魁! IS学園

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

260 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:46:58.63 ID:5Nfzihms0
――IS学園 地下特別区画

黒崎「」 ドサッ

山田「名前が‥‥みんなの名前が消えていく‥‥。これが答えなの‥‥? 私の求めていた――」

カタカタカタカタカタ

山田「え!?」

千冬「‥‥」

山田「‥‥ッ!! 織斑先生!! 先生、先生、先生、先生、先生先生先生せんせいせんせいせんせいせんせ」

ドサッ

端末『Shoot my heart.』
261 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:48:09.46 ID:5Nfzihms0
――地表

浮き輪を持った犬のようなモノ「‥‥!!」 ドガガガガガガガ

3年生に似た巨人「誰か…名づけよ、我が名を…断末魔の叫びからでも、哀惜の慟哭からでもなく、静かなる言葉で…誰か、我が名を呼んでくれ…」

浮き輪を持った犬のようなモノ「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAHHHHHHHH!!」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ

3年生に似た巨人「我が名は『3年生』にあらじ。我が、呼ばれたき名は…」





3年生「!!」 ガバッ

シーン...

3年生「ここは‥‥寮の部屋?」

シーン...

3年生「なぁに? 夢ぇ? あ〜気持ち悪い夢だった〜」

シーン...

3年生「いっけない、もうこんな時間じゃない!! 早く教室に行かなきゃ!!」 タタタタッ
262 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:49:12.96 ID:5Nfzihms0
――廊下

3年生「あれぇ?」






――食堂

3年生「‥‥」 モグモグ





――教室

3年生「‥‥」

シーン...

3年生「なんか、妙に静かね‥‥」

シーン...

3年生「‥‥」

シーン...

3年生「チャイムも鳴らないし先生も来ない‥‥」

シーン...

3年生「あっ、そっか! 今日は日曜日だった!! あーもう恥ずかし〜〜!!」

ザザーン...

3年生「‥‥?」

一夏「」

メカ無『』

3年生「アレって、一夏くんと会長? 何で浜辺なんかに居るんだろう?」

ザザーン...

3年生「よし!! ヒマだし今日は2人と遊ぼうかしら!! お〜い、一夏くん、会長〜!!」 ダッ

ザザーン...

真っ二つに割れた3年生に似た巨人「」 ザザーン...ザザーン...
263 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/06(月) 15:51:40.51 ID:5Nfzihms0
第8章『3年生編』終了!!
また脱線しまくってオマージュネタに走ってしまった‥‥
次からはちゃんとクロマティに戻ります
ノシ
264 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/15(水) 16:37:58.48 ID:EmWa3JJe0
IS学園 大運動会 第一種目 100m走

 セシリア・オルコット(16)。私は物心ついた頃からセレブでしたけれど、足が速い事も自慢でしたわ‥‥。
 IS学園に入学して以来、今一つ目立てませんでしたがようやく脚光を浴びる日が来ましたわ。
 足の速さならば誰にも負けない、絶対に誰にも負けませんわ‥‥誰にも――。
 ‥‥と、さっきまでは思っていましたけれど――。

メカ無(バイク形態)『ブルンブル〜ン‥‥』 ドッドッドッドッドッドッドッ

セシリア(――いくら何でも、アレは反則ではなくて‥‥?)

山田「い、位置についてぇ。よ〜〜い――」

バン

メカ無(バイク形態)『ブロォォォォォ!!』 グォォッ

九段下「ぎゃああああああああああ!!」 バキャッ

ティナ「ぐええええええっ!!」 ドコッ

キキィッ

山田「い、1位はメカ無さんです‥‥」

3年生「‥‥今、二人くらいひかれなかった‥‥?」

セシリア「当たり前ですわ!! どう見てもバイクではありませんの!! 誰か止めてくださいまし!!」
265 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/15(水) 16:39:43.67 ID:EmWa3JJe0
3年生「たしかにどう見てもバイクね‥‥。けれど、ついこの間までは制服を着て私達と一緒に授業を受けてた仲間だし‥‥ムゲに『貴女バイクじゃない』ってツッコミ入れるのはさすがに抵抗あるでしょ‥‥」

セシリア「‥‥というかメカ無さんがああなってしまったのは、先日の所属不明部隊の襲撃以来でなくて?」

3年生「そうね。あの時メカ無さんが敵の攻撃を受けて怪我をして、保健室に運び込まれて‥‥」

セシリア「その後――」

二人「‥‥」

3年生「何が起こったんだっけ‥‥?」

セシリア「私もここ数日の記憶が抜け落ちていますわ‥‥」

3年生「まあそんな事より、次の競技はさすがのメカ無ちゃんでも楽にはクリアできないでしょ」

山田「続いての競技は、走り高跳びで〜す」

セシリア「高飛び‥‥」

3年生「走るだけならあの子の独壇場だけれど‥‥高飛びとなればあの子でも手も足も出ないわね」

セシリア「‥‥手足ありませんけれど」

メカ無(バイク形態)『ブロォォォォォ!!』 グォォッ

セシリア「人間誰しも得手不得手という物がありますわ‥さあメカ無さん、先輩面していられるのも今の内ですわよ‥‥」

メカ無(バイク形態)『ブロォォォォォ!!』 ゴォォォォォォォォッ

セシリア「とべるモノならとんでごらんなさい!!」

メカ無『V/STOL機構、作動シマス』 ガシャコッ

セシリア「え」

メカ無(飛行形態)『』 キィィィィィィン

セシリア・3年生「」

箒「とんでる‥‥」

鈴「もうIS要らないじゃない!!」
266 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/02/15(水) 16:40:58.65 ID:EmWa3JJe0
買い物行ってきます
ノシ
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 16:08:02.89 ID:1ZT8ENlzO

少し目を離した隙に三年生による神話が創成されていた
何を言っているのかわからねーと(ry
メカ無さんとかバイクとかに変形するくらい普通じゃん?と思えてきた
268 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/05(日) 09:08:04.56 ID:NpFg06750
瀬名川「会長さんよ、ちょっといいか‥‥」

メカ無『なあに?』

瀬名川「こないだアタシら、バイト中にチンピラとモメちまってさ‥‥下手打ったらバイト先に迷惑かけちまいそうなんだ」

メカ無『私にどうしろっていうの‥‥?』

瀬名川「え‥‥ホラ、アンタけっこう社会的に顔が利くだろ? ナシつけてくんねーかなって――」

メカ無『瀬名川さん、権力というものはそう簡単に振りかざして良いものじゃないの。それにもうすぐ修学旅行よ。あまりモメ事は起こしたくないわ』

瀬名川「‥‥」

メカ無『助けてあげたいのはやまやまだけれど、私にだってできる事とできない事があるわ』

瀬名川「け、けどよ、お前しか頼る奴がいねーんだよ」

メカ無『瀬名川さん‥‥前から言ってると思うけれど、貴女が周りに壁を作っているからそんな事になるのよ。言うなれば自業自得よ』

瀬名川「‥‥おい、そりゃ言い過ぎじゃねえかメカ無さんよ‥‥!」 ビキッ

メカ無『もっと言ってあげましょうか‥?』 ギュィィン

九段下「よせよ、やめろ二人とも!!」

メカ無『九段下さん‥‥』

九段下「メカ無の言う通りだとアタシも思うぜ。アタシらはいつもメカ無にオンブにダッコだ。テメーのケツはテメーでふけって事だ‥‥そうだろメカ無?」

メカ無『ありがとう、九段下さん。貴女は本当に私の良き理解者よ‥‥。私は貴女を無二の親友だと思っているわ』

九段下「メカ無‥‥」

メカ無『けれど、ひとつだけ貴女に言っておきたい事があるわ……』

九段下「?」

メカ無『‥‥貴女が今私だと思って話しかけているのは自動販売機よ』

九段下「あ!!」
269 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/05(日) 09:27:37.70 ID:NpFg06750
メカ無『とにかく‥‥貴女たちは私に頼り過ぎなのよ。そんな事じゃいつまで経っても一人立ちできないわ』

瀬名川「何だよ‥エラソーな事言いやがってよ‥‥。結局会長も頼りになんねーじゃねーか」

メカ無『貴女のために言っているのよ‥‥。それがわからないのなら私は帰らせてもらうわ。言いたい事があるのなら勝手に言いなさい』

瀬名川「そうかよ!! じゃこの際言わせてもらうぜ!! お前には前から言いたい事があったんだよ!!」 ガタッ

メカ無『だからそれは私じゃないわよ!!』





――職員室

山田「外出届け‥ですか?」

メカ無『はい‥‥よろしいでしょうか』

山田「もちろんですよ! このところメカ無さんも働き詰めでしたから、少し休んでください!」

メカ無『え‥ええ。ありがとうございます――』 ガシャ、ガシャ...

山田「‥‥? せっかく外に出られるのに、何だか淋しそうな?」

黒崎「ワカーホリックなところがありましたからね、彼女。委員会の仕事が居場所みたいな物だったのに、そこから逃げ出したがっている自分を認め切れずにいる自分がいる‥‥気持ちはわかります」

山田「‥‥時々忘れてしまいそうになりますけど、メカ無さんも思春期の女の子なんですよね」

千冬(メカ無‥‥)
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 14:17:43.33 ID:fiSd6j8eo
このメカ無さんは楯無さんと比べて格段に人間が出来ていて……人間?
271 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/05(日) 15:41:40.33 ID:NpFg06750
――パチスロ屋

メカ無『よし!! クインテット・ストラトスきたッ!! 今日は稼ぐわよ‥‥!!』 チンジャラジャラジャラジャラ

モブA「おい‥アレ未成年じゃねえの?」 ザワザワ

モブB「ほっとけよ、別にチクって玉貰えるワケじゃねえんだし‥‥」 ヒソヒソ

メカ無(‥‥何やってるのかしら、私。あんな風に説教した手前、こんな姿絶対に見せられないわね)

筐体『私を狙えッ!!』 ガシャンッ

メカ無(亡国機業には何度も辛酸を舐めさせられ、無人機との戦いでも十二分に力を発揮できなかった‥‥。これじゃ17代目メカ無の名前なんて‥‥)

筐体『インフィニット・チャレンジ!!』

メカ無(‥‥もうどうでもいいわ。こうなったら堕ちる所まで堕ちてやる‥‥) ポチッ

シーン...

メカ無『あ、アレ?』 ポチッ、ポチポチッ

店員「どうかなさいましたか?」

メカ無『下のボタンを押してるのにゲームが進行しないんだけれど‥‥』

店員「申し訳ございません。今、見てみますので少々お下がりください」

メカ無『ええ‥‥』 ガシャン

店員「うーん‥‥どうやら配線の接触が悪いようでして……」 ガチャガチャ

メカ無『――いやそれ私なんですけど!?』

モブC「あれ‥‥玉出ないぞ‥‥」 コン、コン

メカ無『パッキーカードを押し付けないで!!』
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 20:16:43.64 ID:fiSd6j8eo
未成年って分かるんだ……
273 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/22(水) 19:19:27.49 ID:TKE4U3I90
店員「困ったなあ‥‥ちょっとバイトくん、手伝ってくれないかな」

一夏「はい!」

メカ無『い、一夏くん!?』

一夏「へ、メカ無さん!?」

店員「え? 何、君たち知り合い?」

メカ無『ち、ちょっとこっちに来なさい!!』 グイッ

一夏「え、あ‥ちょっと!?」

店員「お客さん! 玉〜!!」





――アーケード街

一夏「――いやあ、寮で衣食住は賄ってるし学費も無償なんですけど、やっぱり千冬姉の給料の足しになれればなあって思って‥‥」

メカ無『だからってパチンコ店のアルバイトなんてしてたらダメじゃない!! どんだけブラックなのあの店!?』

一夏「そういうメカ無さんこそ、何であんなお店にいたんですか?」

メカ無『うっ』

二人「‥‥」

メカ無『と、とにかく! あんな所に2人揃って居たなんて学校中に知られたら、私達停学どころじゃ済まないわよ』

一夏「そうですね‥‥特に千冬姉にバレた日にはどんな目に遭わされるか‥‥」

メカ無『何とか上手く誤魔化せないものかしら』

一夏「う〜ん‥‥あ!」

メカ無『何か良いアイデアでも思いついたの!?』

一夏「はい! 俺はともかく、メカ無さんがあそこに居た言い訳なら成り立ちそうな気がします」

メカ無『ならさっそく実行しましょう。どうすればいいの?』

一夏「デートしましょう!」

メカ無『』
274 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/22(水) 20:24:44.03 ID:TKE4U3I90
危うく1ヶ月空けそうになったので更新がてら消化報告
・第1章「入学編」
#1 不良上等
#2 ワル自慢だよ人生は
#4 ファイトクラブ

・第2章「EU襲来編」
#7 ラヴァー・ボーイ
#11 ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル
#13 野望の帝国
#14 帝国の逆襲
#15 北斗暗殺計画

・第3章「臨海学校編」
#8 センチメンタル・バス

・第4章「夏休み編」
#22 キラー・クイーン
#23 前田最良の日
#41 We are the world

・第5章「学園祭編」
#17 未来世紀クロマティ
#18 ブレード・ランナーズ・ハイ
#25 会議は踊るよどこまでも
#187 Father's Little Helper
#EX ヒーロー☆伝説ニャンざぶろう(ハチミツとクローバーより)
#5 明日に向かってパシれ
#137 SPANISH BOMB
#138 RADIO MAGIC
#20 ロスト・イン・クロマティ

