【モバマスSS】速水奏「天使のように大胆に、悪魔のように細心に」

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265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 18:52:42.15 ID:H3iSw6ld0

凛(う、嘘でしょ・・・?!)

奏(NGとTPで板挟み・・・)

文香(凛ちゃん・・・お気を強く持って・・・)

加蓮「元担当探すんだっけ。見つけてどうするの?」

唯「こっそりプロデューサーちゃんとのこととか好み聞いて、この前のお礼の参考にするんだって」

加蓮「へぇ〜・・・ね、奈緒。私たちもついていこうよ」

奈緒「ええっ!? い、いいよアタシは・・・!」

加蓮「プロデューサーさんのこと聞けるんだよ? 他の子にリードされちゃってもいいの?」

奈緒「べ、別に特別な感情とかないし・・・! いや、感謝はしてるけど・・・」

奈緒「・・・・・・い、行くか・・・」

加蓮「うん♪」

唯「奈緒ちゃん、加蓮ちゃんのお見舞いの帰りはどうだった?」

加蓮「あ、それ私も聞きたいなー♪」

奈緒「別に何もなかったって! 途中で傘買ったし!」

加蓮「え〜・・・奈緒、へたれ・・・」

奈緒「う、うるせぇ!」

ワイワイ 
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 18:57:25.31 ID:H3iSw6ld0

凛「ねぇ、本当にどうしよう・・・! どどどどうしよう!」ユッサユッサ

文香「おち、落ち着いてください凛ちゃん・・・」ガクガク

奏「まずはそうね・・・仕事でなければレッスンをしているかもしれないし、レッスンルームあたりにでも―」

凛「そんな悠長なこと言ってらんないんだって!」ユッサユッサ

奏「さっきそれでいこうって・・・」
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 18:58:34.14 ID:H3iSw6ld0

唯「行かないのー?」

文香「す、少し準備があるので先に出ていただけますか?」クラクラ

ハーイ ゾロゾロ…

凛「―そうだ、未央!未央なら演劇の関係で茜の連絡先を知っているはず!」

凛「例えそこで途切れてもラジオ番組を持っている藍子に繋げられれば他の候補者も検討がつくはず・・・!」

ピッピッ プルルルルルル… プルルルルルル…

凛「お願い、出て未央・・・!」

プルルルルルル… ガチャッ

凛「み、未央・・・!? あのね―」



・・・
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 18:59:19.93 ID:H3iSw6ld0

・・・

ツカツカツカツカツカ…

加蓮「ちょ、凛達早いー・・・!」



文香「未央ちゃんはなんと?」

凛「ちょうど藍子と茜の二人で練習してるって・・・!急ごう・・・!」

奏「・・・CPの様子はどうだったのかしら?」

凛「・・・休戦協定のルール作ってるって」

凛「もし他にプロデューサーを好きな人を見つけたらあっちに混ざってもらおう。協定に巻き込めば、大丈夫、みんな仲良し・・・!」

奏「ちなみに・・・向こうに様子は?」

凛「・・・聞きたい?」

文香「い、いいです・・・!」
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:01:26.77 ID:H3iSw6ld0

ガチャッ

茜「おや? おはようございます!」

凛「ごめんね、ちょっといい?」

高森藍子「はい?」
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:05:51.31 ID:H3iSw6ld0


高森藍子(16)
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:06:33.19 ID:H3iSw6ld0

凛「茜・・・」ガシッ

茜「え? あの、凛ちゃん?」

凛「正直に、正直に答えてね?」グググ…

茜「は、はい・・・!」

凛「CPのプロデューサーと何かあった? 何もなかったよね? ね!?」

茜「な、なにもありませんでした!!」

凛「ふう・・・」

奏「こら」
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:07:46.53 ID:H3iSw6ld0

奏「ごめんなさいね。今CPのプロデューサーさんの元担当だとか、仲がいい子を探しているところなの」

凛「ごめん・・・」

茜「そ、そうでしたか・・・」ホッ…

藍子「CPのプロデューサーさんと仲がいい方ですか?」

唯「うんっ。オータムフェスのお礼にね、なにかプレゼントしたいから〜プロデューサーちゃんの好きなものとかこっそり調べてみよーって☆」

文香「それで、どうでしょうか? 茜さんは冬のライブや美嘉ちゃんのライブですとか、以前にもプロデューサーさんと交流する機会があったそうですが・・・実は、元担当だったりするのでしょうか・・・?」

茜「いえ、私がCPのプロデューサーさんの担当だったことはありません」

茜「もちろん一緒にお仕事をしたので面識はありますが―あっ、夏に一緒におでんを食べました!」

凛「李衣菜と作ったのを食べたんだって?」

茜「おや、ご存知でしたか!」

唯「夏におでん? それくらい好きとか?」

奈緒「我慢大会とか・・・?」

茜「なんでも消費する必要のある食材があったとかなかったとか」

文香(よかった・・・私たちが知っている以上のことは何もなかったようですね・・・)ホッ…



・・・
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:30:48.62 ID:H3iSw6ld0

・・・

武内P(前川さんのお話だとそろそろ多田さんが寮を出る時間でしょうか)スタスタ

武内P(ちょうど時間はある。荷物が多かったとのことですし、お迎えに行きましょうか)スタスタ



ヒョコッ

茜(ああ、CPのプロデューサーさん・・・!)コソッ…
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:34:02.11 ID:H3iSw6ld0

茜(堂々たる体躯! 鋼のようなボディ!! 美嘉ちゃんのライブで見せたNGの皆さんへの献身!!!)ウズウズ

茜(私には激励を! スタッフさんには発射合図の延長指示!! 何という心遣い!!! ワンフォーオール!!! さぞや名のあるラガーマンだったのでしょう!!! この胸の高鳴り!!!! 間違いありませんっ!!!!!」

茜「ああ!!! 是非一度お話をうかがってみたい!!! なのに!!! なんと話しかければ良いのか分かりません!!!」ピョンピョン

茜「私といえばラグビー・・・! ですが、いきなり話しかけて変に思われないでしょうか・・・?」ウー…



バタンッ ブロロロン…



茜「はっ―!? ま、また何もできませんでした・・・!」

茜「・・・はぁ、いつになったら話しかけられるのでしょうか・・・おかしいですね、こんなこと今までなかったのに」

茜「誰かに相談した方がいいでしょうか・・・? うーん・・・」トボトボ



・・・
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:34:45.28 ID:H3iSw6ld0

・・・

茜(・・・ん? んん!? 寮にプロデューサーさんの車が!? い、いらっしゃるのでしょうか・・・!?)



スス… ススス… キョロキョロ…



アハハ フフ…



茜(食堂でしょうか? 他にも人が・・・あれは確か、李衣菜さん? 何を・・・この匂い、おでん・・・?)コソッ
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:35:43.41 ID:H3iSw6ld0

李衣菜「十分煮たら火を消して―」

ガサゴソ クルクル

李衣菜「お鍋を新聞紙とタオルで包んで1時間放置、で完成です」

武内P「それだけで・・・」



茜(うっ・・・ごくごく自然に話せています・・・)ガーン

茜(あんなに仲の良さそうに・・・! 自分の不甲斐なさにもやもやしますっ・・・!)

