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【オリジナル】「サキュバスといっしょ」【SS】
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51 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/05(月) 23:19:03.42 ID:Ojrfyqeq0
・・・
エリー「ヴィクトリアさん!?」ザッ
ヴィクトリア「……」ボー……
行商人「……」グッタリ
オリアナ「あちゃ〜。でもいい男」
エリー「何言ってるんですか! 二人とも正気に戻った時に大変なことになりますよ!」
エリー「というかする前に契約直後は発情すると一言ですね……!」
オリアナ「お説教はもう勘弁して……今は二人を、ね?」
エリー「そ、そうでした! そっちの男性をお願いします!」
52 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/05(月) 23:20:59.68 ID:Ojrfyqeq0
ヴィクトリア「うああ……」
エリー「ヴィクトリアさん?」
ヴィクトリア「嘘です……こんなの、私が殿方を……襲うなんて……」
ヴィクトリア「いやあああぁぁぁぁぁ!」ダッ…
エリー「ヴィクトリアさん!?」
オリアナ「まさに脱兎。何となくデジャヴ」
エリー「とにかく追いましょう!」
行商人「――はっ」
行商人「? あれ、何時の間に寝てたんだろ? 身体もだるいし……気絶してたのかな?」
行商人「えっと……何してたんだっけ……?」
53 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/05(月) 23:25:27.53 ID:Ojrfyqeq0
・・・
エリー「ヴィクトリアさん!」
ヴィクトリア「……エリーさん。申し訳ありません。少々取り乱してしまいました……」
ヴィクトリア「どうか、はしたない女と思わないで下さい……」
エリー「そんな……! 私だって同じですから平気ですよ! 仕方のないことだったんです!」
ヴィクトリア「エリーさん……ありがとうございます」
オリアナ(……行商人だしまた会うかも、とは言わないでおこうかしら)
オリアナ「まあ綺麗に収まったわね。さ、街道を通って港町まで行くわよ」
エリー「オリアナ様はちょっとお説教です」
オリアナ「まだあるの!?」
54 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/05(月) 23:28:27.46 ID:Ojrfyqeq0
・・・
ヴィクトリア「さて、港町へと参りましょう。アリサさんに追いつけると良いですね」
エリー「この街道を行けば港町ですね」
ヴィクトリア「吸血鬼村を襲った残党がいるかもしれません。注意して進みましょう」
55 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/06(火) 05:35:51.82 ID:DBvadQGCO
・・・
オリアナ「ヴァンパイア急便だとか、吸血鬼も随分人間社会に馴染んでるのね」
ヴィクトリア「ええ。そうして得たお金で血液を購入させて頂いております」
オリアナ「それならまあやっていけるわね」
ヴィクトリア「はい。ですが、やはり血液を売ってくださる方は貧困層が多く、健康面が心配で……」
ヴィクトリア「生活レベルを向上させるべく就職支援、教会への寄付、医療技術の研究、人口増加率の調査やそれに合わせて開発される前に農地を購入、冷害に強い作物の研究などにも着手し――」ペラペラ
オリアナ「――」
ヴィクトリア「――ですから私もこの旅でまだ他に出来ることを見つけたく……オリアナ様?」
オリアナ「いや……なんか……すごいわね」
エリー「人間より人間のこと考えてますね」
56 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/06(火) 10:54:14.74 ID:lv1Ux3deO
ヴィクトリア「エリーさん。アリサさんはどのような方なのですか?」
エリー「アリサちゃんはですね〜・・・・・・ヴィクトリアさんよりもちょっとだけ小さな女の子で、純粋で影響されやすくて……」
エリー「……私が貸した本に影響されて世界の神秘と宝探しをするって出て行っちゃったんです……」ズーン
オリアナ「だ、大丈夫よ! きっと無事に見つかるから」
ヴィクトリア「申し訳ありません。エリーさんのお気持ちも知らず――」
エリー「そんな、ヴィクトリアさんは何も悪くありません!」
エリー「おかげで大切なことを思い出しました。先を急ぎましょう」
オリアナ「これから行く港町って今どんな風になってるの?」
エリー「交易が盛んな商業都市です。東の国々の珍しい工芸品なんかは大抵手に入るようなところですよ」
エリー「あとは造船所があって、首都にまで続く国道が整備されてるんです」
