男「……いよいよメラが使える様になるとか末期だな俺は」

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510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/11/14(土) 07:44:43.34 ID:Fj45lHJmO
< スタスタ……


男(……とりあえず入れられる範囲で連絡先を入れて、早速主任に連絡だな)

男(今度のは結構良い値段したがGPS入れてるし、帰ったら主任のガラケーにGPS探知のアプリ入れねぇと……)

男(昨日の戦闘でこういうのの必要性分かっちゃったからなぁ)


< 【キキッ】


男「…………」ピタッ

男「……」

男(今、何かいたな)

< ダッ!

男(そこの路地裏だ……!)タッタッタッ


511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/14(土) 08:58:08.85 ID:xYF1s8jJo
もしもし警察ですか、不審者が路地裏に
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/14(土) 10:00:11.23 ID:3vxCflb+0
おつおつ
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 01:07:02.42 ID:VbMRwjTnO
もしもし?……きーれーてーるー〜乙
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/11/15(日) 09:41:49.75 ID:ZJ2pr+e0O


  ズザッ!

男「!」


ドラキーA【キキーッ】バサバサッ

ドラキーB【キキーッ】バサバサァッ

ドラキーC【キキキッ】バッサバッサッ

ドラキーD【キキーキキッ】バサバサッ

ドラキーE【キキーッ】バサバサッ



男(なんでこんなにドラキーいるんだよ、ったく)カチャ…

男「メラ」

< バゴォッ!


ドラキーD【ギィッ!?】ボボボッ……バサバサッ!


男(メラを耐え切った!?)


ドラキーA【「人間だ」】バサバサッ

ドラキーC【「人間だよ」】バサバサッ

ドラキーB【「ドラきちをよくも……」】バサバサッ


────────── ギュンッ!!


男(!??)

男(コイツら、速いぞ……!!)

515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/11/15(日) 09:54:13.35 ID:ZJ2pr+e0O


ドラキーK【ギィッ……キィイッ!!】ドサッ

< ポワァ……ンッ



男「ぜぇ……ぜぇ……」

男「だぁあぁああ……っ、ざけんな……ッ!」がくっ

男「仲間まで呼びやがって…はぁ、はぁっ……動きは速いし攻撃も噛みつく以外にも尻尾とか使いやがって……いってぇ」ダラダラ

男「はぁっ……はぁっ……」


男(……明らかにドラキー達が強くなってる)

男(いや、じごくのよろいが言った通りなら……これがコイツらの本来の強さなのか)

男(帰ろう、もしかしたらじごくのよろいが来てるかもしれねぇ……っ)ヨロヨロ…


516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 10:14:49.62 ID:MoPjOR1MO
まだクリアしてないのに二週目の強さみたいな
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 10:20:11.51 ID:ektD3wJwO
敵だけ強くてつづきから始める状態
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/11/15(日) 13:07:48.51 ID:QmLg23Wd0
というかプレイ時間によって敵が強化される感じだな。

ちなみに町でダラダラしてても敵はどんどん強化されてしまうという
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 13:09:48.85 ID:dkf4/ylso
ロマサガ状態より酷いな
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 15:02:01.62 ID:oQXhkoEv0
なのに主人公のレベルは上がらないというね
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 17:45:57.43 ID:uv54ZTgFo
ロマサガで例えるなら地相変化が大幅に作用してるようなもんじゃないかね主人公側の基礎能力自体は変わらんのだし
レベル0って要素が今後どう働くもんか気になる
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 19:43:15.56 ID:GbjEUc6Ho
れ、レベルは飾りだから…!
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/11/15(日) 20:15:38.63 ID:QmLg23Wd0
まだ一般人(冒険者のクラス未収得)だからレベル0なのかもな
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 21:22:38.66 ID:NQemJNjpo
ドラクエで説明出来ない成長システムなんじゃね
メラ使えたり尋常じゃない脚力とか成長はしてるしの
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/11/15(日) 21:47:41.81 ID:ZJ2pr+e0O




地獄の鎧「寧ろ遅かったくらいだと、私は思うがな」



ベホマスライム【ホヨヨー♪】ポゥ…

男「ベホマさんきゅ……って、何だって?」

主任「男さんが出掛けた後、一時間しないうちに彼等が来たの」

主任「そこで良い機会だったから聞いてみたんです、私達が戦った『死神』の事を」

男「……そうか、そういやアイツは色々知ってたもんな……忘れてた」

地獄の鎧「依り代に必要なゴールドは既に集まっていた筈だ、なら後はこちらの世界へ次々とモンスターを送ればいい」

地獄の鎧「だがその死神が予想していたよりも後になって、漸く完全な顕現を果たしたモンスターが現れだした」

地獄の鎧「貴様達の話と今の状況を見るに、もしかしたら我等の世界で人間達が何らかの妨害をしているのやも知れぬ」

男「妨害、つまり戦ってるのか!」

地獄の鎧「或いはな、だが情報が少なく、そして人間達が魔王軍に正面からぶつかれるとは思えんのだ」

地獄の鎧「故に……有り得るとすれば、我等以外の存在だろう」


男「お前達以外の…?」


地獄の鎧「そうだ、私が会った本物のゾーマ様は我等二人以外にも使命を与えているに違いない」

ベホマスライム【ホヨヨー】ウンウン


526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/16(月) 02:44:34.65 ID:WV6sCGSwO
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/11/16(月) 08:49:12.89 ID:3zSXdJoKO

