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魁! IS学園
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362 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/31(月) 08:24:42.69 ID:Lbiu7AAPo
スレオワタ?
363 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/27(日) 09:26:35.21 ID:WAZKQ4uSo
梅
364 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/09/04(月) 00:57:42.56 ID:x4fg4cKQ0
一夏(あんな事言わなきゃよかった──)
──一時間前
セシリア「まあ! 綺麗な湖ですわ! 今はどの辺りかしら?」
一夏「ここは浜名湖だよ。景色もよくて有名な所なんだ」
ラウラ「一夏は地理にくわしいな‥‥」
ヒューストン「で、京都までどのくらいかかるんだ?」
一夏「えーっと、ちょっと待ってください‥‥」
シャル「ふわぁぁ‥‥僕ちょっと眠くなっちゃった。少し休むよ」
セシリア「そうですわね、ワタクシたちも一旦寝ましょう」
ラウラ「一夏、京都に着いたら起こしてくれ」
一夏「任せてくれ! 俺が責任を持って起こしてやるよ───」
──現在
一夏「……ヤバイ、俺まで寝てたよ‥‥」
365 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/09/04(月) 00:58:34.84 ID:x4fg4cKQ0
一夏(うっかり寝ていた俺のせいだ‥‥。けれど、黙ってるワケにはいかない──言おう、正直に!!)
一夏「みんな、起きてくれ!!」
セシリア「ッ!? なんですの!?」
シャル「まだ眠いよぉ‥‥」
ヒューストン「‥‥どうした、一夏くん?」
一夏「みんな、ゴメン──重大発表だからよく聞いてくれ。実は──俺のせいで大阪まで来ちまった!! もう手遅れだ‥‥」
セシリア「‥‥は?」
シャル「ええっ!?」
ラウラ「な‥何だと‥!?」
一夏「俺の責任だ。煮るなり焼くなり好きにしてくれ」
シャル「そんな‥‥そんな事って‥‥」
セシリア「まだ大阪なんですの!?」
一夏「ああ‥」
セシリア「‥‥」
一夏「……『まだ』?」
366 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/09/04(月) 00:59:20.34 ID:x4fg4cKQ0
シャル「しっかりしてよ一夏! 僕らが降りる駅は京都だよ!?」
セシリア「一夏さん、まさかとは思いますがアナタ大阪と京都の見分けもつかないんですの!?」
一夏「え‥いや‥あの‥」
ラウラ「もういい、一夏も悪気があったワケではないんだ‥‥。その辺にしておいてやってくれ‥‥」
セシリア「ラ、ラウラさんがそう仰るのなら‥‥」
ヒューストン「一夏くん、次はちゃんと京都に着いてから起こしてくれ。頼んだぞ」
一夏「は‥はあ‥‥」
一夏(ヤバイ‥‥まさか外国人だから日本の地理がわかっていないのか……? 今さらながら大変な事になっちまった──。こりゃ生半可な事をしてちゃ解決できない。少し荒療治が必要なようだ──)
ツンツン
一夏「ん?」
ゴーレムI「‥‥」
一夏「ゴレ美‥? 起きてたのか。どうした?」
ゴーレムI「‥‥」 スッ
一夏「これ‥日本の地図じゃないか! ゴレ美‥お前ひょっとして──」
ゴーレムI「‥‥」 コクリ
一夏「お前‥‥本当に頼もしいヤツだなあ。けど、ひとつだけいいか?」
ゴーレムI「?」
一夏「気づいてたんならお前が起こしてくれよ‥‥」 ガクッ
ゴーレムI「‥‥!!」 ハッ
367 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/09/04(月) 01:15:03.13 ID:x4fg4cKQ0
一夏「ちゅーもーく! みんな、ちょっと聞いてくれ──」
セシリア「今度は何ですの!?」
シャル「今度こそ京都に着いたの?」
一夏「今日は日本について勉強したいと思う」
ラウラ「は?」
ゴーレムI「‥‥」ピーー...
