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キャシー・グラハムのシンデレ落語 【デレマスSS】
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77 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 22:45:45.43 ID:HxNo0w0D0
夏樹「ま、そういうことでひとアワ食わしてやろうぜ」
涼「今から作戦を説明するぞ」
亜季「共同戦線!ですな!」
仁美「あっ、もしよければ一緒にごはんいかが?」
珠美「そうですな!鳶組の皆様をお連れください!」
涼「いやそんな…わりぃよ、」
あやめ「いえいえ、ご遠慮なさらず!葵どののお料理は絶品ですよ!」
葵「そうそう、今日はいいアジがたくさんあるよ!仲間は同じ釜の飯を食べるところからっちゃ!」
夏樹「おぉー良い言葉じゃないか、こいつはロックだ!ここで断っちゃいけねえな!」
涼「そこまで言われたら…世話になるか!」
亜季「ごちそうになるであります!」
葵「久々のお客様やね、もてなしのウデがなるっちゃ…!」
あやめ「今夜は宴会ですね!芸事にも通用する忍術の真髄をとくとお見せしましょう!」
夏樹「そうなったらアタシらもひとつ、ロックなパフォーマンスをしようじゃないか!」
涼「おう、アタシらの歌はすごいからな!」
亜季「では、皆を連れてくるであります!」
78 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 22:46:44.41 ID:HxNo0w0D0
〜2号部屋・金貸し〜
幸子「ふぅ…カワイイボクが帰りました〜」
乃々「お、おかえりなさい…」
輝子「さ、幸子ちゃん…どう、だった?」
幸子「今すぐにとはいきませんが、ボクのカワイさに免じて大家さんが交渉してくださるそうです!」
輝子「そ、そうか…」
幸子「やはりカワイイは正義です!フフーン」
乃々「あの、美玲さんからの返金を、預かってるんですけど…」
幸子「おや、ありがとうございます!美玲さんはカワイイですからねえ。この町のカワイイが増えることにお金が遣われるなら、いくらでも貸しますよ〜」
\ドワーーーッ!!!!/
\ドンチャンドンチャン!!/
乃々「ひい!?」
輝子「お、おとなりの道場からだ…」
幸子「また、今度はなんですか…カワイくない宴会が…」
輝子「ちょっと、楽しそう…だ、な?」
乃々「賑やかなんですけど…」
輝子「勢いでかき消されそうだ、わ、私も対抗してヒャッハーしないと…目に見える形を、子実体を保てない…」
乃々「急にはやめてほしいんですけど…もりくぼがチリに、ちりくぼになっちゃうんですけど…」
幸子「これも、もう少しの辛抱です…もう数日すればむこうから、引っ越しをするとおっしゃいますよ!」
79 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 22:48:24.15 ID:HxNo0w0D0
〜後日、鳶組〜
拓海「なあ!幸子んとこカチコミ行くんだろ!?今度こそアタシに先陣きらせろよ!」
夏美「つったってなぁ…」
涼「拓海、お前幸子に何言うか覚えてんのか?」
拓海「あ!?こないだ道場の宴会んとき説明してたやつだろ?んなもん覚えて…」
拓海「…」
拓海「ダメだ、慶次のことしか記憶にねぇ。」
夏樹「やっぱりな…」
里奈「あははーたくみんバカじゃーん!」
拓海「オイ里奈ァ!!」
里奈「あたしもバカだからさー♪慶次様あげぽよー☆しか覚えてないしー」
恵磨「アタシも!!慶次様しか覚えてない!!!あっ!あとごはんめっちゃウマかった!!!」
拓海「ああたしかにな!あんなウマいもん食わしてもらったんだ、イイ魚もらったら絶対分けてやろうな!」
美世「みんな洗脳されて帰ってきたね、恐ろしい道場だ…」
亜季「心理戦まで心得ているとは、見事でありました…!」
夏樹「じゃ、行ってくるわ」
涼「そっちも準備よろしくな!」
美世「まっかせてー!ちゃんと材料用意してくるからね!」
80 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 22:50:09.22 ID:HxNo0w0D0
〜2号部屋・金貸し〜
\コンコンコン/
夏樹\おーい、幸子いるかー?/
輝子「幸子ちゃん…鳶組の、ひとだ…」
幸子「来ましたね、引っ越しの連絡でしょうか?にしては早すぎる気もしますが…」
乃々「あまり良い予感はしないんですけど…」
幸子「はい!どうぞお上がりください!」
夏樹「おう、邪魔するぜ」
涼「相変わらず小綺麗にしてあるなココは…」
幸子「ええ!どうです?カワイイでしょう!」
夏樹「あー、ひとつ連絡なんだけど、あたしら引っ越すことにしたんだ。」
幸子「!!」
輝子「な、なんだって…」
乃々「本当に、お引っ越しになるんですか…?」
81 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 22:50:56.68 ID:HxNo0w0D0
幸子「これはこれは!お引っ越しされるんですね〜?」
夏樹「まぁ、あと相談というか注意があってさ。」
涼「引っ越しを決めたはいいが、金がなくってな…」
幸子「そうですかそうですか!お貸ししましょうか?おいくらですか?」
夏樹「いや、借りはしねえけどさ、手っ取り早くカネを稼ぐために今日からウチをバクチ場にしてるんだ。」
涼「と、いうことで血気盛んな連中が集まるからさ、夜も多少賑やかになるかもしれないから…ごめんな」
幸子「えっ」
夏樹「まあなんだ、頭に血ぃ昇ったヤツの隣で鉄火巻きとか作るもんだからよ、その…刃物とかでカワイくないことが起こるかもしれないんだ」
涼「こう…カワイくない指とか耳とか鼻とか、やんごとなきモノが何かのはずみでお宅に転がり込むかもしれないからさ、引っ越しまでの辛抱ってことで…」
