ザコ「勇者と旅に出ることになった」

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110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/30(水) 23:43:41.98 ID:kkbJZUP+0
武闘家「来たのか、って勇者様も一緒なのか」

ザコ「ああ」

武闘家「勇者様の方は十分強いと思うが?」

勇者「いや、今回は稽古を受けに来たんじゃないんだ」

武闘家「?」

ザコ「武闘家!俺たちと勝負しろ!!」

決まったぜ・・・!

武闘家「勝負?」
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/30(水) 23:46:28.06 ID:C//l2RGAO
なんで今まで3人とか4人じゃなく2人っきりで旅してるか理由あったっけ?
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/30(水) 23:47:47.61 ID:oJ1XqMmA0
単に仲間にできる奴がいなかっただけじゃね?
勇者に何か秘密があってそれが複数だとバレル可能性があるとか
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/30(水) 23:49:36.78 ID:kkbJZUP+0
勇者「ああ、僕らが勝ったら僕たちの仲間になってほしい」

武闘家「俺が勝ったら?」

勇者「始まりの国から道場に支援金でも出してもらおう」

ザコ(さらっと母国の金賭けやがった!)

武闘家「なるほど」

武闘家は悩んでいる。武闘家は勇者の強さを知らない。もし負けた時の場合を考えているのだろう。けどこの道場は私営だったはず、支援金がもらえるのは大きい。そして考えが決まったのか、俺たちのほうを向き言った。

武闘家「その勝負、乗った」
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/30(水) 23:52:10.67 ID:kkbJZUP+0
今日はここまで。ガチ戦闘とか表現できる気しませんわ
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/30(水) 23:54:03.45 ID:aOXD+MgDO
おつ
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/31(木) 02:38:03.73 ID:cPo0pqpDO
来てたー!
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/31(木) 15:23:38.91 ID:Bs6i9V3U0
ザコ「よし、まずは行ってこい勇者!」

勇者「ああ!」

ザコ(まずはとは言ってたけど勇者が負けたら終わりなんですけどね)

勇者と武闘家が向かい合う。すると武闘家は何故か顔をしかめた。

武闘家「武器は使わないのか?」

勇者「いや、僕は武器を使わないよ」

普通はこういうところには治癒魔術の魔法陣があるものだ。だけどここは私営だから魔法陣がない。だから勇者は剣を使えないのだ。もし剣を使ったところで武闘家に勝てるかはわからないが・・・
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/31(木) 15:34:48.14 ID:Bs6i9V3U0
審判はこの道場の師範がするらしい。
明らかに厳しそうな顔をしているジジイだ。マジ怖い。

ザコ(そういえば勇者って武器無しだとどれくらいの強さなんだ?)

俺は勇者が剣を持っている時しか知らないのでよくわからない。まあ色々な人が一目置いてる時点でそれなりには強いんだろうが・・・

ザコ(この勝負、お前がどれだけ武闘家の意識を集中させられるかにかかってるんだからな)

道場の師範が勇者と武闘家それぞれを見る。どちらも準備は整っている。

師範「それでは、始め!」

戦いの火蓋がついに切られた
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/31(木) 15:51:45.19 ID:Bs6i9V3U0
まず動き出したのは勇者だ。一気に武闘家に近づく。武闘家が思っていた以上に速かったのかかわすことができず顔面に一撃。

武闘家「くっ・・」

勇者は続けて攻撃を繰り出そうとするが、簡単に受け流されてしまう。

勇者「!」

お返しとでも言うように武闘家は勇者の腹部に蹴りを入れる。のけぞる勇者。
武闘家はそれを見逃さず勇者に追撃。
なんとか勇者はそれを受け止める。

ザコ(そういえばこれ勝ち負けってどう決めるんだろう。緊張しすぎてたからまったく聞いてねえよ・・・)

弟子みたいな奴に聞いてみたら降参と言ったら負けなんだと。外道なら痛ぶるルールだな。
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/31(木) 16:04:47.06 ID:Bs6i9V3U0
気づけば勇者はかなり追い詰められていた、しかし武闘家はかなり余裕がある。

勇者「はぁ・・はぁ・・・」

そういえば俺って案外目が良いんだよな。勝負の内容も事細かに見えるし。

ザコ(って今関係ないだろ・・・ちゃんと見とかないとな)

俺が再び前を見ると武闘家が勝負を決めようと一気に近づくところだった。
しかし、武闘家は足を滑らせてしまう。

武闘家「何!?」

その好機を見逃さず勇者は武闘家の顔面をおもいっきり殴る。武闘家は踏ん張ることができず吹き飛ばされてしまった。

師範「あれは・・・!」

普通に武闘家と戦っても勝てないのはわかっている。だから言葉の裏をとる。
武闘家が先ほどいた場所の足元には謎の青い物体があった。
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/31(木) 16:16:20.43 ID:Bs6i9V3U0
「スライムゼリー!?」

誰かがそう言った。当たりだ。
反則だという言葉が出る。ヤジが飛ぶ。
だけど勇者は表情を変えない。こうなるのは予想通りだからだ。

ザコ「あんたらは勇者が戦う前に言った言葉を覚えてないのか?」

ザコ「勇者は「僕は武器を使わない」と言ったしかし、道具を使わないとは言ってない!」

子供のしょうもない反抗のように聞こえるが関係ない。要は・・

ザコ(勝てればいいんだよ勝てれば!)

