千歌「念能力…」

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26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/29(土) 01:06:37.09 ID:1L54dHHiO
ラ板で見たやつや
待ってる
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/29(土) 17:08:09.81 ID:CLioHJkR0
浦女、屋上


ルビィ「…ど、どうしましょうか…」

千歌「…」

花丸「…3年生は今年が最後なんだよね」

みんな「…」

善子「…じゃあ今回は、先輩達に譲るってこと?」

花丸「いや…そういう訳じゃ…」

みんな「…」

千歌「…やだ」

梨子「千歌ちゃん…?」

千歌「…そんなの先輩達の勝手だよ、ワガママだよ」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 17:09:25.79 ID:CLioHJkR0
曜「それはそうだけど…」

千歌「向こうがワガママいうなら私もワガママ言ってもいいよね」

千歌「…私は、ラブライブに出たい…!」

全員「…!」

千歌「私あの勝負、受けようって思うんだ」

千歌「って…ごめん。1人で熱くなっちゃった」あはは

梨子(…うふふ)

梨子「…いいよ、"リーダー"。やりましょ!」

千歌「梨子ちゃん…?」

ルビィ「私も…、ここまで来て譲るなんてできないです…!」

花丸「マルも、ルビィちゃんと同じズラ…!」

善子「楽勝よ。既に私は闇の力に目覚めているしね」

曜「だってさ。私も付き合うよ、千歌ちゃん♫」

千歌「ありがとう…ありがとう、みんな…!」

曜(千歌ちゃんも変わったね)
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/29(土) 17:11:07.42 ID:CLioHJkR0
ーーーーーーーーーー
ーーー

ダイヤ「それで、あの子達はなんと?」

鞠莉「ふふ、乗って来たわよ。散々煽ったしね〜♫」

果南「前に進むって決めたんだね」

鞠莉「だからマリーの言った通りだったでしょ〜?」

果南「はいはい」

鞠莉「果南は素直じゃないんだから♡」

ダイヤ「それより、むしろ大変なのはここからですわね。念の習得といってももう2ヶ月しかありませんのよ」

鞠莉「ラブライブを目指すって言ったんだから、それくらいはやって貰わないとねえ…♫」

ダイヤ「努力でどうこうできる世界でもありませんが…」

鞠莉「ダーイーヤー?確かにあの子達は未熟だけど持ってるわよ、スクールアイドルに必要な『何か』を」

果南「うん…鞠莉の言う通りかもしれないね。体育館でのライブも、その後の動画のパフォーマンスでも…何か惹かれるものがあったよ、あの子たちには」

鞠莉「今度は素直になった♡」

果南「うっさいなぁ」

ダイヤ「じゃあ鞠莉さん、…本当にいいんですね?」

鞠莉「ええ…。いいわよ、2人もそう決めたんでしょ」

果南「…うん」

鞠莉「なら私達に出来ることはただ1つ、そうでしょ?」

ダイヤ「…ええ」

30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 17:13:58.84 ID:CLioHJkR0
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千歌「夏休みに、合宿をします…!」

ーーー

回想

千歌『さっきのお話…受けようと思います』

鞠莉⦅…♡⦆

鞠莉『千歌っちはもっとおっとりとした子だと思ってたのにな〜。先輩を立ててくれるような♡』

千歌『そう見えていたのなら…それは私が空っぽだったからです。でも今はもう、違う。』

鞠莉『…ふーん♪』

鞠莉『ok〜、分かったわ。それならまだ日を決てなかったわね。9月手前、夏休み最後の日。この日に決着をつけるのでどうかしら?その後のことを考えるならこの日あたりが限度よ。』

千歌『…分かりました』

鞠莉『うふふ、健闘を祈るわ。でも諦めるなら早く言ってね〜、私たちも忙しいんだから。無理っていう’見当’は早めに付けることよ…♡』なんちゃって

千歌『あ、あはは…失礼します』

鞠莉『言っておくけどね…千歌』

千歌『はい…?』


鞠莉『手加減は、しないから』

今までに聞いたことのない、とても冷たい声だった


ーーー
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 17:29:53.99 ID:CLioHJkR0
千歌「…ということで向こうから提示された期日は夏休み最終日です…!」

千歌「夏休み最後の日までにここにいる全員に念能力を取得して貰います…」

全員「…」

千歌「…そして、勝つ。私達が、絶対に」

梨子「…うん!」

曜「そうだね!」

ルビィ「はい…!」

善子「当然よ…!」

花丸「ズラ…!」


千歌「これからが本当の始まりだよ…!私たちaquorsの!!」


千歌「私たちは絶対にラブライブに行く!アクアーーー!」


みんな『サンシャイン!!!』
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/29(土) 18:30:36.04 ID:CLioHJkR0
―――その夜、黒澤家

念能力は精孔を開けることから始まる

ダイヤ(まずは精孔を開かないことにははじまりませんわよ)

精孔とは、オーラがあふれ出す穴のことで、通常の場合は閉じている
オーラ自体は誰もが持つものなので、非能力者は精孔から微弱なオーラが漏れている状態なのだが、まれに内在するオーラを精孔を閉じながらにあふれ出させいるものもいる

それがいわゆる「何故か気になる人」だとか、「原石」と呼ばれる人種である
昨今のブームで人を魅了し続けるスクールアイドル達もまたそんな存在だ

33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 00:46:58.73 ID:CX2oTcyO0
ルビィ「た、ただいま帰りました…」

ダイヤ「おかえりなさい、ルビィ」

ルビィ「…!お、お姉ちゃん…、ただいま…」

ダイヤ「…」

ルビィ「…あの」

ルビィ「鞠莉さんに聞いたよ…お姉ちゃんスクールアイドルやってたんだってね…」

ダイヤ「…ええ。それがどうかしましたか」

ルビィ「な、なんでルビィに教えてくれなかったの…!」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 00:48:01.29 ID:CX2oTcyO0
ダイヤ「あなたに教える必要があるのですか?」

ルビィ「…!」

ダイヤ「あなたには関係ないことです…が、もうそういう訳でもないのですね。いまや私たちは敵と味方」

ルビィ「そんな言い方って…!」

ダイヤ「私が勝負に出るという意味、あなたなら分るでしょう。敗北はないということです。内浦で小さく活動してればよかったものを」

ルビィ「だからあんなに東京に行くの反対してたの…?」

ダイヤ「…ええ、そうですわ」

ルビィ「ルビィは…お姉ちゃんと歌って踊ることが夢だったんだよ…?」

ダイヤ「…。私に妥協をしろと?それは無理な話です。夢を語るには力と覚悟が必要なのですよ、ルビィ。あなたにはそのどちらも欠落している…」

ルビィ「…!」

ダイヤ「夕飯は先にいただきました。私は部屋に戻ります。ちゃんとあたためて食べるのですよ」



ルビィ(わ、私だって…)
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 00:48:59.68 ID:CX2oTcyO0
ーーーーーーーー
ーーー


帰り道、海沿いの通り

千歌「すっかり遅くなっちゃったな」てくてく

夏休みまでの2週間は、自分たちの中に眠るオーラを起こす事から始めることにした


千歌(オーラ、か)


