鈴谷秘書艦と新入り不知火

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 08:06:50.04 ID:oFzetbDSO
地の文ありです。
読みにくいかもしれませんが、それでもよければ見てください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1492902410
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 08:46:54.21 ID:3KBfXzZr0
ようやく着いた、横須賀から大湊まで車で1日かけて私は今大湊鎮守府の前に居る。横須賀よりは規模は小さいが、練度は全鎮守府の中で最も高いと言われている大湊。特に、秘書艦をしている航空巡洋艦の『鈴谷』と言う方はその中でもずば抜けていると言う噂を聞いた。とても緊張する、どのような厳しい方なのか、そしてどのような訓練をしているのかとても気になる。


門の守衛に身分証を見せ敷地の中に入っていく。今は午後1時、丁度昼食時なのだろうか外には誰も居ない。が、建物の中からは賑やかな声が聞こえてくる。訓練と休み時間はキチンと分けているのだろう、ますます訓練の内容が気になってきた。


??「おっ、ねぇ君が新入りの艦娘だよね?確か〜...不知火だった?」


後ろから私の名前を呼ぶ声が聞こえた。振り向くと、そこにはセーターに上着を羽織った翡翠色の長髪の女性。左手にはケッコンカッコカリの指輪が付いている。とてもニコニコしてこちらを見ている、あまり厳しそうではないことから秘書艦では無いと思った。が、それはすぐに否定されることになる。


鈴谷「私は秘書艦の航空巡洋艦または攻撃型軽空母の『鈴谷』、よろしくね」


このようなのほほんとした人が秘書艦だとは思わなかった。最も厳しくキリッとした方だと、思っていた為物凄い騙された気分だ。


不知火「あの、私は貴女が最も強い艦娘だと聞いたのですが」


鈴谷「あはは、ないない。そんなことあったらこの鎮守府はもう潰れてるって」


私の言葉を聞くと、笑われて軽く否定される。確かに陽炎から聞いた出所不明の噂話、信憑性はかなり低い。所詮は噂話かと思い、切り替えていくことにした。


鈴谷「んじゃま、提督のとこに行こっか。執務室に案内するよ」


不知火「はい、お願いします」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 09:08:06.35 ID:3KBfXzZr0
案内されるがまま建物の中に入っていく。3階にあるらしく、階段を登っていく。さっさと登り挨拶をして射撃訓練でもしたい。1日も車で座っていたら体が鈍ってしまいそうで怖かった。


鈴谷「はい、ここが提督の執務室。あんまり綺麗じゃないけどまぁ執務室ってことで、ね?」


不知火「は、はぁ...」


秘書艦がノックをするとかなり高い声が聞こえてくる。まさかと思ったが、そのまさかだった。中に入ると、机に書類が山のように積み上がっている。高さから見て1メートル50くらい、これは一人で処理しきれる量なのだろうか。 それに、床にも何個か書類の束が落ちている。山の横から提督と思われる方が一人、そして女性である。


不知火「不知火です。ご指導、ご鞭撻、よろしくです」


提督「あ、君が不知火ね。横須賀のバカから聞いてるわ。最近は襲撃も無いし自由にやってるから、特に厳しい訓練とかもないわよ」


心の中を見透かされた様な言葉が飛んできた。とはいえ、練度が最も高いのは間違いないはず。もう少し聞きたい。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 09:10:08.52 ID:dc/pSjc8O
ここまで
ゆっくりと書いてくつもりです
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/23(日) 09:11:27.29 ID:az5zU3Ijo
おつ
きたい
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/23(日) 10:05:37.81 ID:Sjjz4zClo
あれやね
長文書かれることはいいんだけど

もうちょい間開けてくれ
なんかものっそい読みにくい
できたらでいいけど頼む 乙
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 12:53:49.51 ID:3KBfXzZr0
昼食食べたので再開します
間を空けて欲しいとの指摘があったので、文に出来るだけ間を入れていこうと思います。
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 13:25:23.61 ID:3KBfXzZr0
提督「あ、そうそう。鈴谷、ちょっとこの子のテストをしてきてくれないかしら、どこの艦隊に入れるか考えないといけないから」


