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サターニャ「お菓子で世界征服をしてやるわっ!」
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136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:19:13.43 ID:L0GVpb+LO
ゼルエル「それで、最近の身の回りの方はどうなんだ? ガヴリール……」
ガヴリール「姉さん……どんなつもりで此処へやって来たのか知らないけれど、話は放課後、みんなが集まってからにしてくれる?」
ゼルエル「元よりそのつもりだ、今日は学校の様子を1日見ようと思って朝から来たのだからな」
ガヴリール「さいですか……まあ、そういう事なら今日は学校観察を1日楽しんできてくれたらいいよ」
ガヴリール「姉さんの天使力なら、一般生徒たちに姿を見られないでも済むんでしょ?」
ゼルエル「…………なにか意外だな、もっとこう、お前は私の事を警戒してくるのかと思っていたのだが……」
ガヴリール「……姉さんの事は警戒しているよ、でも私は友達を信じることにしたんだ」
ガヴリール「だからべつに慌てもしないし、放課後まで待ってくれるっていうならそれでいいと思っている」
ゼルエル「…………」
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:20:02.61 ID:L0GVpb+LO
ガヴリール「だけど、まぁ……一応、私の方からも牽制はしておこうかな?」
ガヴリール「もし、このお菓子作りを中止にするつもりなら、さっきのマスターとの契約も全て白紙になってしまう」
ガヴリール「あのマスターの所には、既にこのお菓子を楽しみにしてくれているお客さんが大勢、待ち構えている」
ゼルエル「…………」
ガヴリール「それだけじゃない、学校の生徒、ネットの予約待ちの人々……多くの人たちが、このお菓子を待ち望んでいる」
ガヴリール「今後の見通しも含めて、それぞれが大きく動いている……もしも中止にするつもりなら、姉さんがそれらの責任の全てを取ってよね?」
ゼルエル「……いや、私は様子を見に来ただけだ。中止にするとか、そういうつもりは今の所は無いぞ?」
ガヴリール「なんだ、つまりはこれからそれらを見て、どうするかを実際に決めるつもりなのか……まぁそれを聞いて、少しは安心したよ」
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:21:00.41 ID:L0GVpb+LO
ゼルエル「ガヴリール……」
ガヴリール「なんだよ、姉さん?」
ゼルエル「私はこの計画を知った時、お前がもっと私利私欲に満ちた顔をしているのかと思っていたんだ」
ガヴリール「…………」
ゼルエル「だけど今のお前は、前よりもずっと眼が輝き、活き活きとした表情をしているな……」
ガヴリール「……そうかもな、ここ最近の生活には正直、生き甲斐を感じているよ」
ガヴリール「下界に来てから……いや、それ以前でも、こんな気持ちになれた事は今迄に一度も無かった」
ゼルエル「どうやら、良い友達に巡り会えたみたいだな、ガヴリール……」
ガヴリール「……学校の様子を見に来たっていうなら、じっくりその眼で視察していくといいよ」
ゼルエル「ああ、そうするよ……また後で会おう! ガヴリール」
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:21:42.27 ID:L0GVpb+LO
…………
……
とてとてっ……
お菓子、新作出るんだってさー
楽しみだねっ、早くお昼にならないかな〜?
ゼルエル「…………」
お菓子作りの募集行ってみたんだけどさー
楽しかったぜっ、お前もやってみないか〜?
ゼルエル「…………」
今日はいっぱい買っても大丈夫なんだって!
やったー! お母さんにも食べて欲かったんだよねっ♪
ゼルエル「…………」
ゼルエル「…………活気に満ちているな、この学校は」
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:23:52.11 ID:L0GVpb+LO
上野「んっ? 何ですかね〜、あの着物を着た人は……」
委員長「あ、あの〜……すみません、学校関係者の方ですか??」
ゼルエル「……っ!? 君たち、まさか私の姿が見えているのかっ……?!」
田中「姿が見えているとか……一体、何の事を言っているんですかね??」
委員長「えっ? いや、ちょっと待ってっ……!? 周り人、本当にこの人の姿が見えていない?!」
上野「……っ!! なるほど……あなた、天真さんのお姉さんですかね?」
ゼルエル「……鋭いな、確かに私はあの愚妹の姉だ。なるほど、そういう事か……」
ゼルエル「君たちは、認識の根底に……ガヴリールが人間じゃないという知恵を持っているな?」
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:24:49.88 ID:L0GVpb+LO
委員長「えっ!? やっぱり天真さんって人間じゃないの? すっご〜いっ!!」
田中「おおっ、噂の天使ってやつですかね? さすが、天真さんですね〜っ!!」
上野「ふふっ、やはり彼女は只者では無かったみたいですね!!」
ゼルエル「……んっ? いや、あの……直接聞いたわけじゃ、ないのか……??」
委員長「直接は何も聞いてないわね、ただ私たちがそうなんじゃないかと勝手に推測をしていただけよ?」
田中「お姉さんの言葉でようやく確信が持てましたっ! ありがとう、お姉さんっ!!」
ゼルエル「……えっ? ええっ??」
上野「ふっふっふ……墓穴を掘りましたね? お姉さんっ!!」
ゼルエル「な、なんだと……!?」
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:25:36.38 ID:L0GVpb+LO
ゼルエル「クッ……!!」
田中「おーっと、動かないでくださいよ〜? お姉さんっ!!」
上野「あなたの今からやろうとしている事は、分かっていますっ!!」
委員長「ズバリ、『記憶を消去する』……ですよね?」
ゼルエル「えっ……? いやいやっ!? いきなり、そんな理不尽な事をするつもりなど全くないのだが……」
田中「我々は今日、記憶を消されるかもしれないという想定の下で動いていますっ!!」
