俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2

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419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/20(月) 23:11:25.21 ID:+aEwHZNA0
お疲れ様です。何もしてあげれませんが頑張ってください
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/20(月) 23:30:36.62 ID:AtWa4rW5O
乙〜
楽しみにしているぜぃ
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/21(火) 09:44:16.33 ID:Q844iktA0
乙です.楽しみにしています.
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 19:00:36.64 ID:Lx+yrYWfO

もう待ちきれないよ早く次を投下してくれ
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 19:15:02.48 ID:ZIlLsuCgO
ガハマに制裁加えて欲しいわ
存在や行動そのものが不愉快すぎて吐き気がする
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 20:25:38.29 ID:jNR+XkJuO
電池に対する結衣って韓国人に対する君が代みたいだな(笑)
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 21:24:49.95 ID:BQAYyPDB0
そんな大したバックグラウンドでもないだろ
だって電池が昔、クラスのリア充に告って
フラレた腹いせだぜ?
私怨でしかないww
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 23:09:54.06 ID:jNR+XkJuO
おいおい
現実で告白できるようなメンタルがあるわけないだろ
一方的に欲情してて他の男と付き合ったら寝取られたと思ってるだけだよ
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/22(水) 00:34:51.14 ID:XbTL++BHo
よそでしなさい
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/22(水) 01:25:15.95 ID:VOiZySJzO
関係絶たれてもおかしくないような
恥知らずなことをガハマがやっている事がわからねえんだろうなガハマ厨は
これ雪乃に対する裏切りで友情なんて微塵も感じていない証明な訳なんだが?
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/23(木) 06:53:19.95 ID:U2A7RaTLo
友情を契約みたいに言う感性が気持ち悪い
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/23(木) 11:59:56.53 ID:+9uXXKETO
>>429
契約云々の話じゃなくて友達を裏切る様な真似をしないなんて人としての当然の道理だろうが
自分の恋心優先で、同じ相手に恋心を抱いた友人の恋心を封じる様な卑怯な提案をしておいて
それでその友達が不利になったら、抜け駆けしようとするとか下衆以外の何だというのか
ただの自己中糞女じゃねえかふざけんじゃねえよ
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/23(木) 12:01:46.28 ID:+9uXXKETO
>>429
契約云々の話じゃなくて友達を裏切る様な真似をしないなんて人としての当然の道理だろうが
自分の恋心優先で、同じ相手に恋心を抱いた友人の恋心を封じる様な卑怯な提案をしておいて
それでその友達が不利になったら、抜け駆けしようとするとか下衆以外の何だというのか
自分の都合で友達を平気で裏切る最低な糞女じゃねえかふざけんじゃねえよ
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/23(木) 12:11:55.39 ID:a4dhThl9O
ヨウのブクマ100で安定して見えるニキの電池くんやん
スレ潰す宣言ま〜だ実行されないんすかねえ?
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/03/24(金) 02:34:19.88 ID:ZP3ViWYW0
ガハマは死ね
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 02:35:58.46 ID:Bix/aUMrO
電池くん働いてる設定忘れすぎやろ
設定無視する割にはスレ潰すとか言ってたの全然できてないし
435 :1 [sage]:2017/03/24(金) 03:42:00.28 ID:61OoMnPu0

一応、俺が奢ろうか、とは言ってはみたのだが、ここは高校生らしく割り勘でということになり、それぞれ別々に支払いを済ませる。

外に出ると、休日の昼下がりということもあり、朝とは比べ物にならないくらいの人通りが増えていた。


結衣「誰か知り合いと出会うかと思うと、ちょっとドキドキしちゃうね」

そのまま千葉パ○コの方面に向けて、いわゆるナンパ通りをふたりしてそぞろ歩くうちに由比ヶ浜がそんな事を言い出した。

そうですね、俺は昼飯奢らなきゃいけないかと思って一瞬ドキドキしちゃいましたけどね?

だが、ひと口に千葉といっても結構広い。
由比ヶ浜ならまだしも、俺のことを知っている人間に偶然出くわす機会などそうそうあるとも思えない。

しかも、いつも見慣れた制服姿ならともかく、今日のようにふたりとも私服ともなれば、それだけで印象もガラリと変わる。
余程親しい間柄でもない限り気づかれるようなことはまずないと考えていいだろう。

まぁ、そうでなくとも普段から俺の存在感のなさは折り紙つき。なんせ自動ドアのセンサーですら時々反応しないことがあるくらいだし。


――――― それに、


八幡「気にしなくてもいいだろ、別に」

結衣「 ……… え?」///


八幡「見つかったら他人のフリして俺だけ先に通り過ぎるから。あ、なんなら後で集合する場所でも決めとくか?」

結衣「あくまでも他人のフリが前提なんだ!?」


436 :1 [sage]:2017/03/24(金) 03:45:28.04 ID:61OoMnPu0


「 ――― あっれぇ? もしかして、比企谷ぁ?」


そんな事を言ってる傍から、いきなりお声がかかってしまった。

ヒキガヤ? ヒキタニじゃなくて? しかも呼び捨て? 真っ先に浮かぶ疑問がそこかよ。

俺の事をいかにも親しげにその名で呼び、しかも声は明らかに若い女性 …… と、くれば心当たりはひとつしかない。

果たして、掛けられた声に向けて振り返る俺の目に映ったのは、くしゅりとパーマのかかったショートボブ、小振りな顔に猫を思わせるやや吊り上がり気味の大きな目。

中学時代の同級生にして、俺史上、最大最凶最悪のトラウマメーカー、折本かおりである。

437 :1 [sage]:2017/03/24(金) 03:49:06.49 ID:61OoMnPu0

折本「うっわ、めっずらしっ! 比企谷、こんな真昼間っから外出歩いてて大丈夫なんだっけ?」

八幡「 ……… いや別に俺、吸血鬼じゃないから」 確かに影は人一倍薄いかも知れませんけどね。


今更言うまでもないし敢えて言いたくもないのだが、俺は中学時代、この折本かおりに告白し、しかもこっぴどくフラれている。
そればかりかその事を周囲に言いふらされ、俺の残りの中学校生活はあらゆる意味でダークサイドに染まり切ってしまったのである。