俺が自己満足に浸っていたその時、俺は殺気を感じた。多分というか絶対武闘家だろうな。
神聖な勝負を汚されたとか思ってるんだろうか・・・?

武闘家「神聖な勝負を・・・お前!」

当たってた。
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/31(木) 16:27:30.95 ID:Bs6i9V3U0
ザコ「武闘家、俺を怒るのは勝手だけどよそ見してていいの?」

ハッとした表情になり、勇者の方を見た武闘家、すでに勇者は武闘家を攻撃する寸前だった。かわすことができず直撃。

武闘家「くそ!」

武闘家は反撃するも焦っていたのかその攻撃は荒かった。勇者に当たることなく空を切る。
だが作戦がうまくいった勇者の攻撃は冷静だ。立場逆転、武闘家が追い込まれる形になる。

武闘家「くそ!くそ!!」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/31(木) 16:36:20.54 ID:Bs6i9V3U0
どんどん焦って行く武闘家。すでにその攻撃は一度も勇者に届かなくなっていた。対して勇者の攻撃は着実に武闘家にダメージを与えていく。

ザコ(勝った!)

俺はその時には確信を得ていた。だけどその認識は甘かった。武闘家は殴るのをやめたかと思えば、体全体を使い無理やり勇者を押し倒したのだ

勇者「!?」

身体を使った攻撃は殴る蹴るだけじゃない。

ザコ(関節技!?)

またもや攻守逆転。しかも今回は簡単には覆せない。
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/31(木) 16:47:48.69 ID:Bs6i9V3U0
武闘家は勝利を確信した。一度技を決めてしまえばこっちの物だ、そう思ったのだ。

勇者「くそ・・・!」

勇者は関節技をかけられたことがない。だから乱暴に身体を動かすことしかできないでいた。それを知った武闘家は一気に決めるため力を強める。

勇者「あああああぁぁぁぁ!!!」

外れるギリギリまで力を込めている。もはやこいつに勝ち目はない。そう思い、勝利を確信した武闘家はあることに気づく。ザコが先ほどいた場所にいないのだ。彼がどこに行ったかは、チクっとした痛みと共に判明した。
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/31(木) 16:51:36.49 ID:Bs6i9V3U0
痛みを感じた数秒後、彼の体は突然動かなくなった。

武闘家「!?」

それが麻痺した時の感覚だということを武闘家は知っていた。
だが彼が驚いたのはなぜ自分が麻痺したかだ。
その時、勇者とは違うもう一人の人物が視界に入った。ザコだ。

武闘家「お前・・・!」

ザコ「やあやあ武闘家、気分はどうだ?」

武闘家「最悪に決まっているだろう!」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/31(木) 16:56:56.18 ID:Bs6i9V3U0
ザコ「この勝負は、始まった時点でほぼ勝ちは決まってたんだ」

武闘家「な・・・に・・・?」

ザコは周りのヤジを気にせず話し始める。

ザコ「まずなぜ俺が戦いに入ってきたのか、それは俺の最初の方の発言だ。俺は「武闘家!俺たちと勝負しろ!」そう言ったよな」

武闘家「まさか・・?」

ザコ「俺は一言も「俺と」とか「勇者と」なんて言ってないよな?」

この作戦、ただの屁理屈でしかないのだがそんなの気にしない。とにかく勝てればいいのだから。
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/31(木) 17:02:40.07 ID:Bs6i9V3U0
ザコ「次に何でお前がしびれたのかというと」

武闘家「蜂・・型魔物の・・毒針・・・だろ?」

ザコ「当たりだ」

ザコ「しかもあんたが倒した26体分の毒を一つにした特別製だからな!」

ここまで屁理屈なら、武闘家はザコが毒針を使った理由もわかっていた。
勇者は自分と戦う前、「僕は武器を使わない」と言った。そう「僕は」だ。

武闘家「屁理屈だらけじゃないか・・・」

勇者「けど君はやられた。なら言うことがあるだろ?」

しばらくの沈黙の後彼は小さな声で言った。

武闘家「・・・降参だ」
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/31(木) 17:04:37.85 ID:Bs6i9V3U0
今回はこれで終わり。
これが俺の限界です。いやぁガチバトルはキツイですね。指摘などは結構あると思いますがお許しを!
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/31(木) 17:13:59.88 ID:msqbV/dAO

今回は日本語講座の回だったなww
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/31(木) 17:24:37.01 ID:C5OnOLVD0
わーこれ外道がよくやってる作戦だー
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/31(木) 17:46:53.88 ID:yH0dkFtSO
おちゅ
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/04(月) 22:25:47.00 ID:60S4WsMiO
ザコ(はい皆さんどうもどうもー!!ザコです!えー今回ね、新しい仲間が加わりました!武闘家君です!やったね!)