千歌はオーラの存在を既に知っていた
「理解」はしていない
自らを「普通」の人間だと思いこむということは、相手を「特別」だと思うからにに他ならず、
それはつまり千歌が相手の持つオーラに敏感であるということを意味した


だからこそ千歌のもとには「普通」ではないメンバーが集まった
全員が高い潜在能力を有している
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 00:50:48.65 ID:CX2oTcyO0
昔から人気者だった曜、素晴らしいピアノの才能を持つ梨子、一目見た時から気になっていた花丸とルビィ、普通ではない個性を持つ善子…

千歌(じゃあ私はどうなんだろう…)


鞠莉の言葉がよみがえる

鞠莉『念なんて、誰でもマスターは出来るわよ。ただね、そういうものこそーーーー』

――――才能の差がモロに出る♡


千歌(私はーーー)
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 01:06:15.72 ID:CX2oTcyO0
果南「やっほ、千歌。今帰り?」

千歌「果南ちゃん…?!」

ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーー


果南「びっくりしたでしょ、私がスクールアイドルやってたなんて。」

千歌「うん…まあ」あはは

果南「柄じゃないしね」

千歌「そんなことないよ…!果南ちゃんはかわいいよ!」

果南「あはは、ありがと」

果南「…鞠莉から聞いたよ、私たちと闘り合うんだってね」

千歌「…!えーと、まあ…」あせあせ
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 01:07:18.59 ID:CX2oTcyO0
果南「千歌にも大切なものができたんだね」

千歌「…うん!」

果南「で、どう?調子は」

千歌「…正直まだ何とも言えない。自分にそんな力があるなんてイメージ沸かないし」

でも負けたくはない

果南「そんなもんだよ、最初は」

千歌「果南ちゃんもそうだったの…?」

果南「まあね。ねえ千歌、今から実際に念ってものを見せてあげるよ」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 01:09:03.71 ID:CX2oTcyO0
ーーーーーーー

千歌「え…、いいのそんなことして…?」

果南「相手に能力知られるのは悪手中の悪手らしいけどね。でも油断とか手加減してるつもりはないよ」


果南「…今見せておけば、次会ったときは最初から全力で行けるからね」


ズズズズズ


千歌「ーーー?!」ぞっ


果南「言うなれば、気が済むからだよ。だからこれはただの、一方的な私の」

スッ


果南「厚意(行為)−−−−−」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 01:20:12.34 ID:CX2oTcyO0
果南の姿は既に目前ない。
しかしそれは、消えたーーという訳ではなかった
千歌は、自身の横を果南が過ぎていくの目視できていた

しかし、目視できていただけに過ぎない
…反応が、まったくできなかった

果南はどうやら千歌の遥か後方にいるらしい

千歌「」へなへな


気が付くと、目前にポールが立っていた
錆びた、鉄の、いかにも重そうなポールが、である
果南もそこにいた

ズンッーーーー
千歌が膝を付いたのと同時に、ポールが地に突き刺さる音が聞こえた
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 01:21:11.05 ID:CX2oTcyO0
【人魚雷(リトル・マーメイド)】
強化系能力。日ごろダイビング等で鍛えた最大酸素摂取量を極限まで高め効率よくエネルギーを摂取することで、持ち前の身体能力を120%発揮する。
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 01:22:39.96 ID:CX2oTcyO0
千歌「あ…」

「全身」から鳥肌が立つような感覚

果南「これが、私の念能力」

この感じ、知ってる
私がはじめてμ’sを見た時と同じ
これが…


念−−−−


果南「次会ったときは初っ端からこれでいくからね。」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 06:26:59.89 ID:4uDdwhbSO
はよ
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 20:26:52.68 ID:CX2oTcyO0
ーーーーーーーー

鞠莉「怖いお姉さんね〜、千歌っち腰抜かしてたじゃない」

果南「分かるんだよ妹みたいなもんだし、あの子なら大丈夫。のんびり屋さんの千歌にはいい刺激になったんじゃないかな。」

鞠莉「あれだけのオーラを生身に当てられちゃあね」

果南「てか見んなし」

鞠莉「私が見てること知ってて能力使ったんでしょ?成長してるのは体だけじゃなさそうね、この見せたがり屋さん♪」

果南「うっさいな」

鞠莉「でもさすがね、前見た時とは全然違う。オーラの総量も能力の練度も」

果南「そりゃどうも」

鞠莉(あらら、照れちゃって♡)

鞠莉「でもこれで向こうは果南の能力を把握したってことね。ハメられないよう気を付けてよ。向こうも果南の能力に合わせた念能力を開発してくる可能性が高いから…」

果南「大丈夫、私の能力は見られたからどうって能力じゃないから。単純ゆえの強みって奴」

鞠莉「そ♡、まあ果南ならそこらへんも上手くやるんでしょうね」


ーーーーーーーーー
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 20:28:09.87 ID:CX2oTcyO0
千歌「…」ゾクゾク

布団に入っても、未だに鳥肌が収まらない
まるで、自分の中で「何か」が暴れているようなーーー
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 20:28:35.41 ID:CX2oTcyO0
ーーー翌日、放課後


ルビィ「…」

花丸(ルビィちゃん…?)

梨子「それでどうだった、花丸ちゃん?」

花丸「あっはい!…えーとですね…やっぱりなかったです」

梨子「そっか…」

花丸「色々探してみたんですが、念に関しての本はいわゆる検閲にあっているんだと思います。使い方によってはいくらでも悪用できるものですし…」

善子「…ネットでもダメだったわ。どうやら自力でたどり着けってことみたいね…」

梨子(…)

曜「そのくらいやってのけるようじゃなきゃラブライブ上位にはいけないってことだろうね」

曜(3年生は、一体どれだけのーーーー)
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/30(日) 20:41:41.21 ID:CX2oTcyO0
千歌「…」

曜「そういえばどうしたの、千歌ちゃん。さっきからずっと黙ってるけど」

千歌「う、うん。昨日ちょっと眠れなくてね」

善子「まさか、言い出しっぺがしり込みしたんじゃないでしょうね〜!」

千歌「ち、違うもん…!」

あのことは、まだ皆には言わない方がいい

善子「ならいいケド」

曜「まあまずは基礎的なことから始めるしかないね。その中で適宜情報を収集していくと」

花丸「…はい」

曜「じゃあ今日は基礎体力をつけようか」


『おー!』
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 20:43:16.17 ID:CX2oTcyO0
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーー

休憩時間@

花丸「う〜疲れたずら…」

ルビィ「そうだね…」


花丸「…ルビィちゃん、ダイヤさんとなんかあったでしょ。」

ルビィ「花丸ちゃん…」

花丸「分かるよ。マルはルビィちゃんの親友だからね、よかったら話して」

ーーーーー
ーー
ーー
ーーーーー


花丸「そんなこと言われちゃったんだ」

ルビィ「…私は、ただ…お姉ちゃんと…」ぐすっ

花丸「…よしよし」

ルビィ「うっ…うっ…ありがとう…花丸ちゃん」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 20:50:01.10 ID:CX2oTcyO0
ーーーーーーー