幸子「ひええええ!?そそ、そんなやんごとなきカワイくないモノこっちに寄越さないでくださいよ!!?」
\ドゴン!!!/
幸子「フギャー!?」
\サァ!!ハンカ!!?チョウカ!?/
\オイテメーフザケンナ!!!!イカサマシテンダロォォ!!!/
\テメーイイガカリツケテンジャネェゾ!!!!/
幸子「あわわわ…カ、カワイくないものが…転がり込む!!?」
82 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 22:52:09.89 ID:HxNo0w0D0
夏樹「あ〜、でも今すぐ金があればこんなことしなくて済むんだけどな…」
涼「借りたらあとが怖いし、アタシらはカワイくないしな。」
夏樹「そうだな、自分たちで稼がなきゃな〜」
幸子「いえいえいえ!!出しますよ!!お、おいくらですか!?そう!引っ越し祝いです!!!あげます!!!」
夏樹「おっ、そうか?わりぃな…」
涼「いやーアタシらカワイくないんだけど、いいのか?」
幸子「カワイイ!!カワイイですから!!刃物や指とかより断然カワイイですから!!!あぁ〜そう!カワイイものにお金は惜しみませんから!!」
夏樹「じゃあ、できればで構わねえがこんくらい…」
幸子「…ジュ、ジュエル5000…」
涼「いや、できればでいいんだ。アタシらが自力でなんとかするから…」
幸子「い、いえいえ!お渡しします!!カワイイお引っ越しになるよう願ってますから!!」
\チャリーン/
夏樹「おう、すまんな!じゃあよろしくな〜」
涼「それじゃ、お互い達者でな!」
…
83 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 22:53:09.84 ID:HxNo0w0D0
…
幸子「ジュエル5000…」
輝子「本当に、お引っ越し…する、のか」
乃々「静かになるんです、けど…」
幸子「少し痛…い、いや、これで平穏な生活を買ったと思えば…」
\ガンガンガン/
珠美\幸子殿ー、幸子殿はおられますかー!?/
幸子「こんどは道場のかたですね…なんでしょうか?お引っ越しの連絡だとしても、また早すぎる気がしますが…」
幸子「は、はーい!あがっていいですよー!」
あやめ「おじゃまします、ニン!」
珠美「おじゃまします!本日は、幸子殿にお伝えすることがありまして!」
幸子「は、はい?なんでしょう?」
珠美「このたび、私の道場は引っ越しをすることになりました!」
幸子「こんな続けて!?早いのは構いませんが、こ、これは幸運…なんですかね?」
あやめ「はて、早い?幸運とは…?」
幸子「ああいえいえ!こちらの話です!」
84 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 22:54:18.51 ID:HxNo0w0D0
あやめ「それで、お伝えせねばならないことがありまして…」
珠美「あの、引っ越しを決めたはよいのですが、いかんせん先立つものがありません…!」
あやめ「まずはお金を集めるために、道場を真剣勝負の見せ物場として使うことにしたのです。」
幸子「えっ、なんかこの流れ覚えがあるような…」
珠美「真剣勝負、つまり本身です。立派な刃物を使いますので…」
あやめ「クナイや手裏剣も同様に刃物ですし、毒なども使うかと…」
幸子「カワイくないカワイくない」
あやめ「血飛沫や吐瀉物、もしくは毒煙…」
珠美「果ては腕や首など、やんごとなきモノがはずみでお宅に転がり込むやもしれませんが、どうか引っ越しまでの辛抱とご容赦くださいませんか…」
幸子「フギャーー!!?そ、それはやんごとなきカワイくないにもほどがありますって!!?」
あやめ「今、お金があればよいのですが…」
85 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 22:54:47.49 ID:HxNo0w0D0
幸子「貸します!!!いくらでも貸しますよ!!!!ほら、珠美さんは十分カワイイですし!!!」
珠美「…ぐっ、い、いえ!カワイイからといって金を借りては武士の名折れ!引っ越し資金くらい自分で稼いでみせましょうぞ!」
幸子「か、貸し…いえ!!あげます!!!引っ越し祝いですから!!!」
あやめ「おおそれはかたじけない!」
珠美「そうとなれば、据え膳食わぬは…」
幸子「い、いくらですか!?」
珠美「では、これぐらい…」
幸子「ジュエル5000…!?」
あやめ「いえどうか無理をなさらず、お心だけで十分ですので…」
珠美「やはり私たちの力でやり遂げねばいけませんな…!」
幸子「出します!!!」
\チャリーン/
珠美「いや幸子殿!かたじけない!」
あやめ「このご恩は忘れません!」
幸子「いえいえ、カワイイ引っ越しになるよう願ってますよ…」
86 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 22:55:37.40 ID:HxNo0w0D0
乃々「あ、あの…ひとつ聞いてもいいですか?」
あやめ「はい、なんでしょう?」
輝子「ど、どこに…引っ越すか、場所を…」
乃々「おとなりの鳶組さんも引っ越すと聞いたので…」
あやめ「ああ!それでしたら!」
珠美「私たちの道場が、鳶組さんの3号へ!」
あやめ「3号の鳶組さんが、私たちの1号へ引っ越します!」
乃々「えっ」
輝子「え…」
幸子「」
・
87 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 22:57:14.89 ID:HxNo0w0D0
・
キャシー「いやぁ〜、実にとんちが利いてますねこりゃ!」
キャシー「騒音問題は解決せず!更に引っ越し祝い金が…」
キャシー「やると気前良く出した手前、待ったをかけられぬは江戸の習わしってやつでさぁ」
キャシー「こりゃ、カワイさも歪んでしまうかも…?」
キャシー「で、どうです?あたしはカワイイですかね?
