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【艦これ】伊58「黒く塗り潰せ」
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258 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/08/16(水) 22:10:09.83 ID:QhBsopZF0
「大丈夫よ」
伊58の耳元で諭すように如月が呟く。
「誰も貴方を傷付けない」
「絶対に、約束するわ」
「ここの秘書艦である私、如月と」
「そこで歌っている、私の司令官が」
「貴方を絶対傷付けないって、約束する」
「嘘吐いたら針千本だって飲んであげる」
「だから、信じて」
背中に回された如月の手の平の熱を感じながら
伊58はゆっくりと心を落ち着かせていった。
へばり付いた疑念が、如月の手の平から感じる熱によって
蟻に解体される虫が徐々に千切られ無くなっていくかのように消えていく。
そして誰も声を発しない、静寂が食堂に訪れた。
伊58の力が抜けていく事を自分の腕の中で感じた如月は、伊58の背中をぽんぽんと手の平で軽く叩いた。
かつて自分がそうされたように。かつて自分がそう慰められたように。
腕を下ろし、伊58の身体から離れ、如月は振り返る。大切な思い出をくれた男と向き合う為に。
その男、提督はステージから降りて彼女達の方に近付いてきていた。
「ごめんなさい、司令官」
「いや、俺はいいんだけど」
「大丈夫、なのか?伊58?」
如月の後ろで座り込んでいる伊58を、身体を傾け覗き込みながら尋ねると
伊58は首を縦に振り、うん、と小さく答えた。
「びっくりさせちゃって、ごめんなさい」
「いや、しょうがねーよ。気にしないで」
伊58に代わって謝罪をする如月に対し、提督はへらへらと手を振りながらステージに戻っていった。
「………うし」
「じゃ、再開しよ。2番の最初からー」
「はーい」
比叡がギターを持ち直し、改めて演奏を始める。
それに合わせて、霧島がドラムを叩き始める。
先程までの静寂を吹き飛ばすかのような、楽しげなリズムが再び食堂から湧き上がった。
259 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/08/16(水) 22:12:19.13 ID:QhBsopZF0
『聞こえる。けたたましい嵐の音が』
『感じ取る。最後の時が訪れる』
『恐ろしい』
『河川が溢れ返っている』
歌いながら、提督は伊58の方をちらりと見た。
彼女は那珂に支えられ、椅子に座りなおしていた。
そしてその傍にいる如月がこちらに手を振ったのも見えた。
『聞こえる』
彼女の手の平にあった黄色い光の残照が宙に漂い
『怒号と破滅の怨嗟の声が』
安っぽいが煌びやかな飾り付けの光と混ざって消えた。
260 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/08/16(水) 22:13:03.48 ID:QhBsopZF0
『今夜は外に出てはいけません』
『でないと君は殺される』
『狂気の月が昇っている』
261 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/08/16(水) 22:16:57.42 ID:QhBsopZF0
先程の静寂を消し去りたいかのように、食堂に音が溢れ返る。
一部の艦娘は手に持ったタンバリンを叩き
他の艦娘はリズムに合わせ手拍子を叩く。
その歌詞とは裏腹に、誰もが笑顔でその瞬間を楽しんでいた。
彼がこの歌を歌う意図を気付かない振りをして。
『身辺整理はできているだろうな?』
母国語を捨て、英語の歌を歌う意図。
『いい加減受け入れて死ね』
オカルト的で、破滅的な歌詞の歌を歌う意図。
『最悪な天気のど真ん中にいるように感じるのは』
クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル、略称CCR
1960年代後半のアメリカ合衆国でデビューしたサザンロックの先駆けとなったバンド。
Bad Moon Rising
アメリカ音楽産業で最も権威のある音楽チャート、ビルボードのシングルチャートで全米二位を獲得したCCRの楽曲。
第二次世界大戦後の新たな狂気、ベトナム戦争を背景に人気を伸ばしたこの曲を彼は今歌っている。
大日本帝国軍を打ち倒したアメリカ軍が敗北したと言われている、ベトナム戦争をイメージさせるこの曲を。
その意図を、彼女達の一部は気付かず、一部は気付かない振りをして、今この瞬間を楽しんでいた。
その閃きは今この場では無粋であると感じたから。
彼の意図が何であれ、提督は今この瞬間を楽しみ、、隣の友人達が今この瞬間を楽しみ、自分も今この瞬間を楽しんでいるのだから。
『何もかも自業自得だって事だ』
262 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/08/16(水) 22:18:03.32 ID:QhBsopZF0
『今夜は外に出てはいけません』
『でないと君は殺される』
『狂気の月が昇っている』
『今夜は外に出てはいけません』
『でないと君は殺される』
『狂気の月が昇っている』
263 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/08/16(水) 22:19:37.59 ID:QhBsopZF0
曲の終わりに霧島が思いっきり叩いたシンバルの音が、その場の空気を暫くの間揺らし続けた。
264 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/08/16(水) 22:26:12.62 ID:QhBsopZF0
☆今回はここまでです☆
今回はURL貼りません。
CCRはデビュー当初、醜い面相の男達というバンド名だったらしいですが、レコード会社は彼等に何を思ってそう名付けたのでしょうか。
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 23:28:58.23 ID:wW71kcUpo
おつ
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/17(木) 09:17:20.77 ID:DxU0qel3o
水の代わりに毎日のようにコーラを飲まされたらそりゃトラウマになるよな…
267 :
◆ZFgfLAc.nk
[sage]:2017/09/03(日) 20:53:12.89 ID:1smkBa3c0
>>1
です。イベントやったりで投下はできませんが生存報告を…
今E-6やっております。
268 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/18(月) 20:29:25.51 ID:4Yj+itrc0
>>1
です。お久しぶりです。
イベントお疲れ様でした。私は何とか完走する事ができました。
途中でデレステにイベント限定まゆが来ましたが、そちらも何とか取れました。
それでは投下を始めさせて頂きます。
269 :
◆ZFgfLAc.nk
[sage]:2017/09/18(月) 20:33:32.65 ID:4Yj+itrc0
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
・
270 :
◆ZFgfLAc.nk
[sage]:2017/09/18(月) 20:37:03.27 ID:4Yj+itrc0
『轟!』
『沈!』
271 :
◆ZFgfLAc.nk
[sage]:2017/09/18(月) 20:37:47.64 ID:4Yj+itrc0
『轟!』
『沈!』
272 :
◆ZFgfLAc.nk