花丸「それで、ルビィちゃんはどうしたいの?」

ルビィ「私は…」

『あなたには、力も覚悟もありませんわ』

ルビィ「スクールアイドルが好きなの…」

『今のあなた達じゃただの足枷よ』

ルビィ「大好きなの…!」

花丸「…うん」

ある日を境にスクールアイドルの話をしなくなったダイヤ
スクールアイドルを始める際、そんな姉への遠慮は勿論あった

でも結局私はスクールアイドルを始めた
だって、スクールアイドルが大好きだから

ルビィ「…今はそれだけでいいんだ、私。」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/30(日) 20:52:21.38 ID:CX2oTcyO0
私のアイドル活動とお姉ちゃんは、関係ない
私は私がやりたいからラブライブを目指すんだ


花丸「…そっか」にこ

ルビィ「聞いてくれてありがとね…花丸ちゃん」えへへ

花丸「どういたしましてずら♪」

善子「…。」

善子「はー、あんたたちこんな所にいたのね!もう練習始めるそうよ」

花丸「あっもうそんな時間ずら?!、ありがとう、善子ちゃん!ルビィちゃん、行こっ!」

ルビィ「うんっ…!」

善子「善子ゆーな!」

ルビィ「あははは」


ーーー私はラブライブに出る

もう迷わない
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 00:08:25.67 ID:jzVODbKi0
ーーーーーーーーーー

休憩時間A

千歌「やっぱないな〜」スマホ検索

曜「あはは、あの善子が見つけられなかったんだから私達じゃ見つけられないよ」

千歌「…困ったな〜」

梨子「…ねえ、千歌ちゃん。合宿どこでするかはもう決めた?」

千歌「あー、それもまだなんだよね。夏休み中ずっとってなると結構厳しくてさ」

梨子「東京、なんてどうかな?」

千歌「東京…って、えー!1番初めに候補から外したよ!泊まる場所とか…、お金とか…いろいろ厳しいでしょ…!」

梨子「そこを含めて私に考えがあるの。合宿の件は私に任せてくれないかな」

千歌「…。分かった。梨子ちゃんに任せるよ」

梨子「休憩、まだ時間あるわよね。ちょっと水足してくる」

千歌「うん、いってらっしゃい〜」

てってって


千歌「…」

曜「梨子ちゃんの考えってなんだろ?千歌ちゃんに任せるより全然安心できるけど今回は状況が状況だし…」

千歌「梨子ちゃんがああいってるんだしここは任せてみようよ」


てってって


梨子(…私も覚悟を決めなきゃ、ね)
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 06:38:50.05 ID:jzVODbKi0
ーーその夜


梨子「・・・。」


prrrrrrr…


梨子「もしもし…、『お姉ちゃん』…?」

梨子「うん…私。久しぶりだね。ちょっと声が聞きたくなっちゃって…」

梨子「あはは…そんなことないよ」


梨子「…うん、…うん…」


梨子「…実はちょっと話があって」


ーーーーーーーーー
ーーー
ーーー
ーーーーーーーーー


梨子「ごめんね突然…うん、ありがとう…」


梨子「…うん、忙しいもんね。じゃあ…切るね」

梨子「電話、待ってるから」

pi...


梨子「…」ボフッ



ーーーーーーーーーー
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 07:15:14.35 ID:jzVODbKi0
ーー時間ばかりが過ぎていく
日々の特訓は、着実に彼女たちを成長させていた

が、扉には未だにたどり着かない
焦りばかりが募ってゆく
夏休みは、あと3日にまで迫っていた


曜「それ、本当なの?善子」

善子「ヨハネよ。それは本当。IP偽装してやっと見れるような掲示板に書き込まれてた。無理やりに精孔を開く方法がね」

千歌「…なんて書いてあったの」

善子「能力者から念による攻撃を受ける事、らしいわ。そういう商売をやってる連中がいるみたい。1人300万円から依頼を受けるって書いてあったわ。正攻法はやっぱり自然と精孔が開くのを待つほかないようよ」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 07:16:42.47 ID:o/2flfBSO
やっぱり果南ちゃんって強キャラなんやなって
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 07:17:35.85 ID:jzVODbKi0
花丸「…念の攻撃を受ける、もちろん念に目覚めていない人の為の商売だから生身でってことだよね」

ルビィ「それって…」

善子「ええ、とても危険。そこじゃ外道と呼ばれていたわ。適格がない場合命を落とすこともあるから」

花丸「…それに金額も違法だよ」

善子「そこはあえて問題にしない。1人が覚醒に成功したら後はその人が全員にオーラをぶつければ300万円で済む話よ。時間を買うって意味なら今の私たちなら300万円でも安いくらいよ。」

曜「…その方法で精孔は開くんだね?」

善子「ええもうこの方法しかないわ。一応だけど信憑性もある。それに『やりよう』によってはお金もいらなくなるわ」


曜「…3年生か」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 07:21:36.65 ID:jzVODbKi0
善子「そ、つまり問題はお金じゃない。外道をいく覚悟があるかって事よ。リスクを負う覚悟がね。正攻法は私達にとって余りに時間がない。」

曜「…千歌ちゃんは果南ちゃんの能力を1度見せて貰っているんだよね?」

千歌「…うん、見ただけ。受けてはいないよ。もしあんなのを生身で受けるとしたら…」

曜「…うん。千歌ちゃんの話を聞く限り果南ちゃんの能力は危険だね。やるなら相手はダイヤさんか鞠莉さんに絞ったほうがいいな。知らない相手の能力もしれて一石二鳥だしね」

花丸「ま、待ってください…本気なんですか?!。」


曜「うん。私が行くよ」

千歌「…よ、曜ちゃん?」


曜「私が行く。このままじゃもう時間がないし」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 07:47:06.25 ID:jzVODbKi0
千歌「…!、だ、ダメだよ、そんなのーー」

曜「心配ないよ、千歌ちゃん!体慣らしならあれからもう十分やったしね。」

善子「私は曜に賛成。今はとにかく時間が欲しい。今1番適性があるのは曜よ。今までの特訓とか見てきた限りね」

曜「そういうこと♫。ここはできる子の曜ちゃんに任せて、千歌ちゃんーーー」


梨子「えっ、本当に!!!!」


ーーー!?ビクッ

梨子「…はい、はい…。本当に…いいの…ありがとう」


千歌「そ、そういえば梨子ちゃん電話で外してたね…」

善子「な、なんか一気に白けたわね」


千歌「…ねぇ、時間がないからって、2人ともちょっと焦りすぎだよ」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 07:48:57.65 ID:jzVODbKi0
梨子「はい、はい…。お願い、します…」

pi…

たったったった…

千歌「どしたの?大きな声あげてたけど」

曜「あはは、雰囲気ぶち壊しだよ〜」

梨子「え、ごめんね…」

千歌「なんの電話だったの?」

梨子「合宿の話よ」

千歌「目処ついたの!?」

梨子「ええ、今になってやっとだけどね。遅くなってごめんなさい」

千歌「ううん全然。最悪繁盛期以外はうちでやればいいやって思ってたし…。満室になることは滅多にないからね…、あはは。まあ美渡ねえからはいろいろ文句言われそうだけど…。」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 07:53:55.51 ID:jzVODbKi0

