過去ログ - 【Fifth】幻想的な画像に設定足して世界作ろうず【Genesis】
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52:名無しのパー速民[sage]
2018/06/20(水) 20:17:32.27 ID:y4U7AypG0
まほろばと旧き魔術【小人/霊力/遭遇】

「まほろば」は、捕えた小人を生きたまま学会の場に晒し、自分を追いやった偏屈な学者共を負かしてやる、という時崎の私怨の元、
一先ず瓶詰め状態の小人を、サークルの部室へ持ち帰る事となった。
しかし、その話を聞いていた小人から思わぬ提案が為される。
それは自分を見逃す代わりに、彼らの持つ力を彼女らに授ける、というものだった。
小人曰く、彼らはあらゆる願望を叶える力――【魔術】を扱える。
この小人に近付くと姿が見えなくなった現象は、彼が自らに掛けた魔術に依るものだった。
では何故、最初から誰にも認識されなくなる魔術を使わなかったのか、当然この疑問が浮かぶ。
その疑問に対し、小人は「それでは代償が大きく付いてしまう」と答えた。

彼らの扱う魔術とは『生命力を糧に世界と契約し、願望を叶える技術』なのだという。
『視認されづらくする』ならばわずかな生命力で済むが、『全く認識されないようにする』場合、世界に要求される生命力が多く、彼はそれを良しとしなかった。
それに、そこまでせずとも、小人ほどの体躯ならば人目に付きづらく、距離次第で視認出来なくするだけで本来は十分で
彼女達のように、最初から捕獲するつもりで周到に準備されない限り、問題無かったのだ。

一通りの魔術の説明を受け、まほろばはしばしの談議に移る。果たしてこの技術の伝授が、この小人を見逃すに値するか否かを決める為に。
学会で公表して雪辱を果たしたい時崎、魔術の全貌と今後の発展性に興味を抱く星野、小人が嘘を付いている可能性を考える境井で意見は三分してしまう。
しかし、ここで意見の拮抗を破る小人の言が投げ込まれる。
「取引に応じなくでも、或いは応じた振りをして反故にしようと、それが分かった時点で自ら命を絶つ事など容易に出来る。
 仮に遺骸を世間に晒そうと考えていても、永劫に誰からも認識されない魔術を使った上で死ぬまでである」と。
魔術が如何なるものかを知らされている今の三人にとって、その言葉は脅し文句として十全に機能した。
結果、時崎が考えを改め、境井も星野の意見に同調した事で、交渉は小人の提示した通りで妥結した。

――いよいよ魔術の伝授である。
小人は意識を己の内に向ける。第一段階、小人は脳器官から魂へ続く回路を生命力で拡張する。
拡張された回路を通り、生命力は魂へと転送、転送先の魂にて、生命力は霊力へと変換される。
魂より還された霊力は小人の居る三次元世界へ降りる。
降りてきた霊力は、より様々な作用を起こせる下準備として、再び小人の生命力を用いて『加工』を施す。
この直後、加工によって術式が施された霊力は、その情報を『世界』、またの名を『世界精神』へと伝達。
しばし待ち、霊力は世界から伝達された術式を認識した。術式の構築が成功した証だ。
加工済みの霊力は受け取った術式に従って動き出す。ここからが境井の頑張り所である。

小人の下を離れ、加工済み霊力は境井の頭から脳、そして、その先の境井の魂を目指す。
それまで閉じられていた境井の回路を抉じ開けるべく、霊力は一心不乱だ。
それまでぴたりと閉じて、一片の穢れも知らない純潔の秘所のようであったのに、それを少しずつ、少しずつ……
這うように歩くように駆けるように、削るように掘るように抉るように、回路は解され、霊力を更に奥へと誘う。
そうして、境井の意識は内側へと落ちていく――


――そうしてどれだけ経ったか。境井は、時崎と星野の呼び掛けで意識を引き戻した。
心配顔の親友と師の表情を見ても、まだ自分の状況に理解が追いついていない。
脳が目覚め、思考が少しずつ冴えてくると、境井はこれまでと景色が変わっている、そう感じていた。

小人は契約に従い、まほろばに魔術を与えた。
三人は人知れず魔術を操る者となり、後にこの技術を応用した新技術の発明をも果たす。
この一連の出来事が、数年後に訪れる文明崩壊の予兆を彼女らに報せ、それらに対抗する力となる。
少女の時を越えた人類存亡の戦いと復讐劇の幕が、この時、切って落とされた。


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