武闘家「・・・」ジロッ

勇者「えっと・・・」オロオロ

ザコ(いやーやっぱ新しい仲間が増えるってのはいいですねー心強いね!)

武闘家「・・・」ジロッ

勇者「だから・・・」オロオロ

ザコ(それでね、一つ問題があるんですけどね)

武闘家「・・・」ジロッ

勇者「その・・・」オロオロ

ザコ(ゲスい勝ち方した結果、俺と武闘家の仲がヤバイ)
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/04(月) 22:37:13.80 ID:60S4WsMiO
ザコ「勇者」

勇者「何?」

ザコ「どうしよ・・・」

勇者「誠心誠意謝るしかないんじゃない?」

ザコ「十分謝ったよ・・・」

<一時間前>

ザコ「すいませんでしたあああぁぁぁぁ!!!!」

ザコ「反省してます!!!」

武闘家「・・・」ムスッ

ザコ「えっと肩揉みましょうか武闘家さん!!」

武闘家「いや、いい」ムスッ

ザコ「そんなこと言わないでください!これでも肩揉みだけはザコじゃないって言われるほどなんで!!」

武闘家「いいと言ってるだろ!」

ザコ「!」ビクッ
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/04(月) 22:52:55.83 ID:60S4WsMiO
ザコ(もう武闘家の視線が怖い、寝首かかれるんじゃないかと思うくらいですよ)

勇者(こ、このままじゃさすがにダメだよなぁ・・・)

武闘家「・・・」ギロッ

ザコ(あの目は殺しにきてる・・・ヤバイ、俺の命がヤバイ)

勇者(ここは僕がリーダーとしてなんとかしないと!)

武闘家「・・・」ギロッ

ザコ(けどどうしよう!どうしよう!!死亡ルートだけは避けなければ・・・)

勇者(武闘家をなんとかしないと!きっとザコに並々ならぬ怒りを覚えているはずだから)

武闘家「・・・」

武闘家(さっきは強く当たりすぎてしまった。どうやって謝るべきだろうか)
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/04(月) 22:58:30.89 ID:60S4WsMiO
武闘家(今思えば敵の意図を見抜けなかった俺にだって非はある。言いすぎた部分は謝らなければ・・・)

ザコ(なんとかして解決方法を見つけなければ・・・)

武闘家&ザコ(しかしどうすれば・・・)

武闘家&ザコ(そうだ!)

武闘家&ザコ「勇者!」

勇者「!?」

ザコ「・・・先にそっち行け」

勇者「う、うん」

勇者「それで、どうしたの?」

武闘家「その・・・言いすぎたことを謝りたいんだがどうすればいいだろうか」

勇者「へ?」

武闘家「え?」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/04(月) 23:02:53.14 ID:60S4WsMiO
勇者「いや、怒ってたんじゃ・・・」

武闘家「最初は怒ってたが頭も冷えたさ」

勇者「そ、そっか」

武闘家「だからどうするべきだろうか」

勇者「す、素直に謝ればいいと思うよ?ザコも反省してるし」

武闘家「そ、そうか」

武闘家「・・・」チラッ

ザコ(殺気!?)ビクッ
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/04(月) 23:08:47.31 ID:60S4WsMiO
武闘家「そうか、よし。行ってくる」

勇者「がんばれ」

武闘家「ああ」スタスタ

ザコ「な、なんだ?」

武闘家は俺の目の前で仁王立ちしている

勇者(なんとか解決しそうだね)

武闘家「ザコ」

ザコ「な、なんだよ・・・」

武闘家「表出ろ」

ザコ「!?」

勇者(あ、あれ?)
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/04(月) 23:12:59.33 ID:60S4WsMiO
ザコ(公開処刑だと・・・!?)

ザコ「や、やだ!」

武闘家「な、なんでだ」

ザコ「やだったらやだ!!」

武闘家「少しでいいんだ、少し時間をくれれば」

ザコ「ここでいいじゃん!!」

武闘家「ここじゃあ宿屋に迷惑がかかる」

ザコ(やっぱり公開処刑か!!)
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/04(月) 23:16:56.78 ID:60S4WsMiO
ザコ「絶対俺は出ないぞ!」

武闘家「い、いいから出ろ!!」

ザコ「うわああぁぁぁ!!やだあああぁぁぁぁ!!!」

勇者(ザコ・・・なんていうか、頑張って)

<宿屋前>

ザコ「な、何する気だよ」

武闘家「さっきはカッとなって強く当たってしまい悪かった」

ザコ「?」

武闘家「お詫びに俺のこと、好きなだけ殴れ!」

ザコ「!?」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/04(月) 23:24:18.85 ID:60S4WsMiO
ザコ「こ、公開処刑の口実でも増やす気か?」

武闘家「いや、そういうつもりではなくてだな」

ザコ「本当に?」

武闘家「ああ」

ザコ「絶対怒らない?」

武闘家「ああ」

ザコ「じゃあ遠慮なく!うおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!」ポコポコポコポコ

武闘家「・・・?」

勇者(これ武闘家は満足するのかな)

ザコ「うおおおぉぉ!!」ポコポコポコポコポコ

ザコがダメージを与えることは、ありませんでした。
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/04(月) 23:25:30.53 ID:60S4WsMiO
今日はこれで終わり
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/04(月) 23:26:23.03 ID:6CWitDpJo
おつ
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/04(月) 23:27:42.87 ID:mVQCMU0q0
>>141 乙!
全員口下手なパーティか
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 15:23:59.85 ID:xO7QVEZmo
ほんと面白いな
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/05(火) 21:30:48.25 ID:uZFpgyueO
ザコ(勇者も俺も完全回復、新しい仲間も増えて長い間過ごしたこの町ともついにおさらば!)