曜「でも東京で夏休み中ずっとなんでしょ…?宿泊費とか大丈夫なの?まさか野宿とかじゃないよね…?」

梨子「まさか。ちゃんと屋根付きだよ。お金も自分たちの生活費分だけでいいって」

花丸「す、すごい…」

善子「一体どんな手使ったのよ…」

梨子「あはは…秘密♡」

千歌「すごいよ、さすが梨子ちゃん♡」

梨子「ありがと。念の疑問に関しては、たぶんそこで解決できると思う。だからどうしても東京じゃなきゃダメだったの」

善子「そ、そんなおいしい話があるなんて…。本当に大丈夫なの…?」

梨子「まあ…そこは信じてとしか…」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 07:57:13.15 ID:jzVODbKi0
花丸「なんにせよ、これで危険な方法は回避できるずら♪」

千歌「見せ場奪われて残念だったね、曜ちゃん♪」

曜「あはは…」


ルビィ「でもこうなった場合問題になるのは…」

善子「今度こそお金ね」



善子「…!いいこと思いついたわ♪こういうのはどうかしら…!」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 07:58:36.63 ID:jzVODbKi0
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーー

ルビィ「あはは、それいい♪」

曜「こ、この後輩共は〜」


千歌「こら〜ダメだよ、後輩には優しくしなくちゃ。1人でかっこつけようとするからこういう目に合うの♪」

曜「ちぇっ、分かりました〜。やればいいんでしょ〜やれば。その代り善子も来ること」

善子「ヨハネよ!ってなんで私まで…!!」

曜「作戦には立案責任てものがあるの。それにわたしが1人で行こうとした時あんたしれっと賛成してたでしょ。勝手に突っ走った連帯責任。」

花丸「いってらっしゃい〜善子ちゃん♪」


善子「善子いうな!あーもーどうしてこうなるのかしら」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 08:00:55.71 ID:jzVODbKi0
ーーーーーーーーーー
ーーーーー

善子の考えとは、こうである


善子『募金を求めるの♪』


曜『え〜。それはちょっと安易すぎじゃ…』

善子『失礼ね〜。ちゃんと考えてるわよ!。考えてみて、募金はする上で大切なことはいくつもあるんでしょうけど、やっぱりまずは目立たないと始まらないじゃない?」

千歌「…そっか!日々の特訓に成果があるなら、溢れ出るオーラが人を引き付けるってことだね…?!」


善子「そういうこと…♪オーラを利用した募金活動よ。上手くいけば集金効率もよくて、特訓の成果も見ることができるの。まさに一石二鳥よ!」


花丸「善子ちゃん悪知恵はよく働くずら」

善子「善子ゆーな!悪知恵だけって何よ!」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 08:02:28.82 ID:jzVODbKi0
曜「それじゃあ誰やる?」

善子「え、それは勿論『出来る子の曜ちゃん』しかいないでしょ。オーラに関しては自ら適任だと思ってさっきは立候補したんですよね…?」くすくす

曜「は、はぁ?」

花丸「曜先輩はファンの子からも1番人気があるしね!たくさんお金を集めてくれそうずら♪」

ルビィ「あはは、それいい♪」

ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーー


曜「募金お願いしまーす!」

善子「活動にどうしても必要なんですー!」

曜(…こんなことして本当に集まるのかな)はぁ
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 08:06:02.13 ID:jzVODbKi0
…あ、あの

曜「は、はい!」びくっ

女子高生A「もしかしてスクールアイドルの方ですか…?」

善子「そ、そうです…!」

女子高生A「や、やっぱり!頑張ってください…!応援していますっ…!」チャリン

曜、善子「〜っ!!ありがとうございます!!」


女子高生B「す、すいません、写真とってもいいですか?」

曜「もちろん!いですよ…!」にこり

チャリン


女子高生C「じゃあわたしたちと握手を…」

チャリン

女子高生D「サインを…」

チャリンチャリン


ワタシタチトワタシタチトワタシタチト…

チャリンチャリンチャリンチャリン…


曜、善子(う、うわ〜〜〜〜〜!)

ーーーーーーーーー
ーーーー
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 08:08:13.76 ID:jzVODbKi0
曜「はぁ、はぁ…どうなった、募金の方は…?」

善子「はぁ、はぁ…やっとさばききった…。結構集まったんじゃないかしら…?」

曜「ちょっと確認してみようか…」


…。


曜、善子(ピー円〜〜〜〜〜?!?!?!?)



善子「ちょっとでも足しになればいいかって程の考えだったけど…。これ…あと3日やれば、必要経費ほとんどまかなえるわよ…」


曜「こ、これは…さすが曜ちゃん、てとこかな…?」あはは…


・・・。


曜「これ法的にどーなのよ…」

善子「こ、細かいことはいいのよ。私的利用じゃないんだし」そもそも冒頭時点で決闘罪に抵触してるわ…
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 08:23:03.26 ID:jzVODbKi0
何はともあれ、特訓の成果はちゃんと出ていることが確認できた
このことは、メンバーに希望を持たせることになった


千歌(私たち、ちょっとずつだけど前に進めてるんだ…!)

私たちならきっとできる…!



曜と善子は
このあと夏休みまでの3日間、無茶苦茶募金活動した



ーーーーそして、夏が始まる
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 08:28:44.78 ID:jzVODbKi0
とりあえず導入編おしまい。。
次から夏休み編で
読んでくれてありがとう
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 18:46:09.91 ID:sCUsDrk+0
マリーのなんとも言えないヒソカ感
これ念系統の振り分けはイメージ?それともヒソカ式性格判断のやつ?
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/03(水) 15:09:54.04 ID:k4/nrQ08o
>>68
だいたい性格判断からかな、一部イメージ
ラブライブキャラが念使うって時点で色々無理あるから別物見るくらいの気持ちで見て欲しい
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/03(水) 15:25:14.15 ID:k4/nrQ08o
ーー都内某所。ラブライブ運営局、事務室


カタカタカタ.....


奇抜な眼鏡のお姉さん「あー疲れた〜」ノビ-

3月に開催されるラブライブに向けて、続々と応募が集まってきている

奇抜な眼鏡のお姉さん(まだ増えるだろうなぁ…各地の予選会場の備品も今からもう抑えとかなくちゃだな…)カタカタカタ......


??「お疲れ様ね」

奇抜な眼鏡のお姉さん「いえいえ、スクールアイドルの皆さんのお役に立てるんですから嬉しい話なんですけどね、あはは…」


奇抜な眼鏡のお姉さん「ーーーって!?」



ツバサ「お久しぶりです」にこり

奇抜な眼鏡のお姉さん「ツ、ツバサさん?!」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/03(水) 15:31:31.48 ID:k4/nrQ08o
奇抜な眼鏡のお姉さん「こんな所に来るなんて珍しいじゃないですか…!」

ツバサ「たまたま近くを通ったので」

奇抜な眼鏡のお姉さん「…でしょうね〜、A-rizeの皆さんはお忙しいですからね。今やあなたと統堂さんはソロで、優木さんはμ'sの矢澤さんや他の子達とユニット組んで本物のアイドル!毎日見ない日はないですよ」