上野「最初から消されるかもしれないという危惧があれば、出来うる対策などいくらでもありますっ!!」
委員長「記憶消去に関しては予めあらゆる手を打っています……まずは、私たちの話を聞いてもらいましょうかっ!」
ゼルエル「えっ? えっ……? 何なのこの人たち、こわい……」
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:26:51.95 ID:L0GVpb+LO
田中「目的は何ですか? 天真さんは、渡しませんよっ!!」
上野「お菓子生産の中止ですかっ? そういうのは、ちゃんと人間界の裁判所を通して話をしてくれませんかね〜?」
委員長「ここは学校です、あなたが誰であれ、まずはこの学校のルールに従ってもらいますよっ!!」
ゼルエル「ちょ、ちょっと待って……っ! まずは、君たち落ち着いて……落ち着いて、話し合おう……」
ゼルエル「私は様子を見に来ただけだ……今の所、何かをどうこうするつもりなどは全く無い……」
田中「……そうなんですか? なんだか、少し拍子抜けですね」
上野「これはプランBですね、まずは情報を引き出すのが得策のようです……」
委員長「みんな、油断しちゃ駄目よっ!? ……絶対に、隙を見せちゃいけないわっ!!」
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:27:58.39 ID:L0GVpb+LO
ゼルエル「あ、あの〜……その、だな……私の方からも、君たちに質問をしてもいいかな?」
田中「答えられるものなら答えましょうか」
上野「もちろん、場合によっては黙秘権を行使しますっ!!」
委員長「自分に有利になろうとする情報を引き出そうとしたって、そうはいかないんですからねっ!!」
ゼルエル「え、えーとだな……君たちは、私の妹が人間じゃないと知って、一体どうするつもりなんだ……?」
田中「…………ん?」
上野「……どうする、って何がですか??」
委員長「……その質問は、目的語が曖昧じゃないのかしら?」
ゼルエル「……えっ? い、いや、例えば騒ぎ立てる、だとか……??」
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:29:00.55 ID:L0GVpb+LO
田中「……?? 天真さんが、それを望みますかね?」
上野「……分かったっ!! 翼をモフモフしたいとか、そういう事じゃないでしょうか!」
委員長「天真さん、翼とかあるのかしら?? 確かに、翼があるのならモフモフさせてほしいわね……」
ゼルエル「……いやいや、そういう事ではないのだが……まあ君たちが、善良な心の持ち主であることはよく分かったよ」
ゼルエル「安心してほしい、私は妹を連れ去っていくつもりはないし、君たちの記憶を消したりするつもりもない」
田中「ほんとですかっ? 今の言葉で言質を取りましたよっ!!」
上野「テープレコーダーに録音させてもらいましたっ!! 念の為、このデータは他所にも転送しておきますっ!!」
委員長「お菓子生産についてはまだ保留中という事かしら? 油断は最後まで出来ないわねっ!!」
ゼルエル「……何、この子たち、ほんとこわい……」
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:30:00.97 ID:L0GVpb+LO
ゼルエル「そもそも人間が、みんな君たちのような人達ばかりだったとすれば……我々も、正体を隠す必要はなかったのだよ」
ゼルエル「妹は、本当に良き人間たちに巡り会えたようだ……どうか、これからも仲良くしてやってほしい」
田中「……なんか、普通の妹想いのお姉さんに見えますね」
上野「……とりあえず、警戒レベルはCまで落としておきましょうか」
委員長「天真さんの宿敵だと聞いていたのだけど……そうでもないのかしら??」
ゼルエル「酷い言われ様だな……私はただ、妹が心配になって、この騒動の様子を見に来ただけだ」
ゼルエル「最初はこのお菓子に麻薬に似た成分が混じっていて、食べた者を禁断症状に陥らせているのではないかと思っていたのだが……」
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:30:59.28 ID:L0GVpb+LO
田中「失礼な、そんな危なっかしい成分なんて入れていませんよっ!!」
上野「私たちもお菓子作りに携わっていますが、もちろんそんな怪しげな材料などは使っていませんよ!?」
委員長「あなたの眼には、この学校の生徒たちが麻薬の禁断症状に陥っているように見えるのかしら??」
ゼルエル「……見えないな、もっと虚ろな表情でお菓子に群がる、ゾンビのような状態も想定していたのだが……」
ゼルエル「全然違っていた、皆それぞれが活力に満ち、幸せそうな表情をしているっ!」
田中「ふむ……意外に、話が通じ合えそうな感じがしますね? とりあえず安心はしましたよ」
上野「では……詳しいお話は、私たちが揃う放課後の夜になってからにしましょうかね?」
委員長「学校の様子を伺うというのなら、他の生徒たちの迷惑にならないようにお願いしますね?」
ゼルエル「ああ、そうするよ……君たちも、それぞれが今日の勉学に励むといい……夜になってから、また詳しい話などをしよう!」
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:31:28.57 ID:L0GVpb+LO
──昼休み
ガヴリール「はい、有難うございましたー! 次っ!! はい、有難うございましたー! はい、次っっ!」
ゼルエル「…………」
ゼルエル「良い表情をしているのだな、ガヴリールは……」
ヴィーネ「ふふっ……ガヴは、ああやって朝も昼も放課後も、いつも販売に勤しんでいるのよ?」
ゼルエル「……っ!! き、君はっ……悪魔の子か!!」
タプリス「こんにちわ〜、ゼルエルさんっ!!」
ゼルエル「君は、たしか妹の後輩の……そうか、二人とも、私とお話をしに来たのかな……?」
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:32:03.31 ID:L0GVpb+LO
……スチャッ!!
ヴィーネ「フフフッ……ゼルエルさん、、……ガヴは……渡しませんよ……?」
タプリス「今ここで、派手な力を使うわけにはいきませんよねぇ……? 天真先輩は、私の物ですッ!!」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ! !
