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北上「我輩は猫である」

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349 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/20(日) 02:09:25.82 ID:x+MBoVoh0
提督「ところで球磨のこの水着はなんだ?なんつーか妙なセンスというか」

北上「クマだってさ」

提督「ん?球磨だろ」

北上「クマの方」

提督「くま、クマか。あーそゆこと」

北上「そゆことそゆこと」

提督「北上のはなんで?」

北上「まだ買ってなかったら借りた」

提督「球磨から?」

北上「サイズがね…」

提督「…ゴメン」
350 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/20(日) 02:09:58.64 ID:x+MBoVoh0
提督「そうかあ、まだ買ってなかったのか」

北上「…なんかよからぬ事を考えてないよね」

提督「ちげえって。1度そーゆー足りないものを買いに行った方が良いかなって思ったんだよ」

北上「あー、外出用の服とかもないしね〜。そもそも外に行く用事もないか」

提督「そこら辺はまたおいおい、だな」

北上「だね」

とドアを叩く音が。

なんか妙に雑だな。コンコンというよりゴンゴンって感じ。
351 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/20(日) 02:10:27.47 ID:x+MBoVoh0
吹雪「吹雪入りましたー!」バタンッ

提督「事後報告かよ!」

吹雪「見ての通り荷物抱えてるんですよ?それに一々私室入るのに確認を取る間柄じゃあないでしょ」

提督「第一に両手塞がってるからと足で戸を叩くな第二にここは私室じゃない第三に俺とお前は部下と上司の間柄だ!」

吹雪「おおーナイスツッコミ、さっすがぁ↑」ドサッ

提督「嬉しくねぇわ!」

提督よりも長くこの鎮守府にいるという最古参にして、提督と最も長い付き合いの1人である吹雪。

会話は完全に兄弟かなにかだ。
352 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/20(日) 03:56:37.06 ID:2ASFvdsR0
北上「…でそのダンボールは?」

吹雪「資料ですよ資料。最近近海に現れた厄介者のね。北上さんの訓練が多少危険度の高い海域で行われてる原因でもあるんですよ?」

北上「え、そうなの?」

提督「うちの主力がそっちに割かれてるんだよ。で空いた穴を埋めるためにってのもあるわけだ」

それは知らなかった。

鎮守府も大変だね。

吹雪「いかんせん古い物でしたから大変だったんですよ〜。今どき紙媒体って」

提督「全くだな。って事でそれデータに落とし込んどいてくれ」

吹雪「ええ!?これを?私が!?」

提督「お前以外に誰がいるよ」

吹雪「私じゃなければ誰でもいいですよ」

提督「そこはせめて自分以外に適任がいるとか言えよ!」
353 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/20(日) 03:57:22.56 ID:2ASFvdsR0
吹雪「はぁ〜、わっかりましやりますやりますやらせていただきますー」

提督「おうおう、仕事に励め秘書艦どの」

吹雪「てことでこれ借りますよー」

提督「え?」

手に取ったのは館内放送用のマイクだ。

何故に?

吹雪「あーあー、叢雲聞こえるー?今すぐ提督室来て。いっ、30秒で。提督命令ね」ガチャ

1分と言いかけてから半分に減らしたぞこの秘書艦。

提督「おい何が提督命令だこら」

吹雪「提督のセリフからそういう意図を汲み取ったまでです」ビシッ

提督「敬礼すんじゃねえよお前がすべきなのは謝罪と訂正だよ」

北上「あ」

慌ただしい足音が近づいてきた。それも急いでるからというよりは怒っているからといった感じの。
354 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/20(日) 03:58:03.10 ID:2ASFvdsR0
本日2度目、乱暴に戸が開く。

叢雲「な、何よ急に呼び出しって!しかも、30秒、って…」

セットする余裕がなかったためか少しボサッとした髪と曲がった、ネクタイ?ネクタイだよねあれ。

息も絶え絶えで頭の、耳、うん耳。耳も今にも落ちそうになっている。改二が眩しい彼女。

吹雪「ハイこれ持って」ドサッ

叢雲「はぁ?いきなりなん重っ!何よこれぇ!」

吹雪「後今日は下手したら徹夜だけど付き合ってね。こっちはお姉ちゃんめーれー」

叢雲「徹夜ぁ!?ちょっとアンタ!どういう事よこれ!」

提督「あーうん。でも頑張ってくれ」

叢雲「は、はぁー?」
355 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/20(日) 03:59:02.74 ID:2ASFvdsR0
吹雪「はーい着いてきてー。あ、提督。終わったら連絡するので、それでは」

提督「わりぃな。頼む」

叢雲「ちょっ!あぁもう…言っとくけど絶対徹夜なんかさせないわよ」

行っちゃったよ。

北上「叢雲も大変だね」

提督「見たか?お姉ちゃん命令って言われた瞬間あいつの耳が立ったとこ」

北上「え、見てない」

提督「ありゃ吹雪なりのお願いなんだよ」

北上「頼られて嬉しい、と?」

提督「吹雪も忙しい身だからな。力になりたいとは思ってるんだろ」

北上「なるほど、ね」

徹夜しない、ではなく、徹夜させない、とはそういう意味か。
356 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/20(日) 03:59:44.65 ID:2ASFvdsR0
提督「情けない話だが、でも頼りになるよ。2人とも」

北上「いい姉妹だねぇ」

提督「みんなそうさ。お前らもな」

北上「そうだねえ。じゃあはいっ」

提督「えっ」

北上「んーっと、これとこれと、ハイ没収」

大井っちの写真計3枚を写真から抜き出す。

提督「んな殺生な!」

北上「提督もいい提督を目指そうね〜」

提督「いい提督だろ!」

北上「部下の水着写真ジロジロ鑑賞する提督はなぁ…はい」

他は、まあみんなの楽しそうな姿が写ってるので許してやろう。
357 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/20(日) 04:00:19.66 ID:2ASFvdsR0
提督「…くそう、いいさ。まあいいさ」

妙に納得が早い。まさか大事なのは抜いて隠したか?

