魔女「お眠りなさい、安らかに――」 女騎士「くっ、やめろ……!」

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212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 20:41:19.94 ID:5SlwGYpT0

女騎士(……魔女)

女騎士(……どこに行ったかなぁ)



女騎士「……はぁぁ」

副団長「団長殿!」

女騎士「あぁ……、ごめんって」

副団長「そうではなく! 前を……っ!」

女騎士「え?」クルッ



魔女「……」ニッコリ



副団長「人が……!」

魔女「……あらあら、こんなにお客様がたくさん……、ティーカップは足りるかしら」

女騎士「魔女っ……」

騎士A「魔女……?」

騎士B「魔女かなぁ」

213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 20:41:53.65 ID:5SlwGYpT0
副団長「違うかな……?」

騎士A「普通のお姉さんでは? 魔女って言ったら、もっとこう……」

騎士B「なぁ。もっと雰囲気とか、そういうのが……」

副団長「うーん……、……そこの方」

魔女「……ええと」

副団長「……」

魔女「……帽子、とんがり帽子……」ガサゴソ

副団長「……」

魔女「……」カブリカブリ

副団長「……」

魔女「はいっ!」

副団長「魔女……!」

騎士AB「「魔女だ……!」」

魔女「魔女よう」
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 20:42:26.30 ID:5SlwGYpT0

女騎士「お前……どうして……」

魔女「うふふ、どうしてって、ここ、私のおうちよ?」

女騎士「逃げてって……」

魔女「はい逃げます、とは言ってないわぁ」

女騎士「『分かった』って言ったじゃん!」

魔女「『騎士さんの言い分は分かった』ってことよ。従うかどうかは別として」

女騎士「ズルじゃん!」

魔女「魔女だもの」フフン

女騎士「ズルい! ズル魔女!」

魔女「なによう」

女騎士「だってそうじゃん! 嘘つき! 嘘魔女ー!」

魔女「……クマ女」ボソッ

女騎士「あっ! お前なー! 人が気にしていることをだなーっっ!」


副団長「……あの、団長殿? いったい何を……」

女騎士「待て! 後で説明するから! ちゃんっと全部話すから、今はしばらく待て!」

副団長「は、はぁ……」
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 20:42:58.15 ID:5SlwGYpT0

女騎士「どうして分からないんだっ」

魔女「分かってないのは、騎士さんの方よ」

女騎士「な……」

魔女「居場所を守るためだったら、ちょっと無理してでもがんばらないと……、そうじゃない?」

女騎士「……!」

魔女「それを教えてくれたのは、騎士さんよ」

女騎士「だけど……っ」

魔女「私は『東の蜘蛛の森の魔女』」

女騎士「……」

魔女「この森とともに生きて、この森で死ぬの」

女騎士「……」

魔女「『魔女』を森から動かしたかったら、力づくで――……」

女騎士「……」

魔女「やってごらんなさい?」

女騎士「お前……」

216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 20:43:27.25 ID:5SlwGYpT0

女騎士「……本気か?」

魔女「当然」

女騎士「私とて、騎士の端くれ、こうなった以上は――……」

魔女「ふふふ……」

女騎士「……第一班、抜剣」


チャッ

チャキ


副団長「……よろしいので?」

女騎士「相手に恭順の意思なしとなれば、実力行使しかあるまい」

副団長「しかし……」

女騎士「我々は騎士。国のため、務めを果たすことだけを考えろ」

副団長「……」

女騎士「魔女っ! これが最後の警告だ!」

217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 20:43:55.60 ID:5SlwGYpT0

女騎士「て、抵抗……しないで、くれ……」

魔女「怖いわね、騎士さん」

女騎士「た、頼む……」

魔女「でも、そう簡単に捕まるつもりもないのよ、私」

女騎士「……」

魔女「……」

女騎士「……っ、警告はしたぞ……」

魔女「……ふふ」

女騎士「全員前へ――……」

218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 20:44:29.34 ID:5SlwGYpT0

ザワザワザワザワッ

ガサガサガサッ



女騎士「……――っ!?」


女騎士(なんだ……!?)

女騎士(森が……)



魔女「……――の、薫風の祝福――……女神――の名の星より――……」ブツブツ

魔女「……reyug……zo――……tio――bo……かくあるべし――……」ブツブツ


ガサガサガサッ

ガサガサッ



女騎士「……これは」

副団長「団長殿……っ!?」

女騎士「うろたえるな! しっかり――……」

副団長「ち、違います! 足が……っ」

女騎士「なっ……」
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 20:44:59.23 ID:5SlwGYpT0

女騎士(足が……)

女騎士(足が動かない……っ! まるで地面に、吸い付いてるみたいに……)


魔女「『森は網にして牙』」

魔女「『森は罠にして狩人』」

魔女「命は森より繁茂し森へと還る……」

魔女「さぁ、貴方達も……、その生気を森に捧げなさい……」


女騎士「なんだ……身体が……!」

女騎士(急に体が重く……)

女騎士(力が……抜けていく……)


ザワザワザワッ


騎士A「……うぅぅ」ガク

騎士B「……剣が、持てない……」カラン

220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 20:45:54.49 ID:5SlwGYpT0

女騎士「くぅ……っ、みんな……しっかり……」

魔女「無駄よ。今の貴方達は、蜘蛛の罠にかかった蝶も同然――……」

女騎士「魔女……っ、お前これ……」

魔女「うふふ」

女騎士「これ……魔法じゃん!」

魔女「うん」

女騎士「魔女は魔法使えないって――……」

魔女「あら、魔女は魔法なんて、使えないけど」

女騎士「……」

魔女「だけど、『私が』魔法を使えないなんて、言ってないわねぇ?」

女騎士「ズルじゃん……! もう……っ!」

魔女「言ってる場合かしら? このまま森は、貴方達の生気を吸いつくすわよ?」

女騎士「うぐ……」

魔女「ふふ……さぁ――……」

221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 20:46:27.88 ID:5SlwGYpT0