セシリア「ゴレ美さんまでスクリーン係になって協力してますわ‥‥!」
ヒューストン「どうやら只事ではないようだな、とりあえず真面目に聞こう」
一夏「ここに俺たちが今いる日本がある。IS学園は実質この国で運営されてるんだ」
セシリア「ちいさくてよく見えませんわ……」
ラウラ「こんな小さな島国で私たちは管理されていたのか‥‥」
一夏「‥‥で、地理的に学園があるのが関東で、東京から伸びてるこの線路の先に京都があるんだ」
シャル「それぐらい知ってるよ、それがどうしたの?」
一夏「でもって‥‥京都の先に大阪があるんだよ‥‥。ここ重要だからな! ちゃんとノートとっとけよ!」
シャル「‥‥え? ちょっと待って、それって‥‥!?」
一夏「ああ、つまり‥‥東京と大阪の間に京都があるんだ!!」
全員「!?」
368 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/09/04(月) 01:38:52.39 ID:x4fg4cKQ0
一夏「‥‥もう、俺の言いたい事がわかったよな?」
ヒューストン「ああ、キミの説明はよくわかった。‥‥という事はつまり‥‥」
一夏「…………」
全員「まだ京都じゃないって事だな!?」
一夏「」
セシリア「一夏さん‥‥図解で説明してくださったのはとてもわかりやすくて感謝いたしますわ」
シャル「けれど僕たちだってバカじゃないんだよ? ひとこと言ってくれればわかったのに‥‥」
一夏「……うん──」
ヒューストン「一夏くん、三度目はナシだぞ。次こそ京都に着いたら起こしてくれ」
一夏「‥‥」
ゴーレムI「‥‥」 ポン
一夏「ゴレ美‥俺‥頑張ったよな‥‥?」
ゴーレムI「‥‥」 コクリ
一夏「‥‥グスン」
かくして、新幹線は京都に着く事もなく(当然)、一路終点の博多へ向かっていた──。
一夏(もうすぐ終点‥‥さすがにこうなったら説明もへったくれもないな───) ガタッ
一夏「みんな!! この電車は京都には行かないんだ!!」
ラウラ「は!?」
セシリア「何ですって!?」
一夏「よく聞いてくれ‥‥次は終点の博多だ!! これ以上この電車に乗っていても京都に着く事は絶対にありえない!!」
ヒューストン「何だって!! それは本当か!?」
一夏「……悪いけれど、何をどう言われてもそういう事なんだ。終点なんだから」
シャル「……それじゃあ‥‥!!」
一夏「……ああ‥‥」
セシリア「ああっ!! 切符を買い間違えてしまいましたわ!!」
シャル「もう、何で日本の鉄道の乗り換えってこんなに面倒なんだろう‥‥」
ラウラ「ん? どうした一夏、頭など抱えて」
一夏「どう言えばいいんだろ‥」
369 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/09/04(月) 01:59:28.43 ID:x4fg4cKQ0
──一方、京都では‥‥
シン化マドカ「GAHHHHHHHHHH!!」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
三年生のカタチをした血の塊「」
スコール「‥‥名前を持たない内に、一人の少女をトリガーとするなんて‥。篠ノ之束、委員会が黙ってはいないわよ?」
クロエ「やはり、あの二人で紅椿の覚醒は成りましたね」
束「うん。私たちの計画に辿り着くまで‥‥あと少しだよ〜」
ヒカルノ「なるほど‥そういうヤツね。やっぱ匂いが違うからかな‥‥ヘックチ!」
千冬「この世界の理を超えた‥‥新たな生命の誕生‥!! 代償として、古の生命は滅びる‥‥」
箒「翼‥‥10年前と同じ‥‥!!」
千冬「そう‥白騎士事件の続き‥‥『黒騎士』の誕生だ!!」
鈴「ってゆーか一夏はどこで何してんのよ!?」
370 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/09/04(月) 02:02:53.31 ID:x4fg4cKQ0
更新だぁぁぁぁぁぁ!!
3ヶ月かかってこれっぽっちかよ!!
この後ちょいちょい更新続けていきます
たくさんの梅ありがとうございます
371 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/04(月) 06:55:46.29 ID:Lrh7cnLFo
この5倍は持ってきなさい
372 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 01:57:21.56 ID:0Dey9Csu0
一夏(前略、千冬姉。‥‥また新幹線に乗ってます。‥‥というよりもう、この新幹線どこに向かっているのかわかりません──。‥‥ていうか、これが新幹線なのかすらわからなくなってきました)
ラウラ「オイ、みんな聞いてくれ!! 今わかったんだがな──京都には五重の塔があるらしいぞ!!」
シャル「ごじゅうのとう‥‥」
セシリア「何ですの、それは?」
ヒューストン「初耳だな‥‥」
ラウラ「それだけではない‥‥“きんかくじ”というスゴイものがあるらしい」
セシリア「キンカクジ‥‥?」
ヒューストン「──それは‥‥ひょっとして宝クジのようなものなのか?」
ラウラ「そうだ‥‥おそらくな」
シャル「え!?」
セシリア「それって本当ですの!?」
373 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 01:58:10.61 ID:0Dey9Csu0
ラウラ「私が思うに‥‥当たった者は“金貨”がもらえるのだろう‥‥故に“きんかくじ”なのだ──」
ヒューストン「日本語は不思議だな‥‥」
シャル「ちょっと待って。‥‥じゃ‥じゃあ、まさか“ぎんかくじ”は──」
ラウラ「‥‥そう‥‥“銀貨”がもらえる──!!」
セシリア「信じられませんわ‥‥!!」
シャル「そんなクジ知らなかったよ!!」
ヒューストン「‥‥で、そのクジは我々学生でもやらせてもらえるのか‥‥?」
ラウラ「‥‥それはわからないな……」
シャル「え〜〜そんなぁ」
セシリア「やっぱり世間は冷たいですわね‥‥」
374 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 01:58:52.06 ID:0Dey9Csu0
