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【剣神】姫「疲れた、おんぶして」勇者「はいはい」
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64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 08:35:13.52 ID:OULwOB0O0
メイド「……さて、と」
勇者「どうした」
メイド「いえ、そろそろ私も伯爵様の持て成しに参加しようかと思って」
勇者「そうか、ありがとうな」
メイド「ありがとうって?」
勇者「色々話し聞いてくれてだよ」
メイド「いえいえ、私もお二人の事は好きですから」
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 08:38:07.05 ID:OULwOB0O0
メイド「……」スタスタ
メイド(本当になんていうか、聞いてるこっちが嬉しくなるくらい姫様愛されてるなぁ)スタスタ
メイド(今日は大収穫かな、勇者さんが姫様をどう思ってるか聞けたし)スタスタ
メイド(今度は是非とも姫様の気持ちを聞きたいかなー)スタスタ
メイド(………)
メイド(そう言えば、勇者さんって伝説ロトの一族なんだよね)
メイド「……あははっ」
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 08:39:22.44 ID:OULwOB0O0
メイド「なんか、おとぎ話みたいに勇者さんなら悪い魔王に捕まった姫様を助けに行っちゃいそうだなー♪」
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 09:29:34.87 ID:OULwOB0O0
王様「……いよいよ明日、舞踏会か」
大臣「姫様の晴れ舞台ですな」
王様「晴れ舞台? とんでもない、娘にとって最悪の日になるに違いない」
大臣「王様、何を言うのですっ」
王様「そうだろう? 姫は愛してもいない男と、国の為に、そうだ……政略結婚する約束を交わすのだぞ」
大臣「し、しかし王様! 姫様もきっと王族として産まれたからには理解しているはず……」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 09:48:12.00 ID:OULwOB0O0
王様「理解はしていても、姫の心は納得はせぬ」
王様「知っておるはずだな? 姫は勇者と共にいる時だけまるで活き活きとしている」
大臣「…………」
王様「伯爵の事だ、姫を独占し、近くに置くつもりだろう。そうなればこれまでの時間はもう無い……」
大臣「……王様、しかし国を思えばのご決断である事はいずれ理解し納得してくださる筈です」
王様「いいや!! 私が娘から生も希望も夢すらも奪ってしまうのだ!! もう親子としての絆は望めまい……っ」
大臣「……王様」
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 09:58:24.57 ID:OULwOB0O0
━━━━ よく来た……勇者よ ━━━━
━━━━ 我は竜王……竜族の王にして、この世界の覇者 ━━━━
━━━━ 我は待っていたのだ、そなたのような強き若者を ━━━━
━━━━ どうだ? 我が配下に加わらぬか、そなたの力も、大切なその姫も渡すのだ ━━━━
━━━━ そうすれば、そなたには世界の半分をやろう……闇に染まった絶望の世界をな ━━━━
━━━━ さあ……そなたの答えを聞かせて貰おう……! ━━━━
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 10:06:13.62 ID:OULwOB0O0
< バサッ!
勇者「……!!」
勇者(今の、夢は……ッ!?)
