【咲 -Saki- SS】 大学編 - いちご味 - ちゃちゃのん「おかえりなさい」

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202 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 17:45:27.46 ID:+juHpC0x0



カラン コロン…



洋榎「えー、というわけで…」

洋榎「二日酔いで潰れとったわけなんで……」

洋榎「もうバレンタイン終わったけど、皆チョコくれへんかな〜〜って」ナンカ、チョーダイ!!



ちゃちゃのん「もう、しょうがな――」

哩「死ね!!」

塞「ないわよ!!」

セーラ「もう残っとらんでー」


胡桃「ちゃちゃちゃんも、こんな奴にあげなくていいから!!」

ちゃちゃのん「え、あ… うん……」



洋榎「なんでや!!」

洋榎「別に約束してたわけでもないし、ええやん!!」

塞「ま、そーなんだけどさー」

塞「でもバレンタイン終わったし、チョコあげなくてもいいでしょって…」

洋榎「うぎぎぎぎ……」


胡桃「バカみたい…」フンッ



ちゃちゃのん(胡桃… ちゃん……?)






結局 その後、ヒロちゃんにチョコをあげることはなかった。



ちゃちゃのん(バレンタインのチョコ、ヒロちゃんにあげそびれてしもうたのぅ……)パリポリ



ズキンッ



何故じゃか、ちょっぴり胸が痛かった――――



203 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 17:47:58.70 ID:+juHpC0x0



二回生での最後の試験も終わり…




ちゃちゃのん「みんなは試験の方はどうじゃったん?」


塞「あ〜 私はいつも通りだったけど。 胡桃の方が……」ハハッ


胡桃「あ〜〜 あんなヤツらと勉強会なんてするんじゃなかった…」

胡桃「電車で無理なものは、やっぱりバイクでも無理なのよ……」ブツブツ


ちゃちゃのん「ん…?」


塞「試験期間中に洋榎やセーラと徹麻してて、見事に試験に寝坊したらしいよ」


ちゃちゃのん「そ、それはご愁傷様なんじゃ……」






胡桃「あ、そういえば… この前の伊勢神宮特集の、ちゃちゃちゃんの巫女服姿見たよ」


塞「あ〜 みんなで一緒に見てて、洋榎がテンション上がって爆笑してたらしいね」


ちゃちゃのん「うっ、別に爆笑するトコなかったじゃろ……」





204 :ケイ@ここから、ちゃちゃのん達は3回生になります [saga]:2015/12/16(水) 17:51:08.54 ID:+juHpC0x0





冬が終わり、また新たな春がやって来る。


ちゃちゃのんたちは、三回生へと進級しとった。




胡桃ちゃんに家庭教師をしてもらっちょった、一浪中の漫ちゃんは


第一志望じゃった、ちゃちゃのんたちと同じ大学にゃぁ受からんかったものの


同格とされる隣県にある大学の方は見事に合格、今年からは晴れて大学生っちゅうことじゃね。





そして、二浪中の哩ちゃんじゃが


どうやら、今年も西の最高学府にゃぁ 届かんかったそうじゃ。


205 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/16(水) 17:54:39.42 ID:+juHpC0x0




哩「今年落ちたら、受験は終わりばい」



哩「やりたかった研究は、代わりにあいつがしてくれているばい」


哩「麻雀部の時と同じで、重荷にするのは心苦しか―――」


哩「けど… 夢は、代わりにあいつが叶えてくれると信じとるばい」


哩「だから、心置き無くドロップアウトできる……」




――これは後から胡桃ちゃんに聞いた話じゃが


そう言っていた哩ちゃんは、どこか寂しげであり


どこか安心したような、そんな表情をしとったそうじゃ。





きっと夢を託した後輩の姫子ちゃんのこと、心の底から信じちょるんじゃろうね。



そう思える人がいるっちゅうこと… それはとても羨ましいことじゃと、ちゃちゃのん 思うんじゃ。


206 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/16(水) 17:57:21.09 ID:+juHpC0x0



そんな大学受験を諦めた哩ちゃんじゃが…



当面は今のお店で、料理の勉強をしながらバイト生活を続けるそうじゃ。





何でも、哩ちゃんにゃぁ 新しい夢が出来たとか―――




哩「それに… 新しい夢も出来たしな……」




哩「――幸せな家庭」テレッ








哩ちゃん、姫子ちゃんと末永くお幸せにの。




ちゃちゃのんは、いつでも二人のこと応援しちょるけぇのぉ♪






207 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/17(木) 12:17:24.58 ID:yULEdsmj0



そして、ちゃちゃのんたちはっちゅうと…



ちゃちゃのんと塞ちゃんは、ゼミが始まりそっちに多くの時間を取られるようになった。



せーちゃんは麻雀部の最上回として、最近ではそっちの活動がメインになっちょるそうじゃ。




ヒロちゃんはっちゅうと…


結局、ゼミも決まらんかったようじゃね。


まぁ〜 自業自得なんじゃし、仕方ないんじゃけど。



胡桃ちゃんは、まだあまり生活的な変化はないようじゃった。





――そんなこともあってか…



最近はヒロちゃんと胡桃ちゃん、二人で遊んどることが多いようじゃ。



208 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/17(木) 17:29:12.97 ID:yULEdsmj0



たとえどんなに環境が変わろうと


変わるはずなどない、ちゃちゃのんたちの関係。



でも、たぶんそれは胡桃ちゃんのいう恋と同じ。


ちゃちゃのんの中にある、勝手な幻想だったんじゃろう。



まだこれといって、変わったことなどないはずなんじゃが…


ちゃちゃのんたちの周りの何かが、少しずつ変わり始めとったんじゃと思う。





それがいったい何じゃったんか。


ちゃちゃのんにゃぁ、まだよう分からんかったが。



ただ漠然とした不安だけが、ちゃちゃのんの胸の内から離れんかった。


209 :ケイ@お伊勢参りのトコ『ソラ豆の黒いすじ』ネタぶっ込めたなぁと今更思ったり… [saga]:2015/12/17(木) 17:45:00.70 ID:yULEdsmj0




ジャラ ジャラ ジャラ ジャラ…


ちゃちゃのん「えへへ、ツモじゃよ♪」パララ…

胡桃「ん…」

セーラ「あちゃー」

洋榎「てぇ、ちゃちゃはまた平和(ピンフ)かい!! 男だったら、もっとデカイ手も目指そうや!!」

ちゃちゃのん「じゃって… おっきいの狙うと、決まってヒロちゃんに潰されるんじゃもん…」オンナジャシ…



洋榎「平和なんてクソくらえなんや、クルックーしとる東鳩を見たら豆鉄砲やでぇ!!」ビスビスビスッ

ちゃちゃのん「え〜 平和はとっても大切なんじゃよぅ…」

胡桃「東鳩さんに怒られるわよ…」



セーラ「せやねん、俺らは破壊と混沌の探求者。 デトロイトでメトロイドはオモロイドやねん!!」

胡桃「とりあえず、アンタもよく分からずに 口走るのやめなさいね」



洋榎「これよりウチらは超ピンフバスターズ、漢字に直して超平和バ―――あたっ!?」ビシッ

胡桃「だから、そういうのいいから!!」シャー

洋榎「へーーい…」



210 :ケイ@ネタについては10人読んで1人分かってくれる人がいたら凄く嬉しい、そんな感じです。 [saga]:2015/12/17(木) 18:08:06.11 ID:yULEdsmj0



ジャラ ジャラ ジャラ ジャラ…


洋榎「いちごの〜ように… かわいくて……」ボソッ

ちゃちゃのん「……?」


洋榎「いちごの〜ように… 甘酸っぱい……?」

セーラ「ん……?」


洋榎「それがいちごの〜 生きる道〜〜」

胡桃「今度は何よ…?」




洋榎「おぅ。 何やちゃちゃのヤツが、今度CDデビューするらしいやん」


洋榎「ほなここは一つ ウチらでちゃちゃが歌いそうな、ヒット間違いなしの新曲でも作ったろ思ったんや!!」カッカッカ

ちゃちゃのん「いや、確かに今度CDデビューはするんじゃが… 何で音頭調なんじゃ?」


セーラ「ええやん、ええやん!! 何や面白そうやし、みんなで考えようや♪」ヨッシャー


胡桃「コイツラって、基本的に面白ければ何でも良いのよね…」


ちゃちゃのん「何じゃろう。 気持ちだけは嬉しいんじゃが、正直 イヤな予感しかしないんじゃ…」






「ま〜 とりあえず、いちごをプッシュしとけばええんちゃう?」


「あの…」


「そこはちゃちゃやしなぁ。 やっぱアホっぽい方がええやろ…」


「ちょっ…」


「サビんトコは『ちゃちゃのん音頭〜♪』で決まりやな!!」


「じゃけぇ、何で音頭なんじゃ!?」


「2番はどうすんねん?」


「一応、可愛い感じにしといてあげたら。 あと可愛い自分が大好きな感じで…」


「ひどっ!?」



211 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/17(木) 18:13:21.69 ID:yULEdsmj0



洋榎「そういや今年の学祭は、ずいぶんと早い時期にやるらしいやん…」

胡桃「あぁ、そういえば今年は春季大学祭だったね」

ちゃちゃのん「大学祭のぅ。 そういえば去年は行けんかったし、あまり大学祭の思い出ってないのぅ…」



洋榎「来年はウチらも4回生で、どうせ無理やろうし…」

洋榎「今年くらいはウチらのサークルで、何か参加せーへん?」

ちゃちゃのん「あっ… まだその自称サークル設定、生きとったんじゃね…」

胡桃「でも今だってセーラや、塞、ちゃちゃちゃんはかなり忙しいんだし。 ちょっと難しくない?」


洋榎「まぁ、何でもええねん。 ようは思い出作りみたいなもんなんやから!!」




セーラ「そんなら、ちょっとした上映会とかどうや?」

洋榎「上映会って映画撮影か? それこそ知識とか機材いるやん?」


セーラ「そのへんのことは浩子に頼めば何とかなるやろ。 丁度、ゴールデンウィークに帰省するらしいで…」

洋榎「あー、フナQのヤツこっち帰るんや」

ちゃちゃのん「それって、確かせーちゃんの恋人さん…///」



胡桃「それでそのフナQさんに頼めば、何で大丈夫なわけ?」


セーラ「言っとらんかったっけ? 浩子のヤツ『絶対 黒沢とか、なんとかスキー兄弟みたいな映画監督なるで〜〜』言うて、東京の芸大に行っとんねん」

ちゃちゃのん「ほぇ〜〜 そうなんじゃね…」



セーラ「丁度 帰省中にてきとうな短編撮りたいから、何人か手頃な役者捕まえとけって頼まれとったんや」シシシッ


胡桃「あれ、何か体良く利用された?」


ちゃちゃのん「でも、何か楽しそうじゃね…」エヘヘ



212 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/17(木) 18:21:29.88 ID:yULEdsmj0



【ゴールデンウィーク】


フナQ「ちょっと、カメラさん!! もちっとシャッキリ動いてや〜!!」ビシッ

セーラ「へーーい!!」ヨット



洋榎「えっと、突然やねんけど… ウチの名前は愛宕洋榎……」

洋榎「かっこ 超絶☆美少女である。 かっことじ」ヨミヨミ

フナQ「ちょー ちょー ちょー 役者さーん。 な〜にセリフでカッコとか読んどんねん!!」アホナン?



フナQ「自分が台本に手を加えたい言うから、書き直したったんやで〜〜 あと天才セサリストって何やねん!?」

洋榎「あっ、スンマセン…」ペコッ




ちゃちゃのん「聴いて下さい… ちゃちゃのん音頭…///」モジモジ

ちゃちゃのん「いちごのように… かわいくて……///」ボソボソ

フナQ「ストップ、ストーープ!!」

ちゃちゃのん「えっ…」ビクッ


フナQ「女優さ〜ん!! 何を恥ずかしがって、ボソボソ歌っとんねん!!」

フナQ「この場面の意味とか、ちゃんと分かっとるんですか? お客さんに『コイツはヤバイヤツ…』って思わせんでどないすんねん!!」


フナQ「自分は理不尽な神の意志に操られた哀れな人形。 マリオネットなんやで〜!!」

ちゃちゃのん「すっ、すまないんじゃ…」ペコリン

フナQ「別に謝らんでもええですわ!! とりあえず、あんま舐めくさった演技しとるようやと―――」


フナQ「アンタ、マジで沈めんでぇ…!!」ギラリッ


ちゃちゃのん「あわわわわ……」ガクガク ブルブル


213 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/17(木) 18:25:46.09 ID:yULEdsmj0



塞「うわぁ、こりゃ思ってたよりも本格的だね。 ちゃちゃのん、超涙目だよ」

胡桃「うん、私 雑用メインで良かった」


塞「私はこの後、そこそこセリフあるのよね。 うぅ、緊張するなぁ〜〜〜」

胡桃「フフッ、塞の大根っぷり楽しみにしてる」


塞「いや、ま〜〜 確かにそういうのは、得意じゃないけどさぁ……」

胡桃「対局の時なんかは、結構 中二設定ノリノリじゃない」

塞「うぐっ、それ冷静に言われると結構キツイなぁ……」



塞「だいたい何なのよ、このアホな台本…」ペラペラ

胡桃「溝シリーズっていう、結構有名なシリーズものなんだってね」



塞「ブッ飛んだ神の意志に操られるゲストキャラと、それに苦しめられる主人公を神の視点から笑う滑稽劇で――」

塞「お約束の展開が多数存在するがゆえに、その演者の力量、監督のセンスや技量が問われる作品―――だっけ?」


塞「基本プロットは船久保さんらしいけど、洋榎とセーラがかなり悪ノリで手を加えたみたいだよ」

胡桃「バカみたい…」



フナQ「照明さ〜ん、しっかり仕事してな〜〜!!」

塞「あっ、はい!!」


214 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/17(木) 18:37:48.83 ID:yULEdsmj0



フナQ「はい、カーーット!! 暫く、休憩しとってや〜!!」

セーラ「浩子もお疲れさーん!! ホイ、ドクペ飲むやろ!!」スッ

フナQ「あ、うん… ありがとさん……///」ソッ


フナQ「カメラ結構重いやろ、腕とか平気…?」

セーラ「おーう、余裕 余裕♪ 普段から鍛えとるからな、体力と麻雀だけが取り柄やねん!!」グッ グッ

フナQ「うん、よぅ知っとるでぇ。 他にも、ええトコ ぎょうさんあるゆ〜〜のもなぁ…///」

セーラ「ん、そんなトコあったやろか…///」ポリポリ

フナQ(ウチはセーラのことなら、何だって知っとるんやでぇ……)




洋榎「はぁ〜〜 こりゃ予想以上にシンドいで〜」パタパタ

胡桃「ん、お疲れさま… はい、ジュース」スッ

洋榎「おっ、さっすがいいんちょ 気ぃ利くやん!!」


胡桃「フナQさんだっけ、何か凄い人だね〜〜」

洋榎「ま〜 アイツは昔から職人気質やからな。 凝り性やし、妥協ってヤツが出来ひんヤツやねん」ゴクゴクッ

胡桃「そういえば、確か従姉妹なんだよね?」


洋榎「せやねん。 ウチのオカンから見て、姪っ子やな」

胡桃「じゃ〜、もし二人がくっついたら、いずれはセーラとも――」

洋榎「うっ、イヤな想像させんなや……」



洋榎「まぁ… アイツとは昔からライバルやけどウマも合うし、どのみち長い付き合いにはなるんやろうけどな」

胡桃「クスッ、確かにアンタら良いコンビよね」

洋榎「ん、そう見えるか?」


胡桃「うん。 カトケンみたいな迷走しっぱなしの、ダメダメ珍コンビってヤツ?」

洋榎「うっわ、何やねんその古っるい例え!? 岩手めんこいTV、どんだけ時代に取り残されとんねん!!」

胡桃「もー 多方面から怒られるから、そういうのやめなさいってば〜〜」フフッ


215 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/17(木) 18:43:37.14 ID:yULEdsmj0