キャシー「これでもアイドルやってますんで!容姿には自信が、んん〜?」
キャシー「たくさんお金もらえそう?ありがとぼうや〜!」
キャシー「でも、このカワイイ見た目だと、ちょっと苦労もありまして…聞いてくださいよ〜」
88 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 22:57:52.45 ID:HxNo0w0D0
キャシー「こないだウチの古澤頼子さんに連れられて、美術館行ってきたんですよ!」
http://imgur.com/CrM60W7.jpg
キャシー「そしたら受付の人が、あたしに外人さん向けのパンフレットをくださいましてね?」
キャシー「あ〜、うーん?はいはいイングリッシュオーケー?いやあたし英語読めなーい!ってね。」
キャシー「一緒に来てたケイトさんはそっちをスラスラ読んでてさ、あ〜カッコイイなぁ〜!って思いましたよ…」
http://imgur.com/gEeXntH.jpg
キャシー「それでケイトさん日本語もしっかり読めるからさ、他の外国人観光客さんの疑問にも答えちゃってて!」
キャシー「頼子さんが絵画に詳しくてね、その説明をケイトさんが翻訳して伝えてたんだ、二人ともすごいなぁ〜って見てたんだ。」
キャシー「すると他の観光客さんもね、あたしに話しかけてくるんですよ!」
キャシー「ペラペラペラペ〜ラ、ペラッペラ〜の、ペェ〜!って…」
キャシー「な〜んか興奮してる感じのおばちゃんがさ、すっごい早口で喋りかけてくるんだ!ちょっと怖いの。」
キャシー「もぉ〜わかんないからケイトさんに助けを求めたらね、どうやらその言葉が英語じゃないから、ケイトさんでもわからないってんだこりゃ!」
89 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 22:58:41.74 ID:HxNo0w0D0
キャシー「で、もうどうしようもなくってさぁ〜あたしも頑張ってウンウン相槌してたんですけど、お得意のジェスチャーも混ぜて!こーいうの、百戦錬磨ですよあたしぁ!そしたら警備員さんが来てね。」
キャシー「美術館ではお静かに…って言われちゃったんだ、そりゃそうだ。」
キャシー「そしたらその観光客さんがね、落ち着いた声で」
キャシー「ごめんなさ〜い」
キャシー「って言うんだよ!えっ?日本語しゃべれたの!?」
キャシー「で、落ち着いて話を聞いてみたらね」
キャシー「ただの早口なおばちゃんでした」
キャシー「外人さんじゃなかった」
キャシー「ほんと、早口なおばちゃん何言ってるかわからないよね!しかもあの人妙〜に彫りが深くってさ!お化粧もしてたし日本人だってわかんなかったの!」
キャシー「どうやらあたしたちのファンらしくって、たまたま会えて嬉しくってつい舞い上がって話かけちゃってたんだって!」
90 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 22:59:11.93 ID:HxNo0w0D0
キャシー「いやぁ〜、人気者はつらいねぇ〜!あはは、ありがたいことです。」
キャシー「でも、謎の言語をしゃべるおばちゃんにまくし立てられたら、ちょっと怖いな〜って思ったりしません?それは誤解だったんですけども。」
キャシー「まあ、十分あたしも早口おばちゃんの素質ありそうなんですが…」
キャシー「けど、そんなふうに、あらぬ誤解があってすれ違いをおこしちゃうこともあったりしますよね?」
キャシー「サプライズパーティとかではわざと誤解を作ったりもするし…」
キャシー「情報や、人の心の行き違いってのはよくあるよね!」
キャシー「そしたら、実はさっきの長屋の話にはまだまだ続きがあったんだ。」
キャシー「え?まんじゅうの窓みたいな怪談話とは違いますよ〜!まあ、最後までお聞きくださいな。」
・
91 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:00:43.66 ID:HxNo0w0D0
・
…
乃々「引っ越し先、入れ替わっただけでしたね…」
輝子「か、変わって…ない、な…」
乃々「静かな生活はやってこないんですけど…」
輝子「や、やっぱり幸子ちゃん、良く思われてない…んだろうな…」
乃々「心配してた通りになったんですけど…」
幸子「ボクはカワイくないのでしょうか…」
輝子「や、やめろ幸子ちゃん…そんな問答を表面化するだなんて、らしくない…」
乃々「そ、そうですよ…」
幸子「ボクのカワイさは罪なのでしょうか…まんまとお金だけむしられました…」
輝子「あ、あの…な、おとなりさん両方とも、そんなワルいひとたちじゃ、ないぞ…」
乃々「そうなんですけど…きっと、あとで返してくれたりとか…」
幸子「大金はたいて静かな生活を買えたと思ったのに…」
92 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:01:45.57 ID:HxNo0w0D0
乃々「あの…カワイくないものを追い出すとか、そういう言い方がよくなかったんじゃ…」
輝子「そ、そうだぞ…ちゃんと静かにしてくれ、って…自分のクチで言えば良かった…ん、じゃないか…?」
幸子「カワイイは正義です…けど、ときに正義は敗北するのですね…」
輝子「や、やめろ…幸子ちゃん、変な落ち込み方をするな…」
幸子「今こんなカワイくないボクを見ないでください…」
輝子「だ、だからよォ…やめろ…ヤメロっつってんだよォォォォォーーー!!!!!」
幸子「フギャっ!?」
乃々「ひい!」
輝子「あ、…ごめん」
輝子「しかし幸子ォォ!!しょげてんじゃねェ!!!」
輝子「ちょっと金が離れたぐらいでメソメソしやがってェェ!!」
輝子「両隣がカワイくないからって、金にモノいわせて他人に始末を頼んでんじゃねェ!!!!!」
幸子「…」
93 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:02:26.81 ID:HxNo0w0D0
輝子「こんなジメジメキノコらをカワイイと認めたのはお前じゃねェェェか!!!!」
乃々「そ、そうなんですけど…!」
輝子「カワイくなくても!!カワイくできるのが幸子ォォォ!!!お前だろォォ!!!カワイイの本分忘れてんじゃねぇぞォォ!!!」
乃々「もりくぼも同じ意見なんですけど…!」
輝子「両隣がカワイくねぇならよぉぉぉ!!!」
輝子「お前自身でカワイく変えてやれってんだよォォー!!!!ヒャッハアァァァーーーー!!!!!!!!」
幸子「輝子さん…」
乃々「も、もりくぼも…幸子さんのカワイイを、信じてるんですけど…」
幸子「乃々さん…」
輝子「いいかァァ!!私は明日!!鳶組さんとこ行って話ツケてくる…金が戻ってくるかは知らねェ!!」
乃々「も、もりくぼも…いえ、やるくぼも、道場へ行ってくるんですけど…」
輝子「何とか仲だけは取り保って来てやる!!約束だァァ!!
