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少年エルフ「人間の娘を育てたら魔王を倒すことになりました」
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325 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 23:11:44.89 ID:6KhdxS4n0
第二皇子「まずは港町で準備をしましょう、着替えも必要ですし」
少年エルフと第二皇子の服は白竜の唾液でベタベタである。
少年エルフ「うん……(娘大丈夫かな)」
第二皇子「……大丈夫です、船で追いついてきますよ」
少年エルフ「そうだね、それまでに呪術師を探さないと」
第二皇子「ええ、僕はここで育ちました。 案内は任せてください」
少年エルフ「うん、行こう」
〇
326 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 23:14:02.88 ID:6KhdxS4n0
※帝都劇場編 終了
次回は9月23日に
327 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/02(土) 23:18:07.08 ID:m8Asppi90
お疲れ様です。
いよいよ、佳境に入って来ましたね。
続きを楽しみに待ってます。
328 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/03(日) 13:19:03.88 ID:a28uPRCmo
乙!
329 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:48:05.46 ID:DtLBhsF80
#23 ドラーメンガール 〜失われた村の失われたスープ〜
330 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:50:06.06 ID:DtLBhsF80
○氷島へ向かう船の中
船室に娘が寝かされ第七王女と娘友が看病している。
娘「ぐ……ぅ…」
第七王女「うなされておるのう……」
娘友「アタシ達は今、娘の呪いを解くために呪術師がいるという氷島へ行く船にいます、エルフさんとホビットは白竜に乗って先行して呪術師を探す手筈です」
第七王女「友どうしたのじゃ?」
娘友「あー、勇者新聞の構成とあらすじよ」
第七王女「うむ、此度はよい見出しにならなさそうじゃの」
娘友「……(王女は素直だわぁ)」
第七王女「それに怪我が治らんし、このままでは娘がもたんぞ」
娘友「エルフさんからコレを飲ますように渡されてるわ」
第七王女「飲ませてみるのじゃ」
第七王女は薬瓶を娘の口にあてがう。
コクコク
娘は流しこまれた薬を飲み込む。
331 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:51:06.21 ID:DtLBhsF80
娘「うう…… ゴホッ、ここは」
第七王女「おう!? 気が付いたか」
娘友「ここは氷島へ向かう船のなかよ」
娘「氷島? ……パパは?」
娘の意識は朦朧としている。
第七王女「エルフは白竜に乗ってホビットと一緒に先にいっておる」
娘「先に……なんで? ……ぐぅ、からだが重い……」
娘は立とうとするが動けない。
娘友「覚えてない? 呪いにかかってるのよ」
娘「呪い、そういえば…… パパはそれで…… ぐっ」
娘は再び気を失った。
娘友「娘、娘!?」
第七王女「眠っただけじゃ…… エルフが早く解呪方法を見つけれくれるといいが」
ザザーン
332 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:52:39.53 ID:DtLBhsF80
○氷島・ホビット族族長の館
ホビット族族長「皇子よそんなに急ぐのかね」
第二皇子「はい族長、友人の命に関わりますので…… 助力感謝します」
ホビット族族長「礼などよい、生まれがどうでありお前はわしらの仲間じゃ」
第二皇子「ありがとうございます」
少年エルフ「族長さん、ありがとうございます」
ホビット族族長「よいよい、エルフ族の子よお主も気を付けるのじゃぞ」
少年エルフ「はい」
第二皇子「いってきます」
第二皇子と少年エルフを乗せたソリは出発した
333 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:54:22.17 ID:DtLBhsF80
○氷原・ソリの上
しゃっしゃっしゃっしゃっ……
少年エルフ「すごい…ずーっと氷ばっかり」
第二皇子「この島じゃ氷が溶けることはないよ」
少年エルフ「それにこんな時間なのに太陽が出てる」
第二皇子「今は白夜だからね、太陽は沈まない季節だよ」
地平線スレスレで太陽が沈まず横へ移動していく。
少年エルフ「白竜も行ってたけど本当にしずまないんだ」
第二皇子「白竜さんかあ…… なんというか年の割に落ち着きがないというかなんていうのか」
少年エルフ「まぁ……最初からああいう人だから」
334 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:55:09.25 ID:DtLBhsF80
○少年エルフの回想・昨日
白竜「むーりー、なによ白夜ってずっと昼? ここ紫外線ハンパないのよ、なのにずっと昼って、それに雪の照り返し! あーもうここは地獄よ日焼け地獄よぉ!」
335 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:56:15.93 ID:DtLBhsF80
○氷原・ソリの上
少年エルフ「まあ王女たちとの連絡係も必要だったし」
第二皇子「伝言で済むこととおもうけど……」
少年エルフ「それにしても僕たち以外で呪術師探してるってどんな人だろうね」
第二皇子「どうだろう、とりあえず村についたら何かわかるかも」
少年エルフ「そうだね」
しゃっしゃっしゃっしゃっ……
少年エルフを乗せたソリは氷原の村へ向かっていく。
336 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:58:15.45 ID:DtLBhsF80
○氷原の村・宿屋
少年エルフ「あのここらに呪術師がいるってきいたのですけど」
女主人「おや、あんたらもかい? やめときなさいあの兄ちゃん達の二の舞になるよ」
第二皇子「兄ちゃんって、先に探しにきた人がいるの?」
女主人「ああ、一昨日出てって今朝戻ったんだけどね…… ありゃあ哀れなもんさ」
少年エルフ「え? 一体になにが……」
???「おお!? そこに居るのはエルフ殿か!」
少年エルフ達は大声で呼ばれ振り返った。
少年エルフ「うわ!? 爺僧侶さん!?」
爺僧侶があらわれた。
爺僧侶「うむ、こんなところで会うとは奇遇じゃの」
337 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:59:53.31 ID:DtLBhsF80
第二皇子「誰、このお爺さん?」
少年エルフ「ええと、王国の港で一緒だったことのある魔法勇者さんのお爺さんで」
爺僧侶「いや坊とは血縁はないのじゃが」
少年エルフ「あ、そうなんだ…… そういえば魔法勇者さんは?」
爺僧侶「そうじゃ、それで困っておるのじゃ頼む来てくれい」
少年エルフ「う、うん」
338 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 16:01:59.42 ID:DtLBhsF80
○氷原の村・宿屋の一室
少年エルフ「それで魔法勇者はすごい攻撃魔法の使い手で……」
第二皇子「それは頼もしいですね」
爺僧侶「……この部屋ですじゃ」
ガチャ
爺僧侶「坊、天の助けですぞなんとエルフ殿が……」
魔法勇者「らりるれろっ!?」
孫僧侶「らりるれろ!」
第二皇子「ら?」
少年エルフ「らりるれろ?」
爺僧侶「ま〜ったく情けない事じゃが、坊と孫は呪われたようでな」
少年エルフ「呪われた!?」
339 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 16:03:04.38 ID:DtLBhsF80
第二皇子「じゃあ呪術師を探してたのは貴方たち?」
魔法勇者「らりるれろ」
魔法勇者は重々しくうなずいた。
少年エルフ「もしかして呪いって」
爺僧侶「うむ、坊と孫は『らりるれろ』としか喋れんようになったのじゃ」
魔法勇者達は口封じの呪いにかかっている。
○
340 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 16:03:49.46 ID:DtLBhsF80
※つづく
341 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/23(土) 21:09:10.48 ID:myy7S+lf0
早速、拝読しました!
らりるれろ、某ダンボール潜入ゲームを思い出させますねw
では、次回も楽しみに待っています!
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/24(日) 13:43:49.95 ID:uDOgS9dTo
乙!
343 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:34:09.09 ID:2RB2vPux0
#24 北の島から
344 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:38:07.76 ID:2RB2vPux0
○氷島・氷原の村・宿屋の一室
少年エルフ「口封じの呪い!?」
爺僧侶「おそらく、坊たちが氷の森から戻ってからこのありさまで」
孫僧侶「らりるれろ〜」
孫僧侶があらわれた。
少年エルフ「孫僧侶さんまで」
爺僧侶「このままでは坊はいいとして、孫が不憫で……」
魔法勇者「らりるれろッ!」
第二皇子「何か抗議してるよ」
爺僧侶「わしも解呪を試みたのですがさっぱりでしてなエルフ殿ならできますかな?」
少年エルフ「うーん」
少年エルフは魔法勇者たちの呪いを調べる。
345 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:39:32.25 ID:2RB2vPux0
少年エルフ「ムリだと思う…… 知らない呪詛で組まれてるし、すごい複雑…… ただの口封じだけじゃなさそう」
第二皇子「妙な言語制限とか、手の込んだ呪詛とか…… 呪った人性格悪そう」
爺僧侶「まぁ人を呪う人物が良い性格とは考えにくいですな」
魔法勇者「らりるれろ〜」
魔法勇者は不満そうにいう。
少年エルフ「何で怒ってるの?」
第二皇子「文字は? 筆談はできるのでは」
爺僧侶「それも試したのですが、坊これに名前を」
魔法勇者「ら」コクン
すらすら
紙『らりるれろ』
少年エルフ「……」
爺僧侶「……」
第二皇子「ふざけてるわけじゃないんですよね……」
魔法勇者「らりるれろ」
346 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:40:21.26 ID:2RB2vPux0
少年エルフ「あの…… うなずくのは出来るんだよね」
第二皇子「あ」
爺僧侶「お」
魔法勇者「らりるれろっ」ブンブン
魔法勇者は首を縦に振る。
少年エルフ「じゃあ質問するから『はい』だったらうなずいて……」
魔法勇者「らりるれろっ」ブンブン
孫僧侶「らりるれろっ」ブンブン
爺僧侶「流石エルフ殿じゃ」
第二皇子「……(時間かかりそう)」
347 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:41:34.74 ID:2RB2vPux0
○氷島の港
ガヤガヤガヤ
第七王女達は定期船から下りた。
第七王女「やっとついたのじゃ」
女兵士「ひさびさに揺れないベットでねましょーよ」
男子「ずいぶんとホビット族が多いな…… いやドワーフ族か?」
娘友「氷島ではドワーフ族とホビット族が多く暮らしているらしいわ」
第七王女「ドワーフ族が商品を作りホビット族がそれを売ってくる、そうやって発展してきた国じゃ」
娘友「あとサウナの国でも有名よホラ」
娘友が指さす先には小屋から水蒸気が噴き出している。
女兵士「あれサウナなんだ」
\うわーー/ \化け物だーっ!/
男子「おいおい、何かおかしいぞ」
ドカーン
サウナ小屋の屋根が吹き飛び水蒸気の中から……
白竜「いやーん困っちゃう」
白竜があらわれた。
一同「「白竜!?」」
348 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:42:36.73 ID:2RB2vPux0
○ドワーフ城・謁見の間
ドワーフ王「ハッハッハよくぞ参った竜乗りの姫よ、おぬしの武勇はこんな辺境にも届いておるぞ」
第七王女「いやはや此度はわらわの竜が申し訳ないことを……」
ドワーフ王「いやいや伝説のドラゴンをこの目で見られるとは」
第七王女「うむこの竜は我が国の地下深くに……」
ドワーフ王「ほうほう……」
第七王女とドワーフ王は歓談している。
白竜「はぁ〜、よりによってエルフちゃんがいない時に魔力切れなんて」
娘友「エルフさんが魔力供給してたのね、変身リング」
男子「にしても、エルフさんと一緒のはずじゃ?」
349 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:43:37.51 ID:2RB2vPux0
白竜「あー、うん。 ほら、エルフちゃん達の行先を……あの子たちは氷原の村へ向かったわ」キリッ
男子「……サウナに入りたかっただけじゃないよな?」
白竜「やーん男子ちゃんの、いけず〜。 甘噛み―」ガブッ
男子「こらやめっ むわー」
男子は白竜に咥えられた。
女兵士「白竜、御前だからほどほどにね」
白竜「ふぁーい」もごもご
\どわー/
ドワーフ王「……第七王女よ従者が食われてますぞ」
第七王女「いやなに戯れておるだけじゃ、よくあることじゃ」
ドワーフ王「むう……(なんと豪胆な)」
350 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:45:05.94 ID:2RB2vPux0
○氷の森・入り口
爺僧侶「結局、呪術師本人を探す以外方法はないですな…… あいたた」
少年エルフ「だいじょうぶ?」
爺僧侶「腰が痛いからと坊たちだけで行かせたのが間違いだったのですじゃ、これでも魔法の使えない坊よりは役に立ちますぞ」
少年エルフ「無理しないでね」
孫僧侶「らりるれろ」
第二皇子「魔法使いが魔法使えないなんて…… 道案内だけでもお願いしますね」
魔法勇者「らりるれろ」
魔法勇者の案内で少年エルフたちは氷の森へ入っていった。
351 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:45:40.58 ID:2RB2vPux0
○???
ガサっ
???「また来ましたか、今度はホビット族を連れて…… お手並み拝見といきましょうか」
ガサガサ……
○
352 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:50:18.25 ID:2RB2vPux0
※つづく
353 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/02(月) 10:34:30.61 ID:v/C/5ywvo
追いついた
おつ
354 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/02(月) 16:37:38.67 ID:9nEXtV6bo
乙!
355 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/07(土) 20:42:52.44 ID:B7kyVmqC0
コメントが遅くなりましたが、続き楽しみに待っています!
356 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:33:25.27 ID:o6COV5940
#25 エルフ、思いがけない遭遇
357 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:34:48.21 ID:o6COV5940
○氷の森
少年エルフ「うう……疲れた」
魔法勇者「らりるれろ〜」
孫僧侶「らりるれろ〜」
爺僧侶「すっかり迷ってしまってるじゃないですか、まったく情けない」
魔法勇者「らりるれろー!」
魔法勇者が身振りで抗議する。
少年エルフ「前と道が変わってるっていってるみたい……」
第二皇子「うーん…… 迷いの魔法が森にかかってるかも」
少年エルフ「迷いの魔法? そんなのどうしたらいいの?」
358 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:37:10.82 ID:o6COV5940
爺僧侶「土地にかかった魔法はやすやすとは解けんが…… 上書きすることで無効に出来るはずですな」
第二皇子「上書き…… 試してみようか」
ゴソゴソ
少年エルフ「何それ? 楽器?」
第二皇子「これは魔楽器のバイオリンだよ」
爺僧侶「ほう! ホビット殿は吟遊詩人でしたか」
少年エルフ「ぎんゆうしじん?」
第二皇子「楽器で魔法の曲を弾くんだよ、こんなふうに」
♪〜
第二皇子は”行進曲”を弾いた。
359 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:38:53.50 ID:o6COV5940
少年エルフ「うわぁ、なんだか体が動いちゃうね」
第二皇子「この曲は疲れを回復させて歩けるようになる曲だよ」
ザッザッザッ
爺僧侶「これならいくらでも歩けそうですな」
少年エルフ「見て、あの道って前からあった?」
爺僧侶「いいえ、見てませんぞ。 この曲で幻が無効化されたのでしょう」
少年エルフ「よーし、行ってみようよ」
魔法勇者「らりるれろ」
ザッザッザッ
少年エルフ達が新しく見つけた道を行進していく。
孫僧侶「……」
第二皇子「こんな簡単に…… (あの三人、心配になるくらい魔法に弱い)」
♪〜
第二皇子達も演奏しながら後を追った。
360 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:40:45.14 ID:o6COV5940
○氷の森・氷像の広場
氷熊「グワー」
少年エルフ「うわー熊だー!」
魔法勇者「らりるれろーっ!?」
氷の熊が襲ってきた。
爺僧侶「どりゃあ!」
バキン パラパラ
爺僧侶はメイスで氷熊を倒した。
第二皇子「これは…… 氷像?」
少年エルフ「ふぅ…… ゴーレム魔法かな」
魔法勇者「……」コクコク
361 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:42:08.11 ID:o6COV5940
爺僧侶「こんなものが出てくるとは…… 番人代わりですかの?」
第二皇子「だろうね…… 目的地が近いんじゃない」
魔法勇者「らっ!」グッ
魔法勇者がガッツポーズをとる。
少年エルフ「そうだと思うけど…… どうしよう囲まれてるよ」
第二皇子「え!?」
ガサガサ…… パキパキ……
\グルァアア/ \キシャー/
氷像の動物が少年エルフたちを取り囲んだ。
362 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:43:56.69 ID:o6COV5940
○
少年エルフ「”風弾”」ビュオオオ
少年エルフの魔法、しかし氷熊は吹き飛ばなかった。
氷熊「グワー」
少年エルフ「うわー! 重すぎ!?」
爺僧侶「むぅん」ブォン
バキン ガシャン
爺僧侶「ほっほっほ、カキ氷シロップが欲しいですな」
魔法勇者「らりるれろーっ!」
少年エルフ「そんなの爺僧侶さんだけだってー、うわぁ!」
孫僧侶「らー!!」
少年エルフ達は逃げ回っている。
363 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:46:00.40 ID:o6COV5940
爺僧侶「坊、魔法ばっかりたよるからそうなるんです、これしきの氷で…… まったく情けない」
魔法勇者「らりるれろー」
第二皇子「戦力になるのが爺僧侶さんだけじゃ…… 仕方ない」
第二皇子は魔法曲を弾き始めた。
♪〜
第二皇子「魔法勇者さん、ご協力お願いします”マリオネット”」
魔法勇者「ら?」ピシン
ビキビキビキ
魔法勇者「ラリルレローッ!!」
魔法勇者は力がみなぎった!
爺僧侶「おお!?」
魔法勇者「ラーッ!!」
魔法勇者は操られている、魔法勇者の攻撃。
バキンバギン! ガシャーンドカーン!!
魔法勇者は次々と動物の氷像を破壊していく。
364 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:47:58.48 ID:o6COV5940
少年エルフ「すごい」
爺僧侶「ほう…… 坊もやれば出来るではないですか」
第二皇子「この曲は操る人の身体能力を最大限に引き出します」♪〜
魔法勇者「らりるれろ!?」バキバキバキッ
少年エルフ「何!? 今の音」
第二皇子「早っ もう!?」
魔法勇者は突如苦しみだした。
爺僧侶「限界が早すぎですぞ、まったく情けない……」
魔法勇者「……ッ!」ピクピク
少年エルフ「怪我はないみたいだけど」
365 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:49:07.08 ID:o6COV5940
第二皇子「えっと、身体能力を最大限引き出した代償に地獄の筋肉痛に襲われます」
少年エルフ「筋肉痛…… それじゃあ治癒魔法も効かないや」
魔法勇者「ッ!? ……ッ!」
魔法勇者は筋肉痛で動けない。
爺僧侶「とりあえず奴らの数は減りました、突破しますぞ」
爺僧侶は魔法勇者を引きずって走り出した。
第二皇子「エルフ行こう」
少年エルフ「う、うん……」
366 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:50:37.08 ID:o6COV5940
○氷の森・泉
爺僧侶「何とかまいたようですな」
少年エルフ達は泉のほとりにたどり着いた。
少年エルフ「この泉なんだろう…… 凍ってない」
第二皇子「周りは氷だらけなのに不思議ですね」
爺僧侶「まぁ喉も乾いたしちょうどいいですな」
魔法勇者「ら……りるれろ」ボソボソ
今だ筋肉痛に苦しむ魔法勇者が何かを訴える。
少年エルフ「え、なに?」
爺僧侶「まったくボロ雑巾のようになって……まったく情けない」ごくごく
爺僧侶は泉から水を飲んだ。
367 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:52:05.35 ID:o6COV5940
孫僧侶「らりるれろ! らりるれろ!?」
孫僧侶が突然騒ぎだした。
第二皇子「どうしたのですか?」
少年エルフ「えっと飲んじゃだめなの?」
爺僧侶「まっらく、らりるれろ」
少年エルフ「……」
第二皇子「……」
爺僧侶は呪われた。
368 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:54:06.11 ID:o6COV5940
○氷の森・奥地
少年エルフ「うぅ…… 爺僧侶さんまで呪われてどうしよう」
第二皇子「……問題はないんじゃないかな?」
\らりるれろ/ \らりるれろ!/
魔法勇者と爺僧侶は罵り合っているようだ。
第二皇子「とりあえず奥に来てるけど…… 今度は何!?」
グモモモ
雪男「ンゴーッ」
雪の下からスノーマンがあらわれた。
少年エルフ「うわぁー! 出たー」
第二皇子「エルフ落ち着いてただの雪だるまじゃない……」
グモモグモモグモモモモモ
更にスノーマンがあらわれた。
雪男達「「「ンゴゴゴーッ!」」」
369 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:55:55.18 ID:o6COV5940
少年エルフ「いっぱいー!」
第二皇子「うわぁ! 冷たい離せー!」
少年エルフ達はスノーマン達に捕まった。
爺僧侶「らりるれろっ!」
爺僧侶達もスノーマンと揉み合っている。
雪男A「ンゴ?」
少年エルフを捕まえていたスノーマンが何かに気づいた。
雪男A「ンゴゴ」
雪男B「ンゴンゴ」ぐい
少年エルフ「なに? うわっ寒いよ」
スノーマンは少年エルフのフードを取ると少年エルフの顔を眺めた。
370 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:57:35.51 ID:o6COV5940
少年エルフを離して、スノーマン達は動きを止めた。
第二皇子「なに? エルフ何かしたの?」
少年エルフ「ううん…… 何もしてないけど」
スノーマン達は一列になって森の奥へ帰っていく、最後尾のスノーマンが少年エルフに向かって手招きをした。
少年エルフ「案内してくれるの?」
第二皇子「そうみたいだね」
371 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:59:49.44 ID:o6COV5940
○氷原・氷の森へ向かう大ソリ
娘「エルフ行っちゃ……」ボソ
第七王女「娘? 起きたのか?」
娘友「……いえ、寝言ね」
第七王女達を乗せたそりは氷の森へ近づいていた。
第七王女「大丈夫じゃ娘、直にエルフ達に追いつく」
娘「……うぅ、最強の敵が…… パパ……」
第七王女「ううむ、エルフに危機が迫っておるのかのう」
娘「さー、どーかしら」
372 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 23:04:04.43 ID:o6COV5940
○氷の森・謎の家
雪男「ンゴンゴ」
扉の前でスノーマンが身振りで待つように伝える。
少年エルフ「ここで待つの?」
雪男「ンゴ」
雪男はうなずくと扉を開けて入っていった。
少年エルフ「あの人達の家なのかな?」
第二皇子「まさか、でも料理のいい匂いがするね」
少年エルフ「うんなんだろ、シチューかな?」
???「なんだい、仕込みの途中に」
373 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 23:07:17.27 ID:o6COV5940
家の奥から女性が出て来た。
第二皇子「む?」
少年エルフ「えッ!! ……ホント!?」
魔法勇者「らりるれろ!」
???「はぁ〜とうとう来たのかバカ弟子…… と、ホビット族か?」
エルフ族の女があらわれた、片方の耳が半分切れている。
少年エルフ「ホントに居たんだ…… (僕以外のエルフ族)」ドキドキドキ
片耳エルフ「いや…… そっちは違うな、お前まさか……ハーフエルフ」
○
374 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 23:08:19.97 ID:o6COV5940
※つづく
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/07(土) 23:11:47.59 ID:3PU8/lbco
乙!