ちゃちゃのん「…………」ボー

塞「ちゃちゃのん、お疲れさま」

ちゃちゃのん「あ、塞ちゃん…」

塞「気になる……?」ヨイショ

ちゃちゃのん「えっ、何がじゃ…?」ギョッ



塞「あの二人、最近よく一緒にいるよね」


ちゃちゃのん「え、あ… うん、そうみたいじゃね……」





ズキンッ



あぁ、またじゃ。



三回生になった頃からじゃろうか。



うぅん、もぅ少し前からだったんかもしれんの。



あの二人見ちょると、何だか胸のトコがチクチクするんじゃ。





以前までと何も変わらん、あの二人のたわいない談笑。



それなんに 何かが違って見えるんは、どうしてなんじゃろぅ。



その何かが、今もちゃちゃのんの胸を締めつけとるんじゃろうか――――


216 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/17(木) 18:48:58.37 ID:yULEdsmj0



雅枝「おっ、やっとる やっとる!!」スタスタ

絹恵「お疲れさまで〜す」ガサガサ



フナQ「あれ、オバちゃんと絹ちゃんやないですか…」

セーラ「おっ、監督さん ちーーす!!」ブンブン

雅枝「浩子がこっち帰ってる聞いてなぁ、ちょっとした挨拶でもと思ったんや。 絹!!」チョイッ


絹恵「あっ、これオカンからのカンパのお菓子とジュースです」ドサドサッ


フナQ「あ、こりゃどーも… ホンマ助かりますわ〜〜」



洋榎「何や知らんが、愛宕一族が続々集まってきたで〜〜」

胡桃「これはきっと、何か良からぬことが 起こるわね…」

洋榎「いや、別に何も起こらんやろ!? 怖いこと言うなや…」ブルッ




フナQ「あ、そうや!? オバちゃんと絹ちゃん、この後 時間ある?」

雅枝「ん、まぁ〜〜 ゴールデンウィーク中は、それなりに空いとんで?」

絹恵「私もです……」


フナQ「ちょ〜〜 シーン追加したい思っとったんやけど、手ぇ〜 貸してくれへんかな〜〜」ニタニタ

雅枝「ん… ま〜 何や面白そうやし、別にええで…」

絹恵「はぁ、ま〜〜 私も構へんけど…」

絹恵(浩子ちゃんのあのニタニタ顔は、ちょっとイヤな予感がするけど……)




フナQ「じゃ、撮影再開すんでー!! 二日で終わらせなアカンのやから、気合入れてくで〜〜!!」ギラリ

洋榎「へ〜〜い!!」

ちゃちゃのん「ひっ!!」ビクビクッ



フナQ「あっ… そこのおチビさんは、釘バット作っといて貰えるかな?」

胡桃「え"っ……」


217 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/17(木) 21:44:10.94 ID:yULEdsmj0



【そして、打ち上げ会――】


セーラ「撮影終了… クランクアップを祝して、カンパ〜〜イ!!」


一同「「かんぱ〜〜〜い!!」」




ワイワイ ガヤガヤ


哩「船久保か〜、久しぶりやな」

フナQ「おろろ〜 誰や思いましたら、これはこれはお懐かしゅう…」

フナQ「辛酸なめちゃんな二浪生活の末、大学受験を諦めたっちゅう 元新道寺のエースフリーターさんやないですか〜」ニヤニヤ

フナQ「インターハイん時は、大変お世話んなりました〜〜 すっかり大阪弁も達者になられたようで 何よりやね〜〜〜」ニタニタ


哩(コイツ……)イラァッ



セーラ「ハハッ、可愛ええヤツやろ。 浩子はごっつい照れ屋さんやねん!!」

フナQ「もぅ、セーラったら… こないな人前でおノロケなんて、ウチ恥ずかしいわ〜〜///」バッシ バッシ!!


ドス ドス ドスッ


セーラ「あたっ、あたたっ… マジ痛いで、浩子さん〜〜!!」ギブ ギブ



218 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/17(木) 21:48:37.63 ID:yULEdsmj0


塞「でも撮影は終わっても、これからの編集作業がまた大変でしょ」

セーラ「ま〜 その辺のことは、浩子に任せとけば平気やろ〜〜」


フナQ「色々とコキ使ってもーたしなぁ、そっちの方はウチに任せとき!!」

フナQ「そもそも編集作業こそ、映像制作の醍醐味なんやで〜〜」ジュルリ


セーラ「浩子は昔からデータ収集とか緻密な分析とか、そういう影の努力を惜しまん ガンバリストやねん」カッカッカ

塞「あ、そうなんだ…」ハハッ


フナQ「もぅ、セーラったら… こない人前でそないノロケんでも、ウチ恥ずかしいわ〜〜〜///」バッシ バッシ!!


ゲシ ゲシ ゲシッ


セーラ「あたっ、あたたっ… 弁慶の泣き所を的確に攻めるんはマジ勘弁やで、浩子さ〜〜ん!!」ギブ ギブ



セーラ「浩子がどんだけ、ガンパリストかやて?」


セーラ「そら小さなヒシャクでタイタニック号にチマチマ水を注いで、デカプリオ沈めてまうレベルのガンバリストやねん!!」ヒャヒャヒャッ

フナQ「もぅ、ウチ ホンマ恥ずかしいわぁ〜〜///」テレッテレーーッ


塞(フナ幽霊……?)ハハハ…


219 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/17(木) 21:52:02.95 ID:yULEdsmj0



洋榎「う〜〜ん… やっぱアイツら、ホンマ仲ええなー」ゴクゴク

胡桃「少し独特だけど、ちょっと羨ましくなるね…」


洋榎「いいんちょでも、あーいうバカップルな感じには憧れ持つんやな?」カカッ

胡桃「そりゃ、私だって女ですから… それくらいは、ね……///」ボソッ




胡桃「ところで、お尻の方はもぅ大丈夫…?」

洋榎「大丈夫なわけあるかい!? オカンのヤツ、もぅ少し手加減しろっちゅうねん……」クッソ…

胡桃「確かに、アレはやばかったね…」アハハ


洋榎「あ、ウチちょいトイレ……」

胡桃「もぅちょっと恥じらい持ちなさいよ…」バカ…




洋榎「は〜〜 やっぱまだ尻がズキズキすんで〜〜〜」イテテッ

セーラ「おぅ、洋榎!! この後ちょっと時間ええか……?」

洋榎「お〜 ええで〜〜」


セーラ「まーなんや… 浩子んこと、自分には色々世話んなったしな……」ヒソッ

洋榎「ん、ああ――――」



220 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 16:19:06.31 ID:NKRxaXmh0




ちゃちゃのん「…………」ズズッ

フナQ「CQ CQ ハロー トビー君!!」ヨッ

ちゃちゃのん「あっ、浩子さん…」



フナQ「女優さんが一人こないな外で、しみったれた顔して何やっとんの?」

ちゃちゃのん「あ… ちゃちゃのん、お酒に弱くて…」

ちゃちゃのん「場の空気に酔いそうじゃったから… その…」メセンソラシ



ベロンッ


ちゃちゃのん「うひゃっ!! ひっ、浩子さん……!?」エェッ

フナQ「ん〜〜 あんたが今、嘘をついとるんか、舐めてみれば分かるかな〜 思ったんやけど……」

フナQ「これは何の味やろな〜〜 あいにくとデータ不足で、よー分からんわ〜〜」ペロリッ

ちゃちゃのん(ひぇぇ〜〜 やっぱりこの子、怖いんじゃ……)ビクビクッ



フナQ「今、ウチのこと怖い思ったか? インハイの相手がアンタみたいのなら、こんだけで調子崩して きっと楽勝やろうなぁ〜〜」

ちゃちゃのん「えと…」





フナQ「アンタ可愛ええのぅ。 アイドルなんやって…?」

ちゃちゃのん「あっ、はい…」

フナQ「ウチなぁ… 色んな人の心理とか、行動のサンプルなんかを集めるんが好きなんや」

フナQ「でな〜〜 この二日間アンタんこと見とって、ちょっとうまそーやなー思っとったんや…」

ちゃちゃのん「えっ…?」





フナQ「アンタの内側に溜まっとるモンに、興味ある言うとるんや―――」




フナQ「ウチにアンタの全部、根金際しゃぶり尽くさせて貰えへんやろか〜〜〜」ベロリッ


ちゃちゃのん「ひぃぃっ!?」カタカタ



221 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 16:26:39.47 ID:NKRxaXmh0


フナQ「アンタさぁ、好きなヤツとかおらへんの?」


ちゃちゃのん「―――ちゃちゃのん、よぅ分からないんじゃ……」

フナQ「はぁ〜 自分のことなんに分からへんの?」



ちゃちゃのん「―――ちゃちゃのん、今までそういう気持ちになったことなかったけぇ…」

フナQ「…………」フーーン





ちゃちゃのん「あ、あの……?」チラッ


フナQ「やっぱそうや。 ウチが何でアンタに興味持ったんか、ちょっとだけ分かったわ……」

ちゃちゃのん「それって……?」



フナQ「ウチな〜 アンタんこと、メッチャ嫌いやわ〜〜 ごっつ気に食わんヤツやなって思うでぇ〜〜!!」

ちゃちゃのん(えぇ〜〜〜!?)フルフル


222 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 16:29:28.56 ID:NKRxaXmh0


フナQ「アンタ可愛ええもんなぁ。 今まできっと努力なんてせんでも、相手の方から勝手に言い寄って来たんやろ」


フナQ「努力せんでもええから、恋に価値を見い出せんかったんやないんか?」


ちゃちゃのん「……………」フルフル





ズキンッ



努力しなくてもええ。



それはかつてちゃちゃのんが、最も言われたくない思った言葉じゃった。



自然と目頭が熱くなる、視界が滲む、ちゃちゃのん 弱虫じゃけぇ――――


223 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 16:32:49.45 ID:NKRxaXmh0




「佐々野さんはええじゃろ。 可愛ええんじゃから…」



「勉強出来んでも、運動出来んでも 別に問題なんてないじゃろ……」




そう言われたくなかったけぇ、ちゃちゃのんはいっぱい いっぱい努力したんじゃ。




勉強も、運動も、麻雀も。



誰よりも、いっぱい努力したつもりじゃった。



でも いつん頃からか、それら全てが無駄だったと悟らされた―――




いくら頑張っても勉強の方は中の上が精一杯。



運動に到っては人並み以下、ノロマじゃ、ウンチじゃと よぅからかわれちょった。




そして、ちゃちゃのんが 何よりずっと努力を続けてきた麻雀さえも…




「32000―――― 思ったより痛いんちゃうか?」





ちゃちゃのんにゃぁ、みんなを見返すだけの才能なんて 初めからなかったんじゃ……





そして、ちゃちゃのんにゃぁ…



可愛ええだけで何も出来んヤツっちゅう、周りからの視線だけが残された。




惨めじゃった――――



224 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 16:37:02.28 ID:NKRxaXmh0



フナQ「アンタみたいに綺麗に産まれて ずっとモテてきた子には、きっとウチみたいなんの気持ちなんて分からんやろな〜〜」



フナQ「とりあえずそうやって泣いときゃ、頭空っぽの男連中なんかが チヤホヤしてくれたんやろ……」




――アンタだって、外見以外の全部を否定されてきた、こんな惨めな私の気持ちなんか……



――きっと、分かりっこないじゃろぅ………






フナQ「そんなんやからなぁ、本気で誰かを好きになったことも ないんとちゃうか―――」




ちゃちゃのん「―――アンタに、ちゃちゃのんのいったい 何が分かるって言うんじゃ!!」


フナQ「!?」




ちゃちゃのん「ちゃちゃのんじゃってなぁ、いっぱいいっぱい努力したんじゃ!!」


ちゃちゃのん「勉強も、運動も、麻雀も、いっぱいいっぱい努力してきたんじゃぁ!!」



ちゃちゃのん「そんでも、いつだって褒められるんは… 見た目んことだけで――――」フルフル




ちゃちゃのん「まるでそれ以外のこと 全部が否定されちょるようで、辛かったんじゃ… 痛かったんじゃ……」ポロポロ




ちゃちゃのん「ちゃちゃのんは、これまでの人生――――ずっと努力を否定されて 生きてきたんじゃよ………」ポロポロ




225 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 16:40:02.90 ID:NKRxaXmh0




ちゃちゃのん「それに、ちゃちゃのんにだって……」




ちゃちゃのん「好きだって… そう想える人くらい… いるんじゃよぉ……」ポロポロ






涙と一緒にこぼれ落ちた、思いがけない告白。



その告白に一番驚いたのは、きっと他ならぬ私。




――ウチのこと覚えとるか?


――よっしゃ、これで決まりやな! 5人集まった!!


――その愛宕さんいうの やめとき。 何や、落ち着かんでかなわんわ



――ま〜 なんや… 暫くそばに居たるから、自分ちょっと落ち着き……




――ほい、安モンのプレゼントやで〜〜




――遅れてもうたが、誕生日おめっとさん!!




その時、私の頭の中にあったもの――――それは愛宕 洋榎という人との想い出だった。






ああ、そうだったんか…




私はいつの頃からか貴方に、本気で恋しとったんじゃね―――



226 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 16:42:38.32 ID:NKRxaXmh0




ずっと、親友だと思っとった。



もしかすると無意識のうち、そぅ思い込むようしとったのかもしれん。





貴女と胡桃ちゃん。



最近は二人のことばかり、ずっと見ていたような気がする。



二人が楽しげに談笑しとる姿を見て、胸がズキンと苦しくなった。



私の知らない話題で盛り上がる二人に、胸がきゅーーと締めつけられた。



きっとこの感覚が、本気で恋をするということだったんじゃな―――





ずっと感じとった違和感。



それはきっと、私の中にも、二人の中にも―――



以前までとは違う…



友情とは別の、恋心という感情が……



確かに芽生え始めとったからなんじゃろう――――



227 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 18:46:34.09 ID:NKRxaXmh0




フナQ「…………」




ベロンッ


ちゃちゃのん「うっひゃっ!? なっ、なに……」ビクゥッ


フナQ「ふ〜ん、この涙の味… きっとこれがアンタの真実の味――――なんやろね」ペロリッ

ちゃちゃのん「えっ、えっと……」



フナQ「やっぱアンタ―――ウチが睨んだ通りの極上の味やったでぇ……」ニヤリ


ちゃちゃのん「えと、その……」キョトン




フナQ「―――あはは、ごめんな〜〜〜 さっきまでのなぁ、実は全部 お芝居だったんやわ〜〜〜〜!!」

フナQ「ど〜してもアンタのこと、知りたくてな〜〜 悪いとは思ったんやけど、アンタが何に対して怒るのか 試させてもらってん!!」

フナQ「ホンマ、堪忍したってや〜〜〜〜」ヒラアヤマリ



フナQ「あ、因みにこの『その人を知りたければ、その人が何に対して怒りを感じるかを知れ―――』っちゅうんは、とある偉人さんの教えでな〜〜」

ちゃちゃのん「あぅ あぅ……」パクパク


228 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 18:52:45.30 ID:NKRxaXmh0



フナQ「ウチな〜 興味あるモン目の前にすると、ど〜しても抑え利かなくなってまうねん!! ホンマ困ったクセやで、しかし…」


ちゃちゃのん「こ、怖かったんじゃ……」ポロポロ ポロポロ


フナQ「おわっ、マジ泣き―――!?」


フナQ「ここまで泣き虫とは、流石のウチも考慮しとらんかったで……」アセアセッ





唐突に引き戻された現実―――



全身の力が抜け、そして今度は先程までとは別の感情により 身が竦んだ―――



他者から向けられた害意ではなく、私自身が向けた悪意の感情、そして嫉妬の感情に気づかされた―――



普段 決して表に出すことのない、そういう黒い感情の発露にも慣れとらんかったけぇ――――



ただただ、そのことにカラダが震え、涙が溢れた――――


229 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 18:55:33.83 ID:NKRxaXmh0



ちゃちゃのん「えぐっ、ひっく……」ポロポロ

フナQ「ええ子、ええ子、浩子ちゃんは怖ないで〜〜」サスリ サスリ




ちゃちゃのん「うぅ、ゴメンの… ちょっと落ち着いたんじゃ…」

フナQ「そかそか、いちごオレでも飲むとええで〜」ホイッ

ちゃちゃのん「うん、どうもありがとなんじゃ…」ズズッ

ちゃちゃのん「…………」




ちゃちゃのん「浩子さん、その… さっきは、ゴメンの……」

フナQ「ん…?」



ちゃちゃのん「『アンタにちゃちゃのんの 何が分かるんじゃ――』とか、酷いことを言ったんじゃ……」シュン

フナQ「はぁ〜〜 それウチが無理やり言わせたようなモンやし、なんでアンタが謝んねん」



ちゃちゃのん「経緯とかは関係ないんじゃ―――」

ちゃちゃのん「ちゃちゃのんが申しわけないと思っちょるから謝る。 それだけなんじゃ…」ペコリ


フナQ「こりゃまた、ずいぶんとまっすぐにお育ちだこと……」


230 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 18:59:27.18 ID:NKRxaXmh0