」
乃々「やるくぼも、できるかぎり…その、はい。やり…ます、やけくそです…!やけくぼ!」
輝子「あとは幸子ォ!!お前がなんとかしやがれェェ!!!」
輝子・乃々「ヒャッハァァァァーーー!!!!」
幸子「はい…カワイイは、正義です…」
…
94 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:03:33.31 ID:HxNo0w0D0
…
\ヒャッハアァァーー!!!!/
亜季「おや?今日はあちらが賑やかですな!」
恵磨「おお!いいシャウトじゃん!!!負けてらんないね!!」
涼「よせよ…恵磨が本気出すと障子とか全部ぶっ飛ぶだろ…」
夏樹「で、どーよ?うまくできてる?」
美世「うん、大丈夫!これなら明後日ぐらいには終わるかなー?」
拓海「道場のほうも順調だぞ!」
里奈「ごはんおいしかったねー☆」
亜季「あ!ずるいであります!またごちそうになったのですか!?」
拓海「おう!亜季もアッチで作業してりゃ良かったんだよ!」
里奈「あ、でもね?みんなにって、夜食のお煮物もらってきたよーん♪」
恵磨「あーー!!!食べる食べる!!!」
夏樹「んー、ありがてえ。ついでに向こうの台所広くしちまうか?」
拓海「そいつぁ賛成だな!」
里奈「いーじゃんいーじゃん!」
95 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:04:35.19 ID:HxNo0w0D0
…後日
〜1号部屋・道場〜
乃々「いま、もりくぼは…やけくぼ…!」
乃々「た、たのもー!!…なんです、けど…」
仁美「あっ、いらっしゃい!」
葵「お客さん?お茶出すけんね!」
亜季「おお!乃々どのですな?」
拓海「おっす森久保ォ!」
里奈「乃々ちゃーん☆おっつおっつー♪」
乃々「ひ、ひええ…工事してる…引っ越し?準備が進んでるんですけど…」
拓海「あぁ!?引っ越し!?ちげえよ!!」
乃々「ひえ!?」
里奈「ちょーいたくみーん、コワいコワい〜!乃々ちゃん怯えてんじゃーん?」
拓海「ぐっ…すまん」
仁美「引っ越し祝いのお金なら、もう使っちゃったよ!」
乃々「ひえ…あの、その…やっぱり、そう…です、よね…。」
96 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:05:03.75 ID:HxNo0w0D0
里奈「あ〜、だいじょぶだいじょぶ!リナリナのお話聞いてちょ〜!」
亜季「騙したようなものですが…ご理解ください!」
乃々「か、帰りたい…けど、やるくぼは帰らないんですけど…その、お話…って?」
葵「はい!お茶と、お漬け物つまんで落ち着くっちゃ!」
乃々「あっ、ありがとうございます。いただきます…お、おいしい」
里奈「えっと、じゃ〜お金をどう使ったかっていうとね〜?」
仁美「慶次様の話も聞いていかない?」
拓海「洗脳されっぞ森久保!気をつけろよ!」
里奈「あ、あとこれ幸子ちゃんにはナイショでお願いね〜♪」
乃々「わ、わかりました…」
97 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:06:28.29 ID:HxNo0w0D0
〜3号部屋・鳶組〜
輝子「ヒィィィヤッハアアァァァァーーー!!!!!!!!」
恵磨「ヒャァァアッハアアァァァァーーー!!!!!!!!!」
美世「うっさーい!!!」
輝子「あっ、ごめん…つい」
恵磨「あぁーー!!!ごめん!!!!!つい!!!」
珠美「あ、あの小さい体からよくあんな声が出ますな…!」
あやめ「珠美どのも、そこは同様ですが…?」
涼「ったく…障子貼り替えだよもう…」
夏樹「そのシャウト、魂に訴えかけるモノを感じたぜ…で、何の用だい?」
涼「おおかた、金がどうなったかを聞きに来たんだろ?」
輝子「そ、そうなんだ…」
夏樹「あー、わりぃが、全部使っちまったよ。」
恵磨「引っ越しはしないんだけどね!!!」
輝子「そ、そうだよな…え、でも…引っ越しじゃないなら、この工事は…?道場のひとも手伝って…」
98 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:07:26.79 ID:HxNo0w0D0
夏樹「あーコレはな…あとでちゃんと説明するよ。金の使い道ってのはこの工事なんだ」
あやめ「ニン!忍びでも表だって協力することありますよ〜」
美世「ごめんね、お金をだまし取ったような感じになったけど…」
輝子「い、いや…いいんだ。幸子ちゃんにも、悪いところがあったから…な。けど…」
夏樹「けど?」
輝子「けど…その、幸子ちゃんはな、本当は悪いヤツじゃないから。…できれば、嫌わないであげてほしい。…お金はいいから、幸子ちゃんと、おとなりさんとして、仲良くは…してほしいんだ…。」
涼「いいね、アツいじゃないかそういうの!」
珠美「おお…!!」
輝子「そ、そうだ、私はこれを、言いに来たんだ…私の用事は、済んだから…」
夏樹「へぇ…ロックだな!いいぜ、あんたのイカした魂に免じてガンガン仲良くしてやろうじゃないか!」
恵磨「クゥー!!!カッチョイイじゃん!!いいね友情!!!」
輝子「ほ、本当か…?ありがとう…!フヒ…」
美世「あたしらもそんなに嫌ってたわけじゃないよっ」
夏樹「この工事が終わったときには、本人にもわかるさ」
あやめ「ですね!終わるまでしばしお待ちください!」
輝子「う、うん…みんな、ありがとう…」
99 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:08:43.29 ID:HxNo0w0D0
珠美「…輝子殿!」
輝子「フ…フヒ?」
珠美「その小さき体躯ながらも、見事な魂を見せていただきました!小さいからカワイイと言われ、憤っていた珠美が恥ずかしいです…」
(脇山珠美:145cm)
輝子「そ、そんな…」
(星輝子:142cm)
