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北上「我輩は猫である」
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449 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/04(月) 03:35:23.35 ID:ZEMrep6Q0
北上「…」
両手にはめたビニール袋を慎重に裏返しながら考える。
こういう時はどう締めればいいのかな。
日本人ならやはり両手を合わせて南無阿弥陀仏?
それで言うと私はキリスト教かもしれないのだが、元。
まあ誰が見ているわけでもないし、そんな事をしても一銭の得にもなるまい。
せっかく会えた、なんて言い方もどうかと思うが、同胞にねぎらいの言葉でもかけてやろう。
北上「お疲れ様」
裏返して外したビニール袋を更にビニール袋で包んでカバンにしまう。
さてそろそろ時間だ。バス停に向かおう。
450 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/04(月) 03:35:50.90 ID:ZEMrep6Q0
北上「それじゃね」
三毛猫の死体は、当然ながら、残念ながら、返事をしなかった。
33匹目:猫に小判
価値のわからない者にそれを与えても何の意味もない、という意味。
豚に真珠もそう。
ところでなんで人は動物に無理難題ふっかけてそれをことわざにするのか。
価値を知らないってそんなの当たり前じゃん。というか分かっても使えないじゃん。
勝手に並べ立てられて比べられる動物の方はいい迷惑だ。
だからこれは、そういった動物達の代表として、私から人類へのささやかな仕返しである。
451 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/04(月) 03:42:17.53 ID:ZEMrep6Q0
しばらくはチョコチョコ更新していきます
E5甲終わり
旗艦リシュ子が30になっちゃったよ
なんというブラック
幸いにも海外艦は実装時にお向かいできているので今回はルイちゃん一点狙いです
明日から掘りながら輸送するだ…
452 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/04(月) 15:32:45.30 ID:Q9emqAIc0
更新乙です
三毛猫は雄の生まれる確率低いから雌の方が可能性高いかなぁ
ペットショップで出ると高級外車のセダン1台分はいくんだよねぇ(遠い目)
ルイ堀は輸送は止めて置いた方がいいと進言
丙でもTP1350だけど輸送の方だと丙はS限定(甲でTP2000という驚愕のTP)
難易度にもよるけどE6はさっくり終わらせて
E7も終わらせた後に戦力ゲージで堀をした方がいいと思う
453 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/04(月) 18:46:03.78 ID:3AVH2uBJ0
乙です。
遺伝子学的には雄の三毛猫は存在しないんだっけか?雄の三毛猫は身体が雄として産まれただけで基本的な遺伝子は雌で生殖機能は無いって聞いたことあるけど。
まぁ雪風なら確率的に雄の三毛猫拾ってきそうとか思ってしまった。
454 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/05(火) 02:09:35.47 ID:xL8gPs6W0
雄雌うっかり間違えた…
雌に脳内変換お願いします
455 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/05(火) 02:10:19.38 ID:xL8gPs6W0
北上「お、きたきた」
毎日海に出ている私達よりもよほど日焼けしている古びたバスが坂を登ってくるのが見える。
予定表の時刻との差は10分。
これ程の正確さで毎日巡回しているとは、交通機関というのは実に素晴らしい。
初めてのバス乗車。大井っちの言いつけ通り確認をとる。
北上「〇〇行きであってますか?」
「ん?合ってる合ってる。ここじゃ他に行くバスは通ってないよ」
運転手のおじちゃんが優しく笑う。
456 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/05(火) 02:11:07.86 ID:xL8gPs6W0
入ってすぐの少しだけ位置の高い席に座る。
うむ、なかなか良い眺めだ。
「お嬢ちゃん、鎮守府の人かい?もしかして艦娘ってやつなのか」
運転中に、しかもバスの運転手が話しかけてきた。そういうものなのか?
いやこの際それはどうでもいい。
問題は鎮守府、つまり軍の関係者にあっさりと話しかけている事だ。
艦娘もいわば国家機密というか、軍の兵器。一般人がおいそれと触れていいものじゃない。
だから私もお忍びという事で変装してきているのだ。
だというのにいきなり艦娘とは。
北上「違いますよ。学生です。〇〇中学の」
「んー聞いたことねえな」
北上「隣の県から来たんですよ」
457 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/05(火) 02:11:57.10 ID:xL8gPs6W0
どうやら艦娘とバレてるわけじゃないようだ。乗ったバス停から適当に言ってみただけなのかな。
確かにあそこは鎮守府を除けば民家は数える程しかない。
北上「兄に会いに来たんです。鎮守府で働いてて」
「おー軍人さんかあ。すごいねぇ」
北上「ええ、まあ」
会話はそこで打ち止めとなった。流石に運転に集中してくれたのだろう。
これ以上聞かれたらどうしようかと思ったがどうにか誤魔化せたようだ。
ちょっとした緊張が切れ、背もたれに体重を預ける。
北上「ありゃ」
ポニーテールを結わえたところが後ろにあたる。
やはり不便だなこれは。慣れないことをするものじゃない。
変装目的なので解くわけにはいかないのだが。
窓を見る。
鎮守府は随分と遠くなっていた。
458 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/05(火) 02:14:13.75 ID:xL8gPs6W0
提督「外に行きたい?」
北上「そ。改造祝と、前の貸しとで。いいでしょ?」
提督「まあそりゃ止める理由は無いけどよ」
大井「でもどうして急に?」
北上「これだよこれ」
大井「えーと…サイン会?」
提督「あーこの本最近話題になってるやつだ。テレビで見たことあるぜ」
北上「私のお気に入りなんだけどね、その作者がここの近くの街でサイン会やるんだって」
大井「それで外に」
提督「なるほどね。理由は把握した」
459 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/05(火) 02:15:08.29 ID:xL8gPs6W0
大井「では提督、今度の日曜にでも私と北上さんで行ってきますね」
北上「え、私1人がいいんだけど」
大井「な゛っ!いやなんですか!私と2人はいやなんですか!?」
提督「落ち着け落ち着け…でも誰かとはともかく北上は外に行くの初めてだろ?1人は流石に危ないだろ」
北上「大井っちは行ったことあるの?」
大井「え、あぁはい。何回かは。服とかは実際に見て買いたいですからね」
提督「行ったことあるなしに関わらず基本は複数人でいくんだよ。何があるかわからないからな」
北上「そっかぁ…」
大井「何かひとりで行きたい理由があるんですか?」
北上「うん、ある」
460 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/05(火) 02:15:39.98 ID:xL8gPs6W0
北上「おっと」
バスが揺れる。
何か石か段差でも乗り越えたらしい。
車内を見るといつの間にか人がチラホラと乗っていた。
「次は〇〇。〇〇です」
メモ帳を確認する。
大分町に近づいてきたようだ。
渡りの景色も人工的なものに変わってきている。
カバンの中のカードを確認する。
私のこれまでの働きに対する報酬が入っているカードだ。
461 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/05(火) 02:16:27.61 ID:xL8gPs6W0
バスがトンネルに入った。
黒い窓に自分の顔が写る。
口元が少し歪んで、ニヤッという音が聞こえそうな顔をしている。
実物の硬貨でないのは少し残念だがまあいいだろう。
そう、これは私の復讐なのだ。仕返しなのだ。
私にはこの小判の価値がわかっている。
誰も知ることはないだろう。
今日を世界で初、猫が小判を使った記念日にしてやるんだ。
他の誰でもない。私が、私だけの力で成し遂げるんだ。
バスがトンネルを抜ける。
北上「おお」
そこには大きな、いや決して大きくはないのかもしれないが、しかし私が衝撃と感動を覚えるには十分な程に活気に溢れる人里があった。
462 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/05(火) 02:19:51.51 ID:xL8gPs6W0
前に近くに図書館があるとか言ってたけど気のせいだな
助言に従いさっさと輸送を終わらせようとしたら、出ました。三回目で、ルイちゃん
平日にチマチマ輸送して土日で綺麗に終われそう
463 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/05(火) 04:55:21.23 ID:E351rPLd0
乙です。
うん気のせいだな、うっかり図書館があるとか勘違いするのはよくある事さ。
464 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/05(火) 14:22:35.63 ID:Fenb7uzv0
ルイおめおめ
465 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/05(火) 19:07:58.06 ID:BIZvVjmC0
更新乙です
ルイジは驚きの3変化
最後の伊504になると白スクなんだ
何で複数持ちを最初から解禁してくれなんだか.....