フナQ「――ウチも、今回はちょっと反省したで。 流石にやり過ぎやったと思うわ」

フナQ「本心ではないにしろ、アンタの心の傷をえぐるような真似して ホンマすまんかったな」フカブカ


ちゃちゃのん「そか… それじゃ、これでちゃちゃのんたちは仲直りじゃね♪」ニコッ

フナQ「ん……///」



フナQ「アンタぁ、今後ウチのセーラに そういう笑顔とか向けんの禁止な!!」ビシッ

ちゃちゃのん「ええっ、何で!?」

フナQ「うっさい!! 理由なんてどうでもええんじゃ!!」クワッ


フナQ「アンタ、やっぱ気に食わんわ―――」フンッ

ちゃちゃのん「えぇ〜〜〜」フルフル




フナQ「あ〜 あと浩子さんもやめとき、何や気持ち悪い!!」

フナQ「とりあえず、浩子とかフナQとかにしたってや!! あっ、Qちゃんは無しやで!!」

ちゃちゃのん「う、うん……」コクッ



ちゃちゃのん「……浩子ちゃんって、ちょっとヒロちゃんに似とるのぅ」クスッ

フナQ「あんなアホたれと一緒にせんといて〜〜〜!!」ガッデムッ


231 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 19:01:49.05 ID:NKRxaXmh0




フナQ「なぁ、アンタさっき―――見た目のことしか褒められたことない、言うとったやろ?」

ちゃちゃのん「う、うん……」コクッ

フナQ「それって、そないコンプレックスみたいに思うことなん?」

ちゃちゃのん「…………」


フナQ「それって、そんだけアンタの容姿が周囲から見て 突出しとったいうことなんやろ?」




ちゃちゃのん「そんなん… ちゃちゃのんが努力して、自分の力で手に入れたものじゃないけぇ……」ポソッ

フナQ「だから誇れないか? ハッ、何をアホ抜かしとんのやろな、この子は…」


フナQ「可愛いだけしか取り柄がないって、そら結構なことやないかい!!」

ちゃちゃのん「!?」




フナQ「それがアンタの一番の武器なんやろ? だったらそれを、何よりも誇らんで どうすんねん!!」



フナQ「そこをさらに磨かんで、どないするんや―――?」アァンッ


232 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 19:04:15.45 ID:NKRxaXmh0



フナQ「ええかぁ、世界っちゅうんはな〜〜 どこまでいっても不平等なモンなんやで!!」

ちゃちゃのん「じゃけどっ―――」




フナQ「望む、望まざるに関わらず―――」


フナQ「神さまの恩恵にあずかれるヤツ、あずかれんヤツは存在するんや!!」



フナQ「だから アンタは与えられた武器を、ただ活かせばええねん―――」



フナQ「実際 アンタがアイドルなれたんやって、ソイツのおかげなんちゃうんか?」

ちゃちゃのん「それは………」




フナQ「それはアンタの両親が与えてくれた武器。 だったら、もっと胸張ってもええんちゃう―――?」


ちゃちゃのん「お父さんと、お母さんが……」





ちゃちゃのん「そう、かもしれんの――――」




233 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 19:07:36.99 ID:NKRxaXmh0




フナQ「それになぁ……」

フナQ「アンタ、ヒロエ以上に麻雀で勝つための努力―――してきたって言えるか?」

ちゃちゃのん「それは……」




フナQ「アイツは昔からバカで アホで いい加減なヤツやけど、麻雀が大好きで大好きで 仕方ないヤツやで〜〜」


フナQ「悔しいけどなぁ… アイツは麻雀に関してだけは、天才や思う―――」

フナQ「アイツの麻雀は、どこまでも純粋でガキみたいな楽しい麻雀や」


フナQ「分析に分析を重ねて 理論でガチガチに固めた、ウチのデータ麻雀とは根本的にちゃう」

フナQ「モチロンどっちが正しいとか、そんなん無いんやけど―――」




フナQ「アイツ以上に才能あるか、アイツ以上に麻雀に対して全力でなきゃ―――アイツには勝てんのとちゃうか?」


ちゃちゃのん「そうじゃの、ちゃちゃのんは―――」


ちゃちゃのん「多分ヒロちゃんほど、麻雀バカにゃぁ なりきれちょらんね……」




フナQ「ま… 負ける時は負ける、それも麻雀なんやけどな〜〜♪」カカッ


ちゃちゃのん「ふふっ、そうじゃね♪」



234 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 19:13:17.50 ID:NKRxaXmh0




フナQ「さっき言うとった好きなヤツの話やけど、アンタこれからどうしたい思っとるんや?」


ちゃちゃのん「―――そんなん、よ〜〜分からんよぉ///」モジモジ…




ちゃちゃのん「浩子ちゃんとせーちゃんの時は、どうじゃったん?」チラッ

フナQ「ウチか…?」




フナQ「ウチな〜〜 好きなヤツの事は、何でも知っときたいタチやねん……」

フナQ「セーラへの気持ちに気付いた後は、それこそセーラのこと無我夢中になって調べ尽くしたで〜〜」ジュルリ

ちゃちゃのん「調べ尽くす―――?」



フナQ「ウチにとって、情報いうんは光や―――」

フナQ「光があるから、世界の色やカタチがくっきりと浮かび上がる。 見えるからこそ、安心して真っ直ぐ歩くことも出来るんや」

ちゃちゃのん「それは、何となく分かる気がするんじゃ…」





フナQ「佐々野いちご、ニックネームはちゃちゃのん。 家庭の事情により、幼少時から数回の引越し歴アリ――」

フナQ「身長は高校時代と変わらず148センチのままだが、バストの方は文教堂さん特典サイズにまで成長――」ケッ

フナQ「高校の時よりちょっぴり体重が増えたと、現在ダイエット中。 特に感じやすいところは―――」

ちゃちゃのん「ちょっ、ちょっ、ちょーー!! いったい何の話じゃ!?」アワワッ



フナQ「ん? こんくらいは普通、本人と会う前に要チェックやろ?」

ちゃちゃのん「ちゃちゃのんのことは、別にええんじゃよ〜〜(大体 特典てなんじゃ!?)」

フナQ「何や、ホンマ肝っ玉の小さいヤツやな〜〜」ヤレヤレヤ




文教堂さん特典
235 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 22:20:11.08 ID:NKRxaXmh0



フナQ「ま… そうやって色んなモン調べることで、ウチはセーラへの想いをカタチにしていったんや」

フナQ「セーラの好きなモン、好きな場所、好きな匂い、好きな食べ物。 嫌いなモノから、何気ない仕草や細かな癖――」

フナQ「セーラの弱いトコ。 月の予定日。 爪の伸びる長さからの、その好不調に至るまで―――」

フナQ「愛する人の全てをしゃぶり尽くす程に、調べ尽くすこと―――それがウチの愛し方やねん………」

ちゃちゃのん「………………」アウアウッ



フナQ「ま… そういうの きっと世間さま的に言えば、キモいとか、ストーカーや言われるんやろうけど……」


フナQ「でもなぁ、セーラんヤツは違ったんや――――」



フナQ「アイツはこんなウチの性格も何もかんも… 全部ひっくるめて、笑って受け入れてくれたんや」

フナQ「アイツはウチの全てを包みこんでまう程、どこまでも懐が深くて、どこまでもおっきいヤツやねん―――」ウットリ


フナQ「ホンマ… アイツからオッケー貰えた時は、気が狂うかと思うくらい嬉しかったで〜〜////」クネクネ

ちゃちゃのん「あはは、やっぱせーちゃんはカッコええね♪」



フナQ「アイツに変な色目とか使うたら、その左右にぶら下がっとるパタパタ引っこ抜いたるでぇ……」ギロリッ

ちゃちゃのん「しない、しない!! 絶対にしないんじゃ!!」フルフル パタパタ


236 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 22:39:37.09 ID:NKRxaXmh0



フナQ「せやけど… お互い離れた大学に入って、遠距離恋愛 続けとるうちに…」


フナQ「ウチの方が寂しさに耐えきれなくなって、一度は本気で『別れよ―――』いう話にまでなったんやで……」

ちゃちゃのん「えっ!?」



フナQ「今頃、セーラのヤツ浮気しとるんやないかとか。 ホンマはウチのことなんて、どうでもええ思っとるんちゃうかとか…」

フナQ「離れとると相手のこともよう見えなくなって、ドンドン光も薄れていって、不安だけが積もってまってなぁ―――」


フナQ「ウチ… セーラ以外から可愛ええとか褒められたこと無いし、女としての自信もなかったんや……」

ちゃちゃのん「…………」




フナQ「せやからメールの返事遅かったり、セーラからウチの知らんヤツのこと楽しげに話されたりすると、どうしようもなく腹が立ってなぁ…」

フナQ「そんなんで随分、セーラのヤツに当たり散らしたりもしたわ……」



フナQ「そんな自分がどうしても許せなくなって、ウチの方から『お互いのためにならんから、もう別れよか―――』て言ったんや……」


ちゃちゃのん「浩子ちゃん……」


237 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 22:46:51.24 ID:NKRxaXmh0



フナQ「そしたらセーラのヤツ、『今の大学辞めて、すぐ自分のトコに行ったるわ!!』とか本気で言い出しおって―――」


フナQ「ホンマ、どうしようもないアホやねん…////」


ちゃちゃのん「えへへ、そんだけ本気で愛されとるんじゃね……」ニコッ


フナQ「おっま、自分 何を恥ずかしいこと言っとんねん!? 嫌やわ、も〜〜/////」テレテレッ



グリ グリッ ギュゥゥーーーッ


ちゃちゃのん「いたっ、いたたっ!! ちゃちゃのんのツーサイドを、グリグリするんはやめるんじゃ〜〜!?」ヤメテーー



フナQ「おろっ… このシッポ、メッチャ もふもふしとるやないか♪」モフモフ モフモフ


ちゃちゃのん「ちょっ、人の髪で もふもふするんもヤメるんじゃよぉ!?」アワワッ




もふもふ もふもふ もふもふ……


フナQ「はぁ〜〜 自分のシッポ、なかなかの もふもふっぷりやったで〜〜♪」タンノウ タンノウ



ちゃちゃのん「うぅ… ちゃちゃのん、弄ばれたんじゃ……」シクシク


238 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 22:51:29.77 ID:NKRxaXmh0



フナQ「アンタはやっぱネコやろかなぁ、でもそういうヤツに限って意外と―――」ククク…

ちゃちゃのん「浩子ちゃん…?」



フナQ「セーラのヤツなぁ、普段はあない男前なくせして… あっちの方はてんでネコやねんで〜〜」クックック


ちゃちゃのん「ネコ…? ニャンコちゃんのことけ?」ハテナ



フナQ「ネコっちゅうんはな〜〜〜〜〜」ゴニョゴニョ

ちゃちゃのん「〜〜〜〜ッ!?」ボッ




フナQ「クックック〜〜ッ アンタは一体どっちなんやろな〜〜 興味あるで〜〜〜」ニヤニヤ

ちゃちゃのん「アゥゥ……////」カオ マッカッカ



ちゃちゃのん「えと… ちゃちゃのん、そろそろみんなのトコに戻ろぅかの……///」アセ アセッ

フナQ「おっ、せやな。 随分と長話してもうたし、そろそろ片付け入っとるかもな〜〜」





カラン コロン


塞「あ、ちゃちゃのん。 ずっと見なかったけど、どこいたの?」

ちゃちゃのん「ちょっと、酔い冷ましに外で涼んどったんじゃ…////」

塞「本当だ、顔 真っ赤だよ。 今日は珍しく随分と飲んじゃったみたいだね……」ダイジョウブ?

ちゃちゃのん「えっ、コレはその… う、うん… 大丈夫じゃょ……////」カァァ



フナQ(あ〜いう反応されると、もっとからかいたなるで〜〜)クックック



239 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 22:54:56.29 ID:NKRxaXmh0



カラン コロン


セーラ「そんじゃ、お疲れさ〜〜ん!!」ブンブン

胡桃「お疲れさま」

塞「うん、またね」バイバイ

ちゃちゃのん「ほんじゃーの♪」フリフリ





フナQ「佐々野……」チョイチョイ

ちゃちゃのん「あ、浩子ちゃん。 今日はいろんなお話、聞かせてくれてありがとの」



フナQ「―――ま、さっきの話なんやけど…」

フナQ「正直 ウチはアンタの恋路とか、そういうのどうでもええねん」

ちゃちゃのん「ん―――」


フナQ「ただ、何もせず… 何の答えも出さずに不戦敗とか、そういうのイっちゃんイヤやねん―――」

ちゃちゃのん「…………」



フナQ「せやから、もし好きなヤツがおるんなら―――」

フナQ「自分みたいのは無様な突撃かまして、盛大に玉砕でもしてまえばええねん……」ククッ

ちゃちゃのん「うぅっ、酷いんじゃ…」



フナQ「ま… ウチはウチで、アンタはアンタや―――」

フナQ「後は勝手にしたらええわ………」ジャーナ



ちゃちゃのん「浩子ちゃん、今日はどうもありがとな」



ちゃちゃのん「……………」



240 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 22:58:31.98 ID:NKRxaXmh0





愛宕 洋榎―――



今日 私は貴方のことが好きだったことを、初めて自覚した。




それはきっと、大好きな友達や婆っちゃに向けてきた好きとは違う好き。




私はいつの間にか―――貴方に、恋しとったんじゃね。






そして、それを知ることで…



私の中にあったモヤモヤの正体が、嫉妬だったと気付かされた。




ちゃちゃのんは―――――これから、一体 どうすりゃええんじゃろぅか。



241 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 23:04:30.32 ID:NKRxaXmh0



【後日――】



カラン コロン


ちゃちゃのん「みんな、お久しぶりじゃのぅ」

胡桃「ちゃちゃちゃん、久しぶり」

哩「佐々野か、らっしゃい」



ちゃちゃのん「ヒロちゃんやせーちゃん達は、まだ来とらんのじゃね?」キョロ

胡桃「うん、塞は今日はゼミの飲み会だって」



ちゃちゃのん「結局 ちゃちゃのん、GW序盤に例の撮影やって、あとサンマにちょっと参加しただけじゃったのぅ…」

胡桃「ちゃちゃちゃん、仕事忙しくなってるもんね。 アイツは相変わらず暇みたいで、ウチに来てはグダグダしてたけど…」

ちゃちゃのん「胡桃ちゃんとヒロちゃんは、相変わらずみたいじゃね…」ヘヘ

胡桃「ん、最近は麻雀のメンツ集まらなくてもフラッと来て、二人でお酒飲んだりとかしてるかな」


哩「駄目な大学生の典型やな。このモラトリアム満喫組が…」チッ


胡桃「アンタにそれ 言われたくはなかったけど―――」


胡桃「まぁ 私も今の『流されるままにハーレム島的な自堕落生活はどうなの―――』とは思ってる……」ハァ


242 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/18(金) 23:11:02.21 ID:NKRxaXmh0


カラン コロン


洋榎「よっ、お待たせさんやで〜〜!!」

セーラ「よーそろーー♪」

ちゃちゃのん「あ、ヒロちゃんとせーちゃん」

胡桃「本当に待ったわよ」

哩「相変わらずのいつものメンツやな」



胡桃「で… この前のフナQさんから届いた、完成フィルムの件はどうなったの?」

セーラ「おーー アレならポシャったで〜〜!!」ゲラゲラ

洋榎「ウチら非公式サークルやし〜〜」

洋榎「元の溝シリーズが18禁いうのもあって、学校側から上映許可 降りんかったわ〜〜!!」カッカッカ


胡桃「は……?」


ちゃちゃのん「えぇえぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜っ!?」





あの苦労はいったい、なんだったんじゃ…



この件はちゃちゃのん達の間では黒歴史とされ、なかったっちゅうことにされたんじゃ―――







洋榎「近道したところ、足がミゾにはまってもうたんや…」


お蔵入り 決定!! ドン!!





