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鈴谷秘書艦と新入り不知火
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23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/25(火) 23:13:05.27 ID:axJSiJ3i0
ここまで
やはり夜は頭が回りませんね...
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/25(火) 23:57:47.10 ID:zJPv55c+0
乙です、期待
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/26(水) 21:28:05.53 ID:iNjMMFRW0
再開します
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/26(水) 22:06:30.34 ID:iNjMMFRW0
とにかく磯風に部屋の中へ入れてもらった。
どうやら他の子達は昼食に出ているようだ。
服がハンガーに架かって、壁から壁に縄が張られているところに全て洗濯物のように干されている。
それに、ロッカーには名札がキチンと貼られて誰のものか分かるようにされていた。
不知火「他の人達は昼食?」
磯風「ああ、まだ不知火が来たことも聞かされてないだろう」
部屋に帰ってきたら知らない奴がいるのはかなりおかしなことだ。
ここは1度部屋から出て、帰ってきた頃を見計らい訪れた方がいいのか。
磯風は「私から説明する」と言っているが、それでは私が他人と話すのが苦手と言うレッテルを貼られかねない。
それに、この目付きのせいで第六駆逐の電には涙目になられた。
悩んでいると、ガチャッとドアノブの音がして三哨のメンバーが帰ってきた。
「イッチバーン!!」と叫びながら部屋に入ってきて、後ろのまだ部屋に入っていない子に起こられている。
少し声が大きくてうるさい。
??「あれ、初めて見る子が居る?」
磯風「白露、もう少し静かにできないのか?」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/26(水) 22:28:01.02 ID:iNjMMFRW0
後ろから「そうよ」と声が飛んでくる。
白露はこっちを凝視したまま全く動かず、後ろも心配したのかこちらを覗き込んでくる。
??「知らない奴ね、服を見る限り陽炎型の様だけれど」
私にも彼女の服には見覚えがあった。
小学生の様な服にランドセルの様な艤装、朝潮型の艦娘。
髪を左右両側で結び、花飾りがしてある。
白露「まさか三哨にも新しいメンバーが来るとは、これは明日は雨かな?満潮はどう思う?」
満潮「知らないわよ、どうせ左遷かなんじゃないの?」
まぁ、ある意味間違っていない。
試験で敗れて三哨になったのだ、左遷も同然であろう。
あまり言ってはいけないが、早く活躍しなければ落ちぶれてしまうと私は思っている。
磯風「今日からこの三哨のメンバーになる不知火だ、この部屋で共に住むことになるぞ」
不知火「不知火です、ご指導ご鞭撻、よろしくです」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/26(水) 22:28:35.70 ID:iNjMMFRW0
ここまで、平日は2レスずつ更新するようにします。
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/26(水) 22:31:04.50 ID:kv2vmCodo
おつー
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/27(木) 22:04:19.74 ID:6vvIH/pd0
再開します
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/27(木) 22:25:08.33 ID:6vvIH/pd0
いつもの台詞を言って、二人の前で敬礼をする。
相手は一応先輩、上下関係はちゃんと横須賀で叩き込まれてきた。
もちろん服の畳み方や敬礼の腕の角度、艤装の手入れまで仕込まれている。
満潮「そんなに固い挨拶されても何も嬉しくないわよ。もっと普通にしてくれないかしら」
白露「そうそう!私達は同じ艦隊の仲間だからね!」
どうやら大湊では、上下関係はかなり緩いらしい。
あの司令官の教えだろうか、横須賀と違ってかなりやりにくい。
三哨のメンバーに挨拶を終えると、鎮守府内にアラームが鳴り響いた。
鳴り止むと同時に、隣の部屋が騒がしくなりバタバタと廊下を駆け出していくのが分かった。
不知火「...今のは?」
磯風「一哨の哨戒時間だ。哨戒艦隊は4つあり、一哨、二哨、三哨、四哨がある。2時間毎に交代する決まりだ。それに、駆逐艦の私達にも32号電探が装備されている」
大湊は最も北にある鎮守府だからだろうか、かなり哨戒艦にも装備が潤沢らしい。
じっさい、さっきから白露が32号電探を見せつけてきてかなりうざい。
さっきの演習では特に気にしていなかったが、確かに32号電探が装備されていた。
白露「どう、いいでしょ」
ふふんと胸を張ってこちらにドヤ顔をしてくる。
どこかのバカと同じ鬱陶しさを感じた。
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/27(木) 22:47:04.40 ID:6vvIH/pd0
不知火「でも、駆逐艦に装備させたら電探の数が足りないのでは?」
満潮「あのバカが電探をたくさん開発したの、お陰でどれだけ出撃に駆り出されたか」
白露「いつもなら空母の人達が出る任務も、駆逐艦が駆り出されたからね〜」
空母の代わりに駆逐艦が駆り出されるとは、余程ボーキサイトが枯渇したのだろうか。
いくら資材を節約するとはいえ、駆逐艦を駆り出すとは相当だったのだろう。
横須賀は最も資材が多く搬入されるため、資材が枯渇する何てことは着任してから1度もありはしなかった。
磯風「大湊に異動することになって1年経つが、未だに横須賀が恋しく思う。何より陽炎に会いたい」
白露「磯風が何回も口に出す陽炎って誰?満潮も気になるでしょ?」
満潮「別に誰だって構わないわよ」
不知火「陽炎のことならこの不知火がお答えしましょう」
自慢ではないが陽炎のことなら何でも答えられるかもしれない。
