【咲 -Saki- SS】 大学編 - いちご味 - ちゃちゃのん「おかえりなさい」

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102 :ケイ@幕間 [saga]:2015/12/15(火) 05:10:17.27 ID:4H5CS1Bo0


ちゃちゃのん「東京都 ラジオネーム『原作至上主義』さんからのお便りじゃの♪」



ちゃちゃのん「ちゃちゃのんって、こんなアホでしたっけ?」ヨミヨミ

ちゃちゃのん「私が思う原作ちゃちゃのんと、だいぶイメージ違うんですが…」ヨミヨミ


ちゃちゃのん「うぅっ… ちゃちゃのん、別にアホじゃないんじゃ……」



ちゃちゃのん「でも、そう感じたんなら、それについては もぅゴメンなさいとしか言えんかのぅ……」シュン

ちゃちゃのん「理由は、やっぱり筆者の力不足による所が大きいんじゃろうね」

やえ「ま〜〜 方言も完璧エセだしな」

ちゃちゃのん「そりゃぁ筆者が地元人じゃないけぇ、ニュアンスとかもよぅ分からんし……」ゴメンノ



ちゃちゃのん「方言については筆者の勉強不足と、そこまで拘る時間も余裕もなかったっちゅうのが大きな理由かのぅ」

ちゃちゃのん「それに仮にネイティブな方言が出来たとしても、広島弁 分からん人が理解出来ん会話になってまったら それはそれでマズイしのぅ」

ちゃちゃのん「女の子の広島弁すごく可愛ええと思うんじゃが、時々シーンと語感が合わんような場面もあって」

ちゃちゃのん「そういう時は凄く悩むんじゃが、若干変えたり、使わんかったり、書いては消して、書いては消して―――」

ちゃちゃのん「何度もそんなことばかりしちょったせいで、仕上げの時間も足りなくなるし、統一感もなくなるし(涙)」ウウウゥ…

ちゃちゃのん「ま〜 そういうどうでもええ事情みたいのあって、今のカタチになっちょるそうじゃよ……」



やえ「ま〜 ただのクソみたいな言いわけだがな……」

ちゃちゃのん「うん、まぁ〜 そうなんじゃけどね……」シュン

103 :ケイ@幕間 [saga]:2015/12/15(火) 05:13:05.39 ID:4H5CS1Bo0


ちゃちゃのん「あとこの作品は『咲 本編』ではなく、あくまで『胡桃と洋榎の大学SS』を原作にしちょるけぇ――」

ちゃちゃのん「各キャラクターの設定や喋り方なんかは、基本的にゃぁ そっちを参考にさせて貰っちょるかのぅ」


ちゃちゃのん「もっと言うとちゃちゃのんの性格は、大学SSとやきうスレを基本部分の7として―――」

ちゃちゃのん「残りの3は、松来さんがこれ迄に演じられてきたキャラの要素を、色々と取り入れた『ハイブリッドなちゃちゃのん』になっとるそうじゃ」


ちゃちゃのん「具体的にどのキャラの性格が反映されちょるのかとか、想像してみるのもマニアックな 通の楽しみ方かもしれんね♪」

やえ「そのレベルの通とか、どんだけ少数派なんだか…」



ちゃちゃのん「ま〜〜 SS作品ゆーのは初めから原作とは別モンなわけじゃし、そういうのを前提として」

ちゃちゃのん「原作は原作で当然素晴らしいけれど、これはこれでま〜 良いんじゃないくらいに思って」

ちゃちゃのん「一緒になって 前のめりに楽しんでくれたら、とっても嬉しいと思うわけじゃが――――」


ちゃちゃのん「ま〜 無理なものは無理かもしれんけぇ、あとはご本人さんの判断にお任せするしかないんじゃけどね」ペコリン


やえ「ま〜〜 だいぶメタな話をしたが、そういうことみたいだな―――」



やえ「大体 こんなニワカに優しくない話を、読んでくれる変わり者なんて本当にいるのか?」

ちゃちゃのん「ま〜 そのへんは考えても仕方ないけぇ、今は頑張って最後まで書ききる努力をするんじゃ♪」

104 :ケイ@幕間 [saga]:2015/12/15(火) 05:15:10.94 ID:4H5CS1Bo0



ちゃちゃのん「え〜〜と、続いては大阪府 ラジオネーム『おつお(本名)』くんからじゃ。本名なんじゃね?」

やえ「変な名前だな」

ちゃちゃのん「いやいや、そんなん言ったらイカンじゃろ。 ちゃちゃのんは素敵な名前じゃと思うぞ♪」


ちゃちゃのん「レモンさん、こんにちは。 いや、いちごじゃけぇ…」



ちゃちゃのん「えっと、ボクには二人の姉がいます。そしてオトンは女の人で、上の姉と同い年です」ヨミヨミ

ちゃちゃのん「因みにオカンはオトンが女子高生の時の部の顧問だったそうで、その時に出来ちゃった子がボクだったそうです」ヨミヨミ

ちゃちゃのん「複雑な家族ですけど、ボクもみんなも支え合いながら お互いのことを大事に思っています」ヨミヨミ

ちゃちゃのん「でも最近 小学校のクラスメートたちから、お前の一族呪われとるで〜っとよくバカにされます――」ヨミヨミ

ちゃちゃのん「一体 ボクはこれから、どうしたらいいんでしょうか…」ヨミヨミ



やえ「………」

ちゃちゃのん「コレ、ちょっと重いのぅ。 あと、何か理解不能で頭が痛くなってきたんじゃが…」

やえ「まぁ、心配しなさんな」

ちゃちゃのん「そっ、その心は…?」

やえ「私は小3の頃からマメすらできない」


ちゃちゃのん「えっと、それはどういうことじゃろ?」

やえ「ツライのは最初のうちだけということだ。 あと私は凄い―――」


ちゃちゃのん「えと、今はツライかもしれんけど、家族のみんながおったらきっと乗り越えていける―――っちゅうことじゃな…?」


ちゃちゃのん「おつお(本名)くん、家族を大切にして強く生きていくんじゃよ〜〜」フリフリ



ちゃちゃのん「こんな答えで、本当に大丈夫だったんじゃろか…」オズオズ

やえ「こんなアホみたいなラジオの1コーナーで、そこまで面倒みれるものかよ」

ちゃちゃのん「―――な、なんちゅうことを!?」ヤメテッ


105 :ケイ@幕間 [saga]:2015/12/15(火) 05:16:29.35 ID:4H5CS1Bo0



ちゃちゃのん「それじゃぁ、続いては北海道 ラジオネーム『DD』さんからのメールじゃ。どうもありがとの♪」


ちゃちゃのん「新キャラ増えたし、ちゃちゃのんのファンやめます」ヨミヨミ

ちゃちゃのん「……………」ズーン

やえ「ニワカか?」



ちゃちゃのん「ちゃちゃのんもなぁ、こうゆーのがファンの中での一種の愛情表現っちゅうんは分かっとるんじゃ…」

ちゃちゃのん「それは別に良いんじゃが、ちゃちゃのんノミの心臓じゃけぇ…」

ちゃちゃのん「誰かに嫌われたんじゃないかと不安になって、やっぱりちょっと悲しくて、傷つくんじゃ…」ウゥッ



やえ「愛情表現…? 単純にお前のことが嫌いになっただけではないのか…?」

ちゃちゃのん「そっ、そんなことはないんじゃ!?」

ちゃちゃのん「な、ないはず… ないと、思う… なかったら、ええんじゃが―――」シクシク



やえ「え〜い、鬱陶しい!! その程度のことでメソメソするんじゃない!!」ケリッ

ちゃちゃのん「あいたっ!? ちょっ、ヤメッ… 痛っ、本気で痛いんじゃ!?」ゲシゲシ ゲシゲシ


やえ「勝手に去る者など相手にするな。 むしろその倍ファンを増やすよう精進せんか!!」タワケガ!!

ちゃちゃのん「うぅ、分かったんじゃ。 やえちゃんありがとの…」イタタ…



ちゃちゃのん「でもたとえ愛情表現の一種だとしても、それを見た同じファンの子が傷つくこともあるけぇ」

ちゃちゃのん「使いどころはちゃんと考えて、出来れば○○のファンになりますの方をメインにしてあげて欲しいのぅ…」

ちゃちゃのん「どうかみんなに優しく、ファンの子同士仲良くのぅ♪」フリフリ



やえ「腹パン…」ボソッ

ちゃちゃのん「ひっ!?」ビクゥッ

やえ「ん、どうかしたか?」

ちゃちゃのん「あっ、イヤ… 別に何でもないんじゃ―――」ビクビク


106 :ケイ@幕間 [saga]:2015/12/15(火) 05:20:06.32 ID:4H5CS1Bo0



ちゃちゃのん「お次は長野県 ラジオネーム『ヒグラシかなかな』さんからじゃ。 どうもありがとの♪」


ちゃちゃのん「あたしはお前らのことなんて よく知らないし!!」ヨミヨミ

ちゃちゃのん「でもキャプテンがメールしてみたらって言うから、仕方なくするだけなんだし!!」ヨミヨミ

やえ「ふん、ニワカか…」


ちゃちゃのん「キャプテンがお前らに料理をご馳走したいって言うんで、招待してあげるだけだし!」ヨミヨミ

ちゃちゃのん「華菜ちゃんはもぅ誰にも負けないから、今度 麻雀で勝負だし!!」ヨミヨミ

ちゃちゃのん「て、華菜ちゃんって 言っちゃっとるんじゃ…」アリャリャ



やえ「風越の猫又娘からの挑戦状か、面白い――」ニッ

やえ「よし、今から乗り込むぞ! もちろんお前も一緒に行くぞ、いちご!!」スック

ちゃちゃのん「えっ、今から!? じゃってまだオンエアー中―――」アセッ

やえ「後は例のオクラ入りフィルムの音声部分でも、てきとうに流しておけば良いだろう! さっ、行くぞ!!」

ちゃちゃのん「えっ、アレ―――?」スタッフサン?


ちゃちゃのん「あ、ええんじゃ…」バカナ…



ちゃちゃのん「そっ、そんなわけで今回の『チャチャのんのん☆Radio♪』は これにてシマイじゃ!!」アセアセッ

ちゃちゃのん「色々とグダグダじゃったと思うが、ホンの少しでも楽しんで貰えたじゃろか?」

ちゃちゃのん「それじゃ 音声の後の本編 第二章『愛が咲いた日』の方も、楽しんで貰えたらとっても嬉しいんじゃ―――」


ちゃちゃのん「じゃあの♪」フリフリ


107 :ケイ@幕間 [saga]:2015/12/15(火) 05:21:15.90 ID:4H5CS1Bo0



やえ「いちご、遅いぞ〜〜〜!!」

ちゃちゃのん「やえちゃん、ゴメンのぅ!!」アワワッ



やえ「ほら、私の手を握ると良い」スッ

ちゃちゃのん「あ、うん…」



ちゃちゃのん(やえちゃんの手、とっても力強くて温かいんじゃ…)


ちゃちゃのん(やえちゃんに手を引かれて走ったことが、前にもどこかであったような気がするのぅ…)



ちゃちゃのん(でもそれは、きっとここではない どこかなんじゃな―――)




ちゃちゃのん「やえちゃん、ありがとの―――」ギュッ


やえ「ん、あぁ… 気にするな――――」ギュッ


タッタッタッタッ…





カンッ!



108 :ケイ@幕間 [saga]:2015/12/15(火) 05:23:34.12 ID:4H5CS1Bo0



【オクラ入りフィルム・音声部分】



洋榎「近道したところ、足がミゾにはまってもうたんや」




突然やけど、ウチの名前は愛宕 洋榎(超絶☆美少女である)


高校の頃は麻雀部の部長とかして人望もあり、チーム不動のエースやった(有り余る才能がコワイでホンマ)



これはそんな西の天才セサリスト・愛宕 洋榎ちゃんの身に起きた 忌まわしき事件である――――





今 ウチは、とっても困っとる。


大学の帰り道、知り合いの店に行こう思って近道したところ、足がミゾにはまってもうたんや。



洋榎「ぬ、抜けへん。 全く何やねん、この状況…」クッ

洋榎「しかもこんな日に限って、ケータイ忘れるとはなぁ…」アカン

洋榎「何や よー分からんのやけど、この状況は非常にヤバイとウチのセブンセンシズが囁いとんで…」


洋榎「かと言って、こんな裏道に誰も人なんて来るわけが―――」




がさっ…

洋榎「て、さっそく誰か来たやん!?」ナゼッ!?


洋榎「あっ! あんたは!?」

ちゃちゃのん「!?」



洋榎「て、ちゃちゃかぃ…」ハァ

ちゃちゃのん「およよ… ヒロちゃんじゃ。 こんなトコで何しちょるんじゃ?」


洋榎「見て分からんのかい! 足がミゾにハマってもうたんや…」

ちゃちゃのん「あ、ホンマじゃ…」ジロジロ



ちゃちゃのん「フムフム…」ウロウロ

洋榎「何をいつまでも見とんねん! 早よ助けてーな!!」

ちゃちゃのん「あ、うん… そうじゃったの。 見事なハマり具合に、ちゃちゃのん見惚れてしまったんじゃ…」ウッカリジャ


洋榎「何や自分、いつも以上に変やで…?」


ちゃちゃのん「とりあえず、ちゃちゃのんは どうしたらええんじゃろ―――?」


109 :ケイ@幕間 [saga]:2015/12/15(火) 05:24:48.20 ID:4H5CS1Bo0




洋榎「あ、ま〜 とりあえず 電話持っとるんなら貸してくれや?」チョイチョイ


ちゃちゃのん「ほーか、ほーか、ヒロちゃんの足を引っ張ればええんじゃな―――」フムフム

洋榎「ん、そんなこと言ってへんけど…?」



ちゃちゃのん「ヨイショっと…」


グイーーーーー


洋榎「あいたたた〜〜〜〜っ!! 痛い、痛い、痛いわ、ボケェ!!」

ちゃちゃのん「あっ、ゴメンの」パッ

洋榎「痛った〜〜〜 自分、ホンマ何やねん!!」

洋榎「誰も無理やり引っ張れなんて言うとらんやろ!!」

ちゃちゃのん「スマンのぅ…」テヘヘ



ちゃちゃのん「あ、そうじゃ… ちゃちゃのん名案を思いついたんじゃ!!」ポンッ

洋榎「おっ、何や何や?」




ちゃちゃのん「―――聴いて下さい、ちゃちゃのん音頭♪」

洋榎「はい…?」



ちゃちゃのん「いちごのように〜 かわいくて〜♪」

洋榎(うぉっ、コイツ 突然に歌い出しおったで!?)



ちゃちゃのん「いちごのように〜 甘酸っぱい〜♪」

洋榎「おぅ、ちゃちゃ… 自分 ホンマどうしたんや? 今日の自分、マジで何やおかしいで?」ゾッ



ちゃちゃのん「それがいちごの、生きる道〜〜〜♪」

洋榎(ヤバイ。コイツ誰かに操られとるみたいに、まるで瞳に光が宿っとらん―――)ブルブル



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪



110 :ケイ@幕間 [saga]:2015/12/15(火) 05:25:50.32 ID:4H5CS1Bo0



ちゃちゃのん「ちゃちゃのん音頭、どうじゃったかの?」ワクワク


洋榎「あ… ええんちゃうか(とりあえず、刺激せんようしとくか…)」ハハッ

ちゃちゃのん「ほうじゃろ、ほうじゃろ♪ ちゃちゃのんみたいに、かわええ歌じゃろ〜♪」ニッコニコ

洋榎「…せやな」イラッ



洋榎「そんなことより、早よ助けて〜な…」

ちゃちゃのん「そんなこと―――?」

洋榎「あ、メッチャええ歌やったで〜 もぅ全米のウチが泣いたんちゃうか!!」ヘヘヘ

ちゃちゃのん「ほうじゃろ、ほうじゃろ♪ ちゃちゃのんみたいに、かわええ歌じゃろ〜〜♪」ニッコニコ

洋榎(殴りてぇ…)イライラッ



ちゃちゃのん「とりあえず、もぅ一回 引っ張ってみようかの―――」ズイッ

ズボッ


ちゃちゃのん「あ…」

洋榎「あ…」



ちゃちゃのん「ん、しょ…」グイグイッ

ちゃちゃのん「へへへっ、ちゃちゃのんの子鹿のような足も、ハマってもうたみたいじゃ…」テレッ

洋榎「自分、ホンマふざけんな!! マジで何やねん!!」

ちゃちゃのん「えへへ、ちゃちゃのんはうっかりさんじゃけぇ…」テヘペロッ

洋榎(こんのド畜生がぁ〜〜〜〜)ブルブル



洋榎「自分、もぅええわ。 とりあえずケータイ貸し、レスキューでも呼べば何とかなるやろ」

ちゃちゃのん「残念ながら、バッテリー切れじゃ…」

洋榎「―――使えんヤツやな」ボソッ

ちゃちゃのん「今、なんか言うたじゃろ…」

洋榎「別にぃ…」


111 :ケイ@幕間 [saga]:2015/12/15(火) 05:28:03.26 ID:4H5CS1Bo0



洋榎(はぁ〜〜 マジでどないしよ。 こんな裏道、普通 誰も通らんやろ〜し……)