[sage]:2017/09/18(月) 20:38:36.54 ID:4Yj+itrc0
『テレ!』
『ビで!』
『轟!』
『沈!』
273 :
◆ZFgfLAc.nk
[sage]:2017/09/18(月) 20:45:11.11 ID:4Yj+itrc0
『轟!』
『沈!』
パラオの町の一角が熱狂の渦に包まれている。
『轟!』
『沈!』
リズムに合わせ、右手を掲げる。
その様子を、まるで民衆を導く自由の女神、絵画の1シーンのように感じる者もいた。
市民達がリズムに合わせて、手に持ったプラカードを掲げる。
彼らの中心で、『艦特会』と書かれた横断幕を両手で掴んだ市民達がリズムに合わせて横断幕を掲げる。
艦特会、正式名称『艦豚特権を撲滅する地球市民の会』。
大規模な艦娘反対団体である『盾』、別名『SEALD』傘下の組織である。
彼ら艦娘反対団体はここ数ヶ月の間に急激に人数を増やし、大本営がある日本本土や泊地が設立された各国で日々デモを行っている。
274 :
◆ZFgfLAc.nk
[sage]:2017/09/18(月) 20:53:05.33 ID:4Yj+itrc0
『テレ!』
『ビで!』
『轟!』
『沈!』
彼らを蜂起させたのは、ある一つのドキュメンタリー番組だった。
とある鎮守府への密着取材を行い、艦娘の実態を国民に伝えるという意図を持って放送された番組だ。
一種のプロモーション。一種のプロパガンダ。そういうものであると誰もが考えていた。
だがその番組で放送されたものは、多くの人々の予想を反するものだった。
艦娘の轟沈、慢心、傲慢、虚栄、エゴイズム。
艦娘の負の側面を凝縮し映像化したそれは全世界にばら撒かれ、大いに騒がせた。
一般市民にとっても、艦娘を指揮する特務提督にとっても、大本営にとっても、それは尋常ではない影響を与えた。
艦娘・大本営という組織に失望し、特務提督の職を辞職する者も出た。
艦娘・大本営への不信感を募らせる者も出た。
元々彼女らに不満を抱いていた者は今こそが好機と動き出した。
そしてその映像を見た一部の市民は彼ら独自の真理を悟った。
275 :
◆ZFgfLAc.nk
[sage]:2017/09/18(月) 20:55:16.21 ID:4Yj+itrc0
艦娘が、艦娘こそが、この世界の癌なのだと。
艦娘達は政府と結託し、自分達の正体を隠しながら横暴を繰り返しているのだと。
276 :
◆ZFgfLAc.nk
[sage]:2017/09/18(月) 20:56:37.98 ID:4Yj+itrc0
この世界に突然現れた深海棲艦、そして艦娘。
彼女達は一体何故現れたのか、その正体は何なのか。
日々研究が続けられているが、それらは未だ判明していない。
だが絶対正義の賢者の慧眼を得た彼等は、ネットで真実を突き止めたのだ。
277 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/18(月) 21:02:06.73 ID:4Yj+itrc0
艦娘の正体は、731部隊が遺したデータを元に作られた生物兵器だ。
278 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/18(月) 21:08:08.67 ID:4Yj+itrc0
731部隊。第二次世界大戦期の大日本帝国軍に存在した研究機関の一つ。
戦争の最中捕らえた捕虜を使って生物兵器の研究・開発を行っていたマッドサイエンティスト集団だ。
第二次世界大戦末期、追い詰められた大日本帝国は731部隊に命令を下した。
軍艦の魂と力を持った人型サイズの生物兵器を開発せよ、と。
大日本帝国の優れた技術を結集して作られた戦艦大和の力を持った生物兵器を開発せよ、と。
かつて最強と謳われた南雲機動部隊の力を持った生物兵器を開発せよ、と。
その力を以って鬼畜米英を叩きのめし、世界征服の野望を叶えるのだ、と。
一見馬鹿馬鹿しくも思える命令だが、元々大日本帝国軍は神霊・心霊現象を利用した侵略を得意としていたのだ。
大日本帝国傘下の朝鮮総督府が風水を利用し、庁舎等の建物を使って大地に大日本と刻み込む事で
朝鮮民族の民族精気を抹殺し、今も尚苦しめている事はあまりにも有名な話である。
731部隊も其の例外では無い事は想像に難くない。
279 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/18(月) 21:12:46.96 ID:4Yj+itrc0
731部隊は直に研究と開発を開始した。
大韓民国の市民を慰安婦と言う建前で強制連行し、人体実験を行ったのだ。
20万人以上の女性が大日本帝国軍に因って拉致され、日々の虐待や実験の中で死んで逝った。
だが、731部隊は結果を出す事の無いまま、戦争は終焉を迎える。
20万人以上の無辜の犠牲の上で出来上がったおぞましき生物兵器のデータだけを残し、731部隊も歴史の闇に消え去った。
しかし彼等は、大日本帝国軍の残党は死に絶えては居なかったのだ。
50年以上の時を経て、大日本帝国軍の残党は再び動き出した。
大日本帝国による世界征服を実現するために、731部隊が遺したデータを手に、彼等は動き出した。
彼等は地震の混乱に乗じて原子力発電所を攻撃、メルトダウンを引き起こす事で日本中を放射能で覆い尽くした。
その放射能によって人が変異したミュータント、それこそが731部隊が研究していた生物兵器の完成形。
それこそが、艦娘である。
280 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/18(月) 21:23:53.79 ID:4Yj+itrc0
50年以上の時を経て、最悪のマッドサイエンティスト集団が開発した悪魔の兵器が完成してしまった。
その後大日本帝国軍の残党は各地で女性を拉致し、強制的に艦娘に変異させ、
反乱の芽を摘む為に指揮官に恋愛感情を抱くように洗脳手術を行った。
そうして身体も心も完全に支配した後、政治家官僚に性接待の道具として利用した。
そして彼等は内閣・国会を篭絡し、秘密裏に日本を支配した。
日本は、再び大日本帝国という最も恥ずべき者達の手に落ちたのだ。
今や内閣は彼等の息のかかった極右の連中のみで構成された危険な集団に成り代わってしまったのだ。
だが彼等は其処で止まらない。彼等の野望は大日本帝国による世界の支配なのだ。
日本を支配し、横須賀に大本営という巣を作った彼等は、その魔手を世界に伸ばし始めた。
パラオ、ミクロネシア連邦、フィリピン、インドネシア、ブルネイ、パプアニューギニア、ロシア。
彼等は都合の良い理由を並べ、其の地に鎮守府を設置していく事で実質的な軍事支配を行い始めたのだ。
天皇制の下に世界を支配するために。
もしくは共産主義の下に世界を支配する為に。
もしくは全ての富を自分達が独占する為に。
もしくは日本を滅ぼす為に。
もしくは自分達が神となる為に。
もしくは深海棲艦に世界を売り渡す為に。
もしくは彼等のくだらない復讐の為に。
もしくは彼等の破滅欲求の為に。
其の為に彼等はいずれ大韓民国にも侵略し、あのおぞましき虐殺を再び繰り広げるに違いない。
彼等は、1足す1が2になるのと同じくらい当然の事として、それを確信した。
281 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/18(月) 21:25:14.76 ID:4Yj+itrc0
ちなみに深海棲艦が何なのかは艦娘反対団体の中でも意見が分かれる所だったが、彼らにとってそんな些細な事はどうでもよかった。
282 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/18(月) 21:30:02.49 ID:4Yj+itrc0
『轟沈轟沈!お前ら非人!!』
『轟沈轟沈!俺らは善人!!』
『轟沈轟沈!返せよ税金!!』
『轟沈轟沈!こいつは聖戦!!』