起きる時間や寝る時間、いつもの口癖や行動順序は全部答えられる。
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/27(木) 22:48:06.74 ID:6vvIH/pd0
ここまで、もうちょっと読みやすいように頑張ります
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/28(金) 02:26:05.65 ID:eUhiKTvr0
楽しみにしてる
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/28(金) 07:10:02.32 ID:aZDB2/yLo
おつおつ
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/30(日) 20:05:58.59 ID:z0JoGdxe0
再開、りっく☆じあ〜すしてサボってました。
本当に申し訳ない
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/30(日) 20:24:48.10 ID:z0JoGdxe0
不知火「陽炎は私達陽炎型の長女、戦場ではあまり頼りにはなりませんがとても面倒見が良いのです」
長すぎる説明は色々と文句を言われそうなので、必要最低限のことを説明した。
磯風は何故か苦笑いしていたが、間違いは言っていない筈だ。
磯風「おい不知火、説明が雑すぎるぞ。もう少し詳しくできないのか?」
不知火「ダラダラと説明するよりは簡潔にまとめた方が良いでしょう?」
満潮「そうね、不知火の言う通り。他人の長女の説明を長々と聞かされても退屈なだけだもの、それに興味ないし」
白露「んー、まだ妹の時雨達とは1度も会えてないし...ノーコメントで」
不知火「まだ姉妹艦と会えてないのですか?」
これは驚きだ。確か白露型は10隻全ての艦の艤装が開発完了していると聞いたことがある。
横須賀には夕立と山風が居た。二人とも第二主力艦隊に配属されていた。
誰とも会ったことがないとは...相当縁がないのか...
磯風「私達は確か17人姉妹だったか?今考えればバカみたいに多いな」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/30(日) 20:36:54.64 ID:z0JoGdxe0
不知火「17隻じゃなくて19隻よ。多いのは変わり無いけど」
磯風「2隻ぐらい間違えるさ。それにしてもやはり特型駆逐艦の派生型だから多いのか?」
満潮「そんなこと言ったら私達も特型駆逐艦の派生型になるんじゃないの?知らないけど」
白露「というか吹雪型以降の駆逐艦って全部派生型じゃないの?」
ということは吹雪が私達の一番の長女となるのか?
あんな芋っぽい田舎っ子が私達の長女に?
...あまり考えたくはないが、つまりはそう言うことなのだろう。
...特型駆逐艦は恐ろしい...
満潮「...あんなぼんやりしたのが私達の実の長女?考えられないわね」
白露「なるほど、ならこれから吹雪『お姉ちゃん』って呼ぶ?」
「「「無理」」」
白露「吹雪が聞いたら泣くよ〜?」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/30(日) 20:37:35.92 ID:z0JoGdxe0
ここまで
...特型駆逐艦って恐ろしい...
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/30(日) 20:46:38.65 ID:TULf4jyUo
おう主人公さんのことけなすなや、泣くぞ
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/30(日) 21:17:48.90 ID:qujJvwdjO
ふぶなんとかさんをバカにするなよ
ほらあれだあれ•••とにかくすげえんだぞ
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/11(木) 21:46:27.79 ID:YYp6rLWH0
再開します
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/11(木) 22:07:57.22 ID:YYp6rLWH0
吹雪のことを話しながら、私はカバンから1本のジュースを取り出す。
いつも横須賀で陽炎からもらっていたレモネード、少し甘すぎる様な感じもするが何ら不満の無い味である。
満潮「あんた、そういや横須賀で第一艦隊だったのよね?」
不知火「ええ、そうですが?」
満潮「私の演習相手になりなさい」
不知火「...はい?」
突然の申込みに、一瞬頭が回らなかった。
が、ちゃんと考えればいい話だろう。
今の磯風に私の戦いかたを見せることができる。
不知火「良いですよ、開始時刻は?」
満潮「30分後よ、演習許可書ももらわないとだから」
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/11(木) 22:25:26.23 ID:YYp6rLWH0
そう言って引き出しから1枚の紙を取りだし、『満潮』と『不知火』の名前を書き連ねる。少しばかり文字が崩れ、そこに満潮特有の癖が混じって読みにくい。
白露「別に演習するのは良いと思うけど、誰が審判をやるの?」
満潮「白露に決まってるでしょ、あんたも早く準備しなさい」
白露「えぇ〜...哨戒時間までゆっくりしたいのに〜...」
磯風「なら私は白露の付き添いをしよう。途中で逃げないためにな」
満潮「それじゃ、これをあのグズに出してくるから」
何故か司令官のことを貶すと、少しご機嫌な様子で演習許可書を貰いに紙を持って部屋を出ていった。
よくわからないまま演習の準備をしていると、白露がめんどくさそうにしてゆっくりと立ち上がる。
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/11(木) 22:25:53.66 ID:YYp6rLWH0
ここまで
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/11(木) 22:31:34.34 ID:7MDXBYS7o
おつの
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/14(日) 22:07:32.02 ID:KB0Wrk2h0
