少年エルフ「人間の娘を育てたら魔王を倒すことになりました」

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1 : ◆VEKixXsFvlSQ [sage]:2017/03/26(日) 15:42:51.10 ID:LFUQ7pFz0
これはハーフエルフの少年と彼に育てられた人間の娘の最後の話

前スレッド
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451087487/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1490510570
2 : ◆VEKixXsFvlSQ [sage]:2017/03/26(日) 15:54:36.73 ID:LFUQ7pFz0
※スレッドのまとめ
http://ss.vip2ch.com/jmp/1418379532
3 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/03/26(日) 23:28:17.75 ID:2u9aiG6O0
#1 私のパパがこんなに可愛いわけがない 〜超魔力学園の秘密クラス〜
4 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/03/26(日) 23:29:57.52 ID:2u9aiG6O0
○超魔力学園・Aクラス

\ざわざわ/ \しずーかーにー/

担任A「では転校生を紹介します」

ガラッ テクテクテク

廊下からボブカットの少女が歩いてくる。

\年下?/ \飛び級?/

担任A「今日からAに入るエルフ子さんです」

エルフ子「ょ……よろしくおねがいします」カアア

\きゃー/ \かわいー/

エルフ子「……」カアア

担任A「ほらあそこ座って、授業はじめるよー」

\ざわざわざわ/

エルフ子は示された席にすわる。

エルフ子(少年エルフ)「うぅ……(どうしてこうなったの……)」

少年エルフは女装している。
5 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/03/26(日) 23:31:45.99 ID:2u9aiG6O0
○数日前 魔法都市・ホテル、少年エルフ達の部屋

娘友「だーかーらー、オトコは短髪指定だから耳隠せないでしょ」

少年エルフ「だからって女装だなんて」

白竜(人型)「大丈夫きっと似合うわよー」

バサッ

少年エルフはボブカットのウェッグを被せられる。

娘友「かわいいー♪」

少年エルフ「うう(僕オトコなのに)」

娘「パパ、嫌ならやめておいたほうが……」

娘友「何言ってんの! エルフさん憧れの学園生活ですよー」

少年エルフ「学園……学校生活」パアア
6 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/03/26(日) 23:34:26.59 ID:2u9aiG6O0
白竜(人型)「じゃあ次はこの『男の娘矯正パンツ』を」

少年エルフ「う゛っ、なにそれ」ズーン

白竜(人型)「これはね気になる膨らみを矯正して女性ものでもすっきりはけるパンツアンダーパンツよ〜」

\そこまで……ダメ―!?/ \オンナは下着からよー/

スパーン

娘「パンツアンダーパンツって意味わかんないんだけど。 ……第一パパが潜入しなくても」

第七王女「駄目じゃ! 高魔力のAクラスにはエルフ以外潜入できんのじゃ」

娘「そうだけど……、学校に魔王?……いるのかしら?」

男子「魔王城の跡地ってだけだしな」

第七王女「絶対に魔王はおるのじゃ! それにエルフ自身も学校に行きたがったじゃろうが」

娘「それは……」

男子「エルフさん学校いったことないからなぁ」

女兵士「そうなんだ……。 それじゃあ行きたいよねぇ」

少年エルフ「確かに学校には行きたいけど……けど」
7 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/03/26(日) 23:36:49.74 ID:2u9aiG6O0
○現在・超魔力学園Aクラス

エルフ子(少年エルフ)「……(普通の格好で学校に来たかった)」

\ねえ/

エルフ子「はぁ……(エルフ族だってのをを隠すため……でもなぁ)」

\エルフ子さん エルフ子さん/

エルフ子「……(それにしても誰も僕がオトコって気づいてないの? ホントに?)」

委員長「エルフ子さんッ」

エルフ子「うわっ!?」

エルフ子は隣のお団子ヘアーの女子生徒が呼びかけているのに気づいた。

委員長「授業はじまってますよ、大丈夫ですか?」

エルフ子「ごめんなさい……。えっと?」

委員長「委員長です、教科書まだお持ちでないですよね? 一緒にどうぞ」

エルフ子「はい、ありがとう……ございます」ドキドキ

委員長「ふふ……かわいいですね」

エルフ子「……(なんでバレないの!?)」カアア

8 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/03/26(日) 23:40:48.92 ID:2u9aiG6O0
※更新終了 週に一回少しづつ更新していきます。
次回の更新は4月1日土曜日に。 土曜更新を習慣化したい。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/27(月) 08:06:52.95 ID:QysUwIunO
10 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/01(土) 21:30:11.64 ID:g9AKW57s0
#2 WANTEDじゃんくしょん
11 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/01(土) 21:33:02.83 ID:g9AKW57s0
○休憩時間・Bクラス2