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/07(土) 23:25:29.35 ID:B7kyVmqC0
お疲れ様です!
いや〜、まさかエルフ族の生き残りが登場するとは思ってませんでした。
今後の娘とエルフの展開も気になります!
では、続きを楽しみに待っています。
377 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:01:46.12 ID:aWL1M0980
#26 トラ?トラ!トラァ!?
378 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:03:29.91 ID:aWL1M0980
○氷の森・片耳エルフの家
片耳エルフ「帰れ帰れ! 貴様に食わせるラーメンはない!」
バタン
少年エルフ達は追い出された。
少年エルフ「ええ!?」
魔法勇者「らりるれろー」
片耳エルフ「バカ弟子が! 同胞を連れてきたつもりか!? 邪悪なハーフエルフなんぞ」
少年エルフ「」ガーン
怒号は続く。
片耳エルフ「貴様らも何が客だ! 耳が長いだけがエルフ族じゃないわ」
ガシャーン
スノーゴーレム「「ンゴ―っ」」
379 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:04:48.30 ID:aWL1M0980
魔法勇者「らりるれろー」
ドンドンドン
魔法勇者が執拗に扉を叩く。
片耳エルフ「うっさいわバカ弟子、これ飲んで帰れ!!」
シュッ ズゴンッ!
魔法勇者「らッ!」
魔法勇者は覗き窓から高速で飛んできた瓶がめりこみそのまま気絶した。
\らりるれろ/ \らりるれろー/
爺僧侶と孫僧侶が一応介抱する。
第二皇子「……えっと」
第二皇子は呆気に取られている。
380 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:05:55.28 ID:aWL1M0980
少年エルフ「邪悪なハーフエルフ…… うぅ」ウルウル
第二皇子「あの…… エルフ大丈夫?」
少年エルフ「うぅ…… だいじょ……ぶ」ウルウル
第二皇子「それにしてもあのエルフ族の姉様が呪術師なの?」
魔法勇者「間違いない、アレが俺の師匠だ呪術にも詳しい」
解呪薬を飲んだ魔法勇者たちがしゃべりだす。
爺僧侶「やっとまともに喋れるわい」
孫僧侶「あー長かった、バカ坊ちゃんのせいでヒドイ目にあった〜」
魔法勇者「やかましい」
少年エルフ「そうだよ……呪いを 娘を助けてもらわなくちゃ」
381 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:07:25.67 ID:aWL1M0980
○
トントントントン……
少年エルフ「お願いします話を聞いてください」
\うっさいきょうは店じまいだ/
魔法勇者「師匠おれだー開けてくれー」
\帰れバカ弟子、ここはお前ごときが来るような場所ではないわ/
孫僧侶「そうだ帰れ帰れ、オマエゴトキー」
魔法勇者「やめいっ」
少年エルフ「お願いします娘を助けてください」
魔法勇者「師匠ーツンも程ほどにしろ、そろそろデレろー」
382 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:08:51.80 ID:aWL1M0980
○
白虎「ガルァアアアアア」
少年エルフ「!!」
第二皇子「虎!?」
屋根の上にホワイトタイガーがあらわれた。
\そいつは魔法の効かない聖なる虎だ、痛い目に合う前に帰れ/
白虎「グルルルル」
ホワイトタイガーは牙をむき出しにして威嚇している。
少年エルフ「うう…… 帰れません」
白虎「ガァア!!」
少年エルフ「ひぃ!!」
383 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:10:20.96 ID:aWL1M0980
魔法勇者「師匠……コイツを倒したらエルフの話を聞いてくれるか」
\倒せたらな…… お前では無理だろうがな/
魔法勇者「よし行くぞ ”多重大爆裂”」
キュオオオオ
孫僧侶「バカ―いきなりソレ!?」
爺僧侶「伏せるんじゃ!」
少年エルフ「うわわ」
バっ
魔法勇者以外は地面に伏せた。
シーン
少年エルフ「……?」
第二皇子「あれ?」
384 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:11:37.95 ID:aWL1M0980
魔法勇者「まてまてまて反則だろソレ」ダラダラ
白虎「グルアア……」キュボボボボ
白虎は魔法勇者の爆裂魔法を食っている。
片耳エルフ「お前は本当に話を聞かないな」
窓から顔を出した片耳エルフが呆れている。
魔法勇者「師匠、もっかい最初から…… ダメ?」
片耳エルフ「ダメだ ”範囲守護”」
パアア
片耳エルフは防御魔法を家にかける。
孫僧侶「えっと”守護”」パアア
孫僧侶は防御魔法を唱えた、孫僧侶は防御魔法に守られた。
385 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:12:48.90 ID:aWL1M0980
魔法勇者「お前だけかいっ!」
孫僧侶「だってこれしかできないしー」
魔法勇者「俺にもかけろ早く!」
孫僧侶「ごめ、まにあわなーい」
魔法勇者「うおおお死ぬ―」
爺僧侶「どれワシが 範囲守護」
爺僧侶は魔法を唱えた、しかし効果がない。
魔法勇者「できてねーよ! ちくしょー死ぬ―」
白虎「グアアっ」
ホワイトタイガーは食べた魔法を吐き出した。
第二皇子「うわああ!?」
キュュドドドドドン
\\うわあああああ//
辺りが爆炎に包まれる。
386 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:14:00.38 ID:aWL1M0980
○
片耳エルフ「フン…… 威力だけは一人前になりおって」
ヒュルル
片耳エルフ「何?」
少年エルフ「間に合った」
ヒュルルルル
魔法勇者達は少年エルフの風の障壁に包まれている。
魔法勇者「たすかった……」
孫僧侶「はーつら、坊ちゃんのせいで魔力無駄にしたー」
爺僧侶「みっともなくうろたえて、まったく情けない」
魔法勇者「やかましい」
387 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:22:00.11 ID:aWL1M0980
第二皇子「ありがとうエルフ…… でも魔法が効かないんじゃどうすれば」
少年エルフ「えっと…… どうしよう」
魔法勇者「どうしようっていったって」
魔法勇者はメンバーを見渡す。
魔法勇者 ← 魔法系
少年エルフ ← 魔法系
第二皇子 ← 吟遊詩人
孫僧侶 ← 僧侶系
爺僧侶 ← 脳筋
魔法勇者「爺まかした!」
爺僧侶「高齢者を労わらんかい!」
白虎「グルァア!!」
爺僧侶「うおう、こんな時に腰が! 腰痛がー!」
シュタタタタッ!
爺僧侶はダッシュで逃げ出した!
魔法勇者「その健脚のどこが腰痛だー!!」
少年エルフ「うわあ! 来るよ」
ホワイトタイガーは飛び掛かって来た。
\\うわああああああああああああ//
388 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:24:35.03 ID:aWL1M0980
○片耳エルフの家・窓辺の席
片耳エルフ「さてと茶でもいれるか」
片耳エルフはキッチンへお茶をいれにいった。
\うおおおおお来るなー/
片耳エルフ「フム…… まだいけるか?」カチャカチャ
\ぎゃああ、いってー!!/
片耳エルフ「ジャムはどこだ」ゴソゴソ
\エルフ―/
片耳エルフ「どれそろそろか」コポポポ
\やぁあああ/
片耳エルフはのんびりとお茶を飲む。
片耳エルフ「うーむ、葉が古いな」
\グルルルル/
コッコッ
ホワイトタイガーが戸を叩く音がする。
片耳エルフ「ふむ片付いたか」
389 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:27:10.12 ID:aWL1M0980
○
ガチャ
片耳エルフは扉を開けた。
片耳エルフ「何!?」
白虎「ガルァ」
ドサ
ホワイトタイガーは咥えていた少年エルフを片耳エルフの前においた。
少年エルフ「はう……ひぅ……猫舌……」ピクピク
片耳エルフ「……(なぜ食い殺していない!?)」
少年エルフ「お……」ヨロヨロ
少年エルフ「お願い娘を…… ひゃああ!?」
ホワイトタイガーが少年エルフを前足で転がす。
コロコロ
少年エルフ「うわあ…… 話をー」
ホワイトタイガーは少年エルフを舐めまわす。
ペロペロ
少年エルフ「きひてー 耳だめー……ひゃあん」
ホワイトタイガーは少年エルフを頭から甘噛みする。
はむはむ
少年エルフ「ふむむむー」バタバタ
片耳エルフ「……(このハーフエルフ……本当に邪気がないのか!?)」
390 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:29:06.14 ID:aWL1M0980
○
魔法勇者「いってー…… マジで噛みやがったし」
片耳エルフ「お前が噛まれているんかい、バカ弟子」
魔法勇者「孫、治癒かけてくれ」
孫僧侶「イヤですよ、坊ちゃんの尻なんて…… 杖が穢れます」
魔法勇者「遠慮ねーなちくしょー」
第二皇子「あの……入れてくれたって事は話を聞いてくれるのですよね、ありがとうございます」
片耳エルフ「……聞くだけだ、期待するなよ」
少年エルフ「……う、うん」
391 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:30:50.85 ID:aWL1M0980
少年エルフは娘が呪われた経緯を説明した。
片耳エルフ「それは呪毒だな…… フン、やっかいな」
魔法勇者「なんだ師匠でも解呪は無理なのか?」
ゴン
ティーポットが魔法勇者の頭にめりこむ。
\うおおおあっちぃー!/
片耳エルフ「バカをいえ、その程度朝飯前だ」
少年エルフ「ホント!? だったら……」
片耳エルフ「だが断る」
少年エルフ「え……」
第二皇子「そんなヒドイ」
片耳エルフ「うるさい、話は聞いた。 その上でお前に協力はしない……わっかたら帰れ」
ぐいぐい
片耳エルフは少年エルフ達を追い出しにかかる。
392 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:32:01.30 ID:aWL1M0980
少年エルフ「そんな……お願いしますお礼に出来る事ならなんでも……」
片耳エルフ「黙れ、ハーフエルフなんぞ信用できない」
少年エルフ「お願いします…… 僕はどうなってもいいから娘を……」
片耳エルフ「くどい」
バタン
片耳エルフは少年エルフ達を追い出した。
\うぅ……お願い……します/
片耳エルフ「……ハーフエルフが人間の子を……だと…… 愚かな」
ドサッ
片耳エルフは耳をふさいで座り込んだ。
○
393 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/14(土) 22:33:14.55 ID:aWL1M0980
※つづく
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/14(土) 22:57:48.71 ID:LHi6h7Hk0
続きありがとうございます!
ハーフエルフの過去が気になります。
では、次回も楽しみにしています。
395 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:22:52.42 ID:kTU9QTW50
#27 失われた村の失われたスープ
396 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:24:53.65 ID:kTU9QTW50
○氷の森・片耳エルフの家前
片耳エルフに追い返された少年エルフ達は空き地でキャンプをしていた。
少年エルフ「はぁ……、どうしよう」
魔法勇者「心配するな師匠はツンデレだからな、じきにデレる」
少年エルフ「じきにって、どれくらいで?」
魔法勇者「うむ、半年から数年に一回くらいか……」
第二皇子「それツンデレとかいうか気まぐれというか……」
少年エルフ「うーん、他に方法もないし……頼み込むしか方法ないし……」
孫僧侶「お師匠さんかー、あのヒト気難しいんだよねー」
魔法勇者「気難しいとはなんだ! 思慮深いだけだ!」
孫僧侶「ハイハイ…… これだから坊ちゃんは」
少年エルフ「あれ、爺僧侶さんは?」
魔法勇者「用でも足してるんじゃないか…… トシだしな」
少年エルフ「そうなの?」
397 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:26:54.98 ID:kTU9QTW50
○氷の森・片耳エルフの家
片耳エルフ「……まだいるのか」
片耳エルフは窓の隙間から少年エルフたちを垣間見る。
爺僧侶「いやー、ここらは冷えますのう」
暗がりから爺僧侶が現れた。
片耳エルフ「爺…… また勝手に」
爺僧侶「エルフ殿の娘の事をどう思います」
少年エルフ「フン、別にどうでもいい……」
爺僧侶「ああ見えてエルフ殿も苦労されておる、あの細腕で働き人間の子を育て上げ…… ふむ、どこかで似たような話を聞いたような」
片耳エルフ「……」
爺僧侶「あれは誰でしかなぁ? 人間の子のため自らの耳を切ってまで霊薬を作ってくれたエルフ族は」
片耳エルフ「さぁな、とんだ愚か者だろう」
398 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:28:05.02 ID:kTU9QTW50
爺僧侶「どうでしたかな…… しかし今回の呪いはエルフ殿も堪えておるようで、何せ自分が育てた人間の子が呪われたのじゃからの」
片耳エルフ「エルフ族が人間に関わるとは、まったく愚かしいな…… 腹が立つ」
爺僧侶「ほっほっほ…… まぁコレは独りごとですが、エルフ殿も霊薬の作り方を知っておれば作るでしょうな、耳を切ってまで」
片耳エルフ「……」
爺僧侶「意地っ張りも変わりませんな…… エルフ殿は素直ですぞ、どなたかと違いましてな」
片耳エルフ「やかましいっ! とっとと寝ろボケ老人が!」
爺僧侶「ほっほっほ」
爺僧侶は裏口から家を出た。
片耳エルフ「……なんで人間は100も越さぬうちにあんなに小賢しいのか、まったく」
399 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:29:53.45 ID:kTU9QTW50
○翌朝
片耳エルフ「そんなところでキャンプするな、バカ弟子が…… こっちへ来い」
魔法勇者たちは片耳エルフに招かれた。
爺僧侶「ほれ、エルフ殿とホビット殿も」
少年エルフ「え、いいの?」
爺僧侶「ほっほっほ 構いませんよ」
少年エルフ達は爺僧侶に促されて家に入った。
片耳エルフ「貴様か…… いいか、まず言っておく貴様には手はかさない」ビシッ
少年エルフ「う…」ウルウル
第二皇子「ヒドイ…… そんなハッキリ言わなくても」ボソボソ
片耳エルフ「ぐ……」
400 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:30:39.80 ID:kTU9QTW50
魔法勇者「師匠、大人げねーぜ。 エルフをいじめるなよ」
片耳エルフ「やかましい! 黙って聞け…… さてお前たちバカ弟子がせっかくここまで来たんだもてなしてやろうと思う」
魔法勇者「ホントか!?」
孫僧侶「帰れっていってたじゃーん」
片耳エルフ「やかましいっ 気が変わったんだ」
孫僧侶「へー、ふーん」
片耳エルフ「それで特製の『解呪ラーメン』をふるまってやろうと思う」
魔法勇者「は?」
少年エルフ「え?」
第二皇子「解呪……ラーメン?」
片耳エルフ「あーあー、これは独り言だが、作ってる間は私は集中してるからな…… 周りが気にならんほどにな、横で作り方を見られていてもな…… ゲフンゲフン」
401 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:31:37.44 ID:kTU9QTW50
爺僧侶「ほっほっほ、昔からそうでしたな片耳殿は」
魔法勇者「昔から? いやキャラ違くね?」
片耳エルフ「やかましいわッ!」シュッ
魔法勇者「ヘブッ!」パカ―ン
魔法勇者の頭でシュガーポットが砕ける散る。
少年エルフ「師匠さん…… それじゃ」
片耳エルフ「……さぁてと、まず材料集めだな〜 外に出る準備しないと」チラッチラッ
少年エルフ「えっと防寒着はどこ」
第二皇子「ほらコレ、手伝うよ」
少年エルフ「うん、ありがとう」
爺僧侶「ほっほっほ……」
孫僧侶「私たち何すれば……」
魔法勇者「やったぜ師匠の料理ひさびさだぜ、のんびり待とうぜ」
片耳エルフ「バカ弟子共、待ってる間にスノーゴーレムとアイスゴーレムを直して来い、全部だ」
魔法勇者「マジか!?」
402 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:33:39.70 ID:kTU9QTW50
○氷の森
片耳エルフはホワイトタイガーに乗っている。
テクテク
白虎「ぐるる……」
片耳エルフ「……(ちゃんと来てるな)」
片耳エルフは少年エルフの足音を後ろに歩み去った。
テクテク……
しばらくしてから少年エルフと第二皇子歩いている。
テクテク
第二皇子「あっち?」
少年エルフ「うんあっちに歩いてる」
少年エルフは片耳エルフの足音について行く。
第二皇子「やっぱり長い耳はよく聞こえるんだね」
少年エルフ「うん、まぁ……(今のさん師匠さんに聞こえたかな?)」
テクテク
少年エルフ達は片耳エルフ達の音について行く。
403 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:36:00.42 ID:kTU9QTW50
○氷の森・温泉地帯
もくもく
当たりに霧のようなものが立ちこめてきた。
少年エルフ「この霧あたたかい、蒸気?」
第二皇子「あっちみて温泉が噴き出してる」
シュー もくもくもく
少年エルフ「それでこの辺りだけ雪が溶けてるんだ」
第二皇子「この辺りなら食材が採れるかも…… それにしてもラーメンで解呪するなんてね」
少年エルフ「あの、ラーメンってどんな料理?」
第二皇子「知らないの?」
少年エルフ「うん……」
第二皇子「えっと温かいスープに麺っていう……」
少年エルフ「へぇ」
ひゅうう
風に乗って少年エルフの耳に片耳エルフのつぶやきが届く。
(……これは独り言だが、かつて故郷を追放された私はある店主からラーメンを戴き……)
少年エルフ「……(もしかしてこっちの会話聞こえてる?)」
第二皇子「どうかした?」
404 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:36:56.52 ID:kTU9QTW50
○温泉地帯・ネギの群生地
ひゅうう
風に乗って少年エルフの耳に片耳エルフのつぶやきが届く。
(……この当たりの野菜は私が植えたものでラーメンの……)
少年エルフ「なるほど、この葉っぱを採るみたい」
ザクザク
第二皇子「独特の匂いがするね」
少年エルフ達はネギを刈る
405 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:37:58.36 ID:kTU9QTW50
○温泉地帯・走る人参畑
ひゅうう
風に乗って少年エルフの耳に片耳エルフのつぶやきが届く。
(……この走り人参は早い者程身がしっかりしており……)
少年エルフ「このニンジンを捕まえるんだって!」
ダダダダダダッ!
第二皇子「はやい―ッ!」
少年エルフ達は駆け回る人参を追いかける。
406 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:40:00.58 ID:kTU9QTW50
○温泉地帯・巨大猪の穴
ひゅうう
風に乗って少年エルフの耳に片耳エルフのつぶやきが届く。
(……ここの猪がチャーシューに適しており……)
ドドドドドドドドッ!!