珠美「まことの格好良さとは体の大きさで決まるものでなく、その心意気によるものだと!輝子殿の姿を見て深く感動しました…」
輝子「そ、そんなに…か?」
涼「おう、イカしてたぜ?」
珠美「どうすれば、そのように小さき体躯でもカワイイと言われず、格好良く振る舞えるのか…」
100 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:09:11.31 ID:HxNo0w0D0
輝子「あ、いや…ちょっと待ってほしい、違うんだ」
珠美「は、はい!」
輝子「わ、私…はな、カワイイ…そう、なんだ。」
珠美「なんと!あんなに格好良いのに!」
輝子「幸子ちゃん、がな…私をカワイイって、認めてくれるから、思い切って、ものが言える…んだ。その、自信が…つくんだ。」
珠美「つ、つまり…輝子殿はカワイイから、格好いいのですか…!」
輝子「そ、そうなる…のか?まあ、その…幸子ちゃんの言うカワイイ、を誤解しないで、あげてほしい…。」
珠美「そうだったのですな…」
涼「ハハ!するってえとアタシらは本当にカワイくないわけだ!」
恵磨「みたいだね!アッハハハ!!!」
美世「一応あたしはカワイイ認定もらってるよ!」
輝子「幸子ちゃんが言うんだったら、珠美さんも…きっと、ちゃんとカワイイし、格好良くも…なれる。」
珠美「…」
あやめ「ほら珠美どの!やはり変に気にしすぎていたのですよ!」
輝子「幸子ちゃんは絶対、けなしてるわけじゃ…ないんだ、ちょっと尊敬もしてると思う…よ?だから、信じてあげて…ほしい。」
珠美「わかりました、信じてみましょう…!」
101 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:10:50.48 ID:HxNo0w0D0
夏樹「カワイイも、ロックなんだな…」
涼「夏樹お前、やっぱりチョロいな?」
夏樹「なんだよ、イイと思ったものを素直に評価して何が悪い?」
涼「ふふッ、そういうとこ知られたらカワイイ認定されんじゃないか?」
輝子「そ、それで…この工事は?」
夏樹「おおそうだ、こいつはな…っとその前に、幸子には秘密にしといてくれよ?」
輝子「お、おお?」
涼「まあなんだ、幸子にひとアワ食わす続きってことだよ。」
102 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:11:34.72 ID:HxNo0w0D0
〜2号部屋・金貸し〜
輝子「ただいま…フヒ…」
乃々「おかえりなんですけど…」
輝子「ボノノさん、どう…だった?」
乃々「もりくぼは、なんとか…。ごはんまでいただいてきちゃいました…」
輝子「こ、こっちも…大丈夫」
里奈「あ!ショーコちゃん、はろはろ〜☆」
輝子「り、里奈さん…はろー?どうしてこっちに…」
里奈「なんか〜、幸子ちゃんがリナリナに相談だってー☆あたしってば頼られ系?まぢうれぽよー♪」
乃々「幸子さんは、今奥で美玲さんとお話してます…」
輝子「み、美玲ちゃんもいるのか…」
幸子「…と、いうことでお願いします、カワイイボクからのお願いですよ…!!」
美玲「おう!その話乗ったッ!!」
幸子「あ、里奈さんも一緒にお願いします!」
里奈「いぇーい☆なになに〜?」
輝子「何が、始まるんだろうか…フフ」
乃々「でも、悪い予感はしないんですけど…」
103 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:13:38.85 ID:HxNo0w0D0
…幾らか日を改めた、後日
〜2号部屋・金貸し〜
輝子「さ、幸子ちゃん…」
乃々「幸子さん…」
輝子「お、おとなりさんたちに、呼ばれてるぞ」
乃々「鳶組のほうにも、道場にも顔を出してほしいと言われてるんですけど…」
幸子「はい、では参りましょう!こちらも準備はできてます!」
104 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:15:16.05 ID:HxNo0w0D0
〜1号部屋・道場〜
珠美「おや幸子殿!よくぞいらっしゃいました!」
幸子「フフーン、おじゃまします!この道場もボクのおかげでカワイイ空間に…あれ?中が少し変わったような…」
あやめ「ふふ、そうです!変わりましたよ!」
仁美「幸子ちゃんからもらったお金でね、鳶組の人たちが工事してくれたんだ!」
葵「お台所も広くなったけん、しっかり宴会できるっちゃ!」
珠美「して、幸子殿、この間は騙すような真似をして申し訳ありませんでした。」
幸子「い、いえ…始めにカワイくない事をしたのはボクのほうですし…」
珠美「お詫びというわけにもいきませぬが、いただいたお金の使い道には喜んでいただけるかと!」
幸子「はい…?」
105 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:16:02.66 ID:HxNo0w0D0
あやめ「先日からも道場にて夜に稽古などをしておりましたが、お気づきですか?」
幸子「そういえば、声や物音がしなかったような…」
仁美「貰ったお金で、音が漏れないように改築してもらったんだ!」
乃々「静かな暮らしで、もりくぼも安心…」
幸子「えっ?」
珠美「珠美たちの道場からの騒音はなくなりましたよ!」
乃々「そ、そういうこと…静かな暮らしを買うことができたんです」
幸子「もしかして…鳶組さんのほうも?」
輝子「そ、それも確かめに行こう…な?」
幸子「ボクは、ただお金をむしられただけじゃなかったんですね…」
輝子「だ、だから言っただろ…おとなりさんたち、ワルい人じゃないって…」
106 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:17:24.69 ID:HxNo0w0D0
幸子「そうですか…で、ではボクからも!」
仁美「おっ!なになに?」