ちゃちゃのん「そんなん、考慮しとらんよ〜〜〜〜〜」ポロポロ


               ___
            ,. .:': : : : : : : :`: : ..、     l二二二 フ
           /..:: : : : : : : : : : : : : : : \      / <[][]
         /: : : /: : : l: : : : : : :.l : : :', : :ヽ.__  .//ヽ.ヽ
      ,. .-v': : : :,' : : ノ!: : : : : : :.lト:、 :.',: : : ヽ: :、 ̄    ̄
     /: : : ,': : ; :.,:/: :l l: : : : : : :.l i: :.\il: : : : :; : :ヽ  O
    ,': : : :.!: : i: :lト;: : |:Lゝ:'; : j.: / .j: :./:リ.!: : : : :i: : : i  o
     i: : : : l: : :l: :l! ,,ム示、ヽ从/ .示半z, jl: : : l/i: : : !
    ゝ: : 人: :ゝ:|./lkr必l!     lkr必!.} j/: ノト; :.:丿
    ((. i:.(:ト;.:.`ーイ とつ''¨   '   とつ .l!:l : : i ):.l
    ヽ ー=-: :l:ト   |!''''   --    ''' .j、l: : : !'イ
     /: : l|.: l:lゝ, {;  (     )    ノ人: : :.i
      //: :.l!: :.i:l:j: :.>..          ...:く:(: : :.!: :..i
.     i:iヽ: :l!: : Y: l: : l: :> .. __ .. <:.l: :!:i ): :.j: : :.i
      ゝ ): :.';: :.ト、j: : !: :!=|      |: : l: j:.l': V : : .人
     丿:!: :.): !:|:l Yi/ ` 、 _r'´ \リ/:.:.(: : :.( _ ))
    /:.イ:.:/:ヽY!jヽ;!!   /  ̄|ト、. .|/: :/):) 、: :、:(
.  ./:/  ,l: iイ )/.  リ /:::>‐._//`ヽ!: :.i'イ  .): :) ヽ
   !::! ./ ゝニ=-    ´  l::::::::::/   `j/  , 'イ ヽ
   ゝ./ ヽ   /       ヽ:-:〈      \  / |
.    /   ', l         |:::::::i       `// !


243 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/19(土) 00:07:05.81 ID:MACQg/7m0



洋榎「ま、そんなわけでや。 ウチとセーラで相談した結果…」

胡桃「まだ何かあるの?」


洋榎「ウチら非公式サークルの学祭参加を拒否した、大学側への抗議の一環として〜〜」


セーラ「ここはやっぱり、定番のゲリラライブやろ!!」ビシッ



ちゃちゃのん「えっ、そういうの普通にマズイんじゃ―――」

胡桃「また、思い付きだけで…」ハァ




洋榎「ちゃちゃ、自分がギターとメインボーカルやで!!」ビシッ

ちゃちゃのん「えぇぇっ、ちゃちゃのんも参加するんか!?」アセッ



洋榎「前にライブとかもしっかり出来るよう、いっぱい練習しとる言うとったやん!!」

ちゃちゃのん「そっ、それはそうなんじゃけど―――」アウゥ…

胡桃「それに、衣装とか演奏機材とかも用意しないとだし…」



洋榎「機材の方は代行に頼んだら、何とかしてくれる言うとったで〜〜」ニシシ

胡桃「姫松の代行さん、いったい何者なのよ……」



ちゃちゃのん「ほんなら、ライブ衣装の方は……」

洋榎「それも、ウチに秘策アリや――」ニヤリッ

ちゃちゃのん「………?」



洋榎「ちゅーわけで、これから暫く時間あるヤツは練習には強制参加やで〜〜」

胡桃「で、練習場所は……?」

洋榎「当然、いいんちょの部屋―――」

胡桃「壁ドンで三・三・七拍子されるっての!!」


244 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/19(土) 21:35:55.29 ID:MACQg/7m0



【でもって、大学祭・当日】



ワイワイ ガヤガヤ


洋榎「おー おー なかなかの盛況っぷりやな〜〜」

胡桃「あっ、あそこのワタ飴とチョコバナナ美味しそう♪」テテテッ

塞「あはは… 胡桃ったら、あんなにはしゃいじゃって…」

ちゃちゃのん「…………///」モジモジ



メガネの男「あのぉ、ちゃちゃのんさんですよね? 一緒に写メ良いですか?」モエーー

ちゃちゃのん「あ、はいにゃ……///」

洋榎「おっ、写メならウチが撮ったるで〜〜♪」ヨコシ



パシャ パシャ


メガネの男「どうもありがとうございましたぁ♪ 今度、CD買いますね〜〜///」モエモエ

ちゃちゃのん「あ、ありがとなんじゃ……///」フリフリ


洋榎「にゃんにゃんカフェ『にゃんじゃけぇ』もヨロシク頼んまっせ〜〜!!」

メガネの男「あ、はい…」ヘコヘコ


245 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/19(土) 22:23:05.89 ID:MACQg/7m0



遡ること数時間前――



ちゃちゃのん「衣装って、これにゃんこオバちゃんトコの制服じゃろ!?」

洋榎「可愛ええし、自分にはコレが似合っとるからええやん!!」


ちゃちゃのん「じゃけど… にゃんこのおらんトコで着とったら、ただのねこミミメイドコスじゃし…///」モジモジ

洋榎「そんなん自分やったら、すぐに気持ち良ぅなるやろ!!」カカカッ

ちゃちゃのん「人のことをどこかの、変態美術教師みたいにゆーのはヤメるんじゃ!!」




洋榎「ちなみにウチらバックは、ライブ用に高校時代の制服を持参したでぇ〜〜」

塞「それはそれで、ちょっと恥ずかしいんだけどね……///」


洋榎「ちゃちゃは制服の使用料代わりに、今日一日これ着て店の宣伝しながら 学祭まわるいう契約になっとるでぇ!!」

ちゃちゃのん「うぅっ、オバちゃんまで酷いんじゃ…」



洋榎「自分がウチら以外の学生とも馴染めるよう、気ぃ利かせてくれたんちゃうか?」

ちゃちゃのん「オバちゃん……」ジーン


洋榎「まぁ、嘘やけど…」シシシッ

ちゃちゃのん「うっ……」



246 :ケイ@ずっと書いてると、時々 ひだまりのヒロとちゃちゃのん、沙英と塞のキャラが混ざることがあります [saga]:2015/12/19(土) 22:30:11.09 ID:MACQg/7m0



哩「らっしゃーい、SAN値直葬・ロマンシング佐賀弁当はいらんかね〜〜」

洋榎「おっ、自分らこんなトコで何やっとんねん?」

胡桃「あれ… 哩ちゃんと、それに姫子さんも…」

姫子「皆さん、おいでませ〜〜♪」


哩「ウチの店長から学祭の出店で売って来い言われてな、今日は姫子に手伝ってもろて出張販売中ばい」

姫子「あ、これはウチの地元の名物弁当ばい」ドゾッ



胡桃「あっ、先生の目玉焼き 美味しそう〜」

塞「このモンスターの肉ってヤツ、何の肉なのか超怖いんだけど…」ブルッ

哩「食い合わせ表いるか?」


塞「……食って、セミにんげんとかにならないでしょうね?」

胡桃「いや、流石にそれはないでしょ…」



洋榎「さしずめバイトはローニンやなぁ♪」カカカッ

哩「もぅ浪人ちゃうわ。 出会い頭チェンソーでカッさばいたろか…」イラッ


247 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/19(土) 23:03:35.49 ID:MACQg/7m0



哩「で、佐々野は… なんでねこミミメイド?」

姫子「あら、可愛い♪」キャッ


ちゃちゃのん「うぅ… ちゃちゃのんにも、よぅ分からんのじゃ……」

塞「ま、あまり触れないでおいてあげてよ」ハハハッ



洋榎「そや… せっかくやし、ちゃちゃ。 弁当の売り子、手伝ったればええんちゃう」

ちゃちゃのん「そうゆーと思ったんじゃ。 哩ちゃんにゃぁ いつもお世話になっとるけぇ、少し手伝ってもええじゃろか?」ニコッ

哩「そりゃ助かるが、ええんか?」

ちゃちゃのん「うん、モチロンええよぉ♪」




ちゃちゃのん「佐賀名物、ロマンシング佐賀弁当はいらんじゃろか〜〜?」ニャー


覆面の男「あ、本物のちゃちゃのんさん。 サイン良いですか?」

ちゃちゃのん「うん、ええよ〜♪」ニコッ

覆面の男「えと、『覆面パパさんへ――』でお願いします…///」

ちゃちゃのん「ええけど、何で覆面しちょるん…?」

覆面の男「ポリシーなもので…」フッ

ちゃちゃのん「そ、そうなんじゃね……」


248 :ケイ@方言分からなすぎて、姫子さん使いにくいです [saga]:2015/12/19(土) 23:37:14.96 ID:MACQg/7m0



イラッシャイマセーーー


哩「それにしても、佐々野のヤツは本当に働きモンやな〜」

胡桃「哩ちゃんも、相当だとは思うけどね」パクパク

姫子「やけん、何してこげん早か時期に大学祭なんてすっと?」

塞「就活のこともあるんだろうけど、秋にはもぅ大体の高校生が志望大学決めちゃってるから――」

塞「少しでも早くやって、この学祭も大学案内の一環として組み込むって方針なんじゃないかな〜〜」モグモグ

姫子「あぁ、そげん意味もあっとね」ホーー



塞「―――私たち、二人のお邪魔だったりしないかな」ヒソッ

哩「アホ、気ぃ使いすぎや。 大体、家ではいつも二人やし……///」ゴニョゴニョ


塞「ご馳走さまでした…」フゥ

洋榎「ぷはぁ… 雑な味かと思ったが、なかなかイケたでぇ!!」

哩「人の佐賀、舐めんなや―――」




ちゃちゃのん「ふぅ… やっとお弁当、売り終わったんじゃ♪」トコトコ

哩「お疲れさん♪ あれ、分けといた佐々野の分の弁当は?」

洋榎「ん、アレそうやったん? スマン、食ってもうたわ」タハハ…

249 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/19(土) 23:41:42.79 ID:MACQg/7m0



胡桃「ふぅ、ご馳走様でした」

塞「七英雄がなかなか手強かったね」

胡桃「塞のはダンターグバーグ? 私のはシーフードスービエだったよ」

塞「あれ、みんな同じじゃないんだ。 無駄に凝ってるな〜〜」




ちゃちゃのん「あれ、ちゃちゃのんだけ 何も食べとらんのじゃ…」ポツーン

洋榎「荒れ野のマナでも、食べたらええんちゃう?」シランケド…

ちゃちゃのん「既に腐敗して、悪臭放っちょる時間じゃろ……」


胡桃「ちゃちゃちゃん、さっき買った りんご飴あるけどいる?」ハイッ

ちゃちゃのん「胡桃ちゃん、ありがとなんじゃ…」パクッ

塞(それで良いんだ……)




哩「さ〜て… 仕事も終わったし、私と姫子はこれから二人で学祭 楽しむばい!!」

姫子「ばいば〜いばい♪」

洋榎「おー この後のウチらのライブ、見に来るんやで〜〜」

哩「どうせゲリラやろ。 自分らが捕まって、説教くらうトコなら見とってやるわ」


250 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/20(日) 14:30:58.35 ID:v38zyXC40


【とある教室】


ジャラ ジャラ ジャラ……


ちゃちゃのん「あれ、ここって……?」

洋榎「うっ、流石にここには居づらいで……」コソッ



セーラ「おーーう!! 洋榎たちやん、ここで一局せーへん?」ブンブン

洋榎「あのアホんだら、デカイ声で呼びおってからに!?」


塞「ここは麻雀部員からあがったら役に応じた景品を貰える、麻雀部の出し物みたいだね」

胡桃「あ〜 麻雀特待生で入学したくせに、途中でドロップアウトしたから…」

ちゃちゃのん「そりゃ、顔も出しづらいじゃろ…」



ザワザワ ザワザワ……


洋榎「くっ、バレたからにはもぅええわ!! 麻雀部のヤツらから、景品ふんだくったるで〜〜!!」フンヌッ

セーラ「おぅ、洋榎ェ… 途中退場しおったヤツが、あんまウチらのこと甘く見ん方がええで〜〜」ゴオォォォッ

洋榎「上等じゃ、コラァ!!」ゴオォォォッ

セーラ「今日こそ、どっちが上か思い知らせたるわ!!」



塞「あっ、何か変なスイッチ入ったみたい…」

胡桃「バカみたい…」ハァ

ちゃちゃのん「長くなりそうじゃけど、ちゃちゃのんたちはどうしようかの?」キョロキョロ

塞「数局やって、アッチ長くなりそうならよそ行こっか…」



アッ チャチャノンダ…

ナンデ、ネコミミメイドフク?

コノマエノトクシュウ ミタデー

オレノチンロートーヲ… イワセネーヨ!!


251 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/20(日) 14:58:13.97 ID:v38zyXC40



塞「ちゃちゃのんの卓は、やっぱり大人気だったね」

ちゃちゃのん「ギャラリーが多くて、何だか恥ずかしかったんじゃ…///」ウゥッ

胡桃「あのギャラリー達の反応で、ちゃちゃちゃんの手牌とか自摸が大体 想像ついたしね…」

塞「まっ… お祭りだし、あんまりマナーとか厳しくは言えないもんね」フフッ



ちゃちゃのん「それに漫ちゃんと、絹ちゃんも遊びに来とったのぅ」

塞「うん、お互いの大学の友達連れて遊びに来てたね」

胡桃「漫ちゃんも今の大学に、ずいぶんと慣れてきたみたいだった」



塞「こうやって高校時代とは別のメンバーで、遊ぶようになっていくんだもんね。 ちょっと不思議…」

胡桃「まぁ、一部 腐れ縁っていうのもあるみたいだけど……」

塞「ハハッ、そりゃそうだ……」

ちゃちゃのん「…………」





こうしてイベント終了時刻となり、いよいよゲリラライブの決行じゃ―――



252 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/20(日) 15:09:20.22 ID:v38zyXC40



洋榎「―――詳細はこの前話した通り、屋外ステージでの全日程終了とともにミッション・スタートやで!!」

セーラ「最終ステージの部長には俺が既に話付けといたから、まぁ楽屋での準備の方は問題ないやろ」

塞「もぅ、どうにでもなれよ…」

胡桃「私たちサークル全体での最後の思い出作りとか言われたら、そりゃ断れないよね…」


ちゃちゃのん「あの、バンド名なんじゃが―――本当にアレでええんか?」

一同「「……………」」



洋榎「ま、ええんとちゃう」ハハッ

セーラ「他にコレといった案もなかったしな」カッカッカ


胡桃「やっぱり『まー☆じゃん天使』とか『スーチー牌』にする?」

ちゃちゃのん「……………」





セーラ「ヤバイ思たら即撤収、各員の健闘を祈る!!」




洋榎「オペレーション・ラグナロク―――開始やでーーッ!!」



一同「「おーーー!!」」




253 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/20(日) 15:11:34.10 ID:v38zyXC40




ワーワー キャーキャー



みなさ〜〜ん、こんばんは〜〜〜!!



自分ら、大学生活はしっかり楽しんどるか〜〜?




ちゃちゃのんたちの歌を、聴いて欲しいんじゃーーー!!




俺たちの歌、しっかり聴いたってやーーー!!




チャチャノーーーン


セーラサマーー


オネーチャーーン


キッド〜〜〜


センセー ガンバッテナ〜〜


キャーーッ イチゴチャーーーン!!




ワーワー キャーキャー





『聴いてください―――




いちごのように可愛いちゃちゃのんと 考慮しとらん仲間達で――――』



254 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/20(日) 15:14:20.65 ID:v38zyXC40




みんなで楽しもうと始めた即席のバンド。



短い時間ながら、みんな頑張って練習したんじゃが



きっと褒められたような 出来ではなかったじゃろうね。





そんでも 学祭を精一杯 楽しもうという、会場全体の熱気も相まって



ちゃちゃのんたちは、最高に楽しい時間を過ごさせて貰うことが出来たんじゃ。




そん時のことは、あんまりにも無我夢中で



ちゃちゃのん、正直 よう覚えちょらんのじゃけどね――――



255 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/20(日) 15:29:56.92 ID:v38zyXC40




ワーワー キャーキャー



(」・ω・)」うー! (/・ω・)/にゃー! (」・ω・)」うー! (/・ω・)/にゃー!




