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少年エルフ「人間の娘を育てたら魔王を倒すことになりました」
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275 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/19(土) 11:44:25.17 ID:U6W57dc70
〇検問
\危険です引き返してください/
キキィッ
団長「我々は帝都歌劇の者だ現場はどうなっている。」
団長は帝国軍たちの元へ歩いて行った。
娘友「なんだか大事になってきてるわね」
男子「娘たちは無事だろうか」
ブルォオン
\うわぁ止まれ止まれー/
ギギィー バコーン
\ワ―/
暴走した車が帝国軍の封鎖を突破していった。
娘友「て、今の!?」
男子「娘!?」
276 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/19(土) 11:45:25.17 ID:U6W57dc70
〇娘が運転する車
ブオーッ
少年エルフ「どこで車の操縦覚えたの!?」
娘「説明書を読んだのよ」
少年エルフ「今、止まれっていってなかった!?」
娘「止めなきゃいけないのは白竜でしょ、ホビットがあそこにいるんでしょ」
少年エルフ「うん……て、うわぁ!?」
娘「掴まっててよ」
ギギィッ
277 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/19(土) 11:46:28.25 ID:U6W57dc70
〇宮殿前広場
ガキィン
ドゴォン
白竜「硬いわねー」
第七王女「また撃ってきたぞい」
シュドドド
魔王アーマーから魔導弾が射出される。
白竜「もう、面倒ね」
ヒュボボ
白竜は火炎放射で迎撃する。
ズボボボン
爆炎があたりに広がる。
278 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/19(土) 11:47:30.13 ID:U6W57dc70
第七王女「今じゃ思い切って飛び込むのじゃ」
白竜「そうね、埒があかないし……えーい」
ドドドッ
白竜は突進して魔王アーマーを押し倒す。
ズドドォンン
第七王女「よし兜を取って投降を呼びかけるのじゃ」
白竜「美形は期待できないわね」
ガシィン
白竜が魔王アーマーの頭部を外すと頭部操縦席があらわになった。
白竜「なにこれ人が乗ってる」
第二皇子「う……ぅ」
279 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/19(土) 11:48:57.10 ID:U6W57dc70
第七王女「もしやホビットか!?」
ブオォオオオン ガシャーン
白竜「いったぁ!?」
突如白竜の脛に車がぶつかってきた。
娘「バカ! それにはホビットが乗ってるのよ」
第七王女「娘、エルフ」
白竜「一体何がどうなってるの」
ゴゴゴ
魔王アーマーは右手を白竜に向ける。
少年エルフ「白竜危ない! 離れて」
シュドン
魔王アーマーの左手が手首から射出された!
280 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/19(土) 11:49:58.69 ID:U6W57dc70
白竜「キャアア」
ドドォン
第七王女「うおおお!?」
白竜はロケットパンチを食らい倒れた。第七王女も放り出されてしまった。
魔王アーマー(教祖)「とんだ邪魔が入りましたが革命は止まりませんよ」
娘「教祖!」
キュオオオ
魔王アーマーの両肩の砲塔に魔力が集約される。
白竜「王女ふせて」
第七王女「う……なんじゃ」
白竜は王女を両手で覆った。
281 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/19(土) 11:51:07.54 ID:U6W57dc70
魔王アーマー(教祖)「魔王砲発射」
ビカーン
両肩の砲塔から禍々しい閃光が発射された。
娘「きゃあああああああ」
少年エルフ「うわああああああ」
白竜「い……たぁい」
白竜は閃光を翼で受けたが大ダメージ、飛べなくなってしまった。
娘友「何今の?」
男子「今のはビーム!?」
娘友たちが合流した。
娘「なんで喜んでのよアンタは」ゲシッ
男子「グゲッ」
282 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/19(土) 11:52:19.64 ID:U6W57dc70
魔王アーマー(教祖)「次は宮殿です」
教祖は砲塔を宮殿に向ける。
娘「させないわ、光よ!」
ヒュイイイン
娘の持つ剣が光を纏う。
魔王アーマー(教祖)「む!?」
娘「これで終わりよ」
ブォン
娘の斬撃と共に光の奔流が魔王アーマーを覆う。
シュワアアア……
娘「ふぅ…… これならホビットも無事の筈」
283 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/19(土) 11:53:27.31 ID:U6W57dc70
ビカーンッ
娘「な!?」
ズドドドォン
娘「きゃああああああ」
娘は魔王砲の余波を食らって吹っ飛んだ。
魔王アーマー(教祖)「ふぅむ? 目くらましなんて効きませんよ」
爆炎に照らされて魔王アーマーが悠然と歩きだす。
〇
284 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/19(土) 11:54:14.70 ID:U6W57dc70
※つづく
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/19(土) 14:47:13.32 ID:mpJtvVjL0
お疲れ様です!
続きを楽しみに待ってます!
286 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/19(土) 17:22:04.84 ID:uX/uVd0vo
乙!
287 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/26(土) 21:54:35.42 ID:w8BIqAGh0
#21 君死にたもふことなかれ
288 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/26(土) 21:56:06.97 ID:w8BIqAGh0
〇宮殿前広場・入り口
魔王砲を受けた白竜と娘の元へ少年エルフが駆け付ける。
少年エルフ「娘、大丈夫 ”大治癒”」パアア
娘「うぅ……やられたわね」
第七王女「エルフ、白竜にも頼むのじゃ」
少年エルフ「わかった」
少年エルフは白竜にも治癒魔法をかけた。
白竜「最悪…… 背中ボロボロ」
娘「それよりアイツはどこに?」
289 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/26(土) 21:56:44.29 ID:w8BIqAGh0
少年エルフ「宮殿に向かってるよ、団長や男子君も帝国軍と一緒にとめようとしてる」
第七王女「わらわも行こう、白竜と娘はちゃんと回復するまでここにおるのじゃぞ」
娘「でも……」
第七王女「エルフよ頼んだのじゃ」
第七王女は走り去った。
290 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/26(土) 21:58:06.93 ID:w8BIqAGh0
〇宮殿前広場・魔王アーマー内
教祖「魔王砲発射」
ビカーン…… バシュシュン
魔王アーマーから放たれた邪悪な光線は帝国軍の魔法障壁で防がれた。
\収束率低下……収束率低下……/
教祖「先ほどの光、無傷とはいかなかったようですね」
\撃てー/
ヒュドドドドン
帝国軍の魔法攻撃!