姫「ん……勇者、大丈夫なの?」もぞっ
勇者「………」
姫「な、何よそんな顔をして怖い夢でも見たの?」
勇者「姫の、部屋?……うたた寝していたのか、俺は」
姫「大丈夫?」
勇者「……ああ、悪い。窓を開けさせてくれ」スッ
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 11:54:13.32 ID:OULwOB0O0
< カタンッ
< ヒュォォ・・・ッ
姫「今夜は満月、明日は舞踏会の日ね」
勇者「……そうだな」
姫「なによ? まだ暗い顔して」
勇者「ちょっと現実味がなくてさ、舞踏会で伯爵と姫が踊った後に婚約するんだろ」
姫「分からないわよ、私の『体質』はアンタが理解してるでしょ」
勇者「まあな」
姫「だから、きっと大丈夫よ。こんな不健康なもやし姫よりも、グラマーでナイスバデーな踊り子さんの方が良いですよってね!」
勇者「……」
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 11:55:57.23 ID:OULwOB0O0
〜【翌日・舞踏会の夜】〜
姫「勇者ー、もう着替えるの?」
勇者「姫は王族だから、先にダンスホールで王様と待ってなきゃダメなんだと」
姫「退屈ね、私そういうの嫌」
勇者「知ってるよ」
メイド「所で勇者さん早く出て行ってくれません? 姫様にドレス着せたいんですが」
勇者「姫、手離して」
姫「やだ」
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 11:57:00.20 ID:OULwOB0O0
姫「……勇者から聞いてるわ、ドレスの見た目は」
メイド「そうですかー」
姫「だから私はどんな物でも覚悟出来てる」
メイド「なるほどー」
姫「あの、だから……目隠しとっていい?」
メイド「ダメです」
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 12:02:34.14 ID:OULwOB0O0
姫「…………」
メイド「どうですか、姫様にピッタリじゃないですか?」
姫「メイド、これって……」
メイド「私が自作したドレスですよ、動き易くて軽いでしょう。舞踏会のイメージに合わせた物より姫様のお身体に合わせて軽くてフワッとした生地を選びました」
姫「でもっ、お父様のドレスは?」
メイド「今頃私が飼い慣らした野良猫達がビリビリにしてますよ♪」
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 12:04:29.57 ID:OULwOB0O0
勇者「おぉ、似合うけどそのドレスなんだ」
姫「メイドが作ってくれたみたいなの! 似合う? 似合う?」
勇者「はいはい……」なでなで
勇者(……メイド)
メイド(せめて姫様らしい姿で今日の舞踏会に臨んで頂きたかったんです)ひそひそ
勇者(ありがとう、メイド)
メイド(ピンクも似合うと思ってたのですよねー、ティアラもよくお似合いで良かったです)
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 12:37:46.07 ID:OULwOB0O0
メイド「では私は姫様をダンスホールまで連れて行きます」
勇者「いや、俺が行くよ」
メイド「そうお願いしたかったのですが、勇者さんに宝物庫の確認をしろと王様が言っていましたよ」
勇者「王様が? わかった、直ぐ追いつくよ」
姫「……勇者」
勇者「はいはい。緊張するなって、まだまだ時間あるし」なでなで
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 12:44:12.95 ID:OULwOB0O0
勇者(宝物庫かー、久々に来たな)
勇者(……ん、錠の確認良し)ガチャガチャ
勇者(魔法磁場の罠も……問題無い)バチィッ
勇者(戻るか)
伯爵「御機嫌よう、勇者殿?」
勇者「!」
兵士「動くな」シャキン
兵長「勇者殿、貴方をラダトーム兵団の元に拘束させて頂く」
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 13:03:26.65 ID:OULwOB0O0
勇者「……兵長、アンタいつから伯爵の手下になった」
兵長「勇者、悪いがこれは王様の意志だ」
勇者「なんでだよ」
伯爵「貴方が婚約の際に邪魔をしかねないと、私と王様が判断したのですよ」
勇者「……婚約を姫に申し込むだけなんだろ? 邪魔は、しないつもりだ」
伯爵「おや、貴方はそれなりに博識だと聞いてましたが、まだまだ子供らしい」
勇者「…………?」
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 13:09:23.37 ID:OULwOB0O0
兵長「……伯爵様、勇者は私が幼少の時に剣を教えていた弟子みたいなもの……どうか夜については語らないで頂きたい」
伯爵「ふふ、そうですね……野蛮な一族の子孫など怒らせたくもない」
勇者「兵長、答えてくれ! こいつは何を……ッ」
兵士「勇者頼む動くな!!」
勇者「くっ!」ドサッ
伯爵「……無様ですねぇ、さっさとこの男に猿ぐつわと手足に枷を」
兵士「は、はっ」
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 13:13:02.51 ID:OULwOB0O0
伯爵「ご家族の安全を保障して欲しくば大人しくさせる事ですよ、兵士君」
勇者「……っ」
兵士「立て、妙な動きをすれば首を跳ねる」
兵長「よせ……今夜だけだ」
兵士「……」
伯爵「ああ、待ちなさい」
勇者「……?」ギロッ
伯爵(おやおや怖い、ですが何も出来ないでしょう? 王様が決めた事なんですから)ひそひそ
伯爵(せいぜい牢の中で想像するんですね……姫の処女が私に散らされる様を)くすっ
勇者「〜ッ!!」ガタッ
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 13:15:15.28 ID:OULwOB0O0
ドガッ!!