『轟沈轟沈!艦豚厳禁!!!』
正義の心の下に、彼らの思いは一つになった。
言葉が意味を無くす程に、彼らの心は一つになった。
艦娘を一刻も早く排除する。その名目の下に彼らの思いは一つになった。
娘、という名前を使うことすらおこがましいほどの害悪である艦娘に対し、彼らは豚という新たな名称を与えた。
そして彼らは武器を手にし、人の形をした艦豚達を、その正当な名称の通り豚の死体のようなモノに変えていく。
休暇中で非武装な時を狙い、集団で襲い掛かり、彼女達を次々と殺害していく。
今もこのパラオの町の片隅には、彼らによって作り上げられた艦娘の惨殺死体が未だ見つからずに転がっているかもしれない。
283 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/18(月) 21:31:38.06 ID:4Yj+itrc0
『沈沈沈沈沈カス女!!』
『沈沈シャブシャブ沈カス女!!』
『死ね!!』
『『死ね!!!』』
『死ね!!』
『『死ね!!!』』
『死ね!!』
『『死ね!!!』』
『死ね!!』
『『死ね!!!』』
彼らは町を歩きながら、正義の経典を読み上げていく。
艦娘達がこの世に害をなす存在である事を知らしめる為に。
声を張り上げ、この世界の中心となったかのように正義を叫ぶ。叫び続ける。
その横の道路を一台の車が通り過ぎていった。
284 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/18(月) 21:33:22.75 ID:4Yj+itrc0
軽快な音楽が車内に響き、外の罵声をいくらか掻き消す。
音楽のリズムに乗せて英語が聞こえる。
響くエンジン音。
外の罵声が遠のき、聞こえなくなっていく。
音楽のリズムを無視して独自のリズムを刻むウィンカー。
ウィンカーが切れる音。
流れる軽快な音楽。
リズムに乗せて発音される英語。
響くエンジン音。
音楽のリズムを無視して独自のリズムを刻むウィンカー。
ウィンカーが切れる音。
「そろそろだよ」
車のハンドルを握っている提督が、前を向いたまま横と後ろに声をかけた。
285 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/18(月) 21:35:25.55 ID:4Yj+itrc0
独特な駆動音と共に、ガラスとゴムが擦れる音が空気を震わせる。
「こんにちはー。俺でーす」
車のガラスの向こうで、門が開く音が響く。
再びエンジンが音を立て、開いた道の先へと車が進んでいく。
「相変わらずここはでっかいなぁ」
遊園地に遊びに来た小学生のような気風で提督が呟いた。
ここは、パラオ特別鎮守府。
泊地が設立されるパラオにおいての特別中の特別。
その地に、提督達は十年ものの中古車で、コンビニに行くかのような気軽さで入り込んだ。
286 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/18(月) 21:38:39.17 ID:4Yj+itrc0
「はい。到着ー」
鎮守府の敷地内に描かれた白線と白線の間で、車の動きと音楽が止まった。
古ぼけた車から、少女達が扉を開けて姿を現す。
白いワンピースを着た少女が二人。一人は麦わら帽子を被っている。
青いTシャツの少女が一人。真新しいものを見るかのように周囲を見回している。
車から出た提督が、反対側、助手席側に回り込み扉を開け、支えにならんと手を伸ばした。
助手席に座っていたのは、もう一人の青いTシャツの少女。
その両手と両脚は、機械で作られた義肢だ。
義肢の少女、伊58は提督の手の平に機械の手の平を乗せ、ゆっくりと動き始めた。
扉の縁を踏み、アスファルトに機械の足を付ける。
この瞬間、彼女のすぐ目の前を遮るかのように伸ばされた提督の左腕は無意味なものと化した。
「ここが、パラオ特別鎮守府」
目の前の建物を見上げながら伊58が呟いた。
287 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/18(月) 21:43:59.87 ID:4Yj+itrc0
ボロボロの泊地とは違う、立派な建物だ。
この建物、否、この敷地を管轄している提督の能力を表現しているかのように立派に聳え立っている。
特別鎮守府とは、大本営から特別に許可され設立される鎮守府である。
と言うのも、大本営の方針でパラオに鎮守府を設立しない決まりがあるからだ。
深海棲艦防衛本部であり、それらの最終目標である日本は泊地よりも大きい鎮守府が設立されている。
本部相応の軍事力を持つ日本本土に比べ、外国に設立される艦娘基地の軍事力は乏しい。
日々の研究によって、深海棲艦にとって諸外国の艦娘基地侵略というのはあくまで日本に攻め込む為の足がかりに過ぎないのだと判断された。
故に、日本から離れたパラオでは鎮守府は設立されず、小規模な泊地や基地が設立されている。
武力も、人員も、過剰に与える必要は無いからだ。それが、大本営の判断だった。
だがしかし、その例外が、ここパラオ特別鎮守府だ。
過剰に思える軍事力を与えるだけの価値があると判断された唯一の例外が、ここパラオ特別鎮守府なのだ。
『パラオの英雄』。このパラオ特別鎮守府を管轄する特務提督の異名だ。
大本営上層部でその名前を知らない者は居ない。
悪名高きアイアンボトムサウンド、AL/MI作戦後期における深海棲艦の本土強襲エトセトラ。
彼はその魔の海域を『味方に一切の犠牲を出さずに』突破し、敵側の策を読み本土防衛に成功した。
戦略眼・艦隊運用能力・用兵能力に秀で、あらゆる特務提督の中でも五本の指に入るほどの実力者、文字通りの英雄。
英雄がその力を存分に振るう為に特別に許可された鎮守府。
それが、パラオ特別鎮守府である。
この鎮守府は彼の功績を讃える凱旋門であると同時に、パラオを襲う万が一の可能性すらも防ぐ最強の防衛基地なのである。
その輝かしき土地に、提督達は私服で、中古車に乗ってやって来たのである。
288 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/18(月) 21:56:37.30 ID:4Yj+itrc0
『変身一発』と書かれたふざけたTシャツを着た提督は鼻歌を歌いながら扉を開けた。
建物一階、ロビーはまるで高級ホテルのように床が磨かれ、華やかさと落ち着きを高レベルで両立させている空間になっていた。
「はっちゃーんさーん」
ソファに座って本を読んでいた女性を視界に納め、手を振って呼びかける。
「はっちゃんさーん!グゥーーーーテンモルゲンッ!」
「提督さん」
「それ、気が抜けるから止めてって言ったよね」
僅かに眉間に皺を寄せた女性が本を閉じ、ソファから立ち上がる。
その様子は寝起きでもないし超スッキリもしていない。
可笑しな訛りを持った七人の愉快な小人達もいない。
狡賢い継母はいないし謀略も何も無いし幾度も死にかけた経験も無い。
だが金色の髪と碧眼、そして眼鏡で飾られた女性の顔は、まだ少女と呼んでも違和感が無いほどに幼く、また美しく整えられてもいた。
彼女の名前は伊8。巡潜三型二番艦潜水艦娘伊8。
彼女もまた、艦娘である。
289 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/18(月) 22:03:07.05 ID:4Yj+itrc0
☆今回はここまでです☆
祝 CSMカイザギア予約開始
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/18(月) 22:37:45.60 ID:SVtAKr2co
おつきゅん
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 10:21:55.31 ID:seJI69HIo
おつ、何だが何か行き成り内容がアレっぽくなったんだが大丈夫か?