勇者「それじゃあ装備も整えたし出発しようか」

武闘家「え?」

勇者「どうしたの?」

武闘家「いや、ザコは武器買わないのか?」

ザコ「いや・・それは・・・」

ザコ(無加護の俺は武器を持ったところで戦力外なのである)

勇者「けどもしもの時もあるか・・・よし!買いに行こう!」

ザコ「てか武闘家が言うまでスルーされてたってことはお前今まで無意味だって思っt「買いに行こう!!」
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/05(火) 21:41:01.28 ID:uZFpgyueO
ザコ(というわけで武器屋に来ましたー)

武闘家「まずは剣だな」

◎剣の場合

ザコ「うおおぉぉぉ」ガクブルガクブル

武闘家「!?」

ザコ(何これめっさ震える、めっさ震えとる!)ガクブルガクブル

勇者「えー」

◎ナイフの場合

ザコ「震えとる!震えとるよ!」ガクブルガクブル

勇者「斬れるとダメなのかな?」

◎槍の場合

ザコ「これもか!!」ガクブルガクブル

武闘家「ギリギリ斬れる・・・か?」

◎杖の場合

ザコ(明鏡止水・・・)
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/05(火) 21:54:13.14 ID:uZFpgyueO
ザコ「てことで装備できるできないリストがこちら!」

◎装備できないもの
剣、ナイフ、槍、斧、爪、鎌

◎装備できるもの
ブーメラン、杖、ハンマー、ムチ、棍


ザコ「斬らせろよ!!」

武闘家「後はお前の職業に合わせて選べばいい」

勇者「なるほど、ザコの職業か」

ザコ「・・・」

勇者「・・・」

武闘家「・・・」

ザコ(俺の職業って何?)
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/05(火) 21:55:24.94 ID:uZFpgyueO
短いですが今日はこれで終わります。
正直ザコの職業も武器もまったく考えてませんでした。助けて・・・
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/05(火) 21:56:24.14 ID:uZFpgyueO
安価使っていいですかね・・・
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 21:57:57.30 ID:UjG9NjGGO
弱いんだし中〜後衛から攻撃できる弓は良いかもね
弓を引ける筋肉があるならだけど……乙乙
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 22:21:52.69 ID:BiPQypif0
>>148 乙!
職業はニート!適正は毒針使えたし魔法使い?
安価は人少ないし微妙じゃないか?
コンマとかの方が良さそう。>>1の好きなもので良いだろうけど
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 22:25:25.64 ID:UjG9NjGGO
魔法で毒針使ったわけじゃなくね
まあ小物を巧みに利用する開発系の職業は向いてるかもね
ウソップ的な
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 22:27:29.77 ID:7W3jvfKTo
コンマに1票
もしくはニートだから無職or遊び人
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 22:28:06.45 ID:BiPQypif0
ドラクエ的に毒針→魔法使いと連想した
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 22:32:54.63 ID:vd5hZri6o
吹き矢で毒矢飛ばそうず
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 23:02:21.88 ID:T3cCSwlAO
一番使いやすく、誰でも使える棍棒が良いだろ。
属性も木なんだし、パワーアップできそう。
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/06(水) 02:18:02.87 ID:xjyMGeRDO
スリングなんか非力でも大丈夫
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/06(水) 07:19:57.79 ID:S78JrS1IO
ふつーに投石または弓矢で遠隔攻撃が安全かつそこそこの攻撃でいいんでない?
前者は高い武器いらないしその辺りで補充可能、デメリットは本人の投げレベルに比例すること
後者は比較的殺傷能力が高い、代わりに矢代はばかにならんしやっぱり技量による
場合によっては両方とも味方に当たるから雑魚の腕次第
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/06(水) 07:42:36.32 ID:Q8yFa6+to
職業も武器もなしでよくね
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/07(木) 00:10:25.28 ID:NzXCpkNNO
ザコ「悩んだ末に買いました!弓!!」

勇者「へぇ・・・」

ザコ「なんか反応薄くない?」

勇者「いやだってさ、ザコってさ」

勇者「弓使えるの?」

ザコ「・・・練習するよ」

武闘家「まあ弓を使うには向いてるんじゃないか?ザコは目だけはいいからな」

ザコ「だけって何!?だけって!!」

勇者「確かに」

ザコ「同意してんじゃねえよ!勇者なんだから「そこまで言わなくていいだろ?」くらい言ってみろ馬鹿!」
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/07(木) 00:10:54.56 ID:NzXCpkNNO
安価は使わなかったよ!
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/07(木) 00:19:14.58 ID:NzXCpkNNO
勇者「よし、それじゃあ出発しようか」

ザコ(はい武器も手に入れてね頑張っていきたいと思います!)