ゼルエル「えっ……? いやいやっ!? ちょっ……ええええぇーっっ??!」
ゼルエル「二人とも、ちょっと待ってーっ!? お願いだから、少し落ち着いてっ!?」
ゼルエル「私は此処に様子を見に来ただけだっ! 妹を連れ去るつもりなどはないっ! だから、その殺気を出すのは止めてっ?!」
ヴィーネ「…………、どう思う? タプちゃん」
タプリス「言葉だけでなら、何とでも言えますからね〜……」
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:32:59.63 ID:L0GVpb+LO
ヴィーネ「ゼルエルさん……今、私たちはこうして天使と悪魔同士でもお互いに仲良くやっています……」
ヴィーネ「ですが、もしあなたが今回、この私たちの仲を引き裂くつもりのようでしたら……」
ヴィーネ「私は魔界でこの事を取り上げて、あなたの行動について大きく問題があるとの声を上げるつもりですッ!!」
ゼルエル「な、なんだと……? いや、いやいやっ!! ていうか、ちょっと待って……!?」
タプリス「もし今後、魔界と天界の仲が険悪になったとすれば……その原因の根幹はあなたという事になりますねッッ!!」
ゼルエル「いやいや!? 頼むから、ちょっと待ってっ!? 私、妹が心配で様子を見に来ただけだからっ!!」
ヴィーネ「…………、どう思う? タプちゃん」
タプリス「もちろん、ネットでゼルエルさんの悪口を言い触らす準備も出来てますよ……?」
ゼルエル「頼むから……お願いだから、二人とも私の話を聞いてよっ……」グスッ
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:33:50.76 ID:L0GVpb+LO
ヴィーネ「……つまり、ガヴを連れて行くつもりはないし、お菓子についても……今の所は、問題はないと?」
ゼルエル「ああ、そうだ……もしかしたら、販売時にお菓子を巡って様々な暴動が起きているかもしれないと思っていたのだが……」
ゼルエル「見ている限り、どうやらそれも問題はなさそうだ」
タプリス「お菓子の販売に関しては、マナーや規律などを徹底していますからね……」
タプリス「それに、何かトラブルが起きれば私たちがすぐ駆け付ける手筈にもなっていますっ!」
ヴィーネ「トラブルの処理は悪魔の仕事ですからね……もちろん、出来る限りのトラブルは事前に起こさない方針ですっ!」
ゼルエル「君たちは、本当に優秀なんだな……そういう事なら、私の方からも何も言うことは無いよ」
ゼルエル「放課後の夜に、また会おう……その時に、また詳しい話などを聞かせてもらうよ!」
ヴィーネ「…………、どう思う? タプちゃん」
タプリス「何か、呆気なさ過ぎますね……しかし、様子見でも……とりあえずは良いんじゃないでしょうか?」
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:34:29.49 ID:L0GVpb+LO
──放課後
「すみません、それ取ってくださーいっ!」
「生地出来ましたっ! 加工お願いしま〜すっ!」
……わいわいっ!!
ゼルエル「…………」
ゼルエル「……成る程、ここのお菓子はこうやって生産されてゆくのだな」
ラフィエル「視察の方はどうですか〜? ゼルエルさんっ♪」
ゼルエル「……ラフィエルか、お前がこの生産体制を敷いたのだな?」
ラフィエル「はいっ! 私が中心となってこのシステムを作っていま〜す♪」
ゼルエル「そうか、見事なものだな……まだ若いというのに、お前は人を動かしたりするのが本当に上手いよ」
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:35:37.84 ID:L0GVpb+LO
ラフィエル「……? ゼルエルさん、何か少し……顔がやつれていませんか?」
ゼルエル「ああ、ちょっとな……出会う人達が何故か皆、私に攻撃的な人たちばかりでな……さすがに、少し参ったよ」
ラフィエル「そうですか……それは大変でしたね〜」
ゼルエル「ああ……全くだ……」
ラフィエル「…………」
ゼルエル「ここで、働いてる人達は……皆、良い笑顔をしているのだな……」
ラフィエル「ええ、これは募集を通しての自主的な労働です、強制で働かせている生徒などは一人もいません」
ゼルエル「そうか……私は最初、生徒を働かせていると聞いて、それがどのようなものであるのか少し怪しんでいたのだが……」
ゼルエル「どうやら要らぬ心配だったようだ、これならむしろ労働の喜びを分け与えているとも言える」
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:36:56.42 ID:L0GVpb+LO
ラフィエル「これらは全て、サターニャさんの方針なんですよ?」
ゼルエル「サターニャ? ああ、あの悪魔の子か……」
ラフィエル「お話は、もう少し待っていてくださいね? この生産が終わった後、夜に皆んなで集いますのでその時に……」
ゼルエル「ああ、分かった……待たせてもらうよ」
ゼルエル「そうか、あの悪魔の子がこれら全てを纏め上げていたんだな……」
ガタンゴトンッ! ガタガタ……
ゼルエル「…………、それにしても凄い設備の数々だ、よくこれだけの器具等を用意出来たものだな……」
ラフィエル「ふふっ、先行投資というやつですよ、これはっ♪」
ラフィエル「でも、少しだけ心配ですよね……ゼルエルさんが、これらの設備費用等をちゃんと支払えるのでしょうか?」
ゼルエル「いやいや、私にはとてもとても…………」
ゼルエル「……? いや、ちょっと待て……一体、何の話をしているんだ??」
ラフィエル「このお菓子作りを中止にするつもりでしたら、もちろんゼルエルさんにこれら諸費用等の全てを請求するというお話ですよっ♪」
ゼルエル「ら、ラフィエル……!? くそっ……結局、お前もかーーっ!!!」
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:39:30.54 ID:L0GVpb+LO
ラフィエル「請求はごく当然ですよ〜? 中止にしたら、この設備費用等はどうするんだって話ですからねっ♪」
ゼルエル「いや、ちょっと待てラフィエル……私は、べつにそんなつもりは……」
ラフィエル「これは白羽家の事業の一部としても、今後最大の規模になる程の見通しでした」
ラフィエル「それらを潰すとなれば……ゼルエルさんは、白羽家と今後、全面抗争をするおつもりなんですよね……」
ゼルエル「いやいやっ!? ていうか、私とお前は……ガヴリールを通して昔からの顔見知りだろう? なぜそんな事を言うんだっ!?」
ラフィエル「悲しいですよね……ゼルエルさんが、そんなおつもりだったなんて……」
ゼルエル「くそっ……そういえばこいつはこんな性格だったな!! 一番警戒すべき相手なのに、顔見知りというだけで安心してしまってた!」
ラフィエル「もちろん、ゼルエルさんのこれからの意向次第で、何もかもが全て決まっちゃうんですよ〜?」
ゼルエル「なぁ……これって脅迫とかいうやつじゃないのか? 脅迫罪とかいうやつに、該当するんじゃないのか……?」
ラフィエル「脅迫も何も、私はただ当然の主張をしているだけですよ〜? そうなった場合の損失の請求は、当たり前の話ですし」
ラフィエル「だいたい、それを言ったらゼルエルさんなんて、存在そのものが脅迫罪じゃないですか〜♪」
ゼルエル「なんという酷い言われ様だ……私が、一体何をしたって言うんだ? ただ妹の様子が心配で見に来ただけだというのに……」
ラフィエル「まあ私の方からはこの程度にして置いて……後は、サターニャさんにトドメをお任せしましょうかね〜♪」
ゼルエル「うぅ、もうやだぁ〜……お家に帰りたいよぅ……」グスッ
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:40:15.75 ID:L0GVpb+LO
──その夜
「「「「…………」」」」ジロッ!