ちゃちゃのん「はぁ、ちゃちゃのんの優しすぎる心が あだになってしまったのう…」ヤレヤレジャ

洋榎「…………」イラッ



洋榎(しかも一緒におんのが、こんな突然歌い出すような 頭クルクルパーのアホたれやで……)


洋榎(あぁ〜〜 絹ぅ〜〜 助けてくれ〜〜〜〜)

洋榎(今度ブラジル人で住所不定の天然パーマおじさん、家に居候させてあげたい言うても反対なんかせんから〜〜〜)



ガサッ

絹恵「――あれぇ、お姉ちゃん。 こないなトコで何しとるんや?」

洋榎「おわっ!? 何で絹がこないなトコに!!」

絹恵「何でやったかなぁ、気がついたら いつの間にかこんなトコに来とったわ……?」


洋榎「なんやそら。 まぁ〜〜 今は何でもええわ―――」

洋榎「早く、ここから助けてくれへんか!? 足がミゾにハマってもぅたんや!!」(懇願)

ちゃちゃのん「ちゃちゃのんからも お願いじゃ〜〜!!」(同上)



絹恵「あれ、もしかして佐々野 いちごさん!?」

ちゃちゃのん「うん、ちゃちゃのんは 佐々野いちごじゃよぉ〜〜♪」


洋榎「おっ、おい、絹!? 佐々野とか、どうでもええから―――」オイオイ

絹恵「お姉ちゃん、私 佐々野さんと話しとるんやで。 ちょっと黙っとってな〜〜〜」キッ

洋榎「あ、はい……」



絹恵「私、佐々野さんのファンなんですよ〜〜♪ 写メ お願いしてもええですか〜〜?」ワァッ

ちゃちゃのん「えへへぇ、それは嬉しいのぅ〜 可愛く撮ってな〜〜〜♪」ポーズ


絹恵「はい、ポーズ」パシャ


洋榎「……………」


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112 :ケイ@幕間 [saga]:2015/12/15(火) 05:30:07.39 ID:4H5CS1Bo0



絹恵「うん、とっても可愛く撮れた♪」フフッ

ちゃちゃのん「え〜〜 ちゃちゃのんにも、見せて見せて〜〜♪」やいやいや

洋榎「いや あの〜〜 そんなことより、そろそろ助けをやな……」



ピロピロピロ


絹恵「あっ、電話や―――!?」ピッ

絹恵「あ、オカン? あ〜 うん、そうなんだ… 了解やで〜〜」


洋榎(何でこの状況で、電話とか普通にしとんねん……)

ちゃちゃのん(やっぱりちゃちゃのんは、写真映りの方もバッチリじゃのぅ〜〜〜♪)ルンルン


絹恵「ゴメンな〜〜 オカンからの急な呼び出しや。 私そろそろ行かなくちゃ―――」バイバイ

洋榎「えっ、ちょっ、絹!? ウソやろ、せめて携帯を―――」

ちゃちゃのん「急な呼び出しじゃ、しゃあないのぉ。 忙しいとこスマンかったのぅ〜〜」フリフリ

絹恵「そんな、私も楽しかったですよ。 あっ、お姉ちゃん。 オカンが夕飯までには 帰って来い言っとったで―――」 ジャッ


タッタッタッ… シーーーン




洋榎「…………うおぉ〜〜〜いぃ!! いったい、何やね〜〜〜〜〜〜ん!!!」(怒号)


ちゃちゃのん「わっ、急に大きな声とか出してどうしたんじゃ。 ビックリするじゃろ……?」

洋榎「自分もさっきから何やねん!! 今、助けてもらう絶好のチャンスやったろ!?」ウガーー


ちゃちゃのん「……あっ、ホンマじゃね。 ちゃちゃのん、すっかり忘れちょったんじゃ…」テヘヘッ

洋榎「ぐぬぬぬ…… コイツはぁ〜〜〜」ブルブル

ちゃちゃのん「ヒロちゃんは、とりあえず少し落ち着いた方がええ思うでぇ〜〜」

洋榎(何で急にエセ大阪弁やねん……)イラッ


113 :ケイ@幕間 [saga]:2015/12/15(火) 05:32:23.59 ID:4H5CS1Bo0


ちゃちゃのん「そんな心配せんでも、大丈夫じゃって。 きっとまた心優しい人が 助けに来てくれるじゃろ〜〜」

洋榎「あのな〜〜 こんな辺鄙な裏通り、そうそう人なんて来るわけないやろ―――」



ガササッ

洋榎「!?」

ちゃちゃのん「ほら、やっぱり来てくれたんじゃ♪」

洋榎「は、うそやろ……?」




塞「あっ、あれ。 洋榎とちゃちゃのん――――」カチコチ

ちゃちゃのん「あっ、塞ちゃんじゃ〜〜 やっほ〜〜〜♪」フリフリ

洋榎「このアホはど〜〜でもええから、早くウチを助けてくれんか!?」

塞「えっ!?」

ちゃちゃのん「………ヒロちゃんは酷いことを言うのぅ」




塞「―――なるほど、二人ともミゾに足がハマっちゃったんだ」フムフム

洋榎「そうなんや。 早よ、何とかしてくれへんか〜〜〜!!」


塞「うん、分かった。 それじゃあ、とりあえずちゃちゃのんから―――」

洋榎「えっ、何で!?」

塞「えっ、駄目だった……?」キョトン

ちゃちゃのん「ヒロちゃん………?」



洋榎(何やここでグダグダ騒いどったら、まるでウチが器の小さい人間みたいやん……)


洋榎(どうせ二人とも助けてくれるはずやし、ここは冷静にウチの番を待つんや。 待つんやで洋榎……)ググッ



塞「それじゃぁ、ちゃちゃのん引っ張るね」

ちゃちゃのん「う、うん」



すぽっ

塞「あれ、何か思ったより簡単に抜けたね」

ちゃちゃのん「まぁ、ちゃちゃのんの足は細いからのぅ」ヘヘンッ

洋榎「………」イラッ


114 :ケイ@幕間 [saga]:2015/12/15(火) 05:34:42.44 ID:4H5CS1Bo0


洋榎「じゃあ、お次はいよいよ…」ヨッシャ


塞「あ、ちゃちゃのん、足首の所ケガしてるよ」

ちゃちゃあのん「あっ本当じゃ。 どうりで痛いと思ったんじゃ……」

塞「バイキンとか入ったら大変だよ。 早くお医者さんに見てもらわないと。 歩ける?」

ちゃちゃのん「うん、ゆっくりじゃったら………」イタタッ



塞「それじゃぁ、ちょっとちゃちゃのん病院まで送ってくるから」

洋榎「いやいやいやいや、ちょっと待たんか〜〜〜〜い!!」

洋榎「その前にウチのこともチョチョイと助けてや!! 病院はその後でもええやろ!!」



塞「ちゃちゃのん病院まで送ったらまた来るから。 少しの間くらい待てるでしょ」

洋榎「いやいや、無理無理無理!! 実はウチも足が痛いねん。 きっと折れとるんや、助けて〜〜なぁ!!」イタタターー

塞「いや、それ絶対に嘘だよね……」シラーー



洋榎「いや、まぁ… それは、その……」ウッ

ちゃちゃのん「ヒロちゃん、ウソは良くないんじゃよぉ…」(同情の眼差し)

洋榎「じゃかぁしいわ!! 自分に言われると、通常の三倍は腹立つでぇ!!」ムキーーー



塞「もぅ付き合いきれないよ。 ちゃちゃのん行こう…」

ちゃちゃのん「う、うん… ヒロちゃん、ゴメンのぅ。 後で助けに来るからのぅ〜〜」ヒョコヒョコ


スタスタ…… シーーーン




洋榎「……行ってもうた。 また一人か」

洋榎「ちゃちゃのヤツはクソの役にも立たんかったが、やっぱ一人は寂しいで……」


115 :ケイ@幕間 [saga]:2015/12/15(火) 05:36:13.40 ID:4H5CS1Bo0



洋榎「な〜〜に、どうせまたすぐにガサゴソと、誰かがやって来るんやろ……」ヘヘッ



シーーーン


カァー カァー カァー


洋榎「誰も来ないな……」




シーーーン


洋榎「もぅ辺りはすっかり真っ暗。 カラスも帰ってまったで……」




洋榎「……うっ、ひっく、うぅ………」

洋榎「うわ〜〜〜〜〜〜ん!!」(大泣き)

洋榎「寒いよ〜〜 お腹空いたよ〜〜 一人は寂しいよぉ〜〜〜!!」

洋榎「絹〜〜〜 オカン〜〜〜 誰か助けて〜〜〜な〜〜〜〜!!」ウワーーン ワンワン




シーーーン


洋榎「もし雨とか降ってきたら、どないしよう……」


洋榎「うぅ、ウチ、このままここで死んでまうんやろか……」




ガササッ


洋榎「!?」ビクッ


116 :ケイ@幕間 [saga]:2015/12/15(火) 05:39:18.66 ID:4H5CS1Bo0



雅枝「洋榎〜〜」


洋榎「おっ、オカン〜〜〜!!」

洋榎「うわ〜〜〜〜ん!! ウチ、ホンマ怖かったんやで〜〜〜〜!!」ダキツキッ



雅枝「洋榎〜〜〜」

洋榎「―――ん、オカン…? なんか様子変やで? それにその手に持った 凶悪な釘バットは何やねん?」タジッ



雅枝「洋榎ぇ、夕飯までに帰れ言うたやろ〜〜 そないな悪い子にはお仕置きやで〜〜〜〜」ゴゴゴゴ

洋榎「えぇっ、帰れ言われても、ミゾに足がハマってしもうたんやで!?」ホレホレ


雅枝「だからこのバットで、自分のケツかち上げて 引っこ抜いたろ言うとるんやないか〜〜〜」ゴゴゴゴ

洋榎「アカン、このオカン瞳に光が宿っとらん。 まるで誰かに操られとるみたいや……」



雅枝「今から 私はお前を殴る! ていうか、かち上げる!!」

雅枝「しかし、これはバツのためじゃない、お前を励ますためなんや!!」

洋榎「ちょ〜〜〜 何やその泣き虫先生超ひも理論!?」




バッチィ〜〜〜〜〜ンッ!!

洋榎「うぎゃああああぁぁぁ!!」(漫☆画太郎風)

ピクピク ピクピク



雅枝「あれっ、私はいったい――――?」ハッ

雅枝「確か絹から洋榎がミゾにハマっとる聞いて、迎えに出たはずなんやけど―――」キョロキョロ



雅枝「ん、洋榎…? こないなとこで、そない真っ赤に尻腫らして何 倒れとるんや?」





洋榎「…………あはっ」ブチンッ


117 :ケイ@幕間 [saga]:2015/12/15(火) 05:46:43.31 ID:4H5CS1Bo0



洋榎「あはははははははははははははははははははははははははh」

雅枝「洋榎!?」ギョッ



洋榎「なんやこれーー!! めっちゃおもろいやーーん!!」あはははははは

洋榎「なんで誰もウチのこと助けてくれへんの〜〜〜〜!!」あはははははは

洋榎「必死にお願いしたよなぁ。 聞こえなかったとかないやろぉ〜〜〜!!」あはははははは

洋榎「そっちがその気やったら、こっからは地獄甲子園編の開幕やで〜〜〜〜!!」あはははははは


雅枝「ひっ、洋榎。 と、とりあえずちょっと落ち着こうなぁ………」ドードーヤデ



洋榎「ええで、ええで〜〜 今からウチはオカンを襲えばええんやな〜〜〜〜!!」ぐへへ


洋榎「すまんなぁオカン。 これも神の見えざる意思いうヤツやねん………」ワキワキ ツカツカ


雅枝「あ、足もぅ抜けとるみたいやで。 良かったな洋榎〜〜〜」アセアセッ



洋榎「こっから先は18禁に突入や〜〜〜〜〜〜!!」ヒャホーーーッ

雅枝「ひっ、ひろえ〜〜〜〜〜!?」ギャーーーー







キンクリッ(まさに外道!!!)




塞「―――洋榎、約束通り戻ったわよ」スタスタ

ちゃちゃのん「ヒロちゃ〜〜〜ん、お待たせしたの〜〜〜」ブンブン

胡桃「ちょっとぉ、何で私まで……」

絹恵「ま〜 ま〜 丁度途中で会ったのも、何かの縁ですし―――」





雅枝「」ヒクヒク ハテッ

一同「「え"っ………」」ビクッ




ゆら〜〜〜り…


洋榎「自分らもか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」キシャーーーッ






もいっこカンッ!!


幕間 終劇


118 :駄文@溝シリーズについて [sage saga]:2015/12/15(火) 05:50:31.31 ID:4H5CS1Bo0



アホな内容でスミマセン。


筆者ではあの伝説の溝シリーズのような、ぶっとんだ鬼畜安価展開は到底出来ないです(今回は特にまんま使わせてもらった感じです)



これはOSaKadAteQさんや、他の安価スレを書かれてる方にしてもそうなんですが


このシリーズのイッチさんは無茶ぶり安価への対応が本当に上手で、とても筆者には出来ないな〜と感心させられます。


このシリーズのちゃちゃのんは、可愛いんだけどイラつく面白いキャラになってますね。




この溝シリーズとちゃちゃのん音頭シリーズによって、SS界隈での洋榎、ちゃちゃのんの組み合わせは かなり認知度を上げたんじゃないでしょうか。


そういう意味でも、ちゃちゃのんSSを語るうえでは外せない作品だと思います(笑)




もし興味を持たれた方は、是非 一度読んでみて下さい。


尚、ミゾシリーズにはエロ、シモ、バイオレンス要素が多々含まれますので、そのへんは自己責任で宜しくお願いします。


119 :駄文@2章は早ければ今夜投下します [sage saga]:2015/12/15(火) 05:57:22.25 ID:4H5CS1Bo0


【ネタ元作品等をいくつか紹介します】


・えり「近年巷では捨てちゃちゃのんが増えて問題となっています」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1353842575

捨てちゃちゃのん。 この作品のほのぼのとした感じにとても癒されます。



・ちゃちゃのん「現実から逃げ出したい……」
http://blog.livedoor.jp/ssweaver/archives/25511696.html

ちゃちゃのんとやえさんのSS。 二人の魅力がとても伝わる名作だと思います。





【溝シリーズ・ちゃちゃのん音頭シリーズ】


・洋榎「近道したら足がミゾにはまってもうた」※安価スレ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1351582240/

溝シリーズ、始まりの基本形。 今回の話はこのネタをほぼ使わせて貰ってます。

尚 溝シリーズのネタ元は某エロ漫画なので、R18要素が安価に含まれやすいのはそのためだと思います。



・ちゃちゃのん「帰り道に足がミゾにはまってしもうた」※安価スレ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1390562679/

溝シリーズちゃちゃのんver。 ちゃちゃのんを助けてあげて下さい。



・いちご「ちゃちゃのん音頭のCDが全く売れんのう・・・」※安価スレ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1352697243/l50

ちゃちゃのん音頭シリーズ。 腹パン。 イケメンじゃない方のシロという言葉が個人的にツボです。



・玄「花田さんの頭のあれは、甘いフルーツの房!?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1354614617/l50

カオスな内容ですけど、何か好きなんですよね。



・洋榎「妙な二人組に絡まれてもうた」\ワハハー/ \サトミー/ ※安価スレ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1358071415/l50

ちゃちゃのん出ません。 とにかくラストが笑撃的過ぎます。




・SS紹介 ちゃちゃのん音頭シリーズ(○○にはまるシリーズ)

筆者がお世話になった、まとめサイトです。 現在 紹介されているURL(リンク)は、ほぼ生きてませんが名前で検索してました。


120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/15(火) 08:02:13.54 ID:DP+T1lwjO
121 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [sage saga]:2015/12/15(火) 20:44:46.53 ID:4H5CS1Bo0









【咲-Saki- SS】 ちゃちゃのん・大学編 -いちご味-



ちゃちゃのん「おかえりなさい」









第二章 愛が咲いた日














122 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 20:48:05.07 ID:4H5CS1Bo0




天使のように愛らしい女の子。


子どもの頃はよぅそうやって、周囲から もてはやされちょった。




小学に通うようになった頃から、たびたび男の子たちから告白を受けた。


昔から気の弱かったちゃちゃのんは、それを上手に断ることも出来ず。


ただただ相手が諦めてくれるのを待ち続け、しまいにゃぁ泣き出す始末。



時にゃぁ そんことが、あらぬ誤解を招き問題となった……




『玉美ちゃんが広瀬くんのこと好きって知ってるくせに、広瀬くんを盗った!!』



ちゃちゃのん、ただ告白されただけなのに…


女の子たちからは男好き、ぶりっ子、泥棒ネコなどと陰口を叩かれ…



つらくても、悲しくても、ただ大人しくジッと耐え、文句ひとつ言えずに泣いているような…



そんな大人しいだけの子じゃった――――





クラス替えのたびにそんなことが起こり


噂を立てられないよう、ちゃちゃのん 出来るだけ男の子たちと距離をおくようになった。



男の子たちからの告白も、いつの頃からか本気のものではなくなり


ちゃちゃのんが断りきれず困ってる姿を見て、他の子たちが楽しむというような遊びに変わっていった。




そんなちゃちゃのんを支えてくれたんが、鹿老渡の婆っちゃや近所の爺っちゃたち。


ちゃちゃのんの楽しみは、婆っちゃたちとの麻雀と、アイドルになるという空想に胸を躍らせることじゃった――――


123 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 20:49:15.40 ID:4H5CS1Bo0



大学生になり、たびたび合コンや飲み会に誘われたが大半はお茶を濁して断った。



男子たちからの強引なお誘いを断りきれず、参加したサークルの飲み会。


男子たちからはもの珍しげにあれこれと質問攻めされ、やたらお酒を勧められ…


多くの女子たちからは白い目で見られ、そこはとても居心地 悪い場所じゃった。



大体まだ未成年なのに、何でみんな平気でお酒とか飲んどるんじゃろ…?