休憩時間、第七王女が女子生徒と話している。

「へー王女ちゃんていうんだ、お姫さまみたいな名前ね」

「あるよねーお姫様の命名にあやかって名づける事」

第七王女「うむ、よくある事じゃな」カッカッカ

娘「大丈夫そうね……(お姫様本人とはさすがに思わないか)」

娘「それにしても……」フゥ

「それで趣味は何かな?」「よかったら今度一緒に乗馬でも」「お姉さまって呼んでもいいですか」

娘「んー……(メンドクサイわね)」

娘は生徒たちに質問攻めされている。

「で、付き合ってる人居るの?」
12 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/01(土) 21:34:52.58 ID:g9AKW57s0

\ざわっ/

娘「それは……(きたわ一番面倒くさいのが……、いつもの手で)」

「もしかして居るの? それとも居ないの? 居ないなら……」

娘「もちろん居るわよ」ニッコリ

\ええーっ!?/ \ギャアア/

「だだだ誰ですかそれは!?」

娘「……それはね」
13 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/01(土) 21:36:23.02 ID:g9AKW57s0
○校庭・Cクラス

体育教師「よしやめー、昼飯くったら一般科目だぞ寝るなよ」

教師が体育授業の後かたずけを指示して校舎へ歩いていく。

娘友「なんで魔法学校に体育があるのよーっ!」バタッ

「Cクラスは魔法が使えない組だから…… ほら片づけよ」

グラウンドに倒れた娘友を女子生徒が気遣う。

男子「どうした友、大丈夫か?」

娘友「大丈夫よーちょっと休んだらやるから」ひらひら

男子「わかった」のしのし

片手で応じる娘友を見て男子は用具を片付けに歩いて行った。
14 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/01(土) 21:38:01.93 ID:g9AKW57s0
「一緒に入って来た男子君カッコイイね、背が高くて、筋肉すごいし……」ドキドキ

娘友「そーね元々騎士科だったしね」

「そうなんだ……、Bクラスに入ったヒトが彼女ってホント?」

娘友「うおっと何それ? 娘の事?」

「だって噂で……」



男子「やれやれ、腹が減ったな」

「君が男子君かっ!」

背後から男子生徒が呼びかけた。

男子「む、なにかようか?」

「君が娘君の彼氏だと聞いた、彼女をかけて決闘を申し込むっ!」シュッ
15 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/01(土) 21:39:01.93 ID:g9AKW57s0

バシン

男子の顔面に手袋が投げつけられた。

男子「……またか(いつもの事とはいえ)」

「ようしでは方法は君に任せよう、好きな方法をいいたまえ」

\ざわざわ/ \決闘だ/

見物人が集まって来た。

男子「……(逃げれる雰囲気じゃないな)わかったわかった。 そうだなお前Bクラスだから魔法使えるんだよな」

「もちろんだ」

男子「じゃあ、好きな攻撃魔法うってこいよ。俺を倒したらあんたの勝ち、耐えたら俺の勝ちで」

「なっ!? なめられたものだなCのくせに……くらえ『爆裂』」

男子「むんっ」

ドドォン
16 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/01(土) 21:41:41.13 ID:g9AKW57s0
爆発が収まり砂埃が収まると……。

男子「ゲホゲホ……、久々に爆裂くらったな……。よし俺の勝ちだな」

男子が平然として現れたが。

「なにぃ!? ってお前」

男子「ん?」

\キャー――/

女子生徒の悲鳴があがる。

男子「うわっ服が」

男子はジャージが爆発で吹っ飛んで裸になってしまった。

男子「おおお! おいお前ジャージ貸してくれっ」

「でかっ!? うわっ来るなっ うわああああ」

男子「逃げるなお前の責任だろっ」

「ひいいいいい」

\キャーー/
17 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/01(土) 21:43:25.90 ID:g9AKW57s0
○Aクラス専用食堂

エルフ子(少年エルフ)「ん?」もぐもぐ

委員長「校庭が騒がしいですね…… 喧嘩でしょうか」

エルフ子「かな? それにしてもどうしてAクラスだけ校舎が別なの?」

委員長「Aは生徒の中でも特に魔力の高い者が集まっており、カリキュラムも独自の物が用意されています。 なので校舎も寮も別々になっている方が都合がよいのです」

エルフ子「えっと授業が別々なの?」

委員長「基本は別々ですね、選択科目でいくつか合同の物もありますが」

エルフ子「なんの科目?」

委員長「薬草学と変性魔法学、あとは占い・予言学ですね」

エルフ子「そうなんだ……、薬草とろうかな」

委員長「あら薬草がお好きですか? 私もとってますから御一緒できますね」

エルフ子「そうなんだよかった」

委員長「ええ……」ふふ
18 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/01(土) 21:46:50.15 ID:g9AKW57s0
○夜、共同女子寮 娘の部屋