最初はのっとりされたのと思ったゾww
292 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/26(火) 21:12:14.62 ID:jCTtTKp70
正真正銘純度100%の
>>1
です。フュージョンライズ要素はありません。
諸事情により(いつもに比べて)早めにできたので今から投下を始めさせて頂きます。
293 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/26(火) 21:16:22.93 ID:jCTtTKp70
提督「でもよっちゃんはよっちゃん様って言わないと怒るから、はっちゃんははっちゃんさんって言った方が失礼じゃないんじゃないっすか」
U-511「よっちゃん…?」
伊401「するめじゃなくて酢漬けなの?」
伊8「世直●マンか」
伊401「世直●マン」
提督「ラッキ●マンの敵キャラ」
伊8「あれ、後で味方になるよ」
提督「え、マジすか。あの時代のジ●ンプ敵が味方になる展開多すぎやしませんかね」
伊8「雷電」
提督「敵のハリアーだ」
伊8「それは違う。色々と違う」
294 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/26(火) 21:21:22.49 ID:jCTtTKp70
伊58「…あの」
伊8「あ」
伊8「はじめまして。私は伊8。はちだよ」
伊58「はち………」
伊8「と言っても」
伊8「前に伊8型に会った事あるのかな?」
伊58「…うん」
伊8「じゃあ」
伊8「面倒な事は抜きにしましょう」
提督「面倒ってあーた」
伊8「それより早く行きましょう。友提督も待ってるし」
提督「ん…まぁそうっすね」
295 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/26(火) 21:29:06.06 ID:jCTtTKp70
如月「8さん。あの…頼んでいたものって届いてますか?」
伊8「うん。千歳さんが用意してくれたよ」
如月「ありがとうございます」
伊8「千歳さんから聞いたけど、凄いね如月ちゃんは。もうあんな本読むんだ」
如月「勉強しなくちゃいけませんから。色々と」
睦月「如月ちゃん!!」
如月「!!」
提督「あぁ、こんにちは睦月さん」
睦月「こんにちは如月ちゃん!!」
如月「こんにちは。睦月ちゃん」ニコッ
提督「………こんにちはー睦月さーん」
睦月「提督さんもこんにちは!」
如月「………」
睦月「如月ちゃんから頼まれてた本、用意してあるよ!!」
睦月「これと、これと…」
曙「これとこれも追加」
曙「睦月、アンタ先走りしすぎ」
296 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/26(火) 21:32:24.22 ID:jCTtTKp70
如月「!こんにちは、曙ちゃん」
曙「久しぶりね。如月」
曙「潮から聞いたわよ。あんた秘書艦になれたんですってね」
如月「えぇ。お陰さまで」
曙「第…四、秘書艦だっけ?那珂型と羽黒型と赤城型の次だから」
如月「そうね。第四秘書艦」
曙「第四か…まぁた結構数がいるわね。普通そんなに秘書艦置かないわよ」(うちの倍よ倍)
提督「補佐も入れればもっといるよ」
曙「へぇ…まぁとにかく、おめでとう。如月」
如月「ありがとう、曙ちゃん」
睦月「何か難しそうな本だけど、これって秘書艦業務と関係あるにゃしか?」
如月「あぁいえ。これは私個人でお願いしていたもの。秘書艦業務とは関係ないわ」
曙「個人的に…教科書と参考書と、赤本をねぇ…」
如月「艦娘だからってお勉強を疎かにはできないもの」
曙「それもそうだけど、それにしてもレベル高すぎじゃない?」
曙「これ、高校とか大学とか書いてあるんだけど」
睦月「如月ちゃん頭いいんだね!」
如月「…そんな事は無いわよ。ちょっと先が気になってるだけ」
曙「………」
如月「………」
297 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/26(火) 21:35:15.92 ID:jCTtTKp70
曙「如月」
如月「?」
曙「あまり無理な事はするもんじゃないわよ」
曙「………と言って」
曙「止まるもんでもないとは思うけど」
睦月「?」
如月「やっぱりわかっちゃう?」
曙「ここ数ヶ月間、毎週のように話してればね」
曙「…ほんとアンタは、何と言うか」ヘッ
如月「誰かに影響されちゃったのよ。ねぇ、曙ちゃん?」
曙「どっちかっていうとそっちのアホのせいでしょ」
提督(アホでーす)ヒラヒラ
曙(本当にアホじゃないかコイツ)
提督(酷いぜ曙太郎)
曙(お前後で殺す)
如月「どっちもよ」
298 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/26(火) 21:39:26.79 ID:jCTtTKp70
如月「曙ちゃんも司令官も」
如月「私のお尻を叩いてくれなかったら今の私はいなかったわ」
曙「私はノーマルよ」
如月「っ曙ちゃんがそうって意味じゃなくて」
曙「え?」
299 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/26(火) 21:43:31.48 ID:jCTtTKp70
曙「叩かれてはいるの?」
U-511「如月、お尻叩かれてるの?」
如月「………」
伊8「………え?何で顔赤くするの?」
曙「」
曙「おい」
提督「赦しは請わぬ」
曙「何やってんのアンタ駆逐艦娘にお前」
提督「赦しは請わぬ」
曙「赦しは請わぬじゃねぇよおい、クソアホ提督おいコラ」
提督「赦しは請わぬ」
300 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/26(火) 21:47:00.73 ID:jCTtTKp70
漣「はいはい。真昼間からド下な話はやめちくりー」
曙「休日の真昼間からホモビデオの音声抜き出してた奴が何を言ってるんだか」
漣「赦しは請わぬ」
曙「てめぇ」
漣「こんにちは、提督様。うちのボーノがとんだご迷惑をおかけしやがっておりますです」ペコリ
提督「こんにちは、漣さん」
提督「ボノロンは森の戦士だからこのくらい血気盛んでいいんじゃないっすかね」
曙「誰がデビルリバ●スか」
漣「デビルリバ…あぁ、だから相方が犬なんだあれ」
提督「そう。彼はジャ●カルの生まれ変わりなんだロン」
漣「やはりボノロンは北斗●拳」
曙「原●夫に怒られろお前ら」
301 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/26(火) 21:58:02.47 ID:jCTtTKp70
伊58(な、何これ)
伊401(提督、ここだといつもこんな感じだよ)
伊58(え、えぇ…いつも?)
伊401(うん)
伊58(えぇぇええ…あの…)
『だったら、死にたいなんていうんじゃねぇよ。諦めるんじゃねぇよ』
『何を犠牲にしてでも、どんな手段を使ってでも生き延びるんだ』
伊58(あの提督が…)
漣「という事はあのデカイ木の中には」
提督「ラオ●の死体が埋まっている」
漣「立派な漢立ちの結果ですか。拳は枝葉となって天高く掲げられたのですか」
曙「アンタら子供向け絵本の世界を核の炎で包んで楽しい?」
提督「カクノ ホノオデ タノシイナ」
漣「おうしあわせエンドやめろや」
伊58(これなんでちか?)
伊58(えぇえええ…えぇえええええええーーーー………)
302 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/26(火) 22:08:20.74 ID:jCTtTKp70
提督「で」
提督「何か凄いわちゃわちゃしてきたけど、漣さんはどんな用でここに?」
漣「あぁそうですね。外野が付いて来ないから本題に入りましょう」
伊8(…あれに付いて来いと?)
伊401(話に入らせる気無かったよね?)