茜(何か、何か話しかけるきっかけは―!?)キョロキョロ
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:37:55.79 ID:H3iSw6ld0

李衣菜「・・・で、でも1時間あるんですけどね・・・えへへ」

武内P「いえ、お見事です」

李衣菜「あ、はは・・・」

李衣菜「な、なにしてましょうかね・・・!?」



茜(!!!)

茜「走りましょう!!!」

李衣菜「!?」

李衣菜「え、あ、茜ちゃん?なんで・・・」

茜「何やら美味しい匂いしてきたもので! ご相伴に預かってもよろしいでしょうか!?」

李衣菜「い、いいけど・・・それより走るって・・・」

茜「空腹は最高のスパイスです!!! たった1時間ではありますが、それでもごはんをより美味しくしてくれるはずです!!!」

李衣菜「いやいや1時間てけっこう―」

武内P「―なるほど。一理ありますね」

李衣菜「ええっ?!」

茜「はい!!! さあ李衣菜ちゃん、プロデューサー!!! あの夕日に向かって、トラーーーーーイッ!!!」ガシッ

李衣菜「え、ちょ、まっ、えええー!?」

ズダダダダダダダダー

茜(や、やりました! 胸のもやもやも消えて、実に清々しい! 今ならどこまでも走れそうです!!!)



・・・
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:43:07.81 ID:H3iSw6ld0

茜「美味しいです!!! 李衣菜さん!!! おかわりをお願いします!!!」モッモッ

李衣菜「あ、うん。ちょっとまってねー・・・よっ、はいどうぞ」

茜「はふっ! はふっ! 美味い!! もう一杯!!!」モッモッ

武内P(いい笑顔です・・・)

李衣菜「はいはーい、いくらでもあるからね。プロデューサーさんも遠慮しないでくださいね」

武内P「はい。では、私にもおかわりを」

李衣菜「はーい♪」

茜「もう一杯!!!」



・・・
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:43:46.92 ID:H3iSw6ld0

・・・



茜「はっ―!? け、結局まだお話できていません!!!」ガーン

茜「しかもあんなにガツガツと・・・! わ、私は・・・! 私はーっ!!!」ダッ ズダダダダダー…

藍子「あ、茜ちゃーん!?」

280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:44:43.00 ID:H3iSw6ld0

奏「・・・」

文香「・・・」

凛「・・・た、担当じゃなかったし白・・・」

加蓮「あれは黒だね。まだ無自覚みたいだけど」
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:45:22.29 ID:H3iSw6ld0

加蓮「でも油断できないからね、奈緒。スタートは分があっても先は長いんだから。リードを守って、チャンスは逃ないようにねっ!」

藍子「え!? わ、わぁ・・・! 奈緒ちゃんて、そうなんだぁ・・・!」キラッキラッ

奈緒「ち、違う!! 言いふらすなよ加蓮っ!」

唯「ゆいは好きだよ、プロデューサーちゃん☆」

藍子「ええ!? そ、それって・・・」ドキドキ

奏「んんっ! それで、藍子ちゃんにも聞きたいのだけど・・・」

藍子「あ、はい。なんでしょう?」

文香「CPが発足する以前に、藍子さんのラジオ番組にプロデューサーさんと当時の担当アイドルが来たということはなかったでしょうか?」

藍子「CPができる前だと・・・9ヶ月くらい前のことでしょうか? どうだったかな・・・」

凛「ないならないで全然いいんだけど・・・!」

藍子「う〜ん・・・あっ、カメラとかに残してあるかもしれません! 写真も見たら思い出すかも! ちょっと待っててくださいね」ピッピッ
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:46:08.44 ID:H3iSw6ld0

藍子「え〜っと・・・あ、そうです! 楓さんと、小梅ちゃんと、愛梨ちゃんと、それから美穂ちゃんと来てくれたことがありました!」ピッピッ

奏(ビンゴ・・・)

凛(本当にもう謝るから許して・・・)

文香「れ、連絡をとることは可能でしょうか・・・?」

藍子「はい、できますよ」



・・・
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:47:08.64 ID:H3iSw6ld0

・・・



十時愛梨「CPのプロデューサーさんですか? はいっ、私のプロデューサーさんですっ♪」

284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:49:10.28 ID:H3iSw6ld0

奈緒(わ、私の・・・!? 私のって・・・今はCPの担当だろ・・・)ムー…

奏(悪気なんて微塵もないのでしょうけど・・・というかこれ、CPの会議に混ぜて本当に大丈夫なのかしら・・・?)キリキリ

文香(こ、こんなはずでは・・・プロデューサーさんと元担当の方が疎遠でないということがあり得るなんて・・・)キリキリ

凛(卯月と奈緒のこともあるのに・・・ああ本当に私はどうしたら・・・!?)キリキリ

愛梨「プレゼントなんて素敵ですねっ♪ プロデューサーさんもきっと喜んでくれますよ!」

唯「それでどうどう愛梨ちゃん! プロデューサーちゃんの好きなもの! ゆいに教えてー☆」

愛梨「えーっと〜プロデューサーさんはですね〜・・・食べることが好きでしたっ! 私が作ったケーキもよく美味しそうに食べてくれて! えへへっ♪」

唯(ケーキか〜・・・甘党だったりもするのかなぁ? でもちなったんと一緒にコーヒー飲んでたし食べた量もそんなに・・・遠慮しなくてもよかったのに・・・)ブー
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:52:19.34 ID:H3iSw6ld0

加蓮「へぇ・・・仲、良いんですね。CPの担当になってから、担当も外れたんだしもしかしたら詳しいお話聞けないんじゃないかって、ちょっと心配だったんです」

凛(か、加蓮・・・!?)

加蓮(・・・この人がプロデューサーさんとどれだけ親密かはまだ分からない。でも、あのプロデューサーさんの性格を考えれば特別な一線を越えているとは思えない)

加蓮(奈緒の差を詰めるためには、相手を知らなくちゃいけない・・・!)

愛梨「う〜ん・・・確かに、一緒にいられる時間はものすごく減っちゃいましたけど、時間を見つけて二人で逢ったりはしてたんですよ?」

凛(あ、会ってたの!?)