ザコ「よっしゃ行くぜ!!」タッタッタ

勇者「走ったら危ないよ!」

ザコ「はっはっは、子供じゃないんだし当たるわけn」

ドンッ

ザコ「あっ、すいません」

エルフ「いえ、大丈夫です・・・って君は・・・」

エルフ「もしかして、ザコ将軍?」

ザコ「」
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/07(木) 00:26:49.30 ID:NzXCpkNNO
<酒場>
エルフ「まさか君に会うとは思わなかったよ」

ザコ「ソッスネ。ハハッ・・・」

彼女の名はエルフ。普通ならうっひょー!エルフかわいいよー!!ってなるとこなのですが、こいつだけは違う。

ザコ(こいつは俺の幼馴染でありながらザコ将軍というあだ名をつけた張本人。俺を裏切ったこいつの罪は重い!)

エルフ「勇者と旅をすることになったっておばさんに聞いたけど本当だったんだね」

ザコ「アッ、ソレハイロイロアッタンデ」

エルフ「へー、君みたいな雑魚でも勇者のパーティに入れるんだね」ニコッ

ザコ「ソッスネ」(この糞女〜!いちいちムカつくこと言いやがって!!)
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/07(木) 00:31:30.84 ID:NzXCpkNNO
ザコ(だが待て待て、落ち着くのよザコ。勇者のパーティに入ることが決まってからシミュレーションはしてきたわ!)

ザコ(ここでビシッと決めてやるのよ!)

ザコ「アノ、モウイッテイイスカネ」

ザコ(やってもうたー!!!)

エルフ「何?全然聞こえないんだけど」ニコッ

ザコ「ダカラ、オマエニカマッテルヒマナインダヨ」

エルフ「へー、勇者様のパーティに入って随分調子にのるようになったんだね」

ザコ(やばい、話題を変えよう!!)

ザコ「そ、そういえばエルフはなんでここに?」
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/07(木) 00:38:42.47 ID:NzXCpkNNO
エルフ「いや?ただ旅に出てみたいなって思っただけ」

ザコ(俺が旅に出てすぐ旅に出始めたってことは俺に気があったりするんですかねぇ・・・」

エルフ「は?」

ザコ(あ、やべぇ声に出てたよ。こいつすぐキレるからな、めんどいけど気をつけなければ」

エルフ「は?」

ザコ(あああぁぁぁぁぁぁ!!! )

エルフ「なんであんたが私にそんな口の聞き方できるわけ?」

ザコ(いかんいかん、話題を変えなければ)

ザコ「そ、そういえば彼氏さんはついて来てないの?」

エルフ「とっくに別れてるけど?てか話すり替えるなよ」

ザコ「oh...」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/07(木) 00:45:36.06 ID:NzXCpkNNO
エルフ「聞いてるの?ねえ」

ザコ「それは・・・その・・・」

ザコ(しかし待て、これはチャンスだ!きっとここでトラウマを克服する展開なんだよ!)

ザコ「え?別れたの?あんなにイチャイチャしてたのに?」

エルフ「あ?」

ザコ「まあ仕方ないかな、所詮は胸だけの女なわけだお前は」

エルフ「なんで君がそんなこと言えるのかな?立場、わかってるの?」

ザコ「立場をわかってないのはお前の方だぜ?勇者のパーティに手を出したらどうなるかな?」

ザコ(これは、いける・・・!)

エルフ「君にそんな力あるわけないじゃん。さあ、表出ようか」ニコッ

ザコ(目が笑っていらっしゃらない・・・)

ボコボコにされました。弓まったくあたんねえよ・・・
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/07(木) 00:46:18.19 ID:NzXCpkNNO
今日はこれで終わりです。
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/07(木) 00:49:21.55 ID:1/QruEQ1O
おつ
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/07(木) 00:52:04.98 ID:eni7Ahnd0
>>167
ケンカで弓使うなよwwww
しかも1対1で使うもんじゃねぇwwwwww
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/07(木) 10:53:46.92 ID:wXeTUAOH0
乙乙
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/07(木) 19:47:59.73 ID:akyzQ+HN0
ザコ「いてぇ・・・」

エルフ「二度と調子に乗らないでね?」

ザコ「わかったよ・・・」

エルフ「ん?」

ザコ「わ、わかりました」

エルフ「ははっ、君はやっぱり誰かにひれふしているほうが似合ってるよ」ニコッ

エルフ「それじゃあバイバイ」スタスタスタ

ザコ「・・・」
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/07(木) 19:54:11.62 ID:akyzQ+HN0
エルフ「勇者様も、さようなら」スタスタスタ

勇者「・・・っ!」

勇者「お前、ザコに謝「待て」

勇者「武闘家?」

武闘家「ザコが、正々堂々勝ちに来るわけないだろ」

勇者「あっ・・・」

ザコ『呪文・プラントラップ!!』

エルフ「ひゃっ・・!」ドテッ
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/07(木) 19:59:38.19 ID:akyzQ+HN0
エルフ「いたっ・・・」

ザコ「ハーハッハッハッハッ!!!馬鹿が!真剣勝負なんてするわけねぇだろ!」

エルフ「あんた何して」

ザコ「毒針ザクー」グサッ

エルフ「!」

エルフ(体が痺れて・・!)