ヒューストン「ま‥‥そうは言ってもきんかくじ・ぎんかくじというのは一応寺だからな‥‥やはりそれなりに洗礼は受けてからでなければ」
セシリア「そうですわよね、やっぱり宗教が絡みますと‥‥」
シャル「ブッキョーでも洗礼ってするのかな?」
ラウラ「古来から日本には法名という洗礼名のようなものもあるし、あるんじゃないか?」
ティナ「でも甘い物断ちしなきゃいけないんでしょ? だったらいいやー」
シャル「ティナはもうちょっと節制した方がいいと思う‥‥」
一夏「ちょっといいかな」
シャル「──え?」
375 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 01:59:24.73 ID:0Dey9Csu0
一夏「聞いてるだけでめまいがしてくる会話はそのへんにして──悪いけどもうすぐ到着するから降りる準備をしてくれ‥‥」
ラウラ「なんだ、もう到着か‥‥」
セシリア「しかたありませんわね‥‥」
アナウンス『東京〜〜、東京です。次は新横浜──』
シャル「着いた着いた〜〜!」
セシリア「修学旅行は楽しかったですわね!」
ラウラ「‥‥む、どうした一夏?」
一夏「なんか‥‥むしょーに頭痛がしてきた」
メカ無(‥‥あの子たち、何でもう帰りの新幹線に乗ってたのかしら──)
376 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 01:59:59.09 ID:0Dey9Csu0
アナウンス『次は〜〜京都、京都です』
メカ無『たまには学園の喧騒を離れてのんびりしたいわ────
メ簪『メカラッタ』
メカ『小旅行っていうのも悪くないわね‥‥温泉にでもつかってみましょうか‥‥‥‥』
メ簪『メカラッタ』
◇
──温泉旅館・女湯
メカ無『ふう‥‥ゆっくりお湯につかりながら熱燗でも一杯──』
メ簪『メ..メカラッ....』 カスッカスッ
メカ無『あらやだ、間違えたわ‥‥‥』
メ簪『メカラッタ....』 チャポ
メカ無『都会に汚れたアカを落として、骨の芯まで温まる──。これこそ極楽ってものよね──』 グビ
???「このヤロー!」
???「ぎおえあー!!」
メカ無『あら‥‥となりは男湯ね』
377 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:00:34.35 ID:0Dey9Csu0
メカ無『ま、これがいつものノリだったりすると‥‥何かの手違いで一夏くんが女湯に入ってきて一年生のみんなにタコ殴りにされるのがオチなのよね。そんなIS学園ならではのハプニングがあってもそれはそれで面白いけれど‥‥』
ピー、ピー
メカ無『う‥‥やだ、のぼせてきちゃった‥‥』
メ簪『メ、メカラッタ!』
メカ無『──そうね、ありがとうメ簪ちゃん。ちょっと横になるわ‥‥』 ゴロ....
ガラララ
笹塚「わぁっ、見てください先生! とっても広い温泉ですよ!」
黒崎「‥‥そうね」
夏姫「‥‥」
378 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:01:00.73 ID:0Dey9Csu0
笹塚「は、埴御先輩も来ればよかったのになー。せっかくの黒崎先生の結婚式だったのにー‥‥」
黒崎「‥‥」
夏姫「‥‥」
笹塚「そっ、そういえばここのお湯ってたしか──」
黒崎「笹塚さん、アナタ今日は随分よくしゃべるのね」
笹塚「す‥‥すみません‥‥」
夏姫「いいじゃない、せっかく貴女の事を祝福してくれてるんだから。大人気ないわよ」
黒崎「‥‥」
夏姫「‥‥」
笹塚「そ、それじゃあ、身体を洗ってゆっくりつかりましょうよ、ね?」
379 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:01:41.81 ID:0Dey9Csu0
カポーン....
黒崎「‥‥」
夏姫「‥‥」
笹塚「は‥‥ハハ、なんか、こんな偶然ってあるんですね。十宮先生と旅行に来てみたら、まさか黒崎先生が、結婚だなんて‥‥」 チャポ....
黒崎「‥‥」
笹塚「し、しかも、お相手がまさかかなm」
夏姫「都ちゃん」
笹塚「ッ!!」 ビクゥッ
夏姫「ちょっと‥‥熱燗買ってきてくれる?」
笹塚「え──」
夏姫「駆け足で」
笹塚「は、はい!!」 ザバァッ
タッタッタッタッタ....
夏姫「ふぅ‥‥」
黒崎「何のあてつけなの、これは?」
夏姫「都ちゃんが言ってたでしょ? ホントに偶然だったのよ」
黒崎「何で戻ってきたの」
夏姫「‥‥」
380 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:02:23.28 ID:0Dey9Csu0
黒崎「偶然だなんてウソ。あのトラブルメーカーの埴御さんが来ないワケがない。‥‥十宮さん、貴女埴御さんから私を買ったわね」
夏姫「──やっぱアシがついちゃうかあ」 チャプ
黒崎「どういうつもりなの。何で今更私の前に現れたのよ」
夏姫「いやあ、やっぱり聞いたからには気になっちゃうでしょ。今、要くんがどんな顔で幸せなのか」
黒崎「ッ!!」 キッ
夏姫「やめなさいよ。せっかくの花嫁がそんな顔したら台無しでしょ」
黒崎「どの口がッ、どの口がそれを言うのよ!!」 ザバァッ
夏姫「どのって‥‥このおちょぼ口が」
黒崎「ふざけないでッ!! 何で貴女がそんな風に口をきけるの!? 私は‥‥私がッ‥‥」
夏姫「‥‥」
黒崎「──私が貴女から要くんを奪ったのに‥‥!!」 ポロポロ....
夏姫「‥‥あーあー、だから花嫁がそんな顔しない」
381 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:03:07.67 ID:0Dey9Csu0
黒崎「こんな幸せ‥‥っ、あっていいワケがない‥‥!! 私は‥‥幸せになんかなっちゃ‥‥いけないのに──」 ボロボロ
夏姫「あの時も言ったでしょ。“恋は早い者勝ちだ”って」
黒崎「ウソ‥‥そんな事言ってないくせに‥‥」
夏姫「まあまあ、細かい事は気にしない」
黒崎「‥‥そういう貴女はどうなのよ」
夏姫「ん?」
黒崎「そんな風に言うぐらいなら‥‥どうして私から要くんを奪い返さないの‥‥?」
夏姫「‥‥」 ム....