あっ、谷風と同じで中破注意なのでお気をつけくだされ
466 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/08(金) 00:07:23.95 ID:i364u23F0
おつ
北上と吹雪が実際提督をどう思っているのか……
467 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/09(土) 03:15:43.63 ID:3MbIRneq0
北上「変、じゃないよね?」
終点。なんでも新幹線も通っているという一番大きな駅で降りる。
周りには鎮守府の何倍も大きな建物が立ち並んでいる。
駅の建物にある服やカバンが飾られているケースの前に行き、自分の姿を映す。
ポニーテールにセーラー服、学校指定といった感じのカバン。
「それでさー思わず買っちゃったんだあ」
「えーマジで?」
ガラスに、私の後ろを通る2人の女子学生が映る。恐らく中学生だろう。
北上「うん、違和感なし」
私も傍から見れば中学生に相違ないだろう。
話し相手がいないのは少々寂しいが、目的のためには仕方ない。
サイン会まではまだ時間がある。
今日はこのカバンに教科書の変わりに本を詰めて帰るんだ。
さて、本屋はどことどこにあるのだっけな。
468 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/09(土) 03:16:20.55 ID:3MbIRneq0
北上「変装?」
提督「そそ。ほら、お前ら顔割れてるだろ?」
北上「まあクローンみたいなものだしねぇ」
基本的に一般人と接触する機会はないが、大都市なんかじゃパフォーマンスとして人々の前に出ることもあるらしい。
何せ北上というだけで皆顔が同じなのだ。どこかの北上がそうやって人々の前に出た時点で私の顔も割ることになる。
大井「だから変装するんですよ」
北上「いやでもそんなルパンみたいな事簡単にできるものなの?」
それとも何か変装用の装備とかあるのかな。
469 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/09(土) 03:17:09.15 ID:3MbIRneq0
提督「そう難しい事はしねえよ。確かに顔は割れている。でも皆、艦娘ってのはあの服を着てあの装備をしてあの髪型をしてって固定されたイメージしかもってない」
大井「私達も基本的には人間と何ら変わらないんですから、少し工夫すれば変装としては十分なんですよ」
北上「工夫?」
北上「工夫ねえ」
読んでいた本を棚に戻す。
これは自論だが読むかどうかは粗筋や評判、作者などで決まるがその場でこれを買おう!となる本は大抵最初の3ページで決まる。
とまあそれはどうでもいいんだけど。
隣の棚に移動するとそこは漫画コーナーだった。
学校帰りの男子学生が3人立ち読みをしていた。
面白いものだ。普段は戦場で血に濡れている私達が、こうも簡単に日常に溶け込めるとは。
470 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/09(土) 03:17:53.06 ID:3MbIRneq0
髪型も服装も大井っちから借りた。
球磨型で外に出る時は皆で同じ制服を着ていくらしい。
重巡や戦艦などとなるともっと大人な服装をするとか。
興味はなかったのでスルーしたけど。
というか話を聞く限りお洒落をして街に出る人はそこそこいるようだがホントに大丈夫なのかな、それ。
今こうして本を立ち読みしている時でさえいきなり「お前艦娘だな」とか黒服のやばそうな巨漢に話しかけられやしないかとビクビクなのだが。
変装の意味もその効果もよくわかっているけれど、そんな芸能人みたいな話と国の極秘情報を一緒にしないでもらいたい。
471 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/09(土) 03:18:48.90 ID:3MbIRneq0
北上「よし」
買えた。
カバンに文庫本11冊+サイン付き単行本1冊。
本来教科書やらがギッシリ詰められ毎日通学時にウンザリさせられるであろうその重さは、今の私にとってイコール幸せと言っても過言ではない。
迷いに迷ったがその場で買うか否か決めるというのは中々機会が無さそうなので今回は文庫本で質より量作戦をとった。
猫の初めての買い物が文庫本11冊というのは如何なものかと思わなくもないけれど。
加えて言うとそれをカードで払いほぼ空っぽのカバンに詰めて帰る中学生を見る定員の顔が今日一番の思い出かもしれなかった。
しかしこのカードどうなってるんだろう?