漣「ご主人様がお部屋でお待ちです…が」
漣「図書室までお見送りしてから来ますよね?多分」
提督「うん」
漣「それじゃあ、お荷物はお預かりします」
提督「え、いやいいよこれくらい。自分で持ってるから」
漣「いえいえ。提督様はご主人様の無二の親友」
漣「そんな大事なお客様のお手を煩わせるわけには参りません」
漣「つーかさっさと準備してさっさと始めたいんです。だから早く荷物よこせよこのロリコン」
提督「ロリコン!?」
如月「漣ちゃん。流石に今の言葉は聞き逃せないわ」
漣「オゥ林田」
如月「司令官は赤城さんとかにも手を出しているからロリコンじゃなくてただの節操無しだわ」
漣「それもっとダメじゃね?」
提督「否定はしねぇ」
曙「建前だけでもツッこめよ」
提督「まぁそういう事ならお願いしますよ。漣さん」(このキャリーバッグに入れてありますんで)
漣「はい確かに。それじゃあボーノ、提督様の案内ヨロシクゥ!」
曙「はいはい」ゲシッ
提督「膝裏キックナンデ!?」
伊401(多分無視したからだと思うんだけど)
漣「あとムッキーはヒトヒトサンマルから遠征任務だよね?見送った後食堂でご飯食べて準備してね」
睦月「りょ、了解にゃし」
漣「じゃ、こっちは準備進めておくんで早めに来てくださいねー」ゴロゴロ
303 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/26(火) 22:15:39.15 ID:jCTtTKp70
伊58「………」
提督「なんて様だ。まるで嵐が過ぎ去ったかのようだ」
曙「誰が原因だと思ってるのよ」
提督「わし(53)」
曙「クソが」
伊401(曙ちゃんも原因なんだよなぁ)
如月(曙ちゃんも原因なのよねぇ…)
伊8(曙も原因だと思うんだよなぁ…)
伊8「じゃあ、ちゃちゃっと行きましょう。ゴーヤ、大丈夫?」
伊58「………」
伊8「…ゴーヤ?」
U-511「でっち」
伊58「!!」ビクッ
U-511「呼ばれてる」
伊58「あ…あぁ、うん!何の話でちか!?」
伊8「…まだ歩くけど、艤足は大丈夫?辛くない?」
伊58「大丈夫でち」
提督「辛くなったらすぐ言ってくれよ」
伊58「大丈夫だってぇ。それより早く行こう?」
304 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/09/26(火) 22:31:04.66 ID:jCTtTKp70
☆今回はここまでです☆
305 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 21:48:32.11 ID:blNRNUc70
>>1
です。
投下を始めさせて頂きます。
306 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 21:49:58.20 ID:blNRNUc70
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
・
307 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 21:56:07.87 ID:blNRNUc70
睦月「あ」
睦月「ここここ」チョイチョイ
提督「おう」
伊58「…ここが」
伊58「ここがハチの図書室なんだ」
U-511「ここがはっちゃんの居場所?溜まり場?」
伊401「凄いね。なんか学校みたい」
如月「あぁそれわかるわ。中も本当にそんな感じよ」
伊401「そうなんだ!んー、なんか懐かしい気持ちになってきた」
伊8「私の趣味で作ってもらったようなもんだから置いてる本の内容偏ってるかもしれないけどね」
伊401「漫画ある?」
伊8「あるよ」
伊401「なら大丈夫」
308 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 22:04:44.73 ID:blNRNUc70
提督「じゃあ俺は友提督んとこ行くから。何かあったら携帯に電話ちょうだいね」
伊401「はーい」
提督「睦月さんも、遠征任務気を付けてね」
睦月「…早く着いたし、ちょっとぐらいここにいてもいいんじゃ」
提督「だーめ。仕事でしょ?スケジュールに余裕を持った行動をしなさい」
睦月「いいじゃん!久しぶりに如月ちゃんに会えたんだし、ちょっとぐらい!」
曙「………」
提督「それで遅れたら他の人に迷惑かかっちゃうよ?」
睦月「でも、時間に余裕はあるし」
提督「つったって飯食ってってやってたらあっという間だよ」
睦月「ご飯なんてパパっと食べれば大丈夫にゃし!」
提督「すぐ身体動かす事になるんだからゆっくり食べなきゃ、後で辛いよ?」
提督「遠征任務でも、体調は万全にしておかないと何があるかわからないんだし…」
睦月「でもぉ…」
如月「………」
如月「司令官」チョイチョイ
提督「ん」
309 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 22:05:33.86 ID:blNRNUc70
如月「ん」チュッ
310 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 22:07:05.99 ID:blNRNUc70
睦月「!?」
伊401「!?」
伊58「!?」
U-511「!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
曙(やりおった)
伊8(やりおる)
311 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 22:14:05.12 ID:blNRNUc70
提督「お前」
如月「そろそろ行かないと、友提督さんが待ちくたびれちゃうわ」
提督「え」
如月「早く行ってあげて」
提督「あ、あぁうん。そうだな」
如月「私は今のでしばらくは我慢するから」
如月「また後で…」
「もぉっと、深いの、お・ね・が・い・ね♪」ペロ
伊401「深っ…」
提督「」
曙(やはりロリコン)
312 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 22:17:10.83 ID:blNRNUc70
伊401「ふか…ふか…ふか…まる…」
U-511「がばいと……がぶりあす……」
伊58「おう二人とも気をしっかり保つでち」
伊401「ま、まうす…まうす…」
伊401「まうす、とぅ…まうす……まうす……みっ」
伊8(いかん!!)ハッ
伊58(これ以上はしおいを再起不能にしてでも!!!)
313 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 22:21:20.71 ID:blNRNUc70
伊401「………つ●まんぐろーぶ」
伊58「っしゃぁ!よく耐えたぁ!!ミッツ●マングローブ!!ミッツ●マングローブなら大丈夫!!!」グッ
伊8「ブルーライトヨコスカ大本営ー」フリフリ
曙「これがこの世の終わりの光景か」
314 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 22:28:21.29 ID:blNRNUc70
如月「睦月ちゃんも」
睦月「え」
如月「司令官さんと友提督さんを困らせちゃ駄目よ」
如月「睦月ちゃん、今度の遠征任務の後の予定は?」
睦月「え、ないけど」
如月「よかった」ニコッ
如月「私達今日はずっとこっちにいるから、また後でゆっくり時間作ってお話しましょう?ね?」
睦月「う、うん。そうだね」
提督「ん、うん」
提督「ユー、しおい、ゴーヤ。それじゃあ何かわからない事があったらハチさんに聞けよ」
伊401「え」
伊58「あ」
U-511「うん」
伊8「任されました」
提督「じゃ、俺は友提督のとこ行くから。気をつけてな」
伊401「はーい」
如月「司令官」
提督「どしたの今度は」
如月 ( ´∀`)b
提督 ( 0*0)?
提督 ( 0*0)b
睦月「………」
伊401「………」
U-511(…何だろう。この気持ち)
315 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 22:32:30.62 ID:blNRNUc70
>>314
ミスしました。修正します。
如月「睦月ちゃんも」
睦月「え」
如月「司令官と友提督さんを困らせちゃ駄目よ」
如月「遠征任務の後って今日の予定はあるの?」
睦月「え、ないけど」
如月「よかった」ニコッ
如月「私達今日はずっとこっちにいるから、また後でゆっくり時間作ってお話しましょう?ね?」
睦月「う、うん。そうだね」
提督「ん、うん」
提督「ユー、しおい、ゴーヤ。それじゃあ何かわからない事があったらハチさんに聞けよ」
伊401「え」
伊58「あ」
U-511「うん」
伊8「任されました」
提督「じゃ、俺は友提督のとこ行くから。気をつけてな」
伊401「はーい」
如月「司令官」
提督「どしたの今度は」
如月 ( ´∀`)b
提督 ( 0*0)?