いや流石にそこまで念入りに探す理由はないからいいや。

北上「んじゃあ私は次の出撃までやすんどくね〜」

提督「そうだ、ついでにこれも」

北上「これは、球磨型の集合写真」

提督「いい姉妹、だな」

北上「うん、うん」






北上「姉妹、ねえ」

廊下で写真を見ながら考える。

私の、もう1人の姉妹とも言える白猫の事を。
358 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/20(日) 04:01:29.22 ID:2ASFvdsR0
丙、乙と来て、明日は甲に挑むんだ
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 10:44:34.87 ID:+Pggae3+0
更新乙です
E3かな?ヴェアアが抜けないという愚痴をわりと聞くけどE3も道中のヌ改がヘイト溜める
全体的に報酬はあれなので資源と時間に相談しての攻略になりますよね
E5に松輪堀にいかなきゃ
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 15:30:19.15 ID:W5jPv1BYo
おつおつ
このブッキーええなあ
361 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 02:50:41.93 ID:NYcp8k3K0
28匹目:ナマズ


鯰。漢字で書けないし読めない。

英語でキャットフィッシュと言うらしい。

理由はヒゲが猫っぽいから。

学者のネーミングセンスは何故こうも適当なのか。

便宜上だしわかりやすけりゃいいというならまあ分からなくもないが、いやそもそもわかりやすいかね?
362 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 02:51:15.25 ID:NYcp8k3K0
そこへいくと「艦娘」という名前も随分適当じゃあないか。

船で、女の子で、じゃあ艦娘って。

実際わかりやすいのは確かだ。

それしか形容しようがないのも確かだ。

それしか分かってないのも、確かだ。

そう、結局何もわかってない。

ならば、例えば私や谷風のような存在は、案外それほど特殊ではないのかもしれない。
363 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 02:51:47.47 ID:NYcp8k3K0
英霊とか船の擬人化だとか言われてるけれど、私達の中に何があるのかなんて私達自身わからないのだ。

私達は、何であっても不思議ではない。

つまり、

北上「私はナメクジかもしれない」

阿武隈「…なんですか急に」

北上「いやさ、汗がこうツーっと流れる度にそこから溶けだしそうな感覚なんだよ」

阿武隈「ナメクジが塩で溶けるって迷信らしいですよ」

北上「えぇ!嘘ぉ!」

阿武隈「ウソです」

北上「うわぁ、悪い子だ」
364 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 02:52:22.97 ID:NYcp8k3K0
阿武隈「少しは疑ってくださいよ」

北上「ここは戦場じゃないし、疑う意味もないも〜ん」

阿武隈「そんな大げさな…」

阿武隈。ちょっと不思議な縁がある娘。

何やら艦の記憶からか妙に私に警戒心を示していたのだが、いかんせん私がそっちの意識が薄いために完全に無視していたのだ。

そしたらなんか寄ってきた。向こうから。

「こっちはこれだけ意識してるのにズルイです!」というのが向こうの言い分だったが、いやなんとも理不尽な。
365 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 02:52:54.68 ID:NYcp8k3K0
そんなわけでこうして私が部屋に1人の時に遊びに来たりしているのだ。

1人の時を狙うのは恥ずかしいからだとか。よくわからぬ。

そう、よく分からないのだ。だからまあ奇縁というべきだと思う。

北上「阿武隈は暑くないの?」

阿武隈「暑いと言えば暑いですけど、汗ばむほどでは」

北上「そりゃ羨ましいや」

阿武隈「あれ?あそこの本って」

北上「夕張に借りたラノベ。知ってるの?」

阿武隈「はい!駆逐艦達の間でも流行ってるんですよ、私もすっかりハマっちゃって!」
北上「あーボリューム下げて下げて」

阿武隈「あぁすいません…」
366 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 02:53:36.87 ID:NYcp8k3K0
耳の近くで大声を出されれば猫でなくとも驚く。

そう。奇妙と言えば今現在こうしている関係こそ奇妙だ。

自分の部屋で、阿武隈に膝枕されているこの状況が。

阿武隈「読んでもいいですか?」

北上「ラノベってのも便宜上のテキトーな分類だし、合う合わないはあると思うよ」

阿武隈「だから読んでみるんです」

北上「うむ、いい心がけだ」

阿武隈「あ、でも届かないです」

北上「…私は少しでも動いたら溶けるよぉ」

阿武隈「溶けろぉ」
北上「ぐえー」ゴロン
367 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 02:54:15.67 ID:NYcp8k3K0
膝枕転げ落ちる。

体制が変わった事で服が汗により身体にひっつく。

うえー気持ち悪い。

北上「チーズ蒸しパンになりたい」

仰向けで呟く。

阿武隈「どこのゴリラですか」

北上「あれ、知ってるんだ」

阿武隈「私的には北上さんが知ってる方が驚きです」

北上「夕張の英才教育の賜物かな」

阿武隈「まあ、教育ではあるかもしれないですね」
368 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 02:54:56.30 ID:NYcp8k3K0
北上「漫画って凄いよね。文章なら原稿用紙一枚分くらいの情報でも一ページ、一コマで表したりできるし」

阿武隈「確かにそう考えるとなんだか凄いですね」

北上「表現方法が違うとはいえ、あれだけの情報をばっと読むってのはなんかクセになる面白さがあったよ」

阿武隈「漫画は気軽に早く読めますからね。遠征組に流行ったのも休憩時間に読みやすいって事がおおきいでしょう」

北上「そうそう、速いんだもん。夕張にとりあえず有名所は読んどけーって貸してもらったけど、サクッと読み終わっちゃった」

阿武隈「あの人の部屋漫画も本もすごい数ですよね」

北上「貴重な人材だから給料いいんだって」
369 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 02:55:29.29 ID:NYcp8k3K0
阿武隈「あ、私これ好きかもです」

北上「マジ?推理ものだよ?」

阿武隈「推理小説は苦手ですけど、これは好きです」

北上「あー江戸川乱歩よりなところがいいのかな」

阿武隈「エドガー?」

北上「…おぅ…」

怪人二十面相って言った方がわかりやすいのかな?

いやそこまで説明する気もないしいいや。
370 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 02:56:31.31 ID:NYcp8k3K0
阿武隈「お邪魔しま〜す」
北上「ぐえ」

北上「え、なにしてんの」

阿武隈「さっきは私が膝枕したので今度は北上さんがお願いします」

北上「えー対価を要求するんかい。しかもそこは膝じゃなくてお腹だよ」

仰向けに寝た状況でお腹に頭を載せられると結構苦しい。

というか私はそもそも膝枕を頼んだ覚えはない。

「私は暑くてだるいのでこれから寝る。なので貴様にかまう暇はない」「なら私が膝枕をします」みたいな流れだったはずだ。
371 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 02:57:03.26 ID:NYcp8k3K0
阿武隈「じゃあ膝に移ります」

北上「若干負担はあるけど、まあいいや」

阿武隈「ところでここって膝じゃなくて太ももですよね。太もも枕ですよね」

北上「よく考えたら膝枕って痛そうだね。硬いところじゃん、凶器じゃん」

阿武隈「テキトーな名前ですね」

北上「便宜上、というかこの場合は語感のよさかな」

阿武隈「…膝ってどこまでが膝なんでしょう」

北上「んー、膝に手を置いて、包める範囲くらいが膝なんじゃない?」
372 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 02:58:48.82 ID:NYcp8k3K0
顔を起こし自分の膝を見る。