勇者「………っ」
兵士「……頼む勇者、動かないでくれ」
勇者(畜生)
兵長「我慢してくれ勇者、お前の辛さはよくわかる……」
兵士「すまない、すまない……ッ」
勇者(誰も、姫の事を考えてくれないのか……畜生!!)
伯爵「……」クックックッ
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 13:19:03.18 ID:OULwOB0O0
姫「勇者、遅いなぁ」
メイド「もしかしたら宝物庫の宝箱を一つ一つ確認してるかもしれませんね」
姫「舞踏会までに間に合う…かな」
メイド「間に合いますよ、勇者さんですから」
姫「緊張してきた……」
メイド(勇者さんいないと姫様って借りて来た猫みたいで可愛い)
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 13:30:28.81 ID:OULwOB0O0
兵士B「あーあ、なんで俺達は外壁の見張りなんだ」
兵士C「貴族やあの伯爵様が、王様の下に集まったんだ、仕方ない」
兵士B「でも貧乏くじだよなー、見張りって四方の見張り塔に2人ずつの合計8人しかいないんだぜ」
兵士C「文句言うなよ……俺まで悲しくなってきた」
兵士B「西側の見張り塔もそんな気持ちだろうな」
兵士C「なんでだよ?」
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/07/09(日) 13:43:34.10 ID:+XZ/mpt4O
姫「疲れた、おんぶして」勇者「はいはい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1337509920/
85 :
◆WslPJpzlnU
[saga]:2017/07/09(日) 17:29:29.60 ID:OULwOB0O0
兵士B「だって、見ろよ……2人共突っ伏してら」
兵士C「……寝てないだろうな、起こすか」
兵士C「おーい!! 見張りなんだからシャキッとしろシャキッと!!」
兵士B「……」
兵士C「……反応ないな」
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 17:43:22.55 ID:OULwOB0O0
兵士B「な、なんかおかしくないか? 東側の見張り塔も同じだぞ……」
兵士C「…………」ピクッ
兵士C(血の、臭い……!?)
兵士C「ま、まずい! 鐘を鳴らせー!!」
───── ドシュッ
兵士C「……ゴフッ……」
兵士B「え、え……」
しにがみのきし「……シィィ」ヒュッ!!
─────ドシュッ
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 17:53:08.69 ID:OULwOB0O0
メイド(……遅いわね、勇者さん何してるんだろ)
姫「メイドっ、もう舞踏会が……!」
メイド「すみません姫様、勇者さん探して来ます!」
< 「ではこれより、ラダトーム王家による舞踏会を……」
姫「は、始まったわよ?」
メイド「急ぎます! しばしお待ち下さい姫様!」タタッ
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 19:13:41.89 ID:OULwOB0O0
メイド「もう、勇者さんどこ行ったのかな……」
メイド(……一人でいなくなるとは思えないんだけど)
メイド(勇者さんなら、姫様の幸せを一番に願うかもしれないけど。だからって伯爵なんかと婚約する事を望むとも思えないし)
メイド(だとしたら何処に……)
メイド(……)
メイド(何か、良くない事が……?)
