学べるということは! フレンズたちは動物のときよりも知能が大幅に上昇しているということです!』

ラッキービースト『って、当たり前よね。みんな、私たちと言語でコミュニケーションできるんだから』

ラッキービースト『そう……。フレンズは私たちと何も変わらない。学べば何でもできるようになる。きっと職員だって必要じゃなくなる。そのとき、このパークは本当の意味で完成するのかもしれない――』

ツチノコ「ん? おい、続きは?」

ラッキービースト『……』

かばん「今ので終わりみたいですね」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 23:07:07.61 ID:T/+cWtyWo
ツチノコ「なんだよ!! 絶対に続きがあるだろ!! 今の感じだと!!」

かばん「あはは……」

ツチノコ「まぁいい。お前と一緒に居れば、また喋ってくれるだろうしな」

かばん「あの……」

ツチノコ「なんだ?」

かばん「もしかして『作品』が壊れてしまっているのって……」

ツチノコ「セルリアンだよ。それ以外に何がある」

かばん「もっと『作品』があったんですか」

ツチノコ「さぁな。あったかもしれないな。この壁、一面に『作品』が飾ってあった可能性もある」

かばん「……」

ツチノコ「けど、もう分からない。無くなったからな」

かばん「もし無くなったのなら、悲しい、ですね」

ツチノコ「そうだな」

かばん「みんなが学んで、作ったものが……なくなる……」

ツチノコ「気にするな。あったかもしれないものだ。俺たちじゃ確認なんてできやしない。残っているものから想像するしかないんだよ」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 23:14:08.91 ID:T/+cWtyWo
かばん「そうですけど……」

ラッキービースト『カバン ナニカキニナルコトデモアルナラ シツモンシテネ』

かばん「……大丈夫。今は、ないです」

ラッキービースト『ソウ』

ツチノコ「そろそろ戻るか。昼休みも終了する頃だ」

かばん「お昼休みが終わるときも鐘がなるんですか?」

ツチノコ「鳴るはずだ。まぁ、こーちょーが仕事をしていればの話だけどなぁ」

かばん「あれってハカセさんが鳴らしていたんですか」

ツチノコ「そうか。今は食器とか洗ってるなら、鳴るまでもう少しかかるかもな」

かばん「鳴るまでは休憩ってことでいいですよね」

ツチノコ「そうなるか」

かばん「ちなみにどんな授業を?」

ツチノコ「国語だ」

かばん「こくご?」

ツチノコ「これを学べば文字を読めて、しかも書けるようになる」
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 23:20:36.90 ID:T/+cWtyWo
かばん「すごいじゃないですか!」

ツチノコ「だろぉ? 国語は万能なんだ」

かばん「いえ、ツチノコさんがです」

ツチノコ「は?」

かばん「国語ができるようになるだけでも、すごいことのはずなのに、それを教えられるなんて普通はできませんよ。ボクだって、文字の読み書きを教えるなんて多分できないですし」

ツチノコ「な、なにいってんだ!! お前ならできるだろ!! そういうお世辞はいいんだよ!!」

かばん「お世辞じゃないですよ。ホントにツチノコさんはすごいです」

ツチノコ「う……ぁ……」

かばん「どうしたんですか?」

ツチノコ「うるせえ!!! おれはすごくねえよ!! シャー!!」

かばん「すごいですって」

ツチノコ「うるせー!!! だまれー!!!」

かばん「えぇ……」

ツチノコ「ちくしょー!! ちょっと外の空気を吸ってくる!」ダダダッ

かばん「ツチノコさーん! 行っちゃった……」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/23(土) 23:21:34.50 ID:995XsWIxo
てれてるのー?
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 23:25:26.59 ID:T/+cWtyWo
―教室―

かばん「ただいま」

サーバル「すぅ……すぅ……」

かばん「気持ちよさそうに寝てる……」

ラッキービースト『オヒルノジュギョウハ マダハジマラナイノカナ』

かばん「ラッキーさん、しずかに。みんな起きちゃいます」

ラッキービースト『ソウダネ』

カワウソ「すぅ……すぅ……わー……たーのしー……』

スナネコ「まんぞくぅ……すぅ……すぅ……」

かばん「ふわぁ……。ボクもなんだか眠くなってきちゃった……」

ラッキービースト『ジュギョウガハジマルジカンニナッタラ オコシテアゲルヨ』

かばん「いいんですか? それならお願いします」

ラッキービースト『オヤスミ カバン』

かばん「おやすみなさい……」

かばん「すぅ……すぅ……」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 23:31:21.13 ID:T/+cWtyWo
カラーン! カラーン!