バシンバシン
魔王アーマーには効果がなかった。
教祖「目ざわりな接近して撃てば消し飛ぶでしょう」
ズシンズシン……
魔王アーマーは宮殿に向かって前進しはじめた。
教祖「フフフ…… 見えますよ燃える上がる宮殿がっ!」
291 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/26(土) 21:59:32.55 ID:w8BIqAGh0
〇宮殿・バルコニー
\撃てー/
ドドドドン
家来「陛下ここは危険です早く退避を」
皇帝「それには及ばん…… 見よ、最高のショーだと思わんかね」
ドドォン ドドォン
家来「ひぃ」
皇帝「逃げたければ逃げればよい、我は逃げも隠れもせん」
家来「そ…… それでは失礼して」
家来は逃げ出した。
皇帝「しょせんその程度の奴」
292 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/26(土) 22:00:18.14 ID:w8BIqAGh0
神官「……まだこちらに居ましたか」
カーテンの影から神官があらわれた。
皇帝「貴様こそ、とうに逃げ出したと思っておったぞ」
神官「御冗談を」
皇帝「先ほどの光が貴様が買いかぶっていた奴か? 余興にもならなかったな」
神官「おっしゃる通りだと…… 良いのですがね」
293 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/26(土) 22:01:47.22 ID:w8BIqAGh0
〇宮殿前広場・中央
魔導鎧(犬娘)「うおおおお!」
ギュイイイイ
魔導鎧(猫娘)「止まれーっ!」
ジャラジャラジャラ
犬娘と猫娘が鎖で魔王アーマーの左足を絡めとった。
魔王アーマー(教祖)「おおう」
グラッ ドドン
足を引っ張られた魔王アーマーは転倒した。
第七王女「あっぱれじゃ!」
294 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/26(土) 22:03:14.03 ID:w8BIqAGh0
団長「ようし今だアイツを操縦席から奴を引きずりだせ」
\ワアアア/
帝国軍兵が仰向けの魔王アーマーに群がる。
ゴゴン……ゴゴン
サソリ女「なんの音や?」
空を指す魔王砲の砲身が開いていく。
サソリ女「アカン!? 皆はなれるんやっ!!」
ビカーン
魔王アーマーは拡散魔王砲を発射した。周囲に爆風が広がる。
\うわあああ/
魔導鎧(犬娘)「おのれ、これでは近寄れん」
魔導鎧(猫娘)「あつー」
295 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/26(土) 22:05:13.56 ID:w8BIqAGh0
ガシャン ガシャン
魔導鎧(犬娘)「なんだ、変形?」
サソリ女「あれは四足歩行モード!?」
魔王アーマーは変形して四足歩行モードになった。
サソリ「ウチの複座式のマネしよって!」
団長「いや……流用されてるな」
ガシャンガシャンガシャン
団長「くそっ……来る」
\うわああああ/
帝国軍兵は総崩れになった。
第七王女「こらー、逃げるでないわ!」
団長「しかしもはや止めようが……」
第七王女「むぅ」
ゴゴン……ゴゴン……
魔王砲の砲身が拡散モードから戻る。
サソリ女「アカン……防げへんわ」
魔王アーマー(教祖)「今新たなる世が始まるのです」
魔王砲が宮殿を狙う。
296 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/26(土) 22:06:43.66 ID:w8BIqAGh0
ガガァン
魔王アーマー(教祖)「な!?」
白竜「アンタねぇ、シミになったらどうしてくれるの!」
白竜が魔王アーマーに飛び掛かった。
魔王アーマー(教祖)「しぶといトカゲが!」
白竜「今よ、そこ」
白竜は首を伸ばして娘とエルフを頭部操縦席に降ろした。
魔王アーマー(教祖)「何!? そうはさせるか」
ゴゴン
教祖は魔王砲を再び拡散モードで発射しようとする。
白竜「それはこっちのセリフよ」
297 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/26(土) 22:07:31.33 ID:w8BIqAGh0
ガシン
白竜が魔王砲の砲身を掴み発射を阻止する。
\砲身展開不良/ \過重量……過重量……/
白竜「これじゃあ手も足も出ないわよね」
魔王アーマー(教祖)「おのれ、これでもくらえ」
ボボボボン
魔王アーマーから魔法弾が連射される。
白竜「あいたた 足つぼ効くわー」
魔王アーマー(教祖)「おのれおのれ!」
298 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/26(土) 22:09:04.38 ID:w8BIqAGh0
〇魔王アーマー・頭部操縦席
少年エルフ「くぅ……外れない」
少年エルフは皇子の拘束と解こうとするが外れない。
第二皇子「うぅ…エルフ、ソレを」
第二皇子は必死に何かを訴えている。
娘「何、このレバー?」
少年エルフ「なんでそれがあるの!?」
娘「エルフ、これは何?」
少年エルフ「緊急脱出装置…… 複座式魔導鎧にも同じ物がついてたよ」
娘「脱出装置、じゃあコレを引けば」
ガコン
299 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/26(土) 22:10:10.14 ID:w8BIqAGh0
少年エルフ「うわ!?」
ガツン
操縦席が激しく揺れた。
娘「何?」
ボシュッ…… ズルズルズル
娘「これで終わり?」
少年エルフ「……止められてる パラシュートだけ出ちゃったんだ」
魔王アーマーの後ろにしぼんだパラシュートが引きずられている。
娘「ダメだったの?」
少年エルフ「……うん」
第二皇子「娘ねぇ……さま、エルフ」
少年エルフ「心配しないで何とかするから」
少年エルフと娘は必死に拘束を外そうとするが外れない。
娘「硬い……」
300 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/26(土) 22:11:24.70 ID:w8BIqAGh0
〇
魔王アーマーは白竜を振り落とそうと暴れている。
ビカーン
白竜「あっつ!!」
空に向かって魔王砲が撃たれる
ボボボボン
間髪いれずに魔王アーマーの魔法弾連射が白竜に命中する。
白竜「いたっいたいってば…… 娘、まだなの!?」
301 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/26(土) 22:12:54.73 ID:w8BIqAGh0
〇
キュゥウン
第二皇子「ッ……ああ!!」
魔王アーマーは第二皇子から魔力を絞りとる。
少年エルフ「ホビット!?」
娘「しっかりして」
第二皇子「このままじゃ宮殿が…… エルフ、僕を…… 僕を殺して」
〇
302 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/08/26(土) 22:13:52.23 ID:w8BIqAGh0
※つづく
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/26(土) 22:48:57.16 ID:X0X3pGHD0
お疲れ様です!続きを楽しみにしています。
304 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/27(日) 12:36:50.60 ID:lp4w/cnko
乙!
