VAVA「誰かの好きに動いてやるつもりはない……ないよな?【艦これ×VAKAX】

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402 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/17(土) 21:07:29.47 ID:Cz6Yff9P0

装甲勝利



VAVA「訓練終了。大したものだ」



装甲「おつかれさまでした」ペコリ…



VAVA「遊ぶのはかまわんがな、ほどほどにしておけよ。装甲」



装甲「へ…?」



VAVA「どうした?訓練は終わった。早く現実に戻れ。合言葉は、プラグアウト。だ」



装甲「私がこの機械をこっそり使うって、わかってたんですか?」



VAVA「お前は好奇心が強いからな。それに、体がなまっていただろう。仮想空間と言えど侮れまい」



装甲「はい……すごく、楽しかったです」



VAVA「よかったな」



装甲「VAVA…さんは、私ともう一度戦って、楽しかったですか……?」



VAVA「悪いな。俺は所詮、VAVAと同じ思考パターンを持ったデータに過ぎん。現実のように何かを感じたりすることはできない」



装甲「あ……」



VAVA「つまり機械だ。こうして話しているのも、お前の言葉に反応しているだけだ。VAVAの意思も感情もない」



装甲「…」うー…



VAVA「VAVAには、結果を報告しろよ」



装甲「はい…ありがとうございました。じゃあ……プラグアウト」



フォン…

403 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/17(土) 21:17:51.77 ID:Cz6Yff9P0

プシュー……



装甲「ふぅ……ん?」



瑞鶴「…」



装甲「わっ!?」



瑞鶴「見てましたよ」



装甲「な、何を…ですか?」



装甲『ややや……やばいやばいやばいやばい!!』



瑞鶴「装甲さん……し、し、しん……」



装甲『バレた…!私が……深海棲艦だと』



装甲『どうしよう!?いまなら誰も見てないし暗殺すれば……いや、できるわけない!今更艦娘を傷つけるなんて、私にはとても……』



装甲「……はい、お察しのとおりです。私は……」



瑞鶴「信じられない!装甲さん、昔は空母艦娘だったんですね!!」



装甲「…うん?」



瑞鶴「どうして引退したんですか!?あんなすごい戦い方、見たこと無い!!」



装甲「その…」



瑞鶴「あの艦載機の使い方、私に教えてください!!」



装甲「えぇ!?」

404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 21:50:12.82 ID:dOe5O6mDO
ロックマンXかと思ったが違ったようだ
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 21:56:36.79 ID:m61nAJzbO
まさかVAVAを最初に倒すのが補給艦だとは艦娘の誰も思いもすまい
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 22:12:58.87 ID:6JjGHYiT0
常時ボーキ補充頼りの頃の慢心があったころとは大違いや
堅実に戦えれば初期VAVA倒せるぐらいには強いんやなって
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 23:55:19.35 ID:8vWR+Adk0
スペックは艦娘を超えてるしな。
慢心がなかったり一対一なら相当強いだろうな
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 00:34:58.60 ID:p8XWRhFp0
慢心とかいうから空母系の姫の攻撃手段がゲートオブバビロン風に思えてならない
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 05:53:16.65 ID:N4Gq9rkc0
元艦娘だと勘違いしてくれるなら深海棲艦だとバレにくいだろうし、ある意味都合が良いな。
VAVAは艦載機を使えないし空母系艦娘に関しては装甲が戦い方を教える方が良さそうかな。
410 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/18(日) 12:41:35.91 ID:eoM1EAeX0


ある日の事…



瑞鶴「翔鶴姉ぇどこかな〜」



翔鶴「…」ペラペラ…♪



瑞鶴「いた!あ……加賀さんだ」



加賀「…」ボソボソ…



瑞鶴「何を話しているのかしら…?ついて行ってみよう」

411 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/18(日) 12:43:21.69 ID:eoM1EAeX0

射撃訓練場



加賀「私達は、弓を引くという動作によって艦載機を射出する。よって、弓を扱う技術無くしては艦載機を扱えないわ」



翔鶴「はい」



加賀「あなたも知っているだろうけど、これが基本。後は、射出後の艦載機との連携だけれど」



翔鶴「はい、私、まだ妖精さんたちと心をうまく通わせないみたいで……たまに指示を無視されたりしちゃうんです」ぐすん…



加賀「これだから五航戦は……」



翔鶴「加賀さん、お願いします。私に艦載機のなんたるかを教えてください」ペコリ…



加賀「……いいわ。実際に放ってみなさい。妖精たちを不満にさせることを、あなたが無意識にしているのかも知れない」



翔鶴「はい!流星、お願いね……」スッ…



瑞鶴「翔鶴姉ぇ!!」

412 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/18(日) 12:46:28.31 ID:eoM1EAeX0

翔鶴「あっ……瑞鶴」



瑞鶴「そんな人から教わることなんて何も無いわ。私達の方が新型じゃない。旧型に教わっても弱くなるだけよ」



加賀「…」



翔鶴「瑞鶴!なんて事を言うの。加賀さん、ごめんなさい。瑞鶴はまだ幼いんです。どうか許してあげてください」



加賀「別に、気にしていないわ」



翔鶴「加賀さんに謝りなさい」



瑞鶴「はんっ誰が!いくら翔鶴姉ぇのお願いでも、それは聞けない。私は間違ったこといってないもん。私たちがいる今、空母赤城、加賀は艦隊のお荷物よ」



加賀「…」カチン…



翔鶴「な……瑞鶴!!本当に怒るわよ!!あなたは何もわかってない」



瑞鶴「わかってないのは翔鶴姉ぇの方よ!!私のどこに間違いがあったっての?」



加賀「いいわ、教えてあげる。翔鶴、妹を借りるわね」



翔鶴「加賀さん、どうか穏やかに…」



加賀「心配しないで。来なさい、七面鳥」



瑞鶴「しちめんちょうぅううう!?冗談じゃないわ!!果し合いの場所は?時間は?いつでもいいですよ!」



加賀「あなた相手に大事な資材を使うわけにはいかないわ。先日新しく導入された、仮想訓練機による模擬戦で決着をつけましょう」



瑞鶴「いいわよ!やってやろうじゃないの!!見とけおらぁ!!」

413 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/18(日) 13:01:34.50 ID:eoM1EAeX0


現在……



装甲「で、負けちゃったと……」ぽん…



瑞鶴「うん……」



装甲「それはヘコむよね」



瑞鶴「うぅっ……わ、私は間違ってない……運動性能も搭載数も馬力も、全部私の方が上のはずなのに…どうして」ぐすっ……



装甲『見てて痛々しい……可哀相…』



瑞鶴「こ、怖かった……あんな怖い人どうやって勝てばいいのよ……私には、わからない」



装甲「泣かないで。うん悔しかったね…」なでなで…



瑞鶴「うわぁああああああああああああん!装甲さん……私、あの人に、勝ちたい……」ギュー!



装甲「うんうん…」なでなで…



装甲『あれ……私なに空母みたいなこと言ってんの。バレたらヤバイし、これ以上関わらない方がいいっしょ……』



瑞鶴「私の……師匠になってください」むくっ!



