サターニャ「お菓子で世界征服をしてやるわっ!」

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36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:23:24.63 ID:L0GVpb+LO

サターニャ「くッ……こ、ここは一つ!! 取引で、私と手を打たないかしらっ?!」

田中「ほほう? 面白い、とりあえず聞いてみようか……」

上野「我々と、取引……とな?」メガネクイッ!

サターニャ「私が作ったこのお菓子を、毎日あなた達にも食べさせてあげるわっ!!」

サターニャ「だから……お願いっ!! そのメロンパンを、代わりに……頂戴ッッ!!」

田中「ふむ……? まぁ、いいだろう」スッ

上野「私たちの方からも、提案があるわっ!!」

サターニャ「……? 何かしら……?」パクバク

田中「お菓子で世界征服、と言ったか……?」

上野「その計画に、私たちも参加させなさいっ!!」

サターニャ「……!!! なるほど、私たちが組めば鬼に金棒……というわけね?」ニタァ

田中「そういう事だ……既に、世界は我々の手中にあると言ってもいいっ!!」

上野「ふふっ……そういう事よ、これからも、どうか宜しくね? 胡桃沢さんっ♪」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:24:24.46 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「あっちの方も、どうやら話が纏まったみたいだな……」

ヴィーネ「結局、どっちが勝ったのかしら? あれは」

ラフィエル「まあまあ、あれはあれで良いと思いますよ〜♪」

委員長「あの二人が、他の人の料理の腕を称えるなんて滅多に無いことよ?……胸を張っていいわ!」

ガヴリール「よし、これで拠点も確保したし……学校でお菓子を沢山作る事も現実的になったなっ!」

ヴィーネ「人材も増えたわっ! 上野さんに田中さん、私や委員長も含めればお菓子はいっぱい作れるっ!!」

ラフィエル「無償で配っちゃうのも良いですが、やはりここはちゃんと販売という形を取りたいですね〜♪」

委員長「ここまできたなら、もう一蓮托生よ? 私も出来る限りの協力をするわ!!」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:25:23.28 ID:L0GVpb+LO

サターニャ「フッフッフッ……どうやら委員長も、もう既に私の配下になっているようね〜?」

田中「委員長ぉ〜っ! 凄いよ胡桃沢さんのお菓子作りっ!! まじで、天下取れるわコレ!!」

上野「世界征服ってのもあながち夢じゃないかも!! 経営の上手い人がいれば、間違いなく世の中に出回るわよこれっ!」

ラフィエル「ふふっ♪ もちろん、私が責任を持ってこのお菓子を世界中の人々に広めちゃいますよ〜?」

委員長「世界征服って……えっ? もしかして本気なの、その話??」

ガヴリール「学校での販売だけの話かと思ったか? 委員長…… 残念だが、私達の目標はもっと大きいぞ〜?」

ヴィーネ「ねえねえっ!! 委員長も、このまま私達の夢に乗っ掛かりましょうよっ♪」

委員長「え、えぇ〜? ちょっと、まさか私の未来が今ここで決まっちゃうの……?」

委員長「まあ、べつにその……良いんだけど、ね?」

サターニャ「……!! やったぁっ!! 委員長、これからも宜しくね〜?」

委員長「もう、胡桃沢さんったらっ! ……あなたには、クラス内でもいつも振り回されっぱなしよ……」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:26:45.25 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「よし、このままどんどん行くぞっ! 次の目標の方はどうするよ?」

ラフィエル「先生方への説得……でしょうかね〜?」

サターニャ「もしかして、あのグラサン? あのグラサンを、落とせればいいわけねっっ!!」

委員長「先生方へは、私がまず先に話を通しておくわ……」

委員長「もっとも、その後きちんと説得できるかどうかは……胡桃沢さん次第、だけどね?」

田中「おおっ、あのグラサンが相手っすか……強敵っすね〜!!」

上野「でも胡桃沢さんのお菓子なら、たとえあのグラサンでも……きっと勝てますよねっ!?」

ヴィーネ「ねえ、サターニャ……その、大丈夫なの?」

ヴィーネ「べつにグラサンじゃなくても、他の先生方を言い包めてもいいのよ?」

サターニャ「……甘いわね、ヴィネット!!」

サターニャ「私たちの夢は、世界征服よ? ここでグラサンごときに負けてられないわっ!!」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:27:46.23 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「そうだな……どの道、あのグラサンは先に倒しておく必要があるぞ?」

ラフィエル「あの先生に睨まれたら、生きている心地がしませんからね〜……」

田中「まぁ、この学校で派手な事をするのならあのグラサンは避けて通れない道ですからね……」

上野「結局、叩きのめしておくしか他に方法はありませんよっ!!」

委員長「先生方を説得するという観点で見ても、あのグラサンを落とすというのは非常に効果的だわ……」

委員長「あのグラサンさえ落ちれば、きっと他の先生方も道連れ的に落ちていくはずよ?」

ヴィーネ「そうなればもう、誰も逆らう者はいない……そのまま販売許可は貰ったも同然、ってわけか」

サターニャ「目標は決まったわねっ! 次の標的は……あのグラサンよっ!!」ドンッ!
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:28:35.52 ID:L0GVpb+LO

現在の勢力図

大悪魔:サターニャ(総帥)

幹部:ラフィエル(経営)
   ヴィーネ(製造)
   ガヴリール(販売)

配下:上野(厨房担当)
   田中(厨房担当)
   まち子(厨房兼その他全般)

拠点:学校敷地内、調理部室

次点の目標……グラサンを説得する



ラフィエル「ふふっ、今の所はまだこんな感じですね〜♪」

ラフィエル「でもこれから、どんどんこの勢力図を伸ばして行きますよ〜?」ニコニコ
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:29:13.24 ID:L0GVpb+LO
──翌日


グラサン「来たか、胡桃沢……まあ座れ」

サターニャ「グラサン……フフンッ! わざわざ時間を取らせて、悪かったわねぇ〜?」


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  ! !


グラサン「茶でも、出そうか……?」

サターニャ「なら私は、お菓子でも出そうかしらね……?」

グラサン「……お菓子か、まあ頂こう」

グラサン「胡桃沢……何やら、話があるんだってな?」

サターニャ「そうよ? 私はあんたに、どうしても言っておかなくちゃいけない事があるわっっ!!」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:30:01.28 ID:L0GVpb+LO

グラサン「なんだ……? 言ってみろ」

サターニャ「あんたは、私の進路希望について……あの時、散々バカにしてくれたわよねっ?」

サターニャ「大悪魔は無理だとか、世界征服なんて夢を見るな、だとか……」

サターニャ「だけど、お生憎さまねっ!! 私はあんたにどれだけ否定されたところで、自分の突き進む道を止めたりなんかしないっ!!」

グラサン「…………」

サターニャ「私は将来、絶対に大悪魔になるっ!! あんたが無理だとか何だとか言おうが、それは変わらないっ!!」

サターニャ「世界征服だって、誰が何と言おうと、絶対に成し遂げてやるっっ!!」

グラサン「…………」

サターニャ「それが私という悪魔の、生き方だからよっ!! ねえ、聞いてるのっ!? グラサンっっ!!」

グラサン「…………胡桃沢。このお菓子は、お前が作ったのか?」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:30:58.71 ID:L0GVpb+LO

サターニャ「そうよっ!! 私の、自信作なんだからねっ!!」フンスッ

グラサン「…………そうか」

グラサン「胡桃沢、少しいいか?」

サターニャ「な、何よっっ……!?」

グラサン「私はな、べつにお前のような夢を持つ生徒は嫌いじゃあない」

グラサン「だけどな……現実には、その夢を叶えられる奴なんて、殆どいないんだよ……」

サターニャ「…………」

グラサン「だから私は、教師としてここで、生徒達の夢に対して厳しく接してきた」

グラサン「中には、私の発した言葉で夢を追うのを諦めた奴もそれなりにいるだろう……」

グラサン「お前は……違うというのか?」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:32:06.93 ID:L0GVpb+LO

サターニャ「ふふん、そんなの当たり前じゃないっ!! 絶対に、私は夢を追い掛け続けるんだからねーっ♪」

グラサン「もしその夢が叶わないと悟った時は、どうする……?」

サターニャ「その時はその時よっ!! 最初から諦めるくらいなら、当たって砕けた方が遥かにマシだわっっ!!」

グラサン「…………」

サターニャ「それに……私の夢はもう一人じゃないの、みんなも一緒にいるんだからっ!!」

サターニャ「心が挫けそうになっても……皆が、一緒いれば大丈夫よっ!」

グラサン「…………そうか」

グラサン「お菓子……美味しかったぞ? 胡桃沢」

グラサン「販売の許可だったか、あれは私の方から通しておこう」

サターニャ「……っ!! グラサンっっ!!」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:33:52.79 ID:L0GVpb+LO

グラサン「胡桃沢……」

グラサン「大抵の生徒はな、私のこの顔を見て……怯えて物を言わなくなるんだ……」

サターニャ「…………」

グラサン「だけど、お前は違うっ! 私を前にしても決して怯まず、自分の意見を真っ直ぐに言う事が出来る……!!」

グラサン「お前は、私が見て来た生徒の中でも、自分の気持ちに一番真剣な奴だよ……」

サターニャ「……!! グラサン、ありがとうっ!!」

グラサン「胡桃沢、がんばれ」

グラサン「お前の夢が叶うことを、私も応援しよう!!」

サターニャ「グラサーンっ!! またお菓子、持ってきてあげるからねーっ♪♪」

グラサン「ははっ……ほんと元気な奴だよ、お前は」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:35:05.02 ID:L0GVpb+LO
……


サターニャ「グラサンの許可を取ってきたわっ!!」ドヤッ

田中「ま、マジですかっ!? あの怪物の許可を〜っ?!」

委員長「さっき月乃瀬さんと確認しに行ったんだけど、なんだか今すぐにでも販売を開始して良いそうよ?」

ヴィーネ「渋々とか、屈服してとか、そういう感じじゃなかったわね……むしろ、応援してくれてる感じだった」

ガヴリール「一体、どんな口車を使ったんだよお前……」

委員長「ねえ、何故かすごく好感的だったんだけど……ほんとに、あのグラサン相手に一体どんな言い包め方したのよ?」

ラフィエル「流石ですね、サターニャさんっ♪ 本当にもう、一生付いて行きますよ私はっ!!」

上野「もしかして、胡桃沢さんって……めっちゃ大物だったりする?!」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:35:51.64 ID:L0GVpb+LO

サターニャ「フフンッ、これで後はもう……学校中をお菓子漬けにするのみねっ!!」ドンッ!

ヴィーネ「さっそく、明日からにでも販売しましょうよっ!!」

ガヴリール「私が売り子をしてやるんだ、初動から全力で売れると思っとけよ? お前ら」

田中「天真さんがウエイトレスをするなら、それだけでも売れそうだね〜っ♪」

委員長「作る量や値段などは、よくよく考えて調整しないといけないわよ?」

ラフィエル「赤字は有り得ません……大丈夫です、私が全て責任を持って管理しますからっ!!」

ラフィエル「正直に言うと、ボッタクリでも売れそうではあるんですが……まぁここは良心価格で行きましょうっ♪」

上野「もちろん私達も作るのは手伝うから、胡桃沢さんが指示を出してねっ?」

サターニャ「任せなさいよ、あんたたちっ!! い〜っぱい働いてもらうんだからねっ!!」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:37:04.71 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「この販売は、私達の夢の第一歩です!」

ヴィーネ「まさかこんなに早く形になるなんてね……っ!」

ガヴリール「夢は世界征服だからなっ! まずはこの学校の生徒たちをお菓子で骨抜きにしてやるんだっ!!」

委員長「私も、朝からお菓子作りに向かうわっ!! 材料の方は明日の朝には調達できてるのよね?」

上野「この調理部の前で販売すれば、作り立てを提供できますね〜っ!」

田中「軌道に乗れば、学食の方にもメニューとして置かせてもらいましょうよっ!」

ヴィーネ「私、ポスターを作ってくるわねっ! お菓子、販売中ですよって!!」

ラフィエル「ふふ、材料の確保が有りますので、私はそろそろ行きますねっ!」

ガヴリール「私もあのメイド服持って来なきゃ、明日は身嗜みもちゃんとしなきゃっ!!」

サターニャ「あんた達、待ちなさいよっ!! ……円陣、組むわよ?」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:37:57.13 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「円陣って……ははっ、まったく、お前らしいな!」

ヴィーネ「もう、サターニャったら……こういうのが大好きなんだからっ♪」

ラフィエル「はいはーいっ! 円陣しましょう、皆さん揃って揃ってっ!! 一緒にやりましょう〜♪」

委員長「ちょ、私こういうのは恥ずかしいんだけど〜……///」

上野「委員長、恥ずかしがってちゃダメだよ〜♪」

田中「ちゃんと声出して、心を一つにしなきゃ意味ないんだからね〜?」

サターニャ「みんな、いいかしら? 明日からのお菓子販売、気合いを入れて行くわよ〜?」

「「えい、えい、オーーーッ!!!」」


ヴィーネ「あははー、やっぱりちょっと恥ずかしいかも〜♪」

ガヴリール「よし、明日から頑張るぞっっ!!」

サターニャ「みんな、今日は解散っ!! 明日から、よろしくね〜っ!!」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:39:10.97 ID:L0GVpb+LO
──翌日


ガヴリール「いやいや、よく考えたら私……ノリノリ過ぎじゃねぇ? お菓子、ほんとに売れるのかよ……」

ガヴリール「まあいいか、授業始まる前に調理部でも覗きに行ってみるかな」


……ガラガラッ!!


