プリキュアやめた
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10:名無しNIPPER[sage saga]
2025/01/04(土) 21:16:18.20 ID:4VUIgo16o
「偶然だねぇ、ほんと。こんな時間だし。みぃちゃんはなにしてたの?」

「仕事」

「ほぇ……女優さんは大変だぁ」

思わず舌打ちしそうになる。昔からそうだった。

「そういえばこの前のドラマ見たよ! わたし録画して何回も見直しちゃった!」

「あんなの端役だから」

馬鹿で無邪気で純粋で、なのになぜか的を射たことを言われたような感覚。

「それでもだよ! 中学の頃、いつかドラマに出たいって言ってたでしょ?」

心の一番隠しておきたい場所にズカズカ踏み込まれたような嫌な気分。

「小さな一歩かもしれないけど、夢が叶ってよかったね! みぃちゃん!」

どこまで逃げても先回りされているような気味の悪さ。

こういうところが大嫌いだった。

「そっちこそなんでこんな時間に?」

「あ、今日は女子会というか……プリキュア女子会?みたいな?」

「へぇ……」

「たまにみんなで集まってね、近況報告とかしあってるの。今日もそれで」

あの子はみんなの話をした。

誰がなんとかという賞をとったとか、なんとかという大会で優勝したとか、そういう話を自分の事のように嬉しそうに話した。

その話のひとつひとつが、私を責めるためにあるような気がした。

「それでね、みんなで集まってるんだけどね……みぃちゃんの連絡先、誰も知らなくて……」

あの子は不安がちに目を伏せ、指先を遊ばせる。そういう些細な仕草にすら波が立った。

「ねぇ、みぃちゃん……もしよかったらなんだけど、次の機会にはさ、みぃちゃんにも来てほしいんだ」


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