個人情報とかあるんだろうし私のことバレるんじゃ…偽造カード?それはマズイか。
世の中案外ガバガバという事なのだろうか。
さて、では帰ろう。
472 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/09(土) 03:20:29.96 ID:3MbIRneq0
攻略も更新もままならん
ルイちゃんは改が良い。この子もいつか書きたいな
473 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/09(土) 10:46:05.02 ID:7NnTGDs/0
おつおつ
474 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/09(土) 13:42:21.44 ID:P2YFNkObo
おつなのー
475 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/09(土) 14:12:55.36 ID:630WyN9t0
北上「あ、そろそろかな」
帰らなきゃ、と思ったのは本屋を出てさあ帰ろうと言ってからかなり経ってからだ。
辺りに鳴り響くこの良い子は帰ろう的な放送がなければさらに遅くなっていたことだろう。
そういやこの曲なんて題名なんだろう。
多分知らない人はいないレベルで有名なんだと思うけど、カラス何故鳴くのってとこ以外正直知らない。
カラスの子とかでいいか。
読みかけの本に栞を挟んでしまい、席を立つ。
久々の過ごしやすい気候に思わず公園のベンチでの読書というなんだか洒落た行動をとってみたけど、これは大当たりだった。
陽の光と潮を感じないそよ風は私を日常から切り離してこうした非日常を感じさせるのに十二分な効果があった。
476 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/09(土) 14:13:56.99 ID:630WyN9t0
公園前のバス停に丁度バスが停車する。
急ぎ足で乗車口に向かうと前に若い男性の会社員と女子、高校生かな?がいた。
彼ら、彼女らは帰るべき場所に帰るのだろう。
日常から日常へ。
居るべき場所に。
ICカードを読み込むピッという音が2回。
私も同じようにステップに足をかける。
でも、私は違う。
非日常から日常へ帰る。
忌むべき場所に。
小銭の落下音が妙に耳に残った。
477 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/09(土) 14:14:33.94 ID:630WyN9t0
窓から外を見るとちょうど日が沈むところだった。
茜色。
茜って響きなんかいいよね、私は好き。
ふと最近読んだ本を思い出した。
確かに映画の小説版。
そこに書いてあった。
夕暮れ時。昼と夜が入れ替わる。暗いのでもなく明るいのでもない。
明るくなくなる、暗くなる。ぼやけて移ろいであやふやになる。
境界が揺らぐ。
すぐ近くにいる相手の顔が見えなくなる。
アナタは誰?
彼は誰?
誰ぞ彼
黄昏時。
日本語って適当なもんだ。
478 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/09(土) 14:15:20.96 ID:630WyN9t0
北上「君は誰?」
バスの窓に映る黒い影に問う。
この人の形をした影は、果たしてなんなのだろうか。
元々艦娘も人と船があやふやに有耶無耶にくっついている存在だ。
私なんかは輪をかけてあやふやだ。
そういやみんなはこの戦争についてどう思っているのだろう。
私は忌むべき場所と言ったが、あそここそ艦娘にとって居るべき場所のはずでは?
「〇〇〇〜」
バスが停車し、人が降りる。もう残りは私だけのようだ。
な〜におセンチになってるんだか。一人旅は思いの外堪えたらしい。
次はみんなで来よう。変にいじはらず寂しいと擦り寄ればいいのだ。
北上「ふ、あぁ〜」
ねむ…
479 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/09(土) 14:16:30.62 ID:630WyN9t0
私は古い民家に囲まれた路地に一人立っていた。
北上「あれ?」
いやおかしくない?それ。
帰路についたんだし鎮守府に着いていて然るべきなのでは?
だというのに私は日が沈み真っ暗になった田舎の路地に一つだけポツンと立っている街灯の下に、同じくポツンと立っている。
不思議な事に周りの家々はこんな時間だというのに灯りの一つも灯っていない。
ふむ、なんだろう。夢か?
こういう時猫ならば暗闇だろうと自由に動けるのだが今はそうはいかない。
光源ゼロでウロウロしたらどうなるか。
猫と人間の体を自由に変えられたらなあとくだらない現実逃避を始めたあたりで、遠くからドォンと音がした。
480 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/09(土) 21:28:41.41 ID:nDN/0agY0
更新乙です
ルイの字、改の状態だと夜戦できんのじゃなかったっけ?
あの娘かなり特殊な潜水艦だった気がする
伊504まで改造してドラム缶積んだら東急2に出せるとも聞いた
481 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/10(日) 04:31:20.63 ID:CxjiehoL0
最初は砲撃音かと思い身構えたがそれが同じところからリズムを取りつつ激しさを増して聞こえてきたあたりでようやく太鼓の音だと気づいた。
太鼓ねえ。
何にせよ太鼓の音がするということはそれを叩く者が少なくとも1名はいるはずだ。ならばそこに向かうとしよう。
ようやく闇に慣れてきた目を必死に使い、少々急ぎ足で音の方向へ向かう。
路地を抜け音の方を見て、理解した。
北上「おお」
それほど大きくもない山に光の列が見える。恐らく階段に提灯か何かが飾られているのだろう。
太鼓の音とともに次第に人の気配も大きくなっていく。
つまりこれは
北上「お祭りか」
482 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/10(日) 04:32:26.99 ID:CxjiehoL0
ボンヤリと暖かい光に包まれた石段を登っていくと華やかに飾られた鳥居が見えてきた。
鳥居ってあんなにごちゃごちゃと着飾ってもいいものなのかな。クリスマスツリーじゃあるまいし。
しかし鳥居があるということはここは神社か。名前は山の入口の石に掘ってあったがとても読める状態じゃなかった。
鳥居を潜るとそこはもうこの世のものではないような光景が広がっていた。
それほど広くもないであろう境内に所狭しと屋台が並んでいる。
人も芋洗い状態だ。
その慣れない雰囲気に一瞬面食らったが、すぐに好奇心に背中を押され人の波に流されていった。
483 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/10(日) 04:33:17.22 ID:CxjiehoL0
北上「はあ…」
やられた。いやまあ客観的に言って完全に私が悪いのだが、それでも私はしてやられたと言おう。
当然ながら、残念ながら、祭りでカードは使えない。
さて何を買おうと小銭を用意しようとした時に気がついた。
何たることか。折角の貴重な機会だというのに猫が小判を忘れるとは。
祭りの流れから出た私にはこうして神社の建物に腰掛けて項垂れることしか出来なかった。