オリアナ「へぇー」
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/08(木) 06:41:05.60 ID:HBvclFbP0
期待待ち
58 :
◆h8PchLJM6BH7
[sage]:2017/06/10(土) 00:04:31.52 ID:I+xmhkeu0
※失敬、RPG用に考えてたから戦闘パートが丸々なかったという致命的欠陥よ・・・
これからも更新は遅いよ、ごめんね
59 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 00:06:43.34 ID:I+xmhkeu0
・・・
エリー「やっ!」タァーン
ゾンビ兵士「グオオオ・・・」バタッ…
ヴィクトリア「滅しなさい!」ピカッ
ゾンビ兵士「オオオ・・・!」バタッ・・・
バタッ… バタッ…
エリー「ふう……やっぱりいましたね、ゾンビばっかりがこんなに」
ヴィクトリア「はい。特に統率の取れた動きはしていないようですね……操っていた存在はいないのでしょうか……?」
エリー「そうみたいですね……あっ、見えてきましたね、港町」
エリー「アリサちゃん……見つけたらただじゃおかないんだから」
ヴィクトリア「心配なさらなくてもきっとご無事ですよ」
オリアナ「! その前にやることが出来ちゃったみたいね」
ガシャッ… ガシャッ・・・
60 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 00:09:19.65 ID:I+xmhkeu0
ガシャッ… ガシャッ・・・
ゾンビ傭兵「……」コォオオォ…
ヴィクトリア「……吸血鬼村を襲ったものより強力な個体の様ですね」
エリー「あれが港町に行ったら……アリサちゃん……!」
エリー「交戦します!」
カキィン カキィン ガキィン!
グググ…! バッ ザシュッ
キィイイィン…! カッ バリバリバリ!
エリー「とどめです! ヒートショットォッ!」ダァーン!
ヴィクトリア「影よ! シャドウスラッシュ!」ザシュッ!
エリー「ヴィクトリアさん!」キィイイィン…
ヴィクトリア「はい!」キィイイィン…
「「ユニゾン・スパーク!」」
ピカッ ダァアアァン!
61 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 00:10:47.57 ID:I+xmhkeu0
ゾンビ傭兵「オ、オオオ・・・」グラッ…
ガシャリ……
エリー「やったー! かったー!」ワーイ
ヴィクトリア「お見事ですわ、エリーさん」クスッ
ヴィクトリア「一先ず安心ですね」
ヴィクトリア「さ、アリサさんを探しに参りましょう」
エリー「はい!」
・・・
62 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 00:18:12.27 ID:I+xmhkeu0
ヴィクトリア「ここが港町……! とても賑やかなところなのですね。お祭りの様」
オリアナ「あら、ヴィクトリアも初めてだったの?」
ヴィクトリア「はい……お恥ずかしながらあまり村から出たことがなく……」
エリー「私何度か来たことがありますから後で案内しますね」
エリー「さあ、アリサちゃんを漁村まで送り返して旅を再開させましょう!」
女警備兵「失礼します。オリアナ様御一行ですね。吸血鬼村村長よりお話は伺っております」
63 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 00:19:19.23 ID:I+xmhkeu0
オリアナ「あら、お出迎え? わざわざありがとう」
女警備兵「勿体なきお言葉。既に宿、商店には話を通しております。ご自由にご利用下さいませ」
女警備兵「首都への連絡も済んでおります。同様の支援を受けられるかと」
女警備兵「御一行様の武者修行も兼ねているとのことでしたので馬車の用意はしておりませんが、必要とあらば何なりと」
オリアナ「十分よ。ありがとう」
女警備兵「それから……二つ程お願いしたきことがあるのですが……」
オリアナ「何かしら? 大抵のお願いは聞いちゃうわよ♪」
64 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 00:20:27.66 ID:I+xmhkeu0
女警備兵「町にいる間はですね……こちらの外套を着て頂けると」
バサッ
エリー「? ただのマントのようですが……?」
女警備兵「風紀ですとかその……あまり破廉恥な格好ですと子どもなどへの悪影響が考えられますので……」
エリー(なんという痴女扱い……! 事実だけど!)
ヴィクトリア(私たち、今どのような目で見られているのでしょう……)
女警備兵「回復や力を得るための、その……殿方との、というのも……白昼堂々というのは避けて頂けると……」
エリー(さすがに常識はありますよね、オリアナ様!?)
ヴィクトリア(それだけは是が非でも止めさせて頂きます……!)