ちゃちゃのんがソフトドリンク飲んどると、ノリが悪いと非難され、周囲はイッキコールで盛り上がる。


突然放り込まれた大学生という場のノリっちゅうモンにも、ちゃちゃのんはどうも馴染めんかった。




一部の女子たちから、たびたび合コンのメンバーに誘われた。


どうもちゃちゃのんおると、医大生など上のランクの男子学生さんたちとの合コンがセッティングしやすいからということらしい。



体良く利用されちょるんじゃろうな、ということは分かっちょったんじゃが…


ちゃちゃのんたちの新設キャンパスにゃぁ学部が一つしかなく、授業メンバーも大体同じ顔ばかり…


そんな中であまり波風立てたくもなかったんで、時々 顔だけ出してちゃちゃのんは早めに切り上げた。





暫くして、ちゃちゃのんが枕やっちょるいう噂が流れた。


隔離キャンパスじゃったから、そんな噂はすぐ全体に広まった。


あることないこと囁かれ、ちゃちゃのんは周囲から奇異の目に晒された。



みんなにとって大切なのは本当ではなく、面白おかしいスキャンダルだったんじゃろう―――


124 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 20:50:19.56 ID:4H5CS1Bo0



そんなちゃちゃのんじゃったが、大学2回生の春にヒロちゃんたちと再会した。


愛想笑いでなく、本当の笑顔でいられる場所を ちゃちゃのんは得ることが出来たんじゃ。





ちゃちゃのん「そんでヒロちゃん、この前の胡桃ちゃんとの誕生日デートは楽しかったん?」

洋榎「デートて…///」

洋榎「ん、まぁ… そうやな、オモロかったで〜〜」ニカッ



ちゃちゃのん「ほうじゃ、ツイッターに万馬券当てた書いとったがありゃぁホントけ?」

洋榎「お、おぅ…」ドキッ


ちゃちゃのん「ほぇ〜 ヒロちゃんは、ギャンブル運もスゴイんじゃの〜〜」

ちゃちゃのん「あの後 いっさい続報 流れんかったけぇ、ちゃちゃのんてっきり万馬券失くしたんかと思ったんじゃ―――」


洋榎「うぐぅっ(全くもって、その通りやっちゅうねん…)」グヌヌ



洋榎「そうそう、この前ちゃちゃと行った雑貨屋。 いいんちょに教えたったら、気に入ったみたいやで!!」

ちゃちゃのん「え、胡桃ちゃんに!?」

洋榎「そやで… ん、もしかして教えたのマズかったか…?」


ちゃちゃのん「そ、そんなことはないけぇ!! ほんで胡桃ちゃんも楽しんでくれたんじゃろか?」

洋榎「お〜 いいんちょんヤツも意外と乗り気になって、後半は二人でメッチャはしゃいだで〜〜〜」



ちゃちゃのん「そか、良かったんじゃ…」


ちゃちゃのん「胡桃ちゃんのせっかくのハタチの誕生日が、酷い思い出にならんでホンに良かったのぅ」


洋榎「確かに… ハタチの誕生日ん思い出が、漫のヤツの爆発じゃ〜 あんまりやしな〜〜」カカッ

ちゃちゃのん「まったくじゃね…」ヘヘヘ


125 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 20:52:06.03 ID:4H5CS1Bo0


【先日 行われた胡桃ちゃんのハタチのお誕生会】



洋榎「と、いうわけで、いいんちょ誕生日おめでとーー!!」

パンパンパーーーン


ちゃちゃのん「胡桃ちゃん、ハタチおめでとなんじゃ♪」カンパーイ

塞「胡桃、誕生日おめでとう」カンパイ

漫「おめでとうございます先生!!」カンパーイ

絹恵「胡桃さん、お誕生日おめでとです」カンパイ

胡桃「うん、みんなどうもありがとう♪」カンパイ


セーラ「これで堂々とビール買えるようなったなーー」ゴキュゴキュ

洋榎「いいんちょのナリじゃ、学生証 出さな捕まんで〜〜!!」

胡桃「そこ、うるさい!!」


胡桃「ねぇ、哩さん。 お店貸し切らせてもらっちゃったりして 大丈夫だったの?」

哩「ま、お前らは常連やしな。 店長も誕生日祝い言うとるし気にせんでええよ…」




洋榎「はい、スピリタスーー!!」テケテケッ


洋榎「でもって、泡盛との焼酎割り〜〜」ドバドバー

胡桃「ちゃんぽんだよ、それは!!」

洋榎「ほら、さあ、ぐいっと!!」

胡桃「絶対いや!!」ブンブン



漫「あっ、飲まないんですか?」

漫「じゃあも〜〜らい」 グイッ

セーラ「あ」

洋榎「あっ!」

胡桃「!!」

塞「あちゃー……」


漫「あ、もしかして乾杯まだしてなかっ――――」


126 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 20:53:44.31 ID:4H5CS1Bo0


ドババババババババ

洋榎「ぎゃーーーーっ、漫が爆発しおった〜〜!!」ウォォッ

胡桃「ネウロの被害者みたいなビジュアルで 胃液吐いてるぅっ!!」ヒィッ

絹恵「いや〜っ!! 胡桃さんにプレゼントした SGGK森崎選手のサインがぁっ!?」ギャー



漫「」ビクッ ビビクンッ

ちゃちゃのん「ちょ、痙攣しちょるよ!?」アセアセ

塞「仰向けにして、ゲロで溺れるわ!!」

ちゃちゃのん「ふぇ、仰向けって危ないんじゃ――」アワワッ

セーラ「寝ゲロさすなら、とりあえず頭を少し高くして横向けとき!! ジミヘンやボンゾみたいんなってまうで〜!?」



哩「うわっ、何やってんだ!?」

塞「そっち持って!!」

セーラ「こら、自分とりあえず大人しくしとき!!」

バタバタバタバタ




胡桃「……」

塞「あ、胡桃は外出てて」

胡桃「え?」


塞「誕生日、台無しにしてごめん――」

ちゃちゃのん「あはは… せめて楽しんできて欲しいけぇ、ここは任せてくれてええよ―――」

胡桃「で、でも……」

哩「私からも頼む」

哩「こいつちょっと外に出して、見張っておいてくれ」

洋榎「え、ウチも退場!?」

哩「当たり前だ。 出禁にせんだけ感謝してほしいばい…」


洋榎「うぅ……」


127 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 20:55:42.56 ID:4H5CS1Bo0



パタパタ パタパタ



ちゃちゃのん「塞ちゃ〜ん、漫ちゃんの方はどうにか落ち着いたみたいじゃ。 今は絹ちゃんが一緒じゃよ」タッタ…

塞「ふぅ、了解。 店の掃除の方もあらかた片付いたトコ…」ハァ


哩「自分ら客なのに、手伝ってもらったりしてスマンかったなぁ」

塞「まぁ、汚したのは私たちだしね。 気にしないでよ」プーン


哩「それにしても、自分くっさいな〜〜」ウグッ

塞「悪かったわね。ずっと吐瀉物の中心で、漫ちゃん塞いでたのよ…」クッ

ちゃちゃのん「あはは、それは塞ちゃんお疲れさんじゃったね」

哩「備え付けの使ってええから、とりあえず今着てるもん洗濯してシャワーでも浴びてこいや」

塞「えっ、でも着替え――」

ちゃちゃのん「ちゃちゃのん仕事帰りじゃけぇ、着替えあるよ。良かったら使ってくれてええんじゃ♪」

塞「あ、うん… どうもありがと…」





塞「はぁ〜 ようやくスッキリしたわ。 本当に今日は思い出深い誕生日パーティーになったわ」

ちゃちゃのん「あはは、漫ちゃんの記憶にゃぁ いっさい残っちょらんかもじゃけどね」ヘヘ

塞「ちゃちゃのん、この洋服どうもありがとね」

ちゃちゃのん「え〜よ、え〜よ♪ 塞ちゃんとは体型もそんなに変わらんしのぅ」



セーラ「何やいちご、それ仕事着かぁ〜 何か歌ったり踊ったりしてくれるんか〜?」ヌッ

ちゃちゃのん「いや、しないから!!」モゥ

塞「あはは、さっきまでちゃちゃのんが着てた方を借りちゃったからね」

ちゃちゃのん「ゴメンの、一度着たのとか貸して」テレッ

塞「気にしないで、ちょっと良い匂いするしね」スンスンッ

ちゃちゃのん「――――///」

128 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 20:57:24.79 ID:4H5CS1Bo0


塞「胡桃たち、今頃どうしてるかなぁ…」

ちゃちゃのん「…………」


塞「案外 私たちのこととか忘れて、楽しいデートの真っ最中かもね」ハハッ

ちゃちゃのん「―――そうかもしれんのぅ」



塞「………」

塞「ちゃちゃのんは良かったの…?」

ちゃちゃのん「へっ、何がじゃ…?」


塞「二人だけで送り出しちゃってさ―――」



ちゃちゃのん「ヒロちゃんも胡桃ちゃんも、ちゃちゃのんにとって大事なお友達じゃ…」

ちゃちゃのん「胡桃ちゃんのハタチの誕生日が楽しい思い出になるんなら、それはとっても嬉しいことじゃよ…」


塞「―――そうだね」





ちゃちゃのん「―――塞ちゃんこそ、何で胡桃ちゃんと行かんかったんじゃ?」

塞「えっ…?」



ちゃちゃのん「じゃって、塞ちゃんと胡桃ちゃんは昔からの親友同士じゃろ」

ちゃちゃのん「今日だって、みんなでのパーティーなければ 二人でお祝いやるはずだったってゆーし…」

ちゃちゃのん「毎週、二人でお泊まり会もやっちょる聞いたし… その……///」



ちゃちゃのん「ちゃちゃのんは… 胡桃ちゃんのエスコート役は、てっきり塞ちゃんじゃと―――」


129 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 20:59:13.28 ID:4H5CS1Bo0


塞「ま、毎回 同じ顔だと… いい加減、胡桃のヤツも飽きるかなってね―――」ハハ


塞「それに胡桃はまだまだ外の世界を知らなさ過ぎると思うの。 だから、こういうのも良い勉強になるかな〜って思うわけ…」ポリポリ


ちゃちゃのん「……ふふっ、塞ちゃん。 何だか、胡桃ちゃんのお母さんみたいじゃね」ヘヘヘ

塞「ちゃちゃのん、それは酷いよ〜」

ちゃちゃのん「あはは、ゴメンの。 胡桃ちゃんの話をする時の塞ちゃん、心底 胡桃ちゃんのこと心配しちょるように見えたけぇ…」

塞「そ、そりゃ心配だよ。 ずっと一緒に育ってきた姉妹みたいなものだし―――」


塞「心配… しないわけないよ……」ボソッ



ちゃちゃのん「えへへ、胡桃ちゃんは幸せモンじゃね」

ちゃちゃのん「ちゃちゃのんにも、そんな素敵な王子さまが現れんかのぅ…」ボソッ




塞「ちゃちゃのんってさ、もしかして理想の恋人が王子さまとかなの?」

ちゃちゃのん「えっ、ちゃちゃのんの理想の恋人が白馬の王子さまって、何で分かったんじゃ!?」ドキッ


塞「いや、分かるでしょ。 ていうか、大学生になって白馬って…」ブフッ

ちゃちゃのん「な、なんで笑うんじゃ〜〜///」カァァ



塞「馬って…… ジョッキーなの、北アメリカ大陸でも横断しちゃうの――」ブフォッ


ちゃちゃのん「お、女の子じゃったら〜 誰でも憧れるモンじゃろ〜〜///」



ちゃちゃのん「そ、そりゃちゃちゃのんじゃって… ちょっと子どもっぽいかの〜〜とか、思っちょるんじゃよ…」ボソボソ


ちゃちゃのん「て、いつまで笑っとるんじゃ〜〜〜!!」コリャーー


130 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 21:01:25.32 ID:4H5CS1Bo0


塞「ごめん、ごめん… つい塞ぎきれなくて――」ククク

ちゃちゃのん「む〜〜〜」ブゥ

塞「ちゃちゃのんらしくて、とても良いんじゃないかな」ハハ

ちゃちゃのん「塞ちゃん、絶対バカにしちょるじゃろぅ」ムゥ

塞「してない、してない(真顔)」ブンブン

ちゃちゃのん「じゃったら ええんじゃが――///」



ちゃちゃのん「その、何ちゅうかな… ちゃちゃのんじゃって、馬がど〜こうゆーとるんじゃないんじゃよ…」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんがツラい時に、しっかりちゃちゃのんのこと見つけてくれるような…」


ちゃちゃのん「そんなシンデレラの王子さまみたいな人がええんじゃ―――///」テレテレッ




塞「ぶふぅっ…」

ちゃちゃのん「今、スッゴイ笑ったじゃろ…」ジトーー

塞「エッ、ナンノコト――?」シレッ



ちゃちゃのん「もぅ… ええんじゃ、ええんじゃ… どうせちゃちゃのんはお子さまじゃ……」スーン


塞「ほらほら、拗ねない拗ねない…」ハハ


131 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 21:04:06.77 ID:4H5CS1Bo0


塞「でもちゃちゃのんって、男の人ちょっと苦手よね」

ちゃちゃのん「そっ、そんなことはないんじゃ。 せーちゃんとも、仲ええし――」

塞「いやいや、アレは一応 生物学的には女だからね…」ブンブン


ちゃちゃのん「ん、まぁ… 子どもの頃、よぅからかわれちょったし……」

ちゃちゃのん「もしかしたら、そういう苦手意識はあるのかもしれんのぅ―――」


塞「あ〜 小さい男の子って、好きな子とか可愛い子によくイタズラするよね」

ちゃちゃのん「嘘の告白で泣かされたり、リコーダーや運動靴、体操着なんかをよく隠されたり 盗まれたりしたんじゃ…」ウゥ…

塞「あ〜〜〜(察し)」



塞「でも白馬の王子さまだって野郎なわけでしょ。 それは良いの?」

ちゃちゃのん「アレは全く別の生き物じゃけぇ。 なんちゅうか、ちゃちゃのんにとってあまりリアルな存在ではないんじゃ…」

塞(ま、私にとってもリアルじゃないけど……)



ちゃちゃのん「ちゃちゃのんにとって王子さまは 囚われのお姫さまを助け出してくれるような、空想の中の憧れなんじゃよ…」


塞「南向きにしか歩けない勇者や、亀やゴリラにさらわれたお姫さまを助けに跳ねる ヒゲ兄弟の配管工みたいな…?」


ちゃちゃのん「―――そういう例えはヤメるんじゃ」


132 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 21:06:10.53 ID:4H5CS1Bo0


塞「でもそんなんで、アイドルの仕事とか平気なの?」


ちゃちゃのん「確かに、今でも少し戸惑うことはあるんじゃが――」

ちゃちゃのん「ちゃちゃのんはファンの子たちの笑顔、とっても大好きじゃよ♪」ニコッ

ちゃちゃのん「ファンの子たちが喜んでくれたり、幸せな気持ちになってくれるのが とっても嬉しいんじゃ…」


ちゃちゃのん「落ち込んどる人、疲れとる人に少しでも元気を分けてあげられた ええ思っとるんじゃ―――」




ちゃちゃのん「ちゃちゃのんもツラかった時、憧れのアイドルさんのキラキラな笑顔に いっぱい元気分けて貰ったけぇ――」


ちゃちゃのん「じゃけぇ、ちゃちゃのんもそんな素敵なアイドルさんみたいに なりたいって思ったんじゃ……」ヘヘ



ちゃちゃのん「今はまだまだ全然じゃし、本当はちゃちゃのんにゃぁ 向いとらんのかもしれんのじゃが――」


ちゃちゃのん「今はただ、まっすぐ前だけ見て頑張りたいって… 最近、ようやっとそう思えるようになってきたんじゃ……」




塞「そっか、ちゃちゃのんは偉いね」フフッ

ちゃちゃのん「へ、そうかの…?」


塞「うん、私たちの年でそれだけ考えられてるんなら 充分なんじゃない」

塞「芸能界のルールとかよく分かんないけど、ちゃちゃのん見てると何か応援したくなるんだよね…」


塞「それって実はアイドルとして、凄い才能なのかもしれないよ」ハハ

ちゃちゃのん「そ、そうかのぅ。 何だかテレるの〜〜///」テレテレ


塞「うん、ちゃちゃのん見てるとハラハラするっていうか、凄く心配になるし…」

ちゃちゃのん「それは、褒められとるんじゃよね…?」


133 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 21:07:26.73 ID:4H5CS1Bo0


