魔女「お眠りなさい、安らかに――」 女騎士「くっ、やめろ……!」

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263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/29(火) 19:09:16.94 ID:Pv9a5clRO
過去作聞いたり他作品の話持ち出したり…荒れるのが予見できんのかな…
バカにインターネット使わせるのほんとどうにかならんのかなっていう大きめのブーメラン投げとくわな
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/29(火) 22:31:41.33 ID:NZhvR/KK0
>>262
違う人ですね…
長編安価はやったことないです、すみません…

>>263
お気遣いいただき恐縮です、ありがとうございます…
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:32:25.65 ID:NZhvR/KK0
ドスッ バスッ

ソッチイッタゾー!!

オラァー!




女騎士「本当に、怪我はないか? おかしいところはないか?」

魔女「えぇ、大丈夫よ……」

女騎士「怖かっただろ?」




ピストルダー!

ヤベェー!!

パンッ パンッ



魔女「怖かったけど……ふふ」

女騎士「……?」

魔女「不思議ね……、きっと騎士さんが助けてくれるって、分かっていた気がするわ」



イマダーイケーッ

バキンッ バンッ



女騎士「言ったろ、私がお前を守るって……」

魔女「騎士さん……」

女騎士「魔女……」

副団長「団長殿っ! 手伝ってください! ちょっと! 団長!」

266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:32:59.44 ID:NZhvR/KK0
騎士A「はぁ、はぁっ、大人しくしろこの野郎!」グイグイ

悪党A「いててっ、ぐぅ……チキショウ……」

騎士B「もう逃げられないからな!」ギリギリ

悪党B「くそったれ……いでで!」

商人「チッ……、こうなったら……!」

副団長「あっ、待て!」

商人「せめて魔女の野郎だけでも……!」カチャッ


女騎士「……!」ハッ

女騎士(ピストル……!?)

女騎士「魔女! 危ない!」バッ

魔女「きゃ……っ!」



パァン!!


267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:33:33.94 ID:NZhvR/KK0
女騎士「ぐ、ぅぅ、ぅ……」

魔女「騎士さん! 騎士さんっ!!」

商人「へ……っへへ」

女騎士「き――、か……」

商人「へ……?」

女騎士「効かーん!」ゴスンッ

商人「へげぇっ!?」


バタン


女騎士「ふぅ……」

魔女「騎士さんっ! 大丈夫!?」

女騎士「うむ! 何ともない!」

魔女「なんで何ともないのよ……」

268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:34:33.36 ID:NZhvR/KK0
女騎士「丁度、胸当てに当たってくれたからな。それに、これ……」スッ

魔女「あ、それ……、私のあげた御守り……」

女騎士「あぁ――、これに当たって、銃弾が止まったみたいだ」

魔女「……よかったぁ」

女騎士「っていうか、弾も止めるって……。魔法の御守りなのか……?」

魔女「まさか。銀貨が入っているのよ」

女騎士「……ふふ、私がお前を守るように……、きっと、魔女も私を守ってくれていたんだな」

魔女「き、騎士さん……!」

女騎士「魔女……!」

副団長「もう行きますよ、団長殿。団長殿ー」

騎士A「ほっといて撤収しましょうよ、撤収」

騎士B「な」






269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:35:21.17 ID:NZhvR/KK0





〜数日後〜


〜王都 王府庁舎内〜







役人「いやぁ、あの行方不明事件の犯人を捕まえたとあって、『銀顎』騎士団の名声はうなぎ上りですねっ!」

女騎士「いやいや……」

役人「王都は連日、その話題で持ち切りですよ! 私も仕事辞めて、ウワサの輪に加わりたいくらいです!」

女騎士「うん、辞めないで」

役人「まさに王都に『銀顎』騎士団あり! 嗚呼誉れあれオオクワガタ!」ジーン…

女騎士「はは、ちょっと大袈裟だな、君は……」

役人「なのに……」

女騎士「……」

役人「なのに……、本当に、解散しちゃうんですね……」

女騎士「ああ」
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:36:10.82 ID:NZhvR/KK0
役人「惜しいですよ……、今なら後援したいってところも、引く手あまたでしょうに……」