今考えるに、俺が人間不信と挙動不審と成績不振に陥った原因の八割方はこいつにあると言っても過言ではないだろう。

つまり俺にとっては“こんな時にできるだけ会いたくない奴ランキング”の上位ランカーだ。

参考までに現在のタイトル保持者は材木座。もっともあいつの場合、それがいついかなる時でさえ極力会いたくない。夜道なら尚更だ。

438 :1 [sage]:2017/03/24(金) 03:58:07.69 ID:61OoMnPu0


「 ――― おや、キミ達は確か」


その折本と一緒にいるのは、エア轆轤(ろくろ)を自在に操る歩く人間国宝にして、海浜総合高校の意識高い系生徒会長、人呼んでトートロジー玉縄だった。

俺と目が合うと玉縄が僅かに眉を顰める。
昨年の海総高との合同クリスマスイベントでケチがついたせいなのか、どうやらあれ以来、俺に対してあまりいい感情を抱いていないらしい。

しかし ――― 、

俺は再度、折本に目を遣る。

相手が男であれ女であれ、他人との間に壁を設けない彼女の性格については、俺も中学の頃から良くも悪くも知ってはいたが、こいつが男とふたりだけ、というのは極めて珍しい。

先日のバレンタインの合同イベントでは、ひとり玉縄が空回りしているようにしか見えなかったが、もしかしたらその後ふたりの仲が急速に進展するような出来事でもあったのだろうか。

439 :1 [sage]:2017/03/24(金) 04:02:03.63 ID:61OoMnPu0

折本「それにしても、意っ外!」

八幡「 …… 何がだよ?」

折本「比企谷って、制服以外の服も持ってたんだ。なんかウケる」

八幡「 ……… ウケねーよ。つか、お前、俺のことなんだと思ってるわけ?」

武藤○戯とか空○承太郎じゃないんだから休みの日くらいは当然私服だっつの。でもあいつらって、もしかして寝る時も制服なのかしらん?


玉縄「 ……… ふむ。いや、これは非常にプライベートで、かつ、個人的な質問なのだが」

玉縄が一緒にいる由比ヶ浜の姿を見ながら口を挿んでくる。プライベートで個人的って、それ意味同じだろ。


玉縄「もしかして、キミたちは、その …… 、かなりエスペシャリィで特別な関係だったりするのかい? 例えばステディな恋人的な?」

だからそれ同じ意味だっての。何回同じ言葉使ってんだよ。

440 :1 [sage]:2017/03/24(金) 04:10:53.02 ID:61OoMnPu0

結衣「えっ?! あ、う、ううんん、え、えっと、まだ、そういうのとかじゃなくて?」///

由比ヶ浜が胸の前で慌てて小さく手を振って答えるが、この場合それは逆効果だ。

玉縄「ほう。まだ、ということは、将来的な展望として、そうなるビジョンでもあるという意味なのかな?」


八幡「つーか、お前たちの方こそ、いつの間にそんな関係になったんだ?」

ここでいちいち否定するのも話が長くなって面倒臭そうなので、すかさずカウンタークエスチョンをぶちこんでやる。
何といっても、こういう時に論旨をずらしてそのまま相手を煙に巻くのは俺の最も得意とするところだ。


玉縄「あ、いや、まぁ、その、うん、なんというかだね …… 」

どうやら自分達に対するその問いは想定外だったらしく、見るからに取り乱し、目を白黒させながら口ごもる。

八幡「ほーん?」 どうなんだ? と、今度は折本に目で問うと、

折本「あ、全っ然っ! そういうんじゃないから! あんまりしつこく誘われたし、今日はたまたま暇だったから、ちょっとつきあってるだけ」

今度は折本が、ないないとばかりに両手を振ってみせた。


玉縄「 ……… ま、まぁ、その点に関しては、今後、順次段階を踏んで彼女のニーズに沿った形でお互いのコンセンサスの合意形成を図ろうとだね」

今のひと言で完全に詰まれているにも関わらず何やら懸命になって言い繕うとしているが、俺にもなんとなく状況が見えてきた。

近い将来、折本の常人離れした対人距離感を好意と取り違えて自爆テロを敢行する玉縄の姿が鮮明に目に浮かんでしまう俺はもしかしたら予知能力者か、と錯覚してしまうまである。

お前それ俺が過去に歩んできた道だからな? しかも前途はイバラだらけだぞ?

