【浮かれた】幼なじみのお部屋で寝落ち・・・13回目【大学生】
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317:さや ◆0j8YIq7DEniB
2015/05/17(日) 00:02:05.14 ID:mGDpkORTo


どうしてこの部屋はこんなに暖かいのだろう。

あるのはこたつだけでエアコンも付いていないのに、この部屋に入ると身体の芯から温まっていく。

「つめたっ。早くあっためないと…」
「っ…。だ、大丈夫…」

かかる吐息は温かいのに、ぞくっと鳥肌が立つのは一体どういう仕組みなのか…。

「んむ…」
「ひゃっ…ちょっ、やめて!」

耳元から彼を引き離して、こたつに座らせる。
今日は微睡んでいる場合じゃないのだ。
…許されるのなら、また後でにしてほしい。


「それで、どうしたの?」

しょうちゃんから切り出してくれた。
ただ「今日行くね」とだけ言っていたけど、何か話があるのはわかっていたのだろう。

不安など微塵もない彼の表情から、私は思わず顔をそらしてしまう。
自分の手元に視線を向け、言い淀みながらもなんとか私は告げた。



「あの…クリスマス、なんだけどね……24と25、仕事が入っちゃって…」

…この言い方はずるい。自分でもわかっている。
それに、嘘もついているのだから尚更悪い。

「…そっか。残念だけど…まあ、しょうがないよね」

ほら。
こういう言い方をすれば、こう言うしかないのだ。

「ごめんね…。約束してたのに、ほんとに…ごめんね」
「ううん。まだちゃんと決めてなかったし。仕事頑張ってね」

優しい言葉をかけてくれる彼に、私はただ謝るしか出来なかった。
目も合わせられない。
見れないけど、きっと優しく微笑みかけてくれているのだろう。

私の大好きで愛おしくてたまらない笑顔がすぐ近くにあるのに、
私は後ろめたさから見ることが出来なかった。

暖かい彼の部屋なら、どんな事でも溶かしてくれる気がしていた。





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