装甲「いや、それはそれ。これはこれ」スッ…



瑞鶴「えぇえええ!?」スカッ!



装甲「大丈夫。スペックで勝ってるんだから次はきっと勝てますよ。じゃあ、あの……もう遅いし、お休みなさ〜い…」ソロソロ…



瑞鶴「待って!私には、あの変幻自在の統率力が必要なの!!教えてください!!!」グッ!



装甲「うわぁー!?ポニーテールつかまないで!!」



瑞鶴「教えてください゛ーーー!!」



装甲「だから嫌なのぉ!私関係ないもーーん!!」
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 13:30:19.12 ID:N4Gq9rkc0
人に何かを教えるのは自身の成長にも繋がるし、装甲にはいい機会なんじゃないだろうか。
415 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/18(日) 15:56:57.92 ID:eoM1EAeX0


それからしばらく…



装甲「こんな早朝から、つきまとわないで下さい……もう、引退した身ですから。私、ただの女ですから」ツカツカ…



瑞鶴「いいじゃないですか、別に教えたって減るもんじゃないんだし」トトトッ!



装甲「駄目です。現役の艦娘さんに教えることなんてできません」



瑞鶴「いいや、あなたはかつて、我が軍のエースだったんでしょ?それで、怪我とか、病気とかして、やむを得ず現役を退いたんですよね?」



装甲「違いますよ。弱いから戦力外通告されたんです〜」



瑞鶴「弱い空母があんな華麗に艦載機を操れるわけが無い!!私の目はごまかせないんだから!!!」



装甲『現に今、欺けてるんだけどなぁ……』



瑞鶴「じゃあこうしましょう。月謝として、私の月給の三分の一を毎月あげますから!!」



装甲「最近VAVAさんが待遇良くしてくれたので、お金は間に合ってるんですよね〜欲しいものも特に無いし」



瑞鶴「なら、何をあげたら教えてくれるんです?」



装甲「いりません。何も。私、これから皆さんの朝ごはんの仕込があるので、失礼します」



瑞鶴「そうか!お仕事が忙しくて、私に割ける時間が無いんですね!!そういうことなら私が装甲さんのお仕事手伝います!!」



装甲「なんでそうなるんですか……それも駄目です。厨房は毎日忙しいんです。慣れてない人を使う暇なんてありません」



瑞鶴「あきらめませんよ!」



装甲「あきらめてよ…」

416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 17:09:26.36 ID:J378uZGS0
あまりにも補給艦として馴染んでたから忘れていたが流石は姫
精神面も鍛えられたし以前より強そう
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 18:43:44.44 ID:N4Gq9rkc0
待遇が良くなってるってことはVAVAも装甲のことを評価してるんだな。VAVAから頼まれたら装甲も断れないんだろうけど瑞鶴はどうするんだろうか。
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 18:44:25.02 ID:MvxOp7xNo
この装甲さんみたら優しい空母型の二人はなんて言うんだろ
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 19:38:29.22 ID:qaKyqwvG0
毎日うまい飯3食食べて肉体も精神も健康になってるだろうし
給仕に従事して各艦娘に対応してるうちに情報処理能力も底上げされてそう
420 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/24(土) 20:02:23.56 ID:O6r+XosK0

次の日も…



瑞鶴「師匠」



装甲「師匠じゃない」



瑞鶴「教えてくださいよ。さもないと装甲さんは私の心の友だって皆に言いふらしますよ」



装甲「やめて……恥ずかしい」



瑞鶴「じゃあ教えてくださいよ。土日教えてください」



装甲「えぇ〜……週末はVAVAさんとお茶してるからやだ」



瑞鶴「は?あなたもあんな提督がいいんですか?翔鶴姉といい、あのロボットもどきのどこがいいんだか」



グワァシッ!



瑞鶴「あぶっ!?むぐぐ……」



装甲「言葉には 気 ヲ ツケロヨ。小娘……取リ消セ」ギラッ…(駆逐艦程度なら殺せる眼光)



瑞鶴「は……ひゃい」コクコク!



装甲「ふん……姉はあんなに礼儀正しいというのに」パッ……シュゥ〜ン…



瑞鶴「ゲホッ……ゲホッ……あの、提督と何を話してるんですか?」



装甲「別に、談笑してるだけ。装備とか、お酒の事とか」ぷいっ!



瑞鶴『今の眼光、気迫、凄み……装甲さん、只者ではない。絶対に弟子になってやるんだから!』

421 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/24(土) 20:25:11.44 ID:O6r+XosK0
次の日…



コッ…コッ…コッ…



VAVA「イオナ、執務室でけん玉をやるな。気が散る」さらさら…カキカキ……



イオナ「早く終わらせて、シュミレーションの続きしよ。次はマヤ」



VAVA「わかってる。今終わるから待ってろ」



イオナ「提督業は大変」



VAVA「楽ではないな」



イオナ「えらい」



VAVA「ありがとよ」



ドアバーーーン!



瑞鶴「提督!お願いがあるんだけど」



VAVA「後にしろ」



瑞鶴「駄目、今聞くの!!」



イオナ「まぁまぁ」



VAVA「イオナ茶でも淹れてやれ」



イオナ「粗茶ですが」とぽぽ…



瑞鶴「いらないから。それより、装甲さんの事なんだけど!」



VAVA「装甲…?」ピタ…

422 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/24(土) 20:27:44.20 ID:O6r+XosK0



瑞鶴「あの人に、私に艦載機の使い方を指導するように命令してよ。ね、このとーり。お願いこのとーり」



VAVA「あいつから何を学ぶってんだ。あいつはただの雑用だぞ」



瑞鶴「ウソよ!あの人は偉大な空母だったんだわ。ねぇ、私強くなりたいのよ」



VAVA「お前には翔鶴もいるし、赤城や加賀という立派な先輩がいるだろうが。先輩から学べ」



瑞鶴「それじゃあ駄目なのよ!!」



VAVA「なら鳳翔だな。経験豊富な上に、指導も上手い。おまけに俺の1万倍は優しいぞ」



瑞鶴「鳳翔さんも悪くないけど、装甲さんがいいの!」



VAVA「強情な…」



イオナ「問題児」



瑞鶴「エースよ!信じて提督。私があの人に師事したら加賀さんなんてあっという間に追い抜いて見せるわ。この瑞鶴こそが、空母艦娘のニューリーダーよ!」



VAVA「……ふむ、そこまで言うか」



瑞鶴「…」

423 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/24(土) 20:28:43.89 ID:O6r+XosK0


VAVA「向こう見ずな馬鹿のようだが、その反骨精神。気に入った」



瑞鶴「!」



VAVA「いいだろう。装甲にはお前の専属教官になるよう命令を与える。これで満足か?」



瑞鶴「期限は?」



VAVA「お前が決めろ」



瑞鶴「ありがとう提督!大満足!!私、あなたの事誤解してたわ。こんなに話がわかる人だったのね」



VAVA「一言余計だ」



瑞鶴「ごめんなさい」ペコリ…



VAVA「所で、お前は妙に加賀につっかかっているようだが、加賀は嫌いか?」



瑞鶴「だいっきらい!あの澄ました態度が気に食わない!!」



VAVA「クッククククク……そうか」



瑞鶴「?」



VAVA「頑張れよ。用が済んだのなら行け」



瑞鶴「はい!」



バタン!ダダダーーー!!