男「何の根拠があって言えんだよそれ……」

地獄の鎧「そんな予感がするのだ、ゾーマ様に『ゾーマ様だと分かる何か』を感じた時のようにな」

ベホマスライム【ホヨヨー】ウンウン

男「んだそれ……」


地獄の鎧「何にせよ、だ」

地獄の鎧「いよいよドラキー等という下位のモンスターまで完全な顕現を果たしているのだ、近いうちに大きく動き出すだろう」ガシャッ


主任「そうですよね、例の……八魔将? とか、いつ来てもおかしくないんですから」

地獄の鎧「そうだ、そうなれば本格的に戦況は変わる」

男「お前達をこっちにやったゾーマは、何か戦局を変える手を用意してないのか?」

地獄の鎧「分からぬ、だが何かしらの意図があって人間の味方となるモンスターを選別した……と私は思いたい」

地獄の鎧「となれば私に出来る事は、一つだけだ」ギシッ

男「?」




地獄の鎧「私と同位のモンスターまでならば対等に戦える術を教えてやる」




528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/11/16(月) 09:43:49.97 ID:3zSXdJoKO


──────────・・・




男「ここなら人は来ないだろ」

主任「廃屋、ですか……こんな所が都内にあったんですね」

ベホマスライム【ホヨヨ】


地獄の鎧「フム……人の気配は無い、だがモンスターの気配ならば建物のあちこちからしたな」

男「お前達モンスターは人の少ない場所を好むみたいだしな」

地獄の鎧「人が多すぎるのだ、こちらの世界は」ギシッ

地獄の鎧「さて、戦える術を教えてやるとは言ったがこれは慣れなければ不可能な点もある」

地獄の鎧「本気で戦いはしないが、実戦訓練をしてやろう」


男「あぁ……」チャキッ

主任「……」


地獄の鎧「ふ、だが相手をするのは私ではないぞ?」

地獄の鎧「そうだろう我が右腕よ」


ベホマスライム【ホヨヨー!】ムキッマッチョ!


男(……ホイミスライムだった時、あいつの攻撃痛かったから嫌い)

主任(可愛い……)

529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/16(月) 12:39:47.10 ID:Ly2tDeMsO
あー金目のものが依り代ってアベル伝説っぽいな
宿屋に泊まる度橋渡った程度に敵が強化されるDQ3とかちょっとテストプレイ不足もいいとこなんじゃないですかね……
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/11/16(月) 21:41:40.26 ID:3zSXdJoKO

   ヒュルルルルッ!!


ベホマスライム【ホヨヨ…ッ!】ビュンッッ


男「ッ!」バッ

男(ホイミスライムの時でさえ『あれ』だ、受けるならば剣で受ける)


< ヒュッッ……ガァンッ!!

男「ぅおァッ!? だが耐えた、主任!」ズザァァッ…!

主任「『ヒャド』!」バッ


ベホマスライム【ホヨ…!】バキィンッ


主任「動きは止めましたよ」

男「流石!」ダッ!

男(決まってくれよ……ッ)ダンッ……!


地獄の鎧【シー……】(ほう、あの構えと飛び方は)






男( ─────『兜割り』─────!!)グルンッ

ベホマスライム【ホヨヨー!?】





531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/11/16(月) 21:59:45.35 ID:3zSXdJoKO

< ボッッ……!!

男(……『ボッ』?)スタッ

男(え、てか何この感触……斬れてねぇえええええ!?)ギチギチギチ……


ベホマスライム【ホヨヨ…ッ】ビュンッッ

男「づァッ……!!」バチィンッ!


主任「男さん!?」

男「ぐぁっ、がっ!……ッ!」ドサッ…ゴロゴロゴロッ!

男「いっ……てぇええ……」

地獄の鎧「貴様、今のはわざとなのだろうな?」

男「あのベホマスライム、柔らか硬すぎるだろ……」

地獄の鎧「違う、貴様の太刀筋がおかしいのだ」

地獄の鎧「剣は槌とは違い、叩きつければ良いのではない」

地獄の鎧「今までそれでモンスターと戦っていたのか?」


男「………………はい」

地獄の鎧「貴様ァ……」
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/17(火) 01:59:02.57 ID:HnkAN1I8O
それでも軍人かー乙
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/11/18(水) 00:03:59.81 ID:i61f3ZrL0
社畜だよ乙
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 13:43:01.31 ID:sOawwQVm0
刃の向きくらい気をつけろよwwwwww
乙乙
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 16:46:02.75 ID:LCncOtM+o
向き合わせるだけじゃ駄目なんだよ
押し切り引き切り、刃の付き方も見て合った使い方しないと
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 17:11:40.93 ID:JVN4nf++o
生肉切ってみればわかる
叩ききろうとしてもうまくいかない
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 17:14:14.80 ID:c4fcMhZsO
まな板まで真っ二つになっちゃうから困るよね
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 17:14:42.65 ID:sVkLYhUn0
鋳造の直剣は鈍器
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/11/18(水) 17:22:02.90 ID:i61f3ZrL0
そもそも西洋の直剣は鋭さでじゃなくて重さで叩き切るわけだから刃は申し訳程度にしかついてないぞ。
それでも平の部分で叩こうとかしたら空気抵抗で相当威力落ちる気がするから刃を立てるのは理に適ってる
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 18:35:38.44 ID:aa4WT0+to
斧でも鉈でもそうだが、鋭さにかかわらず少しでも刃が斜めになってたら力は分散する。
それくらい初歩の初歩だろ……。
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 18:51:35.87 ID:QUglokJoo
初歩っちゃ初歩だがそれ実践するのクソむずいぞ
ある程度はモノの重みでいけるが刃を立て続けてスパスパ切るとか集中してても難しい
材木屋で働いてたとき鉈で枝の剪定やったけど一年以上怒鳴られ続けた
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 19:13:34.96 ID:EI2hoiqDO
パパス?
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/20(金) 11:44:28.87 ID:85XMdjAdo
>>541
ごめん、>>540>>538に対するレスだった。
楔形状の断面をしている以上、鈍器扱いするのはおかしいぞと言いたかったんだ。
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/11/21(土) 07:37:42.99 ID:3bEbH3jHO