娘友「と、いうわけで。 男子君の筋肉サービスによって無駄な争いは終結したわ」

娘「やっぱりあの爆発はそういうことだったのね」

第七王女「男子が格の違いを見せつけたというわけじゃな」

娘友「格の違いというかナニの違いというか……。 眼福ですた」

第七王女「ふむ? 何か眼福になるような物があったかの?」

娘友「ゲフンゲフン。 そういえば娘、男子君愚痴ってたわよ、また『都合のいい彼氏』にしたなって」

娘「オホホホ……。 おかげで午後からはオトコ共が減っては快適にすごせたわ」

第七王女「なるほど男子を彼氏と思わせることで無駄なアプローチを減らすわけか」

娘「そういうこと、フリーだとオトコ共がうるさいのよホントに」

娘友「はーつらいわー親友がモテすぎでつらいわー」

娘「モテたくてモテてるんじゃないの、もう」

娘友「マジつらいわー」しくしく
19 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/01(土) 21:49:55.63 ID:g9AKW57s0
第七王女「しかし今後の連絡をどうするかのう、男子には友につないでもらうとしてエルフと連絡がとれんのう」

娘友「そうね、寮もAクラスだけ別だし全室個室で夜間は原則外出禁止」

娘「パパと連絡がとれないわね、困ったわ」

第七王女「安心するのじゃ、わらわが今夜にでも忍び込んで話してくるのじゃ」

娘「そうね、王女お願いするわ」

第七王女「もとより、この学校は調べ尽くすつもりじゃからな」

娘友「そうね……、だったらアタシは新聞部に入ろうかと思うわ」

第七王女「なるほど諜報活動にはもってこいじゃな」

娘「わたしは部活はおいといて……学内の魔力異常がないかしらべるわ、パパ程精密にできないけど」

第七王女「そうじゃなしばらくはわらわと娘は自由に調査したほうがよいの」

娘「そうね……それにしてもパパ大丈夫かしら、バレてないわよね」

娘友「まさか一日目でバレることはないでしょ」

第七王女「そうじゃよ、昨日今日でバレるような変装ではなかろ」

娘「……そうだけど」
20 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/01(土) 21:51:56.26 ID:g9AKW57s0
○深夜・Aクラス専用女子寮の大浴場

湯気が揺らめく中、倒れた少年エルフの前に委員長が立ちはだかっている。

委員長「貴方、その耳は……。 まさか『エルフ族』?」

少年エルフ「……(ど、どどどうしようバレタ)」

21 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/01(土) 21:54:10.05 ID:g9AKW57s0
※更新終了、今回はここまで。 次回更新は土曜に。
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/02(日) 11:01:36.21 ID:FvvUUK1ko
23 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:32:50.10 ID:wuEFNQ+K0
#3 PとHW
24 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:34:01.46 ID:wuEFNQ+K0
○数十分前・Aクラス専用女子寮、少年エルフの個室

ゴソ

エルフ子(少年エルフ)「ん……、そろそろ」

少年エルフはベットから起きると着替えをもって大浴場へ向かった。

エルフ子(少年エルフ)「……(この時間ならだれもいないよね)」

○大浴場前

エルフ子「……(お風呂も食堂もいつでも利用できるっていってたけど。 すごい設備だなぁ)」

エルフ子は入り口で耳を澄ます。

シーン

エルフ子「……(大丈夫、誰も入ってないね)」
25 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:35:25.76 ID:wuEFNQ+K0
○大浴場・脱衣所

カパッ

少年エルフは飾り耳付きウィッグを外した。

少年エルフ「ふぅ、これ耳が蒸れる……。 仕方ないけど」ポリポリ

ペタペタ……ガラガラガラ

少年エルフ「すごい湯気、先が見えないや」

少年エルフは大浴場に足を踏み入れると。

石鹸「!」

少年エルフ「うわあ!?」

つるーん

ドタ ガラガラカラーン

少年エルフは石鹸を踏んで盛大に転んでしまった。
26 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:36:44.27 ID:wuEFNQ+K0
少年エルフ「いたた……」

ペタペタペタ

少年エルフ「え?」

湯気の向こうから委員長があらわれた。

委員長「大丈夫? すごい音が……、エルフ子さん?」

少年エルフ「うそ……(なんで居るの!?)」

少年エルフは咄嗟に下半身を隠した。

委員長「あなたその耳……『エルフ族』なの?
27 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:38:27.96 ID:wuEFNQ+K0
○Aクラス専用女子寮・洗濯室