あ、阿武隈の頭が邪魔で見えないや。

ランニングにスパッツというこの季節の鎮守府においてそれほど珍しくないラフな格好。

その割に髪はしっかりセットしているようだ。

阿武隈「あの、なんですか?」

北上「いやさ、髪のセットとか大変そうだなーって」

鮮やかな色をしたそれを手で梳くように触る。

阿武隈「そうですけど、こうしないと暑いんですよ」

北上「テキトーにまとめてもいいんじゃないの?」

阿武隈「そこは、ほら、おしゃれと言いますか…」

その服装で何をいまさら、とは言わない。
373 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 03:01:06.63 ID:NYcp8k3K0
阿武隈「北上さんこそ、いつもしっかり三つ編みじゃないですか」

北上「大井っちがやってくれるからね〜。それにさ、ポニテって楽だけどこうして仰向けに寝れなかったりでめんどうなんだよ」

阿武隈「あーわかります」

北上「本音を言うと単発にしたいところだけどね」

阿武隈「そのぉ…前髪!私の前髪とか、どう思います?」

北上「前髪?さあ、普通じゃない?」

阿武隈「デスヨネー」

北上「?」

ポニテって横向きになら寝れるけど向きを変えようとする度に頭を持ち上げなきゃいけないし、
壁や大きい背もたれなんかに結び目が当たったりと地味に不便だ。

まあ動く人専用だね。

ちなみに三つ編みはやって見ると結構簡単だ。編み込みとかどーとかになるとまた別だが。
374 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 03:02:18.39 ID:NYcp8k3K0
目を閉じる。

眠い訳じゃないが、なんとなく光を見てるより涼しいかもと思っただけだ。

張り付く服と時折流れる汗。扇風機の風で揺れる阿武隈の髪が太ももを撫でる。

暑い時は寝て過ごしたいのに暑いから寝れないというジレンマ。辛い。

北上「アブぅ」

阿武隈「なんですかその呼び方」

北上「隈までいう気力ない」

阿武隈「んー、名前はちゃんと呼んでください!」

北上「漢字で阿武隈って書けるから許して〜」

阿武隈「ほんとですかぁ?」

北上「お、挑発的だねえ。薔薇も憂鬱も書けるよ〜私」

多摩姉と木曾を間違えたことはあるが。
375 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 03:02:44.99 ID:NYcp8k3K0
北上「いやそれはどうでも良くてさ」

阿武隈「よくないですよぉ…」

北上「なんで敬語なのさ」

阿武隈「エッ、それはその、なんか、ハズカシイノデ…」

よくわからん。何か船の記憶に関わる事だろうか。

ま、いっか。
376 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 03:03:31.39 ID:NYcp8k3K0
たまにはこうしてのんびりするだけも悪くない。

こうして1日が平和に、

北上「終わらないや」

阿武隈「?」

部屋の戸が開いた。

大井「き〜たか〜みさあぁぁあぁぁぁ!!」
阿武隈「きゃぁぁぁぁぁ!!」

うるさい。予め耳を塞いでおいたが特に阿武隈のガラスとか割れそうは声が響く。

大井「なんでそんなうらや、羨ましい事を!!」

阿武隈「いやっ、そのっ、これはっ、き、北上さんは渡しません!!」

北上「えっ、そっち?」
377 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 03:04:02.59 ID:NYcp8k3K0


あー騒がしい。それはいいんだけど部屋を暑くされるのは困る。

北上「はいはいちゅ〜も〜く。私から折衷案がありま〜す」


378 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 03:07:12.36 ID:NYcp8k3K0
球磨「何してる?」

大阿「「膝枕です」」

正しくは、大井っちが私に膝枕してる、で阿武隈が私に膝枕されてる、だ。

もっと正確に言うと大井っちが座ってそこに私が膝枕で仰向けに寝て、私の膝、もとい太ももに阿武隈が寝ている。

何の解決にもなってないはずだが2人は満足そうなのでいいだろう。

球磨「何も聞かない方がいい?」

北上「うん」

球磨「さいで」

この後帰ってきた多摩姉は何も聞かずに、言葉で表せないような表情をしつつも無視してくれた。

いい姉妹だねえ。
379 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 03:07:58.20 ID:NYcp8k3K0
姉妹。姉妹艦。

それも、便宜上の、設定のようなものじゃないのかね。

私達の関係は、なんと言えばいいのだろう。


閑話休題


この日を境に、阿武隈が私1人じゃなくても遊びに来るようになった。
380 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/22(火) 03:16:39.16 ID:NYcp8k3K0
前髪を弄らない北上、弄られない阿武隈を書きたかった。

E3にかかりっきりで何も書けなかった日曜日
フラヲは許す、古姫も許す、フラヌは許さない

お札のため弱々しい編成になったけど何とかなるから面白い
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/22(火) 10:04:23.90 ID:BKSbAq9r0
更新乙です
さぁ、かっちかっちのフランスパン棲姫のE4だ
戦力を出し惜しみすると2本目沼ります、いや、ほんと
E5、E6はさくさく
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/22(火) 15:33:55.72 ID:po2Xo0pvo
おつにゃ
383 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/24(木) 02:29:51.30 ID:pnLQo3rC0
30匹目:ネコゼミ





そんな蝉はいない。

でもさ、球磨ゼミがいるなら例えば多摩ゼミとか木曾ゼミなんかもいていいんじゃないか、なんて。

現実的な話猫っぽい鳴き声の蝉がいたら絶対ネコゼミだったよね。

ちなみにクマゼミは見た目が熊っぽいかららしい。

どこがよ…
384 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/24(木) 02:30:29.97 ID:pnLQo3rC0
北上「夏の始まりを知らせ、終わりを告げる使者が蝉なわけだけどさ」

木曾「そんな仰々しい存在だったか?あいつら」

北上「その役目を終えてるにも関わらずクソ暑い中暑苦しい鳴き声を昼夜問わず振りまくのはどうかと思うんだよ」

木曾「言わんとする事は分からんでもないけど、とんでもなく理不尽な理不尽な理屈だな」

北上「自覚はしてる」

木曾「なおタチが悪い」
385 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/24(木) 02:31:08.76 ID:pnLQo3rC0
北上「まるで恋愛みたいじゃないか。出会いと別れは刺激的なのに、その中間はどうにも中だるみしちゃう」

木曾「した事も無いのにそう賢しら顔で語られるとなんか嫌な感じだな」

北上「燃えるような恋がしたい」

木曾「暑いのは嫌なんだろ?それはともかく、蝉だって種を残すために必死なんだぜ。それこそ燃えるような恋だ。見守ってやれよ」

北上「そう言えばアイツらリア充目指してるんだよね。くそう全滅しちゃえ」

木曾「これは酷い嫉妬」
386 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/24(木) 02:31:41.94 ID:pnLQo3rC0
北上「だってさ、自分の恋愛のために他人にこれだけ迷惑かけてるんだよ?大問題でしょ」