オリアナ「……心配しなくても大丈夫よ。お勤め御苦労様」
女警備兵「はっ。では失礼いたします」
オリアナ「……行きましょうか」
エリー「……はい」
ヴィクトリア「ええ……」
オリアナ(……信仰が欲しい)グスン
・・・
65 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 00:28:46.04 ID:I+xmhkeu0
エリー「ま、まずはどこかお店に入りましょうか! すみませーん!」
カランコロンカラーン
店員悪魔「いらっしゃいませ〜♪」
オリアナ「悪魔!? 二人とも下がりなさい!」
エリー「ちょ、落ち着いてくださいオリアナ様! どうしたんですか?」
オリアナ「どうしたって、何で悪魔なんかがこんなところにいるのよ!」
店員悪魔「ここの従業員なんですが〜」
オリアナ「働いてんの!? 悪魔が!?」
ヴィクトリア「吸血鬼と同様に悪魔も人間社会で共存しているのです」
66 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 00:30:23.28 ID:I+xmhkeu0
ヴィクトリア「堕落した魂を糧とする悪魔。ですがただ人を堕落させては敵対されてしまう……」
エリー「だから誰かを楽させる代わりに働いて、その分だけ魂をもらうという感じですね」
オリアナ「……ヒモに貢ぐ女」
店員悪魔「あ、オリアナ様御一行ですね〜お話は伺ってま〜す。全て原価にて販売させて頂きますね〜」
店員悪魔「でも起きたら婚期過ぎてたとかマジうける〜♪」
オリアナ「……なんですって?」
67 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 00:32:37.06 ID:I+xmhkeu0
エリー「だ、だからけんか腰にならないで下さい! どうしたんですかオリアナ様」
ヴィクトリア「……いえ、こうなることは必然だったのでしょう」
エリー「ヴィクトリアさん?」
ヴィクトリア「方や信仰を必要とする神。方や人を怠惰させその分の魂を糧とする悪魔……お二方は相容れない競合関係にあるのです」
オリアナ「――魔王の次はアンタたちよ。覚悟しておきなさい」
店員悪魔「え〜おばあちゃんと喧嘩とかそんなひどいことできないってゆ〜か〜」
オリアナ「おばっ!?」
店員悪魔「あれしちゃダメ、こう生きろとかうるさすぎ。そのくせちょっとしたことで怒り狂って暴れたり、勝手な考えで個人に肩入れしたり逆に誰かからなんか奪ったりとかどっちが悪党なんだか」
店員悪魔「その点あたしたちはぁ、ちゃあんと人間の社会を壊さないようにするようになったしぃ?」
68 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 00:35:01.50 ID:I+xmhkeu0
店員悪魔「ホント、どっちが人間の害なんだか。自分達が正しいって疑いもしねぇでとんでもないことしでかすし、宗教戦争とか起きた時だって何もしやがらねぇし……あはっ♪ 本気でイラッ☆とする。死ね♪」
店長「悪魔ちゃん? なにかあった?」ガチャッ
店員悪魔「あ! なんでもないですよ店長♪ ちょおっとお客様と話し込んじゃって〜♥」
店長「そう? じゃあ僕はその間に在庫のチェックを――」
店員悪魔「だ〜め♪ それもあたしがやるの♪ さ、休んで休んで♪」グイグイ
店長「あ、ちょ――」
バタンッ
エリー「……行っちゃいましたね」
ヴィクトリア「出直しましょうか」
オリアナ「……次こそは」
エリー「不穏なこと言わない!」
69 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 00:41:47.37 ID:I+xmhkeu0
・・・
エリー「一通り見て回りましたけど、見つかりませんでしたね……もう先に行っちゃったのかな……アリサちゃん」
ヴィクトリア「きっと大丈夫ですから。まずは気丈に、ね。お姉さんでしょう?」
エリー「ヴィクトリアさん……」
ヴィクトリア「広い上に人も多いですからすぐに見つからないだけですよ」
ヴィクトリア「恐らくアリサさんはまだこの港町にいます」
70 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 00:43:12.07 ID:I+xmhkeu0
ヴィクトリア「アリサさんの目的は冒険ですが、その過程で船の入手を考えています」
ヴィクトリア「交易が盛んであり造船所もあるここ以上に船の入手が容易な場所は他にないでしょう。このまま首都に進んだということは考えられません」
ヴィクトリア「そして船を入手したということも考えられません。一個人で購入でき操舵できるような小型船は見られませんでしたから」
