キャシー・グラハムのシンデレ落語 【デレマスSS】

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1 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/28(日) 23:06:11.10 ID:T6ePFLtuO

○キャシー・グラハムのシンデレ落語


目的1.キャシーが落語する話を書きたかった
目的2.落語の演目いくつかの紹介
目的3.デレマスは魅力的なキャラがたくさん居るから、応用の幅が広いのでは!という実験



キャシー・グラハム

ニューヨーク生まれ、浅草育ちの15歳(高校1年生?)

幼少より下町人情に育てられたおかげで、
ザ・外国人な容姿ながら英語はからっきし。
落語好きで寄席によく出没する模様、本人の話術も巧み。
もろもろ含めて、こち亀に出てきそうなアイドル。


http://imgur.com/UWp2jrx.jpg

http://imgur.com/jfHoSaC.jpg



たくさんのアイドルが登場予定


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1495980371
2 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/28(日) 23:08:43.83 ID:6bK6Aj320


出囃子
〜お願い!シンデレラ〜

\テンツクテン ティーンツクテン/

\テケテテーンテケテン/\テケテケテテーンテテテーン/









キャシー「あいあい、どうもいらっしゃいました〜」

キャシー「みなさん、寄席(よせ)は初めてかな?あら、常連さんもいらっしゃる?」


キャシー「おっと自己紹介がまだでしたね、あたしは
『えま・わとそん』です!」


キャシー「……」


キャシー「はい、ホントはね
『キャシー・グラハム』ちゅう名前を親からいただきましてね。」

キャシー「芸名ちがいますよ〜、本名!地毛!この瞳も自前!」

キャシー「日本語お上手ですね〜なんてよく言われます、あたし英語できそうに見えるでしょ?」

キャシー「じゃあね、今からあたしの英語を披露しちゃいますよ〜」



キャシー「掘ったイモいじるな〜」


キャシー「ほわっと・たいむ・いず・いっと・なう、今何時〜?ですね。」

キャシー「日本語の発音がうますぎて英語に聞こえない、うん。」

キャシー「日本の中学英語終えたくらいじゃこんなもんですって〜」

キャシー「え?あたし成人してないよ!15歳!」

キャシー「そうそう、老けて見られちゃう〜大和撫子として致命的だね〜」

キャシー「いくつなの?って聞かれちゃうんだよねー」

キャシー「掘ったイモいじるな〜って」

キャシー「いやこりゃ、いくつって時間を聞いてるんだね」

キャシー「で、ぼうやいまいくつ?うん、8つ?ご立派!」

キャシー「おかあさん今、いくつ?うん、今3時。お上手〜!」



キャシー「さ、いくつーって時間でも、他の数でも通用しちゃうよね。」

キャシー「今から話すのも、そんな日本語の奥ゆかしいところがね、そばに寄り添ってくれるようなお話なんですよ。」

3 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/28(日) 23:11:08.69 ID:6bK6Aj320





小関麗奈「アッタッシ〜は♪イタズラ女王〜♪」

麗奈「さて、今日は何をしようか・なと…」

http://imgur.com/wEP7DVG.jpg




麗奈「そろそろ、4ツ時の鐘が鳴る時間かしらね、じゃあ…」





難波笑美「あーい!まいどまいど!ごっつうまい、タコヤキ屋さんやで〜!」

http://imgur.com/3spmokD.jpg



麗奈「タコヤキ屋さーん、おひとつくださいなー」


笑美「まいどおおきに!ん、もしかして自分レイナサマちゃう?」

麗奈「あら、アタシを知ってるの?アーッハッハッハ!その通りよ!」

笑美「レイナサマよーいらっしゃったなぁ〜!アンタここらじゃ有名なんやで〜、でタコヤキいくつ?」

麗奈「1パック」

笑美「ほな500円いただくで!」


麗奈「500円ね、…しめた!」

笑美「ん、今何か言うた?ほい1パック〜、ソースたっぷりにしといたで!」


麗奈「いえ、なんでもない…ありがと!で、お勘定ね、ホラ手ぇ出しなさい」


笑美「500円〜」


麗奈「100円玉が、ひい、ふう、みい…」


\ゴイーン…/


麗奈「ん、時報ね。いまいくつ?」


笑美「えーと、4つやね」


麗奈「じゃ、お勘定…はい5つね!」


笑美「まいどあり〜!また来てーな!」



4 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/28(日) 23:12:03.58 ID:6bK6Aj320






麗奈「アーッハッハッハッ…げふん!」

麗奈「クク…時報を利用して100円値切ってやったわ…」

麗奈「んん〜、あっふ!あふ…タコヤキおいしい…」



大沼くるみ「あっ、レイナしゃん〜?」

麗奈「あらくるみ、ちょうどいいわ。」

http://imgur.com/WSnVhiW.jpg




くるみ「おいしそうなタコヤキでしゅね!」

麗奈「そう!このタコヤキはレイナサマの明晰な頭脳により得た報酬なのよ、武勇伝を聞くがいいわ!アーッハッハッハ!」


くるみ「ぶゆうでん…気になりましゅ!」

麗奈「タコヤキ1コいる?」




5 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/28(日) 23:12:56.93 ID:6bK6Aj320






笑美「まいど〜!ごっつうまいタコヤキ屋さ…おっ、小春ちゃん!」


古賀小春「タコヤキくださ〜い♪」

http://imgur.com/qbgsczE.jpg



笑美「まいどおおきに〜、いつもの1パック?」

小春「おねがいします〜」

笑美「じゃー、ヒョウくんにもサービスしたるわ!タコヤキ3つオマケやで〜」

ヒョウくん「かたじけない」


小春「ありがとうございます〜」


笑美「さっきちょうど臨時収入あったからな!大盤振る舞いやで〜!」

小春「お勘定ですね〜どうぞ〜」


笑美「あい、100円〜。まいどおおきに〜!」






6 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/28(日) 23:13:49.14 ID:6bK6Aj320




麗奈「…で、500円するこのタコヤキ、400円でいただいたワケよ。」


くるみ「時報の…鐘を利用して、安くものが買える…」


麗奈「そう!今いくつ?って、ちゃんとしたタイミングで聞くのよ。」

くるみ「おぉ〜」


麗奈「マネしようたって、トロいくるみにはムリよ、ムリ!」


くるみ「むむ…」




7 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/28(日) 23:14:41.47 ID:6bK6Aj320

〜後日〜



くるみ「たまにはくるみだって、ちょいワル…?に挑戦しちゃうんだぁ。」


http://imgur.com/cL82HgO.jpg


くるみ「くるみだって、出来る…と思う、たぶん…」



くるみ「もうすぐ4時の鐘が鳴りましゅね」




栗原ネネ「いらっしゃいませ♪」

http://imgur.com/EuWFNop.jpg

涼宮星花「だがしやさんにようこそ〜♪」

http://imgur.com/znpQHaW.jpg


くるみ「えーっと、これと、これと〜?あと、あのっ…」


ネネ「あ…そんな焦らずに、ゆっくり選んでくださいね。」


くるみ「あ、ありがとうございましゅ」
8 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/28(日) 23:16:08.52 ID:6bK6Aj320


星花「こちらのお菓子なんていかがでしょうか?」

くるみ「おいしそう…」

星花「ふふ♪いろいろ見てくださいね〜」


\ゴイーン…/


くるみ「あっ、あ!鐘が…」


ネネ「これいくつでしたっけ…」

星花「4ツですね。」


くるみ「あぁ〜言わないで〜」


ネネ「?」

星花「?」


くるみ「ああ、あの、何でもないでしゅ…」

くるみ「どうしよう…かといって何も買わないのは…うう」



星花「いかがなさいました…?」


くるみ「あ、あの…これくだしゃい!」


ネネ「はい♪ありがとうございます。90円ですね。」


くるみ「えと、10円玉が、ひい、ふう、みい、よ、いつ、むー」


くるみ「…ごい〜ん」



ネネ「?」

星花「…?」
9 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/28(日) 23:17:48.54 ID:6bK6Aj320