女騎士「前々から、決めていたことだからな……。それに……」

役人「……」

女騎士「きっと、王都は変わるんだ。新しい、進歩した、もっと平和な都市に……」

役人「……」

女騎士「私たち騎士も、変わらなければいけないのだろう」

役人「……本当に、残念です」

女騎士「そういってもらえるのは、素直に嬉しいがな」

役人「女騎士さんのことだって……」

女騎士「私?」
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:36:56.45 ID:NZhvR/KK0
役人「王立軍からの勧誘、どうして断っちゃったんですか」

女騎士「うーん」

役人「女騎士さんであれば、軍の要職だってより取り見取りのはず……、それなのに……」

女騎士「うん、まぁ……、しばらくは、剣から離れて……」

役人「……」

女騎士「色々と、考えてみたいと思っているんだ。これからのこととか……。色んなことを……」

役人「……そう、ですか」

女騎士「ああ。……君には本当に、世話になった」

役人「いえいえ、私なんて……、いつクビ切られてもおかしくない、ダメダメ下級役人ですけど……」

女騎士「いや、そんなこと」

役人「……でも、いつか……」

女騎士「……」

役人「いつか、女騎士さんが、また騎士として立ち上がる日があるとしたら……」

女騎士「……」

役人「……その時は、私が……、いつもみたいに、この窓口で、お待ちしていますから」

女騎士「……ああ。そのときは、また君に会いに来よう」

役人「クビになってなければ、ですけどね……」

女騎士「あの、うん、まあ、がんばって」
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:37:37.50 ID:NZhvR/KK0





〜騎士団詰所〜







女騎士「――へぇ! それじゃ、二人とも?」

騎士A「えぇ、騎士Cのとこの商社で」

騎士B「アイツに話したら、『ちょうど人手が足りなかったところだ』って言って」

女騎士「そうかそうか! ……いやしかし、大変だぞ? あいつ跡取りらしいからな。顎でコキ使われる、なんてことに……」

騎士A「いえ、なに、そこはアレですよぉ」

騎士B「俺たちはアイツの、人に言えない秘密も、タンマリ握ってますからねぇ」

女騎士「なるほどな……、お前らも、なかなかのワルよのぉ……」

騎士A「ヘッヘッヘ」

騎士B「ヘッヘッヘ」

女騎士「ヘッヘッヘ」
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:38:31.83 ID:NZhvR/KK0
騎士A「……団長」

女騎士「ん?」

騎士A「今まで本当に、ありがとうございました……」

騎士B「団長の下で、騎士としてやれて」

騎士A「この騎士団に入れて……」

騎士B「俺たち、幸せでしたよ」

騎士A「ありがとうございます」

女騎士「……お前たちは、最高の騎士だった」

騎士A「……」

騎士B「……」

女騎士「生涯忘れえぬ、最高の仲間だ」

騎士A「団長……」

騎士B「団長……」

女騎士「達者でな。またいつか会おう」

騎士AB「「はいっ!」」
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:39:04.45 ID:NZhvR/KK0





女騎士「……ふぅ」

副団長「これで全員、次の行き先が決まりましたね」

女騎士「あぁ。……あ、いや、まだだぞ」

副団長「はい?」

女騎士「お前だよ。副団長、お前は、どうするんだ?」

副団長「ああ、いえ、私は永久就職ですので」

女騎士「えい――……」

副団長「……」

女騎士「……えっ」

副団長「……」ニヘラァ
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:40:27.93 ID:NZhvR/KK0
副団長「……うふ、ふふふ、ふふふふ……」ニヘヘヘ

女騎士「……わぁ、そんな顔するのな、副団長」

副団長「ダーリンがぁ〜」

女騎士「……だぁりん!?」

副団長「これを機に、一緒になってくれってぇ〜えへへへへへへっ♪」デレデレ

女騎士「……」

副団長「毎朝、ミソスープ作ってくれって言われてぇ〜」

女騎士「そ、そう……、おめでとう、色々意外だったけど」

副団長「そういうわけで、私は後のこと、決まってますけど……」

女騎士「ん?」

副団長「団長殿は、これからどうするおつもりで?」

女騎士「私か? そうだな……私は――……」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/29(火) 22:41:18.98 ID:NZhvR/KK0
今日はここまでです