ヴィクトリア「二手に分かれて聞き込みをしましょう。港にせよ造船所にせよ、何らかの行動をしていたはずです」
エリー「……やっぱりヴィクトリアさんはすごいです。私全然冷静になれなくて……」
ヴィクトリア「アリサさんをとても大切に思っているからですよ。私は素敵なことだと思います」
71 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 00:44:48.37 ID:I+xmhkeu0
ヴィクトリア「アリサさんの目的は冒険ですが、その過程で船の入手を考えています」
ヴィクトリア「交易が盛んであり造船所もあるここ以上に船の入手が容易な場所は他にないでしょう。このまま首都に進んだということは考えられません」
ヴィクトリア「そして船を入手したということも考えられません。一個人で購入でき操舵できるような小型船は見られませんでしたから」
ヴィクトリア「二手に分かれて聞き込みをしましょう。港にせよ造船所にせよ、何らかの行動をしていたはずです」
エリー「……やっぱりヴィクトリアさんはすごいです。私全然冷静になれなくて……」
ヴィクトリア「アリサさんをとても大切に思っているからですよ。私は素敵なことだと思います」
72 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 00:46:10.18 ID:I+xmhkeu0
エリー「……私の方がお姉ちゃんなのになぁ」
オリアナ「ヴィクトリアの言った通りそれだけ心配ってことよ。変に気張る必要はないわ」
オリアナ「わたしを見なさい。若干空気な上に慰めるとかいいとこ見せる役持ってかれちゃったわよ、神様なのに」
エリー「自分で言わないで下さいよ、もう……あはは」
オリアナ「世界は自分だけで回しているわけじゃないし誰のためにも回っているもの。想定外のことが起こることもそれに対応できないことも当然のことよ。神様だってそうなんだから」
オリアナ「大切なことは今から何をするか、ね?」
エリー「――はいっ」
73 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 00:47:51.47 ID:I+xmhkeu0
オリアナ「じゃ、まずは造船所ね。調査に行くわよ」
エリー「はい。……あっ」
オリアナ「?」
エリー「ありがとうございます。オリアナ様とお話したらもっと元気が出ました! 若干空気でも、オリアナ様はいい神様だと思います!」タッ
オリアナ「……なによ、ちょっとときめくじゃない」
オリアナ「一言多いけど……うふふ♪」
オリアナ「待ちなさいエリー! 空気ってなによ!」
エリー「オリアナ様が自分で言ったんじゃないですかー。あはははは♪」
・・・
74 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 01:10:38.18 ID:I+xmhkeu0
造船所従業員「その女の子なら来たよ。さすがにおこずかいで船は買えなかったけどね」
エリー「その子、その後どうしてましたか?」
造船所従業員「どうだったかな……昼に来て……」
造船所従業員「そうだ。落ち込んで帰ったかと思ったらたまたま遊びに来てた社長の坊っちゃん達と話してて、またどこかに走っていったんだ」
造船所従業員「なんだか嬉しそうだったし船の充てでも聞いたのかな? 社長の家ならこの裏だよ」
エリー「そうですか……ありがとうございました」
造船所従業員「見つかるといいね」
オリアナ「とりあえず、ここまでは無事に来てたみたいね」
エリー「一安心です。次は社長さんの家に行ってみましょう」
75 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 01:12:24.05 ID:I+xmhkeu0
エリー「あの……オリアナ様? この格好は一体……」
オリアナ「豪邸にメイドは付き物よ。なによりかわいい!」
エリー「聞き込みには関係ないですよね!?」
エリー「他の方にすれ違う度『……お客様? だよね?』って目で見られるし……そもそもどこから持って来たんですか?」
オリアナ(でも着てくれたのよねぇ……)
オリアナ「あの子たちじゃない?」
兄「弟なら兄ちゃんの言うことを聞け!」
弟「一緒に行くくらいいいじゃん!」
エリー「ストップストーップ! 喧嘩なんて良くないよ?」
エリー「何があったかお姉さんに話してみて?」
76 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 01:13:19.65 ID:I+xmhkeu0
弟「あ、あの……!この前、船を探してるってお姉さんがいて……」
エリー(アリサちゃんだ……!)