男「そんなこんなで一人寂しく帰宅しました、男です、はい」




男「…………」

男「…………」

男「…………」

男「えっ、何この……野球部か何かで真面目にやってなかったから先輩にキレられて帰らされた気分は」

男「いやいやいや! おかしくね? 俺の今までの戦い全否定されてるし……!!」




━━━━━━━━ 『それでも戦士なのか、今までの戦いを今一度思い出すがいい馬鹿者が!』

━━━━━━━━ 『せめてまともに剣の使い方を調べるなりして直してから来い、そのままでは大木槌の方がマシだ』

━━━━━━━━ 『帰れ!!』

━━━━━━━━ 『男さん帰らせるんですか!?』




男「……」

男「どうしろってのよぉ……剣術って、日本刀とかとは違うだろーし……」


545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/21(土) 10:00:42.36 ID:HPTfF+T2O
ここで道場ですね。
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/21(土) 10:08:56.36 ID:WRi0CG8DO
山籠りして、鉈で黙々と薪を作り続けるんだ
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/21(土) 11:50:17.83 ID:pN23vSEoo
刀も剣もある程度刃筋を立てるってのは共通事項でないの?
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/21(土) 12:44:11.88 ID:w7wTPHUKO
もはや斬るのではなく突けばいいんじゃね?
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/21(土) 15:22:35.77 ID:1k7Hmhp8o
>>548
突きの方がもっと難しいぞ。
踏み込みの力、体重、体のひねりを「同時に」「剣先が相手にめり込む瞬間に」集中させなきゃいけないんだから。
しかも、体勢を崩さずに。
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/11/21(土) 17:20:25.15 ID:OI5IbpQY0
なんで農民上がりに剣ではなく槍を教えるかって言うと、剣をまともに使えるようになるより早く戦場で使いもの(戦力計上できるって意味であって、使いこなせるようになるとは言ってないが)になるからなんだけど

つまりそのくらい剣で戦うのは難しいってこった
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/21(土) 19:08:30.15 ID:ZBO5AaKho
じゃあRPGの主人公やその仲間は初っ端から剣使いこなしてるし凄いことだったんだな…
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/21(土) 21:33:05.83 ID:S4rbwlrDO
>>550
槍相手に剣で戦うには3倍の力量が必要っていうしな
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/21(土) 22:50:17.04 ID:hPyBmhS3o
王様「うむむ……やはり最初はひのきのぼうを与えることにするか」
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/11/21(土) 23:01:45.27 ID:OI5IbpQY0
鋳造した銅の剣なんて棍棒みたいなもんだからいいんじゃないですか?
DQ3の勇者なら「16歳まで勇者として育てた」らしいから剣の使い方習熟しててもおかしくないし
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 04:40:23.79 ID:0uGmtSYWo
そんな事より俺の剣をみてくれ
こいつをどう思う?
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/11/22(日) 09:50:36.14 ID:Xhf9YvF0O

──────────・・・



< カチカチッ…カタッカタカタッ…タンッ


男(……西洋剣術、直剣の扱い、刃を立てて当てる際の角度、引き方……)カタカタッ

男(…………どれも、違う…気がする)

男(そもそも『鋼の剣』って名前に俺は惑わされてるんじゃないか? これ……ああ、三時間も経ってるし)

男(主任はまだじごくのよろい達と何かやってんのかねぇ? 良いな、楽しそう)

男「!!」ガタッ



男「あーもう!! 楽しいわけねぇだろこの馬鹿野郎が!」ダンッ!!             ビクッ…



男「でも、どうしろってんだ……あー……」

男(……気分転換にどっか行くか…? A葉駅かI袋駅らへんまで…)

男「……」

男「よし行くか」


557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 10:44:09.57 ID:IdtRrvyv0
>>555
すごく……細いです
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 13:50:02.64 ID:OznVCSkDO
>>555
すごく点滴用の針です
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 14:10:52.78 ID:neAc9DZZO
>>549
そうなのか
剣って奥が深いのな
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/11/22(日) 14:48:20.30 ID:0DdeyuPa0
剣に限らず武術は奥が深いものだけど、素人を戦力に計上できるようにするためには何を使わせたらいいかってことを考えたら、剣よりは槍、槍よりは槌、槌よりは棍棒(よく山賊とかが棍棒持ってるのは素人でも充分使える上に得物をあまり傷つけずに捕らえることもできるから)
男が大木槌使ってたほうがうまく戦えてたって言われるのも当然と言えば当然