くるみ「あ、えと、いまいくつでしゅか?」


ネネ「私、は…15歳ですが。」

星花「私は19歳ですよ♪」


くるみ「えと、あの…それだと20円…?あれ?」


ネネ「ど、どうなさいました?」

星花「もういちどお勘定を数えなおしてみませんか?」


くるみ「あっ、ひい、ふう、みい、よー、いつ、むー、なな…」


くるみ「あ、…ごい〜ん」


ネネ「…?」

星花「…?」


くるみ「えと、いまいくつ…じゃなくて、何時でしゅか?」


ネネ「4ツ、ですけど…」


くるみ「はいっ、いつ、むー、なな、やー、ここのつ…!」


星花「お…お待ちになって?」

ネネ「お勘定が多くなっちゃってますよ?」


くるみ「あ!ほんとだ…」


星花「では、90円ちゃんといただきますね。」

ネネ「多いぶんはお返ししますね♪」

くるみ「あ、ありがとうございましゅ…えへへ」



10 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/28(日) 23:18:54.07 ID:6bK6Aj320




くるみ「お菓子、おいしいなぁ〜」


麗奈「あらくるみ、どうしたの?」

くるみ「レイナしゃん!あのね、お店のおねえさんが優しかったんだぁ…♪」

麗奈「…やっぱり、くるみにはムリだったのね?」


くるみ「レイナしゃんにもお菓子あげる!」


麗奈「ありがと。やっぱくるみはこういうのが似合ってるわよ」





11 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/28(日) 23:26:10.39 ID:6bK6Aj320


Q.落語って一人芝居じゃないの?キャシーが全員を演じ分けてるの?それともVTRなの?

A.好きなほうでご想像ください



Q.江戸時代とか、昔の設定じゃないの?100円とかって現代の感覚だし、鐘の4ツ時とか今で考えたら変な時間じゃない?

A.何時代でもありませんので好きにご想像ください。クソ深夜にうら若き乙女が駄菓子屋を安全に徘徊するのも面白いでしょ?




あと3演目ほどを予定しています、
次のお話は…あの師匠の登場を予定しております。
12 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 19:20:20.05 ID:vrr8+MZm0





キャシー「時たこ、時だがし?」

キャシー「時でいえばうちには十時さんとか、時子様もいらっしゃいますよ〜」

http://imgur.com/P8Y1zgP.jpg

http://imgur.com/Z60yqJx.jpg



キャシー「アップルパイと豚肉料理ね…ポークパイおいしそ〜!」

キャシー「あたし?そうだね、ミートパイとかで育ってそうでしょ?」


キャシー「ところがどっこい、米と魚と佃煮で育ってきたのさ!」


キャシー「焼き鮭と白飯たべるときね、あたし海苔用意しちゃうんだ。」

キャシー「ほかほかのごはんと塩っ気ある鮭をね、パリッとした海苔に乗せてさ、一緒に食べるのがおいしいんだコレがね〜」


キャシー「そう、おにぎり好き!」

キャシー「ピクニックとか行って…小高い丘の上とかさ、川っぺりとかさ、風通しイイあずまやとかさ、そういうところで食べると最高にイイよね〜!」



キャシー「じゃ、これからするお話はね、そんなピクニックのお話です。」

キャシー「とある繁盛商店の金持ちな女将さんがね、小間使いみたいな芸人さんとか連れてピクニックに行くんだ〜」





13 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 19:21:18.46 ID:vrr8+MZm0






棟方愛海「あ〜あ、女将の沙理奈様とお近づきになれると思ってお抱えの奉公芸人になったけど…一向に登山チャンスが無いなぁ〜」


愛海「あの、すんごい主張の松本山、いつか絶対登るんだ…」

http://imgur.com/bur5SJ8.jpg




愛海「で、沙理奈様が休暇だからって、お遊び相手が仕事であるあたしは今いろいろ大変。」

愛海「チャンスが増えるのはいいけど、流石に疲れてきたなぁ〜!」


愛海「今日も、これから何の娯楽を始めるのかな?できればお休みが欲しい…」
14 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 19:24:08.34 ID:vrr8+MZm0


松本沙理奈「愛海ー!!あーーつみーーーー!!!」

http://imgur.com/qgU0GOq.jpg

http://imgur.com/x9ZJIF2.jpg




愛海「あぁ、呼ばれてる!へいへい!」


沙理奈「おお愛海、さあ行くぞ準備しなー!」


愛海「うぇ〜、今日もお出かけですか?あたしはお疲れだから、できればゆっくりしたいな…って」


沙理奈「山登りだよ」


愛海「40秒で支度します!!」



愛海「うひひひひひひ!紗理奈様ついに!あたしの活躍を認めてくれたんだね〜!!あの松本山を登山できる!!!」

15 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 19:25:32.25 ID:vrr8+MZm0

沙理奈「松本山…」


愛海「世界レベル百名山にも数えられるそのたわわな双峰は登山家であれば誰もがあこがれる…」


沙理奈「アンタ何の話をしてるのよ、山登り行くって言ってるでしょ?」


愛海「ええ!!ですからついにそのぷにょふわ…」


沙理奈「美城山の山頂にある神務社(じむしょ)にお参りに行くの」


愛海「…」


沙理奈「商店のみんなで行くからさ、盛り上げ役が必要!ほら行くよ」


愛海「なんだそっちの山登りかぁ…」


沙理奈「こっちの山登りを誰が提案すんのよ」(フニフニ)
16 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 19:27:20.54 ID:vrr8+MZm0

愛海「あたし今日、飢山病にかかってるからお出かけできないな〜」


沙理奈「…神務社に居るフジタカナスビ様っていう幸運の女神様知ってる?」

愛海「たわわの香りがする」


沙理奈「神務社に居る巫女さん、ドジっ娘で有名なのよね〜」

愛海「ハプニング登山の香りもする」


沙理奈「さ、どうする?」


愛海「…もう一声」



沙理奈「…仕方ない、書きもの出しな」

愛海「へいこちらに」



沙理奈「さらさら〜っと、ほい
『松本山登山許可証』を本人直筆で作ったわよ」


愛海「40秒で支度します!!」


沙理奈「こいつはあたしの懐にしまっとくから、あんたの活躍次第だよ〜」

17 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 19:29:01.29 ID:vrr8+MZm0


〜美城山〜




愛海「つかれた…もうしんどい…」


沙理奈「なーにヘバってんの、山頂はまだまだよ」


愛海「うう〜、もう山登りはイヤだ…別の山登りがしたい…」


沙理奈「んー、この調子じゃそれは叶わないね〜みんなの娯楽隊長もっと頑張ってくれないと」



愛海「あっ、あそこガケのところ、茶屋がありますよ!休みましょうよ!」


沙理奈「そだね、よしみんなー!あそこで一休みするよー!」





18 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 19:30:03.32 ID:vrr8+MZm0





愛海「ふぃ〜、あぁ…けっこう登ったけど、まだあるんだね…」



愛海「うわー、すっごい谷。下までどれぐらいあるんだろ…ん?」


愛海「なんだろあの輪っか?」


沙理奈「ありゃね、土器(かわらけ)投げのマトだよ」


愛海「沙理奈様、ご存じで?カワラケなげ…?」


沙理奈「お茶屋さーん!土器10枚ちょうだーい!」


槙原志保「はーい、10枚ですね!どうぞ!」

http://imgur.com/uaeaPyz.jpg

19 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 19:31:13.19 ID:vrr8+MZm0


愛海「それが、カワラケですか?円盤の焼き物ですね。」


沙理奈「こいつをね、あの谷の輪っかめがけて…それっ」



\ヒューン/


愛海「おお〜キレイに飛んで…」


沙理奈「よし入った!」


愛海「ああ!あの輪っかに通すんですね〜、お見事!!」


沙理奈「あはは、なかなか難しいんだよこれ?」


愛海「そうですか?これくらい、芸人のあたしなら…あ!成功したら登山許可証いただけます?」


沙理奈「うーん、まぁ…やってみな」


愛海「うひひひひ、そうと決まれば…よいしょおー!!」



\ピュー/


沙理奈「…」


愛海「…」


沙理奈「谷じゃなくて、山のほう向かってったね」


愛海「潜在的な欲望が…」
20 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 19:32:52.34 ID:vrr8+MZm0