少年エルフ「この猪を狩るんだってーっ!」
第二皇子「でもどうやってーッ!?」
少年エルフ達は巨大猪に追いかけられている。
巨大猪「ブフォー!」
少年エルフ「うわぁ!!」
巨大猪が少年エルフに襲い掛かろうとしたその時。
ビュルルルルルッ
巨大猪「プギーッ!?」ザシュッン
ドサッ
何処からともなく風の刃が飛んで来て巨大猪を真っ二つにした。
407 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:41:02.00 ID:kTU9QTW50
少年エルフ「……」ゾォ
第二皇子「大丈夫?」
少年エルフ「う、うん……(今の魔法)」ドキドキ
第二皇子「顔真っ青だよ、少し休む?」
少年エルフ「ううん大丈夫だから、ほら猪の身を切り取って…… 行かなきゃ」
第二皇子「わかった僕がやるから、エルフは休んでて」
少年エルフ「……うん、ありがとう……」ドキドキ
少年エルフは青ざめている。
少年エルフ「ン……?」
少年エルフは離れた所に兎が居るのを見つけた。
兎「……」ジー
少年エルフ「……(こっち見てる)」
408 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:42:00.08 ID:kTU9QTW50
作業を終えた第二皇子が駈寄る。
第二皇子「全部は無理だからいい所だけとったよ…… どうしたの?」
少年エルフ「え、いや兎がこっち見てて……」
少年エルフが兎を探すが見えなくなっていた。
少年エルフ「……どこかいったみたい」
第二皇子「兎も材料にいる?」
少年エルフ「え…… ううん、それより行こう」
第二皇子「うん」
テクテクテク
少年エルフ達は森の奥へ向かう。
ガサッ
兎「フゥ……」
ガサガサ
少年エルフ達の後を兎が追っていく。
409 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:43:24.01 ID:kTU9QTW50
○廃村
少年エルフ「ここ……村だったのかな?」
第二皇子「そうみたいだけど……随分古いね」
ひゅうう
風に乗って少年エルフの耳に片耳エルフのつぶやきが届く。
(……この村は母と一族が暮らし聖地を守っていた……)
少年エルフ「……師匠さんの一族の村だったみたい」
第二皇子「そうなんだ…… なんだろ、美味しそうな匂いがするね」
少年エルフ「あれ、この先の温泉を見て」
滅びた村の先には温泉が広がっており、そこには巨大な竜の骨が沈んていた。
410 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:45:34.76 ID:kTU9QTW50
○聖地・竜骨の湯
グツグツグツ…… ボコンボコン
少年エルフ「……暑い」
温泉はかなり高音で煮えたぎっている。
第二皇子「すごい、温泉と竜骨で天然のスープが出来てる」
白虎「グルル……ゴクゴク」
片耳エルフ「美味いか? そうだろう、温泉が数千年かけて煮だした竜骨スープだ魔力も濃厚だ」
少し離れた場所で片耳エルフのホワイトタイガーが竜骨スープを飲んでいる。
少年エルフ「……(けっこう近いけどいいのかな)」
第二皇子「エルフ、早く汲もう」
片耳エルフ「これは独り言だが、このスープはあの巨大な竜骨に近い方が濃い、ほら行くぞタイガー」
白虎「がるっ」
第二皇子「あっちみたいだね…… 師匠さんって最初はコワイ人と思ったけど結構いい人かも」
少年エルフ「うん、そうだね」
411 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:47:40.88 ID:kTU9QTW50
○
片耳エルフ「よしここだ……」
少年エルフ「うわぁ…… 大きな骨」
片耳エルフ「滑るから気をつけろよ…… タイガー」
ホワイトタイガーは水面から突き出た骨の上を軽々と跳んでいく。
少年エルフ「うわっと…… ありがと、ここ気をつけてホビット」
第二皇子「……はい(いい人なんだろうけど、素直じゃなさそうだなぁ)」
少年エルフ達は骨の上を歩いていく。
グラッ……グラグラッ
少年エルフ「うわあ!? なに!?」
片耳エルフ「この邪悪な気配、どこだ!?」
白虎「グルルルル」
第二皇子「あそこ…… 何アレ?」
412 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:48:45.00 ID:kTU9QTW50
少年エルフ「兎?」
巨大な竜骨の天辺に兎が邪悪に微笑んでいる。
兎「フハハハハ、これは素晴らしい最高の素材だ」
ゴゴゴゴゴ
片耳エルフ「危ない、逃げろ」
少年エルフ「うわぁ落ちる!?」
第二皇子「熱い!」
白虎「ガルッ」
骨の上から落ちそうになった少年エルフ達を白虎が背中に乗せて助けた。
片耳エルフ「まさか…… 死霊使い!」
413 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:49:31.55 ID:kTU9QTW50
死霊使い(兎)「ハハハ、礼を言うぞ小僧、お前達のおかげでここまでこれた」
兎は死霊使いだった。
第二皇子「え!?」
少年エルフ「まさかずっとついてきてた……」
死霊使い「お礼にコイツの犠牲者第一号だ!」
ガラガラガラ……
温泉の竜骨が組み上がり動き出す。
骨竜「ゴアアアアアアアアアアアアア」
スカルドラゴンがあらわれた!!
○
414 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/21(土) 23:50:01.74 ID:kTU9QTW50
※つづく
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/22(日) 00:20:17.04 ID:Phhrte+90
お疲れ様です!
続き楽しみにしています!
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/22(日) 13:41:44.54 ID:UepcQsIbo
乙!
417 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/28(土) 22:51:43.11 ID:8hTuPgxb0
#28 タイガー・アンド・スカルドラゴン
418 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/28(土) 22:53:19.46 ID:8hTuPgxb0
○氷の森・竜骨の湯
片耳エルフ「”豪火球”」
ゴオオオン
死霊使い「なんの”四弾氷爪”」
ビュカキン
炎と氷の魔法が相殺される。
死霊使い「まだまだ」
髑髏杖「”大火球”」
死霊使いの杖から魔法が放たれる。
片耳エルフ「タイガーよ!」
白虎「がおおお」
419 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/28(土) 22:54:33.19 ID:8hTuPgxb0
ホワイトタイガーは大火球を食べて吐き出した。
ゴオオ
火球は死霊使いをかすめる。
死霊使い「ほう、魔法を食うか気に入ったぞ」
片耳エルフ「フン、貴様のような邪悪なものには懐かんよ」
ドドン! ガガン!
片耳エルフと死霊使いの魔法がぶつかり、ホワイトタイガーとスカルドラゴンが格闘する。
少年エルフたちは片耳エルフの後方で戦いを見守っている。
少年エルフ「師匠さんすごい」
第二皇子「あれじゃあ下手に手助けできないね」
420 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/28(土) 22:57:45.51 ID:8hTuPgxb0
片耳エルフ「今だ噛み砕け!」
白虎「ガオオッ」
ホワイトタイガーが死霊使いに飛び掛かる。
死霊使い「おおっと」
ガキン
片耳エルフ「何!?」
死霊使い「かかったな馬鹿め、所詮獣よ」
スカルドラゴンの肋骨が伸びてホワイトタイガーを捕まえた。
白虎「グオオオ」ガリガリ
片耳エルフ「直ぐに助けて……」
死霊使い「遅いわ、骨となれ虎よ」
死霊使いは鋭い結晶をホワイトタイガーへ投げた。
ザシュ
白虎「グオオオオ!?」
結晶が白虎に突き刺さる。
421 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/28(土) 23:00:00.99 ID:8hTuPgxb0
死霊使い「王手だ」
ドスッ
死霊使いはもう一つの結晶をスカルドラゴンに突き立てる。
ヒュオン
スカルドラゴンとホワイトタイガーが光に包まれる。
片耳エルフ「なんだあれは!?」
少年エルフ「あれって海の時の……」
スカルドラゴンとホワイトタイガーが融合する。
死霊使い「ふはははは、虎に翼とは正にこの事よ」
スカルタイガードラゴンがあらわれた。
422 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/28(土) 23:03:44.53 ID:8hTuPgxb0
骨虎竜「ゴギャアアア」
スカルタイガードラゴンが大量の骨を吐き出した。
ドガガガガガ
片耳エルフ「く、”高守護”」ゴォン
片耳エルフは防御力を上げて耐えるが無傷では済まない。
少年エルフ「師匠さん!」
少年エルフは片耳エルフの元へ駆け出した。
第二皇子「ちょっとエルフ…… そうだあの曲、楽譜は」
第二皇子は荷物から何かを探し始めた。
少年エルフは片耳エルフの元に駆け寄る。
少年エルフ「師匠さん大丈夫? ”大治癒”」パアア
423 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/28(土) 23:06:50.37 ID:8hTuPgxb0
片耳エルフ「……フン、この程度なんともない」
片耳エルフは治癒を受け立ち上がる。
死霊使い「素晴らしいこれが秘宝の力、学者風情もバカにできんな」
片耳エルフ「タイガー取り込まれたのか、……やむをえん”十字大風刃”」
ビュゴゴゴゴゴゴッ!
巨大な風の刃がスカルタイガードラゴンに放たれる。
死霊使い「バカめ」
ビュルル
骨虎竜「ギュガガガ」
スカルタイガードラゴンは魔法を食べた。
片耳エルフ「まさか能力まで!?」
死霊使い「そういうことだ、自らの魔法で消し飛ぶがよい」
魔法が吐きだされる
ビュゴゴゴゴゴゴッ!
424 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/28(土) 23:09:06.16 ID:8hTuPgxb0
片耳エルフ「”範囲守……”(間に合わない)」
少年エルフ「お願い」
少年エルフは魔法石を掲げた。
魔法石「”ニジュフ……”」ビュル
ズドドォン
風の障壁が風の刃を防いだ。
少年エルフ「出来た……、間に合った」
片耳エルフ「音声魔法による高速詠唱? ……そんな方法が」
死霊使い「そうか、あの時の婆の…… しかしコレならばどうだ」
ズドドン
スカルタイガードラゴンの巨大な足の踏みつけ攻撃!
425 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/28(土) 23:10:42.66 ID:8hTuPgxb0
片耳エルフ「避けろ」
少年エルフ「うわあああっ」
片耳エルフが少年エルフを抱えて踏みつけを回避する。
死霊使い「ふははは 早く走らないと粉々だぞ」
ズドドン ズズン
片耳エルフ「おのれ…… 一旦逃げるしか」
少年エルフを抱えた片耳エルフは逃げ出そうとした。
少年エルフ「まってホビットが」
片耳エルフ「そういえば…… どこだ?」
第二皇子「えっと……フムフム」
第二皇子は取り出した楽譜を読んでいる。
少年エルフ「ホビット、逃げて」
第二皇子「よしわかった」サッ
第二皇子はバイオリンを取り出して構える。
426 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/28(土) 23:12:36.89 ID:8hTuPgxb0
第二皇子はバイオリンを取り出して構える。
片耳エルフ「何をしている、逃げるぞ」
少年エルフ「ホビット!」
第二皇子「もう大丈夫だよ」
♪♪♪〜
第二皇子が魔曲”鎮魂歌”を弾き出した。
骨虎竜「ガガガガガッ」
死霊使い「なんだこの音はああッ!?」
ガラガラガラ……
死霊使い達の体が崩れていく。
少年エルフ「何? どうしたの?」
片耳エルフ「鎮魂歌か、まだ弾ける者がいたとは」
427 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/28(土) 23:14:35.59 ID:8hTuPgxb0
死霊使い「私のドラゴンが虎が!」
骨虎竜「ゴゴゴ……」ガラガラガラ
スカルタイガードラゴンは崩れさった。
少年エルフ「ホビットすごーい」
第二皇子「へへ」
♪♪♪〜
死霊使い「おおおお、逃げ…… 逃げられんッ!」ガラガラ
死霊使いの体から骨の兎やネズミ、鳥が這い出して来るがそれもまた崩れていく。
片耳エルフ「タイガーの仇だ ……”焔”」
キィイン
片耳エルフの手に爆裂魔法が凝縮する。
死霊使い「一曲弾かれたただけでこんな、こんな馬鹿な―っ!」
ヒュドドドドドドン
死霊使いは超高温の爆発に呑まれた。
片耳エルフ「フン…… 久しぶりに少し本気を出してしまったか」
死霊使いとスカルタイガードラゴンを倒した。
428 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/28(土) 23:16:13.05 ID:8hTuPgxb0
○
少年エルフは温泉からスープを汲み取った。
ドロドロドローン
少年エルフ「すごく濃いね」
第二皇子「ホント魔力もすごい」
少年エルフ「これなら解除薬でもなんでも作れそう」
第二皇子「作るのはラーメンだけどね…… それにしても濁ってるね」
温泉は先ほどの戦闘で濁っている。
少年エルフ「なるべき奇麗なところを探して汲もうか」
第二皇子「そうだね、手分けして探そう」
429 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/28(土) 23:18:53.13 ID:8hTuPgxb0
○
片耳エルフ「タイガー…… 済まない」
片耳エルフはホワイトタイガーの骨の近くに佇んでいる。
片耳エルフ「こんな形で別れがくるとは……」
キラン
片耳エルフ「む?」
ガラガラ
片耳エルフは骨の間から結晶を拾い上げる。
片耳エルフ「ムゥ……(これは奴の……)調べるべきか」
片耳エルフは結晶を鞄に詰めた。
少年エルフ「師匠さん材料これでおわり―?」
遠くから少年エルフが問い掛けてきた。
片耳エルフ「ああ、コレで最後だ帰るぞ」
片耳エルフは少年エルフのもとにかけよる。
少年エルフ「ラーメンってどうやって作るの」
片耳エルフ「それはまず……」
少年エルフと片耳エルフが一緒にあるいていく。
第二皇子「あんなに嫌ってたのに……(すっかり仲良くなったなぁ)」
第二皇子も二人の後を歩いていく。
○
430 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/28(土) 23:19:38.80 ID:8hTuPgxb0
※つづく
431 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/28(土) 23:27:08.68 ID:zR27LRUvo
乙!
432 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/04(土) 23:26:57.20 ID:VIHvzcOn0
#29 合流
433 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/04(土) 23:27:54.72 ID:VIHvzcOn0
○氷の森・雪の道
サクサク
第七王女「やれやれ氷の塊が襲ってくるとはな」
第七王女達が歩いてきた。
女兵士「道はこっちでいいの?」
娘友「合ってるわ反応が強くなってるし」
ピコーンピコーン
娘友は探知機を手に案内する。
男子「らりるれろ〜」
男子は口封じの呪いにかかっている。
女兵士「男子くん大丈夫? 少しはかわろうか?」
男子「……」
男子は首を振ってこたえる。
娘はソリに横たえられ、男子がソリを引いていた。
第七王女「娘、もうすぐじゃぞ、がんばるのじゃぞ」
娘「……」
娘は朦朧としている。
女兵士「あ、誰かいるよ」
娘友「エルフさん? それとも……」
434 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/04(土) 23:28:57.40 ID:VIHvzcOn0
○氷の森・雪だるまの広場
魔法勇者は雪だるまを転がす手を止める。
魔法勇者「はー、さぶー」
孫僧侶「誰か来たみたいよ、あー」
第七王女「あ」
魔法勇者「あ、いつぞやのチンチクリン」
第七王女「誰がチンチクリンじゃ」
ズン
\ぉおおぉお/
魔法勇者は股間を押さえて悶絶する。
435 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/04(土) 23:29:35.06 ID:VIHvzcOn0
第七王女「まったく出会い頭に失礼な奴じゃ」
孫僧侶「王女ちゃん久しぶり〜、ごめんねウチのバカ坊ちゃんが」、
第七王女「久しいのう、しかしバカは治らないもんじゃのう」
孫僧侶「ホントホント」
魔法勇者「お、お前がいるということは娘さんも」ガバッ
男子「ら」
魔法勇者は目ざとく娘を見つけ駆け寄った。
娘「……」
魔法勇者「おお、呪われたと聞きましたがもう安心です俺が解呪しましょう、古来から美女の呪いを解くのは王子のキスときまっ」
第七王女「お断りじゃッ!!」
ゲシ
魔法勇者「ふべら」
第七王女のドロップキック! 魔法勇者は作りかけの雪だるまに突っ込んだ。
436 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/04(土) 23:30:00.61 ID:VIHvzcOn0
孫僧侶「坊ちゃんじゃ役不足よー」
娘友「そーねー」
魔法勇者「遠慮ねーな相変わらず…… ちょっとフザケタだけだろうが」
第七王女「ふざけるのは顔だけにしておくのじゃ」
魔法勇者「やかましい! そういえばお前ら、どうやってここに」
第七王女「無論、歩いてじゃ他に方法があるのか?」
魔法勇者「いやまて…… しかしそれだどアイスゴーレムは……」
第七王女「ああ、不細工な氷の化物はわらわ達が退治しておいたぞ」
魔法勇者「てめー!! 最初から作り直しじゃねーかちくしょー!」
437 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/04(土) 23:30:54.53 ID:VIHvzcOn0
○氷の森・片耳エルフの家
少年エルフ「熱い……、けっこう力がいるね」
片耳エルフ「疲れたか? しかし、お前は飲み込みが早いな筋がいい」
少年エルフ「ホント? えへへ」
片耳エルフは少年エルフに解呪料理の手ほどきをしている。
第二皇子「ふわぁ…… まだかな、ん?」
ガヤガヤ
家の外が騒がしくなる。
ガチャ
第七王女「ここか? なんだかいい匂いがするのう」
第七王女達が入ってきた。
438 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/04(土) 23:32:20.53 ID:VIHvzcOn0
第二皇子「あ、王女姉さま。追いついたんだ」
第七王女「ハフッ」ズキューン
第二皇子「王女姉さま? どうしたの?」
第七王女「フフ…… ホビットよやっと追いついたのじゃ、お主は息災か?エルフは無事か?」
第二皇子「え、うんエルフはあっちに…… あの、王女姉さま鼻血がでてるけど……」
第七王女「なに気にするでない…… これは感動があふれておるだけじゃ」
第二皇子「かんどう……?」
娘友「ホビット気にしないで、それよりエルフさんは?」
第二皇子「ほらあそこで解呪ラーメンを作ってるよ」
娘友「解呪ラーメン…… また妙なことにってあの人エルフ族じゃない!?」
第七王女「なんと!」
女兵士「うわー、エルフちゃん以外はじめて見た」
男子「らりるれろ!!」
第二皇子「あ、口封じされてる」
439 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/04(土) 23:33:43.76 ID:VIHvzcOn0
片耳エルフ「なんだうるさいな、追加の客……か…… 剣士! お前生きてたのか」
ダダッ ガバッ
片耳エルフは突如男子に抱き付いた。
魔法勇者「!!」
女兵士「!!」
少年エルフ「!!」
男子「らりるれろ!?」
片耳エルフ「なんだお前あんな罠にかかったのか、仕方のない奴だな」
片耳エルフは解呪薬を取りに奥へいった。
魔法勇者「おおお、お前なにやってんだ師匠とどういう関係だテメェ!」アタフタ
女兵士「そそそ、そうよ初めてあったのじゃないの!?」アタフタ
少年エルフ「そうだよね男子くんモテるもんね……だよねー」ドヨーン
男子「ッ!!(エルフさんがあんな目を!? 俺が何をしたんだ)」
440 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/04(土) 23:34:53.20 ID:VIHvzcOn0
片耳エルフ「どうした? ほらコレをのめ」
片耳エルフが戻ってきて瓶を男子に渡す。
グビグビ
男子「あの」
片耳エルフ「まったくずいぶん久しぶりじゃないか、どうしてたんだ」
魔法勇者「近いぞテメェ―!」
女兵士「男子くーん」
少年エルフ「ぁぁぁぁぁ」
男子「まったまった! 俺はアナタを知らないですよ誰かと勘違いをしてるんじゃ」
片耳エルフ「何をいって、お前右手が……(右手がある、それに前より若いような)」
第七王女「そうじゃ人違いじゃろう、わらわ達はここは初めてじゃ」
441 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/04(土) 23:36:21.07 ID:VIHvzcOn0
片耳エルフ「コホン…… お前、剣士という名に心当たりは」
男子「……御爺様と同じ名前ですが、まさか知り合いですか?」
片耳エルフ「御爺…… お前は剣士の孫か……」
男子「そうですかね……」
片耳エルフ「フム……」
片耳エルフはしばし考え込む。
女兵士「男子君のお爺さんって?」ボソ
第七王女「知らんのか? 剣聖の称号を授与されておるぞ」ボソ
女兵士「へー、有名?」ボソ
娘友「一応ウチの国の英雄なんですけど……」ボソ
男子「あの……」
片耳エルフ「そうか…… それで剣士は」
男子「10年程前に亡くなりました」
片耳エルフ「そうか…… そうだよな人間だもんな」
少年エルフ「あの師匠さん……」
片耳エルフ「ちょっと休憩だ、お前達も好きに休め」
片耳エルフは外へ歩いて行った。
442 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/04(土) 23:38:17.44 ID:VIHvzcOn0
○
少年エルフ「娘の容態は?」
娘友「言われた通りに薬を飲ませて来たけど弱ってるわ」
少年エルフ「これを飲ませてみよう」
少年エルフは仕込み途中のスープを娘にのませた。
娘「……ぅ」
少年エルフ「……少し良くなったけど、解呪まで出来てない…… 早く完成させなきゃ」
○
443 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/04(土) 23:38:54.64 ID:VIHvzcOn0
※つづく
444 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/04(土) 23:40:52.65 ID:dHAK33Ou0
お疲れ様です!
続き楽しみにしています!