胡桃「あっ、係員が来た!?」


セーラ「ホナ、撤収と行くで〜〜〜」ダダッ


ちゃちゃのん「みんな、今日はどうもありがとなんじゃ〜〜〜」フリフリ


洋榎「ちゃちゃ、早よズラかんでーーー!!」ダダダッ


ちゃちゃのん「う、うん!!」



ドテッ

ちゃちゃのん「あぅっ!?」ヘタリコミ


洋榎「ちゃちゃ!?」アノバカ!?


係員「ちょっとキミ、こっち来なさい」グイッ



シャープシュート!!(物理) シュバ゙ッ


係員「ぐほっ!?」ドスッ


ちゃちゃのん「えっ!?」


洋榎「バカ!! 惚けとらんで、今のうちにさっさと逃げんで!!」グイッ


ちゃちゃのん「あ、うん… 係員さん、ゴメンの…」タタタッ



256 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/20(日) 15:32:44.65 ID:v38zyXC40



セーラ「二人とも、こっちやでぇーー!!」ダダダッ

洋榎「あれは代行の!?」ダダダッ

ちゃちゃのん「はぁ、はぁ…」フラフラッ



代行「ふふふっ… こんなこともあろうかと、待機してたのよ〜〜♪」

洋榎「ナイスや代行、出してええで!!」バッ

代行「は〜い!! ぶっ飛っばすわよ〜〜〜♪」グンッ



ガオンッ グォンッ グォンッ ガロロロロロロ〜〜〜〜ッ

ウヒャーーーーーー!!


代行「こういうのって、何だか燃えるわよね〜〜♪」ドルン ドルン ドルルルンッ

洋榎「安全運転!! とりあえず安全運転で頼んますーー!?」ウヒィィィッ

塞「ちゃちゃのん、大丈夫!?」ペシペシ

胡桃「あ、恐怖のあまり息してない……」プラン






係員「あたた、さっきのはいったい何だったんだ…?」




???「―――なかなか楽しませてもらったぞ。 キュアピースにちょっと似た少女よ…」フッ



257 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/20(日) 15:36:20.94 ID:v38zyXC40




【後日――】


ちゃちゃのん「はぁ…」

胡桃「どうだった?」

ちゃちゃのん「大学からも事務所からも、こってり怒られたんじゃ…」ウウッ

塞「まっ、ちゃちゃのんは完全に顔バレしてたしね〜」

胡桃「セーラたちも大学側から、厳重注意されたみたいだよ…」



ちゃちゃのん「とりあえず注意だけで許してもらえて、本当に良かったんじゃ…」ウルウル

胡桃「セーラも部の方には影響ないみたいで、良かったって言ってた…」

塞「まぁ、セーラは言いだしっぺの一人だから仕方ないけど、ちゃちゃのんの仕事に影響しなくて本当に良かったね」



塞「それと軽い怪我した係員さん。 ちゃちゃのんのファンだったみたいで、フォロー入れてくれたんだってね」

ちゃちゃのん「うぅっ、悪いことしたんじゃ。 後でちゃんと謝らんと…」

胡桃「興奮した観客にヤられたって話だし、別にちゃちゃちゃんのせいじゃないでしょ」

ちゃちゃのん「そうじゃけど、やっぱり気になるじゃろ……」






ちゃちゃのん「―――でも、楽しかったのぅ…」ヘヘッ



胡桃「ふふっ、そうだね」フフッ



塞「うん、バカみたいに楽しかったね」クスッ



258 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/20(日) 15:38:00.03 ID:v38zyXC40



【いちご日記】


5月××日(はれ)




三回生の大学祭―――



また一つ、みんなとの大切な思い出が増えたんじゃ。



みんなと協力して何かをする、こんなん高校の時 以来じゃろうか。




あん時は、ちゃちゃのんのせいで悲しい結果になってしまったんじゃが…




鹿老渡のみんなは、今でも元気じゃろか。




今日のちゃちゃのんたちのライブ、婆っちゃたちにも見てもらいたかったんじゃ。




259 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/20(日) 15:42:17.79 ID:v38zyXC40




ちゃちゃのん「かろうと高校 まあじゃん部…?」


老婆「そうじゃ、ワシャ高校ん時にそこの部長だったんじゃ」


ちゃちゃのん「じゃったら、ちゃちゃのんも ぶちょーさんになりたいのぅ…」


老婆「ほいじゃが、今はここもあん頃以上に過疎が進んどるで… もぅ麻雀部も残っとらんそうじゃ……」


ちゃちゃのん「そうなんじゃ……」シュン



老婆「ワシが子どもん頃に通っとった 鹿老渡の小学校も、今はもぅないしのぅ…」


老婆「爺さんたちとの思い出がだんだんと のぅなってくようで、それはやっぱり寂しくもあるかのぅ……」






老人「お〜〜〜う!!」


ちゃちゃのん「あっ、漁師の爺っちゃ…」


老婆「子どもたちを連れとるのぅ?」


ちゃちゃのん「だ、誰じゃろ…」オドオド




老人「こりゃウチの娘夫婦んトコの孫娘たちじゃ。 夏休みゆーて、今はウチで預かっとるんじゃ!!」カッカッカ


快活な長女さん「どうも初めまして」ペコッ


陽気な妹ちゃん「うわ〜 現地人発見じゃ!! スッゲ〜〜♪」


しっかりものの妹ちゃん「ちょっと、そげな言い方 失礼じゃよー」アセッ



老婆「おー おー こりゃまた可愛ええ子たちじゃの」カカッ


ちゃちゃのん「ちゃ、ちゃちゃのんじゃ……」コソッ


260 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/20(日) 15:46:36.23 ID:v38zyXC40



快活な長女さん「うわっ、可愛い〜 芸能人みたいじゃ♪ キミ、ちゃちゃのんって言うん?」


ちゃちゃのん「う、うん…」コソコソ



陽気な妹ちゃん「のー のー ボクたちと一緒に遊ぼうよーー♪」


しっかりものの妹ちゃん「迷惑じゃなけりゃ〜〜 お願いします♪」ニコッ


ちゃちゃのん「えと、ちゃ… ちゃちゃのんは……」キョロキョロ



老婆「ふふっ、せっかくのお誘いじゃで… みなと楽しんどいで♪」


ちゃちゃのん「う、うん……」コクリ




快活な長女さん「じゃ、浜の方まで行こうよ!!」タタッ


陽気な妹ちゃん「うわっほ〜〜い!! 競争じゃ〜〜〜♪」ダダダーー


しっかりものの妹ちゃん「ちょっ、待ちなさいってばーー!!」タタタッ


ちゃちゃのん「えっ、ちょっ… 待って―――」タッタッタッ コケッ アウッ


快活な長女さん「だ、大丈夫!?」


ちゃちゃのん「だ、大丈夫じゃ……///」イタタ…








老婆「感謝するよ…」


老人「そんなん、たまたまじゃ たまたま」


老婆「そんでも、やっぱ子どもは子どもと遊ぶんがええ…」


老人「そうじゃな、ワシらがずっと守ってやるわけにもイカンしの」



老婆「あの子の悲しむ顔は、見たくないのぅ…」



261 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/20(日) 16:00:54.42 ID:v38zyXC40



快活な長女さん「そっかぁ、ちゃちゃのんはアタシと同い年なんじゃね」


ちゃちゃのん「う、うん… そうみたいじゃ……///」ビクビク


しっかりものの妹ちゃん「アタシたちはお姉ちゃんより一つ下で、双子なんじゃよ〜」


陽気な妹ちゃん「やっほーい!! カニ捕まえたんじゃ〜〜♪」ピョンピョン


ちゃちゃのん「姉妹かぁ、ちゃちゃのんは… 一人っ子じゃけぇ、羨ましいのぅ……」シュン



快活な長女さん「また、一緒に遊べばええじゃろ」ニコッ


ちゃちゃのん「あ… う、うん……///」コクッ




陽気な妹ちゃん「うおっ、なんじゃコリャ!?」ギョッ


しっかりものの妹ちゃん「たこ壺じゃない? 何でこんなトコに置いちょるんじゃろ…」




陽気な妹ちゃん「おおっ、あの丘の上にカタコンベ発見♪ 藤岡探検隊、行っきま〜〜す!!」ダッシュ


しっかりものの妹ちゃん「じゃけぇ、一人で行くなっての〜〜!!」タッタッタ



快活な長女さん「ゴメン、あんバカは空気読むとか出来ん弾丸じゃけぇ…」ハァ


ちゃちゃのん「えへへ、楽しい妹ちゃんじゃね…」ヘヘッ





ちゃちゃのん「ここはちゃちゃのんたち かろうとの人が通っとる、昔からあるお宮さんじゃよ」


快活な長女さん「そうなんだ、じゃ お参りでもして行く?」


ちゃちゃのん「何を、お願いするんじゃ?」




快活な長女さん「また、こうやって一緒に遊べますように……とか?」フフッ


ちゃちゃのん「あ、ありがとの……///」テレッ



262 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/20(日) 16:08:55.05 ID:v38zyXC40



快活な長女さん「あっちの岬の方にゃぁ、何があるんじゃ?」


ちゃちゃのん「えと… あっちは確か私有地じゃけぇ、島民はあまり近づかんのじゃが―――」


ちゃちゃのん「岬のゆうれいの噂もあるし、あっちにゃ行かん方がええよぉ……」フルフル


陽気な妹ちゃん「岬のゆうれい!? 何それ、チョー楽しそう〜〜♪」ダダダァーー


しっかりものの妹ちゃん「また行っちゃたけど、どうすんじゃ?」


快活な長女さん「そろそろ夕方じゃけぇ、暗くなる前に捕まえて帰るしかないのぅ…」ゴメンノ


ちゃちゃのん「うぅっ、ゆうれい怖いんじゃ…」フルフル






「あなたたち、誰……?」


快活な長女さん「うわっ、出たァ!?」


ちゃちゃのん「うっきゃーーーッ!! ゆうれいじゃーーーッ!!」ヒィィッ


「くすくす…」




ちゃちゃのん「ほぇっ…?」


儚げな少女「あはは、幽霊とか失礼しちゃいますわ。 私、一応 まだ生きているのですけれど…」フフッ






快活な長女さん「へぇ、都会の方から病気療養でここに…?」


儚げな少女「ええ… ここはご飯も美味しいですし、空気も綺麗ですから。 とりあえず夏休みの間だけということで…」


快活な長女さん「ちゃちゃのん、早く立ったら?」


ちゃちゃのん「あぅぅ… 腰が抜けて……」ウルウル



263 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/20(日) 16:15:50.38 ID:v38zyXC40



快活な長女さん「ちゃちゃのん、遊ぼ〜〜♪」


ちゃちゃのん「あ、婆っちゃ… これからみんなと遊んでくるの…」チラッ


老婆「カッカッカ… ワシんこたぁ気にせんでええけぇ、みなで遊んどいで!!」


ちゃちゃのん「うん♪ 今日は岬の子のウチで、みんなにまあじゃんを教える約束なんじゃ…」ヘヘヘッ





快活な長女さん「また負けたァ!? ちゃちゃのんは麻雀上手いのぅ」


しっかりものの妹ちゃん「むむっ、こりゃぁなかなかに難しいのぅ…」


ちゃちゃのん「えへへ、コツさえ掴めば簡単じゃよ〜♪」


儚げな少女「テーブルゲームでしたら、私にも出来そうですわね」フフッ


陽気な妹ちゃん「あはは、いつもの病弱アピールが出たんじゃ!?」


儚げな少女「うっ… 私、そのようなつもりはなかったのですが……///」





陽気な妹ちゃん「あ、またツモったんじゃ!? コリャ何ちゅう役じゃろ…?」


快活な長女さん「自分、何でそないに強いんじゃ……」クッ


しっかりものの妹ちゃん「こんなカンだけで生きとるようなんに勝てんとは…」クツジョク


ちゃちゃのん「妹ちゃんは、まあじゃんの神さまに愛されとるのかもしれんね。 ちゃちゃのんも、ウカウカしてられないんじゃ…」




優しげな女性「皆さん。 お夕飯出来ましたから、どうぞ今日は食べていって下さいね」


儚げな少女「あ、お母さま…」


快活な長女さん「あ、どうもスミマセン」


陽気な妹ちゃん「うわぁ〜い、ハンバーグ〜〜♪」


ちゃちゃのん「あ… ちゃちゃのん、遅くなるって連絡せんと…」



264 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [saga]:2015/12/20(日) 16:24:45.76 ID:v38zyXC40



儚げな少女「あちらの山の方に、蛍がいると聞いたのですが?」カチャ


快活な長女さん「えっ、このへんホタルおるん?」モグモグ


ちゃちゃのん「うん。 天候とかの条件合えば、今の時間ならほたるの きれいな光も見れるんじゃ♪」


陽気な妹ちゃん「あ、ボクもホタル見たいかも〜〜〜」ムシャムシャ



しっかりものの妹ちゃん「ほじゃけど、今の時期いるんじゃろか?」パクパク


ちゃちゃのん「う〜〜ん、どうじゃろ。 源平にゃぁ、ちょっと遅いかもしれんの…」


陽気な妹ちゃん「とりあえず行ってみれば分かるじゃろ〜〜〜!!」ガッチャン スック


しっかりものの妹ちゃん「あ、ちょっと待って――」モゴッ


儚げな少女「まだ子どもが食べてるでしょうが!!」バンッ



陽気な妹ちゃん「―――?」ピタッ


快活な長女さん「ん―――?」


ちゃちゃのん「おょっ…?」ハテナ



しっかりものの妹ちゃん「もしかして、今ん笑いドコじゃった?」


儚げな少女「な、なんでもないですわ…///」カァァッ







ちゃちゃのんに出来た、初めてのお友達。




みんなと過ごした、夢のようにキラキラな夏休み。




でもシンデレラにかけられた魔法は、必ず解けるものなんじゃ――――






265 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 3回生 [sage saga]:2015/12/20(日) 16:26:28.44 ID:v38zyXC40









【咲-Saki- SS】 ちゃちゃのん・大学編 -いちご味-



ちゃちゃのん「おかえりなさい」









第二章 愛が咲いた日









カンッ!



266 :ケイ@幕間2 [saga]:2015/12/21(月) 21:02:34.33 ID:5H0AgabP0




【幕間】




〜 佐々野いちごの『チャチャのんのん☆Radio♪』〜





ちゃちゃのん「皆さん、こんばんはなんじゃ!!」フリフリ




ちゃちゃのん「えっと、これにて第二章も終了となるわけなんじゃが……」



ちゃちゃのん「やっ… やっぱり、何じゃか 照れくさいのぅ〜〜〜///」テレッテレー


???「チッ、カマトトぶりおって…」



ちゃちゃのん「さて、ほんじゃ〜 こっから少しの幕間を挟んで、いよいよ物語が大きく動き出す 第三章の開始じゃよぉ♪」




ちゃちゃのん「因みにこの幕間は 佐々野いちごの『チャチャのんのん☆Radio♪』として、筆者が語りたいことを語ったり…」

ちゃちゃのん「本編では登場しちょらんキャラクターをゲストさんとしてお呼びしたりする、ま〜 完全な息抜きの場じゃね」


ちゃちゃのん「なおこのラジオは海と大地と時の狭間に存在するものらしいんで、例のごとくここでの登場人物と本編の登場人物は 基本的には関係ないそうじゃ」


ちゃちゃのん「当然 キャラ崩壊も激しくなると思うんで、そういうのが嫌いな人は 完全スルーでヨロシクの〜〜」ペコリン


???「大体、咲の広島弁キャラいうたら ワシじゃろが…」ブツブツ


ちゃちゃのん「あっ、今回のゲストさんの紹介が まだじゃったね」ゴメンノ




ちゃちゃのん「それではさっそくじゃが、今回もゲストさんをお呼びしたいと思うんじゃ!!」


ちゃちゃのん「みんな大好き。 我らが主人公チーム・清澄高校麻雀部 次鋒の染谷 まこちゃんじゃよ〜〜♪」テッテレー



まこ「あ、ど〜も。 清澄の染谷 まこじゃ…」



267 :ケイ@幕間2 [saga]:2015/12/21(月) 21:07:54.46 ID:5H0AgabP0



ちゃちゃのん「まこちゃんゆーと、やっぱり広島弁のメガネっ娘―――」

ちゃちゃのん「メガネを外すと可愛さと雀力アップ。 そして極めつけはメイド服じゃのぅ♪」


ちゃちゃのん「こんな萌え要素いっぱいなうえに、主人公チームで、麻雀も上手い―――」


ちゃちゃのん「しかも後輩ちゃんたちへの気配りも出来る。 とっても優しくて頼りんなる、頭脳派の先輩さんじゃよね〜〜〜♪」スゴインジャ


まこ?「わりゃあ――」


ちゃちゃのん「ほぇ…?」




やさぐれまこ「そげんことゆーとって… 心ん中じゃ〜〜 ど〜せワシんこと、エセじゃ、ワカメじゃ、キンクリじゃと、せせら笑っとんのじゃろ〜〜〜」ケッ


ちゃちゃのん「えぇっ!? まこちゃん!?」




ワカメ「おい、これ書いとるクソ筆者ーッ!! げに可愛ええ思っとんなら、何でワシを主役でスピンアウトさせんかったーーッ!!」


ワカメ「佐々野とか、単なるかませのモブじゃろ〜〜ッ!!」


ワカメ「コイツやエイスリンのせいでな〜〜 ワシが一体 どんだけ迷惑しとるか、ちゃんと分かっとんのか〜〜!!」ムッキーーーッ!!