あと状況によるけど、素人を戦力にする場合の最適解は人数集めて飛び道具持たせるのが一番いいんじゃないかな(当てることができれば最高だけど最悪敵の注意を惹かせて囮にできる)

561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 15:08:34.07 ID:R2meIr8Uo
高いところからの投石って素人ができる最大の攻撃だったのか
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 16:05:42.05 ID:BD831wBqo
実際、戦国時代の戦争での死因は九割近くが弓じゃなかったか?
飛び道具って消費を考えなければ最強だよね
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 16:56:40.61 ID:lnNXISEfo
やはり三段撃ちを考えた信長は天才だったわけか
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 17:43:55.93 ID:8UsZvvFc0
今は三段撃ちは嘘だって説が有力なんじゃなかったっけ
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 18:48:39.98 ID:jZBnceA6o
マジかよ光秀最低だな(竹槍ザクー)
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 08:32:36.02 ID:dIQB0Z9Vo
農民兵に槍を使わせる最大の理由は「距離が離れることによる恐怖の遠隔化」にあるんだけどね。
だから信長は、農民兵に持たせる槍を思いきって三間半(約6.5m)もある長槍にしたわけだし。
そんなに長いと懐に入られると不利じゃないか? 数十人が構える槍の穂先を前に、飛び込めるんならそうなるかもね。
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 11:15:02.47 ID:PNxemx/cO
ssに無関係な知識のひけらかししなくていいから
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 12:44:13.64 ID:EpYB7BQ6O
どこが無関係なんだ?
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 16:56:43.42 ID:ttFe3ZOk0
そして雑談が始まり、自治厨が湧き、スレが荒れ、世界は滅んだ
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 17:13:20.71 ID:fDBwFgLfO
そういうスレをこないだ見たな
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/24(火) 00:25:09.63 ID:UqjD0V9oo
雑談はほとんどの場合書き手も喜んでやる気出すけど
速報は読者がうるさくて自治で滅んだスレがたくさんあるからな
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/28(土) 20:24:30.83 ID:Ph+zMvPlO
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/05(土) 21:27:59.09 ID:7w4tuxbuO
まだかな?
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/06(日) 09:48:58.09 ID:kSNFRwtX0
男の部屋に隠れてるの誰カナー
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/11(金) 09:32:42.75 ID:WzoCDFKNO
急に止まったな
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 19:36:09.42 ID:yWFxeqy3o

                タタタタッ……!! >
            タンッ!
            スタッ…!
      ダダッ…!!


  シュタタタタッ!



男(俺の家から全力で走った場合、A葉駅周辺まで一時間もかからねぇ筈だ! このまま走る!)

男(くそ、もやもやする……ッ)

男(そもそも俺は何のために戦ってんだってんだよ畜生がッ)ダッ!


男(何を俺は勘違いしてるんだ、何から俺は目を逸らせばいいんだ……ッ!)


男(俺は……! 俺は……ッ…………)バッ


タホドラキー【ギキキキッ】バサバサァッ


男「邪魔だぁあああッ!!」キィンッ



< ドッッ……

タホドラキー【!?】

< ゴバァアッッ!!



男「…………」

男「え……」

577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 19:37:41.97 ID:yWFxeqy3o

< 「今の音は!?」

< 「奴等かもしれない、行くぞ!」

< 「おいヤバいぞ!!」




男(メラじゃない、何だよ今の……『メラミ』か……?)

< バッ…!

男(メラゾーマみたいに火柱が立ったぞ!?)ダダッ

男(チッ、このままA葉駅に向かっても警察に見られるかも……I袋駅に進路変更か)タタタタッ


男(さっきの緑の毛並みは多分タホドラキーだ、あれを一撃で殺れた!)

男(今はまだ午後三時過ぎ、試すなら夜中だな)

男(はは、我ながら凄いタイミング……まるで夢みたいだ)




                       「……」


578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 19:38:46.65 ID:yWFxeqy3o

【I袋駅・デパートビル前】


< ザワザワ……


男(なんか今日は精神的に疲れるな)

男(とりあえず警察は撒けたな、ここまでは来れないだろ)

男(何か叫んでたけど、止まってたらヤバかったな)

男(……はぁ)


調査兵団?「「 ザワザワ… 」」スタスタスタ……


男「!?」ギョッ


魔法少女?「……」スタスタ…

御坂美琴?「……」スタスタ…


男「……!? …?」

男(…………コス…プレ…!?)