魔女「お眠りなさい、安らかに――」



女騎士「くっ、やめろ……!」



222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 20:46:56.73 ID:5SlwGYpT0
今日はここまでです

スレタイを回収しました
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 21:20:08.75 ID:C1SwcwT2o
なん…だと……!?
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/27(日) 01:10:22.23 ID:hH6qA8bHO
ぇぇ・・・はよはよ
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 15:29:05.24 ID:Nk2ry+KR0
女騎士「くそ……っ」ザッ

魔女「驚いた……、まだ動けるのねぇ」

女騎士「こんな、もの……、完徹ウン日目のダルさに比べれば……っ」ザシッ

魔女「どこから来るの、その体力……」

女騎士「ふんっ……」ザッ

魔女「けれど、やめておきなさい。それ以上動けば、命にかかわるわ」

女騎士「……」ザッ

魔女「……い、命に、かかわるって、言ってるでしょ?」

女騎士「……」ザッ

魔女「やめ……やめてったら」

女騎士「魔女……」ザッ

魔女「お願いっ……やめてっ」

女騎士「ま――……」フラ

魔女「騎士さん!?」
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 15:29:51.95 ID:Nk2ry+KR0
女騎士「――」ドサッ

副団長「団長殿……!」

騎士A「団長っ」

魔女「きっ……!」ダッ

女騎士「……」

魔女「ああっ! あぁ……なんてこと! 騎士さん! 騎士さん!」ガシッ

女騎士「……」

魔女「あぁぁ……こんな、ごめんなさい、ごめんね……許して、お願い、目を開けて……」

女騎士「……」

魔女「だめ、お願いよ……騎士さん、騎士――……」

女騎士「スヤァ」

魔女「……」

副団長「……」

騎士B「……」

女騎士「スヤスヤ」
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 15:30:55.03 ID:Nk2ry+KR0
女騎士「……ウーン」

魔女「……」

副団長「……」

騎士AB「「……」」

女騎士「……ンヘヘヘェ」ムニャムニャ

魔女「……あの」

副団長「……」

魔女「……あ、……ふ、ふふふふっ! 今日のところは見逃してあげるわ! 大人しくお退きなさぁい!?」

副団長「……」

魔女「この騎士さんは……えーと、預からせてもらうわ! よ、よく寝てるし!」

副団長「……」

魔女「お、起こすと、かわいそうだし……」

騎士A「……」

騎士B「……」

魔女「ちゃんと、ベッドで寝かせてあげたいし……」

副団長「……」

騎士A「……」

騎士B「……」

魔女「……ねっ」

女騎士「……フガフガ」スヤスヤ

228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 15:31:42.80 ID:Nk2ry+KR0





〜魔女の屋敷・寝室〜


女騎士「……」

魔女「……」

女騎士「……ん、ん」

魔女「あら」

女騎士「……ん〜」ムクリ

魔女「騎士さん……」

女騎士「あぁ、魔女……おはよう」

魔女「大丈夫? 身体、痛いところない? 具合は? おかしいところない?」

女騎士「……いや? いたって快調だが」

魔女「そう、よかったぁ……」ホッ

女騎士「たっぷり眠れて、むしろ回復した気分だな!」ハッハッハッ

魔女「どうなってるのよ、貴方の体力……」
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 15:32:15.71 ID:Nk2ry+KR0
女騎士「他の者は?」

魔女「お帰りいただいたわ」

女騎士「そっか」

魔女「……、……ごめんなさいね、騎士さん」

女騎士「ん?」

魔女「私……騎士さんや、皆さんに酷いことしちゃって……」

女騎士「気にすることはない」

魔女「でも……」

女騎士「我らは務めを果たそうとした。お前は身を守ろうとした」

魔女「……」

女騎士「お互い、なすべきことをなしただけだろう」

魔女「……騎士さんらしいわねぇ」
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 15:32:54.30 ID:Nk2ry+KR0
女騎士「しかしまぁ、一瞬本気で殺されるかと思ってしまったがな!」ハッハッハ

魔女「あら、本気だったわよ」

女騎士「お、おう……」

魔女「本気……の、つもりだったんだけど」

女騎士「……」

魔女「『魔女』でいるためなら、どんな酷いことでも、するつもりだったけど……」

女騎士「……」

魔女「できるつもりだったんだけどねぇ……」

女騎士「うん……」

魔女「だめねぇ……、いざとなったら、怖くなっちゃって……」

女騎士「魔女は、優しいから」ナデナデ
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 15:33:53.35 ID:Nk2ry+KR0
魔女「ありがと、騎士さん……」

女騎士「いつもとは、反対だなぁ」ナデ

魔女「ふふ、そうね……。はぁ……、どうしようかしら、これから……」

女騎士「こうなった以上、おそらく王立軍も捨て置かないだろう」

魔女「……」

女騎士「人数も、武装も、我々の比ではない。今度ばかりは、流石に……」

魔女「……ふぅ」

女騎士「……なぁ、魔女」

魔女「うん?」

女騎士「決めたよ、私は」

魔女「……」

女騎士「もう、お前に森から離れろとは言わない……」

魔女「……」
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 15:34:19.70 ID:Nk2ry+KR0
女騎士「だが、私も森に残る」

魔女「騎士さん……」

女騎士「森で、お前を守るよ……」

魔女「だめよ、そんなの……」

女騎士「いつか、魔女、言ってくれただろ?」

魔女「……」

女騎士「ここは、私の居場所でもあるって」

魔女「だけど……」

女騎士「魔女の隣は、私の場所だって」

魔女「……」

女騎士「だったら、その場所を……今度こそ、守りたい」

魔女「……」

女騎士「最後の最後、ぎりぎりまで、どうか――……」

魔女「……仕方のない人ねぇ」

女騎士「魔女……」

魔女「……、……ありがと、騎士さん」

233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 15:34:55.38 ID:Nk2ry+KR0

