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一夏「 こ れ は ひ ど い 」
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647 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/11(火) 18:02:07.59 ID:MLCtnw/z0
コツッコツッコツッ
一夏「……」
クロエ「……」チラッ
一夏「……」
コツッコツッコツッ……
クロエ「………」
ギュッ……
クロエ「あっ、あのっ!一夏様っ!」
一夏「ん?どうした?」ピタッ
クロエ「えっと……その……も、申し訳ありません……」
一夏「何でクロエが謝るんだよ。別に謝るような事なんて何もしてないだろ?」
クロエ「えっと……ですからその……何もしていない事を……謝罪、したんです……」
一夏「何もしていない事を……?」
クロエ「はい……もし、私が箒様なら、束様なら、千冬様なら……今の一夏様に何か出来たと思うんです……」
クロエ「ですが……今の私には……一夏様に何も出来なくて………その事がとてももどかしくて………」
648 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/11(火) 18:21:52.81 ID:MLCtnw/z0
クロエ「一夏様は私の為に色んな事をしてくださいます………しかし、私は……一夏様の為に出来る事が……多くありません……」
クロエ「今だってそうです……一夏様がとても……苦しんでいらっしゃるのに……私は……何も出来なくって……ですから……申し訳なくて……私……わたしっ……!」グスッ
一夏「……はあ、クロエ」
クロエ「申し訳……ありません……一夏様……」ポロポロ
一夏「クロエ」ソッ
クロエ「一夏……様……?」
一夏「聞いてくれ、これは俺の問題なんだ。箒や束姉ちゃんや姉ちゃん、クロエがどうとかじゃないんだ。だからさ、クロエが泣いて謝る必要なんてないんだよ」ナデナデ
クロエ「そう……でしたか……」
一夏「でも、ありがとう。そこまで俺の事を気遣ってくれて」
クロエ「いえ……私にはこれぐらいしか……出来ませんので……」
一夏「それで充分だよ。だから、泣かないでくれ」
クロエ「は、はいっ!了解しましたっ!」クシクシ
一夏「うん、よろしい。いつものクロエだな」ポンポン
クロエ「はいっ、いつものクロエですっ」フンス
649 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/11(火) 18:40:45.55 ID:MLCtnw/z0
真耶「あっ!見つけたっ!織斑くんにクロニクルさ〜ん!」パタパタ
一夏「あれ?山田さん、どうしたんですか?」
真耶「えっとですね、通達があって来ました。お二人はもう寝ますか?」
クロエ「いえ、私は夕食やお風呂がまだですので」
一夏「クロエに同じく。それが通達ですか?」
真耶「いえいえそんなまさか、一夏くんに大浴場の使用許可が降りた事が通達ですよ」
一夏「へー大浴場が、ですか」
真耶「そうですっ、普段は女子高ですから男の子である織斑くんには使用許可が降りません。ですのでせめてこんな時だけでも、という事です!」
クロエ(大浴場……私は平常時でも使用可能……でも……恥ずかしい……)
真耶「まあ、その……ほら、今日一日色々ありましたし、明日からも色々ありますから広いお風呂でゆったりして、心も体もリフレッシュ!してくださいね!」
一夏「そうですね、お言葉に甘えてそうさせて貰います。ありがとうございます」
真耶「こちらとしては今日の織斑くんの活躍に対して、大浴場の使用許可だけ、というのも申し訳ないですが……」
一夏「……」
一夏「そんな事ありませんよ。充分ですよ」
650 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/11(火) 19:14:21.77 ID:MLCtnw/z0
クロエ(一夏様……)
真耶「そんな事ありません事はありません!織斑くんはたくさんの人の命を救ったんです!称賛されて然るべき事なんです!!」
真耶「私達はただ手をこまねいて敵の良いようにされていただけでしたので、本当に感謝しているんです!だから!」
ガシッ
真耶「彼の事は気の毒です。けど、だからってそんなに自分を責めないで」
真耶「一夏くんの行動のおかげで、多くの人の命が、救われたんです……!」
ギュウゥゥゥ……
真耶「だから……!」
一夏「……でも、俺はあいつを……救えなかったんです……!」
グッッ
真耶「ッ……あっ!ごめんなさい!わっ、私っ、勝手に一人で熱くなって、織斑くんの気持ちを考えてなくてーーーああもう!私ったら何してるんだろう!」パッ
真耶「ごめんなさい!今日はゆっくり休んでくださいね!」タッタッタッタッ
一夏「……お休みなさい」
クロエ「あ……」
クロエ(山田先生のあんな姿……初めて見ました……)
651 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/11(火) 19:26:43.42 ID:MLCtnw/z0
タッタッタッタッ……
真耶「はあっ……はあっ……」
ピタッ
真耶「ふうーっ……本当、何しているんですかね、私……」
真耶「織斑くんと自分をダブらせるなんて……」トンッ
ズリズリ……ストンッ
真耶「駄目だなぁ……私……」
真耶「私と一夏くんじゃあ状況も装備も、何もかも全然違うのに………」
グッ……
真耶「やっと忘れたって思ったのに……何で……」
真耶「ッ……!」ギュウゥゥゥ
真耶「……一夏くん……優し過ぎるよ……」
真耶「そんなんじゃあ……束博士に貰ったISを使っていけないよって……束博士と一緒にいられないよって………」
真耶「甘ちゃんの戯言だ、って何で言えないんだろう………」
真耶「やっと変われたんだって思ったのにな……」
真耶「本当、駄目だなぁ………」
652 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/18(火) 17:30:20.91 ID:QCq7eQ0W0
〜大浴場〜
クロエ「……」オソルオソル
プルプルプル
クロエ「っ……」チャプッ
クロエ「お、おお……」チャプチャプ
クロエ(これが……大浴場、ですか……)キョロキョロ
クロエ(当然ですが……広い……)
クロエ「……」チラッ
一夏「………」シャコシャコ
クロエ(一夏様……やはりまだ………)
ガラッ
千冬「ふーっ、全く、疲れた疲れた」ゴキゴキッ ヒタヒタ
クロエ「ちッ、千冬様!!?」ビクッ
一夏「ああ、姉ちゃんか……」チラッ ザバッ
千冬「………」
653 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/18(火) 17:43:01.59 ID:QCq7eQ0W0
千冬「何を驚いている?私だって人間だ。風呂ぐらい入る」ヒタヒタ
クロエ「は、はい……そうですね……」
千冬「私も普段は大浴場に入れないからな」チラッ
一夏「………」ゴシゴシ
千冬「それに今日は……いささか疲れた……広い風呂でゆっくりさせてもらおう」ザバッ
ヒタヒタ チャプッ…
千冬「ふうーっ……生き返るな……」
クロエ「……」オロオロ
千冬「クロエ、湯船にタオルを浸けるな」
クロエ「えっ、あっ、はっ、はいっ!」バッ
一夏「………」ザバッ
千冬「ほら、もっとこっちに来い」
クロエ「は、はいっ」スススッ
一夏「……」ヒタヒタ チャプッ
千冬「今日はよくやったな。おかげで助かった」ワシャワシャ