・第6章「キャノン・ボール・ファスト編(誤字ってレベルじゃなかったよ‥‥)」
#33 スカイ・ハイ
#34 LIVING IN AMERIKA(原文ママ)

・第7章「ヒーロー編」
#90 TWISTED BROTHER
#91 TOYS IN 前田家
#99 Beat It

・新章「学園襲撃編」
#102 ZOO STATION
#26 You know my name
#? ELEVATOR ACTION(HELLSINGより)
#47 日本男児 in N.Y.
#? 世界の中心(鋼の錬金術師より)
#? うしおととらの縁(うしおととらより)
#? まごころを君に(新世紀エヴァンゲリオンより)

・第9章「大運動会編」←今ここ
#56 RUN RUN RUN
#52 Born to be wild

乞うご期待
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/23(木) 13:03:02.16 ID:AoUXAN3IO

デート……デート?
276 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 19:17:25.65 ID:lnM+MSE60
メカ無『ねえ、一夏くん‥‥。貴方パソコン持ってるんでしょう?』

一夏「‥‥は‥‥はい‥‥」

メカ無『学園で貴方が一番パソコンに詳しいって言うから‥‥貴方に一から手取り足取り教えてほしくって‥‥♪』

一夏「は‥‥‥‥‥はい‥‥」

メカ無『‥‥ちょっと一夏くん、ボ──ッとし過ぎ!! 一緒に選んでくれなくちゃデートにならないじゃない!!』

一夏「え‥‥あ‥いや、すみません」

メカ無『もう‥‥これが最善の解決策だっていうからここに来たのに‥‥』

一夏(そうだ‥‥俺はともかくメカ無さんなら何となくあのパチンコ店に居ても筐体だと思われるだろうし──実際思われてたし──、店に専門の修理を頼まれてここに持ち込んだと言えばメカ無さんへの追求は免れる!! ‥‥ハズだ。自分でも何考えてるか分かんないけれど)

メカ無『ちゃんとお願いね? なにしろ私、パソコンにさわった事もないんだから』

一夏「ええっ!?」
277 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 19:18:29.29 ID:lnM+MSE60
一夏(『パソコンにさわった事がない』!? それはある意味『IS操縦者が一次移行も済ませていない』というのに等しいんじゃないのか!? ‥‥というより今さらこんな事言うのもなんだけれど、彼女は一体何者なんだ!?)

ジャージ「やっぱこの寸胴良いよな‥‥チェンゲ最高」

ヤブ「はぁ? この青みは鉄人だろjk」

ヒ○コー「アレ? これゴッドスクランダーどこよ? 別売り?」

メカ無『ちょ、ちょっと‥‥』 タジ...

一夏「それは売り物じゃありません!!」

ヒ○コー「うおっ!!」

メカ無『一夏くん!!』

一夏「おっさん、アレはDX超合金でもなければリボルテックでもありません。‥‥おとなしく帰ってください‥‥」

ヒ○コー・ジャージ・ヤブ「お、おう‥‥」

メカ無『‥‥何だったのかしら、あのデブとジャージとチョンマゲ?』

一夏「き、気にする事ありませんよ‥‥。たぶん何かの間違いですから‥‥」
278 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 19:19:29.46 ID:lnM+MSE60
 ふ〜〜、あぶないあぶない‥‥。
 メカ無さんと行動を共にするのは凄く緊張感がある‥‥。
 そもそもあの人と電気店に来るというのはある意味最も危険な行為じゃないか‥‥。

メカ無『どれにしようかしら‥‥』

 ‥‥て言うか、別にオレもそんなにアセる事ないよな‥‥。
 考えてみりゃあの人は値札つけてここに並んでてもおかしくない‥‥。

メカ無『ねえ一夏くん。この数字の横についてる『TB』って何かしら? なんだか数字が多い程値段も高いんだけれど‥‥』

 いや‥‥違う!!
 彼女はれっきとした人間なんだ!! 何だかそんな気がしてきた‥‥!!
 今メカ無さんをかばってやれるのはオレしかいない!!
 何かそういう使命感が湧いてきたぞ!!

メカ無『この回線‥‥速度? これが速いと何がお得なのかしら‥‥』

 そうだ、あの人は同じ仲間じゃないか!!
 常識と友情ならあえて友情を取る!!

メカ無『あら‥‥? 何か背中がかゆいわね‥‥。一夏くん、ちょっと背中をかいてくれないかしら♪』

一夏「…………」

 ──以前なら「んなワケねーだろ」ってツッコんでるところだけれど、もうそんなツッコミは入れない!!
 この人は本当に背中がかゆいだけなんだ‥‥。

一夏「こ‥‥この辺ですか?」

メカ無『ん〜〜♪ もうちょっと下かしら‥‥♪』

一夏「はい。‥‥!?」

メカ無『どうしたの?』

一夏(こ‥後頭部にスイッチがついてる!!)

メカ無『何? どうしたのよ?』

一夏(‥‥‥‥‥‥‥‥押してみたい──)
279 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 19:20:26.45 ID:lnM+MSE60
 これはある種、他人のカサブタを見て「はがしてみたい」と思う心理に似ている。
 ‥‥けれど、断りもなく他人のカサブタをはがすのはとても失礼な事だ‥‥。
 それと同じで彼女に無断でこのスイッチを押すのはいけない事だ──。

メカ無『ねえ、ホントに何!? 虫!? 虫なの!?』

 けど押してぇ〜〜!!

メカ無『ヤダヤダヤダ!! 私、機械も苦手だけれど虫もダメなのよ!! 早く取ってちょうだい!!』 ガシャバタガシャバタ

 いや、待て!!
 そんな事どうでもいい‥‥落ち着いて平常心を取り戻すんだ‥‥。
 メカ無さんの頭にスイッチがついてるからといって、それが何だっていうんだ!!

メカ『嫌嫌嫌ァァァァッ!! 一夏くん気づいてるんでしょう!? 意地悪しないで早く取ってェェェェ!!』 ガッシャンバッタンガッシャンバッタン

 ‥‥ひょっとしたらオレが気づいてないだけで、オレの頭にもスイッチぐらいついているかもしれないだろ!!
 世界は広い、そういう人も三人くらいはいるに決まってる!!

メカ無『イヤァァァァァァァァッ!!』 ガシャンッ

ポトッ

一夏「あれ‥‥メカ無さん、何か落ちましたよ」

メカ無『えっ。ウソ、取れた!? あーよかった〜〜!』 ヘナヘナ...

一夏「!?」

メカ無「えっ、今度は何!?」

一夏(バネ!?)
280 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 19:21:07.98 ID:lnM+MSE60
 まずい‥‥!! オレとメカ無さんの友情がゆらぎ始めてきたぞ!!
 いくらなんでもバネは‥‥。

ピピピッ、ピピピッ

メカ無『‥‥? 秘匿回線! このアドレスは‥‥』

 いや!! 落ち着け!! 世の中は広い!!
 バネがついている人間くらいいくらでもいる!!
 現にセシリアの側頭部にデカいのが二つついてるだろ!!
 こんな事でメカ無さんとの友情は壊れない!!





──寮
セシリア「‥‥クシュンッ!!」

ルームメイト「大丈夫? 花粉症?」

セシリア「大丈夫ですわ‥‥。って言うか花粉症は春ですわ。今は秋ですわよ?」
281 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 19:21:46.69 ID:lnM+MSE60
一夏「メカ無さん‥‥。たとえまわりがどう思おうと、オレはメカ無さんを人間だと思っています‥‥」

メカ無「」

一夏「そりゃ、オレも貴女の事を誤解した時もありました‥‥。だけれど、それは過去の事です‥‥」

メカ無「」

一夏「今では貴女が親友のように思えてきたくらいですよ‥‥。そう‥貴女は人間です──」

店員「あの‥‥お客さん」

一夏「はい?」

店員「それ洗濯機なんですけれど‥‥」

洗濯機「」

一夏「」

作業員「はぁい、搬出準備できましたぁ!」

店員「わかりました。お願いします」

作業員「では行ってきまぁす」 ブロロォ

メカ無『‥‥』 ガタンガタン

一夏「ああっ、出荷されてる!!」
282 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 19:22:32.59 ID:lnM+MSE60
──在日米軍基地 港湾部

米軍兵「オーライ、オーライ」

士官A「‥‥しかし凄い量の荷物だな。こんなに積みきれるのか?」

士官B「余計な心配すんなよ。みんなあの最新型強襲揚陸艦『アルジェント』が何事もなく掻っ攫っちまうさ」

士官A「しっかし、何だって上はこんな時期にその新型空母をこの横須賀に寄越したんだ? あんなデカブツが寄港してたら大騒ぎだろ」

士官B「その上層部がジャップのお偉いさんに圧力かけて黙らせてんだと。全く、ホワイトハウス様々だな」

士官A「‥‥それって要は俺達にも黙れって言ってるって事だよな」

イーリス「そういうこった。無駄な詮索はやめて下士官とっととは持ち場に戻りな」

士官A「な‥‥イーリス・コーリング特務大尉殿!?」 シャキッ

士官B「もう、お身体はよろしいので‥‥!?」 シャキキッ

イーリス「おう! この通りピンピンしてるぜ。ナタルも呼ぼうか?」

士官A「い、いえ‥‥ご勘弁を‥‥」

イーリス「ハハハッ! 冗談に決まってんだろ。そら、鬼軍曹にシゴかれたくなきゃさっさと戻んな」

士官A・B「イ、イエス・マム!!」 ザッザッザッザッザッ

イーリス(‥‥しかしまぁ、士官どもの言う事もモットモだ。何だってアタシら『イレイズド』を駆り出してまでこの艦をここに泊めてる?)

検問「スタァップ、ハヴユゥライセンス?」

イーリス(運び込まれてる荷物も荷物だ。表向きは『E.O.S.用の電装品の調達』っつー話だが、どうもキナ臭い匂いがしてならねぇ)

検問「‥‥オケェイ、ゴォゥアウェェイ」 ブロロォ

イーリス(何事もなけりゃ、良いんだけどな‥‥)

メカ無『‥‥』 ガタンガタン

イーリス「」

メカ無『‥‥』 ガタガタガタン...

イーリス(‥‥どっかで見なかったか?)
283 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 19:24:59.96 ID:lnM+MSE60
買い物行ってきま
いつ帰るかは不明
みんなも季節の変わり目だから花粉症や風邪には気をつけような
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/23(木) 19:53:30.10 ID:AoUXAN3IO

風邪が長引くなと思ったら花粉症だった……あると思います
285 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 22:31:28.17 ID:lnM+MSE60
──1時間後、沖合

スコール「──以上が、我が組織が得た英国の動向です。如何でしょうか、大佐?」

大佐「素晴らしい。流石は亡国機業、『国崩しを織り成す者』と言うだけはある」

スコール「お褒めに預かり光栄です。では、品物は‥‥」

大佐「ああ。大した事のないガラクタばかりだが、君の言う『魔法使い』が居れば全く段違いの代物に変わるのだろう?」

スコール「ええ。それも原初の魔法を扱う、飛び切りの‥‥」

大佐「しかし‥‥まさか『エクスカリバー』とはな。核抑止時代の遺物を持ち出すとは、向こうも相当焦っていると見える」

スコール「弾道兵器技術に疎かった欧州連合がこの10年で世界の覇者に成り代わった今、連合離脱を断行した英国は自前のノウハウを活かして次代の王国へと返り咲かんとしている‥‥。貴方がた米国もそのクチでしょう?」

大佐「ハッ、VHS全盛時代にレーザーディスクを買うような連中と一緒にされてはかなわんね。我々はもっと賢い手段で世界を取る」

スコール「無人IS技術‥‥ですか」

大佐「RQ-1『プレデター』‥‥アレは我が国が誇る最高の発明品だよ。人が血を見る時代は終わりつつある。次なる戦争は、機械同士が勝手に潰し合えば良い」

スコール「‥‥」

大佐「その為に是非とも、無人IS開発の協力を取り付けてくれたまえ」 ギュゥ...

スコール「‥‥はい、勿論」 ニコリ

ナターシャ「‥‥」





──密会所外部 『アルジェント』通路

メカ無(‥‥これで決まりね。米国は亡国機業とグルだった。国際テロ組織と特務部隊が癒着して世界経済を牛耳ろうとしていたという情報は入っていたけれど、まさかここまで根深いなんて‥‥) ガサゴソ

兵士A「おい、何だあの箱?」

メカ無(!!)

兵士B「ちょっと見てこい」

兵士A「ああ」 カッカッカッカッ

メカ無(‥‥)

兵士A「よっ‥こら‥‥」 ガタッ

メカ無『』 ゴロン

兵士A「‥‥」

メカ無『‥‥』

兵士A「なんだ、備品か」 ガポッ

メカ無(‥‥) ホッ

兵士B「異常なしか。次、行くぞ」

兵士A「ああ。‥‥しかし何であんな所に備品が置いてあるんだ?」 スタスタスタ...

メカ無(‥‥何とか撒いたわね。次は──)

ガタッ

メカ無『!!』 ギュイィィィィィン

一夏「わあっ!! こんな所で何してるんですか、メカ無さん!?」

メカ無『』
286 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 22:33:21.04 ID:lnM+MSE60
一夏「とにかく、そんな危ないモノしまってくださいよ! 怪我したらどうするんですか!!」

メカ無『一夏くん!? どうしてここに居るの!?』

一夏「‥‥!! メカ無さん、こっち!!」 グイッ

メカ無『!?』 ダッダッダッ

イーリス「‥‥ん〜〜? この辺で声が聞こえた気がしたんだけどなぁ」 スタスタ

一夏(ッ‥‥)

メカ無(‥‥!!)