女騎士「はっはっは! 安心しろ! この剣が折れようと、我が心折れることなしと――……」

魔女「そうと決まれば、この屋敷にいるのは危険よねぇ」

女騎士「あ、うん、はい、そうですね……」

魔女「とりあえず、森の最奥部にでも、身を隠しましょうか」

女騎士「そうか……、……ん?」

魔女「どうかした?」

女騎士「んん……いや、待て。魔女、前に言ってなかったか?」

魔女「何を?」

女騎士「ほら……、『森の一番奥深くは、毒蜘蛛の繁殖地だ』って」

魔女「あぁ」

女騎士「駄目じゃん」


234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 15:35:48.10 ID:Nk2ry+KR0

魔女「大丈夫よ。蜘蛛避けのお香っていうのがあってね……」

女騎士「へぇ」

魔女「うふふ、すごくよく効くのよ。これさえ焚いていれば、毒蜘蛛の巣に突っ込んでも、蜘蛛の方から逃げてくれるんだから」

女騎士「そんなに効くのか」

魔女「それはもう。素晴らしいって評判で……、私、とっても上手に作れるのよ」

女騎士「ふぅん――……」



女騎士「――」

女騎士(……あれ?)

女騎士(……どこかで聞いような……?)


女騎士「――ん?」

235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 15:36:39.98 ID:Nk2ry+KR0
女騎士「んん〜〜?」

魔女「……どうかした?」

女騎士「なぁ……、そのお香があれば、森の奥深くでも普通に生活できる?」

魔女「まあ、まず問題ないでしょうね」

女騎士「……」

魔女「昔、私が作った小屋もあるし、水とか、食べ物さえあれば心配ないわ」

女騎士「……んん?」


〜〜〜〜


魔女『そう、森が魔法を使って、騎士さんの居るところを教えてくれたの――』


〜〜〜〜


魔女「……ねぇ、どうかした?」

女騎士「……前にさ、私が森で迷ったこと、あっただろ?」

魔女「あぁ、あったわねぇ」
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 15:37:07.97 ID:Nk2ry+KR0

女騎士「あんな感じでさ、森の奥に、誰か行こうとしたら、魔女、気づく?」

魔女「えぇ……? まぁ、だいたいは気づくと思うけど……」

女騎士「だいたい?」

魔女「いや、寝てるときとかは……。眠っていたら、さすがに気づかないわよ、私でも」

女騎士「……んんん?」

魔女「ねぇ、なんなのようさっきから」

女騎士「いや……、その……」

237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 15:37:36.85 ID:Nk2ry+KR0


〜〜〜〜


役人『王立軍が、王都内をくまなく調査しましたが――』

役人『3人の消息は一切掴めませんでした――』

役人『あと、調査が及んでいない地域といえば――』

役人『『東の蜘蛛の森』くらいでして――』


〜〜〜〜


238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 15:38:24.50 ID:Nk2ry+KR0


女騎士「……」

魔女「ねえねえ」



〜〜〜〜


魔女『そうねぇ……、お客様の中では、一番よく来るかしら』

魔女『いつも私の作るもの、いっぱい買っていってくれてね』

魔女『蜘蛛避けのお香も、織物も、どれも素晴らしいっ、なんて褒めてくれて――』


〜〜〜〜



――蜘蛛避けのお香も――



女騎士「……ん〜〜〜〜〜?」

魔女「ねえったらぁ、もぉ〜……」


239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 15:38:58.18 ID:Nk2ry+KR0





〜「蜘蛛の森」最深部・「毒蜘蛛の巣窟」〜


〜粗末な小屋〜



ウッ ウゥッ グスッ

グスン… シクシク…


少女「……」グスッ


商人「ケッ、ガキはいつまでもピーピー泣きやがる……」

商人「おい! テメエらあんまりうるせェと、小屋の外に放り出すぞ!」

少女「っ」ビクッ

商人「そうなりゃ、あっという間に蜘蛛どもの餌だからな! 死にたくなきゃ、静かにしやがれッ!」

少女「……」ビクビク

商人「ハンッ、最初からそうやって、大人しくしてやがれ!」ケッケッケ



少女「……ぅ、ぅぅ……」

240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 15:39:53.76 ID:Nk2ry+KR0
今日はここまでです

なんだかずいぶん長いお話になってしまいました…

もう一息ですので、しばしお付き合いください…
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/27(日) 15:42:18.69 ID:uXh+xqsDo

続きが非常に楽しみである
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/27(日) 18:50:17.76 ID:wxtxpZjSo

商人ェ…
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/27(日) 21:04:50.95 ID:GHkQc2fd0
追いついた。占いの結果魔女が隠してたし、このままするっと解決とは行かなそうだな
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/27(日) 23:17:29.23 ID:FN/uMslko
>>243
うるせぇsageろks
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 23:34:32.32 ID:bG3qd2it0
悪党A「……しっかし、見張りは交代制とはいえ、こんな陰気なところに籠ってたんじゃ、ガキじゃなくても泣きたくなってきますわなぁ……」

商人「まぁ、そういうな。もうしばらくの辛抱だ」

悪党B「外に出られるのも、夜中だけですしねぇ……」

商人「この森の魔女は、妙に勘が働くからな。念には念を、だ」

悪党A「抜け目ないですねぇ、旦那は」

商人「まぁな。デカい商売ほど慎重に……、石橋をたたいて、ってことよ」

悪党B「王都のガキは、高値がつきますからな」

商人「そうさ。特にそっちのガキなんか――……」

少女「……っ」ビクッ

商人「久しぶりの上玉だ。さぞ良い値が付くだろうよ」

悪党A「ヘッヘッヘッ」

悪党B「ケッケッケッケ」


少女「ぅぅ……」ブルブル
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 23:35:19.01 ID:bG3qd2it0