クロエ「い、いえっ、その為の私達ですから……」モジモジ
654 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/18(火) 18:06:23.33 ID:QCq7eQ0W0
千冬「一夏もだ。お前達は充分やった。もっと胸を張れ」
一夏「……うん」
クロエ「………」
千冬「それとも……納得いかないのか?」
一夏「……」
グッッ……
一夏「そういうんじゃ……ないんだ……ただ……」
千冬「ただ?」
一夏「ごめん……姉ちゃん………」
千冬「……何だ?どうしてお前が私に謝る?」
一夏「俺……ドイツで目が覚めて……姉ちゃんや束姉ちゃんが泣いてるの見て……色々考えて……束姉ちゃんにISを貰って……必死で特訓して……強くなったんだって……思ってたんだ……」
一夏「でも……実際は……全然強くなくて……皆を守るどころか……目の前の人一人守るのに精一杯で………」
一夏「守れもしなかった………!!」グッッ
バシャッ
一夏「っ……うぐっ……っ……!」グスッ
655 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/18(火) 18:30:12.50 ID:QCq7eQ0W0
一夏「ううぅっ……っ……ぁああっ……」グスッ
クロエ「一夏様……」
千冬「………」
千冬(一夏……お前という奴は……つくづく……)
千冬「……なあ、一夏」スッ
一夏「ねえ……ちゃん……?」
千冬「人はどこまで強くなればいいんだろうな……」
一夏「え……?」
千冬「私はあの日……父さんが亡くなって、お前が記憶を無くしたあの日から……強くなろうと心に決めたんだ」
千冬「私は……お前をこの世界のあらゆる事から守りたい……お前が笑っていてくれるのならそれでいいと………ただその一心で、ただひたすらに強くなった……」
千冬「篠ノ之家に迎い入れられては……新しい家族皆を守りたい……もう二度と誰一人だって失わない……そう思っていた……」
千冬「今考えてみればただの愚か者だ。たった一人で世界の全てに立ち向かうようなものだ。年端もいかない小娘の、世間知らずで思慮浅き愚かな思い上がりだ」
千冬「だが私は……離れ離れになる家族を止める事すら出来ず………口当たりの良い口車に乗せられ、いつの間にかブリュンヒルデーーー世界最強の女として祭り上げられるまでなってしまった」
千冬「その後はお前がよく知っている通りだ。世界最強の女は、世界中の誰もを倒す事は出来ても、離れ離れの家族を一つにするどころか、残されたたった一人の家族を守る事すら出来ぬ愚か者だった……」
千冬「その挙げ句……まるで弟を守る事すら出来なかった罰のように……私はISを使えなくなった………」
656 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/18(火) 19:47:19.18 ID:QCq7eQ0W0
千冬「どこまで強くなればいいのか。どうすれば皆を守れるぐらい強くなれるのか、それは分からない……だがな」
ギュッ……
千冬「誰かに綺麗事だ偽善だと言われようと、例えどんな事があったとしても……お前はその思いを忘れずにーーーそのままで強く在り続けろ」
千冬「そうしなければ……私のようになってしまうぞ………いいな?」
一夏「……うん」グスッ
千冬「よし、なら思いっきり泣け。何もかも吐き出せ」ワシャワシャ
一夏「う……あ……俺ぅ……俺っ……!!」ポロポロ
千冬「ん?何だ?」
一夏「ケイを助けられなかった!!あいつにだって大事な人がいたのに!!エムやジェイがあいつの事を大事に思ってたんだ!!」ポロポロ
一夏「あいつ等ケイの事ずっと心配してて!!ケイが死にそうな時に本気で怒って!!助けようとしてた!!なのに俺は!!何も出来なくて!!ケイを助けられなくてッ……!!」ポロポロ
一夏「あいつ等今頃泣いてるんだ……ケイが死んで……二度と話せないし会えもしないから………きっとどこがで……どこかで泣いてるんだ!!!」ポロポロ
一夏「ケイに会いたい……もう一度っ……はっ、話がしたいって……あいつ等……泣いてっ……る……はず……なんだっ……」ポロポロ
千冬「ああ、そうだな」ナデナデ
一夏「な……なのにッ……俺ッ……な、何もッ……出来なくてッ……っ……うっ……ぃぐっ……うあ……うあぁぁぁっ……ああああああ!!!姉ちゃああああぁぁぁぁぁぁん!!!」ポロポロ
一夏「うああああぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!」ボロボロボロ
千冬「そうだ、思いっきり泣け。この……愚か者が……」ギュッ
千冬「クロエ、こっちに来い……」
クロエ「はいっ……!?」スススッ
千冬「………」ギュッ
クロエ「ちっ、千冬様?」
千冬「今は……こうされていろ……!」ギュウゥゥゥ
クロエ「ッ!……分かりました」ギュッ
クロエ(千冬様……声が震えて……一夏様の悲しみを感じていらっしゃるのですね……)
クロエ(暖かい……とても……暖かいです……千冬様……一夏様………)ギュウゥゥゥ
657 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/25(火) 20:23:55.27 ID:0rPfwMLU0
-----
?「………」スッ
カチャ……カチャ
?「………」スッ
?「………」カチャ
ジャラジャラジャラジャラ……
?「………」
ウィーンッ
?「任務か」
ジャコンッ カランコロン
スコール「さあ?何なら当ててみなさい。外せばブービー賞でその綺麗綺麗なドタマに前衛芸術な風穴をあげるけど?」
?「……」
スコール「ソリタリア、ね……ヘドがで出るわ。で?答えは?」バキャッ
?「それは命令か」
スコール「チッ、呆れた……この状況が分からないのかしら?」
658 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/25(火) 20:44:19.66 ID:0rPfwMLU0
スコール「いきなり入ってきた馬の骨が、リロードしてショットガン頭に突き付けてるのよ?何が起きてるのか想像出来るでしょ?」
スコール「少なくとも、他のあなた達は想像出来ていたわ。とても想像力豊かな答えが聞けたわ。だから今頃ブービー賞貰って死ぬ程喜んでいるわよ?」
?「お前に殺される事が命令か」
スコール「ッ〜!ああッ!もうッ!!これだから人形は嫌いなのよ!!」ガシガシッ
ゴリッッ
スコール「抵抗ぐらいしてみろ………!!」グググッ
?「お前を殺せとは命令されていない。殺せ」
スコール「なら今からする私の質問に答えろ!!これは命令だ!!」
?「了解」
スコール「生きたいか?!自分の意志で、自由に!!生きるか?!!」
?「………」
スコール「答えろッ!!!」グイッッ!!!
?「……」
スコール「フーッ……フーッ……フーッ……!!!」
659 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/25(火) 21:02:13.97 ID:0rPfwMLU0
スコール「答えろ!!サマーシリーズ最後の生き残り!!サマーハンドレット!!!」
サマーハンドレット「俺は影だ」
サマーハンドレット「織斑一夏という光から生まれた影だ」
サマーハンドレット「影は光の中にはない」
サマーハンドレット「俺達やウィンター達、スプリング達も、そうだ」
サマーハンドレット「この世界に居場所などない」
サマーハンドレット「生きる意味も」
サマーハンドレット「存在理由も」
サマーハンドレット「自由も」
スコール「こッ、このッ……!!」ギリィッッ!!