424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/24(土) 20:32:01.03 ID:7Kg0QBfFO
イーグリードのことでも思い出したか提督
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 01:24:05.75 ID:CWXtT5yo0
瑞鶴のイレギュラー、今週で7件目だな・・・
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 02:30:45.16 ID:0M5nM1F+0
ニューリーダー病に感染してたとはな
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 03:00:34.26 ID:wqxyPLw9o
加賀さんが動けなくなる度に
瑞鶴「加賀はたおれた!私が新しい一航戦よ!皆この瑞鶴に続きなさい!」
というのか
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 12:53:38.72 ID:SFFhOgFA0
駆逐艦程度かよ…
もうちょっと頑張って
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 14:57:54.57 ID:MnILPrt10
イオナは鎮守府生活を楽しんでるな。艦娘も妖精さんもVAVAのことを馬鹿にされたら怒りそうだし、瑞鶴の発言は危険な感じがするな。
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 16:56:19.11 ID:nxxd+lIj0
最弱だから大目に見てあげて…ゲームでもフラッグシップといい勝負しちゃってる子だから…
431 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/27(火) 05:37:51.06 ID:ar2pjHPx0
執務室



装甲「えぇ…」



VAVA「本人から熱望されてな。しばらく面倒を見てやってくれないか」



装甲「うー……」



VAVA「嫌か?」



装甲「はい…バレたらここに居られなくなるし……VAVAさんにだから言いますけど」



装甲「私も、かなりの数の艦娘を沈めてきましたから……相当恨みを買ってると思うんです」



VAVA「お前がボロを出さなきゃいいだろうが」



装甲「でも!仮想訓練にも、私のデータが入ってたし……見た目で気付く子も出てきちゃうんじゃないかなって…」



VAVA「その点は心配ない。だから、お前のデータを入力したんだからな……やはり使ったな?」



装甲「えへへ…好奇心に負けて。心配ないとはどういうことですか?」



VAVA「あのデータは俺とお前が初めて出会った頃のデータだ」



装甲「私とVAVAさんが……?」

432 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/02/27(火) 05:40:11.95 ID:ar2pjHPx0


VAVA「無論、外見も当時のままだ。お前、仮想空間での自分の顔をよく見ていないのか?」



装甲「え?いつ見ても美人だなぁと」



VAVA「馬鹿。なら、今見せてやる」ピッ…(モニタ)



装甲「私だ」美人



VAVA「ほら」手鏡



装甲「あれ……こうして比べてみると……顔が全然違う!!」



VAVA「全体的に丸くなった。つり上がった目も、口元から覗いていた鋭い犬歯も今はまん丸だ」



装甲「人間みたい…」



VAVA「血色も良くなっている。相変わらず色白ではあるがな」



装甲「気付きませんでした……」



VAVA「段々と変化していったのだろう。気付くのは難しい」



装甲「……VAVAさん、私が瑞鶴さんに艦載機の使い方を教えたら、褒めてくれますか?」



VAVA「当たり前だろう。もとより、お前は十分役に立っている。間宮はいつもお前を褒めているし、妖精達も艦娘達も、お前の事を信頼している」



装甲「…!」



VAVA「俺も……信頼している。お前になら、瑞鶴を任せられる。あいつは じゃじゃ馬 だが、どうにも他人事だと思えなくてな。協力してやってくれ」



装甲「わかりました。決心がつきました。瑞鶴さんに、空母流より進化を遂げた、装甲流の全てを叩き込みます」



VAVA「宜しく頼む」
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/27(火) 22:41:57.17 ID:PPuc/YBp0
VAVAに頼まれたとはいえ、最終的に自分で教えることを決めたのはいい傾向だな。
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/28(水) 01:30:55.13 ID:hbADwV180
考えなしに装甲のデータを登録したりはしないか
出会いはあれだったが生まれでなく行動によって信頼を勝ち取れてよかったな装甲
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/07(水) 18:24:25.03 ID:xBBJiUEA0
決戦仕様イケメン過ぎ
436 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/03/14(水) 07:54:01.58 ID:gQoAT9db0
翌朝……



音楽室



ゴソゴソ…



装甲『誰かに自分の技術を教えるなんて初めてだ…』長良に借りたジャーブル



装甲「うまくできるかな……」



イオナ「…」じー…



装甲「…いつ間にそこへ?」



イオナ「普通にドアから入った」



装甲「あ、そう。イオナさん……でしたっけ。VAVAさんと同じくらい強いんだとか」



イオナ「一応」



装甲「勘違いしないほうがいいですよ。あの人は優しいんです。そして、誰よりも強い」



イオナ「…」じーっ



装甲「なんです…?」



イオナ「そーこーって深海棲艦?」



装甲「は?何をいきなり…」



イオナ「装甲空母鬼でしょ?」



装甲「…」



カッ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………
437 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/03/14(水) 07:56:14.06 ID:gQoAT9db0


装甲「…死んでもらうしかないわね。幸いあなたを嫌ってる艦娘も妖精も多いし、事故死ってことにすれば…」



イオナ「誰にもバラすつもりはない。安心して」



装甲「信用できない。悪いけど殺すわ」



イオナ「私達は似たもの同士」



装甲「何ですって?」



イオナ「本来ここに居てはいけない者同士。仲良くしよ。そもそもあなたでは、私を殺せない」



装甲「あなた…何者なの?艦娘とは明らかに雰囲気が違う」



イオナ「艦娘じゃない。霧の潜水艦。イ401」



装甲「霧……イオナ?まぁいいわ。冷めた顔を見ていたら、攻撃する気も失せた」



装甲『はて……どこかでそんな名前を聞いたような、ないような……どうでもいいか』



イオナ「ありがとう」



装甲「でも、あまり目立つことはしないことね。私が上、あなたが下よ」



イオナ「はい、お姫様」



装甲「……も一回言って」



イオナ「お姫様」

438 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/03/14(水) 08:00:11.30 ID:gQoAT9db0