サターニャ「この生地、作ってくれる?」

上野田中「はいっ!!」

ヴィーネ「ここはこの飾り付けで、良いかしらね?」

ラフィエル「調理器具の数はこれくらいで足りるはず……」ブツブツ

委員長「食べた後のゴミ散らかしを防ぐためには、廊下にゴミ箱の数を増やして……」ブツブツ

ガヴリール「……なんか、めっちゃ凄い事になってるんですけど」

ガヴリール「お前ら、いくらなんでも朝早過ぎだろ……」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:40:17.04 ID:L0GVpb+LO

ヴィーネ「あっ、ガヴっ♪ おはようっ!!」

ガヴリール「おはよう、ヴィーネ……入り口のポスターやらデコやらは、お前の仕業か?」

ヴィーネ「えへへっ♪……ちゃんとお店の形にしなきゃ〜って!!」

ガヴリール「昨日には無かったこの大型調理器具の数々……これはラフィの仕業か?」

ラフィエル「ガヴちゃ〜ん♪ 冷蔵庫の数はこれくらいで足りると思いますか〜?」

ガヴリール「いやいや、初期投資にお金掛け過ぎだろ……売れなかったら大赤字じゃねーか!!」

上野田中「天真さん、おっはよ〜〜っ♪」

ガヴリール「おはよう、愉快な二人組……お前らも、早いなっ!」

サターニャ「ガヴリール、おはようっ!!」

ガヴリール「サターニャっ!! お前は…… 一体、いつから此処に居た?」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:41:00.31 ID:L0GVpb+LO

委員長「私が一番乗りかと思ってたんだけど、胡桃沢さんが朝から既に居たのよね……」

ラフィエル「私は夜中、一旦ここへ材料の持ち運びのためにやって来たのですが……」

ラフィエル「サターニャさん、その時にもお会いしましたよね? まさか、あの時から一度も帰っていないんですか??」

サターニャ「フフン、お菓子は下ごしらえが必要なものもあるのよ? 早起きは当然ね〜っ!!」

ガヴリール「……何時、だ?」

サターニャ「えっ?」

ガヴリール「何時から居たんだよ、お前……」

サターニャ「0時ねっ!! どう、悪魔的な時間でしょう?」ドヤァ

ガヴリール「……このバカっ!! 初日からそんな無理して、身体壊したらどうすんだよっ!!」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:41:53.73 ID:L0GVpb+LO

サターニャ「大丈夫よっ? 私は、身体の丈夫さだけが取り柄なんだからねっ!!」

ガヴリール「却下だ……保健室に行って仮眠を取って来いっ!!」

ガヴリール「いいか、無茶はするなよ! 今日は目を瞑るが、明日からは授業もちゃんと受けろ!!」

ガヴリール「それが出来なきゃ、私はこの計画には……絶対に反対なんだからなっ!!」

サターニャ「が、ガヴリール……? うん、わかった!! そう……するね?」

サターニャ「ごめん、みんな……私、ちょっと休んでくるっ!!」

上野「大丈夫ですよ、後は任せてくださ〜い♪」

田中「出来る限りの事は、私達の方で済ましておきますからね〜っ!!」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:43:05.39 ID:L0GVpb+LO
……パタン!!


ガヴリール「ったく、ほんとしょうがねえなアイツは……」

ヴィーネ「ガヴ、ありがとね?」

ラフィエル「私たちも休むように言っていたのですが……何を言っても、ただ大丈夫の一点張りでして」

ガヴリール「いや、お前らも無理はすんなよ? 倒れたら、意味が無いんだからな……」

委員長「販売は今日だけじゃないわ……初日から飛ばし過ぎてても、バテるだけよ?」

田中「これからもずっと続けていくんだから、自分のペースは守らないといけませんねっ!」

上野「私達でフォローし合えば、無茶なんかしなくても大丈夫ですよっ♪」

ガヴリール「やれやれ……何かあったら、私もみんなのフォローに回ってやるんだからな?」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:44:02.05 ID:L0GVpb+LO

委員長「そういえば……」

ガヴリール「んっ? どうした委員長?」

委員長「いえ、本当は……今いる私たちの中で、一番凄いのは天真さんなのかもしれないって」

ラフィエル「ガヴちゃんはとっても凄いですよ〜? 本気を出されたら、私では絶対に敵いませんからっ♪」

ヴィーネ「ガヴは普段やる気無さすぎなだけで、本当はすっごく優秀なのよね……」

田中「入学式から暫くの間の天真さんは、どこかのお嬢様みたいでしたもんねっ!!」

上野「あの頃の天真さんは、完璧な無敵美少女って感じでしたよ〜!!」

ガヴリール「おい、止めろっ!! 私を持ち上げたところで、何にもならんぞっ!!?」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:44:58.97 ID:L0GVpb+LO

ヴィーネ「あの頃のガヴは、ほんと何処に行っちゃったのかしら……?」

委員長「そうね、あの頃の天真さんは……今となっては有り得ない幻なのよね」

ガヴリール「いやいやっ、私を退化したみたいに言うなよっ!? 私は、あの頃よりも進化をしているんだぞっ!?」

ガヴリール「あの時の自分では出来なかった事も、今の私だからこそ可能に変えれる事もあるんだ!!」

ラフィエル「ほうほう? ……それは一体、何なんですかね〜? ガヴちゃん」

ガヴリール「お前ら…… これを見ろッッ!!」

上野「これは……ホームページ?」

田中「えっ……? これ、まさか天真さんが作ったのっ!?」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:46:56.13 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「そうだ、お前たち……そして、あのサターニャもっ!! 私の役割を盛大に勘違いしているッ!!」

ガヴリール「私の真の役割は売り子ではなく、このネット戦略なんだよ!!」

ガヴリール「世界征服する上で最も重要な事は何か? それはズバリ言う、ネット戦略だッ!!」

ガヴリール「ネットを無視して世界征服なんて有り得ないと断言するね、私はッ!!」

田中上野「おおー……」

委員長「確かに、一理ある……いえ、これは真実と言っても良いくらいだわ……」

ヴィーネ「ガヴ、あなたまさか……誰にも言わず、一人でこれを作り上げてたのっ!?」

ラフィエル「これは……一本、取られましたね」

ラフィエル「もしかしたらこの経営計画で、一番重要なのはガヴちゃんなのかもしれません……」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:49:21.99 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「ふんっ……お前ら、今に見とけよ〜?」

ガヴリール「私がネットで広めまくって、このお菓子の宣伝をしまくってやるんだからなっ!!」

ガヴリール「すぐに学校内で留まらない規模で、このお菓子は飛ぶように売れるようになる!!」

ガヴリール「世界征服なんて遠い夢だと思ったら大間違いだからな? すぐに、間近に感じさせてやるよ!」

田中「うわ〜っ、めっちゃ頼もしいっっ!!」

上野「天真さんが、なんだかとてつもなくスゴい人に見えてきたっ!!」

ヴィーネ「ちょっ、ガヴ……あんたってば、ほんとツンデレよね〜っ!!」

ラフィエル「ガヴちゃーん!! やっぱりガヴちゃんは、凄いですよっ! 一生尊敬しちゃいますよ〜っ♪♪」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:50:01.17 ID:L0GVpb+LO
──昼休み


サターニャ「みんな〜、心配掛けたわねっ!!」

ヴィーネ「あっ、サターニャっ♪ どう、体調の方は平気かしら?」

ラフィエル「寝不足で倒れても困りますからね〜♪」

ガヴリール「主役のお前が居ないと、こっちの方が困るんだ……無茶はすんなよ」

サターニャ「ふっふっふ……もう平気よっ!! ごめんね、やっぱりちょっと無理をしてたみたいで」

サターニャ「でも、もう全然大丈夫っ!! 早く、お昼ご飯食べましょうっ♪」

ガヴリール「大丈夫なら良いんだ……うん、ならこの後、お昼の販売を開始しようか」

ヴィーネ「ポスターを見てくれてる人は結構いたわっ! きっと、買いに来てくれる人はいるはずよっ♪」

ラフィエル「一口でも食べて貰えれば、きっと良さは伝わってくれるはずですよ〜♪」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:50:58.21 ID:L0GVpb+LO

上野「胡桃沢さ〜んっ!! 調理部の前、めっちゃ人集りが出来てますよー!!」

サターニャ「えっ? ちょっ、まだ昼休みは始まったばかりなのよっ!?」

ヴィーネ「私たちも、まだお昼ご飯食べてる最中なのにっ?!」

田中「なんだか、あの匂いに釣られちゃった人が沢山いるみたいなんです〜っ!!」

委員長「朝から良い匂いのせいで、待ち切れないって人が結構いるみたいよ……」

ガヴリール「これは……こうしちゃいられないな!! 早く昼飯を食べ切るぞっ!!」

ラフィエル「ガヴちゃん、焦っちゃダメですよ♪ そんなに焦ると、喉に詰まっちゃいますよ〜?」

サターニャ「ご馳走様っ! 私、先に行くわねっ!!」

ヴィーネ「ちょっ、サターニャ!? もぐもぐっ!! ご馳走様っ!!」

ラフィエル「ふふっ、私も行きますね〜♪」

ガヴリール「お前ら!? えっ、おいっラフィ〜!? ちょ、みんな飯食うの早過ぎだろーっ!!」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:51:40.21 ID:L0GVpb+LO
ガヤガヤ……ッ!!


ラフィエル「わぁ、凄い人の数ですっ……これは予想外ですね〜」

ヴィーネ「昼休みはお菓子のストックが間に合うわっ!! でも、このままだと放課後の分が全然足りない……っ!!」

サターニャ「焦っちゃダメよ、ヴィネット……放課後の分はその時、作れた分だけ販売すればいいわ」

田中「外では天真さんが手際良く販売してくれていますが……一人で、あの人数は……」

上野「外よりも中ですよっ!! この売れ捌きようは、いくら作っても足りませんっ!!」

ラフィエル「ガヴちゃんは大丈夫です、この昼休みは乗り切れますっ!!」

ラフィエル「問題は……やはり、放課後ですかね……」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:52:38.94 ID:L0GVpb+LO
…………
……


ガヴリール「よ、よしっ!! なんとか乗り切れたな……」

委員長「お疲れ様、天真さん……」

ガヴリール「委員長の方こそ……よくあの人集りをあんなに綺麗に誘導できたな!」

委員長「学校の風紀を乱すわけにはいかないからね……先生に、目を付けられるのは嫌よ?」

ガヴリール「ははっ……やっぱり委員長が居てくれて良かった!」

委員長「問題は、放課後よ……きっとこれ以上の人集りが殺到するわ」

ガヴリール「やっぱり、か……だよな?」

委員長「一度買った多くの人が、一口食べてからもう一度列に並び直していたわ……」

ガヴリール「いきなりリピーターかよ……まあ、そりゃそうだよな〜サターニャのお菓子、美味しいもん」

委員長「ふふっ……新規オープンの店で、新規客よりもリピーター殺到の心配だなんて、贅沢な悩みよ?」

ガヴリール「そりゃそうなんだけど……でもお菓子、たぶん足りないんだろなぁ……」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:53:36.47 ID:L0GVpb+LO