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 20:22:18.20 ID:OULwOB0O0
勇者(……どうしたら)
勇者(どうしたらいい? 姫……こんなの、酷すぎる……)
勇者(何かないのか……いっそ、この手枷を破壊してでも)
───── バチィッ! ─────
勇者(!?)ビクッ
兵士「い、今の音はなんだ……!」
勇者(……今、【誰かが死んだ】……)
勇者「兵士! 城内の様子はどうなってる、確認するんだ!」
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 20:26:15.67 ID:OULwOB0O0
メイド「はぁ……宝物庫にもいないなんて、どうなってるのかな」
メイド(やっぱり姫様のために?)
メイド(だとしたら説教しなきゃね、姫様の気持ちはともかく勇者さんは姫様が好きなんだから)
メイド「うーん、でもどこに行ったんだろう」
< フッ・・・!
メイド「え? あれ、なんで急に灯りが全部消えたの………」
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 20:36:36.48 ID:OULwOB0O0
勇者(来る!)
勇者(間違いない、感じる。これだけの魔力の慟哭を肌で感じたのは初めてだ……!)
勇者「こうしてはいられない! うおおおおお!!」ギシィッ!!
< バギィンッ!
兵士「勇者!? 何をして……」
勇者「魔物の襲撃だ兵士、剣を取れ!」
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 23:01:25.80 ID:OULwOB0O0
───── ドゴォオオオオオオン!!
姫「きゃぁあっ!?」
王様「なっ、何事か! 衛兵!!」
兵長「分かりません、この揺れは一体……ッ」
伯爵「今のはなんですかな……!?」
───── ゴバァッ!!
王様「ぬぉぉ!?」
兵長「天井が……! 姫様、王様危ない!!」
姫「……!?」
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 23:15:11.76 ID:OULwOB0O0
< グルルルル・・・ッ
━━━━ 【 我に平伏すがいい、人間どもよ・・・! 】
姫「………っ……!!」
伯爵「魔物!? それも、巨大なドラゴン!?」
━━━━ 【 クックック、そなたが美しきラダトームの王女か 】
姫「ひっ……ぁ」へなっ
━━━━ 【 美しい、我が妻に相応しい美貌よ……! 】
< ガシィッ
姫「きゃぁぁ!? 勇者ぁ!」
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 23:33:56.85 ID:OULwOB0O0
━━━━━━━ 【 我が忠実なる兵士よ! 邪魔する人間どもを喰い殺すがいい! 】
死神の騎士「……」ガシャッ
大魔導「……」
兵士D「姫様を救えー!!」バッ
ガブッ!!
兵士D「ッ!? ぎ、ぁ……!」
< ゴシュッ・・・!!
ダースドラゴン「……ゲフッ」ゴクンッ
兵士達「ぅ、うわあああ! 魔物だぁ!! 」
兵長「逃げるな! 戦え!! 来賓客を避難させろ、王と姫様をお救いするのだ!」シャキン
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 23:37:13.40 ID:OULwOB0O0
< ワァァアアアッ!!!
< ガキィンッ!! ザシュッ
< ゴォオオオオ・・・!!
伯爵(ひぃっ、はぁ……なんなんだあの魔物達は!)
伯爵(ラダトーム王家の兵士達すら蹴散らす力……なんなんだこれは、悪夢なのか……)
< 「だれか……」
伯爵(……!)ぴくっ
王様「……だ…れか いないのか……」
伯爵「ラダトーム王! ああなんと……瓦礫に挟まれているではないですか!」
王様「は、伯爵か……助けてくれ……」
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 23:45:23.99 ID:OULwOB0O0
伯爵「勿論ですとも、さあ私に掴まって下さい!」
王様「ぉお……」
< ガシッ
──── ドス!
王様「…………な、に……?」ゴブッ
伯爵「あの魔物達は想定外でしたが、これで取り敢えず私の予定通りです」ニタァ
伯爵「貴方が亡き者となった後。このラダトームは私が王となって預かりましょう、ついでに姫も頂くつもりでしたが……まぁあの様子では殺されるでしょうねぇ」
王様「キサマ……ッ」
伯爵「残念ですがここまでなんですよ、あなたは」グリッ
< ズシャァアッ!!