ゼルエル「…………っ」ビクッ
ガヴリール「あの、ね、姉さんっ? 一体、何があったの? なんか顔色がめっちゃ良くないんだけど……」
ゼルエル「……が、ガヴリールぅ〜っ!! 頼む、お姉ちゃんを助けておくれ〜!!」シクシク
ガヴリール「な、何があったのか知らないけど、なんか大変だったみたいだね……」
ガヴリール「あっ、そうそう。そういえば一つ、言い忘れてたんだけど……」
ゼルエル「うんうん、なんだい? ガヴリール」
ガヴリール「姉さん、今日の姉さんの返答次第で……私、家族の縁を切らせてもらうからね?」
ゼルエル「が、ガヴリールぅ〜っ!? な、な、なんでぇ〜〜!?」ガビーン
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:41:36.99 ID:L0GVpb+LO
サターニャ「こら、ガヴリールっ!! あんた、なんて酷いことを言っているのよ〜?」
ゼルエル「お前が……ここのボス、か……」
サターニャ「こんばんわ、ガヴリールのお姉さん! 今日はよく来てくれたわね?」
ゼルエル「あ、ああ……突然の訪問で申し訳ない……」
サターニャ「なんか色々あったみたいだけど……大丈夫、気楽にしてくれてていいわっ!」
ゼルエル「そ、そうか? すまない……ありがとう……」
ゼルエル「正直、どんな処遇を受けるのかと思っていたのだが……もしかして、君は話が分かり合えるのだろうか?」
サターニャ「遠い所から遥々やって来てくれたんだもの! 訪れた客人に対して持て成すのは当然のことよ?」
サターニャ「それにしても……まったくっ!!」
サターニャ「あんた達ねぇ……私に任せておきなさいって、昨日の時点で言ってたでしょ〜?」
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:42:26.63 ID:L0GVpb+LO
田中「いやいや、私たちはただお姉さんと軽くお話をしていただけですよ〜?」
上野「まぁ挨拶は大事ですからね〜……世間話くらいは、流れ的に当然じゃないでしょうかねぇ?」
委員長「学校に来ている以上は、学校のルールくらいは説明しておかなくちゃいけないわ
っ!」
ヴィーネ「べつに、まだ何もしてないわよ〜? 何かをするのは……ふふっ、これからなんだからっ♪」
タプリス「拡散準備、複数IDによる自演準備、全てスタンバイOKです〜っ!!」
ラフィエル「知っていますかね〜? 世の中で一番強いのは、権力なんかではなく……ズバリ、お金なんですよね〜っ♪」
ガヴリール「はぁ、なんか最近怠いし、そろそろ堕天すっかな〜……」
ゼルエル「ひ、ひぃ……っ!」ビクビクッ!
サターニャ「あんた達、止めなさいよ〜? なんか、すっごく恐がってるじゃないのっ!!」
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:44:10.79 ID:L0GVpb+LO
サターニャ「まったく、もうっ……! 周りの目は気にしなくていいからね? ガヴリールのお姉さん」
ゼルエル「うぅ……すまない、君だけが、私にとっての唯一の良心のようだ……」
サターニャ「周りに構わず、話してくれていいわ……今日の用件は何なのかしら?」
ゼルエル「あ、ああ……正直に話そう、私はこのお菓子の騒動に気付き、それで此処の様子を見に来たんだ……」
サターニャ「ふーん、それで……その学校の様子は、どうだったかしら?」
ゼルエル「最初は、様々な懸念を色々と抱いて此処に来ていた……しかし、今日の一日でそれら全てが杞憂だと分かったよ!」
ゼルエル「何一つ問題は無い……むしろ、これらは賞賛に値するっ!! これらの全てを纏め上げているのが、まさか君だったとはな……」
サターニャ「ふふんっ、当然よねっ! 私の作るお菓子に、何か問題があったら困るんだからね〜♪」
サターニャ「でも……そうね、これは決して私一人だけの力じゃないのよ? みんなの協力があってこそ、実現したお菓子作りなんだからねっ♪」
ゼルエル「そうか、なるほどな……どうやら君は、本当に優れた器を持っているようだ……」
ゼルエル「人の上に立つという、その大きな優れた器を……」
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:45:08.06 ID:L0GVpb+LO
サターニャ「ふふっ……お姉さんっ♪ どうもありがとねっ!!」
サターニャ「私の作ったお菓子……お姉さんも食べてみるかしら?」
ゼルエル「ああ、頂こうかな……」
サターニャ「……どうぞっ!! このお菓子はね……あなたに『参った!』と言わせるために、私が直々に作った物なのよ?」
ゼルエル「ははっ、なるほどな……それは手強いっ!! どうやら、心して食さなければならないようだ」
ゼルエル「そうか……このお菓子が、全ての発端で、始まりなのだな……」
ぱくっ……
ゼルエル「…………」
ゼルエル「……そういう事か、ようやく私にも真実が分かった気がするよ」
ガヴリール「えっ、何々? 一体、何が分かったの!? 姉さんっ……!!」
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:47:02.22 ID:L0GVpb+LO
ゼルエル「このお菓子は……食べた人を幸せにする、なにかそういう力を感じる……」
ゼルエル「私が今まで食してきた物の中でも、このような……心が暖かくなっていくようなお菓子は、生まれて初めてだっ!!」
サターニャ「ふふーんっ♪ これらのお菓子は、私の元気をお裾分けしてあげるように作ってあるんだから、当然よっ!」ドヤァ
ゼルエル「そうか……皆が、このお菓子に夢中になるわけだな……」
ゼルエル「ただ美味しいというだけなら、仏頂面を通せたかもしれんが……ははっ、これは全く持ってどうしようもないなっ!」
ゼルエル「私の完敗だよ……このお菓子は、掛け値なしに素晴らしい!!」
サターニャ「ふふっ、良かったらお代わりも食べるかしら? もっといっぱい食べてもいいんだからね〜♪」
ゼルエル「ああ、ならそうさせて貰うよ……私にも、この騒動の『本当の理由』が今ようやく理解できた……」
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:48:04.14 ID:L0GVpb+LO
……おお〜っ!!