441 :1 [sage]:2017/03/24(金) 04:21:39.66 ID:61OoMnPu0

折本「それよりも、意外って言えば、さ」

そう言って、折本が意味ありげに由比ヶ浜の方に目を向ける。

八幡「 …… 俺が女の子とふたりで歩いてるのがそんなに意外か?」

折本の機先を制してそう告げたつもりだが、彼女はゆっくりと首を振る。


折本「そうじゃなくて?」

八幡「 ……… あん?」


折本「この間の雰囲気からして、あたしてっきり比企谷は、あのもうひとりの …… 」


折本の口にしかけたそのひと言で、一瞬にしてその場の空気が凍り付いたかのような錯覚を覚える。

後頭部の毛がぞわりと逆立ち、胃のあたりに何かの異物を飲みこんだような違和感。

同時に、由比ヶ浜が俺の上着の裾をぎゅっと握り締める感触が伝わってくる。

俺は彼女の心中を察し、まるで庇うかのように、知らず一歩前に出ていた。

442 :1 [sage]:2017/03/24(金) 04:26:10.12 ID:61OoMnPu0


玉縄「 ――― ん、んっ、かおりくん? 彼らの邪魔をするのも悪いだろう。僕たちもそろそろ」

別に空気を読んだ、と言うわけでもないのだろうが、タイミングよく口にされた玉縄のその言葉に、


八幡「アグリー」

咄嗟に手を挙げ、思わず同意を示してしまう。そして、小さく肘で突いて促すと、


結衣「 ……… へ? あ、う、うん。あ、あぐりい?」 

我に返ったらしい由比ヶ浜が見様見真似で慌てて俺の真似をする。恐らく意味はまるでわかっていないに違いない。


折本「えーっ? まだいいじゃん! あ、そうだ! ねぇ、どうせなら比企谷達も合流しない? あ、うん、いい! それ、ある!」

八幡「ねぇよっ! ねぇ、ねぇっ!」

いったい何が悲しくてお前みたいな歩く地雷原(主に俺にとって)と、これ以上一緒にいなきゃならねぇんだよ。


443 :1 [sage]:2017/03/24(金) 04:27:38.93 ID:61OoMnPu0

折本「ちぇ、つまんないのー。じゃ、いいや。行こ、玉縄くん」

さすがに姉御肌のサバサバ系を自負するだけあって、その辺りの引き際はごくあっさりとしている。

折本がさっさとこちらに背を向けると、

玉縄「じゃあ、これで僕たちは失礼するよ。あ、そうそう、一色くんにもよろしく伝えてくれたまえ」

生徒会長らしく礼儀正しい別れの挨拶を述べ、玉縄も折本と肩を並べるようにして歩み去る。

そんなふたりを見送りながら、俺の口から安堵の溜息が漏れ出た。


……… と、思いきや、不意に折本がぴたりと足を止め、いきなりくるりとこちらを振り向いた。

444 :1 [sage]:2017/03/24(金) 04:30:47.23 ID:61OoMnPu0


折本「あ ――― っと、そうそう、比企谷?」


八幡「んだよ、まだなんかあんのかよ?」


折本「あたしん時みたく、むりやり変なとこ連れ込もうとしちゃダメだよ?」



結衣&玉縄「えっ?!」


突然言い放たれた、そのとんでもないセリフに、由比ヶ浜と玉縄がそろって俺を見る。


八幡「はぁ?! ちょっ、おまっ、いきなり何言っちゃってんの? いつ誰がそんなことしたよっ?!」

冤罪だ冤罪! 弁護士呼べ弁護士! 


驚き慌てふためく俺のことなどまるでお構いなしとばかりに、折本が素知らぬ顔で続ける。




折本「いやー、さすがにデートでサ○ゼはないよねー。やっぱ比企谷ってば、マジで超ウケる」




……… お前それ、絶っ対ぇわざとやってんだろ。

445 :1 [sage]:2017/03/24(金) 04:36:31.63 ID:61OoMnPu0

地上113メートルの展望台から眺める外の景色は、まるでひっくり返した宝石箱のようにキラキラと光り輝いていた。

東京湾に沿って広がる建物の明かりが、オレンジ色に染まる夕空と、迫りくる夜の闇との狭間にひと際幻想的な情景が浮かび上がらせている。

そろそろ夕刻にさしかからんとした頃、由比ヶ浜に乞われるまま千葉都市モノレールで千葉港駅までゆき、そこからは歩いて、ここ千葉ポートタワーまで来ている。

日が傾くと外気も急速に下がり始めたが、ここに来るまでの間ずっと俺に寄り添うようにして話しかけてくる由比ヶ浜は、吹き付ける海風の冷たさもまるで気にならないようだった。

446 :1 [sage]:2017/03/24(金) 04:39:31.52 ID:61OoMnPu0

あの後は何事もなかったようにぶらぶらとウィンドショッピングをして過ごし、途中で一度お茶などをしながら、とりとめのない会話を交わした。

小町の受験のこと、サブレのこと、カマクラのこと、そして、その他、他愛のない話。

お互いに慎重に言葉を選び、ある一点については決して触れようとしない。

ともすれば迂回し、ともすれば話題を変える。

それはまるで何かの禁忌、もしくは触れれば解けてしまう魔法の言葉のように、ふたりの間で何かしらの暗黙の了解があるかのようでさえあった。
447 :1 [sage]:2017/03/24(金) 04:46:32.60 ID:61OoMnPu0


結衣「うわー、きっれー」


言葉とは裏腹に、沈む夕日に照らされた由比ヶ浜の顔は、刻一刻と近づく一日の終わりに対して惜別する、淡い哀しみに彩られているかのように見えていた。

そんな彼女にかける言葉もなく、俺は一歩離れた位置からその後ろ姿を見つめる。


結衣「 ――― 今日は楽しかったね」

窓の外を見遣りながら、由比ヶ浜が俺に向けて声をかけてきた。閉館時間も近いせいもあってか、周囲に人影はない。


八幡「 ……… ん、ああ。そうだな」

結衣「一日、あたしの我儘につきあわせちゃってゴメンね」


八幡「 ……… いや。それよりお前、時間はいいのか?」

門限があるという話は聞いていないが、年頃の娘だ。あまり遅くなると親も心配するだろう。

俺も小町の帰りが少しでも遅くなると心配で心配で、居ても立ってもいられなくなって、思わずソファーに寝転んでしまうことがあるのでその気持ちはよくわかる。


結衣「うん ――― 、 」


由比ヶ浜が外の景色に気を取られているのか、うわの空で返事を返す。

そして、切なげに滲む吐息で僅かにガラスを曇らせながら、やや不自然な間を置き、おずおずと付け加える。



結衣「 ――― あたし、今日はもしかしたら、ゆきのんの処にお泊りするかもって、嘘ついて出てきちゃったから」


448 :1 [sage]:2017/03/24(金) 04:47:41.65 ID:61OoMnPu0

それでは今日はこの辺で。ノシ
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 05:35:02.76 ID:bipcuyAbO


ここの八幡なら「そうか。なら雪ノ下のマンションまで送っていくわ」とはならないはず
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 11:33:08.57 ID:fpvgRwbCO