579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 19:39:43.05 ID:yWFxeqy3o

立て札【〜〜イベント開催! 準備期間中〜〜】


男(あー……なるほど、テレビでもやってたっけな)

男(ああいうのはアキバ系とか思ってたが、I袋にもあんのな……へぇ)

男(……)ドキドキ

男(ど、ドラクエのコスプレとか……有りかなー…?)ドキドキ

男(あぁ、でも……イベント開催は明日なのか、衣装とかどうするかな)

男(そもそも主任に見られたら死ぬ自信がある)

男(…………)ウーン


< スタスタ……

男(ん…?)チラッ



武道家?「……」スタスタ…



男(……)ドキドキドキドキ……ワクワク

男(コスプレしよう)


580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 19:40:43.38 ID:yWFxeqy3o

【その頃……男宅】



主任「……これで本当に私も戦えるんですか?」

地獄の鎧「うむ、動きとしてはこれ以上無いだろう」

主任「そんなに影響していたんですね、私達の戦い方……」

地獄の鎧「奴は、男は半ば理解して動いていた様だったがな」

主任「そうなんですか?」

地獄の鎧「恐らくは早い段階でこちら側に来たモンスターの特性を見破り、実戦の中で自身の感覚と結び付けたのだ」

主任「私と同時期から戦ってたんですもんね、彼……」

地獄の鎧「それだけではない」

地獄の鎧「『あの時』、男の傍に何者かがいたのは間違いないのだ」

主任「……え?」



地獄の鎧「私の推測が正しければ、その何者かは昨夜の我々を見ていただろう」

地獄の鎧「しかし気配すら感じなかったのも確かだ、気のせいかもしれん」

地獄の鎧「だが主任、モンスターの存在を認識したその日や翌日に『レベル8』相当のさまようよろい、ホイミスライムを倒せると思うか?」


主任「……レベル、8…?」

ベホマスライム【ホヨヨー】ウンウン


地獄の鎧「……手を出して来ない以上、敵では無いかもしれぬが用心しろ」

地獄の鎧「直接戦わず男の手助けのみに徹している存在……無視するには得体が知れないのも確かなのだからな」


581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 19:41:41.54 ID:yWFxeqy3o



< ガチャッ

男「ただいまー」パタンッ

男(主任、いるか?)


< ザァァ……


男(シャワー中か、よしよし)ガサゴソ

男(とりあえず俺の部屋に持ってって……と)スタスタ…

男(主任、まだ出ないよな…?)


< ザァァ……


男(……)

男(多分、まだ頭を洗ってるな)

男(恐らくはコンディショナー使って、それを流して、身体を洗い、流して、最後に入浴……この流れだ)

男(ここから予測できる上がるまでの時間はおよそ八分から二十分!)

男(いける、着れるぞ……ッ)ドキドキワクワク


582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 19:42:13.85 ID:yWFxeqy3o

< ゴソゴソ……

< 「む、こう…か? くそ入らないぞこれ……」

< 「おー…? ってこのカツラ……いやウィッグだっけか…? どう被るんだ……」

< 「くっ……?」





主任「男さん? 帰ってたんですか」ガチャッ




セフィロス(男)「…………」ピクッ

セフィロス(男)「!!!??? 〜〜ッッ!!? 〜〜……ッッッッ!!!!!????」ガタガタガタガタ




主任「……」

主任(え、なんでFFなの…?)

583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/16(水) 20:29:26.30 ID:vsfxH+C6O
DQ3の女武闘家は可愛いからね、仕方ないね

ってコスプレ初体験ならDQ3勇者みたいなシンプルなのでいけよ……
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/18(金) 00:07:48.63 ID:yj5TYB9LO


ベホマスライム【ホヨヨー♪】ピッカァァアアア


男「……シャワー浴びてたのアイツかよ」

主任「モンスターでもお風呂に入りたがる子はいるらしいですよ?」

男「ヘーソウナンダー」

主任「……」

男「……」


ベホマスライム【ホヨヨー?】クイックイッ


主任「あ、帰るんですか?」


ベホマスライム【ホヨ!】


主任「では見送りますよ、明日もよろしくお願いします」


ベホマスライム【ホヨヨー】


585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/18(金) 08:25:11.37 ID:SdzNPyWAO
まあ、変装目的ならDQじゃない方がいいよ。
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/18(金) 08:43:01.53 ID:C2R2kOjPo
女子会と遭遇するよりはマシだったと思って
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/18(金) 09:37:29.45 ID:yj5TYB9LO

主任「えー……と、ですね」

男「……」

主任「……」

主任「正座しなくて良いんですよ?」

男「……」

主任「どんだけ落ち込んでるのよぉ……私は気にしませんよ? そんな、あの、コスプレ程度で」

男「似合ってましたか」

主任「はい?」

男「俺の上半身裸セフィロスは、似合ってましたか」

主任「……正直に?」

男「yes」

主任「身長が足りないような違和感が……あと、何故裸の彼をチョイスしたのか…」


男「……っ」プルプルプルプル

男(ピサロのコスプレが見つからなかったんだよ……!! なんて言えない、駄目だダサすぎる……ッ)


588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/19(土) 08:36:32.67 ID:60eo9dwBo
もうレタス頭に乗っけてDQ4勇者ですとでも言い張ればよかったのに……
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/19(土) 09:32:36.94 ID:T6tb3MHdO

主任(もうレタス頭に乗っけてDQ4勇者ですとでも言い張ればよかったのに……)

主任「はぁ、とりあえず今日は気分転換に遊びに行ってきたという所ですか?」

男「うぐっ」グサッ

主任「刺さらない刺さらない……昨日や今朝は大変でしたし息抜きは必要だと思うの」

男「……でも俺のやってる事って課題そっちのけで遊ぶ学生っすよね」

主任「そうですか?」

男「多分」

主任「私だって遊びに行きたい気持ちはあるんですよ?」

男「…………」

男「じゃ、明日俺とデートがてらイベント行くか」

主任「はい?」


< prrrr……

男「ん、家電だ」スタスタ


主任「……」

主任(ま、前から思ってたけど……もしかして私口説かれてる…?)