イーリス「‥‥気のせいか」 スタスタスタ...

一夏「──ふぅ、行ってくれましたね。一時はどうなるかと‥‥」

メカ無『一夏くん、貴方その格好‥‥』

一夏「へ? ああ、これですか。なにしろずっと泳いできたもんで」 ビチャビチャ

メカ無『泳いで‥‥って、陸からこの距離をずっと!?』

一夏「んなワケないじゃないですか。 この艦が離れ始めたところをササッと‥‥ヘブシッ!!」

メカ無『なんて無茶な事を!! どうしてそこまで‥‥!!』

一夏「だって‥‥助けたかったから」

メカ無『』

一夏「このままヘタしたらどこの国かわからない所に連れて行かれるかもしれないってのに、放っておけないじゃないですか」

メカ無『貴方は‥‥もう、本当にバカ』

一夏「さ‥帰りましょう、メカ無さん」

メカ無『‥‥ごめんなさい。私はまだ帰れないわ』

一夏「へ?」

メカ無『いいえ、運が悪ければ二度と貴方達と会えないかもしれない』

一夏「な‥‥どういう事ですか、メカ無さん!?」

メカ無『‥‥かいつまんで状況を話すわ。場所を変えましょう』

一夏「え‥‥はい!」 タタタッ

イーリス「‥‥」
287 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/23(木) 22:37:00.01 ID:lnM+MSE60
2点リーダが多い‥‥
書き溜め開始
こっから糞つまんないにわかミリタリと他作品パロディとテコ入れ入ります
閲覧注意
288 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/24(金) 01:04:18.73 ID:KG1JXB5x0
──強襲揚陸艦「アルジェント」 ボイラー室

一夏「‥‥敵の組織とアメリカの特殊部隊が結託!? 何でそんな──」

メカ無『まだ断片的な解釈だけれど、あの部屋に居たであろう将校は核抑止時代からの米軍の重鎮よ。彼の狙いはおそらく、合衆国を再び世界のトップに押し上げる事』

一夏「そんな無茶苦茶な‥‥」

メカ無『ここ10年で世界のパワーバランスは大きく変わり‥‥いいえ、大きく狂い始めたわ。世界一の核保有国だった合衆国は『白騎士事件』によって多くの弾道兵器を失い、その信用も失墜したわ。他の核保有国も同じように被害を被ったけれど、一番の痛手を負ったのは米国だった』

一夏「その為に次に手を出したのが、無人機技術だった‥‥?」

メカ無『再び列強ヨーロッパ時代を獲得した欧州連合に勝つ為に、米軍は自国を滅ぼしたISの無人化研究に着手したわ。けれど、その全てが徒労に終わった』

一夏「滅んだって‥‥まだアメリカはピンピンしてるじゃないですか!! 現に学園だって、あの国の圧力があってできたんでしょう!?」

メカ無『一夏くん。IS学園の設立は確かに米国の要請あってのモノだったけれど、彼らはIS開発に勤しむ欧州連合のメッセンジャーに過ぎなかったの。IS運用協定をアラスカで締結させたのは彼らがロケーションを用意したからだけれど、実際に事を有利に進める事ができたのはユーロの首脳陣だけ。ISに関わる技術を持った国家という意味では、米国は最早瓦解寸前なのよ』

一夏「だからって、その為に悪の秘密結社と手を組むっていうんですか!?」

メカ無『‥‥こんな話を知ってる? ある企業は政府との軍産複合体を形成して、巨万の富を得ていたわ。けれど、もはや敵の居ない政府に新たな兵器は必要ない。仮想敵国相手に従来の兵器で延々と訓練を続け、太平の世の中軍縮を続けていくの』

一夏「それじゃあ、会社は需要を失くしていつか捨てられるかもですよね。シャルの会社が良い例だ」

メカ無『そんな企業が、自社を延命させる為に何をしたと思う?』

一夏「え‥‥」

メカ無『反政府組織を支援して武器を売りつけたのよ』

一夏「」
289 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/24(金) 01:05:23.00 ID:KG1JXB5x0
メカ無『企業はある程度の水準を持った兵器を敵に売りつけ、今度は政府にその兵器に勝てる兵器を売りつけるの。あとは延々とイタチごっこを繰り返して、どちらかが音をあげるまで“商売”を続ける。自分達が作った物だもの、突け入る欠点なんて熟知してるわ』

一夏「そんな‥‥バレたら一巻の終わりじゃないですか!!」

メカ無『それはどちらも同じ事よ。例えば政府が企業に条約で禁止されている武器の製造を依頼するわ。それを一度でもすれば、企業にとっては最高の脅迫材料になる。敵も同じ。誰も企業に口出しできなくなる』

一夏「‥‥ちなみにその企業や政府って、モデルがあるんですか?」

メカ無『挙げればキリがないわよ。尤も、ほとんど好き者がでっち上げた都市伝説みたいな扱いでしょうけれどね』

一夏「‥‥」

メカ無『私が思うに、亡国機業は複数の国家を母体に持つ試作兵器の実験部隊よ。戦争を起こしたいとまでは思わないまでも、自国の軍事力を高める為に都合の良いテロ組織を捏造して兵器の性能をテストさせる。場合によっては複数の国家で共通の敵を潰すという美談も作れるからね』

一夏「そうなる事をわかってて、敵も国とつるんでる?」

メカ無『言ったでしょう? 脅迫のネタがあるのよ』

一夏「‥‥」

メカ無『話を戻すわ。米国の無人IS開発はそのどれもが水の泡になった。かつての大国の復権を見失う寸前、彼らは大いなる光明を見出したのよ』

一夏「大いなる、光明‥‥」

メカ無『それは今でも、私達の学園でのんびり暮らしているわ』

一夏「」 ジィィィィィィィィッ

メカ無『何で私を見るの?』

一夏「え、違うんですか?」

メカ無『根拠が見えないけれど全然違うわ。もっと身近にそれらしい子がいるでしょう?』

一夏「‥‥あっ!!」

メカ無『そう、全て始まりに繋がるのよ』

一夏「ゴレ美達‥‥!?」
290 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/24(金) 01:06:41.10 ID:KG1JXB5x0
メカ無『学園は緘口令を敷いたけれど、どうやらそれも筒抜けだったみたいね。先日の所属不明部隊も、恐らく彼女達を狙った米軍の命令よ』

一夏「‥‥根拠は?」

メカ無『この弾丸。私のお腹に残っていた物だけれどね、調べた結果この口径の弾丸を使う軍事組織は限られていて、しかもこれは燃焼薬莢式の最新モデル。これを使う組織はもっと絞られてきて、行き着いた国はひとつだった』

一夏「だったら、すぐにIS委員会に告発して部隊を摘発すれば‥‥」

メカ無『ゴレ美ちゃんやゴレ奈ちゃんをモルモットに差し出す事になるわ。できる?』

一夏「う‥‥」

メカ無『彼女達は現行のIS技術を遥かに超越したオーパーツよ。もし彼女達が委員会の手に渡ったら、最悪ネジ一本に至るまで解剖されてその技術は全世界に拡散される。ただ単純に友達を喪うだけじゃない。あの時学園で起こった悪夢が世界中で引き起こされるわ』

一夏「どうするんですか」

メカ無『そうならない為に、別の脅迫ネタでこの部隊を摘発するわ。幸い今は亡国機業と取り引きをしている。これは各国にとって共通の商売相手であり暗黙の了解だけれど、出し抜きたい国家としては一時的に制裁対象にしてくれるかもしれない。そうなれば少しの間だけれど米国の暴走を止められるかもしれない』

一夏「メカ無さん」

メカ無『なあに?』

一夏「貴女は一体何者なんですか」

メカ無『‥‥』
291 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/24(金) 01:08:16.35 ID:KG1JXB5x0
一夏「国やテロの内情を訳知り顔で口にして、冷静な表情で恐ろしい事を考えて、こんなの普通じゃない。メカ無さんはなんなんですか」

メカ無『‥‥更識家はね、代々日本の国防を影で支えてきたカウンタースパイの一族なのよ』

一夏「‥‥」

メカ無『ある時は東京への原爆投下を未然に防ぎ、ある時は国内での9月11日を予見し回避した。私はその17代目を継いだ次期当主。今度は私がこの国を守らなきゃいけない』

一夏「たった独りで、ですか」

メカ無『一人じゃないわ。布仏家も私達更識家のオブザーバーを務める一族よ。彼女達が拾った情報を頼りに私達一族は』

一夏「独りで戦わないでくださいよ!!」

メカ無『!?』

一夏「何が国防だよ、くそったれ‥‥。こんなちっぽけな背中にどれだけの物を背負わせてるんだ‥‥」

メカ無『一夏、くん‥‥?』

一夏「そんなの認めない。そんなの、まるで人間じゃないみたいじゃないですか!!」

メカ無『‥‥そうよ。私達は国を護る為の装置だもの』

一夏「──ッ!!」 パシッ

メカ無『ッ!?』

一夏「オレが人を殴るのは、これで二度目です」

メカ無『一夏く──』

一夏「横暴に聞こえるかもしれないけれど、大切な人にだからこそオレは殴るんです」

メカ無『!!』

一夏「だから帰りましょう、メカ無さん!! 俺は親友の貴女を、たかが国なんかの為に死なせたくない!!」

メカ無『一夏‥‥くん──』

ヒュッ

メカ無『ッ!? 危ない!!』 ガバッ

一夏「!?」 ドサッ

カッ

一夏「ナ、ナイフ!?」

イーリス「良い話じゃねえかよ。ロマンチックで泣けてきたぜ」

メカ無『‥‥!! 『イレイズド』のイーリス・コーリング!!』

イーリス「アクビを噛み殺した所で宣言するぜ。お前達はみんなの所には帰れない」 チャキッ

メカ無『くっ‥‥!!』 ギュィィィィィン

一夏「行ってください、メカ無さん!!」

メカ無『ッ!? 一夏くん──』

一夏「勝てると思う程には自惚れてません。けれど、貴女を生かす自信ぐらいはあります!!」

メカ無『なんで‥‥!!』

一夏「聞く暇あったら生きてくれよ!!」 キィィィィンッ

メカ無『!!』

イーリス「へぇ、それが『白式』ってやつか。イカスじゃねえか。上が欲しがるワケだぜ」 ヴゥゥン

一夏「来るなら来い!!」 ジャキン

イーリス「お前にゃ用はねぇ!!」 キィィィィィンッ

メカ無『一夏くん!!』

一夏「ここから‥‥」 ドヒャウッ

イーリス「ッ!!」

一夏「でていけぇぇぇぇぇぇぇっ!!」 ドガァァァァァァァッ

メカ無『‥‥ッ!!』 ダッ
292 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/24(金) 01:09:47.57 ID:KG1JXB5x0
──「アルジェント」 データベース

メカ無『‥‥着いたわ。ここがこの艦のデータベース‥‥』

端末『Entry Passcode』

メカ無(‥‥一夏くんには悪いけれど、ここで最低限のデータを吸い上げる!) カタカタカタカタッ

端末『Wait......Complete』

メカ無(けれど、何故かしら‥‥。裏切り・騙撃なんて朝飯前なのに──) カタカタカタッ

端末『Serching...』

メカ無(こんなに胸が痛むのは‥‥何故なの?) タンッ

端末『No Data』 ビーッ

メカ無『!?』

端末『No Data』

メカ無(どうして!? 確かにスコールはかつて従軍していたはず‥‥!!)

端末『Serching...』

メカ無(‥‥)

端末『Her Dead』

メカ無『』

端末『Dead』

メカ無(死んだ‥‥!? だって彼女は現に‥‥)

端末『Die』

メカ無『!?』

端末『DieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDieDie』

メカ無『何なの‥‥!?』

端末『Die Everyone.』

メカ無『“みんな死んじゃえ”‥‥!?』

ズドォォォォォォォン

メカ無『!?』

アナウンス『第5エンジンルームで火災発生!! 航行の維持に支障あり!!』

メカ無『システムトラップ‥‥!? この艦もろとも消す気!?』

スコール「その通りよ、更識の狗」

メカ無『ッ!! 貴女は!!』

スコール「消えなさい」

ズドォォォォォォン
293 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/24(金) 01:10:45.33 ID:KG1JXB5x0
ドヒャウッ

メカ無(くっ、誤算だった!! まさか新鋭艦のシステムまで掌握していたなんて)

ズズズズズズズズ...

メカ無(艦が沈んでいく‥‥、一夏くんは!?)

一夏「食らえッ、『月穿』!!」 ビュィィィィィィィッ

メカ無(よかった!! まだ無事だったのね‥‥!!)