そういや夕張が「神社の裏ってもうそれだけでなんか変な想像しちゃうよね」とか言ってたけど、あれどういう意味だったんだろ。
確かに少し不気味な感じはするけれど、丁度暇だし覗いてみようか。
484 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/10(日) 04:33:49.44 ID:CxjiehoL0
重たい体を持ち上げ建物、本殿って言うんだっけな、を時計回りで裏に回ろうとした時だった。
「また会ったねお嬢さん」
北上「ん?」
声がした。
しかし後ろを振り向いても誰もいない。
「下だよ下」
下?足元には何も無い。いやまさか。
本殿の下、縁の下を見る。
三毛猫「お困りの様だし力を貸そう」
そこには不思議な縁があった。
33+1匹目:三毛猫ラビリンス
485 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/10(日) 04:36:28.82 ID:CxjiehoL0
ルイ改のあの服が、いい
E6甲了。長いね。何運んでたんだろうね。パスタかね
E7は、丙なら、丙なら1日で終わるはず…
486 :
全治全能の未来を予言するイケメン金髪須賀京太郎様に純潔を捧げる
[sage saga]:2017/09/10(日) 05:49:58.85 ID:+aRuX2lM0
丙イベント諦めました2020年三笠イベントに向けてキラ付けしますね
487 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/10(日) 06:54:34.69 ID:47X07j+r0
乙です。
丙ならまだ一日半あるからギミック解除すれば大丈夫。
488 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/10(日) 07:42:19.01 ID:6xRG2aOq0
理不尽雷撃が少しでも当たらないように第二は余ってる伊良子でキラ付しとくと更に回数少なくて済むはず
丙なら航空隊はボス1ボス前1空母BBA1で到達優先でいい
余程の不運体質じゃなければちゃんと出撃し続けりゃ終わるはず
489 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/10(日) 08:43:30.51 ID:yaZjU5Ow0
更新乙です
丙は各1.5万あれば終わる
基地は488さんの言う割り振りで問題なし
戦力、装備整ってれば昼戦で終わるのでまたーり頑張って下さい
490 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/11(月) 01:55:14.24 ID:XYDud+hv0
知恵なら貸すからクリアに専念しとくれ
491 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/11(月) 01:55:49.18 ID:XYDud+hv0
sage失敗
492 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/12(火) 03:24:43.21 ID:dtojEZ7a0
先程と同じく本殿に座る。
先程と違うのは隣に話し相手がいることだ。
三毛猫「僕も祭りに参加したいのだが、この体ではどうしようもなくてな」
北上「そりゃあ猫だもんね」
三毛猫「そこでだ。お前に僕を運んでほしいんだ。その代わりに僕がここを案内しよう」
北上「知ってるの?」
三毛猫「お前よりは」
北上「私は北上っていうんだ」
三毛猫「そうか。僕は、野良だからな。名前はない」
北上「じゃあホームズはどう?ミーコでもいいけど」
三毛猫「…ならばホームズだ」
493 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/12(火) 03:25:31.37 ID:dtojEZ7a0
北上「でもさ、私お金持ってないんだ。案内されてもさ」
ホームズ「知ってるさ。なあに、ここは任せろ、心配するな」
北上「はあ…」
この妙な自信はどこから来るのか。
とりあえず私は三毛猫ホームズを抱えて祭りの流れに戻った。
ホームズ「そうだな、アレだ。アレが飲みたい。行くぞ!」
北上「はいはい、って行くの私なんだけどな〜」
アレとは。え、お酒?
北上「酒って…」
ホームズ「人間の食べ物は猫にはきついからな。これなら大丈夫だ」
北上「酒も人間の飲み物だよ」
もしくは神の。
494 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/12(火) 03:26:05.35 ID:dtojEZ7a0
北上「で、どうやってお金を用意するの?盗むとか言わないよね」
ホームズ「そんな事はしない。簡単な事さ、1杯下さいと言えばいい」
北上「ええ?」
くださいって…なんかもうめんどくなってきた。
北上「1杯くださいな〜」
「はいよ〜」
貰えた。コップに1杯並々と。
屋台のおばちゃんを見る。
柔らかい笑顔でこちらを見ている。
抱えたホームズを見る。
ホームズ「ふっ」
うわ凄いドヤ顔。
495 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/12(火) 03:29:38.19 ID:dtojEZ7a0
北上「結構貰ってきちゃったね」
ホームズ「残さず食べるなら問題ないさ。さて、一緒に食べよう」
最初の本殿に戻って戦利品を広げる。
饅頭に煎餅にようかんに型菓子エトセトラエトセトラ。
素晴らしく祭りらしくないラインナップだな。
ホームズ「ふむ、悪くないな。うん」
三毛猫の方はピチャピチャとお酒を飲んでいる。いける口らしい。何故だ。
北上「タダってなんか気が引けるな〜」
ホームズ「構うな。どうせ彼らも貰い物なんだ」
貰い物?どういう事だ。まあいいか。
北上「それじゃ私も」
これは…東京バナナ?東京ってバナナを栽培していたのか。知らなかった。
しかしなんてネーミングセンスだ。いやそれを言ったら夕張メロンもそうか。
北上「はむ」
ん〜…
バナナ、の味?
496 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/12(火) 03:30:23.41 ID:dtojEZ7a0
北上「なんだか変わったお祭りだね」
ホームズ「そうだな。変わったと言うならお前から見てこれほど奇妙な祭りはないだろう」
北上「あとなんかさ、年寄り臭いよね」
食べ物も飲み物もジジ臭いというかババ臭いというかさ。
唯一あったオモチャがこのキュウリに棒を刺した謎の物体だ。
ホームズ「若い者もいないわけではない。居るべきではないのだがな」
よく見れば1人2人くらいは確かに若者もいるようだ。
なんという高齢祭りだ。
ホームズ「…」
497 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/12(火) 03:34:40.45 ID:dtojEZ7a0
イベントは無事終わりました。ホントに昼でアッサリ終わるんだね…
とはいえ鶴姉妹や長門以上の戦艦もいないので乙甲は断念。嫁の記念写真があればいいのよ
ロイヤルのお姉さまも欧州棲姫もかっこよすぎ。いつか書きたい
498 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/12(火) 07:34:54.43 ID:gxMXP0iG0
更新お疲れ様
そして、完走乙です
戦力的に1さんかなりの新米提督なのかしら?