木曾「物は言いようだな。そりゃあまあうるさいかもしれんが、短い命なんだぜ。少しばかり輝かせてやれよ」

北上「じゃあさ、子供のために必死に食料を運ぶ蚊に対して同じ事言える?」

木曾「…」

北上「…」

木曾「無理」

北上「うん」
387 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/24(木) 02:32:22.11 ID:pnLQo3rC0
北上「あーまた蝉の声が近づいてきたぁ…」

木曾「…なんかやけに近いというか、響いてる?」

北上「あれ?なんか窓と逆から聞こえてない?」

木曾「段々こっちに「多摩ぁ!」うわっ!」
蝉「ツクツクホーシwwツクツクホーシww」
球磨「あれぇ!?いない?なら北上!木曾!見るクマ!」
蝉「ツクツクホーシwwツクツクホーシww」
木曾「見るまでもねえ!なんだそりゃあ!」
蝉「ツクツクホーシwwツクツクホーシww」
球磨「蝉クマ!」
蝉「ツクツクホーシwwツクツクホーシww」
木曾「んなこた知ってるよ!なんで蝉を手に持って部屋に来たんだよ!」
蝉「ツクツクホーシwwツクツクホーシwwアアアアアア…↓」
388 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/24(木) 02:32:55.54 ID:pnLQo3rC0
球磨「クマゼミなるものがいると聞いたクマ!きっとこいつがそうクマぁ!」
蝉「ツクツクホーシwwツクツクホーシww」
木曾「んなわきゃねえだろ!そいつは!はぁ…あー!ド忘れした!」
蝉「ツクツクウィーヨンwwウィーヨンww」
球磨「蝉クマぁ!」
木曾「それは知ってるわ!」
蝉「ウィーヨンwwウィーヨンwwww」
球磨「クマゼミぃ!」
木曾「上手くねえ!」
蝉「ウィーーーwwwアアアアアアアアア…↓」
389 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/24(木) 02:34:56.56 ID:pnLQo3rC0
木曾「だあぁもう!上姉!」
北上「?」
蝉「…」
木曾「1人だけ耳を塞ぐなよ…事態の収集に努めてくれ頼むから…」

北上「ツクツクボウシ」

木曾「あ、そういやそのまんまな名前だったな」

球磨「えー球磨にはチクチクボーンに聞こえるクマ」

木曾「いやそこはこだわるところじゃ…というかどこを見てクマゼミだと思ったんだよ」

球磨「色気」

木曾「色じゃないのか」

北上「ねえ」

木曾「ん?」

北上「くるよ」ミミセン

木曾「く「ツクツクホーシwwwツクツクホーシww」」
390 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/24(木) 02:35:41.64 ID:pnLQo3rC0
球磨「よし!こいつがツクツクボウシかどうか提督に聞きに行くクマぁ!」
蝉「ツクツクホーシwwツクツクホーシww」
木曾「はあ!?それ持って提督室に行く気か!」
球磨「さらばぁ!」
蝉「ウィーーーーwww」


木曾「あ、嵐だった…」

北上「ご愁傷さま」

木曾「上姉ぇ…」

北上「あはは、悪かったって。でもありゃほっとくしかないよ。それこそ嵐が過ぎるまで」

木曾「まあなぁ…」
391 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/24(木) 02:36:17.59 ID:pnLQo3rC0
バリィン!ウィゥィーー…

北上「ん?ガラスの割る音、と蝉が逃げる声」

木曾「うえー、か。提督室かな」

北上「爆撃とかじゃ無さそうだね」

木曾「球磨姉がうるさすぎて窓から投げられたとか」

北上「あー吹雪いるしありえるねぇ」

テイトクガー ウワナンヤ!? テイトクガーオチター

北上「…」

木曾「…」

北上「え提督の方?」

木曾「マジか」
392 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/24(木) 02:36:46.31 ID:pnLQo3rC0
医務室、なんてものはないので提督室に色々と道具が持ち込まれた。

このベットもそうらしい。

提督「俺さ、虫ダメなんだわ」

ベットに体を横たえる提督。

北上「いやだからって窓破って飛び出すかね」

吹雪「ちなみに今のツッコミは北上さんで53人目です」

ちゃっかり提督の椅子に座ってリンゴを剥く秘書艦。

北上「ずっと数えてたの?」

吹雪「秘書艦的にここを離れられませんからね。必然的にみなのお見舞いを見守る事になるんです」

提督「同じやりとりを今日で何回したか」
393 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/24(木) 02:37:37.58 ID:pnLQo3rC0
北上「で怪我は?」

提督「左足くじいただけ」

北上「それだけ?」

確かに。ベットに寝ている提督には包帯ぐるぐる巻の左足以外目立ったものはない。

吹雪「下に丁度龍驤さんがいまして、大怪我を防ぐくらいにはクッションになったみたいなんです」

提督「弾力性はなかったけどな。残念ながぐへっ」ブスッ

北上「お〜」

割れた窓から飛んできた矢が見事に頭に突き刺さった。

吹雪「おーこれは初めてのパターン」

提督「…あいつ矢なんて使わなくね?」

吹雪「一芸に秀でるものは万芸に秀でるんですよ。陰陽師スタイルが一番得意なだけで弓が不得意なわけじゃないんですよ」

北上「へーすごいねそりゃ」

吹雪「空母の中じゃ最古参ですからね」
394 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/24(木) 02:38:10.91 ID:pnLQo3rC0
提督「まあそれはいいや。なんか食べていくか北上?みんなやたらとお見舞いの品を持ってきて困ってんだ」

北上「いやぁ私がそれ貰っちゃ悪いでしょ」

提督「なんか流れでこうしてベットにいるけど別に絶対安静じゃねえんだよ俺。歩きにくいだけなんだよ。見舞いを貰っても困る」

北上「あーね…」

矢もそうだがこの人頑丈過ぎる。普段から魚雷やら爆撃やらで鍛えられてると違うね。

吹雪「いいんですか〜、他の子にはそんな誘いしなかったのに」

提督「いいんだよ。球磨がアレ持ってきた経緯も知りたいし」

吹雪「さいで。ではこちらをどうぞ」

北上「おー、カワイイ」

吹雪「自信作です」フンス

差し出されてお皿には綺麗なうさぎリンゴが並んでいた。
395 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/24(木) 02:39:56.43 ID:pnLQo3rC0
北上「これもお見舞いの品?」

吹雪「はい。小腹が空いたので頂いちゃおうと」

ナイフ1本で器用なものだ。

爪楊枝を掴んで口に入れる。

北上「うむ、おいしい」

吹雪「美味しいうちに食べちゃってください」

提督「え、俺には?」

吹雪「あ、そうでした。よし。ほれ」

果物ナイフの先端に無残にも突き刺さったウサギが提督の前に差し出される。

提督「…おい」

吹雪「三回回ってワンは残念ながら無理そうなので三回腹筋してキャイン!で許してあげます」

提督「さらに難題を!?」

北上「…あむ」

美味い。

ちなみに提督は三回腹筋まではやった。

リンゴは吹雪が頂いた。
396 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/24(木) 02:42:31.82 ID:pnLQo3rC0
セミがうるさかったので。もちっとだけ続くんじゃ