商人「都合のいい時に、ガキを攫っちまえば……」

商人「この『毒蜘蛛の巣窟』に押し込んでおけるんだから、便利なもんだ」

商人「ここなら、誰にもバレる心配がねぇ」

商人「それで、都合のいい時を見て『出荷』すりゃ……」




悪党B「アシがつくこともねぇ、ってわけですね」

商人「そういうことだ。……それで、だ。今度の『王都祭』がはじまったら、こいつらは『出荷』だ」

悪党A「ようやくですな」

商人「あぁ、祭りになれば城門の警備も手薄になる」

悪党B「そこを、祭りの大荷物に紛れて運び出せば……」

商人「誰にも気づかれずに、王都の外まで連れ出せるって寸法よ」

悪党B「さすが旦那だぁ」

247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 23:35:53.96 ID:bG3qd2it0
悪党A「とはいえ、この仕事のたびに、毒蜘蛛と共寝、ってのも……中々、こたえますわ」

悪党B「お前はさっきから、そればっかりだな……」

商人「なに、いずれ魔女から、蜘蛛避けの香の調合法を聞き出すつもりだよ」

悪党A「なるほど、そうすりゃ……」

商人「もう魔女は用済み。いらなくなったら――……」

悪党B「消しちまいますか」

商人「……いや、あいつも『出荷』するんだよ!」

悪党A「なるほど、そいつぁいい!」ゲラゲラ

悪党B「さっすが旦那だぁ」ゲラゲラ

商人「なっはっはっは!」
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 23:36:22.29 ID:bG3qd2it0
「――あらあら、酷いこと言ってくれるわねぇ……」


商人「!」

悪党A「誰だっ!?」


ガチャリ キィ


魔女「……ごきげんよう、商人さん……」

商人「お前は……っ!」

魔女「人の大切な売り物を、こんなことに使うなんて……呆れた人」

悪党A「どうしてここが……っ」

魔女「あら、この小屋は私が作ったものよ? それにここは、私の森。貴方達のような……」ジト

悪党B「……っ」

魔女「悪人たちが、足を踏み入れていい場所じゃないのよ」

悪党A「チッ……」

悪党B「どうします、旦那……」

商人「……仕方ねぇ、とりあえずふん縛って――……」

249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 23:36:56.95 ID:bG3qd2it0
魔女「そうはいかないわ!」ヒョイ


バシャッ

パシャ


商人「わっぷ……っ」ビシャッ

悪党A「冷てっ!」

悪党B「水風船……?」

魔女「……その液体はね、蜘蛛が大好きなフェロモンで作った、蜘蛛寄せの水……」

商人「な……っ!?」

魔女「たーっぷり濃くしたから、強力よ? お香よりも、ずっと……」

悪党A「うげぇっ」

商人「ば、馬鹿野郎! 落ち着――……」

魔女「そしてこれが、さっき捕まえた毒蜘蛛」ポイッ

商人「ひぃぃぃぃっ」ズザザ

悪党B「だ、旦那ぁ!?」

悪党A「うわぁぁ!」


250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 23:37:26.42 ID:bG3qd2it0
魔女「……さぁ、行くわよ! 今のうちに……」

少女「魔女――……。で、でも、お外はくもが……」

魔女「このマントを羽織って。蜘蛛が寄り付かなくなるから」

少女「う、うん……」

魔女「さぁ、貴方達も、急いでっ……」


ドタドタ…

タッタッタ…


悪党A「あぁ、くそ! 待ちやがれ……」

商人「こ、こら! 暴れると蜘蛛が、こっちに気づく!」

悪党B「うわぁぁ……!」
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 23:37:58.55 ID:bG3qd2it0





商人「……」ビクビク

悪党A「……」ビクビク

悪党B「……」ビクビク

商人「……」

悪党A「……」

悪党B「……」

商人「……?」

悪党A「……?」

悪党B「……?」

商人「……??」

252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 23:38:29.26 ID:bG3qd2it0
悪党A「……あっ」

悪党B「……どうした?」

悪党A「旦那! これ! この毒蜘蛛、偽物ですよ! 造りもんだ!」

悪党B「えっ……!?」

商人「畜生……、やられた!」バッ

悪党A「旦那!?」

商人「追うぞ! 急げ!」ダッ

悪党B「で、でも、蜘蛛寄せの水が……」

商人「馬鹿! ブラフだよ! 考えてみりゃ、ガキにも水がかかるかもしれねぇのに、そんなもの使うわけねぇ!」

悪党A「あっ……」

商人「クソ、あの野郎っ!」

253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 23:38:56.43 ID:bG3qd2it0





ハッ ハッ……

ハァ…… ハァ……


魔女「ハッ……、ハァ……、もう、ちょっと……もうちょっとらから……、がんら……がんあって……」ゼヒーゼヒー

少女「うん……、魔女もがんばって……」タッタッタ

魔女(あと少しで……、森を抜け――……)


悪党C「おい、手前ェらどこへ行くんだあ?」ヌッ

魔女「……っ!」

少女「ひゃ……!」

魔女(あいつらの……仲間!?)

悪党D「こっちにもいるゼ」ガシッ

魔女「あぁっ……!」ヨロッ

少女「魔女……っ」

悪党C「ガキどもも、逃げようったって、そうは行かねぇぞう……」ガシッ

少女「きゃあ!」
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 23:39:34.53 ID:bG3qd2it0





タッタッタッ


商人「はぁ、はぁ……」

悪党A「おっ、あれは……」



魔女「離しなさい……っ、離して……!」ジタバタ

悪党C「暴れるんじゃねえよ!」

悪党D「大人しくしてロ!」

少女「うぅぅ……」ビクビク

悪党A「お前ら、来てたのか!」

悪党C「おう、昼間たまたま森に、騎士団の連中が入っていくのを見てな。何かと思って、こっそり覗きに来たんだ」

商人「勝手なことを……と言いたいところだが、これはお手柄だぜ」

悪党D「へへへ……」

商人「さて、魔女さんよ……」

魔女「……っ」グッ
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 23:40:04.78 ID:bG3qd2it0
商人「さっきはよくもやってくれたな……」

魔女「水遊びしただけでしょ。ムキにならないでよ」

悪党B「この……っ」

商人「まぁ、待て。……アンタには、まだまだ役に立ってもらいたかったが……」

魔女「……」

商人「こうなった以上は、もう放ってはおけねぇ……」

魔女「……」

商人「知らないフリしておけば、長生きできなのにな……、おい」

悪党A「へい。……へっへっへ」スラッ


ギラリ


魔女「……っ」

魔女(ナイフ……!)

