一夏「 こ れ は ひ ど い 」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/08(月) 20:22:22.25 ID:B5WGrPFi0
箒「何の用だ」

セシリア「あら、皆さんと夕食をご一緒にしたいだけですわ。構いませんか?」

箒「……ああ、構わない」

箒(なら隣に座らなくてもいいだろう……)ミシミシ

クロエ(ほ、箒様の箸が……)オロオロ

セシリア「クロニクルさん、構いませんか?」

クロエ「わ、私ですか?」

箒「……」ジロッ

クロエ「え……ああ……ううっ……構い……ません」

一夏「あのさぁ…飯食うのにそんなに引っ付かないでくれない?」

セシリア「あら、この私に引っ付かれるのがそんなにお嫌ですか?」

一夏「この前までこの世の終わりみたいな顔してた奴はどこに行った事やら……」

セシリア「さあ?どこに行ったのでしょうね♪」

箒「……」

クロエ「……」オロオロ
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/08(月) 20:49:19.65 ID:B5WGrPFi0
一夏「なあ、セシリー」

セシリア「セシリア、ですわ」

一夏「ツェツィーーー」

セシリア「セシリア♪」

一夏「……オルコットさん」

セシリア「もうっ、何でそう素直でないのですか」

一夏「いやいや、素直だよ?俺は仲良くなった奴はまずアダ名で呼ぶから」

セシリア「あら、そうでしたの?」

一夏「おう、そうでしたんだよ」

クロエ「本当ですか?」ヒソヒソ

箒「経験あるか?」ヒソヒソ

クロエ「ないです……」ヒソヒソ

箒「ならそういう事だ」ヒソヒソ
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/08(月) 21:03:05.32 ID:B5WGrPFi0
一夏「って、さっきお前俺の事……」

セシリア「名前で呼ばれるのはお嫌いでしたか?一夏さん♪」

一夏「いや、まあ……別に好きでも嫌いでもないけどさ。そんなに喜んで呼ぶ程でもないと思うけどな」

セシリア「そんな事はありませんわ。だって……あなたはーーー」

セシリア「私の王子様ですもの♪」

一夏「」

箒「……」ピクッ

クロエ「???」

セシリア「十年前から……その……ずっと、あなただけを思っていましたわ……」モジモジ

一夏「」

箒「……」バキャッ

クロエ「!?」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/08(月) 21:15:43.15 ID:B5WGrPFi0
一夏「」

セシリア「一夏さん?」

一夏「え"っ、あ、はッ、はいッ、何でしょうか!?」

セシリア「例え……あなたが忘れていても……私は覚えていましたから……その……えっと……」モジモジ

一夏「……」ダラダラ

一夏(考えろ。考えろ考えろ考えろ。考えるんだ。俺、考えろ)

一夏(この状況を打破出来る起死回生の答えを。考えるんだ)

一夏(正直言って十年も思われてたなんて嬉しいしいどころじゃないけど目の前にいる奴がもう誰だか分からねぇくらいに何かもう別人だし)

一夏(箒!クロエ!)チラッ

箒「……」ギロリッッ

一夏(不動明王か!!何て顔してんだお前は!!!)

クロエ「……」アタフタ

一夏(落ち着け、考えろ、考えるんだ……口で何とかしようにもセシリアの独壇場……ならテーブル)

一夏(そうか、今日の晩飯にはこれがあった!!)
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/08(月) 21:27:01.68 ID:B5WGrPFi0
箒(一夏の奴、何か思い付いたな)

一夏「そうだな……まずはこの冷奴を箸で掴めたら俺の素直な気持ちをセシリア、お前にだけ聞かせるよ」

セシリア「ほ、本当ですか?」

一夏「ああ、本当だ。俺は約束は守る男だ」

箒(そもそもその約束自体が間違っているがな)

クロエ(作った声色と雰囲気……何とか誤魔化そうとしていらっしゃいますね)

セシリア「この程度の事、私にとっては造作も……」ツルッ

セシリア「造作も……」ツルッ

セシリア「造作……」ツルッ

セシリア「……」ツルッ

ツルッツルッツルッツルッツルッ

セシリア「この……!」グチャッ

一夏「あーあ、崩れちゃったよ」

セシリア「ま、まだ掴める部分はありますわ!」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/08(月) 21:46:25.90 ID:B5WGrPFi0
セシリア(落ち着いて……落ち着いて取れば……必ず……)プルプル

セシリア(慎重に……慎重に……)プルプル

セシリア「あっ」ツルッ

セシリア「くっ……まだです、まだ終わりではありませんわ……!」

一夏「……ふう」

一夏(勝ったな。それと、豆腐相手にそんなに格好いい台詞言えんのは君だけだろうなぁ……)

クロエ(恐ろしい……何と的確な作戦なのでしょう……)

箒(ふんっ、馬鹿馬鹿しい……)モグモグ

セシリア「……」プルプル

セシリア「あっ」グチャッ

セシリア「この……!」

一夏(難しいよなぁ……ただでさえ箸が使いにくいのに加えて絶妙な力加減で柔らかい絹豆腐をいきなり挟めってんだもんなぁ……)

一夏(よーし、今の内に逃げーーーってモルドレットさんがめっちゃこっち見てる)
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/08(月) 21:51:22.68 ID:B5WGrPFi0
箒「……」モグモグ

クロエ「……」ジーッ

ツルッツルッツルッツルッツルッツルッ

セシリア「……」ツルッ

セシリア「……」イラッ

セシリア(あと少しのところを何故こうも……!!)

セシリア「……」ソーッ

セシリア「!」プルプル

セシリア(なるほどこれぐらいの力で持てば豆腐は挟めるのですね)

セシリア(後はこれを一夏さーーー)

ツルッ……ポチャンッ

セシリア「……」

クロエ「あっ」

箒「……まずは木綿から練習した方がいいぞ」
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/08(月) 22:07:12.39 ID:B5WGrPFi0

バンッッ

セシリア「何ですか豆腐なんて!大体この様に柔らかい物はスプーンで掬えばいい話でしょう!!」

セシリア「ほら!!」スッ

箒「私に言うな。一夏に言え」

セシリア「一夏さーーーあら?一夏さんはどこへ?」キョロキョロ

クロエ「あの……それが……豆腐を取ろうと試みていらっしゃっる間にどこかへ……」

セシリア「……」ポカーン

箒「まんまと一夏に一杯食わされたな」

クロエ「えっと……その……申し訳ありません……」

セシリア「もう!!一夏さんったら!!」


三年生「フフフ……」

三年生(オルコット……豆腐も掴めないとは、あなたもまだまだですね……)スッ
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/08(月) 22:50:02.73 ID:PJUZLoqRO
エースさん指摘そこかよ
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/08(月) 23:25:19.31 ID:KIhfTqaso
アギトとはまた懐かしいものを
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/11(木) 18:29:41.37 ID:uMB18n4O0

-----

千冬「織斑、まさかとは思うが自分のISを忘れた訳ではないだろうな」

一夏「いやいや、ちゃんと持ってますって。ほら」スッ

千冬「よろしい」

摩耶(ついに織斑くんのISを見れます)ワクワク

箒(一夏のIS……どんな姿なんだ……)

一夏(本当は打鉄使おうと思ってたんだけどなぁ……ま、仕方ないか)

セシリア「……」ジィーッ

千冬「オルコットは既に展開している。早くしろ」

一夏「了解しました。アレでいくぞ、クロエ」

クロエ「はい、アレですね」

箒「?」

バッバババッ

一夏クロエ「「着装!」」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/11(木) 18:48:24.41 ID:uMB18n4O0

オオー!!

一夏「織斑一夏及びクロニクル・クロニクル。準備完了しました。織斑先生」バサァッ

千冬「パフォーマンスは余計だ」

一夏「いやぁ、すんません」

箒(あれが……零式と同じ様だが……マントに加えて肩の盾や全体的に鎧の印象が強いな……武器は刀ではないのか?)

セシリア(零式と同じ大きさであの重装甲……細身の零式で傷が付かなかった程ですからあの機体の防御力は相当あるはず……)

摩耶「……」キラキラ!!

千冬「……山田先生?」

摩耶「何ですか!?」キラキラ!!

千冬「落ち着いてください」

摩耶「あっ、すみません。つい……えへへっ」

千冬「全く……」ヤレヤレ

クロエ『一夏様』

一夏『皆まで言うなよ』

クロエ『分かりました』

クロエ(一夏様が零式とツヴァイフォーミュラを出したがらなかったのはこのせいだったのですね)

一夏(武器を展開する授業じゃありませんように……)
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/11(木) 19:13:44.16 ID:uMB18n4O0
一夏「ゆっくり、焦らず、一歩ずつ歩くんだ。自分の足と同じ感覚で」ズシンッズシンッ

静寐「こ、こう……?なんか竹馬に乗ってるみたいだね」ガシャッガシャッ

一夏「んー……そんな感じなのか。ま、竹馬よりは設置面積が広いからそうそうバランスは崩さないのと、打鉄は操縦に同調する専用機じゃないから気を付けないと……」

静寐「あっ!」ガッッ

一夏「おっと、こういう事になるんだよな」ハシッ

静寐「あ、ありがとう……織斑くん」

一夏「いえいえ、どういたしまして」


清香「おとっ……おっとと……危ない危ない」フラフラ

クロエ「まずは風に乗って動くのが、IS特有の飛行感覚を覚えられますよ」

清香「風に乗る?風を……感じて……むむむっ……」ピタッ

クロエ「どうですか?」

清香「ごめん、全っ然分からない」

クロエ「そうですか……」
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/11(木) 19:27:57.80 ID:uMB18n4O0
箒「こうか」ガシャッガシャッガシャッ

一夏「おー流石、飲み込みが速いな」ズシンッズシンッズシンッ

箒「……動きが気持ち悪い」

一夏「そりゃあ、こいつ等はどうやったって自分の思い通りに動いてくれないからな」

箒「お前のは違うのか」

一夏「さーて、どうだか」

箒「……」ブンッ

一夏「はい残念でしたー余裕綽々で受け止められまーす。強いて言うなら」グイッ

キャーッ!ウラヤマシーイ!