イーリス「ちげーよ、ネオ・ジオングのメガ粒子砲はここから始まってだな‥‥」

一夏「違いますよ、アレはネオジオンの紋章の軌跡を描いてるんですよ。イーリスさんのメチャクチャじゃないですか」

メカ無『』

大佐「コーリング特務大尉ィィィ!! てめっ艦が沈みそうだってのに何やってんだァァ!! ジュニアハイスクールの休み時間かァァ!!」

イーリス「大佐、昔OVAでやってたガンダムU.C.の技! アレこうですよね?」

一夏「大佐!! ガツンと言ってあげてください、やっぱりこの人バカです!!」

イーリス「んだとぉ!?」

大佐「二人ともバカだろーが!! ちなみにアレはジオン公国の国旗だ! アニメ全部劇場で見てた!」

メカ無(ホントに何してるのあの人たち!?)
294 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/03/24(金) 01:14:16.95 ID:KG1JXB5x0
今夜はここまで
明日できたら更新すr
         _,,..,,,,_ . _
        ./ ,' 3 /   ヽ--、
        l   /        ヽ、
       /`'ー/_____/
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄       スヤァ...
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/25(土) 01:17:41.22 ID:IU0q0NIKo

一番のオーパーツはメカ無さんじゃねとか自分の外見的特徴便利に使ってるなメカ無さんとか言おうと思ったけど最後のとこ見てゲーセンでEXVSでもやって友情にヒビ入れてればいいんじゃないかなコイツらという感想に落ち着いてしまった
296 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/04/12(水) 21:55:45.26 ID:gR+sA8/10
大佐「くっ! かくなるうえはデータだけでも回収して‥‥!!」

ナターシャ「こちらにあります、大佐」

大佐「おお、でかしたナターシャ・ファイルス特務大尉!! では早く脱出を‥‥」

ナターシャ「‥‥」 ジャコッ

大佐「な、何を‥‥!?」

ナターシャ「貴方の愛国心には敬意を表します、大佐。しかし、テロリストとの迎合には賛同しかねます」

大佐「貴様‥‥!!」

ナターシャ「イレイズド特務大尉として、テロリズム幇助の現行犯で貴方を拘束します」

イーリス「ったく、遅えんだよナタル!!」

一夏「これって‥‥一体‥‥!?」

イーリス「悪ぃなボウズ、茶番に付き合わせちまってよ」

一夏「え‥‥!?」

イーリス「アタシらはあの狸親父に網張っててな、おかげで捕まえる事ができそうだぜ」

一夏「芝居だったんですか!? じゃあ、ガンダムが好きなのは──」

イーリス「いや、それはホントに好き」

一夏「あ、そうですか」
297 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/04/12(水) 21:57:15.04 ID:gR+sA8/10
イーリス「ムカつく事に荷物は全部回収されちまったが‥‥敵のアタマ押さえりゃお釣りがくるさ」

一夏「アタマ‥‥?」

イーリス「そら来るぜ、今回のラスボスがよぉ!!」

ドガァァァン

一夏「ふ、艦から何かが出て──!?」

イーリス「おいおい、コイツはエラいのが出てきたな‥‥!!」

ナターシャ「アレは‥‥!!」

大佐「金色の装甲、陽光の輝き、『ゴールデン・ドーン』‥‥!!」

一夏「じゃあ、アイツが!!」

イーリス「そうよ。コイツが今回の主犯、『土砂降りのスコール・ミューゼル』だ!!」

スコール「‥‥」
298 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/04/12(水) 21:59:07.52 ID:gR+sA8/10
一夏「くぅ、眩しい‥‥!! 何の光だ?」

イーリス「第3世代ISで研究中の分子構造変換武装のテスト機体、その初期ロットだ‥‥」

一夏「分子構造を変換!? それって、銀の福音が使ってた光子榴弾みたいな──」

イーリス「そんな可愛いもんじゃねえさ‥‥そもそも分子構造変換武装自体、失われた核抑止神話を蘇らせる為に造られたようなもんだからな」

一夏「そ、それって‥‥まさか核融g」

スコール「特務部隊としては喋り過ぎじゃないかしら、イーリス・コーリング特務大尉?」

イーリス「!!」

スコール「秘密結社としての立場から言えば、失格よ」 メラァッ

イーリス「チィッ!! おいボウズ、てめえの身はてめえで守んな!!」 ビュゥッ

一夏「えっ、イーリスさん!?」

スコール「『ソリッド・フレア』!!」 ボォォァッ

一夏「ぐぁっ!!」 ドォォォッ

大佐「な、私まで‥‥!!」

ナターシャ「伏せてください!!」 ガバッ

大佐「!?」

イーリス「ナタルッ!! ぐぅっ!!」 バシュゥゥゥ

ナターシャ「イーリ!!」

イーリス「‥‥へっ、こんなもん屁でもねえ。それより何でそんな狸親父まで‥‥」

大佐「大尉‥‥なぜ?」

ナターシャ「‥‥別に貴方のような醜男にときめいたワケではありません。ただ、同じ祖国を守ろうとした愛国者として、然るべき裁きを受けてほしいだけです」

大佐「‥‥」

イーリス「ナタル‥‥」

大佐「‥‥フン、醜男は余計だ。その甘さもな」

イーリス「てめえ‥‥!!」

大佐「だがどうするつもりだ? 裁きも何も、アレの火力を凌げればの話だろう」

ナターシャ「彼らに委ねます」

イーリス「は!? おい、正気かナタル!!」

大佐「織斑一夏のシールドバリア無効化攻撃、そして‥‥」

メカ無『‥‥』

大佐「更識の奥の手か。だが分の悪い賭けだぞ」

ナターシャ「今揃っている手札としては、ベットを賭けるに値する戦力です」

大佐「前にもそう言ってカジノで無一文になったのは誰だったか‥‥」

イーリス「そうだぜ!! アタシだってまだ戦える、個別連続瞬時加速(リボルバー・イグニッション・ブースト)を使えば──」

ナターシャ「万全での成功率が40%を切っているうえ、さっきの攻撃でスラスターを故障しているその機体でどうやって?」

イーリス「ッ!! お前‥‥」

ナターシャ「信じるのよ‥‥かつてあの子の翼を手折った彼らの力を!」
299 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/04/12(水) 22:01:05.15 ID:gR+sA8/10
一夏(くっ‥‥セシリアの攻撃を防ぎきった『霞衣』を削り切るなんて‥‥!!)

スコール「どうかしら? 小さな太陽のお味は」

一夏(アレでこの威力なら本気で来られたら‥‥!!)

メカ無『一夏くん!!』 ビュゥッ

一夏「メカ無さん!! 敵が、亡国機業のISが!!」

メカ無『落ち着いて!! 敵は単機。しかも当面の目的を果たしている以上、彼女も長期戦を望んでいないはずよ』

一夏「でも、それじゃアイツを取り逃がしちゃうんじゃ‥‥」

メカ無『それでいいわ。勝つ事よりも生き残る事が先決よ!!』

一夏「けど‥‥!!」

スコール「少し、勘違いをしているわね」

一夏・メカ無「!?」

スコール「長期戦を望んでいない、という部分は正解よ、模範解答だわ。けれど‥‥」

メカ無『ッ!! 一夏くん退って!!』

スコール「逃げるというのも正解よ。ただ、貴方達は決して生き残れないわ」 ゴォォォォォッ

一夏「で、デカい!! さっきの比じゃない!!」

メカ無『一夏くん、早く!!』

スコール「遅いわぁ♪」 ズァッ

ドカァァァァァァァッ
300 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/04/12(水) 22:01:40.21 ID:gR+sA8/10
一夏「ぐああぁぁぁ‥‥あれ? 熱くない‥‥?」

メカ無『間に合ったわね‥‥』

一夏「ッ!? これは‥‥」

イーリス「馬鹿デカい‥‥水球?」

スコール「アクア・クリスタルの液体制御ナノマシン‥‥! 地の利を活かしたつもりかしら?」

一夏(でも、いつもの水のヴェールとは比べ物にならない体積じゃないか‥‥! 一体どうやって‥‥!?)

メカ無『‥‥一夏くん、これが最後のチャンスよ』

一夏「え?」

メカ無『今のうちに逃げなさい‥‥! できるだけ遠くへ‥‥!!』 ジジーガガガッピー

一夏「メカ無さん!? 顔色が悪くなって──」

スコール「オーバーロード、かしら?」

一夏「!?」

スコール「ミステリアス・レイディは各国の最先端技術を総動員したフルスクラッチ機体、そのポテンシャルは未知数。けれど、元型機である『モスクワの深い霧』でさえ3ℓ程度の液体しか操作できなかったのに、目測で半径5mはあるこの水球を形成するのにどれだけの演算出力をかけているのかしら?」

メカ無『‥‥!!』 ジジジーガガガガッ

スコール「──貴方、彼を遺して死ぬ気?」

一夏「」
301 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/04/12(水) 22:03:34.65 ID:gR+sA8/10
イーリス「さっさとボートに乗れよ狸親父!! アンタで最後なんだぞ!!」

大佐「やかましい!! 先週に孫が繰り出した稲妻十字空烈刃(サンダークロススプリットアタック)のダメージがまだ腰に残っているのだ!!」

イーリス「アンタどんだけマニアックな遊び教えてんだ!!」

ナターシャ「‥‥」

イーリス「諦めろナタル。ボウズはともかく、あの嬢ちゃんはハナから死ぬつもりだったんだ。こっちの追撃部隊を送ればヤツはボウズぐらいは諦めてくれるさ」

ナターシャ「‥‥選りすぐりの操縦者部隊を犠牲にして?」

イーリス「ナタル、夢見んのも大概にしな。これが今考え得る限りのハッピーエンドだ」

ナターシャ「‥‥」 ギュゥッ





スコール「らしくないわね、更識の狗。貴方程の女傑ともなれば、切り捨てるべきは何なのかは容易に想像がつくはずだけれど?」

一夏「そんな‥‥嘘だろメカ無さん!?」

メカ無『行きなさい、一夏くん‥‥!! アレの言う事に耳を貸さないで‥‥!!』 グググググッ

スコール「ダメね。意中の男に最悪の置き土産を遺して逝くようじゃ、女としても失格よ、貴女」 ズァァァッ

メカ無『ぐぅぅぅぅ‥‥あああああぁぁぁぁぁぁっ!!』 ジュゥゥゥゥゥッ

一夏「水球がどんどん蒸発していく‥‥!! もうやめてくれ、メカ無さん!!」

スコール「そうよ、更識の子。貴女が命を張る程、この国は重くないわ」

メカ無『‥‥黙りなさい!!』 ヴゥゥン

スコール「更に出力を上げた? ‥‥そう、残念だわ。貴女本当に死ぬ気なのね」 グォォッ

メカ無『早く‥‥行って!!』

一夏「何で‥‥どうしてそこまで!!」

メカ無『‥‥んでよ‥‥』

一夏「え?」

メカ無『何で皆寄ってたかって守られる理由を聞いてくるのよ!! 貴方達はただ、黙って私に守られていればいいのに!! 黙って救われていれば‥‥良いのに‥‥』 ミシミシッ

一夏「メカ無‥‥さん?」

スコール「‥‥更識特有の洗脳教育ね。可哀想に」 グゥゥッ

一夏「ッ!! 水球が消えていく‥‥」

スコール「来世では自由になれるように、塵も残さず消してあげる」 ボアァァァァァァッ

メカ無『あああああああああああああああっ!!』 バキバキバキバキッ

一夏「メカ無さん!!」
302 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/04/12(水) 22:04:30.33 ID:gR+sA8/10
イーリス「だーっクソ!! じれってえ!!」 ドヒャウッ

一夏「え‥‥ぐあっ!!」 ガシッ

イーリス「ボウズ!! 何ボケ──ッっと浮いてんだ!! 言われた通りに逃げろよ!!」

一夏「ッ!! そんな事できるわけ──」

イーリス「犬死の大恥かかせんじゃねえ、クソガキ!!」

一夏「‥‥!!」

メカ無『コーリング特務大尉‥‥ありがとう‥‥!!』 ベキッ...ベキッ...

イーリス「‥‥礼なんか言われていいこたしてねえよ」

一夏「メカ無さん!!」

メカ無『一夏くん──』










楯無「大好き」

一夏「」

ドバァァァァァァァァァァァァッ
303 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/04/12(水) 22:05:05.89 ID:gR+sA8/10
 “楯無”【たて-なし】:楯の不要なほど堅牢なものの意。
 源義光伝来の鎧とされる源氏八領のうちのひとつ。特に甲斐国の武田家に伝わる大鎧で名高い。

 私が襲名した名は、そんな厳めしい由来のものだった。
 17代続いた更識家の由緒正しい守護者の名。17の世を守る為、時空を超えて17人もの人間の名を食い潰してきた呪われた名。

「この名を受け継いだたった今より、お前は次なるこの国の守護者だ。鍛え上げた術の全てを以って、救国の為に振るうがよい」

 そう言って、先代の楯無は二度と姿を見せなくなった。
 以前、布仏の者にその行方を尋ねた事があったが、布仏は首を傾げて言った。

「布仏は後にも先にも、貴方様ただ一人にございます」

 嘘を言っていたわけではない。言葉を濁してはぐらかす程融通の利く人物でもなかったはずだ。
 その後、隠れて蔵から文献を調べて回ったが、先代が残した活動履歴は文字通り影も形も残っていなかった。

 ──否、初めから残されていなかったのだ。

 救国。響きこそ良いもののその為に必要なのは“英雄”という偶像ではない。
 “抑止力”という目に見えない力だったのだ。

 天罰、奇蹟、偶然、杞憂。あらゆる姿をとり楯無は力として顕現し、誰にも知られぬまま機能していた。
 ヒトを部品に、名を燃やし、ただ“楯無”というたったひとつの装置として、心を殺して機能しなくてはならない。

 私はその事に悲観した事は一度もなかった。そういう風に造りこまれていたからだ。
 “楯無”になれなかった余剰部品は全てを失い日常へ還り、楯無に守られる者達として機能する。そんな存在に憧れた事は、一度たりともなかった。
 ただ何も考える事もなく、救国の切り札として歯車のように回り続ける。
 そんな日々が、わりと心地がよかった。