かばん「ん……」

ラッキービースト『カバン オキテ オキテ ジュギョウガ ハジマルヨ』

かばん「ふわぁ……。ありがとう、ラッキーさん」

サーバル「うみゃ!」ガバッ

かばん「おはよう、サーバルちゃん」

サーバル「おはよう、かばんちゃん! 次の授業が始まるの!?」

かばん「始まるんじゃない?」

ハシビロコウ「まだやるの?」

かばん「はい?」

ハシビロコウ「もう、夕方だけど」

サーバル「あれ!? 空が暗くなり始めてるよ!? なんでー!?」

かばん「ね、寝すぎちゃったのかな」

ビーバー「あ、かばんさんたちも起きたみたいっすね」

スナネコ「寝坊ですよ」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 23:37:43.79 ID:T/+cWtyWo
かばん「もしかして寝てる間に授業が終わっちゃったんですか」

サーバル「えー! ひどーい! どうして起こしてくれなかったのー!?」

プレーリードッグ「いえ、授業はなかったであります」

トキ「そもそも鐘が鳴らなかったわ」

かばん「そうなんですか」

ビーバー「はいっす。おかしいなって思ってみんなでハカセたちを捜しにいったら……」

オオコノハズク「すっかり眠っていたのです」

ワシミミズク「お腹いっぱいだったので」

かばん「それで鐘が鳴らなかったんですか」

アルパカ「今のはツチノコが鳴らしてくれたみたいだよぉ」

スナネコ「帰れの合図らしいですよ」

かばん「今から授業したら完全に日が暮れちゃいますもんね」

オオコノハズク「今日は終わりなのです。また明日来るのですよ」

オオカミ「今日は出番なしか」

イワビー「すいえいの授業はごはんのあとが良いかもしれないなぁ」
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 23:44:28.58 ID:T/+cWtyWo
―正門―

プレーリードッグ「それではさよならでありまーす!!」

オオコノハズク「まっすぐ帰るのですよ」

かばん「はい。ありがとうございました」

サーバル「バイバーイ!! また明日ねー!!」

ワシミミズク「ハカセ。戻ってきたのです」

オオコノハズク「すぐに行くのです」

サーバル「ハカセたち、このあとどうするんだろう」

ハシビロコウ「図書館に帰るんじゃない?」

ビーバー「アルパカさんたちもおれっちたちと一緒の場所に泊まるっすか」

アルパカ「こうざんまで戻ると明日遅刻しちゃうからにぇ」

トキ「私は大丈夫だけど」

かばん「すみません。お店だってあるのに」

アルパカ「へーき、へーきぃ。みんな私がこっちにいるって知ってるみたいだしねぇ」

かばん「そうだったんですか」
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 23:49:08.93 ID:T/+cWtyWo
―かばん・サーバルの部屋―

サーバル「今日もたのしかったねー」

かばん「半分は寝てただけになっちゃったけどね」

サーバル「私は夜行性だから丁度よかったかなー」

かばん「ぼくもお昼寝は気持ちよかったけど……」

サーバル「明日はどんなことするんだろー」

かばん「国語、だと思うよ」

サーバル「こくごー?」

かばん「うん。文字を読めて書けるようになるんだって」

サーバル「えー!? ほんとにー!! そんなことできるようになるのー!?」

かばん「らしいよ。ぼくもツチノコさんから聞いただけだけど」

サーバル「すごーい! 文字まで読めるようになったら……!! なったら……!!」

かばん「どうするの?」

サーバル「わかんないや。どうなるんだろー?」

かばん「サーバルちゃん……」
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 23:55:30.97 ID:T/+cWtyWo
―深夜 森林―