サマーハンドレット「どうした。やれよ」
スコール「ああそう!!なら死になさい!!!」ガチッ
ズドンッ……ビチャッ………
スコール「ハァーッ……ハァーッ……ハァー……ッ……ッッ……あ
あッッ!!!」ジャコンッ
660 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/25(火) 21:30:58.17 ID:0rPfwMLU0
カランコロン……
スコール「………」
グッッ……
スコール「こッ……このぉッッ……!!どいつもこいつもッッ!!」ガスッッ!
バキャアッ!!
スコール「何が命令よ!!何が存在理由よ!!何が影よ!!光ですって?!!」ズドンッ
スコール「くだらない御託並べて!!ふざけやがって!!そんなものあろうがなかろうが人は生きれるのよ!!!」バキィッッ
スコール「あぁぁぁッッ!!クソッッ!!こんなの笑えない……笑えないのよ!!」ガッッ ガシャーンッ
スコール「自分がクローン?!生まれながらのキリングマシーン?!だからどうしたってのよ!!!ええ!!?」ジャコンッ
カチッカチッカチッ
スコール「ッ!!?自由がない!!?」ブンッッ!!
バキャッッ
スコール「だったら死んでもいいっていうの!!?ゴミ以下の死に方で満足なの!!?こんなので生きたの!!?」ドゴッッ
スコール「ケイは生きたがっていたのよ!!!誰よりも!!自由に!!多くの自分を殺し!!墓も作って!!!それでも生きようとしてた!!!」ジャッッ
バキャッッ
スコール「なのにあんた達は何もッ……何も生きようとせずにッ………殺すか殺されるかだけでッッ……!!」
661 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/25(火) 21:47:17.26 ID:0rPfwMLU0
グッッ!!!
スコール「生きてみろ!!生き恥だろうが何だろうが晒し!!地べたを這いずり、泥でも血でも何でも啜って無様にみっともない生き方でも何でもやって生きてみろ!!!」
ドゴッッ!!
スコール「自分の意志で!!!」
パラパラ……
スコール「ハァーッ!ハァーッ!ハァーッ!」ズボッ
スコール「ハァーッ……ハァーッ……クソッ……何よ……訳も……分からず……死んで……」
スコール「本当は自由になってみたかったくせに……なのに……怖がって……だからって死ぬ事ない……じゃないッッ………!!」
ゴスッッ
スコール「どいつもこいつも………自由になりたい……そんなの抱えた目で死なれたんじゃあ……殺したこっちも胸糞悪いのよ………」
スコール「笑えないのよ……なのにあんた達は……自分達だけ笑って……死んで………」
ダンッ……
スコール「ふざけんじゃないわよ……!!」グググッ
文『スコールの姉貴、そっちはどうですかい?』
スコール「……」
文『姉貴?どうかしやしたか?』
スコール『文、今終わったわ。生存者はなし。どいつもこいつも皆殺しにしてやったわ』
662 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/04/25(火) 22:20:08.82 ID:0rPfwMLU0
文『そうですか……あわよくばウチに、って算段でしたのにね……きっとこいつ等ぁ戦力になりやしたぜ』
スコール『そうね。首輪付けてでも生き残りにしておくべきだったわ』
スコール『それに……他人の犬を調教して自分のものにするって……最高じゃない?』
文『ハハハ……姉貴はそうでしたね……ハハハ』
スコール『そう考えたら惜しい事をしたわ。あーあ、もうっ、私とした事がもったいない事を……』
文『と、とにかくですね。姉貴、上は私達が全部処理しやした。後はオータムの姉貴の向かった本部へカチ込んでやるだけですぜ』
文『契約違反したツケ、キッチリ払わせてやりやしょうや』
スコール『ええ、そうね。ド三流がプロの仕事を汚した罰は……受けてもらわないとね』
文『それでは、エンジンを温めてお待ちしてやす』
スコール『二分で行くわ』
スコール「………」
スコール「……」スッ
ピチャッ……
スコール「馬鹿ね……本当に……お馬鹿な子……」
スコール「………」スクッ
コツッコツッコツッ
『START INCINERATION』
スコール「……お休み、永遠に」ペロッ
663 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/16(火) 21:11:39.94 ID:YnfxchMx0
〜???〜
「貴様……何のつもりだ………」
社長「御覧の通り、これが新しい時代を作る者達……スプリングシリーズだ。そして、新しい時代に貴様等のような老人は必要ない」
社長「地べたを這いずり回る事を良しとする哀れな存在にはな」
「恩を仇で返されるとはのう……悲しいのう……」
「だッ、誰が貴様をその地位つかせてやったと思っーーー」ズドンッ
ビシャッッ
社長「それについては感謝している。しかし、それとこれとは話は別だ」
「我等を贄としたところで、お前は地から離れる事は出来ない」
社長「確かに、私はそうかもしれない。だが人類は失っていた力を取り戻す時がもうすぐ来る……そう、この空を越えた先にある未知の宇宙へと進む時が……」
社長「そして、あの白いISを越える時が」
「それはどうかしらね」
社長「何……?」
「あなたの言う“失っていた力を取り戻させない”のが白いISの本来の目的ではなくて?」
社長「戯れ言を……ならば私達が力を持つに値するのだと、あの白いISに思い知らしめてやればいいだけの事」
社長「あの力は、あんなものの手ではなく人の手の中にあって然るべきものだ」
664 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/16(火) 21:37:09.78 ID:YnfxchMx0
「ならば地獄で見ていてやろう……彼女が、お前に力を授ける時をな………」
社長「授けられるのではない。私達の手で、あんなものを越える力を手に入れるのだ」スッ
「哀れね、人はまだ空を飛べる程賢くはないというのに」
パチンッ ズドンッ……ドサドサドサドサッ
社長「フン、あの世で神に陳情でもしていろ」クルッ
コツッコツッコツッ ウィーンッ
社長「今終わった」
秘書「そのようで。後の処理はお任せください」
社長「一切の痕跡を残すな、あの部屋には時間も金もかけたからな」
秘書「承知しております。それと、オータムから契約について話がある、との事です」
社長「犬畜生風情が……おめおめと戻ってきたとはな。フン、まあいい、どこにいる?」
秘書「社長室にて待っている、との事ですが。如何致しますか」
社長「野良犬が手を噛むかもしれんからな、スプリングシリーズを用意しておけ」
秘書「はい、極めて早急に」
社長(犬畜生が……くだらん事をほざきに……奴をクビにしてスコールを変わりにするか)コツッコツッコツッ
665 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/05(月) 20:34:12.13 ID:+NU3bb7W0
ウィーンッ
社長「オータム、貴様今までどこにーーー」
オータム「お待ちしておりました。社長」ピシッ
社長「ッ!?」
オータム「まずは……」ツカツカ
社長(こいつがスーツだと……契約の時すら戦闘服だったこの女が……何だ……何のつもりだ……?)