ヴィーネ「新規客、それに加えておそらくリピーターもやって来る……ねえ、放課後はどうするつもりなの?」

ヴィーネ「どう考えても、このままだとお菓子の量が足りないわっ!!」

ラフィエル「はい、大丈夫ですよっ♪ ちゃんと対策はありますからっ!」

サターニャ「値上げは……反対よ? そんな方法で、買ってくれる人たちを絞りたくはないわっ!!」

ラフィエル「サターニャさん、もっとシンプルな方法ですよ〜? ただ、一人一個の限定販売にすればいいんですよっ♪」

田中「一人一個? まあ、確かに……シンプルだけど、それが妥当な対策ですね!」

上野「今あるお菓子と、放課後から私たちが作れる分……全校生徒の数を考えても、一人一個限定なら間に合う、か」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:54:49.93 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「一人一個限定なら、ガヴちゃん側も数が固定されてて多少は販売がしやすくなると思いますからね!」

ラフィエル「とりあえず今日の所はそれで凌ぎましょうっ! あとは皆さんが今日、夜の10時頃までお菓子作りをしてくれれば……」

ヴィーネ「夜10時、か……まぁそれがギリギリのラインかな? お菓子のストックを作れるまでは、仕方ないかも」

サターニャ「わ、私は徹夜してもいいんだけど……」

ガヴリール「おいこら、サターニャ……駄目だぞ? 私との約束は守れよ?」ヒョコッ

サターニャ「が、ガヴリールっ!! ……んもうっ!! 分かってるわよ〜っ?」

ラフィエル「みなさ〜ん!! もちろん、これは強制なんかではありませんよ〜?」

ラフィエル「お菓子が足りなければ、また個数を制限しての販売にすればいいんですからね!」

田中「私は大丈夫ですよ、むしろもっと遅くても良いくらいですっ!!」

上野「私も、私もっ!」

委員長「あんた達ねぇ……やる気があるのは構わないんだけど、やっぱり夜10時が高校生としての限界よ?」

委員長「その時間までには、ちゃんと帰りなさいよね?」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:55:55.67 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「こうなってくると、当面の課題は……人材の確保、ですかね〜?」

ガヴリール「なら、タプリスをこっち側に引き入れようか?」

ガヴリール「あいつはポンコツだけど、居ないよりはまあマシだろう」

ヴィーネ「ちょっ、タプちゃんをそんな風に悪く言わないでよ〜!?」

サターニャ「クックック……次の標的は、あの後輩マフラーってわけねっ!!」ドヤァ

委員長「ねえ、みんな……とりあえず午後の授業をちゃんと受けましょう? サボりは良くないわ」

田中「放課後には、また戦いが控えてますからね……」

上野「そうですね、気持ちは逸りますが……授業は、ちゃんと受けましょう!」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:56:46.52 ID:L0GVpb+LO
──放課後……


委員長「お一人、一個限定でお願いしま〜すっ!!」

ガヴリール「有難うございましたー! はい、次っ! 有難うございましたー! はい、次っっ!」

グラサン「一つ、頼む……」

ガヴリール「グラサンじゃん!! はい、どうぞ〜!」

グラサン「天真……お前も最近、活き活きとしているな?」

ガヴリール「おうっ! 先生も、また買いに来てくださいねっ!!」

\もっと売ってくださ〜い/


ガヴリール「ダメだダメだ駄目ッ!! 今日は一人一個だ、足りなきゃ明日も買いに来いっっ!!」

ラフィエル「これは……券売機が必要ですかね〜?」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:57:31.45 ID:L0GVpb+LO
コンコンッ……!!


タプリス「こ、こんにちわ〜……あ、あの〜っ! お手伝いに来たのですがっ!」

ヴィーネ「あら、タプちゃんじゃないっ! よく来てくれたわね〜♪」

田中「あなたが千咲さんね、話は聞いてるわっ! 私が田中で、こっちは上野よっ♪」

上野「千咲さん、よろしくね〜♪ 今、人手が足りなくて困ってるのよっ!」

サターニャ「あら? ふっふっふ……わざわざあなたの方からココにやって来てくれるなんてっ!!」

サターニャ「もちろん、あなたも私の配下になりに来たのよね〜?」ニヤッ

タプリス「わ、私は白羽先輩に言われて、ココにいる天真先輩を助けに来たんです〜っ!!」

タプリス「断じて、あなたの配下に成りに来たわけじゃありませんよっ!?」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 06:59:31.00 ID:L0GVpb+LO

ヴィーネ「でもタプちゃん……ここに居るみんなは、全員サターニャの配下なのよ?」

タプリス「えっ……? いやいや〜、何を言っているんですか月乃瀬先輩っ!! 冗談は止めてくださいよぉ〜♪」

田中「千咲さん……ここにあるお菓子は、み〜んな胡桃沢さんが主体になって作っているものなのよ?」

上野「この今やってる販売計画だって、胡桃沢さんが全部中心になって、纏め上げたものなのよ?」

タプリス「えっ? えっ? いや、あの……みなさん、冗談ですよね?!」

サターニャ「もちろん、あのガヴリールだって、私の配下よ〜っ!!」ドヤァ

タプリス「えっ? ええええ〜っ!?」ガーン

タプリス「嘘ですよね? 嘘だと言ってください、月乃瀬先輩〜〜っ!!」

ヴィーネ「うーん、嘘じゃないのよねぇ、これが……」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:01:32.14 ID:L0GVpb+LO

サターニャ「フッフッフッ……さあ、どうするの? あなたも、私の配下になってみる?」ドヤァ

タプリス「ぐっ……わ、私は天真先輩が困ってるって言うからここに来たのに〜っ!!」

ヴィーネ「タプちゃん、とりあえずお菓子でも食べて落ち着いたらどうかしら?」

タプリス「こ、このお菓子はっ!? いま学校中で話題になっている、数量限定のお菓子じゃないですかっ!!」

田中「今日の放課後は、一人一個で販売制限をさせて頂いているこのお菓子、ですが……」

上野「我々の組織に下ると言うのならば……特別に、いくら食べても構いませんよねぇ?」

サターニャ「クックック……まあそういう事よ、私の配下になると言うのならば、特別にいくら食べても良いわねっ!!」

タプリス「ぐぐっ……つまり、その一個はべつに普通に食べてもいいって事ですよね?」

タプリス「要は、その一個だけで我慢をすればいいだけの話じゃないですか〜っ!!」

タプリス「こんな、お菓子ぃ……えっ? お、おおお美味しい〜っ!? な、なんですかコレぇー!!?」パアア
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:03:03.49 ID:L0GVpb+LO

サターニャ「なーはっはっはっ!! どうかしら〜? 私たちの作ったお菓子、美味しいでしょ〜♪」

タプリス「ぐぐっ……お、お金は払いますからもう一個っ!!」

田中「うーん、それは……ちょっとダメですよね〜?」ニタァ

上野「配下以外の人に、これ以上のお菓子は食べさせられませんよねぇ〜?」ニヤニヤ

ヴィーネ「もう、みんな意地悪しないのっ!! ほらタプちゃん、もっとお菓子食べてもいいわよ〜?」

ヴィーネ「それと、配下と言っても……ただ一緒に、お菓子を作る仲間ってだけなんだからねっ♪」

サターニャ「ちょっ……ヴィネットぉ〜〜!?」

タプリス「なーんだ、ビックリしました……なら、私も皆さんのそのお菓子作りの仲間に入れさせてくださいっ!!」

タプリス「それと……胡桃沢先輩、本当にお菓子、すごく美味しいですよっ!! 私もこのお菓子のためなら、喜んで協力をしますねっ♪」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:04:24.51 ID:L0GVpb+LO
──タプリスが、仲間に加わった……!!


タプリス「今いる外の人たちは、このお菓子が一個しか食べられないんですよね……」

ヴィーネ「そうよ? だから明日には、もっと食べて貰えるように、いっぱい作らなきゃいけないわね!」

サターニャ「でも無理はしない事よ? 睡眠時間を削ったり、学業をサボってまでは論外なんだからねっ!」

上野「あはは、天真さんに言われちゃってますからね〜!」

田中「そういえば、白羽さんは何処に?」

タプリス「白羽先輩は、材料の買い出しに行くとか言ってましたよ?」

タプリス「他にも要るものが沢山あるとか、なんだとか……」

ヴィーネ「ラフィに任せとけば、物資の心配はいらないわ! 私たちは、お菓子作りに専念しましょ?」

サターニャ「私が必要だと思った物も、いっぱい頼んでしまったからね……ラフィエルの方も、きっと大変よ?」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:05:32.86 ID:L0GVpb+LO
…………
……


ガヴリール「おーい、お前ら〜……おっ、タプリスもちゃんと手伝っているな〜!!」

タプリス「天真先輩っ!! 外はもういいのですか? 私が来た時には、凄まじい人だかりでしたけど……」

委員長「そろそろ下校時刻だからね……切り上げて来たわよ?」

ヴィーネ「……ってことはお菓子、今日の分はなんとか乗り切ったってことねっ!」

サターニャ「よし、これで今から作る分が明日のストックになるのねっ!! まだまだいっぱい作るわよ〜♪」

田中「一人一個だとして、逆算すると……うわ、ほぼ全校生徒が買いにきたんじゃないですかね〜?」

上野「外の販売も大変だったでしょ、二人ともお疲れ様っすねっ!!」

ガヴリール「ああ、それな……グラサンが生徒たちの列を纏めるのを手伝ってくれたんだ」

委員長「さすがに私だけじゃ誘導し切れなかったから、ほんと助かったわ……」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:07:13.21 ID:L0GVpb+LO

サターニャ「グラサンがっ? へぇ〜、アイツも気が利くじゃない!!」

サターニャ「それに、ガヴリール……あんたの方も、さすがね?」

ガヴリール「一人10秒、1分6人、1時間で360人……まっ、私の手に掛かればこんなもんだな!!」

ガヴリール「ただ、今日は一人一個という制限だったから……それで手早く販売しやすかっただけだぞ?」

委員長「さすがに毎日コレだと厳しいわよ? 先生も、毎日手伝ってくれるわけじゃないんだし」

田中「明日からは個数制限、無しですよね? お釣りとかでも結構手間取っちゃうでしょうね……」

サターニャ「外の販売に、人数を割いた方がいいのかしら? 今のままだとガヴリールの負担が大きいわね……」

ヴィーネ「中は中で大変だけど……タプちゃんも来てくれたんだし、なんとかなるわよ?」

タプリス「わ、私はテキパキ動くのは苦手で……人の誘導とかも、あまり自信がないんですけど……」アセアセ

上野「私も、そういうのはちょっと……誰が外に行くべきか、悩みますねこれは」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:08:20.41 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「はいはーい、みなさ〜んっ!! お疲れ様で〜す♪」

上野「白羽さん……ちょっ!? その山のような荷物は、一体なんなんですか〜!?」

委員長「えっ、もしかしてコレ……まさか、券売機なのかしら?!」

ラフィエル「これがあれば、販売がスムーズになりますよ〜♪」

ガヴリール「ラフィ……よし、でかしたっ!! これで私の方も随分、楽になるぞっ!!」

ラフィエル「あと、食堂の方にも話を通しまして、お菓子を置いてもらえる事になりました〜♪」

田中「おおっ!? これで買ってくれる人をあっち側にも分散出来ますねっ!」

ヴィーネ「えっ……ってことは食堂のおばちゃん達も、もう私たちの協力者ってことなの? 凄いわ!!」

タプリス「問題がどんどん解決していく……白羽先輩、さすがですっ!!」

サターニャ「ラフィエル……あんた、今日仕事し過ぎでしょっ! ほんと有能だわね、あんたっ!」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:10:17.69 ID:L0GVpb+LO

委員長「販売時の混雑が緩和されるのなら、誘導の方ももう必要なさそうね……私もこっちのお菓子作りを手伝うわ!!」

ガヴリール「私も売り子以外の時間は手伝うんだからな? どんどん作り上げるぞっ!!」

ラフィエル「もちろん、私も仕入れ以外の時間はお手伝いしますよ〜! じゃんじゃん作っていきましょうねっ♪」

サターニャ「これと、良し……やった、全部揃ってるっ! これならバリエーションも増やせるわっ!!」

田中「一時はどうなるかと思いましたが……これならお菓子のストックの方が貯まりそうですねっ!」

ヴィーネ「よく考えたら、今日は早朝から作った分だけでやり繰りをしていたんだもんね、私たち!」

上野「こうやって放課後にじっくりお菓子を作り貯めていたら、明日以降は焦らなくても大丈夫ですよっ♪」

タプリス「あ、あの〜……下校時刻がもう過ぎているんですけど、皆さんはまだ帰らないんですか?」

ヴィーネ「用事があるのなら帰っても大丈夫よ? ここでの無理強いは、誰もしていないだから、ね?」

委員長「ちなみに、ちゃんと学校の許可は取ってあるわよ?」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:11:20.86 ID:L0GVpb+LO

タプリス「い、いえ……もちろんっ! 私だって皆さんが帰るまでお付き合いしますよ〜っ!!」

ガヴリール「よし、タプリス!! お前は私たちが作ったこのお菓子をどんどん包装していくんだっ!」

ラフィエル「外が真っ暗になったら、休憩して夜御飯にしましょう♪ 皆さんは何が食べたいですかね〜?」

ヴィーネ「あっ、それなら晩御飯は私が作るわよ? お菓子だけじゃなく、ちゃんとした物も食べないとねっ!」

田中「ここは調理部ですからね、お菓子以外の材料もちゃんとありますよ〜♪」

上野「冷蔵庫の中の野菜は腐る前に使い切ってくださいね? まあ月乃瀬さんなら、心配は要りませんけど……」

委員長「今見たら、なんかお菓子や晩御飯の材料以外にも、パンだとかアイスだとか色々と増えているんだけど……」

サターニャ「いつの間にか部屋に敷き布団なんかもあるわね……もう、此処を私物化する気満々でしょあんたっ!」

ラフィエル「ふふっ、学校側の許可はちゃんと取ってま〜す♪」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:13:11.10 ID:L0GVpb+LO
……わいわいっ!!