ツバサ「今のあなたよりはよっぽど楽ですよ。すごい応募数ね。どう、最近の後輩たちは?」

奇抜な眼鏡のお姉さん「曲といいダンスといい例年レベルが上がってきてますよ。見ていて飽きないです!」

ツバサ「こうやって後に続いてくれる子達がいるって嬉しいわ」

奇抜な眼鏡のお姉さん「スクールアイドルの先駆けになったA-rizeのメンバーのあなたからすれば、感無量でしょうね。今やもうこれほどまでに大きな大会になったんですから。でもあなた達の代が見ていて1番楽しかったですよ」

72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/03(水) 15:33:20.02 ID:k4/nrQ08o
ツバサ「ふふ、ありがとう。お世辞はいいですよ」

奇抜な眼鏡のお姉さん「お世辞じゃないですって。やっぱり、『オーラ』が違いましたよ。A-rizeも、μ'sも」


ツバサ「…今年は面白そうなグループいないの?」

奇抜な眼鏡のお姉さん「色んなイベントでも見て来ましたが、これといったのは今のところ見つかりませんね、私見ですが。大体もう出揃っちゃった感じです、今年は。伝説はまたお預けですかね」

ツバサ「そう?μ'sが伸びてきたのも夏以降よ?」


ツバサ「まだ分からないわ」ふふ
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/03(水) 16:06:20.55 ID:k4/nrQ08o
ーーー夏休み1日目、早朝、電車の中。


千歌「本当にいいの、いきなりみんなでお世話になっちゃって」

梨子「だいじょうぶよ、『お姉ちゃん』優しいし」

千歌「いちおうお母さんが菓子折り持たせてくれたけどこれで喜んでくれるかなぁ…。梨子ちゃんの親戚ってどんな人なの?」

梨子「まぁ、会えばすぐ分かるよ」

千歌「そう?」

梨子「…」

千歌「…?」

梨子「…ん、どうかした?」

千歌「いや…」

梨子「…」ぼー

千歌(…なんか最近様子がおかしいな)
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/03(水) 21:41:53.45 ID:k4/nrQ08o
ダイヤ「今日の朝早く、ルビィは東京へ行きました。合宿といっていましたわ。おそらくaqoursのみなさん全員ででしょう」

鞠莉「ふーん、こっちも寂しくなるわね♫」

果南「東京ねぇ、なにかいい方法でも見つけたのかな」

ダイヤ「そうでないと困りますわ」

鞠莉「おもしろそうね。ねぇ、私たちもどっか行かなーい?。あの子達だけズルいわ」

ダイヤ「遊びじゃないんですよ、鞠莉さん…!」

鞠莉「いいじゃない、こっちはただ待つだけなんだし。今年は高校最後の夏よ。夏は長いようで短いからね」


鞠莉「お互い悔いの残らない夏にしなくっちゃ」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/03(水) 22:53:44.53 ID:k4/nrQ08o
ーーーーーーーー
ーーーー


ーー東京、駅構内

善子「着いたーー!」

花丸「何度来ても凄いね、東京は」

千歌「そうだねぇ」

曜「ちょっと早く着いちゃったね。どっかで座って待ってようか」

梨子「…うん」


ーーーー
ーー

76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/03(水) 22:56:27.16 ID:k4/nrQ08o
ゾッ


『ーーーー?!』バッ


梨子を除いた全員が瞬時に振り返る
突如、背後に感じる圧倒的な存在感

間違いない、『彼女』だ


梨子「…」ガタン

ゆっくりと、振り返る



梨子「…久しぶりだね、『英玲奈お姉ちゃん』」


77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/03(水) 22:56:55.77 ID:k4/nrQ08o
ルビィ「え」

ルビィ「えええ」

英玲奈「…久しぶりだな、梨子」


ルビィ「ビギィィィィィィィィ!!!!!!!」


統堂英玲奈ーーー
梨子の従姉である
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/03(水) 23:05:46.97 ID:k4/nrQ08o
千歌「も、もしかして…梨子ちゃんの言ってた親戚の人って…」

梨子「…そう。元A-rizeのメンバーで、今やトップアイドル…統堂英玲奈よ」

みんな「ええ〜!!!」

周り「…」ジロジロ

英玲奈「はじめまして、君達がaqoursだね。梨子から話はよく聞いているよ。ここはちょっと目立つから場所変えようか。車呼んであるんだ」

みんな「は、はい…!」


梨子「…」


79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/03(水) 23:07:18.52 ID:k4/nrQ08o
ーーーーーーー
ーーーー

車内

みんな「…」

英玲奈「後ろ、6人でキツくないかな?」

千歌「…!だ…だいじょうぶです…!」

ルビィ「あわ…わわわ…、夢かなこれ?まあ夢でもいいや…いいよね?サイン貰わなくちゃ…お姉ちゃんの分も…ってあれ?お姉ちゃん?英玲奈お姉ちゃん?梨子先輩の従姉?英玲奈さんが?!、あわわわわ…!」

花丸「ルビィちゃん落ち着いて…」


曜「ま、まさか親戚って言って統堂英玲奈が出てくるなんて…」

善子「思いもしなかったわよ…」

梨子「…統堂はいわゆる芸名だからね。本名は桜内英玲奈っていうの。公表してないけど。昔はよく遊んでたよね」

英玲奈「あはは、そうだな」



梨子「…」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/03(水) 23:09:14.04 ID:k4/nrQ08o
梨子と英玲奈は家が、近く幼少期はよく2人で遊んでいた
とても仲が良くまるで本当の姉妹のようであった


しかし歳を重ね、モノが分かるようになるにつれ彼女と自分の間には大きな『壁』がある事に気付く
何をしても敵わない
彼女の存在は、梨子にとってのコンプレックスになっていった



私、地味だからーーー
梨子がよく口にするこの言葉は、そんな彼女の体験から来ている

81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/04(木) 11:49:58.18 ID:gz7Ie92ZO
絶対に敵わない人
しかもそれが身内にいる、というのがどれほど彼女に心的圧迫を与えていたか想像に難くない

周りは口にこそ出さないが、事あるごとに英玲奈と比べて見た
それは幼い梨子にもはっきりと分かっていた
一緒にいたから余計にそうだったのかもしれない

82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/04(木) 11:51:45.82 ID:gz7Ie92ZO
しかしそれはしかたがなかった
優れた人間というのは相対的な地位なのである
英玲奈がそうであるために、比べられる対象もまた不可欠で、それはもうどうしようもないことなのだ


自分の能力のなさを呪うほかなかった

いずれにしても、従姉という関係は英玲奈という存在にたいしてあまりにも近すぎた

83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/04(木) 12:02:45.80 ID:gz7Ie92ZO
2人は音楽という共通の趣味を持っていた
しかし同じ音楽といっても従姉はどちらかというとダンスや歌唱を好み、梨子はピアノを好んでいた

だからこそ『壁』を感じて以来、梨子はよりピアノに熱中していくようになる
英玲奈と交わらない道をゆくために


従姉はUTX学院に行きスクールアイドルというものを始めるという事を聞いたが、梨子にはもうどうでも良い事だった


自分にはピアノがある
だから、音乃木坂に進んだ
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/04(木) 12:13:48.55 ID:gz7Ie92ZO
ーー千歌と梨子が初めて出会った日

梨子『スクールアイドル?なにそれ』

千歌『えっ、嘘知らないの?!』

梨子『…。初めて聞いた』

ーーーー
ーー


梨子は、英玲奈と同じ道に進むのを避けてきた
比べられることが、怖かったからである



しかし今、同じスクールアイドルとしてーー


ーー2人は再会する。
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/05(金) 21:21:20.16 ID:gY43SvD00
面白いけどA-RISEな
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/05(金) 23:12:35.92 ID:K3lzzF8bo
>>85
はずかしい気を付ける
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/05(金) 23:13:21.95 ID:K3lzzF8bo
英玲奈「着いたよ、ここだ。夏休み中は自由に使ってくれて構わんそうだ」

ルビィ「ここって…」

花丸「ええええ」

全員(すっごい豪邸〜〜〜〜〜〜!!)