ザコ「さあ!屈辱レイプのお時間だ!」

エルフ「ひっ・・・!」

ザコ(いや、まあ勃たないんですけどね)
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/07(木) 20:07:02.23 ID:akyzQ+HN0
エルフ「な、何する気・・?」

ザコ「知りたいか?公衆の面々で、何をされるか」ニタァ

エルフ「ひっ・・!」

勇者「うわぁ・・・」ドンビキ

ザコ「ヒッヒッヒ、ヒャハハハハハハ!!!」

エルフ「いや・・・いやああぁぁぁぁ!!!!」

ザコ「よし!じゃあ行くか!!」

エルフ「!?」

勇者「え?ああ、うん」

武闘家「そ、そうだな」

エルフ「ちょっと!置いていかないでよ!ねえ!!!待ちなさいよ!!」

エルフ「ねえ!ねえってば!!!」
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/07(木) 20:16:20.04 ID:akyzQ+HN0
勇者「えっと、ほっといてていいの?」

ザコ「いやぁ・・なんかしても報復が怖いしな」

<チョット!マチナサイヨ!!

武闘家「ああいう奴にはいい薬になると思うぞ?」

勇者「そういうものなのかな?」

ザコ「そういうもんだよ」

<ネェ!ワルカッタカラ!オイテイカナイデ!

勇者「けど彼女、もうすごい弱々しくなってるけど・・・」

ザコ「ああいう奴はまたすぐ調子に乗るからな!」

<ゼッタイユルサナイカラ!
<ツギアッタラコロスカラ!

勇者(ほんとだ・・・)
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/07(木) 20:26:37.33 ID:akyzQ+HN0
ザコ「よし!それじゃあ行こうぜ!!」

勇者「ほんとに置いてきちゃったよ」

武闘家「安心しろ。この町は治安がいい方だからな。町を出るときにどくけしそうをもらってるのが見えたし大丈夫だ」

ザコ「報復怖いし、はやく行こう」

武闘家「ああ」

勇者(ザコ・・・ごめんな)

ザコ「おい、どうしたんだよ、早く行こうぜ」

勇者「あ、ああ!行こう!!」

旅を始めてから一ヶ月ほど経ったが、未だ加護なし、俺はいつになったら加護をもらえるのでしょうか・・・?
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/07(木) 20:27:41.57 ID:akyzQ+HN0
多分今日はこれで終わり。
ザコをここまで外道にする気は無かった
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/07(木) 21:05:44.68 ID:ba5nDwGAO

ザコにここまでさせたエルフさんサイドに問題があると思うので、個人的にはザコに天晴れを差し上げたいと思います
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/07(木) 22:13:27.17 ID:7ewSs/6B0
>>177 乙!
武道家は付き合い短いのにザコのこと良く分かってるな
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/08(金) 02:32:52.21 ID:4oQ0tXXDO
乙!全然外道じゃない
本当に外道ならあそこでレイプしてた
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/08(金) 02:39:04.50 ID:3XCT+Afm0
畜生ザコは初見相手なら有効なトラップ毒針があるのか
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/08(金) 22:29:04.60 ID:wmgmfXSpO
ザコ「まだ着かないのか?」

三の町を出て2日が経過したが未だ次の目的地である壱の村に到着していない。

勇者「もうすぐだよ、もうすぐ」

ザコ(一時間前にも一回聞いたんですけどねぇ・・・ん?)

壱の村は橋を渡ってしまえばすぐそこなのだが、その橋の前に何かいる。

武闘家「あれは・・・?」

もう少し近づいてみるとそいつの姿が確認できた。あれはおそらく・・

ザコ「グ、グリズリー?」
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/08(金) 22:41:11.42 ID:wmgmfXSpO
勇者「いや、あれは普通のグリズリーよりも一回り大きいね」

武闘家「それに毛皮も普通のグリズリーと違い灰色だ」

ザコ「てことは?」

勇者「あれはグリズリーの上位種、ヒュージグリズリーだね。住処は山のもっと上のはずだけど・・・」

ザコ「降りてきたのか」

武闘家「くそ・・・面倒だな、ここは山と山の間の一本道、退けるのなら退きたいが、この辺りで野宿は危険だからな」

ザコ「マジかよ、あんな強そうな奴と戦わないといけないのかよ・・・」

ヒュージグリズリー「クマー!!」

ザコ「あ、でも鳴き声は可愛い」
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/08(金) 22:55:36.67 ID:wmgmfXSpO
ザコ「とにかくまずは遠くからの攻撃だな。まずは一発目!!」ヒュン