「だって‥‥助けたかったから」

「独りで戦わないでくださいよ!!」

「聞く暇あったら生きてくれよ!!」

 ──あんな風に優しい言葉をかけられなければ、こんなに絶望する事もなかったのに。










 あーあ。










メ簪『メカラッタァァァァ!!』 ゴォォォォォォッ

メカ無『えっ!?』

スコール「何っ!?」

ドバァァァァァァァァァァァァッ
304 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/04/12(水) 22:06:49.15 ID:gR+sA8/10
あああああああああああああああああああああああああああ

「布仏は後にも先にも、貴方様ただ一人にございます」

ちげーよ!! ここ布仏じゃなくて楯無だよバカぁ!!
305 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/04/12(水) 22:07:42.73 ID:gR+sA8/10
ドヒャウッ

メカ無『ッ‥‥!! メ簪ちゃん、貴女!?』

メ簪『お姉ちゃん、諦めないで!!』

メカ無『ッ!? 貴女、喋れたの!?』

メ簪『思い出して、お姉ちゃん!! あの日、お姉ちゃんが今の身体になった時の事を!!』

メカ無『あの日‥‥?』

スコール「ママゴトは終わりよ、更識の狗!!」 ゴァッ

メカ無『!?』

一夏「さっきの火球が‥‥九つ!?」

イーリス「こりゃあ流石に‥‥あの嬢ちゃんでも‥‥!!」

スコール「今度こそ‥‥消し炭になりなさい!!」 ズォォォォォォッ

メ簪『思い出して、お姉ちゃん!! 先代が遺した、最期の言葉を!!』

メカ無『先代が‥‥遺した──』





16代目楯無『よくぞここまで残った。お前こそ新たなる“楯無”の名を受け継ぐに相応しい』

後継者「‥‥」

16代目楯無『では、これが最後の問いだ。お前が受け継ぐ器に値するか、この問いで決まる』

後継者「‥‥」

16代目楯無『汝は何の為に、この国を守らんと誓う?』

後継者「‥‥」

16代目楯無『この問いの回答に沈黙は要らぬ。己が臓腑より声を張り上げ、我が前に答えを示せ』

後継者「いやです」

16代目楯無『‥‥何と?』

後継者「いやです。わたしはたてなしになりたくありません」

16代目楯無『‥‥』

後継者「わたしのしょうらいのゆめは、おとうさんやおかあさんといっしょにくらして、かっこいいひとのおよめさんになることです」

16代目楯無『‥‥』

後継者「だから、かえしてください。わたしのなまえをかえしてください。わたしは、ふつうのおんなのこになりたいです」

16代目楯無『‥‥故に、資質を築きあげながら自ら楯無の名を棄てると?』

後継者「かえしてください」

16代目楯無『‥‥』

後継者「‥‥」

16代目楯無『‥‥くっくっく』

後継者「!?」

16代目楯無『ぐわぁはっはっはっはっは!! そうかそうか、楯無にならんとぬかすか!! ぐぁはははははは!!』

後継者「」
306 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/04/12(水) 22:08:55.98 ID:gR+sA8/10
16代目楯無『くっくっくっく‥‥それにしても、こんな回答を返してきたのはな、ええ? お前が初めてだぞ。ガハハ』

後継者「‥‥」 ビクビク

16代目楯無『佳い、実に佳い。やはりお前にこそ、楯無の名を預けるに相応しい!!』

後継者「ッ!? わたしは、たてなしになりたくないって──」

16代目楯無『案ずるな、名までは奪わん。少しばかり預かっておくまでの事よ』

後継者「‥‥?」

16代目楯無『誇るがいい、小娘。お前は17代続いた楯無の中で、唯一人ヒトの身で楯無になれた女傑よ。羨ましい喃、眩しい喃』

後継者「え‥‥」

16代目楯無『これから襲名の儀を執り行うが、お前は我の事を悉く忘れてしまうだろう。これまでの装置として機能してきた楯無と同様、ただの抑止力として戦う事になる。だがな、お前には我らが失って久しい心が残される』

後継者「こころ‥‥?」

16代目楯無『お前が心を動かされた時、その時に我はお前に名を返そう。そして楯無を棄てヒトとして生きるがよい』

後継者「あなたは──」

16代目楯無『‥‥我らが焦がれたヒトとしての生を、その生涯の末まで謳歌するがよい』 スゥ...

後継者「!! まっ──」

16代目楯無『生きよ、ヒトの子よ。お前が誇るべきヒトの名は──』





メカ無『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』 ゴバァァァァァッ

全員「!?」
307 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/04/12(水) 22:09:51.12 ID:gR+sA8/10
メカ無『‥‥あのボケ老人、散々ヒトを弄んでおいて、こんな仕掛けを用意してたの‥‥?』

一夏「め、メカ無さん‥‥?」

スコール「貴女、一体何を言って‥‥?」

メカ無『メ簪ちゃん!!』

メ簪『!!』

メカ無『やるわよ、アレを!!』

メ簪『うん、お姉ちゃん!!』

ドヒャウッ

一夏「な!?」

イーリス「高度を上げた!?」

スコール「無駄よ!! このゴールデン・ドーンに死角は無いわ!!」 ゴォォッ

メカ無『真名解放!!』

全員「!?」

メカ無『合!!』

メ簪『体!!』

ガシャーンッ

全員「」
308 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/04/12(水) 22:10:26.45 ID:gR+sA8/10
一夏「‥‥メカ無さんの頭に」

イーリス「なんかちっこいのが挿さった‥‥」

メカ無・メ簪『』

スコール「‥‥ふふふふふふふ」

一夏・イーリス「!!」

スコール「‥‥ふざけるならあの世でしなさい」 ボォォォォッ

イーリス「こ、九つの火球がいっぺんに!!」

一夏「メ簪、メカ無さんッ!!」

メカ無・メ簪『』 ビコォォォォォン

全員「!?」 ビクッ

???『封印解除、拘束機構解放』 ガシャガシャン

イーリス「な、何だ? 更識の手足が引っ込んで──」

一夏「筒っぽに亀裂が‥‥!!」

???『真名解放を受理‥‥‥‥承認。本体を開放します』 バカァァッ

イーリス「ッ!? おい、何だありゃ!?」

一夏「メカ無さんの身体が‥‥!?」

???「‥‥清き熱情(クリア・パッション)ッ!!」

ドカァァァァァァン

一夏「ああっ、メカ無さん!!」

イーリス「‥‥いや、居ねえっ!!」

スコール「馬鹿な、一体どこに!?」

???「あら、ISの視界に死角は無いはずよ?」

スコール「ッ!! 後ろ!?」

イーリス「おい、アレ‥‥!!」

一夏「あ‥‥ああ‥‥!!」

スコール「‥‥貴女、一体何者?」

???「あら? 世界で有数の情報網を持っている亡国機業でも知らない事があるのね♪」

スコール「答えなさいッ!! 貴女は誰なの!?」





刀奈「私は17代目楯無の継承者、更識刀奈!! 救国の楯無に救えぬ者を救う、救国の楯無に討てぬ悪を討つ、“人間”刀奈として、ここに推参!!」
309 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/04/12(水) 22:15:12.35 ID:gR+sA8/10
今日はここで終了
誤字も更新遅延も酷いけど一番酷いのは



メカ無さんが普通に端末使ってた
パソコンに触った事もないのに……
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/13(木) 08:24:00.25 ID:I5A2U3rlo

……いや人?ロボ?
感動的なようなツッコミ所しかないようなもうなにをどうしていいのか分からん!
311 :聖杯 [sage saga]:2017/05/13(土) 15:28:34.79 ID:egNzF4yT0
ナターシャ「な‥‥」

大佐「な‥‥」

イーリス「な‥‥?」

ナターシャ&大佐「中から人が出てきた〜〜〜〜!?」

イーリス「あ、やっぱ人だと思ってなかったのかよ」

一夏「楯無さん‥‥信じてましたよ! 貴女が人間だってことを!!」

刀奈「フフ‥‥」

スコール「‥‥それで?」

刀奈「‥‥」

スコール「生身を晒した事で、いったい何が変わったのかしら? ただのシールドバリアでは私の陽光は遮られないわ」

刀奈「甘く見られたものね。なら、もう一度見せてあげようかしら」

スコール「なんですって‥‥?」

刀奈「ッ」 フッ

一夏「また消え──」 バオッ!!

イーリス「‥‥この音は!!」

スコール(今度こそ捉えたわ。彼女の清き熱情<クリア・パッション>による極小規模な水蒸気爆発による瞬間的な高速移動)

刀奈(‥‥ッ!) ミシミシ

スコール(そして推進剤が爆発である以上、本体への負担は相当なもののハズ‥‥。いくらシールドバリアがあるといっても多用はできないはず!)

刀奈「ハァッ!!」 バッ

スコール「甘いわ!!」 クルッ

メ簪『メカラッタ!!』 ゴスッ

スコール「痛ぁっ!?」

刀奈「食らいなさい、『ラスティー・ネイル』!!」 ジャララッ

スコール「クッ‥‥貴女たち分離ができるの!?」

刀奈「あら、テロリストがまさか卑怯だなんて金言を言うつもりじゃないでしょうね?」

スコール「ふ、2人がかりなら‥‥まだ!!」

刀奈「2人じゃないわ」

スコール「なに?」

一夏「3枚だ」 ヒュバッ

イーリス「シン!?」

ナターシャ「いや誰よシンって?」
312 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/13(土) 15:29:29.77 ID:egNzF4yT0
あれ?
キャッシュ消しちゃったから名前間違えた
すまん
313 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/13(土) 15:30:34.54 ID:egNzF4yT0
一夏「零落‥‥白夜ァァァァッ!!」 バァァァァッ

スコール「ク‥‥なめるなぁぁ!!」 グバァァァァッ

一夏「ぐっ!!」

刀奈「一夏くん!」

スコール「‥‥遊びはもう終わりよ。これでまとめて消し飛ばしてあげる」 ドバァァァァァァ

一夏「な‥‥」

ナターシャ「今までの火球より比べ物にならない程大きい!!」

イーリス「こりゃあ‥‥いくらなんでも‥‥!!」

刀奈「‥‥一夏くん。あとは私に任せて貴方は退がりなさい」

一夏「‥‥また自己犠牲ですか」

刀奈「大丈夫。今度は根拠も勝算もあるわ」

スコール「消えなさいっ!!」 ゴゥォォォォォォォォ

刀奈「メ簪ちゃん!!」

メ簪『メカラッタ!!』 ドヒャゥッ

一夏「な、メ簪が楯な──刀奈さんに‥‥」

大佐「何をする気だ!?」

刀奈「『単一機能(ワンオフアビリティ)』、解放!!」 ギュバァァァァッ

一夏「か、刀奈さんのアクア・ヴェールの色が──」 デレレッデーデデデデデ

ナターシャ「──赤くなって‥‥!?」 デレレッデーデデデデデデデデデデデデー

イーリス「‥‥おい、さっきから後ろで鳴ってるこれ何だよ!?」 アーアアー アーアアー

刀奈「ごめんなさい。雰囲気つけたくて」 プチッ

イーリス「しょーもねえ機能つけてねーでマジメにやれッ!!」
314 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/13(土) 15:31:28.20 ID:egNzF4yT0
大佐「これは‥‥『麗しきクリースナヤ』‥‥?」

ナターシャ「大佐‥‥!?」

大佐「聞いた事がある。ロシアIS開発局にて試作段階で開発がストップした『超高度演算形態』を実装したISの開発計画を‥‥」

ナターシャ「では、アレが‥‥!?」

イーリス「水が赤く見えんのは、構成しているナノマシンが赤熱してるからだってのか‥‥?」

大佐「いや、それだとまず水が蒸発するだろう」

イーリス「ッ!! マジレスしてんじゃねえよ狸親父!!」

一夏「何にしてもアレでどうやって‥‥!?」

スコール「消えなさいっ!!(2回目)」 ドォォォォォォォッ

刀奈「──ねぇ知ってる? 今NASAでは太陽系が滅ぶかもしれないって本気で研究されているらしいわよ」

スコール「‥‥何ですって?」

刀奈「幾らか候補は挙がっているけれど、まず第一がブラックホールによる圧壊ね。4000秒/kmで接近する中質量ブラックホールが接近して、辺りの星を手当たり次第に食べてしまう」

スコール「貴女‥‥何を?」

刀奈「光さえも飲み込む闇の奔流の前には、何者も無力なのよ。‥‥それがたとえ、『太陽』だとしてもね」 キュイッ

スコール「ッ!?」

一夏「何だ、あの真っ黒い‥‥球?」

大佐「アレは‥‥ッ、いかん、伏せろ!!」

イーリス「なんだよ狸親父!?」

大佐「『沈む床<セックヴァベック>』だ!! 5年前、当時のロシア代表が発現し過激派武装組織『スラヴ解放戦線』を壊滅せしめた、超極小ブラックホールを形成する事による捕縛攻撃だ!!」

スコール「なに!?」 シュォォォォォォッ

一夏「あ‥‥あの馬鹿デカい太陽が──」

ナターシャ「吸い込まれて‥‥消えていく」

シュポンッ

スコール「クッ‥‥ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁっ!!」 ギュォォォォォォッ

ガキンッ

刀奈「捕縛、完了♪」
315 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/13(土) 15:32:55.52 ID:egNzF4yT0
一夏「す、凄い!! あのテロリストを、一瞬で!!」

ナターシャ「いえ‥‥まだ!!」

スコール「くっ‥‥こんなもの‥‥」 ギギギギギギッ

イーリス「クソッ!! やっぱIS相手じゃ分が悪いか!! アレじゃ1分と保たねえ!!」

刀奈「いいえ、10秒で充分」

一夏「え?」

ギュオォォォォォォォッ

イーリス「あ‥‥アレは‥‥」

ナターシャ「『ミストルテインの槍』‥‥!!」

刀奈「メ簪ちゃん、アンカー!!」

メ簪『メカラッタ!!』 ボォォォォォォォッ

一夏「清き熱情<クリア・パッション>をバックブラストに‥‥万全じゃないか!!」

スコール「フフッ‥‥これで勝ったと思わない事ね。既に品物は“彼女”の手に渡ったわ。私たちの勝利は揺るがな──」

刀奈「ねぇ、聞いてくれるかしら。私の槍って機関砲にもなるのよ?」

スコール「‥‥え?」

刀奈「打突のみならず射撃も可能っていう風にデザインして売り込んだのだけれど、メーカーは分かってくれなくてね、私の蒼流旋をただの槍だって認識してるのよ」

スコール「は?」

刀奈「おまけに‥‥ねぇ、見なさいよこのチャージ攻撃。これだけ揃っていれば資質は充分あったのに‥‥」 コォォォォォォォォォ...