256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 23:40:47.85 ID:bG3qd2it0
悪党A「あそこまで馬鹿にされたんだ、落とし前はきっちり、つけてもらうぜ……」

魔女「……」


魔女(こんな……ところで……)

魔女「……」


魔女(騎士さん……!)


悪党A「死ねェッ!」

魔女「騎士さ――……!」


シュバッ

ガキンッ


悪党A「なっ……!」

商人「なぁ……っ!?」



女騎士「……――間一髪、だな」

魔女「騎士さんっ!!」

257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 23:41:48.62 ID:bG3qd2it0
悪党D「なんだっ、てめっ――……」

女騎士「魔女を離せバカ者ーー!!」メゴッ

悪党D「ごっ……!」


バタンッ


商人「……」

悪党B「……」

魔女「……」

商人(メゴッって……)

悪党B(メゴッていった……)

魔女(メゴッっていったわね……)



女騎士「魔女っ!」

魔女「はっ、はい!」

女騎士「待ってろって言ったじゃん! 私来るまで待ってろって言ったじゃん私!」

魔女「ご、ごめんなさい……、でも私、居ても立っても……」

女騎士「ばかぁ……っ! もぉぉ……、心配をかけるなぁ……」グスン

魔女「ごめんなさいねぇ……」ヨシヨシ



商人(……なにあれ)

悪党B(……なにあれ)
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 23:42:16.97 ID:bG3qd2it0
悪党C「おいっ! じっとしてねぇとこのガキどもがっ!」グイッ

魔女「あっ!」

少女「ひぅ……っ」

悪党C「どうなってm

副団長「てぇーい!」バキーン

悪党D「むぉぎゃ」バタリ

副団長「『銀顎のオオクワガタ』騎士団だ! 神妙にしろ!」

商人「後ろから!! い、今後ろから!!」

悪党A「後ろから躊躇なく不意打ちを!!」

悪党B「それでも騎士かお前!!」

騎士A「悪党が言うセリフじゃないんだよなぁ」

騎士B「な。言いたいことは分かるけど」
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/28(月) 23:44:18.79 ID:bG3qd2it0
今日はここまでです
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/29(火) 00:00:34.39 ID:gZIsd0Dh0
おつ
またもいいとこで
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/29(火) 03:54:34.43 ID:ZLtaQHKUO
最早ちょっとしたギャグ
待ってる
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/29(火) 03:56:24.15 ID:ZLtaQHKUO
連投失敬、>>1て前に長編安価書いてた人?
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/29(火) 19:09:16.94 ID:Pv9a5clRO
過去作聞いたり他作品の話持ち出したり…荒れるのが予見できんのかな…
バカにインターネット使わせるのほんとどうにかならんのかなっていう大きめのブーメラン投げとくわな
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/29(火) 22:31:41.33 ID:NZhvR/KK0
>>262
違う人ですね…
長編安価はやったことないです、すみません…

>>263
お気遣いいただき恐縮です、ありがとうございます…
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:32:25.65 ID:NZhvR/KK0
ドスッ バスッ

ソッチイッタゾー!!

オラァー!




女騎士「本当に、怪我はないか? おかしいところはないか?」

魔女「えぇ、大丈夫よ……」

女騎士「怖かっただろ?」




ピストルダー!

ヤベェー!!

パンッ パンッ



魔女「怖かったけど……ふふ」

女騎士「……?」

魔女「不思議ね……、きっと騎士さんが助けてくれるって、分かっていた気がするわ」



イマダーイケーッ

バキンッ バンッ



女騎士「言ったろ、私がお前を守るって……」

魔女「騎士さん……」

女騎士「魔女……」

副団長「団長殿っ! 手伝ってください! ちょっと! 団長!」

266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:32:59.44 ID:NZhvR/KK0
騎士A「はぁ、はぁっ、大人しくしろこの野郎!」グイグイ

悪党A「いててっ、ぐぅ……チキショウ……」

騎士B「もう逃げられないからな!」ギリギリ

悪党B「くそったれ……いでで!」

商人「チッ……、こうなったら……!」

副団長「あっ、待て!」

商人「せめて魔女の野郎だけでも……!」カチャッ


女騎士「……!」ハッ

女騎士(ピストル……!?)

女騎士「魔女! 危ない!」バッ

魔女「きゃ……っ!」



パァン!!


267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:33:33.94 ID:NZhvR/KK0
女騎士「ぐ、ぅぅ、ぅ……」

魔女「騎士さん! 騎士さんっ!!」

商人「へ……っへへ」

女騎士「き――、か……」

商人「へ……?」

女騎士「効かーん!」ゴスンッ

商人「へげぇっ!?」


バタン


女騎士「ふぅ……」

魔女「騎士さんっ! 大丈夫!?」

女騎士「うむ! 何ともない!」

魔女「なんで何ともないのよ……」

268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:34:33.36 ID:NZhvR/KK0
女騎士「丁度、胸当てに当たってくれたからな。それに、これ……」スッ