静寐(片手でISを軽々持ち上げてお姫様抱っこ……)

箒「お、降ろせっ!」ジタバタ

一夏「こんな事だって出来るのが俺達の機体、かな」

箒「やめろッ、馬鹿ッ!早く降ろせッ!」ジタバタジタバタ

一夏「はいはい、仰せの通りに」スッ

箒「この……馬鹿!」ブンッ

一夏「……」ガシッ

箒「ッ……このッ、離せッ!」

一夏「……」ニヤッ
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/11(木) 19:45:53.98 ID:uMB18n4O0
本音「きゅーん、きゅーん♪私の彼は〜ぱいろっとぉ〜♪」

クロエ「上手ですね。以前に操縦した経験があるのですか?」

本音「ニャイよ〜だから〜なんとな〜くでやってる〜のだ〜」

本音「けどけど〜くろにんのみたいに〜おっきなが羽が付いてれば〜きっと楽チンなのだ〜」

クロエ「そうでもありません。零式もIS、この羽だけで飛行の全てを行っている訳ではありません。これはあくまで飛行補助の為の物です」

本音「ど〜ゆ〜こと〜?」

クロエ「基本は同じ、という事です」

本音「にゃるほど〜そ〜いうことか〜」

クロエ「っと、機体が傾いていますよ」

本音「およよ?ほんとだ〜」

クロエ「飛ぶ事に慣れていない間は、一度地面を水平の基準とすら設定を行う事を推奨します」

本音「わかった〜すいへいり〜べ〜ぼくのふね〜」フラフラ

クロエ「ああっ、他の方にぶつかりますよ!」
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/11(木) 21:18:42.52 ID:uMB18n4O0

キーンコーンカーンコーン

千冬「打鉄をきちんと片付けてから更衣室に向かえ。次の授業に遅れる事のないようにな」

ハーイ!

一夏「何で俺だけ砂運び……」

クロエ「お手伝いします」

一夏「悪いな。砂を入れたところから均していってくれ」

クロエ「了解しました」

セシリア「私もお手伝いいたしますわ」

一夏「おう、ありがとうな。セシリー」

セシリー「当然の事ですわ」フンス

麻耶「織斑くんっ♪」

一夏「げっ、山田先生……」

麻耶「山田先生なんてそんな余所余所しい……私達の仲じゃないですか麻耶さんで結構ですよっ」ニコッ

一夏「は、はあ……さいですか……」
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/11(木) 21:30:43.90 ID:uMB18n4O0
一夏(やっぱりこうなるのかぁ……姉ちゃんは打鉄の片付け手伝いに行っちゃったしなぁ……)

摩耶「それで良かったら織斑くんの機体の武装を持たせてくれませんか?ね?ねっ?」ズイッ

一夏「落ち着いてくださいよ……それでじゃないですよ、話に脈絡なさすぎですよ」

摩耶「ちょーっと持たせてくれるだけでいいんです!」ガシッ

一夏「あのー……僕の話聞いてます?山田先生?」

摩耶「何ならクロニクルさんのでもいいんですよっ!」クワッ

一夏「」

クロエ「……」オロオロ

一夏「あーもう……分かりました。はい」スッ

摩耶「ありがとうござーーーって、あれ?何ですか、これ」

一夏「シェルタープラッテ、俺の機体の肩に着いてる盾です。こうやって自由自在に飛ばせるから飛び道具にもなるんですよ」シュバッ

ギュルルルルル

一夏「どうです?すごいでしょ?」パシッ

摩耶「……」プルプル
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/11(木) 21:51:47.94 ID:uMB18n4O0
摩耶「何が肩の盾ですか!私の目は誤魔化せませんよ!!その機体は銃持ってますよね!?銃ですよ!!ドイツ語でゲヴェーアですよ!!分からない訳ないですよね!!?」ガシィッ

一夏「ちょっと、そんな機体出したまま掴みかからないでくださいよ……」

摩耶「お願いします!!持たせてくださいよ!!私に!!篠ノ乃博士の作った銃を!!!」

千冬「お願いしますからもう少し自重して頂けませんか」グイッッ

摩耶「いたたたたっ、お、織斑先生!!?」

千冬「わざわざ機体まで展開して……そんな事をしなくたって私が言えば持つぐらい……」ヤレヤレ

摩耶「本当ですか!?はい!!」スタッ

千冬「さて、次の授業の用意に行きますよ」グイッッ

摩耶「うわあぁぁぁぁ!!嘘つきいいいぃぃぃぃぃぃ!!」ズルズルズル

千冬「こっちの身にもなってください」ズルズルズルズルズルズル

摩耶「これが大人のやる事ですかぁぁぁぁぁぁぁ!!」ズルズルズルズルズルズル

千冬「その言葉、一字一句そのまま返します」ズルズルズル!!

摩耶「お"り"い"い"む"う"う"う"う"ら"あ"あ"あ"く"う"う"う"う"ん"ん"ん"んんん!!!」ズルズルズル

一夏「南無三」ナムナム

摩耶「撃たせてえええぇぇぇぇぇ!!うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ズリズリズリズリズリズリ
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/11(木) 22:00:31.89 ID:uMB18n4O0

ウワァァァァァァァァァ……

セシリア「……」ポカーン

一夏「ふうー……いつもの事だけど姉ちゃんも大変だな」

クロエ「そうですね……しかしツヴァイフォーミュラが銃を持っている事を見抜かれるとは……」

一夏「さっきの通り、山田さんは銃になると怖いからな。色々と」

クロエ「そうですね……」

一夏「あ、しまった」

クロエ「どうかしましたか?」

一夏「地面、機体で普通に踏んだ」スタッ

クロエ「ああ……」

一夏「また均さなきゃ……ん?」

箒「……」

一夏「トンボなんか持って何してんだ?」
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/11(木) 22:14:07.10 ID:uMB18n4O0
箒「先に戻る」

一夏「嘘だって!ありがとうな!手伝いに来てくれたんだよな!」

箒「もう終わりだろ?なら私がいなくてもいいだろ」

一夏「ごめんなー急いで着替えて手伝いに来たら終わってたから恥ずかしかったんだよなーごめんなー」

箒「そっ、そんな訳あるかっ!」

セシリア「はっ!篠ノ乃さん、いつの間にいらしてたのですか?」

箒「……うるさい」

一夏(おーやっと復活したか)

セシリア「いきなりうるさいとはどういう事ですの!」

一夏「はいはい、プリプリしないの。とりあえず、セシリーと箒は先に戻っててくれ、残りはこの足跡二つだけだからさ」

クロエ「道具はこちらで片付けておきます」

箒「ほら、戻るぞ」

セシリア「……分かりましたわ」
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/11(木) 22:31:17.95 ID:uMB18n4O0
箒「全く……せっかく手伝いに行ったのにあれでは……」ブツブツ

セシリア「あの……」

箒「大体一夏はいつも……」ブツブツ

セシリア「篠ノ乃さん?」

箒「何だ」

セシリア「あなたへの……謝罪がまだでしたわ」

箒「謝罪?何のだ?」

セシリア「クラス代表決定の際、私はあなたの名を利用しようとしてましたから」

箒「何だ、そんな事か」

セシリア「そんな事って……怒ってませんの?」

箒「ああ、一夏が勝手に怒っただけだ。一夏らしいと言えば一夏らしいがな」

セシリア「そうでしたか……」
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/11(木) 22:50:26.04 ID:uMB18n4O0
箒「それに、あんなのにはもう慣れた。苗字を聞いて言ったんだろう?」

セシリア「ええ、そうですわ。もしや、と思いまして」

箒「ならいい。それぐらいなら、まだ可愛い程度のものだからな」

箒(人質にしようとしないからな)

セシリア「……」

セシリア(篠ノ乃さん……やはり……篠ノ乃博士のご家族だけあって……かなりの苦労をされていたのですね……)

セシリア「篠ノ乃さん!」ハシッ

箒「な、何だ?」

セシリア「私に何か出来る事があるなら遠慮なく言ってくださいまし」

セシリア「是非とも、このセシリア・オルコットがお手伝いいたしますわ!」

箒「そ、そうか……急にどうしたんだ?」

セシリア「どうもしていませんわ。困っている人を助けるのは当然の事ですわ」

箒「別に今は困っていないんだがな……」
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/11(木) 23:14:10.66 ID:uMB18n4O0
箒「そういえば……セシリア、一夏の事を王子様、と言っていたが……あれはどういう意味だ?」