愛梨「その〜・・・あんまり詳しいことはプロデューサーさんが嫌がるからお話しできないんですけど、プロデューサーさん、お仕事についてすごく悩んでた時期があって・・・」

奏(そのことも、知っているのね・・・)

愛梨「結局、私はプロデューサーさんがお仕事辞めちゃったりしないように慰めることしかできなかったんですけど・・・」

文香(なるほど・・・確かに、辞職されることも検討していたでしょう、あの方なら・・・それを繋ぎ止めていたのが、かつての担当の方々・・・ありえない話ではないのかもしれません・・・)

愛梨「だから、CPのみんなには私もすっごく感謝してるんですっ! プロデューサーさんも元気になって、とときら学園が始まってまた一緒にお仕事もできるようになって♪」

加蓮(プロジェクト存続をかけた大事な時期の企画、とときら学園・・・当然プロデューサーさんからの信頼も・・・うーん、これはけっこう差があるかなぁ・・・)ウムム…

凛「あ、会ってたりしたんだ・・・知らなかったなぁ・・・」キリキリ

愛梨「えへへ♪ 私、これでもプロデューサーさんによく頼りにされてたんですっ。とときら学園の前にも、未央ちゃんにお仕事の見学をさせてあげられないかって頼まれたりもして!」

・・・
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:53:04.63 ID:H3iSw6ld0

・・・



愛梨「あっ・・・♪」



テテテ・・・



愛梨「えいっ♡ だーれだー?」ピタッ



武内P「・・・十時さん、ですか?」



愛梨「はいっ、正解でーすっ! えへへ♪ すぐ分かっちゃうなんてプロデューサーさんすごいです〜!」パッ

武内P「よく聞く声でしたから」
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:53:55.71 ID:H3iSw6ld0

武内P「本日はありがとうございます。・・・? 十時さんの入り時間にはまだ早いようですが・・・?」

愛梨「プロデューサーさんが久しぶりに私のお仕事見てくれるのが嬉しくって・・・もう来てないかなって、つい早く来ちゃって・・・♡」

武内P「先にスタッフの方達にも挨拶をしておこうかと思いまして。本田さんは事務所よりご自宅から近いということもあって、もう少ししてから直接こちらにいらっしゃいます」

愛梨「そうなんですねっ。よーしっ、先輩らしいところ見せられるように頑張っちゃいますからっ♪」

武内P「頼もしいお言葉です」

愛梨「えへへー♪」
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:54:25.32 ID:H3iSw6ld0

愛梨「それにしても・・・うーん、暑いですね〜・・・もう脱いじゃって水着になっちゃおうかなぁ・・・」ヌギ・・・

武内P「こ、ここでは・・・! あちらに更衣室がありますので・・・!」

愛梨「あっ、はーい」テテテ

武内P「ふう・・・」



・・・
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:55:07.03 ID:H3iSw6ld0

・・・



愛梨「じゃじゃーんっ! どうですか〜? この水着、フリルとか、胸のリボンとかっ、すっごく可愛いと思うんです〜!」ヒラヒラ クルクル

武内P「はい、とても素敵だと思います」

愛梨「えへへ、褒められちゃいました〜♪」ピョンピョンッ

愛梨「はぁ・・・でも、あれ? なんだかさっきよりも暑く・・・」フゥ…

武内P「日差しが強いですからね・・・パラソルを用意しておいたのでそちらに。それから、もう日焼け止めも塗っておいた方がよろしいと思います。お持ちですか?」

愛梨「あっ、はいっ! ちゃんとポーチに入れて・・・はいっ、持ってきてます!」ガサゴソ テテーン
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 19:59:21.38 ID:H3iSw6ld0

愛梨「こういうの、塗るのけっこう大変なんですよね〜。柔軟もちゃんとやってて手は届くんですけど、背中とかちゃんと塗れているか見えないじゃないですか〜」

武内P「そうですね。・・・? 十時さん、それはサンオイルでは・・・?」

愛梨「えっ? サンオイルって、日焼け止めですよね?」

武内P「そう、ですね・・・物にもよりますが、日焼けを予防する日焼け止めとは異なり、サンオイルは皮膚へのダメージを軽減して日焼けできるようにすることを目的にしたものなので、日焼け自体を防ぐことは・・・ああ、これもできないようですね」ヨミヨミ

愛梨「そ、そんな〜! 間違えて買ってきちゃいました〜・・・」ガーン

武内P「・・・念のため、私も用意してきたのですが、お使いになられますか?」

愛梨「さ、さすがプロデューサーさん・・・! はいっ、お願いしますっ!」



・・・
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:02:02.55 ID:H3iSw6ld0

・・・



愛梨「それじゃ、ごろーんっ♪」ゴローン

愛梨「えへへー♪ やっぱりプロデューサーさんはすごいですっ。私に必要なもの、何でもすぐに用意してくれてっ」パサッ

愛梨「一緒だと何でも楽しくて、お仕事だって上手くいっちゃうんですっ!」

武内P「いえ・・・たまたま十時さんの時に失敗しなかっただけで、私も何度も失態を・・・余計なことをしてしまったことも・・・」ポリ・・・

愛梨「じゃあ私たち、とっても相性がいいんですねー♪」

武内P「・・・ふふ。そう、ですね・・・」

愛梨「そうなんですっ♪」

武内P「・・・はい」フフ…
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:03:53.52 ID:H3iSw6ld0

武内P「用意できましたが、どちらから?」

愛梨「じゃあ背中からっ。プロデューサーさんにお任せしちゃいまーす♪」

武内P「分かりました」


愛梨(ふふっ♪ プロデューサーさん、元気になってくれてよかったなぁ・・・)

愛梨(・・・たまにお話しか、私にはできなかったけど・・・それでも・・・)


武内P「少し冷たいかと思いますので・・・」

愛梨「は〜い♪」


愛梨(すごく暑いからちょうどいいです・・・ドキドキしちゃって・・・)

愛梨(プロデューサーさんが触ったらどうなっちゃうのかな・・・? 鼓動、伝わっちゃうかも・・・)



プシュー



愛梨「ひゃんっ・・・?! えぇ・・・!? スプレー!? そんな〜!」

武内P「? はい。こういったタイプなら、時間が経って塗り直す際に一人でも全身むらなく出来るかと思いまして」プシュー
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:04:54.16 ID:H3iSw6ld0

武内P「背中側は終わりました。立っていただけますか?」プシュー

愛梨「はい〜・・・・」スクッ…

武内P「前も・・・これでよいですね。差し上げますので1、2時間おきに塗り直すようにしてください」プシュー

武内P「顔だけはメイクの上からでも使用できるパウダータイプのものを・・・あの、十時さん? 頬を膨らませられなくても塗れますので・・・」ポフッ ポフッ

愛梨「む〜・・・」プクー

愛梨「!」ピコーン

愛梨「プロデューサーさんっ! お礼に私もサンオイル塗ってあげますねっ!」

武内P「私にですか? いえ、特に必要はないと思うのですが・・・」

愛梨「だめですよ〜っ。お仕事でいろんな人に会うんですからっ! お顔だけでもしないと!」

愛梨「でも〜、いつも大変なお仕事頑張ってるんですから、ちょっとくらい遊んで焼いちゃってもいいと思いますっ! だから、サンオイル♪ それっ♪」ピタッ

武内P「はあ・・・では、お願いします・・・? 積極的に焼きはしないと思いますが・・・」

愛梨「は〜いっ♪」ヌリヌリ スリスリ



愛梨(・・・こんな時間、いつ以来かな・・・? ・・・もう、寂しかったんですからね?)
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:06:01.05 ID:H3iSw6ld0

愛梨「せっかくの海なんだから遊ばないなんて損ですよっ。未央ちゃんも見学だけじゃつまらないかもしれないですし、ちゃーんとエスコートしてあげなくっちゃ♪」ヌリヌリ…

武内P「つまらないということはないでしょう。これほど間近で十時さんを見ることが出来るのですから」

愛梨「えっ?! そ、そうでしょうか・・・? それは・・・プロデューサーさん、も・・・?」

武内P「もちろんです」

武内P「貴女をプロデュースできたことは、私にとってかけがえのない経験です。道を見失いかけていた時期も、ご活躍を通して、確かに貴女という光が照らしていてくれました」