ピタッ
オータム「こちらを」スッ
社長「フン」パシッ
社長「度重なる契約違反につき、契約破棄をここに通達……違約金……貴様くだらん事をーーー」
オータム「お読みになられた時点であなたは最早、契約者ではありません」
スコール「ま、そーいう事なのよ。とにかく、契約は契約……払うものはキッチリ払うのがプロってものよ。アマチュアクライアント様」クルッ
社長「貴様私の椅子を……」
スコール「ああ、これね。座り心地の悪さはまさに現代芸術の傑作ね。でも、あそこの棒みたいなインテリアはなかなかいいわね。アウシュビッツの檻を彷彿とさせるもの」
666 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/05(月) 20:47:11.58 ID:+NU3bb7W0
オータム「スコール、どけ」ツカツカ
スコール「はいはい」
ガラッ キュポンッ ジョボジョボジョボ
スコール「あーあ、品がないわね。せっかくのウィスキーなのに」
オータム「黙ってろ」シュルッ グイッ
ゴクゴクッ カンッッ
オータム「っはあ〜!さて、とっとと出すもん出してもらおうじゃねぇか。こいつは前金みてぇなもんだ」
社長「好き勝手も大概にしろよ」
オータム「ああ?こっちの台詞だクソボケ、どっかの誰かの好き勝手のせいでこっちは人質と無理心中しかけたんだぞ」
社長「私とて今回の奴等の行動を許すつもりはない」
オータム「作戦が失敗したから、だろ?ふざけんじゃねぇよ。作戦が失敗しようが成功しようが奴等の行動は俺達に銃口を向けた事に変わりはねぇ」
オータム「それをみすみす見逃したテメェも、テメェのこの組織も、俺達に銃口を向けたんだよ。分かるか?」
スコール「……」スッ
オータム「っと」サッ
スコール「私にもよこしなさいよ」ムスッ
オータム「待機中に散々飲んでたろうが」
667 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/05(月) 21:10:26.09 ID:+NU3bb7W0
社長「だったらどうする?我々ファントム・タスクにたかたが一小隊で楯突くつもりか?」
オータム「場合によってはな。だがな、俺は御覧の通りビジネスウーマンだ」
スコール「ビジネスウーマンねぇ……」
オータム「だからこういういった事は……商談で済ませたようと思うんだよ。一方的な虐殺劇で何もかも失うよかよっぽどマシだろ?」
社長「もういい」
オータム「あ?」
社長「犬畜生風情が、黙って話を聞いていてやればベラベラとくだらん事をほざきよって。私とて我慢の限界だ」ピッ
バンッ ゾロゾロゾロ
スコール「あら、もう出来てたのね」
オータム「アーマードトルーパーズ……ビームガン持たせた方が見映えはいいな」
スコール「じゃあ、あなたは赤のライトセーバーね」
オータム「うるせぇ、誰がダースモールだ。俺はクワイ=ガン・ジン派なんだよ」ジョボジョボジョボ
社長「これは奴等の代わりだ。貴様等の代わりもじきに来る。ステーーー」
スコール「はあ?あなた正気?あんなアバズレ雇うなんて……ヤクでもやった方がいいわね」
オータム「残念なお知らせだが、そいつは俺達の界隈でも特別ハミダシ者でな。理由は……三度の飯より殺しが好きだからな」
668 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/12(月) 18:19:38.46 ID:M7PAy5oS0
社長「殺せ」
スコール「貰うわね」パシッ
オータム「あっ、テメェ!」
シーン
社長「……?どうした、何故動かん……!?」
「………」ガクガクガクッ
社長「何だ……何が起きている……!?」
スコール「ゲフッ、アーマードトルーパーズ、中身はスプリングシリーズという事は……その体には当然ながらナノマシンが入ってる」
オータム「クソが、全部飲みやがって……」
スコール「そして今現在、私はファントム・タスクのメインシステムを乗っ取っている。もちろんそこには火器管制システムや、ナノマシン制御システムも含まれている……後は分かるわよね?」
「……」スッ
社長「銃を互いに!?きッ、貴様まさかッ!!?」
スコール「そのまさかよ」
ズドンッッ……ゴシャッ
スコール「無敵の帝国鉄十字団ここに破れたり、ってところかしらね」
669 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/12(月) 18:37:27.58 ID:M7PAy5oS0
オータム「流石は対IS用だ。文字通り消し飛んじまったな……ま、クラシックもたまには良いって事だ」
スコール「で?次はどうするの?」
社長「きッ……貴様等ッ……!!」
スコール「まさかこの程度で終わりだ、なんて言わないで頂戴。こっちはこの程度で済ませる気なんてないのよ?」
スコール「さっさと次の手を使いなさい。その為に通信だけは出来るようにしてあるのよ?」
社長「貴様等!仕事だ!!早く社長室に来い!!」ピッ
オータム「あ?今度は雇われか?」
スコール「一小隊……どこの連中かしら?ナノマシンは入ってないとなると……雇われたばかりね」
オータム「せめて同情だけでもしてやるか、初仕事で相手が相手……対IS装備のプロを相手にするんだからな」
社長「対IS装備だと!?貴様等のどこにそんな物がーーー」
スコール「格好良くいこうかしら、小隊一斉射用意、装弾」
ガコンッ
社長「何ッ!?どこから音が!!?」
スコール「隊長殿、目標は後十秒で到着……御命令を」
オータム「よーし、テメェ等ァ!派手に行こうぜ!!」
670 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/12(月) 18:54:03.28 ID:M7PAy5oS0
オータム「ロックンロール!!」クイッ
ズドドドドドドドドドドドドド
社長「うおッ!!?」
ドドドドドドドドドドドドドォォォォン………
オータム「対IS火器の威力を体感したご感想をどうぞ、ってな」
スコール「“死ぬ程凄い”」
「うっひっひっ〜!やっぱ手が痺れるぅ〜!」プラプラ
「そりゃ12.7mmの全弾フルオート……サイボーグじゃないと使えないのにアホが無茶してブッ放すから……」
「銃身を制御した事を褒めるべきでは?」
「あーあ、もったいないわねぇ……良い女がいたかもしれないのに……」
「あんたはちょっと黙ってなさい」
スコール「悪い知らせを言うなら、あそこに女だったものはないわよ?」
「ならいいわ」ケロッ
「切り替え早っ」
社長「ッ……ッッ………なッ……!!?」
オータム「さーて、今回のタネあかしといこうか」
671 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/12(月) 19:11:51.40 ID:M7PAy5oS0
オータム「まずは本日のイカしたスペシャルゲストをご紹介させて頂くとしようか!大将が会いたがってた天才博士!さあ、拍手で迎えてもらおうかぁ?」
オータム「レディースアンドジェントルメン!篠ノ之束博士のご登場だ!!」
社長「なッ……はあっ!!?」
束「とうっ!」ビョーンッ スタッ
束「は〜い♪あなたのハートを全て解析っ☆篠ノ之束お姉さんだよ〜!いえ〜い、ぶいぶいぶいすりゃあっ☆」ビシッ
ヒューヒュー パチパチパチパチパチパチ ヒューッ!!