沙理奈「登山許可証はやれないな〜」


愛海「いや、落ち着けあたし!お山も大事だけど、そのお山が成す谷だって大好きじゃないか…そう、谷!あたしは谷を求めてる…!」


愛海「全神経を集中して、谷に向かってまっしぐら…うん、今だ!そいやぁ!!」



\スパーン/


槙原志保「ひゃあ!?土器があたしに挟まった!?」



沙理奈「……あっちの谷にまっしぐら」


愛海「お茶屋さぁーーん!!その土器回収するから!ね、ほらちょっと大人しく触らせて!!」



沙理奈「よしなさい!そりゃ!」


\ヒュン/


\スコーン/

愛海「げふん!ちょっ…沙理奈様、投げるのうますぎない?」


沙理奈「まあねー、聖來山にある犬子谷で沢山投げたから。」
21 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 19:35:29.51 ID:vrr8+MZm0


愛海「なんだベテランだったんですか」


沙理奈「そうだよ、おかげで普通に投げてもつまんないな〜」


愛海「2枚同時なんてどうです?」



沙理奈「そいっ!」


\ヒュヒューン/


愛海「おおー!入りますね!」


沙理奈「他にもできるよ、例えば…そうれっ!」


\ヒューン/

\ギュイイ/


愛海「マトの横を過ぎたと思ったら曲がって返ってきてくぐった…」


沙理奈「これが、アンチエイジング投げ」

愛海「わかるわ」



沙理奈「あと、マトが2つあればメガネ投げとか…」


沙理奈「他にもマンガ投げとか小悪魔うさぎ投げとか、あるよ。」


愛海「色々と技があるんですね〜」
22 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 19:36:59.26 ID:vrr8+MZm0


沙理奈「ほとんどマスターしちゃったから、そしたら今回は趣向を変えて…別の物投げようかな?」


愛海「別の物?」


沙理奈「おーい、召使いのピの字!」


P「へへえ!なんでございやしょう紗理奈様!」


沙理奈「あの、円盤状のやつよこしな」


P「えと、するってえと…こちらでしょうか?」


沙理奈「そうそうこれ、マニーね。」


P「あの…それあっしのおまんまでして…」



沙理奈「そりゃあ!」


\ピューーー/


愛海「入りませんねー」


沙理奈「うーん、やっぱ手応えが違うね、やりがいがあるよ!」


沙理奈「ピの字、もっとよこしな!」


P「へ、へえ」



沙理奈「そーーれ」


\ピューーーー/


愛海「おーいい感じ、惜しいですねー」


沙理奈「よし掴んできた、もっとじゃんじゃんよこしな!」


P「はい…」




23 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 19:39:04.21 ID:vrr8+MZm0






愛海「マニーもあらかた投げましたね」


沙理奈「ピの字、他ないの?」


P「できればカンベン願いたく…」


沙理奈「あ、その紙よこしなよ!」


愛海「3%、10%…なんですかこの紙」


P「ワイのパーチケ…」


沙理奈「このチケットを折って…紙飛行機に、と」


愛海「軽くて難しそうですね!」


P「ワイのパーチケ…」


沙理奈「そいっ」



\スィー/



愛海「おお…けっこうイイとこ行きますね!」


P「ワイのパーチケ…」







沙理奈「あっなにまだマニーみたいなのあるじゃん、そいっ!」


P「ワイのレアメダル…」






沙理奈「星ついたワッペンみたいなのもあるね、そりゃあ!」


P「ワイのスターエンブレム…」






沙理奈「この虹色の宝石っぽいのは…」


P「ワイのジュエル…いやーそれは流石にキツいっす」


沙理奈「たしかにコレは投げらんないね」



24 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 19:41:43.54 ID:vrr8+MZm0





沙理奈「他にはもうないの?」


P「沙理奈様に絞られるなら字面的には本望ですが、流石にもう…」




愛海「んん、なんか星形の宝石がゴロッとありますよ?」


P「そ!それは…!!」



沙理奈「うーん、でも投げるにゃあ向かないかな…」


P「ほっ…」


愛海「うわ!2500個砕いたら封筒出てきた!」


P「えっ!ちょっ愛海オマ…あっ刺繍!?」


沙理奈「よし紙飛行機にしよう!」


P「プリーズ!ウェイトプリーズ!それはちょっと待ってさすがに!」



沙理奈「そいやー!」


\ヒュー/


P「ですよねー」

25 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 19:43:48.91 ID:vrr8+MZm0

愛海「おお、入ったー!」



沙理奈「ピの字、封筒よこしな」



P「割いてジュエル…」


愛海「こんどは普通の白い封筒だ」



沙理奈「そいやー!」



\白封筒/

\白封筒/

\白封筒/

\白封筒/

\白封筒/


\白封筒…





愛海「うわ、Pがゲッソリし始めた」


P「むぅーりぃー、もう…限界です…」



沙理奈「ねえ、次は!?次成功すれば10回連続達成するから!」


P「わたしの遺骨は相葉夕美さんの花壇の栄養にしてください…」


愛海「ダメだこりゃ」
26 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 20:01:36.00 ID:vrr8+MZm0


沙理奈「あちゃー、どっかに紙ないかな、紙…」


P「わたしの遺骨は粉にして藤原肇さんの焼き物に混ぜてください…」



沙理奈「ん、紙…あった。」


愛海「登山許可証!?」



沙理奈「折ってーと…」


愛海「えっ!ちょ!!沙理奈様ー!?」


沙理奈「ラストー!」


\ピューー/


愛海「登山許可証ぉぉぉー!!!!」



沙理奈「よーっし!10回連続達成!」


愛海「許可証ぉぉ…」

27 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 20:03:27.64 ID:vrr8+MZm0



沙理奈「ん、アレほしい?」


愛海「ほ じ い゛!!」


沙理奈「じゃあ、取ってくれば?」


愛海「ムリですってあんな谷底!?」


沙理奈「取ってこれたらすんごい芸だと思うんだけどな〜、そんな凄いことできるなら芸人として認めてあげられるな〜」



愛海「い…行ってきます!!」



沙理奈「おーいみんな!!ホラこっち注目しな!愛海がすんごいの見せてくれるよー!!」

28 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 20:04:49.54 ID:vrr8+MZm0


愛海「お茶屋さん!あのマトのとこどうやって行くの!?」


志保「え、それはもう谷底ですからすんごい遠回りを…今からだと日が暮れますよ?」


愛海「ココからすぐ行けないの!?」


志保「それはムリですよ〜、それにあのへんはオオカミが出て危ないですし…」


愛海「でも、誰かがあそこに設置したんでしょ!?大丈夫だから!!」


志保「でも、すぐ行くとするなら、それこそ飛び降りないと…」



沙理奈「おーい!ここに、カワイイ印のパラシュートがあるよ〜!」


志保「そんなのあるんだ…」


愛海「天使となって舞い降ります!!」



志保「えっ、…お、お気をつけて〜?」


29 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 20:05:52.51 ID:vrr8+MZm0



愛海「いざ飛び降りるとなると流石に怖いなぁ…」



沙理奈「ほれ行ってきなよー」


愛海「ここは覚悟を決めて…ダイブ!!!」

\ピョーン/



愛海「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛」





沙理奈「うわーホントに飛び降りたよ、すご…」





30 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 20:06:41.57 ID:vrr8+MZm0




〜谷底〜




愛海「うぇぇ…」



愛海「な、なんとか無事に降りられた…」



沙理奈\アーツミーー、ブジカァーーーーーー/



愛海「大丈ーー夫!!でーーーーーーす!!!!」


愛海「よっし!許可証回収するぞ!!」



愛海「えと、マトがあのへんだから、あっちのあたりに落ちてないかな…」



愛海「お、封筒とかがあった!じゃあこのへんに…」


愛海「そういえばオオカミが出るんだったっけ」



愛海「うーん、あたしもオオカミに扮したことあるけど、他にオオカミいたっけ…」

http://imgur.com/tJTcchI.jpg


31 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 20:07:47.33 ID:vrr8+MZm0


愛海「あっ」



愛海「櫂ママ!?」

http://imgur.com/yYtUpoL.jpg



愛海「もしかしてオオカミは
[人狼将軍]西島櫂さんかな!?うひひひ!!」

http://imgur.com/OaMAU0E.jpg



愛海「なーんだ♪そしたら一石二鳥じゃないか…ママのぬくもり!」



愛海「出てこいオオカミ〜♪フンフンフフーン♪」


愛海「あー!あそこにあった!!松本山の登山許可証!!」


愛海「おぉ…会いたかったよ〜!これであたしの悲願も達成される…!!」



愛海「あっちの岩のところ…へへ、取りに行こ…」


\ガササッ/



愛海「…ん?」


愛海「…オオカミかな?櫂ママ〜!!」
32 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 20:08:42.57 ID:vrr8+MZm0