スチャ

第七王女「ふむ……(都合よく窓があいてて助かったわい)」

第七王女が洗濯室の開いていた高窓から忍びこんだ。

第七王女「おぉ……(最新の洗濯魔導器がこんなに)」

王女は並んだ洗濯槽と乾燥器に感嘆の声をあげる。

第七王女「ふむぅ……(なんという資金力、やはり裏がありそうじゃな)」

スッ

第七王女「……(しかし、まずはエルフと連絡を取らねば)」

第七王女は音も立てずに移動を始めた。
28 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:39:31.77 ID:wuEFNQ+K0
○大浴場

少年エルフ「あの…… その……」わたわた

ガラガラガラッ

更に誰かが脱衣所に入ってきたようだ。

少年エルフ「え? そんな!?」

委員長「……こっちよ」グイ

少年エルフ「え? え?」

ザプン

委員長は少年エルフを引っ張って湯船にはいった。
29 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:40:35.88 ID:wuEFNQ+K0


少年エルフ「あ、あの……」カアア

委員長「ダメ、喋らないで……”無音霧”」

委員長は魔法の霧を辺りに造り出した。

ゴソゴソ

脱衣所に入ってきた何者かは何かを探しているようだった。

少年エルフ「何してるんだろう、入ってこない……」

委員長「静かに、離れないでください、」ぎゅう

委員長は少年エルフを抱き寄せる。

少年エルフ「あのちょっと近い、離して……」カアア

委員長「駄目です、私の魔法はそんなに範囲がありませんから」
30 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:41:50.57 ID:wuEFNQ+K0
むにゅう

少年エルフ「ッ……(うわぁ背中に胸が、やらわかい!)」ドキドキ

ガラガラッ

脱衣所の何者かは出て行ったようだ。

委員長「よかった、中には入ってこなかったようですね」

少年エルフ「あの、今のは……」

委員長「最近、校内に不審者が出るという噂です」

少年エルフ「不審者? どういう?」

委員長「まってくださいまた誰か来ます」

ドタドタドタ……ガララッ

風紀委員「誰か入ってる!?」

風紀委員が制服のまま大浴場に入ってきた。
31 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:42:55.98 ID:wuEFNQ+K0

委員長「(潜って……)はい私です」

少年エルフ「ブクブク……」

少年エルフは頭を押さえられて湯船に潜らされた。

風紀委員「委員長またこんな時間に入ってる。 例の変質者がでたのよ早く部屋に戻って」

委員長「わかりましたわ」

\キャー 出たー/

風紀委員「あっちか、被害があったら後で報告して」

ドタドタドタ

風紀委員はあわただしく駆け出していった。

委員長「……行きましたわ」

少年エルフ「ぶはっ」

委員長「大丈夫ですか? ……耳先まで真っ赤ですよ」

少年エルフ「う……、のぼせました」ドキドキドキ
32 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:43:53.67 ID:wuEFNQ+K0
○廊下

廊下の曲がり角で第七王女は様子を伺っていた。

\バタバタ/ \キャー/
 
曲がり角の先から足音と悲鳴が聞こえてくる。

第七王女「……(妙じゃな、こんな夜更けに騒がしいのう)」

王女が廊下の先を伺うと。

狼男「へっへっへ……」

パンツをはいた狼男が息を切らせて走って来た。

第七王女「くっ!? 曲者ーッ!!」
33 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:45:17.52 ID:wuEFNQ+K0
○脱衣所

少年エルフ「え? 無くなってる!?」

委員長「やっぱり、先ほどのは噂の下着泥棒さんでしたね」

少年エルフ「うそ……、委員長も?」

委員長「私のは隠してたので無事です。ほらこれで耳を」

クルクル

委員長はタオルで少年エルフの頭を包み耳も隠す。

委員長「服を着たら私の部屋へ、そちらの方が近いですから」

少年エルフ「はい……」カアア

少年エルフは委員長に背中を向けて服を着だす。

少年エルフ「う……(すごいスース―する)」
34 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:46:28.87 ID:wuEFNQ+K0
○廊下

\くせものー/

風紀委員「こっちね!」

風紀委員が駆け付けると、第七王女が狼男と戦っている。

第七王女「おのれ珍妙な奴め! わらわが成敗してくれる」

ヒュンヒュン

第七王女はナイフを持って狼男と高速戦闘を行っている。

狼男「ぬぅ、なんというデンジャラスガール」

風紀委員「見つけた! 覚悟なさい下着泥棒っ”麻痺”」

シュババッ

駆け付けた風紀委員の杖から麻痺光線が飛び出す。
35 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:47:18.62 ID:wuEFNQ+K0
バシン

狼男「うおっと、こりゃまずい逃げるか」

麻痺光線を避けると狼男は窓へとりつく。

第七王女「おのれ逃すか」

シュッ

狼男「いってぇ!?」バタバタ

狼男は尻にナイフが刺さるもそのまま逃げていった。

第七王女「ぬぅ、逃がしたか。しかしこんなところに狼男とは……」
36 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:48:38.58 ID:wuEFNQ+K0
○委員長の部屋