今後を考えられるのでしたら次回イベントまでに鶴姉妹と長門型は揃えられるといいですよ
大規模は年1位なので次回の秋はよくて中規模だと思うので告知から備蓄するとして
自然回復圏内で大型回されるといいかも、大型のハズレ枠で鶴姉妹は出やすいから、
大和型は育成に資材が掛かるから初心者向けじゃねぇわあれww
マップを開放しているなら補給艦つぶしを兼ねた5-4を一日3回、これだけでも月に1〜2は翔鶴型みかけますよー
499 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/12(火) 08:04:10.63 ID:gIzY513DO
北上さん、それ食べたら帰れなくなるのでは……
500 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/12(火) 08:10:24.08 ID:mBo5TXbgo
きゅうりに棒を刺したおもちゃ…あっ…
501 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/12(火) 10:10:26.83 ID:JDZ3Rd6W0
一気に夏目友人帳的な世界に迷い込んでしまった、あれ雰囲気いいね
完走おめだよ
502 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/13(水) 03:22:33.95 ID:hOWSotFH0
太鼓が激しくなってきた。
北上「おお。いよいよ大詰めだね」
ホームズ「そうだね」
北上「あの太鼓の乗ってる台。お神輿なんだね。初めて見たよ」
ホームズ「そうだね」
北上「キレイだねえ」
ホームズ「…お前はまだ夢を見ているつもりなのか?」
北上「夢?なんで急に」
ホームズ「…僕の事を覚えていないのか?」
北上「えと、ホームズでしょ?」
ホームズ「ああそうだ」
北上「だよね」
ホームズ「そうだ。今朝会った、三毛猫だ」
ん、今朝?
503 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/13(水) 03:23:09.82 ID:hOWSotFH0
急にきゅうりがモ〜と鳴いたかと思うと祭りの流れに向けて歩き出した。
ホームズ「いよいよ大詰めだよ」
神輿が持ち上げられ、屋台の間を不規則に揺れていた人の波が一斉に同じ方向を向く。
1歩1歩ゆっくりと、鳥居へ向かってゆく。
北上「みんな、どこへ行くの?」
ホームズ「帰るのさ」
北上「家に?」
ホームズ「家にはもう帰った後だよ」
北上「…」
ホームズ「帰るっていうのは、あの世にさ」
急に辺が暗くなった。
504 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/13(水) 03:23:37.44 ID:hOWSotFH0
ホームズ「お前は、艦娘というヤツみたいだな」
うん。
ホームズ「だがそれだけではないだろ?僕がお前を見つけられたのはそれが原因のはずだ」
猫、だったんだ。昔ね。
ホームズ「昔、か。なるほど。そういう事もあるのか。面白いな」
艦娘を知ってるの?
ホームズ「知ってはいないがお前と出会ってどんなものかは理解したよ。お前達は魂ではなく思い出を宿してるんだ。だから本来僕らには関わらないはずなんだ」
僕ら。
ホームズ「そう。だけどお前には魂があった。それも少々特殊なね」
そうかも。
505 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/13(水) 03:24:16.09 ID:hOWSotFH0
ホームズ「お前は、僕達に近い存在なのかもな」
近い、ねぇ。
ホームズ君はどうしてここに?
ホームズ「不運にもこんな日に事故に遭ってしまったのさ。もっともホントに不運だとは思っていないが」
あの流れには混ざらないの?
ホームズ「言ったろ?アレは帰る人達だと。僕は帰るんじゃないし、人でもないから」
迷い猫か。
ホームズ「それはお前にこそふさわしい」
はは、そりゃそうか。
506 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/13(水) 03:24:48.57 ID:hOWSotFH0
お盆も終わりか。
ホームズ「覆水盆に返らずと言うけれど、こうしてお盆には帰ってくるのだから面白い」
お、その言い回しいいね。
ホームズ「そうかい?」
でも結局、残された人から見れば帰ってきたかなんてわからないんだよね。
ホームズ「だからこそ覆水盆に返らず、さ」
零れた水は戻らない。
取り返しなんてつかない。
507 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/13(水) 03:29:13.23 ID:hOWSotFH0
祭りの波はもう半分以上が鳥居をくぐり上へ登っていっていた。
石段ではない階段を、上へ。
私の目に映るそれに先程の華やかさはなく、まるでぼんやりとしか覚えていない昔の記憶のような虚ろとなっていた。
ホームズ「さてと。僕もやるべき事をやろう」
北上「何かあるの?」
ホームズ「猫の恩返しというやつさ」
恩返しか。
そういえば私は恩を返せていないんだよね。
私を抱いてくれた毛むくじゃらの腕を思い出す。
麦畑よりも輝いていたあの金髪を思い浮かべる。
そう、丁度あんな感じの。
北上「あれ?」
ホームズ「どうした」
北上「いや、あそこに今」
懐かしい匂いを感じた。
508 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/13(水) 03:30:48.89 ID:hOWSotFH0
祭りの最後尾。
そこに確かにいた。
私は四本の足で駆け出していた。
「行くな!!」
あの金髪を目指して。
あの腕を目標にして。
あの記憶を頼りにして。
私も、そこに行きたい!
ボヤけていた視界がハッキリしてきた。
だが私の目に映ったのは、長い金髪の女性と毛むくじゃらの腕の大男の、2人だった。
509 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/13(水) 03:31:26.50 ID:hOWSotFH0
第二次サラトガ白黒戦争勃発
510 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/13(水) 08:46:50.57 ID:keZ1cuHK0
更新乙さまです
2人もちで解決、なんら問題はないです
511 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/13(水) 12:28:39.67 ID:CYQxBm/H0
あかーん!
はぐれてた自分の愛猫を抱っこしてあの世に連れ帰っちゃう流れだこれ
多摩ねーちゃん助けて!
512 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/14(木) 02:15:16.56 ID:4oCXpnXN0
え?
今にも鳥居を潜らんとするその2人に、後少しで追いつくところで私は一瞬怯んだ。
なんで2人?
