過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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名無しのパー速民
[sage saga]
2018/08/23(木) 22:02:20.91 ID:jODBTHOP0
>>443
【そうして食事を捕り逃した幼子はよく分からない汁が少しだけ付着した指先を服で拭うのだ、その時に一緒に、泥汚れも付着するから】
【ああそうやって汚れたんだなと思わせるのだろうか、――汚れた身なりを判断するに、おそらくしばらくはこういう生活をしているのだろう、と】
【であればそれこそ野生児に等しいようだった。いくらジャングルと言えどもコンクリート製の世界なら、こんなちまっこい草むらに生きる虫も偉いけど】
【公園の片隅で虫を捕って生きていこうとする女の子も居て、それこそ彼女自身の言葉通りに偉いに違いなかった、――だなんて、嘘だ、生き方をきっと間違ってる】
ん! ユーイ、お腹すいた! あー……、ア? ァ……、イ? んん……。ィー、……。
……おしょくじ? ゴハン? ユーイご飯食べる! ヤタイ、ナニ? ムシ居る? 変わった……。……。んんん、クマ?
【事情を分かってもらえたと判断したなら幼子はこくんっと頷いてアピールする、自分は空腹であると伝えるのなら、尊大な態度、重役のように重々しくもう一度頷く】
【そうして相手の名前を聞けば、おそらくは呼び返そうとしたのだろう。――けれどもちいともうまくいかないで、しばらく、ごにょごにょと口の中、音を転がすから】
【続く言葉への返事はいくらも遅れた、ましてやお食事という言葉をすぐには解さなかったらしく。――それでも理解したなら、ぱあぁ、と、表情が煌めくのだろう】
【ご飯を食べさせてくれるのだと認識したらしかった、――それでもやはり屋台は知らなくて。変わった食べ物だと言われたら、そうやって尋ね返す】
【――やはりひどく常識に欠如した子であるらしかった、視線を合わせてもらったならばなおのこと嬉しそうに、にこりと、あどけない笑顔を向けるに違いなくって】
リンネ、ゴハンくれる! ユーイ、ムシ食べてたの、そしたら、ゴハンくれる――、巣もくれる!
だからユーイ、リンネのとこ行った、でも居ない! ウソツキ!
【右手を伸ばされるならむぎゅうと掴むのだろう。小さな掌だった、乾いた泥汚れのせいか少しパサパサした手触り、砂っぽくて、それから草の汁が乾いて少しペタペタしていて】
【だけれどもその向こう側の掌はうんときっと柔らかくって暖かいんだろう。――そうしてきっと力強かった、誰かへの文句をうんとうんと並べてみせたら】
【つまりは、森に暮らして居たら"人"が来て逃げ出した。その結果どこぞで今のように虫を食べていたら、リンネという人物に見咎められ】
【ご飯や寝床を提供するから一緒においでと誘われたのだろう。だからついていったんだけれど、――その人物は今居やしないのだ、と、屋台街にたどりつくころには、伝わるだろうか】
コレナニ?
【――ただ確実なのは、屋台街につくころには幼子の興味はすっかりとそっちに行ってしまって、何を聞いても、きっと生返事になること】
【であれば事情を確かめるのは空腹を満たしてやってからじゃないとダメらしかった、――たこ焼き屋台に並べてある山盛りのイイダコを指差して、相手へ、尋ねる】
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