[メタリックレディウルフ]
木場真奈美「わたしだ」

http://imgur.com/CUxdKXN.jpg







愛海「」





愛海「オオカミって、そっち」


真奈美「木場真奈美、容赦せん」

33 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 20:09:27.37 ID:vrr8+MZm0


愛海「真奈美さんには敵わねぇ!!全力で逃げます!!!」




沙理奈\アーーーツミーーーキョカショウ、アッタカァーーー/



愛海「あぁーーーりましたぁーーーー!!!」


愛海「けどぉーーー!!!取る前にオオカミ…いや」


愛海「メタリックレディウルフにぃぃーー!!!追われてまぁーーす!!!」




沙理奈\ソウカァーーーーー/



沙理奈\ドウヤッテ、モドルゥーーーーー/




愛海「たしかに」



愛海「えっどうしよう」


真奈美「さて、どうする?」




愛海「とりあえず逃げます!!!」

34 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 20:10:37.36 ID:vrr8+MZm0


愛海「くっそぉぉぉー!!こうなりゃヤケだ!!」


愛海「山場の馬鹿力!!!見さらしゃい!!うおおおおおおおおお」







沙理奈「おーすご…このガケ登ってるよ…」


沙理奈「おーい!みんな見な!愛海すんごいことしてるよ!」







愛海「うおおおお!!!これが登山家の意地!!!!」


愛海「さすがに真奈美さんも追っては来れないね!!」


愛海「お茶屋までもうすこし…!!うおおお!!!!」

35 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/29(月) 20:11:06.78 ID:vrr8+MZm0


沙理奈「おー、帰ってきた!」



愛海「ぜぇぇ…ハァ、ハァ…帰ってきやした…」


沙理奈「いやー、すんごいもの見せてもらった!」


愛海「ハァ、ハァ…ど、どーですかい…?」


沙理奈「よくやった!見事!芸人として一生ひいきしたげるよ!」


愛海「ハァッ、…あ、ありがとうごぜーますですよぉ…!!」



沙理奈「で、許可証は?」



愛海「ああっ」


沙理奈「回収し損ねたか」



愛海「」(チーン)



志保「屍が増えた…」







36 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:17:23.60 ID:b55PwuB90








キャシー「メタリックレディウルフってカッコイイ響きだよね〜」


キャシー「日本人から見てさ、妙にかっこいい言葉あるよね。」


キャシー「ほら、あの、ドメスティックとか。」

キャシー「ドメスティック・クロー!とか格好良くないかな?」


キャシー「まあ意味は、家庭的な爪だから…要はまごの手なんだけど。」


キャシー「英語じゃなくてもカッコイイのあるねえ」

キャシー「蘭子ちゃんなんかさ、ドイツ語好きなんだよね〜」

http://imgur.com/eQuDlLU.jpg


キャシー「ボールペンだっけか、クーゲルシュライバー!って言うんだって。」


キャシー「かっこいいねぇ〜」

キャシー「でも、かっこ悪いのもあるんだってね。」


キャシー「ドイツ語で、0(ゼロ)のことを、ヌルって言うからさ」


キャシー「007(ぜろぜろせぶん)!とか」

キャシー「009(ぜろぜろないん)!とか」


キャシー「み〜んなヌルヌルしちゃうんだ〜!」
37 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:17:58.04 ID:b55PwuB90


キャシー「ほかにもクリムゾン・パレス、真紅の宮殿!とかもね」

キャシー「プルプルンシュロス〜!」

キャシー「おいしそう。」


キャシー「同じように、血塗られ色の幽霊〜みたいな怖いものも」

キャシー「ぷるぷるんがいすと〜」


キャシー「これ怖いのかな?」



キャシー「さて、そんなふうにね、怖いものって人によって違うよね。」


キャシー「あたしの友達のエリカなんてね、滑るのが怖い〜!ってんで、業務用のゴム底靴買ったりなんかしちゃってさ〜願掛けなのかな、女の子!って感じだよね。」

キャシー「その横であたしはスケートだなんて滑る靴買ってるんですけどね!」

http://imgur.com/1b2yOJL.jpg

http://imgur.com/AaN81yj.jpg


キャシー「篠原礼さんが雷を怖がってたのも意外だったな〜、あんなキレーな大人なのにね。ギャップ萌えだね」

キャシー「和久井留美さんも、猫ちゃんに対して恐る恐る近づいてはちょっと大変な思いをすることもあるみたいだね。げに恐ろしきはその愛嬌の引力なるか…」


http://imgur.com/xW6elpV.jpg

http://imgur.com/QZyBe39.jpg





キャシー「じゃあ、今からするお話は…意外なものを怖がるひとの話だよ!」






38 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:20:23.42 ID:b55PwuB90




TV\キャーーーーーー/




橘ありす「いやぁ!!?」

http://imgur.com/cLRzjMd.jpg


二宮飛鳥「ひゃあ!?」

http://imgur.com/JzzE7iO.jpg

http://imgur.com/yFY1QbO.jpg


松永涼「うおお…」

http://imgur.com/DvfQiKe.jpg


塩見周子「…」

http://imgur.com/BnNadKm.jpg


白坂小梅「えへへ…♪ど、どう…だった…?」

http://imgur.com/f2uyabe.jpg

http://imgur.com/vNx6iOO.jpg


39 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:28:18.39 ID:b55PwuB90


涼「小梅ぇ…ありす居るんだからこのチョイスはさぁ…」


ありす「い、いえ…観たいと言ったのは私ですし、こ、これくらい平気です…」


周子「いやでも、これなかなか怖かったんじゃない?」

飛鳥「つ、強がるんじゃないよありす…」


ありす「そ、そういう飛鳥さんだって…」

飛鳥「ボ、ボクは大丈夫さ、そもそもこれは虚構の作品だ。実在性の証明されていないものに対して恐怖を抱くだなんて、それこそナンセンスな…」


小梅「い、いる…よ?ほら…」


飛鳥「そんな脅かそうたって、居ると信じ込む心が見せる幻影さ…実際どこに居るんだい?」


小梅「飛鳥ちゃんの、服…に刺さってる、ピン…」


飛鳥「ピン…ああ、この服か。これがどうしたんだ?」


ありす「あっ…なんか一個、赤いのが…」

飛鳥「ん?この位置にピンあったかな…えっ、血…」


ありす「ひえええええぇぇぇぇ!?」

飛鳥「うひゃあああぁぁぁぁぁ!?」



小梅「ほら…ね?えへへ…」


涼「小梅、お前それ準備してただろ…」

小梅「うん…ドッキリ…♪」

周子「小梅ちゃんやるねー」
40 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:29:28.90 ID:b55PwuB90

飛鳥「ほ、ほら!みっともなく驚きはしたものの、結局これはイタズラで、非実在性を証明してるようなものじゃないか!」

ありす「そ、そうですね!小梅さんのイタズラなら安心です…」



周子「あれ?でも小梅ちゃん、ずっと涼ちゃんとこ居たよね?」

涼「そういや、飛鳥のほうには一切行ってないよな…」


ありす「…えっ?」

飛鳥「……」



小梅「…ふふ♪」


ありす「もういやぁ…」

飛鳥「あとで芳乃のところへ行こう…助けてくれるはずだ…」
41 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:30:49.55 ID:b55PwuB90

涼「はぁ、ホラー見ると疲れるな…さすがに」


周子「あたしは結構へーきだったかなー」

小梅「周子さん、動じなかった…ね」


涼「周子、こういうのに強そうなとこあるよな」


飛鳥「いつも飄々と落ち着いてて、慌てたような姿を見たいものだよ。」


ありす「周子さんは、無いんですか?怖いもの…」



周子「んー、ないかなー?」

周子「ホラ実家が京都のあそこだしさ、そういうもんも慣れちゃったのかなー」


小梅「心霊…スポット、たくさん、ある…よね…!」


涼「そういや、京都ってそういう面もあったな…」

ありす「ひええ…私、学校で修学旅行が控えているのに…」


周子「あーそんな脅してるわけじゃないって、全然へーきへーき」

飛鳥「ボクも控えてるんだが…」


周子「だいじょぶだいじょぶ、京都いいとこ!」

涼「周子は怖いものなし、かー、どうする小梅?いつか脅かしてやろうか?」


小梅「うん…がんばるよ…!」


周子「いやそんなん、がんばらんでおくれー」
42 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:32:02.49 ID:b55PwuB90