445 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/12(日) 00:10:05.93 ID:D5gqTFow0
#30 復活、竜骨解呪ラーメン
446 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/12(日) 00:12:31.27 ID:IQ0s2yIJ0
○片耳エルフの家・庭先
庭先のベンチで片耳エルフが佇んでいる。
片耳エルフ「……剣士」
少年エルフ「あの……師匠さん」
少年エルフがやってきた。
片耳エルフ「なんだ」
少年エルフ「ここ座っていい?」
片耳エルフ「ああ」
少年エルフは片耳エルフの近くへ腰かける。
少年エルフ「あの……男子くんのお爺さんと友達だったの?」
片耳エルフ「フ…… バカを言うなあいつは敵だったのだ」
少年エルフ「敵だった?」
片耳エルフ「前の戦争の時に私は……」
片耳エルフは語りだした。
447 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/12(日) 00:14:04.26 ID:IQ0s2yIJ0
○しばらく後
少年エルフ「それでそのその後は?」
片耳エルフ「いやそれっきりだ」
少年エルフ「そうなの!?」
片耳エルフ「あーそうだな、あんな奴死んで清々するな、うんそうだ清々する」
少年エルフ「……(お爺さんって一体)」
片耳エルフ「エルフ、あの人間がお前が言っていた娘だな」
少年エルフ「うん、僕は娘のパパだからどうしても呪いを解きたくて……」
片耳エルフ「そうか…… しかし覚えているか? あいつ等は人間だということを」
少年エルフ「それは、わかってるよ」
片耳エルフ「本当にか? いずれ同じ時を過ごせないのだぞ」
少年エルフ「それは……」
片耳エルフ「あまり人間に関わるな、お互いによくない…… そうだよくないのだ」
少年エルフ「……そうかな、僕は娘と一緒にいて楽しいよ」
片耳エルフ「……」
少年エルフ「娘を育てて、ワガママきいて、一緒に歩いてきて、いつの間にか娘は僕をいろんな所に連れてきてくれたよ、いろんな事も見たし、感じたよ……辛い事もあったけど娘と一緒だから大丈夫だったよ」
片耳エルフ「……そうか」
少年エルフ「娘のおかげで師匠さんにも会えたしね」ニコニコ
片耳エルフ「フフッ……なにをいう、ハーフエルフのくせに」
片耳エルフは少年エルフの頭を荒っぽく撫でる。
448 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/12(日) 00:15:58.45 ID:IQ0s2yIJ0
少年エルフ「ねぇ……師匠さんは」
ガサッ
娘「パパ……」ヨロヨロ
少年エルフ「娘!? 解呪できたの! 大丈夫?」
娘が娘友に持たれながら歩いて来た。
娘友「大丈夫そうじゃないけど、エルフさんの所行くってきかなかったの」
少年エルフ「娘、ダメじゃない……もう」
娘「ふふ、だって久しぶりだもの」
片耳エルフ「ふぅむ……その状態でよく動けたな」
娘「エルフ族の……オンナ……(イヤな予感は当たるものね)……う……グ」ガク
少年エルフ「娘! 娘!?」
片耳エルフ「大丈夫だ、すぐに戻って仕上げるぞ」
少年エルフ「はい」
娘「……(エルフ族……パパ以外の……)」
449 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/12(日) 00:17:30.89 ID:IQ0s2yIJ0
○片耳エルフの家
片耳エルフ「さぁ喰え」
ドン
片耳エルフと少年エルフは竜骨解呪ラーメンを完成させた。
魔法勇者「ゥンマァーイ」
娘友「うおおお細胞が活性化するわー」
爺僧侶「うますぎる」
第二皇子「みんなテンションがおかしいよ」
片耳エルフ「当たり前だ、特製の背油も使ってるんだマズイ訳がない」
男子「美味い……(けど胃もたれしそうだ)」
少年エルフ「王女、娘を起こせる」
第七王女「こうか?」
娘「うぅ……」
第七王女がベッドに横たわる娘の上半身を起こす。
少年エルフ「これを……」
少年エルフはスプーンで竜骨解呪ラーメンのスープを娘にのませた。
こくこく
450 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/12(日) 00:18:55.18 ID:IQ0s2yIJ0
娘「ッ!!」ブッ
娘「ナニコレマズッ 脂っこい」ケホケホ
魔法勇者「ッ!!」
爺僧侶「」
孫僧侶「プッ」
ゴン
孫僧侶は無言で片耳エルフに殴られた。
\はぅ〜/
片耳エルフ「ほーぅ」ピキピキ
娘友「まー味覚はひとそれぞれよね」ボソ
少年エルフ「……(やっぱり) 娘、ほらこっちはさっぱりしてるよ」ボソ
娘「パパが作ったの」
少年エルフ「そうだよ」
少年エルフは別に作っていた竜骨解呪ラーメン(さっぱり味)を娘にのませた。
娘「んく…… 美味しい」
パアア
娘の呪いは解けた。
451 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/12(日) 00:20:19.63 ID:IQ0s2yIJ0
片耳エルフ「フン…… 解けたか」
少年エルフ「うん、師匠さんのおかげだよ」ニコ
片耳エルフ「……勘違いするな 私は何もしていない」ポッ
少年エルフ「そう? でもありがとう」ニコニコ
片耳エルフ「ふふふ」
娘「……そーよ勘違いしない事ね パパは私の為にコレを作ってくれたのよ」
少年エルフ「娘?」
片耳エルフ「ほーぅ、……そうだな人間の小娘よ、しかしお前はまだ回復しきってないだろう少し休んでいけ」
娘「いいえ、パパのおかげですっかり……」フラッ
少年エルフ「娘!」
ガシッ
男子「大丈夫か?」
娘「く……」
片耳エルフ「強がるな…… しばらく泊まっていくがいい、エルフ…… と人間の娘よ」
少年エルフ「いいの?」
片耳エルフ「無論だ」
少年エルフ「何から何まで、本当にありがとう」ニコッ
片耳エルフ「フ……」
娘「ぬぅぬぬ……」
○
452 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/12(日) 00:21:45.86 ID:IQ0s2yIJ0
※つづく
453 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/12(日) 00:24:33.82 ID:pcKWZMGR0
更新ありがとうございます!
いや〜、娘と片耳エルフの修羅場、続きが待ち遠しいです。
もし可能ならば、片耳エルフにくすぐり責めにされる娘を見てみたいです。
では、続きを楽しみに待っています!
454 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/12(日) 15:32:25.35 ID:trhTgyWco
乙!
455 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/19(日) 02:07:53.47 ID:YWDh/wLA0
#31 エルフの耳はなぜ長い
456 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/19(日) 02:08:38.36 ID:YWDh/wLA0
○片耳エルフの家
少年エルフ「師匠さん鹿角ってある?」
片耳エルフ「鹿の角か? いやないな」
少年エルフ「そっか……うーん」
片耳エルフ「なんだ薬に使うのか」
少年エルフ「うん……娘の滋養薬にと思ったんだけど……鹿角だけもってないんだよね」
片耳エルフ「ふむ、鹿ではないがトナカイならこの辺りでもいるぞ」
少年エルフ「トナカイ…… 使えるかな」
片耳エルフ「試すなら狩場に案内するぞ」
少年エルフ「うん、わかったお願い」
457 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/19(日) 02:09:51.52 ID:YWDh/wLA0
○
少年エルフ「ちょっと行ってくるから男子くん、友ちゃん娘をお願いね」
男子「わかった」
娘友「はーい」
バタン
娘「うぅん……パパ? どこかへ出かけたの」うとうと
男子「なんだかトナカイ狩りにいったみたいだ」
娘「狩り…… 誰と?」
男子「それはし……」
娘友「すぐ戻るって」
娘「……そう」スー
娘は眠ってしまった。
男子「なんだどうした」
娘友「師匠さんとエルフさんが一緒に出掛けたってしったら娘がどうするかわかるでしょ」ボソボソ
男子「スマン…… そうだな」
娘友「でしょ、しばらく安静にさせた方が」
魔法勇者「おー麗しい娘よ ご機嫌はいかが」
魔法勇者があらわれた。
458 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/19(日) 02:11:37.49 ID:YWDh/wLA0
娘「うん……なにようるさいわね」
娘が目を覚ます。
男子「娘はまた本調子じゃないだそっとしておいてくれ」
魔法勇者「なんだテメェはデケェツラして娘さんのなんなんだ」
娘友「そういえばこの二人初対面だったわね」
男子「俺は娘の幼馴染だ」
魔法勇者「なにぃオサナナジミ…… そんなものが本当にいるとは」
娘友「なんでショック受けてるのよ」
魔法勇者「いや大丈夫だ幼馴染は負けフラグそう軽めの書物には書いてある」
男子「どんな書物だ」
魔法勇者「やかましいわイケメンゴリラ、師匠とエルフが居ない今が俺のチャンスなんだ」
娘「なに? あのエルフ女とパパが!」ガバッ
娘友・男子「「あーあ」」
魔法勇者「なんだなんだ? 俺は悪くねぇ」
459 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/19(日) 02:12:54.42 ID:YWDh/wLA0
○氷の森・狩場
少年エルフと片耳エルフが話ながら歩いている。
片耳エルフ「なに、61歳だと!? 100歳くらいかと思ったぞ…… ふむ(人間の血のせいか? 成長が早い)」
少年エルフ「そう? えへへ」
片耳エルフ「ふむ(こいつを弟子にしたら100年位は暇つぶしに……)」
少年エルフ「あ、すごい大きな鹿」
片耳エルフ「あれがトナカイだ、よし狩るか”風……”」
少年エルフ「うわぁ! まってまって」
片耳エルフ「なんだ?」
少年エルフ「その……角だけでいいんだから狩らなくても」
片耳エルフ「狩ったほうが早いだろうが」
少年エルフ「だけど……その…… 他にも方法が……」
460 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/19(日) 02:15:00.97 ID:YWDh/wLA0
トナカイは少年エルフ達に気付いて逃げ出した。
少年エルフ「あ……」
片耳エルフ「逃げられたか」
バリバリバリ
片耳エルフ「なに!?」
少年エルフ「え? 娘」
娘「あら、奇遇ねこんな所で」
少年エルフ「娘!? どうやってここに、ちゃんと寝てなきゃ!」
娘「大丈夫よ、ちょっと散歩してただけだから」
○
感電して気絶したトナカイの横に男子が黒焦げで倒れている。
男子「いきなり人の背中で電撃うつなよ……」プシュー
離れた所では走り過ぎた魔法勇者が吐瀉物を吐きながら倒れている。
魔法勇者「もう……走れねぇ……ゴフォ」
息を切らした娘友が追いついてきた。
娘友「はぁ……はぁ…… あ〜追いついたみたいねヒドイ有様ね」
461 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/19(日) 02:17:24.65 ID:YWDh/wLA0
○
娘「パパ…… 私は大丈夫だから無理しないでいいのよ」ボー
娘は熱でボーッとしている。
少年エルフ「なに言ってるのすごい熱じゃない…… もう無理するから」
娘「へいきへいき…… これくらい」ボー
片耳エルフ「フン…… もう大丈夫なようじゃないか、薬はいらないんじゃないか? エルフ」
娘「……あ、やっぱダメだわ」フラッ
少年エルフ「娘! まっててすぐに薬を調合するから」
少年エルフはトナカイを探しに行った。
片耳エルフ「……」
娘「……」
\うわぁ男子君大丈夫!?/
462 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/19(日) 02:19:31.66 ID:YWDh/wLA0
○
娘「言わせてもらうけど、パパは誰にでも優しいだけよ勘違いしないでくれる?」
片耳エルフ「ハ、なんだそれは別に私は勘違いなど……あいつが勝手に懐いてきただけだろうが」
娘「ハァ!? それが勘違いっていってるの! パパは私の為にここまで来たのよ」
片耳エルフ「そうだな、どこぞの人間が呪われたせいでこんな所までな、まったく迷惑な話だな」
娘「なによパパが迷惑になるわけないじゃない!」
片耳エルフ「何を言っている? 熱で耳が聞こえないのか!」
娘「耳がなによ、アンタだって何よその耳半分切れてるじゃない、そんな半端な」
片耳エルフ「人間ッ! 貴様にエルフ族の耳の何が分かる!」
娘「そんなのパパの耳ならなんでも知ってるわよ、パパ以上に、先っぽから一番奥まで」
片耳エルフ「待て待て待て、お前本当に何の話をしている!?」
娘「パパはねぇ〜、こう先っぽを引っ張って奥をコリコリとすると」
片耳エルフ「バカ!? そんな話を人前でする奴があるか」カアア
463 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/19(日) 02:20:18.65 ID:YWDh/wLA0
娘「うふふ、綿棒で一番奥をね……」
片耳エルフ「やめろ人間、それ以上しゃべるな」
娘友「……なんの話よ」
少年エルフ「……耳掃除の話だよね……?」
娘友と合流した少年エルフがやってきた。
片耳エルフ「バカ! エルフそんな言葉を口にするな」カアア
少年エルフ「え、耳掃除?」
娘友「耳掃除が?」
片耳エルフ「うわああああそんな平然と! これだから人間は!!」
464 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/19(日) 02:21:28.48 ID:YWDh/wLA0
○
片耳エルフ「いいか、エルフ族は母親と伴侶以外にその…… 耳を許してはいけないのだ」
少年エルフ「……そうなの?」
片耳エルフ「く……、人間に育てられたせいでこんな無節操に、不憫な」
少年エルフ「でもそれじゃあ師匠さんはどうやって」
片耳エルフ「それは自分で…… バカ、なんて事を言わせるんだ」カアアアア
片耳エルフは顔を覆ってふさぎ込む、耳まで真っ赤である。
少年エルフ「ご、ごめんなさい」
娘「んふふ〜 パパ〜久々にしてあげるわよ耳掃除〜」
片耳エルフ「私の家でそんな事をするつもりか!? 破廉恥な」カアアア
少年エルフ「娘…… やっぱり少しおかしいよ、早く戻ろう」
娘「そうよ、パパの耳は私のもーのーよー」
片耳エルフ「そんな事を堂々と…… これだから人間は」カアア
少年エルフ「あの……僕の耳は誰の物でもないから、ね?」
465 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/19(日) 02:22:51.86 ID:YWDh/wLA0
○
男子「結局こうなるのか」
男子は朦朧とした娘を背負っている。
少年エルフ「ゴメンね男子君、友ちゃん、娘の無茶に付き合わせて」
娘友「大丈夫大丈夫慣れてるから」
少年エルフ「ホントにゴメン」
片耳エルフ「ハァ…… エルフ、あまり人間を甘やかすなよ」
少年エルフ「はい、師匠さん」
片耳エルフ「それで薬は出来そうか?」
少年エルフ「うん、簡単な調合でも効果あったみたいだし、戻ったらちゃんとした調合をするよ」
片耳エルフ「そうか…… お前達はその娘が回復した後はどうするんだ?」
少年エルフ「それはうーん……」
娘友「どーかしら王女と相談もしなきゃだけど」
466 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/19(日) 02:24:06.38 ID:YWDh/wLA0
片耳エルフ「そうか…… なあエルフおまえが……ッ!」
娘「……」ジー
言いかけた片耳エルフは凝視してくる娘に気付いた。
少年エルフ「なに?」
片耳エルフ「いや、今はいい……またな」
少年エルフ「うん」
\エルフー/
少年エルフ「王女?」
第七王女が手に何かもって走ってきた。
男子「どうした?」
第七王女「白竜からSOSじゃ」
467 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/19(日) 02:24:50.85 ID:YWDh/wLA0
○
娘友「どういう事?」
第七王女「白竜からのSOSじゃ」
第七王女は角笛を取り出した。
男子「なんだコレ」
第七王女「白竜から連絡用に貰ったものじゃ」
娘友「見たことない形だけど無線機? スゴイわね」
第七王女「白竜から伝言が届いておるのおじゃ」
\メッセージヲサイセイシマス/
角笛「ちょっと大変よ魔王アーマーが…… キャーッ! プツツーツーツー」
\サイセイヲシュウリョウシマス/
少年エルフ「魔王アーマーってこないだの?」
第七王女「そうじゃ、帝国軍が攻めてきたのじゃ」
○
468 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/11/19(日) 02:27:26.40 ID:YWDh/wLA0
※ドラーメンガール編終わり
次回更新は12月9日に
469 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/19(日) 20:28:32.23 ID:pBvhkc/eo
乙!
470 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/09(土) 22:18:01.33 ID:TDPltGNX0
#32 最終絶望計画 〜僕の世界を救って〜
471 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/09(土) 22:19:51.53 ID:TDPltGNX0
○氷の森・片耳エルフの家
家の前で第七王女達はソリの準備をしている。
片耳エルフ「よし忘れ物はないな」
少年エルフ「うん大丈夫…… えっとお世話になりました」
少年エルフは片耳エルフに別れの挨拶を返す。
片耳エルフ「別に良い、本来なら私も一緒に行きたいのだが信じられないことにバカ弟子が風邪をひいてしまってな」
魔法勇者「風邪どころか遭難しかかったぞ、どいつも俺の事忘れやがって」
孫僧侶「しょーがないですよー坊ちゃんだし…… 大人しく寝ててください」
魔法勇者「ちくしょう」
家の中から魔法勇者のボヤキが聞こえる。
片耳エルフ「まあそんな訳で直ぐには行けない、帝国の動きは私も気になる所なのだがな」
娘「エルフ早く、もういいでしょ」
娘が片耳エルフの会話に割って入る。
472 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/09(土) 22:21:30.72 ID:TDPltGNX0
片耳エルフ「大分よくなったようだな」
娘「ええおかげ様で」
片耳エルフ「そうかそうか」ニコニコニコ
娘「ええ……」ニコニコニコ
ゴゴゴゴゴゴ……
少年エルフ「……(なんか怖い)」
片耳エルフ「そうだエルフ、コレを持っていけ」
少年エルフ「これは?」
少年エルフは握りこぶし程もあるドングリを渡された。
片耳エルフ「……昔、森のエルフ族からお守りとして貰ったものだ持っていけ」
少年エルフ「大事なものじゃないの?」
片耳エルフ「いいんだ、きっと私よりお前が持っている方が意味がある。餞別は素直に貰っておくものだぞ」
少年エルフ「うん、ありがとう」
片耳エルフ「気をつけていけよ」
少年エルフ「はい」
第七王女「もういいかの? よーし出発じゃ」
少年エルフと娘もソリに乗り込んだ。
473 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/09(土) 22:22:52.96 ID:TDPltGNX0
○氷原・走る2台のソリ
シャシャシャー
娘友「はい、そんな訳でアタシ達は鹿ソリに乗って白竜さんがSOSをしたと思われるドワーフ城へ向かっている所です、死ぬほど寒い〜ッ」ぎゅうぎゅう
娘「そんな事いってパパにくっつき過ぎよ少しは遠慮しなさい」むぎゅうむぎゅう
少年エルフ「狭いから動かないでって……(娘の方がくっつき過ぎのような)」
ドドォン
突然、氷原に轟音が鳴り響く。
第二皇子「うわぁ!?」
第七王女「なんじゃ」
男子「進行方向に爆発音と雪煙! 誰かいるぞ」
女兵士「なになに?」
先行している第七王女達のソリから男子が大声で報告する。
474 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/09(土) 22:25:52.80 ID:TDPltGNX0
\止まるな走れー!/ \うわー!/
第二皇子「あれはドワーフ族の兵隊さんと……」
ドドォン
再び轟音がして雪煙の合間から巨大なシルエットが見えた。
第二皇子「魔王アーマー!」
ドドォン
ドワーフ兵達が魔王アーマーに襲われていた。
娘友「バカな、巨大で高火力、魔法も効かない大型魔導式鎧の魔王アーマーは前に壊したハズ!」
少年エルフ「……(なんで説明口調?)あれは教団のとは似てるけどちょっと違うよ」
娘「複製品…… まさか量産型?」
キュドーン
\グワー!!/ \相棒ー/
第七王女「白竜が言っていたのは本当じゃったのじゃ、助けるぞ」
第二皇子「うん」
女兵士「えーホントにぃ!?」
男子「どうやって倒すんだあんなもん!?」
475 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/09(土) 22:28:37.51 ID:TDPltGNX0
娘「アーマーは私達が引きつけるわ、王女達はあの人達をお願い」
第七王女「わかったのじゃ」
○
ズシンズシン
魔王アーマーのスピーカーから帝国将校が呼びかける。
魔王アーマー(帝国将校)「投降しろ、次は当てるぞ!」
ドタドタ
ドワーフ兵A「走れ捕まるぞ」
ドワーフ兵B「ひぃひぃ……もう無理だ」
シャシャシャー
第七王女「まてまてまてーいっ」
第二皇子「叔父さん達掴ってーッ!」
第七王女達のソリが滑り込む。
ドワーフ兵A「まさか第二皇子殿か!?」
ドワーフ兵B「おお助かった!」
ドワーフ兵たちがソリにしがみつく
476 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/09(土) 22:31:36.88 ID:TDPltGNX0
魔王アーマー(帝国将校)「援軍!? 逃がす……」
ドォン
火球が魔王アーマーに炸裂する。
○
娘友「ここにも居るわよー!」
少年エルフ「友ちゃん座って、危ないよ」
娘「やっぱり効果は無さそうね」
ヒュドドドッ
魔王アーマーから魔法弾が放たれた。
少年エルフ「”二重風防波”」ギュルルッ
バヒュン バヒュン ドドォン
風の障壁が魔法弾を逸らす。
娘友「あーコワ、さてアッチに行くかコッチに来るか……」
魔王アーマーは一瞬ためらった後に第七王女達のソリを追いかけ始めた。
少年エルフ「あー、アッチいっちゃう」
477 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/09(土) 22:33:11.04 ID:TDPltGNX0
娘「”大火球”」ドォン
火球が魔王アーマーに放たれた。
\どわー/
娘「”大爆裂”」ズドドォン
\うおお/
娘「まだまだ”落雷”」
ピカッ ガッシャーン!