装甲「…」じーん…



イオナ「お姫様」



装甲「なんだか、久々にその肩書きで呼ばれた気がする。一年すらたってないのに、とっても懐かしい……感動しちゃった」



イオナ「深海の姫からすると、一年は人間の感覚で三日間程度と聞いた」



装甲「まぁね。伊達に不老不死やってないわよ」



イオナ「不死ではないはず」



装甲「そりゃあ、死にはするけど。そう簡単には死なないし」



イオナ「お姫様、てーとく好き?」



装甲「はぁ?いきなり何よ!…………好きよ、文句ある?邪魔する気なら…」



イオナ「お似合い。応援してる」



装甲「ホント!?」



イオナ「うん。私は尊敬しているけれど、恋愛感情のようなものは沸いてこない。戦友」



装甲「ふぅん」



イオナ「ただ、可哀相……とは感じる」



装甲「?」



イオナ「いざとなれば、あなたはこの鎮守府を守るために戦わなければならない。提督を除けば、あなたが一番強いから」



装甲「…」



イオナ「あなたが戦わなくても良いように、私も最善を尽くす。でも用意はしておいたほうがいい。艦載機も、鎧も、強化しておくことを推奨する」



装甲「忠告ご苦労様。他に用事は?」



イオナ「ない。ツンツン空母の指導、がんばって」



装甲「はぁ…」

439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 18:29:42.12 ID:cTtAHXl7O
人間の感覚で3日程度でVAVAにぞっこんとか
この姫ちょろすぎなのでは?
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/14(水) 19:11:10.14 ID:23lZ7icl0
陸に感化され過ぎて感覚が艦娘になっちゃったんだよきっと。酒匂はもっと凄いぞ。出会って数秒で提督ぅ大好きぃ!!言われた提督がびっくりだわ。
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/16(金) 21:45:45.93 ID:oS7NSTmK0
姫タイプと同格の男なんかいなかっただろうし好きになっちゃうのも仕方ないんだろう。
442 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/03/28(水) 10:13:05.98 ID:hGUP/3Gq0


運動場



VAVA『そろそろ始めたか……』



VAVA『霧の奴等も厄介だが、育成も大事な仕事だ』



VAVA「…」チラ…



装甲「オラー!サボるな!!もっと早く走れ!遅いと追加するぞー」



瑞鶴「ひぃー!こんなの艦載機とどんな関係が…」



装甲「あるわ!!ひよっこが、つべこべ言わずに言われたことを全力でやるの!!勝ちたいんでしょ!?



瑞鶴「ぐ……か、勝ちたい……!!」タイヤ引き(ON装甲)



装甲「見ろ!!お前の艦載機妖精さんも一緒に走ってんだぞ!!無様な顔見せるな!」



「わ〜い、おにごっこだ〜!」


「はしれはしれー!」


「ずいずいがんばれ!」



瑞鶴「はい!」ダダー!



装甲「艦載機は、己の分身。空母が強くなればなるほど、艦載機も強くなる!」



瑞鶴「はいぃ!!」ダダダー!



装甲「まずはそのひょろっひょろな体を一から叩き直してやるわ!」



VAVA『頑張っているな……そっとしといてやろう』そっ…



VAVA『霧との対決では、瑞鶴は使えんな……俺ならタイヤじゃなく錨を引かせるかな』



VAVA「クハハ…」

443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 15:33:31.22 ID:nvAZFoDoo
なかなかの鬼軍曹だな装甲
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 17:15:58.86 ID:8/ZSlZTA0
メタルアンカーかな?
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 18:19:36.99 ID:Nq7nZKuo0
意外にも熱血指導だな
妖精をさん付けで呼ぶのかわいい
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 23:09:01.76 ID:UESjPJus0
特訓で練度を上げるのも大事だけど霧に有効打を与える為に装備も整えないといけないな。トロンに依頼しているライドアーマーは間に合うのかな。
447 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/03/30(金) 16:15:19.20 ID:I74T9CsF0

そこからさらに数日後



執務室



イオナ「……」イライラ…



大淀「提督、お茶です」コト…



若葉「お菓子だ。きっとお茶に良く合うぞ」



VAVA「うむ」ズズ……バリバリ…



大淀「あれは何をしているんですか?」



若葉「不気味だ…」



イオナ「うー…」ビリビリ…



VAVA「あいつが言うには、霧の艦艇の気配が近づくと、体が痺れるらしい」



イオナ「そろそろ、霧が攻めて来そうな気がする」



VAVA「ついにか。お前には霧艦センサーでもついてるのか?」



イオナ「敵も感じているはず。私の気配を」



VAVA「……ほんとか?」



イオナ「ごめんウソ。ほんとはセンサー的なもので探知してる」



VAVA「…」

448 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/03/30(金) 16:18:49.95 ID:I74T9CsF0


大淀「イオナさんから言われた通り、対霧装備の配備は完了しています。艦隊、いつでもいけますよ」



若葉「私もいつでも戦える覚悟だ」



VAVA「迎え撃つのは性に合わん。今度はこっちから攻め込んでやろう。強行偵察作戦を敢行する」



大淀「了解」



VAVA「偵察後、霧の艦艇の居場所をつきとめたら、偵察部隊を撤退させ、主力艦隊を投入するぞ」



イオナ「シンプルでいい作戦」



VAVA「霧は全部で5体。今回は1体でも仕留められれば上出来だ。撤退の自己判断を許可し、有事の際には俺が撤退命令の信号弾を放つ」



大淀「上層部への支援要請は要りませんよね?」



VAVA「うむ」



大淀「だと思いました」



VAVA「偵察部隊は索敵能力と逃げ足の優れたメンバーがいい。主力には、俺とイオナが入る」



イオナ「同伴は対潜能力高めの人がいい」



大淀「わかりました。適正の高い人員をを早急に選定します」



VAVA「頼む。少し早いが、作戦開始は5日後だ」



大淀「はい」



イオナ「限定海域れっつごー」

449 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/03/30(金) 16:37:24.85 ID:I74T9CsF0


空母城(カフェテラス)



空母「ウーム、VAVA……VAVAカ」



空母「…」クイッ(ブラックコーヒー)



コンゴウ「…」コト…(ミルクティー)



ヒュ〜…



空母「風向キ ガ 変ワッタナ……」



コンゴウ「愚かにも、敵は先制攻撃を仕掛けるつもりのようです」



空母「行クカ?コンゴウ」



コンゴウ「はい。許可を頂けるのでしたら、我々が片付けましょう」



空母「オマエ ト 戦水 トノ 関係 ハ、私ニハ 関係無イガ」



コンゴウ「…」



空母「アレハ マダ 若イ。ドウカ 道ヲ 外サヌヨウ、見守ッテ ヤッテ欲シイ」



コンゴウ「ご安心を……我々は深海棲艦を敵に回すつもりはありません」



空母「私モダ。オマエ ハ 良キ友ダカラ」



コンゴウ「ありがとうございます…」ペコ…



空母「死ヌナヨ。VAVAトヤラ、カナリ ノ 強者ラシイ。私ノ 保有スル 基地 ノ ヒトツ ヲ 貸ソウ。武運ヲ祈ル」



コンゴウ「はっ、行ってまいります」

450 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/03/30(金) 16:50:23.97 ID:I74T9CsF0

コツコツ…



キリシマ「出撃か?」



コンゴウ「あぁ、ここを出るぞ」



キリシマ「補給も修理も万全だ」



コンゴウ「そうでなくては困る」



キリシマ「タカオの事なんだが」



コンゴウ「タカオがどうした」



キリシマ「気をつけたほうがいい。精神が不安定だからな」



コンゴウ「軟弱な……」



キリシマ「今のタカオで、イ401を倒せるだろうか」



コンゴウ「安心しろ。策はうつさ」



キリシマ「策?」



コンゴウ「物は使いようさ…」



キリシマ「あ?あぁ…」

451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/30(金) 23:44:37.97 ID:ihozXEyP0
コンゴウ言う策に嫌な予感しかしないし、タカオは碌な目に合わないんだろうな。
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/31(土) 00:04:07.51 ID:xtk67dBtO
コンゴウ「私にいい考えがある」
453 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/02(月) 07:26:55.96 ID:ntGqBsY90