セシリア「そのままの意味ですが?」

箒「……なら、十年前に一夏とお前の間に何があった?」

セシリア「それは……私と一夏さんだけの秘密ですわ♪」

セシリア「一つ言えるのは、一夏さんは十年前と変わらず優しくて素敵な殿方だと言う事ですわ♪」

箒「ほう……そうかそうか、十年前か。そうか」

箒「ならその首にかかっているのは千冬さんの御守りか」

セシリア「なッ、何故それを!?」

箒「まさかお前だったとはな。そういえば一夏は昔言っていたな、金髪で外国の言葉を話す女の子に千冬さんの御守りを渡した、とな」

箒(可愛いかったも言っていたがな)イラッ

セシリア「これは渡せませくてよ!」

箒「今更誰がそんなものいるか!」

セシリア「なるほど……どうやら、あなたとはとてもとても良い関係が築けそうですわね。篠ノ乃さん」

箒「ああ、そうだな。セシリア」


一夏「Ohhh……my……」

クロエ「どうかなさいました?」
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/18(木) 21:21:18.29 ID:UPrNuVII0

-----

一夏「やっぱり何でもかんでも度が過ぎる、っていうのは良くないよな。全くしないのは駄目だけどし過ぎても駄目、何にせよその中間の程よいところを見つけないとな」

箒「何の話だ」

一夏「野菜は炒め過ぎちゃいけないって話だよ」

セシリア「私はしっかりと火が通されていると思いますわ」

一夏「さいですか……って、何で俺と一緒の食べてるんだ?」

セシリア「いけませんくて?」

一夏「別にぃ……俺はいいけど」

クロエ「今回の料理は……少し炭化した部分が目立ちますね」

一夏「火力強過ぎなんじゃないか?だから中に火が通る前に外が焦げちゃってるんだよ」

箒「半生よりはいいだろ」

一夏「いや確かにそうだけどーーーって箒も野菜炒めなのか」

箒「何だ、私が野菜を食べてはいけないのか」

一夏「別にぃ……」
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/18(木) 21:32:43.53 ID:UPrNuVII0
クロエ「……」モグモグ

一夏「あ、クロエ、ちょっと止まれ」

クロエ「何ですか……?」ピタッ

一夏「米粒」ヒョイ

クロエ「あ、ありがとうございます……」

一夏「また器用なところに」パクッ

クロエ「いつ付着したのでしょうか……?」

一夏「さあな」

クロエ「……」ウーン

一夏「気にすんなよ。飯が冷めるぞ」

クロエ「分かりました」

箒(……懐かしいな、昔は私がああやっていたのにな)

箒「……」

セシリア(う、うらやましいですわ……一夏さんにあんな風に……)

セシリア「……」
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/18(木) 21:41:47.86 ID:UPrNuVII0
一夏「ん?」ピクッ

一夏(何か視線が……)

箒「……」ジィーッ

一夏(何?俺の顔にも米粒あるのか?)サササッ

クロエ「どうかしました?」

一夏「いや、何でもない」

箒「……」ジィーッ

一夏「???」

セシリア「……」ソーッ

一夏(米粒を顔に……何やってるんだ?)

箒「おい」ガシッ

セシリア「!?」ビクッ

箒「食べ物で遊ぶな。行儀が悪い」

セシリア「あ、遊んでなどいませんわ!」
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/18(木) 22:03:14.33 ID:UPrNuVII0
箒(頬の米粒を一夏に取ってもらおうという魂胆だろうがそうはいかんぞ……)

セシリア(篠ノ之さん……私の考えを見抜いて……)

箒(やはり隣に座って正解だったな)

セシリア(やりますわね……)

箒「……」

セシリア「……」ニコニコ

クロエ「どうかなさいましたか?」

箒「何でもない。なあ?セシリア」

セシリア「ええ、何でもありませんわ。篠ノ之さん」

クロエ「???」

クロエ(何故手を放さないのでしょうか?)

一夏(何か急に仲良くなったよな。隣に座ってるし、この二人)

一夏(うわぁ……何か怖いなぁ……)
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/18(木) 22:38:16.86 ID:UPrNuVII0
セシリア「そうですわ!一夏さん、今日の放課後、お時間頂けますか?」

一夏「放課後?何するんだ?」

セシリア「ISの特訓をお願いします」

一夏「特訓?何で?」

セシリア「何でって……一夏さんはクロニクルさんより強いのでしょう?」

一夏「いや、弱いよ」

セシリア「へ?」

クロエ「えっ?」

一夏「そうだろ?クロエ」

クロエ「は、はい……現状から判断すれば……そうですが……」

箒(現状?)
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/18(木) 23:02:57.76 ID:UPrNuVII0
一夏「あ、そっか。じゃあクロエがやればいいんじゃないか」ポンッ

クロエ「え、わっ、私ですか?」

一夏「戦った相手の方がいいだろ。戦った仲だからこそ分かる事もあるしな」

一夏「という事だ。セシリー」

セシリア「ええ……そ……そう……ですね」

一夏「はい決定っと」

箒「一夏、お前も行け」

一夏「はあ?俺がぁ?」

箒「部屋でゴロゴロしているよりはいいんじゃないか」

一夏「失礼な、誰がゴロゴロしてるってんだよ」

箒「じゃあ何をしているんだ?」

一夏「そりゃあ、まあ……色々と……」

箒「……」ジトー

一夏「ま、とにかく。断じてゴロゴロはしてない。学園内をうろついて色々としてるだけだ」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/18(木) 23:21:36.70 ID:UPrNuVII0
クロエ(極秘行動をなさっている事は伏せておくべきですね)

一夏(どこで姉ちゃんが聞いてるか分からないからな……迂闊な事は言えないな)

箒「……色々と、か?」

一夏「うん」

箒「……」ジトー

一夏「はい、この話はこれで終わり。放課後はアリーナに全員集合」

セシリア「来てくださるのですか?」

一夏「あれだけ言われたら仕方ないだろ」

セシリア「ふふっ♪楽しみですわ♪」

一夏「そりゃ良かったね」

一夏(ま、俺は見てるだけだけどな)

クロエ「箒……もいらっしゃるのですか?」

箒「打鉄の使用許可で少し遅れるかもしれないがな」

クロエ「そ、そうですか……」

クロエ(存外……ISに対して意欲的でいらっしゃるのですね……)
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/18(木) 23:36:59.57 ID:UPrNuVII0
〜アリーナ〜

一夏「いいか、考えるな、感じろ」

セシリア「その様に抽象的な事を言われても分かりませんわ!」

一夏「代表候補生たる者が何をおっしゃるんだよ。次の動きを予想するんじゃなくてーーー」

セシリア「大体、お二人のレベルがおかしいのですわ!」

一夏「そうか?」

クロエ「そ、そうでしょうか……?」

セシリア「お二人はそれで当然と思っていらっしゃるかもしれませんがそれは当然と呼べるレベルではありませんわ!」

セシリア「何ですか……もう……」イジイジ

一夏「あーごめんごめん、拗ねるなよ」

セシリア「拗ねてなんかいませんわ!」

クロエ「……」オロオロ

箒(いつまでやってるんだ)
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/18(木) 23:55:29.09 ID:UPrNuVII0
一夏「ほーら、セシリーちゃんは良い子良い子、やれば出来る子」

セシリア「もう!からかわないでください!」

一夏「からかってなんかないぞー」

箒「クロエ、手合わせ願えるか」

クロエ「は、はい、構いませんが……」

一夏「おお、久しぶりに篠ノ之流にお目にかかれるのか」

箒「そんな大層なものじゃない。ただ刀を振るだけだ」

一夏「またまたご謙遜を」

クロエ(篠ノ之流剣術……束様や一夏様は使われなかったのですが……一体どんな剣術なのでしょうか……)

セシリア(長刀と短刀の二刀流……見た事のない剣術ですわ……)

一夏「それじゃあいくぞー両者、構え」

箒「……」スッ

クロエ「……」ヒィィィィン

一夏「始め」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/19(金) 00:12:39.70 ID:ePR/fcur0
〜校門付近〜

?「一夏んはあっち?」

?「いやいやこっちじゃない?」

?「じゃああっち?」

?「ならこっち?」

??「「もうどっちも行っちゃおう!」」

?「先にどっち行く?」

?「ここに手頃な棒があります。そしてこれをこうして立てます」コンッ

?「ほうほう、なるへそ。そして?」

?「せーのっ」

?「「尋ね人ステッキ!」」カランカラン

?「うむ、進路は北北東!」

?「うむ、いざ行かん!」

??「「待っててね!一夏ぁーん!!」」
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/19(金) 00:25:58.02 ID:ePR/fcur0
新キャラの正体やいかに(すっとぼけ)
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/24(水) 20:24:59.13 ID:jSsEqi790
セシリア『篠ノ之さん、あなたに会わせますわ!』

箒『頼んだぞ!』

箒「はッ……せいッ……!!」ヒュンッヒュヒュンッ

クロエ「……」カァンッカカァンッ

セシリア(篠ノ之さんの剣撃の隙間を……)

ピチュチュチュチュンッ

クロエ「……」バッ

箒「もらった!」ヒュッ

クロエ「……」カァンッ

箒「!?」

箒(あんなに簡単に死角からの攻撃を防いだ!?)
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/24(水) 20:29:44.72 ID:jSsEqi790

バシューンッ

クロエ「……」バチィンッ

箒「畳み掛けるぞ!!」ヒュッ

クロエ「……」カァンッ

ピチュンッ ピチュンッピチュンッ

箒「せいッ……はあッ……!!」ヒュヒュンッ ヒュンッ

クロエ「……」バッ

ピチュンッ ピチュピチュピチュンッ

セシリア「そこですわ!」バシューンッ

クロエ「……」スッ

箒「なッ!?」バチィンッ

セシリア「すッ、すみまーーー」
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/24(水) 20:46:05.66 ID:jSsEqi790