バタン

委員長「これで一安心ですね、大丈夫ですかエルフ子さん」

少年エルフ「あ、あの……その、なんで」

委員長「『なぜエルフ族に驚かないか』ですか?」

少年エルフ「……はい」

委員長「そうですね……、うん。知ってもらったほうが早いですね」

バサッ

そういうと委員長は団子ヘアーを下す。

委員長「手を」
37 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:49:21.23 ID:wuEFNQ+K0

少年エルフ「何?」ドキドキ

委員長は少年エルフの手を取り、自身の頭へ促す。

委員長「わかりますか?」

少年エルフ「これは……角?」

少年エルフが触る先に髪の下に突起が当たる。小さい角のようだ。

委員長「はい、私は『魔族返り』なのです」
38 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:50:05.33 ID:wuEFNQ+K0
○廊下

風紀委員「あ、あなた!」

第七王女は風紀委員に呼びかけられた。

第七王女「うーむ(しまったどう誤魔化すかのう)わらわは……その」

風紀委員「貴方素晴らしい身体能力だわ、風紀委員会に入らない」

第七王女「おお? ……うむ任せるのじゃ、あのような狼藉物を一緒に捕まえようぞ!」

第七王女はその場のノリで風紀委員会に所属した。
39 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:51:33.78 ID:wuEFNQ+K0
○委員長の部屋

委員長「似た境遇の方と会うのは初めてなのでとても嬉しいのです」

少年エルフ「あの……『エルフ族』は嫌いじゃないの?」

委員長「嫌い? なぜ? こんなにカワイイ子なのに」ぎゅうう

委員長は少年エルフを抱きしめるとクルクルと回転する。

少年エルフ「え?あの(あれ? カワイイ子?)」

ゴン、カチャ

委員長「あらいけない……、メガネメガネ」オロオロ

委員長は落としたメガネを探しているが拾えない。

少年エルフ「……あの、ここに」

スッ

委員長「ありがとうございます。 駄目ね、メガネがないと小さいものは見えなくって」

少年エルフ「小さい……」ズーン

委員長「どうしたのエルフ子さん?」

委員長にエルフがオトコだということはバレていなかった。

40 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/08(土) 21:52:02.81 ID:wuEFNQ+K0
※つづく
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/08(土) 22:31:51.12 ID:eKshMX9v0
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/09(日) 08:50:34.56 ID:JEfzwzd4O
43 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/15(土) 21:15:50.62 ID:z/rOQc510
#4 マッガーレ、スプーン!
44 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/15(土) 21:17:04.40 ID:z/rOQc510
○翌日、休憩時間・中庭

第七王女「と、いうわけで風紀委員になったのじゃ」

娘「フリーでいようって話じゃなかったっけ?」

第七王女「それはのう、まぁその場のノリでじゃな」

娘「まあいいけど……、確かに風紀委員とかなら一般の生徒が知らない所も調べられるでしょうね。 でも」

娘友「エルフさんと連絡がつかなかった、でしょ?」

娘「それよそれー、あー〜もう。心配だわ、ヘンな生徒に絡まれてないかしら」

娘友「そんな娘に朗報よ、エルフさん合同授業の薬草学に出るみたいよ」

娘「ホント!? 薬草学って何処?いつ?」

娘友「えっと別棟の次の時限みたい……」

フォン

娘は別棟へ消えた。

娘友「はっや」

第七王女「娘はエルフの事になると容赦がないのう」

娘友「前回の事もあるし、不安なんでしょ」
45 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/15(土) 21:18:05.34 ID:z/rOQc510
○調合室

広くない薬草・魔法薬の実習室だが生徒は疎らである。

エルフ子(少年エルフ)「薬草学って人少ないね」

委員長「そうですね、魔法に比べるとやはり地味ですから」

ガタガタ

委員長とエルフ子は並んで座った。

エルフ子「委員長さんはどうして薬草学を?」

委員長「ただ単に植物が好きだったので……エルフ子さんは?」

エルフ子「僕も山育ちだし草花は好きだしそれに……」

娘「実際に薬師の助手をしてたからよね? エルフ」

娘があらわれた。
46 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/15(土) 21:19:34.25 ID:z/rOQc510
エルフ子「あ、娘」

娘「ここ座るわね(……よかった会えたわ)」

ガタ

娘はエルフ子の隣に座った。

委員長「あらコンニチワ、エルフ子さんのお知り合い?」

エルフ子「あ、そうだね娘は僕の……えっと」アセアセ

委員長「……?」

娘「私とエルフ子は……親戚なのよ。 そうでしょエルフ」

エルフ子「うん、そう……いとこみたいなもの」アセアセ

委員長「そうでしたか……(いとこみたいな?)」

娘「貴方は? エルフ子と同じクラス?」
47 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/15(土) 21:21:38.97 ID:z/rOQc510
委員長「ええ私は委員長です」

