過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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◆1miRGmvwjU
[saga]
2018/08/17(金) 23:27:55.43 ID:YRqOHQmj0
>>332
【怒髪天を突くのであればそうすればいいと思っていた。 ─── そうでなくては錯綜した感情の始末など付かなかった。】
【殴り合いの喧嘩に遅れを取るつもりもなかった。殴り伏せた後で怒鳴りつけてやれば、冷静にならぬ人間はいない。軍属であった頃に学んだ経験のひとつ。】
【 ──── 然して、続く男の言葉に、幽かに女は表情を変えた。隻眼を見開き、口許が結ばれた。それは一刹那のことであったが、 ─── 元に戻った顔貌は、単なる打算のみに無い色を宿している。】
「 ……… そう。」「 ……… 彼、だったのね。」「 ……… 多分、知っているわ。」
「私も"その時"、"そこ"に居たから。」「私が殺し合った相手とは、別の誰かと組み合っていたみたい、だけれど ──── 。」
「 …………… 御免なさい。私には、助けられなかった。」
【 ─── 女は見届けるしかなかった。あの場において彼女は、単なる凶弾に過ぎなかった。誰かを救おうとする意志に関わることはできなかった。】
【それでも最期、 ─── 赤い髪の少女に縋り付く、旧い縁(えにし)の朋輩のそば、崩折れて事切れる誰かの姿を、朧げに/然し確かな事実として、見届けていた。】
【思うところが無い訳ではない。背中を預け合う誰かの身を案ずるのは当然であった。ましてその場にて女自身も、長い付き合いの友と背中を預けていたのだから】
【 ─── 彼の零す通り、何かしらの間違いが一つあれば、友を失っていたのは己れかも知れなかった。まして自身の対峙する敵の出鱈目さを知っているのだから。】
「 …………… それでも。弔う積もりはないのかしら。」「仇を討ってやる根性まで、酒浸りに腐れてしまったの?」
「あの手の咎人は兎角に恨みを買いがちよ。二の足を踏んでいるうち、復讐の機まで誰かに奪われて、それでも貴方は構わないのかしら?」
【だが、 ─── なればこそ、女は感情を垣間見えさせた。冷たく突き放すようでありながらも、問い詰めるような口調であった。】
【"自分なら真っ先にそうしている"。 ─── そう言いたげであった。男の心が折れているのであれば、その情けなさを許せぬと。】
【或いは彼女もまた、かの"咎人"を許せぬのかもしれない。友人と、その恋慕の相手を、嘲弄した。それだけで誰かを殺す理由には十分過ぎた。】
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