ガガァンッ


箒「うわッ……!?」ポロッ

セシリア「きゃあッ……!?」ポロッ

クロエ「……」チュイィィィンッ

パンパンパンッ

一夏「はい、残念でしたー本日五回目の箒とセシリーの負けでーす。残念無念また来週ー」

箒「……流石だな、クロエ」

クロエ「そんな……私などまだ未熟です……」

セシリア「何故謙遜なさるのです。もっと胸を張っても誰も文句はいいませんわ」

クロエ「そ、そうですか……?」

一夏「そうだぞークロエ」

セシリア「一夏さんは!いつまでISを展開もせずにそこで見ているつもりですの!」

一夏「別にいいだろー俺はクロエより弱いんだし」
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/24(水) 21:14:58.45 ID:jSsEqi790
一夏「そもそも、俺はアリーナで集合とは言ったけど『ISの特訓する』とは一言も言ってなかったからな」

一夏「ついでに俺、クロエより弱いし」

箒「いちいち屁理屈を……」ワナワナ

セシリア「お、落ち着いてくださいまし!」ガシッ

箒「放せ、あいつの根性を叩き直してやる」

一夏「生身の人間に対してISの武器を向ける事に関してはまだジュネーブ条約に何も出来てなかったっけ?」

クロエ「現時点では条約と呼べるものに含まれていません」

一夏「おお怖っ」

箒「いいから放せ」ジタバタ

セシリア「駄目です!」

一夏『どうにも打鉄は箒に付いていけてないな』

クロエ『それを無理矢理使われていますね』

一夏『本人は気付いてないみたいだけどな』

クロエ『そのようですね』
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/24(水) 21:31:18.45 ID:jSsEqi790
一夏「はいはい、気を取り直して六回目を始めるぞー」パンパンッ

一夏「今度こそクロエに手を出させる事が出来るよう頑張れよー」

箒「言われなくても」

セシリア「やってみせますわ!」

クロエ「お二人とも頑張ってください」

箒「……余裕だな」ジトー

クロエ「えっ?い、いえ……そんな事はありません……」

セシリア「……」ジトー

クロエ「あの……その……ううぅっ……申し訳ありません……」

一夏「その威勢は最初だけの為に取っとけよ」

箒「誰が威勢がいいのは最初だけだ」ギロリッ

セシリア「失礼な、そんな事などありませんわ!」

一夏「はいはい、それじゃあいくぞー」

箒「……」スッ

セシリア「……」チャッ

クロエ「……」チャキッ

一夏「始め」
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/24(水) 21:50:28.48 ID:jSsEqi790


ドンッッ!!


一夏「おっとっとっと、危ない危ない」

一夏「さて、この床綺麗かな……」サッサッ

一夏「うーん、微妙だなぁ……うん?」

??「「……」」

一夏「何だお前等?」

??「「……」」バッ バババッ スーッ

タンッ

一夏(ん?二人?それにその一連の動作は……)


??「「ドラゴンライダーキーック!!」」


一夏「やっぱりな!ライダーパーンチ!!」
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/24(水) 22:03:17.01 ID:jSsEqi790
??「「……」」スタッ

一夏「いってててっ、久しぶりにだからってもうちょっと加減しろよな」

??「「一夏ぁーん!!」」ピョーン

一夏「鈴!清!」ガシッ

鈴清「「このクソゴミ面だけは見たくなかったんだからー!!」」クルクル

一夏「クソチビ野郎共が言うなよー!」クルクル

鈴清「「言ったなーウスラトンカチのオタンコナスの大根ー!」」クルクル

一夏「おう言ったぜ!こんのチャイナボカンシリーズがー!」

一夏鈴清「「「アッハハハハハハ!!」」」クルクルクルクル


セシリア「何のですの、アレ」

箒「……さあな」

クロエ「???」

クロエ(発言と行動が一致していません)
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/24(水) 22:16:56.51 ID:jSsEqi790
一夏「ほい、じゃあ二人の自己紹介をどうぞ」

鈴「リュウレンジャー!」バッ バッバッ

鈴「天風星、凰鈴音!!」

清「同じくリュウレンジャー!」バッ バッバッ

清「天雷星、凰清音!!」

鈴「天に輝く!」

清「二つ星!」

鈴清「「二星戦隊!!ダイレンジャー!!」」

一夏「はい、拍手!」パチパチ

クロエ「?」パチパチ

セシリア「?」パチパチ

箒「……」パチパチ

鈴「皆ありがとー!」

清「ありがとー愛してるよー!」
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/24(水) 22:32:20.51 ID:jSsEqi790
箒「そうじゃないだろ」

鈴清「「何がー?」」

箒「何者だ、お前等は。一夏とはどういう関係だ」

鈴「よくぞ聞いてくれたー!」

清「あたし達は何と!一夏の〜!」


鈴清「「幼馴染みでマブのダチ公で将来のお嫁さんなのだー!!」」


クロエ「そ、そうなのですか……」

鈴清「「そうだよーだからそこんとこよろしく!!」」ビシッ

セシリア「一体どういう事ですの〜!!」ガクガク

一夏「ギブギブギブ!!ISを展開したまんまはやめてくれ!!頭もげるから!!!」

箒「そのまま、持っていろ。セシリア」

一夏「お前は更に何をする気だ!!!」

セシリア「一夏さん〜!!」ガクガク

一夏「説明するからやめてくれ〜!!!」
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/29(月) 22:07:52.26 ID:hij7xZFi0
一夏「だから鈴と清は五年生から中学三年までつるんでた悪友の、ダチ公なんだよ。別に将来の伴侶とかそんなんじゃないんだよ」

一夏「分かったか?お二方?」

箒「……ああ、よく分かった」

セシリア「分かりましたわ……」

一夏「ったく……まだ滅茶苦茶痛いよ……」ゴキゴキッ

クロエ(一夏様、少し苛ついていらっしゃいますね……)

鈴「ちょっと、ちょっとちょっと」

清「あたし達をお嫁さんにしないって」

鈴清「「どーいう事?」」

一夏「……鈴、清」

鈴清「「なーに?」」

一夏「うるさい」

鈴清「「はーい……」」ショボン

一夏「ったく……あ痛っ……」ゴキゴキッ
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/29(月) 22:19:56.90 ID:hij7xZFi0
一夏「何か俺に言うことは?」

箒「ごめんなさい」

セシリア「申し訳ありません」

一夏「はい、二人ともよく出来ました」

鈴「一夏ん、あーん」

清「ずるーい、あたしもあたしも」

一夏「ちょっ……左右からラーメンを押し付けてくるな……」

鈴清「「あーん!」」

一夏「あー!」グイッ

鈴清「「ふみゃっ!」」

一夏「頼むから飯ぐらい落ち着いて食わせてくれっての」

鈴「今更何照れてんのよー」

清「あたし達の仲じゃないかよー」

一夏「さっきから汁がこっちに飛んでるんだよ」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/29(月) 22:34:40.69 ID:hij7xZFi0
一夏「鈴も清もちょっとはクロエを見習え。ほら」

クロエ「私を、ですか……?」

鈴清「「ほうほう、クロちんを」」

クロエ「?」

鈴清「「じぃーっ」」

一夏「クロちんって……」

セシリア「見習う、という点では私はどうでしょうか?」

一夏「アリーナで俺に何した?」

セシリア「……はい」

箒「そういった点は私もセシリアと同じだな」

一夏「……いつになく素直だな」

箒「うるさい、事実を言ったまでだ」

一夏「はいはい」
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/29(月) 23:01:42.20 ID:hij7xZFi0
鈴清「「じぃーっ」」

箒「何だ?私に何か付いているか?」

鈴清「「あんたが一夏んの幼馴染み?」」

箒「そうだが」

鈴清「「へーそうなんだー」」

箒「言いたい事があるならハッキリ言え」

鈴清「「別にないよー」」

一夏「頼むから一悶着起こさないでくれよ」

清「心配御無用!」

鈴「ノープロブレム!」

一夏「本当かよ……前科あるだろ……」

鈴清「「知ーらないっ」」

セシリア「むむむっ……」

セシリア(私だけ蚊帳の外ですわ……)
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/29(月) 23:34:13.78 ID:hij7xZFi0
クロエ「お二人は何故IS学園にいらっしゃったのですか?」

鈴清「「当然、一夏をブッ倒す為!」」

クロエ「は、はあ……ブッ倒す為、ですか……」

鈴清「「いえすあいあーむ!」」

箒「単純明快な答えだな」

鈴清「「でしょでしょー?」」

一夏「……」

セシリア「どうかしました?」

一夏「いや、別に……」

一夏(頼むからあの事だけは言わないでくれよ……)
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/29(月) 23:51:16.45 ID:hij7xZFi0
セシリア「何かあればどうぞ遠慮なさらずに、このセシリア・オルコットに申してくださいまし、一夏さん」

一夏「何かあったそうさせてもらうよ」

清「おうおう、セっちゃんよーい」

セシリア「セっちゃん……!?」

鈴「イギリス代表候補生がどうして無名の一夏んにベットリな訳ー?」

セシリア「あら、いけませんくて?」

鈴「おうおう、一夏んはあたし達のシマなんだからさー」

清「何の断りなしにベットリしようたぁいい度胸してんじゃねぇかよー」

鈴清「「まずは出すもん出してもらおうじゃねぇかよー」」

一夏「誰がお前等のシマだ」

鈴清「「何だよーノリ悪いぞー」」

一夏「はいはい、そりゃ悪うござんした」
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/01(火) 00:06:18.35 ID:f1SzzqZb0
セシリア「私の事をご存知ですのね」

鈴清「「もちこーす!敵を知る事は戦いの基礎中の基礎って兵法も言ってるからね!」」

セシリア「ええ、その通りですわね」

鈴清「「でしょでしょー?」」

クロエ(ヘイホー?)