305 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 22:15:06.58 ID:6KhdxS4n0
#22 ロマンシング・デウス・エクス・マキナ
306 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 22:16:34.48 ID:6KhdxS4n0
〇頭部操縦席
少年エルフ「な!? 何言ってるの!」
第二皇子「兄さまに迷惑かけたくない…… エルフも……娘ねぇさまにも」
娘「ホビットが迷惑なワケないでしょ、黙って助られなさい!」
第二皇子「……このままじゃ宮殿を撃つことに」
少年エルフ「あきらめないで」
キュウウン
魔王アーマーが再び第二皇子の魔力を吸い取る。
第二皇子「うぅ……ダメ、また撃つ気だ」
娘「くっ…… 止めてくるわ」
娘は腹部操縦席へ向かった。
307 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 22:18:00.28 ID:6KhdxS4n0
〇魔王アーマー・腹部
娘「ここね」
ガツンガツン
娘は剣で操縦席を開けようとするが開かない。
娘「白竜! ここ開けられない?」
白竜は魔王砲と格闘している。
白竜「無理よこっちも手一杯よ」
娘「くぅ……」
シャッ
腹部操縦席に一部が透明になって教祖の顔が見える。
教祖「おやおやこんなところでお嬢さんがいると……」
308 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 22:25:41.35 ID:6KhdxS4n0
娘「”雷撃”」
バリバリバリ
教祖「うおっ!? ……話を聞かないようですね」
娘「うっさいわね、ホビットを解放しなさい」
ガンガンガン
教祖「それは応じかねます、せっかくですので特等席でどうぞご覧ください」
ビカーン
娘「まさか!?」
ズッ……ズン
\白竜/
白竜「ミスったわ」
白竜が魔王砲を撃たれて倒れた。
309 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 22:29:05.03 ID:6KhdxS4n0
教祖「ふむ(片方を犠牲になりましたか) ……しかしこれで終わりです」
残った魔王砲が宮殿に狙いを定める。
教祖「新たなる世の始まりです」
少年エルフ「”風弾”」ビュオオ
ビカーン ……チュドーン
少年エルフの魔法で照準がズレ、宮殿の尖塔だけ破壊される。
教祖「ぐむむ、次から次へと」
バサッ……バサッ……
頭部操縦席から伸びたパラシュートが風にあおられる。
少年エルフ「パラシュート…… そうだ”旋風”」
ゴオオオオオッ
310 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 22:31:04.78 ID:6KhdxS4n0
教祖「これしきの風、魔王アーマーにはききませんよ」
バタバタバタ…… ガキン
パラシュートに引っ張られ頭部操縦席が浮き上がる。
娘「その手が、エルフ手伝うわ ”雷撃”」
ドドン! バリバリバリ
娘は頭部操縦席と魔王アーマーの境目に魔法を撃つ。
メキメキメキ
娘「今よ」
少年エルフ「”竜巻”」
ゴオオオオオオッ
魔王アーマーを中心に竜巻が空へ伸びる。
311 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 22:32:58.25 ID:6KhdxS4n0
バキバキバキ…… バキンッ
少年エルフ「うわぁ!?」
第二皇子「ぅ……はぁ、外れた!?」
竜巻に巻き上げられ頭部操縦席が魔王アーマーから外れ宙を舞う。
教祖「馬鹿な!?」
\魔力低下魔力低下/
キュウン……
魔王アーマーが停止する。
ガッシャン
腹部操縦席のハッチが開く。
教祖「おのれ、こうなれば私が直々に皇帝をっ」
教祖は操縦席から身を乗り出し、その体が変化する。
312 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 22:36:11.15 ID:6KhdxS4n0
娘「うわぁ気持ち悪っ!?」
教祖は急速に脱皮を繰りかえし、九頭大蛇へ変化した。
九頭大蛇「キシャアアアアッ」
娘「残念だけどここで終わりよ ”重雷撃”」
ドンガラガッシャーン バリバリバリバリ
九頭大蛇「ギャアアアアアアア」
雷が連続して九頭大蛇に落雷する。
少年エルフ「やった」
第二皇子「すごい」
ガシャン
頭部操縦席が落下して第二皇子が解放された。
娘「やっとこれで……なに!?」
シュッ…… ガブッ
313 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 22:38:04.81 ID:6KhdxS4n0
娘「つぅ!」
少年エルフ「娘!?」
九頭大蛇「ははは…… 見えますよビジョンが、貴方が虫けらのように地に伏して死ぬところが」
娘「なん……ですって」
九頭大蛇に噛まれ娘は呪われた。
少年エルフ「娘!?」
少年エルフが娘に駆け付ける。
九頭大蛇「貴方は死ぬ! 革命は止まらない! 魔王アーマーよ私の魔力を受け取るのです!」
九頭大蛇が魔王アーマーに巻き付き魔力を供給する。
ゴゴン
魔王アーマーが再起動した。
314 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 22:40:18.14 ID:6KhdxS4n0
第二皇子「なんて執着……」
少年エルフ「ホビット! 手を貸して娘を向こうへ」
娘は気を失っている。
第二皇子「わかった」
娘「う……」
少年エルフは第二皇子と協力して娘を運ぶ。
315 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 22:41:35.03 ID:6KhdxS4n0
〇宮殿前広場・バルコニー前
ズズン……ズズン
\……王砲発……ザザッ……完了/
九頭大蛇「ゴフッ…… 革命成就せり」
皇帝「……」ククク
バルコニーでは皇帝が不敵に笑っている。
九頭大蛇「この状況で? ……なにこれは!?」
キュウウ
\強制……自爆……す、3、……1/
九頭大蛇「な……」
キュドーン
魔王アーマーは吹き飛び九頭大蛇も巻き込まれた。
316 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 22:46:16.18 ID:6KhdxS4n0
〇宮殿前広場・帝国軍陣営
団長「爆発!?」
サソリ女「回路の短絡や 無茶な起動をしたせいやな」
第二皇子「……本当に?」
男子「エルフさん、娘はどうしたんだ!?」
娘「う……ぐ……」
娘は傷口がふさがらずうめき声をあげている。
少年エルフ「治癒魔法が効かない、なんで!?」
第七王女「とりあえず劇場に運ぶのじゃ」