\うひょおおお!?/
帝国将校の悲鳴が響き渡るが魔王アーマーには効果はない。
少年エルフ「娘、病み上がりなんだから無茶しちゃだめだよ」
娘「大丈夫、これくらい肩慣らしよ」
娘友「あ、こっち来た」
\おまえらー/
ズンズン
魔王アーマーは少年エルフ達のソリに向かってきた。
478 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/09(土) 22:34:58.13 ID:TDPltGNX0
○
娘友「どーするのこの状況」
少年エルフ「どうするったって」
シャシャシャー
娘「雪面滑走できるなんて…… 振り切れないわね」
魔王アーマー(帝国将校)「絶対に許さんぞお前らーッ!」
シュババー
ソリの後を魔王アーマーがついて来ている。
娘友「とにかくもっとスピードだして」
少年エルフ「まってこの先は危ないってホビットが……」
娘友「危ないって何もないじゃない?」
少年エルフ「だからここは……」
魔王アーマー(帝国将校)「投降を今ならギリ受け付けるぞー!」
帝国将校ががなり立てる。
娘「丁度いいわ、あの木の近くに止めるわよ」
少年エルフ「ええ!?」
娘友「ちょっと!?」
479 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/09(土) 22:36:19.35 ID:TDPltGNX0
○魔王アーマー内
帝国将校「む、止まった……白旗か? やれやれやっと投降する気になったか」
魔王アーマーは木の近くにソリを止めた娘達に向かって近づく。
ズシンズシン……メキメキ
帝国将校「なに!? うおおおお」
バキンメキメキ ゴボボボボ
氷が魔王アーマーの重みで割れた。
帝国将校「氷!? 湖かここは!」
魔王アーマーは湖底へ沈んて行く。
480 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/09(土) 22:39:35.67 ID:TDPltGNX0
○
娘友「ざまぁーっ!」
娘「作戦通りね」
少年エルフ「ここは割れないの?」
娘「木があるじゃない、ここは小島よ」
少年エルフ「そっか」
娘友「じゃ、急いで合流地点にいかなきゃ」
娘「ずいぶん離れたからね」
少年エルフ「……乗ってた人大丈夫かな?」
娘「……ん」
娘友「……帝国兵でしょ? 敵でしょ」
少年エルフ「そうだけど……」
娘「ふぅ……(やっぱりエルフはそういうの気にするよね)」
481 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/09(土) 22:40:41.92 ID:TDPltGNX0
娘友「だいじょーぶでしょ、魔法全然効かないし、そのうち上がって……」
バシャ
帝国将校「うおおおおおさびぃいいい! 助けてくれーっ!!」
バシャバシャバシャ
娘「な!?」
娘友「……上がってきちゃったわね」
少年エルフ「大変、凍え死んじゃう!」
タタッ
少年エルフは帝国将校に駆け寄る。
帝国将校「ひいいい」ガチガチガチ
少年エルフ「娘、早く火をつけて、それに乾いた服も!」
娘友「あーあ、仕方ないわよね」
娘友はソリの荷物から服を探し始めた。
娘「だってパパだもの…… ”大火球”」ドォン
娘は枯れ木に向かって火球を放った。
482 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/09(土) 22:41:51.31 ID:TDPltGNX0
※つづく
483 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 02:08:57.47 ID:T3RLO/nQo
乙!
484 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/16(土) 23:33:22.41 ID:adIN3ugC0
#33 赤魔王
485 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/16(土) 23:34:56.93 ID:adIN3ugC0
○ドワーフ城
娘友「はい、というわけで助けたドワーフ兵に連れられて秘密通路からお城までやってきました」
娘「ほらしゃべってないで早く、寒いんだから」
娘友「はーい」
第七王女「王よ無事じゃったか」
ドワーフ王「おお、王女よそちらも息災でなにより」
第七王女達をドワーフ王が出迎える。
第七王女「王よ、帝国軍の捕虜をとったのじゃが……」
ドワーフ王「なんと!? 流石王国の姫それはどちらに」
ドワーフ兵A「王よこちらが……」
486 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/16(土) 23:35:59.93 ID:adIN3ugC0
帝国将兵「……」ピチピチ
帝国将兵はドレスを着て現れた。
ドワーフ王「……」
第七王女「……」
ドワーフ兵B「……ブフッ」
帝国将兵「うっせ、どんなプレイだコレは!?」
少年エルフ「娘の服しか着替えなかったから……」
娘「あーあー、お気に入りだったのに」
娘友「もう着れないわねアレ」
ドスドスドス……
白竜「みんなやっと来た〜」
ホワイトドラゴンが現れた。
487 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/16(土) 23:36:57.50 ID:adIN3ugC0
第七王女「おお白竜、怪我はないかよかった」
白竜「大丈夫よ、帝国軍が襲って来た時はびっくりしたけど……あ、それよりエルフちゃん変身リングの充填お願いできない?」
少年エルフ「あ、うんいいよ」
少年エルフは白竜の変身リングに魔力を充填する。
娘「貴方ねぇこの状況より自分の事なの」
ボボン
白竜(人型)「だってここ狭いじゃない、娘ちゃんも呪いが解けたみたいでよかったわ」
第二皇子「あのドワーフ王様、ホビット族の族長は?」
ドワーフ王「む、皇子か…… うむ族長はこの城にはおらん」
第二皇子「もしかして帝国に捕まったの?」
ドワーフ王「それは分からん、何人かホビット族が避難してきておるからその者たちに聞くのがよかろう」
第二皇子「わかりました、ありがとうございます」
第七王女「ホビット、わらわも行くのじゃ」
女兵士「じゃああたしもー」
第二皇子と第七王女が部屋から出て行った。
488 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/16(土) 23:37:53.15 ID:adIN3ugC0
ドワーフ兵「伝令! 王よ、帝国の攻撃が再開しました」
ドワーフ王「よし、すぐ行く…… 王女のドラゴンと従者達よこの城は難攻不落、安心して休まれよ」
男子「お心遣い感謝いたします」
ドワーフ王「行くぞ者ども、蹴散らしてくれるわ」
\\オオ―//
ドワーフ王は部下を連れて城門へ向かった。
戦闘が始まり騒然としはじめた。
\ガヤガヤガヤ/
男子「ふーむ休めと言われても本当に休んでいてよいのかどうか」
娘「男子は真面目なんだから、休める時に休むのも大事よ」
男子「うむ」
489 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/16(土) 23:38:35.20 ID:adIN3ugC0
\衛生兵衛生兵/ \だれか治癒魔法出来る方はいませんかー/
少年エルフ「あ、ハーイ! 僕行ってくるよ」
娘「エルフ…… 男子、一緒についてって」
男子「わかった、娘と友は?」
娘友「アタシする事ないしどうしよ」
娘「友、帝国兵に着せた服、どうなったか見てきてくれない?」
娘友「あーあれ? 将校さんかぁ……ちょっといってこよっか」
娘「頼むわ」
ドドーンドドーン
戦闘音が城内に響く。
娘「さてと白竜、実際の現状は?」ボソ
白竜(人型)「んーよくないわね、上で話ましょうか」ボソボソ
娘「そうね」ボソ
490 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/16(土) 23:41:44.61 ID:adIN3ugC0
○物見の塔
塔の窓から白竜(人型)と娘が戦場の様子を見下ろす。
白竜(人型)「見てのとおり、城下と港は帝国に占領されたわ」
娘「ヒドイわね、それに魔王アーマーがまだあんなに、ドワーフ王はどうやって対抗してるの?」
白竜(人型)「主に籠城ね、4つの城門を破壊してアーマーを何体か巻き込んで倒したわ」
娘「帝国はどうやって……あの船で?」
港には帝国の輸送船が3隻停泊しているのが見えた。
白竜(人型)「そうね、最初は帝国兵が降伏勧告をもってきたんだけど、ドワーフ王が断ってね、そしたら船から魔王アーマーが…… 正当な手順を追っての急襲、王も驚いてたわ」
娘「でしょうね、軍艦でもなく輸送船だけならね…… 帝国の狙いは何かしら」
白竜(人型)「……戦っててわかったけど、帝国の狙いはドワーフ族自身ね」
娘「それって」
白竜(人型)「そう、魔力炉で魔力資源にするつもりよ、この島の亜種族みんな」
491 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/16(土) 23:42:41.11 ID:adIN3ugC0
○ドワーフ城・客間
第二皇子「捕まった!?」
ホビット族A「ええ、私達を逃がすために……」
ホビット族B「長老……」
第二皇子「そんな……」
第七王女「ホビット大丈夫か? 気を強くもつのじゃ」ぎゅう
第二皇子「兄様は本気でみんなを……ホビット族もドワーフ族も……」
第七王女「……ええい、捕まったのであれは助け出すまでじゃ」
第二皇子「でも帝国軍相手にどうやって……」
第七王女「それは……」
492 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/16(土) 23:43:50.81 ID:adIN3ugC0
○城門跡地
ドワーフ兵A「王よーッ!」
ドワーフ王「うおおお放せ!」
ドワーフ王が魔王アーマーに捕まった。
魔王アーマー「抵抗をやめよ、お前達の王がどうなってもよいのか」
\おのれ卑怯者ー/ \出てきて戦え/
ドワーフ王「怯むな、我に構わずに敵を打ち倒すのだ」
\\うおおおお//
魔王アーマー「これだからドワーフ族は」
メキメキ
ドワーフ王「ぐわああ」
魔王アーマーがドワーフ王を握りしめる。
\王よー/
493 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/16(土) 23:44:49.56 ID:adIN3ugC0
ひゅぅううん ズドン
魔王アーマー「うお!?」
ドワーフ王「わあああ!?」
何かが上から降って来て魔王アーマーを踏みつけた。衝撃でドワーフ王が解放される。
白竜「いったーい」
娘「ぐだぐた言わない、……助太刀するわ」
ドワーフ王「おお、ドラゴンと娘殿、かたじけない」
○帝国軍陣営
ドドーンドドーン
ドワーフ族の砲撃とホワイトドラゴンとで魔王アーマーが苦戦している。
帝国将軍「まさかドラゴンまで居るとは……」
帝国兵「本国から伝令、転送許可が下りました」
帝国将軍「本当にやるのか皇帝は? ……転送門最終確認は?」
帝国兵「完了しました。指示を」
帝国将軍「……魔力路つなげ、転送門起動」
494 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/16(土) 23:46:23.63 ID:adIN3ugC0
○城門跡地
娘「なにあの光は!?」
白竜「あれは転送魔法!? もうそんな魔法まで」
ドワーフ王「何だ援軍か?」
転送門の光から何者かが出てくる。
娘「誰?」
白竜「危ない下がって」
ヒュイン
ズドオオオンッ!!
白竜「きゃああああああ」
突如飛来した濃縮魔力弾から白竜が娘達をかばう。
ドワーフ王「ドラゴン殿!」
娘「今の、まさかアイツが撃ったの……?」
495 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/16(土) 23:47:25.15 ID:adIN3ugC0
○帝国軍陣営・転送門
赤魔王アーマー「うむ、良い仕上がりだ」
転送門から現れた赤い魔王アーマーから声が響く。
帝国将軍「なにも自らお越しにならなくても、皇帝陛下」
赤魔王アーマー(皇帝)「私は欲しい物は自らで掴み取る主義でな」
皇帝が転送門から現れた。
496 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/16(土) 23:47:53.21 ID:adIN3ugC0
※つづく
497 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/17(日) 00:12:44.16 ID:B96GdR4qo
乙!
498 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/18(月) 12:15:35.86 ID:nz4M9WYf0
やっと追い付いた
レスめっちゃ少ないが見てるぞ
499 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/22(金) 22:24:56.95 ID:8I1Py9ya0
#34 親衛隊
500 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/22(金) 22:27:30.74 ID:8I1Py9ya0
○ドワーフ城・城門跡
娘「白竜、白竜」
白竜「……いったぁい、お肌ボロボロじゃない」
娘「よかった、一応生きてるわね」
少年エルフ「娘、白竜さん」
男子「どうなってるんだ、娘まで出張って」
男子と少年エルフが駆け付けた。
ドワーフ王「大丈夫かドラゴン殿は?」
娘「なんとか」
ドワーフ王「彼奴ら転送門まで使うとは罰当たりめ」
男子「転送門とは?」
ドワーフ王「一瞬で遠方と行き来できる古代ドワーフ族の遺産じゃ」
娘「ドワーフ族の遺産をなんで帝国が?」
ドワーフ王「それは……」
男子「それは?」
ドワーフ王「こないだワシが売り飛ばしました」
男子「うわあ」
娘「なんでよりによって帝国に」
ドワーフ王「まー、燃費が悪すぎて使い物にならないと思ったんじゃが、一体どうやってあれだけの魔力を」
娘「……あまり考えたくないわね」
男子「しかしどうするんだこの後、あの赤い奴が出てから帝国軍も止まってるが」
ドワーフ王「ううむ……」
501 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/22(金) 22:30:14.19 ID:8I1Py9ya0
○帝国陣営
赤魔王アーマーの操縦席が開く。
プシュー
皇帝「なんという絶望、なんという魔力、素晴らしいこれが戦場か」
皇帝が操縦席から立ち上がる。
将軍「恐れながら申し上げます陛下」
皇帝「いってみよ」
将軍「命令通り出来る限りの捕虜をとらえましたがドワーフ王は籠城しておりこれ以上は捕縛命令ではなく殲滅命令を出していただかなければ……」
皇帝「黙れ」
将軍「……ッ!!」
皇帝「奴ら亜種族、亜人間はこれからの帝国の礎となるのだ、それにドワーフ王には直に聞かねばならぬことがあるのだ」
将軍「しかし今の戦力では……」
皇帝「ならば呼べばよいだけの事」
皇帝は赤魔王アーマーに戻り起動する。
ギュオオン
将軍「なにを!?」
赤魔王アーマーは転送門に魔力を流し込み再起動を行う。
バリバリバリバリ
将軍「そんな!? どこからそんな魔力が!」
赤魔王アーマー(皇帝)「出でよ親衛隊よ」
502 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/22(金) 22:32:22.61 ID:8I1Py9ya0
バリバリバリバリ
兎男「ウフフ…… あまり気持ちのよいものではありませんね」
転送門から兎頭の小男が現れた。
バリバリバリバリ
ゴリラ男「確かに」
転送門から筋骨隆々のゴリラ……いやかろうじて人間の男が現れた。
バリバリバリバリ
鯨男「……陛下の御前だぞ言葉を慎め」
転送門から鯨頭の巨体が現れた。
バリバリバリバリ
イカ女「キャハハハ、顔のうるさいアンタが言うなていうのウケル」
長身でイカ状の腕を持つオンナが現れた。
将軍「……(なんだこいつら!? 妙な扮装をして)」
皇帝「よしお前達、ドワーフ王を捕えて来い」
\\御意//
503 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/22(金) 22:34:15.43 ID:8I1Py9ya0
○ドワーフ城・城門跡
ドワーフ兵「伝令! 妙な奴らが来ます」
城門跡の上から見張りが叫ぶ。
ドワーフ王「妙な!? 一体どういう奴らだ」
ドワーフ兵「それが…… うわああああ」
ドカッガシャーン
ドワーフ兵が転落してガレキの山に突っ込む。
兎男「ウフフ…… 妙な連中とは心外なこれでも親衛隊なんですよ」
兎男が城門跡の上に現れた。
ドワーフ王「親衛隊!? 皇帝が来ているのか」
兎男「ご明察、我らが皇帝がはるばるこの北の島まで……」
ズズン ガラガラガラ
鯨男「口を慎め兎、ただ命令をこなすのだ」
ガレキの向こうから巨大な鯨男が現れた。
\なんだこいつは/ \こいつもアーマーか!?/
白竜「寝てる場合じゃなさそうね」ぐぐぐ
少年エルフ「白竜さん」
白竜が立ち上がり鯨男と対峙する。
鯨男「ほう、竜とまみえるとは……僥倖か」
白竜「鯨と合わすなんて…… 信じられない」
504 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/22(金) 22:36:35.53 ID:8I1Py9ya0
ドワーフ兵「王よ下がり下さい砲撃で支援を」
ドワーフ王「うむ……」
兎男「そのヒゲが王か……」バシュッ
兎男が高速でドワーフ王へ跳びかかった。
ドワーフ王「な!?」
ガキン
兎男「ウフフ…… よく反応しましたね」
男子「……不意を突くとは帝国の騎士はそんなものか」
男子が兎男の攻撃を弾いた。
兎男「フフ、私がそんなモノに見えますか?」
男子「……こんなところに居るんだ、ただの兎では無いだろうな」
505 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/22(金) 22:38:57.99 ID:8I1Py9ya0
○
少年エルフ「うわわ……白竜さんも男子くんもどうしよう」
イカ女「君カワイイねー、どうしよっか?」
少年エルフ「え!? うわ! いつの間に!!」
イカ女が擬態を解き姿を現した。
イカ女「いけない、つい出ちゃった」
娘「あんたパパに何やってんのよ”雷撃”」
娘がイカ娘に向かって魔法を放つ。
バリバリバリ
ゴリラ男「おっと、お嬢さんアンタの相手は俺だ」
ゴリラ男が現れ電撃を受けると平然と言ってのけた。
娘「どきなさい、割と普通のヤツ!」
ゴリラ男「普通とか言うな!!」
506 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/22(金) 22:39:38.87 ID:8I1Py9ya0
※つづく
507 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/23(土) 21:12:02.45 ID:s61cUEdOo
乙!