幸子「道場の皆さんをカワイくします!!」
あやめ「…はい?」
幸子「まず葵さん!!」
葵「あたし!?」
幸子「葵さんは今でも十分にカワイイですが!お台所仕事が多いせいか手荒れが目立ちます!!」
葵「うっ…恥ずかしいっちゃ…」
幸子「と、いうことでカワイイ塗り薬と、カワイイ髪飾りを用意しました!」
葵「えっ、こんな高そうなお薬と、えらしい髪飾りも…もらってええの?」
幸子「ボクはカワイイの為にお金は惜しみません!ボクの為に貰ってください!」
葵「あ、ありがとう!お礼にいつか、しんけんおいしい料理をご馳走するっちゃ!」
107 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:17:54.42 ID:HxNo0w0D0
幸子「あやめさん!」
あやめ「は、はい!ニンッ!」
幸子「あやめさんはくのいち、派手なお洒落はできず…カワイイを諦めてませんか?こんなにカワイイのに!」
あやめ「か、カワ…!?んん!確かに、忍びとしてなるべく目立たぬ地味なものを装いますが…」
幸子「カワイイを諦めてはなりません!それと、江戸っ子の粋なカワイイをご存じですか?と、いうことでこちらの足袋(たび)を用意しましたよ!」
あやめ「こ、これは…」
幸子「そう!裏地のカワイイ、コハゼもカワイイ足袋(たび)です!」
仁美「おぉ〜!表に出きらない、隠れたお洒落!これは粋だね〜!」
あやめ「こ、これなら忍びでも…」
幸子「どうです?カワイイでしょう?」
あやめ「はい!かたじけのうございます…!」
輝子「さ、幸子ちゃんすごいな…」
乃々「よく見てるんですけど…」
108 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:18:49.98 ID:HxNo0w0D0
幸子「仁美さん!」
仁美「いよっ!待ってました!!」
幸子「こちらをお納めください」
仁美「こ、これは…あの、激レアものの慶次様の根付け!?」
幸子「フフーン、ボクのお客さんには、詳しい方もいらっしゃるんですよ?」
仁美「こ、これはスゴいよ…!ありがとう!」
幸子「仁美さんは十分、粋にオシャレでカワイイですからね。ボクから新たにカワイイ提案をする必要はありません!」
仁美「へっへっへ〜♪ありがとね、今度慶次様講座をしてあげるよ!」
幸子「そ、それは…遠慮しときますね?」
109 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:19:31.63 ID:HxNo0w0D0
幸子「では、珠美さん!」
珠美「はい…!」
幸子「この際ですからはっきり言いますが、珠美さんはカワイイです!」
珠美「はい…」
幸子「なので思いっきりカワイく装ってください!!カワイイお着物一式です!」
珠美「これは……思ったより子供っぽくない、しっかり…カワイイですね。」
幸子「あと、ボクの人脈も利用して、町中にチラシを配ってますよ!」
乃々「も、もりくぼが描いたチラシを、彫り師さんとかに頼んで沢山刷ってもらったんですけど…」
幸子「それがこのチラシです、どうぞご覧ください!」
あやめ『剣術・忍術・武将講座が学べる食堂道場!4人のカワイイ精鋭揃い…』
仁美「うっそ!!これで道場も大繁盛するんじゃない?」
葵「しょ…食堂!?」
乃々「えっ、ここ、食堂もやってるんじゃなかったんですか…?あんなにおいしいごはんをいただいたので、てっきり…」
葵「いやあたしはただの…」
珠美「台所も広くなりましたし!この際ですから食事処としても構えましょう!葵殿!」
葵「え、ええの…?ホントは夢だったけん…しんけん嬉しいっちゃ…」
110 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:19:59.94 ID:HxNo0w0D0
幸子「皆さんのカワイさであれば、いらっしゃる方の心も鷲掴み間違いなしです!カワイイは武器ですよ!」
あやめ「カワイイは武器…!」
珠美「自分の容姿を、そのように捉えたことなどありませんでした…」
幸子「カワイイボクのお隣さんなんですから、しっかりカワイく繁盛していただかないといけませんからね!」
珠美「…不躾ながらこの珠美、幸子殿のことを侮っておりました。」
幸子「フフーン、ボクのカワイさ、わかりましたか?」
珠美「かたじけない…このご恩、必ずや報いましょうぞ!」
幸子「いえ…騒音問題も解決していただきましたし、お互い様ですよ。」
乃々「まんまる、おさまったんですけど…」
輝子「フフ…よ、よかった…」
111 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:21:12.61 ID:HxNo0w0D0
〜3号部屋・鳶組〜
幸子「フフーン!カワイイボクがおじゃましま…」
恵磨「幸子来たァーーー!!!!!!!!!!」
ビリビリビリビリ…
幸子「ひええぇ……」
乃「きえくb…(シュワアァ
輝子「ま、待て…帰ってこいボノノさん…!」
幸子「さ、最近静かでしたが、この大音量を防いでいたとは…」
拓海「おう幸子!スゲェだろこれ?」
美世「高くかかっちゃったけど、そのぶん効果はバツグンでしょ?」
夏樹「やり方は少し乱暴になっちまったが、静かな生活が買えたみたいだな!」
亜季「私たちも工事の仕事をいただけました!ありがたいです!」
幸子「その…上手にお金を使っていただきありがとうございます…」
拓海「おう、アレに懲りたらもうカワイくないとか、変なイチャモンつけんじゃねえぞ!」
幸子「では、この工事はちゃんとボクが頼んだこととして、出納帳や領収書に一筆入れますね!」
涼「ああ、助かるよ。それと、あとでそっち行っていいか?効果を聞いてみたいんだけど …」
里奈「まぢヤバかったよ〜!ほんっとにこっちの音防いでるかんねー」
112 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:22:48.91 ID:HxNo0w0D0