魔女「あ、それ……、私のあげた御守り……」

女騎士「あぁ――、これに当たって、銃弾が止まったみたいだ」

魔女「……よかったぁ」

女騎士「っていうか、弾も止めるって……。魔法の御守りなのか……?」

魔女「まさか。銀貨が入っているのよ」

女騎士「……ふふ、私がお前を守るように……、きっと、魔女も私を守ってくれていたんだな」

魔女「き、騎士さん……!」

女騎士「魔女……!」

副団長「もう行きますよ、団長殿。団長殿ー」

騎士A「ほっといて撤収しましょうよ、撤収」

騎士B「な」






269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:35:21.17 ID:NZhvR/KK0





〜数日後〜


〜王都 王府庁舎内〜







役人「いやぁ、あの行方不明事件の犯人を捕まえたとあって、『銀顎』騎士団の名声はうなぎ上りですねっ!」

女騎士「いやいや……」

役人「王都は連日、その話題で持ち切りですよ! 私も仕事辞めて、ウワサの輪に加わりたいくらいです!」

女騎士「うん、辞めないで」

役人「まさに王都に『銀顎』騎士団あり! 嗚呼誉れあれオオクワガタ!」ジーン…

女騎士「はは、ちょっと大袈裟だな、君は……」

役人「なのに……」

女騎士「……」

役人「なのに……、本当に、解散しちゃうんですね……」

女騎士「ああ」
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:36:10.82 ID:NZhvR/KK0
役人「惜しいですよ……、今なら後援したいってところも、引く手あまたでしょうに……」

女騎士「前々から、決めていたことだからな……。それに……」

役人「……」

女騎士「きっと、王都は変わるんだ。新しい、進歩した、もっと平和な都市に……」

役人「……」

女騎士「私たち騎士も、変わらなければいけないのだろう」

役人「……本当に、残念です」

女騎士「そういってもらえるのは、素直に嬉しいがな」

役人「女騎士さんのことだって……」

女騎士「私?」
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:36:56.45 ID:NZhvR/KK0
役人「王立軍からの勧誘、どうして断っちゃったんですか」

女騎士「うーん」

役人「女騎士さんであれば、軍の要職だってより取り見取りのはず……、それなのに……」

女騎士「うん、まぁ……、しばらくは、剣から離れて……」

役人「……」

女騎士「色々と、考えてみたいと思っているんだ。これからのこととか……。色んなことを……」

役人「……そう、ですか」

女騎士「ああ。……君には本当に、世話になった」

役人「いえいえ、私なんて……、いつクビ切られてもおかしくない、ダメダメ下級役人ですけど……」

女騎士「いや、そんなこと」

役人「……でも、いつか……」

女騎士「……」

役人「いつか、女騎士さんが、また騎士として立ち上がる日があるとしたら……」

女騎士「……」

役人「……その時は、私が……、いつもみたいに、この窓口で、お待ちしていますから」

女騎士「……ああ。そのときは、また君に会いに来よう」

役人「クビになってなければ、ですけどね……」

女騎士「あの、うん、まあ、がんばって」
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:37:37.50 ID:NZhvR/KK0





〜騎士団詰所〜







女騎士「――へぇ! それじゃ、二人とも?」

騎士A「えぇ、騎士Cのとこの商社で」

騎士B「アイツに話したら、『ちょうど人手が足りなかったところだ』って言って」

女騎士「そうかそうか! ……いやしかし、大変だぞ? あいつ跡取りらしいからな。顎でコキ使われる、なんてことに……」

騎士A「いえ、なに、そこはアレですよぉ」

騎士B「俺たちはアイツの、人に言えない秘密も、タンマリ握ってますからねぇ」

女騎士「なるほどな……、お前らも、なかなかのワルよのぉ……」

騎士A「ヘッヘッヘ」

騎士B「ヘッヘッヘ」

女騎士「ヘッヘッヘ」
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:38:31.83 ID:NZhvR/KK0
騎士A「……団長」

女騎士「ん?」

騎士A「今まで本当に、ありがとうございました……」

騎士B「団長の下で、騎士としてやれて」

騎士A「この騎士団に入れて……」

騎士B「俺たち、幸せでしたよ」

騎士A「ありがとうございます」

女騎士「……お前たちは、最高の騎士だった」

騎士A「……」

騎士B「……」

女騎士「生涯忘れえぬ、最高の仲間だ」

騎士A「団長……」

騎士B「団長……」

女騎士「達者でな。またいつか会おう」

騎士AB「「はいっ!」」
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:39:04.45 ID:NZhvR/KK0





女騎士「……ふぅ」

副団長「これで全員、次の行き先が決まりましたね」

女騎士「あぁ。……あ、いや、まだだぞ」

副団長「はい?」

女騎士「お前だよ。副団長、お前は、どうするんだ?」

副団長「ああ、いえ、私は永久就職ですので」

女騎士「えい――……」

副団長「……」

女騎士「……えっ」

副団長「……」ニヘラァ
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:40:27.93 ID:NZhvR/KK0
副団長「……うふ、ふふふ、ふふふふ……」ニヘヘヘ

女騎士「……わぁ、そんな顔するのな、副団長」

副団長「ダーリンがぁ〜」

女騎士「……だぁりん!?」

副団長「これを機に、一緒になってくれってぇ〜えへへへへへへっ♪」デレデレ

女騎士「……」

副団長「毎朝、ミソスープ作ってくれって言われてぇ〜」

女騎士「そ、そう……、おめでとう、色々意外だったけど」

副団長「そういうわけで、私は後のこと、決まってますけど……」

女騎士「ん?」

副団長「団長殿は、これからどうするおつもりで?」

女騎士「私か? そうだな……私は――……」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:41:18.98 ID:NZhvR/KK0
今日はここまでです

次回、最終回です
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/29(火) 22:56:03.29 ID:pMD3D4o90
なぁんてとこで止めやがるんでい
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 00:12:22.76 ID:AUFCk0C00
乙。副団長女の子だったのね。
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 06:44:33.76 ID:j40UClt8o

明かされる驚愕の真実
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 09:33:46.78 ID:w9fHpDLZO
今までの感動その他諸々ぶっ飛んだじゃないかどうしてくれる

おつ
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 15:13:34.25 ID:D5uHo2Xa0
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:25:47.69 ID:/cl5Nov40