小梅「周子さん、本当に…怖いもの、ない…?」



周子「うーん、鬼が出ようが蛇が出ようが…あっ、でも…あるかも?」


小梅「な…なにかな?ゾンビ…?」


周子「ゾンビーもちがうけど、うん…確かにアレだけは恐ろしいかも…」



飛鳥「なんだいそれは?」

ありす「気になります!」


周子「人の弱みにそんな食いつかないの」


涼「で、なんだよ周子?」



周子「そんな気になるんかい…、」


周子「……。一回しか言わへんからね?」



小梅「わくわく」



飛鳥「…」

ありす「…」



周子「まんじゅう」
43 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:32:59.20 ID:b55PwuB90


ありす「…えっ?」


飛鳥「ま、まんじゅう?」


周子「あーホラやめやめ!やっぱ言わんほうがよかった…」


涼「まんじゅうが怖いって、どういうことだ周子?」


周子「あーごめん、忘れて!なんやら寒気するから先帰るね…」



涼「お、おお…なんかすまないな、お疲れさん!」


ありす「お疲れさまです」

飛鳥「また今度…」

小梅「周子さん、お疲れさま…」

周子「ん。みんなおつかれー」



\ガチョン/
44 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:34:05.52 ID:b55PwuB90


涼「…」

ありす「…」

小梅「……」


飛鳥「……なんだい?まんじゅうって…」


ありす「…ですね、そんなものが怖いだなんて、意外です」


小梅「寒気がする、…って、少し怯えた…?感じにも…見えた、かも…」


涼「実家が和菓子屋だから、何か関連したトラウマでもあるのかもな。」


ありす「たしかに、普通の人と違ってまんじゅうで怖い思いをするかもしれませんね…」


飛鳥「フフ…まんじゅうが怖いだなんて、滑稽じゃないか…」


涼「どうした飛鳥、悪い顔して…」



飛鳥「なあに、たまには彼女のウィークポイントを突いたっていいだろう」


ありす「そんな、イタズラ…ですか?おまんじゅうで…」


小梅「イタズラ…する?」


涼「あー、トラウマが本物だったらマズくないか?ちょっとシリアスだったし、そっとしといてやれよ…」



飛鳥「いや、彼女は弱みを隠しすぎている。それは果たして本当に良いことなのかな?」


ありす「そうですね。アイドルの仲間として、信頼して協力するにはちゃんと向き合ってもらうのも…」


涼「うーん、たしかにそれも一理あるよな…アタシも夏樹とかにそんなとこ話したことあるし…」


小梅「イタズラ…しよ?えへへ…♪」



飛鳥「ああ、やってやろうじゃないか…」


45 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:35:30.83 ID:b55PwuB90


〜後日・女子寮〜




飛鳥「フレデリカに協力をあおいで、周子の部屋にまんじゅうを設置してもらったよ」

http://imgur.com/JzzE7iO.jpg




ありす「録画の準備もできました!」

小梅「追加のおまんじゅうも、ある…よ」



涼「おーい、あんまやりすぎるなよ?度が過ぎたら止めるからな。」


飛鳥「ああ、それは助かるよ…ときに人は盲目になるからね、冷静な観測者は必要だ」


ありす「そうです、あくまでこのイタズラは周子さんのため…」


小梅「ふふ…♪そう、なの…かな?」


涼「で、流れはどうなってる?」
46 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:36:28.86 ID:b55PwuB90


飛鳥「まず、フレデリカが布団に仕込んだまんじゅうがある、周子が寝ようと布団をめくったら目に入るって寸法さ。」

ありす「就寝時は、油断してますからね。」


飛鳥「それに驚いて声があがると同時に、窓からまんじゅうを投げ込むんだ」

小梅「ちゃんと、投げてもいいおまんじゅう…だよ、あとで食べられる…」


ありす「それなら安心ですね、食べ物を粗末にするのは気が引けますし。」

涼「投げてる時点で…まあいいか、そんなまんじゅうあるんだな…」



飛鳥「そうしたら、周子は部屋から逃げようとするだろう。部屋を出たその先に…フレデリカが居る」


ありす「安心する味方を設置するんですか?」


小梅「う、ううん、フレデリカさんは…
『のっぺらまんじゅう』してもらうんだ…よ?」


涼「なんだそりゃ…」


小梅「おまんじゅう、…怖かった?へぇ〜、どんなおまんじゅう?それって…こんなおまんじゅうじゃなかった…?」


ありす「この、おまんじゅうのお面つけてるんですね」

飛鳥「そして、ボクらもそこに姿を現すんだ。」


涼「え、マジか?このお面つけて?」


小梅「ほ、ほら…みんな、つける…よ?」

飛鳥「フフ…のっぺらまんじゅうに囲まれた彼女は、どうなるかな?」



涼「…これってむしろ、滑稽なのはアタシたちになるんじゃ…」
47 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:38:32.38 ID:b55PwuB90


飛鳥「とにかく、こういう流れになる。いいかい?」


ありす「おまんじゅうOKです!」


小梅「み、みんな…お面、つけた…ね。」


涼「なあ…ありす、もうそれ撮ってるのか?」


ありす「ええ、バッチリです。」


涼「なあ、なるべくアタシ映さないでくれ、頼むから…」




飛鳥「おや、フレデリカから連絡…周子が寝に部屋へ入ったそうだ。持ち場へ行こう。」


ありす「行きましょう」


涼「これでホントに怖がるのか…?いや、むしろ楽しい思い出としてトラウマを克服してもらえる可能性もある…のかな」


小梅「おまんじゅう…♪」
48 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:39:49.01 ID:b55PwuB90


〜周子の部屋〜



周子「ん…ねむ。」


周子「ちょい早いけど、そろそろ寝よかな」


周子「えーと、目覚まし明日何時だっけ…あ、丸一日オフだ」


周子「ふー、ゆっくり寝れそ…」


布団ペラー





周子「…」


周子「………」


周子「なんこれ」
49 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:40:27.31 ID:b55PwuB90


周子「おまんじゅう…?」


周子「え、あたしの布団でおまんじゅうが寝て…」

周子「いやめっちゃあるやん」

周子「すご、いくつあるんかな布団全部めくったろ」




周子「うえきちゃんおった」

周子「おまんじゅうでモザイクアートのうえきちゃんおった…」



周子「なんこれ」


周子「なんであたしの布団でおまんじゅうのうえきちゃん寝てるん…」


周子「えー、フレちゃんに聞……あっ(察し)」




周子「あの冗談真に受けたんかーい」
50 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:41:51.36 ID:b55PwuB90


周子「えー、もしかして、これ続きあるんかな…」


周子「とりあえず、これ怖がればええか」




周子「んんっ」



周子「いぃーーやぁーーー!!!!!!!!…ん、んふふ」




窓\ガラアッ/


周子「うわすご!窓勝手にあいた!」



まんじゅう\コンチャース/

まんじゅう\ウィース/

まんじゅう\オァサース/

まんじゅう\ヤミノマー/


周子「窓からおまんじゅうやってきとる!!ぶっふ!あはは!」


周子「えーうそやん、めっちゃおもしろ…」


周子「んふふ、一個食べたろ…」


周子「うまい」
51 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:42:35.74 ID:b55PwuB90


周子「このあと、どうすればええんかな…これで終わりかな?」


周子「とりあえず、また歯磨きに部屋出よかな…のど乾いたし」



\ガチャ/



周子「あっ、フレちゃんおる」


周子「フレちゃーん、おまんじゅうすごいよー」



宮本フレデリカ「おまんじゅう…すごいの?」


周子「あーもう、よくやってるよほんと…」


フレデリカ「へえ、そのおまんじゅうって…」


周子「うんうん」


フレデリカ「こーういうおまんじゅうじゃなかった〜?」
(のっぺらまんじゅう)



周子「ひゃァーーーーー!!!!!!!」(大爆笑)


フレデリカ「あっはっはっはっは〜♪どう〜?」

周子「めっっっちゃおもしろ…あかん…ハラいたい…!!!」

52 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:43:45.47 ID:b55PwuB90


周子「ひぃぃ〜!ふぅ、ふぅっ…!!」



ありす「周子さん!大丈夫ですか!」
(のっぺらまんじゅう)

飛鳥「どうしたんだい苦しそうに!」
(のっぺらまんじゅう)

小梅「周子さーん…」
(のっぺらまんじゅう)




涼「……あっ。あたしパスしよ…」
(お面はずす)







周子「お…みんな来…んんんっ!ぶっふぉ!」



ありす(うつむいて顔を背けています…!)