束「ありがとー皆ありがとー!大好きだよ〜!」
社長「何故……貴様がここに……」
束「なぁ・ずぇ・だっ・てぇ〜???」グルッ
束「は〜い★それはと〜ってもと〜っても★単純明快、起承転結、一部始終、正確無比で約束破りな事で〜す★」ツカツカ
ズイッ
束「やり過ぎだよ。何もかも」
社長「やり……過ぎ……だと……?」
束「そう、やり過ぎ」
672 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 18:30:23.52 ID:lhfBXlB70
束「クローン技術、ナノマシン、IS、対IS火器、パワードスーツ、それ等を用いてのIS学園襲撃……」
束「私が忙しい時に実行出来て良かったね」ニコッ
社長「忙しい、だと?小娘が笑わせるな、今回の作戦は貴様が解析が必要だと言ってIS技術を公開しようとしないから行ったものだ」
社長「貴様がIS技術を独占さえしなければ、わざわざこんな事を我々がする必要はなかったのだがな」
束「少なくとも、あなたには絶対に渡さない。ナノマシンに義体技術……ISから派生した技術すらも逸早く軍事利用したのにISを軍事利用しないはずがない」
束「事実、アメリカ、ドイツ、フランス、日本に譲渡されるはずだったISを強奪、ゴーレムへの改造、一部の技術を流用してアーマードトルーパーを作ったのに」
社長「当然だろう。ISの欠点はあれだけの性能を持ちながら女性にしか扱えないという致命的な欠点だ。だから私は性別に関係なく操作可能なパワードスーツを作っただけだ」
社長「今はまだ空も飛べず、物体の量子化も出来ず、絶対防御すらないがいずれは、現存のISと同等の性能を、それ以上の性能を得るだろう。くだらん男女の隔てなく、万人が扱う事の出来る物としてな」
社長「そして、いつの日かあの白いISすらも越えるのだよ」
スコール「誇大妄想狂も喜んで舌噛み切るぐらいの野望ね」
オータム「世界征服でもおっ始めかねねぇ勢いだな」
社長「何とでも言え、犬畜生風情には分かるまい。これが如何に人類にとって必要な事か、が」
オータム「おっと、謎の義務感持ちの帝国主義侵略者かと思いきや無垢な進歩主義者だったか」
スコール「フッ……フフッ……ヒヒヒッ……ンフフッ……フッ、フフフフッ……アハッ……アハハハッ!アーッハッハッハッハッハッ!!!」
オータム「お前……そんな笑い方するキャラだったのかよ」ヒキッ
社長「何がそこまで可笑しい」
スコール「ウフフフフッ……ふうーっ、よく見なさい篠ノ之束、これが自ら滅びの道を進み、それを進歩だと信じて疑わない哀れな存在よ」
673 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 19:01:27.35 ID:lhfBXlB70
束「………」
スコール「どうかしたの?震えてるわよ?」
束「……で……に……のさ……」ボソッ
スコール「え?」
束「何でそんなに平気なのさ!!?十年前、彼女が何をしたのか忘れたの!!?」
社長「彼女?ああ、白いISの事か。ならよく覚えているともアレは飛来した隕石を消滅させ、緊急発進した各国の戦闘機、軍艦、ミサイルの攻撃全てを防いだだけだ」
束「だけじゃないよ!!彼女は隕石を消滅させるだけの力を持っているんだよ!!それをあえて使わなかったんだよ!!!」
社長「どうだろうな、隕石を消滅させた事で攻撃に使用するエネルギーを消耗し、防御する事しか出来なかったのかもしれん。これに関しては白いISを捕らえん事には分からんがな」
束「彼女は!!今の私達を遥かに上回る力を持った存在で!!何故眠っていたのか!!どうやって生まれたのか!!何が出来るのか!!何で一人しかいないのか!!全く何も分からないんだよ!!?」
束「なのに何で平気でいられるのさ!!!」
スコール「お、落ち着きなさい……」
社長「小娘が、そうやって恐れるから何も得られんのだ。私は違うぞ、アレを恐れず、必ずアレの力を手に入れてやる」
束「恐れないなんて出来ないよ!!もし、あの隕石を消滅させた力を私達に使っていたらどうなっていたか!!そんな事も考えられないの!!?」
社長「考えられるとも、隕石が衝突する前に滅びていただろうな」
束「だからさ!!だから私は!!彼女の分身のISが恐いんだよ!!もしも、もしかしたら、何かを間違えてしまったら、彼女の力が暴走して何もかも無くなっちゃうかもしれないから!!!」
束「そうならない為に!!私はISを解析してるんだよ!!!」
674 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 19:16:23.36 ID:lhfBXlB70
束「今の人類に!!あの力は手に負えない!!!だから私は恐いんだよ!!!」
束「フーッ……フーッ……フーッ……」
スコール「……確かに」
オータム「専門家による至極当然の意見が浴びせられたが……こいつの脳には入ってないだろうな」
社長「いいか、よく聞け小娘。最初の一歩はいつだって無茶だ無謀だと言われているものだ。だが、その一歩を踏まねば前には進めんのだ」
社長「それを誰も踏まず、貴様も踏もうとせずにいるから私が踏む。ただそれだけの事だ」
束「この……!!」
オータム「待った。篠ノ之博士、ここは俺に任せてくれねぇか?」スッ
束「え?」
オータム「それに……少し頭を冷やしな可愛い顔が台無しだぜ?」ポンポン
束「あ……うん……」
オータム「さて大将、少し議論するとしようか。お題は……何故白いISが一人しかいないのか、だ」
社長「一人とは限らんまだどこかで機能停止している機体もあるはずだ。それを機動させるのがアレの目的かもしれん」
オータム「なるほどな、確かに他にも白いISと同じ様なISがあると考えるのは自然だ。だが、今は“白いISが一人だけしかいない”と考えてもらおうか」
675 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 20:22:32.51 ID:lhfBXlB70
社長「滅びたのだろうな。それも一切の痕跡を残さず」
オータム「滅びたんじゃなくて、白いISが滅ぼしたんじゃねぇか?」
社長「は?」
オータム「個人的な推論だがよ。あの白いISが何もかも綺麗サッパリ自分の文明を消したから、何も残ってないし仲間もいない。やる事もなくてただ眠っていたのが十年前、何らかの拍子で起こされたんじゃねぇか?」
スコール「仮定に仮定を重ねて……大した推論ね」ヤレヤレ
社長「考えられない事ではないな。性能が不明である以上、隕石を消滅させるのが限界ではない可能性もある」
オータム「で、そんなおっかねぇ奴を敵に回そうとするのはあまり頭の良い選択とは思えねぇんだけどなぁ?」
社長「……何が言いたい」
オータム「おおっと、とぼけんなよ?スコール」
スコール「はいはい」
オータム「見てみな」ツカツカ スッ
社長「……白いISの出現記録がどうした」
オータム「出現地付近の何かしらの作戦や実験に、正規非正規を問わず、多かれ少なかれISから流用された技術が使われていて、公にはなってねぇが白いISはそれに関する情報を全て抹消してんだよ」
オータム「これが一体どういう事か……分からねぇ事ぁねぇよな?」
社長「白いISはISに関する技術を消そうとしている、と言いたいのか」
オータム「ブッブゥ〜!ハズレだボケ、白いISが技術を消すには基準があるんだよ。だったら篠ノ之博士はとうの昔にいねぇだろうが」