武内P「私は、いつまでもあなたの輝きを見ていたいと、そう思っています」

愛梨「・・・そっか♡」

愛梨「じゃあ、ずっと私のこと見ててくださいねっ! よそ見なんてしちゃ、嫌なんですからっ♪」



・・・
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:09:18.05 ID:H3iSw6ld0

・・・

藍子「そ、そ、そっ・・・それから・・・?!」ドキドキ…

愛梨「それから〜・・・うーん・・・な・い・しょ♡ ですっ! うふふっ♪」

藍子「え〜教えてくださ〜い!」キャーキャー

愛梨「内緒なんで〜すっ♪」キャッキャッ



奈緒「・・・ふうん」

凛(藍子! 藍子! 空気読んで藍子!)キリキリ
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:09:51.71 ID:H3iSw6ld0

加蓮「大丈夫大丈夫。信頼は高いけどアイドルとしてだし、そこまで押しが強いわけでもないから。他の子にも無警戒だし巻き返すのはそんなに難しくないって」コソ…

奈緒「・・・・・・うん・・・」

凛(・・・・・・ふぅー・・・)キリキリ



愛梨「みなさんはまだプロデューサーさんが担当していた他のアイドルにお話を聞きに行くんですよね? 私はどうしよっかなぁ・・・あっ、一度ちゃんとCPのお部屋に遊びに行ってみようかなぁ♪」

奏「!?」

文香「なんっ・・・!? え、ええ・・・!?」
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:11:47.26 ID:H3iSw6ld0

文香(問題を一つにまとめるために行って頂きたくはありましたが、果たしてどうお話ししようかと考えていましたが・・・)

愛梨「? とときら学園の収録でみんな会いますけど、プロデューサーさんのことちゃんとお礼しておきたいですし、私も今のプロデューサーさんのこと聞いてみたいなぁって♪」

奏「そ、そう・・・ちょうど今ならみんな、プロジェクトルームにいると思うわ。・・・さっき、会ってきたし・・・」

愛梨「あっ♪ ならちょうどいいですねっ! ありがとうございますっ!」

奏(これ本当に大丈夫なのかしら・・・)

凛(美波と未央、杏に李衣菜もいるだろうし・・・うん、任せよう・・・)

加蓮「あそっか、今の話かぁ・・・私たちも後で行ってみよっか?」

奈緒「ええ・・・!? いや、でも・・・」

凛(・・・・・・土下座で済めばいいなぁ・・・)
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:13:00.40 ID:H3iSw6ld0

文香「あっ・・! と、ところで・・・」

愛梨「?」

文香「プロデューサーさんが愛梨さんの他に担当されていた方がどなたかご存知でしょうか・・・?」

愛梨「うーん、実は知らないんですよねぇ・・・」

凛「知らない・・・?」

愛梨「CPみたいな大きなプロジェクトじゃなかったから、プロデューサーさんとだけのお部屋とかありませんでしたから。他の人と会う機会が全然なくって」

愛梨「いつか聞こう聞こうって思ってても、プロデューサーさんと逢ってお話ししているといつも忘れちゃって・・・えへっ」

愛梨「特にユニットも組んでなかったし・・・あっ、もしかして一緒にライブに出た人達の中にいたりしたのかな・・・?」

文香「そ、そうでしたか・・・」



・・・
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:13:54.05 ID:H3iSw6ld0

・・・



愛梨「それじゃ、ばいばーいっ♪」

パタパタパタ…

文香(ダイナマイトを思わせる衝撃でした・・・)

奏「・・・次は、どこで誰と会うアポを?」

小梅「ばあ・・・」ニュッ

「「「きゃあああああああ!?」」」
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:15:03.75 ID:H3iSw6ld0

加蓮「び、びっくりした・・・3人ともこういうの苦手だっけ?」バクバク

小梅「だ、大丈夫・・・?」

文香「す、すみません・・・お騒がせいたしまして・・・」ゼェーハーセェ゙ーハー

奏「も、もう大丈夫だから・・・!」ドッキンドッキン

凛「今だけは・・・今だけはこういうのホント無理・・・」キリキリ

楓「ばあ♪」ニュニュッ

「「「ひゃぁあああああああああ!?」」」
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:15:44.08 ID:H3iSw6ld0

楓「あ、あら? ご、ごめんなさい・・・! 大丈夫ですか?」オロオロ

文香「はぁー・・・! はぁー・・・!」

奏「・・・?! ・・・!?」

奈緒「し、死にそうじゃねぇか。大丈夫か・・・?」サスサス…

凛「ごめん。ちょっと・・・ちょっとでいいから落ち着かせて・・・」

奈緒「お、おう・・・」



・・・
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:18:03.70 ID:H3iSw6ld0



小梅「CPの・・・プロデューサーさん、が?」

楓「担当だったか、ですか?」


303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:19:36.62 ID:H3iSw6ld0


小梅「えと・・・CPの、プロデューサーさん・・・だよね・・・う、うん・・・担当してもらってたこと、あるよ・・・?」

奏「そ、そうだったのね、やっぱり・・・莉嘉ちゃんとみりあちゃんからとっても仲が良さそうだったって聞いていたから」

小梅「そ、そう・・・かな・・・? そう、だったら・・・いいなぁ・・・えへへ・・・♪」

楓「あらあら。うふふ♪」



304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:20:38.43 ID:H3iSw6ld0


凛「か、楓さんも・・・?」キリキリ

楓「ええ♪」

凛「そ、そうなんだ・・・そうなんじゃないかなって、話してたんだ・・・」

奈緒(わー! わー! 楓さんって言ったら346を代表するアイドルじゃん! そんな人までプロデュースしてたなんて!)グイグイッ

加蓮(ふふっ、はいはい。すごいねー♪)コソッ


305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:21:36.85 ID:H3iSw6ld0

楓「・・・出会いは運命だったんじゃないかって、今でもふと思うんです。そんなうんめい(旨い)話、なんて―」

楓「元々モデル部門にいた私がなぜかアイドル部門の扉を叩いて、人見知りだったのにアナタとならできるかもって・・・♪」ペラペラ

楓「私に人と飲むお酒の楽しさを教えてくれたのもプロデューサーさんでしたっけ・・・♪」ペラペラ

306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:22:49.13 ID:H3iSw6ld0

楓「ふふふ、それなのにひどいですよねぇ。『同じ事務所ですから』、だなんて」モー

楓「男の人ってそういうことあんまり言いたがらないって聞きますけど、それでもやっぱり寂しいですよねぇ」クス

奏(そんな友達に紹介されない彼女みたいな言い回し・・・!)

楓「これはもう、今夜は薄情な理由を白状してもらわナイト、だなんてその日はついにお家まで行っちゃって♡ うふふ♪」クスクス

鷺澤文香(お家にまで・・・?!)



奈緒「・・・・・・家・・・?」

凛(ひっ・・・!)