スコール「ねえ待って。一体さっきから何の話をしているの?」 コォォォォォォォオオオオオオ

刀奈「なのに‥‥なのに‥‥──」





刀奈「なんで私の武器はガンランスじゃなくてランスなのよぉぉぉぉぉぉぉッ!!」 ドカァァァァァァァンッ

全員(まさかの随分昔のコラボへのクレーム!?)
316 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/13(土) 15:34:09.11 ID:egNzF4yT0
すまん
1ヶ月もかけてここで休憩
クロマティ、カムバァック!!
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/13(土) 21:25:57.32 ID:ijhRpzLEo

ガンスの復権求む
え?昔から立場なんてない?……そんなぁ
318 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 16:18:18.34 ID:/xI2xi4n0
一夏「や‥‥やったぞッ、ついにッ!」

刀奈「…………」

一夏「『合体』で進化した刀奈さんの『ミステリアス・レイディ』!! 一体、何をやったのかオレには良く見えなかったし、わからなかったけれどとにかく!」

イーリス「いや、まだだ!」

一夏「え?」

スコール「そう‥よ‥。なあに‥まだまだ‥」

大佐「な──」

ナターシャ「嘘でしょ‥‥」

刀奈「それが‥‥!! その様が“貴女”なの、スコール!!」

スコール『そうよ、これが私よ』 ジージジッガガービッ

一夏「ひっ‥‥左腕が‥‥」

イーリス「機械‥!!」

スコール『失礼な事を‥言う‥ものではないわ、坊やたち。私はしっかりと人間よ』

刀奈「化物(モンスター)。貴女はばけものよ」

スコール『違うわ。私は人間よ。人間が人間たらしめている物はただ一つ、己の意志よ』

イーリス(なぁ、いい加減このパロディ尽くしの流れ止めねえ? もうこれ何のSSかわかんねえよ) ヒソヒソ

ナターシャ「シッ!!」

大佐「‥‥無線神経義体(ナーヴレス・リム)、か──」

ナターシャ・イーリス「へ?」

大佐「傷痍兵や除隊した老兵を前線で運用できるように作られた、神経の無線化による強化兵士製造計画。ドイツのC計画とは別種の、人道から外れた悪魔の理論‥‥!!」

イーリス(また◆IM4j5.DbdY独自の設定が出てきちまったよ‥‥)
319 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 16:19:30.08 ID:/xI2xi4n0
大佐「空間投影ディスプレイ等の神経系AR技術の発展系として開発され、新たな兵士の運用理論として構築された。だが──」

スコール『私達は非公式な戦場で“試験”と称して多くの汚れ仕事を背負わされてきた。脳髄では拒否していても、どれだけ拒絶しようとも脊髄神経と癒合したデバイスから発せられる擬似ニューロン・シグナルがそれを許さなかった』

一夏「うっ‥‥」

ナターシャ(‥‥)

スコール『ISの存在により私達の存在が間違い──要らないと知って貴方たちはあっさりと棄てた。そう‥‥大佐、貴方が仰ったように、“機械”同士の潰し合いは次の“部品”を求めたのです』

イーリス「ッ!! 狸親父!!」

大佐「‥‥ッ」

刀奈「‥‥だから、貴方の名前が退役軍人のリストではなく殉職者のリストに記載されていたのね」

スコール『上層部なりの気遣いだったのかもしれないわ。だからこそ‥‥私達は決起した』

刀奈「‥‥」

スコール『更識の子、貴女にならわかるでしょう? 部品として、装置として酷使されて‥‥そして傷ひとつ無い掌から捨てられていく私達の嘆きと、憎しみが』

刀奈(‥‥)

16代目楯無<‥‥我らが焦がれたヒトとしての生を、その生涯の末まで謳歌するがよい──>

刀奈「‥‥ええ、知っているわ。そうなり果てた人も知っているし、私自身がそうだった」

一夏「刀奈さん‥‥!」

刀奈「──けれど、それを言い訳に逃げて、ただの装置のまま甘んじて死んだままでいる貴女を、私は決して認めない」

スコール『‥‥残念ね。貴女ならきっと、私にとって第二の理解者になってくれると信じていたのに。けれど‥‥今の貴女は、とても良い目をしているわ』

刀奈「‥‥」

スコール『今の貴女となら、刺し違えてもいいわ‥‥!!』 メラァ...

一夏「あ、アイツまだ!!」

????「──ゥコオォォォォォォォルウゥゥゥゥゥゥゥ!!」

全員「!?」

メ簪『新たなISコア反応を確認!! これはッ──』

オータム「廻れッ、アラクネェェェェェェッ!!」 ズバァァァッ
320 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 16:20:31.12 ID:/xI2xi4n0
刀奈「きゃうっ!!」 ガッ

一夏「刀奈さん!!」

イーリス「アイツは!!」

大佐「特許技術『エネルギーネット』の概念実証機、『アラクネ』か!!」

オータム「無事かスコール!? スコ──」

スコール『‥‥馬鹿な子。どうして‥‥来たの‥‥』 ピシピシッガガッピーガガッ

オータム「」

一夏「どうするんですか!? これじゃ2対2‥‥」

イーリス「いや、俺も入れて3対2だ!!」 ビュオッ

一夏「イーリスさん!!」

刀奈「待って、2人とも動かないで!!」

一夏・イーリス「!?」

オータム「──さねえ‥‥」

刀奈「‥‥?」

オータム「許 さ ね え」

全員「!!」 ゾワッ

オータム「エネルギーネット、最大展開!!」 ビュバッ

一夏「うっ!? デカい光の波が!?」

イーリス「クソッ、避せねえっ!!」

刀奈「『沈む床<セックヴァベック>』!!」 ギュオオォォォォ...

イーリス「おお‥‥! 光の波が消え──!?」

一夏「ああっ!? アイツらも居ない!?」

刀奈「追う必要はないわ!!」

一夏「でも‥‥!!」

刀奈「どう頑張っても、私たちの完敗よ‥‥」

一夏「‥‥!!」

イーリス「クッソォ!!」
321 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 16:21:18.91 ID:/xI2xi4n0
スコール『オー‥‥タム‥‥』 ビュゥゥゥゥゥッ

オータム「喋んな。傷に障んぞ」 ギュォォォォォッ

スコール『‥‥貴女ならてっきり‥‥あのままツッコんでいくとばっかり‥‥思っていたわ‥‥』

オータム「そいつぁ甘く見られたもんだな。アタシぁこー見えてデリケートなんだよ」

スコール『‥‥』

オータム「身体の事、何で黙ってやがった」

スコール『‥‥古代中国に‥‥ある夫婦が居たわ‥‥』

オータム「‥‥」

スコール『2人は帝に天から遣わされた‥‥英雄だったの‥‥。英雄は‥‥地を焦がす九つの太陽を背負う‥‥カラスを射落としたわ‥‥』

オータム「‥‥」

スコール『なのに‥‥帝から誉れを賜ったのは‥‥ほんの一度きり‥‥。己が姪孫たる陽を射落とした英雄に‥‥帝は理不尽な仕打ちをしたわ‥‥』

オータム「‥‥」

スコール『神性を失った英雄がかつての姿に戻るにはただひとつ‥‥‥‥不死の秘薬を呑み天へと還る事‥‥。けれど‥‥さらなる理不尽が彼を襲うの‥‥』

オータム「──」

スコール『妻が裏切って‥‥ふふ‥‥秘薬を飲み干し月へ逃げたの‥‥!!』

オータム「────」
322 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 16:22:23.89 ID:/xI2xi4n0
スコール『アハ‥‥アハハハハハ! 滑稽よね。結局我が身可愛さに‥‥愛した男さえ置き去りにしたの‥‥! そこまでしなければ自己を保てなかったのよ‥‥!!』

オータム「もういい、喋るな」

スコール『なのに‥‥どうしてかしら‥‥? どんなに砂を噛んでも‥‥どんなに硝煙にまみれても‥‥浮かぶのはあの人の笑顔なの‥‥』

オータム「喋らなくて、いい」

スコール『もうこの世に居ないって‥‥どこに行っても逢えないと知って‥‥初めて私は後悔したの‥‥!!』

オータム「‥‥」

スコール『だから私は蝦蟇(ガマ)になったの‥‥ばけものになったの!! そうでもしないと‥‥私には堪えられなかった‥‥!!』 ポロポロ...

オータム「‥‥」

スコール『弱い女だって‥‥過去にしがみつく毒婦だって‥‥幻滅したでしょう‥‥?』

オータム「‥‥いいじゃねえか、バケモンになったってよ」

スコール『え‥‥?』
323 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 16:23:06.92 ID:/xI2xi4n0
オータム「アタシなんざ、カミサマに喧嘩売ってボコボコにのされて蜘蛛にされたんだぜ? お互いバケモンにゃ変わりねえよ」

スコール『オータム‥‥』

オータム「そんなばけもんだったから、アンタはアタシなんかの事を拾ってくれたんじゃねえか」

スコール『──ただの気まぐれよ』

オータム「どっちだろうがかまやしねえ、アタシにとっちゃそれが真実さ」

スコール『‥‥』

オータム「アタシだけじゃねえ。アンタの姪のレインだって、ムカつく事にMの奴だって、似たようなバケモンさ。だったらよ──」

スコール『‥‥?』

オータム「バケモンはバケモンなりに、徹底的に“カミサマ”おちょくってやろうじゃねーか!」 ニカッ

スコール『ッ──!!』 グッ

オータム「それとも何か? 今更あの狗っころの言う通りバケモンは嫌だってか?」

スコール『‥‥本当に、馬鹿な子‥‥』 ポロポロ

オータム「‥‥///」

スコール『ねぇ‥‥オータム‥‥お願いがあるの‥‥』

オータム「あんだよ、キスしてほしいってか? 悪ぃがバイザーが邪魔でよ──」

スコール『うなじを‥‥撫でてほしいの‥‥』

オータム「‥‥なんだよ、マニアックだなあ──」

サワッ...

オータム「ッ!! ‥‥お前──」

スコール『ごめんなさい‥‥やっぱり‥‥貴女の前では‥‥涙は見せたくないの‥‥』

オータム「‥‥ああ。おやすみ、スコール・ミューゼル。次に目を開けたら、また遊ぼうな」

カチッ

────...
324 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 16:25:19.12 ID:/xI2xi4n0
一旦休憩
今回はほんの14日()のインターバルだし
イケそうな気がする!
次からはできるだけクロマティ成分を注入するぜ
325 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 17:07:36.21 ID:/xI2xi4n0
──それから1時間後、港湾部

大佐「‥‥こうして何人もの戦犯にかけさせた手錠を自ら着けてみると、なかなか重苦しいものを感じるな」

イーリス「いいから行けよ、狸親父」

一夏「あの、ナターシャさん達はどうなるんですか?」

ナターシャ「囮捜査とはいえ、私たちも加担者に違いないわ。それなりに罰は受ける」

イーリス「ケッ、気に食わねえ‥‥」

一夏「そんな‥‥」

イーリス「‥‥おいボウズ」

一夏「はい?」

イーリス「今晩あった事は忘れな。アタシらの事を気遣ってるつもりなら、なおさらな」

一夏「な、なんでですか!?」

メカ無『コーリング特務大尉の言う通りよ、一夏くん』

一夏「刀奈さ──って、またメカ無さんに戻ってる!?」

メ簪『メカラッタ』
326 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 17:08:33.56 ID:/xI2xi4n0
メカ無『私達は専用機を持っているとはいえ、まだ訓練課程中の高校生に過ぎない‥‥。たとえ国家や軍の何を知ってしまっても、本来なら関わる事さえ叶わない事なのよ』

一夏「だからって、見て見ぬフリしろっていうんですか!?」

イーリス「違ぇなボウズ、背伸びし過ぎだっつってんだよ」

一夏「え?」

イーリス「アタシらは軍人になるに相応しい訓練を経て軍事に関わってる。車の免許取ってさえいねえお子様にハンドル握らせちゃいけねえんだ」

ナターシャ「あらやだ、イーリにしては随分うまい例えね」

イーリス「うっせ!」

ナターシャ「貴方は早くに知り過ぎてしまったけれど、本来ならこういう事は私達ぐらいになって初めて関わるべき事。所謂“大人の戦い”なのよ」

一夏「大人って‥‥なんなんですか」

大佐「‥‥勘違いしているようだから言ってやるが、貴様も今からゆっくり大人になればいい。それまでは、“若者の戦い”に徹していけ」

一夏「え‥‥“若者の‥‥戦い”‥‥?」

イーリス「狸親父、黙ってろ!!」

大佐「いいや言わせろ。私もお前のように、若さゆえに焦り、先走って愚を犯した事が何度もあった。その為に大切な物を多く失った‥‥」

一夏「おっさん‥‥」

大佐「そういう愚を何度も拭ってくれたのは、他ならぬ私の上官だった。いいか小僧、若者は何度も間違えろ。間違える若者が居なければ大人なんぞ無用の長物だ。ただ間違いを繰り返さないように学んでいく事が“若者の戦い”であり、その間違いを正してやれるのが“大人の戦い”というものだ」

一夏「間違いを‥‥繰り返さない‥‥」

大佐「‥‥もっとも、今回はもうろくした老人が若者に尻を拭われたがな」 フッ

イーリス「もういいだろ、行くぞ」 グイッ

一夏「お、おっさん!!」

大佐「Luck and Pluck, for you!」 グッ

一夏「‥‥」
327 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 17:09:46.29 ID:/xI2xi4n0
メカ無『へぇ‥‥あの大佐、魂までは腐ってはいなかったようね』

一夏「メカ無さん‥‥」

メカ無『さ、私たちも帰りましょう。彼の言う“若者の戦い”をする為に!』

一夏「は‥‥はい、メカ無さん!」

メカ無(バイク形態)『さあ乗って、一夏くん!』 ガシャーンッ

一夏「」

メカ無(バイク形態)『どうしたの? さあ早く!』 ドッドッドッドッドッドッドッ

一夏「は‥‥はい」

ブロオォォォォォォォォォォォォォォォ...