提督 ( 0*0)b
睦月「………」
伊401「………」
U-511(…何だろう。この気持ち)
316 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 22:35:54.71 ID:blNRNUc70
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
・
317 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 22:44:02.46 ID:blNRNUc70
睦月「提督さんはいいよね」
提督「何が?」
睦月「何が、って…」
提督「如月と一緒にいる事が?」
睦月「提督さんはずっと如月ちゃんと一緒にいられるからさ」
睦月「睦月は、こうやって来てくれた時とか遊びに行く時にしか会えないのに」
提督「もっと遊びに来てもいいんだよ?俺はいつでも歓迎するけど」
睦月「任務が忙しくて、そういうわけにもいかないじゃん」
睦月「だからさ。提督さんが羨ましい」
提督「…羨ましいかあ」
提督「…じゃあさ」
提督「睦月さんはどうしたらいいと思う?」ニコッ
睦月「…何を」
提督「俺さ」
提督「如月が俺の所にいる事が、本当に正しい事なのかがわからないんだ」
曙「………」ピク
提督「睦月さんは、如月と一緒にいたいんだろう?」
提督「…だったら、如月はこの鎮守府に異動した方がいいんじゃないかって考えてる」
提督「俺は未だ特務中佐の特務提督、泊地もボロボロだ」
提督「でも、友提督は『パラオの英雄』なんて呼ばれて、こんな立派な鎮守府も持っている」
提督「アイツなら、如月を俺以上に上手く戦術に組み込んで、如月を活躍させてあげられるかもしれない」
318 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 22:46:18.74 ID:blNRNUc70
提督「そうしたら、もしかしたら如月は」
曙「 黙 れ 」
提督「!?」
曙「睦月も、あまりわがままを言わないの」
睦月「でも」
曙「でもじゃない!」
睦月「………」
曙「…睦月。私は、ちょっとコイツと話があるから。先行ってて」グッ
睦月「…うん。わかった」
319 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 22:47:48.39 ID:blNRNUc70
曙「何であんな事を言ったの」
曙「本気で異動した方がいいと思った?それとも義姉へのリップサービス?」
提督「俺は本気だった」
曙「でしょうね」
提督「こっちの鎮守府で活躍すれば注目だって集まる」
提督「そしたら如月の世間の評価だって変わるかもしれないって考えたんだ」
提督「『パラオの英雄』が指揮する艦隊の一人だ。誰も悪くは言えない!」
提督「だから」
曙「アホか」
提督「アホって…」
曙「何でアンタ達二人とも、自分の事ばかりで」
曙「如月の事を考えないの?」
320 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 22:51:28.39 ID:blNRNUc70
提督「考えてるさ!」
提督「さっきの事もそうだし、こっちには睦月さんも曙さんもいる!」
曙「そういう事を言ってるんじゃない」
曙「気付いてないって事は無いでしょう?」
曙「如月は、アンタの事が好きだって」
提督「………」
提督(また、それか…)
曙「睦月が来ればそりゃ話はする」
曙「他の人から話題振られれば受け答えだってするでしょ」
曙「遊びに誘われれば一緒に遊んだりもするでしょ」
曙「それが人と人のコミュニケーションってもんなんだから。そんなもん私でもわかるわよ」
「でもね。あの子は」
「できる事ならずっと、アンタといたいと思っている」
「私だってそうだって気付けたのに、アンタが気付いてないわけないでしょ?」
321 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 22:53:57.60 ID:blNRNUc70
提督「………」
曙「私だって…」
曙「……………」
曙「ごめん。さっきの言葉、撤回するわ」
曙「私も」
曙「私の事しか考えていない」
提督「え?」
曙「私はね」
曙「打算で、如月に近付いたのよ」
322 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 22:57:13.07 ID:blNRNUc70
「この鎮守府に配属されて、色々あって」
「如月の、あの事を知った時」
「胸が痛くなった」
「悲しくなった」
「嫌な思い出が沢山出てきた」
「私のじゃない」
「………駆逐艦曙の記憶が、頭の中から湧き出てきた」
323 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 23:03:09.23 ID:blNRNUc70
「スラバヤ沖海戦」
「…珊瑚海海戦」
「駆逐艦曙は、ずぅっと悪口ばかり言われてきた」
「敵前逃亡だの」
「作戦が失敗したのは全部曙が悪いだの」
「弾薬消耗数報告書に曙だけ記載しないだの」
「空母翔鶴が沈んだのだって!」
「全部何もかも駆逐艦曙が悪いって!!」
「…そう、言われ続けた」
「死に物狂いで戦って、それでも、何にもならなかった思いが」
「その時の思いが、記憶が、恨みが、私の頭の中でずぅっとぐるぐる渦巻いている」
「如月の事を知った時」
「あの、どうしようもない」
「怒りと」
「やるせなさと」
「もう色々が」
「ぐちゃぐちゃになって湧き出てきた」
「あの子は、あの時の駆逐艦曙と同じ」
「悪意を一身に受けて、何もできないで泣くしかできない」
「何を言われても、何も言い返せない。その権利すらない」
324 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 23:04:40.01 ID:blNRNUc70
「例え何て言ったって」
「何をしたって」
「誰も考えを変えようともしない」
「誰も見向きもしない」
「誰も評価をしてくれない!」
「労ってもくれない!!」
「泣いたって!」
「怒ったって!」
「焦ったって!」
「悔しがったって!」
「何したって!!もうどうにもならない!!!」
「…何も変わらないのよ。艦娘如月も、駆逐艦曙も」
325 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 23:07:16.82 ID:blNRNUc70
「如月を見ていると、その記憶が嫌でも湧いてくる」
「私はその、嫌な思いを消したいから」
「如月を支えて、もしあの子を笑顔にできたら」
「その嫌な思いを過去のものとして、忘れられると思って、如月に近付いた」
「何も言わずに、メアド書いた紙を渡して」
「『何かあったら相談に乗る』ってだけ伝えて」
「…あの子は律儀にメールしてきたわよ」
「色々な事をメールしてきてくれた」
「私も必死になってメールを返したわよ」
「あの子を笑顔にするのは私の役目だって、勝手にそう思ってたから」
「相談もされたし、それ以外の色々な話もしたわ」
「漫画の話とか趣味の話とか流行のアクセサリーの話とか」
「これからの事、戦争が終わったら何をするかとか」
326 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 23:10:29.67 ID:blNRNUc70
曙「そうやっている内に少しずつ考えるようになった」
曙「私は、余計な事をしたんじゃないかって」
曙「私なんて、いらなかったんじゃないかって」
提督「そんな事は無いと思うよ!」
提督「如月とメールやり取りしてるってのは聞いてたし、メール打ってるのを見た事もある」
提督「義務だのでやってる感じでもなかった」
提督「楽しそうだなって、横から見てて思ったよ?」
曙「でもね!!!」
曙「私と如月の間にいつもアンタがいた!!!」
曙「アンタが読んでるから、アンタが好きそうだから、アンタと一緒にいたいから」
曙「いつもアンタが、私達の話の中にいた」