黒崎「そんな事を言うぐらい要くんの事を好きなのに、何でそんな風に言えるのよ!?」
夏姫「‥‥いでしょ」
黒崎「え?」
パシィッ
黒崎「」
夏姫「そんな事、今のアンタには関係ないでしょ!!」
382 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:03:43.54 ID:0Dey9Csu0
黒崎「‥‥!!」
夏姫「貴女は私に勝った!! だから要くんが貴女の隣りに居る!! 今はそれでいいじゃない!!」
黒崎「‥‥そんな理屈、良いワケないでしょう!!」
パシィッ
夏姫「ッ!! ‥‥貴女みたいに頭が良くて、学歴もある人ならこんな競争、屁でもないでしょう!?」 パシィッ
黒崎「ッ、それとこれは違うでしょう!!」 パシィッ
夏姫「違わないわよ、バーッカ!!」 ブンッ
メ簪『メガラッ!?』 ゴッ
黒崎「ちょっと! 飛び道具は反則でしょう!?」 ゴッ
夏姫「痛ッ! 貴女こそグーは無しでしょ、グーは!!」 ズボォッ
黒崎「ふごぉぉぉっ!! ならコッチは──」 ザバァァッ
夏姫「えっ」
メカ無『!?』グイッ
黒崎「うがぁぁぁっ!!」 グググググ....
夏姫「ち、ちょっと‥‥いくら何でもそれは──」
ガラララ
笹塚「夏姫先生、熱燗売り切れてまし‥‥ってちょっと!?」
383 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:04:35.55 ID:0Dey9Csu0
夏姫「都ちゃん!? ごめん、今すっごく危ないっぽい!!」
笹塚「黒崎先生、暴力は駄目ですよ!」
黒崎「‥‥なたが‥‥」
笹塚「え?」
黒崎「貴女が幸せになるべきだったのよ、夏姫さん!!」
笹塚「ッ!!」
黒崎「それを‥‥それを私は、貴女から‥‥」 ゴトッ
メカ無『痛っ』
笹塚「黒崎先生‥‥」
夏姫「‥‥まったく、結婚したてホヤホヤのお嫁さんが、そんな事言ってちゃダメじゃない」
黒崎「えっ‥‥」
夏姫「私が貴女に会いに来た理由はただひとつ。言いたい事を言いに来ただけ」
黒崎「‥‥?」
夏姫「──要くんを幸せにしてあげて」
黒崎「!!」
夏姫「私にはできなかった事を、私からは届かなかった願いを、貴女が叶えて」
黒崎「な、夏姫さ‥‥」
夏姫「これはね、私からの貴女に対する個人的な願い事。だから責任もって叶えてね、時雨さん」
黒崎「夏姫さ‥‥うあぁぁぁ──」 ガクッ
384 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:05:11.11 ID:0Dey9Csu0
笹塚「夏姫先生‥‥」 フルフル....
ガシャーン、バタバタ、ドッターン
???「ぐわぁぁー!!」
???「ぎおえあー!!」
???「ひえぇぇぇ!!」
女性三人「えっ」
一夜「てて‥‥いきなり押すヤツがありますかコノヤロー」
遊馬「お前が暴れるからだろ‥‥ったく」
要「──あっ」
笹塚「」
夏姫「か、要くん‥‥?」
要「いやっこれは違──」
黒崎「いやぁーーーーッ!!」 ガバァッ
メカ無『えっちょっ』
ゴガギンッ
385 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:05:46.98 ID:0Dey9Csu0
──翌日 京都駅・ホーム
要「‥‥その、昨晩は本当にすみませんでした」 ボロッ....
夏姫「いーのいーの、要くんだったから気にしないわよ」
笹塚「いや、気にしますよそれは‥‥」
夏姫「で、憑き物は落ちたの? 花嫁さん」
黒崎「ええ、おかげさまですっきりしたわ」
夏姫「ま、せいぜいハネムーンを楽しみなさい。でも寿退社は遅めにしないと生徒たちが困るわよ?」
黒崎「なっ‥‥!」 カァァァァ....
笹塚「ちょっと、夏姫先生!」
夏姫「冗談よ、ジョーダン」
要「‥‥努力します」
黒崎「えっ」
笹塚「要先輩‥‥」
アナウンス『まもなく出発します。黄色い線の内側におさがりください』
三年生「黒崎センセー! もうすぐ出ますよー!」
鈴「あー、やっと帰れるわ‥‥」
箒「というか、本当に一夏はどこに行ったんだ?」
黒崎「じゃあ先に帰るわね、夏姫さん」
夏姫「その前に、餞別を持っていきなさい」
黒崎「餞別?」
夏姫「これ‥‥よっと!」 ゴトッ
メカ無『‥‥』ボロッ
黒崎「」
386 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:06:39.46 ID:0Dey9Csu0
笹塚「な、夏姫先生‥‥。これって昨日の──」
要「あ、アハハハ‥‥」
黒崎「ふふふ、貰っておくわ」
夏姫「それじゃ元気でね、“十条”時雨先生♪」
黒崎「‥‥! ええ。貴女こそ、十宮夏姫先生」
プシューッ、ガシャン ガタンゴトン、ガタンゴトン....