田中「こうして振り返ってみると、もうこの学校の制圧は完了しているような気がしてきますよね……」

上野「確かに、今日の状況を見てるとそれも過言ではない気がしますよね〜♪」

委員長「既に全校生徒が、胡桃沢さんのお菓子中毒になっていると言ってもいいくらいだわ……」

ガヴリール「今日の状況を間近で見てた私が言うが、それは間違いないな……」

ガヴリール「お前は……たった1日で、この学校を制圧しちまったんだよ!」

サターニャ「ふふん、当然よ? なんせ夢は世界征服なんだからねっ!!」

ヴィーネ「この先、この学校自体を拠点にしてしまうのもいいかもしれないわね〜!」

ラフィエル「ふふっ、生徒たちを全員お菓子作りの作業員にさせて……それもまた、素敵な事ですよね〜♪」

委員長「あなた達の考える事は恐ろしいわ……でも、実際にそれも可能なのかもしれない」

ガヴリール「お菓子作りに協力しなければお菓子抜き、だ……どうだ、簡単だろう?」ニヤッ

上野「あ、悪魔がいるっ!! ここに悪魔がいますよぉ〜っ!?」

タプリス「あはは……でもその手で、みなさん胡桃沢先輩の手に落ちたんですよね?」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:13:55.67 ID:L0GVpb+LO

サターニャ「ふふ、みんなっ! 私のお菓子の魔翌力は、それだけじゃないわよ〜?」

サターニャ「私は洋菓子店の娘で、小さい頃からこのお菓子を食べ続けてきてるわけだけど……」

サターニャ「どう? 私のスタイルは?」クルッ


委員長「えっ? ま、まさか……」

ガヴリール「おいおい、サターニャ……まさか、それは流石に冗談だよな?」

ラフィエル「サターニャさんって、そういえば……スタイル、凄く良いですよね?」

ヴィーネ「確かに、小さい頃からお菓子を食べ続けてきたら……もっとこう、太っててもいいはずよね??」

田中「えっ、なんすかそのチート……」

上野「もしかして、これって胡桃沢さんの無双話だったりするんですか……!?」

タプリス「チートは良くないですよ、胡桃沢先輩っっ!!」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:15:04.21 ID:L0GVpb+LO

サターニャ「ふふんっ♪ 私のこのスタイルの良さが、何よりもの証拠よっ!!」

サターニャ「ちなみにお父様も、お母様も、弟も……家族の中で太っている人は一人もいないわっ!!」

委員長「嘘っ……!? 洋菓子店の家なのにっ!?」

ガヴリール「母親も、弟も、かよ……家族が全員とか、お前ん家のそのお菓子は一体どうなってんだよ!?」

ヴィーネ「今ここに、サターニャ家の恐るべき事実を思い知ったわ……」

ヴィーネ「確かに、サターニャの家族は洋菓子店なのに、誰も太っていないっ!!」

ラフィエル「サターニャさんって、肌のツヤも良いですし……その、凄く健康的ですよね??」

田中「もしかしてこのお菓子、デメリットが無いのですか〜!?」

上野「正直、食べ過ぎによる弊害を懸念していたのですが……これは」

タプリス「もはや『悪魔が作る夢のお菓子』と言ったところですね、これ……」
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:17:01.00 ID:L0GVpb+LO

ヴィーネ「あははっ……『悪魔が作る夢のお菓子』で世界征服〜っ!! すごく良いじゃないっ♪」

ラフィエル「ふふっ、学校以外の支店もそろそろ考えた方が良さげですね〜♪」

ガヴリール「それなら良い場所があるぞ、マスターの喫茶店に置いてもらおうっ!」

サターニャ「あそこの喫茶店ねっ! あのマスターなら、話せば引き受けてくれそうだわ!!」

上野「うわー、さっそく学校以外の場所にも進出開始ですかっ!!」

委員長「あなたたち、学校以外の場所についても既にアテがあるのね……恐れ入ったわ!」

田中「学校外となると、もう本格的に経営ですよこれはっ!!」

タプリス「あわわっ……私、いつの間にか凄い事に巻き込まれちゃってますっ!」

ガヴリール「あのマスターも、きっと店が繁盛して喜ぶだろうなぁ……いつもは閑古鳥が鳴いている状態だし」
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:17:49.41 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「私は、あのマスターの作る珈琲は本物だと思うんですよね〜」

ラフィエル「お菓子と珈琲……この組み合わせは、きっと強力な武器になりますよ〜♪」

ヴィーネ「きっかけさえあれば、あのマスターの淹れる珈琲だって世間的に広まるかもしれないわね!」

田中「その珈琲がもし好評なら、こちら側にも仕入れましょうよっ!」

上野「これは、鬼に金棒な予感がしますね……っ!!」

サターニャ「ふふん、珈琲に合うお菓子をチョイスして、送り付けてやるわっ!!」

サターニャ「あのマスターも、私のこのお菓子で骨抜きにしてやるんだからね〜っ♪」

委員長「そこの喫茶店と、話が上手く纏まれば……遂にこのお菓子も世間一般に出回るのよね」

タプリス「な、なんだかワクワクしてきちゃいましたよ、私っ!!」

ガヴリール「フン、あのマスターにも私という人材を雇えた事を、感謝させてやるんだからなっ!!」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:19:04.80 ID:L0GVpb+LO

ヴィーネ「問題は、私たちが1日で作れるお菓子の量よね……足りるのかしら?」

上野「学校の生徒と、喫茶店で売る分……今の私たちで、ギリギリで賄える範囲ですかね?」

委員長「こうやって毎日、私たちが放課後にお菓子作りしてて……それでなんとか間に合う範囲かしら?」

ガヴリール「いずれは世界征服をするんだぞ? もっと大量に生産する目処を早く立てておいた方がいい」

ラフィエル「ふふっ、学校の生徒たちに協力してもらって大量生産をする……それの構想と、方法ですよね?」

ラフィエル「大丈夫です、私がその大量生産を可能にしてみせますっ!!」

サターニャ「あんた、ほんと頼もしいわね〜……そっちの構想は、任せたわよっ?」

田中「うわー、なんかもう学校中が白羽さんの手によって改造されてゆく未来が見えてきますよ……」

タプリス「なんだか、どんどん話が具体的に広がっていってて恐ろしいですーっ!!」
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:20:37.49 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「でもとりあえず、明日の第一目標は喫茶店の攻略ですよ〜? まずは順番に行きましょうっ!!」

田中「そうですね、まずは支店を確保して、外での販売を実際に可能にしてからにしましょうよ」

上野「現在の規模なら、私たちでまだ間に合う範囲ですからねっ!」

ガヴリール「まぁ交渉の方は私に任せとけばいいんだけどな……どうせ、明日はバイトに行くついでなんだし」

ヴィーネ「券売機になったのなら、接客の方は私でもこなせると思うわっ! ガヴ、明日は早めに切り上げてもいいわよ?」

ガヴリール「放課後直後のピークだけは私がちゃんとこなしてやるよ……バイトなんて、その後でも間に合うからなっ!」

サターニャ「ガヴリール、あんたには喫茶店支部での代表を任せるわねっ! そっちをメインにしても構わないのよ〜?」

ガヴリール「はっ? やだよ、喫茶店支部での代表はまあ引き受けるが……私は普段はここで、お前の近くにいるんだからなっ!」

委員長「天真さんって、もしかしてかなりのツンデレなのかしら……?」

タプリス「あわわっ、天真先輩が……なんだか、ただ照れ隠ししているだけのように見えます〜っ!?」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:21:50.69 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「あー、もう〜っ!! とにかくお前ら、明日の交渉は私に任せとけって!」

ガヴリール「ただお菓子見せて、それで納得させるだけだ……人数なんて、べつに要らないんだからな?」

ラフィエル「ふふっ、ならばここはガヴちゃんに任せておきましょうかっ♪」

サターニャ「お菓子は私が包んでおくわ、食べさせたら絶対に納得いかせるものをねっ!!」

タプリス「天真先輩が、喫茶店での支部代表になるんですよね? 頑張ってくださ〜い!!」

ガヴリール「あのなぁ……支部代表と言っても、バイト以外での普段の接客なんて、全部あのマスターに任せるんだからな?」

田中「私たちも、いずれは何処かの支部代表になったりするんですかね〜?」

サターニャ「あんた達も、規模が大きくなれば、いつか何処かを任せる時が来るかもしれないわねっ!!」

上野「どちらにせよ、大量生産ラインを敷けば胡桃沢さん一人に全ての作業を見てもらうのは大変になりますからね……」

委員長「私たちの方でも、ある程度のノウハウは各自で身に付けておいた方がいいかもしれないわね……」

ヴィーネ「サターニャに定期的に出来上がったお菓子をチェックして貰えれば、きっと大丈夫よっ♪」
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:22:50.27 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「みなさ〜ん、そろそろ今日の所は切り上げましょうっ!!」

田中「いやいや、何を言ってるんですか〜……って、嘘ぉっ!? もうこんな時間っ!?」

上野「皆さんと会話をしていたら、時間が経つのがあっという間ですね……」

委員長「夜10時って、最初は長丁場だと思っていたんだけど……全然そんな事は無かったわね」

ヴィーネ「お菓子の方は……うん、かなりの数が出来上がっているっ!!」

ガヴリール「よし、これなら明日は一人3個でも問題ないなっ!」

ラフィエル「3個……そうですね、まだ上限無しは、ちょっと早いですからね〜」

タプリス「1日3個なら、それなりに満足はしてくれるんじゃないですか??」

委員長「個人なら、ね……家族にも食べさせたいって人は、沢山いるはずよ?」

田中「ああ、そっかぁ……やっぱり、まだまだいっぱい作る必要があるんだっ!」

サターニャ「とりあえず、学校の生徒たちを手篭めに出来る分があれば今の所はそれで充分よ〜?」
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:23:36.98 ID:L0GVpb+LO

ヴィーネ「みんな、今日の所はもう帰りましょう? これ以上はさすがに遅くなりすぎるわっ!」

上野「まぁ1日3個で、今は良しとしましょうかね……」

ガヴリール「いずれは大量生産の方を、ラフィが仕組み作り上げて敷いてくれるんだろう?」

ラフィエル「はい、もちろんですっ!! 任せてくださ〜いっ♪」

委員長「もう夜遅いんだから、みんな夜道には気を付けて帰るのよ?」

サターニャ「みんな、今日はありがとねっ!! 明日からも……よろしくお願いしますっ!!」

田中「ははっ、今更そんなの畏まらなくてもいいじゃないですか〜♪」

上野「私たち、もうすでに運命共同体みたいなものですもんねっ♪」

タプリス「わ、私もっ! もうこうなったら皆さんの歩んでいく場所にトコトン付いて行きますよ〜っ!?」

「「あははっ……明日も、皆んなよろしく〜っ!!」」

…………
……
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:24:20.05 ID:L0GVpb+LO

現在の勢力図一覧

大悪魔:サターニャ(総帥)

幹部:ラフィエル(経営全般)
   ヴィーネ(製造、???担当)
   ガヴリール(販売、ネット部門)

配下:上野(厨房担当)
   田中(厨房担当)
   まち子(厨房兼その他、風紀関連)
   タプリス(雑用)