590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/19(土) 09:45:31.77 ID:T6tb3MHdO



男「ふー」スタスタ

主任「誰からだったんですか?」

男「うちの妹からっすよ、アイツはアイツで元気にしてるみたいだ」

主任「……」

主任「そういえば、ご家族亡くなってないじゃないですかー……あまりそういう嘘は良くないですよ」

男「ん?」

主任「あの部屋の中を見られたく無いならもう少しマシな嘘を…」

男「妹は四年前に死んだよ」

主任「……?」

男「いや、あ? まてまてさっき電話で俺……」



主任「男さん、何を言っ…
────────── ゴォォン!! ゴォォン!!



  任「なにこ…れ… …… 鐘の… 音  ? …




591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/19(土) 09:50:15.46 ID:R/zStoyAO
男はメダパニでもかけられてるのか?
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/19(土) 09:52:23.27 ID:T6tb3MHdO



男「ふー」スタスタ

主任「誰からだったんですか?」

男「聖書の勧誘っすよ、途中思わず『仲間』かと思って話聞いちまった……」

主任「あぁ……魔を払うとか言われたりしたんですか」

男「そんなとこっすねー」


主任「ところで男さん、さっきの話なんですけど」

男「お、行きます?」

主任「……ううん、ごめんなさい」

男(オゥフ)

主任「やっぱりじごくのよろいが言っていた話を聞いちゃうと、ちょっと不安で……」

主任「明日も彼等に付き合って貰うつもりです」

男「そっか……まぁ、その……俺もただ遊んでる訳じゃないから安心してくれると有難いっす」

593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/19(土) 12:25:14.72 ID:Nhv1ROISO
記憶を書き換えられたか?
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/19(土) 13:56:55.42 ID:6Kh7MuIW0
イッキ読みしてしまったww
色々気になる点があるがこれから解明されていくのだろう
楽しみですのぉ!
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/20(日) 07:38:17.85 ID:Hxw+K7CNo

主任「それはわかってますよ、男さんが遊んでばかりじゃないのは」

主任「あなたはただ、私よりもずっと強いだけなんです」

男「……強い?」

主任「ええ」

男「そう、かな…?」

主任「じごくのよろいに聞きました、男さんはモンスターと戦う際に必ず『行動を予測している』と」

男「いやそんなどこの達人だよって」

主任「ゲームのターン制に酷似した特性をあなたは見抜いていたんじゃないですか?」

男「……」

男(ああ、そういや……最近はどいつもこいつも速くて忘れてた)

主任「モンスターは必ず相手を見る、気配を探り、相手を知る」

主任「それも戦いの一部なんだそうです」


596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/20(日) 07:52:07.73 ID:Hxw+K7CNo

男「みたいだな、けど主任も知っての通りだよ」

男「『奴等』にはまるで気休めだ」

男「多分あれはゲームで例えるならかしこさとすばやさが合わさった様な物なんだ」

主任「……らしいですね、指揮官級…これから先で戦う事になる上位モンスター達は皆こちらの動きや状況を即座に判断した上で動いてくると」

男「そう、知能の高いモンスターはきっと一瞬こっちの動きを読むために止まったりはしない」

主任「じごくのよろいに聞かされて私は知ったのに、そこまで分かってるんですね……」

男「主任は一人で戦おうとしない方がいい」

主任「どうして?」

男「仲間は一緒に戦うから、仲間なんだよ」



男「ドラクエじゃ、一作を除いたら絶対の常識だぜ?」



597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/20(日) 08:25:54.75 ID:Hxw+K7CNo


【翌日……イベント会場】


段ボールガンダム(男)「(昨日はあんなかっこいい事言ったが今日やる事は変わらねぇぜ!)」< ガシィンッ

段ボールガンダム(男)「(しかし良かった! 初のコスプレにあんな変態ロン毛のにしなくて良かった!)」

段ボールガンダム(男)「(こういうイベントって人ヤバいからな、ギャグに徹しながら他のレイヤー見るに限るぜ……)」


< 「……ですよー、皆さんいっぱい撮って下さいねー」


段ボールガンダム(男)「(んー?)」

段ボールガンダム(男)「(写真撮影か何かか?)」



段ボールガンダム(男)「(……『きのこブース』……?)」


598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/20(日) 09:03:15.49 ID:Hxw+K7CNo

< 「ぐぁああああっ!?」ガッシャーン

< 「ランサーが死んだ!」

< 「この人でなしぃ!!」


セイバー?「こうですか?」

「良いよ良いよー、セイバーちゃん可愛いよー」パシャッ



段ボールガンダム(男)「(ああ、なんか見たことあるな)」

段ボールガンダム(男)「(前に映画であった……なんだっけか、空の境界? あれの系列だったような)」

段ボールガンダム(男)「へぇ……お、あの金髪の人可愛い」スタスタ


スタッフ「ちょっとそこの人ー、困りますよ」たたっ

段ボールガンダム(男)「え」

スタッフ「イベントに参加するのは初めてですか? 受付通ってないでしょう」

599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/20(日) 11:08:12.70 ID:Hxw+K7CNo

段ボールガンダム(男)「(名刺だの何だの面倒だからビルの側面を伝って会場の中に飛び下りて来たんだけどなー)」

スタッフ「それコスプレですか?」

段ボールガンダム(男)「(めんどいなー……)」

男「いや、ちょっとノリで被ってました」ゴソッ

スタッフ「そうですか、じゃあ受付を済ませて貰っても……」

男「はい」

男(戻ってきてから色々見るかねー……ん?)