笹塚「夏姫先生‥‥」
???「行ってしまいましたわね、夏姫先生」
夏姫「‥‥うん。色々ありがとね、埴御さん」
四五七「‥‥」
387 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:07:24.22 ID:0Dey9Csu0
笹塚「埴御先輩、今までどこに‥‥」
四五七「どこにも何も、あの旅館は我が埴御グループの施設でしたので」
笹塚「じゃあ最初から仕組んでたんですか!! どこまで手広いんですか埴御グループ!!」
四五七「それで、これでよかったんですか?」
夏姫「いいの。言いたかった事も全部言えたし、これで満足よ」
四五七「本当に?」
夏姫「‥‥」
四五七「本当にこれでよかったんですか?」
笹塚「ちょっと、埴御先輩‥‥!」
夏姫「‥‥欲を言えば」
笹塚「え?」
夏姫「私も名乗りたかったなあ。十条って苗字」
笹塚「!」
夏姫「要くんとお揃いの名前で、どこへ行っても十条って名乗るの。でもいいのよ。教育実習生の身で生徒に手を出した私なんかより、ずっと好きな気持ちを我慢してきた時雨さんの方が」
四五七「夏姫先生」
夏姫「なあに?」
四五七「泣いてるんですね」
夏姫「──え?」 ポロポロ
388 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:07:58.72 ID:0Dey9Csu0
笹塚「夏姫先生‥‥!」
夏姫「うそ‥‥やだなあ、私‥‥こんなつもりじゃ」 ポロポロ
四五七「‥‥」
夏姫「あ‥‥やだ、行かないで。置いていかないで、要くん。私、今度はいい子にするから‥‥」 ヨロヨロ
笹塚「‥‥」 ポロポロ
夏姫「だめ‥‥待って‥‥置いていかないでよ‥‥要くん!!」 ダッ
笹塚「夏姫先生っ!!」 ガバッ
夏姫「やだっ!! やだやだ!! やだよ要くん!! 私、要くんの事──」 ボロボロ
四五七「‥‥」
夏姫「うわぁぁぁぁ、あぁあぁぁぁぁぁぁ!!」 ボロボロ
笹塚「ッ──」 ボロボロ
夏姫「──どうか、幸せにッ‥‥ああぁぁぁぁぁぁぁ!!」 ボロボロ
笹塚「先生‥‥」 ボロボロ
四五七「どうやら、貴女の憑き物もようやく落とせたようですわ、夏姫先生」
カサッ
四五七「あら? これは──」
紙『取り扱い説明書』
四五七「‥‥これは渡さなくてもよかったのでしょうか」
389 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:08:48.53 ID:0Dey9Csu0
──IS学園
シャル「まあ‥‥旅行は楽しかったよね‥‥」
ラウラ「ああ‥‥そうだな‥‥」
ヒューストン「で‥みんな何が一番印象に残ってるんだ?」
外国人勢「…………」
ヒューストン「‥‥ま、私も特に何が印象に残ったというコトもないんだがな‥‥楽しかったからヨシとしようじゃないか」
セシリア「まあ‥‥旅行とはそういうモノですわよね」
箒「‥‥本当にそれでいいのか?」
シャル「え!?」
箒「私はうすうす感づいているんだがな‥‥ひょっとしてお前ら、京都に行ってないんじゃないのか?」
外国人勢「………………」
390 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:09:48.85 ID:0Dey9Csu0
シャル「それを言わないでよ‥‥」
箒「いや、これはハッキリさせよう!! でないと、私たちは一生代表候補生のままで終わってしまうぞ!!」
鈴「アタシたちはいつもそうよ‥‥都合の悪いことは全部ウヤムヤにしちゃって──そうやって世間から笑われてきたんじゃないの‥‥!?」
全員「…………」
一夏「それ以上自分を責めるのはやめろよ、二人とも──」
箒「一夏‥‥」
一夏「‥‥“旅行に行く”って行為は物として残るわけじゃない──行った人の心の中にこそ残るものなんだ‥‥。心に積み重なった様々な思い出──それこそが本当の旅の証なんだ……。たとえ風景を写真に撮っても、それは単なる偶像にすぎない!! その人の心に残ってなければ行ってないに等しいんだ──」
ラウラ「なるほど……」
391 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:10:29.29 ID:0Dey9Csu0
一夏「よく思い出してみてくれ。心に残っているいろいろな思い出を──。心の中にある大切な記憶──それが旅をしたっていう証なんだ」
全員「…………」
ヒューストン「ありがとう……私たちが浅はかだった‥‥本当に旅をしたかどうかは、私たちの心が決めるんだな──。旅行に行ったのかどうか‥‥これで自信を持って言えるよ」
一夏「……わかってくれたのか──」
外国人勢「やっぱ行ってない」
一夏「だろ?」
鈴「ねえ、コイツらにキチッと全部伝える?」
箒「緘口令が敷いてあるしな‥‥」
392 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:11:21.31 ID:0Dey9Csu0
──某日
箒「うむ、おはよう」
シャル「おはよう───」
箒「なあ‥‥朝からこんな話をするのも何だが‥‥実は姉さんから電話が来てな」
一夏「‥‥ふ〜〜ん‥‥それで?」
箒「どうも姉さんの話によると‥‥イギリスの衛星兵器が突然暴走して日本に照準を合わせたらしい‥‥」
全員「‥‥‥‥」
一夏「‥‥‥‥‥で、それはいつ頃なんだ?」
箒「いや‥‥詳しい日程はわからないんだが‥‥‥たぶん来週あたりじゃないかと言ってた‥‥」
シャル「え──ッ!! 来週‥‥!? 早過ぎるよ!!」
一夏「あのな‥‥もっと早めに言ってくれないと困るんだけど‥‥」
箒「いや、スマン‥‥私もこの話を聞いたのが先週だからな」
マドカ「まったく急過ぎるな‥‥それでは何も準備できないではないか」
全員「‥‥‥‥‥‥」
箒「準備って‥‥何の準備だ?」