協力者:グラサン、及び先生方
    食堂のおばちゃん達

制圧箇所:学校全体、及びその生徒達

拠点:学校敷地内、調理部室

次点の目標……マスターの喫茶店を支部に収める


ヴィーネ「ラフィとガヴの活躍が著しいわね……さすが、幹部と言った所かしら?」

ヴィーネ「このまま勢力が拡大すれば……いずれ、私の真の役割を明かす事もあるかもしれないわねっ♪」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:24:56.09 ID:L0GVpb+LO
──翌日


ガヴリール「マスター、ちょっとイイっすか?」

マスター「んっ、なんだい天真君? おや、その手に持っている包みは……」

ガヴリール「ええーと、ですね……このお菓子を、ここで販売して欲しいんスよ!」

マスター「このお菓子を……? いや、急にそう言われても困るんだが、このお菓子は何なのかな?」

ガヴリール「これは今、私たちが学校で作っているお菓子です……これで、この世界を征服してやるつもりッス!」

マスター「世界を……征服って? ははっ、そりゃイイねっ!! こう見えても、私も昔はブイブイと言わせてたんだよね〜♪」

マスター「でもね天真君、喫茶店の経営は遊びじゃないんだよ……悪いけど、学生が作った物は置けないな〜」

ガヴリール「食ってから言ってください、マスター……絶対に、納得しますんで」

マスター「ははっ……まあ天真君たちがせっかく作ってきてくれたみたいだし、ちょっと頂いてみようかな?」

ガヴリール「どうぞ……ちなみに、世界征服というのは冗談ではなく、マジですので」
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:25:34.56 ID:L0GVpb+LO

マスター「ふむふむ、なるほど……これは形、見た目共に素晴らしい出来映えだっ!! とても学生が作ったとは思えないな〜!」

ガヴリール「あのサターニャが直々に作ったお菓子なんですから、当たり前です」

マスター「んっ? あのいつも天真君をからかいに来る、元気な子か……」

マスター「どれどれ……ははっ、この見栄えなら、味さえ良ければ本当に販売を検討してもいいかもしれないな〜!」

ガヴリール「早く食べてくださいよ、マスター……焦らしても、何も出ませんよ?」

ガヴリール「あと、私はお願いをしているつもりはありませんから……『販売させてやってもいい』というつもりですよ」

マスター「ははっ……もぐもぐっ! えっ?……お、おおお美味しい〜っ!!?」

マスター「て、天真君っ!! 君の持ってきたこのお菓子は、一体……な、なんなのかな〜っ!??」

ガヴリール「だから私達が作ってるお菓子ですって……あと、もうそのリアクションの結果は既に見えてましたよ」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:26:58.21 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「ちゃっちゃと話を進めましょう……このお菓子を、ここで300円で販売して欲しいんです」

マスター「さ、300円っ!? いやいや、このお菓子ならその倍……いや、千円を超えてても売れるはずだよっ!?」

ガヴリール「学校では200円で販売をしています……これでも、1.5倍の値段設定ですよ?」

ガヴリール「これ以上の値上げに関しては、サターニャが直々のNOサインを下しているので絶対に行えません」

マスター「なんと、勿体ないっ!!……ちなみに、仕入れの数に関しては?」

ガヴリール「1日、100個のみですね……充分かに見えますが、実際には全然足りないと思いますよ?」

マスター「1日100個……お客様一人、一個限定でご提供すれば、なんとか……」

ガヴリール「100人なんてあっと言う間です……時間を分けて、小出しにした方がいいと思いますね」

ガヴリール「私の学校では、販売1日目にして既に全員がこのお菓子の中毒に陥りましたから」
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:27:38.76 ID:L0GVpb+LO

マスター「天真君……もう少し、提供してもらうことは出来ないかな? 100個と言わずに」

ガヴリール「私の学校では今、一人3個上限での販売をしています……今の所、そちらの方で手が一杯なんですよね」

ガヴリール「まあ、いずれ大量生産をするつもりですから、その時には千個でも一万個でも提供しますよ?」

マスター「分かった……今は、その100個で話題を呼び込めば良いんだね?」

ガヴリール「そういう事です、話が分かりますねっ、マスター!! ……この100個は、話題拡散のための100個です」

ガヴリール「本格的な販売をするのは、もう少し待っててくださいね?」

マスター「ははっ、本来なら100個でも充分凄いというのに……これが、ただの準備段階に過ぎないとはね」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:28:24.99 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「ああ……それとマスター、ここの珈琲を友達がすごく高く評価しているんですよね」

ガヴリール「出来れば、豆とかを持ち帰りたいのですけど……」

マスター「……!! それは嬉しいね〜♪ では持ち帰り用の珈琲を用意するよっ!」

マスター「ただ、本格的なのは……ここにある専用の機械で、私が淹れた物でないと味が引き出せないんだ」

ガヴリール「なるほど……本格的な珈琲を飲みたければ、ここに直接来るしかないと?」

ガヴリール「まぁ、それも一興と言えば一興……かな?」

マスター「もちろん、持ち帰り用でもそれなりの味は保証するよ?」

マスター「それで気に入ってもらえたのなら、是非とも此処へ足を運んでくれるように伝えてほしいっ!!」

ガヴリール「分かりました、そう伝えておきます……お菓子の方は、早速明日からにでも持ってきますね?」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:29:09.23 ID:L0GVpb+LO
…………
……


ガヴリール「と、言うわけだなっ!」

ヴィーネ「あんた、説明を随分と端折ったわね……」

田中「つまり? 本格的な珈琲は向こうの方でしか飲めない、と……少し残念だな〜」

委員長「仕方ないんじゃないの? こうやって、持ち帰り用の珈琲を頂けただけでも感謝しないと」

上野「販売の方は快諾してくれたんですよね? 当初の目的は、ちゃんと果たせてますよっ!!」

タプリス「このお菓子が、この学校以外の場所でも売られる事になるんですね……なんだか凄いですっ!!」

サターニャ「フフン、遂に学校以外にも私の支部が出来たってわけねっ!! でかしたわ、ガヴリール!」

ガヴリール「私はべつに、何もしてないよ……全部、お前の用意したお菓子のおかげだからな?」

ラフィエル「ですが、そのマスターさん……大丈夫なんですかね?」
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:30:04.61 ID:L0GVpb+LO

田中「大丈夫って、どういう事ですか?」

ラフィエル「お菓子を、たった100個のみの量だけで販売する……どう考えても、これはお客さんの求める数には応えられません」

委員長「ああ、お菓子関連のトラブル……つまり、暴動はいつ起きてもおかしくないってわけね?」

ラフィエル「それだけでなく、この先も……世界征服の支部になるという事についてですよ」

タプリス「確かに、勝手に巻き込んでしまいましたけど……あわわ、大丈夫なんですかね〜?!」

ガヴリール「おーい、お前ら……あのマスターなら心配要らないぞ〜?」

サターニャ「……? どういう事よ、ガヴリール?」

ヴィーネ「そうよ、もし何かがあったら……私たちが何とかしてあげないと!!」

ガヴリール「あのマスターはな……昔はそっち系で、『永久不滅の仏顔』とまで言われている凄まじい人なんだ」

ガヴリール「荒事なんて、私達なんかよりもよっぽど手慣れているんだよ……」

上野「えっ!? そんな凄い人が……どうして喫茶店の経営なんかを?」
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:31:11.11 ID:L0GVpb+LO

ヴィーネ「たしか……珈琲に取り憑かれて、珈琲に目覚めてしまった! とか言ってたわよね」

サターニャ「へぇー、さすがねっ!! 私はあのマスター、絶対に只者じゃないと睨んでいたのよね〜♪」

上野「そんな人なら、まさに世界征服の支部としてこれ以上のない適任ですよねっ!!」

委員長「あなた達の人脈って、一体どうなっているのよ……」

ガヴリール「今でこそ一見、温厚そうな顔をしているが、あの人の過去はマジで恐ろしいからな?」

ガヴリール「ちなみに、世界征服には大喜びで乗り気だぞ……なんだか、昔の血が騒ぐんだとさ」

ラフィエル「ちゃんとリスクを分かっている上で、快諾してくれているみたいですね……安心しましたっ♪」

田中「ですが、お菓子販売に関するトラブルは……きっとこれからもどんどん出て来ますよね?」

タプリス「あわわっ、揉め事とかは私、苦手ですよ〜っ!!」
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:32:24.30 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「それに関しては……ヴィーネさん、お任せしてもいいでしょうか?」

ヴィーネ「最初からそのつもりよ……私は、悪魔なんだからね?」

委員長「えっ? ちょ、ちょっと、どういう事よ!?」

ガヴリール「あのな、天使の私たちには立場上、絶対に出来ない事もあるんだ……これは悪魔の仕事なんだよ」

田中「えっ、いやっ? 天使だとか悪魔だとか……ああ、例え話ですよね、ははっ!」

サターニャ「大丈夫なの? ヴィネット……私はそんな事、あんたに強制したりなんかしないわよ?」

ヴィーネ「世の中は綺麗事だけじゃないのよ? サターニャ……大丈夫、私が皆を守ってあげるわ!」

ヴィーネ「それが悪魔としての、本来の私の存在意義なんだから、ね?」

上野「いやいや、悪魔だとか……何を言っているんですかね〜?」

タプリス「あ、あの〜……あまり天使だとか悪魔だとかは大っぴらに言わない方がいいと思うんですけど」
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:33:29.97 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「この先、トラブルは必ず付き纏ってきます……いざという時には、それを物理的に片付けてしまっても構いません!」

ガヴリール「もし何か面倒な後始末になったなら、その時には私たちも手伝ってやるからな? 相手の記憶とか色々アレしてやるよ」

タプリス「せ、先輩方〜っ!! そういう事は、言っちゃ駄目ですよ〜っ!?」

サターニャ「ちょっ、あんた達っ!! 面倒事なんて最初から出さない方針で行きましょうよ!!」

ヴィーネ「サターニャって、ほんと純真よね〜……私は、ようやく悪魔らしくなれる機会を得たのよ?」

ヴィーネ「大丈夫! 揉め事が起きた、もしもの場合の話よ……もちろん、何も起きないのが一番なんだからね?」

委員長「……あまり深くは聞かないけれど、つまり任せてもいいって事よね?」

田中「もしもの時の心配も、無用だと思ってていいんですかね……?」

上野「あの、ごめん私……今の会話、めっちゃ気になるんですけど〜??」
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:34:51.96 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「いずれちゃんと話す時が来るさ……私たちの目標が、このまま達成すればな」

ラフィエル「ガヴちゃん、それって……やっぱりっ!!」

タプリス「もしかして……て、天界も視野に入ってるって事なんですかっ? この征服計画は〜っ!!」

ヴィーネ「そうね……こんな世界、私たちで全部乗っ取っちゃって、ルールなんて根こそぎ取っ払いましょっ♪」

サターニャ「なーはっはっは!! よく分かってるじゃないの、ガヴリールっ!!」

サターニャ「そうよ、私の夢は大悪魔……もちろん、天界なんかも私のこの手で支配下に収めちゃうんだからね〜っ♪」


田中「て、天界って……なんか聞いちゃいけないワードを聞いちゃったような……」

委員長「いずれはちゃんと話してくれるんでしょ? それまで、待ちましょうよ……」

上野「何やら話せないルールがあって、要はその大元を制圧しちゃうまでの辛抱って事なんですよね!! ……なるほどっ!!」

タプリス「上野先輩、ちょっと理解が早すぎませんかね? ……その眼鏡は、伊達じゃないって事ですか」
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:36:03.52 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「ところで、今日の……そっちの方の成果はどうなんだよ?」

ラフィエル「多少は残りましたが、大多数はしっかり売れてましたね〜♪」

ガヴリール「そうか、順調だな……んっ? ちょっと待て、多少売れ残ってしまったのか??」

委員長「学生は、皆んなお金を持っているわけではないのよねぇ」

田中「このお菓子が200円というのは、破格すぎる良心的な値段設定です、しかしそれでも……」

ヴィーネ「本当は3個買いたいのに、1個や2個しか買えないって人がチラホラいたわっ!」

上野「毎日3個、600円……これは、学生にはちょっと厳しいのかもしれませんねぇ」

タプリス「これが毎日続くとなれば、いずれはほとんどの人がお金が無くなり、買えなくなってしまうんじゃないでしょうか……」

サターニャ「飽きたのなら、ともかく……お金が無くて買ってもらえなくなるってのは少し悲しいわね」
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:37:29.84 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「はいは〜い、これは逆にチャンスですよ〜? 皆さんっ!!」