〜王都・市街〜


女騎士「……」テクテク


都民A「なあ、聞いたか?」

都民B「あぁ、『東の蜘蛛の森の魔女』だろ?」


女騎士「……」ピクン


都民A「例の事件、さらわれた子供たちを救い出したのは、あの魔女らしい……」

都民B「体を張って、犯人たちと闘ったらしい……」


女騎士「……」


都民A「森で困ったことがあると、こっそり助けてくれるらしい……」

都民B「よく効く薬も、作ってくれるらしい……」


女騎士「……」


都民A「そして美人」

都民B「美人か……」


女騎士「……」ウン
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:26:16.82 ID:/cl5Nov40



――都の東は蜘蛛の森――


――そこには魔女が住んでいる――


――優しい優しい蜘蛛の魔女――


――森で迷った子供がいたら――


――魔女が必ず助けてくれる――


――ならず者ども、悪党どもは――


――蜘蛛の森には近づくな――






女騎士「……〜♪」テクテク





284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:26:42.84 ID:/cl5Nov40





女騎士「……」テクテク

司祭「……女騎士殿」ヌッ

女騎士「うわっ! びっくりしたぁ……」

司祭「聞きましたぞ……」

女騎士「え」

司祭「例の魔女と、密かに通じていたそうではないですか……!」

女騎士「あ、いや、それはぁ〜……」

司祭「私にも内緒で!」

女騎士「あ、あはは、色々と、深い事情があってですね……」

285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:27:46.83 ID:/cl5Nov40

司祭「本来なら、魔女は相容れぬ異教徒……、ですが」

女騎士「……」

司祭「このたびの件、王都の民を守り、悪を挫くその清い心! 教会としても、認めぬわけにはいかないということに相成りました!」

女騎士「そ、そうでしたか……」

司祭「そうです! 我らが神は寛容を旨とする……です! から!」ズイッ

女騎士「わっ」

司祭「国が認めた、いち宗派として! 我々の神にも! ぜひ一度祈りを捧げていただきたいのです!」

女騎士「は、はぁ……」

司祭「女騎士殿からも、ぜひ伝えてください! 一度王都に参って、我らが教会に立ち寄るよう!」ズイズイ

女騎士「近い、近いです」

司祭「我々も72時間礼拝フルコースを準備してお待ちしておりますのでぇぇ!」ズイズイズイ

女騎士「長いです長いです、そして近い」






286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:28:36.21 ID:/cl5Nov40





〜〜都の東「蜘蛛の森」魔女の屋敷〜







女騎士「……――ということらしいんだけど」

魔女「えぇ……、いやよう、私、72時間なんて……」

女騎士「でしょうね」

魔女「丸4日じゃない。遠慮するわぁ」

女騎士「うん、3日だな」

魔女「あら? ひぃ、ふう、み……」カゾエカゾエ

女騎士「指を折るな指を。足りないだろ絶対」

魔女「学校のお勉強もしようかしら……」

女騎士「あはは、まあいいさ。魔女は魔女のままで」

魔女「騎士さんがそう言うなら……」

287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:29:08.79 ID:/cl5Nov40
魔女「……思いの外」

女騎士「うん?」

魔女「早かったわね、騎士団、なくなっちゃうの……」

女騎士「まあな。……元々、無理を重ねて続けてきてたから……」

魔女「……」

女騎士「終わるとなってしまえば、流されるまま、こうなる巡り合わせになっていたんだろう……」

魔女「……つらい?」

女騎士「つらくない、とは、流石に言えないがな。でも……」

魔女「……」

女騎士「魔女が、私に居場所を教えてくれたからさ……」

魔女「……」

女騎士「騎士でも何者でもない私を、受け入れてくれたから」

魔女「うん……」
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:30:17.94 ID:/cl5Nov40
魔女「……――それで、いつ越してこれそうなの?」

女騎士「あぁ、一応身支度だけはしたけど……」

魔女「そう」

女騎士「……でも、本当にいいのか?」

魔女「何言ってるの。『一緒に暮らしたい』って言ったの、騎士さんじゃない」

女騎士「そ、それは……そうだけど……」

魔女「楽しみだわぁ。このおうちに、騎士さんが来てくれるなんて……」

女騎士「……誰かと暮らすなんて、色々慣れてなくて、迷惑かけたら申し訳ないけど……」

魔女「うふふ、今から謝っちゃうのねぇ」

女騎士「う……、出来る限りがんばるが……」

魔女「いいのよ、肩ひじ張って、がんばらなくたって。騎士さんは騎士さんのままで」

女騎士「……魔女」

魔女「……ねぇ、騎士さん」

女騎士「ん?」

魔女「好きよ」

女騎士「え? あっ、あ、わ――……!?」

魔女「ふふふ」

女騎士「わ、私もっ――!」
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:30:51.19 ID:/cl5Nov40





〜寝室〜



女騎士「んぅ……」ショボショボ

魔女「〜♪」ナデ

女騎士「……そのうち、さ」

魔女「んん?」

女騎士「……おっきいベッド、買おうか」

魔女「……別にいいわよ」

女騎士「……だって、狭いだろ、魔女。……こうやって」

魔女「ん〜……」

女騎士「二人で、一緒に横になると……」

魔女「私は、ちょうどいいと思うけど?」

女騎士「そっかぁ……」

魔女「ええ」

女騎士「なら、いっかぁ……」
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:31:18.14 ID:/cl5Nov40
魔女「もうちょっと、こっち来る?」

女騎士「うん……」モゾ

魔女「……ふふっ」

女騎士「魔女ー……」

魔女「なぁに?」

女騎士「手、繋いでいい……?」

魔女「ええ、いいわよ」ギュッ

女騎士「……」ギュー

魔女「甘えん坊さんかしらぁ?」

女騎士「……こう、してたらさ」

魔女「……」
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:31:47.31 ID:/cl5Nov40
女騎士「今夜は、夢でも会えそうな……気がする……」