田中「さ、流石ですね……胡桃沢さんっ!!」
上野「どうやら、私たちの小細工など最初から必要なかったみたいですね……」
委員長「えっ? ていうか、このお菓子って……胡桃沢さんの元気が貰えるように作ってあったの?!」
ヴィーネ「サターニャのお菓子の前では、神の腕でもまったく敵わなかったみたいねっ♪」
タプリス「凄すぎますよ、胡桃沢先輩っ……!!」
ラフィエル「いや、これは本当に大悪魔ですよ……だってこんなの、どこの誰も逆らえないじゃないですかっ!!」
ガヴリール「まぁ分かり切っていた結果だけどな……サターニャのお菓子は、美味しいんだからなっ!」
サターニャ「あんた達っ! まだ話は途中なんだからちょっと静かにしてなさいよ〜っ!!」
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:49:57.85 ID:L0GVpb+LO
ゼルエル「話は途中か、ははっ……!!」
ゼルエル「そうだな……お菓子作りの協力だろうか? 私の方でも手伝える事なら、喜んで協力をしようと思うが……」
サターニャ「いや、それよりも……それ以前の話よ?」
ゼルエル「……? ああ、そう言えば天界でお菓子販売をするつもりらしいな、既にマルティエルが準備をしているぞっ!!」
ゼルエル「それに関しては、そもそも私の許可とか関係なく……べつに自由に販売をしても良いんだぞ? 私も特に邪魔をしたりなんかしない」
サターニャ「違うのよ……もっとこう、根本的で基本的なお話よ?」
ゼルエル「……?? ああ、つまり人間に正体をバラす事に関してか……それについては、流石に私一人ではその責任を持ち切れないな」
ゼルエル「ただ、そこの三人……あと君たちが大丈夫と判断した者に関しては、全てを話しても構わないと思っているぞ?」
サターニャ「あー、もうっ!! そうじゃないのよ……それよりも、もっと前提的な事なのよ〜っ!!」
ゼルエル「……?? すまない、一体何の事なのかが見当付かない……君が言っているのは、何の話だろうか?」
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:51:09.67 ID:L0GVpb+LO
サターニャ「お姉さん……ズバリ、私の配下になりなさいっ!!」
ゼルエル「配下……えっ、えぇっ?! いや、ちょっと待って配下って……ちょっ、もしかしてあの配下ァ〜?!」
サターニャ「ならないのかしら?」
ゼルエル「いやいやっ!! さすがにそれはちょっと……もちろん君の事は、高く評価しているつもりだが……」
サターニャ「配下になるのなら、毎日私のお菓子を送り届けてあげるわっ♪」
ゼルエル「それは……非常に魅力的な条件だな、しかし配下というわけには……」
サターニャ「ちなみに、ならないというのなら……当然、お菓子抜きねっ!! お姉さんには今後、販売もさせないように私が手を回すわ〜♪」
ゼルエル「なっ、なんだとっ……!? まさか貴様、悪魔かっ!? いや……そういえば悪魔だったな……クソッ、この悪魔がっっ!!」
サターニャ「ここで配下になると言うなら、望むだけのお菓子を毎日好きなだけ送り続けてあげる……」
サターニャ「でも配下にならないと言うのなら、もう二度と私のお菓子を口にする事は出来ないわね……さあ、好きな方を選びなさいっ♪」
ゼルエル「くっ……!! な、なんなんだ? この、理不尽極まる二択はっ……!!」
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:52:14.21 ID:L0GVpb+LO
ゼルエル「クソッ……落ち着け、冷静に考えれば、たかがお菓子じゃないかっ!!」
サターニャ「お菓子、美味しいわよね〜♪ このお菓子が、永遠に食べられなくなっても……お姉さんは本当にいいのかしら〜?」
ゼルエル「二度と、食べられなくなる? このお菓子が、もしかして……一生?? いやしかし、それでも……」
サターニャ「何を迷ってる必要があるのかしらね〜? あっ、新作のお菓子があるんだけど、どうかしらっ♪」
ゼルエル「し、新作のお菓子だと……? も、もしかしてお菓子は、新作がどんどん追加されていく、のか……?」
サターニャ「焦れったいわね〜……ほら、匂いだけ嗅がせてあげるわっ! もちろん、ただ匂いだけね〜っ♪」
ゼルエル「くっ……分かった!! お前の配下になる事を誓おう!! だから……そのお菓子を食べさせてくれ〜っ!!」
サターニャ「ふふっ……よ〜く出来ましたっ♪ さあ、好きなだけお菓子を食べてもいいわよ〜?」ドヤァ!
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:53:00.69 ID:L0GVpb+LO
ヴィーネ「だ、大悪魔だわ……ほんとに」
上野「う〜ん、どっからどう見てもこれは大悪魔ですねっ、はい!」
委員長「この人……天界のトップなのよね? その方が、胡桃沢さんの配下にっ?!」
ラフィエル「名実共に……大悪魔ですね、これは……」
ガヴリール「姉さんがサターニャの配下か、ははっ、そりゃいいなっ!!」
田中「えっ? もしかして、これって天界とやらを支配しちゃったも同然……??」
タプリス「間違いなく、大悪魔ですね……誰が見ても、そう答えるんじゃないでしょうか」
サターニャ「なーはっはっは! 私のお菓子は、天下一品よ〜っ♪」
ゼルエル「うぅ……だって、美味しいんだもん……こんなの、卑怯だよぅ……!!」モグモグ
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:53:51.43 ID:L0GVpb+LO
ヴィーネ「まあまあ、ゼルエルさんっ♪ 配下と言っても、みんなで一緒にお菓子を作りましょうってだけですからっ!!」
ラフィエル「これで天界の方で販売する支部は、私のお屋敷と天真家のお家と……ふっふっふっ♪」
タプリス「このまま、天使たちを全員お菓子漬けにするつもりですね……もうっ、こうなったらやるだけやっちゃえです〜っ!!」
ガヴリール「あっ、私このままサターニャに一生付いてくから、よろしく〜♪」
上野「ところで、天使って翼とかあるんですかね? モフモフしたいんですけど……」
委員長「あっ、そうよっ!! 天真さん、翼があるならモフモフさせなさいよ〜っ!!」
田中「この調理部室を、天使と人間の交易場所にしちゃうってのも悪くないんじゃないでしょうかね〜?」
ゼルエル「お土産、貰ってもいいか? そろそろ、私は帰るとするよ……」
サターニャ「今日は遥々ありがとね、お姉さんっ!! 家族のみんなにも、お菓子を食べさせてあげるといいわっ♪」
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:54:53.17 ID:L0GVpb+LO
……わいわいっ!!