ラフィエル「お菓子の無料配布、それと賃金もお渡しする条件で、さっそくお菓子作りの募集を掛けておきました〜!」

サターニャ「相変わらず仕事が早いわねっ、あんた! 人材の確保を合理的に行うとは……やるわねっ!!」

上野「ああ、金欠の生徒が出れば、お賃金を出してそのまま雇っちゃえばいいのか……なるほど」

委員長「さすがね、わざわざお菓子抜きだとか言って脅す必要……そんなの、全くいらなかったじゃないの!」

田中「凄い合理的に人を集められますね〜……いやはや、恐ろしいシステムですよこれはっ!!」

タプリス「これでお金の無い人も、ちゃんと働けばお菓子を食べられるってわけですね……安心しましたぁ〜♪」

ヴィーネ「餌付けによる奴隷化と、大して変わらない気もするけど……まぁそれはそれで♪」

ガヴリール「やるじゃん、ラフィ! これなら、直ぐにでも大量生産が開始出来そうだなっ!!」
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:39:24.77 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「もう明日には大量生産を開始しますよ〜? 設備も、今日の内に整えておきましたっ♪」

田中「ちょ、早っ!? 募集でいきなりそれだけの人が集まったんですかっ?」

委員長「もちろん、学校の許可は取ってあるのよね? さすがに賃金が絡むとなると……」

ヴィーネ「ねえ、初期設備にお金いっぱい掛かってるみたいだけど……それって、ラフィ自身が出しているの?」

サターニャ「脅して強制ではなく、募集で自主的に……私の理想の形態ねっ!! 良くやったわ、ラフィエルっ♪」

ラフィエル「ふふっ、人は沢山集まりましたし、もちろん賃金関係も学校を通して各種方面に許可を取ってありますよ?」

ラフィエル「設備投資は……私の懐からですが、これは初期投資ですっ!! 直ぐに回収できると思ってますよ〜♪」

ガヴリール「この募集に、まだ参加していない奴も……時間が経てば経つほど財布の持ち金がどんどん底を付いていく」

ガヴリール「いずれは、ほとんどの生徒がこのお菓子作りに自ら志願しに来るんだろうなぁ〜」

タプリス「お、恐ろしい……よく考えたら、合法的な学校乗っ取りじゃないですかコレぇーっ!?」
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:40:24.54 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「明日は各製造ラインに向けて、皆さんで手分けして担当してくださいねっ♪」

田中「おおっ!? 遂に、私たちも配下から班長に格上げというわけですねっ!!」

上野「大丈夫です、大体のノウハウは習得していますから!!」

委員長「そうね……胡桃沢さんが定期的にお菓子のチェックをしに来てくれたら、問題はないと思うわ!」

サターニャ「はい、あんた達〜……このお菓子製造において、一番大事なことは何だと思うかしら?」

ヴィーネ「出来上がったお菓子の質じゃないの? 班長毎に、一つ一つのチェックは怠らない方がいいわ!」

ガヴリール「サボる奴がいないかのチェックじゃねーの? 手抜きする奴とか出てくるだろ〜」

タプリス「あ、あとは……ええーと? 製造のスピードとか、ですよね……っ!?」

サターニャ「良い回答の数々だわ……だけど、残念ながらどれも不正解ねっ!」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:41:44.44 ID:L0GVpb+LO

田中「えぇ〜っ?! 他に、何かありましたっけ??」

委員長「もちろん、作業中の事故の防止よね…… え? 嘘、これも違うのっ?!」

ラフィエル「むむっ、これは難問ですね……サターニャさん、ヒントくださ〜い!!」

サターニャ「ヒント? 仕方ないわね〜……そうね、今ここにいる私達の顔がヒントよっ♪」

上野「えっ、私たちの顔って……これ、なぞなぞとかじゃないですよね??」

ヴィーネ「なるほど、そういう事ね……私、分かっちゃったかも!!」

ガヴリール「ああ、そうか……タプリスは班長に向かないもんな?」

タプリス「ちょ、天真先輩〜〜っ!? 確かに、私が未熟なのは否めませんけど……」

サターニャ「あんたは、出来上がったお菓子の計数や保管……あと、人手が足りてない所を手伝いに行けばいいわ!」
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:43:25.67 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「それで……そろそろ、お答えの方を聞かせて頂けませんかね〜?」

上野「悪魔的な何かである、と……そこまでは、推測が出来たのですが……」

サターニャ「あっ、あんた……非常に鋭い推測をして来るわねっ!? でも正解は、作っている人達が笑顔であることよっ♪」

委員長「笑顔?? まあ確かに、それも重要な事ではあると思うんだけれど……」

ガヴリール「おいおい、そんな事より製造のスピードとか事故防止とかの方が大事じゃねえの?」

サターニャ「もちろん、事故防止も大事よ?……けれど、スピードに関してはそこまで強く問わないわ!」

ヴィーネ「そもそも、作っている人達の表情が笑顔でなければ、このお菓子の味は完成しない……そうよね? サターニャ」

田中「えっ? いや、それは単に気持ちの問題じゃないですか……えっ、ほんとに〜っ!?」

タプリス「胡桃沢先輩が、そう言うのならば……もしかしたら、本当にそうなのかもしれませんね」
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:44:16.54 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「……あははっ♪ さっすがサターニャさんです〜!! 私、ちょっと感心してしまいましたよっ♪」

サターニャ「職場のモットーは『作業員全員の笑顔』……これは私からの、みんなに守って欲しいお願いよ!」

委員長「まぁ、胡桃沢さんが直々にそういうのなら……私たちもそれを守りましょうか」

田中「見るべきは生徒たちの作業している時の表情ですね……分かりましたっ!!」

ガヴリール「う〜ん、まあジメジメした雰囲気よりも、皆んな笑顔で作業している方が断然良いのは確かだしな」

上野「嫌々ながら作業されて作られたお菓子よりも、笑顔で作られたお菓子の方が美味しい気もしますよね!」

ヴィーネ「きっと作業効率、サボり防止、それに事故の低下にもこれは繋がってくるはずよ?」

タプリス「わ、私もっ!! どうせなら、皆さんが笑顔で作業している中で働きたいですぅ〜っ!!」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:45:04.76 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「それに働いている場所の環境が良ければ、それの評判が広まって、きっと良い印象を持ってくれるはずですよっ♪」

田中「それを聞き付けて、そこで働こうという人もまた増えていくわけですね!」

委員長「先生方の印象も良くなるはずよ……よく考えたら、すごく重要な事じゃない!」

ヴィーネ「きっとこのお菓子、そのもののイメージアップにも繋がるわっ!」

ガヴリール「もしかしたらこの学校、そのもののイメージアップにも繋がるんじゃねーの?」

タプリス「良い事尽くめですね……胡桃沢先輩っ、あなたはやっばり凄い人ですよっ!!」

上野「班長と聞いて、少し身構えていたのですが……今はもう、なんだか凄く楽しみになってきましたよっ!」

サターニャ「事故の防止、作業の効率化ももちろん大事なことよ? あんた達、任せたわね!!」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:46:08.83 ID:L0GVpb+LO
…………
……


タプリス「それにしても、このお菓子は一体……どこまで売れるのでしょうか?」

田中「すごく美味しいのは確かですが……毎日毎日、この勢いが続きますかね〜?」

サターニャ「もちろん、続くわよ〜? 私を誰だと思っているのかしら?」ドンッ!

ラフィエル「サターニャさん、それは……もしかして、新作ですかっ!?」

ガヴリール「おい、ちょっ……それ、食べさせろっっ! 売る前に、まず私たちが食べるんだからなっ!!」

ヴィーネ「ちょっとぉ! 私にも、私にもそれを食べさせてよ〜っ!!」

サターニャ「みんな、平等に配るわよ〜? もちろん、量はたくさん作ってみたわっ♪」

上野「ははっ、これは勢いなど……当分の間は止まりそうにも無いですね?」

委員長「私たち、もうすっかり胡桃沢さんに餌付けされちゃってるのよね〜」クスッ
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:47:22.56 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「そろそろ、今日もお開きですかね〜……」

田中「いやいや、何を言って……って、えっ!? いつの間にかもうこんな時間〜っ!?」

ヴィーネ「なんか、昨日もこんなやり取りを見たわね……」

上野「ほんと、皆さんといると時間が経つのが早いんですよね〜!!」

タプリス「今日も楽しいお時間でした……私、最近とっても充実してるような気がしますっ!!」

サターニャ「明日は大量生産開始、明後日には……大量のお菓子販売を開始出来るわねっ!!」

ガヴリール「マスターの所には、私が朝一番で約束のお菓子100個を届けておこう」

ガヴリール「明後日に届ける数は……1000個? 2000個? まあ、明日の出来高次第だな!」

サターニャ「初日よ? スピードはゆっくりでもいいから、焦らず作ってくれたらそれでいいわっ♪」
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:48:10.19 ID:L0GVpb+LO

委員長「一般の生徒達には、夜7時までには帰ってもらわなくちゃいけないわ……でも、私たちはそのあと10時までねっ!!」

田中「ああ、そうか……班長をしている間は、皆さんとお喋りがあまり出来ないんですよね……」

ヴィーネ「大量生産がうまく出来たのなら、私たちがそんなに夜遅くまで残らなくても良いんじゃないの??」

ラフィエル「ヴィーネさんは残らないんですか? 私は、もちろん残りますけどっ♪」

ヴィーネ「いや、私ももちろん残るわよっ? ただ、みんなはどうなのかな〜って……」

上野「私も、もちろん残りますよ〜? お菓子だって、このまま作り続けるんですからねっ♪」

ガヴリール「私もまあ、残るぞ? ……ただ、私の場合は他にやる事が出来るからお菓子作りの方はパスだな」

サターニャ「みんな、いい加減に帰るわよ〜? 明日の事は、また明日話し合いましょ!」

タプリス「あわわっ……踏ん切りを付けないと、このまま皆さんといつまでも駄弁ってしまいますよ〜っ!?」

「「あはは……じゃあみんな、明日もよろしくね〜!!」」

…………
……
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:49:07.89 ID:L0GVpb+LO
今までの経過一覧


0日目……サターニャ、天使2名に弄られてしまい、ヴィネットに泣き付く

1日目……ヴィネット、ガヴリール、ラフィエル、いつもの3名をお菓子にて服従させる

2日目……調理部室を占拠。まち子、田中、上野の3名を配下に収める

3日目……グラサンを説得し、味方に付ける。学校内での販売許可を得る

4日目……学校内での販売を開始し、生徒たちを餌付けする。タプリスが仲間に加わる

5日目……喫茶店のマスターを説得し、仲間に加える。喫茶店が世界征服の支部になる

6日目……一般生徒を動員しての大量生産を開始、予定


ガヴリール「凄まじいスピードで世界がサターニャに侵されていっているな……」

ガヴリール「もはや世界征服も間近なのかもしれん! 最後の強敵は……私でも勝てないあの天使、だな」
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:53:59.22 ID:L0GVpb+LO
──翌日


ガヴリール「どうぞ、マスター……約束のお菓子、100個です」

マスター「ありがとう、天真君っ! お代は3万円でいいかい?」

ガヴリール「それだとマスターの儲けが無いじゃないですか……今回は初回サービスです、お代は要りませんよ」

マスター「いや、私は人が来てくれたついでにコーヒーが売れてくれたら、それでいいから……」

ガヴリール「ちゃんと次からお代も貰いますよ、1個200円でお願いしますね?」

マスター「いや、ちょっと待って!? 200円だと私の方がぼろぼろ儲け出ちゃう、それは良くないよっ!!」

ガヴリール「いいんですよ、マスター……その儲けは取っておいてください」

ガヴリール「それとマスター、今日から大量生産を開始しますので、明日にはもっと提起できると思いますよ?」

マスター「えっ? あれ、大量生産はもっと先の話だと思っていたんだけど……」

ガヴリール「私の友達……あのラフィの奴が、ものすごくやり手なんですよね……」
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:54:42.21 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「確認しますけど、マスターは1000個買えるとしたら買いますか?」

