過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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468: ◆S6ROLCWdjI[sage saga]
2018/08/26(日) 20:30:39.73 ID:e2v1aF8M0
【路地裏】
【ひどく現実離れした話題の行き交う昨今においては、逆に安心感すら覚えさせるほどに】
【その場所は死のにおいに満ちていた。鉄錆と、切り拓かれた肉の香。むせかえるまでに、執拗に】
【まだまだ続く残暑の余韻に混ざればそれはますますひどくなった。一吸いするだけで嘔吐を誘う。そんな場所】

………………、どい、つも、こいつもっ、どいつもこいつも、どいつもこいつもッ、

【――――ひどく浮き上がって見えるシルエットがひとつあった。真っ白。か細く、少女の質感】
【実際それは少女だった。夏服、ノースリーブの襟付きシャツにプリーツスカート。彩度の低い青系統色で纏められ】
【その下の肌は日焼け知らずの青白さ。さらに、重力に沿って垂れ下がる長めの髪まで真っ白とくれば】
【くらやみに浮かび上がる亡霊みたいにひどく浮いていた。だけど生きてる少女だった、地に足が、ついている】

どいつもこいつも! …………何なんですかもうっ、クソ、……クソしかいねぇな相変わらず、ここはッ……

【だけど。その足は必死に何かを踏み躙っていた――――、……ヒトの死体だった、それは】
【胸に何かを突き立てられた痕がある。きっとそれが致命傷だった。そこからまだ、だくだくと新鮮な血が流れていて】
【少女はそれを「浴びて」いた。真白い髪から肌から、清潔な衣服まで、べったりそれで汚れている、のに】
【しかしそれを気にも留めない。寧ろ忌々しげに顔を歪めるのに、この場から離れていこうとしないのを見る限り】
【「下手人」はこの子なんだと思わせるには十分すぎた。だけどこの子は手に何も握っていなくて、――だけど、】

【死体を見やる両の眼。……何故か右のほうからだけ、涙みたいな勢いで血を流している、それには】
【言い訳しようのないほど、殺意の色彩が躍っていた。白に程近い灰青色の虹彩、だけど、爛々と燃え盛るみたいに】
【それに反して瞳孔はぎゅうぎゅうに絞られていた、……息が荒い。おそらく「やって」から時間は然程経っていない】
【興奮しきっているのだ。この少女は。屍を、踏み躙って――それさえ「よくあること」で済まされるんだろうけど、この場では】


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