268 :ケイ@幕間2 [saga]:2015/12/21(月) 21:11:43.70 ID:5H0AgabP0



ちゃちゃのん「ま、まこちゃん!! お、お、お、落ち着くんじゃよ〜〜!?」アワワッ


ちゃちゃのん「本当の自分を思い出すんじゃ〜 本編のまこちゃんは、とっても可愛ええ女の子じゃろ〜〜!!」ワタワタ



まこ「はっ!? ワシは今まで一体何を…? どうやら、何者かに身体を支配されとったよ〜じゃ―――」


ちゃちゃのん「あっ、まこちゃん… 正気に戻ってくれたんじゃの♪」ヨカッタ…





まこ「えらい醜態を晒してまったようじゃのぅ。 申し訳ないことをしたんじゃ…」ペコリッ


ちゃちゃのん「えへへ、そんなん別にええよ〜〜 同じ広島弁仲間じゃけぇ、仲良うしよ〜ね♪」ニコッ




まこ?「本来 広島弁はワシ一人で充分だったんじゃ。 それなんに、何故こがーなキャラ被りするようなヤツを出したんじゃ…」ブツブツ


まこ?「コイツは侵略者、そしてワシは防衛軍。 仲良くなぞ、出来るわけないじゃなイカ……」ブツブツ


ちゃちゃのん「ま、まこちゃん――?」エット…



まこ?「うっさい!! わりゃあみたいんは、ワカメ巻いて写真集でも出しゃぁええんじゃ!!」ビシィッ


ちゃちゃのん「えぇっ、何でワカメ!?」


269 :ケイ@幕間2 [saga]:2015/12/21(月) 21:14:35.68 ID:5H0AgabP0



ちゃちゃのん「ちゃちゃのんとまこちゃんの関係と言えば、アニメ 咲-Saki- 放送当時―――」


ちゃちゃのん「まこちゃん役の白石涼子さんが、広島の呉出身である松来未祐さんに 広島弁を教えてもらっちょった事でも有名じゃね」


まこ「その説は、色々とお世話になったのぅ…」ペコリ


ちゃちゃのん「えへへ、そんなことはないんじゃよ。 まこちゃん、これからもちゃちゃのんの分まで頑張ってのぅ…」


まこ「…………」




ちゃちゃのん「こ、この話題はやめようかの。 ちゃちゃのん、何だか とっても切なくなってきたんじゃ…」ホロリ


まこ「そ、そうじゃの……」




ちゃちゃのん「ほんじゃ、そろそろ恒例のお便りコーナーに入ろうかの〜〜」


まこ「そうじゃの、進行 ヨロシク頼むぞ…」




270 :ケイ@幕間2 [saga]:2015/12/21(月) 21:17:15.02 ID:5H0AgabP0



ちゃちゃのん「まずは鹿児島県 ラジオネーム『清浄気玉利仙全君』さんからのお便りじゃ♪」

ちゃちゃのん「う〜〜ん、なんじゃか難しい名前じゃの〜〜 さっきので、読み方は合っちょたんじゃろうか…」



ちゃちゃのん「いちごちゃん、好き好き大好き〜〜〜〜〜(*≧∀≦*)♪」ヨミヨミ


ちゃちゃのん「それで… その隣に座っている、緑色の海藻類は何なのですか――?」ヨミヨミ

ちゃちゃのん「正直 いちごちゃんと同じ広島弁というだけで、私 許せないのですが…」ヨミヨミ


ちゃちゃのん「自分がいちごちゃんの引き立て役だということ、くれぐれもお忘れなきよう 宜しくお願い致しますわね」ヨミヨミ



ちゃちゃのん「―――という、ちょっと変わったお便りじゃね」

まこ?「―――おい!!」



ちゃちゃのん「緑色の海藻類って、何の話じゃろうね?」クノウセンパイ?

まこ?「わりゃあ、分かっとって わざと言っとりゃせんじゃろなぁ!!」


殺意のまこ「ちゅーか、このメールを採用したスタッフに、ワシャ殺意の波動が抑えきれんのじゃが……」グヌヌ…



ちゃちゃのん「よぅ分からんけぇ、とりあえずちゃちゃのんのことを 好いとってくれちょるようじゃね♪」

ちゃちゃのん「清浄君、どうもありがとの〜〜〜〜♪」フリフリ

殺意のまこ「よぅ分からんで 流すなや……」クソガ…


271 :ケイ@幕間2 [saga]:2015/12/21(月) 21:20:03.81 ID:5H0AgabP0




ちゃちゃのん「えっと、続きまして長野県 ラジオネーム『アイドル雀士とかマジうぜー』さんからのお便りじゃね♪」



ちゃちゃのん「ちゃちゃのんってさ〜 じゃ〜じゃ〜 じゃろじゃろ 言ってっけど―――」ヨミヨミ

ちゃちゃのん「ロリババアか何かなの? マジ受けるんですけど〜〜〜」ヨミヨミ


ちゃちゃのん「ちょっと顔が良いとかチヤホヤされてっけど、アンタこっち側の人間だってこと忘れないでよね」ヨミヨミ

ちゃちゃのん「あとウチらの方がアンタよりも 出番多かったんだから、そのへんヨロシク〜」ヨミヨミ

ちゃちゃのん「あと乳デカいってだけでチヤホヤされてるヤツも、マジ爆発して欲しいっス」ヨミヨミ



ちゃちゃのん「うぅ、前のお便りで上げてもらった後に、思いっきり突き落とされたんじゃ……」ズーーン

まこ「じゃけぇここんスタッフは、何故に今のメールを 本人に読ませようと思ったんじゃろうな」ドSカ?


まこ「な〜〜んか今の口調とか、どっかで聞いたことあるような気もするんじゃが―――」ナガノジャシ…



まこ(怒)「たちまち、ロリババアとはなんじゃ。 わら いちびっとらんと、広島弁に謝りんさいな!!」

ちゃちゃのん「そうじゃよ〜〜 別に広島弁はロリババアっちゅうわけではないんじゃよ〜〜」


272 :ケイ@幕間2 [saga]:2015/12/21(月) 21:23:28.41 ID:5H0AgabP0



ちゃちゃのん「でも、ちゃちゃのん お婆ちゃんっ子じゃし―――」

ちゃちゃのん「時々 お婆ちゃんっぽいねって、言われることはあるんじゃよ〜〜」エヘヘ


まこ「おっ、そうなんか? 因みにワシはお爺ちゃんっ子じゃよ」




ちゃちゃのん「縁側でお茶したり、にゃんことひだまりでお昼寝したりして、ぬくぬく過ごせたら幸せじゃと思うんじゃ〜〜♪」

まこちゃん「お〜 そりゃぁええの〜〜 何や、われんことちぃーと 誤解しとったかもしれんのぅ〜〜」


ちゃちゃのん「わぁ〜〜い、まこちゃんと理解し合えたんじゃ〜〜♪」キャッキャッ





ちゃちゃのん「ほぇ、さっきの『アイドル雀士とかマジうぜー』さんからの、追加メールがあるよぅじゃ―――?」ドレドレ


ちゃちゃのん「えっと、ま〜 そうは言っても、同じ引き立て役に使われたもん同士―――」ヨミヨミ

ちゃちゃのん「少しくらいなら応援してやっから、雑魚は雑魚なりに とりあえず頑張ってみたら良いんじゃね…」ヨミヨミ



ちゃちゃのん「うぅ〜〜 『アイドル雀士とかマジうぜー』さんは素直じゃないだけで、本当はとってもええ人なんじゃの……」ジワッ

まこ「えっ、たったこんだけで!? チョロいヤツじゃの〜〜」


ちゃちゃのん「別にちゃちゃのん、チョロくないんじゃよ〜〜」ムムッ

ちゃちゃのん「『アイドル雀士とかマジうぜー』さんはのぅ。 さっきはちょっと言いすぎたかなと思って、ちゃちゃのんのことを気遣ってじゃな―――」

飽きっぽいまこ「分ぁーった、分ぁーった。 その話長くなりそうじゃし、別に興味ないからええわ……」



273 :ケイ@幕間2 [saga]:2015/12/21(月) 21:27:45.57 ID:5H0AgabP0




ちゃちゃのん「そういえば ある世界線じゃと、ちゃちゃのんたちは はとこ同士らしいのぅ♪」

GSまこ「お〜お〜 そがぁなこともあったのぅ〜〜」



ちゃちゃのん「そっちの世界のまこちゃんは、京太郎くんっちゅう素敵な彼氏さんがおって―――」

ちゃちゃのん「カッコよく妖怪退治なんかも出来ちゃう、スーパー霊能力者さんなんじゃよね〜〜〜」オメメ キラキラ

GSまこ「いや〜〜 照れるのぅ……」ポポンッ オミミ ピョコピョコ



ちゃちゃのん「うわぁ〜〜 黒猫ちゃんの尻尾とお耳じゃ〜〜♪」

GSまこ「ま〜 ワシらの家系は化け猫や猫又を祖に持つ、霊的素質に秀でた一族じゃけぇのぅ」シッポ フリフリ


ちゃちゃのん「ええのぅ。 ちゃちゃのんは まこちゃんみたいな霊的素質があまりないけぇ、憧れるんじゃ―――」

GSまこ「ワレんトコの婆さんは、あんなに凄い霊能力 持っとったのにのぅ…」

ちゃちゃのん「うん。 婆っちゃは若い頃 お祓いとか降霊とか、そういうのが得意じゃって聞いたことあるんじゃ…」




GSまこ「ワシの場合はテンション上がったり 興奮したりすると、先祖返りで耳やシッポが出てしまうんじゃが―――」


GSまこ「ちゃちゃのんじゃって、意識を集中すりゃぁ 耳とシッポくらいなら出せるじゃろ」ピョコピョコ

ちゃちゃのん「うん、そんくらいなら ちゃちゃのんにも出来るんじゃ♪」



GSまこ「猫耳、出してもらってもええかの?」

ちゃちゃのん「う、うん。 久しぶりじゃけぇ、ちょっと緊張するんじゃ…」ドキドキ



274 :ケイ@幕間2 [saga]:2015/12/21(月) 21:33:46.14 ID:5H0AgabP0



ちゃちゃのん「むむむっ… 集中、集中……」



ポポンッ

ちゃちゃにゃん「あは、出来たんじゃ♪」オミミ ピョコピョコ シッポ フリフリ


GSまこ「おぉっ、お見事♪ 相変わらずちゃちゃのんのは、上品で綺麗な三毛猫じゃな♪」



ちゃちゃにゃん「にゃはは… でもちゃちゃのんに出来るのはこれだけじゃし、まこちゃんみたいにゃぁ戦えんけぇ―――」


ちゃちゃにゃん「ちゃちゃのんのは、何の役にも立たん。 これといって意味もにゃい 能力なんじゃけどね……」ニャァ




GSまこ「ま、可愛ええからええんちゃう」ナデナデ


ちゃちゃにゃん「ふにゃぁ、ちゃちゃのん 耳とシッポが弱いんじゃよぉ〜〜〜////」ニャァ ニャァ


ちゃちゃにゃん「それに一度出すと 酔ったみたいに言葉も変ににゃるし、上手に引っ込めたりも出来にゃくてのぅ〜〜」ニャーー

GSまこ「先祖帰りが弱点か!? ホンマ使えん能力じゃのぅ!!」


ちゃちゃにゃん「うぅっ、やっぱりちゃちゃのんは駄目にゃ子じゃ〜〜」フニャーー


275 :ケイ@幕間2 [saga]:2015/12/21(月) 22:25:27.25 ID:5H0AgabP0



ちゃちゃにゃん「えっと、とりあえずこのまま 次のお便りに行こうかにゃ」シッポ フリフリ

GSまこ「…………」ウズウズ


ちゃちゃにゃん「まこちゃん……?」ニャァ




GSまこ(横島)「とりあえず、ちゃちゃのんは 今からこのメイド服をきんさいな!!」バッ

ちゃちゃにゃん「にゃにゃっ、何でいきなりそうなるんじゃ!? しかもこれラジオじゃよ〜〜」ニャゼ?


GSまこ(横島)「理由とかど〜〜でもええんじゃ、そこに猫耳少女がおったらメイド服じゃろ〜〜!!」ニギニギ

ちゃちゃにゃん「ふにゃぁ〜〜 じゃけぇ、シッポと耳は触っちゃダメじゃよぉ〜〜〜」ビビクンッ




フニャーー ヤメルンジャーー エエデハナイカ エエデハナイカ


ちゃちゃにゃん「うぅっ… よぅ分からんけぇ、メイド服に着替えさせられたんじゃ」ウルウル


GSまこ「ま〜〜 ワシも付き合ってやったんじゃけぇ、ええじゃろ別に」カカッ



276 :ケイ@幕間2 [saga]:2015/12/21(月) 22:46:40.60 ID:5H0AgabP0



ちゃちゃにゃん「とりあえず気を取り直して、お便りに戻ろうかにゃ〜〜」


ちゃちゃにゃん「えっと、長野県 ラジオネーム『スガラブ 狂堕郎』さんからのお便りじゃ。 どうもありがとにゃ♪」シッポ フリフリ

GSまこ「スカイラブハリケーンじゃと……」ピクッ


ちゃちゃにゃん「うんにゃ、長野県の『スガラブ 狂堕郎』さんじゃよ〜〜」

GSまこ「また長野か、しかもちょっくり聞き覚えのある名前じゃの―――」

ちゃちゃにゃん「にゃはは、まこちゃんの気のせいなんじゃにゃいかのぅ」




ちゃちゃにゃん「ちゃちゃねぇ、にょんたか。 はい、にょんたか〜〜♪」ニャマリ

ちゃちゃにゃん「最近 色んな人から中二野郎とか、ハーレムンのホラ吹き男とか酷い言われようです―――」ヨミヨミ

ちゃちゃにゃん「まったくもって、風評被害も甚だしいです―――」ヨミヨミ

ちゃちゃにゃん「こんな可哀想な俺を、ちゃちゃねぇの愛の告白で癒して下さい。 宜しくお願いします」ヨミヨミ


ちゃちゃにゃん「じゃって―――このちゃちゃねぇ言うんは、ちゃちゃのんのことじゃろか?」ハテニャ?