英玲奈「じゃあ中に入ろうか」

ーーー


ルビィ「ひ、広い…」

花丸「何から何まで揃ってるズラ…」

善子「さ、さすがトップアイドル…」

曜「ここ、英玲奈さんの別荘なんですか…?」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/05(金) 23:16:23.93 ID:K3lzzF8bo
英玲奈「これは私のモノじゃないよ、知り合いのだ。都内にまで別荘作る資力も悪趣味も私にはないよ」

千歌「…あの、見ず知らずの私たちが使って本当にいいんですか…?」

英玲奈「綺麗に使ってくれればそれでいいそうだ。ほとんど誰も使ってないから物置同然なんだよ、ここ」

善子「な、何者なのよ…」


千歌「あの、是非会ってお礼がしたいんですが…」

英玲奈「…。彼女も忙しいからな、今医学部にいるんだ。できれば引き合わせてあげたいんだけどね。私のほうからよろしく伝えておくよ」

千歌「そうですか…ありがとうございます…」


英玲奈「私が言うのもおかしいが、遠慮せず使ってくれ」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/05(金) 23:17:59.38 ID:K3lzzF8bo
英玲奈「ああ、もう時間か…。すまないな、これから打ち合わせがあるんだ。何か困った事があったら連絡してくれ。今日ははバタバタしてて悪いな」

千歌「い、いえ!」

英玲奈「それじゃ、また」


花丸「か、かっこいい…」

ルビィ「本物はやっぱり全然ちがうよ…」


梨子「…私、見送ってくるね」


ーーーー
ーー
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/05(金) 23:19:02.86 ID:K3lzzF8bo
梨子「英玲奈おねえちゃん…!」


英玲奈「なんだ梨子、わざわざ出てこなくてもよかったのに」

梨子「…ありがとね、急な話だったのに」

英玲奈「私は何もしてないよ、ただ手を回しただけだ」

梨子「でも、すごく忙しいのに…」


英玲奈「ま、梨子のためだからな。でも梨子がスクールアイドルやってるって聞いたときは驚いたよ」

梨子「あはは…だよね」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/05(金) 23:20:35.40 ID:K3lzzF8bo
英玲奈「いや、合ってると思ったんだ。梨子はかわいいからな、私よりよっぽど向いてるよ」

梨子「そ、そんなこと…」


英玲奈「これは本心だよ。もしどうしてもお礼がしたいっていうなら是非ステージ上で返してくれ。aqoursのステージ、楽しみにしているから。本当は私からもいろいろしてあげたいんだが、残念ながらそういう訳にもいかないんだ」


梨子「…うん。後は私たちでどうにかするよ」

英玲奈「ふふ、そうか。がんばってな」

梨子「…うん!」


ーーーーー
ーー
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/05(金) 23:24:00.83 ID:K3lzzF8bo
ルビィ「英玲奈さん、もう行っちゃいましたか?忙しいですもんね」

梨子「うん、がんばってだって」

ルビィ「はぁぁぁぁ、やっぱかっこいいなぁ…。」

善子「反則でしょー、親戚のお姉さんが統堂英玲奈なんて」

梨子「あはは、びっくりさせるつもりはなかったんだけどね」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/05(金) 23:25:53.88 ID:K3lzzF8bo
花丸「…ここ、本当に自由にしていいのかな」

曜「いいんじゃないかな、正直もう誰かに遠慮してる暇もないよ」

千歌「そうだね、甘えられるものにはことごとく甘えさせてもらおう…!」

梨子「あはは…」


曜「じゃあ荷物置いてからぼちぼち特訓始めようか」

善子「ok〜、ねぇ、荷物置きがてらちょっと中を探検してみない♫」

ルビィ「いくいく〜♫」

千歌「こら、あんま変な事しちゃダメだよ〜」

1年生『はーい♫』


梨子「ふふ…。ねえ千歌ちゃん、ちょっといい?」

千歌「うん?」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/05(金) 23:26:58.30 ID:K3lzzF8bo
ーーーー
ーー

梨子「ごめんね、私嘘ついてた」

千歌「なんのこと?」

梨子「知ってたんだ、スクールアイドルのこと。」

千歌「ああ」

梨子「怒らないの?」

千歌「怒らないよ、そんな事で」えへへ


梨子「…ありがと。うん、でも知ってたどころじゃないな。多分、英玲奈お姉ちゃんがやってるの見て私は既にスクールアイドルに憧れていたんだと思う。必死に自分に嘘ついたけどね、そんな事ないって」
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/05(金) 23:28:12.47 ID:K3lzzF8bo
千歌「そっか」

梨子「千歌ちゃんにだけじゃなく、自分にも嘘ついてたんだ。最低だよ。大好きなピアノを逃げ道にしてさ。私はね、怖かったの。英玲奈お姉ちゃんと一緒の道を選んで比べられるのが」


千歌「…梨子ちゃん」


梨子「でもね。千歌ちゃんと出会って、みんなと出会って、変わった。もう嘘がつけなくなっちゃったの。スクールアイドルをやりたい気持ちに…!」
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/05(金) 23:41:43.96 ID:K3lzzF8bo
千歌「…」ギュ-

梨子「…千歌ちゃん?」

千歌「…うまく言えないけど、なんだか抱きしめたくなっちゃったんだよ」

梨子「あはは、何それ」うるっ


梨子(あれ?)


…そうか

梨子(私は私っていう存在をこうやって受け入れてもらう事を望んでいたんだ。こんな私でもいいんだっていうことを、誰かに認めて欲しかったんだーー。)


梨子「…ありがとね、千歌ちゃん」にこっ


ーーーーーー
ーーー
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/05(金) 23:56:16.31 ID:K3lzzF8bo
ツバサ「どうだった?、あなたの従妹がいるっていうaqoursは」

英玲奈「贔屓するつもりはないが…なかなか面白いよ、彼女達」


ツバサ「へぇ、それは楽しみね。でもお疲れ様、新曲控えてるんでしょ。ここ最近はかわいい従妹のためにずっと奔走してたじゃない」


英玲奈「これは私なりの礼さ、梨子を変えてくれたね。」

ツバサ「そ。別荘は真姫がいて都合がよかったわね。念に関してはどうするの?」


英玲奈「一応ちゃんと手は回しといたよ、でもこればかりは彼女達次第だ。こちらから何かしてやるってことはできないからな。」


ツバサ「舞台は整えた、踊るか踊らないかは君達次第ってところかしら?お手並み拝見て心情かしら、『お姉ちゃん』」くすくす

英玲奈「ツバサ、からかわんでくれ」


ツバサ「あはは、それじゃあ仕事に戻りましょうか」
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/07(日) 14:27:43.85 ID:Ciun1RJbO
ーーー