セーラ「んじゃ、俺はこれで失礼すんで〜〜」ホナナ

哩「あぁ、またな」


カッチ


カッチ


カッチ



哩「そろそろ終電の時間やけど、アイツら結局 帰って来んかったな〜」

哩「漫のヤツは落ち着けてから 絹たちと帰したってメールしといたし、お前らもそろそろ帰った方がええで――」



ちゃちゃのん「あ、うん…」

塞「これ以上いても迷惑だろうし、私たちもそろそろ帰ろっか…」スッ

ちゃちゃのん「そうじゃね…」ヨイショ




カラン コローン


ちゃちゃのん「わぁ〜〜 綺麗なまん丸お月さまじゃのぅ♪」

塞「本当だ、今夜はとっても良い月だね」



塞「胡桃のハタチの誕生日も、もぅ終わりだね…」トコトコ

ちゃちゃのん「そうじゃのぅ」トコトコ

134 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 21:12:43.24 ID:4H5CS1Bo0


塞「二十歳の自分なんて、子どもの頃はどんなもんかなって思ってたけど――」

塞「やっぱりそんな劇的には変わらないものよね…」ハハッ


ちゃちゃのん「うん… まだまだちゃちゃのんたちは、大人の世界に片足入れただけのひよこじゃね」



塞「ちゃちゃのんは芸能活動もしてるし、きっと私たちの中では一番大人の世界を見聞きしてるんだろうね」トコトコ

ちゃちゃのん「そうかもしれんが…」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんはそこで一歩を踏み出せず、自分の殻から抜け出せずにおるしのぅ…」トコトコ




ちゃちゃのん「大人になるっちゅうことは、自分の中にある大切な何かを失うっちゅうことなんじゃろうか…?」カンカンカンカン


塞「…………」カンカンカンカン



ちゃちゃのん「ちゃちゃのんは、ずっと今のままでいたいのぅ……」カンカンカンカン





プワァァァ――――――――ン


塞「―――私は外から来る 悪しき存在を境界にて防ぐモノ」 ガタタン ガタタン


塞「塞の神であり、中国・道祖神である。 さァ、かかってくるがいいよ…」ガタタン ガタタン



ちゃちゃのん「さ、塞ちゃん――?」ガタタン ガタタン



塞「はは、少し中二っぽかった…?」テレッ

塞「今のは私がチカラを使うときのイメージって言うか、設定なんだ…」ハハ

ちゃちゃのん「設定…?」


塞「そっ、設定……」






135 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 21:15:06.80 ID:4H5CS1Bo0


塞「塞の神さまっていうのは、昔から日本に伝わる外からくるモノを防ぐ『防塞』の神さまなんだけどね」トコトコ

塞「今では中国の行路の神さまでもある『道祖神』なんかとも 習合しちゃってるの」トコトコ



塞「外から来るモノを退ける神さまが、外来のものと結びついて一緒くたになっちゃってるとか… 何だか変な話じゃない?」

ちゃちゃのん「確かにのぅ…」ホゥホゥ

塞「で、私は思ったわけ…」トコトコ



塞「塞の神さまは敢えて外から来たモノを防がず、その身の内に取り込んだんじゃないかって」トコトコ


ちゃちゃのん「身の内に、取り込む―――」トコトコ



塞「ずっと岩手に引き籠って、色んなモノから胡桃たちを遠ざけるだけじゃ 駄目なんじゃないかって」


塞「外の世界にも目を向けてみれば、きっと悪くないものだってあるはずでしょ」


塞「そういうことを、私は熊倉先生やトヨネ、エイスリンたちに教えてもらった気がするの―――」


ちゃちゃのん「塞ちゃん…」

136 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 21:17:31.45 ID:4H5CS1Bo0



塞「大人になったからって、たぶん私たちはそんなに変わらないよ」


ちゃちゃのん「そうかのぅ…」




塞「そりゃ… 生きてるんだし、少しずつ変化はしていくんだろうけどさ」


塞「それは何かを失うんじゃなく、きっと混ざり合っていくってことなんじゃないかな」



塞「大切なモノさえ見失わなければ、私たちはきっと大丈夫……」







塞「迷子になんてならないよ―――」







ちゃちゃのん「えへへ、道の神さまのお墨付きっちゅうわけじゃね♪」ニコッ



塞「ん、そんなトコかしら。 流石に、恥ずかしくなってきたけど…///」テレッ







そうじゃの、ちゃちゃのんたちはきっと大丈夫。




大切なモノさえ見失わなければ、何があっても きっと大丈夫なはずじゃ――――


137 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 21:19:24.85 ID:4H5CS1Bo0


塞「じゃ、私はこっちだから。 今日は洋服どうもありがとね」バイバイ


ちゃちゃのん「今日は塞ちゃんの中二なトコも見れたし、とっても楽しかったんじゃ♪」


塞「ちょっ、恥ずかしいから、胡桃たちには言わないでね///」


ちゃちゃのん「分かっちょるんじゃ♪ ほんじゃ〜の」フリフリ






塞「あっ…」


ちゃちゃのん「ん…?」




塞「ちゃ… ちゃちゃのんはさ―――」






洋榎のこと…




どう思ってるの……?






ヒロちゃん―――?





とっても大切な……







とっても大切な、ちゃちゃのんの親友じゃ―――――




138 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 21:21:06.22 ID:4H5CS1Bo0



なぜ……





この時、あんな質問をしたのか……







ちゃちゃのんの、答えの意味するところを……






私、臼沢 塞は……









まだ本当の意味では、理解出来てはいなかったように思う―――――




139 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 22:31:29.06 ID:4H5CS1Bo0



秋が去り、そろそろ本格的な冬の到来を感じるようになってきた ある日の夕暮れ時。


もぅ今年も終わりなんじゃなぁ……


長いようでとても短い、そしてとても色んなことがあった 一年じゃったの――――




ワイワイ ガヤガヤ


ちゃちゃのん「…………」キョロ

金髪長身の男「やぁ、そこの可愛いらしいお姫さま。 もし良かったら、これから俺と一緒に タコスラーメンとか どうっスかね?」

ちゃちゃのん「えと、その… ちゃちゃのんは…」アセッ

金髪長身の男「あ、もしかしてタコスラーメン嫌いだった? じゃ〜 大阪っぽくお好み焼きデートとか?」


ちゃちゃのん「あ、その… ちゃちゃのん、待ち合わせしとるんじゃ…」アセアセッ

金髪長身の男「そ、そうなんだ。 にしても、キミみたいな可愛い娘を待たせるなんて、まったく酷いヤツだねぇ……」

ちゃちゃのん「そ、そんなことは… ないんじゃ――」

金髪長身の男「ところで、キミって野球とか興味あったりする?」

ちゃちゃのん「ほぇ、野球―――?」



洋榎「よっ、ちゃちゃ! 遅れてスマンかったな〜!!」ヤホッ

ちゃちゃのん「あっ、ヒロちゃん♪ そ、それじゃ… ゴメンのぅ…」ペコリン タタッ

金髪長身の男「ありゃりゃ、残念……」ポリポリ

金髪長身の男「せっかく大阪組んだりまでスカウトに来たってのに、収穫はゼロかぁ。 はぁ、タコス買って帰ろ……」ガクッ


140 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 22:33:03.90 ID:4H5CS1Bo0


洋榎「何や自分、ま〜た妙な男に絡まれとったな。 自分、ナンパ男とか引き寄せる特殊なフェロモンでも分泌しとるんか?」

ちゃちゃのん「ヒロちゃんが、いつも遅刻するからじゃろ〜〜」モー


ちゃちゃのん「あ〜いう時間は、ちょっと不安じゃ……」ポソ

洋榎「悪ぃ悪ぃ、夕べは胡桃たちとついつい徹麻で盛り上がってもうてな〜」シシシ



ちゃちゃのん「もぅ夕方なんじゃが…」ヤレヤレジャ

洋榎「ヒロエちゃんは夜の女やねん!!」




洋榎「そういや、仕事上がりやったんか?」

ちゃちゃのん「うん、ちゃちゃのんお正月番組の出演も決まったんじゃよ♪」

洋榎「お〜 凄いやん、どうせモブキャラその一とかなんやろうけどな〜」カカッ

ちゃちゃのん「―――どうせ、ちゃちゃのんはモブキャラじゃもん…」ズーン

洋榎「まぁ、そんなんイチイチ気にすんなって。 仕事増えてきたみたいやし、自分これからやろ!!」

ちゃちゃのん「そ、そうじゃね… ちゃちゃのん頑張るんじゃ♪」エヘヘ

141 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 22:34:57.05 ID:4H5CS1Bo0


ちゃちゃのん「…最近、みんなとなかなか会えんの〜」

洋榎「最近はセーラやザワも、何や忙しいみたいやしな」

ちゃちゃのん「せーちゃんは麻雀部の方が大変そうじゃし、塞ちゃんも授業とかゼミの準備で忙しくなってきちょるよぅじゃの」

洋榎「バイトと漫にいたっては、脱浪人生活かかっとるしな〜〜」



洋榎「ま〜 ウチはそれなりに顔合わせとるが、ちゃちゃはキャンパスも離れとるしな〜」

ちゃちゃのん「こうやって、だんだんみんなと会えなくなっていくんかの……」ハァ

洋榎「だ〜か〜ら〜 イチイチ落ち込むなって!!」

バカッ!!

ちゃちゃのん「あいたーーーーーっ!?」


ちゃちゃのん「じゃけぇ、そのすぐ頭を引っぱたくのヤメるんじゃ!?」ウルウル

洋榎「おおっ、悪ぃ悪ぃ… 自分のイジケ顔見とるとツイな〜〜」カッカッカ

ちゃちゃのん「暴力反対じゃよぅ……」

洋榎「アホ!! これは暴力やのうて、ツッコミやん!!」


スパーキーーン!!

ちゃちゃのん「大阪の人は何てバイオレンスなんじゃ…」フルフル




それぞれが忙しくなり、最近はだんだんとみんなで集まる頻度が減ってきちょった。



そんな中でヒロちゃんは、ちゃちゃのんに時間を合わせて こうしてたびたびお買い物なんかに付き合ってくれるようになった。


142 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 22:36:09.60 ID:4H5CS1Bo0



『せっかくのお誕生会、中止にしてしまってゴメンの』ポチポチ ポチポチ



『みんなへの連絡、どうかヨロシクお願いの……』ポチポチ ポチポチ



ちゃちゃのん「送信……と」ピッ





ちゃちゃのん「はぁ、残念じゃのぅ…」





12月14日はちゃちゃのんのハタチのお誕生日じゃが



その日はあいにく朝から仕事で、みんなとは会えそうもないので中止にしてもらった。


143 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 22:37:48.28 ID:4H5CS1Bo0



【12月14日】


ちゃちゃのん「どうもお疲れ様なんじゃ〜〜〜」ペコリン

グラサンオヤジ「ちゃちゃのんちゃん、お疲れちゃ〜〜ん!!」




ちゃちゃのん(ふぅ… テッペンは越えんかったが、もぅすっかり遅くなってもうたんじゃ)トコトコ


ちゃちゃのん(うぅっ、今夜はいつも以上に冷えるのぅ)トコトコ


ちゃちゃのん(ちゃちゃのんのハタチの誕生日、もうすぐ終わりじゃの…)


ちゃちゃのん(あ、そういえばメールが入っちょったのぅ…)ゴソゴソ



ちゃちゃのん(胡桃ちゃんに塞ちゃん、せーちゃんや哩ちゃんたちからのお祝いメールじゃ!?)


ちゃちゃのん(パーティーに来れなくて残念、何のことじゃろ―――?)


ちゃちゃのん(でも、みんなどうもありがとの♪)



ちゃちゃのん(友達っちゅうんは、やっぱりぬくいもんじゃね……)フフッ





ちゃちゃのん(そういえば、ヒロちゃんからはお祝いメールなかったのぅ…)


ちゃちゃのん(ま〜 また、いつもみたいにどこかで大騒ぎでもしとるんじゃろうね―――)


144 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 22:40:09.31 ID:4H5CS1Bo0



ちゃちゃのん「およ…?」

???「ガチガチ、さむさむさむ……」ブルブル


ちゃちゃのん(ちゃちゃのん家の前で、誰かうずくまっちょる…?)



ちゃちゃのん「あ、あの… だ、大丈夫かの…?」オズオズ

???「お、お、お……」


洋榎「遅いわ、こんボケーーーーー!!」ウガーー!!

ちゃちゃのん「うひゃ!? ひ、ヒロちゃん、何でここにおるん!?」ビクゥッ




洋榎「――――ホレ」ズイッ

ちゃちゃのん「あ、これ…?」

洋榎「胡桃たちからの誕生日プレゼントや。 さっきまで自分の誕生日祝いっちゅうて、一緒に飲んどったんや…」


ちゃちゃのん「え、でも… 今日のお誕生会は中止って、連絡お願いしたはずじゃけど…」



洋榎「………」

洋榎「悪っるい、そんこと伝えんのすっかり忘れとったわ♪」テヘヘ

ちゃちゃのん「えぇぇぇ〜〜〜〜〜!?」ガビーーーン


洋榎「うひゃひゃひゃひゃ、主役抜きのお誕生会も意外と盛り上がったで〜〜〜♪」ゲラゲラ


ちゃちゃのん「あわわ、胡桃ちゃんたちに悪いことしたんじゃ〜〜」ヒェッ




ちゃちゃのん「あ…」ジッ

洋榎「ん…?」


ちゃちゃのん「これ、ちゃちゃのんのマフラーじゃけど――」ホドキ ホドキ


ちゃちゃのん「ヒロちゃんちょっと震えちょるよ。 今夜はとっても寒かったじゃろ… よっと…」ファサァー


洋榎「お… おぅ、サンキュ…///」





洋榎「でも… 出来れば 部屋、入れてもらえんやろか…」サムイシ…


ちゃちゃのん「え、あ… そうじゃの… ちゃちゃのん、うっかりじゃ…!?」タハハ


145 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 22:41:45.69 ID:4H5CS1Bo0


【佐々野家】



洋榎「はぁ〜 人類の叡智こたつ、ホンマ生き返んで〜〜♪」ヌクヌク



洋榎「それんしても、ちゃちゃのヤツ。 なかなか戻ってこんな…」キョロキョロ


ちゃちゃのん「ヒロちゃんお待たせさんじゃ。 お湯入れて来たけぇ、ゆっくり温まって来てええよ♪」パタパタ

洋榎「えっ、風呂!? 別にそんなんええて!?」アセッ

ちゃちゃのん「冷えた身体にゃぁ、やっぱりお風呂じゃろ♪ 遠慮せんでもええから、ゆっくり入って来てのぅ♪」ニコニコ




かぽ〜〜〜〜ん


洋榎(くっ、ちゃちゃのヤツにすっかり流されてもうたで)ブクブク

洋榎(アイツ、時々強引なトコあんな。 あ、この入浴剤ええ香りやな……)


洋榎(それんしてもええ湯やな〜〜 極楽極楽、はぁ〜 ビバノンノン〜〜♪)





洋榎「おぅ、風呂サンキューな! 身体温まったで〜〜!!」


ちゃちゃのん「そうかそうか、それは良かったんじゃ♪」


146 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 22:43:33.29 ID:4H5CS1Bo0


ちゃちゃのん「それでヒロちゃんは、わざわざみんなのプレゼントを届けに…?」

洋榎「せやねん。 自分 今度はいつ会えるか分からん言うとったから、こうしてウチが預かって来てやったんやで〜」

ちゃちゃのん「へへっ、それはどうもありがとなんじゃ♪」



ちゃちゃのん「でも そんならメールくれれば、あんな寒い思いせずに済んだんじゃ――」

洋榎「ははは、どうせならサプライズプレゼントといこ思ってな〜〜」ポリポリ

ちゃちゃのん「いつもの有り余るエンターテインメント精神が 裏目に出たんじゃね」クスクスッ

洋榎「あ、あんま笑うなや…///」




洋榎「それはさておき、アイツらのセンス悪いプレゼントの品評会でも始めようで♪」ウキウキ

ちゃちゃのん「え〜〜 そういうの良くないんじゃよぉ〜〜」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんはプレゼントをくれるっちゅう、その気持ちが一番嬉しいんじゃ…」モー

洋榎「はいはい、ワロスワロス…」ガサゴソ


ちゃちゃのん「全然、聞いてないんじゃ…」ガクッ


147 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 22:45:16.56 ID:4H5CS1Bo0



洋榎「セーラのプレゼントは、いつも通りスルメやな…」ガサゴソ

ちゃちゃのん「せーちゃん、スルメ好きじゃのぅ」

洋榎「その場で自分がツマミに出来るからやろ……」



洋榎「ザワからは、何やよ〜分からん絵本やな…」オモンナイ

ちゃちゃのん「ノルウェーの作家、ヨースタイン・ゴルデルの絵本じゃよ。この前、塞ちゃんとソフィーの話で盛り上がったんじゃ」

洋榎「絵本なら森のボノロンでええやん、洋モンはよー分からんで」ゴシャノホシ

ちゃちゃのん「ソフィー面白いのに―――」



洋榎「胡桃のプレゼントは、ドラマのDVDか…?」ガサゴソ

ちゃちゃのん「実写版ネギま、茶々丸登場シーン。 何じゃろコレ…?」

洋榎「ネギまってアレやろ、何や可愛い女の子がぎょうさん出てくる…」

ちゃちゃのん「ほうほう、そうなんか…」フムフム

ちゃちゃのん「この茶々丸って名前、ちゃちゃのんにちょっと似とるの。 やっぱ可愛ええんじゃろか…」ドキドキ

洋榎「はい、DVD鑑賞会スターート!!」ガチャ ウィーーーン

ちゃちゃのん「こ、こら… 何を勝手に―――!?」












洋榎「…………」

ちゃちゃのん「…………」


148 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 22:47:01.18 ID:4H5CS1Bo0