・・・
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:23:48.20 ID:H3iSw6ld0

・・・



ピンポーン ピピピピピンポーン ピピピピピピピピ

武内P「やめてください・・・」ガチャッ

楓「う〜・・・う〜・・・! ・・・ヒック」フラフラ

武内P「そんなに酔われて・・・」

武内P「・・・仕方がありません。どうぞ」スッ

楓「うー・・・」トテトテ

パタン

308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:24:33.31 ID:H3iSw6ld0


武内P「はい、はい・・・申し訳ありませんが、よろしくお願いします」ピッ ツー ツー ツー

武内P「千川さんが迎えに来てくれますよ、高垣さん」

楓「・・・ヒック」

武内P「しじみの味噌汁ならすぐに用意できるでしょうか・・・」ガサゴソ

武内P「まったく・・・こんなになるまでどうして・・・」イソイソ

楓(・・・だって・・・いつも止めてくれた人がいなかったから・・・)

武内P「・・・」トントントントン


309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:25:17.73 ID:H3iSw6ld0


武内P「・・・今の、担当の方は・・・」キュッ ジャー


楓「妊娠したそうです・・・」


武内P「・・・おめでとうございます」カチッ チチチチチ

310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:29:33.29 ID:H3iSw6ld0


楓(どうして“同じ事務所だから”なんて言ったんですか〜・・・)ゴンッ


武内P「・・・」コトコト


楓(一緒に頑張ってきたじゃないですか〜・・・)ゴンッ ゴンッ


武内P「・・・」コトコト


楓(・・・はあ・・・言えない・・・)ゴンッ ゴンッ ゴンッ


武内P「頭をこたつに打ち付けないでください・・・」クル…


楓「・・・」ゴンッ…

311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:30:31.81 ID:H3iSw6ld0

楓(もし担当していたと言ったら・・・)


武内P「・・・本当に、お酒が好きになりましたね」コトコト


楓(この人には実績があると、きっとあの子たちはアナタのこともっと早く信頼するようになって・・・)

312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:31:19.09 ID:H3iSw6ld0


武内P「勧めてしまった私が言うのもなんですが・・・程々にはしてください」ヨソイ


楓(それで・・・)


武内P「高垣さんは歌も魅力的なのですから、のどを労わって・・・」クイッ


楓(私と比べてしまうかもって・・・心配したんですか・・・?)


313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:31:56.03 ID:H3iSw6ld0


楓(おこがましいですよね・・・こんなことでぐずぐずしてる女なのに・・・)


武内P「少なくとも、どなたかと一緒にいられてなら安心なのですが・・・」カチッ


楓(それでも・・・アナタと見た、夢は・・・アイドルの私は、本当に輝けていて・・・)


武内P「泥酔して何かあってはことです。今日のような時は、必ず連絡をするように」ヨソイ


楓(私は・・・アナタの特別には・・・なれないんですか・・・?)



武内P「私が、いつでも貴女を迎えに行きますから」コトッ



楓「・・・!」

314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:32:38.08 ID:H3iSw6ld0


楓「なら・・・」ズズー…

武内P「・・・?」

楓「今から・・・付き合ってもらえますか?」

武内P「今から・・・ですか?」

楓「千川さんが来るまでの、ほんの少しでいいんです・・・」

楓「後生ですから、五升だけ・・・」

武内P「・・・それは飲み過ぎです」

楓「・・・ふふふ♪」

武内P「・・・ふふ」

武内P「ちょっとだけですよ」

楓「はーい♪ お猪口でちょこっと―ああっ、減ってる! 二人で飲もうってあげたのに〜・・・」ガサゴソ

武内P「す、すみません・・・つい・・・」



・・・

315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:33:34.07 ID:H3iSw6ld0



・・・



楓「な〜んて・・・お互い不器用で、困っちゃいますよね」フフ



奈緒(・・・なんだよ、誰にでも優しいのかよ・・・別に、あたしには関係ないけどさ・・・!)


奈緒(・・・てゆーか、アイドル部門ができて以来なら精々2年だろ?)


奈緒(それをずーっとお互いす、好きなのに立場とかで進めないこじれた関係みたいに・・・!)

奈緒(まあ!? あたしには?! 関係ねーけどな!!)


凛(分からない・・・奈緒になんて話しかければいいのか全然分からない・・・!)キリキリ

文香(だ、大丈夫、大丈夫です・・・! 大人というアドバンテージはありますがそこまで押しが強いということもありません・・・!)ガタガタ

文香(例え家を知っていようと、担当でなくとも気にかけられていることを確認できたということはお二人の関係は決して深くないということ・・・論破です・・・!)ブルブル

奏(い、いいわ・・・! 付き合っていなければもうそれでいいわ・・・!)



小梅「おお・・・大人・・・だね・・・!」キラキラ
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:34:09.61 ID:H3iSw6ld0

唯「小梅ちゃんはどんなことあったのー? プロデューサーちゃんと仲良くって、今でもよく話すんでしょー?」ナデナデ ウリウリ

小梅「そ、そうだなぁ・・・えと・・・担当代わるけど、お互い頑張ろうねーって、なってからしばらくしたらね、プロデューサーさんから電話があって・・・」

楓「まあ、プロデューサーさん“から”連絡」

小梅「う、うん・・・」
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:34:57.10 ID:H3iSw6ld0

小梅「今度、担当する子がね・・・私と、好きなものが一緒かもしれないから、いろいろ教えてほしいって・・・電話が、あってね?」

小梅「それなら、一緒にDVD借りて、映画見ようよって、誘ったの・・・♪」

唯「えー小梅ちゃんだいた〜んっ♪」ヒューヒュー


小梅「ええ・・・そ、そんなこと・・・はう・・・」

318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:39:21.50 ID:H3iSw6ld0


小梅「・・・おほん」


小梅「あれはまだ・・・お昼が長くて、風に気持ちいい初夏のころ・・・」ヒュードロドロ


小梅「蘭子ちゃんをプロデュースするために、ゴシックホラーについて調べてようとしたプロデューサーさんと・・・ホラー映画を見ることになった私は・・・」


小梅「私のお仕事のロケ地まで迎えに来てくれたプロデューサーさんの車に乗って、帰りがけにBDを買って、山道を走っていたの・・・」

319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:40:07.88 ID:H3iSw6ld0













小梅「・・・それが、あんな悲劇を生むことになるなんて知りもせずに・・・・・・」


・・・


320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:41:26.92 ID:H3iSw6ld0



・・・



ブロロロロロロ…



小梅「借りるどころか・・・買っちゃった・・・ね・・・♪」ガサッ

武内P「はい。きっと、何度も見ることになるかと思いましたので」

武内P「それに、返すためにここまで来るのもなんでしたから」

小梅「あんなところに・・・よくレンタルショップ、あったよねぇ・・・」

武内P「そうですね・・・」

小梅「一緒にいっぱい、見ようね・・・えへへ・・・♪」

武内P「ありがとうございます。ですが、白坂さんの時間も使って教えていただくのですから、余り遅くならないうちに本日は終えましょう」

小梅「気にしなくていいのに・・・」



小梅「・・・・・・ふふふ・・・」


321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:42:44.31 ID:H3iSw6ld0


武内P「撮影はいかがでしたか?」

小梅「楽しかったよ・・・あのね、昔・・・人体実験をしていた疑惑のある・・・つぶれた診療所で、ね・・・!」キャッキャッ

武内P「そ、そうですか・・・」ゾッ…

小梅「新しい、友達も・・・できたんだぁ・・・♪」

武内P「そ、それは良かったですね」

小梅「うん・・・♪」



武内P(・・・白坂さんだけの撮影だったはず・・・き、きっとスタッフさんですね・・・)






小梅「・・・あっ、うん・・・この人が、そうだよ・・・」

322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:43:43.35 ID:H3iSw6ld0


小梅「映画・・・どこで、見るの・・・?」

武内P「CPのプロジェクトルームにしようかと。プロジェクターもあることですし」

小梅「大画面、だね・・・!」

武内P「はい・・・おや・・・?」


ブロロ   ブロロロロ…


小梅「どう、したの・・・?」

武内P「いえ・・・」

武内P(心なしかアクセルの利きが悪い・・・)

武内P(メーターは・・・ガス欠、というわけではなさそうですが・・・?)