アライグマ「うーん……。こっちなのだ!」

フェネック「アライさぁん。そっちはさっきも通ったよー」

アライグマ「どしてわかるのだ!?」

フェネック「この木に傷をつけておいたのさー。迷ったときのためにねー」

アライグマ「フェネック!! すごいのだ!! では、こっちなのだ!!」

フェネック「じつはーそっちも通ったことあるんだよねー」

アライグマ「どうしてわかるのだ!?」

フェネック「こっちの木に傷をつけておいたのさー。迷ったときのためにねー」

アライグマ「すごいのだ、フェネック!! それなら……!! それなら……。どっちなのだ?」

フェネック「どっちだろうねー」

アライグマ「……」

フェネック「ねー?」

アライグマ「アライさんたちはかんぜんにまいごなのだー!!!」

フェネック「困ったもんだ」
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/24(日) 00:13:01.14 ID:Opb9nYyko
―翌日 ジャパリスクール 教室―

ツチノコ「おーし、席につけー」

サーバル「おはよー、ツチノコー」

プレーリードッグ「ツチノコ殿、ごあいさつをするであります!!」

ツチノコ「こっちによってくんなぁー!!! シャー!!!」

プレーリードッグ「ひどいでありますぅ」

ツチノコ「いいか!! 今日は国語をするぞ!! 国語!!」

サーバル「かばんちゃんが言った通りだね」

かばん「うん」

ツチノコ「この中で文字を読めて、書けるやつはいるかぁ?」

ハシビロコウ「じーっ……」

かばん「あ、はい、ぼくはなんとか……」

ツチノコ「おし、それじゃあ、黒板に自分の名前を書いてみろ」

かばん「わかりました」

カワウソ「がんばってー! かばーん!」
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/24(日) 00:18:15.05 ID:Opb9nYyko
かばん「――書けました」

ツチノコ「流石だな」

かばん「いえ……」

ビーバー「それでかばんって読むんすね」

プレーリードッグ「面白い形であります」

カワウソ「おもろーい」

ツチノコ「今日は自分の名前を書けるようになってもらうからな」

スナネコ「おぉー」

サーバル「できるかなー?」

ハシビロコウ「私、覚える文字が多くなるんじゃぁ……」

ツチノコ「とりあえずお前らの名前を黒板に書いてやるから、白い本であるノートに何百回と真似して書け」

ビーバー「そ、そんなに書かないといけないっすか」

スナネコ「飽きました」

ツチノコ「まだ始めてもいねーのに飽きてんじゃねーよ!!!」

かばん「できるところまででいいのでがんばりましょう」
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 00:18:50.88 ID:Opb9nYyko
>>99
カワウソ「おもろーい」

カワウソ「おもしろーい」
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 00:24:46.44 ID:Opb9nYyko
プレーリードッグ「うおおおお!!!!」ガリガリガリガリ

ビーバー「び……うぅ……びってむずかしいっすね……この丸くなるところが……うまくかけないっすね……」

サーバル「うみゃみゃみゃみゃー!!」ガリガリガリ

ハシビロコウ「は……し……び……ろ……こ……う……」カキカキ

カワウソ「かーわーうーそー」

ツチノコ「自分の名前すら書けなきゃ始まらないからなぁ」

かばん「何かする予定でもあるんですか?」

ツチノコ「秘密だ」

かばん「はぁ……」

スナネコ「……」

ツチノコ「おい、手が止まってるぞ」

スナネコ「もう覚えました」

ツチノコ「なら、ちょっと書いてみろ」

スナネコ「はい。す……な……ね……こ……。かけました」ドヤァ

ツチノコ「おまえ……!! これじゃあ『すななこ』じゃねーか!! お前の事これからスナナコって呼ぶぞ!! こらぁ!!」
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/24(日) 00:30:41.51 ID:Opb9nYyko
スナネコ「『な』という文字は『ね』とも読む説があるみたいですよ?」

ツチノコ「ねーよ!! どこの珍説だそりゃぁ!!!」

ハシビロコウ「書けた」

かばん「見せてください」

ハシビロコウ「これでいい?」

かばん「はいっ。もう覚えたんですね」

ハシビロコウ「難しいかったけど、なんとか」

プレーリードッグ「私も覚えたであります!!」ガタッ

ツチノコ「よし、何も見ずに書いてみろ」

プレーリードッグ「了解であります! ぷ……れ……り……ど……ぐ……っと!! これでいいでありますか!!」

ツチノコ「それじゃあ『プレリドグ』だよぉ!!」

プレーリードッグ「えぇ!? この不思議な棒は文字だったのでありますか!!」

ツチノコ「いっただろうがぁ!!」

カワウソ「かばんー、これでいいのー?」

かばん「こつめ、かわうそ。はい。大丈夫ですよ」
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/24(日) 00:38:10.19 ID:Opb9nYyko
ビーバー「うーん……うーん……」