洋榎「……ホラー?」

ちゃちゃのん「いや、違うじゃろ!?」コラッ



ちゃちゃのん「茶々丸、ロボットじゃったね…」

洋榎「せやな…」



洋榎「ちゃちゃも、いつかあ〜いうドラマの仕事が出来るとええな…」

ちゃちゃのん「え、あ… うん…… そうじゃの……」

洋榎「何やねん、その間は……」




ちゃちゃのん「ははは、それで… ヒロちゃんも、何かプレゼント持ってきてくれたんか?」

洋榎「あぁ、ウチからは… コレやな…」ゴトトッ


ちゃちゃのん「いちごのリキュールと、ミルク…?」

洋榎「いちごのリキュールの上に、ミルクを注いで『ストロベリー・みるく』いうカクテルになるらしいでぇ」

洋榎「見た目も綺麗で女子に人気やっちゅうから、ちょっと作ってみよ思って 持ってきたんや」ヘヘヘ




洋榎「―――何やねん、その意外そうな顔は…」ジッ

ちゃちゃのん「いや、じゃって… こんなマトモなモン、ヒロちゃんがくれるなんて… のぅ…」コウリョガ…

洋榎「ホンマ、失礼なやっちゃな〜〜 とりあえず、グラス2つと氷 頼むで…」

ちゃちゃのん「あ、うん… そうじゃね……」パタパタ


149 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 22:48:48.11 ID:4H5CS1Bo0



洋榎「自分、今まで未成年言うてアルコールちっとも飲まんかったやろ」コトッ

洋榎「せやから、せっかくのハタチの誕生日。 自分の好きそうなん、一緒に飲んだろ思ったんやで…」カランカランッ

ちゃちゃのん「ヒロちゃん…」ウルウル



洋榎「ま〜 どうせボッチな自分のことや…」トクトクトクトク

洋榎「ハタチの誕生日の夜を、寂しく枕でも濡らして過ごすんやろな思ったし―――」トクトクトクトク


ちゃちゃのん「どうも、ありがとうの…」ジワァ

洋榎「アホ!! こんなんでイチイチ感動すんなって!?」



ちゃちゃのん「うん、ゴメンの… でも―――」

ちゃちゃのん「ちゃちゃのんのハタチの誕生日、もぅとっくに終わってもうたんじゃ…」エヘヘ

洋榎「眠るまでが誕生日。 ま、細かいことはええやん」ヘヘッ





洋榎「ほい、乾杯!!」コンッ


ちゃちゃのん「か、乾杯なんじゃ…」コツッ






洋榎「遅れてもうたが、誕生日おめっとさん!!」ゴクッ



ちゃちゃのん「どうも、ありがと、なんじゃ―――///」キュッ



150 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 22:52:55.92 ID:4H5CS1Bo0





ちゃちゃのん「ひゃひゃ、これは美味しいのぅ…///」コクコク

洋榎「おぅ、ウチも始めて飲んだが、なかなかイケルやん!!」ゴクッ


ちゃちゃのん「そうじゃの〜 まるでいちごみるくみたいで、とっても飲みやすいんじゃ…///」トクトクトク

洋榎「ん、自分 ちょいペース早ないか…?」


ちゃちゃのん「そっ、そんなことはないけぇ!! 平気じゃ、平気ぃ!! うきゃきゃ♪」





ちゃちゃのん「ヒロちゃんの髪型ってぇ、何じゃかヤシガニみたいでぇ… カッコええの〜〜♪」ヒャヒャヒャ


洋榎「あ、あ〜 せやろ、流石やろ… ハハッ」


洋榎(コイツ、カクテル一杯で意識イキおったんか? 結構、酒癖悪そうやな……)



ちゃちゃのん「その髪切ってもええかのぅ? ヤシガニ屠るじゃけぇ〜〜///」キャッキャッ


洋榎「言うとる意味はよー分からんが、とりあえず自分のそのハサミはボッシュートやで!!」パッ

ちゃちゃのん「あっ、ちゃちゃのんのハサミがぁ!?」フェッ




ちゃちゃのん「ふぇ、ふぇぇぇん… ヒロちゃがぁ、ちゃちゃのんの〜 盗ったんじゃ〜〜〜〜!!」ウェーーーン


洋榎「こ、こら!! 自分、何でマジ泣きやねん!?」エェッ

ちゃちゃのん「ふぇぇぇ〜〜〜ん えん えん……」




洋榎「ほれほれ、あんま〜〜〜い いちごのドロップあるで〜〜」シュピッ

ちゃちゃのん「ふぇぇぇ… あ、いちご味じゃ……」ジー



洋榎「せやねん。 これサクマ式なんやでぇ、石とちゃうんやで〜〜」フリフリ

洋榎「自分が泣くのやめたら、コレ貰えるんやで〜〜〜」ホレホレ

ちゃちゃのん「…………」ジー




洋榎「よ〜しよし、ええ子やで〜〜〜 ホイッ」


ちゃちゃのん「えへへ、ヒロちゃ… どうも、ありがとの―――////」ニコニコ



151 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 22:54:28.58 ID:4H5CS1Bo0



ちゃちゃのん「じゃけぇ ちゃちゃのん、やっぱりこっちがええんじゃ〜〜♪」ゴキュ ゴキュッ

洋榎「あ、バカ… 自分もぅヤメとけて!?」




ちゃちゃのん「ぷっはぁ〜〜〜〜っ!!」クゥーーッ


ちゃちゃのん「にゃは、にゃはは…///」ボーー


洋榎「おぅ、自分 平気か? とりあえず水でも飲んどき…」ホイッ




ちゃちゃのん「…………ヒロちゃんは、優しいのぅ…///」ポワーン


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんは、とっても感激なんじゃぁ…///」ポロポロ


洋榎「今度は泣き上戸かい!! ホンマ手のかかるやっちゃな〜〜」


洋榎「ほらほら、さっさとその涙ふき…」ハァ




ちゃちゃのん「ふにゅぅ〜〜〜〜〜〜〜///」ダキツキー

洋榎「おわぁっ、いきなり何や!! そないにしがみつくなて!?」ウォッ


ちゃちゃのん「うにゃにゃにゃにゃ〜〜〜〜〜〜〜///」ホオズリ ホオズリ

洋榎「こ、こら、お前 ホンマ離せって〜〜〜///」


ちゃちゃのん「ヒロちゃん〜〜〜 大好きじゃよ〜〜〜〜〜///」チュッ チュッ チュッ


洋榎「ほっぺにチュッチュッすんな〜〜〜///」ギャーーー



152 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 22:57:59.68 ID:4H5CS1Bo0




ヒロちゃの用意してくれた、ストロベリー・ミルクゆーカクテルは



とっても口当たりが良うて、ちゃちゃのんにも飲みやすいもんじゃった。




それはちゃちゃのんの好きな、いちごみるくのような――――




とっても可愛くて、ちょっと甘酸っぱい、そんな素敵な恋の味―――




このポカポカでホワホワな、不思議な気持ちはいったい何なんじゃろう――――





???「アカン… コイツ、完全にストパニっとるで!?」





ちゃちゃのんの目の前にいる… この人は誰じゃろぅ―――?




ちゃちゃのんの、王子さま――――?





ちゃちゃのん胸の内側から込み上げてくる




この暖かくて不思議な、甘酸っぱいモノは、いったい何じゃろう――――?






う… う…… うぇえぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜







いちごのように〜 かわいくて〜♪



いちごのように〜 甘酸っぱい〜♪




それがいちごの、生きる道〜〜〜♪



153 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 23:00:34.74 ID:4H5CS1Bo0



かぽ〜〜〜〜ん


ちゃちゃのん(うぇぇ、死にたい……)シクシク


ちゃちゃのん(酔って何も覚えちょらんのじゃが、思いっきりやらかしてもうたみたいじゃ…)シクシク



洋榎「おぅ、ちゃちゃ。替えの服、ここ置いとくで〜〜」


ちゃちゃのん「あ、ありがと…///」ブクブクブク


ちゃちゃのん(はぁ、自己嫌悪……)


ちゃちゃのん(きっと、呆れられてしもうたの……)ハァ







ちゃちゃのん「ひ、ヒロちゃん… どうも、さっきはゴメンの…」オズオズ


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、酔っちょって何も覚えとらんのじゃが… 何か変なこととかしたかの?」


洋榎「あ、いや… 別に……///」ポリポリ


洋榎「酔いの方はもぅ大丈夫なん?」


ちゃちゃのん「う、うん… もぅ落ち着いたけぇ、大丈夫じゃよ…」




洋榎「まぁ、何や… とりあえず自分は人前で飲むの、もぅヤメとき…」


ちゃちゃのん「あ、うん… そうするんじゃ―――」シュン…


154 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 23:31:39.45 ID:4H5CS1Bo0



洋榎「服、借りてまってスマンなぁ」


ちゃちゃのん「そんなんちゃちゃのんのせいじゃし、ええんじゃ…」

洋榎「サイズ、全然合っとらんけどな…」ボソッ

ちゃちゃのん「あはは、そうじゃの…///」


洋榎(丈はウチのより短いクセに、胸まわりダボダボ、腰まわりキツキツ。 この怒りどうしてくれようか…)グヌヌ


ちゃちゃのん「…………ん?」ハテナ?





ちゃちゃのん「あ、そうじゃ…」


洋榎「………?」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、来年の伊勢神宮のテレビ中継に出ることになったんじゃ♪」ヘヘッ

洋榎「お〜 それは凄いんちゃうか〜 弥次、喜多さんやん!!」


ちゃちゃのん「伊勢神宮の大祭『式年遷宮』の企画らしくてのぅ、ちゃちゃのんは巫女服姿で出る予定じゃよ♪」

洋榎「巫女さんっちゅうと、あの永水のおっぱいさんと、ロリ痴女のヤツが真っ先に頭に浮かぶのは何でやろな〜〜」

洋榎「特にあのロリの方、何となくやたら印象に残っとるで……」



ちゃちゃのん「そりゃぁ まぁ、あのインパクトにゃぁ 誰も勝てんしのぅ……」トオイメ

洋榎「ちゃちゃもあのロリの格好で出たら、きっと目立てるんちゃうか?」カカッ

ちゃちゃのん「いや、普通に捕まってまうじゃろ!?」



155 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 23:34:25.49 ID:4H5CS1Bo0



ちゃちゃのん「そんでな、ちょっと不安じゃし… 今度、一度 伊勢神宮に参拝してこよう思っとるんじゃ…」

洋榎「おっ、そんならみんなも誘って、大晦日から元旦はお伊勢さんに二年参りと行こうや!!」



ちゃちゃのん「えっ、でも… これはちゃちゃのんの私用じゃし!?」

洋榎「きっかけなんて何でもえーねん!! 自分かて、久しぶりにみんなと会いたい言うとったやろ!!」


ちゃちゃのん「う、うん。 そうじゃけぇ……」


ちゃちゃのん「でもちゃちゃのん、まだその日 行けるか分からんよ」

洋榎「まぁ、そん時ゃそん時でええねん。 とりあえずみんなに声掛けといたるわ!!」シシシッ

ちゃちゃのん「うん、ありがとの。 みんなとお伊勢参りかぁ、楽しみじゃね♪」





ちゃちゃのん「ぁ…… ふわぁぁ………」

洋榎「何や、眠たなってきたか?」


ちゃちゃのん「う、うん…/// 今朝早かったし、お酒もまだ少し入っとるみたいじゃ…」

洋榎「んじゃ、もぅそろそろ寝よか? 時間も時間やし、泊まってってもええか?」



ちゃちゃのん「え… あ、うん… ええ…ょ///」テレッ


ちゃちゃのん「でもいくら可愛くても、ちゃちゃのんのこと襲ったりしちゃダメじゃよ」


洋榎「襲うか、ボケ!!」

ボカッ

ちゃちゃのん「あいたーーっ!!」


156 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 23:37:07.67 ID:4H5CS1Bo0



洋榎「そんじゃ、流しちょっと借りんで〜」ヨッコイショ

ちゃちゃのん「うん、ええよ〜」




ちゃちゃのん「……………」カキカキ


洋榎「はぁ〜 スッキリ。 んじゃ寝よか… て、何しとんねん?」ペタペタ

ちゃちゃのん「あ、別に… 何でもないんじゃよ」エヘヘ

洋榎「ふ〜ん… ま、ええけど…」



ちゃちゃのん「毛布用意したけぇ、ヒロちゃんはカーペットに毛布でええかの?」

洋榎「え〜 そんなん腰痛いわ、ちゃちゃのベットに寝かせて〜〜な!!」

ちゃちゃのん「え、でも… そんなん……///」

洋榎「このサイズなら二人くらい平気やろっと…」ボフッ



洋榎「はぁ〜 ふかふかでご機嫌やで〜〜 何やちゃちゃの匂いもすんで〜〜〜」ゴロゴロ クンクンッ

ちゃちゃのん「ちょ… そういうのヤメるんじゃ!?」アワワ

洋榎「あ… 変な毛とか落ちとらんかな、ミクロの決死圏やで!!」



ちゃちゃのん「あ〜〜 もぅ、電気消すんじゃ!?」///



ポチっとな…


洋榎「あ、クソ!! せっかくの未知との遭遇が!?」


157 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 23:38:58.34 ID:4H5CS1Bo0



ちゃちゃのん「お、お邪魔… するんじゃ…///」ソロソロ

洋榎「お〜う、良きにはからえ〜〜!!」コイコイ


ちゃちゃのん(な、何でちゃちゃのんが……///)ソロソロ




ちゃちゃのん「………///」ドキドキ


洋榎「朝 起きたら寝ゲロ詰まらせて、隣で変死体とかマジ勘弁やで〜〜」


ちゃちゃのん「ヒロちゃんのバカ…」グスン…


洋榎「ジョークや、ジョーク♪」カッカッカ



カッチ

カッチ

ペロンッ

ちゃちゃのん「きゃっ!?」

洋榎「お、手ぇ当たったか? スマン、スマン♪」


ちゃちゃのん「……もぅ///」



カッチ

カッチ

カッチ

ちゃちゃのん(いつもは気にならん時計の音が、今夜はやけに耳に入るんじゃ……)

ちゃちゃのん(うぅ、何じゃか緊張して眠れなくなってきたのぅ…)ドッキ ドッキ ドッキ


洋榎「…………」

158 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 23:41:16.02 ID:4H5CS1Bo0


カッチ

カッチ

カッチ

ちゃちゃのん「ヒロちゃん…」

洋榎「ん……」

ちゃちゃのん「今日は… どうもありがとの……////」ドッキ ドッキ ドッキ


洋榎「ん… ぐぅうぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜」


ちゃちゃのん(………寝付きええの〜〜 その性格が、ちゃちゃのん ちょっと羨ましいんじゃ…)




洋榎「ぐぉおぉぉ〜〜〜〜〜」モミッ

ちゃちゃのん「ちょっ、ど、どこ触っとるんじゃ!?」アワワッ

洋榎「ぐふふ、なかなかええで〜〜」モミモミ モミモミ

ちゃちゃのん「あっ、ちょ、やっ、やめっ……///」ヒャウッ



洋榎「でも絹ぅ〜 ちょっと、小さなったんちゃうか〜〜〜」ウヘヘェ

ちゃちゃのん「…………」ピシッ


ギュッ


洋榎「アウチ!?」


洋榎「ありゃ、夢…?」キョロキョロ


ちゃちゃのん「…………バカ///」


159 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 23:42:49.59 ID:4H5CS1Bo0



【いちご日記】


12月××日(はれ)



いちごのハタチの誕生日、友達のヒロちゃんにお祝いしてもらったんじゃ♪



みんなからのプレゼントも嬉しかったのぅ〜〜




それからヒロちゃんの持って来た、ストロベリー・ミルクいうカクテルも飲んだんじゃよ。



いちごも もぅお酒を飲める年齢なんじゃよ。



ストロベリー・ミルク、とっても美味しかったんじゃが、その後の記憶が全然ないんじゃ。



どうもいちごは、お酒に あまり強くないみたいじゃ。



ヒロちゃんにも注意されたし、これからはちょっと気をつけようかのぅ……





婆っちゃとも、一緒にお酒を飲んでみたかったんじゃ――――


160 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 23:44:59.91 ID:4H5CS1Bo0




