過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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143:アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk[saga sage]
2018/08/11(土) 20:47:50.30 ID:3gt90YRl0
>>135

「ッッ――――貴様、まだ生きて――――!」

【左肩にアルクを担いだまま、ラベンダーはなお立ち上がる男を睨みつけた。半分落ちくぼんだ頬の傷に、声を震わせながら】
【本人にも、これらの現象は影響していた。それは確かだ。なら――――あの爆発の直撃を浴びてなお、倒れ伏す事のないこの男は】
【一体どうすれば無力が出来るというのだろうか。更に、これでとどまらないというその力の範疇にも、底知れないものを感じさせる】

ぅ、ぶ……ッっほ…………ッ!
「くっ――――!!」

【更なる男の能力の発動――――空間全体が、更なる変容に震える】
【今更ながらに理解できたが――――この男、後天的に獲得した能力に、振り回されているのだ。なら、今までの減少にも、溜飲が下がることが出てくる】
【だが、そんな事をあれこれと言っている場合ではない――――アルクの首の盲貫が、更に抉り回され――――徐々に、致命的な動脈へと近づき】
【その口からは、まるでうがいでもしているかの如く、景気よく血がぶちまけられた】
【ラベンダーもまた、腕と顔の傷に激しい痛みが走る。まだ戦闘は可能だが、既に大きなダメージを浴びている身だ。アルクをかばいながら、いつまで持つか分からない】

「っ、これは――――!?」

【そうして、更に展開された空間は――――呆気に取られるほど、これまでの有様に似合わない世界だった】
【子供を寝かしつける母親。ごく幸せそうな、家庭の様子――――今までの、どの悪夢とも異質である】
【これが、この男の悪夢なのだろうか――――ラベンダーは、戦意さえ喪失するほどに疑問が重なった。この世界は、何の悪夢を象徴しているのか――――】

「ッッ、だ、ダメです――――!!」
っぐ、ぅ……、ぁ、ぁ、ぁ、あッ!!

【そして更に不可解な事に――――自分たちの傷が、治り始めた。まるで、この場の穏やかな空気に連動している様に】
【だが――――その時、ラベンダーの胸中に、底冷えする様な戦慄が走った――――このままでは、確実にアルクが死ぬ】
【体内に銃弾が残ったまま、傷がふさがってしまえば――――それは、生きた人間に爆弾を埋め込むようなものだ】
【半ば反射的に、ラベンダーはその場にアルクを下ろすと、左手の硬質化した指先で、塞がろうとしている傷口を、慎重に抉る】
【治癒と損傷の同時進行に、アルクは普段からは想像もつかない、潰れたカエルの様な悲鳴を上げる――――もし失敗すれば、傷口に銃弾を押し込んで、動脈が破れてお終いだ】
【――――そこで、銃弾を摘出できたことは、もはや1つの奇跡だったのだろう】

「――――良くはわからないけど、あの男の意識を落としてしまえば、もう悪夢は表には出てこない――――!」

【アルクにつきっきりで、男の事を忘れていたラベンダー。だが、男はただ蹲りのたうち回るばかりだ】
【――――今こそが好機。結局血まみれのままのアルクをその場に残し、ラベンダーは男に飛び掛かり、組み伏せようとした】
【締め上げて、そのまま意識を完全に落とさせようと――――】

>>137

「――――今、それどころじゃないんです! 同行者がやられて、命が危ない状態に!!
 ――――今、私たちは『子供部屋』で戦ってます!」

【――――先ほどのアルクの報告の続きの様に、ラベンダーはがなり立てる。ただ端的に、状況だけを説明して】


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