676 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 20:50:02.52 ID:lhfBXlB70
スコール「ちょっと待って、白いISが別の世界とか別次元から来た存在、って可能性もあるんじゃないかしら?」
社長「は?」
束「何で今それを言うの……」
スコール「あり得ない話じゃないでしょ?」
オータム「テメェ……話の腰ブチ折りやがって……」
スコール「思考は広くないとね」
オータム「とにかくだ!!ファントム・タスクのやり口はあまり好ましくないって訳だ」
社長「だから貴様等は白いISの標的にされる事を恐れ、我々を裏切り、そこの小娘に媚びへつらった、と?」
オータム「勘違いすんじゃねぇ、相手が俺達を裏切らない限り、俺達も相手を裏切らない。それが俺達ハーキュリーズのルールだ」
オータム「裏切ったのはテメェだ。金さえ払えば契約違反しても良い、相手は所詮犬畜生だ……随分と舐め腐った態度じゃねぇか、誠意あるプロフェッショナルがする事じゃあねぇよなぁ?」
社長「フン、くだらん。何がプロフェッショナルだ」
オータム「だからテメェは三流なんだよ。くたばれ、犬畜生以下のクソ野郎が」
秘書「社長!!大変です!!」カツッカツッカツッ
社長「どうした?」
オータム「クソッ……せっかく俺が決めたのに……」
スコール「あれで?グダグダだったじゃない」クスッ
束「ん?あの人って……」
677 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 21:14:51.40 ID:lhfBXlB70
秘書「社長の所有されているスイスの銀行口座が何者かにハッキングされ、預金全てが盗まれました!」
社長「何だと!?貸せ!」カタカタカタ タンッ
ピッ ピピピピピピピピピピピピ
社長「なっ、何だこれは!!?私の金が!!?クソッ!!止まらない!!」
スコール「ふふふっ、大変そうね」
社長「貴様の仕業か!!」
オータム「おっと、やめときな」
社長「どけ!!!」
オータム「俺の動きが速すぎるのか、それともナイフが鋭すぎるのか……大抵の奴は刺された事すら気づかねぇ」
社長「な……?」
オータム「俺からの“ほんの気持ち”ってヤツだ」
社長「ぐぅッッ……きッ……貴様ぁッッ……!!」
オータム「おー痛そうだな。いや、痛そうっていうか……実際すげぇ痛いよな?それこそ小便チビってママンに泣きつきたいぐらいに……違うか?」
スコール「良い子ね、おいでなさい」チュッ
秘書「んっ……っはあ……スコールさん……」トロン
スコール「御褒美は後でたっぷりあげるわ。だから先行って待ってられるわね?子猫ちゃん」ボソッ
秘書「はい……!」ゾクゾクッ
オータム「ッ〜……向こうでやってくんねぇか?」
678 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 21:46:36.58 ID:lhfBXlB70
社長「くッッ……そッ……ッッ……!!」グッ
オータム「やめときな、そのナイフは歯こぼれしちまってノコギリみたいになってる。それでも並のナイフよか切れ味は抜群だが……まあ、簡単には抜けねぇんだよ……多分」
スコール「そろそろ帰りましょ。私、大事な予定があるのよ」
オータム「ああ、そうだろうな。さっき目の前でよーく見てたから知ってるよ」
オータム「ッ!!?」バッッ!
スコール「どうかしたの?」
オータム「何か……来た………テメェ等外だ!!」
束「待って!!」
オータム「邪魔すんじゃ―――って、ッッ……!!」
束「来たんだよ……“彼女”が」
社長「なッ……何が……起きてッ……!!」
白いIS「…………」
スコール「光の……翼……?」
オータム(何だよ何なんだよあれは……何であんなに光ってるだけなのに……こんなに体が震えんだよ……!!)
オータム(ヤバい……何か分からねぇがこいつはヤバい………何がこんなに体を震えさせんのか分からねぇ……何なんだよ、あれは……!!)
スコール(何十年ぶりかしら……この体でも身震いするような恐怖を感じるなんて……篠ノ之博士以外誰も声すら出なくなってるわね……)
679 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/10(月) 16:17:24.30 ID:PJSO9MuA0
白いIS「………」
スコール(何て恐ろしいの………それに、今彼女は何を見てるの……一体何処を……?)
「ッ……ッッ………」カタカタカタ
束「駄目、彼女に銃を向けないで」
「でッ……でもッ………もしもッ……!」カタカタカタ
束「彼女を敵にしたいの?」
オータム「やめとけ……誰も……引き金に指をかけるな………いいな」
『危険!!未確認高エネルギー反応 急速に増大中!!』
オータム「ッ!!?消え……た……?」
束「皆、外に出て……早く!!」
オータム「お、おう……分かった……聞こえたな!!テメェ等!!小便チビってねぇでさっさとズラかるぞ!!」
「はあぁぁぁ〜ん、もおぉぉぉ〜怖かったよおぉぉぉぉ〜」グデェー
「どわっ!人を突っ掛えにすんな馬鹿!!」
「に、ににに、逃げ、逃げるががが、かっ、勝ちってね………」プルプル
「ぷっ、だっせー生まれたての小鹿みたいになってやんの」ガクガク
「そういうあなたは膝が笑ってますよ」
社長「くッッ……そぉッッ………!!」
680 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/10(月) 16:28:36.26 ID:PJSO9MuA0
スコール「……」ガシッ ブンッ
社長「ぐおっ!!?」
ドゴッッ ドサッ
社長「う……ぐッッ……きさ……まッ……な……に……を………」
カチャリッ
社長「ッ………なッ……あッッ……!!?」ガチャガチャ
スコール「鎖を切らない方がいいわよ。手遅れになるわ」
社長「切る……!?どうやって!!?待て!!やめろ!!手錠を外せ!!」
スコール「……」クルッ カツッカツッカツッ
社長「待て!!金なら払う!!やめろ!!助けてくれ!!置いていくな!!!スコール!!!」
スコール「……」カツッカツッカツッ
束「ね、ねえ、ああ言ってるけど……いいの?」
スコール「ええ、いいのよ」
束「ここまでする事ないんじゃ……ないかなって……思うんだけど……」
スコール「優しいのね。でも、私はあなた程優しくはないし、オータム程割り切る事の出来る女じゃないの」
スコール「裏切り者は必ずブチ殺す。ただそれだけよ」
681 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 21:16:23.03 ID:Ty0zbuS30
オータム「オラ、起きな」ペチペチ
束「ん……あれ……ここは……?」キョロキョロ
秘書「それで……スコールさん仕事終わりの私を無理矢理バーに連れて行ってくださって……とても親身に私の話を聞いてくださって……私、誰かにそんな風にされたのは初めてで……」モジモジ
「流石はスコールねぇ……羨ましいわね、このっ」
スコール「私は何も特別な事はしてないわ。ただ心の支えになってあげただけよ?」
オータム「タスクと白いのがよく見える所だ」
束「あ、そっか……移動してたんだよね……」
カリーヌ「あの部屋を出た瞬間気絶したが……何かの発作ではないよな?」
束「ううん、私ね……人が怪我したり血が出てるのを見れないんだ………それで……何とか頑張ったんだけど……」
オータム「血が駄目って……それでよくこんな真似しようと思ったな……」