これ雪乃が留学しなくなったらどうすんだろうね
雪乃をだしに使い親を騙して、抜け駆けする様な事をして、何食わぬ顔して今後も部活に入るつもりなんだろうか
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 12:03:19.17 ID:bd6DCxzMO
おつ
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 12:21:38.78 ID:G9qYJ9dSo
おつなーのん
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 12:22:08.22 ID:NNDtCqRYo
乙カレー
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 12:29:55.29 ID:oMzqIgsL0
>>450
荒らしの電池が暴れ回ってるので有耶無耶にされがちだけど
やってる事が普通に最低だからな<<由比ヶ浜
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 12:52:47.80 ID:bd6DCxzMO
電池くん「荒らしの電池」

ギャグかな?
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 13:00:48.58 ID:oMzqIgsL0
>>455
勘違いするなオレは電池じゃない
それを証明する手立てはないけどさ
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 13:08:00.21 ID:i+u9R6Pso
こっから電池が来て、ほらガハマ嫌いが〜までがテンプレ
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 13:11:20.84 ID:kE8PTDCGO
>>454
最後まで見てから判断しようや
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 14:02:34.05 ID:xnge5TiB0
>>456
末尾を見れば電池じゃないことはわかるが
言ってることは電池レベル
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 14:49:32.36 ID:mOhWawKAo
乙です
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 17:52:11.36 ID:WgLLLR6f0
>>459
ssの時間軸が11巻の流れを汲んでいて
雪乃の留学が決まって学校にも来なくなるどん底な状況なのに
11巻であの提案をした由比ヶ浜が抜け駆けをする様な真似をするのはアカンだろ
何か考えがあっての事ならいいんだが、折本や玉縄との会話を見た感じではそうでもなさそうだしな
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 18:03:14.02 ID:kE8PTDCGO
女子高生ってそんなもんじゃね?
俺は女子高生だった時期がほとんどないから知らんけど
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 18:08:52.09 ID:WgLLLR6f0
>>462
現実でもこんな真似をしたら男女問わずに友情が壊れると思うよ
まず間違いなく信頼を無くす
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 18:12:57.96 ID:kE8PTDCGO
大丈夫
これフィクションだもん
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 18:16:20.69 ID:dLza//giO
俺も結衣のこの行動は擁護できないな
自分の恋愛感情ばかりを優先させ過ぎだろ
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 18:35:05.73 ID:WgLLLR6f0
雪乃に今回のデートの事を話してるかどうかわからないけど
前スレでこういう事を言ってしまってる以上、雪乃とかにも黙ってるのはな

>結衣「どうして …… ちゃんと話してくれないかな …… あたし、ゆきのんのこと友達だと思ってたのに …… 」

何か思惑があると俺は思いたいけど
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 20:34:11.90 ID:Ex2vRG6Ro
電池じゃないけど、結衣って素でそういう子じゃね?

んで八幡ってそういう性格の子に惹かれて振られる傾向があるんだとか
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 20:49:20.37 ID:l0mAroCB0
結衣に取っては雪乃よりも自分の恋が優先で友情なんて場合によっては、切り捨てるって言う嫌な女にしか見えなくなるのがな
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 21:04:32.78 ID:0CGZreNbO
自己中心的過ぎない?
結衣の恋がどういう結果で終わるかは置いといても、こんな事をやったら奉仕部にはもう居づらくなるだろ
3人に気まずい空気が流れる事は確実で関係が確実に破綻する
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 21:22:49.07 ID:WIdyVr0A0
乙です。
あと他の人、外野同士の議論は他でやってくださいね。やるにしてもせめて完結後とか。スレ主おいてけぼりでスレが無意味に埋まるだけなんで。
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/25(土) 00:02:09.64 ID:nyFw/fnbO
荒れてるなww
やっぱり自己中クソビッチを擁護するなんて土台無理な話なのがわかんだね
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/25(土) 00:07:58.51 ID:Eb6wJrXWo
満を持して電池くん登場
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/25(土) 00:57:36.87 ID:IWdVzyA5o
11巻の続きとして読んでるってのがけっこう驚いた
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/25(土) 04:34:11.43 ID:maI6AJpwo

次も楽しみに待ってる
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/25(土) 06:24:57.14 ID:YMuS/oDvo
>>470
電池みたいな馬鹿はともかく、そういうふうに自治始めだしたら廃墟じみてきて作者がやる気無くしてエタる、の黄金パターン一直線やで
ガヤくらい好きにやらせとけばいいんや。どうせ作者は耳障りの良いレス以外まともに読んじゃいないからww
476 :1 [sage]:2017/03/25(土) 19:58:23.34 ID:L+SLK72J0
>>470

ただでさえ読みにくいSSが更に読みにくくなって申し訳ないですが、本人は結構楽しませてもらってます。
後は完結後のまとめサイトさんの奮闘に期待しましょう。

>>475

レス読まずに耳触りが良いか悪いか判断するなんてそんな器用なマネできないですよん。
レスが素っ気ないのは、書き手が途中であんまりしゃしゃり出ると場がシラケるからです。
477 :1 [sage]:2017/03/25(土) 19:59:42.72 ID:L+SLK72J0

と、ここで敢えて前回乗せなかった最後の一節を投入。
478 :1 [sage]:2017/03/25(土) 20:02:45.76 ID:L+SLK72J0

恐らくそれだけの言葉を口にするにも、なけなしの勇気を振り絞ったのに違いない。

俺の位置から見える由比ヶ浜の耳が、夕映えの照り返しとは違う色で赤く染まっているのがわかった。

その言葉の意味するところがわからぬほど俺も鈍くはない。それどころか逆に意識し過ぎて、なんと答えていいのか返す言葉に窮してしまう。

そんな俺の戸惑いを知ってか知らずか、今度は震えるような無音の溜息をひとつ、由比ヶ浜が静かに言葉を継ぐ。


結衣「 ――― ね、もうそろそろ、いいんじゃない?」


由比ヶ浜がゆっくりとこちらを振り向く。
その顔に浮かぶ、いつになく思いつめたような表情には、見ているだけで何かしら胸の奥が苦しくなるような差し迫ったものが感じられた。