セイバー?「…」アワワワ……ガタガタガタガタ




男(おいあのキャラすげぇぷるっぷるしてんぞ、良いのかあれ、カメラマンすっげぇ顔してびっくりしてんぞ)


600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/20(日) 11:34:33.52 ID:Hxw+K7CNo



男(コミックとか同人誌は興味ないから食い物だけ調達したけど)

男(やっぱりこういうイベントって色々いるなぁ、テレビ局とか来てたし)

男(ドラクエ、来年ついに10出るんだなー)

男(WIIでオンラインなのは気に入らないけど、いや絶対荒れるだろ……やだなドラクエで昨今のネットスラング飛び交うとか)

男(さてどうしたもんか)


< ガシャッ

男「?」


セイバー?「……」


男(あの金髪の子……さっきのアニメのブースにいたレイヤーか)

男(ここは撮影は禁止だし、休憩か? いや仕事じゃねんだし待ち合わせかね)スッ

男(移動しよ)スタスタ

セイバー?「男さんですよね」

男「……」ピタッ

601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/20(日) 12:14:00.65 ID:Hxw+K7CNo

男(コイツ、何故俺の名前を……)

男(って身構える程のもんでもないか、受付で名前を見たかもしれないし)

男「そうっすけど、なに?」

セイバー?「……あの、次来店なさってもこの事は内密にお願いします」

男「は……?」


< パサッ

店員…セイバー「流石にウチの携帯会社、こういうのに厳しくて……バレたら良くないんですよぅ……」ぺこり


男(この子いつもの携帯ショップのー!!)

セイバー「あ、ここではセイバーって呼んで下さいね? 私毎回こういうイベントに出てるんですよ〜」ガシャッガシャッ

男「は、はぁ……」

セイバー「でもやっぱり野良でコスプレしてると身バレこわくて本名は明かせなくてー」

男「いやぶっちゃけヅラ取らずに言われなかったら店員さんって気づかなかったけど」

セイバー「 」


602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/20(日) 12:22:00.60 ID:Hxw+K7CNo

セイバー「……」

男「……」

男(なんだこの沈黙……主任の時にも流れたような)

セイバー「ま、まぁ内密にしてください」

男(顔真っ赤ですやん、このお嬢)

セイバー「で……好きなんですか?」ガシャッ

男「ん? なにが」

セイバー「型月!」


男「かたつき…?」

男「なんだそのガン=カタみたいな」


セイバー「違います」

603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/20(日) 12:52:29.81 ID:Hxw+K7CNo

セイバー「型月とは「有限会社ノーツ」のゲームブランド名でこれを通称「型月」。同人サークルとして1999年に発足され、その作り込まれた世界観とキャラクターなどで有名となりました。アダルトゲームブランドでありながらもバトル・アクションシーンの熱さに定評があり、同時にはっちゃけるときには「キャラ崩壊どんとこい」というぐらい、とことんカオスを貫き通すため、羽目を外した際のギャグにも定評があり、近年では毎年エイプリルフールに何かをする企業としても関連業界では定評があるのです!!」


男「ほ、ほう…?」


セイバー「私の格好の元であるキャラはご存知ですか!」

男「ああ、まぁCMとかネットとかゲーム屋で……」


セイバー「セイバーとは、『Fate/stay night』のメインヒロインの一人及びその派生作品に登場するキャラクターで、第五次聖杯戦争において衛宮士郎に召喚されたセイバーのサーヴァントです。青いドレスに白銀の甲冑を纏い、雄々しく戦う金髪碧眼の少女剣士で、あ! 私のいま着てる衣装も全て鋼と特殊繊維で出来てるので本物並みですよぅ! で、「Fate/stay night」におけるメインヒロインの一人であり、Fateシリーズを代表する顔です! 同じく型月の『月姫』と並ぶメインキャラなんです。ちなみに第四次聖杯戦争では、士郎の育ての親である衛宮切嗣により召喚されました。しかし切嗣の勝利至上の戦闘方針と、セイバーの騎士としての誇りは相容れることなく、結果反目し合い、当時の彼に直接声をかけられたのは3回のみしかも令呪の命令という徹底ぶり。そして第五次聖杯戦争の折、士郎の体内にある聖剣の鞘が触媒となって召喚される。士郎に剣の誓いを立て、彼とともに聖杯戦争を戦う。有名なのはやっぱりあの「問おう。あなたがわたしのマスターか」ですね!!」



男「……そ、そーなんですかぁ…」

セイバー「ちなみに型月で知ってる作品は何ですか?」

男「いや、あー……」

男(迂闊に口を開けばwikiのような事をペラペラと聴かされる……ッ! く、どうすればッ…………)


604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/20(日) 13:31:39.37 ID:Hxw+K7CNo


< 「うわぁああああっ!!」


セイバー「!」

男「今のっ!?」

男(尋常じゃねぇ悲鳴、まさか……!)バッ

セイバー「男さんはここに! 私が見てきます!」ガシャッガシャッ

男「いや店員さんはここで待ってろ! 俺が行く!」

セイバー「男!」

男「!?」びくっ

セイバー「セイバー、です」


    ガシャッ、ドッッ!
             ダダッ…! シュバッ



男(なっ…!?)