箒(意外と頭を使う奴なんだな)

一夏(箒のやつ、何関心してるんだ?)

鈴清「「で?何で一夏んにベットリな訳?」」

セシリア「それはこの私が、一夏さんと赤い糸で結ばれているからですわ!」

一夏「御守り渡した時、紐って赤かったっけ?」

セシリア「そういう事ではありません!」

一夏「ジョークだって、ジョーク」

セシリア「もうっ……」
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga ]:2016/03/01(火) 00:18:34.97 ID:f1SzzqZb0
鈴「御守り?」

清「持ってんの?」

セシリア「ええ、この通り」

清「じゃあじゃあ一夏の言ってた」

鈴「金髪少女ってのはもしかして」

セシリア「そう、この私の事ですわ」

鈴清「「おおー!」」

セシリア「私と一夏さんの出会い、それは十年前のーーー」

鈴清「「カァーット!!」」

セシリア「ちょっと!」

箒「……誰にでも話してたんだな」

一夏「誰にでもって……数えれる程の人数にしか話してないぞ」

箒「本当か?」ジトー

一夏「嘘ついてどうなるんだよ」

箒「……ふんっ」

クロエ(何故少し不愉快そうなのでしょうか……)
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/01(火) 21:23:02.30 ID:f1SzzqZb0

バタン

鈴「うーむ、セっちんに」

清「箒ちん、か……」

鈴「あたし達の一夏んが危ないよ!清!」

清「セっちんはともかく箒ちんは幼馴染みとか言う強ポジだよ!鈴!」

鈴「落ち着け、まだ慌てる様な時間じゃない」

清「ほうほう?して、その理由は如何に?」

鈴「孫子曰く“幼馴染みは負けフラグ”である」

清「つ〜ま〜り〜?」

鈴清「「ダチ公のあたし達が有利なり!!」」

鈴「けどけど〜ここはあたし達の一夏んを揺るぎなきものにする為にもう一手欲しいところ……」

清「あたし達の一夏んだって見せびらかす必要があるね……」

鈴清「「うーん、どーしたものかー」」
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/01(火) 21:42:34.21 ID:f1SzzqZb0
清「あーっ!コレとかどう?」ピラッ

鈴「ほうほう、これはこれは……」

鈴清「「つ〜ま〜り〜」」ニヤリ

清「あたし達がクラス代表になってー」

鈴「代表戦で一夏んをブッ倒してー」

鈴清「「俺の物宣言をする!!」」

鈴「何という完っ璧な作戦!」

清「もうこれしかない!」

鈴「その為の第一歩は〜?」

清「二組のクラス代表になろう!」

鈴清「「よっしゃあー!」」パチン
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/01(火) 22:06:30.73 ID:f1SzzqZb0
鈴「ここで孫子の言葉!戦争は国家の一大事で、国民の生死や」

清「国家の存亡にも関わってくるから、細心の注意を払って検討に検討を重ねなければならない」

清「そして〜戦争というのは、相手を傷つけずに、降伏させるのが良い
相手をブッ飛ばして降伏させるのは、その次」

鈴「だから、百回戦って百回勝っても、それは良い事じゃなくて、戦わないで降伏させるのが最も善いのである!」

鈴清「「なるほど!」」

鈴「とりあえず変わってもらえるか聞こっか!」

清「それが無理ならやっちゃおう!」

鈴「ええ?やっちゃう?」

清「ええ?やらないの?」

鈴清「「もちのロン!やるに決まってるでしょ!」」

鈴「この神が授けた龍の子!」

清「凰鈴音と凰清音の前に〜!」

鈴清「「敵はない!!」」

鈴清「「いざ、二組のクラス代表さんの部屋へー!」」
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/01(火) 22:42:39.22 ID:f1SzzqZb0
セシリア(もうっ、何なんですのあの二人は!)

セシリア(一夏さんの幼馴染みである篠ノ之さん一人ですら強敵ですのに……)

「セシリアさん?」

セシリア(悪友……というのは少し分かりませんがそれなりに親しい仲だった事は確かですわ!)

セシリア(このままでは十年前に一度会ったきりの私では手も足もでなくなってしまいますわ!!)

「おーい?セシリアさん?」

セシリア(打開策が必要ですわね……)

「セシリアさん!」

セシリア「へっ?は、はいっ!何ですの!?」

「お茶、いいの?」

セシリア「ああっ!ありがとうございます!」カチャカチャ

「大丈夫?ボーッとしてたよ?」

セシリア「な、何でもありませんわ。ちょっと考え事をしてただけですから……熱っ」

「……本当に大丈夫?」

セシリア「ご心配には及びませんわ!!」
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sapa]:2016/03/01(火) 23:18:43.18 ID:f1SzzqZb0
箒(凰鈴音に凰清音か……)

箒(……)モゾモゾ

箒(私もあんな風に一夏に接すれればな……)

箒(私が……あんな風に……一夏に……)

箒(……)

箒(いや、やっぱり駄目だ……恥ずかしくて出来ない……)

箒(第一そんな事をしたところで一夏にからかわれて終わりだ)

箒(大体、一夏の奴はいつもいつも……)イラッ

箒(昔はああではなかったのに私がいない数年の間に何があったんだ)

箒(姉さんは何をしていたんだ)

(篠ノ之さんから……負の感情が……する……)ビクッ

箒(最早セシリアも鈴も清も関係ない。私が一夏を……)

箒(そうだ。私は一夏の幼馴染みなんだからな)
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/01(火) 23:36:16.35 ID:f1SzzqZb0
一夏「はあぁぁぁ〜疲れた〜……冷たっと」ペタッ

クロエ「本当に大丈夫ですか?かなりの負荷が首にかかっていましたが……」

一夏「大丈夫大丈夫、こんなの湿布張って寝ればアラ不思議って具合に……冷たっ」ペタッ

クロエ「ならよろしいのですが……」

一夏「ったく、セシリーも箒も加減ってもんを覚えて欲しいよ」

クロエ「一夏様が過度にからかわれるのが原因なのでは……」

一夏「聞こえなーい。よーし、じゃあ俺は寝るぞ。クロエも早く寝ろよ」モソモソ

クロエ「あの……チェックはよろしいのですか……?」

一夏「もうやったから気にせず寝ろよ」

クロエ「わ、分かりました」

一夏「俺の布団に入ってくるなよ」

クロエ「……分かってます」モソモソ

一夏「何だ今の間は」

クロエ「何でもありません……」
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/02(水) 21:10:58.88 ID:kVlE9lQ80

-----

箒「おはよう、一夏、クロエ」ガタッ

クロエ「おはようございます」ペコリ

一夏「おう……」

箒「一夏……大丈夫か?」

一夏「おう……」

セシリア「おはようございます。一夏さん、クロニクルさん、篠ノ之さん」

箒「おはよう」

クロエ「おはようございます」ペコリ

一夏「おう……」

セシリア「一夏さん?」

一夏「おう……」
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/02(水) 21:31:07.59 ID:kVlE9lQ80
箒「目の下のクマが凄いぞ」

一夏「おう……まあ……大丈夫だ……」モグモグ

箒「おい、それはソースだぞ」

一夏「ん?ああ、悪い……」

箒「待て!それはラー油だ!」

セシリア「一夏さん、どうしましたの?何やら様子が変ですが……」

クロエ「寝返りの度に首の痛みで目が覚めてしまい……あまり寝付けなかったとの事です」

セシリア「……申し訳ありません」

一夏「いいよいいよ。目が覚めたって言っても数回だけだし」

一夏「大丈夫だって、後半時間ぐらいあれば俺のこのシワの少ない脳みそもフル稼働するからさ」

箒「それは七味唐辛子だぞ」

一夏「あれ?醤油どこだ?」

セシリア「どうぞ」サッ

一夏「おう……悪いな」

クロエ(今日のお味噌汁はほうれん草ですか……)モグモグ
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/02(水) 21:42:32.02 ID:kVlE9lQ80
一夏「うん……日本人の朝はやっぱり……卵かけご飯だよな……」チャッチャッチャッ


鈴清「「いーちかんっ!」」パシーン


一夏「……」バシャッ

セシリア「あっ」

箒「あ」

クロエ「ああっ……」

一夏「……」

鈴清「「おはよー!」」

一夏「……」

鈴「んん?どしたの?」

清「元気がないぞー?」

一夏「ん」カチンッ
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/02(水) 22:19:31.11 ID:kVlE9lQ80
一夏「食いもんの恨みは……おっかねえぞぉ……」グリグリグリグリ

鈴清「「痛い痛い痛い痛い〜!!ギブギブギブッ!!」」ジタバタ

セシリア「二人まとめてこめかみを……」

箒「あれは……千冬さんによくやられたな……」

クロエ「……」オロオロ

一夏「今回は運よく飯にかかったから良かったけどなぁ……お前等これがテーブルにブチ撒けられてたらなぁ……?」グリグリグリグリ

鈴清「「ごめんなさい〜!!もうしませんから〜!!」」ジタバタジタバタ

一夏「……」パッ

鈴清「「ううぅ……頭がぁ……」」ジンジン

一夏「昨日からこんなのばっかだな……」モグモグ

箒「セシリア……お前……何を食べてるんだ……?」

クロエ「とても……茶色い……粘性の物ですが……」

セシリア「マーマイトですが?」
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/02(水) 22:43:18.55 ID:kVlE9lQ80
鈴「ねぇ、一夏ん」