かばん「ビーバーさん、どうしました?」

ビーバー「あ、えっと、どうしても『び』が綺麗にかけなくて……」

かばん「うわぁ……。沢山『び』を書きましたね……」

ビーバー「次にすすめないっす……」

かばん「とりあえず全部書いてみましょう。文字って全体を書けばなんとなく伝わりますから」

ビーバー「は、はいっす」

サーバル「よぉーし!! かんぺきだー!!」

ツチノコ「書いてみろ」

サーバル「うんっ! うみゃー!」カキカキ

サーバル「どうかな? さーばるって書けてるでしょ!?」

ツチノコ「読めなくはないから、まあ合格だ」

サーバル「わーい!! かばんちゃん、みてみてー!! 私、自分の名前書けるようになったよー!!」

ツチノコ「けどお前の名前は『キャット』まで含めないといけないからな。キャットも書けよ」

サーバル「へぇ!?」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/24(日) 00:47:49.72 ID:Opb9nYyko
カラーン! カラーン!

ツチノコ「そこまでだ。最後に一枚だけノートを千切って、綺麗に名前を書け。そして書いたら俺のところにもってこい」

かばん「どうするんですか?」

ツチノコ「壁に張り出すんだよ」

サーバル「――つかれたぁ」

プレーリードッグ「手がいたいであります」

ハシビロコウ「綺麗かな……」

ビーバー「上手くかけてないような気がするっすけど……いいっすかね……」

カワウソ「はい、これー!」

ツチノコ「これか。これでいいのか」

カワウソ「じゃあ、こっちにするねー」

ツチノコ「どっちだよ!」

カワウソ「どっちがいいー? キャハハッ」

ツチノコ「好きなほうを出せ!!」

スナネコ「自分の名前に飽きたのは初めてです」
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/24(日) 00:53:56.20 ID:Opb9nYyko
ツチノコ「次の授業は音楽室に移動だからな。遅刻するなよ」

かばん「音楽室ってことは……」

サーバル「もしかして……」

『わたしぃはとぉきぃ〜! おぉんがぁくぅのせんせぇ〜!!』

ビーバー「なにかきこえてきたっす……」

プレーリードッグ「急いだほうがいいでありますか!?」

ハシビロコウ「もしかして呼ばれてる?」

スナネコ「あまり行きたくないですね」

サーバル「ちょっと怖いよ!」

『かわいぃい〜せぇとぉがぁ〜もぉ〜すぐくぅるのぉぉ〜!!』

かばん「待ちわびているみたいですよ」

カワウソ「行ってみよ! 行ってみよ! おんがくってどんなのかきになる!」

かばん「みんなで歌うんじゃないですか」

カワウソ「歌うんだ!! 面白そう!! やってみたい!! やってみたーい!!」

サーバル「どんな歌をうたうんだろー?」
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/24(日) 00:58:59.17 ID:Opb9nYyko
―音楽室―

トキ「みんな、揃ったわね。私は音楽の先生で、歌の先生である、トキ。よろしく」

カワウソ「よろしくー!」

トキ「みんなにはある歌にチャレンジしてもらうことにしたわ」

かばん「それってトキさんが作った歌ですか?」

トキ「いいえ。最初はそのつもりだったんだけど、ハカセから課題曲をもらったわ。課題曲を歌えるようにしてほしいと言われたの」

スナネコ「そのほうがよさそうですね」

トキ「どういう意味かしら?」

かばん「どうしてハカセさんはそんなことを……」

ラッキービースト『ミンナノ オンテイガ クルウカモ シレナイカラネ』

トキ「なぁ……!!」

かばん「ちょ……!? ラッキーさん!?」

トキ「はぁぁ……!!」

サーバル「かばんちゃん!! トキがすっごくショックうけちゃったよ!!」

かばん「トキさーん!! ぼくじゃないですからぁー!!」
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