5日後…



横須賀鎮守府



VAVA「準備はいいか」



長良「はいっ!司令官」



VAVA「今回は、足の速いメンバーを選出した。危険を感じたら戻って来い」



若葉「やれやれ。強行偵察とはいえ、4人だけとはな……敵と遭遇したら痛い目に遭いそうだが……」



VAVA「大淀の選出だ。間違いは無いだろう。人数が少ないほうが敵に感知されにくいんだよ。ボーナス出してやるから頑張れ」



若葉「痛い目……悪くない」ごくり…



VAVA「お、おう」



阿武隈「これは特別な任務……頑張らなきゃ」ガチガチ…!



VAVA「阿武隈、肩の力を抜け。お前ならできる」ポン…



阿武隈「は、はい!精一杯頑張ります!!」



VAVA「阿武隈は逃げ足が速いと北上大井のお墨付きだ。期待しているぞ」



阿武隈「あの2人…ッ!」イラッ…



長良「阿武隈、落ち着いて。2人はあなたの事を期待しているのよ。期待には応えなきゃね!」ニコッ…



阿武隈「はい…長良お姉ちゃん……」



阿武隈『姉のまっすぐさを、羨ましくも疎ましくも感じてしまぅ…』
454 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/02(月) 07:28:52.03 ID:ntGqBsY90


VAVA「うん?おい初霜、お前また……」



ゴソゴソ…



初霜「て、提督?……ああ、魚雷管の角度を直してくれてるんですね。いつも、すみません」



クイッ……ギュッ!



初霜「んっ……」



VAVA「これでいい」



初霜「ありがとうございます」



阿武隈『セクハラじゃないの……?』



若葉『セクハラだ……良いな』



長良『司令官は優しいなあ!』

455 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/02(月) 07:30:06.21 ID:ntGqBsY90

VAVA「改めて目標を確認するぞ」



長良「はい」



VAVA「少々強引だが。お前たちには、深海棲艦と同盟関係にあるであろう、霧の艦隊を補足してもらいたい」



若葉「今回の装備は面白いな」



VAVA「こんなこともあろうかと、俺と明石が作成しておいた。その名もキャプチャーキャノン」



阿武隈「きゃぷちゃーきゃのん?」



VAVA「普段の主砲のように使えばいい。引き金を引くと写真を撮れる。引き続ければ動画として撮影できる」



若葉「どうして右肩に装着するんだ?」



VAVA「仕様だ」



長良「もし、夜になってしまったら、どこを押せばライトがつくのでしょうか?」



VAVA「ライトは必要ない。さぁ、装備してみろ」



ガチャガチャ…



VAVA「全員、よく似合ってるじゃないか」

456 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/02(月) 07:33:01.75 ID:ntGqBsY90


長良「これは…!?」



初霜「うわぁ〜この片メガネ、とても見やすいですね」



若葉「なるほど……ここを押せば赤外線、ここで暗視……ここでズームイン、ズームアウト…とりあえずオートモードとやらにしてみよう」



VAVA「お前たちがそのバイザーで見た光景を、肩のキャノンが自動追尾するというわけだ。お前たちはただシャッターを押すだけでいい」



阿武隈「はー…すごいハイテクですね」



VAVA「行ってこい。作戦の間は、俺が常時オペレートしている。俺と話したくなったら、いつでもスタートボタンを押してくれ」



若葉「わかった。スタートボタンを押して、通信を選べばいいんだな…」



阿武隈「???」



初霜「心強いわ……感謝します。提督」



長良「司令官、素晴らしい装備をありがとうございます!では、長良小隊行ってまいります!!」
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/03(火) 06:13:30.50 ID:GVfyvC4H0
初霜が好きだからこの人選は嬉しいな。必要な行為とはいえリコリスに言われるまで艦娘に意味もなく触るのを避けていたVAVAがセクハラ紛いのことを出来る位まで成長したんだな、VAVAと初霜にそんな意識はないだろうけど。
458 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/04(水) 01:54:03.53 ID:4Cbtn3lh0


執務室



VAVA「……よし、今の所は戦闘は無いようだな。極力戦闘を避けて進むんだ」



長良(はーい!)



イオナ「私ならカメラいらないのに」



VAVA「お前は一度の出撃で資材を食いすぎなんだ」



イオナ「トラウマ?」



VAVA「にもなるだろ。潜水艦の燃費じゃない」



イオナ「わたし、金のかかる女」



ピピッ…



VAVA「冗談になっていない……あぁ、すまん。どうした若葉」



若葉(いや、声が聞きたかっただけだ。別に問題は無い)



VAVA「そうか。いくらでもかけてきていいぞ」



若葉(わかった)

459 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/04(水) 01:57:24.43 ID:4Cbtn3lh0


タカオ「……へぇ、この私の後ろを取るなんて、ただの軽巡にしてはそこそこやるみたいね」



長良「あなたには、降伏する権利があります」



タカオ「断ると言ったら?」



長良「撃ちます」



タカオ「撃ってみなさいよ」



ドォン!



タカオ「ちっ…」ガォン!



タカオ『特殊弾頭……?イ401。妙な入れ知恵したわね』



スカッ……!



長良「ふっ…!」ザッ…



タカオ「VAVAほどじゃないけど、いい身のこなしね。気に入ったわ。あなたほど優秀なら、人質として利用できそう」



長良「人質…?」



若葉『今のうちに、提督に救援要請だ…』スチャ…



バンッ……カイーンッ!



若葉「うぐ…」



タカオ「小賢しいことしないの」シュ〜……フッ…

460 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/04(水) 02:01:51.63 ID:4Cbtn3lh0


阿武隈「お姉ちゃん……」



タカオ「あなた達は包囲されている。消し炭になりたくなかったら、言うことを聞きなさい。聞いてるんでしょ?これの威力…」コォ…!



ナガラ級艦隊「「「……」」」



若葉「む……多勢に無勢だ」



初霜「イオナさんから聞いていたナガラ級がこんなに…!」



長良「……降参します。そのかわり、私以外は解放して下さい」



タカオ「分かりがいいようね。もとよりそのつもりよ」



阿武隈「私も残るっ!」



タカオ「いらないから。帰りなさい。この辺危ないわよ」



長良「阿武隈、言う通りにして」



阿武隈「お、おぼえてなさい!あなたなんか、提督にかかればイチコロなんだから!!」



タカオ「望むところよ。ちょっと、そこの黒いおチビさん。こっちへ来なさい」



初霜「…」スッ…



タカオ「良い子ね。それ、カメラなんでしょ?私を映しなさい。あなたの提督に、ビデオレターを送りたいの」



初霜「もう、撮ってますよ」

461 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/04(水) 02:13:10.56 ID:4Cbtn3lh0


横須賀鎮守府



執務室



VAVA「…」



タカオ(そう。VAVA、がっかりだわ。せっかく私の居場所を教えてあげたのに、あなたがこないなんてね)



タカオ(話は帰ってきた子達から聞くといいわ。この軽巡は私が預かった)グイッ!