清「今日は何か予定ある?」

一夏「今日かー馬術部に行く予定だなー」

清「だってさっ、鈴」

鈴「そうだねっ、清」

一夏「何かあるのか?」

鈴清「「うししっ!乙女のヒ・ミ・ツ!」」

一夏「は、はあ……さいですか……」

セシリア「どうです?」

箒「これは……その……何というか……あまり……食べられ……ないな……」

クロエ「見た目に……反して……独特の……味を……していますね……」

セシリア「そうですか?美味しいと思いますけど……」

一夏「何でグロッキーになってるんだ?」

セシリア「一夏さんも召し上がられます?マーマイト」

一夏「おーチョコソースか何かか?」
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/04(金) 21:47:43.49 ID:GHRCtRl00
〜アリーナ〜

鈴「明日のメニュー、どうする?」

清「う〜ん、そうだねぇ……中華!」

鈴「炒飯?餃子?」

清「小籠包?青椒肉絲?」

鈴清「「全部!!」」

「ごめ〜ん、遅れちゃった〜」

鈴「いいよいいよー!」ブンブン

清「全然おっけー!」ブンブン

「よ〜し、じゃー早速始めよっか」

清「鈴、やっちゃえ!」

鈴「もちのロン!ソッコーでやっちゃうよ!」

「たはは……お手柔らかにね」
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 21:49:13.59 ID:j8rG5hoxo
酢豚じゃないのか!?
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/04(金) 22:10:49.09 ID:GHRCtRl00
〜グランド〜

一夏「うぷっ……まだ朝のアレが……」

静寐「織斑くん、大丈夫?」パッカパッカ

一夏「ん?ああ、何とか」

箒「情けないぞ」パッカパッカ

白馬「……」

一夏「あのなぁ……俺の胃はさながらガラスの様に繊細なんだよ。あんな食物兵器食ってもう平気なお前がおかしいんだよ」ササッ

クロエ「どうかなさいましたか?」パッカパッカ

黒馬「ブルルッ」

一夏「おっと」ササッ

箒「見ろ、クロエは平気だぞ」

一夏「あのなぁ……」
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/04(金) 22:21:51.93 ID:GHRCtRl00
黒馬「……」ジー

一夏「ん?何だ?」

黒馬「……」ジー

静寐「織斑くんが気になるのかな?どうしたの?」

黒馬「……」

クロエ「私の時と同じようですが……」

箒「乗せてくれるんじゃないのか?」

一夏「本当か?蹴られるのは嫌だからな」ソーッ

黒馬「……」スンスン

一夏「おおっ……いける?」

静寐「大丈夫そうだね」

箒「良かったな。ようやく馬に乗れて」

クロエ「おめでとうございます」
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/04(金) 22:33:38.06 ID:GHRCtRl00
一夏「別に乗れなくてもーーー」ピトッ

クロエ「危ない!!」

黒馬「ヒヒーン!!」グルンッ

箒「一夏!!」

一夏「おっと」バッ


ブォンッ!!


クロエ「どうどうどう……!」

白馬「ブルルッ」

箒「一夏から離すぞ」

クロエ「了解しました」

一夏「おおっ……今回はそうきたかぁ」
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/04(金) 22:44:34.47 ID:GHRCtRl00
一夏「油断させてまで蹴ろうとするかぁ……俺そんなに嫌われる様な事した覚えないんだけどな……」

静寐「だッ、大丈夫ッ!?」

一夏「おう、この通り。顔に穴は空いてないぞ」

静寐「よ、良かった〜……」ホッ

一夏「あの……出来ればその……あまり近付かないでもらえる?ほら、乗せてもらってる子がさ……」

静寐「あ……そうだったね。ごめん」パッカパッカ

一夏「ふーっ、まさにじゃじゃ馬だな」

箒「今回は本当に危なかったな」

一夏「いやいや、あんなの危ないの内に入らないって」

箒「とにかく、お前はもう馬には近付くな。いいな」

一夏「いいな、って……何でーーー」

箒「いいな?」

一夏「……はい」
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/04(金) 23:04:35.87 ID:GHRCtRl00
クロエ「すみません、一夏」タッタッタッ

一夏「あれ?あいつは?」

クロエ「向こうにいてもらってます」

一夏「何かすごいこっち見てるんだけど」

静寐「きっと……触られたのが嫌だったんじゃないかな……」

一夏「そうなのか?」

クロエ「わ、分かりません……」

一夏「繊細なのは同じなのにな……違うタイプなのか?」

クロエ「……何故私に聞くのですか」

静寐「あの子は気難しい子だからね……」

一夏「誰かさんみたいに?」

箒「……うるさい」ゲシッ

一夏「誰とは言ってないだろぉ!!」
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/04(金) 23:45:33.67 ID:GHRCtRl00
一夏「いっててて……」サスリサスリ

箒「ふんっ……」

一夏「何も蹴る事ないだろ……」

クロエ「もしかして、一夏様がそれを持っている事が気に障ってしまったのではないでしょうか?」ヒソヒソ

一夏「まさかぁ……」ヒソヒソ

箒「何をこそこそしている」

一夏「別に、クロエと同じシャンプー使ったから気に障ったんじゃないかって話してただけだよ」

箒「そんな馬鹿な話があるか」

静寐「同じ匂いがしたから、っていうのは充分あり得ると思うよ」

クロエ「同じ匂い……」

一夏「それみろ」

箒「……うるさい」

静寐「あの子の心が分からない限り推測しか出来ないけどね」

一夏「だってさ」ポンッ

クロエ「ですから何故……私なのですか……?」
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/05(土) 21:27:08.53 ID:cMmNsF5O0

-----

箒「……」ブンッブンッブンッ

チキッ

箒「はッッ……!!」ヒュオォッッ!!

箒「ふうー……」チンッ

パチパチパチパチ

鈴「ブラボー!サムライガール!」パチパチパチパチ

清「ファンタスティーク!ビューティホー!」パチパチパチパチ

箒「鈴に清か……どうしたんだ?こんな時間に」

鈴清「「そりゃ箒ちんもでしょ?」」

箒「私は見ての通り、ただの日課だ」

鈴清「「あたし達も日課だよ!」」
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/05(土) 21:57:46.99 ID:cMmNsF5O0
箒「それで黄色いジャージを着ているのか?」

鈴清「「そうだよー!」」

鈴「我が師が愛用していたこの黄色いジャージを着る事によりぃー!」

清「あたし達の精神テンションを最高潮にまで高めてくれるのだー!」

箒「そうなのか……凄いな……」

鈴清「「でも今からは休憩〜」」グテーン

箒「お、おい……二人とも凄い汗だぞ……大丈夫か?」

鈴「大丈夫大丈夫!」フキフキ

清「これも日課だから!」フキフキ

鈴清「「ねー!」」

箒「そんなに汗をかくまで何をしていたんだ?」

鈴「えっとね、こうやってアチョー!」ヒュヒュヒュッ

清「ホワチャー!やってただけ!」パパパァンッ

箒「……少し激し過ぎないか?」

鈴清「「全然!こんなの序の序の口だよ!」」

箒「そうか……」

箒(鈴の拳と蹴りは確かに速かった……しかし、それを止めた清も清だ……)
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/05(土) 22:14:58.35 ID:cMmNsF5O0
鈴「ねーねー箒ちんも休憩しようよー」グイグイッ

清「ねーねー箒ちんもダラダラしちゃおうよー」グイグイッ

箒「やめろっ……引っ張るなっ……私はさっき始めたところなんだっ……」

鈴「ちょっとぐらいいーじゃんよー」グイグイッ

清「今ならキリがいーじゃんよー」グイグイッ

箒「お前達が何時からっ……始めていたのかは知らないがっ……休憩なら勝手にしろっ……」

鈴清「「あたし達は五時半過ぎたぐらいからやってるよー!」」グイグイッ

箒「何……?」

鈴清「「ねーだから箒ちんもー」」グイグイッ

箒「だからじゃない!……それに箒ちんとは何だ」

鈴清「「箒ちんは箒ちんでしょー?」」キョトン

鈴「あーっ!もしかしてもしかしてー!」

清「もしかしても、もしかしないでもなくてー!」


鈴清「「箒……って呼んで欲しいわけ?」」

320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/05(土) 22:38:44.25 ID:cMmNsF5O0
箒「!?」

清「うっしっしっ、なーんちゃってーい!」

鈴「うっしっしっ、それは孔明の嘘でーす!」

鈴清「「って、ああーっ!!?」」

鈴「あわわわっ、やばいよやばいよ!清!」ワタワタ

清「あわわわっ、もう六時半前だよ!鈴!」ワタワタ

箒「な、何だ?どうした?」

鈴「箒ちんごめんね!今からシャワー浴びたり!」

清「何とかかんとかで!ちょっと用事あるから!」

鈴清「「じゃあね!!」」ピューッ

箒「あ……おい……」

箒「何なんだ……嵐の様に来て去って行ったが……」

箒「……」

箒(一瞬だけ……あの二人……)

箒「宣戦布告、か……」
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/05(土) 22:57:05.26 ID:cMmNsF5O0
〜食堂〜