男子「よし行こう」
少年エルフ「娘……」
少年エルフたちは帝都劇場へ引き上げた。
317 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 22:47:41.98 ID:6KhdxS4n0
〇宮殿・バルコニー
皇帝「つまらん、大した者ではなかったな」
神官「そうですか? 彼女たちのおかげで皇子は助かりましたよ」
皇帝「だからつまらんというのだ」
神官「おっと…… 左様でございましたか」
皇帝「まあよい、これで議会も思い知っただろう異種族こそ災いの元だと」
神官「それでは概ね予定通りでございますか」
皇帝「そうだ、異種族を捕え、排し、種族統一による平和を実現する」
神官「まさに世界征服ですね」
皇帝「言いがかりだな、しかしそれが契約だったろう?」
神官「おっしゃる通りです陛下」
318 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 22:49:38.18 ID:6KhdxS4n0
???「ブクブク……」
神官「王も異論はないようです」
部屋の奥には水槽に浸った異形の生首が浮いている。
皇帝「……その生首にまだ意思があるのか?」
神官「……おそらく」
皇帝「フン…… 昔はどうか知らんが、今はただの魔力炉だろうが」
神官「そうです、帝都の魔力を支える魔力炉ですよ」
皇帝「フン……(主すら売り飛ばす異種族め)」
神官「陛下はもっと論理的な方だと信じておりますよ
皇帝「黙れ、おかしな事をしたら貴様も魔力炉に放り込むぞ」
神官「我々はお目こぼししていただける契約ですよね」
皇帝「ああ……(使い道がある内はな)」
神官「ゆめゆめお忘れなきよう」スッ
神官は影に吸い込まれて消えてしまった。
皇帝「……(不気味な奴め、直に魔力炉で次世代エナジーにしてくれる)」
ガタン……カツカツカツ……
皇帝は部屋を出た。
319 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 22:58:00.09 ID:6KhdxS4n0
〇翌日・帝都劇場
男子に担がれた娘が戻ってきた、少年エルフは沈んだ表情だ。
第二皇子「娘ねぇさまの様子は?」
娘「……ぐ……うぅ……」
娘は戦いの後からずっと目を覚まさず、ふさがらない傷にうなされていた。
少年エルフ「教会の司祭様にも無理だった、こんな強力な呪い僕じゃとても……ううう」ポロポロ
第七王女「泣くでないエルフ、何か方法があるはずじゃ」
少年エルフ「でも……このままじゃ娘が……」
\うわあああん/
男子「……」
第七王女「……」
娘友「……」
女兵士「……」
320 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 22:59:00.95 ID:6KhdxS4n0
第二皇子「噂ですが…… 氷島の奥地には数百年生きた呪術師がいるらしいです」
第七王女「呪術師とな……」
第二皇子「はいもしかしたらその人なら解呪の方法をしってるかも」
少年エルフ「ぐす……わかった、ホビット僕をそこへ連れて行って」
第二皇子「エルフ……でもただの噂で」
少年エルフ「お願い……、少しでも可能性があれば僕は行くよ」
娘友「エルフさん……」
少年エルフ「僕は娘のパパだから」
321 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 23:00:35.23 ID:6KhdxS4n0
〇
バタン
団長「エルフ、ホビットすぐに出る用意をしろ!」
団長が部屋に飛び込んできた。
第二皇子「どうしたの!?」
団長「話は後だ直ぐに出ないと捕まるぞ」
少年エルフ「ええ!?」
322 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 23:02:09.10 ID:6KhdxS4n0
〇テレビ・帝国放送
テレビでは皇帝の演説が流れている。
皇帝「先の暴動こそが異種族の本質、我々に仇をなすものに他ならぬ
――帝都、この宮廷においても被害は少なからずあった。
――この事態を重く受け止め、帝国の内外問わず、すべての異種族は我々もとに管理されねばならない。
――ここに皇帝の名のもとに異種族排他法を施行する」
帝国は異種族排他法を公布した。
323 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 23:03:54.68 ID:6KhdxS4n0
〇数日後の夜・氷島沿岸
ザバッ
白竜「あーん」
ぴょい
少年エルフ「よいしょ」
ぴょい
第二皇子「うわっと」
少年エルフ「気をつけて、足場が悪いよ」
白竜が岸に向けて口を開くと少年エルフと第二皇子が出て来た。
白竜「ひゃぁ、やっと着いたわね」
324 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 23:09:36.98 ID:6KhdxS4n0
少年エルフ「白竜ありがとう、顎疲れなかった?」
白竜「ありがと、それより背中が塩水で痛むわ」
少年エルフ「あとでまた治癒魔法かけるよ」
白竜「はーい、向こうから上がるからまってて」
白竜は上陸する場所を探して泳ぎ去った。
第二皇子「すごい、船で二週間はかかるのに」
少年エルフ「飛べたらもっと早くてみんな一緒だったけど」
ヒュウウウ
冷たい風が吹き付ける。
少年エルフ「寒い…… ここが氷島」
325 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 23:11:44.89 ID:6KhdxS4n0
第二皇子「まずは港町で準備をしましょう、着替えも必要ですし」
少年エルフと第二皇子の服は白竜の唾液でベタベタである。
少年エルフ「うん……(娘大丈夫かな)」
第二皇子「……大丈夫です、船で追いついてきますよ」
少年エルフ「そうだね、それまでに呪術師を探さないと」
第二皇子「ええ、僕はここで育ちました。 案内は任せてください」
少年エルフ「うん、行こう」
〇
326 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/02(土) 23:14:02.88 ID:6KhdxS4n0
※帝都劇場編 終了
次回は9月23日に
327 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/02(土) 23:18:07.08 ID:m8Asppi90
お疲れ様です。
いよいよ、佳境に入って来ましたね。
続きを楽しみに待ってます。
328 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/03(日) 13:19:03.88 ID:a28uPRCmo
乙!