再開します
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/14(日) 22:45:23.80 ID:KB0Wrk2h0
白露「めんどくさいなぁ〜...何で旗艦の私がぁ〜...」
旗艦だったのか...と一言余計なことを言いそうだったが、モチベーションを失われてはどうしようもない。心の奥底にしまい、口のなかにレモネードを含む。
磯風「白露、先に行って準備するぞ。海域の波の様子の確認だ」
白露「えぇ...」
磯風が白露の耳を力強く引っ張って部屋から出ていき、中には私一人だけが残された。とにかく体のストレッチで体を柔らかくなるようほぐしておく。
満潮「よし、許可を取れたわ!」
今度は満面の笑顔で部屋に入ってくる。手には青い演習許可書を持っていた。
満潮「あの二人は?」
不知火「先に演習海域へ、海の様子を」
満潮「そう、まあ良いわ。ほら行くわよ」
私も白露と同じように部屋の外へ引っ張り出された。
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/14(日) 23:14:11.47 ID:KB0Wrk2h0
出撃準備室へ連れ込まれ、艤装を装備させられる。かなり強引だったが、まぁ問題はないだろう。
満潮「あんたの艤装って黒潮と同じなのね」
不知火「黒潮がこの大湊に?」
満潮「いや、先週舞鶴の方に飛ばされてたわね。会いたかったら、舞鶴に同じように飛ばされたら?」
不知火「なぜ飛ばされたか分かりますか?」
満潮「知らないわよ。何かバカしでかしたら飛ばされるんじゃないの?」
少しムカッとした。
それが顔にも出たのだろう、それか無意識のうちに殺意が目に現れたのか満潮がギョッとした顔でこっちを見ている。
満潮「そんな怖い顔しなくても良いでしょ、軽い冗談よ」
不知火「...そうですか...」
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/14(日) 23:14:48.03 ID:KB0Wrk2h0
ここまで
51 :
◆rjTgjdij/U
[saga]:2017/05/22(月) 23:40:50.64 ID:VxYSqa0H0
再開します
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/22(月) 23:57:07.66 ID:VxYSqa0H0
艤装を身に付け、海へと出る。
さっき使ったばかりの艤装は整備が終わってはいないが、大きなダメージを受けたわけではないので一戦ぐらいはどうと言うことはないだろう。
急く気持ちを抑え、指定の位置まで来ると白露の合図が鳴るまで待機する。
磯風『不知火、聞こえるか?』
無線から磯風の声、海上で彼女の声を聞くと選抜試験のことを思い出す。
それに、穏やかな海と肌を撫でるような風はまるで初めて艦娘として海へと漕ぎ出た時のよう。
不知火「ええ、ちゃんと聞こえてるわ。相手はもう準備できたのかしら?」
磯風『そう急くんじゃない。開始はあと一分後だ、それまでちゃんと戦いかたを考えておけよ。満潮はああ見えて、敵を嵌めたりするのが得意だからな』
どうやら一筋縄ではいかなさそうだ。
確実な勝利のためにはどのような戦法でも取ると言うことだろうか。
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/23(火) 00:07:33.08 ID:3Pup+Lj/0
磯風『さてはて、個人的にこの試合は満潮が勝つと私は踏んでいる』
不知火「私が負けるとでも?」
磯風『残念だが、そう私は踏んでいる』
不知火「一応、理由を聞かせてもらいましょうか」
磯風『何、単にこの鎮守府に来てからの日数が違うというだけさ』
よく分からなかった。が、今の私の実力を侮られているのは分かる。
ならば、この演習で勝って見せつけてやろう。
私の実力を!
磯風『と、そろそろ始まるぞ。まぁ、今の不知火の実力を満潮に見せつけてやれ』
白露『それじゃいっくよー!空砲、ってー!』
演習の開始の空砲が海域全体に鳴り響いた。
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/23(火) 00:08:00.97 ID:3Pup+Lj/0
次回更新で戦闘シーンあります
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/23(火) 14:15:52.80 ID:l3MF2ZX2o
おつ
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/27(土) 16:39:49.49 ID:cky1MVbw0
再開します
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/27(土) 17:24:08.35 ID:cky1MVbw0
演習開始と同時に、一気に最大戦速まで上げ距離を詰める。さっきと同じ方法だ。駆逐艦は距離を詰め、接近戦へと持ち込んだ方が早い。
どうやら、満潮も私と同じことを考えているようだ。向こうも最大戦速でこちらに迫ってくる。
ならばチキンレースと洒落込もう、どちらが先に航路を変えるか。
お互い全く速度を落とさない。航路も変える気もない。そのまま二人とも目標に向かって進み続ける。
不知火「(来なさい...そのまま...!)」
全く速度を落とさなかった二人は、真っ向からぶつかり金属の甲高い音と大きな水柱が立った。
白露「うわわ!ぶつかったよ!?」
磯風「あれは始末書を書くはめになるな、まあ良いんじゃないか?」
当の二人は、主砲同士をぶつけ睨み合っていた。間に入れば目力だけで殺されてしまいそうなほどである。
満潮「よく逃げなかったわね...!」
不知火「貴女こそ...!」
左腕にサイドアームについている砲を付けると、そのまま満潮の頭に向かって放つ。
すぐに顔を動かされ避けられたかと思うと、右足の膝蹴りが腹部にめり込む。
一瞬、意識が消えそうになるが舌を噛んで何とか堪え、左足で満潮の体と距離を離す。
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/27(土) 18:16:50.53 ID:cky1MVbw0
再び主砲を向け、3発ほど砲撃し2発は外れたが1発は左肩に命中する。演習弾だからそこまで威力はないが、まともに当たれば最悪骨が折れるだろう。