飛鳥(ああ、どうやら想像以上に怖がっているようだ…!)



周子「ひぃぃ…!みんな、ちょ、こっち見んといて…んっふ…!!」



飛鳥「よし…大成功のようだね」


ありす「あとで録画を見ましょう…」


小梅「ふふ…♪みんなでドッキリ?楽しい…な♪」



フレデリカ「わぁ〜!みんなおまんじゅう〜!」


周子「ちょ、もう…ムリ…んふふふふふ」



周子「あははははははははははははははははは!!!!」
53 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:44:52.96 ID:b55PwuB90


飛鳥「おいなんだ、この反応は…」

ありす「もしかして怖すぎておかしく…?」



涼「あぁー…」




フレデリカ「へへへへへ〜♪」


周子「もう、…んっふ、あぁ〜、すごいなぁ!」



涼「なあ周子、まんじゅう怖いか?」


周子「いやー、もう、これはね…怖いわぁ〜!」


周子「まんじゅうに笑い殺されるかと…んっふ、…!」




飛鳥「なっ」


ありす「えっ」


フレデリカ「あははは〜♪」



小梅「お部屋…の、うえき…ちゃん、すごい…ね…!」


フレデリカ「でしょ〜?フレちゃん頑張ったんだ〜♪」
54 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:46:02.40 ID:b55PwuB90


周子「はっ…はぁぁ〜、つ、次は…お茶がこわいかな〜!」



涼「ったく、変な気を回して損したよ。ま…悪くはないか、アハハ!」


飛鳥「なんだ、ボクはまんまとひっかかったのか…」


ありす「お、おまんじゅうの格好までしたのに…」

涼「そうだありす、な、その録画消しとこうぜ」



小梅「えへへ…こういう、のも…楽しいね…」




飛鳥「いや、…楽しくはないな、」


ありす「まったくです…」


飛鳥「しかし、ならばこれから楽しくするまでだよ…」


ありす「まだ、なにかあるんですか?」



飛鳥「まぁ、実はこの事態も予測はしてたさ…そこで…」





\ドカーーーーン/



日野茜「ボンバァァーー!!!!!」

http://imgur.com/Zu0mha0.jpg





ありす「あっ、茜さん…?」


茜「みなさんこんばんはー!!!!」
55 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:47:32.13 ID:b55PwuB90


周子「ほえー、まだゲストおるん?」



日野茜「周子さーーーん!!!アツーーいお茶は!!いかがですかーー!!!!」



周子「あ〜!お茶怖〜い!!」


フレデリカ「ボンソワール♪茜ちゃーん!」



小梅「も、もしかして…」



茜「あーいけません!!そんなにおまんじゅう食べて!!!しっかり消費しましょう!!!!さぁ!!走りますよ!!!!」



周子「えっ?」


茜「食べたら動く!!!ちゃんとトレーナーさんやプロデューサーから許可はいただいてます!!!たっくさん走り込みして!!!おいしい麦茶を飲みましょう!!!!!」



涼「あ、あのな茜、夜だから静かにしような…」



茜「ああすいません!つい…では、明日早朝からみっちりやりますよ〜!」


周子「えっ」



小梅「こ、怖い…お茶、が来た…ね♪」




周子「うそやん」
56 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:48:31.32 ID:b55PwuB90


ありす「これは怖いですね…」

飛鳥「芳乃に会いに行って正解だったよ。この事態を予見して、茜を呼ぶ提案をしてくれた。」



フレデリカ「シューコちゃんがんばってね〜♪」



涼「妙なウソの報いか?ふふ、麦茶で少し頭を冷やすのもいいか…」



飛鳥「さて…どうだったかな、お茶を呼ぶまんじゅうは?」


周子「いやー、怖いもんだね…あはは…」









〜後日〜




神崎蘭子「我が友よ!かの甘味を装うとは如何なる調べか!」
(おまんじゅうの格好の飛鳥ちゃんだ〜♪)


飛鳥「な、なぜその写真を…やめてくれ蘭子!あっ!描くんじゃない!!」


http://imgur.com/uQHATH3.jpg





周子「いや〜、まんじゅうは怖いね?あむっ、」


フレデリカ「んん、おまんじゅう、おいしーね〜」





57 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:49:46.48 ID:b55PwuB90






キャシー「いやぁ〜、まんじゅうはおいしいからね。」


キャシー「つい食べ過ぎちゃう…あたしも注意しないとなぁ」


キャシー「えー、みなさんは、つぶあん派?こしあん派?」

キャシー「じゃあ、つぶあんのひとー!」

キャシー「…思ったより少ない!」


キャシー「こしあんのひとー!」

キャシー「あ、こっち多いんだね。」


キャシー「そしたら、うぐいすあんのひとー!」

キャシー「あ!いたいた〜!」


キャシー「じゃあ、しろあん!」

キャシー「1、2、3人、と…あ、もう1人いた!」

キャシー「つぎは…みそあん!」

キャシー「お、けっこうツウな人が…」

キャシー「ずんだあん!」

キャシー「ああ思ったよりいる!」

キャシー「中華あん!」

キャシー「おおすごい!塩気チェンジについてきたね!」

キャシー「五目あん!」

キャシー「そうだよね〜!みんな好きだよね!」

キャシー「クリームパン!」

キャシー「あははは!!多い多い!」
58 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:50:48.31 ID:b55PwuB90


キャシー「そうそう!あんこの話でいえばね、あんパンの上につぶつぶあるでしょ?」

キャシー「ゴマだったり、ケシの実が乗ってるやつね。」

キャシー「アレって、パン屋さんが中身つぶあんかこしあんかを見分けるために開発された手法なんだって!」

キャシー「パンで包んだらどっちのあんか、わからないもんね〜」

キャシー「お客で知ってるひと、あんまり居なかったんじゃないかな?」

キャシー「けど、つぶの種類で中身が違うって知ってるひとは見分けられるんだ!」

キャシー「俺はつぶあん派だから!黒ゴマのある、こっちのあんパンを選ぶぞー!ってね、」

キャシー「パン屋さんによっては黒ゴマがこしあんかもしれないけど…」


キャシー「そんなふうにさ、細かいところの意味をなんだろな〜って気にしてみたら意外な理由が隠されてたりするよね〜」

キャシー「神社の石階段の数に実は意味があったりとか…」


キャシー「そういえば、さっきの話にはもうちょっとだけ続きがあってね。」

キャシー「同じように、細かいところに気づいちゃうんだよね〜またこれが…」






59 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:52:13.38 ID:b55PwuB90








周子「そうだ、あのとき窓どうやってあけたの?」

フレデリカ「窓〜?あたしは詳しく知らないかな〜」


周子「ふーん、あっ涼ちゃーん」


涼「おう、なんだ?」


周子「まんじゅう外から投げ込んだでしょ?」

涼「ああ、アレな…」


周子「あのとき、窓どうやってあけたん?」


涼「えっ、どうやってって…周子が開けたんじゃないのか?」


周子「えー、そんなわけないじゃんね?」


涼「たしかに、そうだよな…」


周子「あの窓、外から開けられないハズなんだよねー。だからさ、布団のおまんじゅうと一緒に特殊な装置とか仕込んでるのかと思いきや、フレちゃんは知らないときた」


フレデリカ「うん、あたしはうえきちゃん作っただけだよ〜」


涼「そういや、アタシらも何故か窓が開く前提で話を進めてたんだよな、窓開け役も居ないのに…」



周子「唯一、部屋に入ってたのはフレちゃんだし…えっ、なんか、ちょい寒気する」
60 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:53:13.38 ID:b55PwuB90