長良(くっ…)



タカオ(この子を救いたければ、明日の日没までに 観音崎沖 まで1人で来なさい。そこで決着をつけましょう。一対一よ)



イオナ「人質とは卑怯な。卑怯には卑怯。提督一人と見せかけて、私が後ろからタカオを撃つ」



VAVA「…」



タカオ(イ401、でしゃばるんじゃないわよ)



イオナ「読まれてた。無念」



タカオ(ちなみにこなかった場合は…)カッ!



チュドーーーン!!



タカオ(この子には、蒸発してもらうわ。髪の毛一本残さない)



長良(司令官、私は大丈夫です。私は、司令官を信じています)



タカオ(だって。泣かせるじゃない。もう一度言うわ。明日の日没までに 観音崎沖 よ。待ってるわ)クルッ!



長良(阿武隈、2人をよろしく)グイッ…



ギューーーン……!!



初霜「映像はこれで終わりです…」



若葉「あっという間だった。気がついたら包囲されていた」



阿武隈「ごめんなさい提督。作戦は失敗です……」
462 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/04(水) 02:23:38.68 ID:4Cbtn3lh0


VAVA「お前達のせいじゃない。責任は俺にある」



大淀「提督、工廠から、ライドアーマーの準備が整ったと連絡がありました」



VAVA「あぁ。すぐに出撃すると伝えてくれ。エンジンはかけたままでいい」



大淀「了解」



阿武隈「提督、お姉ちゃんを……助けてください」



VAVA「任せろ。必ず連れて帰る」



イオナ「ここの守りは任せて」



VAVA「任せた」スッ…



イオナ「任された」スッ…



パシンッ!


463 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/04(水) 02:58:41.49 ID:4Cbtn3lh0

霧の拠点



長良「…」



マヤ「どうぞ」コトッ…



長良「…」



マヤ「飲まないのー?」



長良「…」



コンゴウ「紅茶だ。いれたてだぞ。安心しろ。毒など入っていない」



長良「敵の施しは受けません」



コンゴウ「良い。気に入ったぞ。私は誇り高い者を好む。私もお前の行動を見ていたが……お前には、兵器としての誇りがあるようだ」



長良「…」



ハルナ「タカオが勝手に連れてきたとは言え……邪険には扱わない。人質として機能するよう、健康体でいてもらわなくては」きょうみ



キリシマ「茶が嫌いなら、これはどうだ。コーラだ。冷えているぞ。うまいぞ、このコーラというやつは」しんしん



コンゴウ「まぁ、ゆっくりとくつろぐがいい。もしお前の提督がこなければ、タカオはお前を殺すと言っていた」



長良「…」



コンゴウ「ここには食料も嗜好品もある。好きなだけ食べ、飲むがいい。最期になるかも知れんのだ。許そう」



長良「…」



コンゴウ「まぁいい。我々は寛大だ。ハルナ、後は頼んだぞ」



ハルナ「了解」



マヤ「そうだ!じゃあピアノ弾いてあげるね!!子犬のワルツ♪」



ポロロロロロン♪



長良『司令官…』

464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/04(水) 20:06:29.04 ID:7nxuEaYq0
個々の性能は霧の方が上だろうし、待ち伏せされてたらなす術ないか。長良に対しての扱いを見る限り、敵対する理由がなかったら仲良くやっていけそう。
465 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/09(月) 12:45:33.74 ID:sVP9NTi10
更新順を間違えておりました。
>>458の後に>>466が続きます。大変申し訳ございません。
466 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/09(月) 12:46:10.08 ID:sVP9NTi10


そして…



長良「司令官から指定された地点まで、あと少し。皆、気を引き締めて…!」



りょーかーい…



ソロソロ…



タカオ「こんにちわ」



若葉「あぁ、こんにちわ。悪いが、今偵察任務中なんだ。話しかけないでくれ」



タカオ「まぁ、そうなの?大変ね」



若葉「そうとも……うん?」



初霜「若葉ちゃん、誰と話してるの…」



若葉「誰って、通りすがりの艦娘だが」



阿武隈「2人とも下がって!敵ですよ敵!!」



タカオ「やっと気付いた」



カチッ…



長良「動かないで」


467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/11(水) 19:38:13.23 ID:BXiJIOj50

巻いてると思ったら順番が違ったのか

以前のVAVAは人質も気にせず戦っていたが今回はどんな戦い方になるだろうな
今の長良の扱いを見るに戦闘中に人質をだしに脅されたりはないだろうが
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/13(金) 07:55:25.67 ID:zq7PNkl7O
順番の訂正乙です。この出会い方で不意打ちされないだけマシかな。
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 16:19:56.38 ID:or0Zlcc00
節々にタカオの人の良さがにじみ出てる
470 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/18(水) 15:42:29.92 ID:CFPmi8Rf0

格納庫



加賀「いってらっしゃい」



VAVA「うん…?加賀か」



加賀「ご武運を祈っています」



VAVA「お前が見送ってくれるとは珍しいな」



加賀「あの子の事……心配させたみたいで、ごめんなさいね」



VAVA「瑞鶴か?お前達の面倒を見るのは、俺の仕事だ」



加賀「そう」



VAVA「少し留守にするからな。あんまりいじめてやるなよ」



加賀「…」コク…

471 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/18(水) 15:44:21.62 ID:CFPmi8Rf0


天龍「よ」



VAVA「おう」



天龍「お前の独り占めかよ、やってらんねぇぜ」



VAVA「お前は奥の手だからな」



天龍「そーよ。気ぃつけてな」



利根「あぁ〜吾輩のらいどあーまーがぁ〜!無事帰ってくるのだぞ〜!!」



VAVA「お前のじゃないだろ……なんだ?」



ウイィン……グィングィン…



利根「おぉ!手を振ったぞ!!提督と一緒にがんばるのじゃー!!」キャッキャ!



VAVA「!?」



加賀「?」



天龍「おーい、どーしたー?」



VAVA「いや、何でもない……出るぞ!」



VAVA『俺は手を振る操作などしていない…今の動作は一体??』

472 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/18(水) 15:56:12.41 ID:CFPmi8Rf0

観音崎沖



タカオ「…」



長良「…」



キリシマ「大した度胸だな。軽巡洋艦」



ハルナ「あぁ……もし、提督が来なければ、明日の日の出を見ることも無いというのに」



長良「司令官は逃げません。たとえ、あなた達が罠を張っていたとしても」



キリシマ「格下相手に罠など張るものか。我々がここにいるのはデータ収集の為だ」



ハルナ「……あの男は、面白い。研究する価値がある」



キリシマ「見物させてもらうぞ。タカオ」



タカオ「好きにしなさい。大人しくしているなら文句は無いわ」



ナガラ級「…」スッ…



タカオ「わかった。あなた達は引き続き警戒を続けなさい。特にイ401に注意すること」

473 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/18(水) 16:44:14.21 ID:CFPmi8Rf0

ウィーーーン……シュバァーッ!