満潮は痛そうに左肩を押さえているが、少し嫌な顔をしただけでこちらへ砲弾を放ってくる。
1発は右肩、2発目は右脇腹、3発目は左膝、4発目は鳩尾に。一発たりとも外れることはなかった。
不知火「うっ...!?ゲホッゲホッ!」
あまりの痛みと気持ち悪さで膝をついてしまう。
負けてたまるかと気合いだけで再び立ち上がり、魚雷を放ち対空機銃で目眩ましをする。
せめて目を潰せればと思うが、掠りさえもしなかった。
満潮「鈍いわね。それでよく横須賀の主力艦隊に居られたわ、その様子じゃ他の陽炎型もただの雑魚みたいね」
ブチッと不知火の頭の中で何かが千切れたような音が響き、目の前が真っ赤になってそこにいる女を殺そうという考えだけで頭の中が染まっていく。
不知火「殺してやる...絶対に...!」
さっきまでの痛みは完全に引き、狂ったかのように満潮に突進する。
満潮「ふん、いい加減諦めなさいよ!」
満潮が全弾命中させ、勝利を確信した。
が、それは間違いだったと不知火の姿を見て思い知った。
磯風「っ!白露!今すぐ不知火を止めるぞ!」
白露「えっ、ほえっ!?」
不知火は満潮を飛びかかり首を掴んで目一杯力を込める。爪が肌に食い込み、血が溢れ出す。
満潮「ぐっ...かはっ...!」
磯風「不知火!止めろ!!」
磯風と白露が不知火を羽交い締めにして満潮から引き剥がす。歯を剥き出しにし、唸り声を上げる不知火の姿はまるで獣の様だった。
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/27(土) 18:17:18.56 ID:cky1MVbw0
ここまで
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 21:38:01.15 ID:dbqydIOo0
某小説の印象も有るが不知火は陽炎馬鹿にされるの本当で怒りそうだもんなあ
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/04(日) 21:57:34.47 ID:T6FUXb890
再開します。
個人的には陽炎と不知火のカップル大好きです。
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/04(日) 22:13:21.80 ID:T6FUXb890
磯風「落ち着け不知火!私だ!」
磯風と白露に引き剥がされた不知火は、自我が戻ってきたのか唸り声が止まり剥き出しにしていた歯もいつの間にかいつもの状態に戻っている。
満潮「ゲホッゲホッ…!!」
首を絞めていた手は離れ、ダランと力なく垂れた。
不知火「…磯風?」
磯風「ふぅ、一段落ついたな」
白露「はひぃ〜…不知火怖ぁ〜」
不知火から解放された満潮は何度も咳き込み、目からは涙が出ている。不知火は悟った、自分が何をしたのかを。
満潮「…ったく、いきなり首を絞めることは無いでしょ…」
不知火「…すみません」
深々と頭を下げ、誠心誠意を込めて自らのした過ちを謝る。おそらく磯風が止めなければそのまま絞め殺していただろう。
満潮「いいわよ、元は私があんたを煽ったりしたからだから」
お互い蟠りが出来ずに済んだことは本当に良かったと思う。まぁ、それよりも嫌なものが出来てしまったが…
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/04(日) 22:44:34.23 ID:T6FUXb890
鈴谷「良い友情かな〜」
磯風「ひ、秘書艦殿!?」
どこからともなくいきなり現れた秘書艦に驚きつつも、すぐに立ち上がり敬礼をする。本人は堅苦しい敬礼を嫌っているようだが、仮にも軍人の私たちは最低限の規律は守らなければいけない。
鈴谷「さっきの演習勝手に見てたのは先に謝っとくね。それで、不知火」
不知火「はい」
鈴谷「鈴谷が来た理由、分かるよね?」
分かっている。私の爪に付いた血と皮、自分で首を絞めていたことを示しているかのような証拠が残っている。
満潮「待ってください!」
満潮が割って入り、先程の弁明を始めた。
満潮「確かに不知火は私の首を絞めました。ですがその原因は彼女を煽ったことにあります!せめて、私にも同じような罰を!」
鈴谷「んー、そだねぇ。なら二人には1週間昼の1時から3時まで廊下の掃除をしてもらおっか」
不知火「…そのような罰で良いのですか?」
鈴谷「もっとキツイ方が良い?」
不知火「い、いえ!」
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/04(日) 22:45:01.89 ID:T6FUXb890
ここまで
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/04(日) 23:20:19.24 ID:YtDr9KnPo
おつー
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/05(月) 20:20:28.59 ID:/0ip/e0o0
再開します
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/05(月) 21:21:10.66 ID:/0ip/e0o0
鈴谷「んじゃ、適当に切り上げて鎮守府に戻ってきてね〜」
笑顔で私たちに手を振って鎮守府に戻っていく。だが、誰がどう見ても目が笑っていなかった。 あれは怒らせたらいけない人だ。
不知火「…目をそらせばやられてました」
磯風「ここの秘書艦は見かけによらずかなり怖い。怒らせるようなことはするなよ?」
不知火「肝に命じておきます」
白露「帰ろ帰ろ♪ここにいてもしょうがないし、次の哨戒の時間までゆっくりしたいし」
私達は鎮守府への帰路についた。
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/05(月) 21:27:34.74 ID:/0ip/e0o0
〜〜執務室〜〜
鈴谷「たっだいま〜」
提督「お帰りなさい、視察はどうだった?」
鈴谷「問題なしだね、でも不知火のことだけ気にかけといて」
提督「というと?」
鈴谷「あの子から昔の私の匂いがする」
提督「確かに、それは要注意人物ね」
鈴谷「ちょ、ひどくなーい!?」
提督「ふふ、冗談冗談。それじゃ、書類手伝って」
鈴谷「はいはい」