娘「そう委員長ね……、エルフが世話になってるわね」

委員長「いえエルフ子さんはその……まだ若いのにとても優秀ですね」

娘「知ってるわ長い付き合いだしね……(この感じ、まさか)」ニコニコ

委員長「私は日は浅いですけどすっかりいいお友達になりましたわ(親戚? 全然似てないじゃない)」ニコニコ

娘「そのようね(……怪しい)」ニコニコ

委員長「はい(……怪しい)」ニコニコ

エルフ子「どうしたの二人とも?」

娘「エルフ? 昨日は初日だったけど大丈夫だった?」

エルフ子「えっ! 大丈夫なにもないよ」ドキドキ

娘「……(ッ!? エルフがウソを……一体なにが)」
48 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/15(土) 21:22:52.83 ID:z/rOQc510
委員長「エルフ子さんどうかしましたか? 大丈夫ですか?」

エルフ子「委員長さんまで、大丈夫だよ何もないって」ドキドキ

委員長「そうですよね……(この反応……普通じゃない)」

娘「とにかく、よろしくお願いしますね委員長さん(……さてはオトコと判って狙ってるわね! エルフは渡さないわよ)」

委員長「いえこちらこそよろしくお願いしますね娘さん(……さてはエルフハンターですね、エルフ子さんは私が守ります!)」

キーンコーンカーン……

授業が始まった。
49 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/15(土) 21:24:08.34 ID:z/rOQc510
○Cクラスの教室

男子「次は何の授業だっけ?」

男子は同級生に話しかける。

「超魔力実習だ『裏切者』」

「教室移動だぞ『裏切者』」

男子「わかったから、それとその呼び方そろそろ勘弁してくれよ……」

男子のあだ名は『裏切者』になっていた。

「許してたまるか! なんで娘さんがお前みたいなゴリラと!!」

「絶望した死んでやるー」

ダダダ―。

同級生は現実から逃げ出した。

男子「はー、とりあえず移動するか」
50 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/15(土) 21:25:50.71 ID:z/rOQc510
○魔法実技室

巨乳教師「始めての者もいるから言っておく、貴様らは魔力のないクズだ!」ぺシンッ

教師は教鞭を手にして高圧的に話している。

男子「……(美人だけど性格きつそうだな)」

娘友「……(おのれ巨乳め)」

巨乳教師「しかし、そんなお前らでも魔力に頼らない魔法を発見した。見ろ」

フワッ

\おお/

教師が手を放すと教鞭が空中に浮かび上がった。

娘友「なによ手品じゃない」ボソッ
51 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/15(土) 21:26:50.38 ID:z/rOQc510

巨乳教師「そこ私語は禁止だ!」

シュッ ベシン!

娘友「ぎゃう!?」

浮遊していた教鞭がひとりでに振るわれ娘友の脳天を打った。

\おおお〜/

巨乳教師「これは隣の研究所にて発見され特別にこの学校での訓練が許されたものの一つだ。我々はこれを魔力を超えた魔力、すなわち超魔力とよぶ」

男子「すげぇ……」

巨乳教師「魔力は関係ない、貴様らにも出来る。潜在能力を開花させるのだ」

\うおおおーッ/

巨乳教師「では貴様らにはまずこれを曲げてもらおう」
52 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/15(土) 21:29:22.54 ID:z/rOQc510


班ごとに分かれた生徒たちがスプーンを手にしきりに擦っている。

巨乳教師「そろそろ一人ぐらい曲げる奴は出ないのか?」

男子「ぬおお……」ゴシゴシ

「まっがーれ!……」ゴシゴシ

「チンチラホイ!」ゴシゴシ

巨乳教師「気合を入れろ!」

娘友「……こんなの曲がるわけないじゃない」

「友ちゃん……、でも現実に先生曲げてるし」
53 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/15(土) 21:31:00.86 ID:z/rOQc510
娘友の前にスプーンが漂ってくるとひとりでにお辞儀をした。

娘友「……(バカな)」

超魔力教師「貴様、もっと集中しろ!」

娘友「でもセンセ、これ出来た生徒はいるんですか〜?」

超魔力教師「確かに出来る者は少ないかもな、だから少しでも曲げれた班は特別講習でより超魔力を伸ばしてもらうぞ」

「特別講習……」

「先生の……」

\うおおおお/

半数の生徒が曲げようと必死になる。

娘友「オトコてやつぁ……」
54 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/15(土) 21:33:40.23 ID:z/rOQc510