フレデリカ「小梅ちゃんに聞いてみる〜?」



涼「そ、そうだな…」


周子「ま、待って、知らなくてもいい事実があるかもしれない!」


涼「それも、そう…だな…」





フレデリカ「…あ、はろはろ〜♪小梅ちゃん元気〜?うん、そうそう〜!ゾンビゾンビ!!」


涼「あ、電話」


周子「たのむ…晶葉ちゃんとかの名前出てくれ…」


フレデリカ「…で、うん!そう、おまんじゅうのときの、窓がね?あ〜そう!それそれ〜小梅ちゃんが担当したの?すご〜い!」


涼「小梅が投げ込み隊長だったか…」


フレデリカ「で?それで?うんうん!あ〜、窓開けのやつ頼んだんだ?へぇ〜!わかった〜!ありがとね!うん、うんうん!じゃあまたね〜、アデュー♪」



周子「あーよかった、窓開けの仕掛け、誰かに頼んでた…」


涼「……あぁー、…」

61 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/30(火) 21:53:43.66 ID:b55PwuB90


フレデリカ「小梅ちゃんがね、窓開け頼んだんだって〜!」


周子「うんうん、で、誰だって?」


涼「あ、アタシちょっと向こう行くわ…じゃな…」






フレデリカ「えと、周子ちゃんのとこに居る…『その子』だって!」



周子「…」


周子「へ?」


フレデリカ「『その子』だって」


周子「あれ、おっかしーなー、うちのアイドルにソノコちゃんなんておったかな〜?」



フレデリカ「あのね、『その子』はね〜、シューコちゃんの部屋に居てね〜」


周子「あかん、それ以上…いや、もうすでに部屋帰れない…!」



フレデリカ「『その子』はいつもシューコちゃんの部屋で〜」


周子「やめてフレちゃん!ってか、今日部屋泊めて!おねがい!!」






62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 06:21:44.84 ID:LLUWqLUoo
おっつおっつ
63 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/31(水) 22:29:35.35 ID:HxNo0w0D0






キャシー「おーこわ!」


キャシー「小梅ちゃんのライブ映像には必ずのように、謎の何かが映ってるっていうよね…」


キャシー「おっと、怪談噺になっちゃう…これは落語、落語!」


キャシー「さてさて、世の中本当に怖いのはお化けじゃなくて人間だー」


キャシー「だなんて題材よくありますよね?」


キャシー「たしかにね〜、業界で権力あるうえでイヤミ〜な人居るとね〜、こわいこわい。」


キャシー「お金持ちもね、拗らせるとイヤミ〜なことになったりするよね。」

キャシー「あまり人と嫌味な接し方しすぎると、しっぺ返しくらうけどさ〜」
64 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/31(水) 22:31:47.87 ID:HxNo0w0D0


キャシー「さて!今までのお話はいくつか現代風でしたが、次のお話は江戸時代っぽいお話ですよ〜」


キャシー「3つほど、知っていてほしいことがあるよ!」


キャシー「当時はね、江戸市中では長屋っていう借家が普通だったんだ。」

キャシー「参勤交代とかのおかげで人の移動があるからね〜、他の地域と違って、持ち家買って定住してるのは少なくてね、大半の人は長屋に住んでたんだって!借家住まい!」

キャシー「その長屋ってのは、一つ屋根の下にいくつか部屋仕切りの壁があって、その仕切った部屋ごとに家族とかが住んでる…ようなイメージでいいかな。」

キャシー「つまり、おとなりさんとの距離が近くて、仲良くするのが大事だったってことよ!」

キャシー「で、あとね、借家ってことは家主が別に居るわけですよ。」

キャシー「逆に言えばね、お金さえあれば家主に相談して、仲良くできないお隣さんも追い出せちゃったりするんだよね〜!お金はこわい!」

キャシー「お金持ちなのに借家に住んでるの?って、江戸にはけっこう居たみたいだね当時は。火事も多くて家がすぐ壊れるからね、持ち家だとむしろ損することもあったみたい。」


キャシー「さ、覚えてほしいこと3つ!」


キャシー「1.いろんな人が借家住まい」

キャシー「2.おとなりさん関係が大事」

キャシー「3.お金があれば追い出しも可能かも?」


キャシー「じゃ、聞いてくださいね〜!」







65 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/31(水) 22:32:35.43 ID:HxNo0w0D0






〜長屋・3号部屋〜





向井拓海「だああああぁぁぁぁぁアイ!!!!」

http://imgur.com/XGXMUZG.jpg


大和亜季「ぬあああぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!」

http://imgur.com/n4gSvs7.jpg


仙崎恵磨「シャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」

http://imgur.com/jl1Hip2.jpg


藤本里奈「へいへいへぇーい!!」

http://imgur.com/aZaQcde.jpg


木村夏樹「さーて、うっし!!」

http://imgur.com/b1WxN7b.jpg


松永涼「おーい、賑やかなのも大概にしとかないと、また隣から何か言われんぞ…」

http://imgur.com/QI7ARtD.jpg

http://imgur.com/S7HHoge.jpg
66 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/31(水) 22:33:07.25 ID:HxNo0w0D0


拓海「あ゛ぁ゛!?気合い入れないで鳶職(とびしょく)がやってられっかよ!!!」


亜季「我々は消防団でもありますからな!!声出しによる結束も必要であります!!!」


恵磨「テンション上げていこォォーーー!!!!!!!!」


里奈「あげぽよー☆」


原田美世「はい皆そこどいてー!!カラクリのこぎりで木材切るよー!!」

http://imgur.com/YalEOL1.jpg



\ドゥゥルルルルルルン!!!!/


\ブロロロロロロロロロォォ!!!ブロン!!ブロロン!!/



木村「おお!イイ音じゃん!」


拓海「こりゃまたスゲェな!!」


恵磨「うっはー!!爆音!!!」

美世「カラクリのこぎりの威力!!ごろうじろ〜!!」



\ブロロロロォォン!!!/
\ブルルルルガリガリ!!/


\ヴィィィィィィィィィィイイイイ!!!!!!/


67 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/31(水) 22:34:00.48 ID:HxNo0w0D0


〜長屋・1号部屋〜




脇山珠美「でえええぇぇぇぇぇい!!!!」

http://imgur.com/2P3Q4B2.jpg



浜口あやめ「はあああぁぁぁぁぁぁああ!!!」

http://imgur.com/pQDzffP.jpg




丹羽仁美「まだまだ!この矛使いじゃ慶次様に及ばない…!」

http://imgur.com/yjnMenm.jpg



珠美「うおおお!!そこ!面!!!!」


あやめ「なんの!!煙玉!!!」


\チュドーン!!!/



首藤葵「はーい!!!やめやめ!!!!」

\ガンガンガンガンガンガン!!!!!/

http://imgur.com/0Cfg5F6.jpg

http://imgur.com/FU2qW9k.jpg

http://imgur.com/UhGvP6B.jpg


葵「みんなごはんできたっちゃ!!!しっかり食べえ!!!」

\ガンガンガンガンガンガン!!!!/


68 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/31(水) 22:34:47.14 ID:HxNo0w0D0


〜長屋・2号部屋〜







\ブロロロ!!!ヴィィィィィィ!!!/
\シャアァーー!!!/ \オラァァーー!!!!!/



森久保乃々「…っひいっ!?」

http://imgur.com/Fnw3GQG.jpg




\メェェェェェン!!!/
\チュドーン!/

\ガンガンガンガンガンガンガンガンガン/



星輝子「う、うお…っ!」


http://imgur.com/sUdzX1C.jpg



輿水幸子「……」


http://imgur.com/nd4KCFq.jpg

69 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/31(水) 22:36:04.99 ID:HxNo0w0D0