VAVA「待たせたな」



タカオ「約束通り1人で来たようね」



VAVA「お前以外に霧が2人いるようだが?」



タカオ「観客よ。あなたが無闇に攻撃しなければ、あの2人も余計な手出しはしないは」



キリシマ「そういうことだ」



ハルナ「…」



VAVA「ふん…」スッ……シュボーッ…!



タカオ「あら?別にいいのよ。それ、使っても」



VAVA「使うまでも無い。お前1人だけならな。帰りの足にさせてもらう」



タカオ「ふふん、ハンデとして教えてあげるわ。今の私はフルパワー。なんの制限もかかっていない本来の私なのよ」



VAVA「そうか、なら俺からも教えておいてやろう」



タカオ「?」



VAVA「性能など、執念というチカラの前では無力だということをな」



タカオ「執念……」



VAVA「長良」



長良「はいっ!」



VAVA「お前は、俺が連れて帰る」



タカオ「いいわ……舞台は整った」パチンッ…!

474 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/18(水) 16:46:28.76 ID:CFPmi8Rf0



バシュシュシュシューーーッ!!



VAVA「なにっ!?」



ガンッ……ガガガンッ!!バヂヂヂヂヂヂヂ!!!



VAVA「これは……バリアーなのか?」



タカオ「触れれば黒こげよ」



VAVA「四方に柱。なるほど、海上のリングというわけか」



タカオ「話はおしまい……さぁ、行くわよっ!VAVA!!」



VAVA「…」バッ…!

475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 18:06:39.56 ID:QtBFlkmBO
残念ながら……タカオは……
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 18:43:05.37 ID:Au0wb8J2o
ライドアーマーに意志が…?
あるいは妖精さんのイタズラか…
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 20:39:47.81 ID:r9gZfise0
キン肉マンみたいに自然にリングが出てきてしまった。
エックスもゼロもシグマもVAVAより性能は上だけど倒してきたし性能差が勝敗を決める要因にはならないか。
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 00:50:00.65 ID:Z3us+SjA0
性能差で勝敗が決まるならイオナもヒュウガどころかチョウカイの時点で終わってるしね
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 01:50:52.31 ID:xCOUk1Nx0
ライドアーマーだと思ったらロボボアーマーだったか…

夢の中のイレハンリベンジでもサブタンク隠してたり爆弾用意してたり執念の勝利だったもんな
480 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/19(木) 07:58:05.57 ID:XV0Da9Uc0


タカオ「はぁっ!」ゴォッ!



VAVA「馬鹿正直な…!」ウィン…



カスン……



VAVA「ミスファイア……!?」



タカオ「ふんっ!」ドカッ!(体当たり)



VAVA「ぐわっ……!」



ゴォーーー……!バチィッ!!



VAVA「う゛ぉおおおおおおおおおおおお!!」バリバリバリバリ!!



バシャアン!



タカオ「バリアーの味はどう?」



VAVA「くっ……」カスン…カスン…



タカオ「無駄よ!」シュシュシュ!



VAVA「うぬっ…」ビスンッ…ビシィッ!



VAVA『……何故、ナーバスゴーストが発射されない!?』

481 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/19(木) 08:00:39.16 ID:XV0Da9Uc0


タカオ「えいっ!てやぁっ!!」ブンッ!



VAVA「うぶわっ!」



タカオ「気分最高よ!こんな風に、あなたを叩きのめしたかった!!」



シュー…



VAVA『この音は…?』



シューーー……バヂヂヂヂ!



VAVA「あの柱か!」



タカオ「流石、気付くのが早いわね。そうよ。あの柱は逃げ場を塞ぐだけじゃない。範囲内のあらゆる光学兵器を無効化する粒子を散布しているのよ!」



VAVA「!」



タカオ「厄介な光の剣も、キャノン砲も、ここでは無用の長物ってことよ!!」ガシャンッ!



VAVA「実体弾か…!?」



タカオ「トラウマになるまで……叩き込んであ・げ・る♡」



ドンッ!ドンッ!ドンッ!



VAVA「ちっ……!」


482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 14:34:48.26 ID:AS3JzOkt0
ここまでお膳立てして負けたらケジメ案件ですね…
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 15:46:00.71 ID:DQHHYg9sO
その時はみっともないと言われてしまうんやろなぁ
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 18:43:28.22 ID:RkQN1DEdo
つまりロケットパンチなら…
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/20(金) 00:26:54.19 ID:WBSGQobR0
黄金の右!(コスト不足)

しかししっかりと罠を張ってきたな
艦娘達に不意打ちすらしなかったのは絶対なる力の差ゆえの余裕か
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/20(金) 15:33:20.09 ID:yjdpi3aA0
正々堂々と戦うのかと思ったらちゃんと罠が仕掛けられてたか。肩武装が使えない分は経験で補うしかないか。
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/20(金) 22:03:37.17 ID:Gb4BpNFIO
明石謹製のキャノンが有れば・・・
488 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/22(日) 12:35:46.77 ID:GR3P9Vxx0


ビシィッ……!



VAVA「ぐぅ……!」スサッ…



タカオ「休む暇なんて与えない!沈みなさいよ!!」



VAVA「はん!この粒子。あらゆる光学兵器を無効にすると言ったな。ならばお前も、クラインフィールドは展開できまいっ!」ジャキンッ!



バンッ!バンッ!



タカオ「しまった!」



VAVA『ディスタンスニードラー……今はこいつに頼るしか……!』



タカオ「なんてね!」ピキンッ…



カキンッ…!



VAVA「弾いたっ!?」



VAVA『どういうことだ。クラインフィールドは、光学兵器ではないのか!?』



タカオ「確かに、この粒子の影響下ではクラインフィールドすら満足に性能を発揮できない。けれど、あなたからは沢山のものを得る事ができた」



カチカチカチ……



VAVA「お前…フローズンキャッスルを……!」



タカオ「これもその一つ……そんな名前だったのね。ならば、私のこれはそうね……フローズンクラインとでも名付けましょうか!」



VAVA「フローズンクライン…」



VAVA『良いネーミングセンスだ……』

489 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/22(日) 12:40:25.42 ID:GR3P9Vxx0


タカオ「ただのコピーと思わないことね」



タカオ「あなたの氷と比較すると、その防御力は実に2倍」



VAVA「2倍…お前に通るダメージは、4分の1にまで抑えられてしまうということか…」



タカオ「加えて、被弾寸前に必要な分だけ自動で展開される」ギュ…!