マスター「もちろん、喜んで買うよ? 2000個でも3000個でも、あるだけ買おうっ!!」

ガヴリール「それを聞いて安心しました……大丈夫です、このお菓子の魔翌力は折り紙付きですから!」

ガヴリール「良ければネット上でも宣伝をしようと思うのですが……構わないですか?」

マスター「天真君のやりたいようにしてくれて構わないよ? 私の方は、お菓子をどんどん売り捌いていくからねっ!」

ガヴリール「さすがマスター……私たちと一緒に、世界征服をする気満々ですね?」

ガヴリール「この先、もし何かトラブルに巻き込まれて……それがマスターの手に負えない時の場合は、ここに連絡をしてください」

マスター「天真君……この、連絡先は?」

ガヴリール「私の友達の、連絡先です……大丈夫です! 人間では、いくら束になった所で彼女には敵いませんから」
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:55:39.58 ID:L0GVpb+LO

マスター「ははっ、『人間では敵わない』か……頼もしい限りだっ! まあ、大抵の事は私の方でなんとかしてみせるけどね?」

マスター「天真君の友達……あの子たちは、本当に凄いんだねっ! もちろん、天真君も含めて!!」

ガヴリール「……お菓子の生産の規模は、順次、大きくなっていく予定です」

ガヴリール「マスターも、売り上げの資金が貯まったら……第二店舗、第三店舗などを視野に入れておいてくださいね?」

マスター「ええっ!? ま、まさか私のこの喫茶店が、チェーン店化するのっ?!」

ガヴリール「この店だけでは売り捌くのが大変になると思いまして……もちろん、マスターの裁量にそれはお任せしますよ?」

マスター「う、うーん……急に言われてもピンと来ないんだけど……分かった、店舗拡大は視野に入れておこうっ!」

ガヴリール「まずはこのお菓子を実際に売ってみて、手応えを感じてみてください……それからでも構いませんから」

マスター「まあそうだね、まずはこのお菓子を売ってみて……お客さんの反応を実際に見てみる事にするよっ!」
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:56:28.98 ID:L0GVpb+LO
…………
……


ラフィエル「製造ラインは人員、200名……これからもどんどん増える見通しです」

委員長「今は上野さん、田中さん、月乃瀬さん、私の4人で手分けしてる状態ね」

田中「天真さんは、販売ですね……朝は喫茶店への品納め、昼も販売して、明日は学校外の人にも売るんだとか」

上野「白羽さんは材料の仕入れ、チェック……他にも人員の手配やら新しい設備やらで多忙ですね」

タプリス「わ、私は作られていくお菓子を纏めたり、皆さんの連絡係りになったりで……意外と忙しいです〜っ!!」

サターニャ「あんた達、だらしないわね……他の誰でもない、この私が後ろに構えてるんだから、ドーンと居座ってなさいよ?」

ヴィーネ「サターニャは、相変わらず元気よねぇ……」
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:57:07.50 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「おーい、そっちの調子の方はどうだ〜? 今は、お互いに休憩時間だな」

田中「今の所、問題はありません……白羽さんが最初から全部、手配してくれていますからね」

上野「ただ、人を纏めるのって意外と大変なんだな〜って思ってみたり……」

ラフィエル「くれぐれも事故には気を付けてくださいね? 一応、考えうる事故には一通りの対策を打ってますけど」

委員長「マニュアルとかあるせいで初日なのにスムーズに生産されていくわ……もう、凄いとしか言えないわよ!」

サターニャ「私から見て足りない所は、私が調整して変えていってるからね?」

サターニャ「出来上がるお菓子も私が見る限り、問題はないわ……あなた達のおかげよっ♪」

ヴィーネ「この調子なら、もしかして1万個のラインにも届くんじゃないかしら?」

タプリス「わわっ、凄い規模ですねっ!!」
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:57:52.11 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「まだまだ、足りないぞ〜? 全世界には、人類が一体何人いると思ってんだ」

ガヴリール「作れば作るだけ売れる……10万個でも100万個でも、可能な限り作り上げればいいさ!」

田中「すでに多額のお金が動いていますが……この学校内だけで、経済規模が億を超える日も来るかもしれませんね!」

委員長「設備投資にお金が掛かってるから、プラスになるのはまだまだ先なんでしょ?」

上野「むしろ、まだ新たに設備が増設されていってますからね……白羽さんの財力が恐いですっ!!」

ヴィーネ「ラフィは……あら、もう行っちゃてるわね……そろそろ休憩も終わりね!」

委員長「そうね……みんな、持ち場に戻ってこの後も頑張りましょうっ!!」

田中「胡桃沢さんも……あれ、もう行っちゃてるし!?」

上野「千咲さんもかぁ、みんな早いですねっ! 私たちも行きましょうか」
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:58:28.11 ID:L0GVpb+LO
…………
……


「下界が最近、なにか妙な動きを見せているな……」

「あの妹の事だ、きっと何か絡んでいるのだろう」

「お姉ちゃんは、悪い事には加担なんかしないはずだよ、大丈夫だよゼルエルお姉ちゃんっ!」

「私の所にも、ラフィエルお嬢様の方から最近、妙な連絡を受け取りましてですね……」

「何でも、お菓子を売る準備をしていてください……という内容でありましたっ!!」

「お菓子……? よく分からないな、直接あの妹の様子を見てくるか」

「下界に行くの〜? なら、お土産を買ってきて欲しいなぁー!!」

「千里眼ではなく、この眼で直に確認しておきたいからな……お土産は、何が良いんだい?」

「なんか、美味しいお菓子が欲しいっ!!」

「そ、そうか……分かったよ、ハニエル」
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 07:59:15.59 ID:L0GVpb+LO
──その夜


ガヴリール「もしも〜し? どうですかマスター?」

マスター『天真君、すごい反響だよっ!! もっと売ってくれってお客さんに何度も頼まれてさ〜っ!』

ガヴリール「なら、コーヒー10杯頼めば売るとかでも良いんじゃないですか〜? お菓子の値段以外にはノータッチですよ私ら」

マスター『えっ?! ……いやいや、そんなズルい事なんてしないからねっ?!』

ガヴリール「マスターも律儀ッスよね……私なら、これを機会にもっと色んな手段を模索しますケド……」

サターニャ「ちょっと、ガヴリールぅ!? あんた、なんて会話をしているのよ〜っ!!」

マスター『て、天真君っ!? その、お友達の怒ってる声が聞こえてくるんだけど……謝った方がいいんじゃないかな〜?』

ガヴリール「大丈夫っすよ、マスター……それより、明日は3000個でどうですかね?」

マスター『えっ、そんなにっ!? もちろんオッケーだよ! 良かった、生産の方が上手くいったんだね!!』

ガヴリール「じゃあ、そういう事で……あっ、マスターの方から車で学校に受け取りに来てくださいね?」

マスター『分かった、それじゃあ明日の朝に受け取りに行くから、よろしくね〜!!』
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 08:00:03.99 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「ふぅ〜……これだけ量があると、受け渡しの方も大変だなぁ」

サターニャ「ちょっと、ガヴリールぅ〜!? さっきのやり取りは一体何なのよ〜っ!!」

ラフィエル「3000個じゃなく、5000個とかでも良かったのでは?」

ヴィーネ「お菓子は1万個以上あるわ……学校で上限無しの販売をしたとしても、まだ余るんじゃないの?」

ガヴリール「ああ、それな……私の方でも各方面に販売をしてやろうかと思って」

田中「もしかして……ネット販売ですか!?」

上野「遂に、始動するのですねっ!! 天真さんの本領っ!!」

委員長「それが軌道に乗れば、そっちがメインの販売ルートになるかもしれないのよね?」

タプリス「ネット関連なら、私でもお手伝い出来ると思いますよ、天真先輩〜っ♪」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 08:00:50.69 ID:L0GVpb+LO

サターニャ「えっ!? ちょっと何よそれ、ネット販売?? 私、そんなの全く聞いてないんだけど……」

田中「あれ、胡桃沢さんは聞いてなかったんですか??」

ヴィーネ「もしかしてガヴ……あんた、まさかずっと言っていなかったの!?」

委員長「私たち、てっきり胡桃沢さんも既に聞き知っているのかと思っていたんだけど……」

ガヴリール「なんだよもう、私がネットを通じて世界中に販売してやるってだけだ……ほら、今ちゃんと言ったぞ?」

上野「天真さん、もしかして……照れ隠ししています?」ニヤニヤ

サターニャ「あんた、いつの間にそんな事を……ネットを通じれば、この街以外にも広めやすいってわけね?」

タプリス「買った人の声や評価もネットの中になら残りますからね、それらがやがてどんどん大きな波になっていきますよ〜っ!!」

ラフィエル「ガヴちゃんがこの方法を取ってくれたおかげで、世界掌握が一気に目の前に見えてきましたねっ♪」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 08:01:52.15 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「お菓子は、一個300円での販売……だけど、送料や手数料などはもちろん向こう持ちだからな?」

上野「このお菓子一個のために、お菓子そのものの値段よりも高い送料を払うって人が現れそうですね……」

田中「どこか遠い国の人が、凄く高い送料を払ってでもこのお菓子を手に入れようとするかもしれませんねっ♪」

委員長「お菓子以外の値段が、少し見えちゃうわけか……なんだかちょっと楽しみだわね!」

ガヴリール「まあ送料さえちゃんと払ってくれれば、辺境だろうが僻地だろうが平等に送り届けてやるんだからな」

ヴィーネ「そこまでの価値を、見出してくれるかどうかね……このお菓子の人気が分かっちゃうわ!」

サターニャ「送料は、仕方ないわね……でも、お菓子そのものの値上げは反対なんだからね?」

タプリス「胡桃沢先輩、その辺はいつも徹底していますよね……譲れないポイントなんですか?」

ラフィエル「ふふ、いいじゃないですかっ♪ この値段を変えないっていうのは、きっと凄い効果を生み出しますよ?」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 08:03:22.26 ID:L0GVpb+LO

委員長「なるほど……つまりこの街に直接やって来れば、送料なんかを払わずともお菓子をそのままの安価で食べられる、ってわけね?」

田中「もしかしてこのお菓子が、この街の名物になるかもしれないって事ですかっ!」

ヴィーネ「このお菓子目当てで、この街に世界各地から色んな人が押し寄せるかもしれない……良いわねっ♪」

タプリス「そうなると、この街にある施設なども売り上げが上がっちゃいますよね? あわわ、凄い話ですぅ〜!!」

上野「この街自体から感謝される日も遠くはないかも……そうすると、今度はこの街自体の乗っ取り開始ですよね?」ニヤッ

ラフィエル「雪だるま式に規模が増えて行きますね〜♪ 次の制圧目標は、この街そのものと行きましょうか!」

サターニャ「なーはっはっは! もちろん、いずれはこの国そのものが私の支配下に収まるんだからねっ♪」

ガヴリール「お前ら夢膨らまし過ぎだろ……まずはこのネット販売をちゃんと軌道に乗せてからだな……」

ヴィーネ「でも、ガヴがそれをちゃんと叶えてくれるんでしょ? 何も心配していないわよっ♪」

タプリス「このネット販売の効果は、きっと凄いことになります! 天真先輩なら、間違いないです〜!!」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 08:04:33.92 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「本当に、ガヴちゃんが居てくれて良かったですよ……これで懸念材料の一つはほぼ潰せますからね」

田中「懸念材料? 何ですか、それは?」

サターニャ「んっ? ラフィエル、何か心配事でもあるのかしら? この販売計画に」

ガヴリール「転売……だよな? 任せとけよ、ネットで転売しようとしてる奴がいたら私が潰してやるからなっ!」

委員長「ああ、そういう事ね? このお菓子は300円で買える……けど、実際にはもっとずっと高い価値がこのお菓子にはある」

上野「確かに、転売しようとする輩が現れてもおかしくはない……天真さんが、それを潰してくれるんですか!?」

ガヴリール「任せとけ、私はそういうのは気に食わないからな! オークションからフリマまで、全部チェックしてやるよっ!」

ラフィエル「転売は、やったら潰される……その事実を着々と積み重ねていけば、いずれは誰も転売しなくなりますよっ♪」

ガヴリール「ネット上で潰せるものは私が潰しておくが……物理的な手段は、ヴィーネとタプリスに任せるぞ!」

ヴィーネ「分かったわ! タプちゃんと組んで、私たちは転売屋を片っ端から始末していけば良いのね?」

タプリス「あわわ、も、もしかして……神足通ですかっ? 私にも役割が来るなんて〜っ!!」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 08:05:40.47 ID:L0GVpb+LO