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/09(日) 23:55:26.05 ID:OULwOB0O0
兵長「ハアアア!! 真空烈風斬!!」ザッ
死神の騎士「……」ヒュ!
< ギギギィンッガギィンッ!!
< ドガァ!!
兵長「うぉぉ!?」ドサァッ
死神の騎士「……シィィ」
兵長「おのれ……まるで刃が立たぬとは……」
死神の騎士「……」ブンッ
< 「兵長さん!!」
ガシィッ!
ビュカッッ……!
死神の騎士「……」ギシッ
98 :
◆WslPJpzlnU
[saga]:2017/07/10(月) 00:01:20.28 ID:h/qi6i3u0
メイド「はぁっ…はぁっ、兵長さん無事ですか!?」
兵長「メイドか? 危険だ! すぐに逃げろ!」
メイド「置いてはいけません!」
メイド「私だって……! メラ!」ボウッ!!
< チュドンッ!
死神の騎士「シィッ!!」ビュッッ
メイド「怯みもしない……?!」
兵長「メイド!!」
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/10(月) 00:03:01.13 ID:h/qi6i3u0
おやすみなさい
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/10(月) 05:04:11.01 ID:JMc83z7To
乙
101 :
◆3Jh764FmrU
[saga]:2017/07/10(月) 19:41:00.90 ID:h/qi6i3u0
ギィンッ!!
──── ギュオォッ!!
死神の騎士「ッ……!!」ジュゥゥッ
< ガクン!
メイド「い、今のは……ギラ?」
兵長「それも凄い火力だ……」
< スタッ
メイド「!!」バッ
勇者「2人共怪我はないか?」
メイド「勇者、さん……!」
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/10(月) 20:06:16.60 ID:h/qi6i3u0
━━━━ 【 ・・・ほう 】
━━━━ 【 我が忠実なる魔導師よ、あの男を殺せ 】
大魔導「御意」バサッ!
大魔導「哀れな男よ、我が王の怒りを買うとはな」
< バチバチィィッ!!
大魔導「消えるがいい人間……灰燼と化せ、『ベギラマ』!!」キィィンッ
───ゴバァァァッ!!───
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/10(月) 21:10:26.89 ID:h/qi6i3u0
勇者「兵長、メイドを」
メイド「そんな! 勇者さんも逃げっ…
兵長「大丈夫だアイツを信じろ!!」バッ
ギュォオオオオオ!!
< ザッ!
勇者「……邪魔だ」
大魔導「ばっ……馬鹿な!? 何故だ、直撃した筈ッ!!」
勇者「ふんッ!!」
< ドゴォッ!!
大魔導「ぐぁあああ!?」ズシャァアッ
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/10(月) 21:58:20.08 ID:h/qi6i3u0
━━━━ 【 ・・・ 】
ダースドラゴン「グルル……(私が行きますか)」
━━━━ 【 よい、ダースドラゴン。そなたは先に大魔導達と共に城へ戻れ 】
━━━━ 【 ・・・その男はどうやらそれなりに力を備えている様だ 】
大魔導「ぅぐ……く、スターキメラ!」
スタ-キメラ「御意、さぁ私の翼に触れて下さい」ピュンッ
死神の騎士「……シィ、ィ……」ギシッ
< ビュゥゥンッ!
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/10(月) 23:51:41.34 ID:Gm5NOAl60
乙?