結衣「 ――― ヒッキー、あたしに何か話したいことがあるんでしょ?」


479 :1 [sage]:2017/03/25(土) 20:04:47.30 ID:L+SLK72J0

次回更新はできれば近日中に。ノシ
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/25(土) 20:49:38.62 ID:6J7ErDRdo
おつーな
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/25(土) 21:55:52.32 ID:szNmJCeA0
>>476

作者様の意向了解です。連日の荒らしからの流れに気分を害されてるかと思い、ついしゃしゃりでてしまいました。続きを楽しみに待ってます。頑張ってください。
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/25(土) 22:31:12.67 ID:fCd01lqao
乙カレー
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/25(土) 22:42:55.96 ID:Anz+VcD3o
おつ
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/26(日) 02:18:21.51 ID:wR8r9fVRo
乙です
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/26(日) 16:05:59.15 ID:8il0JHyAo
>>481
ほんとこういう無自覚な馬鹿いなくなるだけでガイルSSの寿命ってもっと持ってたって思うわ
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/26(日) 16:10:25.89 ID:Elr1+bUOO
>>485
ガハマや葉山と同じで無自覚に足を引っ張る無能な偽善者なんだろ
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/26(日) 17:08:40.90 ID:R6MC9280O
>>486
偽善すらできない害悪にしかならない電池くんってのがいるんだ
それに比べたらみな天使に見えるぜ
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/27(月) 22:49:51.86 ID:5kr37Ojuo
特に気にしないタイプの1みたいだからどうでもええやん
とにかく1を応援してるぜ
489 :1 [sage]:2017/03/30(木) 02:23:57.37 ID:vylvFlXW0


八幡「俺は、 ――――― 」


あれだけ繰り返し繰り返し何を言おうか考えていたはずなのに、由比ヶ浜を前にいざ口を開こうとすると、何ひとつ言葉が出てこない。

ガラスの壁面を一枚隔て、低く唸る海風の音ばかりが耳に遠く、くぐもって聴こえてきた。


結衣「 ――― あのね、前にも言ったけど、あたしってホントはズルイし、すっごい欲張りなの」

ふたりの間に落ちた沈黙を優しく埋めるかのように、由比ヶ浜が訥々と語り始める。


結衣「ゆきのんの気持ちにも、ずっと前から気が付いてたのに、留学するって聞いた時、もしかしたらチャンスかもしれないって」

溢れ出ようとする感情を懸命に堰き止めようとしているのだろう、湿り気を帯びたその声は、今にも途切れそうで心許ない。


だが、 ――― それは違う。卑怯なのはむしろ彼女にその言葉を言わせている俺の方だ。


490 :1 [sage]:2017/03/30(木) 02:28:03.94 ID:vylvFlXW0

例え嘘でも欺瞞でもいい。それでも俺は欲しかった。

本当の自分の居場所、通じ合う気持ち、言葉にしなくても伝わる何か、いつでも手を延ばせば届くと思われた平穏。

そんな小春日和の陽だまりのような居心地のいい場所が、奇跡のような時間が、いつまでも長続きする訳ないことなど、とうに気が付いていたはずなのに。


歯車の軋みに気が付いたのはいつなのか。ふとした瞬間、三人の間に流れるぎこちない空気に気が付きつき始めたのはいつ頃からなのか。今思えばそれとても定かではない。

しかし俺は、やっと手に入れたかけがえのない時間を、俺が俺のままでいることの許された、ただひとつの場所を失うのが恐かった。

だから敢えてそのことに気が付かない振りをして、ゆっくり朽ち果ててゆくかのような緩慢な死の方をこそ選んだのだ。

自らの手で、自らの否定してきたものを守らんがために。

491 :1 [sage]:2017/03/30(木) 02:30:23.83 ID:vylvFlXW0

結衣「あのね、今日、ヒッキーに会うこと、ゆきのんにも伝えてあるの」

八幡「そう …… なのか」

だが、由比ヶ浜であれば当然そうするだろう。だからその告白自体、別に驚きはしない。


結衣「それでね、あたし、ちゃんとヒッキーに自分の気持ち伝えるからねって」

そこで言葉は切れ、押し寄せる感情の負荷に堪え切れなくなったのか、そっと顔を俯ける。


結衣「 ……… そしたら、ゆきのん、“あなたならきっと大丈夫よ。頑張ってね”って」


続く言葉は、消え入るほどに小さくなり、ともすれば風の音に紛れそうになる。

492 :1 [sage]:2017/03/30(木) 02:33:13.89 ID:vylvFlXW0

結衣「あのね、うまく言えないけど、ヒッキーとゆきのんって、そういうところもよく似てるって思うの」

無理に絞り出すような明るい声が俺の胸に突き刺さる。こいつにはいつも明るい笑顔でいて欲しい。そんな風に悲しそうに微笑んで欲しくない。

それができない自分の無力さに、大切なものすら守ることのできない己の不甲斐なさに、いつも以上に嫌気がさす。

結衣「全然違うようだけど、すっごく似てるの。冷めているようでいて、ホントは優しいところとか」

八幡「 ……… 俺は優しくなんてねぇよ 」

変化を恐れるあまり、ずっと逃げ続けてきただけだ。単に他人と関わりを持つことで自分が傷つきたくなかっただけだ。

結衣「ゆきのんは嘘を吐かずに、ヒッキーは嘘を吐いてでも他人を助けちゃうの。ふたりともやり方は正反対なのに、やってることは同じで、自分が傷だらけになっても最後はひとりでみんなを救おうとするの」

そうじゃない。俺も雪ノ下も、由比ヶ浜に出会うまでは、他人を信頼し、頼るという事を知らなかっただけだ。


493 :1 [sage]:2017/03/30(木) 02:35:56.29 ID:vylvFlXW0

結衣「だから ――― だから、だから今回もきっと、ゆきのんもヒッキーもあたしのために ――― 」

もう十分だ。今のままでいいじゃないか、何もなかったことにして、残りの時間を三人でまたあの場所でずっと温め合えばいい。
お互いの傷口を舐め合いながら、ぬるま湯に浸り続けていればそれでいい。