乃々「い、いきなりの大きい音は…驚くんですけど…」


輝子「活気ある、声に…私、かき消されそうだ…」


幸子「ああぁぁぁーーーもう!!!」


輝子「フヒッ!?」



幸子「なんなんですか毎日毎日……!!」



幸子「左どなりの鳶組さんは野蛮な音をあげて…!」


幸子「右どなりの道場さんは夜稽古なんてやりだしますし…!」



幸子「騒音に挟まれた身にもなってくださいよ!!」


乃々「鳶さんたちの作業のかけ声を聞くと、壁越しでも蒸発してしまいそうです…」


輝子「道場さんは、夜にも…ドウ…!コテェ…!フ、フヒ…」



幸子「ああもうこうなったら…大家さんに相談して、おとなり両方!引っ越しさせちゃいましょう!!ボクが隣2部屋とも買います!!」


乃々「そ、そんなこと…できるんですか…?」

輝子「い、いくら金貸しの幸子ちゃんといえど、ソレは…」


幸子「大家さんはボクにも借りがありますし!なによりボクはこの町一番にカワイイですから!!おとなりを買ったらまた別のカワイイひとに売ればいいんです!」


輝子「そんな都合のいい…」


幸子「もういい機会です!ボクはカワイイものしか許しません!!」

幸子「カワイくないものは近所から追い出しますよ!!」



乃々「そ、そんな…」

輝子「ご、ごめんな幸子ちゃん…」


乃々「カワイくないもりくぼは去ります…さるくぼです…」

輝子「わ、私…も…暗くジメジメしたところに、身を寄せよう…」



幸子「えええ!?ちょっと待ってください!お2人はカワイイですから!!」

70 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/31(水) 22:37:38.08 ID:HxNo0w0D0



〜後日・長屋の外〜



\ッシャァーーー!!!/

\オラーーー!!!/


\ハアァァ!!/

\メンー!/\ニンー!/\ケイジサマーーー!!!/






早坂美玲「おーおー、今日もやってるな…」

http://imgur.com/u0gqM5N.jpg






美玲「おう、ショーコ!ノノ!外に居るのは珍しいな!で、幸子はいるか?」


輝子「…あっ、美玲ちゃん、おはよう…フヒ」

乃々「おはようございます。今日も、オシャレなんですけど…」



美玲「へへっ!まあなッ!で、服買うために借りた金を幸子に返しに来たんだけど…」


乃々「幸子さんは、部屋には居ません。今、大家さんのところへ行ってるんですけど…」


輝子「お、おとなりが、カワイくないから…って、追い出す?相談を…してる、らしいぞ。」


乃々「おとなり2つとも買い上げるだとか…」



美玲「そ、そうか…まぁ、あれだけ賑やかだとその流れになるのも仕方ないかもな…」
71 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/31(水) 22:39:41.42 ID:HxNo0w0D0


乃々「で、でもちょっと心配なんですけど…」


輝子「フヒ…幸子ちゃん、お金の貸しかた、カワイさで…ひいきするし、な…」


乃々「この件で更に恨みを買うようなことがあると…もう、私たち生きていけないんですけど…」


美玲「たしかにな…おかげでウチには安く貸してくれるけど、色んなとこからヒンシュク買ってるよな…」


輝子「さ、幸子ちゃん、ホントはすごくイイ子…だから、できれば平和に、暮らしたい…んだ。」

乃々「もりくぼも、静かに暮らしたいんですけど…」


美玲「ま、金貸しやってる時点で反感買うのは多少仕方ないトコもあるけど…。カワイくないからって金でお隣を追い出そうってのは、過激かもなぁ…」

乃々「どう思われてしまうか心配なんですけど…」




涼「………マジかよ。」

72 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/31(水) 22:40:30.34 ID:HxNo0w0D0


〜3号部屋・鳶組〜



涼「おいお前ら、アタシら追い出されるかもしれないぞ」


拓海「はぁ!?」

美世「ええっ!?」

亜季「なんですと!?」



夏樹「なんだなんだ?拓海お前ついに何かやらかしたな?」

拓海「アタシは何もしてねえよ!!それより恵磨だろ!!」

恵磨「いやアタシだって違う!ちょっと声デカいだけじゃん!!」


涼「いや、なんでも隣の金貸し幸子がな、あたしらがカワイくないってんで、大家からココを買い取ろうだとか…」




恵磨「うそォォー!!!?」


拓海「はあぁー!?アタシらちゃんと仕事してるだけだろが!!」

亜季「火事の鎮静や喧嘩の仲裁など、地域の為にも働いてるであります!」


涼「いや、あくまで耳にしたウワサってだけだ、けどコレを機にもう少し気をつけてもいいんじゃないか?」
73 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/31(水) 22:41:41.19 ID:HxNo0w0D0


夏樹「だからってカワイく振る舞えってか?けど、それも違うよなあ」


涼「そりゃそうだが、でも確かにウチは騒がしいだろ?そのへんの気遣いくらいは…」

美世「うーん、でも音を抑えるにしても、出来ることと出来ないことがあるよねー」


拓海「だいたいアイツ気に入らねえんだよ!アタシら見るなり、カワイくないですねぇ!とか言いやがってよ!!」


里奈「えー?アタシは、カワイイって言われたけど〜?」


涼「里奈は、まぁ…そうだよな」


夏樹「…よし、いいこと思いついた!」

亜季「おや!隣への突撃作戦ですかな?」


夏樹「いやそんなんじゃないよ、ただ…アタシらに直談判するでもなくカネだけで追い出そうってのはロックじゃねえからな、ひとアワ食わしてやろうかって。」


涼「あぁ、それは一理あるな。」

恵磨「いいじゃんいいじゃん!!ノッた!!!」



夏樹「そしたら、あっちの道場さんトコとも話を合わせよう」


里奈「珠美ちゃんたちも追い出されそうなんだっけー?」

涼「ああ、そう聞いたけど…」
74 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/31(水) 22:42:44.00 ID:HxNo0w0D0



拓海「そうと決まりゃすぐ行くぞ!!」

夏樹「おまえは留守番してろよ」


拓海「あ!?なんでだよ!!」

恵磨「拓海は冷静な話し合いの場には合わないしなー!!」


拓海「おン!?アタシは猛獣かなんかか!!?」

涼「…間違ってはいない、かもな。行こうぜ夏樹」


拓海「あぁ!!オイちょっと待てよ!!」

美世「あーもー!だから動物扱いになるんだって!」

拓海「がるるるるるる!!!」

里奈「はいはいたくみーん♪どうどうどう〜」


亜季「わたしも行くであります!」


夏樹「おーう」

75 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/31(水) 22:43:31.48 ID:HxNo0w0D0


〜1号部屋・道場〜



珠美「な、なんですとーー!!?」


あやめ「私たち、追い出されてしまうのですか!?」


仁美「あちゃー、深夜の慶次様講座、盛り上がりすぎちゃったかなー」


葵「で、相談ってなんね?あっ今お茶出すけん!」




涼「ああお構いなく…どうも、」


亜季「かたじけない!いただくであります!」


夏樹「相談ってのは…ひとつ、作戦があるから協力してもらいたいんだ。」



あやめ「作戦ですか?隠密であれば是非あやめにお任せを!」

夏樹「いや、そういうのじゃないんだけど…」


涼「幸子にちょっと、カワイくない目にあってもらおうってな」


珠美「それでしたら、是非協力しましょうぞ!珠美もいくつか、幸子殿には貸しがありますゆえ…」


亜季「これはこれは!おいくらほどですかな?」


珠美「いえ、幸子殿はいつも会うなり、
『珠美さんは小さくてカワイイですねぇ』とおっしゃるのです…!」


涼「あぁ…そういう貸しか?」
76 :タイコもち ◆LVRldwvJNGLS [saga]:2017/05/31(水) 22:45:03.74 ID:HxNo0w0D0


珠美「幸子殿の方が小さいのに!珠美を見てカワイイとは何事でしょう!?いえ確かに珠美は比較的小さめですが!!幸子殿のほうが小さいのですぞ!!!」


夏樹「あぁー…」


亜季「う、うーむ…」


あやめ「確かに幸子どのは小さいですが…」

(輿水幸子:142cm)


涼「ほら、どんぐりの背ぇ比べっていうじゃないか、みみっちい差を気にしてるともっと小さくなっちまうぞ…」



葵「珠美さん、もうそれよすっちゃ…あたしも同じやけん。」
(首藤葵:145cm)


珠美「葵殿はよいのです!!事実カワイイのですから…!珠美は、珠美は…!!」
(脇山珠美:145cm)


仁美(珠美ちゃんも十分カワイイんだけどなー)
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