サターニャ「『始末屋ヴィネット』って、わけか……カッコ良いけど、あんまり無茶しちゃ駄目なんだからね?」

ヴィーネ「サターニャ、ありがとね? 私はあなたのためなら、ようやく悪魔らしくなれる気がするわ!」

ラフィエル「タプちゃんとヴィーネさんのコンビは良いですね〜! 狙われたら世界中で誰も逃げられませんよっ♪」

ガヴリール「転売屋を見掛けたら、私の方にも通報するようにホームページ上に告知しておくからな?」

ガヴリール「もし、それでも転売するような輩がいたら……物理的な手段も含めて、徹底的に潰して行くぞっ!!」

委員長「はぁ……まーたあなた達、謎の会話をしているわねぇ?」

田中「委員長、もう気にしたら負けですって! あの人達に任せておきましょうよ〜!!」

上野「推測するに、月乃瀬さんは実は人間じゃない……と、言った所ですかね〜?」

タプリス「相変わらず鋭い眼鏡ですね、さすが……眼鏡を掛けているだけはありますねっ!!」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 08:06:37.53 ID:L0GVpb+LO

サターニャ「それで、ネットでの売れ行きは……実際、今の所どうなのよ?」

ガヴリール「まだ初日だぞ? まあ予約開始の告知はしていたからな……それなりの予約は、既に入っているぞ!」

ラフィエル「評判が一気に広まるのは、おそらく実際に食べて貰った明日以降ですよね?」

タプリス「ネットで一度評判が広まれば、あとはどんどん勝手に色んな場所に知れ渡っていきますよ〜!!」

ガヴリール「明日からの予約は抽選方式にするつもりだ……もちろん、複数アカウントなんて私は拒否してやるからな!」

田中「ネット関連となると、天真さんが本当に頼もしいですね〜っ!!」

委員長「複数アカウントは潰す、か……さすがね!! 私もそれは潰すべきだと思っているわ」

上野「なにやら平等に抽選されそうですね……天真さんに任せておけば、その辺は安心のようですっ!」

ヴィーネ「ガヴのスキルが、まさかこんな所で役立つなんてね……これも、駄天のおかげなのかしら?」

ガヴリール「駄天も考えようだろ? んっ……おい、サターニャ! ちょっと来てくれっ!!」
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 08:07:59.58 ID:L0GVpb+LO

サターニャ「なによ、何か問題でもあったの?」

ガヴリール「問題、大アリだな……例のアレが向こうの方からやって来たっ!!」

ヴィーネ「例のアレって……んっ? これって、ガヴのお姉さんからじゃないのっ!!」

タプリス「天真先輩のお姉さんって……も、もしかして神の腕と呼ばれている、あの人ですか〜っ!?」

田中「何々? もしかして、また私たちが会話に混ぜれない系の話が始まるのかな?」

委員長「なんか切羽詰まってるみたいだし、大人しく黙ってていましょうよ……」

上野「フフッ……会話の端々から聞こえてくるワードで、この状況を推測すれば済む話ですよっ!!」

ラフィエル「上野さんが恐いです……しかし、それを気にしていられる状況でもありませんね、これは」

ガヴリール「お前ら真面目に聞けっ!! 明日、姉さんが此処にやって来るぞっ……!!」
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 08:09:09.29 ID:L0GVpb+LO

田中「天真さんの、お姉さんが? でもそれが一体……何の問題があるんです??」

ヴィーネ「問題大アリよっ!! もしかしたら、ガヴが向こうに連れ戻されちゃうかもしれないのよ!!」

タプリス「下手したらこの計画、そのものをストップされちゃうかもしれないですぅ〜っ!!」

委員長「計画、ストップって……天真さんのお姉さんって、権力者か何かなの?」

ラフィエル「天界の、実質トップですね……あの人が何か言えば、それは鶴の一声です、私たちではどうしようもありません!」

サターニャ「ふふん、要は私のお菓子で黙らせればいいんでしょ? なんなら、犬も待機させておく?」

ガヴリール「サターニャ……ここはお前に任せるしかないっ!! あの人に勝てるのは、この中でお前しかいないんだっ!!」

ガヴリール「頼む……私では勝てないんだ……私を、あの人の呪縛から解放させてくれっ!!」

上野「あの天真さんが、絶対に勝てない相手って……どうやら状況は、かなり深刻そうですね」
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 08:11:01.13 ID:L0GVpb+LO

サターニャ「大丈夫っ!! 任せなさいよ〜、ガヴリールっ♪ 私が、ちゃーんと撃退してあげるんだからねっ!!」

サターニャ「いずれは私が倒さなくちゃいけないと思っていた相手よ? 向こうからやって来てくれるってのなら、むしろ好都合だわっ!!」

ヴィーネ「サターニャ、本当に大丈夫なの? あの人は、今までの相手とは格が違う……ッ!」

ラフィエル「もしこの世界征服計画、そのものを許さないつもりで来ていたら……いくらサターニャさんでも厳しいかもしれません!」

ガヴリール「姉さんは、この可愛い妹の私がキャピキャピして、精一杯のおもてなしをしてても全く動じなかった薄情な奴だ」

ガヴリール「仮にお前のお菓子で精一杯のおもてなしをしたとしても、冷酷なあの無表情畜生にそれが通じるかどうか……!!」

サターニャ「あなた達、心配症ね〜? 私の夢は、大悪魔になることなのよっ!」

サターニャ「大悪魔とは、何か……? いるじゃないの……この人を倒せれば、大悪魔を名乗れるっていう、とっても分かりやすい標的がっ!!」

タプリス「た、確かに……神の腕と呼ばれているあの人を、もしも屈服させる事が出来たのなら……それは間違なく大悪魔の仕業ですよっ!!」

ラフィエル「そうですね……方法はどうあれ、あの人に真っ向からの勝負を挑み……」

ラフィエル「もし、それを正面から堂々と退ける事が出来たのなら……それはもう、大悪魔以外の何者でもありませんよっ!!」

ガヴリール「任せて、いいのか? サターニャ……」

サターニャ「当ったり前じゃないっ♪ 明日、私は大悪魔になるわ……祝杯の準備でもしてなさいっ!!」
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 08:12:03.47 ID:L0GVpb+LO

田中「ははっ……なんか、凄い会話をしているね〜」

委員長「そのお姉さんを屈服させる事が出来れば、胡桃沢さんの夢は叶い、天真さんも束縛から解放されるという事なのかしら??」

ラフィエル「上手くいけば、私たちの秘密も喋っていいかもしれません……あの人が、もしも味方に付いたとすれば、ですが」

ヴィーネ「もしかしたらこの世界だけじゃなく、天界も私たちのお菓子の販売場所に出来るかもしれないわねっ!」

タプリス「まさしく勝てれば天国、負ければ地獄……ってやつですね」

ガヴリール「負けて、もし最悪の場合は、本当に堕天して魔界へ行こう……胡桃沢洋菓子店で働くわ、私」

サターニャ「ちょっ、負けないんだからっ!! 私のお菓子で、ちゃーんと骨抜きにしてやるんだからねっ?」

ヴィーネ「私もサターニャの実家で働かせてもらおうかしら? 何があっても、ずっとサターニャに付いていくんだからねっ!」

ラフィエル「はいはーいっ! もちろん、私も堕天してサターニャさんにずっと付いていきますからね〜っ♪」

上野「うわっ、胡桃沢さん……この3人にめっちゃモテモテっすねっ!!」
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 08:13:40.57 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「いや、べつに私は……この世界で姉さんに監視させられるよりも、ただ魔界の方が気楽ってだけだぞ?」

ヴィーネ「私ね、あの時は黙ってたけれど……本当は、最初から将来の夢はお菓子屋さんになる事だったのよ?」

ラフィエル「一生付いていくと誓いを立てましたよね? もちろん、それはこの計画がどうなろうとも変わりはありませんよっ♪」

サターニャ「ちょっと、あんた達〜っ!! ちゃんと勝つんだから、そんな心配は要らないんだからね〜っ!?」

上野「胡桃沢さん、思いっきり顔が綻んでいますよ? 素直に喜んだらどうですかね?」

田中「羨ましいですねぇ……この計画の有無を抜きにしても、みなさんはちゃんと心で繋がり合っているんですねっ!!」

タプリス「わ、私も天真先輩が行くというのならっ! で、でも堕天はちょっと……ううぅ〜っ!!」

委員長「なんか……明日は大変みたいだし、今日の所はこれで解散にしときましょうか?」
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 08:14:50.49 ID:L0GVpb+LO

ラフィエル「そうですね、時間もそろそろ頃合いですし……今日はこれでお開きとしますか」

ヴィーネ「決戦は明日ねっ! いざとなれば不意打ちで、私が背中から槍を突き刺してやるんだからっ!!」

ガヴリール「やめとけ、ヴィーネ……物理的な手段は、あの人に対して得策じゃない」

サターニャ「私を信じなさいっ!! 正々堂々、真っ向から屈服させてやるんだから、余計な手出しは無用よっ?」

タプリス「でも本当に最悪の場合は、みなさんで魔界に逃げ込むつもりなんですよね……? 私、そんなの嫌ですよ〜」

ガヴリール「あの姉さんがどんな腹積もりでやって来るか、だな……まあたぶん、今生の別れなんて事にはならないと思うが」

委員長「言葉での説得なら、私たちにも出来るわよね? 場合によっては全力で徹底的に言葉責めしてやるわよっ!!」

上野「天使が人間に手出ししてしまうと問題がある、とか言ってませんでしたっけ? 場合によってはそれを逆利用して……ふふふっ!」

田中「そもそも天真さんは我々調理部のものなんですよ〜? 絶対に、渡させたりなんかしないんですからねっ!!」
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 08:15:43.20 ID:L0GVpb+LO

ガヴリール「みんな……明日、姉さんがどんなつもりで此処へやって来るのか、その真意の程は全く分からない」

ガヴリール「だけど、とりあえずはサターニャに任せてみないか?」

ヴィーネ「サターニャを信じろって事ね……もちろん、先頭バッターはサターニャに譲るわよっ♪」

ラフィエル「私たちが動くのは万が一、サターニャさんが負けてしまった時……ですよね! その時は……ふふふっ♪」

タプリス「わ、私も天真先輩が、もしも連れて行かれるような事があれば……ネットでゼルエルさんの悪口を、書きまくってやるです〜っ!!」

サターニャ「あんた達、いい加減に帰るわよ〜? 私に任せて、明日もいつも通りお菓子作り……しっかり頼むわねっ!」

委員長「そうね、お菓子作りの方を手抜くわけにはいかないわ……明日も、まずはお菓子作りに専念しましょ?」

上野「ここで手を抜くと、相手の思惑通りですからね……1ミリ足りとも、相手の思う壺に嵌ってはいけませんっ!」

田中「なんだかんだでもうお時間ですよね……明日に向けて、今日の所は解散しますか!」


「「明日は決戦……絶対、みんなでこの場所を守り切るぞ〜っ!!」」

…………
……
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 08:16:15.65 ID:L0GVpb+LO

胡桃沢=サタニキア=マクドウェル


誕生日8月15日
身長157cm体重46kg
スリーサイズB85(D)/W58/H84

魔界の洋菓子店の娘
舞天高校の1年B組11番

握力200kgオーバー
反復横跳びでは残像を見せる程の運動神経
私服のお洒落のセンス抜群
ケーキのデコレーションの技量はプロ級

稼ぎが良いのかお金をそこそこ持っている
かなり良いマンションに住んでいる
しかし、魔界通販には散財している模様

悪魔の真の姿になると角と羽が生える
武器は大鎌、その威力は未知数
転移魔方陣などが使える

進路希望で書いた内容

第一希望……大悪魔、当然よね!
第二希望……世界征服、これもいいわね
第三希望……大とうりょう、やってあげてもいいわよ!

好きな物はメロンパン
辛い物も好き好む

家族構成
お父様、お母様、弟
使い魔のアレキサンダー


サターニャ「これらはテストにも出るから、よ〜く覚えておくようにっ!」

サターニャ「このお話は、私が大悪魔になるまでの一週間を記録したものよっ♪」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/16(土) 08:17:51.68 ID:L0GVpb+LO
──翌日……


ガヴリール「ではマスター、明日もよろしくお願いしますね!」

マスター「ははっ、こちらこそ……お菓子がこれだけあれば助かるよ!」

マスター「じゃあまた明日、受け取りに来るからねっ!」



ガヴリール「……ふぅ」

ゼルエル「忙しそうだな、ガヴリール」

ガヴリール「わわっ、姉さん……!? 急に現れないでよ、ビックリするなぁもう」

ゼルエル「ん? 今日、会いに来ることは昨日の内に伝えといたはずだが……」

ガヴリール「こんな朝からなんて聞いてないよ……この時間に来られても困るわっ!」
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