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386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/20(土) 23:46:25.91 ID:8DgURIdx0
『夢見心地』
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/20(土) 23:47:06.69 ID:8DgURIdx0
私、犯人わかっちゃったかも。
この使用人が犯人よ。私の直感がそう言っているわ。
ロシアン探偵エリーチカ、冴えているわね。
ベットの中から魔の手が忍び寄る。
顔をベタベタ触られる。
これは別に構わないわ。
映画が見にくいけれど。
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/20(土) 23:47:39.89 ID:8DgURIdx0
「えりち〜。それ明日でええやん。寝よ?」
手を払いながら頭を振る。
確証が得られるまでは寝られないわ。
事件の真相を明かさないと。
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/20(土) 23:48:23.87 ID:8DgURIdx0
目にかざされた手を掴んで自分の胸元に固定する。
「ね〜。わしわししていい?」
「だめよ。」
執事が意味深な回想を始める。
怪しい雲行き。違ったかしら。
やっぱり領主が犯人かもしれないわね。
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/20(土) 23:48:52.29 ID:8DgURIdx0
「今ちょっと寝てた。」
力の抜けた手が頭を撫でる。
後三十分だから、そしたら寝るから。
私の肩に希の腕がだらりと垂れる。
391 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/20(土) 23:49:30.91 ID:8DgURIdx0
「えりち〜。なぁ。寝ちゃうよ〜。」
「もうちょっと。」
寝ぼけた指が私の唇をこする。
擦れて痛い。口をすぼめる。
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/20(土) 23:50:01.65 ID:8DgURIdx0
「えりち〜。」
私の名前を呼ぶ、か細い声が聞こえる。
うす暗い部屋だと尚更怖い。
でもここでやめたら明日後悔するわ。
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/20(土) 23:50:42.43 ID:8DgURIdx0
指で優しく撫ぜられる。
口をいじる指を咥える。
少ししょっぱい。そっと抜いてシャツで拭く。
眠いからってこれはまずいわね。
他意があったわけじゃないのよ。
ただ口元に指があったから食べただけで。
朝には覚えていないといいけれど。
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/20(土) 23:51:14.02 ID:8DgURIdx0
「希?起きてる?」
返事はない。手も力なく死んでいる。
振り返れば寝顔。私の親友。
テレビを消して隣に潜り込む。
どうでもよくなっちゃった。
続きは明日、早く起きればいいわ。
395 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/20(土) 23:51:54.39 ID:8DgURIdx0
「おやすみ希。」
「映画。ん。終わったん?」
「ええ。」
目も開けられないみたい。言葉も詰まってる。
トロンとした声が可愛い。
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/20(土) 23:52:22.46 ID:8DgURIdx0
「えりち。あんなぁ〜。」
「ん?」
「おやすみ〜。」
「おやすみなさい。」
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/20(土) 23:52:57.10 ID:8DgURIdx0
終わり
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/21(日) 01:38:33.97 ID:BN+ER4eXO
ええなぁ…
399 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/21(日) 06:28:13.75 ID:L3GJlXAnO
いちゃいちゃしやがってよぉ、もっとやれ
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/27(土) 08:13:49.76 ID:TXcRPEIbo
ほ
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/28(日) 23:03:58.61 ID:NQup7cvL0
『ほっぺ』
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:04:39.67 ID:NQup7cvL0
えりちの顔を両の手のひらで挟む。
柔らかな頬をムニムニと揉む。
ちょっと怪訝そう。
「希〜。放してくれないかしら。」
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:05:41.85 ID:NQup7cvL0
「そういえばなぁ、今日夢にえりちが出てきたんよ。」
手を動かしながら続ける。
「えりちウチのことそんなに好きなん?」
二年生の授業でやってた、誰かが夢に出てくるのは自分を好いているからだって。
ウチが上機嫌に尋ねているのにむすっとしたまま。
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:06:21.32 ID:NQup7cvL0
「好きよもちろん。どんな夢だったの?」
なんだかなぁ。
照れてるえりちは可愛いんだけどなぁ。
夢の内容なんて覚えてないし。
「うーんと、内緒。」
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:07:00.74 ID:NQup7cvL0
「えぇー。気になるじゃない。」
適当言っちゃお。
顔を近づけ小声で囁く。
「ちょっとえっちなやつ。」
えりち固まってる。
ウチもすこーしだけ恥ずかしい。痛み分け。
十五分の休み時間、誰も聞いてはいない。
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:08:06.23 ID:NQup7cvL0
顔を揉まれながらえりちが言う。
「忘れているのかもしれないけれど、夢に人が出るのは両思いの場合よ。」
忘れてたなぁ。
それにしても、どやチカ、それ認めているようなもんやん。
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:08:32.37 ID:NQup7cvL0
何事もないように会話を続ける。
「そっかー。」
「そうなのよ。」
頬に添えた手を離すと真っ赤なほっぺ。
408 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:09:00.36 ID:NQup7cvL0
終わり
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/28(日) 23:10:00.51 ID:NQup7cvL0
『デート』
410 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:10:31.81 ID:NQup7cvL0
休日にお出かけ。
二人でデート、暇つぶし。
ふらっと距離を取る彼女を引き寄せようと、彼女の肘を掴む。
ほんの10センチ程度だけど、離れるのは許さないわ。
その度に心細くなってしまうもの。
411 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:11:02.86 ID:NQup7cvL0
バランスを保とうと彼女が力む。
ちょっと強く引きすぎたかしら。
「ごめん、希。」
彼女を気遣うように、手首までそっと手を走らせる。