「うらあぁぁぁ!!」
その一瞬に首根っこを銜えられた私は彼と2匹で鳥居を潜り、石段を転げ落ちていった。
1人、ではない。2人が離れていく。
分からない。
でも確かに私は2人を知っているように思えた。
513 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/14(木) 02:15:55.27 ID:4oCXpnXN0
北上「…ありがと」
石段の一番下で私は仰向けに倒れている。
ホームズ「お礼を言われるとは、正直思わなかったよ」
猫様の方はちゃっかり私の上に着地している。このやろう。
北上「ありがと…」
ホームズ「言っただろ。猫の恩返しって」
北上「ふふ。迷い猫オーバーランだね」
ホームズ「なんだいそれは?」
北上「君が知らないものだよ」
ホームズ「どうやらそのようだ」
ホームズ越しに鳥居の方を見上げる。
そこには先程の喧騒が嘘のように静まり返った暗い山があるだけだった。
514 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/14(木) 02:16:23.05 ID:4oCXpnXN0
北上「これからどうするの?」
ホームズ「お前はこの道を真っ直ぐ進むといい。そこまでは僕が送ろう。でもその先はお前次第だ」
北上「ホームズは、どうするのさ」
ホームズ「僕が何処へゆくかは、君自身で確かめてくれ。なあに焦る必要は無いさ。いずれその時は訪れる」
北上「そっか」
ホームズ「では行こう。あまり長居する場所ではない」
北上「うん」
ホームズ「立てるかい?」
北上「大丈夫だよっと」
私は、二本の足で立ち上がった。
515 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/14(木) 02:17:45.78 ID:4oCXpnXN0
北上「もう会えない?」
ホームズ「実際のところ、僕らは会ってすらいないからね」
北上「それもそうだ」
ホームズ「色々とイレギュラーだっただけさ」
北上「お墓でも作ろっか?」
ホームズ「よしてくれ。死んだ後まで場所を取りたくはない」
北上「世の中歴史的建造物になるような墓を立てる人もいるんだよ」
ホームズ「そいつらはきっと生きているという感覚が麻痺しているんだろう」
北上「君にとって生きているという事とは?」
ホームズ「そうだな。それで言うなら、僕今生きているのかもしれない」
北上「生きているんだ」
ホームズ「死に意味は無い。だから君がまだ生きている。また生きているのにはきっと意味があるよ」
北上「哲学的だなあ」
ホームズが足を止めた。
私は止まらなかった。
別れの言葉はない。
だからつまり、私達は実際のところ別れてはないのかもしれない。
516 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/14(木) 02:18:16.05 ID:4oCXpnXN0
谷風「また随分と奇妙な体験をしたものだねえ。そういう期待はあったとはいえ、これはあまりにも予想外だよ。ほいで今回の件に関する感想を一言欲しいんだけど」
北上「痛い」
谷風「どこが?」
北上「耳が」
帰るなり提督と大井っちに大声で色々と言われた。心配しただの何があっただの。
私は特に何も答えなかった。
2人の方も答えを期待していたわけではなく、単にそれまでの心配が爆発してそれを私で発散したというだけのようだ。
これに関しては私に原因があるので甘んじて受け止めた。
517 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/14(木) 02:18:46.08 ID:4oCXpnXN0
吹雪曰くもう少しで提督としての権限を限界以上に行使してあらゆる手段で私の捜索に出るところだったとか。
物凄い呆れ顔で語る秘書官殿からは苦労が滲み出ていた。
吹雪の事を問題児と提督は言っていたが、どうやらお互い様という事らしい。
ちなみに、ここまで聞くと私が数時間ほど帰るのが遅くなったかのように思えるかもしれないけど、実際のところ遅れたのはバス1本分。
はっきり言って過保護なバカ親が2人も騒いでいただけというのが正しい。
そう。気づいたら私は1本後のバスに乗っていた。
普通に降りて、普通に鎮守府に戻り、普通にお小言を大声で聞かされ、普通にご飯を食べて、こうして普通に夜の屋根上で真っ黒な空を見上げているだけだ。
518 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/14(木) 02:20:01.75 ID:4oCXpnXN0
谷風「私達はとても人に近いけど、裏を返せば決定的に人と違うという事になる。ホームズ君も言っていたんだろ?そりゃあその通りだろうね。
私達は所謂八百万の神。付喪神というやつだ。船に込められた想いや思い出を模倣し人の形にしたものだ。
それはどこまでも模倣でしかなくコピーにしかなれなく贋作としか生きられない。
でもそれって本物とどう違う?三つ子の魂百までとはよく言ったものだよね。
人の心とはそれまで出来事や出会い、周りの事象や人間から少しずつ寄せ集めて出来るものだ。子供なら家族。少年なら友達や先生。まあ大体そこらで人格は出来上がるかね。
一方私達はどうだい?思い出の寄せ集め。様々な思いの集合体。それは人とどう違う?
それにクローン的な存在とはいえ私達はその環境において様々な個性を会得するじゃあないか。
確かに世の中にはたくさんの谷風(わたし)がいるだろう。私と寸分違わぬ谷風が。でも住む鎮守府は違う。提督を主軸に鎮守府事に様々な個性がある。
私達にも個性がある」
519 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/14(木) 02:20:48.03 ID:4oCXpnXN0
谷風「人の模倣でコピーで贋作だが人とそう相違はなく、でもやはり決定的に違う。
それは繋がりだ、と私は考えるね。
魂とは繋がりだ。
親兄弟、親の親、親の親の親。血ではなく連なる思いの問題だ。
艦娘にそれはない。思い出は残るが続かない。思いはその時点で繋がらないんだ。
だからこそ君が出会ったそれは君の魂、猫の魂が間違いなく繋げた何がだろう。
私はそう考えるね」
北上「…これ以上私に長いセリフを聞かせないで。ホントに耳が死にそう」
谷風「かぁーなっさけない。耳耳ってどんだけ敏感なのさ。猫かってんだ」
北上「だから猫なんだってば。元ね」
谷風「そういやそうか」
北上「そうだよ」
520 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/14(木) 02:21:18.60 ID:4oCXpnXN0
谷風「今夜は、三日月のはずなんだけどね。生憎の曇り空だ。こうも暗いと慣れ親しんだ鎮守府もなんだか不気味に見えちまうねぇ」
北上「いつだってここは変わらないよ。人が変わるんだ」
谷風「およ?なんだか含みのある言い方だねえ」
北上「別に大した意味は無いよ」
谷風「そうかい。でもそのセリフに則って言うなら、君は変わったよ。今日を境に」
北上「かもね」
谷風「その2人組が気になるのかい」
北上「うん…」
谷風「安易に考えれば既に君の飼い主は覆水となっている、となるね」
北上「だとしても妙だよ。ここは日本だし。見た目も少し違った。あの女の人を私は知らないよ」
谷風「でも知っていた。そうだろう?」
北上「まあ、ね」
521 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/14(木) 02:21:52.87 ID:4oCXpnXN0
北上「でも一つわかった事があるんだ」
谷風「ほうほう。そいつは?」
北上「今までなんとなく探してたけど、これからは違う。前に言ってたじゃん。こうして生まれ変わったのには意味があるって。だから私は私の恩人たる飼い主を探す。探して恩返しする」