束「彼女に全部任せておくのは……嫌だったから………」
オータム「確かに……アレに何もかも任せる、ってのはな………」チラッ
カリーヌ「博士、教えてくれ。あの白いのは今何をしているんだ?」
束「力を溜めているんだよ。多分、ファントム・タスクの何もかもを消す為の………」
682 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 22:18:54.46 ID:Ty0zbuS30
スコール「後は物理的消去だけね」
オータム「うおっ!?」ビクッ
スコール「今現在、世界規模でファントム・タスクが関連していた電子情報は全て消えたわ」
束「本当だ。これと平行して力を溜めてたんだね」
オータム「世界規模で、って……何でもありかよ……」
スコール「彼女からしてみれば……私達のする事なんて積み木を積み上げる程度なのかしらね」
束「恐らくね……ッ!!?」
『未確認高エネルギー放出』
束「……始まったよ」
白いIS「………」シュウゥゥゥゥゥゥゥン
オータム「羽の次は何だ………膜、か……こりゃ……?」
スコール「エネルギーの波、とでも言うべきかしら………?」
文「姉貴!あれを!!」
オータム「ああ?ッ!!?」
スコール「……驚いたわね」
683 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 22:47:52.73 ID:Ty0zbuS30
カリーヌ「い、一体何が……博士っ、白いISは何を……している………」
束「消滅させてるんだよ……何もかもを、ね……」
スコール「声も出なくなるわね……」
秘書「あ……ああ………」ヘタッ
文「映画……みてぇですね……」
オータム「正気の沙汰じゃねぇよ……こんなの………」
スコール「おいで、子猫ちゃん」ギュッ
秘書「あ、ありがとう……ごっ、ございますっ……」
スコール「……」カタカタカタ
秘書(スコールさんが……震えてる………やっぱり……スコールさんも……怖いんだ………)ギュウゥゥゥ
オータム「これは……あれだな………家に帰ったら……三日間極上のカウチに寝そべって……ドリトスだけ食って……マウンテンデューを飲みながら……デンジャラス・ビューティーを飽きるまで……見ねぇとな………」
束「……」ポロポロ
スコール「博士?……どうかしたの?何故、泣いているの……?」
束「あのね……とっても……悲しくて……胸が……苦しいんだ………」ポロポロ
684 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 22:49:59.46 ID:Ty0zbuS30
スコール「どうして……?」
束「私じゃないんだ……彼女が……悲しくて……胸が……」
スコール「彼女……白いISが……?」
白いIS「………」
685 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 22:52:11.57 ID:Ty0zbuS30
誤送信しました。
スコール「どうして……?」
束「私じゃなくて……彼女が……悲しくて……胸が……苦しいんだ………」
スコール「彼女……白いISが……?」
白いIS「………」
束「こんなはずじゃなかったんだ」
束「ごめんなさい」
686 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 23:05:34.47 ID:Ty0zbuS30
〜IS学園〜
クロエ「一夏様、どうかしたのですか?それに、この光は……?」
一夏「分からない……零式が……何かに反応してるんだ……」
一夏(今までこんな事なかったのに……どうして……突然………)
一夏『束姉ちゃん、零式が、突然光出したんだ!』
一夏『聞こえてる?……束姉ちゃん?』
一夏「……駄目か」
クロエ「束様と通信出来ないのですか?」
一夏「駄目だ……通信が繋がらない……」
クロエ「繋がらない……?」
一夏「分からない……何が………うっ!!」
(姉さん……みーーなーーーまーーてーーー)キィィィィィン
クロエ「一夏様!大丈夫ですか!?」
一夏「頭の中に………声が……する………誰だッ……それに……姉さんって………お前は……何を……言って………!!?」
ィィィィィィンッ………
クロエ「一夏様!!」
一夏「声が……止んだ……」
687 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 23:22:31.80 ID:Ty0zbuS30
一夏「もう大丈夫だ……クロエ、ありがとう……」
クロエ「ほ、本当ですか?」
一夏「声が止まったし……ほら、零式も元通りになった………」
クロエ「いえ、大丈夫には見えません。私、お水とタオルを持ってきます」タタタッ
一夏「あっ、クロエ………」
一夏「しかし、何だったんだ……何でお前は光ったんだ……?それに」
(姉さん……みーーなーーーまーーてーーー)
一夏(姉さん?誰の?一体何を伝えようとしていたんだ?)
一夏(何で零式からそんな声が………)
ポタッ……ポタポタッ………
クロエ「お水とタオルをお持ちしましたーーーい、一夏様?」
一夏「ん?どうしたんだ?クロエ?」ポロポロ
クロエ「何故……泣いていらっしゃるのですか……?」
一夏「え……あ……ほ、本当だ……何で……止まらない………」ポロポロ
一夏「お……おかしいな……別に悲しくなんか……ないのに涙が……止まらないんだ………」ポロポロ
688 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 23:36:53.68 ID:Ty0zbuS30
クロエ「一夏様!」ギュッ
一夏「クロエ………?」ポロポロ
クロエ「いつもは一夏様が私をこうして落ち着かせていますが、今度は私がこうして一夏様を落ち着かせます!ですから今は!」ギュウゥゥゥ
一夏「クロエ……ごめんな……こんなはずじゃ……なかったんだ………」ポロポロ
クロエ「一夏様、謝らないでください」
一夏「ごめん……なさ…い………こんな……はず……じゃ………」ポロポロ
クロエ「一夏様……?」
一夏「な……かった………のに………わ……た………し………は………」ポロポロ
クロエ「一夏様!!お気を確かに!!」
一夏「お……ま……え……ま……で……」ポロポロ
クロエ「一夏様!!!」
一夏「……ッ!!?いッ、今のはッ!!?」
クロエ「一夏様!!」ギュウゥゥゥ
一夏「クロエ……ありがとうな………後で……束姉ちゃんに……色々と聞かないとな……」
クロエ「良かったです……元の一夏様に戻られて……さっきの一夏様は別人でした………!!」ギュウゥゥゥ
一夏「はははっ、大げさだなぁ……クロエは……」ナデナデ
クロエ「本当に……本当に……良かったですっ……一夏様っ………!!」ギュウゥゥゥ
一夏「ありがとう……クロエ……」ソッ
689 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/27(日) 22:43:07.11 ID:QI/lRNl40
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『はーい♪せっかく電話してくれたのにごめんねーいっくん☆束お姉ちゃんは今現在ぃ〜お電話に出られませーん。めんごめんごっ☆』
一夏(駄目か……束姉ちゃん……どうしたんだ?もしかして、昨日の零式が何か関係が………?)