恵磨「あれ?里奈、幸子んとこ行ってたの!?」
里奈「そーそー!なんかね〜、幸子ちゃんがみんなをあげぽよにしちゃうって〜♪」
幸子「そうです!!今の皆さんはカワイくありません!なので…」
拓海「あ゛ぁ゛!?テメー早速なに言ってやが…」
幸子「ヒッ!?」
里奈「はいはいたくみーん、噛みつかなーい」
夏樹「拓海お前カワイイ言われたかったのか…」
拓海「バッ…!お前ちげぇよ!!」
恵磨「じゃあカワイくなくていいじゃん!!!アハハ!!」
拓海「それもそうだけどよ…いつも貶されてるようでなんかムカつくんだよ!!」
幸子「いえあの、決してそういう貶すような意味では…それに里奈さんと美世さんはカワイイですよ!?」
美世「ありがとー♪」
里奈「ありがとちゃーん♪」
113 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:23:18.63 ID:HxNo0w0D0
幸子「ほかの皆さんは、今は!カワイくないだけです!」
亜季「ん、今は…?」
幸子「なのでこれから皆さんをカワイく変えます!美玲さーん!」
乃々「それでお話をしてたんですね…」
輝子「や、やあ美玲ちゃん…」
美玲「おう!待たせたなッ!」
拓海「はあぁぁ!?わりいけど幸子のカワイイ趣味は合わねンだよ…」
涼「まあちょっと待てよ、助っ人がどうやらひと味違うみたいだぞ?」
幸子「皆様とボクの趣味が合わないのは承知してますからね、それでもカワイイは実現できるんですよ?」
美玲「ウチのカワイイは幸子のとは違うからな!」
里奈「あたしがー、美玲ちゃんと一緒にお着物頼んできたちょー☆」
美玲「さあ!みんなコレらに着替えろッ!」
114 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:24:23.69 ID:HxNo0w0D0
夏樹「この服は…はは!思った以上にロックじゃないか!」
亜季「おお…!過度に煌びやかでもなく、かといって地味でもない!」
美世「しかも作業の邪魔にならないね!よくできてる…」
里奈「でしょでしょー?まぢキャワイイし〜!」
幸子「だから里奈さんの協力が必要だったんです」
美玲「ウチらだけじゃ、動きやすさはわからないからなッ!」
涼「すげえな…どこで拵えたんだこんなもの?」
恵磨「これはアガるー!!出来合いじゃないよね!?」
美玲「ウチも世話になってる、砂糖問屋が趣味でやってる服飾工房『心-こころ-』の特注だぞッ!」
幸子「どうですか?拓海さん?」
拓海「お、おう…ちっとシャクだけどよ、これはちゃんとイカしてんな…ありがとよ。」
幸子「フフーン!しっかりカワイイでしょう?」
美玲「そうだろ?カワイイし、カッコイイぞッ!」
115 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:25:46.79 ID:HxNo0w0D0
夏樹「ホラ!着てみたけど、どうだ?ロックか?」
幸子「お見事ですねぇ〜、ばっちりカワイイですよ!」
涼「うん、いいなコレ!」
輝子「フヒ…み、みんな…カッコイイ…」
乃々「鳶のお仕事が、絵になりそうなんですけど…」
里奈「みんなさ〜、今度からこの服でお仕事しよ?」
恵磨「いいじゃんいいじゃん!!見物人もアガってくれそー!!」
美世「お仕事がそのまま見せ物になるね!」
亜季「ますます地域の人気者ですな!」
涼「歌いながら仕事してたら、また祭りの主役に抜擢されそうだな。」
拓海「そうか…そうだな、このカワイイも、悪くねえな…」
幸子「フフーン、どうでしょう!カワイイは、正義ですから!」
美玲「さ、ウチらの新しい服もあるぞッ!」
乃々「えっ…?」
輝子「ほ、ほんとか…?」
幸子「もちろんですよ!ボクを助けてくれましたし…」
輝子「そ、そんな…いや、あ、ありがとう、フヒ…」
乃々「あ、あの、もりくぼはそんな…でも、ありがとう…」
116 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:26:35.43 ID:HxNo0w0D0
珠美「みなさま!お邪魔しますぞ!」
あやめ「この長屋の工事完成祝いに、宴を催しましょう!」
仁美「そうそう!粋なかぶきもんに、宴会は欠かせないよ〜!」
葵「お食事の準備もバッチリっちゃ!」
亜季「おお!今夜は長屋総出で宴会作戦ですな!」
涼「さっそく歌の出番ときたか、まかせな!」
恵磨「防音になったから本気出せるぞー!!!!」
里奈「いぇーい!あげぽよ〜♪」
夏樹「そうだよな、今やらなきゃロックじゃねえや!」
美世「道場のみんなもカワイくなってるね!」
拓海「いいぜ、アツい会にしてやろうじゃねえか!」
輝子「よ、よかったな…幸子ちゃん」
乃々「静かで…賑やかな暮らしが、やってきたんですけど…」
美玲「ウチも参加していいんだよな?あ、ありがと!」
幸子「フフーン!これからも長屋一丸で、カワイイを続けましょう!」
\ガララ/
冴島清美「こんにちは!番屋の冴島ですが…不法な工事をしたという長屋はここですか?」
http://imgur.com/jcMzAww.jpg
幸子「…えっ?」
117 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:27:57.08 ID:HxNo0w0D0
清美「この内装は…中の空間を保持したまま外壁の補強をしてると見受けます。すると…この通り、やはり許可外の土地を浸食してますね、御法度です!」
涼「あっ、」
夏樹「やべ…」
珠美「な、なんですと…?」
美世「う、バレないように頑張ったんだけどな〜」
清美「それでは、代表の方をお白州まで引っ張りますが…改築の首謀者はどなたでしょうか?」
恵磨「幸子…かな!?」
拓海「そりゃ…この工事を買ったのは幸子だよな…?」
亜季「先ほど一筆もいただきましたし…」