「かってぇー」

同級生は力づくてスプーンを曲げようとしている。

「おい男子今こそゴリラパワーを見せてくれ」

男子「おいおい、それだと超魔力関係ないだろ」

「そんなの後でどうとでもなる。先輩情報によれば特別講習さえ受ければ出来るようになるらしいぜ」

男子「ホントか?……(超魔力が使えるようになれば娘にもバカにされないかもな)」

男子「よし、……フンッ」メキッ

ペキン

男子のもつスプーンの頭が吹っ飛んだ。

\おお/
55 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/15(土) 21:34:44.22 ID:z/rOQc510
パシッ

超魔力教師「ほう貴様ら……、後で残れ」

教師は飛んできたスプーンの頭を受け止めると男子たちの班に言った。

「やったああ」

「ゴリラ万歳」

男子「やれやれ……」

56 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/15(土) 21:35:48.91 ID:z/rOQc510
※つづく
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/16(日) 03:59:57.13 ID:biMpVMZs0
58 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/22(土) 21:02:19.89 ID:18UGRFWk0
#5 強敵と書いて……
59 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/22(土) 21:03:36.28 ID:18UGRFWk0
○調合室

生徒たちが課題の試薬を調合している。

ガヤガヤ

エルフ子(少年エルフ)「結構簡単だったね」

委員長「すごいですねエルフ子さん、こんなに早く出来るなんて」

エルフ子と委員長は課題を終えていた。

エルフ子「委員長さんだってできてるじゃない」

委員長「私は独学でやってましたから」

エルフ子「あと何したらいいんだろ?」

委員長「あとは自習ですよ、私はいつも新しい調合を試しています」

エルフ子「へぇどんなの? 見せて」

委員長「ふふ……、お見せするほどではないかもしれませんが」
60 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/22(土) 21:04:44.24 ID:18UGRFWk0


娘「うぐぐ……、早く終わらせないと」

ゴリゴリ

娘は乳鉢と乳棒で試薬を混ぜ合わせる。

\わぁすごい/

\これは魔法薬に近い調合ですよ/

娘「むぐぐ……、あの子があんなに調合ができるなんて……」

ゴリゴリ……バチバチ

焦りから漏れた魔力が電撃となって試薬を焦がした。

娘「あっ……(そうよ体質的に無理なんだった、忘れてたわ)」
61 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/22(土) 21:05:39.40 ID:18UGRFWk0
娘「ねぇエルフ、手伝ってくれない?」

エルフ子「娘? 仕方ないなぁ」

委員長「あら、手伝わなくていいんですよエルフ子さん。 課題なのですから」

エルフ子「え? でも……、ほら人によっては難しい所もあるから」

エルフ子は娘の課題を手伝い始める。

娘「ありがとパ……エルフ」ニコニコ

委員長「むー、(このままではエルフ子さんが)」

カチャカチャ

委員長は忘却薬を調合した。
62 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/22(土) 21:06:48.32 ID:18UGRFWk0


エルフ子「娘、それ計ったら頂戴」

娘「はーい、やってるわ」

委員長「もうできますか?」

娘が振り向くと委員長が微笑んでいる。

娘「何……(邪気が)」

委員長「エルフ子さんと本当に仲がよろしいのですね」

娘「そりゃあ、長い付き合いだもの」

委員長「だとしても随分と……甘えすぎではありませんか?」

娘「それは仕方ないじゃない家族、……のようなものなんだし」

委員長「家族……、いとこでは家族ではないと思いますが?」
63 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/22(土) 21:08:27.72 ID:18UGRFWk0
娘「……一緒にいたら家族よ」

委員長「はっきり申し上げて、エルフ子さんを便利に使ってないですか?」

娘「便利にってそんな……」

委員長「とりあえず、こちらに来たことを忘れて考えなおしてみては?」

娘「はぁ? それはどうい――」

委員長「あら、テガスベッタワー」

委員長は手にしていた忘却薬を振りまいた。

娘「だろうと思った」

ヒュッ

娘は薬をかわした。
64 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/22(土) 21:09:37.71 ID:18UGRFWk0
エルフ子「娘まだー?」

ぼわっ

委員長・娘「「あ!?」」

撒かれた薬をエルフ子が頭からかぶってしまった。

エルフ子「うわぁ!? なにこれ」ゲホゲホ

委員長「きゃああ大変」

娘「こっち早く!!」

娘はエルフ子を引っ張って調合室のシャワーを浴びせる。

ザァー

\どうしましたか/

委員長「すません誤って薬品が掛かってしまい……」
65 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/22(土) 21:10:55.11 ID:18UGRFWk0
娘「エルフ大丈夫?」

エルフ子「ん? んん」ボー

娘「とりあえず着替えさせないと……こっちへ」

ダダッ

娘はエルフ子を引っ張って教室を飛び出した。

委員長「ああもう、どうして」
66 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/22(土) 21:12:45.70 ID:18UGRFWk0
○女子更衣室