鈴「一夏ん!あー!」
一夏「はいはい」ヒョイ
清「一夏ん!あー!」
一夏「はいはい」ヒョイ
鈴「本当にもーちょー疲れたー」モグモグ
清「こっちは怪我人だっつーのにー」モグモグ
一夏「あんまり食べながら喋るなよ。ほら、こぼれてるぞ」フキフキ
清「んっ、ありがと」
セシリア「まるで雛に餌をやる親鳥ですわね」
箒「全くだ」ヤレヤレ
690 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/27(日) 22:53:29.47 ID:QI/lRNl40
クロエ「し、清さん……どうぞ……」スッ
清「やだっ!」プイッ
クロエ「えっ」
清「呼び捨てで呼ばないと食ーべないっ!」
クロエ「え……呼び捨て……ですか……うう……」オロオロ
箒「意地の悪い奴だな……」
セシリア「清さんなりのフレンドシップ?なのでは?」
鈴「しーん、しーん、しーん!」
一夏「しーん、しーん、しーん!」
清「……」ジトー
クロエ「ううっ……しっ……ん……さん……」ゴニョゴニョ
清「えー!?何だってー!?聞こえないなー!!?」
クロエ「あうぅ……しっ……し……し………」モジモジ
清「……」ジーッ
鈴「じぃーっ」
一夏「……」ジーッ
691 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/27(日) 23:07:02.38 ID:QI/lRNl40
クロエ「しっ、清……どうぞ……」スッ
清「うむ、苦しゅうない」パクッ
鈴「あー!」
一夏「はいよ」ヒョイ
クロエ「……」モジモジ
清「どったの?」
クロエ「いっ、いえっ……わ、私っ……そのっ……あまり清……のような人と接した事が……なかったので……戸惑っている……というか……」
鈴「クロちんさぁ、セっちゃんとか箒ちんとかにどー接してるか知らないけど」
清「あたし達には一夏んみたいに接してよね」
鈴清「「だってあたし達もうマブのダチ公でしょ!!」」
鈴「いや、さもすれば姉妹的な?」
清「いや、さもすればお姉ちゃん的な?」
鈴清「「いししっ!なーんちゃってね!!」」
クロエ「マブの……ダチ公……ですか………」
一夏「いいから怪我人はじっとしてろ」ベシッ
鈴清「「いでーっ!」」
692 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/27(日) 23:20:39.41 ID:QI/lRNl40
箒「妹、か……ふふっ、言い得て妙だな」
一夏「そうだな、そういえばクロエは妹って感じだな」ナデナデ
クロエ「私が……妹……ですか……」
一夏「箒の事をお姉ちゃん、って呼んでみるか?」
クロエ「いっ、いえっ、そ、そのような事はっ………」
箒「クロエ、別に呼ばなくていいぞ。だが一夏、私がお姉ちゃんならお前はお兄ちゃんだぞ?」
一夏「いいんじゃないか?クロエも家族だし、妹が二人になっただけだし」
箒「妹が二人……」
一夏「そう、二人」
箒「私が、お前の、妹?」
一夏「俺と双子、って感じじゃないだろ?」
箒「そうだが!……はあ、もういい……」プイッ
セシリア(いつものムードになってしまいましたわ……これでは私の出る幕がありませんわ……)ムスーッ
鈴(今に見てろよー箒ちんのコノヤロー)
清(今にその中に食い込んでやるからなー)
693 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/26(火) 23:22:03.76 ID:b+lwYNbj0
『束姉ちゃん メッセージとファイルを受信』
一夏「ん?」
『大好きないっくんへ、忙しくて電話に出られなくてごめんね。今回の学園襲撃の黒幕のぶぅえりぃー極秘のデータを送るから良かったら目を通しておいてね☆迂闊に他の人に見せちゃダメだぞっ☆束お姉ちゃんより♪』
一夏「クロエ、お前にもか?」
クロエ「はい」
鈴清「「???」」キョトン
セシリア「どうかなさいまして?」
箒「……」
一夏「ちょっと待ってくれ」
一夏(忙しい?解析中なら解析中って言ってくれるよな………)
一夏(それに、他人に見せられない極秘のデータ……?)
『ファントム・タスク』
一夏(凄い情報量だ……けど、もしかして………)
クロエ「……」
694 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/26(火) 23:31:17.38 ID:b+lwYNbj0
一夏「……」
クロエ「……」
セシリア「お二人とも何かに集中されていますわね……」
箒「しかもれんげを空中で止めたまんまだぞ……」
鈴清「「おーい」」ブンブン
一夏「悪い、しばらく自分で食ってくれ」スッ
クロエ「同じく、申し訳ありません」スッ
鈴清「「ええっ!?」」
一夏クロエ「「………」」
セシリア「この感じ……ISを使われていますわね」
箒「ISを……?」
箒(二人がこれだけ集中する事……姉さんから何か連絡か……?)
一夏「ッ!!?」ガタッ
鈴「どったの!?」ビクッ
一夏「あ……悪い、驚かせたな……何でもないよ」
鈴「そんなのうっそでーすぅー」
清「何もない人はそんな立ち上がり方しませんー」
695 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/25(水) 23:56:27.04 ID:juoBgXF/0
一夏「………」
鈴「ってさっそく無視かーい!」
清「反応しろやーい!」
一夏「………」
鈴清「「ええ………マジのノーリアクションって……」」ヘタッ
箒「……どうやら、長くなりそうだな」
セシリア「そうですわね……」
一夏「いや、もう終わったよ」
鈴「マジで?」
一夏「ああ、マジで」
清「マジの本気?」
一夏「大マジだ」
箒「それで?姉さんからか?」
一夏「流石箒、鋭いな……」
箒「内容は何だったんだ?」ズイッ
一夏「お、おう……」
セシリア「まあまあ、篠ノ之さん、そう慌てずに」
696 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/25(土) 23:51:10.36 ID:0I9v3IzR0
一夏「今から見せる事は絶対に他言無用で頼む。恐らく国家機密レベルだ」
一夏(あ、そうだ。ジャミングしとこっと)
クロエ『周辺に生体反応はありません』
一夏『おう、ありがとな、クロエ』
セシリア「こ、国家機密レベル……ですか……?」
一夏「そう国家機密レベル」
鈴「それってヤバくない?」
一夏「ああ、ヤバいな」
清「ちょーヤバくない?」
一夏「ちょーヤバいな」
箒「もしその情報をどこかに漏らしたら?」
一夏「それは束姉ちゃんに聞いてくれ……想像したくもない」
箒「確かに……」
クロエ(抹消、なさるでしょうね……完全に………)
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