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/05(月) 21:28:04.26 ID:/0ip/e0o0
ここまで
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/05(月) 21:41:24.85 ID:rSC0haBBo
おつ
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/18(日) 07:55:21.67 ID:6Ph0jqso0
再開します
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/18(日) 08:36:59.52 ID:6Ph0jqso0
部屋に帰ってきた四人は哨戒の時間まで、それぞれのベッドでくつろぐことにする。が、さっきのことがあったせいか、全然落ち着けない。
白露「あぁ〜、疲れたぁ〜…」
磯風「白露、そんなに疲れたのなら寝ろ。まだ哨戒まで仮眠できるぐらいの時間はある」
白露「ん、お休み〜」
数分も経たない内に白露の寝息が聞こえ始めた。流石に早すぎるだろうと思ったが、旗艦の仕事はそんなに忙しいのか。
満潮「全く、全然仕事しないくせに寝ることだけは一人前なのね。なんて白露が旗艦なのかしら、それなら磯風がやった方が良かったじゃない」
…どうやらダメみたいだ。
磯風「そう言えば白露が戦うところはまだ見れてないな。旗艦になるくらいだ、それぐらい強いんだろう 」
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/18(日) 09:09:59.90 ID:6Ph0jqso0
不知火「なるほど、この辺りには深海棲艦そんなに出てこないのね」
磯風「そうだな、あんまり出てこない。というより横須賀に獲物を横取りされてるからな。こっちにはほとんど出てこない」
聞いていて少し胸が痛くなった。同時に納得もいった、横須賀の担当範囲の広さに。横須賀は太平洋側ほぼ全域、北側と南側まで手を回していたため大規模作戦の時の艦娘の疲労もすごいことになっていた。
満潮「あんたたちもいい加減寝なさいよ。哨戒で倒れても知らないわよ」
磯風「そうだな。少し寝るとしよう」
部屋の電気を消し、窓のカーテンも閉めて部屋の中を暗くする。この部屋だけ夜が来たみたいだ。
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/18(日) 09:12:01.71 ID:6Ph0jqso0
ここまで、また夜にでも
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/18(日) 11:00:13.51 ID:w14PiTy1o
おつ
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/18(日) 22:03:46.72 ID:6Ph0jqso0
再開します
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/19(月) 01:26:10.32 ID:0gr6VPxc0
次に私が目を覚ましたのは二哨の抜錨サイレンだった。一哨の時と同じように廊下からドタドタと走る音が聞こえてくる。
不知火「…目が覚めました…」
磯風「奇遇だな、私もだ。あんなに騒がしくて寝ていられるわけ無い。ただ…」
白露「……zzZ」
満潮「朝潮お姉ちゃん…」
二人はまだ寝ている。白露は寝息として、満潮は何やら寝言をいってるようだ。
磯風「あの二人は違うようだ。どうだ不知火、久しぶりに走り込みでもしないか?」
不知火「ええいいわよ」
ベッドから起き上がり外出の用意をし、運動靴を取り出す。荷物からジャージを取り出し走る前に軽い準備運動をする。
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/19(月) 01:41:52.29 ID:0gr6VPxc0
部屋を出、軽く外周を走ることにした。とは言え、鎮守府の外周ともなると一周だけでかなりの距離があり、トレーニングにはちょうどいい。
磯風「ふふっ、横須賀じゃ立ち入り禁止区域が多かったからあまり広々と使えなかったが、大湊ならほとんど無い。存分に走れるぞ♪」
不知火「良いわね、なら今から一時間走り続けましょうか」
磯風「上等だ」
走り出していく二人の姿を鈴谷はバッチリと見ていた。まるでストーカーだとでも言われそうなものだが、今の彼女には不知火を見張る義務がある。なにか仕出かさないように。
鈴谷「ふむふむ、仲間関係は大丈夫と。なら後はチームワークだね」
評価を用紙に書いていき、最後に一言コメントを書いておく。
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/19(月) 01:42:23.61 ID:0gr6VPxc0
ここまで
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/19(月) 01:47:16.26 ID:AHSucFuDo
おつ
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/06(木) 21:04:07.84 ID:ai9sm9+D0
再開します
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/06(木) 21:35:25.27 ID:ai9sm9+D0
走り終え、結構疲れた。寒かったからそこまで汗はあまり出なかったが、それでも暖まった体が気温で徐々に冷えていく。
磯風「戻ろう、そろそろ準備だ」
不知火「もうそんな時間…早く戻りましょう」
駆け足で寮の中に入って部屋に向かう。今は何時何分かは分からないが、早く支度をした方が安心できる。一応は1時間走るつもりだったが、走り終えた時の時間はわからない。
白露「お帰り〜どこ行ってたの?」
私たちが部屋に帰ってきたら既に二人は起きていた。どうやら身支度をしているようで、ポケットの中にゴソゴソと飴を入れている。
不知火「走っていました、それよりもなぜ飴をポケットに?」
白露「ほら、旗艦は頭使うし道中での糖分回復ってことで」
1つ口の中に入れて転がし甘さを楽しんでいる。
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/06(木) 21:48:16.69 ID:ai9sm9+D0