323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:44:27.97 ID:H3iSw6ld0


小梅「・・・暗くなって、きたね・・・」

武内P「ええ・・・もうすぐ日没ですし、木が生い茂っていますから余計にそう感じます」

武内P(未だ山道の半ば・・・プロダクションどころか市街地へはまだ距離がある・・・)

武内P「あれは、自動販売機・・・すみません、少し寄らせて頂きます」

小梅「? う、うん・・・?」






キキー…



・・・


324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:45:11.70 ID:H3iSw6ld0


・・・



武内P「どうぞ」スッ

小梅「あっ、ありがと・・・」カシュッ クピクピ

小梅「・・・車、調子悪い・・・?」

武内P「そのようで・・・すみません、ちゃんと整備していれば・・・」パカッ

小梅「ううん・・・私なら、平気だよ」

武内P「ありがとうございます。すぐに対処いたしますので」カチャカチャ

小梅「うん・・・♪」

小梅(一緒の時間が、増えるんだから・・・♪)

325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:46:09.51 ID:H3iSw6ld0

武内P(走行中のエンスト・・・こういう場合、ハンドルやブレーキも重くなると聞いていたのですが・・・そんなことはありませんでしたね・・・)



小梅「・・・え・・・? 車・・・止めちゃったの・・・?」



武内P(電気は変わらず使えている・・・)



小梅「やっぱり降りたくなったって・・・あ、酔っちゃったの・・・? よ、よしよし・・・」



武内P(ダメですね・・・まるで分りません・・・)



小梅「もう、帰る・・・? う、うん。またね・・・ばいばい・・・」



武内P(幸い、電波もとどいていれば自動販売機にここの住所も載っている・・・)



小梅「あっ・・・車は・・・治せない・・・? そ、そっかー・・・」



武内P(ここは無理をせず、ロードサービスを呼びましょう)ピッポッパ



・・・

326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:46:55.01 ID:H3iSw6ld0



・・・



武内P「やはりここまでだと、来るまでかなりかかるようです・・・」

小梅「そうなんだ・・・あ、それなら・・・」ガサゴソ

武内P「・・・?」

小梅「これ、映画・・・今見ない・・・?」スッ

小梅「プロデューサーさんの、車のカーナビ・・・これ、見れるよね・・・?」

武内P「見られますが・・・こ、ここでですか・・・!?」

小梅「ふ、雰囲気・・・すごいよねぇ・・・!」ワクワク

武内P「え、ええ・・・あの、本当に・・・?」



・・・
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:49:45.89 ID:H3iSw6ld0



・・・



カー カー



武内P「・・・!」ドキドキ


小梅(うわぁ・・・うわぁ・・・プロデューサーさん、怖がってる・・・♪)ワクワク


     ガサ


武内P(しゃ、車内のスピーカーのせいで後ろからも音が聞こえる・・・)クルッ


小梅(あ・・・そろそろ、この二人の首飛んじゃうけど・・・ど、どうかな・・・?)ドキドキ


      スパッ



武内P「・・・!」ビクッ



小梅(おお・・・いい・・・♪)ウットリ


328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:51:33.65 ID:H3iSw6ld0


ザッ ザッ ザッ…



トントン トントン…



武内P(ち、違う・・・気のせいです・・・映画以外の音がするなんて・・・!)



ガサガサッ


小梅「怪談とか、してると・・・寄ってくるって、話あるよね・・・? あれはね・・・?」


武内P「ど、動物たちですよきっと・・・! 大丈夫です・・・!」


329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:52:56.16 ID:H3iSw6ld0

武内P(・・・はっ!? い、いけません、神崎さんのためにこの世界観を理解しなければ・・・!)メモメモ


小梅(あ・・・お仕事モード・・・むう・・・)


小梅「!」ピコーン


小梅(・・・お仕事も、大事だけど・・・)ソロソロ


小梅(もっと私をかまっても、いいんじゃないかなぁ・・・?)ソロー


小梅「・・・あーん」


カプ


武内P「!!!」ギクゥッ



ダキッ ガチャッ



小梅「あ、あれ・・・?」ヒョイー



ズダダダダダダー……!


330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:53:49.54 ID:H3iSw6ld0

ズダダダダダダー……!



武内P「!!!」



小梅(小脇に抱えながらよく走れるなぁ・・・)



小梅(もうちょっとしっぽりとは・・・いかないかぁ・・・)


         ギュッ



小梅(まあ・・・いっか・・・♪)ギュー



・・・


331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:54:57.66 ID:H3iSw6ld0



・・・



小梅「けっきょく・・・無我夢中で、私を抱えながら走るプロデューサーさんが・・・ロードサービスの人の車と会って・・・」

小梅「その時は、それで何もなく終わったんだ・・・」


332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:55:41.53 ID:H3iSw6ld0



小梅「でも・・・この話には、続きがあって・・・」



「「「・・・・・・・・・」」」ゴクリ






小梅「実は・・・蘭子ちゃんは・・・ホラーがそんなに好きじゃなかったの・・・!」



「「「きゃー!!!」」」






奈緒「いや、きゃーって」


333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:56:41.43 ID:H3iSw6ld0

唯「いやーんプロデューサーちゃんかわい〜♪」

小梅「ねー・・・♪」



文香「どうしましょう凛ちゃん・・・! 私・・・! 今夜一人でトイレに行けないかもしれません・・・!」メソッ

凛「う、家に泊まりに来ていいよ・・・!」ガタガタ

奏「わ、私も一緒にいいかしら・・・?」ブルブル


奈緒「いやいやいや、ホラーっぽく話されただけで普通の話だったと思うぞ? おちつけ?」

加蓮(普通の話でもなかった気がするけど・・・まあいっか)


334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:58:30.00 ID:H3iSw6ld0


楓「あっ、そろそろいかないと・・・」チラッ

楓「皆さんはこの後もあの人の話を聞きに行くんですよね?」

文香「ええ、そのつもりですが・・・?」

楓「良ければ今度聞かせてください。また悩んだ時は、私も力になってあげたいですから」

凛(いや・・・楓さんは話しちゃいけない方の人だから・・・)

奏(まだ13歳の小梅ちゃんにプロデューサーさんの方から連絡があったってことにも反応していたし・・・ねぇ・・・)