ゼルエル「ここは、皆の笑顔が絶えないんだな……」
サターニャ「お姉さんも、もうメンバーの一員なのよ? これからも、どうかよろしくねっ♪」
ゼルエル「ははっ、そういえばそうだったなっ! そうか、私も既にこの中の一員なのだな……」
サターニャ「そうそう、もっと笑っていなさいよ〜? お姉さんは、笑顔になる回数が少なすぎるのよっ!!」
ゼルエル「笑顔が、少ない……?? 確かに、私はあまり大きく笑ったりする事は無いのかもしれないが……」
サターニャ「それじゃ、ダメよ〜? 自分が笑顔になれないで、他の人を幸せにさせる事なんて絶対に出来ないんだからねっ!!」
ゼルエル「……成る程、それは言われてみれば確かにそうなのかもしれん……」
サターニャ「お姉さんがもっと楽しく笑っていれば……他の天使たちも、きっと今よりももっと笑顔になれるはずなんだからっ♪」
ゼルエル「……そうか、そうなのかもしれないな……君には、本当に驚かされてばかりだ」
ゼルエル「では、今度来る時にはもう少し笑顔になれるように精進しておこう……今日は本当に世話になった!!」
サターニャ「ばいばい、お姉さん……暇があったら、またいつでも来ていいんだからねっ♪」
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:55:41.47 ID:L0GVpb+LO
…………
田中「……行っちゃった、か」
委員長「結局、妹想いの良いお姉さんってだけだったみたいね……」
ガヴリール「よし、これで私も晴れて自由の身だ! なんせ姉さんは、もうサターニャには逆らえないんだからな〜っ♪」
ヴィーネ「もうっ、またそんな事言って……でもそうね、ガヴが連れて行かれなくて良かったわ!」
ラフィエル「これで天界はもう私たちの手に落ちたも同然です……世界征服は、すでに秒読み段階に入ってますよ皆さんっ!!」
上野「目に見える障害は、もはや何も無いですからね〜……あとは、ただひたすら売り捌くのみですねっ!!」
タプリス「皆さんに付いてきて良かったです〜……今までに無い充足感を感じてますよ、私っ!!」
サターニャ「はいは〜い、みんなっ!! とりあえず、今日の成果の方を聞かせてもらっても良いかしら〜?」
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:57:17.28 ID:L0GVpb+LO
上野「今日の生産数の程は約三万個……昨日のおよそ3倍ですねっ!」
ラフィエル「人員は300人……どうやら様子見をしていた生徒たちも、実際の職場の雰囲気を見て参加しに来てくれたようですっ♪」
委員長「これまでの生活の都合上、今すぐには働けないって生徒もいるわ……それも含めると、実際には既に学校の生徒達の大半が参加予定よ?」
タプリス「まあ部活などに本気で取り組んでいる生徒もいますから、全員が全員ってわけにもいきませんよね……」
ヴィーネ「そういう人たちには、これからも頑張って貰わないと……お菓子を差し入れて、応援してあげてもいいんじゃないかしら?」
ガヴリール「マスターの所はえらく大盛況らしいぞ? 店が朝から晩までずっとお祭り状態だと言っていたな!」
ガヴリール「ネット販売は、一人5個制限で今のところ倍率10倍だな……お菓子全然足りないぞ、もっと生産しなきゃダメだろこれ」
田中「天界の方にもお菓子を送り届けなくちゃいけませんよね? すでに、生徒だけじゃ追い付けない規模になってますよ〜!」
サターニャ「うんうん、みんなそれぞれが順調のようねっ♪ 今日もいっぱい頑張ってくれて、ありがとうっ!!」
サターニャ「そして……どうやらこの街そのものを挙げての生産体制に入らなきゃいけない時が来たようね?」ニヤッ
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:58:31.17 ID:L0GVpb+LO
上野「お、おぉ〜……! 遂に、この街自体の乗っ取りを開始するんですねっ!!」
委員長「まあ学校の方については、もう乗っ取りが完了していると言ってもいい状態だもんね……」
ラフィエル「一般人を雇うとなると、色々と面倒な部分があるんですよね〜……お偉い方達の説得、お任せしてもいいですか?」
サターニャ「ふふんっ、次のターゲットはこの街の偉い人達ってわけねっ!! 今までの相手に比べたら楽勝だわ〜♪」
ヴィーネ「サターニャの手に掛かれば、法律も何も関係ない、何もかもがサターニャの思い通りになってしまうわね……」
タプリス「恐るべき、大悪魔です……街を乗っ取るという行為が、まるで簡単な事のように思えてきます〜っ!!」
ガヴリール「もう早く、この国自体を乗っ取っちまえよ……こんな世の中、サターニャに支配されちまった方が断然マシだっての!」
田中「天真さんは、相変わらずですよね〜……って、なんでダーツの準備なんかしてるんですか!?」
ガヴリール「よっ、ほっ! っと……ああ、抽選の様子を実況配信だ、再生数も稼げて一石二鳥だろ〜?」
172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 08:59:40.37 ID:L0GVpb+LO
ヴィーネ「ちょっ……あんた、そんな適当な抽選の仕方でいいわけっ?!」
ガヴリール「適当とは何だ、ちゃんと公平な抽選だろ〜? ちなみに、明日はビンゴ大会をやるつもりだぞっ!!」
委員長「ふむふむ、ちゃんと再生数も稼げているみたいね……まあ、目に見えない抽選よりかはこっちの方が良いんじゃないかしら?」
サターニャ「まったく、あんたはしょうがないんだから……その再生数で稼いだ分は、あんたが取っといて良いわよっ!」
タプリス「ちょっと、大変ですよっ!! このお菓子の偽物が、ネットで出品されてますよ〜っ!!」
ヴィーネ「……!! もしかして、ようやく私の出番なのかしら? でも、まずは警告からよね……ふふっ♪」
タプリス「出品者の住所を特定しました、天使を舐めてもらっちゃ困りますね〜……警告で止まらない場合は、やっぱり突撃ですかね〜?」
田中「こっちはこっちで何やら盛り上がってますね〜……月乃瀬さんは、これから忙しくなるかもしれませんねっ!」
上野「う〜ん、偽物とかはあまり良い気分がしませんねぇ……悪質な場合は、やっちゃっても構わないんじゃないでしょうか?」
ラフィエル「ふふっ、どうやらヴィーネさんの初出動みたいですねっ♪ お手柔らかに頼みますよ〜?」
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 09:00:36.33 ID:L0GVpb+LO
タプリス「あっ、こいつ警告を無視してのうのうと出品作業を続けてやがるです〜っ!! もう完全にクロですよっ、月乃瀬先輩っ!!」
ガヴリール「んっ? ああ、そいつは前々からいる悪質な詐欺師だぞ……遠慮なくやっちまえよ? その方が世の中の為になるからさ」
ヴィーネ「ふふっ、久々に悪魔の血が騒ぐわね……それじゃ、お仕置きに向かうとしましょうかっ♪ タプちゃんっ!!」
タプリス「はいっ!!」
……シュンッ!!