放った矢はヒュージグリズリーに向かって真っ直ぐに飛んでいき・・・
ドスッという音と共に右腕に突き刺さったが、浅い。ダメージは低いようだ。毒が効いてる様子もない。

ヒュージグリズリー「?」

武闘家「鉄製じゃ深くは刺さらないか」

勇者「僕の剣は鋼製だから問題ないけどね」

ザコ「おいおいおい、それってつまり?」

武闘家「下がってろ」

ザコ「」
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/08(金) 23:14:13.18 ID:wmgmfXSpO
武器に魔力を込めて強度をあげる、なんてこともできるらしいがもちろん俺にはできない、周囲を警戒しつつ戦いを眺めることしかできない。

ザコ(何かできないかな)

どうやら勇者と武闘家は苦戦しているようだ。もちろん俺も眺めるだけで終わる気はない。ので、魔法による援護を試みる。

ザコ(発動するのは中級魔法。時間はすげえかかるけど問題ない!遠くにいるんだし!いるんだし!!)セイスイゴクゴク

手のひらの先に球形の木の塊を作り出す。それを思いっきり回転させる。
狙うは頭、一瞬でもいいから怯ませる。

ザコ『呪文・ウッドキャノン!!』
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/08(金) 23:21:49.49 ID:wmgmfXSpO
木とはいえ中級魔法だ。弓よりも破壊力は高い。まあ、一回限りしか撃てないんだけど・・・
射出された木の塊はヒューグリの頭に直撃、ひるんでしまい体がぐらつく。

勇者「!?」

武闘家「!」

ザコ(おい勇者、驚いた顔で見るんじゃない!)

武闘家は間髪入れずヒューグリへ追撃。
続けて勇者が光魔法を纏った一撃でヒューグリを倒した。多分心臓部である魔石に攻撃したのだろう。

勇者「ザコ!倒したよ!!」ニッコリ

ザコ(血塗れで笑うなよ・・・怖いから)
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/08(金) 23:33:16.41 ID:wmgmfXSpO
ヒューグリを倒した俺たちは無事橋を渡りきった。

ザコ「それにしても武闘家が橋を渡る時あんなに怖が「言うな!!」

橋さえ渡ってしまえば壱の村に到着だ。ここまでくれば四の町までもうすぐ。俺が加護を手に入れて最強のアーチャーとなる(予定の)日は近い、はずだったが。

勇者「なんだよ・・・これ」

ザコ(破壊された家屋、まだ乾いていない血、泣き叫ぶ子供、傷を負った人たち。そこには平和な村の姿なんてなかった)

どうやらあのヒュージグリズリーは橋の下の激流を渡った直後だったらしい。
つまり、俺たちの戦ったヒュージグリズリーは、俺たちに会う前に・・・
壱の村を滅ぼしていたのだ。
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/08(金) 23:34:50.71 ID:wmgmfXSpO
はい今日は終わり。中級魔法使えるなんてザコ強くね?って思った?残念!
発動に5分かかりました!!
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/08(金) 23:43:22.41 ID:wmgmfXSpO
渡るんじゃなくて往復でした・・・
橋を渡ってないのは知能が高いだけだから・・・(震え声)
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/08(金) 23:58:37.83 ID:Lv6H48EAO
乙乙
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 00:02:58.78 ID:eZkM0P9B0
>>188 乙!
ザコだと5分勇者だと何秒?wwwwww
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 15:23:39.35 ID:znuxeAuFO
おつ
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 17:07:05.45 ID:86V82xCa0
5分かけて頭部にピンポイントで当ててひるませる程度...
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/09(土) 23:17:14.27 ID:UhynCA0gO
その日、僕たちはひたすらに怪我人の回復に努めた。だけど僕の初級回復魔法と薬草だけでは重傷を負った人たちを助けることはできなかった。

村の人達にに壊れなかった家の一つを使っていいと言われたけど僕は拒否して近くにテントを張ることにした。

ザコ「勇者」

勇者「何?」

ザコ「お前、あんまり重く受け止めるなよ?」

勇者「うん。けど僕がもっと早く目覚めてればこんなことにならなかったかもしれない」

ザコ「・・・ッ!」
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/09(土) 23:18:24.77 ID:UhynCA0gO
ザコ「そ、それを言うならつまらない喧嘩をして出発を遅らせた俺を責めろよ!!」

勇者「けど僕が早く起きていれば会うこともなかっただろ?」

ザコ「それなら鬼王との戦いでお荷物だった俺が悪い!!」

勇者「違う!あれは僕の不注意で!」

その時、僕はザコに殴られた。
普段のザコのパンチは全然痛くないのに、その時はなんだかいつもより痛かった。

ザコ「なんで、なんで全部自分の責任にしようとするんだよ、俺のことだってもっと責めればいいだろ!?」
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/09(土) 23:19:48.19 ID:UhynCA0gO
ザコ「それにこういうことはきっと他の場所で、何度でも起こる!いちいち抱え込んでても仕方ないだろ!?」