楓「それじゃあすみません。高垣、失礼させていたがきますね」フフフ

楓「小梅ちゃんも、あんまり困らせちゃダメよ?」ウフフ

小梅「はーい・・・じゃあね・・・」フリフリ

335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 20:59:29.47 ID:H3iSw6ld0



小梅「えと、私も・・・お仕事あるから、もう行かないとなんだけど・・・ごめんね・・・」

文香「そうでしたか。いえ、お時間をとっていただきありがとうございます」

小梅「・・・あの」クイクイ

凛・奏・文香「「「・・・?」」」

小梅「な、なにか大変なことになってるみたいだけど・・・が、がんばって・・・ね・・・」

小梅「私にできることなら・・・手伝うから・・・」

文香「こ、小梅さん・・・!」ホロリ

奏「その言葉だけで十分よ・・・!」ウルウル

凛「うん、私達はまだ戦える・・・! ありがとう、小梅・・・!」グスッ



・・・


336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:00:55.71 ID:H3iSw6ld0



・・・

小梅「・・・・・・ばいばい・・・」フリフリ


テクテク…




小梅「・・・え? あ、あれでよかったのかって・・・?」

小梅「うん・・・だって、ライバルって・・・思われてない方が、動きやすいし・・・」



小梅「・・・うん・・・そういうこと・・・」

小梅「油断してるところから来るのって、怖くていいよねぇ・・・」

小梅「トップアイドルになって、プロデューサーさんが受け入れてくれるようになったころには・・・いったいみんな、何歳になってるんだろうね・・・」


小梅「ふふふ・・・ふふふふふふふ・・・♪」



・・・


337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:02:11.09 ID:H3iSw6ld0



・・・


唯「藍子ちゃんが教えてくれたのってあと美穂ちゃん? 連絡つかなかったんだっけ」

文香「ええ・・・お仕事中かもしれませんし、女子寮で待っていた方がいいかもしれませんね」

奈緒「じゃ、じゃあ・・・CP・・・行くか・・・?」

凛「!? い、今はやめた方がいいんじゃないかな・・・?! た、たぶん誰もいないし・・・!」

唯「あっ、もしもしプロデューサーちゃん? 唯だよー☆」プルルルル ガチャ

奏「!?」


338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:03:00.69 ID:H3iSw6ld0


唯「今大丈夫ー? そろそろいい時間だしご飯いかない? え、そこいるの!」

凛(やめてやめてやめてやめて・・・!)

唯「うんっ、唯も行く行くー♡ じゃあ、うん!」ピッ

唯「唯ちょっと行ってくるねー♪」ピューン

加蓮「追うよ、奈緒!」ダッ

奈緒「ええっ!? お、おう・・・!」ダッ

奏「ま、待って、唯・・・!」ダッ

文香「ゆ、唯ちゃん・・・!」テテテ

凛「お、お願いやめてぇ・・・!」ダッ



・・・


339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:03:56.36 ID:H3iSw6ld0



・・・



奈緒「おい加蓮、大丈夫か・・・!?」サスサス

加蓮「い、いいから・・・! お、追いなさいって・・・!」ゼェーハーゼェーハー

奈緒「バカ! ほっとけるわけないだろ!?」サスサス

加蓮「ぜぇ・・・もーっ! 見失ったー!・・・げほっ・・・」

奈緒「しっかりしろ加蓮! 今救急車を―」ピッ ポッ

加蓮「ちょ、そこまでじゃないからー!?」



・・・


340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:04:33.95 ID:H3iSw6ld0


・・・



文香「わ、私を置いて・・・先を行って下さい・・・」コヒュー コヒュー

凛「大丈夫、文香・・・?」

文香「心配無用です・・・ここから先へは、誰も通しませんから・・・」ゴローン

凛「それは通行の邪魔だからやめよ・・・?」グイー


341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:05:25.67 ID:H3iSw6ld0


文香「ですが、それでは奏さんが一人で・・・」スクッ…

凛「・・・・・・大丈夫、私は奏を信じてる・・・」

文香「・・・・・・そう、ですね・・・」

凛「・・・・・・ちょっと、休もうか・・・」

文香「・・・・・・そうですね・・・」



カランコロンカラーン


安部菜々「いらっしゃいませー!」

342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:09:14.15 ID:H3iSw6ld0


安部菜々(永遠の17歳)
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:09:45.62 ID:H3iSw6ld0

菜々「わあ、凛ちゃんに文香ちゃん! ライブ以来ですねー! あっ、2名様ですね? あちらの席へどうぞ♪」

凛「ありがとう」

文香「その節は・・・」ペコッ

344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:10:21.15 ID:H3iSw6ld0


凛「ふう・・・でもさ、正直思っていたより―」スワリ

文香「はい。CPの方々からお話を聞いていた時と比べると、あまり事態が逼迫しているような気配はありませんでしたね・・・」スワリ

文香「無論、錯覚なのですが」ズーン

凛「だよね・・・」ズーン
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:10:57.56 ID:H3iSw6ld0


文香「十時愛梨さん、高垣楓さん、白坂小梅ちゃん・・・」

文香「年齢や反応から考えて小梅ちゃんは除外しますが、愛梨さんと楓さんがプロデューサーさんに対して親愛以上の感情、恋慕の情を抱いていることは間違いないでしょう」

文香「ですが、お二人にはこれまでに伺ったCPの方々にあった他のアイドルに対する対抗心のようなものを感じませんでした」

文香「これは、それぞれの担当時の境遇の差異、プロデューサーさんとのコミュニケーション時に第三者からの接触等の要因の有無が関わっているのではないかと考えます」

文香「愛梨さんは他の担当の方を知りませんでしたから」

凛「嫉妬・・・奪われるかもって危機感が今までなかった・・・?」

文香「ええ」コク

346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:11:30.12 ID:H3iSw6ld0

文香「元担当の方々にお会いする前に立てていた仮説を覚えていますか?」

凛「かつて担当したアイドルにプロデューサーと親密な仲の人はいない、それはプロデューサーの挫折に対して解決できなかった負い目があるか挫折自体を知らないからっていう・・・?」

文香「はい。ですが実際は異なりました」

文香「自分はプロデューサーさんと共に高みまで来た・・・その自負―」

文香「―これまでの実績、それがあの方をこの業界へ繋ぎ止めていた・・・これもまだ仮説ではありますが―」

文香「職務のため立ち振る舞いを改めるまでもない本来のあの方と相性が良いというのは間違っていないのでしょう」

凛「勝利を確信しているからこその余裕・・・」

文香「そうとも言えるかもしれませんね」

347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:12:08.81 ID:H3iSw6ld0


文香「言わばあの方たちは、昨日までのアナスタシアさん達なのです」

文香「あの方と一番仲がいい人は自分であると改めて考えるまでもなく、当たり前のようにそう思っていた・・・」

文香「そのように仮定すると・・・このまま当初の予定通りにCPの休戦協定に加えて良いものか、私には分からなくなってしまうのです・・・」

文香「あの方を想う、他の方の存在を知る度に爆発におびえていたのですから・・・」ガタガタ

凛「うう・・・」ブルブル

348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:12:45.98 ID:H3iSw6ld0


文香「ですが放っておいた場合、条約を結んだ方々が離反する可能性もあります・・・」

凛「自由な人がいるなら、自分達だけがルールを守るなんてって・・・?」

文香「恋と戦争においては全てが公正である―まさにその通りになりかねません・・・」

凛「あ、愛梨・・・行かせちゃったよ・・・?」

文香「・・・・・・あの時の私達にはあれが最善だったのです・・・」



「はあ・・・」」



片桐早苗「な、なによなのよ。若い子がそろいもそろってため息ついちゃって」

349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:15:29.41 ID:H3iSw6ld0


片桐早苗(28)
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:16:07.49 ID:H3iSw6ld0