GSまこ「ちゅうかさ〜〜」フルフル

ちゃちゃにゃん「まこちゃん―――?」ニャ


GSまこ?「この長野県のスガラブ 狂堕郎ってヤツ、ワシの彼氏の須賀 京太郎じゃないんかのぅ?」ミミポンッ シッポポンッ


GSまこ?「あんの浮気モンがぁ…… 次に会った時にゃぁ、シリに神通棍の刑じゃ!!」

ちゃちゃにゃん「まこちゃん、落ち着くんじゃ!? そんにゃことされたら、彼氏さん死んでまうんじゃよ〜〜」ニャニャッ


ちゃちゃにゃん「それにたぶん 須賀くんは須賀くんでも、まこちゃんの彼氏さんとは別の世界線の須賀くんじゃと思うんじゃ〜〜〜」

GSまこ「なるほどのぅ、そういう考え方もあるんじゃな…」

ちゃちゃにゃん「落ち着いてくれて良かったにゃ〜」ホッ


277 :ケイ@幕間2 [saga]:2015/12/21(月) 22:52:58.18 ID:5H0AgabP0



ちゃちゃにゃん「え〜〜と、風評被害にゃぁ ちゃちゃのんもあったことあるけぇ―――」

ちゃちゃにゃん「スガラブ 狂堕郎さんの気持ちは、ちゃちゃのんにもよぅ分かるんじゃ。 元気出してにゃ〜〜〜♪」オミミ ヒョコヒョコ



GSまこ「それじゃ、ちゃちゃねぇからの愛の告白じゃな…」

ちゃちゃにゃん「えっ、それってホンにせんとダメにゃんじゃろか?」ドキドキ


GSまこ「そーゆー仕事じゃろ。 頑張ってのぅ〜〜〜♪」カカッ

ちゃちゃにゃん「うにゃぁ〜〜 ちゃちゃのん、こぅいうのちょっと苦手なんじゃよぉ〜〜〜////」





ちゃちゃにゃん「ス、スガラブ 狂堕郎さん―――」


ちゃちゃにゃん「ちゃちゃねぇが、ええ子ええ子してあげるけぇ―――」


ちゃちゃにゃん「そんにゃ、風評被害にゃんかに負けず、これからも頑張るんじゃよおぉ〜〜〜////」フリフリ


GSまこ(横島)「コリャア!! ちゃんと愛の告白までせにゃぁ アカンじゃろ!!」クワッ

ちゃちゃにゃん「ふにゃっ―――!?」ビクゥッ




ちゃちゃにゃん「あ、愛しちょるよ〜〜 スガラブ 狂堕郎く〜〜ん!!」ミミマデ マッカ


GSまこ(横島)「まぁ… 今日んとこは、そんくらいで勘弁しちゃるわぃ」


ちゃちゃにゃん「ふにゃ〜〜 恥ずかしかったんじゃ〜〜〜////」ニャァーー


278 :ケイ@幕間2 [saga]:2015/12/21(月) 22:58:12.13 ID:5H0AgabP0



ちゃちゃにゃん「お次は、ニュージーランドにお住まいの『良かった探しでwaqu waqu』さんからのお便りにゃ♪」


ちゃちゃにゃん「海外の方からのお便りなんて、嬉しいにゃ〜〜 『良かった探しでwaqu waqu』さん、どうもありがとにゃ♪」

まこ「ニュージーランド……」ピクッ



ちゃちゃにゃん「ワタシ日本の四季というものが、とてもダイスキデス」ヨミヨミ

ちゃちゃにゃん「さて、これはワタシがビート板で母国ニュージーランドに帰った時に起こった、ビックリなお話なのデスが―――」ヨミヨミ







ちゃちゃにゃん「ほぇ〜〜 それはキーウィもビックリにゃ お話じゃったの〜〜〜」ニャァ

まこ「…………」


ちゃちゃにゃん「『良かった探しでwaqu waqu』さん、とっても楽しいお便りを どうもありがとにゃ――」シッポ フリフリ


ちゃちゃにゃん「にゃっ!? いつの間にかもぅコーナー終了のお時間みたいじゃ!? 何だか、あっちゅう間じゃったの〜〜」




ちゃちゃにゃん「にゃにゃっ!? 番組時終了まで、あと10秒――――!?」ニャント!?


ちゃちゃにゃん「えぇっ、にゃんでちっとも気付かにゃかったんじゃろ〜〜〜!?」アワワッ


ちゃちゃにゃん「そっ、それでは今回のお相手は〜〜〜」ニャニャニャッ


まこ「染谷まこ、と――――」


ちゃちゃにゃん「ちゃちゃの――――」



ブツッ






カンッ!



幕間 終劇


279 :ケイ@駄文 [saga]:2015/12/22(火) 00:37:01.20 ID:i1Ava9XO0


【続・ネタ元作品等をいくつかご紹介します】


個人サイト等の場合、思わぬご迷惑かかってしまうと困りますので URLは貼ってません。

興味を持たれた方は、タイトル検索から遊びに行って貰えるとありがたいと思います。



・私的素敵ジャンク

hannoverさんの、咲-Saki-等を扱った考察サイトです。

筆者も遠野物語等が大好物なので、とても興味深く読ませて頂きました。

宮守のオカルト話の参考にさせて頂きました。



・佐々野いちごのCHA-CHAラジオ!

かえんだん:オオムギさんの、咲関連SS等を扱うサイトです。

オオムギさんにはいつもご親切にして頂き、本当にありがとうございます。

佐々野いちごの『チャチャのんのん☆Radio♪』の参考にさせて頂きました(内容全然違うんですけどね…)



・GS染谷の忘備録 Report.10: 決戦! 全国高校麻雀大会 ‐インターハイ・遭遇編‐

ちゃちゃのんが登場するのはたぶん10と11で良いのかな。

ちゃちゃのんとまこがはとこで、にゃんこな世界線。 GS好きでしたね〜〜



・【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」※安価スレ
http://www59.atwiki.jp/toarukyoutarou/pages/1.html

Tの須賀らぶではちゃちゃのんこと『ちゃちゃねぇ』が大活躍した、結構珍しい安価スレだと思います。

マイナーキャラがメインになるスレってやっぱり少ないので、とても嬉しかったのをよく覚えています。

主な能力はアイドルパワー、アルティメット・アイドルオーラ、結ばれし絆《アカイイト》、THE IDOLM@STER、卍解・天鎖斬月。

尚、筆者はアカイイトと聞くと、どうしてもこちらの作品が思い出されます。 とても大好きな作品です。




280 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [sage saga]:2015/12/22(火) 17:23:13.35 ID:i1Ava9XO0









【咲-Saki- SS】 大学編 -いちご味-



ちゃちゃのん「おかえりなさい」









第三章 オレンジワルツ













281 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/22(火) 17:27:13.19 ID:i1Ava9XO0




次の年 いつも麻雀してくれとった、あの漁師の爺っちゃが亡くなった。



あの子たちが鹿老渡の爺っちゃのトコへ遊びに来ることも、もぅのぅなった。



病気療養のため避暑に来とったあの子も、その年以降 見かけることはなかった―――







男「やぁ、いちごさん。 初めまして。 お母さんに似たのかな、とっても可愛いらしい子ですね」


女「いちご、お父さんにしっかりご挨拶しんさい」



ちゃちゃのん「―――ちゃちゃのん、です…」


男「ちゃちゃのん…?」


女「コラ、ちゃんと挨拶せんと…」モゥ


男「あぁ、良いんですよ。 ちゃちゃのん、可愛い響きですね…」ニコッ


282 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/22(火) 17:31:22.52 ID:i1Ava9XO0



ちゃちゃのん「あの、一つだけお願いしてもええじゃろか…」グッ


男「ええ、何でも言って下さい」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんの名前。 今の佐々野のままじゃ、イカンじゃろか…?」


男「え―――?」


女「この子ったら、またそがぁバカなコト言って…」



ちゃちゃのん「あの人に、ちゃちゃのちゃんって… もぅ呼んでもらえなくなってまうんじゃ…」ギュゥゥ


女「あの人って、お婆ちゃんはもぅ―――」




男「―――いいですよ」


ちゃちゃのん「えっ……」


男「佐々野 いちご。 私もとても素敵な名前だと思います」ポリポリ


男「それはお父さんから貰った大切なモノでしょうし、きっと他にも理由があるんでしょう……」


男「いちごさんがそこまで言うのでしたら、私はそんなこと気にしませんから」ニコッ


ちゃちゃのん「ありがとう… ございます……」ポロポロ




物静かで、とても優しそうな人じゃった。



そしてその少し困ったような笑顔が、お父さんに似ているなと思った。





大好きな婆っちゃがいなくなったその年―――



ちゃちゃのんは、婆っちゃたちとの思い出の鹿老渡を離れた――――


283 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/22(火) 17:33:20.27 ID:i1Ava9XO0




♪〜 いちごのようにかわいくて〜〜


ちゃちゃのん(ん、ヒロちゃんからのメールじゃ。 ヒロちゃん、昨日も胡桃ちゃんと一緒だったんじゃな…)ポチポチポチ



ちゃちゃのん(……………)ポチポチポチ









洋榎「おぅ、ちゃちゃ!! 久しぶりやな〜♪ 元気しとったか?」ヨッ

ちゃちゃのん「う、うん… 元気じゃったよ……///」


洋榎「にしても、ちゃちゃからのお誘いとか珍しいやん!! しかもあん時に買った洋服着て来いとか…」



洋榎「ホンマ、何かあったん?」

ちゃちゃのん「きょ、今日はちょっと… またヒロちゃんに、バイト頼もう思って……///」カァァッ

洋榎「何や、また如何わしいバイトやないやろな?」カカッ


ちゃちゃのん「にゃんカフェ、別に如何わしくなかったじゃろ!?」モー

洋榎「で、バイトってこれからなん?」

ちゃちゃのん「バイトは夕方からなんじゃが…」

洋榎「何や、まだ全然時間あるやん!?」



ちゃちゃのん「う、うん……」

ちゃちゃのん「そんでな… きょ、今日は… ヒロちゃんに、もいっこお願いがあるんじゃ……///」

洋榎「お願い…? 金策とか宗教の勧誘以外なら何でも乗ったるから言うてみぃ〜〜!!」ニカッ



ちゃちゃのん「あぅ… あぅあぅ……////」フルフル

洋榎「ん―――?」


284 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/22(火) 17:34:30.19 ID:i1Ava9XO0



ちゃちゃのん「その、今日のバイト終了までの時間……」



ちゃちゃのん「ちゃちゃのんと、恋人デートして欲しいんじゃ……////」カァァッ







ゴメンの。


ヒロちゃん、胡桃ちゃん。


ちゃちゃのんは、ウソつきなんじゃ。




卑怯で臆病なちゃちゃのんは―――


ウソをつくことしか出来ないんじゃ―――



魔法使いの魔法で全てを偽り、みんなを騙すことしか出来ないんじゃ―――



285 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/22(火) 17:37:18.82 ID:i1Ava9XO0



洋榎「へっ… こ、恋人デートやて!?」エエッ

ちゃちゃのん「あっ、つもりでええんじゃよ!? 今度、仕事で恋人デートみたいなシーンがあっての…///」アセアセッ

洋榎「あ、あぁ… つもりか… ええで、ええで…」



洋榎「でぇ〜〜 その仕事、しっかり恋人同士の濡れ場もあるんやろな〜〜?」ニシシ

ちゃちゃのん「そっ、そんなんないんじゃ!!」カァァ

洋榎「何や… そりゃ、自分 残念やったな〜〜」カッカッカ

ちゃちゃのん「もぅっ…」




洋榎「で、恋人デート言われても… これからバイトまでの時間どないするんや?」

ちゃちゃのん「今日はヒロちゃんが王子さま役じゃけぇ、夕方までのエスコートは全部お任するんじゃ…///」


洋榎「そらいきなりやなぁ。 まぁ、ええで。 王子さまのガウ級攻撃空母に乗ったつもりで、安心してついて来たってや!!」ヨッシャ


ちゃちゃのん「せめて、タイタニック号がええんじゃ…」ウゥッ


286 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/23(水) 00:30:15.43 ID:hIPe+JjL0



洋榎「そういや、ちゃちゃ… 馬が好きとか言うとったし、競馬場でも行くか?」

ちゃちゃのん「そういう馬じゃないんじゃが…」ウゥ…



洋榎「ほんなら、とりあえず海遊館でも行っとくかぁ!! ちゃちゃ、そういうの好きやろ?」

ちゃちゃのん「わぁ、ペンギンとかイルカのメルヘンショーとか見たいんじゃ♪」ワクワク





シャークワールド!!


シャーク岸田「」バクバクバクッ

洋榎「うぉっ、スッゴ!? あんなデカイ生肉もペロリやで!!」

ちゃちゃのん「うぅっ、怖いんじゃ 怖いんじゃ… 海面が真っ赤に……」フルフル



洋榎「うぉぉっ、アッチで『メガ・シャーク対ジャイアント・オクトパスショー』もやっとんで!!」スゴッ

ちゃちゃのん「来週の予定は『メガ・シャークvsクロコザウルスショー』になっとるんじゃ…」フルフル

洋榎「もしかすると、あのメカ・シャークとグレート・タイタンショーも見れるんやろか!?」ウォォッ


洋榎「この観たら損するB級感、ホンマ最高やでェ!!」シャァァーーッ





洋榎「悪ぃ、悪ぃ!! シャーク特集やっとったから、ついついテンション上がってもうたわ!!」


ちゃちゃのん「うぅ、ちゃちゃのんはもっと可愛いショーが見たいんじゃ…」



287 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/23(水) 00:33:42.45 ID:hIPe+JjL0



ちゃちゃのん「わぁ〜〜 ラッコじゃ、ラッコ!! ヒロちゃん、あそこにラッコの親子がおるんじゃ♪」キラキラ

洋榎「しっかり見とるから、そない引っ張んなって!?」グイグイッ


ちゃちゃのん「ラッコって、確か秘密のポケットがあるんじゃよね?」ワクワク

洋榎「そない未来式ネコ型ガジェットVer2.31みたいなんちゃうて、貝割る石とか入れとく肉のたるみやろ」

ちゃちゃのん「ぶぅ、アレはポケットじゃ……」


洋榎「まぁ、なんでもええわ。 おっ、あのラッコ貝殻叩き始めたで!!」

ちゃちゃのん「ほ、ホントけ?」クルッ



ラッコ「」ブンッ

ガンッ

ちゃちゃのん「うひゃぁっ!?」ワタタッ



ちゃちゃのん「あ、あのラッコちゃん、ちゃちゃのんに貝を投げつけてきたんじゃ」フルフル


洋榎「なになに、ラッコは水槽のガラスに貝殻を叩きつけることもあります……やて」

洋榎「叩きつけすぎて、強化ガラスにヒビ入ったこともあるみたいやで」ヒヒッ

ちゃちゃのん「うぅっ、怖いんじゃ…」







ちゃちゃのん「クラゲはふあふあでええのぅ〜 このまま何時間でも見てられそうじゃ〜〜」ホワワァ

洋榎「お婆ちゃんみたいなヤツやな… まぁ確かに癒されるけど…」




洋榎「おっ、この後 イルカやペンギンのお食事ショーいうのもあるらしいで」

ちゃちゃのん「わぁっ、見たい見たい!! ヒロちゃん、行こ 行こ♪」ピョン ピョン

洋榎「分かった、分かったて…///」アンマ ハシャグナテ


288 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/23(水) 00:38:14.68 ID:hIPe+JjL0



バッシャーーンッ!!


ちゃちゃのん「ジャンピングキャッチじゃ♪ イルカって凄いんじゃのぅ〜〜」ウヒャーー

洋榎「イルカは昔から頭ええ動物、言われとるしな〜〜」オオー

ちゃちゃのん「ちゃちゃのんも知っとるよ。 イルカは海棲人類を育てたり、旧日本軍に軍事利用されたりしとったんじゃ…」

洋榎「それはドコソースやねん」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、もっと近くで見てくるんじゃ〜〜♪」タタッ

洋榎「あっ、あんま近づくと―――」



バッシャーーーーンッ!!