327 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 23:12:50.93 ID:blNRNUc70
提督「………」
曙「如月にとっての、アンタの存在ってのがとんでもなく大きいって事、わかるでしょう?」
曙「あの子は、アンタの事が好きだって、わかるでしょう?」
曙「睦月も私も、如月にとっては何の違いもない」
曙「ただ、近くに来たから話相手に『なってあげてる』だけ」
曙「本当は、アンタの傍にずうっといたいんだ」
曙「だってあの子はずっと、アンタの事を第一に考えているって、わかっちゃったんだもの」
提督「………」
328 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 23:17:56.75 ID:blNRNUc70
曙「クソアホ提督」
曙「アンタから見て、今の私はどう映っているの?」
曙「私と如月の事を、どう思っているの?」
提督「いい友達だと思っている」
提督「曙さんは打算だなんだっていうけど、絶対そうじゃない」
提督「曙さんは、凄い優しい人なんだって、思った」
提督「如月は本当にいい友達を持ったんだって、今話を聞いてて思ったよ」
提督「………本当に、本当にありがとう」
曙「そんな言葉を聞きたいんじゃない。私は自分勝手な理由で友達をやっているだけ」
曙「如月を幸せにして、それで自分の嫌な気持ちを消して自己満足したいだけ」
曙「…如月の事なんて、何も考えていなかったのよ」
曙「こんなの、優しさなんかじゃない」
曙「自分が、何かをできるなんて思い上がっていただけなのよ」
曙「…ほんと、馬鹿みたいに」
提督「………」
曙「私は、アンタにはなれないし」
曙「如月は、もうアンタ無しじゃ生きられない」
329 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 23:20:44.49 ID:blNRNUc70
「如月は」
「艦娘としての明るい未来なんて、もう一切考えていない」
「そんなものはもう二度と手に入らない」
「もうどうにもならないものだって」
「諦めて」
「捨てたのよ。そんな未来」
「あの子は」
「家族と、アンタの傍にいる事以外」
「もう何の」
「夢も、希望も、持ち合わせていない」
「だから、アンタと引き換えに得られる名誉なんて…ありがた迷惑でしかないのよ」
330 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 23:31:41.60 ID:blNRNUc70
曙「例え言葉にしていなくても、あの子の気持ちは絶対に変わらない」
曙「その気持ちを、気付かないフリをするな。拒否しようとするな」
提督「………」
曙「アンタのあの言葉は、如月の気持ちを裏切ってるのと同じよ」
曙「アンタが一番言っちゃいけない。最低の言葉」
曙「もしアンタが、このまま如月の気持ちを裏切ろうって考えているんだったら」
曙「私は、アンタをブッ殺すわ」
曙「アンタだけじゃない。アンタの周りの秘書艦、羽黒も赤城も、那珂も全員全員ブッ殺してやるわ」
曙「アンタの周りの人間、全員ブッ殺してやるから」
曙「如月の友達として」
曙「如月を裏切ったら、絶対、絶対ブッ殺してやるから」
提督「………」
曙「それが、アンタになれない私が唯一、如月にしてあげられる事」
曙「覚え、ときなさい。アンタがあの子を裏切ったら、うらぎったら」フルフル
曙「絶対、ぜったい」ポロポロ
提督(曙さん…)
曙「わたしが、アンタを、ブッ殺して、やるからぁ!」ダッ
ダダダダダダダダ!!!!
提督「曙さん!!」
提督「……………」
331 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/08(日) 23:33:56.36 ID:blNRNUc70
☆今回はここまでです☆
ぼのらぎ流行しませんかね
332 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:27:26.91 ID:O/psqKXP0
>>1
です。
秋刀魚祭りお疲れ様でした。私は今回完走を目標に出撃を繰り返し、無事初完走できました。
そして来月のイベントに備えて、備蓄と演習を回す日々に戻ります。
それでは今から投下を始めさせて頂きます。
333 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:28:42.88 ID:O/psqKXP0
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
・
334 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:31:17.37 ID:O/psqKXP0
提督「おっーす」ガチャ
友提督「おう」
友提督「聞いてたより遅かったな」
提督「あーごめんごめん。色々見てたら遅くなった」
漣「あれ、ボノロンは?一緒に来ると思ってたんですけど」
提督「あぁー…」
提督「俺ここまでの道ならわかるし、睦月と話する事があるって言うから途中で別れちゃったわ」
雲龍「遠征があるのに?」
提督「うん。まぁ、色々話したい事があるんだと」
雲龍「あの二人がそんなに話してる所見た事がないわ」
提督「まぁ色々あるんですよ多分」
雲龍「ふぅん………」
提督「それより準備は?」
漣「できてますよ」
提督「あぁありがとう」
友提督「それじゃあ、始めるか…」
提督「あぁ…」
335 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:32:25.34 ID:O/psqKXP0
友提督「勝てば天国」
提督「負ければ地獄」
漣「知力体力時の運」
雲龍「早く来い来い木曜日」
336 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:33:31.84 ID:O/psqKXP0
「カー●ィの」
「エ●●イド………!!」ピコーン
337 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:34:29.64 ID:O/psqKXP0
雲龍「チャージ三回」
提督「フリーエントリー!!」
友提督「ノーオプションバトル!!」
漣「やってやる!やってやるぞぉー!!」
338 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:35:01.13 ID:O/psqKXP0
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
・
339 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:37:04.82 ID:O/psqKXP0
友提督「………」カチカチ
雲龍「………」カチカチ
漣(お、あとパーツ一個)カチカチ
提督「……………」カチカチ
340 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:39:10.10 ID:O/psqKXP0
「気付いてないって事は無いでしょう?」
「如月は、アンタの事が好きだって」
「あの子はできる事ならずっと、アンタといたいと思っている」
「あの子は、家族とアンタの傍にいる事以外、もう何の夢も希望も持ち合わせていない」
「あの子の事を大切に思っているのなら、ちゃんと向き合ってあげて」
341 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:42:42.75 ID:O/psqKXP0
提督「………」グッ
漣「ぬはははは!!とったぁ!!!」テレーン
提督「あ」
友提督「やっべやっべハイドラやっべ」
雲龍「まだ慌てるようなあわわあわわわわわわわわ」
提督「なんか殺る気満々じゃありませんこと漣=サン!?」
漣「モチよ!これこそハイドラの楽しみ方でんがな!!」
漣「見せてあげよう!楽太の雷を!!」
漣「ファイナルベントォー!!」ズバーン!
提督「うぉおい!?俺のデビルスターーーー!!!!」
漣「フフフ…デッドエンド!!」ズガーン!