PTのキャハハを聞くと蕁麻疹が出る体になりそう、そんなE4はまだ終わらない
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 05:37:01.09 ID:aJx2kX760

E4これから2本目の戦力ゲージに入るから、自分も同じ目に合いそう
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 10:35:48.07 ID:c3ocYuaHo
おつん
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 11:39:06.62 ID:uxecNa0w0
乙でございます
音声Offにするという根本的解決
なお、PTのうざさには関係ない模様
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 13:28:26.75 ID:5lvwEvo00
PT潰すなら駆逐に主砲機銃(出来ればさらに)見張り員セット、ほぼ当たるしなんと支援でも有効な模様
道中支援も大型艦は電探3+主砲や艦載機で当たるよ ムカついたからこれで全部焼き払ってやった
401 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/26(土) 02:18:52.20 ID:NbWdTm+I0
提督「なるほどね、そんな経緯で」

北上「いや〜止める暇もなくってさ」

提督「別にいいよ。誰が悪いってわけでもないし。でも球磨にはよく言っといてくれ」

北上「今頃摩姉ちゃんが言ってるよ」

吹雪「虫嫌いの情けない男がイタズラに騒ぎを大きくしただけですしね」シャリシャリ

提督「ぐっ…まあそうなんだけど…」

北上「…虫ダメなんだ」

提督「ダメ、マジ無理」

北上「どのくらいダメなの?」

提督「…それなりに」

吹雪「あっ、提督!枕元にクモが!」
提督「オビョワウ!!」ビクン




吹雪「このくらいです」

提督「シニタイ」

北上「うん、仕方ないよ。今のは私もビックリするよ」ヨシヨシ

吹雪「オビょワウって言います?」

北上「…」ヨシヨシ

提督「優しさが辛い」
402 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/26(土) 02:19:47.36 ID:NbWdTm+I0
提督「俺もさ、カブトムシとかカマキリとかはかっこいいと思うさ。いや触れないけどね」

北上「そりゃゴキブリとかなら分かるけどさ、セミって割と虫としてはセーフって方じゃない?カブトムシに近いし」

提督「いやカブトムシはそれこそ甲に覆われてるからいいけど、セミってなんか虫虫さがもろじゃん割と」

北上「んー、まあ言わんとする事は分からなくもない、かな?」

吹雪「あ、司令官。トンボなんかはどうですか?」

提督「あー指に止まるくらいがギリだな」

北上「線引き細かいね」
403 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/26(土) 02:20:30.60 ID:NbWdTm+I0
提督「さてと、そろそろベットもやめるか。どうもこれ以上は見舞いも来なさそうだし」

吹雪「えーもちょっと寝ててくださいよ〜」

提督「いやだって仕事溜まっちゃお前の負担も増えるだろ?」

吹雪「いやなんで私が提督の仕事手伝う前提なんですか」

提督「いやいや前提だろお前秘書艦だろ」

吹雪「いやいや私はこの鎮守府のこの艦隊のリーダーとしての仕事はしますけど司令官の仕事なんて知りませんよ」

提督「え?」

吹雪「え?」

北上「おー」

雲行きが怪しいぞ。
404 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/26(土) 02:21:12.96 ID:NbWdTm+I0
吹雪「そりゃあ司令官が仕事が終わらず残業なんてなったら皆に示しがつかないので手伝いますよ」

提督「うわグサッとくる。凄い切れ味」

吹雪「でも手をつけてない仕事がいくら増えようと知りません。むしろ楽なのでそこで寝ててください」

北上「でも溜まったら結局吹雪も手伝うハメになるんでしょ?」

吹雪「司令官療養中につきっていっていくつか海にでも捨てりゃいいんですよ!」

北上「うわー」

提督「前に貯めた時は艦隊運用は全部吹雪で俺は朝から晩まで机に磔にされたよ」

北上「うわぁ…でもそれは提督が悪い」
405 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/26(土) 02:21:52.83 ID:NbWdTm+I0
吹雪「さてと。司令官、私工房に松生杖貰ってきますね。もう出来てると思うんで」

提督「妙な機能付いてたら排除しといてくれよ」

吹雪「命に関わるようなら」

提督「ギリギリのラインを攻めんじゃねえよ!」

パタム、行っちゃった。

北上「相変わらずだねえあの子。凄く有能なのに」

提督「さっきも言ってたけど、あいつがやってんのは鎮守府の運営だ。俺の手伝いなんて事のついでだよ」

北上「提督いらない説」

提督「そんなっ!事は無い」

なぜ詰まった。
406 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/26(土) 02:22:39.53 ID:NbWdTm+I0
提督「実際あいつの方が艦隊運営は上手いんだよ。遠征に任務に警備、資材資金のやりくりまで」

北上「殆どじゃん」

提督「そこは、ほら、年機の違いだよ。経験経験。あいつもう50年は艦娘やってんだから」

北上「ごーじゅう?50…提督そんな歳とってたっけ?」

提督「なんでまず俺の年齢なんだよ。俺は2代目だ。この鎮守府のな」

北上「へー、2代目。じゃ吹雪はそっちの初期艦だったのかな」

提督「当たり。だからアレだ、前のご主人様を忘れられずなかなか懐いてくれないペットって感じdグエッ」

飛んできたのは松葉杖(ジェット付き)。

しかし一向に学習しないね…やはり無能なのでは?
407 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/26(土) 02:23:29.26 ID:NbWdTm+I0
吹雪「スミマセンコロビマシター」

提督「五月雨かお前は!つかジェット!ジェットって!危ねぇのはやめろつったろ!」

吹雪「さみちゃんを悪く言うなー!いやーバイブ付きのと二択だったので」

提督「バイブ付きでいいじゃん!」

吹雪「えぇ…」ドンビキ

提督「いや欲しいって意味じゃねえよ!」

やれやれ。このまま二人の兄弟喧嘩に付き合っててもしょうがない。

北上「んじゃ提督お大事に〜」

提督「おうありがとな、だあっ!ジェットを突きつけるな!」


いいねぇ、気の置けない仲っ言うのかな。

ちょっとだけ、羨ましい。
408 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/26(土) 02:24:18.20 ID:NbWdTm+I0
北上「あり?」

提督室を出てしばらくすると、急に声が聞こえなくなった。

提督ってば意識でも飛ばされたかね。

面白い絵面を期待して猫足でそろりと扉前に戻ってみる。

おや?少し声が聞こえるな。

今やピクリとも動かない耳を扉に押し当てる。
409 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/26(土) 02:26:09.68 ID:NbWdTm+I0
「以上がこの前の資料を合わせた調査報告です」