いちご「の、のぅ、ばっちゃ……」


老婆「ん、なんじゃ。 ちゃちゃのちゃん?」


いちご「いちごが… き、キラキラんアイドルなるんに、まずひつようなモンって何じゃろぅ…?」


老婆「そうじゃのぅ、歌とか踊りとか、色々あるんじゃろうが… まずはやっぱり、アレかの…」


いちご「アレって…?」ワクワク



老婆「呼び方じゃよ♪ 愛称っちゅうんか? アイドルさにゃ、そがぁ可愛ええ愛称みたいのあんじゃろ?」カッカッカ


いちご「かわええ、あいしょうかぁ♪ いちごじゃ、ダメかのぅ?」


老婆「いちごも可愛ええ思うが、名前に親しみを込めた呼び方が愛称っちゅうんじゃないんかのぅ」


いちご「そうなんじゃ。 何だか、むずかしいのぅ…」シュン


老婆「そがぁ難しゅう考えんでもええじゃろ。 ちゃちゃのちゃんが呼んでもろーて、嬉しい思う呼び方とかでええんじゃ」


いちご「うれしい、よび方…?」



老婆「ちゃちゃのちゃんは、何て呼ばれた時が一番嬉しいんじゃ?」






いちご「ちゃちゃの… ちゃちゃの、ちゃんって…」モジモジ



いちご「そう、ばっちゃに言ってもらった時が… いちばんうれしいんじゃ……///」エヘヘ



161 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 23:48:11.26 ID:4H5CS1Bo0



老婆「ヒッヒッヒ… そか そか。 ほじゃけど ちゃちゃのじゃ、名前じゃのうて 苗字んなっちまうがええんか?」


いちご「…………」コクコク




老婆「ほうじゃのぉ……」


老婆「じゃったら、ちゃちゃのちゃんを短くして、『ちゃちゃのん』とかどうじゃ?」


いちご「わぁぁ、ちゃちゃのん♪ アイドルみたいで、とってもかわええんじゃ〜〜〜♪」パァァァッ


老婆「お、ちゃちゃのん… 気に入ったんかぁ?」


いちご「うん♪ これからいちごは、アイドル『ちゃちゃのん』じゃ♪」ニッコリ



老婆「お〜 お〜 ぶち可愛ええ笑顔じゃな♪」カッカッカ


いちご「ほぇ…?」


老婆「アイドルっちゅうんは、みなを笑顔にしてくれるモンなんじゃろ」


老婆「じゃったら、まずはアイドルである ちゃちゃのんがいつも素敵な笑顔でおらにゃぁのぅ」ナデナデ




いちご「う、うん… ちゃちゃのんのえがおで、みんなをえがおに… えがおに……」フルフル


老婆「何じゃ、どうかしたんか?」




いちご「ちゃちゃのん、ちょっと自信ないんじゃ…」ウル


いちご「ちゃちゃのん… 学校だとばっちゃといる時みたいに、わらえないんじゃ…」フルフル


いちご「いつもからかわれちょるし… ちゃちゃのんは、きっとかわいくないんじゃ……」ウルウル


老婆「ちゃちゃのん…」


162 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 23:51:56.04 ID:4H5CS1Bo0



老婆「お〜ぅ… 今日はちゃちゃのんに、プレゼントがあるんじゃ!!」カッカッカ


いちご「えっ、何じゃろう?」ワクワク


老婆「じゃっ じゃじゃ〜〜〜ん♪」テケテケッ




いちご「えっ、何じゃコレ… いちごもようの… 布?」ピロン


老婆「カッカッカ… ちゃちゃのん位の年じゃと、あまり馴染みがないんかのぅ…」


老婆「こりゃぁ、いちごパンツゆー女性用の腰巻きじゃよ」


いちご「ほへぇ〜〜 これがパンツ言うんかぁ〜〜?」ジロジロ



老婆「ワシらの若い頃はの、このいちごパンツゆーんは選ばれし美少女のみが着用を許されちょった 伝説の宝具じゃったんよ!!」ドーーーン


いちご「そ、そうなん…?」


老婆「そうじゃとも。 バアさんも若い頃いちごパンツ履いちょるトコを、映画監督目指しちょった爺さんに見初められてのぅ――――////」ウンヌンカンヌン


163 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 23:53:42.23 ID:4H5CS1Bo0



いちご「ほへぇ〜〜 いちごパンツっちゅうんは凄いモンじゃの〜〜」キラキラ


老婆「そうじゃよ。これさえありゃぁ、ちゃちゃのんも選ばれしヒロインじゃ!!」ドヤッ


老婆「じゃけぇ、もっと自分に自信持ち。 お前はワシの可愛ええ、可愛ええ孫娘なんじゃ」ナデナデ


いちご「ばっちゃ……」ウルッ




老婆「すぐにゃぁ無理かもしれんけぇ、ちぃーとずつでもええんじゃ」


老婆「勇気を出して、一歩ずつでええから 歩み寄っていってみるんじゃ…」



老婆「そうすりゃ… いつかきっとちゃちゃのんの良さを分かってくれる、そがぁな友人も出来るじゃろ―――」ギュッ


いちご「へへへ、ばっちゃ… どうもありがとの…///」


いちご「ばっちゃは、とっても ぬくぬくなんじゃぁ…」ギュッ






いちご「ばっちゃ… ずっと、ちゃちゃのんの… そばに―――」




いちご「いつまでも… いなくならんでのぅ――――」ギュゥーーー



164 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 23:55:20.08 ID:4H5CS1Bo0




「ぐぉぉ〜〜〜 お前、いい加減に離れろや〜〜〜〜!!」ギブギブッ



ちゃちゃのん「ばっちゃ―――ッ!?」ギュゥーーー


洋榎「だ〜か〜ら〜〜 離せ言うとるやろ〜〜!!」

ちゃちゃのん「ほぇ……?」パチクリッ


ちゃちゃのん「えっ、えぇぇっっ!!!?」バッ ズルッ



洋榎「あっ!?」

ちゃちゃのん「ふぇ…!?」



ドンガラガッチャーーン!! ガンッ! ゴンッ! ゴスッ!! ドガドガ ドガガガッ!!!


ちゃちゃのん「あいたたたぁ〜〜〜〜 ベッドから思いっきり、ピタゴラスイッチ落ちして死にかけたんじゃ〜〜!!」




洋榎「…………」ジーー

ちゃちゃのん「―――ヒロちゃん?」


洋榎「なるほど、それがいちごパンツいうヤツかぁ…」ホゥ ホゥ




ちゃちゃのん「…………///」カァァァッ


ちゃちゃのん「きゃぁぁぁぁーーーーーーっ!!」



パッシーーーーーーーーン!!


165 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 23:57:30.46 ID:4H5CS1Bo0



チュン チュン チュン チュン…



洋榎「あいたた、思いっきり引っぱたきおって。 大体、自分が朝ぱらから寝ぼけてやな――」イテテッ


ちゃちゃのん「うぅっ、ヒロちゃんゴメンのぅ……」ゴシゴシ



洋榎「―――自分、何や夢でも見て泣いとったんか?」


ちゃちゃのん「あ… 何でもないんじゃ、ちゃちゃのんは元気じゃよ〜〜♪」ヘヘヘッ




ちゃちゃのん「てぇっ、もぅこんな時間じゃ〜〜〜!?」アワワ

洋榎「ん、何かあるんか…?」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、今日も仕事じゃよぉ!! は、早く出ないと〜〜!!」アタフタ


洋榎「ったく、ホンマ慌ただしいやっちゃな〜〜〜」





ちゃちゃのん「鍵をしてっと…」カチャリ



ちゃちゃのん「あ、ヒロちゃん。 夕べはどうもありがとの♪」ヘヘ


洋榎「まぁ、なかなか楽しかったで! じゃ、お伊勢参りにはちゃんと来るんやでぇ!!」フリフリ


ちゃちゃのん「―――うん♪」ニコッ


166 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/15(火) 23:59:27.65 ID:4H5CS1Bo0



久しぶりにみんなとのお出かけ。


みんな元気にしとるかのぉ、何だか今から楽しみじゃ♪




あっ、胡桃ちゃんにメールでもしておこうかの。


『お伊勢参り、今から楽しみじゃね。 ちゃちゃのんも行けたら行きたいんじゃ♪』ポチポチポチ



あっ、塞ちゃんにも…


『伊勢神宮の2年参り、今から楽しみじゃね♪ でもちゃちゃのん、その日 行けるかまだ分からないんじゃ。 一緒に行けたらええね…』ポチポチポチ



ポチポチポチ


ポチポチポチ


ポチポチポチ



167 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 00:43:15.02 ID:+juHpC0x0



【大晦日・伊勢神宮】


ちゃちゃのん「はぁ、はぁ… 遅くなったんじゃ。 みんなまだ待っててくれとるじゃろか…」カッコ カッコ カッコ


ドンッ

ちゃちゃのん「きゃっ!? ど、どうもスマナイんじゃ…」ペコリン


ちゃちゃのん「うぅ… それにしても、なんて人が多いんじゃ…」ウルウル


ちゃちゃのん(よく見ると、警察の人も結構いるのぅ―――?)





洋榎「――お前らウチを何だと…」


胡桃「見た目はオトナ、頭脳はコドモ」

塞「理性というアプリをうっかりアンインストール」

胡桃「超えちゃいけないラインの上で反復横跳び」

塞「見ている分には楽しいけど、傍に置いておきたくないタイプ―――」


洋榎「ウチだって泣く時は泣くでぇ?」グヌヌ



洋榎「まあ、とにかく、もう来るから待っとけて―――」




ちゃちゃのん「はい、どーん!!」セナカドーン

胡桃「うわ、びっくりした…」

塞「あ、来たんだ」

ちゃちゃのん「リアクション、うっすぅ!?」ガーン



塞「いや、まあ… そりゃあ、ねぇ…」

胡桃「さんざっぱら来られたら来たいって、スパムかってくらい毎日メール送ってくるし」

ちゃちゃのん「ちゃちゃのんこれでもテレビとか出とるんじゃよ、もっと驚いちょくれよぉ…」ウルル

胡桃「でも、そのわりにマスクもないのに全然注目されないよねぇ」


ちゃちゃのん「……所詮、量産型の雨後の筍アイドルじゃけぇ……」ズーーン


塞(イマイチぱっとしないの、気にしてたんだ……)


168 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 00:45:29.29 ID:+juHpC0x0



胡桃「まぁ、本当のことはさておき、ちゃちゃちゃん久しぶり♪」

ちゃちゃのん「胡桃ちゃんは相変わらず、言うことがキツイのぅ…」ヘヘッ

ちゃちゃのん「じゃけぇ、そんなトコも可愛ええんじゃぁ♪」ダキツキッ

胡桃「こら、そうやってすぐ人にひっつくんじゃないわよ!!」キモチワルイッ

ちゃちゃのん「じゃって、みんなと会うのも久しぶりなんじゃもん。 ちゃちゃのん、とっても嬉しいんじゃ♪」キャッ キャッ



塞「ていうか、ちゃちゃのん振袖じゃん。 着崩れするよ!?」

胡桃「まさか、そんなに気合入れて来るとはねぇ」バカミタイ…

ちゃちゃのん「えへへ、せっかくのお伊勢参りじゃけぇ。 どれをレンタルしようかとか、随分 悩んだんじゃ〜」ヒラヒラ


ちゃちゃのん「今日はちゃちゃのんも、塞ちゃんと一緒のお団子頭じゃよ♪」クルリンッ

塞「ちゃちゃのんのは左右に一つずつのふわっとしたツインだね。とっても似合ってるよ」ハハッ



洋榎「何や自分。 やけに遅いと思ったら着物選びと、着付けで遅れとったんか!?」

ちゃちゃのん「えへへ、ゴメンのぅ。 久しぶりにみんなと会える思ったら、嬉しくてのぅ…///」テレッ

洋榎「まぁ 自分の場合、基本的にカタチから入るタイプやもんなぁ…」

ちゃちゃのん「うぅ、返す言葉もないんじゃ……」



胡桃「でも私たちは普段着だし、一人だけ超浮いてるよね」

ちゃちゃのん「そ、それは、考慮しとらんかったんじゃ…」ウゥッ

塞(考慮してなかったんだ……)




ちゃちゃのん「そっかぁ、せーちゃんは今日は千里山の時の友達と―――」カッコ カッコ

塞「漫ちゃんと哩は、それどころじゃないだろうしねえ…」

ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、今日は二人の分まで合格祈願しておくんじゃ!!」グッ


169 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 00:48:19.01 ID:+juHpC0x0



ワイワイ ガヤガヤ


塞「それにしても、本当に人が多いわね」

胡桃「まぁ〜 今が一番の書き入れ時だろうしね」

洋榎「ホンマ、人がゴミのようやな!!」

胡桃「言うと思ったけど、アンタもそのゴミの一部だからね」



ちゃちゃのん「えっと、伊勢神宮には内宮、外宮、別宮など合わせて125の宮社があり、外宮から内宮の順序で回るのが習わしと…」ヨミヨミ

ちゃちゃのん「参道の中央は神さまが通るから、通っちゃいけん。 鳥居の前では軽く一礼を…」ヨミヨミ フムフム


ちゃちゃのん「みんな分かったかの? て、あれ…?」ポツーーン





ワイワイ ガヤガヤ


ちゃちゃのん「はわわっ… ちゃちゃのん、さっそくハグレてまったんじゃ!?」ガーン


ちゃちゃのん「こ、こんな時こそ慌てずに… 文明の利器、ケータイじゃ!!」シャキーン!!


バッテリー切れ…


ちゃちゃのん「うぅ、電池切れなんじゃ……」ガックシ



170 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 00:49:49.92 ID:+juHpC0x0




???「おいっ!!」グィィー


ちゃちゃのん「うひゃぁっ!?」ビクゥッ


洋榎「自分、何やっとんねん!! さっそくはぐれんなや…」アホカ…


ちゃちゃのん「あっ、ヒロちゃん…」ホッ




胡桃「早くしなさいよーー! 置いてくわよ!!」


洋榎「まったく、ちゃんと付いてくるんやで…」


ちゃちゃのん「あっ、ヒロちゃん!!」カッコ カッコ

洋榎「ん…?」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん来るまで、みんなを引き留めてくれてありがと〜な♪」ニコッ


洋榎「たまたまや、たまたま…」





ちゃちゃのん「あっ、参道の真ん中は神さまの通り道なんじゃ…」ダメジャ


ちゃちゃのん「しっかり鳥居に一礼せんとのぉ…」ペコリン



洋榎「自分、ホンマさっさと来いって!! 大体、こんなぎっちぎちの人ごみん中で 神様の通り道もクソもないやろ!!」


ドゲシッ

ちゃちゃのん「あいた〜〜〜っ!?」


171 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 00:52:28.45 ID:+juHpC0x0



胡桃「ほらほら、はぐれないようにね!!」プリプリ

洋榎「相変わらず保護者やなあ、いいんちょ」カカッ

ちゃちゃのん「見た目は一番コドモなんにのぅ♪」クスッ

胡桃「うるさいそこっ!!」



洋榎「ほな、手、つないどこか〜」

胡桃「こ、コドモ扱いしないでってばっ!!」

洋榎「まぁまぁ、マジで離れられても困るしな♪」



胡桃「うぅ……」ぎゅっ

洋榎「はっはっは」

胡桃「は、はっずかしいこれ…」




洋榎「………」

洋榎「ウチら、こうやって手ぇ繋いでたら 恋人に見えたりするんやろか?」

胡桃「ななっ///!?」



塞「いや、いいとこ親子じゃない?」

ちゃちゃのん「確かに、ちゃちゃのんがもう片方の手を持ったら、親子ーって感じになるのぅ」ぎゅっ

塞「あ、それは拘束された宇宙人って感じになるね」ハハッ

胡桃「そこまで小さくないから!!」ウガー


172 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 00:55:03.48 ID:+juHpC0x0



ちゃちゃのん「えへへ、ホンに胡桃ちゃんは ちんこでやおいじゃけぇのぅ〜♪」ナデナデ

胡桃「は…?」ギョッ

洋榎「ちん…」ンッ?