娘「はやく着替えて」

エルフ子「ふえ?」ボー

娘「脱がすわよ」

テキパキ

エルフ子は娘に服を脱がされ、最後にウィッグを外され少年エルフに戻った。

少年エルフ「ほえ?」ボー

娘「様子がおかしいわね……解毒がいるのかしら」

ガラッ

委員長「あの……、中和剤をって。エルフ子さん!?」

委員長は一糸まとわぬ少年エルフを見て驚く。

娘「早く解毒を……って、どうしたの?」

委員長「ウソ……、生えてる!?」

娘「え、知ってたんじゃないの!?」

委員長「知って? 知ってたの!?」
67 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/22(土) 21:15:39.54 ID:18UGRFWk0


少年エルフは娘のジャージを着せられ端に座っている。

少年エルフ「……(バレタ……見られた……)」カアア

委員長「……そうでしたか、それでこの学園に」

娘「貴方を誤解してたわ、それに『エルフ族』のことを黙っていてくれてありがとう」

娘は委員長に経緯を説明した。

委員長「それは私も似たような所がありますので」

娘「それでもよ……。 それと秘密を知ったついでにAクラスでエルフの事頼めるかしら?」

委員長「それはもちろん、大切なお友達ですから」ニコニコ

娘「いいえ、普通に友達でいいわよ」ニコニコ

委員長「……」ニコニコ

娘「……」ニコニコ

ゴゴゴゴゴゴ
68 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/22(土) 21:16:51.19 ID:18UGRFWk0
少年エルフ「娘? 委員長さん?」

娘「大丈夫よ話はついたわ」ニコニコ

委員長「ええ聞きましたわ」ニコニコ

少年エルフ「……(なんか笑顔がコワイ)」

娘「それにしても魔王調査のことよく信じる気になったわね」

委員長「それは私も完全に他人事ではありませんし、ここに来てから『魔族返り』が進行してるような気がするのです」

少年エルフ「そうなんだ」

委員長「ええ、ですから私も魔王調査の件。手伝わせてください」

委員長が仲間に加わった。

69 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/22(土) 21:17:18.08 ID:18UGRFWk0
※つづく
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/23(日) 11:49:32.02 ID:tCa1R7UN0
71 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/29(土) 21:36:16.31 ID:f8FMA2Nl0
#6 魔法学校の怪談
72 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/29(土) 21:37:27.53 ID:f8FMA2Nl0
○夜・Aクラス専用女子寮

第七王女「おのれ曲者!」

ダダダダ

狼男「今日もいるのか!?」

またも現れた下着泥棒を第七王女が追いかけている。

風紀委員「それはこっちのセリフです、毎回毎回いい加減にしてください!」

風紀委員があらわれ行く手を遮る。

狼男「くっそ、今日は収穫ゼロか」

ダッ

狼男は窓を開け外へ逃げ出す。

風紀委員「3階なのに!?」

第七王女「逃がすか」

風紀委員「まってください!?」がしっ

風紀委員が飛びおりようとした第七王女を捕まえる。

第七王女「こりゃ、逃げられるじゃろう」

風紀委員「ダメです、危険すぎです。 それに夜間は外出禁止ですよ」
73 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/29(土) 21:38:15.78 ID:f8FMA2Nl0
○翌日、中庭・昼食休憩

第七王女「なにが外出禁止じゃ、それだから捕まえられんのじゃ」

王女が不満をいいながらサンドイッチをかじる。

娘「なんだかんだと学校生活楽しんでない? 目的覚えてる?」

第七王女「もちろんじゃ、友。 調べはついておるよな」

娘友「もちろんよ……と、いいたけど噂レベルの情報しかないわね」

エルフ子(少年エルフ)「どんな噂」

娘友「そりゃもう……、七不思議ってやつよ」

エルフ子「え゛っ」
74 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/04/29(土) 21:39:41.22 ID:f8FMA2Nl0
娘友「ひとつ……、音楽室の目が光る肖像画!」

第七王女「音楽室があるのか?」

委員長「音楽魔法や詠唱の発声練習用に一応、あまり使われてませんが」

エルフ子「……(コワイ)」フルフル

娘友「ふたつ……ひとりでになる人食いピアノ」

娘「それミミックじゃないの?」

エルフ子「……(音楽室コワイ)」フルフル

娘友「みっつ……走る初代校長像」

第七王女「ゴーレムじゃないの?」

エルフ子「……(コワイ)」フルフル

娘友「よっつ……うごめくホルマリン標本」

委員長「魔力標本が遊離魔力で動くのは実際ありますよ」

エルフ子「……(標本コワイ)」フルフル
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