「で、どう思う」

「無計画なようで周期的。無意味なようで戦略的。まあ充分考えられる話です。愚かなら今の海軍相手にここまで生き残ることは無理でしょう」

「同感だ」

「で、どうします?」

「俺はやる」

「私はやりません。と言っても、他の娘はやるんでしょうね。だから止めませんよ、前に言ったじゃないですか」


バッと扉から身を離し部屋に向かう。

なんかあれ以上聞くとやばそうな気がした。具体的に言うとお前は知りすぎたとかで殺されそうな気が。

しかしあの2人一体どういう関係なんだろうか。

考えるとなんかモヤモヤするのでセミの声で思考をかき消していく。
410 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/08/26(土) 02:32:59.93 ID:NbWdTm+I0
吹雪を出す気はなかったのになんか勝手に行動してる

やっと終わった、E4乙です(難易度的な意味で
道中支援凄い、当たる、当たるけど、来ない
たまらずE5から北上持ってきたけど、次のE5甲が激しく不安
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 02:58:46.98 ID:QilFSwzC0
道中は全員キラが鉄則、それでやっと9割くる
旗艦だけだと六割、つまりきてほしい時にこない
決戦は旗艦のみで九割だけど全員キラついてると命中がとても良いので困り果てた時はキラにすがってみてね
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 10:22:06.05 ID:7A3wFJuH0
更新乙です
E5は個人的にはあぶぅを出してもいいかと思う
E6の戦力は甲でもギミックこなせば道中、決戦いらない+雷巡3で豪華にやれる(先制対潜が2〜3居るとより楽)
輸送はひたすらだるいだけ、水上で行けば甲でもすーいすい
E5は対空改修をしていたかどうかでFマスで差が出ると思う
削りは基地をFに飛ばして制空を確保か拮抗、間違っても優勢にしてはいけない
優勢にすると敵の蝕接が発生して痛い目みるから(被害がでかくなりやすい、実際でかくなった 経験者)
秋月型の出すところでもあると思う
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/02(土) 14:51:04.37 ID:RrlxFuPZ0
まってりゅ
414 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:02:07.66 ID:gRCyU1r30
前回は30じゃなく29だったよ…
415 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:02:48.04 ID:gRCyU1r30
31匹目:猫の歯に蚤


猫が歯で蚤を取ろうとしてもなかなか上手くいかない、という事から、不確実な事、めったに上手くいかないこと、まぐれ当たりの事を指す。

しかしいくら猫でも繰り返していけば上手くなるものだ。

いつまでも無様な醜態を晒しているわけにもいくまい。
416 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:03:21.03 ID:gRCyU1r30
北上「いやー緊張するねこりゃ」

大井「すぐに終わりますよ。初めは体の感覚に違和感を覚えますけれど、じきに慣れます」

北上「おぉ流石に経験者の余裕だね」

工房前。

お互い練度は十分。

改造の日だった。
417 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:04:04.11 ID:gRCyU1r30
提督室にて、

提督「色々と予定にズレはあったが、まご苦労さん。北上は改で晴れて雷巡、大井は改二でパワーアップだ」

北上「うんうん。いいねぇ痺れるねぇ」

大井「ハァァァァァ…ついにこの日が…」

提督「まだ納得してなかったのかよ」

大井「当たり前でしょ!って、まあいいです…北上さんの晴れ舞台を邪魔する気はありませんから」

ダシに使われた。

提督「いいじゃねえか強くなるんだし」

大井「私はあんな露出の多い服を着るキャラじゃありません」

提督「えーカワイイじゃん」

大井「提督の好みなんて知りません!」

素直に喜べばいいのにねぇ。
418 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:04:45.78 ID:gRCyU1r30
まあそんなこんなで工房へやって来たわけだ。

夕張「ハローハローお待ちしておりました〜」

大井「なんですかのそカッコ…」

北上「闇医者の世話になる気は無いよ」

夕張「お、分かってるぅ!ブラックジャックと迷ったんだけどアッチはベタすぎるし用意が面倒なのよね〜」

北上「普通に迎えりゃいいじゃん」

夕張「つまらないじゃん」

そう言いながら頭に嵌めた茶色の紙袋を取る。流石にあの高身長を再現はできなかったようだ。
419 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:05:28.15 ID:gRCyU1r30
夕張「あ、先に言っとくけど結構、いやかなーりあっさり終わるからそんなに構えなくてもいいわよ」

北上「え、ほんと?」

大井「はい。5分くらいで」

ウソだろ!

夕張「殆ど妖精さん任せですからねえ。ひみつ道具でいう小人ばこね。寝てたら終わるわよ」

北上「小人?」
大井「ばこ?」

内容から察するに「小人の靴屋」の小人か?

夕張「次はドラえもんね…」
420 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:05:59.94 ID:gRCyU1r30
夕張「そうそう、そこに座って。あと詳しくは言えないけど目は開けない方がいいと思う」

北上「なにそれこわい」

大井「体に不可はかからないので昼寝でもする感じにリラックスで大丈夫ですよ」

北上「そぉ?」

散髪とかの感覚だろうか。もっとも本や漫画で得た知識なので実際に理髪店に行ったことなどないのだが。

夕張「はいはーい、目ぇつぶってー。では妖精さんよろしくぅ」

何かが、始まった。
421 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:06:42.39 ID:gRCyU1r30
不思議な感覚だった。

自分で自分を見つめているような、自分で自分を触っているような、自分で自分を包み込んでいるような。

あらゆる「自分」を認識する刺激を脳が感じているにも関わらず、同じくらい自分が触れているという感覚がある。

触れているのが自分なのか、触れられているのが自分なのか。

それはさておき何だか妙に気持ちいい。

昼寝、とはいかないまでも脳以外の体の機能を切り離し、リラックスしてみる。
422 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:07:14.00 ID:gRCyU1r30
さてお立会い。衝撃の真実。

私には生前兄弟、兄妹?姉妹、まあ家族のような者がいたらしい。

者というか猫。

はてさてそれは一体誰なのか!