鈴谷「ん、軽母か航巡、どっち?」


提督「航巡でお願い」


今思えば、軽空母か航巡、その時に応じて艦種を変えられるのはとても便利だろう。
それに、第二改装の航巡は横須賀に居た利根と筑摩が居た。
最近開発されたばかりの航空巡洋艦『鈴谷』の第二改装の性能、あの二人と比べてみようと思う。


鈴谷「あ、そうだ。不知火だったよね」


不知火「はい、何かしてしまいましたか?」


鈴谷「違う違う、ちょっと固すぎ、もうちょっとやわらかくでいいのに」


と言われても、元からこの固い表情はどうしようもない。
陽炎にも何度も言われ続けた。


出撃準備室に向かうと、先に送られていた艤装が並べられている。
私個人のロッカーの様な設備、この辺りは横須賀の方が進んでいた。


鈴谷「不知火は前どの艦隊に居たの?」


不知火「これでも横須賀の第一主力艦隊に所属していました」


そう、何を隠そう私は横須賀の最前線艦隊、通称『殴り込み』に居た。
突然現れた敵艦隊にも真っ先に突っ込み撃滅する。
自分でも言うのも何だが、陽炎型の中でも最も強いと思う。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 13:50:41.96 ID:3KBfXzZr0
鈴谷「そっかー、それじゃあこの鎮守府でも第一艦隊になれるね〜」


もちろんこの鎮守府でも第一艦隊の座を狙いにいくつもりでいる。
陽炎型の名に泥を付けぬよう、いつも最前線で戦い続けないといけない。


不知火「いつかは第一艦隊の帰還の座を奪って見せます」


秘書艦はいつも笑顔が消えない。こう言っている時でさえ笑顔で応援されていた。


艤装を装着し、演習海域へ移動した。晴れていて波もない。
風もなく砲弾も素直に飛んでくれるだろう。


鈴谷「それじゃ演習始めよっか、いつでも良いよ〜」


お互いかなりの距離をとり、相手の姿が米粒程度にしか見えない。
無線から相手の声がこっちに聞こえてくる。
こちらも準備出来た合図として、空砲を鳴らす。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 14:01:40.31 ID:3KBfXzZr0
今日はここまで。
明日に続けます
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/23(日) 14:14:43.05 ID:az5zU3Ijo
おつ
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/24(月) 20:48:49.12 ID:dJY230um0
再開します
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/24(月) 21:25:30.55 ID:dJY230um0
駆逐艦の速力を活かして一気に距離を詰めていく。副砲の弾幕が私の行く先を遮り、迂闊に近づくことができない。
ならば弾切れを狙おう、砲弾は無限ではない。


間も無くして副砲の弾幕が止む。
私はその隙を逃さず、面舵一杯で航路を変えた。
魚雷を敵の航路の先へ放ち 、行動可能範囲を絞らせる。


今までもこうして数多の深海棲艦を葬ってきた。
演習だからと言って遠慮はしない。
ここで秘書艦に勝ち、第一艦隊の旗艦の座を奪う。
私は陽炎型として、一番前に立たなければいけないのだ。


だんだんと敵の動きが鈍くなり始める。
私は一気に速力を最大まで上げ肉薄した。
魚雷が近づいてくるが、この速力なら簡単に避けられる。
もう秘書艦の体は5mから10mもう私は、勝利を確信した。


...何て私の確信は一瞬で塵と成り果てる。
再装填を終えた副砲が、再び弾幕を張って私の前に立ち塞がる。
それだけなら回避は容易いが、見えない場所からの爆発に私の体は宙に舞った。
何が起きたのかそのときの私には理解できなかった。


そのまま海面に叩きつけられ、背中に痛みが走る。
うっすらと見えた空、航空機が11機隊列を組んで飛んでいた。
航空巡洋艦をなめていた。
水上攻撃機『瑞雲』、初めて航空火力は恐ろしいと思った。
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/24(月) 22:22:10.54 ID:dJY230um0
鈴谷「はい、鈴谷の勝ち♪」