393 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:12:12.73 ID:0Dey9Csu0
マドカ「いや‥‥だから衛星兵器との戦いに備えてだな──警察に連絡するとか──いや‥‥この場合は軍かな‥‥」
ラウラ「軍‥‥!? 貴様な、衛星兵器に軍が何の役に立つんだ?」
鈴「あのね──相手はレーザービームとか使ってくんのよ?」
マドカ「いや、ちょっと待て──それはお前らの勝手な思い込みじゃないか? 衛星兵器=レーザービームとか言うのは映画の見過ぎだ‥‥。実際はもっと地味な装備を搭載してる可能性だってあるだろうが。例えば、国家機密を暴露するとか‥‥」
ラウラ「ああ‥‥それなら勝てるかもしれんな」
シャル「とりあえず、今からでも遅くないから警察に連絡しようよ」
セシリア「いえ、お待ちになって‥‥。もう衛星兵器を暴走させた犯人が下準備をして警察機関を抱き込んでるかもしれませんわよ」
鈴「それじゃ結局どうしようもないじゃないのよ‥‥」
三年生「手の打ち様がないじゃない‥‥」
ヒューストン「何か助かる方法はないのか!? 何かないのか!?」
一夏「もうあきらめようぜ──」
鈴「え‥‥」
394 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:12:53.43 ID:0Dey9Csu0
箒「何だと一夏!? お前──」
一夏「人間いつかはどうせ死ぬんだし──いつ死んでも悔いがないように充実した人生を送る方が建設的じゃないか。残された一週間でどれだけ充実した人生を送れるか‥‥衛星兵器と勝負だ!!」
鈴「一夏、アンタ──」
一夏「今までやらなかったこと‥‥やれなかったことをやろうじゃないか、人生の最後に!!」
箒「そうだな‥やってやろうじゃないか!!」
シャル「うん、やろう!! 衛星兵器なんかに負けないよ」
セシリア「何だか勇気がわいてきましたわ‥‥」
一夏「じゃ、また一週間後に会おう」
箒「ああ!! みんな、やるぞ!!」
全員「おー!!」
395 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:13:25.80 ID:0Dey9Csu0
──某所
鈴パパ「鈴、お前‥‥まさか鈴か?」
鈴「‥‥うん。久しぶり、父さん」
──イギリス
チェルシー「は? お嬢様、今何と──」
セシリア「ですから、今この屋敷にある全財産を支援者の方々に分配してほしいんですの」
チェルシー「しかし、それでは旦那様と奥様の遺産が──」
セシリア「いいんですのよ。本当の遺産は、もう貴女から受け取りましたから」 トン
チェルシー「お、お嬢様‥‥」 ホロリ
──ドイツ シュヴァルツェ・ハーゼ基地
クラリッサ「やめさせろ〜〜〜〜ッ!!」
隊員A「大尉、これは隊長命令なのであります!!」
クラリッサ「しかし──」
隊員B「隊長、これも処分するんですか」 ボォォォォォォッ
ラウラ「うむ、頼む」
クラリッサ「呪ってやる〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
396 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:14:20.38 ID:0Dey9Csu0
──フランス デュノア邸
ホイットニー、ヒューストン『エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア、ウィィィィラァァァァウェイズラァヴュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥァァァァ』
ジェイムズ「おお‥‥ご覧になられておりますか、旦那様。シャルロットお嬢様はまるで母君の生き写しのようで──」 ウルウル
アルベール「うむ‥‥」 ズビーーッ
ロゼンダ(ていうか二人も産んでたかしらあの女)
──月 軌道上
スコール『ゲートロックを解除したわ、先に進んで』
オータム『衛星砲につながってるエネルギー増幅器から、レインとフォルテを引っ剥がすぞ』
レイン「う‥‥くっ‥‥」
フォルテ「‥‥うぅ‥‥」
アリーシャ『時間がない、急ぐのサ!!』
マドカ『見ていろ織斑一夏、これが私の充実した人生だーーッ!!』
ドカーーーン
──喫茶『ななつき』
三年生「え〜〜と‥‥ここにのってるの全部ください」
絢音「えっぜ、全部?」
397 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:15:32.73 ID:0Dey9Csu0
──一週間後
一夏「あ〜〜‥‥いよいよ明日、日本が砲撃されるワケなんだけど‥‥みんな、もう思い残すことは無いか?」
鈴「もちろんよ!! もう何も困んないわ!!」
ラウラ「今までやらなかったコトはすべてやった‥もういつここが砲撃されても困らないぞ!!」
三年生「私なんか貯金全部使い果たしちゃったわ」
セシリア「ええ、それは何よりですわ」
シャル「どうせ死ぬんだから、お金持ってても意味ないもんね!!」
ヒューストン「これも箒のおかげだ、本当に助かった」
箒「…………」
一夏「どうした?」
箒「いや‥‥その衛星兵器暴走の話なんだが‥‥」
シャル「え‥‥どうしたのいったい!?」
鈴「まさか、ウソだったなんて言うんじゃ‥‥!?」
箒「実は所属不明部隊に襲われて十日後のクリスマス・イヴに延びたらしい」
全員「」
全員「‥‥‥困るよソレ‥‥」
三年生「私、明日からご飯抜きよ‥‥」
398 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2017/11/29(水) 02:20:27.54 ID:0Dey9Csu0
じつにもう3ヶ月も放置してしまいましたが、公約通り修学旅行編完結させました!
もうアーカイヴ化されてると思っていましたが、運営さんが残してくださり更新に漕ぎ着けました!