満潮「ここの旗艦はいつも飴を持っていっているのよ。呆れたでしょ」
呆れたというよりは、飴をなめている余裕があるかと思った。戦闘中は砲雷撃戦だけに集中しているので、飴なんてなめていたことなんてない。
白露「いいじゃん、しょっぱい風に当てられて甘いのが恋しくなるもん。そうだ、不知火にも1個あげる」
イチゴ味をもらった。イチゴよりもブドウの方が好きだが、もらったものに文句は言えない。
不知火「ありがたくもらっておきます」
白露「さってと、先にいって待ってるね。まだちょっと眠いから向こうで寝てる〜」
磯風「なら、私たちがそっちにいったら叩き起こしてやる」
白露「あはは〜、それは勘弁願いたいね〜」
やたら言葉が伸びている。本当に眠そうだ、でも向こうで思いっきり爆睡されるのも迷惑だ。
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/06(木) 21:48:52.07 ID:ai9sm9+D0
ここまで
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/06(木) 23:43:28.45 ID:PSpktr89o
おつ
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/07(金) 01:41:23.70 ID:cODml7wQ0
白露ちゃん可愛いのう
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/14(金) 21:06:24.04 ID:z+Nj8wdu0
再開します
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/14(金) 21:50:46.34 ID:z+Nj8wdu0
磯風「あれが私たちの旗艦だからな。だが、安心しろ、やるときはやる」
不知火「そうじゃなければ、旗艦にはなってないでしょう」
旗艦になるには相応の指揮能力と、判断力、そして戦闘力が必要となってくる。白露にはそんな能力があるようには思えない。
満潮「ほら、白露が寝る前に早く行くわよ。本当に寝かねないわ」
磯風「それもそうだ。不知火、早く行こう」
不知火「はい」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/14(金) 22:16:48.75 ID:z+Nj8wdu0
足早に出撃準備室に向かう。そんなに時間は経っていない筈だが、到着するとロッカーを背にして寝言をいっていた」
白露「飴がいっぱいだぁ…」
満潮「本当に寝てんじゃないわよ!!」
白露「あいだぁ!?」
満潮がキツ目のげんこつを頭に食らわせる。ゴッと鈍い音が響いた。
白露「っ〜!そんな強く殴らなくてもよくない!?」
満潮「準備室で本当に寝るバカがどこに居るのよ!!」
白露「ここにいるよ!!」
自慢気に自分に指を指してドヤ顔している。イラッとしたのか、今度は腹部に重い一撃をくらわせた。
白露「ぐふっ…さ、流石満潮…重い一撃…!」
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/14(金) 22:17:21.01 ID:z+Nj8wdu0
ここまで
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/14(金) 22:40:20.68 ID:4uhoKvZ7o
おつです
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/20(木) 17:26:05.89 ID:bcwVCSv20
再開します
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/20(木) 18:14:40.02 ID:bcwVCSv20
お腹を押さえて床にうずくまる。満潮がため息をつきながら、ロッカーを開け艤装の準備をし始める。磯風もまるで何もなかったかのように、ロッカーに向かっていく。三哨ではいつもの事なのだろうか。
疑問に思いながらも、面倒なことに巻き込まれるのは嫌なのでさっさと準備を始めることにする。
磯風「不知火も白露の扱いになれてきたな」
不知火「扱いというか放置でしょ?」
磯風「そうだな、まぁうちの旗艦は基本あんな感じだから気にすることはない。寧ろ…そらっ!」
白露「ひぎぃ!?」
横腹を蹴られて更にうずくまる。流石にやりすぎなのではと思ったが、その顔は赤くなり息は荒くなっていた。…まさかのドMでしたか
不知火「えぇ…?」
磯風「見ての通りだ。本当にこれが三哨の旗艦だと思うと恥ずかしくなる」
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/20(木) 18:51:39.33 ID:bcwVCSv20
白露「ふ、ふふ…妹達には見せられない醜態…良いね…!」
満潮「バカ言ってる暇があったらさっさと準備しなさいよ!」
横ではいろいろゴチャゴチャしてるが、気にせずに早く準備をしよう。構っていては、哨戒に支障が出る。…どうやら私はとんでもない部隊に配属されたようだ。でも、1つ分かったことがある。
不知火「頭を殴れるのは嫌なのにお腹は良いんですか…」
磯風「知らん、謎のこだわりがあるようだ」
腰に艤装を着け、サイドアームと主砲がちゃんと動くかを確認する。只でさえ海にいる私たちには錆は天敵である。そんなことをしていると、鎮守府内にアラームが響き渡った。
満潮「ほら、交代の時間よ。行くわよ、ダメ旗艦」
白露「よっし!第三鎮守府正面海域哨戒艦隊、抜錨します!!」
海に飛び出して行く。今日の海は凪いでいる。雲もほとんどなし、まさに晴天。絶好の哨戒日和である。
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/20(木) 18:52:13.90 ID:bcwVCSv20
ここまで
白露可愛い、愛でたい。
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 21:09:50.27 ID:CRnpKx7zo
おつおつ
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/21(金) 02:01:37.80 ID:HiUgtInE0
白露ちゃんアーケードで愛で過ぎてリアルマネー溶け過ぎィ!!
