【浮かれた】幼なじみのお部屋で寝落ち・・・13回目【大学生】
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さや
◆0j8YIq7DEniB
2015/05/17(日) 00:04:57.29 ID:mGDpkORTo
優しく撫でられると、つい縋り付きたくなってしまう。
だから、自分からその手を止めた。
「ごめん……本当のこと言うね」
掴む力が強張っていく私の手を、彼が優しく包んでくれる。
その手で続きを促されて、ゆっくり言葉にした。
「本当は、…私から、言い出したの…。私が、自分で…どうしても、やりたかったから…」
急遽入った仕事なのは本当だ。
でも、まるで仕方なく入れられたかのように言った言い方は、嘘だった。
卑怯で打算的な言い方を、思わずではあるけど、意図的にした。
彼から言葉を待たずに、私は話を続けていた。
何の言い訳か、何を言いたいのか、その仕事についての話をまくし立てるようにしている。
彼はそんな話が聞きたいわけじゃないなんてこと、わかっているのに…。
「わかった。わかってるから…気にしなくていいって」
「……ごめん」
宥めるように止めてくれて、またさっきみたいに優しく撫でてくれる。
「…はは。かわいいなー。言ってくれてありがとね」
「……うん」
ほんとにもう…。
言って欲しい言葉を、きっちり言ってくれる。
優しい声音で笑いかてくれる彼の表情は、きっといつもの温かい笑顔なのだろう。
そう信じて顔を上げると、彼は力ない笑顔をしていた。
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