兄「その……! 僕たち幽霊船のことだと思って話したんです」
エリー「幽霊船?」
兄「夜になると南の海岸に誰も乗っているように見えない火のついた古い船が通るって噂があるんです」
弟「その話をしたらお姉さん『見たい! 乗りたい!』ってどこか行っちゃって……」
エリー「……アリサちゃ〜ん」
77 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 01:14:42.55 ID:I+xmhkeu0
兄「その後探したけど全然見つからなくて……!」
弟「きっと幽霊に捕まっちゃったんだ……!」
兄「それで僕、夜に行って助けてこようと思ったんだけど、弟がついて来るって聞かなくて……!」
弟「兄ちゃんだけじゃあぶないよ!」
兄「いいから聞け、そんなの分かってる! でも旅のお姉さんのことなんて誰も気にしないし大人は幽霊を信じてない……!」
兄「僕たちしかお姉さんを助けられない……! でも、まだ手はある」
兄「僕がいなくなれば少なくとも屋敷の人は動いてくれる。お前がみんなを連れて来るんだ」
兄「こんな大役、お前にしか任せられないんだよ。それに、全部終わった後一番怒られる役は兄ちゃんがやらないと、な?」
弟「兄ちゃん……! うん、僕頑張るよ!」
エリー「いや、ダメだよ? そんな心配かけることしちゃダメ」
78 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 01:16:46.11 ID:I+xmhkeu0
兄「けど……!」
エリー「うん、ありがとう。あのお姉さんのこと心配してくれて。二人とも優しくてカッコいいよ」
エリー「けど! あのお姉さんみたいに周りに心配をかけるのは、めっ」
エリー「二人のこと大切に思ってる人、きっと悲しくなっちゃうから」
弟「うん……」
エリー「よろしい♪ あとはこのお姉さんに任せなさい。なんと! お姉さんは魔法使いなのです」エッヘン
弟「魔法使い……! すげー!」
兄「……分かりました。けど! お姉さんも戻ってこなかったらさっきのやるからね!?」
・・・
エリー「まったくアリサちゃんは……」
オリアナ「そろそろお昼ね。戻りましょうか」
・・・
79 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 01:18:13.08 ID:I+xmhkeu0
ヴィクトリア(ここしばらく他国への船の出航はないようですね)
ヴィクトリア(今ある船も数日前に来たばかりの貿易船で当分出航の予定なし……)
ヴィクトリア(貿易船に乗せてもらう、ないし忍び込む可能性も否定できませんでしたから安心いたしました)
ヴィクトリア(ですが目撃情報もないとは……造船所で有力な情報を得られているとよいのですが……)
ヴィクトリア(これからどうしましょうか。お昼までは……まだ時間がありますね……あら?)
80 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 01:20:43.49 ID:I+xmhkeu0
行商人「――」
ヴィクトリア(!? あの時の行商人様!? なぜここに!?)
行商人「――おや?」
ヴィクトリア(! み、見つかってしまいました……! なにを惚けていたのでしょう、しかし今から逃げるのも……ああああぁぁぁぁぁぁ)
行商人「見ていかれますか? ちょうど貴重な異国の品を仕入れたところなんです」
ヴィクトリア「え、ええ……よろしければ……」
ヴィクトリア(憶えて、いない……? 覚えていらっしゃらないのですね!? ――ああ、よかった……!)
81 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 01:22:13.48 ID:I+xmhkeu0
ヴィクトリア「今時行商とは珍しいですね。ヴァンパイア急便がありますから、わざわざ運ばずとも遠くにものを売れますのに」
行商人「あはは、そうですね。だいぶシェアは取られてしまっています。でも、行商でしか出来ないこともあるんですよ? 例えば……このリンゴ! ちょっと食べてみてください」
ヴィクトリア「はあ……? では、頂きます……――!」カプ
ヴィクトリア「このリンゴ、とっても甘いです! 瑞々しくて、蜜が滴りそう……!」
行商人「僕も驚きました。そのリンゴ、ここから北東の漁村で仕入れたんです」
ヴィクトリア「漁村で、ですか……? それは――」
行商人「ちょっと以外ですよね。元漁師のおじいさんが細々と営んでいたのを仕入れたんです」
82 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 01:26:23.45 ID:I+xmhkeu0
行商人「自分で巡って名産物や知られざる逸品を仕入れ遠くの人に売れる。行商の一番の魅力はこれじゃないでしょうか」
行商人「ヴァンパイア急便は確かに便利です。注文の手紙を送ることや準備を含めても三日もあればどこからでも商品を取り寄せられますから。でも、それだと自分の知っているものしか手に入れられない」