20.3p3号砲が私の眉間に当てられている。
どうしようもない、私は両手を上げ降参の意思表示をした。
でも、瑞雲の爆装だけで打ち上げられる爆発が起きるだろうか。


不知火「その瑞雲には何の爆弾を装着させているのですか?」


鈴谷「普通の爆薬を入れた爆弾だけど?」


普通の爆薬だけであんな水柱が立つわけがない。
考えていると1つだけ思い当たる物があった。
さっき回避した魚雷、雷跡が無かった。
酸素魚雷だとすれば、先程の爆発も理解できる。
完全に私の敗北だ。


鈴谷「ちょっと急ぎすぎな感じがするかな〜、もう少し落ち着いて戦ったらいいかも」


不知火「...」


納得出来なかった。
こんな負け方をして悔しかった。
上からと下から、駆逐艦なら回避できて当然のものを回避することが出来なかった。
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/24(月) 22:46:12.94 ID:dJY230um0
鈴谷「んじゃま、戻ろっか」


不知火「はい...」


負けてしまった。
今まで通りに最前線で戦って私たちの名前を残さなければいけないのに。
このままじゃ、陽炎型の恥さらしと言われてしまっても仕方がない。
余程私が深刻な顔をしていたのだろう。
秘書艦が私の顔を覗き込んで来た。


鈴谷「何々?何か悩み?鈴谷にも聞かせてよ」


秘書艦の笑顔はやはり消えていなかった。こんなに笑顔でいられるなんてと、少し羨ましく思ってしまった。


不知火「何でもありません」


こんな悩み、他人に、ましてやさっき知ったばかりの人なんかに教えられるわけがない。
さっさと鎮守府に戻り、部屋で反省しないといけない。


鎮守府に戻り、司令官の元へ報告しに行った。未だ書類の山に身を隠し、1枚ずつ確実に処理していっていた。
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/24(月) 22:46:42.71 ID:dJY230um0
ここまで
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/24(月) 22:49:38.74 ID:njDmYw56o
おう
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/24(月) 22:50:09.01 ID:njDmYw56o
おつ
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/25(火) 12:36:42.71 ID:kuzDDupo0
どうなってくんだ期待
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/25(火) 21:59:12.84 ID:axJSiJ3i0
再開します
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/25(火) 22:24:37.11 ID:axJSiJ3i0
提督「あら、終わったの?」


まだ万年筆の字を書く音が部屋中に響かせながら、こちらへ声をかけてくる。
この報告で私の所属する艦隊が決まる。


鈴谷「ん、鈴谷としては第三鎮守府正面海域哨戒艦隊かな〜。皆との動き方を覚えてもらわないといけないし」


提督「鈴谷がそう言うならそうしましょう。不知火を正式に第三鎮守府正面海域哨戒艦隊、『三哨』に
配属とします」


第三鎮守府正面海域哨戒艦隊...当分は鎮守府前の海域を警戒をすることが私の役目となるだろう。
早く活躍をして第一主力艦隊を目指さなければいけない。


陽炎との約束、当分の間は果たすことができないだろう。
でも、いつかは必ず成し遂げる。


不知火「では、失礼してもよろしいでしょうか」


鈴谷「あ、待った待った!まだ部屋の場所言ってないよ!」


そうだ、急きすぎたせいで暮らす部屋の場所を聞くのを忘れていた。それに、艦隊の同じメンバーさえ聞いてもいない。
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/25(火) 23:12:36.09 ID:axJSiJ3i0
鈴谷「三硝の待機部屋は、1階の右奥だから皆と仲良く頑張ってねー!」


陽気な声に送られ、何か初めての買い物をする子を送られるような気分になった。


部屋を出て1階へと降りた。もう、食事の時間が終わったのだろう、何人かの艦娘とすれ違い挨拶をする。
部屋まではそこまで遠くなく、2分もかかることはなかった。


部屋の前まで着くとドアをノックした。
すると懐かしい声が中から聞こえる。
ドアが開き、中から出てきた者は横須賀で新入りの頃に一緒になった磯風本人だった。


磯風「不知火か、久しぶりだな」


不知火「ええ、本当に。貴女もこの部隊?」


「ああ、そうだ」と返す磯風の顔は前に比べてかなり凛々しく思える。
何かあったのか、それとも何か覚悟を決めた顔なのか、それは彼女より聞くほかあるまい。


不知火「貴女、少し変わった?」


磯風「私か?確かに変わったかもしれない。でも、この鎮守府に居れば不知火も変わるさ」
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