田中「おお、消えた〜……なるほど、見事な瞬間移動ですね〜!!」
上野「いきなり現れていきなり脅される、か……相手の方も、少しお気の毒ですね〜」
委員長「こういう科学で証明できない事柄だと、騒ぎようもないわね……状況を説明した所で、頭がおかしいと思われるだけだわっ!」
ラフィエル「第一、騒がれたとしても困るのは後ろめたい事がある相手の方ですからね〜……詐欺師の方に、容赦は要りませんよっ♪」
サターニャ「本当はヴィネットに、私としてはこんな事あまりやってほしくはないんだけどね……これも、仕方の無い事なのかしら?」
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 09:02:25.53 ID:L0GVpb+LO
ラフィエル「皆さ〜ん、そろそろ今日の所もお開きですね……最後に、聞きたい事はあるでしょうか?」
田中「はいは〜いっ!! お菓子の正体が、胡桃沢さんの元気が貰える仕様だってのは本当ですか〜?」
サターニャ「本当よっ!! 私の元気をお裾分けしてあげるように、作ってあるんだからね〜♪」
委員長「それが本当なら、あのお姉さんの言う通り……みんなが、このお菓子に夢中になるのも分かる気がするわね」
ガヴリール「まさか、お前の元気が貰える仕様だったとはなぁ……そりゃ美味いわけだよ、食べた奴が笑顔になるのも分かる気がする」
上野「はいは〜いっ!! もっともっと、とんでもない爆弾発言をしてもいいですかぁ〜?」
サターニャ「もうっ、何なのよ〜? この大悪魔、胡桃沢=サタニキア=マクドウェル様が、特別に何でも答えてあげるわ〜っ♪」
上野「ニヤッ……ふっふっふ、では遠慮なく〜っ!! ズバリッ、胡桃沢さんの本命は三人の内の誰なんですかね〜?」
ラフィ&ガヴ「「…………っ!??」」
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 09:03:52.98 ID:L0GVpb+LO
……シュタッ!!
ヴィーネ「ちょっと、あんた達〜っ!! 私抜きで何勝手にそんな話をしているのよっ!!」
上野「あっ、お帰りなさいっ!! 早かったですね〜♪」
ラフィエル「成果の方はどうでしたか? ヴィーネさん」
タプリス「恐かったですよ〜、月乃瀬先輩っ!! 相手をビビらせて、二度と偽物を出品させないように誓わせていましたね〜……」
ヴィーネ「落とし前として、PCもぶっ壊しておいたわ……それよりも、さっきの話は何なのよ〜っ!!」
ガヴリール「う〜ん……あ〜、やっぱりさ? ここは冷静に客観的に判断した場合、ヒロイン的な立場は私になるんじゃないのか?」
ラフィエル「なんだかんだで、一番貢献しているのは私じゃありません? 私を選ぶのが、妥当な判断ですよ〜♪」
ヴィーネ「最初からずっと味方をしているのは私なのよっ? 汚れ仕事をしてしまって癒しが必要だわ、慰めてよサターニャぁっ!!」
田中「も、モテモテっすね〜……胡桃沢さんっ!!」
委員長「ほんと、羨ましい限りだわ……どの娘を選んでも、この上ない大当たりねっ!!」
サターニャ「まったく、あんた達はしょうがないんだから〜……ほら、あの時みたいに、みんな私の前に集まりなさいよっ?」
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 09:04:38.21 ID:L0GVpb+LO
ガヴリール「え〜、またあれするのかよ……全くしょうがねえな、ほら長くやれよ? いっぱい、長〜くだぞ?」
ラフィエル「サターニャさん、これは毎日やってもらわないとダメですよ〜? これからは、毎日ですからねっ?」
ヴィーネ「ほら、早くっ!! 早く、ぎゅーってしてよ、サターニャぁっ!!」
サターニャ「はいはい、まったくもう……あんた達は、ほんと可愛いんだから〜っ♪」
ギュウウウッ……!!
ガヴリール「あぁ、サターニャぁ……サターニャぁ〜////」ギュウゥッ!