行商人「海の向こうのものから何でも、知られていない逸品を見つけて紹介しその人の世界を広げる……なんて言うとちょっとかっこつけすぎですね、あはははは」
ヴィクトリア「いえ、素敵だと思いますわ――とても……♪」ホゥ…
行商人「そ、そうですか? そう言って頂けると……あはは」テレッ
ヴィクトリア「うふふ♪」
・・・
83 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 04:55:44.62 ID:I+xmhkeu0
行商人「そ、そうだ! 今東の国の服があるんです。それもちょっと着てみませんか? きっと似合うと思うんです!」
ヴィクトリア「そんな、よろしいのですか?」
行商人「大丈夫です! 貴女が着ているのを見たい――じゃなくて、ほらせ、宣伝にもなるし!」
ヴィクトリア「そういうことでしたら……よろこんで」
84 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 04:56:43.83 ID:I+xmhkeu0
ヴィクトリア「どう……でしょうか?」
行商人「――――――綺麗だ」
ヴィクトリア「えっ……!?」
行商人「その服、貰ってくれませんか? 貴女に着ていてほしい」
ヴィクトリア「は……はぃ…………!」
85 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 04:58:21.90 ID:I+xmhkeu0
・・・
行商人「――――いつか、ヴァンパイア急便と共同事業をしたいですね。各地の逸品をカタログにまとめて知らなかったものでも迅速に買える仕組み……名付けて通信販売とか」
ヴィクトリア「! それは素晴らしいと思いますわ!――あ……私も、応援致します……」
行商人「はい! ヴィクトリアさんに応援してもらえるなら、その……もっと頑張れそうです」
行商人「も、もうお昼ですね! 待ち合わせは大丈夫ですか?」
ヴィクトリア「あ……そうですね……もう、行かないと」
ヴィクトリア「行商人様はこれからのご予定は……?」
行商人「僕はこれから首都に向かいます。そこから西に向かって対魔王軍最前線の砦まで」
ヴィクトリア「!? 戦地へ行かれるのですか!?」
86 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 05:00:20.77 ID:I+xmhkeu0
行商人「はい。薬とか武具とか、一日だって待っていられない所へ頼まれる前に物資を届けるのも僕らの仕事です」
ヴィクトリア「そんな……! 危険ですわ」
行商人「誰かがやらないといけないことですから。といっても砦手前までは安全ですし、それにまだ大きな動きはないからしばらくは首都と港町を往復して資金と物資の調達ですね」
行商人「ありがとうございます。心配されるのは……やっぱり嬉しいですね。それがヴィクトリアさんならなおさら――」
ヴィクトリア「――――!」
行商人「ぼ、僕もそろそろ出ます!ヴィクトリアさんとも、旅をしていればまた会えるかもしれませんね! ではまた!」
ヒヒーン パカラッ パカラッ ガラガラガラ・・・
ヴィクトリア「……行商人様、どうかご無事で…………」
87 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 05:01:35.19 ID:I+xmhkeu0
・・・
エリー「あ、ヴィクトリアさーん……ん?」
ヴィクトリア「お待たせいたしました……エリーさん? その格好は……?」
エリー「これは、その……オリアナ様に無理やり……! ヴィクトリアさんこそ!」
ヴィクトリア「あ……た、たまたま通りかかった商店で宣伝替わりに着てほしいと頂きまして……!」
エリー「そ、そうですか……あはは」
ヴィクトリア「ええそうです……うふふ……!」
オリアナ「はいはい、情報を合わせるわよ」
88 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 05:02:43.04 ID:I+xmhkeu0
・・・
ヴィクトリア「――幽霊船を探しに、ですか」
エリー「本当にもう、アリサちゃんったら……」
オリアナ「港から船にも乗ってないならそのまま南海岸に行ったんでしょうね。まだ昼だけど行く?」
ヴィクトリア「明るいうちなら痕跡も見つけやすいでしょうし、よろしいかと」
エリー「はい。まずは南門へ行きましょう」
89 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 05:06:17.29 ID:I+xmhkeu0
・・・
サムライ「もう半歩踏み込むと良いでござる」
弟子「はい、師匠!」
オリアナ「変わった格好ねぇ」
ヴィクトリア「あれはおそらく、東のまた東にある島国の『武士』……この国における騎士の格好ですね」
エリー「知っているんですかヴィクトリアさん」
ヴィクトリア「あ……き、聞き込みの最中に耳にしまして……!」
ヴィクトリア「貿易船で来られたのでしょう。誰かに稽古をつけているようですが……?」