329 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:48:05.46 ID:DtLBhsF80
#23 ドラーメンガール 〜失われた村の失われたスープ〜
330 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:50:06.06 ID:DtLBhsF80
○氷島へ向かう船の中
船室に娘が寝かされ第七王女と娘友が看病している。
娘「ぐ……ぅ…」
第七王女「うなされておるのう……」
娘友「アタシ達は今、娘の呪いを解くために呪術師がいるという氷島へ行く船にいます、エルフさんとホビットは白竜に乗って先行して呪術師を探す手筈です」
第七王女「友どうしたのじゃ?」
娘友「あー、勇者新聞の構成とあらすじよ」
第七王女「うむ、此度はよい見出しにならなさそうじゃの」
娘友「……(王女は素直だわぁ)」
第七王女「それに怪我が治らんし、このままでは娘がもたんぞ」
娘友「エルフさんからコレを飲ますように渡されてるわ」
第七王女「飲ませてみるのじゃ」
第七王女は薬瓶を娘の口にあてがう。
コクコク
娘は流しこまれた薬を飲み込む。
331 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:51:06.21 ID:DtLBhsF80
娘「うう…… ゴホッ、ここは」
第七王女「おう!? 気が付いたか」
娘友「ここは氷島へ向かう船のなかよ」
娘「氷島? ……パパは?」
娘の意識は朦朧としている。
第七王女「エルフは白竜に乗ってホビットと一緒に先にいっておる」
娘「先に……なんで? ……ぐぅ、からだが重い……」
娘は立とうとするが動けない。
娘友「覚えてない? 呪いにかかってるのよ」
娘「呪い、そういえば…… パパはそれで…… ぐっ」
娘は再び気を失った。
娘友「娘、娘!?」
第七王女「眠っただけじゃ…… エルフが早く解呪方法を見つけれくれるといいが」
ザザーン
332 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:52:39.53 ID:DtLBhsF80
○氷島・ホビット族族長の館
ホビット族族長「皇子よそんなに急ぐのかね」
第二皇子「はい族長、友人の命に関わりますので…… 助力感謝します」
ホビット族族長「礼などよい、生まれがどうでありお前はわしらの仲間じゃ」
第二皇子「ありがとうございます」
少年エルフ「族長さん、ありがとうございます」
ホビット族族長「よいよい、エルフ族の子よお主も気を付けるのじゃぞ」
少年エルフ「はい」
第二皇子「いってきます」
第二皇子と少年エルフを乗せたソリは出発した
333 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:54:22.17 ID:DtLBhsF80
○氷原・ソリの上
しゃっしゃっしゃっしゃっ……
少年エルフ「すごい…ずーっと氷ばっかり」
第二皇子「この島じゃ氷が溶けることはないよ」
少年エルフ「それにこんな時間なのに太陽が出てる」
第二皇子「今は白夜だからね、太陽は沈まない季節だよ」
地平線スレスレで太陽が沈まず横へ移動していく。
少年エルフ「白竜も行ってたけど本当にしずまないんだ」
第二皇子「白竜さんかあ…… なんというか年の割に落ち着きがないというかなんていうのか」
少年エルフ「まぁ……最初からああいう人だから」
334 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:55:09.25 ID:DtLBhsF80
○少年エルフの回想・昨日
白竜「むーりー、なによ白夜ってずっと昼? ここ紫外線ハンパないのよ、なのにずっと昼って、それに雪の照り返し! あーもうここは地獄よ日焼け地獄よぉ!」
335 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:56:15.93 ID:DtLBhsF80
○氷原・ソリの上
少年エルフ「まあ王女たちとの連絡係も必要だったし」
第二皇子「伝言で済むこととおもうけど……」
少年エルフ「それにしても僕たち以外で呪術師探してるってどんな人だろうね」
第二皇子「どうだろう、とりあえず村についたら何かわかるかも」
少年エルフ「そうだね」
しゃっしゃっしゃっしゃっ……
少年エルフを乗せたソリは氷原の村へ向かっていく。
336 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:58:15.45 ID:DtLBhsF80
○氷原の村・宿屋
少年エルフ「あのここらに呪術師がいるってきいたのですけど」
女主人「おや、あんたらもかい? やめときなさいあの兄ちゃん達の二の舞になるよ」
第二皇子「兄ちゃんって、先に探しにきた人がいるの?」
女主人「ああ、一昨日出てって今朝戻ったんだけどね…… ありゃあ哀れなもんさ」
少年エルフ「え? 一体になにが……」
???「おお!? そこに居るのはエルフ殿か!」
少年エルフ達は大声で呼ばれ振り返った。
少年エルフ「うわ!? 爺僧侶さん!?」
爺僧侶があらわれた。
爺僧侶「うむ、こんなところで会うとは奇遇じゃの」
337 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 15:59:53.31 ID:DtLBhsF80
第二皇子「誰、このお爺さん?」
少年エルフ「ええと、王国の港で一緒だったことのある魔法勇者さんのお爺さんで」
爺僧侶「いや坊とは血縁はないのじゃが」
少年エルフ「あ、そうなんだ…… そういえば魔法勇者さんは?」
爺僧侶「そうじゃ、それで困っておるのじゃ頼む来てくれい」
少年エルフ「う、うん」
338 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 16:01:59.42 ID:DtLBhsF80
○氷原の村・宿屋の一室
少年エルフ「それで魔法勇者はすごい攻撃魔法の使い手で……」
第二皇子「それは頼もしいですね」
爺僧侶「……この部屋ですじゃ」
ガチャ
爺僧侶「坊、天の助けですぞなんとエルフ殿が……」
魔法勇者「らりるれろっ!?」
孫僧侶「らりるれろ!」
第二皇子「ら?」
少年エルフ「らりるれろ?」
爺僧侶「ま〜ったく情けない事じゃが、坊と孫は呪われたようでな」
少年エルフ「呪われた!?」
339 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 16:03:04.38 ID:DtLBhsF80
第二皇子「じゃあ呪術師を探してたのは貴方たち?」
魔法勇者「らりるれろ」
魔法勇者は重々しくうなずいた。
少年エルフ「もしかして呪いって」
爺僧侶「うむ、坊と孫は『らりるれろ』としか喋れんようになったのじゃ」
魔法勇者達は口封じの呪いにかかっている。
○
340 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/23(土) 16:03:49.46 ID:DtLBhsF80
※つづく
341 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/23(土) 21:09:10.48 ID:myy7S+lf0
早速、拝読しました!