塞「!?」



ちゃちゃのん「ほぇ、どうかしたんか…?」キョトン

胡桃「え、いや… 別に……///」シセンソラシ

洋榎「はよ、行こうや…///」シセンソラシ


塞「………」ポチポチポチッ




塞(広島弁でちんこは身長が低い、やおいは柔らかい… か―――)フムフム


塞(今のうちに少しは自覚させとかないと… あの子、今にお茶の間ドン引きさせかねないわね……)


塞「ちゃちゃの――!?」ハッ



ワイワイ ガヤガヤ


塞「はぐれた………」ポツネーン



173 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 00:58:31.43 ID:+juHpC0x0



ゴーーン


ゴーーン


洋榎「おっ、除夜の鐘や…」

胡桃「もぅ… グズグズしてるから、二年参り間に合わないじゃない」

ちゃちゃのん「これだと普通の初詣ってことになるんかのぅ…?」

洋榎「まぁ、どっちでもええやん!!」カカッ


ゴーーン


ゴーーン


洋榎「煩悩の数が108いうのは、その人ごとに違う具体的なモンやっけ―――?」

洋榎「それとも、仏教的なアラヤシキぃ〜みたいな難しい漢字のが決まっとんのやろか?」


胡桃「三毒だっけ? 一応、決められた108種はあったと思うけど…」

胡桃「―――でも108っていうのは、すごく多いよってことでも良かったんじゃなかった?」

胡桃「宗派とか教義によっては、煩悩の数が4万以上あったりするって話だし。 よくは知らないけどさ…」

ちゃちゃのん「ほぇ〜 煩悩ってそんなにいっぱいあるんかぁ…」


洋榎「4万以上て… そらアクロバティックに鐘を撞く、少林坊主の血管も切れてまうでぇ!!」カカッ

ちゃちゃのん「あ、ちゃちゃのんもそういうお坊さん見たことあるんじゃ――」クスッ

ちゃちゃのん「みんなで、サッカーするんじゃよね♪」

胡桃「いや、それはきっと違うと思うよ――」



洋榎「とりあえず、ムッツリーないいんちょは煩悩の数も多そうやな〜〜」

胡桃「何でそうなるのよ!!」


174 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 01:01:12.97 ID:+juHpC0x0


ゴーーン


ゴーーン



ちゃちゃのん「ちゃちゃのんが呉におった時は、大晦日にゃぁ除夜の汽笛を聞いて年越ししたのぅ」シンミリ

洋榎「おっ、あの呉港に停泊しとる艦船が一斉に『ボーーーーン!!』って汽笛鳴らすゆーアレか!! 何やカッコええやん!!」

胡桃「へぇ〜〜 何か良いね…」


ちゃちゃのん「うん。 アレは知らんと、ホンにビックリするんじゃ…」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、小さい頃はいつもアレで泣いとったらしい…///」テレッ


胡桃「あれ… そういえばちゃちゃちゃん、そっちに住んでたことあるんだ?」

ちゃちゃのん「ん… うんと小さい頃と、中学の時に……」

洋榎「ほぅ、ほぅ…」


ゴーーン


ゴーーン



洋榎「ウチが戦艦になったら、さしずめ『重巡洋艦・愛宕姫』やな!! 何やカッコええやろ!!」ドヤッ

ちゃちゃのん「ヒロちゃんの洋もかかっとるんじゃね」ツヨソウジャ


洋榎「自分らは雑魚キャラやしな。 きっと青色の『駆逐艦・胡桃 & いちご』やろーなー!!」カッカッカッ

ちゃちゃのん「うぅ、いちご船は何か弱そうじゃ…」

胡桃「何かムカつくわね…」イラッ


胡桃「あんたなんて、蟹工船にでも乗ってなさいよ」

洋榎「そんなんストライキやっちゅねん!!」

ちゃちゃのん「カニ、食べたいのぅ…」


ゴーーン


ゴーーン



胡桃「ん、そういえば塞は…?」

ちゃちゃのん「ありゃ、いつの間にかおらんね…?」キョロキョロ


洋榎「銀色の『軽巡洋艦・臼沢丸』はレイテ沖にて散ったんやな…」ホロリ

胡桃「何言ってんの!? てか、何で塞の方が私よりレアリティ上なのよ!!」

ちゃちゃのん「レアリティ…?」

175 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 01:03:40.01 ID:+juHpC0x0


ゴーーン


ゴーーン


ゴーーーーン



ちゃちゃのん「あ、年越しじゃね」


ちゃちゃのん「皆さま 明けましておめでとうございます… なんじゃ♪」フカブカ


胡桃「ん、あけましておめでと」ペコッ


洋榎「おめでとさんさん さんころり〜♪ ハッピー ニュー イヤーやで!!」シュバッ







胡桃「あ、ケータイ見たら塞から着信たくさん来てた…!?」ピッ ピピッ



胡桃「塞、あけましておめでとう〜♪」フフッ


洋榎「お、ちょい貸してんか!!」パシッ



洋榎「よっす、おめでとさんやで〜〜♪ 今、どこおんねん?」



ちゃちゃのん「あっ、ちゃちゃのんにも…」


洋榎「お〜 お〜 了解やで〜!!」ピッ プツッ

ちゃちゃのん「あ――」



洋榎「ん、何や…?」


ちゃちゃのん「ん〜ん、何でもないんじゃ……」シュン





そんなこんなありつつも 塞ちゃんと合流し



目的であるお伊勢参りを済ませた、その帰り道のこと―――



176 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 01:06:08.57 ID:+juHpC0x0



ちゃちゃのん「そういえば、ちゃちゃのん 年またぎジャンプするの忘れとったんじゃ…」ガッカリ

胡桃「いや、別にしなくて良いでしょ。 ていうか、それって何の意味があるの?」


塞「あ〜 『年越しの瞬間、俺は地球いなかったんだぜ! 凄くね!!』って言うアレだよね。 アレって結構みんなヤルもん?」

洋榎「そら一度はヤルやろ! ちなみに愛宕家は全員やっとんで〜!!」ケラケラ

塞(愛宕の家系。 残念な人たちなんだね……)




塞「大体 地球にいなかったって言うには、地表から500kmはジャンプで離れないといけないらしいよ」

ちゃちゃのん「ほぇ〜 塞ちゃんは物知りじゃね。 ちゃちゃのんも頑張ってジャンプせんと…」フムフム

洋榎「ま〜 細かいことはど〜でもええやん!!」バンバンッ

塞「ちょっ、肩を叩かないでよ…」モー




ちゃちゃのん「あっ、そうじゃ… せっかくじゃし みんなで記念の写真撮らん?」

洋榎「お〜 ええんとちゃう!!」

胡桃「うん、私も撮りたい、かな」

塞「いいと思う」


177 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 01:08:33.63 ID:+juHpC0x0



ちゃちゃのん「それじゃ まずはちゃちゃのんが、みんなの写真を撮るんじゃ♪」カッコ カッコ

洋榎「いやいや、そんなら誰かに頼んで撮ってもらおーや!!」キョロキョロ




洋榎「そこのタコみたいなおっちゃ〜ん! 悪いんやけど、ウチらの写真撮ってくれへん?」タタッ

洋榎「今ならそこの売り出し中のアイドルと、一緒の写真 撮らせてもらえんで〜〜♪」

ちゃちゃのん「ちょっ、ヒロちゃ…///」アセッ

タコみたいなおっちゃん「おっ、本当かぃ!?」




洋榎「おっ、タコ社長 男前やな〜〜!! ハイ、チーズやで〜〜」

タコみたいなおっちゃん「―――何か、年甲斐もなく照れちゃうねぇ」ワクワク ソワソワ

ちゃちゃのん「もぅ、可愛く撮っての〜〜///」テレッ


洋榎「社長〜〜、しっかり女優さんの腰に手ェ回してやらなアカンでぇ〜〜」

ちゃちゃのん「!?」

タコみたいなおっちゃん「おっ、そうかい?」デレデレ

洋榎「おっ、ええで、ええでぇ〜 そのだらしない表情 頂きやで〜〜」


塞「バカやってないで、早く撮る!!」バシッ

洋榎「あたっ!?」カチッ


パシャ



178 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 01:11:55.13 ID:+juHpC0x0



タコみたいなおっちゃん「それじゃ〜 可愛いお嬢ちゃんたち、写真 撮るぞ〜〜!!」

洋榎「おぅ、可愛く頼むで〜〜!!」メガネ ソウチャク

胡桃(何、馴染んでんだか…///)


塞「ていうか、洋榎… 何そのメガネ…」ダサッ

洋榎「西暦メガネ知らへんの?」ミレニアーーム


塞「ニューヨーカーたちの うかれメガネでしょ、知ってるわよ」

ちゃちゃのん「あ〜 2000年頃から始まったっちゅう、0と0の部分がメガネになっちょるヤツじゃの」

胡桃「確か2010年に死滅するとか予言されてたらしいけど、何だかんだで現在まで生き残ってたんだね…」

ちゃちゃのん「マヤのアレみたいなモンかのぅ…」フムフム



塞「そんなのしてたら、可愛くも何もないでしょうに…」クスッ

洋榎「何やねん、ザワの怪盗キッドも似たようなモンやろ!!」ムキー

塞「うっさい!! そのネタいつまで引きずってんのよ!!」

胡桃「一緒に写るの、ちょっと恥ずかしいね」フフッ

ちゃちゃのん「まぁまぁ、おめでたいお正月じゃけぇ。 みんなで仲良くのぅ♪」エヘヘ



ちゃちゃのん「あの… メガネしてるのと、外したの両方 撮って貰ってもええじゃろか…?」ペコリ



タコみたいなおっちゃん「おまかせあれだぜぇ!!」ガッツポ



一同「「お願いしま〜〜す♪」」


パシャ


パシャ


パシャ


179 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 01:14:04.65 ID:+juHpC0x0



ワイワイ ガヤガヤ


洋榎「いや〜 話の分かる、ええオヤジやったな〜」カッカッカ

塞「私はあんたの厚かましさが怖いわよ」

胡桃「結局、ちゃちゃちゃんにサインまで書かせてるし」

洋榎「ウチなりのマネージメントや、マネージメント!!」シシッ



ちゃちゃのん「ホンに『タコ社長さんへ (はぁと)』なんてコメントで良かったんじゃろか…」


洋榎「おっちゃんがそれでって言うんやから、別にええやん」





ちゃちゃのん「――えへへ、可愛く撮れとるのぅ」ジッ

胡桃「ま、約一名 超浮きまくってるけどね」クスッ

ちゃちゃのん「もぅ、それは言いっこなしじゃよ〜〜」


180 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 01:16:15.90 ID:+juHpC0x0



ワイワイ ガヤガヤ


洋榎「にしても、駅までの道も相変わらずの人ごみやな」スタスタ

胡桃「まぁ、さっきまで程ではないけどね」トコトコ

塞「こりゃ、帰りの特別電車も混んでそうね」


ちゃちゃのん「あぅ…」ヒョコヒョコ




洋榎「ん、ちゃちゃ…?」

胡桃「ちゃちゃちゃん…?」


ちゃちゃのん「あはは、何でもないんじゃ――」ヒョコヒョコ




洋榎「て、自分 足引きずっとるやん!!」

胡桃「もしかして、靴擦れとか?」

ちゃちゃのん「ん、ちょっと捻っちゃったみたいじゃ…」

塞「ちょっとそこのコンビニで湿布とか買ってくるから、そこのベンチで待ってて!!」タタッ



胡桃「痛い?」

ちゃちゃのん「ん、ちょっと…」

洋榎「そんな慣れん厚底のこっぽりみたいん履いてくるからやで」

ちゃちゃのん「うぅ、ごめんのぅ…」シュン


181 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 01:19:03.78 ID:+juHpC0x0



塞「とりあえず使えそうなの買ってきたんで、応急処置だけしちゃおっか」タタッ

洋榎「おつかれさ〜〜〜ん」

ちゃちゃのん「塞ちゃん、後でお代は支払うからの…」

塞「えっ、別に良いって…」ペタペタ マキマキ



塞「はい、完了!! これでだいぶマシになったんじゃないかしら」

ちゃちゃのん「どうもありがとの…」



洋榎「よっこらしょっと…」シャガミ

胡桃「?」

ちゃちゃのん「ヒロちゃん…?」



洋榎「あと少しなんやし、駅まで位ならウチが担いだるわ…///」

ちゃちゃのん「えぇっ!! そんなんええよ!?」


洋榎「そんなんでまたハグレられたら面倒やろ!! ええからしがみついとけて!!」ウガッ

ちゃちゃのん「えぇ… でも、のぅ…」チラッ


胡桃「ま、良いんじゃない…」

塞「洋榎がへばったら私が代わってあげても良いよ」フフッ

洋榎「アホッ、ウチがそんくらいのことでへばるかい!!」



ちゃちゃのん「あ… じゃぁ、その… お願いするんじゃ…////」ペコッ


胡桃「じゃ、ちゃちゃちゃんの履物は私が預かっとくわね…」


182 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 01:23:01.63 ID:+juHpC0x0



ちゃちゃのん「ん、しょっ…」シガミツキ

洋榎「お、何や背中に柔らかい感触が…」ムニュ ムニュ

ちゃちゃのん「うぅ、恥ずかしいんじゃ……////」ギュゥ

胡桃(――う、羨ましくなんか、ないんだから……)ジブンノムネ ペタペタ

塞(胡桃……)ドウジョウ




洋榎「ふんぬっ!!」グオッ

ちゃちゃのん「うひゃっ!?」ガクンッ

塞「ちょ… 大丈夫…?」

洋榎「へっ、平気や 平気ぃ〜〜!!」プルプル

胡桃「全然、平気そうには見えないけどね」


ちゃちゃのん「うぅ〜 これじゃと、まるでちゃちゃのんが重いみたいで 恥ずかしいんじゃ〜〜///」カァァッ

塞「まぁ、胡桃よりは重いんだろうけどね」

胡桃「そこで私を比較に出されてもねぇ…」フクザツ



塞「この際 三人で騎馬戦持ちでもして、お神輿みたいに揺すりながら駅まで運ぶ?」

胡桃「ぷっ…」

ちゃちゃのん「胡桃ちゃんにゃぁ 騎馬戦の下は無理じゃろ。 ちゅーか、それは流石に恥ずかしすぎるんじゃ…///」ヤメテッ

洋榎「あ"〜〜 もぅ自分ら少しは黙っとれってぇ!!」ズンズン ズンズン

ちゃちゃのん「あっ、ゴメンの……///」




スタスタ スタスタ……


ちゃちゃのん「…………////」


洋榎「ふん…………///」



183 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 01:25:09.97 ID:+juHpC0x0



【帰りの電車内にて】



ガタンゴトン ガタンゴトン…


洋榎「はぁ〜〜 メッチャしんどかったわぁ〜〜」ゼェゼェ ハァハァ

胡桃「お疲れさま」

塞「途中で諦めると思ったけど、ホントよく最後までやったわね」


ちゃちゃのん「ヒロちゃん、ホンにゴメンの〜〜〜///」ワタワタ


胡桃「注目されまくりで、私たちも恥ずかしかったわ」




塞「あっ、あっち座席一つ空いたし、ちゃちゃのん座って来て良いよ」

ちゃちゃのん「えっ、でも…」キョロ

洋榎「え〜て、え〜て、取られる前にさっさと座っとき!!」シッシ


ちゃちゃのん「う、うん……」スゴスゴ






ちゃちゃのん「…………」チラッ


ちゃちゃのん(さっきの写真、やっぱりみんなとってもええ顔しとるのぅ……)フフッ



184 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 01:27:42.80 ID:+juHpC0x0



プシューーッ


ちゃちゃのん(あ、隣の座席が空いたんじゃ…)


黄色髪の少女「ゔっわぁーーい!! 空席み゙ぃっけ〜〜〜っ!!」ダダダーーーーシュ!!

黄色髪の少女「ほっ!!」フンギ スポッ


ちゃちゃのん(何じゃか、元気な子じゃのぅ。 でもこんな時間に大丈夫なんじゃろか?)

眠たげな少女「もぅ、そんなに走ったら他のお客さんに迷惑だよー」トトト…


黄色髪の少女「に゙しし、ごめ゙〜〜〜ん゙!!」ポリポリ

眠たげな少女「もぅ中学2年生なんだから、その喋り方も治した方が良さげだよー」



ちゃちゃのん「中学生… 保護者の人とかおらんの? 子どもだけで、この時間は危ないんじゃよ…」

眠たげな少女「あっ、すみませんー 途中まで保護者代わりのお姉ちゃんと一緒だったんですけどー」

ちゃちゃのん「あ、ゴメンの… つい心配んなって、聞いてみただけなんじゃ…」ブンブン



黄色髪の少女「おっきなおもちを追っかけてって、そのままハグレちゃったんだぞ〜〜っ!!」フンヌッ

ちゃちゃのん「おもちを追いかけて…? 保護者のお姉さんの方がハグレちゃったんか…?」

眠たげな少女「まぁ、いつものことなのでー さっき連絡とれたし、私たちは先に帰ろっかーっていう所存ー」

眠たげな少女「そういうお姉さんも、なかなか良いものをおもちのようでーー」

ちゃちゃのん「ふぇっ!? そ、そうじゃろか…?(さっきから、いったい何の話じゃろ…?)」



ちゃちゃのん「そのお姉ちゃんがちょっと心配な気もするんじゃが、帰り道は二人で大丈夫なんか?」

黄色髪の少女「ゔん゙!! 駅に゙レジェンド呼ん゙だから゙平気だよ゙〜〜っ!!」フンギッ

眠たげな少女「レジェンドは私たちの先生ですよー」

ちゃちゃのん「ほか、ほか、この子 しっかりしとるし、先生来るなら安心かの…」


185 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 01:29:42.21 ID:+juHpC0x0



眠たげな少女「振り袖姿ってことは、お姉さんもお伊勢参りの帰りですかー?」

ちゃちゃのん「うん、そうじゃよー お嬢ちゃんたちも そうなんじゃね?」

黄色髪の少女「ゔん゙! 今年はア゙ゴヂャーと、シズヂャーたちの大学受験だし、ア゙ヤ゙ヂャーは高校受験だがら゙ーーっ!!」

眠たげな少女「友達の合格祈願にお伊勢参りしたいと考えた所存ー」



ちゃちゃのん「お姉ちゃんも今日は友達の合格祈願に来たんじゃよ。 みんなが受かるとええね♪」エヘヘ

黄色髪の少女「ゔん゙! あ゙り゙がどゔ〜〜!!」ニコニコ




ちゃちゃのん「あっ、この席… 座ってくれてええんじゃ…」ヨット…

眠たげな少女「えっ、でもー」


ちゃちゃのん「ええよ、ええよ。 ちゃちゃのんの友達はあっちにおるしのぅ♪」フリフリ





ちゃちゃのん「それに 一人だけ座席がないんは、やっぱり可哀想じゃろ……」


ちゃちゃのん「座るんなら、みんな仲良くが ちゃちゃのんはええんじゃ―――」


黄色髪の少女「ん゙ん゙――?」

眠たげな少女「お姉さん、どうもありがとー♪」ニッコリ




ちゃちゃのん「それじゃ ちゃんと保護者さんたちと連絡とり合って、しっかり帰るんじゃよ」バイバイ

黄色髪の少女「ばいばーーーい!!」ブンブン

眠たげな少女「ご心配、痛み入りますー」ペコリ


186 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 01:30:57.91 ID:+juHpC0x0