それの何がいけないのか。誰に俺たちを否定する権利があるのか。


だが、その一方で、俺の中の別の声が抗う。

泥に塗れてまで貫いてきた信念、傷だらけになっても守ってきた矜持。それがひとりよがりの思い込みに過ぎないにしても、ここで妥協するわけにはいかない、と。

例えそれが、他の誰かを傷つけることになったとしても、自分の心に決して癒えることのないを疵を刻み付けることになるとしても。

そして、その声は再び問いかけてくる。それでもお前は本当に“本物”が欲しいのか、と。


―――― その答えはとうに出ているはずなのに。

494 :1 [sage]:2017/03/30(木) 02:40:59.57 ID:vylvFlXW0


結衣「あたしは、自分の気持ちを正直に伝えたよ。だから、だから次はヒッキーとゆきのんの番」

八幡「 …… そうだな」


結衣「ねぇ、正直に答えて? ヒッキーはゆきのんのことが好きなの?」

八幡「 ……… ああ」


その問いに対する答えは、素直に俺の口から滑り出ていた。ここで今更嘘をついても意味がない。
そんなことをすれば、由比ヶ浜の覚悟を、彼女の誠意を踏みにじることになってしまう。


結衣「 ……… あたしのことは?」

八幡「 ……… 好きだよ」


結衣「 ……… でも、あたしよりもゆきのんの事が好きなんだよね?」

八幡「 ……… すまん」


謝ってどうにかなる問題でもない。そもそも謝るべきものなのかどうかすらも判然としない。それでも俺は謝る事しかできない。
それが偽善だとわかっていながら、それが彼女を更に傷つけるとわかっていながら。

同時にその言葉は俺自身にも深い傷を負わせる。
だが、その傷は己にだけには正直であろうとあり続けた俺が唯一、自分自身に吐きつづけた嘘に対する代償であり、俺の支払うべき代価なのだろう。


結衣「あたしの方が先にヒッキーのこと好きになったのに …… 」

八幡「 ……… 先とか後とかの問題じゃねぇだろ」

結衣「 ……… そうだね」


こみ上げてくる嗚咽を無理に飲み込み、流れ落ちようとする涙に堪えようと天を仰ぐ。歪んだ視界に天井の照明が滲んで見えた。

495 :1 [sage]:2017/03/30(木) 02:44:32.84 ID:vylvFlXW0


結衣「ねぇ、ヒッキー?」」


由比ヶ浜の問いかけに、俺は無言のまま応じる。小さく身じろぎをしただけで微かな衣擦れの音と共に張り詰めていた空気が僅かに揺らぐ。


結衣「もし、三人の関係が今と変わったとしても、これからも …… あたしと …… ずっと仲良くしてくれる?」


俺は重く湿った息を、全ての想いと共に腹からゆっくりと吐き出す。


八幡「 …… 当たり前だろ。お前は …… 俺の ……… 俺の生まれて初めて自分の意思で選んだ」



―――――――― 友達、だからな。



そして俺は、友達という言葉を口にするのが、こんなにも辛く切ないものなのだと、生まれて初めて知る。




結衣「 …… 友達 …… なんだ」



消えてゆく太陽の最後の残滓を零れ落ちる涙に宿しながら、それでもなお由比ヶ浜は俺に向けて微笑んでみせた。

496 :1 [sage]:2017/03/30(木) 02:53:03.88 ID:vylvFlXW0

本日はここまで。次回は遅くとも今週中に。ノシ
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 02:57:10.24 ID:QQTny5JKo
おつおつー
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 04:01:57.13 ID:7vvM796Mo
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 08:20:09.05 ID:7b4n/qLKO
>結衣「あたしの方が先にヒッキーのこと好きになったのに …… 」

はぁ????一年間の間謝罪や何もしなかったくせに悲劇のヒロイン面してんじゃねえよ糞ビッチが
自分からは何もしなかった時点で、てめえが八幡を好きになる資格なんて欠片もねえんだよ
しかも、抜け駆けまでしておいて図々しく関係を続けようとしてるのが破廉恥にもほどがある
ここまでやったのなら縁切って2人の前から去るのが最低限のけじめのつけ方ってもんだろ
こんなの原作の八幡が嫌う欺瞞そのものじゃねえか、
こんなガハマに都合よすぎる展開とかありねえだろふざけんな
それを容認する八幡とかキャラ崩壊にもほどがある
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 08:28:33.02 ID:JeC2aRUkO
おつおつー
続き待ってるやでー
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 08:39:32.92 ID:IxS9UdLwo
乙です
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 13:02:36.39 ID:IEOWYoP6o
乙カレー
503 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:29:38.63 ID:kJTaB7og0