らりるれろ、某ダンボール潜入ゲームを思い出させますねw
では、次回も楽しみに待っています!
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/24(日) 13:43:49.95 ID:uDOgS9dTo
乙!
343 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:34:09.09 ID:2RB2vPux0
#24 北の島から
344 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:38:07.76 ID:2RB2vPux0
○氷島・氷原の村・宿屋の一室
少年エルフ「口封じの呪い!?」
爺僧侶「おそらく、坊たちが氷の森から戻ってからこのありさまで」
孫僧侶「らりるれろ〜」
孫僧侶があらわれた。
少年エルフ「孫僧侶さんまで」
爺僧侶「このままでは坊はいいとして、孫が不憫で……」
魔法勇者「らりるれろッ!」
第二皇子「何か抗議してるよ」
爺僧侶「わしも解呪を試みたのですがさっぱりでしてなエルフ殿ならできますかな?」
少年エルフ「うーん」
少年エルフは魔法勇者たちの呪いを調べる。
345 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:39:32.25 ID:2RB2vPux0
少年エルフ「ムリだと思う…… 知らない呪詛で組まれてるし、すごい複雑…… ただの口封じだけじゃなさそう」
第二皇子「妙な言語制限とか、手の込んだ呪詛とか…… 呪った人性格悪そう」
爺僧侶「まぁ人を呪う人物が良い性格とは考えにくいですな」
魔法勇者「らりるれろ〜」
魔法勇者は不満そうにいう。
少年エルフ「何で怒ってるの?」
第二皇子「文字は? 筆談はできるのでは」
爺僧侶「それも試したのですが、坊これに名前を」
魔法勇者「ら」コクン
すらすら
紙『らりるれろ』
少年エルフ「……」
爺僧侶「……」
第二皇子「ふざけてるわけじゃないんですよね……」
魔法勇者「らりるれろ」
346 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:40:21.26 ID:2RB2vPux0
少年エルフ「あの…… うなずくのは出来るんだよね」
第二皇子「あ」
爺僧侶「お」
魔法勇者「らりるれろっ」ブンブン
魔法勇者は首を縦に振る。
少年エルフ「じゃあ質問するから『はい』だったらうなずいて……」
魔法勇者「らりるれろっ」ブンブン
孫僧侶「らりるれろっ」ブンブン
爺僧侶「流石エルフ殿じゃ」
第二皇子「……(時間かかりそう)」
347 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:41:34.74 ID:2RB2vPux0
○氷島の港
ガヤガヤガヤ
第七王女達は定期船から下りた。
第七王女「やっとついたのじゃ」
女兵士「ひさびさに揺れないベットでねましょーよ」
男子「ずいぶんとホビット族が多いな…… いやドワーフ族か?」
娘友「氷島ではドワーフ族とホビット族が多く暮らしているらしいわ」
第七王女「ドワーフ族が商品を作りホビット族がそれを売ってくる、そうやって発展してきた国じゃ」
娘友「あとサウナの国でも有名よホラ」
娘友が指さす先には小屋から水蒸気が噴き出している。
女兵士「あれサウナなんだ」
\うわーー/ \化け物だーっ!/
男子「おいおい、何かおかしいぞ」
ドカーン
サウナ小屋の屋根が吹き飛び水蒸気の中から……
白竜「いやーん困っちゃう」
白竜があらわれた。
一同「「白竜!?」」
348 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:42:36.73 ID:2RB2vPux0
○ドワーフ城・謁見の間
ドワーフ王「ハッハッハよくぞ参った竜乗りの姫よ、おぬしの武勇はこんな辺境にも届いておるぞ」
第七王女「いやはや此度はわらわの竜が申し訳ないことを……」
ドワーフ王「いやいや伝説のドラゴンをこの目で見られるとは」
第七王女「うむこの竜は我が国の地下深くに……」
ドワーフ王「ほうほう……」
第七王女とドワーフ王は歓談している。
白竜「はぁ〜、よりによってエルフちゃんがいない時に魔力切れなんて」
娘友「エルフさんが魔力供給してたのね、変身リング」
男子「にしても、エルフさんと一緒のはずじゃ?」
349 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:43:37.51 ID:2RB2vPux0
白竜「あー、うん。 ほら、エルフちゃん達の行先を……あの子たちは氷原の村へ向かったわ」キリッ
男子「……サウナに入りたかっただけじゃないよな?」
白竜「やーん男子ちゃんの、いけず〜。 甘噛み―」ガブッ
男子「こらやめっ むわー」
男子は白竜に咥えられた。
女兵士「白竜、御前だからほどほどにね」
白竜「ふぁーい」もごもご
\どわー/
ドワーフ王「……第七王女よ従者が食われてますぞ」
第七王女「いやなに戯れておるだけじゃ、よくあることじゃ」
ドワーフ王「むう……(なんと豪胆な)」
350 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:45:05.94 ID:2RB2vPux0
○氷の森・入り口
爺僧侶「結局、呪術師本人を探す以外方法はないですな…… あいたた」
少年エルフ「だいじょうぶ?」
爺僧侶「腰が痛いからと坊たちだけで行かせたのが間違いだったのですじゃ、これでも魔法の使えない坊よりは役に立ちますぞ」
少年エルフ「無理しないでね」
孫僧侶「らりるれろ」
第二皇子「魔法使いが魔法使えないなんて…… 道案内だけでもお願いしますね」
魔法勇者「らりるれろ」
魔法勇者の案内で少年エルフたちは氷の森へ入っていった。
351 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:45:40.58 ID:2RB2vPux0
○???