弟子アリサ「奥義! 剣聖の一斬!」ズバッ
サムライ「はっはっは。それはアリサ殿にはまだ早いでござるよ」
エリー「アリサちゃん!?」
アリサ「えっ? あ、エリーお姉ちゃん!?」
90 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 05:07:58.20 ID:I+xmhkeu0
アリサ「どうしたの? こんなところまで……!」
エリー「どうしたじゃないでしょ! 魔物も出るのに一人でここまで来て! 捜しに来たに決まってるじゃない!」
アリサ「で、でもここまで何ともなってないよ……? それにあたしの方がエリーちゃんより強い――」
エリー「言い訳しない!」
エリー「本当に、もう……! どれだけ心配したと思ったのよぉ……ばかぁ……」グスッ
アリサ「ご、ごめんね? 泣かないでお姉ちゃん……」
・・・
91 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 05:08:52.99 ID:I+xmhkeu0
オリアナ「落ち着いた?」
エリー「――ぐすん。はい……」
ヴィクトリア「良かったですね、エリーさん」
ヴィクトリア「それで、あの――」
サムライ「――ん? ああ、拙者は遥か東の島国のサムライ……この国でいう騎士でござる」
サムライ「武者修行のためこの国来たところ、意気揚々と町を出て行くアリサ殿を見かけ――」
92 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 05:12:44.48 ID:I+xmhkeu0
・・・
・・
・
アリサ「幽霊船かぁ……! どんなのだろ!」
アリサ「悪霊も退治、宝と船をゲット!なんて一石三鳥……!」
騎士ゾンビ「グオオ……」
アリサ「ひっ魔物……! って怯んでる場合じゃない……!」
アリサ「あたしの冒険はここから始まるんだから。漁村最強の実力、見せてあげる!」
ザシュッ
騎士ゾンビ「グオオオオオオ!」
アリサ「――って全然効いてない! しかも怒っちゃった! きゃー!?」
サムライ「――――ふっ!」
ザンッ!
騎士ゾンビ「グオオオオォォ……」
アリサ「すごい……倒しちゃった……!」
サムライ「無事でござるか? 一人で外に出るのは危険でござるよ」
アリサ「あ、ありがとう……ございます」
サムライ「うむ。さ、ここは危ない。港町まで送らせて頂こう」
アリサ「! ま、待って! あたし冒険に出たの! なにも達成してないうちには帰らないんだから!」
サムライ「ふむ。しかし魔物一匹にも苦戦する様子。このまま進んでも先は見えているでござる。それを知っていながら行かせる程拙者は脳無しではござらぬ」
アリサ「けど……っ!」
93 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 05:13:47.10 ID:I+xmhkeu0
サムライ「……何やら訳があるようでござるな。拙者に話してはもらえぬだろうか。生憎剣しか人並なものはござらんが、案外どうにかなるものでござる」
アリサ「……お姉ちゃんを安心させたいの」
サムライ「姉君を……」
アリサ「……あたしのお姉ちゃんバカなの。掃除したら物壊すことよくあるし、料理は火を使えば絶対焦がすし力仕事できないし、っていうかあたしより弱いし、なのにお姉さんぶって面倒事背負うし、泣き虫で、心配症で――」
サムライ(けちょんけちょんでござる)
アリサ「――でもすっごく優しくて、大好きなの。……あたし、今年成人したのにまだ子供扱いされて……何をするのも心配されて……」
アリサ「だからあたし一人で冒険に出たの! 珍しいもの見て! お宝手に入れて! 困難を乗り越えて! それで――」
アリサ「それで、全部お姉ちゃんに話すの……あたしにかかれば世界なんて大したことなかったって! もう一人で何でもできるって!」
アリサ「……だから、安心してって」
サムライ「……」
アリサ「やだよぉ……! こんなところで諦められないよぉ……!」
サムライ「……あい分かった」
アリサ「……?」
サムライ「拙者に任せるでござる。力が無ければつけるだけのこと」
サムライ「弟子となり、剣の修業をするのでござる。拙者でよければ指南致そう」
サムライ「世界の一つや二つ、乗り越えさせてみせようではないか」
アリサ「あ……! うん! お願いします!」
サムライ「うむ」
94 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 05:14:53.27 ID:I+xmhkeu0
・・・
サムライ「……見かけ――剣の腕に光るものを感じ、更なる高みへと至る手助けになればと稽古を申し出たのでござる」
アリサ(ありがと師匠……言わないでくれて)
サムライ(うむ)
エリー「そうでしたか……引きとめて頂きありがとうございます」
エリー「さ! もう十分冒険したでしょ! 帰るよアリサちゃん!」
アリサ「や、やだ! あたし、まだ――」
サムライ「少しよろしいか」
サムライ「拙者からもお頼み申す。アリサ殿が旅を続けることをお許し頂きたい」