北上(まあ多摩姉ちゃんだよね)

ウミネコさんの言う事を全面的に正しいと仮定すれば。

思えばこれでもかと伏線は貼られていたように思う。

これで多摩姉ちゃんじゃないのならばそれはいささかミスリードが過ぎるというものだ。
423 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:07:40.80 ID:gRCyU1r30
推理小説をいくつか読んだ事がある人には分かると思う。

意外な犯人。奇をてらったトリック。思わぬ真相。そういうのを見たくて本を読む。

でも本当にそうだろうか。

例えば、吹雪の山荘に6人。

被害者1人、探偵1人、容疑者4人。

でもある程度推理小説に触れた事があるなら、当然読み手からしたら容疑者は六人全員だ。

実は殺害されたと思ってた彼女が犯人でした。なんと探偵こそが犯人だった。

それは意外で奇っ怪なオチだし読み手としても満足だが、思わぬ真相ではない。

なんだかんだで読み手は最初の段階で無意識にそれらも犯人たり得ると考えるものだ。

故に本当の意味で予想外な犯人なんてそうそういない。

ある程度決められたルールの範囲内でトリックを組みミスリードを誘う。

ここで実は山の幽霊の仕業でしたって言われても萎えるだけだ。

それで面白いのもあるけどね?
424 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:08:12.71 ID:gRCyU1r30
えーっと、だからつまり何が言いたいんだっけ。

夕張「わっ!」
北上「うわっ!?」

夕張「ありゃ、ホントに寝てた?改造終わりでーす」

北上「え、もう?」

あっという間だ。

大井「北上さん北上さん!どうどうどうですかこの衣装!」

北上「おーー、お?」

大井っちの改二衣装。白い、白くて、

北上「エロいね」
夕張「エロいですね」

大井「はぁぁぁぁぁ……」

隅っこでいじけだした。

北上「ゴメンゴメン冗談だって〜」
425 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:08:50.01 ID:gRCyU1r30
北上「先制雷撃ねえ」

夕張「習うより慣れろ、ね」

北上「大体は分かるよ。よく大井っちの見てたし」

大井「いやん北上さんいつもそんなに私のこと見ていてくれたんですか〜」

北上「うんうん見てた見てた」

夕張「慣れてるわね〜。というわけでこちらが甲標的よ。使ってみる?」

北上「いいの?」

大井「提督から、というか吹雪から許可が降りてるわ。なので!一緒に練習しま「あ〜大井さんはこの後近代化改修なので工房で待機です」あ゛?」

夕張「いやいや、あ゛、じゃないですよ…」

大井「チッ…まあ仕方ないわ」
426 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:09:29.00 ID:gRCyU1r30
夕張「それじゃ北上さんは向こうでアブちゃんと「はあ!?」何ですか!今度は何なんですか!?」

大井「今阿武隈って言いましたよね!なんで私じゃなくてあの娘なんですか!」

北上「そういや阿武隈も雷撃出来るんだっけ」

夕張「そりゃあできるできないで言えばお二人共同じですけど、練度が違うじゃないですか…」

大井「ぐっ…」

大井っちは練度50。

阿武隈はたしか80以上だとか。

大井「すぐに、すぐに、抜いてやるわ…」

怪しげなオーラを出しながら工房に戻っていく大井っち。

夕張「ちなみにこれが提督の狙いです」

北上「マジで?」

夕張「多分」

北上「多分かぁ」
427 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:10:00.63 ID:gRCyU1r30
提督「改造、改二おめでとぉおう!!」パァン

北上「お、おう」
大井「はぁ…」

夜。風呂に入ってご飯も食べた後。提督室に呼ばれた。

前に言ってたお祝いだろうとは分かってたけど、まさかこんなテンションでクラッカーまで鳴らされるとは思わなんだ。

大井「はいはい、今度はどんなお酒ですか」

北上「大井っち冷静だねぇ」

大井「前にも一度あったので」

前にも、つまり大井っちが改造で雷巡になった時か。
428 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:10:30.08 ID:gRCyU1r30
提督「今回のは取っておきだぞ。ほれ」

机の上にどんと置かれた一升瓶は、前に私が見たものとは異なっていた。

北上「それって?」

大井「魔王?」

提督「芋焼酎ってやつだ」

北上「変えたの?」

提督「サプライズになったろ?」

なったけど、それじゃ飲めるか確認した意味ないんじゃ…

大井「それで、どうして今回は芋焼酎を?」

提督「二人にぴったりだと思ってな」

大井「え?」

何故に芋。
429 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:10:58.58 ID:gRCyU1r30
提督「よしみんな、グラスは持ったか?」

大井「あらおいしい。いい意味で芋焼酎って感じがしないわね」

提督「はえーよ!飲むのはえーよ!」

北上「生か〜、流石大井っち。私ゃお湯割りかねぇ」

大井「北上さんなら4:6位で丁度いいと思います」

北上「そお?」

提督「えーい勝手に飲め飲め、おら乾杯」

大井「乾杯」

北上「かんぱ〜い」
430 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:11:26.29 ID:gRCyU1r30
北上「あっ、意外と美味しい」

提督「意外とってなんだ意外とって」

大井「聞かない名前ですけど、何処でこれを?」

提督「ここに来る前にいた鎮守府の近くにな、いや近くってほどじゃないけど。そこの地元の人から送ってもらったんだよ」

北上「へ〜、意外な人脈が。というか提督ってほかの鎮守府に居たんだ」

提督「おうよ。2代目にして二つ目の鎮守府さ」

大井「私はこの鎮守府で生まれたので、提督の以前を知らないんですよね」

北上「ほほう。こりゃいい肴になりそうだね」

提督「そんなに気になるか?」
431 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:11:55.13 ID:gRCyU1r30
北上「そりゃその若さで鎮守府移転って珍しい事じゃん?」

大井「一体どんな問題起こしたんですか…?」

提督「何もしてねえよ。ここの前任者が引退した、それだけだよ」

大井「引退、ですか。珍しいですね」

提督「全くだ」

北上「…提督飲まないの?」

提督「俺これ苦手だわ」

北大「「えぇ…」」

子供か。
432 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:12:27.92 ID:gRCyU1r30
お酒って、なぜ飲むのだろう。

酔う酔わないで言えば私は強いほうだ。

でもあんな苦い、というかなんというか。妙な刺激だけのわけわからん飲み物をわざわざ飲もうとは思わない。

大井「ほ〜ら、まだありますよぉ〜」

提督「バッカおめぇ入れ過ぎだよそりゃよ。割れ割れお湯だお湯」

大井「こんなものお茶ですよお茶あ!」グビ

提督「バッカおめぇバッカお酒はそんな楽しみ方するもんじゃねえんだよ」クイッ

顔真っ赤で底なしの笑顔を浮かべる大井っちと、少し体制がふらつき呂律も回らない提督。

完全に出来上がってる。

北上「元気だね」ボソッ

お湯割りに少し口をつける。
433 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:13:05.30 ID:gRCyU1r30
北上「ついて行かなくてよかったの?」

大井「アレくらいの酔いなら1人で用くらいたせますよぉ。というか、なんで私がついて行かにゃならないんですかあの人に」

北上「それもそうだね〜」

提督室で2人っきり。

しかしあの人ねぇ。いつもと違って随分柔らかい言い方をするじゃあないさ。

大井「ふぅ…」

北上「…」

またか。

改造してから何故か唐突に溜息をつき悲しげな表情をする時がちらほら。

まさかそこまで服の事を気にしてるのか?
434 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:14:49.82 ID:gRCyU1r30
北上「そういや大井っち、夕飯前にどこ行ってたの?」