勇者「確かにそうだけど!頑張れば守れたかもしれなかったんだ!僕がもっと頑張っていれば良かったんだ!」

ザコ「なんでお前はそこまでしようと思えるんだよ・・・」

勇者「それは、僕が勇者だから。みんなの希望を背負ってるからだよ!」

ザコ「・・・」

ザコ「は?」

勇者「え?」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/09(土) 23:27:51.28 ID:UhynCA0gO
ザコ「さっきから俺が悪い俺が悪いって何抱え込む必要のないこと抱え込もうとしてんだよお前」

勇者「え?え?」

ザコ「何なの?僕が勇者だから!(キリッ)とか言いやがってよ。カッコつけてんの?」

ザコ「それにもしもの話をいくらしたって何も変わらねぇよ。もっと前見ろよネガティブ勇者!!」

勇者「だ、だけど・・・」

ザコ「だからもしもの話をしたって意味無いって言ってるだろ!?同じこと何度も言わせんな!ムカつくから!!」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/09(土) 23:31:10.01 ID:UhynCA0gO
勇者「う・・うん、そうだね。ここまでの惨状を見たのは初めてだったから・・・混乱してたよ」

ザコ「それから、お前は俺が加護をもらうまで同行してもらわないと困るんだ。
だからそんな落ち込むなよ?暗い旅なんてごめんだからな!」

勇者「うん。わかった!」

武闘家「どうやら問題無いみたいだな」

ザコ「武闘家、見てたのか」

武闘家「テント前であの声量の言い合いをされれば誰でも気づくだろう」

勇者「それは、ごめん」

武闘家「いや、気にするな」
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/09(土) 23:33:21.07 ID:UhynCA0gO
武闘家「勇者、お前は重く受け止めすぎなんだ。さっきザコも言ってたとおりねが、ねが・・・なんだったか?」

ザコ「ネガティブ」

武闘家「そう、それすぎるんだ」

勇者「武闘家・・・うん、ごめん」

勇者(確かに今回は僕らしくなかったな。気が動転しちゃった。気をつけないと。それにしても・・・)

勇者「俺、やっぱりザコを仲間にして良かったよ」ニコッ

ザコ「や、やめろよ恥ずかしい!!」

これからはもっと強く生きよう。僕はこの日そう誓った。
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/09(土) 23:36:12.15 ID:UhynCA0gO
今日はこれで終わり。
全然SS書いたことないのに結構壮大なの始めちゃったからやばい。
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 23:37:42.47 ID:lOxJnJn4o

ええ感じやで
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 23:37:51.88 ID:P0WpZgxcO
乙、がんばれ
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/10(日) 02:56:43.05 ID:H94qX5oDO

初めてかよww全力で応援する
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/10(日) 19:14:07.07 ID:JOw773530
乙乙
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/11(月) 22:55:49.42 ID:KkEgwr5tO
朝、俺たちは村長に呼び出されました。

村長「勇者様、今回は本当に、本当にありがとうございました...!」

勇者「いえ、助けられなかった人も多かったですし、感謝されるほどではありません」

村長「そんな!勇者様達がいなければ村の者はほとんどが死んでしまっていたでしょう!」

勇者「そう思ってくださるのなら良かったです」

ザコ(昨日の勇者ならここでネガティヴ化してたな)
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/11(月) 22:57:34.88 ID:KkEgwr5tO
村長「それで、何かお礼を・・・」

勇者「べ、別にそんなお礼目的でしたわけじゃないですし、村の状況も厳しいでしょうからお礼なんて・・・!」

武闘家「勇者、受け取っておけ」

勇者「え?」

武闘家「お前はそれだけのことをしたんだからな」

勇者「そ、そうかな?」

ザコ「ああ」

村長「では、どうぞ」

勇者「これは?」

村長「魔石でございます」
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/11(月) 22:59:03.68 ID:KkEgwr5tO
ザコ「魔石?」

勇者「簡単に説明すると魔力の結晶ってところかな」

勇者「身に付けると魔法の力を増幅させたりするんだ」

ザコ「へぇー便利なんだなぁ」

村長「この魔石の色は青。勇者様は水属性魔法を使うとお聞きしました。是非お使いください」

勇者「ありがとうございます」

ザコ(ということがありまして、なんと魔石を手に入れましたー!)

勇者「じゃあはい、ザコ」

ザコ「え?」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/11(月) 23:00:09.23 ID:KkEgwr5tO
勇者「しばらくはザコが持ってていいよ」

武闘家「魔石は術式を書けば魔石の魔力を使って魔法を瞬時に発動することもできる。持ってて損はない」

ザコ「おお・・・ありがとう」

ザコ「でも青色なのに効果あるのか?」

勇者「そりゃ水属性魔法を使えば一番強化されるけど、他の属性でもそれなりには強化されるからね」

ザコ「へぇー」

ザコ(これで俺も、少しは役に立てるかな)

そして俺たちは壱の村を出発し、ついに目的地である四の町へと辿り着いた。
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/11(月) 23:00:59.73 ID:KkEgwr5tO
今日はこれで終わり。道中飛び飛びなのはすいません
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