エリー「でも……!」
サムライ「拙者の国には『かわいい子には旅をさせよ』という言葉がある。愛しく思う我が子であるがこそ、苦難を乗り越えさせ逞しく生きてほしいという意味でござる」
サムライ「アリサ殿は自ら苦難の道を選ばれた……実に誇りあるおなごでござる。アリサ殿の成長を思えばこそ、信じ、送り出してあげるべきではなかろうか」
エリー「う〜でもでもでも……!」
サムライ「それではどうだろう。アリサ殿の旅にエリー殿達も加わるというのは」
エリー「アリサちゃんの旅に、ですか……!?」
95 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 05:15:34.50 ID:I+xmhkeu0
アリサ「ちょ、師匠! お姉ちゃんはへぽっこなんだよ!? 危ないよ!」
エリー「へっぽこ!?」
サムライ(この姉にしてこの妹ではござらんか……)
サムライ「まあ聞くでござるよ。アリサ殿は旅がしたくエリー殿はそれが心配。然らば共に行くことが双方にとって最善であることは自明の理。少し考えてみるでござる」
サムライ「ここで連れ戻して、果たしてアリサ殿は諦めるでござろうか? 再び追うことになる方が危険でござろう」
エリー「うっ……!」
サムライ「ここで振り切ったとして、果たしてエリー殿は諦めるでござろうか? アリサ殿が挑む困難に追ってきたエリー殿が――」
アリサ「そんなのダメ!」
アリサ「ぐぅ〜……分かった。一緒に旅しよ、エリーちゃん」
エリー「むぅ〜……そう、だね。よろしくね、アリサちゃん」
サムライ(共に旅する中で成長ぶりを見せる機会が来るでござろうよ、アリサ殿)
アリサ(うん! 師匠、あたし頑張る!)
サムライ((――とは言ったものの……))
96 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 05:16:25.56 ID:I+xmhkeu0
サムライ((実際このおなご達を行かせてよいものか……))
サムライ((アリサ殿には天賦の才がある。基本と型は既に教えた。残りの剣技は鍛練により一人でも会得することが出来るでござろう))
サムライ((しかしこの大陸では今魔物の動きが活発になっているとも聞く……残りのおなご達の実力は未知……ここはひとつ――))
サムライ「ではアリサ殿、卒業試験を行うでござる」
アリサ「! ……卒業試験」
サムライ「うむ。そなた達にこれより先に進む力が備わっているか――試させて頂く」
サムライ「同時で構わぬ。四人がかりで拙者に勝て。それがこの先に進む条件でござる」
サムライ「準備をするといい。ここで待っているでござる」
・・・
97 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 05:17:27.33 ID:I+xmhkeu0
ヴィクトリア「エリーさん。ちょっと」
エリー「はい? なんでしょうか」
ヴィクトリア「魔王討伐のこと――アリサさんには伏せていた方がよろしいでしょうか?」
エリー「! そうですね。冒険に満足してくれればアリアちゃんも帰ってくれるでしょう」
ヴィクトリア「……オリアナ様の力については、どういたしましょう?」
エリー「そ、う、で、す、ね〜……あれば死ぬ可能性は大いに減りますが……う〜ん……」
アリサ「ヴィクトリアさん? エリーちゃん? どうしたの?」
ヴィクトリア「いえ、アイテムの確認を少々。人数が増えましたから今ある分で足りるかと……」
エリー「う、うん! お侍さん強そうだしね!」
アリサ「そっか! 師匠は強いよ! 闇属性だからあたしと同じ光属性以外半減しちゃうんだから! それにいろんな属性の剣技が使えるしね」
ヴィクトリア「闇属性……それは大変有意義な情報です」
オリアナ「アリサがエリーより強いってそういう……」
エリー「まあ、はい……」
アリサ「もう師匠の所に行くよ! 準備はしっかりね!」
98 :
◆h8PchLJM6BH7
[saga]:2017/06/10(土) 05:18:08.42 ID:I+xmhkeu0
・・・
サムライ「――来たか」
アリサ「……師匠」
サムライ「既に言った通りでござる。先に進みたくば拙者に勝つことでござる」
アリサ「うん……! よろしくお願いします!」
サムライ「いざ尋常に――勝負!」
99 :
◆h8PchLJM6BH7
[sage]:2017/06/20(火) 05:15:24.55 ID:SOGJzb9C0
う・ち・き・り
100 :
◆h8PchLJM6BH7
[sage]:2017/06/20(火) 05:16:24.60 ID:SOGJzb9C0
お読みいただきありがとうございました。
プロットを見直しましたが、やはりここから先は18禁展開は避けられないのでここではここまでです
物語はまだ始まったばかり、冒険を楽しむ4人がやがて人とサキュバスとの愛と友情、そして魔物の苦難を知ることになります
ではいずれまた、どこかで
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