次回、最終回です
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/29(火) 22:56:03.29 ID:pMD3D4o90
なぁんてとこで止めやがるんでい
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 00:12:22.76 ID:AUFCk0C00
乙。副団長女の子だったのね。
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 06:44:33.76 ID:j40UClt8o

明かされる驚愕の真実
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 09:33:46.78 ID:w9fHpDLZO
今までの感動その他諸々ぶっ飛んだじゃないかどうしてくれる

おつ
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 15:13:34.25 ID:D5uHo2Xa0
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:25:47.69 ID:/cl5Nov40





〜王都・市街〜


女騎士「……」テクテク


都民A「なあ、聞いたか?」

都民B「あぁ、『東の蜘蛛の森の魔女』だろ?」


女騎士「……」ピクン


都民A「例の事件、さらわれた子供たちを救い出したのは、あの魔女らしい……」

都民B「体を張って、犯人たちと闘ったらしい……」


女騎士「……」


都民A「森で困ったことがあると、こっそり助けてくれるらしい……」

都民B「よく効く薬も、作ってくれるらしい……」


女騎士「……」


都民A「そして美人」

都民B「美人か……」


女騎士「……」ウン
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:26:16.82 ID:/cl5Nov40



――都の東は蜘蛛の森――


――そこには魔女が住んでいる――


――優しい優しい蜘蛛の魔女――


――森で迷った子供がいたら――


――魔女が必ず助けてくれる――


――ならず者ども、悪党どもは――


――蜘蛛の森には近づくな――






女騎士「……〜♪」テクテク





284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:26:42.84 ID:/cl5Nov40





女騎士「……」テクテク

司祭「……女騎士殿」ヌッ

女騎士「うわっ! びっくりしたぁ……」

司祭「聞きましたぞ……」

女騎士「え」

司祭「例の魔女と、密かに通じていたそうではないですか……!」

女騎士「あ、いや、それはぁ〜……」

司祭「私にも内緒で!」

女騎士「あ、あはは、色々と、深い事情があってですね……」

285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:27:46.83 ID:/cl5Nov40

司祭「本来なら、魔女は相容れぬ異教徒……、ですが」

女騎士「……」

司祭「このたびの件、王都の民を守り、悪を挫くその清い心! 教会としても、認めぬわけにはいかないということに相成りました!」

女騎士「そ、そうでしたか……」

司祭「そうです! 我らが神は寛容を旨とする……です! から!」ズイッ

女騎士「わっ」

司祭「国が認めた、いち宗派として! 我々の神にも! ぜひ一度祈りを捧げていただきたいのです!」

女騎士「は、はぁ……」

司祭「女騎士殿からも、ぜひ伝えてください! 一度王都に参って、我らが教会に立ち寄るよう!」ズイズイ

女騎士「近い、近いです」

司祭「我々も72時間礼拝フルコースを準備してお待ちしておりますのでぇぇ!」ズイズイズイ

女騎士「長いです長いです、そして近い」






286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:28:36.21 ID:/cl5Nov40





〜〜都の東「蜘蛛の森」魔女の屋敷〜







女騎士「……――ということらしいんだけど」

魔女「えぇ……、いやよう、私、72時間なんて……」

女騎士「でしょうね」

魔女「丸4日じゃない。遠慮するわぁ」

女騎士「うん、3日だな」

魔女「あら? ひぃ、ふう、み……」カゾエカゾエ

女騎士「指を折るな指を。足りないだろ絶対」

魔女「学校のお勉強もしようかしら……」

女騎士「あはは、まあいいさ。魔女は魔女のままで」

魔女「騎士さんがそう言うなら……」

287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:29:08.79 ID:/cl5Nov40
魔女「……思いの外」

女騎士「うん?」

魔女「早かったわね、騎士団、なくなっちゃうの……」

女騎士「まあな。……元々、無理を重ねて続けてきてたから……」

魔女「……」

女騎士「終わるとなってしまえば、流されるまま、こうなる巡り合わせになっていたんだろう……」

魔女「……つらい?」

女騎士「つらくない、とは、流石に言えないがな。でも……」

魔女「……」

女騎士「魔女が、私に居場所を教えてくれたからさ……」

魔女「……」

女騎士「騎士でも何者でもない私を、受け入れてくれたから」

魔女「うん……」
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:30:17.94 ID:/cl5Nov40
魔女「……――それで、いつ越してこれそうなの?」