そこから先は触れない。
412 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:11:38.67 ID:NQup7cvL0
その撫で方が図らずも愛撫のようになってたかも。
小さく後悔。
彼女が困り顔で笑う。
「ええよ、ええよ。次からは優しくエスコートしてくれれば。」
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:12:20.00 ID:NQup7cvL0
あなたのことだもの。
私の気持ちに気づいているわよね。
彼女にこんな顔をさせてしまう自分が嫌になる。
親友のはずなのに、変な気を使わせたくはない。
414 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:13:16.00 ID:NQup7cvL0
でも、もしかしたら。
強引にでも迫ったら受け入れてくれるかしら。
エゴだけど、あなたのためになんでもするわ。
どんな努力も厭わないから。私を見てくれたなら。
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:14:05.90 ID:NQup7cvL0
不意に手首が掴まれる。
隣の彼女ははにかみながら。
「何考えとんの?」
「なんでもないわ。」
手首に意識が集まる。
私、彼女と手をつないでいるみたい。
実際はつないでいないけど。
ただ、彼女とつながっている。
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:14:34.77 ID:NQup7cvL0
あと少しだけ彼女の手が下にあればその手を握れる。
これは関係を先へ進める合図なのか。
それとも、ここでやめろと言う警告なのか。
彼女が私のために善意で恋人ごっこに付き合ってくれているのか。
どれでもいいわ。
今、こうしていられるのなら。
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:15:19.21 ID:NQup7cvL0
「あそこのお店入りましょ。」
「あっ。あの服ええなぁ。」
「じゃあ、希の方でいいわ。」
「先にえりちの見ようよ。そっちの方が近いし。」
「遠い方でいいのよ。」
「ふーん。」
二人でゆっくりゆっくり歩いて行く。
あそこのドアに手をかけるまで。
418 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:15:49.84 ID:NQup7cvL0
終わり
419 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/28(日) 23:42:02.86 ID:NQup7cvL0
『キス』
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:42:32.29 ID:NQup7cvL0
放課後の教室。
いつもの調子でおしゃべりした後。
もどかしい距離がウチらの間を邪魔する。
彼女がその手をウチの腿に置いた。
421 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:43:00.13 ID:NQup7cvL0
たったそれだけで一線を超えたのがわかった。
「いい?」
彼女が問いかけてくる。
ゆっくりと瞬きする。
422 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:43:42.68 ID:NQup7cvL0
探るように、恐る恐る唇が近づく。
彼女の頭を撫でる。髪の感触がクセになる。
ウチの後頭部が優しく掴まれる。
唇同士を押し付けるだけの不器用なキス。
423 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:44:35.62 ID:NQup7cvL0
離れるタイミングがわからなくて鼻息が荒くなる。
彼女がウチの唇を食むように動かす。
目をぎゅっと閉じる。
喜びや興奮や快楽でキスをするのがやっとだった。
彼女の頭を優しく撫でる余裕なんてなくて首と肩にしがみつく。
424 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:45:15.85 ID:NQup7cvL0
自然と口が開いてしまう。
えりちがウチを食べようとする。
ついばみ、吸い付き、舌で舐める。
乾かぬうちに、答えるように彼女を貪る。
一瞬でも止まったら死んでしまう。
狂ったように抱きしめる。
せわしなく体をさする。
425 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:45:52.60 ID:NQup7cvL0
口内に舌が入ってくる。
なんとか捕まえようと舌を絡める。
うねうねとした動きが気持ちいい。
歯茎や舌の裏がジンと熱くなる。
426 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:46:20.81 ID:NQup7cvL0
彼女を見るため目を開ける。
白い頬や綺麗な鼻、金の髪とまつげを見逃すまいと焼き付ける。
顔の角度を時々変えて、キスを続ける。
すっと開いた彼女の目。
青い瞳から目が離せない。
今、それは私しか写していない。
427 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:47:10.03 ID:NQup7cvL0
篭った嬌声と細かなキスの音が響く。
顔に当たる鼻息を気にしていられない。
求めても求めてもなんだか満たされない。
愛するあまりに焦ってしまう。
428 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:47:46.82 ID:NQup7cvL0
体は充実感であふれているのに。
どうにも発散できない、溢れる感情の波で涙が溢れる。
彼女が戸惑うのがわかる。
引き離すように体が掴まれる。
彼女はさっきまでの興奮が嘘のように愛情のこもった手つきをしている。
何もかもわからなくなってしまって彼女の胸に顔を埋める。
429 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:48:14.56 ID:NQup7cvL0
「えりち」
声をかけたきり、その後が続かない。
愛や憎しみ、安心や不安。
荒い呼吸と体の熱を感じる。
430 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:48:42.01 ID:NQup7cvL0
優しく頭を撫で付けながら彼女が言う。
「愛しているから。」
そう言われてしまうと、もう彼女を必死に抱きしめることしかできない。
時刻は七時二十五分。
校舎を出るまで恋人繋ぎ。
431 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:49:25.84 ID:NQup7cvL0
のぞえり百合ss終わり
432 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 23:52:33.36 ID:NQup7cvL0
二次創作に限界を感じたのでこのスレは終わらせます。
次に書くとしたらオリジナルにします。
ここまで見てくださった方々、ありがとうございました。
433 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/29(月) 00:37:02.98 ID:yRr6WspU0
乙じゃよ
オリジナルも待ってるよ
434 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/29(月) 03:17:10.58 ID:5tb0I2MdO
切ないのから熱々のまでどれも素晴らしかった
オリジナルも楽しみだけどいつかまたのぞえりで書いてくれたら嬉しいな
435 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/30(月) 01:09:57.63 ID:nKfcVxvu0
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