カチコチ……ファサ〜〜〜…



タカオ「あなたのように常時展開してエネルギーを無駄遣いすることもないし、動きを制限されることも無い」



VAVA「……やるじゃないか。少し、困ったぞ」



タカオ「その余裕、まだ何か奥の手があるのね。私も教えたんだし、教えてよ」



VAVA「駄目だ。切り札は最後までとっておくもんだぜ」



タカオ「ケチ。でもまぁ、絶望的な状況に変わりは無いわ。このままジリジリと削り殺してあげる」



VAVA「…」



VAVA『どうする……ライドアーマーはバリアの外、ビームサーバーは愚か、ショルダーキャノンさえ使えない。頼みのディスタンスニードラーも、やつの装甲を貫けないときた』

490 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/22(日) 13:03:37.62 ID:GR3P9Vxx0


タカオ「どうしたの?あなたらしくないわね。攻撃してこないの?」



タカオ『こんなはずじゃなかった』



VAVA「はっ……戦いはこれからだ」



タカオ「口だけは達者よね。内心焦ってるんでしょ?」



タカオ『こんな戦い……望んでなかった』

491 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/22(日) 13:06:59.74 ID:GR3P9Vxx0


決闘前



コト……



タカオ「なんですって、罠!?」



コンゴウ「そうだ。やつを確実に仕留める為だ」クイッ…コトッ…



タカオ「嫌よ!私はベストコンディションのVAVAを、この手で倒す」



コンゴウ「これは命令だ。お前に拒否権など無い」



タカオ「くっ……敵の主力を封じて一方的に勝利を掴む事が、兵器としての誇りだというの!?」



コンゴウ「うぬぼれるな。たわけめ」



タカオ「!」



コンゴウ「必ず勝てる戦いのどこがいけない?約束を守れず、敗戦を喫する事の方がよほど屈辱だ」



タカオ「…」ブルブル…!


492 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/22(日) 13:08:49.58 ID:GR3P9Vxx0


コンゴウ「勝てよ、タカオ。全ては我々の未来の為なのだ」



タカオ「……わかったわ。命令を遂行する」



コンゴウ「それでこそ霧の重巡だ」



タカオ「ふんっ…」



キリシマ「……タカオ、整備手伝ってやろうか?初めて使うんだろう。その装備」



タカオ「これは私が得た新たなチカラ。誰にも触らせないわ。放っておいて」



キリシマ「そうか……すまん」



ツカツカ……バタンッ!!



ハルナ「…」



コンゴウ「どうしたハルナ?」



ハルナ「何も」



コンゴウ「作戦に不満でもあるか。マヤもキリシマも同意の上だぞ」



ハルナ「不満は無い。紅茶をもらう」



コンゴウ「いいだろう。最高のダージリンを淹れてやる」トポポ…



キリシマ「…」



マヤ「ぅ〜…」



ハルナ『仲間を犠牲にして得る未来に、価値などあるのだろうか……わからない』

493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 16:14:00.48 ID:Uhj+cW5V0
攻撃が通らないしこのままだと勝てそうにないな。今回の作戦は発案者のコンゴウ以外は納得しきれてない感じかな。
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 16:27:07.43 ID:SInnXOqa0
しかし、それでもディスタンスニードラーだったらゴリ押せてしまいそうな所がある
アレ腕部兵装の中でもトップクラスの使い易さと低いと言い切れないだけの威力持ってるし
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 16:32:22.14 ID:ur95dvJoo
そこでこのバーナー兵装!
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 18:28:46.46 ID:QU/pieJVO
着々とフラグを立てていくコンゴウさんてあった
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 20:43:53.95 ID:8r6ibR/A0
光学兵器にしか影響与えないのなら、クラインフィールドや強制波動装甲にはなんの影響もないんじゃ?
498 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/22(日) 21:21:19.31 ID:GR3P9Vxx0


観音崎沖



ハルナ「……勝ったな」



キリシマ「あぁ。あれほど優勢ならば、もはや負けようが無い」



ハルナ「攻撃は通らない。逃げ場も無い。しかし、いずれ体力は尽きる」



キリシマ「チェックメイトだ」



ズドドドドドド!



VAVA「がぁっ!?ぐぉおおおおおおおお!!」



タカオ「なんて往生際が悪いのかしら…!しぶといったらありゃしない!!」



VAVA「……ふんっ!!」カシュ…!ゲシッ!!



タカオ「何かを蹴りつけてきた…?きゃ!」



カッ!ボシュボシュボシュボシューッ!!



タカオ「これは!?くの……め、目が……くだらない小細工ぅっ!!」



シュ〜……


499 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/22(日) 21:38:46.32 ID:GR3P9Vxx0



タカオ「…」



キョロキョロ…



タカオ「いない……!?キリシマ!」



キリシマ「い、いや!我々もここから見ていたが、やつが逃げた様子は無かった!」



ハルナ「不思議だ。煙幕のようなものをはったと思ったら急に姿が見えなくなった」



キリシマ「特殊粒子が仇となったか……!その範囲内は索敵不可能。しかし、逃げられるはずは無い!やつはまだリングの中だ!目視でよく探すんだ!!」



タカオ「そんなこと言ったって……ここには遮蔽物なんて無いのよ!どこいったVAVAぁ!!」



ザパァ!



VAVA「ここだよ!」バッ!



バキィンッ!!



タカオ「はぐっ…」

500 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/22(日) 21:40:22.34 ID:GR3P9Vxx0


キリシマ「海中に!?」



ハルナ「やつには潜水能力もあったのだな。記録しておこう」



キリシマ「器用なやつめ…!タカオ、しっかりしろ!」



タカオ「くっ……ふふっ、そんな攻撃へっちゃらよ!」カチカチ…



VAVA「ならこいつは……」グイッ↑↑



タカオ「きゃあ!?どどど、どこ触ってんのよ!!」



VAVA「どうだっ!」ブンッ!!



ゴォーッ!バチィッ!!



タカオ「うなぁああああああああああ!!」バリバリバリバリ!!



キリシマ「あっ!?」



ハルナ「慌てるな。大したダメージにはならない……むっ!」



VAVA「…」チャキッ!



バンッ!バンッ!バンッ!



タカオ「防御が…追いつかない!」カチ……カチ…



VAVA「クラインフィールドの性質を引き継いだのはまずかったな……!」



VAVA『イオナに感謝……だ。一見完璧な守りに見えるクラインフィールドだが、フィールドの結合を破壊すれば突破は可能』


501 : ◆1oKmZSIAF. [saga]:2018/04/22(日) 21:42:08.61 ID:GR3P9Vxx0


VAVA『タカオがバリアーとの接触ダメージを防いでいるおかげでよく見えるぜ……ウィークポイントは…』



VAVA「そこだろう!」バンッ!



ピシィッ!ピキピキピキ……バリィィィィィン!!



タカオ「そんな!?フローズンクラインが!!きゃあああああああああああああ!!!」バリバリバリバリ!!



キリシマ「タカオ!!」



ハルナ「……もはや、これまでか」



長良「…!」



ハルナ「すまない、タカオ」ガシャ…!



長良「えいっ!」ドンッ!



ハルナ「うっ!」グイッ……ズギューーーンッ!



キリシマ「こいつ!いつの間に拘束を……!!」



チュドーーーン!!



ハルナ「しまった…!」

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