曜「さて、1日目だよ。何から始めようか」

千歌「やっぱり東京に来たからにはさ、まず神田明神にお参りしに行こうよ」

善子「誰かに遠慮してる余裕がないほど時間がないんじゃなかったの?遊びに来たんじゃないでしょ」

梨子(善子ちゃんはさっきノリノリで探検隊先導してたけどね)

千歌「そうだけど、私たちにとってお決まりみたいなものだし。今日まで向こうでも特訓詰めだったんだし気分転換に行ってみようよ。ここからも近いし」

ーーーーーー
ーーー
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/07(日) 14:29:51.76 ID:Ciun1RJbO
ーー神田明神、男坂


千歌「あれ、誰かいる」

梨子「ほんと?」

ルビィ「…!」

曜「行ってみよー!」ダッ

ルビィ(神田明神…と言えばあの人しかいない…けど)

善子「ま、待ちなさいよ〜」ダッ

善子(…あれ、前来た時はこの階段で悶絶してたけど)はぁ、はぁ

梨子(なんか、体が軽い…!)はぁ、はぁ


ルビィ(まさかね?、英玲奈さんと来て…まさかそんな事ないよ…ないよね?)はぁ、はぁ

ーー


千歌「着いた〜、やっぱ曜ちゃんは速いなあ」はぁ…はぁ…

梨子「ふー。結構楽に登ってこれたわね」はぁ…はぁ…
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/07(日) 14:30:57.00 ID:Ciun1RJbO
千歌「やっぱ来てよかったでしょ。同じ所走ってるとなかなか気付けない事もあるからね」はぁ…はぁ…

善子「走ることになったのは偶然でしょ…!」はぁ…はぁ…


曜「あっ、あなたは!!」


ルビィ「…?!」

ルビィ(まさか、まさか…!!?!)


ーーーー!


ルビィ「うん、やっぱりね」

理亞「…え、なんですか?」
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/07(日) 14:32:45.63 ID:Ciun1RJbO
聖良「こんにちは、aqoursの皆さん」

千歌「セイントスノーのお二人…!」

ーーーーー
ーーー


聖良「皆さんも東京に来ていたんですね。」

梨子「は、はい。私達、こっちで合宿するんです。」

理亞「それは奇遇、私達もです。こちらの方がいろいろ刺激が多いですから」
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/07(日) 14:34:42.27 ID:Ciun1RJbO
聖良「…へぇ」

千歌「…?」


聖良「…あなた達も本気でラブライブを目指す事にしたみたいですね。ふふ、多少はスクールアイドルらしくなったじゃないですか、少し見違えましたよ」

千歌「…」



ーーーーーー

理亞『馬鹿にしないで…!』


理亞『ラブライブは遊びじゃない。あなた達のやっていることはスクールアイドルへの侮辱です…!』

ーーーーーー
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/07(日) 14:36:29.41 ID:Ciun1RJbO
千歌「…そうです、私達はラブライブを本気で目指しています。その為にここに来ました。」

理亞「…ふうん、舐めた考えは捨てたんだ。でも大口叩くのは早すぎませんか、まだオーラも扱えてないように見えますが?」

曜「…やっぱり念の存在を知ってるんだ」


理亞「当たり前でしょう、念は『本気でラブライブを目指す』と言う人なら当然知っていてーー」


理亞「ーー使えるべきものよ」ズズズ

みんな「…!」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/07(日) 15:20:14.86 ID:Ciun1RJbO
聖良「…あのステージで知らないのはあなた方だけでしたよ」

梨子「そんな…」


聖良「当時の私達がマスターしていたのは『練』と『纒』と『絶』。念においては決して高度な技術ではありません。それでも、『念』という存在を知って、オーラを使いこなせて初めて出来るものです。その私達が、あの場で9位でした。言ってる意味、分かりますよね」

みんな「…」
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/07(日) 17:40:25.04 ID:Dhaya1Q10
はよ
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/11(木) 16:59:23.29 ID:F2oUsjvO0
エタってしまったか連休中に書ける内容じゃなかったな
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 16:48:08.75 ID:qHIQrWppo
エタは無しで
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 16:48:40.06 ID:qHIQrWppo
聖良「あなた達がスクールアイドルに真摯に向き合って努力しているのはとても良いことだと思いますよ。私たちも負けてられません。でも、そういう『事実』があるという事は知っておいても良いかと」クス


曜(ほんと私たちは何も知らな過ぎる…。まさに田舎者だよ、未だに『壁』の外側にいる)


理亞「今思えばここに居たのが私達じゃなくて、東條希だったら良かったですよね。μ'sっていう旧世代の輝きだけを追いかけていられたんだから。いや、この場合誰にも会わなかった方が良かったのか」

千歌「…」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 16:50:01.85 ID:qHIQrWppo
聖良「まああの日東京に来たことがあなた達の間違いだったんですよ。現実は、私達スクールアイドルは、甘くない。地元で虚構を追いかけてスクールアイドルごっこするだけなら楽しいだけで済んだでしょう」


千歌「でもそれは、あなた達に言わせればスクールアイドルへの侮辱なんですよね」

理亞「そうよ。勝負する事から逃げて、負ける事からも逃げた人達に、スクールアイドルを名乗って欲しくない」


聖良「だからって負けちゃ何も意味ないですけどね。残念ですが、ラブライブは勝たなくちゃ意味がないんです。今のあなた方がまさにそうですよ。確かに逃げはしなかったかもしれません。でもこのまま行けば十中八九負けます。意地悪を言っているのではありません、ただの事実です。」

千歌(勝たなくちゃ意味がない、か。…確かに)


千歌「その通りですね」
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 16:51:41.36 ID:qHIQrWppo
理亞「…へぇ。『この子馬鹿?』って言う準備もしてたのに結構物分かりいいですね。勝ち負けが全てじゃない、なんて言い出したらほんとどうしようかと思っちゃいました」

千歌「本気でラブライブを目指す、だからここに来たんだって…言いましたよね。私達は勝つためにここに居るんです…!」

理亞「…はぁ、やっぱり話通じてなかったみたい。いいですか。はっきり言いたくは無かったけど、あなた達にラブライブは無理ーー」

聖良「理亞、もういいよ。時間が勿体無い」

理亞「…はい、姉さま」


聖良「ふふ。お互い忙しいですからね、時間は限られていますし。まだオーラも使えないんじゃいくら時間あってもたりないでしょう。それではaqoursの皆さん。健闘を祈ってますよ」

ーーーーーー
ーーー
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 16:53:56.14 ID:qHIQrWppo
善子「なんなのよー!まったく、何でいつもああ突っかかってくるのかしら!」

曜「何か言い返してやりたい所だけどね。でも現状じゃ何も言い返せないよ。今の私たちじゃ何言ってもズレて聞こえるんだと思う」

梨子「…やっぱり凄いね、ラブライブって。上が全然見えない。決してなめているつもりはなかったけど」

千歌「勝ちたい」

みんな「…?」

千歌「でも勝ちたいよ。3年生にも、他のスクールアイドルにも。勝たなくちゃ、ラブライブじゃ意味はないんだ」

曜「…うん、そうだね」

ーーーーー
ーー
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 17:15:21.57 ID:qHIQrWppo
理亞「まったく、身の程をわきまえて欲しいわ。何がラブライブよ」テクテク