次回はISABトレース編にするか、原作者他作品テーマの話にするのか、それともいっそのこともう完結させるのか決めあぐねています
皆さん長らく応援ありがとうございます
399 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 22:25:18.62 ID:+18Hx1+qo
ほ
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/31(水) 12:18:58.59 ID:Punj4bwEO
も
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/06(火) 07:57:14.81 ID:pqKMLxQyO
作
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/07(水) 11:02:13.13 ID:wwqcNWmPO
者
403 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2018/02/12(月) 14:53:09.83 ID:1k9rIHZb0
──某日
マドカ「この先、一体どうすればいいのだろう‥‥? 来る日も来る日もテロリストと女子高生の二重生活‥‥‥。身の振り方に悩みながらも、いつも通り学校へと足を進める私‥‥」
スタスタ
マドカ「…………というか‥‥何で私は学校に行かなければならないんだ? しょせん私は犯罪に手を染めた身──今さら学をつけたところでどうなるという? それが罪のつぐないになるワケでもないのに‥‥」
三年生「‥‥おはよう」 ゲッソリ
マドカ「あ、ああ‥。ずいぶんやつれているな‥‥貯金を全て卸したというのは本当だったのか」
三年生「‥‥ええ、おかげさまでね〜」 フラフラ
マドカ「なあ‥‥お前にひとつ聞いていいか?」
三年生「──え? なあに?」
マドカ「お前‥‥何のために毎日毎日学校へ行ってると思う?」
三年生「う──ん‥‥何だろ‥‥? 何て言ったらいいのかな‥‥。アタシたちギャルは無意識に『居場所』を求めてるんじゃないのかな?」
マドカ「『居場所』?」
404 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2018/02/12(月) 14:54:18.54 ID:1k9rIHZb0
三年生「ギャルっていうのはね‥‥みんな一人ぼっちなのよ‥‥。心に何か後ろめたいモノを背負ってたりね‥‥そういう人たちってみんな居場所がないのよ‥‥。貴女だって、何か後ろ暗いモノのひとつやふたつ背負っているんでしょ?」
マドカ「ああ‥‥ひとつやふたつどころじゃないがな‥‥詳しくは言えんが」
三年生「たしかに私たちの学校はヒドイ学校よ、動物園みたい。ううん、ヘタしたら動物園の方がマシかもしれない‥‥。けれど、そんなヒドイ学校でもあるだけマシじゃない? ‥‥学校には仲間もいる──学校がたしかに存在してくれるから、アタシたちに居場所があるんだよ」
マドカ「………………そうだな‥‥学校が消えてなくなるワケがないものな」
三年生「そうよ。何にもないアタシたちだけれど‥‥学校があるだけ幸せよ」
マドカ「そうだな!! 私たちには学校があるのだ!!」
ズドォォォォン
マドカ・三年生「!?」
谷本「た‥大変よ──ッ!! 第3アリーナに隕石が落ちたって───ッ!!」
マドカ「………」
三年生「………」
マドカ「‥‥そういえば最近ゴレ美が動物園でアルバイトを始めていたな」
三年生「待ってステイ、はやまらないで」
405 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2018/02/12(月) 14:55:08.58 ID:1k9rIHZb0
校内放送『緊急事態発生。緊急事態発生。未確認物質が第3アリーナに落下。全校生徒は各自、近くの建物に避難してください』
千冬「では、状況を説明する。先ほど、第3アリーナに謎の隕石とおぼしきものが墜落した。しかし、これはどうやら隕石ではない。この物体が観測されたのは宇宙だ。外淵宇宙からの飛来物という可能性もゼロではない」
一夏「はあっ!? それってつまり、宇宙人とかエイリアンとかって意味かよ、千冬姉!」
ゴスッ
千冬「説明の途中だ。それと、織斑先生、だろう」
一夏「す、すみません‥‥」
鈴「えらいコトになったわ‥‥」
ラウラ「これは一大事だぞ!!」
三年生「みんな、ちょっと聞いて!!」
千冬「何だ。というかお前はなぜここにいる」
三年生「たしかに学校に隕石が落ちてきたのは大事件よ‥‥けれど、どうしてもその前に私の名前を覚えてほしいのよ──」
箒「そう言えば、まだ先輩の名前を聞いていませんでしたね」
千冬「いまは作戦中だぞ。お前は早く避難を──」
三年生「お願いします!! ほんの5秒ほどで終わりますから‥‥」 ギラギラ
千冬「あ、ああ‥‥」 タジッ
全員(あの織斑先生が退いた‥‥)
三年生「じゃあ改めて言うわね‥‥アタシの名前は──」
ラウラ「オイみんな大変だ!!」
三年生「またコレぇ!?」
406 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2018/02/12(月) 14:56:25.82 ID:1k9rIHZb0
ラウラ「隕石のフタが開いたぞ!!」 パカッ
セシリア「な‥なんということですの!!」
シャル「一体僕たちどうなっちゃうの!?」
三年生「ねえ、みんなちょっと聞いてくれないかな」
鈴「はぁ!? 何よ!?」
三年生「貴女たち──そんなに隕石が大事なの? 隕石のフタが開いたからってそれが何!? そんな事よりもっと大切な事があるのを貴女たち忘れてない?」
ラウラ「もっと大切な事って何だ‥‥?」
三年生「私の名前よ。たしかに戦術上、隕石とおぼしき謎の物体の飛来は重大な事かもしれない──でも、もっと身近な友人の名前を覚えてあげるという方が先決なんじゃないかな?」
千冬「おい、ヤツは重力ブレーキを──」
一夏「先輩の言う事も一理ある‥‥けれど、それには『隕石』と『先輩の名前』のどちらが重要なのかをみんなで話し合わなきゃならない‥‥」
箒「けれど先輩の名前なんて知らなくとも私たちは普通に生きていけるぞ」
一夏「箒、それは言いすぎだろ──でももっともな意見でもあるな」
三年生「なら言うけれど、あの隕石について何を語ろうっていうの!? せいぜい『スゴーイ』とか『大変だ』とか騒ぐ程度でしょうが!! それとも天文学の知識が貴女たちにあるって言うの!?」
千冬「エ、エネルギー状の杭を──」
箒「う〜〜ん、それを言われるとツライですね‥‥」
三年生「でしょ!? だったら私の名前を覚える方が有意義だと思うんだけど──」
箒「仕方ないですね‥‥では、先輩の名前を聞いてあげますよ」
千冬「‥‥外淵宇宙──」
三年生「すみません!! ホントすぐに終わりますから」
千冬「‥‥うん」 グスッグスッ
山田(泣きじゃくってる織斑せんせ可愛い‥‥) ゾクゾクッ
三年生「じゃあすぐ終わるから聞いて。私の名前は‥‥」
シャル「大変だ!!」
三年生「今度は何なのよ!?」
407 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2018/02/12(月) 14:57:23.76 ID:1k9rIHZb0
シャル「宇宙人が顔を出してるよ──っ!!」
絶対天敵(格闘)「グルルル‥‥‥」 シュコー... シュコー... シュコー...