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/21(金) 19:09:46.49 ID:pUIJdP82O
再開します
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/21(金) 20:08:12.52 ID:pUIJdP82O
数分、海を走ると前方から二哨のメンバーが帰ってくる。何度か戦闘があったのか、各々の艤装がボロボロになっている。
霞「ほら、交代よ。ったく、今日は運が悪いわ」
白露「ちょちょ、何かあったの?」
霞「やたら深海棲艦の斥候が多かったの。おかげで燃料も弾薬もカツカツよ」
白露「まぁ、交代だから休んでなよ」
霞「ええ、そうするわ。二哨は鎮守府に帰投!後は三哨に任せるわよ!」
疲れきった二哨のメンバーはフラフラの体で鎮守府へと帰っていく。
磯風「今日は会敵が多そうだ。不知火、初出撃は忙しそうだぞ」
不知火「構わないわ、沈められるだけ沈めるのみよ」
磯風「ははっ、その通りだ」
主砲に弾を込める。魚雷もいつでも撃てるようにし、電探を使い索敵を密にする。
白露「全員、第四戦速。もしかしたら深海棲艦が二哨を追って来てるかもしれないから、砲雷撃戦の準備してね」
満潮「はいはい、一隻たりとも見逃すんじゃないわよ」
未だ海は凪いでいる。電探に反応は無し、目視でも敵影は確認できない。
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/21(金) 20:46:10.83 ID:WgyCr0060
白露「あっ、飴が無くなった。二個目食べちゃお」
満潮「ちょっと待って、さっきまで真面目にやってたのにもう切れたの?」
白露「んー、何か口に含んでないとやってられないんだよねぇ」
さっきまで真面目だったのが台無しである。まぁ、さっきの白露の言っていたことは正しく、電探に12隻の深海棲艦連合艦隊が写った。
白露「12隻?ちょっと多いなぁ、皆やれる?」
磯風「この中に戦艦がいるとして、ちゃんと魚雷が当たれば十分やれるな」
満潮「追っ払うだけなんだから、さっさと済ませるわよ」
磯風「不知火、いけるか?」
不知火「ええ、いつでも」
だんだんと敵艦隊との距離が縮まって、目視でも確認できるほどまでには近づいている。
白露「まぁ、ちゃちゃっとやっちゃおっか。全員突撃!」
「「「了解!!」」」
一気に速度を上げ、魚雷発射管を敵艦隊に向けた。
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/21(金) 20:46:49.65 ID:WgyCr0060
次回戦闘回です。
多分上手く書けないとは思いますが、出来るだけ頑張ります
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/23(日) 00:07:58.60 ID:26EPacpCo
おつ
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/27(木) 09:31:14.30 ID:/WeuBqIi0
再開します
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/27(木) 16:43:53.61 ID:/WeuBqIi0
駆逐艦は接近して魚雷を叩き込むのが本懐、それにそもそも接近しないと主砲が届かない。どうやら向こうの射程範囲に入ったようだ、まだ米粒程の大きさの敵艦から幾つかの光が一瞬輝いて消えた。
白露「回避行動!」
私たちの周りに大きな水柱がたった。大きな波で体のバランスを崩され狙いがよく定まらない。無理にでも前へ進み距離を詰める。
白露「魚雷良い!?撃って撃って!」
酸素魚雷が敵に向かって跡も残さず進んでいく。当たれば万々歳、当たらなくても牽制にはなるだろう。そろそろ主砲が届く距離にまで近づく。
白露「砲戦用意!目標敵護衛駆逐艦!撃てー!」
私の主砲が火を吹いた。最大限まで改装・改造された私の艤装、駆逐艦も沈めるのなんて容易かった。
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/27(木) 17:10:22.45 ID:/WeuBqIi0
放たれた私の砲弾は見事敵の弾薬庫に命中し爆発して沈んでいった。白露たちの砲弾も命中した様だ。合わせて4隻が沈んでいく。相手もやられているだけではない、こちらを沈めようと砲弾が飛んでくる。
私たちは何てことなく全弾回避した。戦艦からの副砲が鬱陶しいが、先程放った酸素魚雷が戦艦に命中し、火の塊となって沈んでいった。
白露「敵戦艦撃沈!残党狩りだよ!」
軽巡も中には居たが、私たちの一斉射で沈んでいった。エリートやフラグシップではないから、沈めるのなんて容易かった。まさに弱いものいじめだった。残りの駆逐艦を沈め戦闘はたった2分で終わってしまった。
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/27(木) 17:10:53.51 ID:/WeuBqIi0
途中用事て一度抜けました。
申し訳ありません。
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/28(金) 09:29:33.79 ID:mdECTN6Eo
おつ
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/06(日) 12:12:47.75 ID:UIJCQroE0
再開します
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/06(日) 13:07:56.97 ID:UIJCQroE0
再び哨戒に戻る。突然右腕に軽い痛みを感じ左手で軽く擦ると少し大きな鉄の破片が刺さっている。引き抜くと血がダラダラと垂れるが、痛みは艤装のお陰かそれほどなかった。おそらく先程の砲弾の破片が飛んできたのだろう、これくらいいつもの事だと割り切る。
磯風「不知火、何をやっている?」
声をかけられ前を向くと三人の姿が少し小さくなる位距離が離れていた。傷に意識が向いて速度が落ちていた様だ。速度を上げて三人の元へ追い付くが、傷口を押さえていた手袋が血に染まっていた。
磯風「おい、出血してるじゃないか。大丈夫か?」
不知火「これくらい何ともないわ。それに傷口ならそろそろ閉じるわ」
艤装の効力でさっきの傷はほとんど閉じている。出血も止まりこれ以上傷口を押さえ続ける必要はない。左手を自由にし、哨戒を続ける。