谷風「猫の恩返しかあ。ベタだけど、それってつまり素敵って事だよね」
北上「どうだろうね。でもこうして日本にいる意味は、やっぱりちゃんとあるんだと思う」
谷風「そうかい。まっ、頑張る事だね。ちなみにだけどさ、参考までにその2人ってどんな見た目だったんだい?」
北上「内緒。これは私の問題だもん」
谷風「そりゃ残念。でも相談にはいつでも乗るからね」
北上「ありがと」
谷風「どうも〜」
522 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/14(木) 02:22:39.17 ID:4oCXpnXN0
北上「あ、それなら早速相談が」
谷風「早速過ぎるね。いいよ、なんだい?」
北上「お墓に添える花って何がいいかな」
谷風「お墓?いったい誰のだい」
北上「会ったこともない友達に」
谷風「…なら、花じゃないけどエノコログサなんていいんじゃないかな」
北上「あ〜。ははっ、そりゃいいね」
523 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/14(木) 02:24:31.07 ID:4oCXpnXN0
艦娘ってこういう雰囲気の話合うよね。この手のSSもっと増えて
524 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/14(木) 05:09:09.88 ID:Tkb2hNjc0
乙です。
増やしたいがいささか苦手な書き方だな、他の人に期待しよう。
525 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/14(木) 07:54:47.35 ID:b+1+hMFlo
乙
素晴らしい
526 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/14(木) 21:23:19.10 ID:EHQUjcVB0
唯一の心配は重い方向に舵を切ったら纏まらなくなってしまった前作の轍を踏まないかだ
527 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/15(金) 23:32:41.67 ID:WJCAiSZV0
おつ
528 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/18(月) 00:05:36.56 ID:61oqffctO
面白かった、ここまで一気読みしちゃったんだけどこの作者さんの過去作あったら教えてほしい
529 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:09:55.64 ID:i3ZTT8gu0
36匹目:猫なで声
北上「ね?お願い球磨ね〜ちゃん」
球磨「…ダメクマ」
北上「ちっ」
多摩「諦め早いにゃ」
北上「球磨姉一度ダメって言ったら絶対変えないじゃん」
球磨「球磨をそんな意見をコロコロ変える様な軟弱者と一緒にするなクマ」
北上「柔軟な対応ができないとも言う」
球磨「うるせークマ。無理なものは無理クマ」
多摩「こればっかりは北上が悪いにゃ」
北上「えー多摩姉ちゃんまで…」
530 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:10:42.15 ID:i3ZTT8gu0
北上「お願い多摩えも〜ん。あのジャイアントパンダにガツンと言ってやってよ〜」
多摩「何うまい事言ってんだにゃ。そんな猫なで声出してもダメにゃ」
球磨「借りてくりゃいいのに何でそんなに買うんだクマ」
北上「手元に欲しいものってあるじゃん」
球磨「自分のキャパシティを超えて買う方が悪いクマ」
多摩「とりあえず
その本をどけるにゃ」
北上「いや他に置く場所ないから本棚置かせてって言ってるんだよ」
球磨「これ以上この部屋狭く出来るわけないクマ!」
北上「そこはほら〜共有すべき知的財産として」
多摩「半分近く外国語にゃ…」
北上「だってそういうの貴重なんだもん」
球磨「読ませる気ないクマ…」
531 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:11:13.67 ID:i3ZTT8gu0
北上「お〜ね〜が〜〜い球磨姉さまぁ」
球磨「まったく。都合のいい時だけそうやって、そんなとこまで猫っぽくなくていいクマ」
ううむ、人間の体では猫なで声の効果は半減か。そりゃそうか。
しかし部屋が狭いのは事実だ。
何せ元々四人部屋のところに五人いるのだから。
532 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:11:59.20 ID:i3ZTT8gu0
鎮守府の部屋の大きさは全部屋同じ。違うのは部屋に寝泊まりしている人数。
駆逐艦は6。毎日が修学旅行状態。半端な数なので姉妹艦で綺麗に別れないため、寝る時は日毎に部屋のメンバーを変えているらしい。マジ修学旅行。
軽巡3~4。5なウチはちょっと特殊。逆に3は広い。
重巡は4。軽空母も。
正規空母、戦艦となると二人部屋だったり二部屋ぶち抜いて四人部屋だったり。
大まかにいえばこんな感じ。
533 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:13:04.41 ID:i3ZTT8gu0
多摩「とりあえずいくつか手放すしかないにゃ」
北上「そんな!」
球磨「取捨選択クマ。何かを得るには何かを失う必要があるクマ」
北上「むむ…」
しかしこの部屋をこれ以上圧縮出来ないのも事実。
はてさて
北上「どうしたものか」
日向「どうしたとはどうした?」
北上「いやちょっと深刻な悩みが」
提督と球磨型を除けば実はこの鎮守府でもっとも古い付き合いである日向さん。
要するに読書仲間である。
534 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:13:57.91 ID:i3ZTT8gu0
日向「なるほどな。コレクターにおける最大の悩みはその収納場所である、と言うやつだな」
お昼前に倉庫にいた日向さんに話を聞いてみた。
北上「誰の言葉ですかそれ」
日向「さあ。でもどこかの偉人が何か言ってそうな感じはしないか?」
北上「確かに」
日向「まあそれはともかくとしてだ。本の収納に関しては私も他人事ではいられないな」
北上「日向さんも?」
この人は2人で一つの部屋を使ってるからスペースはそれなりに確保出来てるはずだが。
日向「収集に際限などないからな。極端な話自分の図書館が欲しい」
北上「あー」
すごく納得。
535 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:14:27.90 ID:i3ZTT8gu0
神風「それで私に?」
北上「そそ、どーしてるのかなって」
神風「どうと言われても、普通に本棚ですよ」
日向「足りてるのか?」
神風「いやもう全然全く微塵に皆無にこれっぽっちも足りてません」
ここに鎮守府読書家三人衆の意見が揃ったのであった。
ランチタイムと洒落こもう。
536 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:15:00.53 ID:i3ZTT8gu0
神風「電子書籍とやらを試したりもしましたね」
北上「あースマホで見れるやつだ」
鎮守府では基本的に連絡目的でスマホを1人1台持っている。
軍事機密的なあれやこれやで制限は多いけど基本的には一般的なスマホと同じである。
日向「タブレット端末なら私も使っているが、資料などを読む際に拡大で小さい文字が見やすいのは確かに便利だった」
北上「電子書籍かぁ。確かに収納スペースの問題は一気に片付くね」
537 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:15:38.29 ID:i3ZTT8gu0