そのまま小刻みに肩を震わせていた由比ヶ浜だったが、ぐすりとひとつ大きく鼻を啜り上げたかと思うと、袖口で目許を拭う。


結衣「 ……… だったら尚更、ゆきのんのこと止めないとね」

八幡「 ……… ああ。そうだな」


結衣「今更だけど、あたしもこんな形で三人の関係終わらせるの嫌だし」

例えそれがどのような形になったとしても、三人の関係の継続を最初から一番強く願っていたのは、紛れもなく由比ヶ浜なのだろう。

胸の内を全てを曝け出してふっきれでもしたのか、少し照れたような顔で付け加える。

迷いがなくなれば気持ちの切り替えも早い。その持ち前の明るさに、俺も救われる思いがした。

504 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:31:50.37 ID:kJTaB7og0

八幡「 ……… なぁ、由比ヶ浜。そのことなんだけど」

結衣「なに?」

八幡「俺の方こそ今更こんなことお前に頼める立場じゃないのはわかってるんだけど、力を貸してもらいたいんだ」

結衣「 ……… あたしの?」

八幡「ああ。 あいつの …… 雪ノ下の留学を止めるためには、どうしてもお前の協力が必要なんだ」

結衣「 ……… う、うん、わかった。でも、いったいどうしたらいいの?」

八幡「そうだな、とりあえず ――――― 」


結衣「とりあえず?」  由比ヶ浜がゴクリと音を立て唾を飲み込む。









八幡「 ――――― とりあえず、お前のオヤジさんに会わせてもらえないか?」









結衣「 ………… へ?」



505 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:36:08.51 ID:kJTaB7og0

由比ヶ浜がLINEを使って連絡すると、すぐさま母親からのリプライが返って来たようだ。

結衣「 えっと、……… 今からなら大丈夫 ……… みたいだけど?」

どうやら由比ヶ浜母の方から父親に取り次いでくれたらしい。


しかし ―――― 、


八幡「 ……… 今からって、今、これからかよ?」 ヒクッ

いくらなんでもさすがに展開が急過ぎるだろ。ある程度覚悟をしていたとはいえ、とてもじゃないが俺の心の準備が追いつかない。

506 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:39:35.93 ID:kJTaB7og0

結衣「パパ、明日から出張だから、今日を逃すと一週間は帰ってこれないかもって ……… 」

由比ヶ浜が申し訳なさそうに付け加える。


八幡「マジかよ …… 」

どうやら一難去ってまた一難ということらしい。

それが自らの行いのせいとはいえ、超えるべきハードルは次々と数を増し、しかも、どんどん高くなっているような気さえする。

とはいえ、既に夜の帳も落ち、俺達に残された時間はあまりも少ない。のんびりと構えてもいられまい。

それに、来週では遅すぎる。

俺は地上にまで届きそうな重く深い溜息を吐くと諦めて肚を括る。

ふと目を向ければ、窓ガラスに映し出された俺の顔はげんなりと疲れ切り、その目はやはりこれ以上はないくらい腐り切っていた。


507 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:41:35.98 ID:kJTaB7og0

モノレールと電車を乗り継いで由比ヶ浜の家まで着くと、玄関口で由比ヶ浜の母親とサブレが俺達を出迎えてくれた。

由比ヶ浜母は相変わらず若々しくお姉さんといっても十分通用しそうで、まるで由比ヶ浜をそのまま成長させたような感じだった。いろんなところを。


結衣母「あら、いらっしゃーい。ヒッキーくん、ご無沙汰ぁ。随分早かったのね、デート楽しかったぁ?」

八幡「 ……… あー…、いえ、はい。ハハ …… 」 


当然のように俺の口からは乾いた笑いしか出てこない。

チラリと見ると、隣では由比ヶ浜が顔を真っ赤にして下を向いている。


何が“ゆきのんの処にお泊りするかもって、嘘ついてきちゃった”だ、このアホ娘め。最初っからバレバレじゃねぇか。

508 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:43:48.38 ID:kJTaB7og0

結衣母「お父さん、さっきからずっとリビングで待ってるわよ」

由比ヶ浜母が囁くようにそっと告げると、いきなり緊張のボルテージが最高潮まで高まる。気分はもういきなりクライマックス。

しかし、よく考えてみたら、成り行きとはいえ振ったばかりの女の子の父親に会うって、いったいどんな罰ゲームなんだよこれ。


結衣母「パーパー、ヒッキーくん、お見えになったわよー」

由比ヶ浜母の声に返事は、ない。気のせいか、リビングからは何ともいいようのない無言の圧力がひしひしと伝わってくるような気さえした。

できればその場で暇(いとま)を告げ、回れ右をしてダッシュして家に帰りたいくらい。

框(かまち)を上がると勧められるままに来客用のスリッパを履き、そのままリビングに通される。

その間もひゃんひゃん鳴きながらせわしなくサブレが俺の足に纏わりついてくるので、危なく蹴躓いてひっ転びそうになる。

509 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:46:13.84 ID:kJTaB7og0

レースの暖簾を潜ると、リビングのソファーに座す由比ヶ浜の父はビールで晩酌の最中だった。

見た感じごく普通の、落ち着いた感じのするサラリーマン風で、当然のことながらどことなく彼女の面影を窺わせるものがある。

どのような理由であれ、娘の男友達が面会を求めているのだ。可愛い娘を持つ男親としては素面(シラフ)ではいられまい。

特に由比ヶ浜はひとり娘である。それも高校生ともなれば、それこそ目の中に入れようとしても痛くて入りきらないはずだ。いやそれ当たり前だろ。

510 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:47:30.26 ID:kJTaB7og0

由比ヶ浜父はリビングに入ってくる俺をチラリと一瞥したが、さすがにあまりジロジロ見るのは失礼とでも思ったのか、すぐに目の前のコップに目を落とす。

八幡「あ …… どうも。お邪魔します」

何とか挨拶らしい言葉を口にして頭を下げると、由比ヶ浜父も黙って頷く。

緊張しているせいか明らかにそわそわしている様子なので、俺の方までどうしていいかわからず、ついそわそわしてしまう。

そんな俺のそわそわを感じ取ってさらに由比ヶ浜父も余計にそわそわしてしまうという、まさに絵に書いたような負のスパイラル。

いったい何がどう伝わっているのか知らないが、これからどうなるかは、神のみぞ知る、だ。

511 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:49:12.77 ID:kJTaB7og0

結衣母「ヒッキーくん、どうぞおかけになって」