大井「ああ、えと。明石さんのところへ」

北上「…服は変えられないと思うよ」

大井「へ?…ああ、そうですよね…北上さんこそ。雷撃訓練はどうでしたあ?」

北上「良かったって。目がいいからね私。あとは慣れって言われたよ」

提督「ただいま諸君!」ガチャ

北上「お〜おかえうわっ提督!下下!」

提督「どうしたぁ北上!」

幸いにもフルチンじゃなかったが、パンツ一丁とは…

大井「提督」

提督「なんだぁ!」

大井「お酒に、強くなりましょう」

提督「よしこいぃ!」
435 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:17:56.14 ID:gRCyU1r30
大井っちの特訓によりぶっ潰れた提督をベットに放って私達は部屋に戻った。

大井「いいんですか?提督を介抱しなくて」

なぜ私に聞くのか。

あ、そうか。私をダシに自分も介抱するつもりか。

別に残ってもいいのにさ。

でも、まあ。

北上「いいよいいよ。戻ろ」

なんとなく、阻止してみる。邪魔してみる。なんとなく。
436 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:18:29.81 ID:gRCyU1r30
部屋までの道のりはなんだかいつもより遠く感じられる。

大井っちは全然平気そうだけど、私はちょっとふらつく。

大井「大丈夫ですか?」

そう言って肩を持つ大井っちはすごく嬉しそうだ。なんというか勝ち誇った感じの笑顔。

北上「ただま〜」

流石にみんな寝てるか。

寝支度は終わってるし私達もさっさと寝よう。
437 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:19:07.68 ID:gRCyU1r30
多摩「おかえりにゃ」

大井「多摩姉さん。起きてたんですか」

いつも思うけどこういう時のひそひそ声って寝てても普通に聞こえる音量よね。

多摩「今起きたにゃ。多摩は耳がいいにゃ」

北上「そっか」

耳がいい、ね。

多摩「どうせ酒臭いんだろうにゃ。端で寝るにゃ」

北上「分かってるよ」

大井「ヨシッ」

端、ではなく私の隣という事実に食いつく大井っち。
438 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:19:33.99 ID:gRCyU1r30
大井「おやすみなさい」
北上「おやすみ〜」
多摩「おやすみにゃ」



聞けばいい、聞けばいいんだ。

ひょっとして生前猫だったりしない?なんて。

でも、なんだろうね。

ちょっと怖い。

とはいえいつまでも放置しておくわけにもいくまい。

少し、歩き出さないと。
439 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/03(日) 03:21:49.97 ID:gRCyU1r30
更新、攻略ともに再開

しかしイベントの方はこれもうダメかもわからんね。

E7は丙の予定だし行けそうだが、ルイちゃん掘れるかな…
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 07:32:19.76 ID:gwmGfHOE0
E6は無駄に時間がかかる+堀は戦力ゲージのほうが楽だから先にE7オススメ
E7は丙なら資源枯渇済みじゃなければE6まで突破できた提督に食い破れないとは思えないよ
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 09:11:36.90 ID:zCfASR6SO
北上さまはネコ
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 09:27:34.88 ID:Y7eY1OMI0
更新乙です
E7の丙は楽、だけど今まで準備をきっちりしてた提督ならって感じかな?
グラ子堀の為に丙で割ったけど丙なら護衛退避が出てもボスを昼で落す事は出来る
ルイージは440さんも言ってるがE6の戦力がいい
甲ならボス前マスでザラとポーラのチャンスもあったりするしね
もう少しだけ期間はあるので焦らずに頑張ってください!
主さんの艦隊が勝利と共にあらんことを!
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 18:13:35.84 ID:5v0bt2tao
おつにゃー
444 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/04(月) 03:28:29.66 ID:ZEMrep6Q0
天気、曇り。

この時期には珍しく気温は30度を下回っているらしい。

誰も通らない道路を1人で歩く。

左手には海。右手には草木が。

心地よい風が頬を撫でる。

過ごしやすいのは私だけじゃないのか、蝉たちの声もいつもより元気なように思える。

北上「あ」

と、思わず声が漏れた。

私の視線は、道路の脇に横たわっているそれに釘付けになる。

見てはいけないものを見てしまったような。何か見慣れたものを見たような。不思議な感覚を覚える。


蝉の声が一瞬、止まった気がした。
445 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/04(月) 03:29:06.96 ID:ZEMrep6Q0
腕時計を見る。

予定の時間まであと10分。提督が貸してくれたものだ、ズレているということはあるまい。

早めの行動を心掛けて得た貴重な時間だ。

具体的に何をするかはまったく決まって無かったけれど、何もしないという事だけはしないだろう。

私は少しづつそれに近づいていった。

足取りは軽くも重くもなく、先程と変わらぬ速度で。
446 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/04(月) 03:29:55.40 ID:ZEMrep6Q0
それに私の影が重なった。

不思議な事にそれと私の影は形が違った。

北上「よりにもよって、こんな日にね」

今日はお盆。なんて、そんな事気にするのはこちらの勝手で、この子にはなんの関係もないことなのだけれど。

改めてマジマジとそれを見つめる。

思っていたよりも綺麗だった。

この場合の思っていたはつまり轢かれてグチャグチャになってはいないかという話だ。

そうではないという事は撥ねられたのだろうか。

少しほっとする。

おかしな話だよね。

もうそこにはいない本人ではなく全く関係の無い私がそんな事を思うなんて。
447 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/04(月) 03:30:58.95 ID:ZEMrep6Q0
北上「さてと」

肩にかけていた大井っちから借りたカバンを漁る。

念のためにと大井っちと提督から持たされたあれやこれやが七つ道具もかくやと言った感じに入っている。

実際役に立ちそうだ。

ビニール袋を二つ取り出して手にはめる。

別に艦娘は細菌とかなんやらには強いから問題ないけど普通の人間はそうはいかない。

これから人里に降りるのだしそこら辺は配慮しなきゃ。

北上「人里に降りるって、我ながらどうなんだろうね」

なんとはなく話しかけてしまう。

なんだろうか、この感じは。親近感?だとしたら何処に?
448 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2017/09/04(月) 03:34:48.47 ID:ZEMrep6Q0
そっと、包み込むようにそれを持ち上げる。

暖かくは、なかった。

ビニール越しに伝わってくる感覚はおよそ生命の尊さを宿しているものとは言い難いものだった。

どがつかない程度の田舎だ。まして鎮守府のすぐ近く。舗装された道路以外は自然そのものだ。

道路脇の草むらにそっと死体を置く。

夏色の草木が私の手なんかよりも優しく、広く包み込む。

彼、彼女かな?確率でいえばまあ彼だろう。

その彼は最早人の目の届かない空間に置かれた。

時計を見ると残り時間は五分を切っていた。

貴重な10分は、決して長い時間ではないようだ。

もっとも時間がもういくらかあったとしても、私はこれ以上の事はしなかったろうし、出来なかっただろう。
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