ガヤガヤガヤガヤ

一夏「何か、いつになく周りが騒がしいな」モグモグ

セシリア「何かあったのでしょうか?」

クロエ「皆さん二組のクラス代表が変わった、と口々に言っていますが……」

箒「今頃か?」

一夏「……ふーん、へえーそうなんだー」モグモグ

セシリア「内容が分かりますの?」

一夏「断片的に、だけどな。ま、そんなに焦らなくても鈴と清に聞けばいいさ」

セシリア「それもそうですわね」

クロエ「ですが、今朝から姿を見ていませんが……」

箒「朝から用事がある、と言っていたぞ」

一夏「何で箒が知ってるんだ?」

箒「朝の鍛練の時に会ったからだ」

一夏「へーそうなんだー」モグモグ
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/05(土) 23:10:48.25 ID:cMmNsF5O0
セシリア「早くしないと朝食の時間が終わってしまいますわ」

一夏「二度寝でもしてるんじゃないか?」

クロエ「いえ、来ました」

鈴清「「皆おいっすー!いただきまーす!」」ストンッ

一夏「よう、今日はやけに遅かったな」

鈴「ちょっと野暮用があったからね!」

清「それでちっと遅れちゃった!」

一夏「ふーん、野暮用ね……」

清「鈴があそこでしくじらなかったらこんな事にはならなかったのにー」

鈴「そういう清だって、あんなとこでしくじったでしょーがー」

清「仕方ないでしょー久しぶりだったんだからー」

鈴「あたしだって久しぶりだったんだからー」

一夏「食べながらあんまり喋るなよ……」
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga ]:2016/03/05(土) 23:28:18.85 ID:cMmNsF5O0
箒「鈴、清、二組のクラス代表が変わったらしいが……何か知らないか?」

鈴清「「知らなーい。あたし達は昨日お出かけしてたもーん」」

箒「そうか……」

鈴(お出かけの前にサクッサクッと終わらせた事なんだけどね)

清(ここはあえて知らないって事にしておいてー)

鈴清((一夏んをビックリさせるんだから!))

セシリア「どこに行ってらしたのですか?」

鈴清「「それは乙女の秘密!」」

鈴「でもでもーそれが分かるビッグイベントが待ってるよ!」

清「この後すぐ!皆さんこう御期待!」

クロエ「喋られていて……お時間は大丈夫ですか?」

鈴「全然問題なし!」モグモグ

清「赤子の手を捻るよりも容易い!」モグモグ

クロエ「そうですか……」

セシリア「二人ともマナーがなってませんわよ!」

一夏「どんだけ食べながら喋るんだよ……」

箒「あれは気のせいだな……」ボソッ
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/07(月) 09:28:35.76 ID:TIzbjjb3O
鈴清糞うざいな。画面に出る度不快になるわ。一夏さん早く何とかしてくださいよ…
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 18:37:11.56 ID:yASSXADS0
〜教室〜

一夏「……」

『次のニュースです。白いISが紛争地帯に現れ、人々を救いました』

本音「おっは〜皆元気ぃ〜?」トテトテ

クロエ「おはようございます」ペコリ

箒「おはよう」

セシリア「おはようございます」

清香「私もいるよーおっはよー!」

静寐「皆おはよう」

一夏「……」

『難民キャンプに向けられた攻撃全てをバリアのようなもので防いだ後、テロ組織を無力化、政府軍や国連部隊がーーー』

本音「おりむ〜」プニ

一夏「ん?」

本音「おっは〜元気ぃ〜?」ニパー

一夏「元気元気、超元気だぞ」
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 18:48:38.92 ID:yASSXADS0
清香「ワンセグ見てたけど何かあったの?」

一夏「ああ、ちょっと天気予報を見てたんだよ」

静寐「どこかに出かけるの?」

一夏「出かけようかなー、って思ってるんだけどなー天気は微妙らしいし」

本音「雨♪雨♪降れ触れ♪母さんがー♪」

一夏「そこはてるてる坊主の歌だろ……」

箒「そうなのか?」

クロエ「私も初耳です」

セシリア「一夏さん!その外出、私も同行してもよろしいですか?」

一夏「別にいいけど……大丈夫なのか?部活」

セシリア「大丈夫ですわ!」

一夏「ふーん……ま、いいけど。大して面白くも何ともないと思うけど……」
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 18:59:59.58 ID:yASSXADS0
箒「目的も聞かないで着いていくのか」

セシリア「何か問題でもありまして?」

箒「私は構わないがお前はそれでいいのか?」

セシリア「ええ、もちろんですわ!」

一夏「ま、ちょっとした買い物なんだし別にいいんじゃないの?」

箒「お前は何で他人事なんだ。そうやって適当にーーー」

一夏「クロエはどうする?来るか?それともゲームしてるか?」

セシリア「……」ジィーッ

クロエ「ええっと……あの……その……御同行……します……」

箒「聞け!」

一夏「聞いてるって、耳は二つあるんだぞ?」

清香「私等、何かすごい蚊帳の外感が……」

静寐「本音、織斑くんに言う事あるんでしょ?」

本音「あり?そうだっけ?」キョトン
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 19:09:46.54 ID:yASSXADS0
一夏「着いてきたいなら素直に言えよなー」

箒「なっ、べ、別にそういう訳ではない!」プイッ

一夏「ん〜?本当かぁ〜?」

箒「ふんっ……」

セシリア「!」

セシリア(これはもしかして……チャンスなのでは……?)

セシリア「し、篠ノ之さんもこうおっしゃってますからーーー」

本音「その嘘本当〜?」

一夏「その本当嘘〜?」ニヤニヤ

本音「ね〜ね〜」クルクル

一夏「ねーーー」

箒「嘘だ」グリッッ

一夏「いッッ!!ちょッ……お前ッ……踵で踏んだなッ………!!」ピョンピョン

箒「……馬鹿」

セシリア「むっ……」
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 19:25:37.54 ID:yASSXADS0
本音「痛いの痛いの〜あっちいけ〜」

静寐「思い出せたの?」

本音「何が?」キョトン

クロエ「大丈夫ですか……?」

一夏「おう、あっちいけーそして食らえー」ジンジン

箒「……」

一夏「冗談だって、そんなに睨まなくたって……ねえ?」ジンジン

セシリア「そ、そうですわね。篠ノ之さん、少しやり過ぎではなくて?」

箒「何とかにつける薬はない」

一夏「失礼な、自分が言われるからって人に馬鹿とはなんだ。馬鹿とは」

セシリア「そうですわ!確かに一夏さんは一言多くて人の話をはぐらかしていい加減で面倒くさがりで子供みたいな人ですが馬鹿ではありませんわ!」

一夏「ハッハッハッ、ブリティッシュジョークは面白いなぁ……」

本音「クロに〜ん、私ね〜おりむ〜にね〜何か言いたかったのだ〜知らな〜い?」

クロエ「も、申し訳ありません……分かりません……」ペコリ
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 19:38:11.64 ID:yASSXADS0
清香「あっ、あのさ!二組のクラス代表が変わったんだって!」

一夏「おう、そうだな」

箒「そうらしいな」

セシリア「そういえば、そうでしたわね」

クロエ「昨日変わった、との事です」

清香「あれ?リアクション薄……?」

静寐「あれだけ皆騒いでたから無理もないと思うけど……」

本音「む〜ん……出てこい〜……こいこい〜……記憶〜」

一夏「これがまた厄介な奴がなったらしいな」

クロエ「そうですね」

清香「織斑くん、クロニクルさん、知ってるの?」

一夏「飯の時に聞こえたからな」

クロエ「私も…聞こえてました」

箒「どうして言わなかった。鈴と清は結局知らなかったんだぞ」

セシリア「鈴さんや清さんに聞いた後でも、教えてくださってもよろしかったのでは?」

一夏「聞かれなかったからな」
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 20:56:12.33 ID:yASSXADS0
一夏「ヒント、二組のクラス代表は専用機持ち」

セシリア「二組の?」

箒「専用機持ち……?」

一夏「クロエ、ヒントは俺が言う」

クロエ「分かりました」

本音「む〜ん……むむむ〜ん……」ウーン

静寐「二組だけ、専用機持ってる人がいなかったもんね」

清香「三組や四組、五組には数人いるのにね」

静寐「本当ならオルコットさんは一組で唯一専用機持ち…になるはずだったんだけどね……」

清香「思わぬダークホースが二人も現れちゃったもんね」

静寐「ダークホース……言い得て妙だね」

本音「むむむっ……」ウーン

セシリア「一夏さん……そのクラス代表の方はまさか……転校生、ではありませんか?」

一夏「転校生だな」

箒「じゃあクラス代表というのはまさか!」
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 21:20:07.15 ID:yASSXADS0
鈴「そう!突如としてIS学園に現れた二人の転校生、その素性は謎のベールに包まれていた!」

清「だが!その正体は四千年の歴史を誇る中国より遠路遥々やってきた双子の代表候補生!」

鈴清「「誰が呼んだか知らないが、人はあたし達の事を神が授けた龍の子と呼ぶ!そしてあたし達はそこにいるおーーー」」


本音「思い出した〜!」ピコーン


鈴清「「り……斑……一夏に……」」

本音「ねぇ〜おりむ〜放課後お暇〜?」クイクイッ

一夏「お、おう……特に…用事は、ないぞ……」

本音「あのねあのねっ、かいちょーがね〜生徒会室に〜来てって〜だから私にお願いなんだって〜」

一夏「おお……そう……なのか……」

箒「……」

セシリア「……」

清香「あちゃっ……」

静寐「本音……」

本音「あり?皆どうしたの〜?お騒がせしました〜?」キョロキョロ
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 21:34:22.13 ID:yASSXADS0
本音「うひひっ、やめっ、くすぐったいよ、うはははっ」