魔女「いつでも、会えるわよ」

女騎士「……」

魔女「夢の中でも、明日の未来も、その先も……」

女騎士「……」

魔女「ここが、貴方の居場所で……」

女騎士「……」

魔女「私の居場所だから……」

女騎士「……」

魔女「だから――、ゆっくり、お眠りなさい」

女騎士「……うん……」

魔女「……」

女騎士「……おやすみなさい、父様、母様……」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:32:13.80 ID:/cl5Nov40



女騎士「おやすみ、魔女」

魔女「おやすみなさい」




293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 22:32:53.01 ID:/cl5Nov40
これで、このお話はおしまいです

最後までお読みいただき、ありがとうございました
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 22:53:18.01 ID:/drE3ukpo

お布団みたいに暖かい話だった
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 22:57:09.17 ID:/cl5Nov40


〜アフター〜


296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 22:57:38.12 ID:/cl5Nov40





〜寝室〜







魔女「ねぇ、騎士さぁん……」

女騎士「な、なんだ?」

魔女「内緒にしてたんだけど、私ねぇ……」グイッ

女騎士「ち、近い、近い……」

魔女「実は、他にも魔法、使えちゃうんだぁ……」

女騎士「そそそそうなんだぁ!」

魔女「ベッドの中で使う魔法なんだけどね! 私、とーっても上手なのよぉ! 見たい? 見たいわよね!」ギラギラ

女騎士「ま、ま、魔女さん! 待って! ちょっと!」

魔女「いいわよ見せてあげるわほーんとに素敵な魔法なの綺麗な夢を見せてあげる魔法なんだけどね!?」ギラギラギラ

女騎士「ひぇぇ!」

魔女「大丈夫――……」

女騎士「あっ……」

297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 22:58:07.00 ID:/cl5Nov40
魔女「……さぁ、じっとしてて……」


グイッ ボフッ


女騎士「あ――……」

魔女「騎士さんは、そうやって、楽にしててくれればいいから……」

女騎士「……」

魔女「……うふふ、天井の染みでも数えててちょうだい?」

女騎士「……」

魔女「良い子ねぇ……、そうよ、そうやって力を――……」

女騎士「……」

魔女「抜いて……? 騎士さん――……?」

女騎士「スヤァ」

魔女「……………………………………」






298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 22:58:37.87 ID:/cl5Nov40







〜朝〜


魔女「……」

女騎士「ごめんって」



299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 22:59:09.94 ID:/cl5Nov40
魔女「……」

女騎士「違うんだって、あれは、ほら、あの、条件反射で」

魔女「……」

女騎士「なんていうか、あのベッドに入るともう、ああなっちゃうんだって」

魔女「……」

女騎士「……だから、その……」

魔女「……」

女騎士「……」

魔女「……」

女騎士(……怒ってる)

魔女「……」ムスー

女騎士(……怒ってらっしゃる)

300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 22:59:39.78 ID:/cl5Nov40
女騎士「……」

魔女「……」トポトポ

女騎士(……あ、でもお茶は注いでくれるんだ)

女騎士「……」グビッ

魔女「……」

女騎士(……あっ、でもめちゃくちゃ薄い)

魔女「……無職で居候の騎士さんには、それくらいのお茶で十分じゃないかしらぁ?」

女騎士(そしてすっごい心抉ってくる!)

女騎士「……」

魔女「あっ」

女騎士「えっ」

魔女「元・騎士さんだったかしらぁ」

女騎士「あっ苦くなってきた! お茶いい塩梅に苦くなってきた!!」
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 23:00:05.53 ID:/cl5Nov40
女騎士「……ごめんってー」

魔女「……」

女騎士「ほんと、謝るから。なんでもします。この通り」

魔女「……なんでも?」

女騎士「ああ! 魔女が望むこと、なんでも! 騎士に二言はないぞ!」

魔女「…………じゃあ」

女騎士「お」

魔女「……お祭り」

女騎士「え?」

302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 23:00:35.74 ID:/cl5Nov40
魔女「……お祭り、行ってみたい」

女騎士「……」

魔女「……」

女騎士「……『この森とともに生きて、この森で死ぬの』」

魔女「い、一日くらいいいじゃない! もう! なんでそんな変なことばっかり覚えてるのっ!」

女騎士「……お祭り、行ってみたいの?」

魔女「……本当は、ずっと行きたかったけど……」

女騎士「……」

魔女「……一人だと、怖いし……、楽しくなさそうだし……」

女騎士「……そっか」

魔女「……」

女騎士「……一緒に行こうな、今年は」

魔女「……いいの!?」
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 23:01:04.94 ID:/cl5Nov40
女騎士「ああ、一緒に色々、見て回ろう」

魔女「……!」パァァ

女騎士「……私も毎年、王都祭は警備だったし……、見る側に回るのは初めてかも……」

魔女「そうなの? じゃあ私たち、初めて同士ね!」

女騎士「ははは、そうだな」

魔女「じゃあ、じゃあ!」

女騎士「うん」

魔女「一緒にいっぱい、遊びましょうね!」

女騎士「ああ、もちろんだ」

魔女「……わぁ!」

女騎士「魔女と一緒に……」

魔女「騎士さんと一緒に!」
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 23:01:38.03 ID:/cl5Nov40



〜(ほんとに)おわり〜
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 23:04:20.55 ID:/cl5Nov40
お読みいただいた方、ありがとうございました

コメントくださった方、とても励みになりました。ありがとうございました

また機会があれば、またどこかで、またお会いできたら幸いです
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 23:45:23.64 ID:ehowQW8Q0

最高だった
あとベッドの中の魔法について詳しく
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 01:37:44.93 ID:D2NW0LGtO
魔法(意味深

本当にお疲れ様、久し振りに魅入った作品やった
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 03:10:20.55 ID:lOtzwQVR0
最高でした。ありがとう
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 08:28:41.03 ID:ZnFWhSOno

すごくよかった
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 14:54:17.77 ID:rU0/MnBM0

過去作があるなら教えてほしい
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 00:35:50.19 ID:EtS+HCiW0
素晴らしい話だった
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