八幡「あ、はい。失礼します」

由比ヶ浜母に促され、俺が由比ヶ浜父の正面に腰を下ろすと、


結衣&結衣母「よっこいしょーいち」


なぜか右隣に由比ヶ浜母、左隣に由比ヶ浜が俺を挟んで腰掛ける。最早心の中でツッコむ気にさえならない。

512 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:50:44.74 ID:kJTaB7og0

結衣父「 ……… ビールでいいかね?」

こちらを見もせずに、由比ヶ浜父がビール瓶を手に取る。


八幡「あ、いえ、俺、未成年ですから」

慌てて目の前で手を振ると、

なんだ、私の酒が飲めないとでもいうのかね?とでも言わんばかりに、少しだけムッとした表情になるのがわかった。


結衣母「もう、パパったら」

由比ヶ浜の母親が苦笑を浮かべると、拗ねたようにそっぽを向く。

ここで気分をが害してしまっては元も子もないだろう。


八幡「 …… あ、じゃ、じゃあ、少しだけ」



由比ヶ浜父「 ま だ 早 い っ !!!!!!」 ドンッ




………… なら最初っから勧めんなよ。

513 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:52:39.40 ID:kJTaB7og0

さて、いざテーブルを挟んで目の前に座ったはいいものの、まずは何と声をかけたらいいか、そのとっかかりからしてよくわからない。

知り合いの親と遭遇した時の身の置き所の無さはやはりちょっと異常。更にその知り合いが女の子で、しかもその父親が相手ともなれば言わずもがなだろう。

当然この場合、初対面で、いきなり“おじさん”と呼ぶのはさすがに失礼だろう。となれば、ここはやはり、


八幡「 ……… えっと、あの、由比ヶ浜さん?」


結衣&結衣母 「 はい? 」


いやいやいやいやいやいやいやいや、そうじゃないから。確かにそうだけど。

514 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:54:36.28 ID:kJTaB7og0

結衣父「遠慮はいらん。私のことだったら好きに呼びたまえ」

俺の躊躇いを察したのか、由比ヶ浜父は再び俺を一瞥し、そしてまたすぐに手にしたコップに目を戻す。

大事な娘の男友達である俺を警戒してはいるものの、恐らく根はフランクで砕けたいい人なのだろう ……… 何か恐ろしい勘違いをしていそうではあるが。

しかし、いきなり娘の男友達が面会を求めてきたのだ、この状況ではそれも致し方あるまい。

それに、言われてみれば確かに俺の方で変に意識さえしなければ、何と呼ぼうが特に問題はないのかもしれない。


八幡「それでは失礼して ……… あの、お父さん?」




結衣父「 ま だ 早 い っ !!!!!!」 ドンッ




……… うわもうやだこの家、超めんどくせえ。


515 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:58:22.32 ID:kJTaB7og0

結衣父「比企谷くん …… とか言ったかね?」

ややあって、不意に由比ヶ浜の父親の方から話を切り出してきた。


八幡「 ……… え? あ、はい。比企谷八幡、です」

結衣父「サブレの件では、うちの娘がキミには大変な迷惑をかけてしまったね」

由比ヶ浜父の言うサブレの件とは、勿論、入学式の日のあの出来事のことだろう。


八幡「や、あれは俺が勝手にしたことですし、もう済んだことですから」

結衣父「遅くなってしまったが、私からも改めてお詫びと礼を言わせてもらうよ」

そういって、いきなり深々と頭を下げられ、逆に俺の方が恐縮してしまう。


結衣父「それに、娘がキミには学校で、ひとかたならぬお世話になっているとも聞いている」

八幡「あ、いえ、そんなことありません」

結衣父「私にできることであれば、喜んで力になろう。なんなりと言ってくれたまえ」


八幡「はぁ、どうも。ありがとうございます」

俺もこれでやっと本題に移れるかと思うと、知らず安堵の溜息が出てきた。


八幡「それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます。あの、実は、由比ヶ浜 …… じゃなくて、結衣さんのことなんですけど」


結衣父「それとこれとは話は別だっ!!!!」ドンッ




……… だからまだ何も言ってねーだろ。

516 :1 [sage]:2017/04/01(土) 02:03:09.73 ID:kJTaB7og0

由比ヶ浜母のとりなしもあり、改めて話を切り出そうとしたが、よく考えてみればかなり込み入った話である。

ここにくる間も由比ヶ浜には詳しい事情は一切話していない。

場合によったら彼女自身の身に降りかかってくる可能性も危惧される問題だ。母親はともかくとして、やはり本人には直接聞かせるわけにいくまい。


八幡「あー…、スマン、由比ヶ浜。悪いけど、ちょっとだけ席外してもらっててもいいか?」


俺がそれとなく由比ヶ浜に席を外してもらうように声をかけると、


結衣「 ……… え? あ、うん」


少しだけ驚いた顔をしたが、俺の様子から何を察したのか、素直に応える。


すると、


彼女のその返事を合図に、なぜか家族三人揃って無言で立ち上がり、そのままぞろぞろと部屋から出て行き始めた。




………… だからそうじゃねぇってば。

517 :1 [sage]:2017/04/01(土) 02:03:51.21 ID:kJTaB7og0


* * * * * * * * * * * * *

518 :1 [sage]:2017/04/01(土) 02:10:19.36 ID:kJTaB7og0

要件を済ませ、由比ヶ浜父に礼を言って暇を告げると、サブレを抱いた由比ヶ浜と由比ヶ浜母が玄関まで見送ってくれた。

俺が帰ることを察してか、サブレはつぶらな瞳を俺に向け、しっぽを振りながら、くんくんと悲し気に鼻を鳴らしている。


八幡「今日は突然お邪魔してすみませんでした」

渡された靴ベラを返しながら軽く頭を下げると、


結衣母「いいのよ気にしないで。好きな時にいつでもまた遊びに来て頂戴」

由比ヶ浜母も慈愛に満ちた笑顔で応じてくれる。

父親と話をしている最中も余計な口を挿むことなく、ずっと耳を傾けていてくれていたので気持ちの上でも随分と助けになってくれた。

なんやかやで、由比ヶ浜の家の中では、やはりこの人が一番まともそうである。


八幡「ありがとうございました。じゃ、失礼します」

感謝の心を込めて再度頭を下げ、そのまま帰ろうと玄関のドアに手を掛けると、


結衣母「あ、ヒッキーくん、ちょっと待って。大事な事聞き忘れてたけど」


不意に背後から呼び止められた。

振り向くと、由比ヶ浜母は横目で娘をチラリと見ながら顔を寄せ、俺にだけ聞こえるように耳元でそっと囁く。





結衣母「 ――― ね、孫の顔が見られるのは、いつ頃になるかしら?」


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