ちゃちゃのん「うぅっ、水浸しじゃ……」ビッショリ

洋榎「アホ、さっき解説のお姉さんが言うとったやん」



ちゃちゃのん「うぇぇ〜〜〜」シクシク

係員「あの、大丈夫ですか…?」

洋榎「あ、気にせんとって下さい。 ただ残念な子なだけやさかい!!」フリフリ



ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、ペンギンショーも見たいんじゃ!!」ハヨイコッ

洋榎「まぁ、とりあえずドライヤーでも借りて 乾かしてから行くで…」

ちゃちゃのん「あ、う、うん…」


289 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/23(水) 02:03:57.45 ID:hIPe+JjL0



ちゃちゃのん「はぁ〜〜 イルカとペンギンのお食事ショー 楽しかったのぅ♪」ウットリ

洋榎「まぁ、楽しかったからええけど… あ〜いうんは、いまいちスリルが足りんで…」

ちゃちゃのん「別にスリルとか、イランじゃろ!!」モー



洋榎「おっ、あっちに土産コーナーあんで?」

ちゃちゃのん「あっ、本当じゃ♪ ペンギンとかアザラシのぬいぐるみもあるんじゃ」トトトッ

洋榎「海洋堂のウシジマくんシリーズ、海洋深層水に沈むコンクリおじさんとかあったりせんやろか?」キョロキョロ

ちゃちゃのん「そんなんイランわ…」





洋榎「そや、何や欲しいもんあったら買うたるで?」


ちゃちゃのん「………ん」


洋榎「どないした、別に遠慮とかええんやで?」





ちゃちゃのん「ううん、別に欲しいのとかないけぇ… ええんじゃ……」エヘヘ


洋榎「そか、ならええんやけど…」




グウゥ〜〜〜


ちゃちゃのん「ありゃ……?」

洋榎「スマン、ペンギンにエサやっとったせいか、ウチも何か食べたなってきたで〜」ハハッ

ちゃちゃのん「ほんなら、ちょっと遅めのお昼でも食べよっか♪」クスッ



290 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/23(水) 02:06:38.98 ID:hIPe+JjL0



イラッシャイマセー


ガツガツ ムシャムシャ


ちゃちゃのん「ほぇ〜 ヒロちゃんは、ホンによぅ食べるのぅ」

洋榎「戦士は身体が資本、食べんと24時間 戦えんやろ!!」ムシャムシャ


洋榎「ちゃちゃはもぅええんか?」

ちゃちゃのん「う、うん… ちゃちゃのん、ダイエットしとるし…」

洋榎「あんま無理なダイエットとかすんなや。 いくら自分がいいんちょより重いいうてもやな―――」カカッ

ちゃちゃのん「く、胡桃ちゃんは… 別に関係ないんじゃ……」プイッ



洋榎「ん―――そ、そんなら… そのポテト貰ってもええ?」

ちゃちゃのん「う、うん、ええよ…」




ちゃちゃのん「はい、あ〜〜ん♪」ヒョイ

洋榎「え゙っ……」


ちゃちゃのん「ん……?」

洋榎「いや、別に…///」キョロキョロ


パクッ


洋榎「はぁ、食った食った〜」ポンポン

ちゃちゃのん「うん、美味しかったの…♪」





ちゃちゃのん「ほんじゃ、次は何処に行こっか」クルンッ


洋榎「せやなぁ、夕方からのバイトも梅田言うとったし、とりあえずHEP FIVEにでも行っとくか?」


291 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/23(水) 02:10:22.27 ID:hIPe+JjL0




洋榎「そや… この前、あの店 いいんちょと行った時にな―――」


ちゃちゃのん「―――何だか、ヒロちゃんデート慣れしちょるの…」


洋榎「ん……?」

洋榎「まぁ、いいんちょとは何度か来とるし……」ゴニョ



ちゃちゃのん「いくら恋人の演技っちゅうても、胡桃ちゃんに悪いことしとるんじゃろか…」ボソッ

洋榎「いや、別にいいんちょは―――」


ギュッ


洋榎「ちゃちゃ…?」



ちゃちゃのん「せ、せっかくのつもりデートじゃけぇ、手ぇくらい繋いでもええじゃろか…///」カァァ


洋榎「え、ええけど……///」





ちゃちゃのん「えへへ、相手がヒロちゃんじゃイマイチムードにかけるんじゃが―――」


ちゃちゃのん「お芝居いうても、せっかくのデートだもんね。 今日は、ヒロちゃんで我慢しておくんじゃ……////」ギュッ



洋榎「ふん、それはウチのセリフやっちゅうねん……////」



292 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/23(水) 02:14:16.11 ID:hIPe+JjL0





―――あの赤いおっきな観覧車、最後に二人で乗ってもええじゃろか…?




「えっ、せやけど… あの観覧車って確か…」


「ちゃちゃのん―――アレに乗りたいんじゃ…」スタスタ


「待てて、何やねん… ガラにもなく強引やな……」タタッ






ゴウンゴウン  ゴウンゴウン


「うわぁ〜〜 凄っごい大パノラマじゃね♪」


「せやな、まるで人がゴミのようやで…」


「その例えは別にええわ。 ヒロちゃん、あの山は何じゃろう?」


「ありゃ、六甲山やで。 でもってあっちが生駒山で、そっちに広がっとるんが大阪湾やな!!」


「ふわぁ〜 凄いんじゃ……」






「きっと日が落ちた後の夜景も、素敵なんじゃろうね…」ポロポロ



「おいおい、こんなんでイチイチ泣くなって!?」



「あ、うん… ごめんの……」ポロポロ



「ちゃちゃのん、なんだか感動しちゃって……」ゴシゴシ





それから二人で、日の沈み始めたオレンジ色の空を ただ黙って眺めちょった――――




293 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/24(木) 00:06:57.99 ID:AHtRTqY30




ゴウンゴウン  ゴウンゴウン


洋榎「よっと、足元 気ぃつけるんやで〜」トッ

ちゃちゃのん「あ、うん… あっちゅう間の15分じゃったの…」ピョン


洋榎「そろそろバイトの時間やな」

ちゃちゃのん「そ、そうじゃね…」








ちゃちゃのん「ここじゃよ…」

洋榎「ここって、確か…!?」

ちゃちゃのん「オシャレなホテルじゃろ…」


ちゃちゃのん「関西じゃケッコー人気の結婚式場らしいんじゃが、ヒロちゃん来たことあるん?」

洋榎「あ、いや… 別に… 以前、哩のヤツが見とった雑誌で、見かけたな〜〜って!?」アセッ

ちゃちゃのん「哩ちゃんの夢は、素敵なお嫁さんじゃもんね…」フフッ





フレデリック「やぁ、いちごちゃん。 今日もベリーキュートなイチゴのツボミちゃんだね♪」

ちゃちゃのん「あ、おはようございます。 もしかして待たせてしまったじゃろか?」

フレデリック「いやいや、時間通りだよ♪ それで、そちらのお連れさんが例の…?」ホゥホゥ

洋榎「あ、どもです」ペコッ

ちゃちゃのん「は、はい。 だ、大丈夫じゃろか?」ドキドキ



フレデリック「流石いちごちゃんのご学友だ。 まだまだ原石って感じだけど、アイツに任せりゃ平気でショ!!」

ちゃちゃのん「よ、良かったんじゃ…」ホッ


294 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/24(木) 00:10:19.87 ID:AHtRTqY30



フレデリック「じゃ、撮影準備に入るから お二人ともこちらへ」コッコッ



洋榎「あのイケメンな外人さんは何者や? あの物腰、ただモンやないでぇ…」ヒソッ

ちゃちゃのん「フリージャーナリストのフレデリックさん? 前はニューヨークにおったそうじゃけど、従軍記者なんかもしとったらしいのぅ…」

ちゃちゃのん「でもそういうの感じさせん、陽気で気さくなええ人じゃよ♪」




フレデリック「ロッキー、彼女たちの衣装とメイク頼んだよ」スパァーー

ロッキー「あ、あぁ… 任せて……///」ボソッ

ロッキー「あと、ここ禁煙、だから…」ボソッ

フレデリック「おっと、コイツは失敬…」ククッ




洋榎「あの陰気なマイケル顔した 長身お姉さんは? アレもきっとただモンやないでぇ…」ヒソッ

ちゃちゃのん「天才メイキャッパーのロッキーさん? オーストラリアと東南アジアのハーフで、色々とミステリアスな人みたいじゃけど…」


フレデリック「クックック、お姉さんね〜 確かに、彼 只者じゃないぜぇ…」ククッ

洋榎「か、彼て… あ、もしかしてそっちの人なん…?」




ロッキー「少し、ここで待ってて……」ボソッ

ちゃちゃのん「あ、はい…」



295 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/24(木) 00:36:55.13 ID:AHtRTqY30



洋榎「にしても、ホンマに結婚式場の中なんやなぁ…」キョロキョロ

ちゃちゃのん「ここは18世紀フランスをイメージした『アイリスの間』ゆーそうじゃ」

洋榎「アイリスって、あのサ○ラ大戦に出てくる…?」

ちゃちゃのん「そん例えはよぅ分からんが、アイリスは『幸福』を表すフランス国花の一つじゃよ♪」



洋榎「そんなら、この黄色い紋様みたいのは?」

ちゃちゃのん「これは『フルール・ド・リス』ゆーて、アイリスやユリの花を意味しとって―――」

ちゃちゃのん「共和国になる以前のフランス王室が、紋章なんかに使っちょったりもしたそうじゃ…」


ちゃちゃのん「―――ちなみに、ユリの花もフランス国花の一つなんじゃよ」



洋榎「つーか、自分 何でそないに詳しいねん」

ちゃちゃのん「そりゃ、ま〜 仕事のことじゃし… 色々と事前に調べておいたんじゃよ…///」ゴニョゴニョ

洋榎「ま、大方そんなこったろう思ったで」シシシッ

ちゃちゃのん「ううう、うるさいんじゃよぅ……////」




ちゃちゃのん「でも、こんな素敵なトコで結婚式とか… やっぱり女の子の夢じゃよね……///」ハァ ウットリ

洋榎「せやろか、こういうトコはウチにはちょっと…」


洋榎「どうせやったら、こう―――もっとみんなでバカ騒ぎ出来るようなトコのがええねん!!」

ちゃちゃのん「くすっ、ロマンスよりも笑いのとれる式じゃろか? それはそれで、ヒロちゃんらしいんじゃ」フフッ


洋榎「そやで♪ アホみたいにスモーク炊いたり、ド派手なゴンドラで登場したり♪」

ちゃちゃのん「空中ブランコやったり、ワイヤーアクションしたり?」

洋榎「そうそう♪ 波平さんと海平さんの胸像でキャンドルサービスしたりな!!」カカッ

ちゃちゃのん「え〜〜〜〜〜」

洋榎「そこのツッコミは『海平さん、火芯が一本多いですや〜〜ん!!』やで!!」

ちゃちゃのん「いや、そんなん知らんけぇ!?」


296 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/24(木) 00:40:35.08 ID:AHtRTqY30




洋榎「ちゃちゃは―――やっぱ、こういうトコがええんか?」


ちゃちゃのん「う、うん… そりゃぁ、大好きな人と一緒ならどこでもええ思うんじゃが…」


ちゃちゃのん「やっぱり、こういうトコでの結婚式とか… ずっと憧れとったよ―――」


ちゃちゃのん「ゆ、夢、見過ぎじゃろか……////」カァァッ


洋榎「ウチの趣味やないけど… まぁ、ええんちゃう……」






洋榎「ていうか―――今更なんやけど、今日のバイトって……?」

ちゃちゃのん「うん… ジューンブライドじゃし、結婚式のPR活動のための カップル撮影っちゅう話じゃよ」

洋榎「ま、マジで!? ウチ、そんなん考慮しとらんで!?」アセッ

洋榎「大体、ウチら女同士やで―――」


ロッキー「それが、大事―――」コッコッ

ちゃちゃのん「あ、ロッキーさん…」

ロッキー「今回の企画は、最近少しずつ認知され始めた… 同性カップルに向けたもの…」



ロッキー「この式場は、以前からそういうカップルに対しても比較的 寛容…」

ロッキー「だから、この場所……」


ロッキー「この国では まだ法的に認められてないから、コレは その為の草の根活動……」

洋榎「あ、なるほど…」




洋榎「にしても、あの人 急に口数増えおったな…」ヒソッ

ちゃちゃのん「そんでヒロちゃんにゃぁ、今回の恋人役をお願いしたっちゅうわけじゃょ…」ヒソヒソ

洋榎「そう言われても、ウチ撮影なんて素人やで〜〜」

ロッキー「そういうのも、初々しくて良い…」ボソッ



ロッキー「俺もいつか、こんなトコロであの人と……////」ボソッ

洋榎「…………」



297 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/24(木) 00:44:01.58 ID:AHtRTqY30



ロッキー「完了……」ボソッ

洋榎「うぉっ、タキシード!? 初めて着たんやけど、意外と似合ってまう自分がコワイで…」

ロッキー「少し、ここで待ってて……」ボソッ




フレデリック「おぉ、なかなか良いね。 さっきの私服姿も良かったけど、そのタキシード姿もなかなかに魅力的だ♪」コツコツ

洋榎「あ、ドモです。 で、ちゃちゃのヤツは?」

フレデリック「花嫁さんなら隣の部屋で準備中。 やはりあちらの方が時間かかっちゃうからね…」



フレデリック「でも、悪いね。 本当はキミも綺麗なウエディングドレスを着たかったんじゃない?」

洋榎「ええっ、ウチは別に!? どうせ、似合わんやろし…///」

フレデリック「そんなことはないさ。 きっとキミなら綺麗な花嫁さんになると思うけどなぁ」


フレデリック「でも、ま〜 これもいちごちゃんなりの気遣いなのかもね」

洋榎「えっ…?」


フレデリック「ほら、よく言うでしょ。 結婚前にウエディングドレスを着ると婚期が遅れるって…」

洋榎「あ、あぁ……」

フレデリック「あの子、そういうジンクスとか結構気にするでしょ。 だからキミには仕事の手伝いで、そういうことさせたくなかったのかも…」


洋榎「ジンクス、ねぇ……」





梅田、HEP FIVEの観覧車に 恋人同士で乗ると別れる―――




洋榎(例のジンクスのこと、アイツは知っとったんやろか…?)


洋榎(ま、所詮 ウチらは今だけの つもりカップル… きっとどうでも良かったんやろな……)



298 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/24(木) 17:53:04.11 ID:AHtRTqY30



ギィィィ…

ロッキー「お待たせ…」ボソッ


フレデリック「お、花嫁さんのご登場だ♪」

洋榎「えっ―――?」



コッ コッ コッ


ちゃちゃのん「その、どうじゃろか――?」ドキドキ

洋榎「あ、えと……////」ドキドキ



フレデリック「ククッ… 花婿さん 言葉を失うほど、可愛いってさ…」

洋榎「そ、そんなんちゃうでぇ!? ちゃうけど、その… 白が、よう似合っとんで……////」ボソッ


ちゃちゃのん「あ、ありがと……////」




ちゃちゃのん「その、ヒロちゃんも… とっても素敵じゃよ……////」


洋榎「お、おぅ… サンキューやで……////」ポリポリ




フレデリック「まったく、初々しいねぇ。 そんじゃ、ま〜 そろそろ撮影始めさせて貰いますよ〜」スチャッ

ちゃちゃのん「あ、はい… 宜しくお願いします…」

洋榎「えと、了解や…」カタカタ

ちゃちゃのん「ヒロちゃん、ガチガチじゃの…」クスッ

洋榎「や、やかましッ!?」



パシャ パシャッ



パシャ パシャッ


299 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/24(木) 17:54:15.38 ID:AHtRTqY30




フレデリック「それでは、結婚の誓いをお願いします」


聖職者「―――誓いますか?」



洋榎「あ、えと… ち、誓いますゥ……///」



ちゃちゃのん「…………誓います///」






高校3年のインターハイ。



初めて会った時の貴方の印象は



対局中やたら話しかけて来る、とってもマナーの悪い人。



粗野で粗雑で、私が恋焦がれた王子さまとは程遠い人じゃった―――


300 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/24(木) 18:04:39.58 ID:AHtRTqY30



フレデリック「それでは、お次は指輪の交換をお願いします」


洋榎「うぅ、メッチャ緊張すんで……///」カタカタ


ちゃちゃのん「…………///」






―――大学二年目の春、私は貴女と再会した。



再会した貴女は、やっぱり粗野で粗雑で強引じゃった。



でも凄く優しくて、とっても行動力のある人だと知った。



そんな貴女に、私はいつだって振り回されっぱなしじゃった。



貴女はいつだって自由気ままに振る舞って、私に元気と勇気を分けてくれた。






そんな貴方だったから…



きっと私は、恋してしまったんじゃろうね――――



301 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/24(木) 18:19:13.87 ID:AHtRTqY30



フレデリック「それでは、お二人の誓いのキスをお願いします」


洋榎「ち、誓いのキスて……////」


洋榎「えと、演技やろ……?」





―――貴方と再会してから…



ちゃちゃのん、いっぱいの幸せもらったよ。



きっと、この人は、誰かを幸せにする力を持った人なんじゃ。






貴方への恋心。



その気持ちに気付いてから、



ずっと、私の胸を締めつけるものがあった。



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