イーリス「なあ、アイツ本当に人間か‥‥?」

ナターシャ「ふふふ」

イーリス「‥‥? なに笑ってんだよナタル」

ナターシャ「ううん、ちょっと楽しみだなと思って」

イーリス「何が?」

ナターシャ「‥‥あの子たちが、どんな大人になるのかな、って」
328 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 17:28:23.13 ID:/xI2xi4n0
 ここは北関東、キーオ峠──。山あいを縫うようにキレのいいカーブが続く道である──。

 俺の名前は結城遊馬。性別、オス。男。ヒト遺伝子XY。凸凹の凸のほう。
 勉強、それなり。運動、ちょっといい。顔、わりといい(友達が言ってた)。身長、モテめ?(友達が言ってた)
 性格、人当たりが良くてさっぱりしてる。少々優柔不断だが行動力はある。(これも友達が(ry)
 好きなモノはMTB(マウンテンバイク)とMP(ミュージックプレーヤー)。ただし音楽の固定嗜好なし。食べ物の好き嫌い、特になし。
 今は婚約中の美人な彼女が居て、同棲してる家でご飯を作って待っていてくれてる。
 で、俺は今絶賛MTBのペダルを猛スピードで漕いで家に向かってる。う〜ん、幸せだなあ。

ブロロロロロロォォォォォォォ...

 ‥‥ん? はて、こんな時間にバイクのエンジン音?
 そういえば、この峠のカーブに魅せられたライダーたちがスピードを求めて、毎日腕を競いあっている──とかって噂があったな。
 ‥‥よし、ここは先輩である俺がきっちり文句言ってやるか。

遊馬「おい、アンタ! この暗い時間にそんなに飛ばしてるとケガすん‥‥」

メカ無(バイク形態)「ブロロロオォォォォォォォォォッ!!」

一夏「」

遊馬「」

ブロロロロロロロォォォォォォォ...

遊馬「」 キィ...





静流「は? ちょっと帰り遅くなる? 峠を極めたい? 馬鹿言ってないでちゃんと帰ってきなさい!」 コトコトコトコト
329 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 17:56:08.60 ID:/xI2xi4n0
一夏「あの‥‥メカ無さん」 ビュゥゥゥゥゥゥゥ

メカ無『なぁに、一夏くん? 私がメカ無に戻ってる事がそんなに気になるの?』 ブロロロロロロロロロ

一夏「いや、それも凄く気になるんですけど‥‥そうじゃなくて」

メカ無『じゃあなぁに?』

一夏「メカ無さんは今、『自分は大人だ』って思ってたりしてるんですか?」

メカ無『‥‥』

一夏「‥‥すみません。ただ、あの大佐のおっさんの言葉がずっと胸につっかえてて‥‥」

メカ無『“大人になったつもりでいるしかなかった”‥‥ってところかしら』

一夏「え?」

メカ無『私たち楯無は、一種の人身供養みたいなものだったのかもしれないわ。少数の犠牲だけで、大勢の人が救われる奇蹟を祈った、残酷な儀式』

一夏「‥‥」

メカ無『いつの頃からか、私たち楯無はヒトとしての形を失った。それがどういう事なのか未だにわからないけれど、それは奇蹟の演出の為に必要な供物だったのかもね』

一夏「それでもメカ無さん──刀奈さんは人間でいる事を選んだ‥‥。先代はきっと、次代が自分たちと同じ末路を辿らないように、刀奈さんが人間として生きる事を是としたんですよね」

メカ無『ええ‥‥って一夏くん、何でその事を!?』

一夏「え? いや‥‥何となくそんな気がして‥‥」

メカ無『‥‥』
330 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 17:57:03.25 ID:/xI2xi4n0
一夏「あ、あの‥‥的外れな想像で怒ってますか?」

メカ無『‥‥ううん、むしろ少し納得しただけ』

一夏「?」

刀奈(そっか‥‥あの時、私が唐突に昔の事‥‥楯無の事を思い出したのはきっと、一夏くんの白式とコアネットワークが繋がったから‥‥。じゃあ、あの時の気持ちも──)

一夏「メ、メカ無さん? なんか、メーターどんどん上がってますけど‥‥!?」

メカ無『い、一夏くん? ひょっとして、あ、あの時、私が口走った事、お、覚えて‥‥!?』 カァァァァ...

一夏「わ、わあ!! メカ無さん、スピード、スピード落として!! もう100km/h越してます!!」

メカ無『やだやだやだ!! 忘れてッ、今すぐ忘れてえぇぇぇぇぇ!!』 グンッ

一夏「うおっつ!! ‥‥あ! メカ無さん、見てくださいよ!!」

メカ無『‥‥ふぇ? 見るって、何を──』

一夏「こんな所から、学園って見えたんですね! 知らなかったなあ‥‥」

メカ無『』

一夏「ね、メカ無さん! こんなに速いとせっかくの風景が見れないから、スピード落としましょうって!!」

メカ無『‥‥そうね。ゆっくり、歩くような速さで』

一夏「いや、それだと今度は遅すぎますよ、メカ無さん」

 ──そんな速さで、強くなっていこうね。一夏くん。
331 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 18:38:51.93 ID:/xI2xi4n0
数日後、学園

瀬名川「よお、会長さんよ」

メカ無『‥‥』

瀬名川「こないだの事、覚えてるよな。まさか忘れたってんじゃねえだろうな?」

メカ無『‥‥』

虚「ちょっと瀬名川さん! まだ根に持っているの!?」

本音「ケンカはめっだよー!」

瀬名川「取り巻きは黙ってろよ。アタシは会長さんと話してんだ」

虚「ッ、貴女──」

九段下「待ってくれ書記長! とりあえず、話だけでも聞いてやってくれねえか?」

虚「九段下さん‥‥!」

メカ無『‥‥いいわ、聞いてあげる』

虚「な、会長!?」

メカ無『貴女たちは下がってて。‥‥で、何かしら?』

瀬名川「‥‥よし、一回しか言わねえからよく聞けよ」

箒「」 コソコソ...

鈴「」 ドキドキ...





瀬名川「‥‥ごめんな」

メカ無『え?』

瀬名川「なんかその、あの時は気が動転しててよ。藁にもすがりたいって言ったら大袈裟だしアンタにも失礼なんだけどよ‥‥」

メカ無『瀬名川さん‥‥』

瀬名川「あれからアタシもあのチンピラたちとナシつけてきたんだよ。そしたら、実はけっこう良い奴らでよ‥‥!」

メカ無『‥‥』

瀬名川「全部‥‥アンタの言う通りだった‥‥。アタシが狭い殻ん中こもってて‥‥ガキみてえにダダこねてて‥‥それで‥‥」 グズッグズッ

虚「ちょっと、瀬名川さん!?」

本音「だめだよぉ、泣いたらめっだよぉ!」

九段下「‥‥この数日間、こいつもずっと悩んでたんだよ。ずっとアンタの気持ちを踏みにじってたんじゃってさ‥‥だからさメカ無、アタシからも頼む。コイツを‥‥瀬名川を許してやってくんねえか?」

メカ無『‥‥』

瀬名川「ごめんなっごめんなさっ‥‥うあぁぁぁ‥‥!」 ボロボロ

九段下「頼む!」

メカ無『‥‥謝るのは私の方よ』

瀬名川「‥‥ふぇ?」

虚「会長!?」
332 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 18:39:26.56 ID:/xI2xi4n0
メカ無『私もずっと‥‥自分を追い詰め過ぎてて余裕がなかった。自分の事で一杯一杯になってて、周りが見えてなかった。子供みたいな理由で貴女を見捨てて、ごめんなさい』

九段下「メカ無‥‥!」

虚「会長!! 何もそんな‥‥!」

メカ無『だけど、これからは違う!』

虚・九段下「え?」

メカ無『みんなと同じように悩んで、みんなと一緒に悩む。そうして、みんなと寄り添っていきたい。そう思えたから、私はもう誰も見捨てない!』

瀬名川「メ゙‥‥!!」 ブワッ

女子生徒's「メカ無会長ォォォォォォォォォ!!」 ドドォッ

虚「な、貴女たちまで‥‥!!」

断花「会長!! 私、壊れた物はきっちり業者に見てもらうようにします!!」

谷本「私‥‥これからちゃんと著作権法守ります!!」

瀬名川「ゔわ゙ぁ゙ぁ゙ん゙、ゔわ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ん゙!!」

メカ無『貴女たち‥‥』

虚「‥‥もう、ウチってホント馬鹿ばっかり!!」 ウルッ

本音「よかったねぇ、よかったねぇ!!」 ズビーッ!

箒「ああ、本当によかった‥‥」 ウルウル

鈴「何よっ! ありがちなパターン苦手だって言ってんでしょ!!」 グスッグスッ

メカ無『みんな‥‥本当にありがとう。私、こんなに胸を打たれた事はないわ‥‥』

女子生徒's「会゙長゙ぉ゙‥‥」 ダァーッ

メカ無『‥‥けれど、ひとつだけ大事な事を言っていいかしら?』

女子生徒's「?」

メカ無『それは私じゃなくてロッカーよ』

女子生徒's「あぁっ!?」 ガーン

九段下「‥‥やれやれだぜ」

to be Continued...
333 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 18:40:17.49 ID:/xI2xi4n0
鈴「で、一夏はどうしたの?」

箒「ああ、あいつなら──」

張り紙[下記の者、ノーヘル・無免許運転・スピード違反等の非行行為により自室謹慎とする。 ↓織斑一夏]

箒「‥‥」

鈴「アイツ何してんのよ、バカじゃないの!?」
334 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 18:43:59.52 ID:/xI2xi4n0
やれる事はだいたいやれました
次回からは待望の京都編スタート!!
あと一昨日最新刊買いました
スタンドも月までブッ飛ぶ衝撃的な展開の連続で吐き気がしました(^p^)
335 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 21:08:22.33 ID:/xI2xi4n0
 私の名前は織斑 千冬──。
 IS戦の強さと人望の厚さなら右に出る者がいない、IS学園1年生の寮長だ──。
 諸事情で詳しくは言えんがいろいろあって、アメリカを放浪した末にようやく日本へと帰ってきた──。
 だが──。





 よりによって今度は修学旅行の日だったとは──。
 これは、どう考えても乗り物に弱い私にケンカを売ってるとしか思えん‥‥。

谷本「ついにチフユサマが帰ってきたわ‥‥!!」

相川「またあの麗しの日々が始まるんだね‥‥!!」

鷹月「ねえ、みんなうしろ見ちゃダメよ! あまりの美しさに石になっちゃうわ!!」

箒「なあ、千冬さん二人いないか?」

 き‥‥気持ち悪い‥‥。

風霧「な、なんという顔をしているんだ‥‥あれは現世に降臨されたヴィーナs」 (石化)

鷹月「ホラぁ! だからうしろ見ちゃダメって言ったのに‥‥!!」

九段下「‥‥にしても毎回毎回、先生は何であんなスマシ顔してられんだ?」

櫛灘「でも惜しいなあ‥‥、せっかくロリチフユサマと入れ代わってホッコリしてたんだけどなあ」

マドカ「え‥ロリチフユ!?」

箒「何!! コイツはニセモノだったのか!?」

 ‥‥う‥‥、ノドまで来た。
 とにかく私は乗り物酔いがひどい──。
 だが、生徒たちにバレるワケにはいかん‥。
 今の内に最終点検をしておこう──。

 ビニール袋、OK──。

 酔い止めの薬は常備──。

 もちろん弁当はご法度だ──。

 あとは新鮮な空気を取り入れて‥‥と。





 ‥‥‥‥‥アレ?
 ま‥窓が開かない‥‥。
 そうか、新幹線はマドが開かないのか‥‥。
 私とした事が、これはうかつだった。

鈴(千冬さん、何してんのかしら‥‥?)
336 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 21:09:11.95 ID:/xI2xi4n0
 やはり未知の乗り物に乗っている事もあいまって、精神的にも動揺しているようだ‥‥。この心の迷いが命取りとなる──。
 落ち着け!! 落ち着くんだ‥‥。





 そうだ‥‥‥‥‥!!
 乗り物に乗っていると考えているから精神的な不安が生じるのだ!!
 ‥‥‥‥‥‥よし!!
 ココは私の家の中だと思えばいいのだ!!