508 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/24(日) 01:20:10.96 ID:6jXz8hWS0
おつー
509 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/30(土) 23:04:17.85 ID:4Fe4rJ9C0
#35 シン・ゴリラ
510 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/30(土) 23:10:53.34 ID:4Fe4rJ9C0
○ドワーフ城
カキン
兎男「なかなかやりますね」
男子「く、早い(防ぐのがやっとか)」
ドワーフ兵「王は城へ、ギャッ」
兎男はドワーフ兵を倒して回り込んだ。
兎男「そうはさせませんよ」
ドワーフ王「おのれ化け物め」
○
少年エルフ「風弾」ヒゥゴオオ
イカ女「あーん、乾燥しちゃう」ピョイ
イカ女は擬態して姿をくらます。
少年エルフ「また消えて…… そこ”風弾”」
ビュゴオオ
イカ女「勘がいいのね、でもハズレ」
511 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/30(土) 23:11:58.17 ID:4Fe4rJ9C0
○
娘「”雷撃”」バリバリ
ゴリラ男「効かんというのにお返しだ」バリバリ
ゴリラ男の放電! あたりに電撃がほとばしる。
ババババババッ
娘「きゃ! なんでゴリラが雷に強いのよ」
ゴリラ男「はっはっは 進化の賜物だな まだまだ」
バババババッ
○
鯨男「手を焼かせてくれるな」
白竜「なんならベーコンにしようか?」
ゴオオオ……
ホワイトドラゴンは燃え盛る火炎を吐いた。
鯨男「ぬかせ」ブシャー
鯨男が海水を吐いて炎をかき消す。
ぶしゃああああ
水蒸気があたりに立ち込める。
白竜「やーもー、生臭いー」
512 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/30(土) 23:12:45.76 ID:4Fe4rJ9C0
○地下・秘密の通路
ドドン…… パラパラ
第二皇子「なに? 今の」
第七王女「なんじゃろな」
女兵士「王女サマー、勝手に出てきて良かったのかな?」
第七王女「敵を欺くにはまず味方からというじゃろ誰もわらわ達が捕虜の救出に行っておるとは思うまい」
第二皇子「まあ僕たちだけで、行くって言ったら止められるよね」
女兵士「だよねー」
第七王女「しかし長いのう、少し道を間違えたのう?」
第二皇子「あそこ光が見えるよ」
513 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/30(土) 23:13:41.76 ID:4Fe4rJ9C0
○雪の高台
ヒュオオオオ
第七王女達は秘密の通路を抜けて高台に出てきた。
第七王女「少し違うところにでたようじゃな」
女兵士「寒ーい、はやく降りましょーよ王女サマ」
第七王女「うむ、ホビットは寒くないかえ? ん?」ぎゅうぎゅう
第七王女が第二皇子にぎゅうぎゅう抱きつく。
第二皇子「大丈夫です、寒くないです王女姉様(というか動きにくい)」
第七王女「うむうむそうじゃろうそうじゃろう、さてみなはどこにつかまっておるかのう」ぎゅうぎゅう
女兵士「んー、ここからだとよく見えますね」
高台からは港町、ドワーフ城が見渡せた。
第二皇子「あそこ、みんな戦ってる」
514 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/30(土) 23:14:39.94 ID:4Fe4rJ9C0
〇ドワーフ城
ドドドドン
無数の砲撃で周囲が吹き飛ぶ。
兎男「ひょわーーー、味方ごと砲撃するなんて馬鹿ですか!?」
男子「俺はこれくらい平気だ」
ドワーフ王「ドワーフ族はこの程度日常茶飯事だ、のう皆の衆」
\おう/ \ライフで受ける/
兎男「馬鹿ですわあなたたちは、ひゃあああ」
ドドドドドン
兎男が砲撃と男子達の攻撃からボロボロになりながら逃げている。
515 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/30(土) 23:15:41.58 ID:4Fe4rJ9C0
〇
娘「”電撃””雷撃””重雷撃”」
バリバリバリバリッ
ゴリラ男「うおおおおっ まてまてまてぇもう容量が…… グワーッ!」バボン
ゴリラ男の体から煙が上がる。
娘「まだまだいけるわよ”落雷”」
ガシャーンバリバリバリ
ゴリラ男「うがーっ」
鯨男「ぬううううう」
ドドン
鯨男も全身に火傷を負って倒れてきた。
鯨男「やはり陸では限界があるか」
白竜「やっとね、倒したらカマボコにするといいのかしら」
娘「それはサメでしょ」
娘とホワイトドラゴンが軽口をたたく。
516 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/30(土) 23:18:57.02 ID:4Fe4rJ9C0
ゴリラ男「ぬううピーンチ、しかしピンチがチャンス! イカァ我らに秘宝を!」
イカ女「えー? いいところだったのに」
少年エルフ「ひ!?」
イカ女は少年エルフの背後から現れた。
にゅるーん
触腕で壁を伝ってゴリラ男たちへ近づく。
イカ女「じゃ、いっくわよー」
ギラン
イカ女の左右の触腕から鋭い結晶が出現する。
鯨男「こうなれば仕方あるまい」
ドスッ
ゴリラ男「ぐっ」
ドスッ
鯨男「うおおお」
イカ女が結晶をゴジラ男と鯨男に刺した。
517 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/30(土) 23:22:17.29 ID:4Fe4rJ9C0
少年エルフ「あれは骨ドラゴンの時の奴!?」
ボボン
ゴリラ男と鯨男が融合した。
ゴリラ鯨男「グオオオオオ」
イカ女「ゴリラと鯨だからゴリジラ男ってとこかしらね」
白竜「あんた、それはギリギリよ」
娘「なによ更にデカくなったってどうだっていうの”重雷撃斬”」
バリバリバリ……ザシュン
ゴリラ鯨男「グフフフ…… 効かんな大きくなって容量アップだ」
娘「ぬうう白竜、火!」
白竜「……実は打ち止めなのん」
娘「ええ!?」
ドドン
ゴリラ鯨男が巨大な足で踏みつけてくる。
518 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/30(土) 23:23:56.52 ID:4Fe4rJ9C0
ドドンドドン
娘「きゃー」
白竜「いやー」
男子「おいおいおいマジか」
ドワーフ王「撃て撃て撃て」
ドワーフ王が逃げながら砲撃の指示を出す。
ドドドドドン
ゴリラ鯨男「はっはっはかゆいかゆい」
少年エルフ「大きすぎる、どうしよう」
白竜「そうだ娘、例の光は?」
男子「それがあったか、よしいつもの一発たのんだ」
娘「あんた達、気楽にいってくれるわね……」
519 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/30(土) 23:25:18.50 ID:4Fe4rJ9C0
娘「……」
娘は意識を集中する。
少年エルフ「……娘?」
娘「く……」
白竜「まさか…… 出ないの」
男子「ええ!?」
娘「光よっ!」
娘は剣を構えるが光は出ない。
ゴリラ鯨男「グワハハハハハ」
ゴリラ鯨男が大きな足で踏みつけてきた。
ドッスゥウン ゴゴゴゴゴ
520 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/30(土) 23:26:35.33 ID:4Fe4rJ9C0
〇帝国陣営
帝国兵「報告します、ドワーフ王と兵士、並びにドラゴンとその剣客達を捕らえました」
皇帝「遅かったな…… まあいい、王を連れてこい」
帝国兵「はっ」
帝国兵が走りさった。
皇帝「合成兵にかかれば伝説のドラゴンも形無しだな」
神官「ええ苦労した研究の成果ですから…… 私共のね」
カーテンの影から神官が現れた。
521 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/30(土) 23:28:16.44 ID:4Fe4rJ9C0
皇帝「貴様また勝手に…… それはそうと本当にあるんだろうなその塔は」
神官「ええもちろんですとも、転送門もお教えした通りの成果だったでしょう」
皇帝「それ以上の魔力消費だったな、これで計画通りに事が運ばなければ…… 貴様わかっているのか」
神官「フフフ…… ご安心を陛下には魔王様がついておりますので」
皇帝「フン、どうだかな…… 王が来る、お前は消えろ」
神官「仰せのままに」
神官が音もなく影に消える。
皇帝「フン……(最終絶望計画、これで俺は世界を執る)」
帝国兵「ドワーフ王を連れてきました」
帝国兵によってドワーフ王が連れてこられた。
ドサッ
ドワーフ王「うぬ…… 皇帝、貴様よくも」
皇帝「黙れ、単刀直入に聞く『破天の塔』はどこだ?」
〇
522 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/12/30(土) 23:28:45.90 ID:4Fe4rJ9C0
※つづく
523 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/06(土) 22:42:41.71 ID:7X7NPQEA0
#36 タワー・イン・ザ・ダーク
524 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/06(土) 22:45:01.09 ID:7X7NPQEA0
○古の坑道、帝国軍の行進・後方
皇帝達はドワーフ王の道案内により古の坑道を進む、皇帝の左右を魔王アーマーが守り、その後を自走式牢屋が列となって続き帝国兵が並進しながら警備をしている。
ガシャンガシャン
娘とホワイトドラゴンは自走式魔力炉牢に捕らえられている。
娘「あああエルフ大丈夫かしらあのゲソ女に変なことされてなきゃいいけど」
白竜「まだ大丈夫みたいね」
白竜は首をもたげて行列の先頭を伺う。
娘「それにしてもこの扱いは随分じゃない?」
帝国将校「これでも頑張ったほうだぞ、近くにまとまってるだろうが」
牢番には捕虜になっていた帝国将校がついていた。
525 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/06(土) 22:46:13.66 ID:7X7NPQEA0
娘友「ホントにー、アタシ達って将ちゃんの恩人じゃなかったっけー?」
後方の自走式牢屋から娘友がいう。
帝国将校「友ちゃんそうはいっても俺の口添えじゃこれが精一杯でさ」
娘友「いやいやまだまだ個人的努力がさ……」
娘友が帝国将校にくどくどと文句を言い始めた。
娘「……まったく立場逆転ね」
白竜「そう?」
娘「それにしてもこんな坑道をどこまで行くつもりかしら」
白竜「……破天の塔ね」
娘「ハテンの塔?」
526 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/06(土) 22:49:33.21 ID:7X7NPQEA0
○帝国軍の行進・前方
少年エルフ「地下に塔があるの?」
ドワーフ大臣「さよう、古のドワーフ族が魔王との戦いに建造したという伝説の塔しゃ」
自走式牢屋の列の前方ではドワーフ兵と少年エルフが捕まっていた。
少年エルフ「魔王との戦いに…… でも塔で何をするの?」
ドワーフ大臣「それは…… ううむ」
神官「破天の塔は古代ドワーフ族の対魔王決戦兵器…… 実際に使われなかったそうですが計り知れない破壊力を持っているそうです」
少年エルフ「神官さん」
いつの間にか牢の外に神官が立っていた。
ドワーフ大臣「おのれ、帝国の犬めよくも我らの前に顔を出せたものじゃの!」
少年エルフ「知り合い?」
神官「そうですね〜、以前ドワーフ王と歓談した時にちょっと」
ドワーフ大臣「貴様がその時に王から転送門や塔の事を聞き出したのであろう、僧侶だと思って信用したのが間違いじゃた!」
少年エルフ「神官さん帝国の味方なの?」
神官「今はそうなりますね〜」
527 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/06(土) 22:51:06.28 ID:7X7NPQEA0
少年エルフ「ねぇねぇこっそり助けてくれない?」ぼそぼそ
神官「そんな率直に言われるとこまりますねぇ」ぼそぼそ
少年エルフ「駄目?」ぼそぼそ
神官「フフ……」
イカ女「何コソコソ話してのよ」
神官「おっと、おいででしたかイカのお嬢さん」
イカ女が現れた。
少年エルフ「う……」
イカ女「まさかアンタ…… ソッチもいける口なの?」
神官「いえいえいえまさかそんな……」
イカ女「そう、エルフちゃんは色々終わったらアタシとイロイロするのよねー」
イカ女が格子の隙間から少年エルフに触腕をのばす。
少年エルフ「ヒィ」
神官「やめてくださいチャノマ的にも」
イカ女「なんかいった」
神官「いえ、しかし全てはこの作戦が終わってからですよ…… そろそろ持ち場に戻りましょう」
イカ女「フン、偉そうに」
イカ女が前方の皇帝の方へ戻っていく。
少年エルフ「ふぅ」
神官「大丈夫ですよ、いずれチャンスはあるでしょう」
少年エルフ「本当」
神官「フフフ、ナイショです」
528 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/06(土) 22:51:53.69 ID:7X7NPQEA0
○港町跡
第七王女「どうやら、娘たちとは地下の坑道に連れていかれたようじゃ」
偵察から戻った第七王女が告げる。
第二皇子「どうしよう」
女兵士「助けにいく?」
第七王女「むろんじゃ、しかしまず最初は予定通りにホビット族を助けようぞ」
第二皇子「でもあんな大きな兵がまもってるよ」
帝国の輸送船の前には坑道に入れなかったゴリラ鯨男が見張りに立っていた。
第七王女「ふむ、大きいのう」
第二皇子「帝国兵も数人いるみたいだし……」
女兵士「あんなにおっきいとトイレ入れないね…… どうするんだろう」
第二皇子「……」
第七皇子「……」
529 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/06(土) 22:53:21.25 ID:7X7NPQEA0
〇古の坑道、帝国軍の行進・後方
娘「じゃあ、ドワーフ族の捕虜を連れていくのも」もぐもぐ
白竜「多分、塔の魔力源にするためね あ、それとって」
娘「はい」ポイ
パク
白竜「うん、おいしい」もぐもぐ
娘たちは娘友が交渉によって得た将校用の食事を堪能していた。
娘友「なーによー、あんた普段こんないいもの食べてるのー? んー?」
帝国将校「いやたまーにですよたまーに」
娘友「ほんとにー?」
娘友と帝国将校が格子越しにじゃれている。
白竜「……もしかして飲んでる?」
娘「……さーね」
白竜「さてと、娘さん」
娘「何よ改まって」
白竜「呪いはちゃんと解けた?」
娘「……解けてるわよ」
白竜「だよね…… じゃあ何があったの?」
530 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/06(土) 22:57:44.18 ID:7X7NPQEA0
娘「何って何が?」
白竜「こう…… なにか悲しい事」
娘「別に…… 呪術師に解呪してもらってバカ勇者が居て、そして貴方の呼び出しがあっただけじゃない」
白竜「ふーん…… 呪術師ね、たしかエルフ族だったって話よね」
娘「それが何よ」ゴゴゴ……
白竜「こわーい、娘ちゃん顔こわいわー」
娘「貴方がヤな事言いだすから……」
白竜「ヤな事ね…… それだけ?」
娘「もう…… それだけよ」
白竜「……それだけじゃないでしょ、呪術師はエルフ族の女性でエルフちゃんと仲良くなっちゃったんでしょ」
娘「なによ! わかってるなら言わないでよ!」
531 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/06(土) 22:59:09.00 ID:7X7NPQEA0
\なに!?/ \どうした娘?/
後方から娘友や男子が声をかける。
娘「……ごめん、なんでもない」
白竜「……」
娘「……で、それが何よ」
白竜「……エルフちゃんがほかのヒトと仲良くなるのがそんなにイヤ?」
娘「別に…… 他のエルフ族を見つけるのは目的の一つだったんだから願ったりかなったりだわ」
白竜「うーそ、本心は違うでしょ」
娘「う! もーなによ、結局何がいいたいのよ」
白竜「娘がそんなんじゃ光剣も使えないし皇帝には勝てないわよ」
娘「そんな、……光はなくても皇帝ぐらいどうってことは」
白竜「仮に皇帝をどうにかできたとしても魔王はどうするの」
娘「そんなの…… 知らないわよ魔王アーマーごと海に沈めればいいんじゃない」
白竜「無理よ無理…… 本来ならもっと世界中を回らなきゃいけないしそれ以前に王女のお付じゃ効率が悪いし……だいたい昔の勇者だって封印するのが精一杯で」ブツブツ
娘「いっても仕方ないわ、今あるもの、出来たもので勝負しなくちゃ」
白竜「そうだけど…… ねえ本当に大丈夫? 娘」
娘「……光だけはなんとかするから」
白竜「……お願いね」
娘「ええ……」
532 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/06(土) 22:59:53.17 ID:7X7NPQEA0
〇港町跡・埠頭
♪〜
ゴリラ鯨男「グオオオオオ……」
ズッドオオオオン バシャアアアアア
ゴリラ鯨男は第二皇子の魔曲によって眠り海へ倒れこんだ。
女兵士「うわー、すごい事になったね」
第二皇子「こんなにあっさり効くとは」
ゴリラ鯨男「グオオオオオ……」
ゴリラ鯨男は海面に浮いていびきをかいている。
第七王女「古来より巨人が状態異常に弱いのは基本じゃな」
第二皇子「他の帝国兵も寝てるし、急いで助けよう」
第七王女「うむ」
533 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/06(土) 23:01:41.70 ID:7X7NPQEA0
○古の坑道、帝国軍の行進・先頭
ドワーフ王「ここじゃ」
ヒュオオオ
皇帝「ここか? 何も見えないが」
ドワーフ王「あそこの操作レバーで照明がつく」
皇帝「兎よ」
兎男「はっ」バシュ
兎男が高速移動して操作レバーにたどり着く。
ガコン…… バッバッバッ
皇帝「ほう…… あれが」
巨大な地下空間の向こうに破天の塔が浮かびあがった。
〇
534 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/06(土) 23:02:11.38 ID:7X7NPQEA0
※つづく
535 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/06(土) 23:51:02.53 ID:ILyofXQzO
乙!
536 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/13(土) 22:42:15.21 ID:Qj5gcima0
#37 最新絶望計画
537 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/13(土) 22:44:45.58 ID:Qj5gcima0
〇破天の塔・1階
将軍「よし亜種族どもを動力室へ連れていけ、グズグズするなよ」
ガラガラガラ
ドワーフ大臣「王は彼奴等と制御室かなんとかせねば」
少年エルフ「みんな大丈夫かな…… 娘」
ガチャガチャ
帝国兵達が自走式魔力炉牢の少年エルフ達を連れていく。
538 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/13(土) 22:46:19.58 ID:Qj5gcima0
〇制御室
ゴゴゴゴゴ
皇帝「よし起動したな、発射準備を進めろ」
制御盤に帝国兵達がついて作業を始める。
ドワーフ王「いきなりこの塔を使うつもりか? 何をするつもりだ!」
皇帝「天を貫き太陽をも墜とす、それがこの破天の伝説であろう」
ドワーフ王「なに? ……そんなものは御伽噺じゃ」
皇帝「どうかな? 貴様たち目標を太陽に設定、正午には撃てるようにしておけ」
\\御意//
ドワーフ王「馬鹿な、本当に太陽を…」
皇帝「こいつはもう用済みだ、動力室へ連れていけ」
帝国兵「御意」
ドワーフ王「正気か!? 貴様なぜそんなことを……」
539 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/13(土) 22:48:29.86 ID:Qj5gcima0
〇破天の塔前・自走式牢屋
娘友「太陽を撃ち落とす!?」
娘「正気の沙汰じゃないわね」
神官「そうですね今の陛下はご乱心しておられます」シュー
娘達を開放した神官は娘の電撃で黒焦げになっている。
男子「本当にそんな事が可能なのか?」
神官「……ええ充分に可能です(誰か対面した途端に電撃を放たれた私を気遣ってください)」シュー
白竜「アンタたしか……」
神官「おっと貴方は…… 娘さんたちを助けたということで…… ここは一つナイショに」ボソボソ
白竜「娘は判ってそうだけど…… 仕方ないわね」
神官「感謝します」
540 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/13(土) 22:49:54.37 ID:Qj5gcima0
娘友「さて、どうする?」
娘「もちろんパパを助けに行くわ」
男子「しかし友もいるし王女達も探しにいかないと」
第七王女「それには及ばんのじゃ」
第七王女達が現れた。
娘「王女! やっぱり無事だったのね」
男子「ホビットも女兵士さんも…… よかった」
女兵士「はろー」
第二皇子「よかった無事で」
541 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/13(土) 22:52:17.55 ID:Qj5gcima0
〇
第七王女「本当だとすると事態は深刻じゃの」
第二皇子「でも太陽を墜とすなんて、なんでそんなことを……」
娘「……」
神官「……」
白竜「はぁ…… 詳しいことは省くけど皇帝には負の感情を魔力に変換する装置があるの
女兵士「フの感情?」
娘「不安や恐怖とかね」
神官「そんな時に太陽が無くなったら世界はどうなります?」
男子「文字通りのお先真っ暗だな」
白竜「世界中が恐怖と不安、絶望に包まれるわね」
第七王女「そのすべてが帝国の、皇帝の魔力になると」
神官「暗黒の世界で凛然と輝く都、それが皇帝の考える新帝国なのです」
542 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/13(土) 22:57:18.14 ID:Qj5gcima0
第二皇子「兄様……」
第七王女「うぬぬ、けしからん! ホビットよわらわがそちの兄の目を覚まさせてやろうぞ」
第二皇子「本当? 王女姉ぇさま」
第七王女「あたぼうじゃ! よしわらわ達は制御室へ乗り込むぞい!!」ブフッ
男子「まて王女、テンションがおかしいし、まず鼻血を拭け」
第七王女「ふむ、ちと正義感が溢れすぎたようじゃ」フキフキ
女兵士「正義感って鼻からでるんだ」
娘「じゃあ私はパパを助けに行くわ」
娘友「あたしも」
神官「では私はそろそろ……」
娘「アンタも一緒にきなさい! 友を守るくらいできるでしょ」
神官「えぇ〜 一応帝国側なんですが」
娘「ウソ。 それと白竜、一応コイツ見張っておいてね」
白竜「ハーイ、じゃあ変身してついていくわ」
神官「信頼されてないのに利用されるのですね、私」
第七王女「よし決まりじゃな」
娘達は二手に分かれて行動を開始した。
543 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/13(土) 22:59:13.43 ID:Qj5gcima0
〇制御室
帝国兵「動力室に魔力充填始まりました」
皇帝「……遅いな、もっと抽出速度を上げろ」
帝国兵「御意」
〇動力室
キュオオオオ
ドワーフ大臣「ぐわわあああ」
\ぎゃああ/ \ひゃああああ/
少年エルフ「うぐぐ…… 大臣さん他のドワーフさんたちも」
自走式魔力炉牢がフル稼働し少年エルフやドワーフ族から魔力を吸い上げる。
少年エルフ「このままじゃ、みんな魔力を吸い尽くされてちゃう…… そうだ」
少年エルフは天井の魔力抽出器に手を掲げて魔力を放出しだした。
少年エルフ「んぎぎぎ……(キツイけどまだ大丈夫)」
ドワーフ大臣「む、急に楽に…… エルフ殿なんて事を!?」
少年エルフ「大丈夫、ぼくはまりょくはたくさんあるか……ら……」
キュオオオ
\パパー/
544 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/13(土) 23:01:42.88 ID:Qj5gcima0
〇
娘「パパーッ!」
娘達が動力室に飛び込んできた。
帝国兵「なんだ!?」
娘「”電撃”」
バリバリバリ
帝国兵達「「うわーー」」
帝国兵達を倒した。
娘友「はっや」
神官「おーこわいこわい」
545 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/13(土) 23:02:47.29 ID:Qj5gcima0
少年エルフ「うぅ…… 娘、よかった逃げ出せたんだね」
ドワーフ大臣「オナゴ達よ早くこの装置を止めるのじゃ、エルフ殿が」
娘友「わかったわまかせて」
娘友が制御盤を操作する。
娘友「えーとこれかな? どうかな」
娘「早く早く」
娘友「えい」ポチ
ビーッビーッ
警報が作動した。
娘友「あら間違ったようね」
ガチャガチャ
魔王アーマー兵「お前たちいつの間に!」
魔王アーマーの帝国兵が現れ襲ってきた。
白竜(人型)「あちゃー」
娘「倒すわ、友は装置をお願い」
娘友「が、がんばる」ガチャガチャ
546 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/13(土) 23:05:21.94 ID:Qj5gcima0
〇制御室への道
シュタタタタ
第七王女「まかりとおーるっ」
第七王女が俊足で帝国兵の間を駆け抜けていく。
\え!?/ \なんだ?/
ドタタタタタ
男子「フンっフンっ」
\\ ウワーっ!//
その後に駆け上って来た男子がみねうちで昏倒させる。
第七王女「何をしておる早くせんか」
男子「ふぅふぅ…… 相変わらずむちゃを言う」
第二皇子「王女姉ぇさま、あっち」
第七王女「なんじゃホビット…… ムッ!」
兎男「いやはやここまで来るとは」
イカ女「あーあ、めんどくさーい」
兎男とイカ女が立ちふさがった。
547 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/13(土) 23:07:56.52 ID:Qj5gcima0
男子「フ、再戦ってトコだな」
兎男「今度は支援砲撃はないですな、どうしますか?」
イカ女「うわーよく見たら君、カッコいい! ねーねーアタシと付き合わない?」
男子「……」
女兵士「ダメですー! 貴方敵じゃないですかイカじゃないですか何考えてるんですかー」
イカ女「なによアナタ、ケチー、ポニテー可愛いとかホントに思ってるのー」
女兵士「なにおー!? 貴方だってツインテールとか、ぶりっ子すぎじゃないですかーブリブリー」
イカ女「こーれーはー触腕ですー、いわば地毛ですー」
女兵士「えー地毛ー、キモーい」
イカ女「いい年してキモーい言わないでよムカつく!」
\ギャーギャー/
女兵士とイカ女が口論を始める。
兎男「えーと、なんか申し訳ない」
男子「……いやこちらこそスマン」
〇
548 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/13(土) 23:08:43.46 ID:Qj5gcima0
※つづく
549 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/14(日) 13:34:17.35 ID:mexK7qM/o
乙!