ガサっ
???「また来ましたか、今度はホビット族を連れて…… お手並み拝見といきましょうか」
ガサガサ……
○
352 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/09/30(土) 17:50:18.25 ID:2RB2vPux0
※つづく
353 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/02(月) 10:34:30.61 ID:v/C/5ywvo
追いついた
おつ
354 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/02(月) 16:37:38.67 ID:9nEXtV6bo
乙!
355 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/07(土) 20:42:52.44 ID:B7kyVmqC0
コメントが遅くなりましたが、続き楽しみに待っています!
356 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:33:25.27 ID:o6COV5940
#25 エルフ、思いがけない遭遇
357 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:34:48.21 ID:o6COV5940
○氷の森
少年エルフ「うう……疲れた」
魔法勇者「らりるれろ〜」
孫僧侶「らりるれろ〜」
爺僧侶「すっかり迷ってしまってるじゃないですか、まったく情けない」
魔法勇者「らりるれろー!」
魔法勇者が身振りで抗議する。
少年エルフ「前と道が変わってるっていってるみたい……」
第二皇子「うーん…… 迷いの魔法が森にかかってるかも」
少年エルフ「迷いの魔法? そんなのどうしたらいいの?」
358 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:37:10.82 ID:o6COV5940
爺僧侶「土地にかかった魔法はやすやすとは解けんが…… 上書きすることで無効に出来るはずですな」
第二皇子「上書き…… 試してみようか」
ゴソゴソ
少年エルフ「何それ? 楽器?」
第二皇子「これは魔楽器のバイオリンだよ」
爺僧侶「ほう! ホビット殿は吟遊詩人でしたか」
少年エルフ「ぎんゆうしじん?」
第二皇子「楽器で魔法の曲を弾くんだよ、こんなふうに」
♪〜
第二皇子は”行進曲”を弾いた。
359 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:38:53.50 ID:o6COV5940
少年エルフ「うわぁ、なんだか体が動いちゃうね」
第二皇子「この曲は疲れを回復させて歩けるようになる曲だよ」
ザッザッザッ
爺僧侶「これならいくらでも歩けそうですな」
少年エルフ「見て、あの道って前からあった?」
爺僧侶「いいえ、見てませんぞ。 この曲で幻が無効化されたのでしょう」
少年エルフ「よーし、行ってみようよ」
魔法勇者「らりるれろ」
ザッザッザッ
少年エルフ達が新しく見つけた道を行進していく。
孫僧侶「……」
第二皇子「こんな簡単に…… (あの三人、心配になるくらい魔法に弱い)」
♪〜
第二皇子達も演奏しながら後を追った。
360 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:40:45.14 ID:o6COV5940
○氷の森・氷像の広場
氷熊「グワー」
少年エルフ「うわー熊だー!」
魔法勇者「らりるれろーっ!?」
氷の熊が襲ってきた。
爺僧侶「どりゃあ!」
バキン パラパラ
爺僧侶はメイスで氷熊を倒した。
第二皇子「これは…… 氷像?」
少年エルフ「ふぅ…… ゴーレム魔法かな」
魔法勇者「……」コクコク
361 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:42:08.11 ID:o6COV5940
爺僧侶「こんなものが出てくるとは…… 番人代わりですかの?」
第二皇子「だろうね…… 目的地が近いんじゃない」
魔法勇者「らっ!」グッ
魔法勇者がガッツポーズをとる。
少年エルフ「そうだと思うけど…… どうしよう囲まれてるよ」
第二皇子「え!?」
ガサガサ…… パキパキ……
\グルァアア/ \キシャー/
氷像の動物が少年エルフたちを取り囲んだ。
362 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:43:56.69 ID:o6COV5940
○
少年エルフ「”風弾”」ビュオオオ
少年エルフの魔法、しかし氷熊は吹き飛ばなかった。
氷熊「グワー」
少年エルフ「うわー! 重すぎ!?」
爺僧侶「むぅん」ブォン
バキン ガシャン
爺僧侶「ほっほっほ、カキ氷シロップが欲しいですな」
魔法勇者「らりるれろーっ!」
少年エルフ「そんなの爺僧侶さんだけだってー、うわぁ!」
孫僧侶「らー!!」
少年エルフ達は逃げ回っている。
363 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:46:00.40 ID:o6COV5940
爺僧侶「坊、魔法ばっかりたよるからそうなるんです、これしきの氷で…… まったく情けない」
魔法勇者「らりるれろー」
第二皇子「戦力になるのが爺僧侶さんだけじゃ…… 仕方ない」
第二皇子は魔法曲を弾き始めた。
♪〜
第二皇子「魔法勇者さん、ご協力お願いします”マリオネット”」
魔法勇者「ら?」ピシン
ビキビキビキ
魔法勇者「ラリルレローッ!!」
魔法勇者は力がみなぎった!