幸子「ヒエッ!?そ、そんな違います!?ボクは確かに望んでいましたが!頼んでは…」
118 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:28:25.56 ID:HxNo0w0D0
清美「こちらにあるのは領収書…依頼書でしょうか?工事の依頼人とおぼしき箇所に、カワイイボクとありますが…どなたかわかりませんね。」
美玲「なんちゅう書き方してんだ…」
葵「見上げた根性っちゃ…」
仁美「あたしもたまに慶次様の側女とか書いちゃうけど…」
あやめ「いや、この状況では隠れ身の術なのでしょうか…」
里奈「たしかに〜!頭いい子ちゃん?」
清美「こちらに、カワイイボクさんはいらっしゃいますか?」
幸子「ハイ!一番カワイイのはボクです!フフーン!」
輝子「あ…」
乃々「あっ…」
119 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:28:53.17 ID:HxNo0w0D0
幸子「しまったつい条件反射で…」
清美「あなたですね?では、ご一緒ください。」
幸子「い、いや本当はボクが頼んだんじゃ…いやでもボクがカワイイのは事実だから否定もできませんし…!」
清美「言い分があるならお白州にてお願いします、さあ行きましょう!」
幸子「フギャー!?あっ、あの!皆さん!!カワイイボクを助けてくださいぃ〜!!」
…
一同「…」
拓海「…おいマジで引っ張られちまったぞ!?助けに行くぞお前ら!!」
・
120 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:30:44.64 ID:HxNo0w0D0
・
キャシー「イイ話で終わると思ったかな〜?」
キャシー「まあ、オチがあるから落語、でしてね。」
キャシー「ちなみにこのあと、ちゃんと釈放されたんだ〜」
キャシー「鳶組のひとたちは消防団でもあったからね、つまり自治体のリーダー級ってこと。地域のヒーローなんだ。」
キャシー「それでもって、彼女らの口利きでお奉行さんも大目に見てくれました…とさ!」
キャシー「さて、今回の演目はそれぞれ
『時そば』
『愛宕山』
『まんじゅう怖い』
『三軒長屋』
だったよ!落語家さんによって中身がちょいとずつ違うからね、
あたしの話はだ〜いぶアレンジが利いてるから
是非ほかの人の話も聞いてみてね!」
121 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:31:23.39 ID:HxNo0w0D0
キャシー「いや〜!長々とお話聞いてくださってありがとね!」
キャシー「あたしも、この畳の上に長〜いこと座ってるからさ、おざぶをどければ…もうそれはそれは、畳の色がホラ!ここだけ青いまんまだね〜」
キャシー「あたしは家具かい!って、もちろんこれは仕込みなんだけど…」
キャシー「じゃあ最後に、謎かけをひとつ。」
キャシー「このタタミと、かけまして…
『キャシー・グラハム』と、解きます!はいー?」
\そのこころはー!?/
キャシー「どちらも、目が青いでしょう〜!」
キャシー「おあとが、よろしいようで…またね!」
122 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:36:37.12 ID:HxNo0w0D0
○キャシー・グラハムのシンデレ落語、閉幕
・へびのあし
鳶組、だなんて呼び名たぶんありません。造語。
フィジカル系の器用めな現場活躍者だっていう
認識があればそれでOKです。
あと長屋の中も広めに書きましたが
普通もっと狭いです、三軒長屋もとは
うるさいと言われてたのは
『木遣り』っていう作業歌の練習だとか
個人稽古の面!籠手!などの掛け声ぐらいだった
ような気がします。道場や作業場みたいに
広いスペースのある長屋だとか
パラレルにもほどがあるのでご容赦ください。
123 :
タイコもち
◆LVRldwvJNGLS
[saga]:2017/05/31(水) 23:50:11.92 ID:HxNo0w0D0
・へびのあし2本目
涼「夏樹、お前…落語の再現VTRの撮影だってのに
『ロックなパフォーマンス』って何だよ…」
夏樹「仕方ないだろー?小粋な役を頼まれてるんだ、アタシのロックがどうしても顔を出しちまうんだよ」
拓海「アハハ!不器用なだけじゃねぇか!!」
仁美「粋だな!ってほめる台詞も、『ロックだな!』だもんねー!むしろバッチリ傾いてていいじゃない?」
夏樹「そうなんだよ、ロックロックと連呼しちまったな…アイツじゃねえんだから…」
恵磨「でもさー?時代劇じゃないんだし!あえてロックって言い続けるのが…ロックなんじゃないかな!!」
夏樹「……!!」
仁美「おおっ!いいねいいね!それ傾いてるよ!」
夏樹「へへ…そうだな、何もヘタに変えなくっていいか!このままロックを貫いてやるぜ!」
涼「潔くて笑えるな…」
拓海「不器用で面白ぇなー」
夏樹「はぁー?不器用は拓海もだろ?」
拓海「うるっせ!ハハハ!」
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/01(木) 09:25:54.67 ID:34qeixs1o
乙
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/01(木) 12:32:27.11 ID:pVvojNoDO
乙
落語ものってなんでか知らんが好き
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/01(木) 17:37:07.63 ID:MhBdzLEVO
乙です
いい感じにモバマスのキャラの要素があって良かった
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