550 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/20(土) 23:51:38.09 ID:wCLPKput0
#38 最狂絶望計画
551 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/20(土) 23:53:13.29 ID:wCLPKput0
○動力室
ドドン ガキィン
白竜「押さえたわ、娘!」
娘「”重雷撃斬”」
ズガッバリバリバリッ
魔王アーマー兵「ギャアアア」
白竜「ひゃあああああ」
魔王アーマー兵は気絶した。
娘「よし」
白竜「よし、じゃないわよ!巻き込まないでよォ!!」
娘「いいじゃない、どうせビリっとする程度なんだし…… それよりパパは?」
少年エルフ「んにゅうう」ガクガク
ドワーフ大臣「まだか!? 早くここを開けるのじゃ」
娘友「やってるってあーもうこれでどう」
ポチ
552 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/20(土) 23:54:09.22 ID:wCLPKput0
〇制御室への階段
ダダダダダダっ
第七王女「奴らは男子達に任せるのじゃ」
第七王女はホビットの手を引きながら駆け上がっていく。
第二皇子「まって誰か上からくる」
第七王女「む!?」
帝国兵と連行されているドワーフ王が降りてきた。
帝国兵「なんだお前は」
ドワーフ王「第七王女! 皇子まで!」」
第七王女は素早く眠り袋を投げつけた。
シュッ ボン
帝国兵「ブホっ なん……フニャ」ドサッ
553 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/20(土) 23:54:55.32 ID:wCLPKput0
第二皇子「すごい効き目」
第七王女「エルフ特製じゃからな」
ドワーフ王「助かったぞい」
第二皇子「ドワーフ王、兄ぃ……皇帝は一体何を」
ドワーフ王「彼奴は破天の塔をすぐさま使うつもりじゃ」
第七王女「なんじゃと!?」
ドドォン ゴオオオオオッ!!
ドワーフ王「なんともう!?」
第二皇子「なにあれ…… どういうこと!?」
第二皇子が指さす外では破天の塔が爆炎を噴き上げて上昇していく。
第七王女「なんと…… 浮いておる」
554 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/20(土) 23:56:56.49 ID:wCLPKput0
〇上昇する破天の塔内
娘「止まったと思ったら」
娘友「飛んでるーっ!?」
男子「塔が飛ぶなんてどんな仕組みだ!?」
娘「まってこれどこに向かって」
白竜「そりゃあ、太陽目指して……」
少年エルフ「へ……」
一同「「はあぁーー!?」」
〇制御室
帝国兵A「まもなく地表に出ます」
皇帝「順調だな」
ビーッビーッ
皇帝「なんだ!」
帝国兵A「射出口が閉まって……いえ、障害物が! いきなり!?」
帝国兵B「先端が接触…… 上昇が停止、損傷軽微」
皇帝「どうした原因をさっさと調べろ!」
555 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/20(土) 23:59:06.73 ID:wCLPKput0
〇上昇する破天の塔内
白竜「何にぶつかったの…… 氷?」
娘「氷程度でこの質量が止まるなんて……」
少年エルフ「上ですごい魔力が…… この声……師匠さん!?」
〇地上・射出口付近
片耳エルフ「フフ…… 待たせたなエルフ」
魔法勇者「師匠、俺病み上がりっすよー」
片耳エルフ「ぐだぐだいうな、止め続けるろ!」
魔法勇者「うへー」
片耳エルフと魔法勇者が氷結魔法で氷塊を撃ち続けている。
556 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/21(日) 00:00:05.71 ID:hu7JDsln0
〇制御室
帝国兵A「信じられません、雹、いえ氷塊で蓋されています」
帝国兵B「嘘だろおい」
皇帝「亜種族めでたらめな…… 出力最大だ吹き飛ばせ」
〇上昇する破天の塔内
ゴオオオオオオっ
娘友「どうするの止まってても脱出できないんじゃ」
娘「白竜なんとかならないの」
白竜「無理よー、あの炎じゃ私でも黒焦げよ」
少年エルフ「師匠さん…… ドングリを? わかった!」
娘「エルフ! 何を」
少年エルフは巨大なドングリを取り出すとそれが光出した。
少年エルフ「光ってる……」
娘「駄目、やめて……」
少年エルフは祈った。
少年エルフ「……(僕の世界を……)」
パキィン
巨大なドングリがさらに輝きを増す。
557 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/21(日) 00:00:44.15 ID:hu7JDsln0
※つづく
558 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 00:19:07.61 ID:BCe/phPzo
乙!
559 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/27(土) 21:27:43.08 ID:8XdBnhhg0
#39 最終絶望皇帝
560 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/27(土) 21:28:48.77 ID:8XdBnhhg0
〇破天の塔
ずどどどぉーん
ガラガラガラ
ヒュオオオオ
娘友「なになに一体なにが起こったの?」
当たりには縦横無尽に木の枝が蔓延っている。
白竜「これは木?」
破天の塔は内部から生えた巨木によって動きが止まっている。
白竜「すごいわね、一瞬でこんなに」
娘「パパ! パパはどこ!?」
娘は慌て少年エルフの居たあたりをさがす。
561 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/27(土) 21:29:48.82 ID:8XdBnhhg0
少年エルフ(木)「うん……」
娘「エルフ!」
バサバサバサ
枝葉に埋もれた少年エルフを娘は助け出す。
娘「パパ!大丈夫!? 起きて、目を覚まして」
少年エルフ「うん……どうなったの」
少年エルフは目を覚ました。
娘「……よかった」
シュタッ
片耳エルフ「初めてにしては上出来だ」
片耳エルフが降りて来た。
娘「あんた……」
少年エルフ「師匠さん、今のって」
片耳エルフ「森のエルフ族は秘術で木を操る…… 予想通りその種は術の媒体の役割があったようだな」
562 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/27(土) 21:31:23.81 ID:8XdBnhhg0
娘「あんたねぇエルフにこんな術をつかわせて何かあったらどうするの!!」
片耳エルフ「問題ない、エルフ族の術だ…… 人間にはわからないか?」
娘「キーッ!」
少年エルフ「娘、僕は大丈夫だから……」
ふらっ
娘「エルフ」
片耳エルフ「これほどの巨木を作り出したのだ、少し休め」
少年エルフ「はい」
娘友「結局この塔はどうなったの?」
片耳エルフ「これだけ根をはれば動くことはあるまい、あの皇帝の企みは阻止されたのだ」
少年エルフ「皇帝…… ホビット、お兄さんを止めれるのかな?」
片耳エルフ「さあな」
娘友「ねえねえそれよりどうやってここから降りるの?」
娘「……枝を伝っていくしかないわね」
563 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/27(土) 21:33:57.81 ID:8XdBnhhg0
〇制御室
帝国兵「破天の塔、完全に停止」
皇帝「馬鹿な……」
バァン
第二皇子「兄ぃ様!」
第七王女達が制御室に飛び込んできた。
帝国兵A「侵入者!?」
帝国兵B「捕らえろ」
第七王女「せやっ」
シャシャッ
第七王女が投げナイフを投げつける。
帝国兵A「ぐぅ……」
帝国兵B「しびび……」
第七王女「安心せい、しびれ薬じゃ」
564 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/27(土) 21:35:36.87 ID:8XdBnhhg0
第二皇子「兄ぃ様、どうしてこんなことを」
ドワーフ王「貴様の悪行もこれまでじゃ」
皇帝「……何をしている全員でかかれ!」
帝国兵達「「わーー」」
帝国兵達が第七王女達に襲い掛かる。
第七王女「むぅ!」
ドワーフ王「おのれ卑怯な」
\おりゃあああ/
帝国兵達「「うわーーー!」」
男子「王女、ホビット無事か?」
第七王女「男子」
ドワーフ王「これは頼もしい、軟弱な帝国兵などわしらで一捻りじゃ」
第七王女「皇帝よ神妙にお縄につくがよい」
565 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/27(土) 21:36:49.53 ID:8XdBnhhg0
皇帝「……」
第二皇子「兄ぃ様…… 兄ぃ様に何があったのですか話してください」
皇帝「フ、フフフ……」
第七王女「なんじゃ!?」
皇帝「フハハハ…… お前たちがここまでやるとはな」
ドワーフ王「まだ何か企んでおるのか?」
皇帝「いやいや、世界征服も楽は出来んな」
皇帝は大げさに嘆きながら窓辺へ移動する。
第二皇子「兄ぃ様?」
皇帝「やはり、一つずつ丁寧にすり潰さねばならないのだな」
第七王女「なに?」
ガシャーン
男子「危ない」
第二皇子「兄ぃ様!」
突如窓を破って突き出た巨大な腕が皇帝を掴んで消えた。
566 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/27(土) 21:37:18.04 ID:8XdBnhhg0
ドワーフ王「今のは……」
\フハハハハ/
第二皇子「みんな逃げて!」
ギュオオオオオッドドドドドドド
〇
567 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/27(土) 21:44:32.82 ID:8XdBnhhg0
〇連絡路
女兵士「へぇーお父さんがいるの、いいなー」
イカ女「あのねー、父親を美化しすぎよ、うるさいし面倒だし」
女兵士とイカ女は戦いから友情が芽生えて談笑している。
ゴゴゴゴゴゴッ
イカ女「何の音!?」
女兵士「揺れてる!?」
ダダダダッ
第七王女達が上層から駆け下りてきた。
第七王女「何をしておるおぬしら」
女兵士「え、いやちゃんと戦ってたんだけどなんか話があって……」
そんな事より逃げるぞ、ここは崩れる」
イカ女「何なに!?」
ギュドドドドドッ
魔力弾が部屋の一部を吹き飛ばす。
イカ女「ヤッバ」
568 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/27(土) 21:45:38.09 ID:8XdBnhhg0
〇破天の塔発射場跡
娘友「やっと降りれたって、何!?」
ドドドドドッ
瓦礫が落ちてきた。
少年エルフ「”風防波”」シュルルル
風の障壁で瓦礫を防いだ。
娘友「一体なにが」
ガシャアアン
娘友「きゃああああ!?」
赤魔王アーマーが降ってきた。
赤魔王アーマー(皇帝)「ほう、お前たちが破天の塔を…… やってくれたな」
娘「皇帝っ!」
569 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/27(土) 21:46:14.02 ID:8XdBnhhg0
赤魔王アーマー「まずは掃除だな」
ギュオオオ
赤魔王アーマーの砲塔に魔力が集約する。
ドドドドドドド
四方八方に魔力弾が放たれる。
片耳エルフ「”大防護”」ヒィイン
バヅンッバヅンッ…… バギィン
片耳エルフ「なんと禍々しい」
少年エルフ「あれって」
白竜「……魔王の一部いえ、そのものを使っているわね」
〇赤魔王アーマー内
皇帝「フハハハッ そうだ最初からこうすればよかったのだな」
異形の首「……」ゴポッ
操縦席の後部にあるガラス管の中から異形の首が蠢く。
〇
570 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/01/27(土) 21:47:10.96 ID:8XdBnhhg0
※つづく
571 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/27(土) 23:48:51.09 ID:K7RCx3Ffo
乙!
572 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/04(日) 00:38:30.72 ID:43UkMw/W0
#40 世界樹の英雄
573 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/04(日) 00:39:32.71 ID:43UkMw/W0
〇破天の塔跡地
娘「光よ!」
ヒュゴオオオオッ!
光の奔流が赤魔王アーマーを直撃する。
赤魔王アーマー(皇帝)「なんだ目くらましか?」
白竜「そんな全然効かないなんて」
赤魔王アーマー(皇帝)「お返しだ」
バシュッ!
濃縮魔法弾が放たれた。
少年エルフ「”二重風破波”」シュルルル
ヒュバババッ ドドンッ
「「うわあああ」」
風の障壁で魔法弾を防ごうとするも防ぎきれない。
574 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/04(日) 00:40:40.33 ID:43UkMw/W0
シュタタタッ
片耳エルフが赤魔王アーマーの後ろに回り込む。
片耳エルフ「ここならどうだ! ”焔”」
ギュオオオ ゴオオオン!!
白熱する熱塊が赤魔王の背部に直撃する。
赤魔王アーマー「ちょこざいな」
ボシュウウウウウウウウウッ
片耳エルフ「あつっ ぬうううううう!」
赤魔王アーマーの背部から高熱が噴き出す。
赤魔王アーマー「フハハハハッ 這いつくばれ亜人種」
ボシュウウウウウッ
片耳エルフ「何!? 飛んだ!」
ボボボボボンッ
片耳エルフ「ぐぅうううウッ!」
少年エルフ「師匠さん!」
575 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/04(日) 00:41:51.31 ID:43UkMw/W0
娘「このっ”重雷撃”」
バリバリバリッ
赤魔王アーマー「無駄だ無駄ッ」
雷撃が直撃するも効果がない。
少年エルフ「師匠さん大丈夫”大治癒”」パアアア
片耳エルフ「つぅ…… 大丈夫だ、助かったぞエルフ」
少年エルフ「えへへ」
娘「……」イライラ
白竜「娘、お願い敵に集中して」
娘「してるわよ、でも魔法が効かないんじゃどうやって……」
ひゅううううう
魔法勇者「くらえー、氷河落とし!!」
576 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/04(日) 00:42:57.97 ID:43UkMw/W0
赤魔王アーマー「な!?」
ゴゴン ズドドドドドドドドン
上空から巨大な氷塊とともに魔法勇者が落ちてきた。
白竜「ちょ!? まって」
娘「エルフ、逃げてー!!」
少年エルフ「うわあああああ」
片耳エルフ「あのバカ!」
ダダダッ
片耳エルフが少年エルフを抱えて駆け抜ける。
ドドドドドドドドドドドドドッ
巨大な氷塊とかけらが赤魔王アーマーに落下した。
577 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/04(日) 00:44:11.94 ID:43UkMw/W0
〇
片耳エルフ「馬鹿かお前は!」
娘「エルフが巻き込まれでもしたら危ないでしょうが!」
第七王女「おぬしはまことにバカよのう」
合流した第七王女達も交じって魔法勇者を罵る。
魔法勇者「だーっ! いっぺんに言うな、でもいいじゃないかあのゴーレムを倒したんだし」
ボコッ ドゴーンッ
赤魔王アーマーが氷を割って現れた。
片耳エルフ「倒せておらんわ馬鹿め」
魔法勇者「えええええ」
赤魔王アーマー(皇帝)「やってくれたな、これでも食らえ」
ギギギギッ ボシュッ
濃縮魔法弾が娘たちの頭上を通りすぎる。
ドドドドォン!
爆風が一同を襲う。
578 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/04(日) 00:45:00.27 ID:43UkMw/W0
男子「うおおお!? みんな大丈夫か」
女兵士「なんとかだいじょうぶ」
第二皇子「今のって砲塔の動きが……」
片耳エルフ「ああ、明らかに動きが悪い、魔法は効かなくても直接攻撃なら効くんだ」
娘「直接攻撃ね、だとすると」ジー
娘友「……」ジー
男子「俺か!? あんなデカいの無理だろ」
第七王女「だとすれば」ジー
女兵士「……」ジー
白竜「ちょっとお!? わたしだって無理よ」
579 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/04(日) 00:45:32.03 ID:43UkMw/W0
少年エルフ「じゃあさっきみたいに氷をぶつけたら」
魔法勇者「無理無理無理、さっきのは塔を止めた氷を落としたんだそう簡単に作れないって」
第七王女「なんじゃ肝心な時に使えん奴じゃのう」
魔法勇者「うっせ!」
娘友「とかいってる間にまた撃ってくるわよ!?」
娘「走ってよけるのよー」
\\ワーキャー//
580 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/04(日) 00:46:43.91 ID:43UkMw/W0
〇
タタタタタ
片耳エルフ「エルフ、もういちどトレント術を使え」
少年エルフ「え?」
娘「何言ってんのよ!」
片耳エルフ「森のエルフ族のトレント術はゴーレム魔法の元になった魔法だ、もう一度やってウッドゴーレムで戦うのだ」
少年エルフ「ウッドゴーレム……」
娘「勝手に決めないでよ! アンタがやればいいじゃない」
片耳エルフ「私は森のエルフ族ではない、エルフお前だけが出来るのだ。いやお前なら出来る!」
娘「パパ、駄目よ危ないわ」
少年エルフ「娘……、でも僕がやらなきゃ」
娘「エルフ……」
片耳エルフ「よし、さっきの術で出した巨木を使え、より簡単に出来るはずだ」
少年エルフ「ハイッ」
片耳エルフ「よし行くぞ」ガシッ
片耳エルフが少年エルフを抱えて巨木へ向かって跳んだ。
581 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/04(日) 00:47:48.01 ID:43UkMw/W0
〇
赤魔王アーマー(皇帝)「こうなれば一人づつ踏みつぶしてくれるわ」
ドシンドシン
男子「うおおおおお走れえええ」
魔法勇者「ひいいいいい」
ダダダダダダダッ
男子達が赤魔王アーマーに追われている。
魔法勇者「どわーっ」
魔法勇者が盛大にコケる。
男子「あ、バカ」
魔法勇者「バカばっかいうんじゃねぇ!」
男子「いや、すまん、つい……」
582 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/04(日) 00:48:40.81 ID:43UkMw/W0
男子が助け起こそうとするが赤魔王アーマーの足がせまる。
男子・魔法勇者「「うわあああああ」」
シュルルル ガシン
赤魔王アーマー(皇帝)「何!?」
巨大な木の枝が赤魔王アーマーに絡みつく。
片耳エルフ「馬鹿者どもとっとと逃げんか」
ウッドゴーレムの肩に乗った片耳エルフが叫ぶ。
赤魔王アーマー(皇帝)「ゴーレムだと? 一体どうやって」
583 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/04(日) 00:49:32.30 ID:43UkMw/W0
〇ウッドゴーレム内
少年エルフ「……うぅん」
\エルフ聞こえるか仕掛けるぞ/
外から片耳エルフの声が響く。
少年エルフ「ぅ……あ(そうだタタカウんだ)」
シュルルル
木の枝が少年エルフさらに絡みつく。
少年エルフ「……(なんでだろコワクない、気モチが静かにナッテ……)」
〇
584 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/04(日) 00:50:37.30 ID:43UkMw/W0
※つづく
585 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/04(日) 18:01:12.82 ID:EwmRfBgeo
乙!
586 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:34:00.91 ID:OdkaUSMi0
#41 絶対絶望青年
587 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:35:21.36 ID:OdkaUSMi0
〇破天の塔跡地
ドドォンッ ドドドドド
魔王アーマー(皇帝)「うおおおおっ」
巨大な枝に突き飛ばされた魔王アーマーは壁ににたたきつけられる。
片耳エルフ「”吹雪斬牙”」
キュオオオ ガコンガコンッ!
巨大な氷の槍が魔王アーマーに襲い掛かる。
魔王アーマー(皇帝)「くそ!」
ヒュバババッ
魔法弾で氷を破壊する。
588 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:36:17.47 ID:OdkaUSMi0
〇
女兵士「すごい戦いだねー」
男子「下がって! 巻き込まれる」
第七王女「ここまで来て見守るしか出来んのは歯がゆいのう」
娘友「もうスケールが違うわね」
娘「……エルフ」
第二皇子「兄ぃ様……」
589 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:37:38.42 ID:OdkaUSMi0
〇
魔王アーマー(皇帝)「おおおっ」
バキバキバキ
魔王アーマーは絡みつく枝を腕力で破壊する。
片耳エルフ「止めれないか、ならば…… エルフ、突け!」
ウッドゴーレム「……」ブオン
片耳エルフ「”氷結嵐”」
ピキピキピキッ ガキィン!