???「うひょ〜!! このお守りの効力すげー!!」

相川「アヘェェェェェェ!!(※マッサージで悶絶してるだけです)」

風霧「んほぉぉぉぉぉぉ!!(※マッサージで悶絶してるだけです)」

谷本「キャァァァァ、大変よ!! 車内に偶然謎のお守りの効力で超絶ラッキー☆ドスケベが発動した不審者がぁ!!」

九段下「ヤベエよ、ありゃ本物だぜ。あんなのに捕まったらアタシら同人CGみてえな目に‥‥!!」

※このキャラクターは弓弦イズル先生の作品とは無関係のキャラクターです。

 ここは私の家ここは私の家ここは私の家ここは私の家ここは私の家──。





 さて‥‥フロにでも入るか。
337 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 21:10:15.39 ID:/xI2xi4n0
鈴「な‥‥千冬さん!?」

九段下「無茶だ先生!! いくらブリュンヒルデのアンタでもラッキー☆ドスケベが相手じゃあ‥‥」

のほほん「エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!!」 ドキドキ

鷹月「ちょっとのほほんちゃん黙ってて!!」

不審者(え‥‥この娘たち今何つった‥‥!? ブリュンヒルデってまさか‥‥まさか‥‥!!)

千冬「」 ヌギヌギ

不審者(うっひょ〜〜〜〜〜ッ!! マジかよ!! あの世界最強のブリュンヒルデのブリュリュンヒルデがぁぁぁぁぁッ!!) ボッキーン

谷本「イヤァァァァァァァァァッ!! 織斑先生があられもない姿に!!」

鷹月「」 ブクブク...バタン

九段下「くっそぉぉぉぉぉ、やっぱ先生でも謎のお守りにゃ勝てねーのか!!」

千冬「」 パタンパタン

九段下「あっ、服をたたむ理性は残ってんのか‥‥」

千冬「よっこいしょ‥‥と‥‥」

谷本「ギャァァァァァァァァ!! 織斑先生が“よっこいしょ”とか言ったぁぁぁぁぁ!!」

九段下「いや、そりゃあ別にいいだろ‥‥」

……ふ──、いい湯加減だ‥‥‥

谷本「ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!! 織斑先生がヘヴン状態にぃぃぃぃ!!」 ギリギリ

九段下「まだ何もされてねえんだけど‥‥」

不審者(‥‥? 何か今までと反応が違う‥‥。調子狂うな‥‥) シュン↓

千冬(さてと‥‥) キルキル

谷本「あぁっ!? 服を着戻したよ!! まだ理性が残ってたんだ!!」 パァァッ

九段下(擬音どうにかなんなかったのかよ‥‥)

不審者(え? 何で服着直してんだよ? こっからお楽しみタイムの予定だったじゃん!! どーなってんの!?)

 む‥‥台所からリズミカルな包丁の音がしてきたぞ──。
 一夏のヤツめ、今晩のオカズは何だ──?





 ──って、いかんいかん!! 食べ物を思い浮かべてどうする馬鹿者!!
338 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 21:11:12.64 ID:/xI2xi4n0
不審者(いやいや待てよ? この素振り‥‥まさか、着たままが良いのか‥‥!?)

 うっ‥マズイ‥‥!! 食べ物の事を考えたら乗り物酔いがよみがえってきた‥‥。
 このままでは吐いてしまう──。

不審者(よぉしっ、アンタがそーゆーつもりだってんなら俺もノリノリだぜぇぇぇぇぇぇッ!! 実はそーゆーのも好みなんだよぉ!!) ボッキーン

 ‥‥こうなったら、精神力で「酔う」「吐く」というイメージを頭の中から消し去るしかない!!
 気合だ‥‥、精神を集中するんだ──。
 ‥‥‥‥忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ‥‥。
 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。




 よし、忘れた!!
 今、完全に頭の中から「吐く」という二文字を消去したぞ!!

不審者「うっひょおおおおおおおおおおお!!」 グワッ

女子生徒's「チフユサマ、危なぁぁぁぁぁぁい!!」

マドカ「おえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええ‥‥」 (とても表現できない効果音)

千冬「」

女子生徒's「」

不審者「」 ヒュン↓

マドカ「ご、ごめんなさい姉さん。す、少し新幹線に酔ってしまって‥‥」

千冬「」 プツンッ





ラウラ「む? 何だかうしろの車両がやかましいな」

セシリア「そうですわね‥‥やだ、何か臭いませんこと?」

一夏「何にせよ千冬姉が何とかしてくれんだろ。ところでシャル、それダウトな」

シャル「一夏‥‥それヒューストンさんだよ‥‥」

ヒューストン(なんだか後部車両に居なくて良かった気がする‥‥)
339 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/05/27(土) 22:51:08.03 ID:/xI2xi4n0
今日はこの辺で中断
次の北斗・子分・前田はフォルテ・ダリル(レイン)・3年生でお送りします
乞うご期待!
340 : :2017/05/30(火) 18:22:38.64 ID:lYZRI31K0
まだか
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/30(火) 20:34:30.46 ID:Yy2BgA8LO
うんこだこれ
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 12:56:22.72 ID:ooRF/aOPO
埋め
343 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/06/01(木) 07:54:31.03 ID:uQWBBQbn0
 Καλημέρα σας(こんにちは)!
 どもっす! 皆さんご存知、フォルテ・サファイアっす!!
 私は今、一路京都を目指して新幹線に乗ってるっす!!
 ‥‥え、1年生でもないのに修学旅行に行くのかって?
 ううん、違うっす! 今日は──。

レイン「だ〜か〜ら〜! ジャック・デニム持って来いよ、ジャック・デニム!! これから総力戦なんだぞ!!」

フォルテ「‥‥」

レイン「とにかく、お前みたいにIS戦ありきで考えてるほどこの戦いは甘かねえんだ!! ちゃんと白兵戦の事も考慮してだなあ!」

フォルテ「‥‥‥‥」

レイン「‥‥おう、じゃあ叔母さんによろしくな。んじゃ、オーバー」 ピッ

フォルテ「」

レイン「よお、待たせたな! ほら、自販でブラック買ってきたぞ!」

 ──先輩に口説かれてデートかと思ったら、先輩は先輩じゃなくてこれからレッツ・テロだそうっす。
344 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/06/01(木) 07:55:11.64 ID:uQWBBQbn0
レイン「なんだよ暗い顔してよ、まだ騙された事怒ってんのか?」

フォルテ「‥‥いつからダリル先輩はダリル先輩じゃなかったんすか?」

レイン「ああ、その話か。最初っから。一応本人って言えるような奴は居なくて完全オリジナルの偽名だよ」

フォルテ「‥‥」

レイン「‥‥なあ、そう怒るなって。たとえアタシの名前がウソだったとしても、今までの2年間は本当だったんだぜ?」

フォルテ「‥‥テロリストのガールフレンドになった覚えはないっすよ」

レイン「‥‥」

フォルテ「信じられないっす、最悪っすよ。亡国機業って言ったら国際IS委員会からマークされてるテロ組織っすよ!?」

レイン「フォルテ‥‥」

フォルテ「そんなの‥‥そんなの‥‥」 プルプル...

レイン「‥‥」

フォルテ「ドキドキしないワケないじゃないっすかぁぁ!! こんなアナーキーなピカレスク・ロマン初めてっす!! 先輩、どこまでもついていくっす!!」 キラキラキラキラ

レイン「フォルテ‥‥♪」

三年生(‥‥何でそうなるのよ)
345 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/06/01(木) 07:56:10.38 ID:uQWBBQbn0
三年生(どうしよう‥‥黒崎先生が有給とって京都で結婚式開くっていうからクラスのみんなでサプライズしようって話になったんだけど‥‥)

フォルテ「ところで、さっき電話で言ってたジャック・デニムって何すか!?」

レイン「ああ、銃の名前さ。PDWって言やわかる?」

三年生(‥‥よりによってハブられたところでケイシーさんのテロリスト事情に踏み入る事になるなんて思わなかったわ。前からおかしいところはあったけれど‥‥)

レイン「‥‥もう一人いるな」

三年生「!?」 ビクゥッ

フォルテ「へ? 何がっすか?」

レイン「仲間さ。もう一人要るな、と思ってな。ここぞという時にあいつの隠密性は役に立つからよ」

フォルテ「‥‥誰っすか?」

レイン「ほら、あいつだよ‥‥えっと、すぐには名前出てこないけれど‥‥えっと‥‥」

三年生「‥‥」 イラッ

レイン「ほらあいつだよ! いつも織斑一夏たちとつるんでる三年生!」

フォルテ「ああ、あの人っすね! 顔も名前もすぐには浮かんでこないっすけど!」

三年生(もっかいサード・インパクト起こしてやろうかしら‥‥) ゴゴゴゴゴゴ...

レイン「何か思い出せないのが腹立ってきた。ちょっと待ってろ!」 ガラララ

フォルテ「?」

バンッ、バンッ、キャァァァァァァァッ!!

フォルテ・三年生「!?」

ガラララ

レイン「お待ちどう!」

OL1「ヒィィィ‥‥」 ガタガタガタガタガタガタ

OL2「どうしてこんな目に‥‥」 ガタガタガタガタガタガタ
346 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/06/01(木) 07:57:12.48 ID:uQWBBQbn0
フォルテ「先輩、誰っすかこの人たち?」

レイン「おう、その辺で捕まえてきた。見覚えねえか?」

フォルテ「そんなのあるワケ‥‥ん? そういわれてみればどこかで‥‥」

レイン「おい、アンタら名前は?」 ジャコッ

OL1「ヒッ!? あ、赤星ですっ!!」

OL2「ゆ、結城です!! ゆ、許してぇ‥‥」

レイン「んで、いいかフォルテ? この赤星さんっぽい目と口してて、この結城さんっぽい輪郭と鼻してんのがアイツだ」

フォルテ「‥‥」

レイン「この二人をたして2で割ったカンジよ。わかんね?」

フォルテ「あの‥‥余計わかんなくなってきたっすけど‥‥。それに、いくらなんでもOLさんにメーワクじゃないっすか?」

レイン「それもそうだな。ほら、もう行っていいぞ」

赤星「ヒ、ヒィィィィィィッ!!」 ダッ

結城「もうやだァァァァァァ!!」 ダダッ

レイン「‥‥とまあ、こんなカンジで顔のつくりから追っていこう。んじゃ、探すぞ」

フォルテ「えっ、この広い車内をっすか!?」

レイン「しょーがねえだろ? 全部思い出し辛い顔してるアイツが悪いんだからよ!」 ゲシッ

三年生「‥‥」 グイィィィィン...

レイン・フォルテ「あっ」

三年生「‥‥」

レイン・フォルテ「‥‥」

三年生「‥‥」

レイン「そうそう、こんなカンジの顔なんだよ‥‥(棒)」

フォルテ「んじゃ、顔もわかったワケですし行きましょうっす(棒)」

三年生「待ちなさい、何か言う事はない?」
347 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/06/01(木) 07:58:20.18 ID:uQWBBQbn0
 前略、まだ見ぬオフクロ様──。
 どうにか千冬姉も静まってくれたようです‥‥。
 ようやく車内も平静を取り戻し修学旅行らしくなりました。
 謎のお守りでラッキー☆ドスケベ化した不審者が出たり、突然銃声が響いたりと常識外の事件が連発していますが‥‥修学旅行は一生に一度の思い出です。
 俺たちにも青春の一ページがあっていい‥‥。
 この京都への修学旅行を無事に終わらせるのは俺の使命のようにさえ思えてきています──。
 ですが‥‥ここに大きな問題が生じております──。
 それは‥‥。

セシリア「」 クー...クー...

ラウラ「」 スヤスヤ...

シャル「」 ムニャムニャ...

ヒューストン「」 グーグー...

アナウンス『まもなく、新大阪に到着いたします』

 とっくに京都を過ぎているという事です──。
348 : ◆IM4j5.DbdY [sage saga]:2017/06/01(木) 07:59:57.84 ID:uQWBBQbn0
すんません
今日もこの辺りで休憩です
うんこうんこと言いつつ拙作を読んでくださりありがとうございます
いよいよ終盤、ここから頑張っていきます!
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 12:14:45.86 ID:nnUzf1iYO
埋め
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 21:24:19.87 ID:3bL0YdtCo
埋めるん?
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 18:18:12.14 ID:QnOnah1MO
埋めよう
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 12:39:36.61 ID:7eeuwHoPo
うめ
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 00:17:32.15 ID:0qQLn7b6o
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 18:43:23.23 ID:o21eodhpO
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 11:23:40.52 ID:yVJCHRTNO
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 11:05:44.11 ID:N8pE5i0uo
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 17:40:21.47 ID:bOZv5hR5O
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 10:45:25.43 ID:YQW9nnzto
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 17:40:36.69 ID:LwKocK9VO
341.95 KB Speed:0.1   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)