鈴清「「よくもあたし達の見せ場を邪魔したな〜このこの〜!」」コチョコチョ

清香「何だろう……とってもプリチーだね」

静寐「うん…分かる。可愛い」

一夏「猫が三匹も集まって何とまあ……」

クロエ「猫、ですか?」

箒「それだ。どうりでこの光景に見覚えがあると思ったら」

セシリア「確かに猫同士がじゃれているのに似てますわね」

本音「あはははっ!ほんとにっ!だめっ!にゃはははははっ!うはははははははっ!!」

鈴清「「こちょこちょこちょこちょ〜!!」」コチョコチョコチョコチョ


グイッ


鈴清「「ミャッ!!?」」
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 21:54:25.54 ID:yASSXADS0
千冬「始業五分前だ。自分のクラスに戻らんか」

鈴清「「お久しぶりです!お義姉さん!」」ブラーン

千冬「織斑先生だ。それに、貴様等の姉などになった覚えは一切ない」

鈴「ならなら!どうですか〜この優良物件!将来有望、眉目秀麗、才色兼備、天衣無縫、文武両道、二天一流、千客万来、一攫千金!」

清「さらに9つの中華料理を網羅!おまけに炊事洗濯を含む全ての家事全てはお手のもの!それがなんと一軒の値段で二軒も!」

千冬「……」

鈴清「「どうですか!買うなら今ですよ!!」」ブラーン

千冬「いらん」パッ

鈴清「「え〜!」」スタッ

千冬「御託はいい。さっさと教室に戻らんか」

鈴清「「はーい!あ、そうだ!」」

鈴清「「一夏んに箒ちんにクロちんにセっちゃん!今日のお昼御飯、頼んじゃ駄目だよ!」」

鈴清「「じゃあねー!」」

千冬「……」
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 22:38:54.64 ID:yASSXADS0
一夏「……」

クロエ「どうかしましたか?」

一夏「いや、別に……散々言いたい事だけ言って帰ったな、って思ってさ」

クロエ「昼食を頼むな、ですか」

箒「結局、私達にそれが言いたかったのか?鈴と清は」

セシリア「挫かれたとはいえ宣戦布告に来たのではありませんくて?」

清香「挫いた本人はそれを無意識でやっちゃったのが何ともね……」

セシリア「ですから、憎むに憎めませんものね」

箒「全くだ」

本音「ぷんすかっ、今度は負けないぞ〜ホームランで代打逆転満塁さよ〜なら〜だぞ〜」

静寐「が、頑張ってね」

本音「私はやると言ったらやるのだ〜!お〜!」

箒(千冬さんの反応から察するにあれは前々から言われていたんだろうな……想像出来なくもないがな……)

セシリア(なかなかどうして、あの織斑先生を前にしてあの様な立ち振舞いが出来るとは……あのお二方の実力は……それか、ただの性格……?)

千冬「全員席に着け、授業を始めるぞ」
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/09(水) 07:21:04.69 ID:bcRQRClO0
完全に亜美真美
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 21:35:17.30 ID:zOyx+8O20
千冬「以上だ。各自、休憩」

キーンコーンカーンコーン

千冬「織斑、来い」

一夏「何スかぁ?」

スパーン

一夏「いでぇっ!!」

千冬「気の抜けた返事をするな」

一夏「そんな理不尽な……」ジンジン箒

千冬「……」チョイチョイ

一夏「はいはい」

千冬「鈴と清の事だが」ボソッ

一夏「やっぱり姉ちゃんも気付いたか」

ッパーン!!

千冬「織斑先生だ」

一夏「理不尽……」ジンジン
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 21:36:04.81 ID:zOyx+8O20
ジンジン箒って何だよ
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 21:57:48.62 ID:zOyx+8O20
〜食堂〜

鈴「さあさあ皆さんお待ちかね!」

清「お待ちかねの〜ビックイベント!」

ドンッ

一夏「いよっ、待ってましたー」パチパチパチ

クロエ「?」パチパチパチ

箒「もうほとんど分かってしまったようなものだがな……」

セシリア「フロシキ……?」

鈴清「「山東、江蘇、浙江、安徽、福建、広東、湖南、四川の全てを取り入れた究極の満漢全席!召し上がれ!」」パカッ

一夏「おおーすげぇ、満漢全席に全然足りてねー」

鈴「うるせー」

清「皆まで言うなー」

箒「……やるな」

セシリア「これだけの料理を……一体……」

クロエ「マンカンゼンセキ?」
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 22:30:46.10 ID:zOyx+8O20
一夏「右からバンバンジー、タマゴスープ、ギョーザ、チャーハン、ハルマキ、だな」

セシリア「なるほど……」

クロエ「ギョーザとチャーハン……これは以前一夏が作られたものと似てますね」

清「鋭いね〜クロち〜ん」プニプニ

鈴「全くもって鋭いね〜」プニプニ

クロエ「あ、ありがとうございます……」

一夏「ま、鈴と清の親父さんに教えてもらったからな。そりゃあほとんど同じだよな」

箒「用事とはこれの事だったのか」

鈴清「「いえーす!」」

箒「大変じゃなかったのか?朝からこれだけの量を」

鈴清「「全然!二人一緒だから!」」

セシリア「鈴さんに清さん、これは本当に……中華なのですか?」

鈴清「「えっ?」」
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 22:40:58.16 ID:zOyx+8O20
一夏「セシリーは燕の巣とかフカヒレスープとか……」

一夏「……」

一夏「北京ダック……とかを御所望のようだぞ」

鈴「今の間は何だよー」

清「考えなくても出るでしょー」

一夏「いや、俺中華料理の高いやつ知らないし」

鈴清「「御託はいいからとっとと召し上がれ!」」

一夏「わーい、いっただっきまーす」

箒「いただきます」

セシリア「では私も、お言葉に甘えて」

クロエ「……」

クロエ(姉妹……ですか……)

一夏「クロエ?」

クロエ「えっ?あっ、はっ、はいっ!失礼して、いただきます!」

一夏「……」
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 22:54:52.61 ID:zOyx+8O20
セシリア「このチャーハン、美味しいですわ」

箒「こっちの卵スープもなかなかだぞ」

クロエ「一夏のとはまた違った餃子……」

一夏「じゃあ俺はこの春巻きをっと」

鈴清「「一夏にはこーれっ!」」ドンッ

一夏「おおぉ……これはまさか」

鈴清「「そう、そのまさか!」」パカッ

クロエ「?」モグモグ

セシリア「何ですの?これ?」

箒「酢豚だな。誰がどう見ても」

一夏「……お手並み拝見、といかせてもらおうかな」

鈴清「「ふっふっふ〜♪」」
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 23:05:43.74 ID:zOyx+8O20
一夏「んまいっ!」

鈴清「「いえーいっ!ハイターッチ!」」パチンッ

一夏「本場中国に行っただけあって腕を上げたな」モグモグモグモグ

鈴「でしょでしょ?」

清「どんどん召し上がれ!」

一夏「美味い美味い」ガツガツモグモグ

箒「そんなに美味いのか」

鈴清「「だーめっ!」」

箒「な、何故だ?」

鈴清「「この酢豚はあたし達と一夏の約束なの!」」

箒「約束?」

鈴清「「そう、大事な大事な約束!」」

一夏「ングッ!?……ちょッ……まッ……ゴホッ……喉にッ……」

クロエ「水を」サッ

一夏「悪い……」
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 23:20:48.74 ID:zOyx+8O20
セシリア「スブタに約束……ですか?」

清「知りたい?」

鈴「どぅゆーのう?」

セシリア「ええ、人並みには」

一夏「鈴、清、やめろ。言うな」グイッ

クロエ(何故私にスブタを……?)

箒「言え、教えろ。鈴、清」

鈴「え〜どうしよっか〜清」

清「え〜どうしちゃおっか〜鈴」

一夏「聞くな、絶対に聞くな。聞かない方がお前等の為だ」

箒「早く言え」

セシリア「お願いしますわ」

クロエ(食べてもよろしいのでしょうか……)

鈴清「「ならば、教えてしんぜよう!」」

一夏「や、やめろ!それだけはやめろ!」
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 23:31:39.85 ID:zOyx+8O20


鈴清「「あたし達の酢豚を毎日食べてくれるって!!」」


箒「酢豚を?」

セシリア「毎日?」

一夏「ああ……」

クロエ「?」モグモグ

クロエ(こんなのに美味しいものを毎日?一夏様は飽きはこないのでしょうか……?)

鈴「きゃーっ、ついに言っちゃったよ!鈴!」

清「きゃーっ、ついに言っちゃったね!清!」

箒「ま、毎日という事はつまり……」

セシリア「まさかそれは……」

鈴清「「お嫁さんにしてもらうって事!!」」

一夏「もう駄目だぁ……おしまいだぁ……」ガクッ

クロエ「ど、どうしました?」
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/14(月) 18:40:38.94 ID:T7huwoch0
箒「ほう……なるほどな……」グイッ

セシリア「それはそれは……」ハシッ

一夏「ちょっ……何で二人して俺を掴むんだ……!?」

箒「そんなに、酢豚が好きか?」

セシリア「本当に、毎日食べたいのですか?」

一夏「い、いや、これにはだな……海よりも深〜くて山よりも高〜い訳があるんだ。だから……な?落ち着けって二人ともぉ!」ジタバタ

クロエ「……」オロオロ

鈴「まさに高みの見物だねっ、清」

清「お高くとまっちゃってるねっ、鈴」

箒「訳なら大方予想がつく。問題はお前のそのいい加減さだ」

セシリア「これも鈴さんや清さんに対しても口から出任せで仰った結果ですわ」

一夏「何でこんなに理不尽に怒られてるんだろう」
584.26 KB Speed:0.2   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)