男「嘘だろ……」

605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/20(日) 14:09:05.44 ID:FvTagl3AO
まさか店員まで見える人だったのか?
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/20(日) 15:49:39.14 ID:UnBBTf5WO




カメラ男「ぎゃぁああ!! わぁああああっ!! 誰かぁぁあ……っ!!」バタバタ

レイヤー「いやだぁ……やだぁ……体を、体を虫が……っ!!」ガシガシ

警備「……」ボーッ…


男「こいつァ……ヤバいな」ザッ


無数の悲鳴が辺りを飛び交う中に辿り着いた俺の前に、大勢の人間が『異常』な姿でいた。

ある女は全身を掻き毟り、あるカメラを携えた男は先程から悲鳴をあげながら猛烈な勢いで地面を何故か走っている。

そして、そこへ駆けつけたらしき警備員の殆どが倒れる中で一人だけ虚ろな目で空を見上げたまま座っていた。

開催されてからピークの直前だったとはいえ、大勢の人々が会場のそこかしこで地獄と化していたのだ。


薬物テロの可能性が無かったわけではない、会場の入り口でドリンクを配っていたのを覚えている。

だがそれ以上に、俺にはたった一つの存在が見えていた。

『モンスター』だ。



ゴーゴンヘッド【 弱い 】

ゴーゴンヘッド【 なんと貧弱な精神力だ……こちら側の人間は呪文一つで倒れる 】

ゴーゴンヘッド【 情けない指揮官共が制圧するまでもない、この己が街ごと潰してくれる 】

ゴーゴンヘッド【 だがそれはこちら側の人間の剣士、貴様を壊してからだ 】


昼間である事すら忘れさせる黒い煙を散らして宙に浮き、深緑の蛇を無数に生やした妖しい眼球。

巨大であり、異質な空気を纏うその姿はこれまで見た中では最も『モンスター』らしい怪物と言えた。


男(『ゴーゴンヘッド』! コイツも完全な顕現ってので出てきたのか……!?)

男(いや、それよりも……)


混沌渦巻くその会場の中で俺の意識を釘付けにしたのは、かつてない強敵ではなく。

一人の、キャラクターになりきっている女だった。

607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/20(日) 16:36:01.90 ID:UnBBTf5WO



セイバー「……」


    ガシャッ


悠然。

頭上を飛行する怪物を目の当たりにしても、彼女はそれに臆す事なく一歩踏み進んだ。

その時、彼女の足元から何かが巻き上がっているのに俺は気づく。

視線を落とした先に俺が見たのは、黒い残滓と共に散っていくモンスター。

そこに横たわっていたのは、一体の獣だった。


男(青い体毛……ダースリカント…か?)


言葉を話すモンスター達の共通点が、一定の実力を持った上位種のモンスターなのだとすれば。

あのアニメに熱く語っていた女性、店員が倒したと思われるモンスターは間違いなく指揮官と呼ばれるその地区の最強クラスのモンスターである。

俺が彼女を追い掛けて到着したのは、恐らく彼女の十秒後しかない筈だ。

その短時間で倒したとは思えない。

であれば仲間割れだろうか……そう俺が考えを巡らせた瞬間だった。








セイバー「行くぞ怪魔」



────────────────────  ゴッッッ!!!!







608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/20(日) 16:38:05.92 ID:wNYB3Rr/O
へ?
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/20(日) 16:57:52.21 ID:Hxw+K7CNo

男「 ────────!!?」


大気を揺るがす程の轟音、そして全身を駆ける衝撃。

初めてさまようよろいの使ってきた『兜割り』等とは比較にならない、身が竦み上がる様な砲撃だ。

だが目の前で起きたのは砲撃とは程遠い、原始的な行動。


一閃、或いは一薙ぎ。


最早その刹那に起きた事は音でしか分からず、彼女がいつの間にかその手に赤い両手剣を握っていなければ魔法だとすら思ったのだ。

そして、残滓すら残さずにあのゴーゴンヘッドが粉砕されなければ、俺は彼女に近づきもした。


男「…………」

動けない。

動けるはずがない。


ゴーゴンヘッドというモンスターの初期開発時の守備力は恐るべき120、これは上位レベルの勇者でも一撃では倒せない硬さなのだ。

仮にそうではなくリメイク版の99だとしても、あれは決して一撃で倒せるモンスターではない。

ましてや弱点である脆さを指揮官級のモンスターが対策していない筈がないのに。

空へ向けていなかったらどれほどの破壊が周囲に及んだのかも知れない、そんな一撃を放った携帯ショップの店員である女は……それをたった一瞬で消し飛ばしたのだ。


セイバー「……あ、っと…」パサッ

セイバー「あはは、カッコ悪いですね……もう…髪の毛染めちゃおうかな……無理か」ごそごそ


セイバー「…………」クルッ


そんな彼女を前に俺は動けなかった。

色々な考えが浮かんでは消えていく中で、彼女だけは平然と俺に振り向いた。


セイバー「手伝って下さい、会場の人達を助けないといけません」


男「…………」


俺は、声を出すことすら出来ずに頷いた。


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