爺僧侶「おお!?」
魔法勇者「ラーッ!!」
魔法勇者は操られている、魔法勇者の攻撃。
バキンバギン! ガシャーンドカーン!!
魔法勇者は次々と動物の氷像を破壊していく。
364 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:47:58.48 ID:o6COV5940
少年エルフ「すごい」
爺僧侶「ほう…… 坊もやれば出来るではないですか」
第二皇子「この曲は操る人の身体能力を最大限に引き出します」♪〜
魔法勇者「らりるれろ!?」バキバキバキッ
少年エルフ「何!? 今の音」
第二皇子「早っ もう!?」
魔法勇者は突如苦しみだした。
爺僧侶「限界が早すぎですぞ、まったく情けない……」
魔法勇者「……ッ!」ピクピク
少年エルフ「怪我はないみたいだけど」
365 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:49:07.08 ID:o6COV5940
第二皇子「えっと、身体能力を最大限引き出した代償に地獄の筋肉痛に襲われます」
少年エルフ「筋肉痛…… それじゃあ治癒魔法も効かないや」
魔法勇者「ッ!? ……ッ!」
魔法勇者は筋肉痛で動けない。
爺僧侶「とりあえず奴らの数は減りました、突破しますぞ」
爺僧侶は魔法勇者を引きずって走り出した。
第二皇子「エルフ行こう」
少年エルフ「う、うん……」
366 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:50:37.08 ID:o6COV5940
○氷の森・泉
爺僧侶「何とかまいたようですな」
少年エルフ達は泉のほとりにたどり着いた。
少年エルフ「この泉なんだろう…… 凍ってない」
第二皇子「周りは氷だらけなのに不思議ですね」
爺僧侶「まぁ喉も乾いたしちょうどいいですな」
魔法勇者「ら……りるれろ」ボソボソ
今だ筋肉痛に苦しむ魔法勇者が何かを訴える。
少年エルフ「え、なに?」
爺僧侶「まったくボロ雑巾のようになって……まったく情けない」ごくごく
爺僧侶は泉から水を飲んだ。
367 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:52:05.35 ID:o6COV5940
孫僧侶「らりるれろ! らりるれろ!?」
孫僧侶が突然騒ぎだした。
第二皇子「どうしたのですか?」
少年エルフ「えっと飲んじゃだめなの?」
爺僧侶「まっらく、らりるれろ」
少年エルフ「……」
第二皇子「……」
爺僧侶は呪われた。
368 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:54:06.11 ID:o6COV5940
○氷の森・奥地
少年エルフ「うぅ…… 爺僧侶さんまで呪われてどうしよう」
第二皇子「……問題はないんじゃないかな?」
\らりるれろ/ \らりるれろ!/
魔法勇者と爺僧侶は罵り合っているようだ。
第二皇子「とりあえず奥に来てるけど…… 今度は何!?」
グモモモ
雪男「ンゴーッ」
雪の下からスノーマンがあらわれた。
少年エルフ「うわぁー! 出たー」
第二皇子「エルフ落ち着いてただの雪だるまじゃない……」
グモモグモモグモモモモモ
更にスノーマンがあらわれた。
雪男達「「「ンゴゴゴーッ!」」」
369 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:55:55.18 ID:o6COV5940
少年エルフ「いっぱいー!」
第二皇子「うわぁ! 冷たい離せー!」
少年エルフ達はスノーマン達に捕まった。
爺僧侶「らりるれろっ!」
爺僧侶達もスノーマンと揉み合っている。
雪男A「ンゴ?」
少年エルフを捕まえていたスノーマンが何かに気づいた。
雪男A「ンゴゴ」
雪男B「ンゴンゴ」ぐい
少年エルフ「なに? うわっ寒いよ」
スノーマンは少年エルフのフードを取ると少年エルフの顔を眺めた。
370 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:57:35.51 ID:o6COV5940
少年エルフを離して、スノーマン達は動きを止めた。
第二皇子「なに? エルフ何かしたの?」
少年エルフ「ううん…… 何もしてないけど」
スノーマン達は一列になって森の奥へ帰っていく、最後尾のスノーマンが少年エルフに向かって手招きをした。
少年エルフ「案内してくれるの?」
第二皇子「そうみたいだね」
371 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 22:59:49.44 ID:o6COV5940
○氷原・氷の森へ向かう大ソリ
娘「エルフ行っちゃ……」ボソ
第七王女「娘? 起きたのか?」
娘友「……いえ、寝言ね」
第七王女達を乗せたそりは氷の森へ近づいていた。
第七王女「大丈夫じゃ娘、直にエルフ達に追いつく」
娘「……うぅ、最強の敵が…… パパ……」
第七王女「ううむ、エルフに危機が迫っておるのかのう」
娘「さー、どーかしら」
372 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 23:04:04.43 ID:o6COV5940
○氷の森・謎の家
雪男「ンゴンゴ」
扉の前でスノーマンが身振りで待つように伝える。
少年エルフ「ここで待つの?」
雪男「ンゴ」
雪男はうなずくと扉を開けて入っていった。
少年エルフ「あの人達の家なのかな?」
第二皇子「まさか、でも料理のいい匂いがするね」
少年エルフ「うんなんだろ、シチューかな?」
???「なんだい、仕込みの途中に」
373 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 23:07:17.27 ID:o6COV5940
家の奥から女性が出て来た。
第二皇子「む?」
少年エルフ「えッ!! ……ホント!?」
魔法勇者「らりるれろ!」
???「はぁ〜とうとう来たのかバカ弟子…… と、ホビット族か?」
エルフ族の女があらわれた、片方の耳が半分切れている。
少年エルフ「ホントに居たんだ…… (僕以外のエルフ族)」ドキドキドキ
片耳エルフ「いや…… そっちは違うな、お前まさか……ハーフエルフ」
○
374 :
◆VEKixXsFvlSQ
[saga]:2017/10/07(土) 23:08:19.97 ID:o6COV5940
※つづく
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