鈴「ギャ───ッ!! 虫っ! 虫はダメなのよ──っ!!」
シャル「ど‥どうしたらいいの!?」
絶対天敵(支援)『ユックリ降リテ下サイ‥‥‥』 ブラ...ブラ...
絶対天敵(格闘)『足下気ヲツケロヨ‥‥‥』 ブラ...ブラ...
箒「しかも縄バシゴで降りてきているぞ!?」
ラウラ「なんということだ‥‥」
セシリア「宇宙人がなわバシゴを使いますの?」
絶対天敵(格闘)『ハジメマシテ、ミナサン──私タチハ絶対天敵<イマージュ・オリジス>デス。コレカラ自己紹介シマス』
全員「な!?」
鈴「ふざけんじゃないわよ、虫なんかの自己紹介なんて聞く耳持たないわ!」 ダダッ
メカ無『き‥気持ち悪い──!!』 ダダッ
絶対天敵(支援)『ミンナ、イナクナッテシマイマシタ』
絶対天敵(格闘)『ウ〜〜ン、困ッタナ』
三年生「待って‥‥」
絶対天敵(支援)『ウン? アナタハ?』
408 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2018/02/12(月) 14:58:18.71 ID:1k9rIHZb0
三年生「アタシはいろいろな事情で自己紹介するタイミングを失ってしまった哀れな女よ──。もうこうなったら宇宙人でも絶対天敵でも構わないからアタシの名前を覚えて!!」
箒「な、先輩!?」
絶対天敵(支援)『‥‥ワカリマシタ。ドウゾ思ウ存分、我々ニ自己紹介シテ下サイ──』
三年生「ありがとう──。やっぱり宇宙人は話がわかるわ──地球人はダメね‥‥」
一夏(先輩‥‥)
三年生「じゃ、言うわよ絶対天敵!! アタシの名前は‥」
絶対天敵(支援)『隊長、時間デス』
絶対天敵(格闘)『ム‥モウ帰還ノ時間カ』
三年生「え〜〜!!」
シャル「ああっ、アレを見て!!」
ラウラ「アレは──」
鈴「宇宙船!?」
フィィィィィ.....
絶対天敵(支援)『迎エガ来マシタ』
ビ────..
三年生「ア・・アタシの名前は‥‥」
絶対天敵(支援)『サヨウナラ』
フワフワ
鈴「帰ってくわよ」
ラウラ「アイツら、何しに来たんだ?」
409 :
◆IM4j5.DbdY
[sage saga]:2018/02/12(月) 14:59:54.90 ID:1k9rIHZb0
三年生「…………宇宙人にさえシカトされた‥‥」 ガクッ
一夏「ちょっといいですか?」
三年生「‥‥何よ」
一夏「今の宇宙人とのやりとりを見ていて反省しました‥‥。地球人として恥ずかしい──すみませんでした‥‥。先輩の名前をぜひ俺たちに聞かせてください!!」
三年生「‥‥織斑くん」
箒「私にも聞かせてください」
セシリア「ワタクシにもお願いしますわ」
鈴「アタシにも!」
シャル「僕にも!!」
ラウラ「‥‥フン」
ゴレ美「‥‥」 プシューッ
メカ無『私にも』
メ簪『メカラッタ』
絶対天敵(格闘)『君ノ名ハ』
三年生「みんな──」
全員「…………」
絶対天敵(格闘)『エ!?』
一夏「う、宇宙人!?」
鈴「何でまだ居んのよ!?」
シャル「ああっ、みんな! アレを見て!!」
ヒューストン「」
ラウラ「宇宙人が間違えてヒューストンを連れていったぞ!!」
セシリア「ヒューストンさん、カムバァァァァックですわ!!」
絶対天敵(格闘)『ワ、ワタシハドウヤッテ帰レバ‥‥』
三年生「‥‥当分アタシの名前、聞いてもらえないわね‥‥」
410 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/10/01(木) 00:17:44.85 ID:D06DpixA0
?
411 :
以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします
[sage]:2020/10/01(木) 07:40:38.61 ID:RSDkmbpI0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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