女騎士「あぁ、一応身支度だけはしたけど……」

魔女「そう」

女騎士「……でも、本当にいいのか?」

魔女「何言ってるの。『一緒に暮らしたい』って言ったの、騎士さんじゃない」

女騎士「そ、それは……そうだけど……」

魔女「楽しみだわぁ。このおうちに、騎士さんが来てくれるなんて……」

女騎士「……誰かと暮らすなんて、色々慣れてなくて、迷惑かけたら申し訳ないけど……」

魔女「うふふ、今から謝っちゃうのねぇ」

女騎士「う……、出来る限りがんばるが……」

魔女「いいのよ、肩ひじ張って、がんばらなくたって。騎士さんは騎士さんのままで」

女騎士「……魔女」

魔女「……ねぇ、騎士さん」

女騎士「ん?」

魔女「好きよ」

女騎士「え? あっ、あ、わ――……!?」

魔女「ふふふ」

女騎士「わ、私もっ――!」
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:30:51.19 ID:/cl5Nov40





〜寝室〜



女騎士「んぅ……」ショボショボ

魔女「〜♪」ナデ

女騎士「……そのうち、さ」

魔女「んん?」

女騎士「……おっきいベッド、買おうか」

魔女「……別にいいわよ」

女騎士「……だって、狭いだろ、魔女。……こうやって」

魔女「ん〜……」

女騎士「二人で、一緒に横になると……」

魔女「私は、ちょうどいいと思うけど?」

女騎士「そっかぁ……」

魔女「ええ」

女騎士「なら、いっかぁ……」
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:31:18.14 ID:/cl5Nov40
魔女「もうちょっと、こっち来る?」

女騎士「うん……」モゾ

魔女「……ふふっ」

女騎士「魔女ー……」

魔女「なぁに?」

女騎士「手、繋いでいい……?」

魔女「ええ、いいわよ」ギュッ

女騎士「……」ギュー

魔女「甘えん坊さんかしらぁ?」

女騎士「……こう、してたらさ」

魔女「……」
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:31:47.31 ID:/cl5Nov40
女騎士「今夜は、夢でも会えそうな……気がする……」

魔女「いつでも、会えるわよ」

女騎士「……」

魔女「夢の中でも、明日の未来も、その先も……」

女騎士「……」

魔女「ここが、貴方の居場所で……」

女騎士「……」

魔女「私の居場所だから……」

女騎士「……」

魔女「だから――、ゆっくり、お眠りなさい」

女騎士「……うん……」

魔女「……」

女騎士「……おやすみなさい、父様、母様……」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/30(水) 22:32:13.80 ID:/cl5Nov40



女騎士「おやすみ、魔女」

魔女「おやすみなさい」




293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 22:32:53.01 ID:/cl5Nov40
これで、このお話はおしまいです

最後までお読みいただき、ありがとうございました
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 22:53:18.01 ID:/drE3ukpo

お布団みたいに暖かい話だった
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 22:57:09.17 ID:/cl5Nov40


〜アフター〜


296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 22:57:38.12 ID:/cl5Nov40





〜寝室〜







魔女「ねぇ、騎士さぁん……」

女騎士「な、なんだ?」

魔女「内緒にしてたんだけど、私ねぇ……」グイッ

女騎士「ち、近い、近い……」

魔女「実は、他にも魔法、使えちゃうんだぁ……」

女騎士「そそそそうなんだぁ!」

魔女「ベッドの中で使う魔法なんだけどね! 私、とーっても上手なのよぉ! 見たい? 見たいわよね!」ギラギラ

女騎士「ま、ま、魔女さん! 待って! ちょっと!」

魔女「いいわよ見せてあげるわほーんとに素敵な魔法なの綺麗な夢を見せてあげる魔法なんだけどね!?」ギラギラギラ

女騎士「ひぇぇ!」

魔女「大丈夫――……」

女騎士「あっ……」

297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 22:58:07.00 ID:/cl5Nov40
魔女「……さぁ、じっとしてて……」