ちゃちゃのん「えへへ、来ちゃった…」ヒョコヒョコ


洋榎「自分、何やっとんねん」アホ


胡桃「お人好し」フゥ


塞「はは、まー 良いじゃない…」





洋榎「おっ、あっちのグレイ優先シートが空いたで〜! 今度はいいんちょ 座って来ぃ!!」


胡桃「あれはシルバーシートよ! 拘束されたグレイ型宇宙人違うから!!」



塞「そんなネタ、いったい誰が分かるってのさ…」ハァ






宇宙人優先席
187 :ケイ@続きは今日の夕方か明日の夜あたりにでも [saga]:2015/12/16(水) 01:35:44.87 ID:+juHpC0x0



みんなとのお伊勢参り、ホンに楽しかったのぅ。


ヒロちゃん、胡桃ちゃん、塞ちゃん…


みんな、とってもキラキラしちょったんじゃ。




これはちゃちゃのんが 幼い日に憧れた。



あのキラキラなアイドルさんに感じとったもんに似ちょるんじゃろか。





ちゃちゃのんにとって、それは何より尊くて、大切なモノ。


それが、今 この瞬間にゃぁ 確かにあったんじゃ。



ちゃちゃのんは、それを失いたくないんじゃ。







みんなと一緒に写ったこの写真は、ちゃちゃのんの宝物―――



この日のことを、ちゃちゃのんは きっと忘れないと思うんじゃ――――



188 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 17:12:42.10 ID:+juHpC0x0



【胡桃の部屋】



ちゃちゃのん「みんな〜 遅れてごめんじゃよ〜〜」トタトタ ガチャッ

ちゃちゃのん「仕事が長引――――」


セーラ「」ゲロゲロゲロゲロ

ちゃちゃのん「うっきゃ〜〜! 玄関から地獄絵図ッ!?」ヒェエェーー


セーラ「ゲロが出るでー……」ビビクン

ちゃちゃのん「ちょ、大丈夫!?」


洋榎「大丈夫、大丈夫!!」

洋榎「セーラはサークルで吐き慣れとるし、マジのヤバいボーダーライン弁えとるからな」

胡桃「ウチの床は無事でも なんでもないからね!?」モー



洋榎「ま、メンツも揃ったことやし、学生らしく恋話でもするか!?」

ちゃちゃのん「うわぁ、珍しいのぅ!?」

塞「さっきまで酒飲みながら、自分たちの大学時代は色恋沙汰がなさすぎるって くだまいてたのよ…」フゥ

塞「鬱陶しいなら、洋榎を"塞ぐ"けど……」

ちゃちゃのん「その手のアクエリアスは―――」アセッ




一月の松の内も終わる頃、いつもの胡桃ちゃんの部屋でみんなと新年会じゃ♪



189 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 17:14:18.25 ID:+juHpC0x0


ちゃちゃのん「大体 恋話っちゅーても、このメンバーじゃ盛り上がらんじゃろ…」

ちゃちゃのん「ヘタしたらみんな恋人居ない歴=年齢じゃあ……」

胡桃「寂しいこと言わないでよ!!」


洋榎「―――しかし、残念ながら……」チラッ

塞「……」チラッ




セーラ「あー 吐いたらすっきりした!!」

ちゃちゃのん「え…?」


胡桃「もう、床は自分で拭いてよね!!」

セーラ「はい、はい」


胡桃「あと、この罰でのろけ話よろしくね!!」

セーラ「はい、はい」



ちゃちゃのん「え、ええええええええええええええええええ!?」


190 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 17:15:32.29 ID:+juHpC0x0




洋榎「千里山で、参謀っぽいメガネおったやろ」

ちゃちゃのん「う、うん!!」


洋榎「アレと付き合うとるらしいで」

ちゃちゃのん「えぇっ!?」



塞「しかも高校卒業時に告白されて、ずっと続いてるんだとか…」

ちゃちゃのん「ほぇぇ〜〜〜」


胡桃「しかも遠距離恋愛だって…」

ちゃちゃのん「すごいんじゃ〜!!」オメメキラキラ




ちゃちゃのん「のー のー、なんて告白されたん!?」


ちゃちゃのん「今、どのくらい会っちょるん!?」


塞「メチャクチャ食いついてる……」

胡桃「乙女だねっ」




船久保 浩子(フナQ)
191 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 17:17:14.95 ID:+juHpC0x0



塞「それで、その…… どこまでイッたの?」

ちゃちゃのん「えぇっ!? 塞ちゃん、そんなんエッチじゃよぉ!?」キャッ

塞「い、いいでしょ別に… 女しかいないんだから!!」

塞「き、きき、気になるじゃない!!」テレッ


ちゃちゃのん「確かに、気になるのぅ……///」カァァッ




セーラ「あー、ヤッたで」

ちゃちゃのん「きゃーーーーっ!! きゃーーーーーっ!!」////

塞「うわー、おっとなーーっ!!」



ちゃちゃのん「え、ど… どど、どうやってその、したん…?」///

塞「やっぱりホテルとかいくの?」




きゃーーーーっ!! きゃーーーーーっ!! きゃーーーーーっ!!




洋榎「あの食いつきっぷりが怖い……」カタカタ


胡桃「アレがオトナになるってことなのかな……」カタカタ


192 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 17:18:47.43 ID:+juHpC0x0



ドンッ!




一同「「あっ――」」




洋榎「また壁ドンされてもうたな……」アーア

塞「ちょっと騒ぎすぎちゃったか…… ごめんね」

セーラ「今度は壁ドンし返してみるかーー?」

胡桃「やめて!!」

ちゃちゃのん「うぅ、たびたび すまないんじゃ……」



洋榎「なんもかんもバイトが悪い!!」

胡桃「え…?」


セーラ「そうやな、哩が素直に店で酒盛りさせてくれたら良かったんや!!」

胡桃「今日が何月何日か、分かって言ってる?」


セーラ「何もかんも浪人が悪い…」

洋榎「二浪ってやっぱクソやわ!!」

胡桃「酷い言い草」

塞「本人が聞いたらブチ切れるわよ…」


193 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 17:20:47.92 ID:+juHpC0x0


ちゃちゃのん「でも、どうせ恋話するなら、哩ちゃんにも来て欲しかったのぅ…」


塞「あー……」

胡桃「結局 付き合ってるのかなぁ、あの二人って……」



洋榎「あ〜〜 デビ子なぁ…」

セーラ「誰やっけ…?」

洋榎「ほら、あの新道寺で大将やっとった」

セーラ「おー おー あのデビルマンレディーみたいの!!」ポンッ


胡桃「いい加減、その共通認識やめなさいって…」


塞「二人は同棲してるって話だし、やっぱり付き合ってるのかな…?」




洋榎「ん〜〜 あれは付き合っとるやろな…」

塞「まぁ… 洋榎ん家に行った時も、手繋いで歩いてたしね」

洋榎「それになぁ。 ウチ 沖縄旅行で、見てもーてん…」

ちゃちゃのん「あ、去年の夏に胡桃ちゃんと哩ちゃんと行ったっていう……」



洋榎「風呂場でな、あいつの首元にキスマークついとってん…」

塞「うわぁ…」

セーラ「何で見とんねん!!」

洋榎「いや、シャンプー取ろうと横向いたら、ちょ〜どあいつが髪の毛洗ろててな」


洋榎「こう、ちらっと…」


ちゃちゃのん「えっ、えっちぃのぅ……///」カァァ


194 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 17:22:29.26 ID:+juHpC0x0



塞「でも、もしかしたら虫さされかもよ」

胡桃「キスマークがどんなものか、よく知らないけどね…」

洋榎「いや、その、なんや……」



洋榎「胸にも同じようなのがあってん…」

ちゃちゃのん「うわわわわっ///」アワワッ


胡桃「何でそんなとこまで見てるのよ!?」

洋榎「いや、首のキスマークから思わず目線そらしたら、胸が目に入ってきて……」


洋榎「ええなー あんくらいの乳欲しいな〜〜 思って凝視しとったら、キスマークが……///」

ちゃちゃのん「うわぁ… ヒロちゃんはヒロちゃんで、えっちじゃのぅ…////」


塞「凝視は駄目でしょ!!」

洋榎「なんでや! 大きかったらつい見てまうやろ!!」

胡桃「―――おっきい方がいいんだ……」ムゥ

洋榎「そらな…」

洋榎「絹の触ったことあるけど、アレはホンマ異次元やで〜〜」ワキワキ

塞「触るなよ……」モー




ちゃちゃのん(…………////)カァァ


セーラ「どないしたんや?」


ちゃちゃのん「えっ、あっ… うぅん、何でもないんじゃ!!」




ちゃちゃのん(誕生日の夜のこと、思い出しちゃったんじゃ……////)カオ マッカッカ


195 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 17:23:59.12 ID:+juHpC0x0



セーラ「まあ、気になるんなら、本人に聞いてみればええやん!!」

塞「えっ!?」


洋榎「せやな! 壁ドンされた恨みつらみも言いたいしな!!」

胡桃「ちょ…」



洋榎「と、いうわけでお電話やー!!」ピポパポピ…

洋榎「―――出んなぁ」トゥルルルル… トゥルルルル…


セーラ「こら、出るまで電話やろ!!」

洋榎「おう!!」トゥルルルル… トゥルルルル…


胡桃「殺されるわよ……?」


ちゃちゃのん「もぅ、ヤメた方がええんじゃよ〜〜」アセアセッ




セーラ「とぅるるるるるるるるるるるるん… はい、もしもし―――」

洋榎「で… 自分はスルメを耳に当てて、いったい誰と電話しとんねん…」


コノデンワハ ゲンザイ デンパノ トドカナイ トコロニアルカ…

胡桃「あ、着信拒否られたかな」


196 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 17:26:36.89 ID:+juHpC0x0



その日の夜更け…



「ぐぉお〜〜 ぐおぉ〜〜〜」



「う〜〜ん、むにゃむにゃ……」




ちゃちゃのん「はぁ… 何だか、すっかり目が冴えてしもぅたみたいじゃ…」


ちゃちゃのん(そりゃぁちゃちゃのんじゃって、そういうことに全然 興味がなかったわけじゃないんじゃ)


ちゃちゃのん(素敵な人と恋に落ちて、いつかは… その… そういう関係に、なるんじゃろうなって……////)


ちゃちゃのん(でも、正直 それはもっと遠い未来の話で… ちゃちゃのんたちにゃぁ関係ないことじゃって、どこかでそう思っとったんじゃ……」




ちゃちゃのん「こうやって、みんな大人になって行くんじゃな……」ボソッ


???「まだ、起きてたんだ…」


ちゃちゃのん「あ、胡桃ちゃんけ…?」


胡桃「何だか私も目が冴えちゃって、ちょっと散歩でもする…?」


ちゃちゃのん「う、うん……」



塞「…………」



197 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 17:32:23.57 ID:+juHpC0x0



アオォーーーン ワォン ワォンッ…




ガコッ ガコンッ


胡桃「はい、いちごミルクのホット」ソッ

ちゃちゃのん「あ、ありがとなんじゃ…///」アチャチャッ


ちゃちゃのん「胡桃ちゃんがこんな時間に夜歩きなんてして、補導とかされんじゃろか…?」ドキドキ

胡桃「少なくともアンタより、年上ですからね」プシュ



ちゃちゃのん「…………」プシュ

胡桃「はぁ、何かビックリだよね。 あ〜いうのって、あんま免疫ないしさ…」

ちゃちゃのん「そ、そうじゃね……///」コクコク



ちゃちゃのん「……漫ちゃんと哩ちゃん。 試験上手くいくとええのぅ」

胡桃「う、うん、そうだね……」コクコク

ちゃちゃのん「…………」





ちゃちゃのん「こ、恋のこととか… 胡桃ちゃんはどう思っちょるんかの……?」チラッ

胡桃「な、何よ、急に……」


ちゃちゃのん「あはは、何となくなんじゃけど……」テレッ



胡桃「こい、こい、こい……」


胡桃「と、とりあえず… カープ坊やは、もぅ少し野球に集中するべきなんじゃないかな……」

胡桃「ラグビーとかプロレスとか。 プロゴルファー猿・the野球じゃないんだからさぁ―――」

ちゃちゃのん「いやいや、マエケンとか堂林とか 赤ヘル談義はまた今度でええじゃろ!?」


胡桃「また今度でもしないわよ…」


198 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 17:35:07.88 ID:+juHpC0x0



ちゃちゃのん「そうじゃのぅて… 人を好きになるって、どういうことなんじゃろねって……」


胡桃「あ〜〜 まぁ、分かってたけどさ……」





胡桃「好きな人に、こうであって欲しいっていう 自分の勝手な願望を求めたり…」


胡桃「好きな人を、自分だけのものにしたいって思ったり…」


胡桃「そういう、自分本位な幻想の押し付け―――とか?」




ちゃちゃのん「もぅ、胡桃ちゃんは夢のないことを言うの〜〜」


胡桃「恋に恋する… そんな年でもないでしょう……」フゥ





胡桃「じゃ〜 一応 聞いとくけど、ちゃちゃちゃんはどう思ってるわけ?」


ちゃちゃのん「――――ちゃちゃのん、よぅ分からんのじゃ……」シュン


胡桃「何それ、バカみたい」




胡桃「大体 ちゃちゃちゃんって、昔からモテたんでしょ…」


胡桃「誰かを好きになるって気持ち、分かんないの―――?」



199 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 17:36:43.44 ID:+juHpC0x0





婆っちゃのことが大好きじゃ。


ヒロちゃんや、胡桃ちゃん、塞ちゃんたちのことも大好きじゃ。


鹿老渡のみんなのこと、今でも大切に思っとる。



その気持ちに、嘘はないはずじゃ―――




じゃけぇ この大好きっちゅう気持ちと、恋をするっちゅう気持ちは…



やっぱり、ドコかが違っとるんじゃろね。






恋をするっちゅうこと。


誰かを本気で愛するっちゅうこと。



胡桃ちゃんにゃぁ、言えんかったけど…




それは、自分の全てを相手に差し出すっちゅうこと。



自分の全てを捧げてもええっちゅうこと、だったりするんじゃろか……?





そして、季節はバレンタインの頃――――



200 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 17:39:42.42 ID:+juHpC0x0



【某スタジオ・楽屋】



チハヤ「あれ、ちゃちゃのん それって…?」

ちゃちゃのん「あ、うん… 手作りチョコの作り方を調べとったんじゃ…」


チハヤ「え〜 もしかして、ちゃちゃのん熱愛発覚!? お相手は誰なのかな〜?」


ちゃちゃのん「あ、そんなんじゃないんじゃが… その、大切な人に感謝の気持ちを伝えたくてのぅ……///」



チハヤ「てぇ、それ何も違わないでしょ〜〜 羨ましいわね〜〜〜!!」コノコノッ

ちゃちゃのん「あはは、チハちゃんもちゃちゃのんにとって大切な人じゃけぇ〜 バレンタイン楽しみにしちょってのぅ♪」イタイ イタイ

チハヤ「そか、じゃ〜 見逃してあげる…」



チハヤ「まぁ… アイドルなんて言っても、一人のおんなの子だもん――」


チハヤ「もし本気の相手がいるんなら、くれぐれも後悔しないようにしなさいよね……」


ちゃちゃのん「―――ん」コクンッ









ちゃちゃのん(バレンタイン、一日仕事が入っちゃったの……)



♪〜 チャン チャン チャン チャラランラ…


ちゃちゃのん(ヒロちゃんから、メール……? いつもの胡桃ちゃんたちとの集まりかの…?)



『―――その日はちゃちゃのん、一日仕事なんじゃ。 ゴメンの…』ポチポチ ポチポチ


ちゃちゃのん「送信……と」ピッ



ちゃちゃのん「みんなにチョコ渡すの、別の日になっちゃうのぅ……」ハァ



201 :ケイ@2章「愛が咲いた日」 [saga]:2015/12/16(水) 17:42:18.94 ID:+juHpC0x0



結局 今年のバレンタインは、ファン感謝イベントで一日終わっちゃったのぅ。




カラン コロン…


哩「いらっしゃい。 おぅ佐々野か、久しぶりやな〜」

セーラ「おいーーっす!!」

胡桃「ちゃちゃちゃん、お久しぶり」

塞「やっ」



ちゃちゃのん「みんなお久しぶりじゃねぇ。 はい、ハッピー バレンタインなんじゃ♪」ドゾッ

哩「わざわざ手作りか? 悪いな…」

セーラ「おっ、美味そうやん!!」

胡桃「ちゃちゃちゃん、わざわざありがとね♪」

塞「ちゃちゃのんは良い子だね」ナデナデ



ちゃちゃのん「えへへ、少し遅くなっちゃってゴメンの。 当日は一日仕事だったんじゃ……」



胡桃「それにひきかえ、アイツときたら…」フンッ

ちゃちゃのん「アイツ……?」


哩「…………」


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