【浮かれた】幼なじみのお部屋で寝落ち・・・13回目【大学生】
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さや
◆0j8YIq7DEniB
2015/05/17(日) 00:08:26.84 ID:mGDpkORTo
ただ繰り返し謝る私に、宥め続ける彼。
きっと彼はもう謝ってほしくないのだろう、というのはわかっていた。
それでも私には、それしかできることが思い浮かばなかった。
弱々しい笑顔を、彼自身は見つけてほしくなかったのかもしれない。
見てないふりをしてほしかったのかもしれない。
それでも見てしまったから。
何かをせずにはいられない。
そんな、自己満足な謝罪。
それを彼の言葉が止めてくれた。
「…頑張ってるさやを、俺がとめられるわけないだろ」
ゆっくり、諭すように告げられた言葉は、私の中にすっと入っていく。
そして、それはすぐに消えず、火が燻るようにいつまでも微かに残っていた。
彼の本心であり、本意ではない言葉。
きっとそれは、私にとっても…
「…じゃあ、譲歩案」
彼の言葉が考えを遮った。
黙っていた私の顎を持ち上げ、しかめた顔をぐっと寄せてくる。
そして、しょうちゃんは耳打ちで素敵な提案をしてきたのだった。
「…………」
「なっ…!?」
………ど変態か!
もちろん、それをするであろう私がである。
いや、いやいや、いやいやいや。
いやいや、悪いのは私だけど…でもさすがに…でもそれで許してくれるのなら……。
数度の押し問答の末。
「できない?」
「…………わ、わかった」
こうしてサンタクロースは、クリスマスの幾日か前にやってくる約束をした。
…不本意ながら。
結果から言えば、その日が訪れることはなかった。
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