白露「まぁその傷ぐらいなら大丈夫だね。ならもう少し遠くの方まで行こっか」
海図と羅針盤を使って航路を決める。少しずつ鎮守府から離れているのか、これまでの航路で分かった。
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/06(日) 14:01:36.10 ID:UIJCQroE0
特に何事もなく私たちは海を走り続けた。戦闘があった事が嘘のように海は静まり返っている。これからまた少し経って、三哨のメンバー全員に無線が入った。
提督『あーあー、三哨の皆。聞こえてる?』
満潮「ええ、ちゃんと聞こえてるわ。さっさと言ってくれないかしら、こっちも暇じゃないのよ」
無線の向こうでゴホンと咳払いをするのがわかる。
提督『さっき鎮守府に来るはずの輸送船団から連絡が来てね。そこから東に10q程ね。申し訳ないんだけどそっちの方に行ってくれないかしら。どうやら羅針盤が狂ったらしいわ』
羅針盤が狂う。深海棲艦出現してから海自体の磁場や海流がおかしくなった。それによって羅針盤がおかしな方向へ向いたりその場で回り始め、加えて海流の突然な変化によってどこか別の海域に向かってしまうことを羅針盤が狂うと言う。
白露「あちゃー、狂っちゃったか〜。ならしょうがないね」
提督『それに、その輸送船が向かった先の海域は深海棲艦がよく出る海域なの』
磯風「分かった。旗艦。早く向かうぞ」
白露「んじゃ、出発!」
予定していた航路を変更し、東へ向かうことにする。
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/06(日) 14:02:11.35 ID:UIJCQroE0
ここまで
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/06(日) 14:59:57.15 ID:IaF1yaS8o
乙
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/16(水) 01:15:35.07 ID:zyMsQChx0
再開します
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/16(水) 02:14:51.37 ID:zyMsQChx0
海の上を走り続けて5分、輸送船団の反応が電探に写る。冷たい海風を顔で感じながら更に海を走り続けて、輸送船団の旗艦へ連絡をとる。それは、白露の仕事なので、私たちは辺りの警戒をしていよう。
白露「んじゃ、ちょっとみんな黙っててね。さてとっ…『あー、あー、こちら大湊鎮守府所属、第三鎮守府正面海域哨戒艦隊、旗艦白露。前方の輸送艦隊応答せよ』」
『こちら大湊行き輸送船団、艦娘か助かったよ。それと、そんなに堅苦しくなくて良いぞ』
白露「『いえいえ、こちらも軍人なのでそうはいきません。とにかく大湊鎮守府まで護衛しますから、少し遠回りをして大湊まで行きましょう』ということで、ちょっとだけ危ないから守ってね?」
満潮「はいはい、旗艦の考えに従うわ。そこの二人もそうよね?」
磯風「かまわない」
不知火「右に同じ」
白露「んじゃ、まずは船団と合流するからね」
第三戦速に変え船団へと近づく。空は雲行きが怪しくなり始め、雨が降るかと思っていたが代わりに雪が降ってきた。
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/16(水) 03:19:55.23 ID:zyMsQChx0
白露「あちゃー、雪降ってきたかぁ〜。不知火は知らないかもだけど、この辺りの海域って雪が降り始めると狙ったかのように霧が出て来るんだよねぇ」
磯風「それに合わせて面倒なことに霧が出てくると深海棲艦の動きが活発になってな、やたら接近戦を仕掛けてくるから厄介なことこの上ない」
不知火「そう、鎮守府から応援を頼むので?」
白露「うーん、一応頼んどこうか。四哨にでも来てもらおうか」
白露が鎮守府と無線を飛ばし、念のために応援をお願いしている。だんだんと海には霧が立ち込め始めいき、30メートル先さえ見えなくなってきた。
不知火「…本当に霧が濃い。はぐれないように…」
羅針盤を見ながら航路を合わせる、はぐれないようにと考えてゆっくりとついていった…筈だった。
磯風「おい、満潮。面白いことを教えてやろう」
満潮「何よ」
磯風「実はな、不知火はビックリするぐらいの方向音痴なんだ。電車の乗り場を教えてもなぜか反対方面に行き、歩けば歩くほど目的地から離れる。流石に建物の中や何度も行ったことのある場所なら、迷子にならないんだがな」
満潮「ちょっと待ちなさい、ならあいつどうやって大湊まで来たの?」
磯風「おおかた、横須賀の司令官に車でも手配してもらったんだろう」
満潮「んで、その不知火はどこ?」
磯風は周りを見回すがどこにもいない。とにかく、視認できる範囲には居なさそうだ。
磯風「…」
満潮「…嘘でしょ」
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/16(水) 03:20:41.43 ID:zyMsQChx0
ここまで、おっちょこちょいの不知火っていいと思うんですよ。
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 03:27:27.89 ID:mfd+qoFEo
乙
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 04:21:05.67 ID:LCUvS/smO
乙です。
まぁ落ち知火だからな。
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 06:24:10.33 ID:tQ7AP3EU0
そう考えるとそういう属性落とし込んだ親潮ちゃんて結構ポテンシャル高いのかも…
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 09:39:49.15 ID:OYrER5Kxo
おつ
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/22(火) 22:09:10.09 ID:JU0n3XVZ0
再開します
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/22(火) 22:47:39.86 ID:ea+IN/Seo
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