菜々「ご注文はお決まりに―だ、大丈夫ですか・・・?」テテテ

凛「ダメ、なんかもう・・・自分がどんなキャラだったかも思い出せない・・・」

菜々「ああ・・・ナナ、分かります。自分は今こう、こうなんだーって言い聞かせているとごくたまにあれっ? 本当の自分はどうだったっけって―ててて苦悩するシーンドラマとかでありますよねーっ!? ナ、ナナの実体験にはありませんがっ・・・! ええ・・・! まだ17歳ですので・・・!」

早苗「なんの話よこっちは・・・」

351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:16:53.35 ID:H3iSw6ld0


早苗「・・・ふう、何か悩み事があるならお姉さんたちに話してみる?」

文香「・・・え?」

早苗「見ての通り、お姉さん達は大人のオンナで凛ちゃん達はまだ子供なんだから。二人ともしっかりいしてるけど、こんな時ぐらい頼っちゃってもいいのよ?」

早苗「菜々ちゃんは〜・・・まだ17歳だけど、人生経験はすっごく濃いから! まあ大丈夫ね!」

菜々「ええ・・・で、でも確かに話せば心が少しは軽くなるかもしれませんし、ナナ達で良ければお話聞きますよ? あっ、ウサミン星人は口も堅いですから! 秘密のお話でも守りますよ!」

凛「なんて温かい言葉・・・」ジーン

早苗「そうそう! お姉さん達にどうにもできなくてもきっと良くはなるって! それにもう気になっちゃってるから話してくれないとあたしもモヤモヤしちゃうし!」ケラケラ

352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:17:28.24 ID:H3iSw6ld0


文香「・・・・・・その、CPのプロデューサーさんなのですが・・・」

「「プロデューサーさん(君)に何か!?」」



「「・・・ん?」」

353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:18:09.54 ID:H3iSw6ld0


菜々「・・・早苗さん、CPのプロデューサーさんと面識があったんですか?」

早苗「・・・ええ。彼、楓ちゃんとか茄子ちゃんとかお酒好きな子達の担当だったことあるからその付き合いの時とか、ね」

凛(ストーカー騒動の時にプロデューサーにオモチャの手錠かけてたっけ・・・流石に知り合いだったんだ・・・)

文香(そんなことより今、今! ここまで候補に出なかった方の名前が出たのですが!?)

354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:25:21.45 ID:H3iSw6ld0


鷹富士茄子(20)
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:26:35.38 ID:H3iSw6ld0

早苗「それに、あたしも彼にスカウトされてアイドルになったから担当だったといえば担当だったし」

凛「スカウト!?」

早苗「ふふん♪ お姉さんも罪なオンナよねぇ・・・」

菜々「・・・わぁ、スカウト! ナナ、そのお話聞いてみたいです!」

早苗「そう? しかたないわねぇ。まあ、いいかしら」

早苗「あれはまだ、お姉さんがバリバリの婦警さんだった頃―」



・・・

356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:27:26.99 ID:H3iSw6ld0


・・・



早苗「さーて、本日のパトロールしゅうりょ―うん?」


武内P「・・・」テクテク


早苗(・・・絵に描いたように怪しい・・・)

早苗(殺し屋・・・麻薬密売・・・それとも人身売買・・・?)コソッ

早苗(交通課のお姉さんがまさかこんな巨悪のしっぽを掴んでしまうなんて・・・)ニジリニジリ…

早苗(で、でもこういうの、一度やってみたかったのよねー!)

早苗(おっといけない。見失っちゃうわ・・・!)コソコソ


・・・

357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:28:38.60 ID:H3iSw6ld0


菜々「・・・」ジトー


早苗「ほら、よく見ると愛嬌あるけど、よく見ないと不審者じゃない? 彼」


早苗「お姉さん交通課だったからドラマとか警察のイメージにあるような巨悪に立ち向かうなんてこと本当になくってねー」


早苗「この男の逮捕があたしの警察人生を変える、そんな予感を感じていたわ」

358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:29:34.44 ID:H3iSw6ld0

・・・


ポロッ…

武内P「? あの、落とされましたよ?」ヒョイ

「えっ・・・? ひっ・・・!」

早苗「ちょっといいかしら? あたしこういうものなんだけど。あ、お姉さんはもう行っていいわよ?」パカッ

「は、はい・・・!」スタコラサッサ

武内P「え? ま、待ってください。これを・・・」

早苗「はいはいあんまり困らせないでねー」ガシッ

359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:31:04.68 ID:H3iSw6ld0


早苗「ちょっと署までいいかしら? 拒否したらシメちゃうけど」

武内P「ご、誤解です! 誤解なんです刑事さん!」

早苗(刑事・・・悪くない響き・・・!)


・・・


・・・


早苗(なぜあたしは始末書を書かされているんだろ・・・)カキカキ

早苗(かつ丼まで奢ったのに・・・! あの男〜!)カキカキ

早苗(麻薬も危険物も所持してないなんてそれでも悪党!? 絶対尻尾を掴んでやるんだから〜!)カキカキ

360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:32:24.67 ID:H3iSw6ld0


・・・


武内P「あの、アイドルに興味は―」スッ

「あわわわわ私そういうお仕事は・・・!」ガタガタ

早苗「その女の子から離れなさい!」ザッ


・・・


早苗「・・・」カキカキ

361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:33:20.33 ID:H3iSw6ld0


・・・


「君なかなか面白そうだね〜・・・ねーねー志希ちゃんつまんなーい! 遊んでほしー♪」キャッキャッ

武内P「では・・・ボーカルレッスンなどいかがでしょうか」


早苗「今度こそ言い逃れさせないわよ!」ザッ


・・・


・・・


早苗「・・・」カキカキ

362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:33:51.44 ID:H3iSw6ld0


・・・


早苗(あたし、刑事の才能ないのかしら・・・?)

早苗(・・・あ、いた)コソッ

武内P(アイドルのスカウト・・・本当に上手くいかない・・・)

早苗(今度という今度は確たる証拠を・・・!)

363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:34:25.86 ID:H3iSw6ld0


「お父さんアイス買ってくるから、ちゃんとここで待ってるんだぞ?」

「はーい!」

「風船、放さないようにな」ヨシヨシ

「だいじょうぶー!」ニギッ



早苗(家族と公園か・・・刑事になったらいつになるんだか・・・)フッ…

364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/06/04(日) 21:35:43.81 ID:H3iSw6ld0

「あっ・・・風船・・・!」パッ


フワー


早苗(あ・・・木に引っかかっちゃた・・・)


「んっ・・・と、とどかない〜・・・」メソッ



武内P「・・・」


テクテク ヨジッ ヒョイ

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