ラフィエル「うふふ〜……サターニャさぁんっ♡」スリスリ
ヴィーネ「えへへっ……サターニャの匂いがする〜っ♪」クンカクンカ
委員長「あ、あんた達っ……少しは自重しなさいよ〜っ!!」
田中「うわ〜、三人とも恍惚な表情をしていますね〜っ!!」
上野「私たちが見ているって事、みなさん忘れていませんかね……?」
タプリス「て、天真先輩っ!! ハグがしたいなら、私ならいつでもぎゅーってしてもいいんですよ〜っ!?」
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 09:05:26.98 ID:L0GVpb+LO
サターニャ「ねぇ……あんた達さぁ、今日の事で、何か大事なこと忘れてない?」
ガヴリール「なんだよ、大事なこと……? もうこのまま離さないぞ、サターニャぁ////」ギューッ
ラフィエル「このまま添い遂げるのは誰かって話ですよね? サターニャさぁんっ♡」スリスリ
ヴィーネ「もっといっぱいこうしていましょうよっ! サターニャぁ〜っ♪」クンカクンカ
ガヴリール「このまま……一緒にベッドの中に入ろ? サターニャぁ////」
タプリス「て、天真先輩っ!! 目を覚ましてくださいぃ〜っ!?」
ラフィエル「結婚をしましょう……サターニャさんっ!! 私を、あなたのお嫁さんにしてくださいっ!!」
委員長「し、白羽さんっ!? あなた、気が早過ぎるわよっ!?」
ヴィーネ「キスなら良いよね……? 私と、ファーストキスをしましょう、サターニャぁ////」
田中「つ、月乃瀬さんっ、自重してくださいっ!? みんな、見ていますから〜っ!!」
上野「ここ部室ですよっ!? みなさん、少し落ち着いてくださいぃ〜っ!?」
178 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 09:06:39.81 ID:L0GVpb+LO
サターニャ「もうっ、あんた達っ!! そろそろ帰る時間が迫ってるのよ〜? ヴィネット、いいわよ私とファーストキスをしましょうっ!!」
サターニャ「ガヴリール、あとで二人で一緒にベッドの中に入りましょうっ!! ラフィエル、あなたと結婚もしてあげるわっ!!」
ヴィーネ「や、やったっ!! サターニャとファーストキスが出来るっ……夢みたい!!」
ガヴリール「ほ、本当か? 本当に私と一緒に、べッドの中に……サターニャぁ〜////」
ラフィエル「やりましたっ!! サターニャさんのお嫁さんですよ、私っ!!」
サターニャ「ねぇ、あんた達、今日一番大事なイベント忘れてるでしょ? そろそろ思い出してよ〜っ!!」
田中「イベント……? 何か、今日の内にやり忘れた事とかありましたっけ??」
委員長「思えば、今日は本当にたくさんの事があったわよね……でも、それも全て終わったんじゃないのかしら?」
上野「ん〜、もしかして私の眼鏡の度数の話でしょうか? それとも眼鏡を外したら美少女になるとか、そういうアレですかね〜?」
タプリス「私の正体が、マフラーが本体だとか、そんなオチは用意してないですよ〜っ!!」
サターニャ「もうっ、昨日の内にちゃんと言ってたのに〜っ!! あんた達、私が大悪魔になった事の祝杯をあげるわよっ!!」
179 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 09:07:33.04 ID:L0GVpb+LO
ガヴリール「んっ? ああ、確かに……昨日の内にそんな事言っていたな〜」
ヴィーネ「そうね、ちゃんと祝杯を挙げなきゃいけないわっ!! サターニャの長年の夢が叶ったんだからねっ♪」
ラフィエル「はいは〜いっ!! 祝杯の準備をしますよ、みんなで乾杯をしましょうっ♪」
委員長「もう帰る時間なんだけど……まぁ明日はお休みだし、今日くらいは多少なら騒ぎ倒してもいいかしらね?」
上野「実は1日目のお話が日曜日、今日が土曜日のお話であるというのがこの一週間の正体だったりしますっ!!」
タプリス「そんな、曜日感覚……一応はあったんですね、おそらく誰一人もそんなの気にしてなかったと思いますけど」
田中「1日目の日曜日の伏線少なすぎ……と思ったけれど、胡桃沢さんが作ってきてたお菓子の量が一応のヒントですかね〜?」
サターニャ「私があの時作ってきてたお菓子の量は、日曜日に活動している生徒の数の分であって、決して全校生徒の分ではないわ……」
サターニャ「って、そんな事はどうでもいいのよ〜っ!! 曜日とか、本当にかなりどうでもいいから、はやく祝杯を挙げるわよっ!?」
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 09:08:28.03 ID:L0GVpb+LO
ラフィエル「は〜い、では皆さんっ! ここにいる偉大なサターニャさんを讃えて、乾杯を挙げましょうっ♪ せ〜のっ!!」
「「大悪魔っ、おめでとう〜っ♪」」
サターニャ「ふふっ、みんなありがとうっ!! 私は天界のトップ、神の腕をも配下に収めた大悪魔よ〜っ♪」
ガヴリール「いや、お前は本当にすごいよ……あの姉さんを、あんなにも簡単に屈服させられたんだからな!」
ヴィーネ「ねえ、結婚ってもちろん私ともしてくれるんだよね? 私もサターニャのお嫁さんにしてよ〜っ!!」
ラフィエル「私が先ですよ〜? もうこのまま一生、私はサターニャさんのモノなんですからね〜っ♪」
委員長「圧倒的な胡桃沢さんのハーレムね……悪魔なら、三重婚とかも出来るのかしら?」
上野「出来る出来ないじゃなく、やっちゃうのが胡桃沢さんじゃないですかね〜?」
タプリス「うぅ〜、こうなったら私も胡桃沢先輩の愛人に収まるべきでしょうか……それが、まだ得策な気もします〜っ!!」
田中「あっ、それ良いですね〜っ!! 私たちも全員、胡桃沢さんのお嫁さんにしてくださいよ〜♪」
サターニャ「なーはっはっは!! この世界はみんなみんな、私のモノよ〜っ♪♪」ドヤァ!
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/16(土) 09:09:06.88 ID:L0GVpb+LO
その後、世界は無事サターニャの手によって支配された
天界の神様はサターニャに忠誠を誓い、全世界の全権を委ねた
魔界の王様はサターニャに全ての権力を譲り、次期王様として任命した
全世界の女性は全てサターニャに惚れ、全員がお嫁さんとなった
世界中の国々はサターニャに全て乗っ取られ、人類はサターニャによって統一された
世界のあちこちにメロンパンを製造することも義務付けられた
名誉ある人物にはサタニキアメダルが贈呈され、これは最大の賞賛となった
そして今日も世界はサターニャの沢山のお菓子に満ち溢れ、
なーはっはっは!という笑い声が聞こえてくる……
サターニャ「このお話はこれで終わりよ、最後まで読んでくれた方ありがとうっ!」
サターニャ「またいつかどこかで、お会いしましょうっ!! それじゃ、まったね〜っ♪」
おしまいっ☆
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/16(土) 12:13:05.23 ID:vxNhH3GbO
( ゚∀゚)o彡°サターニャ!サターニャ!
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/16(土) 12:30:34.99 ID:oSQfvmRo0
普通に面白すぎる、乙
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/16(土) 16:38:19.98 ID:N+y6q96q0
乙
壮大な物語はいいね
185 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/16(土) 23:20:40.62 ID:bWtwN4B4o
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