神風「いえでもやっぱり紙媒体がいいなぁって…」
日向「まあそうなるな」
北上「そっかあ…だよねぇ…」
神風「1枚1枚手でめくるのがいいんです…」
日向「ざっとめくってこの辺りにあのシーンが見たいな事が出来ないからな…」
北上「読みながら自分が今物語のどの辺にいるかわからないもんね…」
神風「挿絵のページが本を開かなくても黒い線で分かったり」
日向「栞を挟む楽しみがな」
北上「あれ?これってさっきの!とかでページ戻す時の感覚とかさ」
以下、紙媒体の良さ。は流石に割愛。
538 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:16:19.38 ID:i3ZTT8gu0
北上「提督に頼んでみよっかな〜」
神風「頼むって、何をどうするんですか」
北上「んー…床下収納できるようにとか?」
神風「私達はみんな1階より上ですし…」
北上「工事にお金も時間もかかるからねえ」
日向「…ふむ、提督に頼むか」
北上「え、なにか妙案が?」
日向「2人とも。付いてきてくれ」
539 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:17:04.05 ID:i3ZTT8gu0
鎮守府の建物の中でも端っこの端っこ。恐らく訪れた事が無いどころか多くの者が存在すら知らないであろう空き部屋。
日向「ここを図書室とする」
神風「え?」
北上「そんな急に」
日向「まあ聞いてくれ。私も以前に1度、本の置き場に悩んだことがある。その時に提督に提案したんだ。図書室を作ろうと」
北上「本置き場じゃなく図書室?」
日向「私的な理由で部屋を一つ使うわけにもいくまい。あくまで皆が利用できるようにという建前だ」
神風「なるほど。でも以前提案した事があるってことは、無理だったってことじゃ」
日向「その通り。だが私は諦めなかった。副秘書艦という立場を利用しこの部屋を何にも使われないように守ってきたのさ」
この鎮守府、ろくな権力者がいない。
540 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:17:43.11 ID:i3ZTT8gu0
日向「さて。今回は私が勝算があると思う理由は三つある。一つは最近の鎮守府でのスマホ事情だ」
北上「最近?」
神風「ここ2.3年で一気に鎮守府での利用が広まったんですよ」
日向「連絡手段として便利なのは確かだからな。セキリュティと法律関連が整備され鎮守府でも利用されるようになった」
北上「へえ」
生まれたての私には当たり前のものだと思っていたが。これが世代の差というわけか。
日向「ところがだ。今では多くのものがスマホに夢中になり日がな一日画面とにらめっこという状況も珍しくない」
それは艦種によっては本当にただただ暇でやる事が無いからというのもあるので、一概に言えるものではない。一応。
541 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:18:28.12 ID:i3ZTT8gu0
スマホのアプリ。つまりゲーム。セキリュティのなんちゃらかんちゃらで監視はされてるけど利用は可能となっている。
妙な事をしたり情報を漏らさなければ普通の人と同じようにスマホを使えるのだ。
一応そこら辺は鎮守府事に提督が使用の是非を決めていい事になっているが、ほとんどOKを出しているとか。
何故か。暇つぶしのためというのもあるが一番はお金の使い所らしい。
外にはなかなか出れず、物を買っても置く場所は限られる。なのに命懸けの仕事でお金だけがふえていく。
そんな私達が経済にしっかり貢献できる手段が所謂ソシャゲ。有り体に言ってガチャである。
言ってて悲しくなるよねこれ。
542 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:19:04.73 ID:i3ZTT8gu0
日向「提督もダメとは言わないが決してよくも思っていないからな」
神風「それで図書室を作って読書を勧めようと?」
北上「理由としては、うん、問題はなさそうだね」
日向「提督は割と古い型の人間だからな。スマホは悪だと適当に言い含めておけば大丈夫さ」
何故こうも提督の周りには一癖も二癖もある者が多いのか。
日向「二つ目はラノベだ。最近夕張の熱心な布教活動で随分流行っている」
北上「スマホゲームのおかげでキャラは知ってるみたいだからね。原作を勧めやすいって聞いたよ」
543 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:19:33.85 ID:i3ZTT8gu0
日向「うむ。なのでラノベなんか読まずにちゃんとした本を広めようとか説いてやればいい」
神風「うわぁ…」
北上「えぇ…」
普段なら聞いた瞬間「あ゛?」とか言いたくなるセリフをこうもサラリと使うとは。
しかも分かって言ってるだけにタチが悪い。
神風「でも図書室にもラノベ置くつもりなんですよね?」
日向「部屋の使用許可さえ降りればこっちのものさ」
神風「デスヨネー」
544 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:21:31.36 ID:i3ZTT8gu0
書きたいものに時間も体もついていかない。
やたらと長くなってきましたが行き当たりばったりなのでちゃんと締まるかは、なんとも
545 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/19(火) 01:22:23.19 ID:i3ZTT8gu0
北上「なりふり構わずって感じですね」
日向「ない袖だって振ってやるさ」
神風「それで最後は?」
日向「君だよ。北上」
北上「え?」
神風「北上さんが?」
私がなんだというのか。
546 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/20(水) 02:46:36.25 ID:ffvQcam00
北上「ってさ。私にお国よりも大事な本を捨てろって言うんだよ?」
所変わって提督室。
提督「おおよそ在りし日の船の魂が言うとは思えない発言だな。それにその件に関しては全面的にお前が悪い」
北上「え〜提督からもなんか言ってよ〜」
提督「言ってもいいが俺は球磨達に付くぞ。第1部屋の問題は部屋の者で解決しろ。そういうルールだろ」
北上「まあそうだけどさあ。じゃあじゃあ、床下に倉庫とか作ってよ!」
提督「お前の部屋2階じゃねえか!」
北上「ん〜提督はなんかアイディアない?」
547 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/20(水) 02:47:11.75 ID:ffvQcam00
提督「そうだな。他の部屋に置いてもらうとかはどうだ?」
北上「他の部屋、夕張とかか」
提督「後日向も結構本を置いてるぞ」
北上「へ〜そりゃ知らなかった」
大嘘である。
猫を被る、ではなく皮を被るである。
しかし驚く程スムーズな流れ。逆に怖い。
北上「でもさ、私英語の本とか多いからあんまり他の娘に預けるのはね」
提督「なんで?」
北上「読めない物渡されても困るじゃん」
提督「それもそうか」
548 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/09/20(水) 02:47:46.26 ID:ffvQcam00
北上「他にしまえるところないの〜」
提督「…本ねぇ」
北上「おや?何か心当たりがある様子」
提督「いやあ違う違う。あっそうだ!部屋ってんならいくつか空きがあるぜ」
北上「ああ三階の奥のヤツとか?」
提督「そうそう。なんだかんだで使わずじまいでな」
北上「じゃあさ、あそこ図書室にするのはどう?」
提督「図書室?」
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