漣「さらにもう一発」ズン
提督「ぬわー!?!?」
友提督「青玉が飛んでいく…時速200kmに撥ねられ飛んでいく…」
雲龍「隙あり」ポイ
友提督「 ボ ム ー ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! 」
342 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:43:29.15 ID:O/psqKXP0
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
・
343 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:45:13.58 ID:O/psqKXP0
漣「フフーン!」
漣「ライバルは皆ブッ壊しました!これで漣の勝利は確実です!」
漣「ゼロヨンだろうがレースだろうがハイジャンプだろうがバトルロイヤルだろうが何でもきてみんしゃい!!」
344 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:46:23.29 ID:O/psqKXP0
「VSデデデ」テテーン
345 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:47:52.50 ID:O/psqKXP0
漣「」
漣「オーウイェー…」
友提督「よろしく」ポン
提督「シクヨロ」ポン
雲龍「夜露死苦」モニュ
提督「初期マシンじゃあの大王に勝てませんからねぇ」
友提督「デビルスターあったら違ったかもしれませんがねぇ」
雲龍「ラピュタ王に全部壊されましたからねぇ」
漣「や…」
漣「や、や…」
346 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:50:31.74 ID:O/psqKXP0
漣「 や っ て や ろ う じ ゃ あ り ま せ ん か ー ! ! 」
漣「覚悟しやがれぇこのクソペンギンがぁー!!」ドルルルルルルルルルルルル
漣「ペンギンが屋外に出てくるんじゃねー!!」
漣「ペンギンはー!!!」
漣「ビルの中でー!!!」
漣「エログッズ売ってりゃいいんだよォォォォォォォォォォォーッ!!!!!」
提督「はははははははははは」
提督「ははは…」
提督「……………」
347 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:52:00.22 ID:O/psqKXP0
「如月ちゃんは、あなたの事を愛しているわ」
「人として、異性として、心の底から愛している」
「そんなあなたが、居なくなったら、もう二度と会えないと知ったら」
「遺された如月ちゃんは…もう二度と立ち直れなくなる」
「別の男を好きになるまで、俺の代わりにあいつを支えてください」
「俺じゃなきゃいけない理由なんて、どこにもない」
「大事なのは」
「あの子の心の支えになれる存在、であって」
「俺じゃない」
348 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:55:01.14 ID:O/psqKXP0
提督(そう、俺じゃない)
提督(俺である必要は無い)
提督(いや…そもそも…それを…わかっていて……)
提督(何で………………なんだ?)
雲龍「……………」ジッ
349 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 21:57:13.97 ID:O/psqKXP0
ズバーン
提督「あ」
漣「だめでしたーてへぺろ☆」
友提督「ハハッワロス」
漣「………まぁこんな事もあります!それより次行k」
雲龍「ゆるさないわ」
漣「え?」
雲龍「提督のデビルスターと」
雲龍「私のワゴンスターと」
雲龍「友提督のウィリースクーターの恨み」ガシッ
漣「ちょっウィリーは雲龍さんが、あ、アーッ!!!!」ズルズル
バタン
友提督「………どしたんだろ」
提督「………どしたんだろね」
友提督「…次は、漣にパーツ取らせたらダメだな」
提督「そうだな」
350 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 22:03:24.66 ID:O/psqKXP0
提督「………」
提督「なぁ友提督」
友提督「ん」
提督「お前今何人くらいに手付けてんの?」
友提督「あ?」
提督「艦娘」
友提督「嫁だけだよ」
提督「そうなの?」
友提督「そうなのって、お前と同じ位って思われるとちょっと困るぞ」
提督「そう言われると何も言えねぇ」
友提督「お前はどうなんだよ」
提督「………」
友提督「………おい?」
提督「………50は越えてる」
友提督「…マジかよ」
提督「駆逐艦娘(如月)に手出してから、何かもう色々とズブズブになっちまって」
友提督「お前、死ぬなよ」
提督「どうだろうな。死ぬかもしれねぇ」
友提督「おい、国防の任に就いた特務提督が部下に手を出しまくって腹上死とかネタにしかならねぇぞ」
351 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 22:07:40.75 ID:O/psqKXP0
提督「……………」
提督「俺には、よくわからねぇ」
友提督「何が?」
提督「艦娘の…何ていうの?性欲?」
提督「他の所も、上から下まで、みんなそういう話に興味あるもんなのか?」
提督「それでみんな、そこの提督の事が好き、って」
提督「んなラノベみたいな事が…」
友提督「………」
提督「噂だと洗脳手術で恋愛感情を植え付けてるとか聞くけど」
友提督「…お前な。俺にはその艦娘の嫁がいるんだぞ?」
提督「ただの噂だよ。信じちゃいないけど、聞いた事くらいあるだろ?」
友提督「まぁな」
提督「信じちゃいない…でも、その事を考えれば考えるほど、よくわからなくなる」
提督「人の感情を技術でどうこうできるっつってもさ、何でわざわざ恋愛感情なんだ?」
提督「命令違反を防ぐためとかだったら、いっそ感情を全部消してしまえばよかったのに」
提督「もし本当に感情を洗脳で何とかしてるんだったら、それをしない理由ってのがわからん」
提督「…そもそも」
352 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 22:16:16.46 ID:O/psqKXP0
(もしそんな、本当に人の感情を技術で操れるんだったら)
(対象とするべきは、むしろ………)
(人間、そのものだ)
(艦娘じゃなくて一般人を、片っ端から洗脳してしまえばいいんだ)
(大本営に逆らえなくなるように、全員まとめて…)
(艦娘反対派の奴らが言うとおり)
(大本営に、全国から女性を拉致して艦娘に仕立て上げるくらいの力があるなら、それができないとは言い切れない)
(そうすれば…そうしておけば…)
(あんなクソみてぇな反対集団の奴らもみんな…いなくなる)
(…如月だって、今よりマシな人生を送れた)
(でも、大本営はそれをしなかった。できるのなら、そうしていたはずなのに)
(それが、『大本営による洗脳説』を否定できる、不可逆の証拠になる)
(でも、そうだとしたら………)
353 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 22:20:51.11 ID:O/psqKXP0
提督「………」
友提督「おい、大丈夫か」
提督「………」
提督「艦娘がどうして人の身体を持っているのか」
提督「どうして若い女性の姿をして…しなければいけなかったのか」
提督「どうして艦娘は」
提督「艦『娘』なんだ?」
提督「どうして男じゃ駄目だったんだ?」
提督「どうしてただの兵器じゃ駄目だったんだ?」
提督「どうして若い女性なんだ?」
提督「どうして」
提督「みんな」
提督「好きだから、なんて、言うんだよ」
354 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 22:23:18.12 ID:O/psqKXP0
友提督「その話を俺にしてどうしたいんだよ」
提督「わからねぇ。わからねぇけど」
提督「自分だけで考えてたらどうにかなっちまいそうだったから」
友提督「納得できないのか。自分が好かれているって事が」
友提督「根本はそこだろ?」
提督「………」
提督「納得できない」
提督「…何か」
提督「怖い。怖いんだよ」
友提督「怖い?好かれている事が?」
提督「求められている事が」
提督「わからねぇんだよ。あいつらが何を考えているか」
355 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 22:26:26.93 ID:O/psqKXP0
「何で」
「何で俺なんだ?」
「何で俺を選んだ?」
「何であいつらは俺を選んだんだ?」
「何で俺について来ているんだ?」
「何で俺じゃなきゃ駄目なんだ?」
「俺が」
「俺が何をした?」
「何を考えても」
「何を聞いても」
「わからねぇ」
「納得できねぇ」
356 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 22:27:55.08 ID:O/psqKXP0
「何がどうなってるんだよ」
「誰か」
「誰か説明してくれよ」
357 :
◆ZFgfLAc.nk
[saga]:2017/10/19(木) 22:37:48.00 ID:O/psqKXP0
☆デデデン!(今回はここまでです)☆
最近色々賑わせるアレやコレがありますが、
今回触れた艦娘とは何かという所は真面目に考えたので例えどれだけ時間がかかってでも書ききりたいです。
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