魔王アーマー(皇帝)「何ぃ!?」
氷の槍と化したウッドゴーレムの腕が魔王アーマーの腕を破壊した。
片耳エルフ「いいぞ、叩き込め!」
ウッドゴーレム「……」ブオンブオンッ
ガキィン! ガキィン!
魔王アーマー(皇帝)「馬鹿な! 馬鹿なああああッ」
590 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:38:32.36 ID:OdkaUSMi0
〇破天の塔跡地・ガレキの陰
第七王女「うむ、勝てるぞ」
娘「でも……」
第二皇子「兄ぃ様!」ダッ
第七王女「ホビット!」
第二皇子と第七王女がガレキの陰から飛び出す。
男子「まて、戻れ」
娘「私が行くわ」ダダッ
娘も後を追って飛び出した。
591 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:39:22.73 ID:OdkaUSMi0
〇魔王アーマー操縦席
ガキィン ガキィン
\アームエラー、アームエラー/ \レッグ破損、レッグエラー/
警告音と破壊音が操縦席に鳴り響く。
皇帝「ぐぐぐ…… 亜種族め……」
魔王アーマーはその機能を停止しかけていた。
異形の首「……」ゴポッ
操縦席の後部にあるガラス管の中から異形の首が蠢き、眼を開く。
592 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:39:59.16 ID:OdkaUSMi0
〇破天の塔跡地
第二皇子「やめてーっ! 兄ぃ様を殺さないでーっ!」
第二皇子がウッドゴーレムの前に飛び出す。
片耳エルフ「何を言っている?」
ウッドゴーレム(少年エルフ)「……(あ……に、……助……け)」
ウッドゴーレムは魔王アーマーの操縦席に腕を伸ばす。
593 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:41:08.97 ID:OdkaUSMi0
〇魔王アーマー操縦席
皇帝「あれは……弟……(なぜここに)」
操縦席から第二皇子が飛び出すのが見えた。ウッドゴーレムに何かを言っている。
――弟がきたぞ、お前に復讐しに――
皇帝「何? 俺に……俺を……殺すのか……」
異形の首「……」
異形の首が皇帝を見つめる。
――当然、お前が殺そうとしたのを知ったのだ――
ウッドゴーレムが腕を伸ばしてくるのが見える。
――ほうら、お前を握りつぶす気だぞ――
皇帝「何!? 待て、そんな…… 俺は……俺の帝国が!」
――お前は何もかも望みすぎたのだ死死死死死死死死死死――
哄笑のような死の予感が皇帝を襲う。
皇帝「死、死ぬ! いやだ! いやだあああああああああああッ!!」
皇帝は絶望した。
異形の首「よきかな」ゴボッ
594 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:43:16.70 ID:OdkaUSMi0
〇
グオン バシュウウウ
片耳エルフ「なんだ!? 止めろエルフ!」
魔王アーマーが内側からにじみ出る黒い何かに覆われていく。
グニグニ ブシュブシュ
片耳エルフ「なんだこの巨大で邪悪な魔力は!?」
595 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:44:56.66 ID:OdkaUSMi0
〇ガレキの陰
娘友「何よアレ、キッモ」
ドワーフ王「油か?」
女兵士「なんか怖い……」
白竜「ッ! ……みんな伏せて」
白竜は男子達に覆いかぶさる。
男子「何だ!?」
〇ウッドゴーレムの足元
第七王女「なんじゃ!?」
第二皇子「兄ぃ様?」
娘「2人とも私の後ろへ……光よ!」パアアッ
〇ウッドゴーレムの肩
片耳エルフ「まずい”大守護”」
ギュドドドドドドドドッ
魔王アーマーからの黒い奔流があたりを覆いつくした。
ドドドドドドドドドドッ
596 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:46:22.97 ID:OdkaUSMi0
〇
???「グワッハッハッハッハッ! よきかなよきかな」
魔王が現れた。
魔王「一人の人間がここまで絶望するとは、野望とは大したものだな」
娘「ぐぅ……」
娘は至近距離で魔王の攻撃を受け瀕死になった。
第二皇子「しっかりして娘姉ぇ様!」
第七王女「わしらをかばって…… ここは危険じゃ、ホビット足を持つのじゃ」
第二皇子「はい!」
第七王女と第二皇子は娘を担いで移動しだした。
娘「……(エルフ……」
朦朧とする意識の中ウッドゴーレムを見つめる娘。
ウッドゴーレム「……」
ウッドゴーレムはボロボロになりながらも立っていた。
魔王「ほう……エルフ族の木偶人形か」
ウッドゴーレム(少年エルフ)「ま……おう」
597 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:48:14.66 ID:OdkaUSMi0
〇
白竜「……」
男子「白竜、大丈夫か! いま回復薬を」
男子が白竜に回復薬をかける。
娘友「ひえええ、空が見える。ここ地下だったわよね?」
魔王のはなった魔力で天蓋は吹き飛び辺りはクレーター状になっていた。
第七王女「皆の者無事か!」
女兵士「王女サマ!」
第二皇子「娘姉ぇ様に薬を」
娘友「あたしのを使って」
第七王女「うむ」
第七王女は娘に回復薬を使った。
娘「……」
第七王女「ぬぅうう…… 傷が深すぎるもっと薬じゃ」
女兵士「使っちゃったわ」
男子「娘!」
第二皇子「そんな……」
598 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:49:46.22 ID:OdkaUSMi0
〇
ウッドゴーレム「……」シュルル シュルルル
ウッドゴーレムが枝を伸ばし魔王を捕らえようとする。
片耳エルフ「皇帝を取り込んだか…… なんて魔力だ」ぜぇぜぇ
魔王「心無き巨人兵器か、厄介だが…… まだ心が残っているな」
ウッドゴーレム(少年エルフ)「む……すめ」
魔王「ならばこれでどうだ」ギュロン
魔王が魔力をまとった拳をくり出す。
ドンッ!
ウッドゴーレムの巨体が宙を舞う。
\キャアアア/
ウッドゴーレム(少年エルフ「……し、しょうさん」
同じく吹き飛ばされた片耳エルフが少年エルフの目にとまる。
ドドンッ
ウッドゴーレム「……ッ!」
ウッドゴーレムが地面にたたきつけられる。
ドシャ
片耳エルフ「」
そして片耳エルフが地面にたたきつけられた。
599 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:50:50.91 ID:OdkaUSMi0
ウッドゴーレム(少年エルフ)「え……」
魔王「今の高さでは助かるまい」
――師匠さんが――
\娘、眼を覚ませ/
男子が娘に必死に呼びかけている。
――娘が――
魔王「……」ニヤリ
――みんないなくなる――
ウッドゴーレム「ウウウ……」
――ヒトリ――
ウッドゴーレム「ウアアアア」
魔王「グハハハッ」
突進するウッドゴーレムを魔王は構えもせずに受ける。
ウッドゴーレム「アアアアアッ」
魔王「怒り憎しみ悲しみ絶望…… 小さき者にこれほどとは」
ウッドゴーレム「アア……」
ゴプゴプ
攻撃を繰り出すウッドゴーレムが徐々に魔王の体に飲み込まれていく。
魔王「これもよき絶望…… 我が糧となれ」
600 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:52:00.64 ID:OdkaUSMi0
〇
第二皇子「エルフッ! 兄ぃ様!」
男子「くそぉ! 何か方法はないのか」
ザッ
魔法勇者「あるらしいぞ」
第七王女「馬鹿勇者!」
男子「と片耳エルフさん」
魔法勇者が重症の片耳エルフを担いで現れた。
片耳エルフ「……」ぜぇぜぇ
娘友「あんた今までどこに」
魔法勇者「師匠を助けに行ったんだ」
601 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:53:09.04 ID:OdkaUSMi0
第七王女「おぬし治癒魔法は使えぬか!」
魔法勇者「俺は魔法使いだ、治癒は出来ない」
第七王女「ぬああ! おぬしはホントに使えんのう!」
娘友「ホントバカ! ここは気合で治癒魔法を使えるようになって『あんたまるで賢者ね』って言われてそれを否定して『大魔導士と呼んでくれ』ってなシーンにするところでしょーが!!」
魔法勇者「気合で魔法が出来てたまるか馬鹿野郎!!」
\ギャーギャー/
第二皇子「でも方法があるって……」
片耳エルフ「あぁ…… 出来ればやりたくなかったがな……」ぜぇぜぇ
第二皇子「う……(ひどい、両足が……)」
片耳エルフ「その人間の横に私を……」
第二皇子「はい」
602 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:54:17.34 ID:OdkaUSMi0
〇
第二皇子が娘の隣に片耳エルフを連れて行った。
片耳エルフ「最後の魔力だ”治癒”」パアア
娘「……ぅ」
片耳エルフ「聞こえるか人間」
娘「ぅ……る、さいエルフ女」
片耳エルフ「よし意識をしっかりもってよく聞け…… 私は死ぬ」
娘「……」
片耳エルフ「そしてお前もな」
〇
603 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/10(土) 22:55:34.64 ID:OdkaUSMi0
※つづく
604 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/17(土) 14:52:49.53 ID:UZT9f82i0
#42 歓喜の剣
605 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/17(土) 14:53:21.79 ID:UZT9f82i0
〇ウッドゴーレム内
魔王「
ズズズ……
少年エルフ「ヒトリ……怖い……寒い……」
魔王からの浸食を受けて少年エルフが黒く邪悪な何かに覆われていく。
――最後のエルフ族よ、お前は孤独の宿命なのだ――
少年エルフ「……コドク」
???「違うぞエルフ」
シュパアアアアアアッ!
突如、輝きが溢れ黒く邪悪な何かが消滅する。
魔王「むぅ!?」
606 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/17(土) 14:53:59.75 ID:UZT9f82i0
〇
少年エルフ「う……うん?」
少年エルフはだれかに抱きかかえられている。
少年エルフ「師匠さん?」
???「いいや違う」
少年エルフは地面にそっと寝かされる。
少年エルフ「え? あれ娘??」
娘?「そうでもないわ」
娘の顔をした誰かは静かに言う。
娘?「貴方の娘はもういないわ」
少年エルフ「え? なにをいってるの?」ドキドキ
娘?「わかるでしょう、エルフ」
シュキン
その者は魔王に向き直ると光の剣を構えた。
607 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/17(土) 14:54:33.12 ID:UZT9f82i0
〇数刻前
第二皇子「ホントにやるの? 成功するの?」
片耳エルフ「ゴフッ さあな、この状態の2人だどうなるかは保障できん」
娘「そうね、でも…… このままじゃどっちにしろ死ぬわ」
第二皇子「でも成功したっていったいどっちがどっちになるの?」
片耳エルフ「わからんな私がお前かお前が私になるのか…… そのどちらでもないかもな」
娘「そうね、でももし成功したら…… きっとエルフを、みんなを助けられる」
片耳エルフ「大した自身だな…… ならば見せてもらうぞお前の覚悟を」
ドスッ
片耳エルフは合体進化の秘法の結晶を自身の胸に刺した。
第二皇子「ううう……」
娘「お願い…… 早くしないとそいつの覚悟が無駄になるわ」
第二皇子「うわーー!」
ドスッ
第二皇子は合体進化の秘法の結晶を娘の胸に刺した。
ヒュウウン
第二皇子「わあああああ!?」
周囲が光に覆われる。
608 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/17(土) 14:55:14.77 ID:UZT9f82i0
〇今
シュパアアアアン
魔王「この力…… 貴様勇者か!?」
光の剣によって魔王の腕が消滅する。
娘?「勇者? いいえそんなものはいないわ」
少年エルフ「その力は娘…… でもその耳はエルフ族の……」
娘?「そうね私は娘でも片耳エルフでもないのだ」
エルフ族の耳をした娘の顔をした者は言う。
少年エルフ「え? でも……でも……」
エルフ娘「そうだ私はどちらでもない。ハーフエルフのエルフ娘だ!」
少年エルフ「ええ!」
バッ
エルフ娘は飛び上がり魔王に向かって光の剣を掲げる。
609 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/17(土) 14:56:18.99 ID:UZT9f82i0
魔王「むうん」
魔王が黒い奔流を放つ。
エルフ娘「ハッ」
シュパアアアアアアン
エルフ娘の一振りで黒い奔流が消滅する。
魔王「”高重力陣”」ギュオン
魔王が異次元の魔法を放つ。
エルフ娘「光よ、消し去れ!」
エルフ娘が放つ光が魔力ごと魔法を消滅させる。
シュワアアアア
魔王「なぜだ!?」
ゴウン ゴウン
魔王は次々と攻撃を繰り出すがことごとく消滅させられる。
シュパアアン シュパアアン
エルフ娘「さあ、なぜかしらね」
魔王「なぜこれほどの力が!?」
シュワアアアアア
魔王の半身が消し飛ぶ。
610 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/17(土) 14:57:56.18 ID:UZT9f82i0
エルフ娘「さあてね、ただ湧き上がるのよ喜びが!」
シュパパパアン
魔王「おのれ、”黒孔生成”」
ギュオオオオ
魔王の最大魔法が辺りを飲み込み始める。
エルフ娘「せいっ」
シュキン
エルフ娘は光の剣を放って魔法を消滅させる。
魔王「今だ、絶望せよ」ドゥ
魔王が剣を離したエルフ娘に襲い掛かる。
エルフ娘「”喜びを伝えよ”」
シュパアアアアアアア
エルフ娘が再び光の剣を生成する。それも以前より巨大になって振り下ろされる。
魔王「馬鹿ななぜおまえ一人がここまでの喜びを持てる!? グアアア!」
エルフ娘「一人ではないわ…… それに200と17年の絶望が希望になったのよ」
611 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/17(土) 14:59:03.83 ID:UZT9f82i0
魔王「ぬぬぬ……しかし我は貴様らには倒せぬ。貴様らに感情がある限りな」
エルフ娘「そうかしら、”希望よ輝け”」
魔王「我を憎まぬヒトは居らぬわ! フハハハハッ」
エルフ娘「”歓喜の剣”」
ヒュパアアアアアアアアアアアアッ
光の奔流が魔王を覆う。
魔王「ウオオオオオ! なぜだ!? なぜ憎しみを感じぬ!? なぜ貴様は我を!?」
エルフ娘「そうね、これまでの全てに感謝してるからかな…… 『そう』でなければ『こう』はならなかったからでしょうね」
魔王「まさか貴様は…… 我を、この魔王に『感謝』しているのか!?」
エルフ娘「言ったでしょ、全てにと…… だから最後よ魔王」
エルフ娘が完成した歓喜の剣を振りかざす。
ヒュドドドドドドドドッ
エルフ娘「ありがとう魔王」
ドドドドドドドドドドドドドドッ
魔王「馬鹿な! 我に…… 感謝だと…… そんな勇者が…… フハハ…… ハハハハハハハハ!!」
魔王を倒した。
612 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/17(土) 15:00:19.60 ID:UZT9f82i0
〇
少年エルフ「……あ、あ」
光と共に魔王が消え、エルフ娘が少年エルフに近づく。
ザッザッ
エルフ娘「エルフ」
少年エルフ「あ、あの…… 娘?」
エルフ娘「まったく、そうじゃないて言ったわよね?」
少年エルフ「えっと、その……はい」
エルフ娘「バタバタしてたから改めて自己紹介するわ」
少年エルフ「ん……」
エルフ娘「私はハーフエルフのエルフ娘よ、貴方と同じのね」
少年エルフ「僕と……」ドキドキ
エルフ娘「そうよ……あなたはもう独りじゃないわ」ぎゅう
エルフ娘は少年エルフを抱きしめる。
少年エルフ「うう…… うわあああああああん」
少年エルフは泣き出し、エルフ娘は彼を強く抱きしめる。
エルフ娘「ずっと一緒よ、エルフ」
613 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/17(土) 15:01:38.68 ID:UZT9f82i0
〇???
神官「という感じで魔王は倒されました」
フゴゴゴ
暗闇の中、何かの咆哮が答える。
神官「そろそろご自身で何かしてみたらどうです?」
フググゥ
神官「えー?、また寝るんですか」
ググゥ
神官「あーもう、寝てばっかりだと存在を忘れ去られますよ。竜王さま」
614 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/17(土) 15:02:53.30 ID:UZT9f82i0
〇数年後?
――森の外れに小さな古屋から産声が聞こえる。
――初めまして小さなエルフ
――ほらこっちに来て抱いてみて
――見えるかしらこのエルフがあなたのパパよ
615 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/17(土) 15:03:49.01 ID:UZT9f82i0
〇少年エルフの喫茶店(再建)
娘友「なーんて感じで締めるといい感じだと思わない? だからそろそろ結婚とかその後の予定はどうかなーって?」
エルフ娘「友、あなたねぇエルフはまだ60そこそこよ。あと40年はまたなきゃ」
エルフ娘は渡された書きかけの本を突き返しながら答える。
娘友「うっわー、ギャップを感じるわー、娘やっぱり変わったわねー」
エルフ娘と娘友が談笑している。店長の少年エルフは他の客と応対している。
エルフ娘「そりゃそーよ、一回生まれ変わったようなものだし、人間じゃないんだし」フフフ
娘友「そう……(まーだハーフエルフになれたのを喜んでるんだ)」
エルフ娘「それにしても勝手に本なんて書いてていいの? 私たちの事はなんとなくボカす約束でしょ」
娘友「王女とは約束はとれてるわ、そうそう、最近手紙も届いたのよ」
エルフ娘「本当!? 確か東方に行ったはずよね」
娘友「そうよ、なんだか記憶喪失になった皇帝の跡継ぎ問題をホビットと共に颯爽と解決して、怒涛の縁談に嫌気をさして男子君と女兵士さんとで東方へ旅立った第七王女よ」
エルフ娘「ずいぶん詳しく言うわね」
娘友「ノルマなの」
616 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/17(土) 15:04:28.81 ID:UZT9f82i0
エルフ娘「まぁいいわ、それで何が書いてあったの」
娘友「もうじき帰ってくるみたいだけど……ここ見て〜」
エルフ娘「なになに……なんとこの地にもエルフ族の生き残りがおりエルフの話をしたら是非会いたいと申して、帰国の際には伴って帰……うがーー!」ビリビリ
エルフ娘は手紙を破り捨てる。
少年エルフ「うわ!? どうしたの娘?」
娘友「あーあ」
エルフ娘「な、なんでもないわ」
娘友「落ち着いてよ娘、すぐに帰ってくるわけじゃないし」
エルフ娘「そ、そうよね帰国の予定は……」
娘友「んーと明日ね」
エルフ娘「えええええええ、こうしちゃいられないわすぐに迎撃の準備を」
娘友「迎撃って」
617 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/17(土) 15:05:25.27 ID:UZT9f82i0
バァン
第七王女「友ー、娘ー、エルフー居るかのう。驚かせようと一日早く帰ってきたぞよ」
第七王女が現れた。
エルフ娘「ああああああああああああ!!??」
第七王女「ほっほっほ、驚きすぎたか。 さらに驚くべきことにエルフ族の生き……」
エルフ娘「タンマタンマーッ!」
ドドドドドッ
エルフ娘が第七王女を外へ押し戻す。
少年エルフ「娘? いま誰かお客さん?」
エルフ娘「違うわ! ちょっと出かけるか留守番よろしくね、絶対外に出ちゃだめよ」
少年エルフ「え?うん」
娘友「エルフさんもまだまだ大変そうね」
娘友は書きかけの本を開く。
娘友「ずいぶん書き足りてないけど…… ま、いっか」
サラサラッ
娘友「おわり、っと」
〇
618 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2018/02/17(土) 15:05:54.55 ID:UZT9f82i0
※おわり
619 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/17(土) 20:22:28.15 ID:CTJ1/0J4O
乙!
おわっちゃったのか……
620 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/17(土) 23:35:18.46 ID:BPfJJYb60
連載お疲れ様です。
堂々の完結、とても楽しく拝読しました。
もし、気力があれば娘がエルフにくすぐられる小話を読んでみたいです。
621 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/19(月) 20:49:27.97 ID:JLzXgZdUo
終わってた…
おつかれさまでした。楽しかった!
次作があればここで誘導願います。
622 :
◆VEKixXsFvlSQ
[sage]:2018/02/25(日) 14:20:33.46 ID:9e+I6z2g0
※今後はこちらで書いていきます、https://kakuyomu.jp/works/1177354054885260622/episodes/1177354054885260636
しばらくは読みやすくして、書けなかった分を追記したリメイク版を更新します、あとは異世界サラリーマンものの構想を考えています。
623 :
◆VEKixXsFvlSQ
[sage]:2018/02/25(日) 14:22:01.95 ID:9e+I6z2g0
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885260622/episodes/1177354054885260636
624 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/25(日) 18:34:17.20 ID:yo1YBimi0
誘導ありがとうございます。
リメイクと短編、楽しみにしています。
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