聖良「そうだね」テクテク

聖良(残念だよ、aqoursの皆さん。見違えたってのは決して嘘じゃない。あの短期間であそこまで成長するってのはなかなか出来ないことですよ。…でも、あなた達にはあまりに時間が足りない)

希「おっとごめんな」スイ〜

聖良「あっ、いえ」ササッ

理亞「それじゃあ姉さま、今日は何からーー」

聖良「…」


理亞「姉さま?」
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 17:16:58.29 ID:qHIQrWppo
聖良(恐ろしく程よい『絶』。完全にオーラを断つのではなくあくまで一般のレベルに留めて放出している。この微妙で繊細な技術…素晴らしい。これならその後の彼女達の消息があまり明らかになっていない理由も頷けるよ)ゾクゾク

聖良「戻るよ、理亞」

理亞「え?」


聖良(私じゃなきゃ見逃しちゃうね)ニヤリ

ーーーー
ーー
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 20:38:09.05 ID:qHIQrWppo
希「こんにちは。君たちもお参りかな?」

千歌「あ、そうです」

梨子「あはは。そうだった、お参りに来たんだったね私達。すっかり忘れてた。すいません、今済ませます」

希「ふふ、ゆっくりでええよ」



ガラガラペコペコパンパンペコリ


千歌(え〜と、お願いお願い…まずはやっぱり…)

曜(うん。オーラが使えるようになる、だろうね…)

善子(それで念能力も習得できますように、と。その後は3年生戦があるから…)

梨子(その勝負で勝てますようにってのもお願いしなくちゃダメだよね)

ルビィ(そもそもこの合宿が上手くいくかって心配もあるし…うーんなんてお願いしよう)

花丸(あんまり長すぎてもダメな気がするずら)
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 20:41:26.08 ID:qHIQrWppo
千歌(うーん、やっぱり…)


みんな((…ラブライブに出られますように!!))


千歌(これでしょ…!)

梨子(うまいこと全部のお願い組み込めてる…!)

善子(我ながら天才ね…)


ルビィ(あと、願わくばμ'sに会えますように…。なんちゃって)あは

ーーー
ーー
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 21:00:45.26 ID:qHIQrWppo
千歌「どうぞ、お待たせしてすいませんでした!」

希「いーえ、ちゃんとお願い出来たかな?」

千歌「はい!」

希「そう、よかったね」

善子「私のお願い完璧よ、一分の無駄もないの。聞きたい?ねぇ、聞きたい?」

花丸「お願いなんて口にするものじゃないよ、善子ちゃん」

善子「ヨハネよ!別に言うなんていってないじゃない。ちょっとは聞きたがりなさいよ!」

希「あはは、元気ええなあ」チャリーン

千歌「こら、恥ずかしいでしょー?騒がしくてすいません。それじゃあ私たち失礼しますね」

ルビィ(千歌先輩ちょくちょくお姉さんぶるな)くすり

希「はーい」ガラガラ

ーーー
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 21:03:37.55 ID:qHIQrWppo
理亞「姉さま待って!」はぁはぁ

梨子「あれ、セイントスノー?帰ったんじゃなかったの…?」

聖良「…あの」

ドクンドクン…


聖良「はじめまして、μ'sの東條希さんですよね?」

みんな「…え?」
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 21:16:55.09 ID:qHIQrWppo
希「…ブツブツ」

聖良「…あの」

希「…ブツブツ」ぺこぺこ


希「ふぅ。…あれ、ごめんなんか言った?」くるり

聖良(ガクッ)

理亞(ね、姉さまがペースを崩されてる…!)


聖良「あ…すいません、参拝中でしたね。これじゃあ常識のないファンと一緒でした。非礼を詫びます。あの…もしかしたらμ'sの東條希さんじゃないですか」

希「そうですよ」


聖良(嘘ついても無駄ですよ。私の目は誤魔化せないって…え?)
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 21:21:09.16 ID:qHIQrWppo
聖良(なんなの…!自分からオーラを断っておいてあっさり認めるって。今の彼女なら他人の空似で済ませられるのに。それほど絶妙な『絶』なのに…!)

曜「え、嘘だよね…?」

千歌「うん、あの人からは何も『感じない』よ…?」

花丸「勘違いじゃないの…」

ルビィ「し、心臓に悪い…」どきどきどきどき


ザワザワ


理亞「あ、あの、姉さま…本当なの?だってこの人からはオーラがーー」


あっーー!?
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 21:22:34.79 ID:qHIQrWppo
みるみるうちに
そこにいるただの1人の女の人は

ーー「ただの1人の女」ではなくなった


希「初めまして」ズズズズ



希「μ'sの、東條希です♫」あは
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 21:37:23.71 ID:qHIQrWppo

『絶』を解いた瞬間、本来希が持つオーラが彼女の体から溢れ出した

不思議な感覚だ
見た目は何1つ変わらないのに
目の前にいる人が別人に変わっていく


全員が、彼女を東條希だと確信する
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 21:39:33.13 ID:qHIQrWppo
ああ、この感じ
秋葉原で、初めてμ'sを見た時と…
同じだ

千歌「嘘…じゃないの…」


全ての始まりのμ's
あの日秋葉はーーー
ルビィ「ピギィィィィィィッッ!!!!(爆音)」


ルビィ「(失神)」バタン

花丸「ル、ルビィちゃん失神しちゃったずら…」

千歌「…。」

千歌「あはは…」

希「ごめん、少し驚かせすぎちゃったかな…」てへ
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/13(土) 21:42:46.21 ID:qHIQrWppo
μ'sと出会ったことで始まったaqoursの物語

今ここ東京で彼女は再びμ'sと出会いーーー


物語は動き出す



夏休みはまだ、始まったばかりだ
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/14(日) 19:49:20.04 ID:bqqB7Wt50
ーーー
ーー
夏休み1日目、午後、境内


理亞(もう一種の能力ね…。変装も何もしてないのに本人だと気付かれないなんて。私の知ってる『絶』の範疇を超えている。これが第二回ラブライブの都大会でA-RIZEを下したμ’s…!)←A-RIZEファン


花丸「ルビィちゃんもう大丈夫ずら?」

ルビィ「うん…、今日一日でμ’sの希さんとA-RIZEの英玲奈さんに会えるだなんて…。ほんと夢みたいだよ…」

理亞「嘘…、あなた達統堂英玲奈にあったの…?」

曜「ここに来る前にね、ていうか英玲奈さん梨子ちゃんの従姉なんだよ。驚くよね」

梨子「あはは…」

理亞「!!」

理亞「ずるい…」ボソ

ルビィ「…え、何か言いました?」

理亞「何もいってないっ!」プイ
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/14(日) 20:05:30.70 ID:bqqB7Wt50
希(この子たちが英玲奈の言ってたaquorsやね、それでこの子らが…)

聖良「あの…私たちスクールアイドルやっているんです。セイントスノーといいます」

希(…セイントスノーな)


聖良「…突然で大変不躾なのですが、私ちの特訓を見てもらえないでしょうか」
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