グイッ ボフッ


女騎士「あ――……」

魔女「騎士さんは、そうやって、楽にしててくれればいいから……」

女騎士「……」

魔女「……うふふ、天井の染みでも数えててちょうだい?」

女騎士「……」

魔女「良い子ねぇ……、そうよ、そうやって力を――……」

女騎士「……」

魔女「抜いて……? 騎士さん――……?」

女騎士「スヤァ」

魔女「……………………………………」






298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 22:58:37.87 ID:/cl5Nov40







〜朝〜


魔女「……」

女騎士「ごめんって」



299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 22:59:09.94 ID:/cl5Nov40
魔女「……」

女騎士「違うんだって、あれは、ほら、あの、条件反射で」

魔女「……」

女騎士「なんていうか、あのベッドに入るともう、ああなっちゃうんだって」

魔女「……」

女騎士「……だから、その……」

魔女「……」

女騎士「……」

魔女「……」

女騎士(……怒ってる)

魔女「……」ムスー

女騎士(……怒ってらっしゃる)

300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 22:59:39.78 ID:/cl5Nov40
女騎士「……」

魔女「……」トポトポ

女騎士(……あ、でもお茶は注いでくれるんだ)

女騎士「……」グビッ

魔女「……」

女騎士(……あっ、でもめちゃくちゃ薄い)

魔女「……無職で居候の騎士さんには、それくらいのお茶で十分じゃないかしらぁ?」

女騎士(そしてすっごい心抉ってくる!)

女騎士「……」

魔女「あっ」

女騎士「えっ」

魔女「元・騎士さんだったかしらぁ」

女騎士「あっ苦くなってきた! お茶いい塩梅に苦くなってきた!!」
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 23:00:05.53 ID:/cl5Nov40
女騎士「……ごめんってー」

魔女「……」

女騎士「ほんと、謝るから。なんでもします。この通り」

魔女「……なんでも?」

女騎士「ああ! 魔女が望むこと、なんでも! 騎士に二言はないぞ!」

魔女「…………じゃあ」

女騎士「お」

魔女「……お祭り」

女騎士「え?」

302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 23:00:35.74 ID:/cl5Nov40
魔女「……お祭り、行ってみたい」

女騎士「……」

魔女「……」

女騎士「……『この森とともに生きて、この森で死ぬの』」

魔女「い、一日くらいいいじゃない! もう! なんでそんな変なことばっかり覚えてるのっ!」

女騎士「……お祭り、行ってみたいの?」

魔女「……本当は、ずっと行きたかったけど……」

女騎士「……」

魔女「……一人だと、怖いし……、楽しくなさそうだし……」

女騎士「……そっか」

魔女「……」

女騎士「……一緒に行こうな、今年は」

魔女「……いいの!?」
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 23:01:04.94 ID:/cl5Nov40
女騎士「ああ、一緒に色々、見て回ろう」

魔女「……!」パァァ

女騎士「……私も毎年、王都祭は警備だったし……、見る側に回るのは初めてかも……」

魔女「そうなの? じゃあ私たち、初めて同士ね!」

女騎士「ははは、そうだな」

魔女「じゃあ、じゃあ!」

女騎士「うん」

魔女「一緒にいっぱい、遊びましょうね!」

女騎士「ああ、もちろんだ」

魔女「……わぁ!」

女騎士「魔女と一緒に……」

魔女「騎士さんと一緒に!」
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 23:01:38.03 ID:/cl5Nov40



〜(ほんとに)おわり〜
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/30(水) 23:04:20.55 ID:/cl5Nov40
お読みいただいた方、ありがとうございました

コメントくださった方、とても励みになりました。ありがとうございました

また機会があれば、またどこかで、またお会いできたら幸いです
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 23:45:23.64 ID:ehowQW8Q0

最高だった
あとベッドの中の魔法について詳しく
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 01:37:44.93 ID:D2NW0LGtO
魔法(意味深

本当にお疲れ様、久し振りに魅入った作品やった
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 03:10:20.55 ID:lOtzwQVR0
最高でした。ありがとう
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 08:28:41.03 ID:ZnFWhSOno

すごくよかった
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 14:54:17.77 ID:rU0/MnBM0

過去作があるなら教えてほしい
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 00:35:50.19 ID:EtS+HCiW0
素晴らしい話だった
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/02(土) 21:56:56.26 ID:XYrdL7eVo

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