106 :
◆WslPJpzlnU
[saga]:2017/07/11(火) 10:18:49.08 ID:o90lF2dIO
勇者「……逃げる気か、ドラゴン」
━━━━ 【 我は逃げぬ 】
勇者「何者だ、何の目的で来た」
━━━━ 【 クックック・・・我の目的は『コレ』よ 】
姫「……」ぐったり
勇者「!! 姫ッ!」
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/11(火) 11:05:01.50 ID:o90lF2dIO
勇者が巨竜の手中に捕まっている姫に向かい叫ぶも、返事は無い。
既に気を失っていた。
そして、巨竜が勇者の姿を数瞬見届けた後。
紫紺の翼を広げ、その威容をラダトーム城内に見せつける。
━━━━ 【 我が妻となる王女は頂いた、もうこの城に用は無い。ドムドーラと同じく灰となるが良い! 】
勇者「ドムドーラ……!?」
聞き捨てならない言葉を放つと同時に、翼を羽ばたかせ上空へ昇る巨竜。
吹き荒れる烈風の中、勇者は姫を掴む巨竜の軌跡を目で追った。
108 :
◆WslPJpzlnU
[saga]:2017/07/11(火) 19:07:42.03 ID:JLN3zhnm0
夜空の下で崩れかけているラダトーム城を見下ろす巨竜。
巨竜は見下ろすように舞い上がり、王者の如き覇気で圧倒した。
━━━━ 【 燃え盛る我が火炎にて苦痛を覚える事無く、果てる事を光栄に思うが良い!! 】
─── ゴボォゥッ!! ギュゥウッ!! ゴォオオオッ!!──────
巨竜の喉から凄まじい爆炎が漏れ出る。
漏れ出た炎の揺らめきだけで日輪の光を思わせる程の輝きが、ラダトーム城内を照らした。
メイド「何……あれ……」
夜天を照らす紅蓮の輝きを見上げて、誰もが言葉を失った。
かつて、数百年以上前に世界を支配していた大魔王でも、これほどの破壊と絶望を予感させる光景を人々には見せなかった。
それ故に瓦礫から怪我人を助けようと奔走していた兵士達は、見た事も無い圧倒的な光景を前にして、何も出来ずに立ち尽くしているしかなかった。
このままでは、数秒もしないうちにラダトーム城がどうなるか。
勇者(絶対に……やらせない!!)
唯一、踏み込む力を見せたのは勇者ただ一人。
そして彼は、一度周りを見渡してから夜天を見上げた。
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/11(火) 20:05:11.88 ID:JLN3zhnm0
ッッ・・・ゴォオオオオオオオ!!────
ラダトーム城全体を揺さ振る程の衝撃。
空気中を伝導する濃密な魔力と高温の熱波が、崩壊したダンスホール内に佇んでいた人々の肌を打ったのだ。
巨竜の真下にいた兵士達はその音に自身の命運が尽きた事を悟り、目を閉じてその衝撃波に震えていた。
メイド「……嘘」
兵長「あれは……!」
しかし、この2人は確かに見た。
天高く君臨する巨竜、その凶悪な顎から放たれた爆炎は夜空に散っていたのだ。
夜天を赤く染め上げる程の業火の柱が一直線に上空へ伸びていた。
110 :
◆WslPJpzlnU
[saga]:2017/07/12(水) 08:38:41.84 ID:oS1PAypZ0
━━━━ 【 な・・・にィッ・・・!? 】
巨竜が初めて驚愕の音を漏らす。
それもその筈だった。
ラダトーム城を見下ろしていた自身の視界が、気付いた時には火柱で赤く染まる夜天を見上げていたのだから。
直後に襲って来る顎の鈍痛、脳を揺さぶられた事で全身が麻痺する感覚。
勇者「……落ちろ、ドラゴン」
続く、年若い男の声。
凄まじい衝撃を受け巨竜が手放した姫を抱き止めている。
━━━━ 【 貴様・・・一体何者だ 】
尋常ならぬ膂力に加え、数百年の安寧というぬるま湯に浸かっていた人間とは思えない冷静さ。
巨竜が数瞬の空白の後に地上へ落下しながら脳裏を過ぎたのは、アレフガルドに落ちてきたという伝説。
その名は、勇者だった。
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/12(水) 09:05:00.84 ID:JSKHQNgD0
パクリ発見
ゴンベッサだゴンベッサだ
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/18(火) 09:51:35.35 ID:VPymT5oRo
乙
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2021/12/29(水) 01:42:12.06 ID:G/gNiSU1o
勇者かっけえ
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